以下、本発明の遊技機の一実施形態を、添付図面を参照しながら詳述する。なお、この実施形態は、本発明を限定するものではない。なお、以下の説明において遊技機の各部の基準となる方向は、その遊技機の正面に対面する遊技者の視点(正面視)に合わせて説明する。
(スロットマシンの外部構成)
図1に示すように、本実施形態の遊技機であるスロットマシンSは、箱型をなし前面の開口部を開閉可能な前扉2を設ける筐体1と、前扉2の前面には、左リール3L、中リール3C、右リール3R(以下、まとめてリール3L〜3Rともいう)から構成されるリール3において、リール3の外周面に21の領域(以下コマともいう)に区画されて配列された複数種類の図柄(リプレイ図柄RP、ベル図柄BL、スイカ図柄WM、チェリー図柄CH、ボーナス図柄白7等)のうち、外周面に回転方向へ連続して配列されている3つの図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)を前方から視認可能とするとともに表示位置(上段、中段、下段)が設定された表示窓4と、表示窓4の下方にあってクレジット数(最大で50枚のメダル数に制限)を表示するクレジット数表示器及び入賞時の配当メダル数を表示する払出表示器等を有する7セグメント表示器から構成される遊技情報表示部8とが設けられる。
前扉2の前面から前方へ突出する操作部OPの上面には、遊技媒体をなすメダルが投入され、内部にメダル投入を契機に作動するメダル投入スイッチ9aを設けたメダル投入口9と、押下操作により内蔵するベットスイッチ10aが作動することによって、予めメダル投入口9に投入されて、電子的に貯留(以下、クレジットという)されたメダル、換言すると、メダル投入スイッチ9aの作動を契機に後述するメインメモリ190に記憶されたメダル情報のうち遊技を行うためのメダルの枚数(規定投入数)を設定(以下、ベットという)可能なベットボタン10とが設けられる。また、操作部OPの垂直面には、押下操作により内蔵するスタートスイッチ15aが作動することによって、リール3L〜3Rの回転を始動可能なスタートレバー15と、リール3L〜3Rのそれぞれに対応し、押下操作により内蔵するストップスイッチ16aが作動することによって、リール3L〜3Rの回転をそれぞれ停止可能な左ストップボタン16L、中ストップボタン16C、右ストップボタン16R(以下、まとめてストップボタン16L〜16Rともいう)から構成されるストップボタン16とが設けられる。さらには、操作部OPの下方には、メダル払出口18から払い出されたメダルを溜めておくためのメダル受皿19が設けられる。
前扉2における表示窓4の上方には、演出手段600を構成する、複数種類の動画または静止画像を表示可能な演出表示部5と、複数種類の効果音や楽曲が出力されるスピーカ6と、複数種類の点滅パターンを有する演出ランプ7とが設けられている。
本実施形態のスロットマシンSは、各リール3L〜3Rにおいて表示窓4に表示される中段図柄に対応して、表示窓4に対して左右方向に1本の入賞判定ラインLが設定される。後述する1遊技(1回の遊技)に必要となるメダルの数、いわゆる規定投入数である3枚が設定されることにより入賞判定ラインLが有効化される。
また、スロットマシンSは、遊技の状態に係る情報(例えば、ビッグボーナスBBの入賞や、後述するAT抽選の当選等の回数等)を集計し管理する外部装置であるホールコンピュータHCに接続されている。
(スロットマシンの内部構成)
筐体1の内部には、リール3及びリール3を回転、停止制御可能な駆動源を含むリールユニット310(図2参照)と、メダルを貯留するメダル貯蔵タンク(図示省略)と、貯留しているメダルを1枚単位で払い出し可能なホッパーユニット320と、スロットマシンSに対して外部からの電力を供給可能な電源ユニット(図示省略)と、後述するメイン基板(メイン制御手段)100とサブ基板(サブ制御手段)500(ともに図2参照)とが設けられる。メイン基板100とサブ基板500は、メイン基板100からの信号が送信可能な単方向通信で接続されている。
次に、図2を参照して本実施形態のスロットマシンSの機能を説明する。
(メイン基板100)
図2に示すように、本実施形態のスロットマシンSには、遊技を統括的に制御するメイン基板100が設けられ、メイン基板100は、入力手段であるメダル投入スイッチ9a、ベットスイッチ10a、スタートスイッチ15a、ストップスイッチ16a等が作動の際に発信する入力信号を受信し、受信した入力信号等に基づいて、遊技を実行するための各種の演算処理を行うとともに、演算処理の結果に基づいて、出力手段であるリールユニット310やホッパーユニット320等の出力動作の制御を行うものである。メイン基板100の機能は、CPUが所定のメモリに格納されたプログラムからなるソフトウエアを実行することにより実現される。
また、図2に示すように、メイン基板(メイン制御手段)100は、遊技制御手段110と、フリーズ演出制御手段120と、回胴演出制御手段130と、回胴演出ゾーン管理手段135と、コマンド管理手段140、信号出力手段150と、メインメモリ(メモリ)190とを含んで構成される。
ここで、メインメモリ(メモリ)190は、本実施形態のスロットマシンSにおけるシステムプログラムが記憶されたROMと、メイン基板100で生成されるシステムプログラムで使用するフラグや演算した値等の各種データが記憶されるとともに、ワークエリアとして使用されるRAMとによって構成される。
具体的には、メインメモリ190は、遊技制御手段110等が処理に要する情報を格納するためのテーブル等を記憶している。
(遊技制御手段110)
遊技制御手段110は、メダルがメダル投入口9に3枚投入されるか、または、メダルがクレジットされた状態でベットボタン10の押下操作がされてベットされることに基づいて、スタートレバー15の操作を有効化するとともに、入賞判定ラインLを有効化する処理を行う。続いて、スタートレバー15の押下操作を契機に、リール3L〜3Rを回転制御するとともに、乱数値を用いた役の当選、非当選(以下、ハズレともいう)を決定する内部抽選を、メインメモリ190に記憶された内部抽選テーブルを参照して実行し、リール3L〜3Rの回転速度が所定の速度まで上昇したことを条件とし、ストップボタン16L〜16Rへの操作を有効化する処理を行う。続いて、任意のタイミングでストップボタン16L〜16Rが押下操作されたことに基づいて、内部抽選の結果に応じた停止位置で回転中のリール3L〜3Rを、メインメモリ190に記憶された停止制御テーブルを参照等して停止制御する。停止したリール3において、入賞判定ラインL上に表示された図柄の組合せが、入賞形態を示す図柄の組合せ(以下、図柄組合せという)であるか否かを、メインメモリ190に記憶された入賞判定テーブルを参照することによって入賞したか否かを判断し、役が入賞したと判断した場合は、役の配当(入賞した際のメダルの払出数)に応じた枚数のメダルをホッパーユニット320に払出させる制御を行い、メダルをメダル払出口18からメダル受皿19へ払い出させる。また、遊技制御手段110は、後述する役のうちリプレイが入賞したことに基づいて、遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を投入せずに前回の遊技と同じ枚数分のメダルを自動的に投入状態とする自動投入処理を行う。また、遊技制御手段110は、内部抽選や遊技状態等の上記処理の結果に係る情報や、後述するコマンド管理手段140が設定するフラグ等に係る情報等をコマンド信号としてサブ基板500へ送信する。
なお、以下の説明において、スタートレバー15の押下操作によりリール3L〜3Rが回転してから、ストップボタン16L〜16Rの押下操作によりリール3L〜3Rが停止した結果、入賞判定ラインL上に表示された図柄組合せに基づく処理が完了するまでを1遊技(1ゲーム)とする。
以下、遊技制御手段110が行う主な処理及び制御について詳説する。
(内部抽選)
遊技制御手段110は、内部抽選において参照する内部抽選テーブルを、後述する遊技状態等に応じて、メインメモリ190に記憶されている複数の内部抽選テーブルから選択する内部抽選テーブル選択処理を行う。
図3に示すように、内部抽選テーブル選択処理において、選択対象となる各内部抽選テーブルA〜Dには、複数の乱数値(例えば、0〜65535の乱数値)のそれぞれに対して、小役、リプレイ、ビッグボーナスBBなどの各種の役及びこれらの役に当選しない不当選(ハズレともいう)のいずれかが対応するように設定されている。
本実施形態のスロットマシンSにおいて小役は、ベル、チェリー、特殊小役1〜5(単に、特殊小役ともいう)が設定されており、小役毎に、配当や、入賞形態を示す図柄組合せの数が互いに異なる場合があるように設定されている。図3に示す内部抽選テーブルA〜Cにおける打順小役1〜5は、1回の内部抽選で複数種類の小役(ベル及び特殊小役)が同時に当選するように同一の乱数値に対して複数種類の小役が対応づけられる当選領域(役群)であって、当選した場合に、ストップボタン16L〜16Rの押し順(操作手順)に応じて、入賞する役が異なるようになっている。
具体的には、図3及び図4に示すように、打順小役1としてベル及び特殊小役3が、打順小役2としてベル、特殊小役1及び3が、打順小役3としてベル、特殊小役2及び3が、打順小役4としてベル、特殊小役1及び4が、打順小役5としてベル、特殊小役2及び4が、それぞれ同一の乱数値に対応づけられている。
内部抽選テーブルA〜Cでは、上述の通り打順小役1〜5がそれぞれ当選する場合があるように、また、内部抽選テーブルDではベルが単独で、内部抽選テーブルA〜Dではチェリーが単独で当選する場合があるように、役と乱数値との対応関係が設定される。
また、本実施形態のスロットマシンSでは、リプレイとして、リプレイA〜Gが設定されている。図3に示す内部抽選テーブルA〜Cにおける打順リプレイ1〜6は、1回の内部抽選で複数種類のリプレイが同時に当選するように同一の乱数値に対して複数種類のリプレイが対応づけられる当選領域(役群)であって、当選した場合に、ストップボタン16L〜16Rの押し順(操作手順)に応じて、入賞する役が異なるようになっている。
具体的には、図3及び図5に示すように、当選領域である、打順リプレイ1(第2役群)としてリプレイA、及びD〜Fが、打順リプレイ2(第2役群)としてリプレイA、B、及びD〜Fが、打順リプレイ3(第2役群)としてリプレイA〜Fが、打順リプレイ4(第1役群)としてリプレイA、及びE〜Gが、打順リプレイ5(第1役群)としてリプレイA、B、及びE〜Gが、打順リプレイ6(第1役群)としてリプレイA〜C、及びE〜Gが、それぞれ同一の乱数値に対応づけられている。
図3に示すように、内部抽選テーブルAでは、リプレイA及び打順リプレイ1〜6(リプレイの合算当選確率:約1/7.3)が、内部抽選テーブルBでは、リプレイA及び打順リプレイ1〜6(リプレイの合算当選確率:約1/1.5)が、内部抽選テーブルCでは、単独でリプレイA(リプレイの合算当選確率:約1/3.8)が、当選する場合があるように役と乱数値との対応関係がそれぞれ設定され、内部抽選テーブルDでは、リプレイが内部抽選の対象から除外されている。
また、本実施形態のスロットマシンSでは、ボーナスとしてビッグボーナスBBが設定されており、内部抽選テーブルA及びBでは、ビッグボーナスBBが抽選対象として設定されているが、内部抽選テーブルC及びDでは、ビッグボーナスBBが抽選対象から除外されている。
本実施形態のスロットマシンSでは、後述する遊技状態として、通常状態、ビッグボーナス内部状態、またはビッグボーナス状態が、また、通常状態においては後述するリプレイの抽選状態として、リプレイ低確率状態またはリプレイ高確率状態(リプレイタイム状態:RT状態)が設定可能とされており、内部抽選テーブル選択処理では、遊技状態、及びリプレイの抽選状態に応じて内部抽選テーブルA〜Dのいずれか1つを内部抽選で使用する内部抽選テーブルとして選択する。
そして、遊技制御手段110は、スタートレバー15の押下操作を契機に取得した、メイン基板100に設けられた乱数生成手段(図示省略)により生成された乱数値に基づいて、選択した抽選テーブルを参照して、役の当否を決定する内部抽選を行う。
(リール制御処理)
遊技制御手段110は、リール3L〜3Rの回転及び停止を制御するリール制御処理を行う。
遊技制御手段110は、リール制御処理として、主にスタートスイッチ15aの入力信号に基づいて、リール3L〜3Rを回転させるリール回転制御と、ストップスイッチ16aの入力信号に基づいて、左ストップボタン16Lに対応した左リール3Lを、中ストップボタン16Cに対応した中リール3Cを、右ストップボタン16Rに対応した右リール3Rを、内部抽選の結果に応じた態様で停止させるリール停止制御とを行う。
ここで、遊技制御手段110は、リール停止制御として、リール3L〜3Rを停止する際、ロジック演算により回転中のリール3L〜3Rの停止位置を決定するための処理として、役毎に定められた優先順位データに基づいてストップスイッチ16aの作動時点(ストップボタン16L〜16Rの押下操作が検出された時点)におけるリール3L〜3Rの位置である押下検出位置から0〜4コマの範囲内に存在する5コマ分の停止位置の候補に対して優先度を求めるロジック演算処理と、メインメモリ190の停止制御テーブル記憶手段(図示省略)に記憶されている停止制御テーブルを参照して回転中のリール3L〜3Rの停止位置を求める処理であるテーブル参照処理とを行っている。
例えば、ロジック演算処理において内部抽選で複数種類の小役が当選した場合における停止位置の候補についての優先度を求める方法は、入賞判定ラインL上に表示可能な図柄組合せの種類に応じて優先度を求める場合と、小役に予め定められている配当に応じて優先度を求める場合とが設定されている。また、ロジック演算処理では、リール停止制御の際、最大4コマ先の図柄を引き込み可能として、当選した役を入賞させることができるようにリール3L〜3Rを停止させる制御処理(引き込み処理)または、当選していない役を入賞させることができないように、リール3L〜3Rを停止させる制御処理(蹴飛ばし処理)を行うための停止位置を決定する。
一方、テーブル参照処理では、上述のようにロジック演算処理を行った結果、最も優先度の高い停止位置の候補が複数得られた場合に、いずれの位置を停止位置とするかを、メインメモリ190に記憶されている停止制御テーブルを参照して決定する。停止制御テーブルは、役の当選または非当選に応じて押下検出位置と実際の停止位置との対応関係が設定されている。
遊技制御手段110は、ロジック演算処理及びテーブル参照処理を適宜行うことにより、打順小役1〜5や打順リプレイ1〜6が当選した際に、ストップボタン16L〜16Rの押下順序、換言するとリール3L〜3Rの停止操作順序に応じて、停止位置を決定して入賞する役が異なるように制御している。
図6に示すように、打順小役1〜5に対して、ロジック演算処理及びテーブル参照処理のいずれにおいても共通する正解押し順と不正解押し順とが設定されており、内部抽選で、打順小役に当選した際、正解押し順でストップボタン16L〜16Rが押下操作された場合には、ストップボタン16L〜16Rの押下タイミングに関わらずベルが入賞するようにリール3L〜3Rが停止制御され、不正解押し順でストップボタン16L〜16Rが押下操作された場合には、ストップボタン16L〜16Rの押下タイミングによっては特殊小役が入賞する場合と、いずれの小役も入賞しない(取りこぼす)場合があるようにリール3L〜3Rが停止制御される。
なお、特殊小役を取りこぼした際には、特定の図柄組合せから構成されたRT変動ブランクが表示される。後述するように、RT変動ブランクはリプレイの抽選状態の転落契機となる図柄組合せとなっている。また、ベルは特殊小役よりも配当が多いため、遊技者は、打順小役当選時に正解押し順で操作したことによって、不正解押し順で操作した場合と比較してメダルを多く獲得することができるようになっている。
図7に示すように、打順リプレイ1〜6に対しては、上述のような正解押し順や不正解押し順が設定されていないが、内部抽選で、図5に示す打順リプレイ1を構成するリプレイA、及びD〜Fが同時に当選した場合に参照される停止制御テーブルにおいて、左ストップボタン16Lが最初に押下操作されるストップボタン16L〜16Rに対する押し順(以下左1stという)である押し順1(左ストップボタン16L→中ストップボタン16C→右ストップボタン16Rの順序、以下符号と矢印のみで示す)または押し順2(16L→16R→16C)で押下操作された場合にはリプレイAが、中ストップボタン16Cが最初に押下操作されるストップボタン16L〜16Rに対する押し順(以下中1stという)である押し順3(16C→16L→16R)または押し順4(16C→16R→16L)で押下操作された場合にはリプレイDが、右ストップボタン16Rが最初に押下操作されるストップボタン16L〜16Rに対する押し順(以下右1stという)である押し順5(16R→16L→16C)で押下操作された場合にはリプレイEが、同じく押し順6(16R→16C→16L)で押下操作された場合にはリプレイFが、それぞれ、ストップボタン16L〜16Rの押下タイミングに関わらず入賞するように押下検出位置に対する停止位置が設定されている。
また、内部抽選で打順リプレイ2を構成するリプレイA、B、及びD〜Fが同時に当選した場合に参照される停止制御テーブルにおいて、押し順1(16L→16C→16R、以下省略)で押下操作された場合にはリプレイEが、押し順2(16L→16R→16C、以下省略)で押下操作された場合にはリプレイFが、中1st(16C→16L→16R、16C→16R→16L、以下省略)で押下操作された場合にはリプレイBが、右1st(16R→16L→16C、16R→16C→16L、以下省略)で押下操作された場合にはリプレイDが、それぞれ、ストップボタン16L〜16Rの押下タイミングに関わらず入賞するように押下検出位置に対する停止位置が設定されている。
また、内部抽選で打順リプレイ3を構成するリプレイA〜Fが同時に当選した場合に参照される停止制御テーブルにおいて、左1st(16L→16C→16、16L→16R→16C、以下省略)で押下操作された場合にはリプレイDが、押し順3(16C→16L→16R、以下省略)で押下操作された場合にはリプレイEが、押し順4(16C→16R→16L、以下省略)で押下操作された場合にはリプレイFが、右1stで押下操作された場合にはリプレイCが、それぞれ、ストップボタン16L〜16Rの押下タイミングに関わらず入賞するように押下検出位置に対する停止位置が設定されている。
また、内部抽選で打順リプレイ4を構成するリプレイA及びE〜Gが同時に当選した場合に参照される停止制御テーブルにおいて、左1stで押下操作された場合にはリプレイAが、押し順3で押下操作された場合にはリプレイFが、押し順4で押下操作された場合にはリプレイEが、右1stで押下操作された場合にはリプレイGが、それぞれ、ストップボタン16L〜16Rの押下タイミングに関わらず入賞するように押下検出位置に対する停止位置が設定されている。
また、内部抽選で打順リプレイ5を構成するリプレイA、B、及びE〜Gが同時に当選した場合に参照される停止制御テーブルにおいて、左1stで押下操作された場合にはリプレイGが、中1stで押下操作された場合にはリプレイBが、押し順5で押下操作された場合にはリプレイFが、押し順6で押下操作された場合にはリプレイEが、それぞれ、ストップボタン16L〜16Rの押下タイミングに関わらず入賞するように押下検出位置に対する停止位置が設定されている。
また、内部抽選で打順リプレイ6を構成するリプレイA〜C、及びE〜Gが同時に当選した場合に参照される停止制御テーブルにおいて、押し順1で押下操作された場合にはリプレイFが、押し順2で押下操作された場合にはリプレイEが、中1stで押下操作された場合にはリプレイGが、右1stで押下操作された場合にはリプレイCが、それぞれ、ストップボタン16L〜16Rの押下タイミングに関わらず入賞するように押下検出位置に対する停止位置が設定されている。
(遊技状態移行制御)
遊技制御手段110は、所定の移行条件の成立に基づいて、内部抽選の際に参照する内部抽選テーブルとして、内部抽選テーブルAまたはBが適用される通常状態、同じく内部抽選テーブルCが適用されるビッグボーナス内部状態、及び同じく内部抽選テーブルDが適用されるビッグボーナス状態の間でそれぞれ遊技状態を移行させる遊技状態移行制御を行う。
遊技状態移行制御では、所定の移行条件として、ビッグボーナス状態の終了を契機として通常状態へ移行させ、内部抽選によるビッグボーナスBBの当選を契機としてビッグボーナス内部状態へ移行させ、ビッグボーナスBBの入賞形態を示す図柄組合せ「白7・白7・白7」が入賞判定ラインL上に表示されたこと(図1参照)を契機としてビッグボーナス状態への移行を決定しビッグボーナス状態へ移行させる制御を行う。
ここで、通常状態では、リプレイの抽選状態として、内部抽選テーブルA(リプレイの当選確率:約1/7.3)を参照した内部抽選が行われるリプレイ低確率状態と、内部抽選テーブルB(リプレイの当選確率:約1/1.5)を参照した内部抽選が行われるリプレイ高確率状態(RT状態)とが設定されている。リプレイ低確率状態において特定の図柄組合せが入賞判定ラインLに表示されたことを契機にリプレイの抽選状態はリプレイ高確率状態へ移行する。また、リプレイ高確率状態において転落リプレイであるリプレイDの入賞、または特殊小役を取りこぼした際に表示される、RT変動ブランクが入賞判定ラインLに表示されたことを契機にリプレイの抽選状態はリプレイ低確率状態へ移行する。一方、通常リプレイであるリプレイA〜Cは、入賞した場合であっても転落リプレイのように、リプレイの抽選状態に影響を及ぼすものではない。
また、ビッグボーナス状態では、ビッグボーナス状態において払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判断し、予め定められた所定枚数(例えば、300枚)を超えるメダルが払い出されると、遊技制御手段110は、ボーナス状態の終了を決定し、ボーナス状態を終了させて、遊技状態を通常状態へ移行させる制御を行う。
なお、遊技制御手段110は、メインメモリ190に設定されたメインフラグ記憶手段(図示省略)に、遊技状態に対応するフラグを設定または消去することによって、遊技状態を移行させるような制御を行っている。
(フリーズ演出制御手段120)
フリーズ演出制御手段120は、リール3のリール回転制御を含む遊技の進行に関する制御処理を所定期間、待機状態(フリーズ状態)とするフリーズ演出制御を行う。
フリーズ演出に係る処理の対象には、例えば、メダル投入口9へのメダルの投入、ベットボタン10の押下操作、スタートレバー15の押下操作、ストップボタン16L〜16Rの押下操作、メダルの払い出しに関する制御処理など、遊技を進行するための制御処理の一部又は全部が含まれる。このフリーズ状態は、メダル投入スイッチ9a、ベットスイッチ10a、スタートスイッチ15a、またはストップスイッチ16aを無効とする処理等により達成される。また、フリーズ状態とする期間も複数設定されており、遊技状態や、無効とするスイッチの種類に応じて、または抽選により変化するようになっている。
(回胴演出制御手段130)
回胴演出制御手段130は、遊技制御手段110によるリール3のリール制御処理とは異なる回動態様で一演出としてリール3を回動させる回胴演出制御を行う。
回胴演出としては、例えば、リール3を振動させたり、全てのリール3を一気に逆回転させたり、1リールずつ所定期間をおきながら正回転または逆回転させたり、回動速度を遅くしたりする回胴演出の実行制御を行う。回胴演出制御手段130は、後述する特化ゾーンの種類に応じて、リール3を異なる回動態様となるように回胴演出制御を行う。
(回胴演出ゾーン管理手段135)
回胴演出ゾーン管理手段135は、後述する特化ゾーン(第1特化ゾーンまたは第2特化ゾーン)と同期して、所定遊技区間(例えば、1セット6ゲーム)、回胴演出制御手段130が連続して回胴演出制御を行う回胴演出ゾーンを管理する。
具体的には、回胴演出ゾーン管理手段135は、後述するコマンド管理手段140による第1特化ゾーン開始フラグ、または第2特化ゾーン開始フラグの設定に基づいて、予め定められた所定値(例えば、6)をメインメモリ190に設定された回胴演出ゾーンカウンタ(図示省略)に設定するカウンタ設定処理を行うとともに、回胴演出ゾーンで遊技が行われる毎に、回胴演出ゾーンカウンタのカウント値をデクリメントするデクリメント処理を行う。その結果、回胴演出ゾーンカウンタのカウント値が「0」に達したことに基づいて、後述するコマンド管理手段140が第1特化ゾーン開始フラグ、または第2特化ゾーン開始フラグを消去(クリア)することによって、回胴演出ゾーン管理手段135は回胴演出ゾーンを終了させる制御を行う。すなわち、回胴演出ゾーン管理手段135は、所定値(「6」)に対応する遊技回数(6回)を1セットとして回胴演出ゾーンを管理している。
また、回胴演出ゾーン管理手段135は、回胴演出ゾーン状態の遊技において、全ての役の当選に基づいて、回胴演出ゾーンをセット単位で継続せるか否かを決定するための回胴演出ゾーン継続抽選を行う。その結果、回胴演出ゾーン継続抽選に当選した場合は、回胴演出ゾーン終了の際に、回胴演出ゾーンカウンタのカウント値に1セット分の遊技に対応する値(「6」)を設定するカウンタ設定処理を行い、回胴演出ゾーンを再び開始するように制御する。回動ゾーン継続抽選に当選しなかった場合は、上述の通り、回胴演出ゾーンカウンタのカウント値が「0」に達したことに基づいて、回胴演出ゾーン状態を終了させて、回胴演出ゾーン状態の直前の後述するAT遊技を復帰させる。
回胴演出制御手段130は、後述する通り、第1特化ゾーンよりも第2特化ゾーンの方が有利な状態であることから、第2特化ゾーンと同期して行われる回胴演出ゾーンにおいて、より躍動的な演出を実行する。例えば、第1特化ゾーン中の回胴演出ゾーン状態においては、遊技毎に全てのリール3を逆回転させたり正回転させたりする回胴演出を行うようにし、第2特化ゾーン中の回胴演出ゾーン状態においては、1ゲームのみ所定期間フリーズ演出を行い、その後、全てのリール3を振動させながら一気に逆回転させるような回胴演出処理を行う。すなわち、第2特化ゾーン中の回胴演出ゾーン状態では、遊技状態が停止するという遊技者の意表をつくフリーズ演出によって、より有利な演出状態となることを示唆するとともに、遊技の展開に期待感を持たせることを可能とし、さらに、フリーズ演出後、回胴演出を発展的に行うことにより、さらに有利な演出状態であることを遊技者に示唆することができる。
なお、第1特化ゾーンと第2特化ゾーンとの演出上の差異は上記の演出態様に限定されず、差異が明確であれば、どのような態様で行うようにしてもよい。
このように、回胴演出制御手段130は、回胴演出ゾーンとサブ基板500で管理する特化ゾーン状態とを同期させるだけではなく、特化ゾーンの種類に応じて、回胴演出を変化させることができ、演出効果の向上を図ることができる。
(コマンド管理手段140)
コマンド管理手段140は、メイン基板100がサブ基板500の演出状態を判断するためのコマンドを管理する。当該コマンドは、最終的に実行する処理(所定の処理)を決定するための準備コマンド(第1コマンド)と、準備コマンドにより決定された処理を実行するための開始コマンド(第2コマンド)とが設定されている。
具体的に、コマンド管理手段140は、ストップボタン16L〜16Rの所定の押し順(第1の操作手順)に対応して設定された複数の準備コマンドのうち1つを選択することによって、実行する処理を決定(所定の処理)する。また、コマンド管理手段140は、複数の準備コマンドを準備コマンドよりも種類が少ない開始コマンドに切り替えるコマンド切替処理(所定の処理)を行う。さらに、コマンド管理手段140は、ストップボタン16L〜16Rの押し順に対応して設定された開始コマンドに基づいて、選択された準備コマンドによって決定した所定の処理を実行する制御を行う(所定の処理)。
ここで、準備コマンド及び開始コマンドは、メインメモリ190のコマンド記憶手段(コマンド記憶領域:図示省略)に設けられた押し順1〜6に対応する複数の押し順エリアに設定されている。図8に示すように、準備コマンドは、第1準備コマンド〜第6準備コマンドから構成され、それぞれ、打順リプレイ1〜6に対応するように設定される。また、図9に示すように、開始コマンドは、第1開始コマンド〜第6開始コマンドから構成され、それぞれ、打順リプレイ1〜6に対応するように設定される。
また、図8に示すように、準備コマンド(第1コマンド)のうち、打順リプレイ1〜3(第2役群)に対応した第1準備コマンド〜第3準備コマンドには、AT信号出力準備コマンド(所定コマンド)と、第1特化ゾーン準備コマンド(所定コマンド)とが設定され、打順リプレイ4〜6(第1役群)に対応した第4準備コマンド〜第6準備コマンドには、AT信号出力準備コマンド、第1特化ゾーン準備コマンド、及び第2特化ゾーン準備コマンド(特別コマンド)が設定されている。すなわち、第2特化ゾーン準備コマンド(特別コマンド)は、第4準備コマンド〜第6準備コマンドにのみ設定されている。
また、図9に示すように、第1開始コマンド〜第6開始コマンドは、それぞれAT信号出力開始コマンドまたは特化ゾーン開始コマンドが設定されている。
具体的には、図8に示すように、コマンド管理手段140は、最初に、内部抽選で、打順リプレイ1(第2役群)が当選して第1準備コマンドが選択された場合に右1stで押下操作されたこと、また、打順リプレイ2(第2役群)が当選して第2準備コマンドが選択された場合に左1stで押下操作されたこと、また、打順リプレイ3(第2役群)が当選して第3準備コマンドが選択された場合に中1stで押下操作されたこと、また、打順リプレイ4(第1役群)が当選して第4準備コマンドが選択された場合に中1stあるいは右1stで押下操作されたこと、また、打順リプレイ5(第1役群)が当選して第5準備コマンドが選択された場合に左1stあるいは右1stで押下操作されたこと、また、打順リプレイ6(第1役群)が当選して第6準備コマンドが選択された場合に左1stあるいは中1stで押下操作されたことに基づいて、メインメモリ190のメインフラグ記憶手段にコマンド準備フラグを設定し、コマンド準備状態とする。ここで、コマンド準備フラグとして、予め、AT信号出力準備コマンドに対応して設定されるAT信号出力準備フラグ、第1特化ゾーン準備コマンドに基づいて設定される第1特化ゾーン準備フラグ、第2特化ゾーン準備コマンドに基づいて設定される第2特化ゾーン準備フラグがそれぞれ設定されている。
例えば、図8に示すように、コマンド管理手段140は、メインフラグ記憶手段にコマンド準備フラグが設定されていない非コマンド準備状態において、内部抽選で、打順リプレイ1が当選して第1準備コマンドが選択された際に押し順5(第1の操作手順)で押下操作された場合、また、打順リプレイ2が当選して第2準備コマンドが選択された際に押し順1(第1の操作手順)で押下操作された場合、また、打順リプレイ3が当選して第3準備コマンドが選択された際に押し順3(第1の操作手順)で押下操作された場合、また、打順リプレイ4が当選して第4準備コマンドが選択された際に押し順4(第1の操作手順)で押下操作された場合、また、打順リプレイ5が当選して第5準備コマンドが選択された際に押し順6(第1の操作手順)で押下操作された場合、また、打順リプレイ6が当選して第6準備コマンドが選択された際に押し順2(第1の操作手順)で押下操作された場合、それぞれリプレイEが入賞するとともに(図7参照)、これらの押し順エリアに設定されたAT信号出力準備コマンド(所定コマンド)を選択し、当該AT信号出力準備コマンドに基づいて、メインフラグ記憶手段にAT信号出力準備フラグを設定し、コマンド準備状態として後述する演出状態がAT状態である旨の情報が含まれる信号(以下、AT作動信号という)を、後述する外部装置に出力させるためのAT信号送信準備状態へ移行する。
同じく、図8に示すように、コマンド管理手段140は、非コマンド準備状態において、内部抽選で、打順リプレイ1が当選して第1準備コマンドが選択された際に押し順6(第1の操作手順)で押下操作された場合、また、打順リプレイ2が当選して第2準備コマンドが選択された際に押し順2(第1の操作手順)で押下操作された場合、また、打順リプレイ3が当選して第3準備コマンドが選択された際に押し順4(第1の操作手順)で押下操作された場合、また、打順リプレイ4が当選して第4準備コマンドが選択された際に押し順3(第1の操作手順)で押下操作された場合、また、打順リプレイ5が当選して第5準備コマンドが選択された際に押し順5(第1の操作手順)で押下操作された場合、また、打順リプレイ6が当選して第6準備コマンドが選択された際に押し順1(第1の操作手順)で押下操作された場合、それぞれリプレイFが入賞するとともに(図7参照)、これらの押し順エリアに設定された第1特化ゾーン準備コマンド(所定コマンド)を選択し、当該第1特化ゾーン準備コマンドに基づいて、メインフラグ記憶手段に第1特化ゾーン準備フラグを設定し、コマンド準備状態として後述するAT状態における第1特化ゾーンへの移行準備状態(以下、第1特化ゾーン準備状態という)へ移行する。
同じく、図8に示すように、コマンド管理手段140は、非コマンド準備状態において、内部抽選で、打順リプレイ4が当選して第4準備コマンドが選択された際に右1st(第1の操作手順)で押下操作された場合、また、打順リプレイ5が当選して第5準備コマンドが選択された際に左1st(第1の操作手順)で押下操作された場合、また、打順リプレイ6が当選して第6準備コマンドが選択された際に中1st(第1の操作手順)で押下操作された場合、それぞれリプレイGが入賞するとともに(図7参照)、これらの押し順エリアに設定された第2特化ゾーン準備コマンド(特別コマンド)を選択し、当該第2特化ゾーン準備コマンドに基づいて、メインフラグ記憶手段に第2特化ゾーン準備フラグを設定し、コマンド準備状態として後述するAT状態における第2特化ゾーンへの移行準備状態(以下、第2特化ゾーン準備状態という)へ移行する。
次に、コマンド管理手段140は、コマンド準備フラグ(AT信号出力準備フラグ、特化ゾーン準備フラグ)が設定されたことに基づいて、図8に示す各押し順エリアに設定されたコマンドの一部を図9に示すように切り替える。
具体的には、コマンド管理手段140は、コマンド準備フラグの成否(各コマンド準備状態)に応じて、参照するコマンドテーブルを切り替えるコマンド切替処理を行っている。
すなわちコマンド管理手段140は、コマンド準備フラグが設定されていない場合(非コマンド準備状態の場合)、図8に示す第1コマンドテーブルを参照して、ストップボタン16L〜16Rの押し順に対応したコマンドを選択し、コマンド準備フラグが設定されている場合(コマンド準備状態の場合)、図9に示す第2コマンドテーブルを参照して、ストップボタン16L〜16Rの押し順に対応したコマンドを選択する。
コマンド管理手段140は、コマンド切替処理において、参照するコマンドテーブルを第1コマンドテーブルから第2コマンドテーブルに切り替えることによって、準備コマンドは以下のように開始コマンドに切り換わる。
すなわち、打順リプレイ1に対応する第1準備コマンドを第1開始コマンドへ、打順リプレイ2に対応する第2準備コマンドを第2開始コマンドへ、打順リプレイ3に対応する第3準備コマンドを第3開始コマンドへ、打順リプレイ4に対応する第4準備コマンドを第4開始コマンドへ、打順リプレイ5に対応する第5準備コマンドを第5開始コマンドへ、打順リプレイ6に対応する第6準備コマンドを第6開始コマンドへ切り替えることにより、それぞれの押し順エリアに設定されたAT信号出力準備コマンド、第1特化ゾーン準備コマンド及び第2特化ゾーン準備コマンドを、一の押し順エリアに纏めて設定されたAT信号出力開始コマンド・特化ゾーン開始コマンドに切り替える。
これにより、押し順の1/6の確率で選択可能であった準備コマンド(AT信号出力準備コマンド、第1特化ゾーン準備コマンド、第2特化ゾーン準備コマンド)を、コマンド切替処理後は、少なくとも押し順の1/3の確率で開始コマンド(AT信号出力開始コマンド・特化ゾーン開始コマンド)を選択することができるようになっている。
このような構成とすることにより、コマンドを切り替えてコマンドの種類を少なくすることによって、コマンドに係る設計や開発工数を抑え、コストの抑制を図ることができ、またコマンドを用いた処理が簡素化されるため、処理効率の向上を図ることができる。
また、上述の通り、第2特化ゾーン準備コマンドは、第1コマンドテーブルを参照することによって、第1役群である打順リプレイ4〜6(リプレイの合算当選確率:約1/3)が当選して、第4準備コマンド〜第6準備コマンドが選択された場合のみ、選択可能であって、その結果、メインフラグ記憶手段に第2特化ゾーン準備フラグが設定可能となっているが、第2特化ゾーンに係る特化ゾーン開始コマンドは、コマンド管理手段140のコマンド切替処理により第2コマンドテーブルを参照することによって、第1役群及び第2役群である打順リプレイ1〜6(リプレイの合算当選確率:約1/1.5)が当選して、第1開始コマンド〜第6開始コマンドが選択された場合に、選択可能であって、その結果、第2特化ゾーン開始フラグが設定可能となっている。
例えば、従来技術の場合、打順リプレイ4〜6(リプレイの合算当選確率:約1/3:RT状態)が複数回当選し、かつ、それらの打順リプレイを構成する所定のリプレイが複数回入賞したことに基づいて、メイン基板100が、サブ基板500が管理する演出状態を判断するようになっており、判断するための要件として、所定のリプレイの入賞が2回必要な場合には、準備期間として平均6ゲーム要することになる。
一方、本発明の場合、準備コマンドを選択させるためには、打順リプレイ4〜6(リプレイの合算当選確率:約1/3)の当選が1回必要であり、開始コマンドを選択させるためには、打順リプレイ1〜6(リプレイの合算当選確率:約1/1.5)の当選が1回必要であるため、メイン基板100が、サブ基板500が管理する第2特化ゾーンに係る情報を判断するべく、準備コマンド及び開始コマンドを選択させる場合には準備期間として平均して4.5ゲームを要することになる。
すなわち、準備期間を従来技術と比較して短縮することができるため、メイン基板100は、サブ基板500が管理する状況や情報を早期に判断することができる。
次に、図9に示すように、コマンド管理手段140は、コマンド準備状態において、内部抽選で、打順リプレイ1が当選して第1開始コマンドが選択された際に右1st(第2の操作手順)で押下操作された場合、また、打順リプレイ2が当選して第2開始コマンドが選択された際に左1st(第2の操作手順)で押下操作された場合、また、打順リプレイ3が当選して第3開始コマンドが選択された際に中1st(第2の操作手順)で押下操作された場合、また、打順リプレイ4が当選して第4開始コマンドが選択された際に中1stあるいは右1st(第2の操作手順)で押下操作された場合、また、打順リプレイ5が当選して第5開始コマンドが選択された際に左1stあるいは右1st(第2の操作手順)で押下操作された場合、また、打順リプレイ6が当選して第6開始コマンドが選択された際に左1stあるいは中1st(第2の操作手順)で押下操作された場合、それぞれ、リプレイE、FまたはGのいずれかが入賞するとともに(図7参照)、コマンド管理手段140は、コマンド準備状態がAT信号送信準備状態においては、選択したAT信号出力開始コマンドに基づいて、AT状態の開始を認識させるためのAT状態開始フラグを設定するとともに、メインフラグ記憶手段に設定されているAT信号出力準備フラグをクリアし、コマンド準備状態が第1特化ゾーン準備状態においては、選択した特化ゾーン開始コマンドに基づいて、第1特化ゾーンの開始を認識させるための第1特化ゾーン開始フラグを設定するとともに、メインフラグ記憶手段に設定されている第1特化ゾーン準備フラグをクリアし、コマンド準備状態が第2特化ゾーン準備状態においては、選択した特化ゾーン開始コマンドに基づいて、第2特化ゾーンの開始を認識させるため第2特化ゾーン開始フラグを設定するとともに、メインフラグ記憶手段に設定されている第2特化ゾーン準備フラグをクリアする。すなわち、コマンド準備状態の種類に応じて一の押し順エリアに設定されているAT信号出力開始コマンドまたは特化ゾーン開始コマンドを選択するようになっている。
このように、準備コマンドを選択した後に、準備コマンドとは異なる開始コマンドを選択可能とするために、押し順エリアに対して設定したコマンドを異なるコマンドに切り替えることにより、同一の当選領域(打順リプレイ1〜6)を利用して、異なるコマンドを切り替えて選択可能となっている。すなわち、異なる当選領域(例えば、打順小役1〜5)を新たに利用して切り替え後のコマンドとして新たなコマンドを設定しなくてもよい。
コマンド管理手段140によるコマンド切替処理によって、AT信号出力開始コマンドまたは特化ゾーン開始コマンドは、複数の押し順エリアを跨って設定される。
例えば、第4準備コマンドを第4開始コマンドに切り替える場合、中1stに対応する押し順エリアに設定された第1特化ゾーン準備コマンド、及びAT信号出力準備コマンドと、右1stに対応する押し順エリアに設定された第2特化ゾーン準備コマンドとをAT信号出力開始コマンドまたは特化ゾーン開始コマンドに切り替えることによって、AT信号出力開始コマンドまたは特化ゾーン開始コマンドが、中1st及び右1stの押し順エリアに跨って設定されることとなる。
コマンド管理手段140は、AT状態開始フラグ、第1特化ゾーン開始フラグ、第2特化ゾーン開始フラグが設定される際に、コマンド準備フラグ(AT信号出力準備フラグ、第1特化ゾーン準備フラグ、第2特化ゾーン準備フラグ)をクリアし、非コマンド準備状態となるため、コマンド管理手段140は、参照するコマンドテーブルを第2コマンドテーブルから第1コマンドテーブルに切り替えるコマンド切替処理を行い、図8に示す第1コマンドテーブルを参照して、ストップボタン16L〜16Rの押し順に対応したコマンドを選択するようになっている。
上述の処理を採用することにより、メイン基板100が、サブ基板500が管理する複数の演出状態の移行状況を2段階に分けて行った処理によって判断することができる。
また、コマンド管理手段140は、図8に示す各押し順エリアのそれぞれに設定された複数種類の準備コマンド(例えば、AT出力準備コマンド、第1特化ゾーン準備コマンド、第2特化ゾーン準備コマンド)を、図9に示す一の押し順エリアに纏めて設定された開始コマンド(AT信号出力開始コマンド、特化ゾーン開始コマンド)に切り替えるコマンド切替処理によって、押し順エリアに対して設定されるコマンド切替処理前の準備コマンドの種類よりも、コマンド切替処理後の開始コマンドの種類を少なくすることができる。
コマンド管理手段140の処理の流れの一部について説明する。
コマンド管理手段140は、非コマンド準備状態では、図8に示す第1コマンドテーブルを参照してコマンドの選択を行うが、例えば、打順リプレイ1に当選して第1準備コマンドが選択され、押し順5でストップボタン16L〜16Rが押下操作された場合には、リプレイEが入賞するとともに、押し順エリアに対応するAT信号出力準備コマンドを選択し、選択したAT信号出力準備コマンドに基づいて、AT信号出力準備フラグを設定することによって、コマンド準備状態をAT信号出力準備状態へ移行する。また、コマンド管理手段140は、押し順6でストップボタン16L〜16Rが押下操作された場合には、リプレイFが入賞するとともに、押し順エリアに対応する第1特化ゾーン準備コマンドを選択し、選択した第1特化ゾーン準備コマンドに基づいて、第1特化ゾーン準備フラグを設定することによって、コマンド準備状態を第1特化ゾーン準備状態へ移行する。
続いて、コマンド管理手段140は、コマンド準備状態となってことに基づいて、図9に示す第2コマンドテーブルに参照先を切り替えてマンドの選択(コマンド切替処理)を行うが、例えば、打順リプレイ1に当選して第1準備コマンドが選択され、押し順5でストップボタン16L〜16Rが押下操作された場合には、リプレイEが入賞し、また、押し順6でストップボタン16L〜16Rが押下操作された場合には、リプレイFが入賞するが、いずれの押し順であっても、コマンド準備状態に応じて、押し順エリアに対応するAT信号出力開始コマンドまたは特化ゾーン開始コマンドを選択し、選択したAT信号出力開始コマンドまたは特化ゾーン開始コマンドに基づいて、コマンド準備状態に応じて、AT状態開始フラグ、第1特化ゾーン開始フラグまたは第2特化ゾーン開始フラグを設定するとともに、設定されているコマンド準備フラグを削除するようになっている。
(信号出力手段150)
信号出力手段150は、所定の契機に基づいて、ビッグボーナスに係る情報を含むボーナス作動信号、または後述する演出状態おけるAT状態に係る情報を含むAT作動信号等の有利遊技作動信号(外部信号ともいう)を外部装置であるホールコンピュータHCへ向けて出力し、停止する。
具体的には、信号出力手段150は、ビッグボーナスBBが入賞した場合(遊技制御手段110がビッグボーナス状態への移行を決定した場合)には、ボーナス作動信号を出力し、ボーナスが終了した場合(遊技制御手段110がビッグボーナス状態の終了を決定した場合)には、ボーナス作動信号の出力を停止する。
信号出力手段150は、コマンド管理手段140によりAT状態開始フラグが設定されたこと基づいてAT作動信号を出力する。AT作動信号の出力を開始することによって、演出状態がAT状態へ移行したことをホールコンピュータHCに認識させることができる。
また、内部抽選の結果、複数回に亘って内部抽選で打順小役に当選した際に、連続して不正解押し順でストップボタン16L〜16Rを押下操作し、特殊小役が、例えば2回入賞したこと、特殊小役を2回取りこぼしたこと、または特殊小役を1回入賞し、1回取りこぼしたことに基づいて、AT作動信号の出力を停止する。AT作動信号の出力を停止することによって、演出状態がAT状態ではないこと、換言するとAT状態が終了したことをホールコンピュータHCに認識させることができる。
このように、信号出力手段150が有利状態作動信号を出力すると、その信号は集中端子板(図示省略)を介して、遊技ホールに設置されたスロットマシンSの上方に備えられているデータ表示装置(図示省略)に入力される。そして、データ表示装置の表示器には、有利状態作動信号に基づく所定の表示が行われる。さらに、有利状態作動信号は、データ表示装置を介してホールコンピュータHCに出力される。
このような構成とすることにより、信号出力手段150は、サブ基板500が管理するAT状態に係る情報をホールコンピュータHCへ送信することができる。
(サブ基板500)
サブ基板(サブ制御手段)500は、メイン基板100からのコマンド信号の入力に基づいて、遊技の進行状況に合わせた演出を実行するための各種の演算処理を行い、演算処理の結果に基づいて、演出手段600による演出等の出力動作の制御を行う。なお、サブ基板500の機能は、メイン基板100と同様、CPUが所定のメモリに格納されたプログラムからなるソフトウエアを実行することにより実現される。
図2に示すように、サブ基板500は、演出制御手段520と、AT管理手段530と、特化ゾーン管理手段540と、ペナルティ付与手段550と、サブメモリ590とを含んで構成されている。
ここで、サブメモリ590は、本実施形態のスロットマシンSにおける演出に係るプログラムが記憶されたROMと、サブ基板500で生成される演出に係るプログラムで使用するフラグや演算した値等の各種データが記憶されるとともに、ワークエリアとして使用されるRAMとによって構成される。
(演出制御手段520)
演出制御手段520は、遊技の進行状況に合わせて演出を実行するために、所定の契機で複数種類の演出状態から上述する遊技状態に応じた演出状態へ移行(に設定)する演出状態移行処理を行う。
具体的には、演出状態記憶領域には、演出状態として、通常状態に対応する通常演出状態と、ビッグボーナス内部状態に対応するビッグボーナス当選演出状態と、ビッグボーナス状態に対応するビッグボーナス演出状態とがそれぞれ設けられている。また、サブ基板500が管理可能な遊技者に有利な演出状態やそれに関係する状態として、AT状態、AT状態であることをメイン基板100に判断させるためのAT準備状態、特化ゾーン状態に係る特化ゾーン演出状態、特化ゾーン状態であることをメイン基板100に判断させるための特化ゾーン準備状態が別途設定されている。
なお、演出制御手段520は、サブメモリ590に設定されたサブフラグ記憶手段(図示省略)に、演出状態に対応するフラグを設定または消去することによって、演出状態を移行するような制御を行っている。
演出制御手段520は、メイン基板100からのコマンド信号に基づいて、演出データが格納されているサブメモリ590の演出データ記憶領域(図示省略)を参照し、上述の演出状態に基づいて、演出手段600の一つである演出表示部5を介して行う表示演出、スピーカ6を介して行う音響演出、または演出ランプ7を介して行う照明演出に係る演出制御を行う。
(通常演出状態)
具体的に、演出制御手段520は、演出状態が通常演出状態の場合、スロットマシンSのキャラクタ等を用いた一般的な演出を行う。例えば、小役の当選を示唆する演出や、ボーナスの当選やAT状態への移行の可能性の示唆する演出を実行する制御を行う。
(ビッグボーナス当選演出状態、ビッグボーナス演出状態)
また、演出制御手段520は、演出状態がビッグボーナス当選演出状態の場合、通常演出状態とは異なる特別な演出態様で継続的にビッグボーナスBBの当選を報知し、ビッグボーナス演出状態の場合、通常演出状態とは異なる特別な演出態様で小役の当選等を報知する演出を実行する制御を行う。
(AT状態)
演出制御手段520は、演出状態がAT状態に設定されている場合、複数の役が同時に当選するように設定された当選領域(役群:打順小役、打順リプレイ)が当選した遊技で所定の役の入賞を容易とするように補助する特別演出を演出表示部5やスピーカ6、または演出ランプ7等に実行させる制御を行う。
具体的に、演出制御手段520は、AT状態では、内部抽選で打順小役1〜5のいずれかが当選すると、ベルを入賞させることができるストップボタン16L〜16Rの押下順序(正解押し順)を報知する第1特別演出を演出表示部5やスピーカ6、または演出ランプ7等に実行させる制御を行う。第1特別演出としては、種々の演出を採用することができ、例えば、ベルを入賞させるための正解押し順を報知する演出画像を演出表示部5に表示させたり、同じく正解押し順を報知するためにリール3L〜3Rの下方に設けたランプ(図示省略)を点灯させたり、同じく正解押し順を報知する音声をスピーカ6から出力させたりすることができる。
また、演出制御手段520は、AT状態では、内部抽選で打順リプレイ1〜6のいずれかが当選すると、通常リプレイであるリプレイA〜Cのいずれかを入賞させることができるストップボタン16L〜16Rの押下順序を報知する第2特別演出を演出表示部5やスピーカ6等に実行させる制御を行う。なお、第2特別演出としては、通常リプレイ(リプレイA〜C)を入賞させるため、第1特別演出と同様、種々の演出を採用することができる。
このように、AT状態では、特別演出を行うことによって、内部抽選で打順小役1〜5に当選した場合には、ベルを入賞させることが容易となり、打順リプレイ1〜6に当選した場合であっても、転落リプレイを入賞させることないため、一旦移行したリプレイ高確率状態を維持することが容易となり、メダルを消費し難く、かつメダルを獲得し易い遊技者に有利な遊技状態となる。このように、演出状態がAT状態に設定され、かつリプレイの抽選状態がリプレイ高確率状態に設定された状態をアシストリプレイタイム(ART)状態という。
(AT準備状態)
また、演出制御手段520は、後述するAT抽選に当選した次の遊技から後述するAT遊技が開始されるまでのAT準備状態の遊技で、かつ、非コマンド準備状態の遊技において、内部抽選で打順リプレイ1〜6が当選した際に、AT信号出力準備コマンドを選択させることができるストップボタン16L〜16Rの押下順序を報知する第3特別演出を演出表示部5やスピーカ6に実行させる制御を行う。また、AT信号送信準備状態の遊技において、内部抽選で打順リプレイ1〜6が当選した場合に、AT信号出力開始コマンドを選択させることができるストップボタン16L〜16Rの押下順序を報知する第3特別演出を演出表示部5やスピーカ6に実行させる制御を行う。
このように、AT遊技が開始される前のAT準備状態において、打順リプレイ1〜6が当選した場合、演出制御手段520は、第3特別演出を行うことにより、AT状態の開始契機となる押し順で操作させることが可能となる。そして、AT状態の開始契機となる押し順でストップボタン16L〜16Rが押下操作されることによりAT状態開始フラグが設定されたことに基づいて、演出制御手段520は、演出状態をAT状態へ移行する。
(特化ゾーン演出状態)
演出制御手段520は、演出状態が特化ゾーン演出状態の場合、後述する特化ゾーンにおいて、ほぼ毎遊技、後述するAT加算抽選が実行される遊技状態に合わせて、他の演出状態よりも躍動感や緊張感を有する演出を実行する制御を行う。ここで、特化ゾーン演出状態には、第1特化ゾーンに合わせて行われる第1特化ゾーン演出状態と、第2特化ゾーンに合わせて行われる第2特化ゾーン演出状態とが設定されており、後述の通り、第2特化ゾーンの方が相対的に有利な状態であるため、その状態を遊技者に示唆するため、第1特化ゾーンより躍動感のある演出態様とすることができる。演出制御手段520は、演出表示部5に表示された動画、または静止画の背景色、スピーカ6から出力される効果音、演出ランプ7の発光色等を異ならせることによって、また上述の回胴演出と合わせた演出を行うことにより、第1特化ゾーンと第2特化ゾーンとを識別可能としている。
(第1特化ゾーン準備状態)
演出制御手段520は、後述する特化ゾーン抽選に通常当選した次の遊技から特化ゾーンが開始されるまでの第1特化ゾーン準備状態の遊技、換言すると、後述する特化ゾーン管理手段540による特化ゾーン抽選において通常当選した場合に設定される特化ゾーン通常当選フラグが設定されている期間で、かつ、非コマンド準備状態の遊技において、内部抽選で打順リプレイ1〜6が当選した際に、第1特化ゾーン準備コマンドを選択させることができるストップボタン16L〜16Rの押下順序を報知する第4特別演出(突入ナビ)を演出表示部5やスピーカ6に実行させる制御を行う。また、第1特化ゾーン準備状態の遊技において、内部抽選で打順リプレイ1〜6が当選した場合に、特化ゾーン開始コマンドを選択させることができるストップボタン16L〜16Rの押下順序を報知する第4特別演出を演出表示部5やスピーカ6に実行させる制御を行う。
このように、第1特化ゾーンが開始される前の第1特化ゾーン準備状態において、打順リプレイ1〜6が当選した場合、演出制御手段520は、第4特別演出を行うことにより、第1特化ゾーンの開始契機となる押し順で操作させることが可能となる。そして、第1特化ゾーンの開始契機となる押し順でストップボタン16L〜16Rが押下操作されることにより、第1特化ゾーン開始フラグが設定されたことに基づいて、特化ゾーン管理手段540は、第1特化ゾーンを開始する。
(第2特化ゾーン準備状態)
演出制御手段520は、後述する特化ゾーン抽選に特別当選した次の遊技から特化ゾーンが開始されるまでの第2特化ゾーン準備状態の遊技、換言すると、後述する特化ゾーン管理手段540による特化ゾーン抽選において特別当選した場合に設定される特化ゾーン特別当選フラグが設定されている期間で、かつ、非コマンド準備状態の遊技において、内部抽選で打順リプレイ4〜6(第1役群)が当選した際に、第2特化ゾーン準備コマンドを選択させることができるストップボタン16L〜16Rの押下順序を報知する第5特別演出(突入ナビ)を演出表示部5やスピーカ6に実行させる制御を行う。また、第2特化ゾーン準備状態の遊技において、内部抽選で打順リプレイ1〜6(第1役群及び第2役群)が当選した場合に、特化ゾーン開始コマンドを選択させることができるストップボタン16L〜16Rの押下順序を報知する第5特別演出を演出表示部5やスピーカ6に実行させる制御を行う。
このように、第2特化ゾーンが開始される前の第2特化ゾーン準備状態において、打順リプレイが当選した場合、演出制御手段520は、第5特別演出を行うことにより、第2特化ゾーンの開始契機となる押し順で操作させることが可能となる。そして、第2特化ゾーンの開始契機となる押し順でストップボタン16L〜16Rが押下操作されることにより、第2特化ゾーン開始フラグが設定されたことに基づいて、特化ゾーン管理手段540は、第2特化ゾーンを開始する。
以上の構成から、上述のコマンド管理手段140がコマンド切替処理を行った結果、AT信号出力開始コマンド・特化ゾーン開始コマンドを、複数の押し順エリアに跨って設定することにより、第3特別演出〜第5特別演出による報知(例えば、複数の押し順エリアのうち一つに対応する押し順を報知)とは異なる押し順で押下操作を行った場合であっても、複数の押し順エリアのうち他の一つに対応する押し順で押下操作を行った場合には適切に処理が行われ、AT信号出力開始コマンドまたは特化ゾーン開始コマンドが選択される場合がある。すなわち、適切な処理を行うための操作手順に所定の許容性を持たせることができる。
なお、第3特別演出〜第5特別演出としては、各コマンドを選択させる(通常リプレイを入賞させる)ため、第1特別演出と同様、種々の演出を採用することができる。
また、第1特化ゾーン準備状態及び第2特化ゾーン準備状態は、AT状態でもあるため、演出制御手段520は、内部抽選で打順小役1〜5のいずれかが当選した場合は、第1特別演出を演出表示部5やスピーカ6、または演出ランプ7等に実行させる制御を行う。これによって、遊技者は、第1特別演出に従って、ストップボタン16L〜16Rの押下操作を行うことにより、ベルを入賞させることができ、RT変動ブランクが表示されることを回避することができる。
このように、サブ基板500により後述するAT抽選に当選、または特化ゾーン抽選に当選した際は、上述のように、打順リプレイ当選時に、第3特別演出〜第5特別演出を行って、特定の押し順でストップボタン16L〜16Rが押下操作されることにより、特定のコマンドを切り替えながら段階的にコマンドを実行することによって、メイン基板100は、サブ基板500が管理する演出状態を正確かつ速やかに判断して、当該演出状態に応じた処理の最適化を図ることができる。これにより、例えば、サブ基板500が管理する演出状態(例えば、特化ゾーン)に同期して、メイン基板100がリール3の回胴演出制御を行ったり、ホールコンピュータHCへ当該演出状態に係る外部信号を送信することができるようになっている。
(AT管理手段530)
AT管理手段530は、AT状態における遊技(以下、AT遊技ともいう)に係る管理を行う。
AT管理手段530は、AT状態ではない非AT状態において、内部抽選で、例えば特定役であるチェリーが当選したことに基づいて、AT状態へ移行するか否かを決定するためのAT抽選を行い、AT抽選に当選したことに基づいて、サブメモリ590に設定されたAT終了判定カウンタ(図示省略)のカウント値に所定の加算値(例えば「50」)を設定する処理を行い、演出制御手段520は演出状態をAT状態に設定する。
本実施形態のスロットマシンSでは、AT遊技は、1セット(AT遊技が開始してから終了するまで:遊技区間)のカウント値が、例えば「50」に設定されている。
AT管理手段530は、AT遊技において、内部抽選で、例えば特定役であるチェリーが当選したこと、または後述する特化ゾーン管理手段570が管理する特化ゾーンにおいては、全ての役の当選を契機として、AT終了判定カウンタのカウント値に所定の加算値を上乗せするか否かを決定するためのAT加算抽選を行う。例えば、AT加算抽選の抽選対象の加算値として、予め「0」、「10」、「20」、「50」または「100」が設定されており、AT管理手段530は、AT加算抽選の結果、「0」以外の加算値(例えば「100」)に当選した場合は、AT終了判定カウンタに当選した加算値(「100」)を加算するAT加算処理を行う。図10に示すように、特化ゾーンにおけるAT加算抽選の抽選対象となる加算値の当選確率は、リプレイが入賞した場合とベルが入賞した場合とが異なるように設定されている。
AT管理手段530は、AT遊技が行われる毎にAT終了判定カウンタのカウント値をデクリメントするデクリメント処理を行う。すなわち、デクリメント処理の開始がAT遊技の開始であり、デクリメント処理の結果、AT終了判定カウンタのカウント値が「0」に達したことに基づいて、演出制御手段520はAT状態を終了させる制御を行いAT遊技が終了する。
また、演出制御手段520は、AT遊技においてビッグボーナスBBが入賞した場合にはAT状態を終了させて、ビッグボーナス演出状態を設定する。この場合、AT管理手段535は、AT終了判定カウンタの値を初期値にリセットしても、AT終了判定カウンタの値を持ち越すようにして、次回のAT状態において残りのカウント値分の遊技回数を消化させるようにしてもよい。
AT管理手段530は、AT遊技において、内部抽選で、例えば特定役であるチェリーが当選したことを契機として、1セット単位でAT遊技を加算するか否かを決定するためのATセット数加算抽選を行う。例えば、ATセット数加算抽選の抽選対象の加算値として、予め「0」、「1」、「3」または「7」が設定されており、AT管理手段530は、ATセット数加算抽選の結果、「0」以外の加算値(例えば「7」)に当選した場合は、サブメモリ590に設定されているATセット数判定カウンタに当選した値(「7」)を加算するセット数加算処理を行う。
AT管理手段530は、AT遊技がセット単位で終了する毎(AT終了判定カウンタのカウント値が「0」に達する毎)にATセット数判定カウンタのカウント値をデクリメントするデクリメント処理を行い、その際、上述のように、AT終了判定カウンタに1セットに(1遊技区間)に相当する加算値「50」を加算するAT加算処理を行う。これにより、一旦終了したAT遊技が再度最初から開始されるような態様でAT遊技が継続して行われる。
AT管理手段530は、全てのAT遊技を消化後の遊技(ATセット数判定カウンタ及びAT終了判定カウンタの値が「0」に達した遊技)で、AT遊技を継続させるか否かを決定するためのAT継続抽選を行う。AT継続抽選に当選すると、AT終了判定カウンタに1セットに相当する加算値「50」を加算するAT加算処理が行われ、次ゲームからAT遊技が再開する。
(特化ゾーン管理手段540)
特化ゾーン管理手段540は、AT加算抽選の高確率状態の遊技区間である特化ゾーン(第1特化ゾーンまたは第2特化ゾーン)を管理する。
具体的には、特化ゾーン管理手段540は、内部抽選で特定役であるチェリーの当選を契機に特化ゾーンへ移行させるか否かを決定するための特化ゾーン抽選を行う。特化ゾーン抽選の対象として、「通常当選」、「特別当選」、または「ハズレ」のいずれかが対応付けられており、例えば、特化ゾーン抽選において、「通常当選」の確率は20%、「特別当選」の確率は1%、「ハズレ」の確率は79%となるように設定されている。
特化ゾーン管理手段540は、特化ゾーン抽選の結果、通常当選となったことに基づいて、サブメモリ590に設定されたサブフラグ記憶手段に特化ゾーン通常当選フラグを設定し、特化ゾーン抽選の結果、特別当選となったことに基づいて、サブフラグ記憶手段に特化ゾーン特別当選フラグを設定する。
ここで、特化ゾーン抽選において特別当選となった場合、さらに、特化ゾーン管理手段540は、サブメモリ590に設定された特化ゾーンセット数判定カウンタ(図示省略)に「1〜3」のいずれかの値を設定するための特化ゾーンセット数加算抽選を行い、抽選結果に応じて、特化ゾーンセット数判定カウンタに「1〜3」のいずれかの値を設定するようになっている。
そして、特化ゾーン管理手段540は、特化ゾーン抽選において、通常当選を契機に、上述のメイン基板100がサブ基板500の演出状態を判断するための処理の結果、メイン基板100のコマンド管理手段140が、第1特化ゾーン開始フラグを設定したこと、または、特別当選を契機に、第2特化ゾーン開始フラグを設定したことに基づいて、特化ゾーンを開始し、サブフラグ記憶手段に設定されている特化ゾーン通常当選フラグまたは特化ゾーン特別当選フラグをクリアする。
特化ゾーン管理手段540は、特化ゾーンを、上述の回胴演出ゾーンと同期させて実行させるため、回胴演出ゾーンが継続した場合は継続させ、終了した場合は終了させるように制御する。
例えば、特化ゾーン状態では、AT管理手段530により1〜5ゲームの間で全ての役の当選に基づいて、AT加算抽選が行われ、最後の1ゲームで回胴演出ゾーン管理手段135による回動ゾーン継続抽選の結果を報知、換言すると特化ゾーンの継続の有無を報知するように、1セット6ゲームで構成されている。すなわち、特化ゾーン状態は、AT遊技回数を大幅に加算可能な状態であって、かつその状態が継続可能となっており、遊技者にとって有利な遊技状態となっている。
(ペナルティ付与手段550)
ペナルティ付与手段550は、ボーナスやAT遊技等の有利遊技以外の遊技において、いわゆる払出率を向上させた遊技期間(例えばAT遊技の遊技期間)を不当に延長させたりする行為を抑制するために、所定のペナルティを課す。
ここで、特化ゾーン準備状態(第1特化ゾーン準備状態、第2特化ゾーン準備状態)においては、打順リプレイ1〜6が当選した場合に、特化ゾーン抽選に当選したことをメイン基板100に判断させて特化ゾーンを開始するために、遊技者に所定の押し順でストップボタン16L〜16Rを操作するように促すように、演出制御手段520によって第4特別演出または第5特別演出(突入ナビ)が実行されるが、この準備期間はAT遊技回数がカウントされないAT状態である。したがって、遊技者が、特化ゾーンを開始するための押下操作を行わない場合、特化ゾーン準備状態が延長されてしまい、想定以上の出玉を提供してしまうこととなる。
ペナルティ付与手段550は、特化ゾーン準備状態(第1特化ゾーン準備状態、第2特化ゾーン準備状態)においては、これらの特別演出に従わず、AT信号出力準備コマンドや、特化ゾーン準備コマンドであっても、当選した特化ゾーンと異なる特化ゾーン準備コマンドを選択するようなストップボタン16L〜16Rの押下操作をした場合は、特化ゾーン状態の上乗せ性能を低下させるようなペナルティを課す。
また、特化ゾーン準備状態(第1特化ゾーン準備状態、第2特化ゾーン準備状態)においては、打順小役が当選した場合に、演出制御手段520によって第1特別演出が実行されるが、ペナルティ付与手段550は、第1特別演出に従わず、例えば、特殊小役を入賞させた場合にも、特化ゾーン状態の上乗せ性能を低下させるようなペナルティを課す。
ここで、特化ゾーン状態の上乗せ性能の低下とは、AT加算抽選の抽選実行確率や、AT加算抽選の当選確率や、1回の当選で加算される加算値を低下させることである。すなわち、ペナルティが課された場合と、課されない場合とによって、一回の特化ゾーンで加算可能な値を異なるように制御することができる。これにより、AT状態である特化ゾーン準備状態において、特化ゾーンへの移行を不当に遅延させることにより、不当にメダルを獲得しようとする行為、換言すると想定外の利益状態を継続させる行為を抑制し、ペナルティを避けるべく、特別演出にしたがってリール3L〜3Rを停止させる操作をしようとする動機付けを遊技者に与えることができる。
具体的には、ペナルティ付与手段550は、内部抽選で打順リプレイ1〜6が当選し、所定の押し順でストップボタン16L〜16Rが押下操作されたことにより選択された準備コマンドに基づいて、当該準備コマンドに対応する抽選に当選しているか否かを判断するペナルティ判断処理を行う。
本実施形態のスロットマシンSでは、ペナルティ付与手段550は、ペナルティ判断処理において、第1特化ゾーン準備コマンドに対して、特化ゾーン抽選における通常当選、第2特化ゾーン準備コマンドに対して、特化ゾーン抽選における特別当選となっている否かを判断し、また、AT信号出力準備コマンドに対して、特化ゾーン抽選に当選したか否かを判断する。
ペナルティ付与手段550は、ペナルティ判断処理の結果、第1特化ゾーン準備コマンド選択時に、特化ゾーン抽選に通常当選していないと判断した場合、第2特化ゾーン準備コマンド選択時に、特化ゾーン抽選に特別当選していないと判断した場合、または、AT信号出力準備コマンド選択時に特化ゾーン抽選に当選していると判断した場合は、サブメモリ590のサブフラグ記憶手段にペナルティフラグを設定し、上述のようにAT管理手段530のAT加算抽選の性能を低下させることによって、ペナルティを課す。
なお、ペナルティ付与手段550は、特化ゾーン抽選の当否の判断の有無を、サブメモリ590のサブフラグ記憶手段に、特化ゾーン通常当選フラグ及び特化ゾーン特別当選フラグが設定されているか否かによって判断する。
ここで、AT管理手段530によるAT加算抽選では、特化ゾーン準備状態において、サブフラグ記憶手段にペナルティフラグが設定されない場合は、この状態で突入ナビに従ってストップボタン16L〜16Rの押下操作を行うことにより移行した特化ゾーンにおいて、リプレイの当選に基づいて行われるAT加算抽選は、サブメモリ590に記憶された図10に示す第1加算値テーブルを参照して行われる。図10に示すように、第1加算値テーブルには、加算値が、「0」の当選確率が72%、「10」の当選確率が20%、「20」の当選確率が5%、「50」の当選確率が2%、「100」の当選確率が1%となっている。また、ベルの当選に基づいて行われるAT加算抽選は、加算値が、「0」の当選確率が0%、「10」の当選確率が57%、「20」の当選確率が25%、「50」の当選確率が15%、「100」の当選確率が3%に設定されている。
一方、特化ゾーン準備状態において、サブフラグ記憶手段にペナルティフラグが設定されている場合は、この状態で突入ナビに従ってストップボタン16L〜16Rの押下操作を行うことにより移行した特化ゾーンにおいて、リプレイの当選に基づいて行われるAT加算抽選は、サブメモリ590に記憶された図11に示す第2加算値テーブルを参照して行われる。図11に示すように、第2加算値テーブルには、加算値が、「0」の当選確率が100%、「10」、「20」、「50」、「100」の当選確率が0%となっている。また、ベルの当選に基づいて行われるAT加算抽選は、加算値が、「10」の当選確率が100%、「0」、「20」、「50」、「100」の当選確率が0%となっている。
このように、ペナルティフラグを設定することによって、その後、移行した特化ゾーンで、AT管理手段530のAT加算抽選による加算可能な値を制限することができる。
また、本実施形態のスロットマシンSでは上述のペナルティ以外に、特化ゾーン準備状態(第1特化ゾーン準備状態、第2特化ゾーン準備状態)において、内部抽選で打順小役1〜5が当選した場合に実行される第1特別演出に従わず、例えば、特殊小役を取りこぼし、RT変動ブランクを表示させた場合は、リプレイの抽選状態をリプレイ低確率状態へ転落させることによって、リプレイ高確率状態へ復帰するまでは不利となるように遊技状態を制御する。
また、特化ゾーン準備状態においては、打順リプレイ1〜6が当選した場合に実行される第4特別演出または第5特別演出に従わずに押下操作して、例えば、リプレイDが入賞した場合は、リプレイの抽選状態をリプレイ低確率状態へ転落させることによって、リプレイ高確率状態へ復帰するまでは不利となるように遊技状態を制御する。
ここで、本実施形態のスロットマシンSにおいて上記のようなペナルティを採用した理由について説明する。
特化ゾーン準備状態における不当操作に対するペナルティとして、特化ゾーン自体を消滅させることは可能であったが、特化ゾーンは、回胴演出ゾーンに同期して実行されるため、回胴演出ゾーンにおいて、回胴演出ゾーン継続抽選に当選し続けると、終了することがない継続性を有する。このような継続性を有する遊技状態の権利をはく奪することは遊技者にとって酷に過ぎる。そこで、本実施形態のスロットマシンSのように、特化ゾーンにおいて加算される加算値(AT遊技回数)を制限することにより、遊技者は、特化ゾーンにおいてその他の制限を受けずに遊技が可能となり、遊技性を低下させることなく特化ゾーンの遊技性を維持するような適切なペナルティを付与することができる。
なお、特化ゾーン中において、遊技者が、特別演出が報知した押し順とは異なる押し順で、複数回(例えば2回)ストップボタン16L〜16Rを押下操作した場合は、悪意があるとみなして、回胴演出ゾーン管理手段135は強制的に回胴演出ゾーンを終了させ、それに伴い、特化ゾーン管理手段540は特化ゾーンを終了させる。
なお、本実施形態のスロットマシンSの機能は、コンピュータシステム(ゲームシステムを含む)によって仮想的に実現することが可能である。これらのシステムでは、メイン基板100やサブ基板500としてコンピュータを機能させるプログラムを、CD、DVD等の情報記憶媒体またはインターネット上のWebサーバからネットワークを介してダウンロードすることによって、その機能を実現することができる。また上記コンピュータシステムでは、メダル投入スイッチ9a、ベットボタン10、スタートレバー15、ストップボタン16L〜16R等に相当する入力手段(操作手段)は、キーボードやボインティングデバイス(マウス等)、またはコントローラなどの操作手段に対してそれらの機能を仮想的に割り当てることにより実現することができる。また上記コンピュータシステムでは、リールユニット310、ホッパーユニット320などは必須の構成要件ではなく、これらに代わって、演出表示装置に表示出力される画像の制御によってこれらの機能を仮想的に実現できる。
(スロットマシンSの処理フロー)
図12〜図20を参照して、メイン基板100が、サブ基板500が管理する演出状態のうち、AT状態、第1特化ゾーン、及び第2特化ゾーンに係る移行状況を認識するための処理、及びサブ基板500がペナルティを付与するための処理について説明する。
図12に示すように、本実施形態のスロットマシンSでは、内部抽選が行われ(S50)、コマンド管理手段140は、コマンド準備フラグが設定されているか否かを判断し、コマンド準備フラグが設定されていないと判断した場合は(S100でNO)、内部抽選で打順リプレイ1が当選した際(S110でYES)、押し順5でストップボタン16L〜16Rが押下操作されると(S120でYES)、対応する押し順エリアに設定されたAT信号出力準備コマンドを選択する(S125)。その際、ペナルティ付与手段550は、特化ゾーン抽選に当選しているか否かを判断し、当選していない場合には(S128でNO)、当該AT信号出力準備コマンドに基づいて、コマンド準備フラグとしてメインメモリ190のメインフラグ記憶手段にAT信号出力準備フラグを設定し(S130)、コマンド準備状態としてAT信号送信準備状態へ移行する。また、コマンド管理手段140は、コマンド準備フラグが設定されていることに基づいて、参照するコマンドテーブルを第1コマンドテーブルから第2コマンドテーブルへ切り替えるコマンド切替処理を行う(S135)。一方、ステップS120において、押し順5ではなく(S120でNO)、押し順6でストップボタン16L〜16Rが押下操作されると(S140でYES)、コマンド管理手段140は、対応する押し順エリアに設定された第1特化ゾーン準備コマンドを選択する(S145)。その際、ペナルティ付与手段550は、特化ゾーン抽選において通常当選しているか否かを判断し、通常当選の場合には(S148でYES)、当該第1特化ゾーン準備コマンドに基づいて、コマンド準備フラグとしてメインフラグ記憶手段に第1特化ゾーン準備フラグを設定し(S150)、コマンド準備状態として第1特化ゾーン準備状態へ移行し、コマンド切替処理を行う(S135)。一方、ステップS140において、押し順6ではなく(S140でNO)、左1stでストップボタン16L〜16Rが押下操作されると(S160でYES)、また、ステップS128において特化ゾーン抽選に当選したと判断した場合(S128でYES)、またはステップS148において特化ゾーン抽選で通常当選ではないと判断した場合は(S148でNO)、ペナルティ付与手段550は、サブメモリ590のサブフラグ記憶手段にペナルティフラグを設定する(S170)。一方、ステップS160において、左1stではなく(S160でNO)、中1stでストップボタン16L〜16Rが押下操作されると、リプレイDが入賞し(S175)、遊技制御手段110はリプレイの抽選状態をリプレイ高確率状態からリプレイ低確率状態に移行させる制御を行う(S180)。
コマンド管理手段140は、図12に示すステップS110において、打順リプレイ1が当選せず(S110でNO)、図13に示すように、打順リプレイ2が当選した際(S200でYES)、押し順1でストップボタン16L〜16Rが押下操作されると(S210でYES)、対応する押し順エリアに設定されたAT信号出力準備コマンドを選択する(S215)。その際、ペナルティ付与手段550は、特化ゾーン抽選に当選しているか否かを判断し、当選していない場合には(S218でNO)、当該AT信号出力準備コマンドに基づいて、コマンド準備フラグとしてメインメモリ190のメインフラグ記憶手段にAT信号出力準備フラグを設定し(S220)、コマンド準備状態としてAT信号送信準備状態へ移行し、コマンド切替処理を行う(S225)。一方、ステップ210において、押し順1ではなく(S210でNO)、押し順2でストップボタン16L〜16Rが押下操作されると(S230でYES)、コマンド管理手段140は、対応する押し順エリアに設定された第1特化ゾーン準備コマンドを選択する(S235)。その際、ペナルティ付与手段550は、特化ゾーン抽選において通常当選しているか否かを判断し、通常当選の場合には(S238でYES)、当該第1特化ゾーン準備コマンドに基づいて、コマンド準備フラグとしてメインフラグ記憶手段に第1特化ゾーン準備フラグを設定し(S240)、コマンド準備状態として第1特化ゾーン準備状態へ移行し、コマンド切替処理を行う(S225)。また、ステップS230において、押し順2ではなく(S230でNO)、中1stでストップボタン16L〜16Rが押下操作されると(S250でYES)、また、ステップS218において特化ゾーン抽選に当選したと判断した場合(S218でYES)、またはステップS238において特化ゾーン抽選で通常当選ではないと判断した場合は(S238でNO)、ペナルティ付与手段550はペナルティフラグを設定する(S260)。一方、ステップS250において、中1stではなく(S250でNO)、右1stでストップボタン16L〜16Rが押下操作されると、リプレイDが入賞し(S265)、遊技制御手段110はリプレイの抽選状態をリプレイ高確率状態からリプレイ低確率状態に移行させる制御を行う(S270)。
コマンド管理手段140は、図13に示すステップS200において、打順リプレイ2が当選せず(S200でNO)、図14に示すように、打順リプレイ3が当選した際(S300でYES)、押し順3でストップボタン16L〜16Rが押下操作されると(S310でYES)、対応する押し順エリアに設定されたAT信号出力準備コマンドを選択する(S315)。その際、ペナルティ付与手段550は、特化ゾーン抽選に当選しているか否かを判断し、当選していない場合には(S318でNO)、当該AT信号出力準備コマンドに基づいて、コマンド準備フラグとしてメインフラグ記憶手段にAT信号出力準備フラグを設定し(S320)、コマンド準備状態としてAT信号送信準備状態へ移行し、コマンド切替処理を行う(S325)。一方、ステップS310において、押し順3ではなく(S310でNO)、押し順4でストップボタン16L〜16Rが押下操作されると(S330でYES)、コマンド管理手段140は、対応する押し順エリアに設定された第1特化ゾーン準備コマンドを選択する(S335)。その際、ペナルティ付与手段550は、特化ゾーン抽選において通常当選しているか否かを判断し、通常当選の場合には(S338でYES)、当該第1特化ゾーン準備コマンドに基づいて、コマンド準備フラグとしてメインフラグ記憶手段に第1特化ゾーン準備フラグを設定し(S340)、コマンド準備状態として第1特化ゾーン準備状態へ移行し、コマンド切替処理を行う(S325)。一方、ステップS330において、押し順4ではなく(S330でNO)、右1stでストップボタン16L〜16Rが押下操作されると(S350でYES)、また、ステップS318において特化ゾーン抽選に当選したと判断した場合(S318でYES)、またはステップS338において特化ゾーン抽選で通常当選ではないと判断した場合は(S338でNO)、ペナルティ付与手段550はペナルティフラグを設定する(S360)。一方、ステップS350において、右1stではなく(S350でNO)、左1stでストップボタン16L〜16Rが押下操作されると、リプレイDが入賞し(S365)、遊技制御手段110はリプレイの抽選状態をリプレイ高確率状態からリプレイ低確率状態に移行させる制御を行う(S360)。
コマンド管理手段140は、図14に示すステップS300において、打順リプレイ3が当選せず(S300でNO)、図15に示すように、打順リプレイ4が当選した際(S400でYES)、押し順3でストップボタン16L〜16Rが押下操作されると(S410でYES)、対応する押し順エリアに設定された第1特化ゾーン準備コマンドを選択する(S415)。その際、ペナルティ付与手段550は、特化ゾーン抽選において通常当選しているか否かを判断し、通常当選の場合には(S418でYES)、当該第1特化ゾーン準備コマンドに基づいて、コマンド準備フラグとしてメインフラグ記憶手段に第1特化ゾーン準備フラグを設定し(S420)、コマンド準備状態として第1特化ゾーン準備状態へ移行し、コマンド切替処理を行う(S425)。一方、ステップS410において、押し順3ではなく(S410でNO)、押し順4でストップボタン16L〜16Rが押下操作されると(S430でYES)、コマンド管理手段140は、対応する押し順エリアに設定されたAT信号出力準備コマンドを選択する(S435)。その際、ペナルティ付与手段550は、特化ゾーン抽選に当選しているか否かを判断し、当選していない場合には(S438でNO)、当該AT信号出力準備コマンドに基づいて、コマンド準備フラグとしてメインフラグ記憶手段にAT信号出力準備フラグを設定し(S440)、コマンド準備状態としてAT信号送信準備状態へ移行し、コマンド切替処理を行う(S425)。一方、ステップS430において、押し順4ではなく(S430でNO)、右1stでストップボタン16L〜16Rが押下操作されると(S450でYES)、コマンド管理手段140は、対応する押し順エリアに設定された第2特化ゾーン準備コマンドを選択する(S455)。その際、ペナルティ付与手段550は、特化ゾーン抽選において特別当選しているか否かを判断し、特別当選の場合には(S458でYES)、当該第2特化ゾーン準備コマンドに基づいて、コマンド準備フラグとしてメインフラグ記憶手段に第2特化ゾーン準備フラグを設定し(S460)、コマンド準備状態として第2特化ゾーン準備状態へ移行し、コマンド切替処理を行う(S425)。一方、ステップS450において、右1stではなく(S450でNO)、左1stでストップボタン16L〜16Rが押下操作されると、また、ステップS418において特化ゾーン抽選で通常当選ではないと判断した場合(S418でNO)、またはステップS438において特化ゾーン抽選に当選したと判断した場合(S438でYES)、またはステップS458において特化ゾーン抽選で特別常当選ではないと判断した場合(S458でNO)、ペナルティ付与手段550はペナルティフラグを設定する(S470)。
コマンド管理手段140は、図15に示すステップS400において、打順リプレイ4が当選せず(S400でNO)、図16に示すように、打順リプレイ5が当選した際(S500でYES)、左1stでストップボタン16L〜16Rが押下操作されると(S510でYES)、対応する押し順エリアに設定された第2特化ゾーン準備コマンドを選択する(S515)。その際、ペナルティ付与手段550は、特化ゾーン抽選において特別当選しているか否かを判断し、特別当選の場合には(S518でYES)、当該第2特化ゾーン準備コマンドに基づいて、コマンド準備フラグとしてメインフラグ記憶手段に第2特化ゾーン準備フラグを設定し(S520)、コマンド準備状態として第2特化ゾーン準備状態へ移行し、コマンド切替処理を行う(S525)。一方、ステップS510において、左1stではなく(S510でNO)、押し順5でストップボタン16L〜16Rが押下操作されると(S530でYES)、コマンド管理手段140は、対応する押し順エリアに設定された第1特化ゾーン準備コマンドを選択する(S535)。その際、ペナルティ付与手段550は、特化ゾーン抽選において通常当選しているか否かを判断し、通常当選の場合には(S538でYES)、当該第1特化ゾーン準備コマンドに基づいて、コマンド準備フラグとしてメインフラグ記憶手段に第1特化ゾーン準備フラグを設定し(S540)、コマンド準備状態として第1特化ゾーン準備状態へ移行し、コマンド切替処理を行う(S525)。一方、ステップS530において、押し順5ではなく(S530でNO)、押し順6でストップボタン16L〜16Rが押下操作されると(S550でYES)、マンド管理手段140は、対応する押し順エリアに設定されたAT信号出力準備コマンドを選択する(S555)。その際、ペナルティ付与手段550は、特化ゾーン抽選に当選しているか否かを判断し、当選していない場合には(S558でNO)、当該AT信号出力準備コマンドに基づいて、コマンド準備フラグとしてメインフラグ記憶手段にAT信号出力準備フラグを設定し(S560)、コマンド準備状態としてAT信号送信準備状態へ移行し、コマンド切替処理を行う(S525)。一方、ステップS550において、押し順6ではなく(S550でNO)、中1stでストップボタン16L〜16Rが押下操作されると、また、ステップS518において特化ゾーン抽選で特別当選ではないと判断した場合(S518でNO)、またはステップS538において特化ゾーン抽選で特別常当選ではないと判断した場合(S538でNO)、またはステップS558において特化ゾーン抽選に当選したと判断した場合(S458でYES)、ペナルティ付与手段550はペナルティフラグを設定する(S570)。
コマンド管理手段140は、図16に示すステップS500において、打順リプレイ5が当選せず(S500でNO)、図17に示すように、打順リプレイ6が当選した際(S600でYES)、押し順1でストップボタン16L〜16Rが押下操作されると(S610でYES)、対応する押し順エリアに設定された第1特化ゾーン準備コマンドを選択する(S615)。その際、ペナルティ付与手段550は、特化ゾーン抽選において通常当選しているか否かを判断し、通常当選の場合には(S618でYES)、当該第1特化ゾーン準備コマンドに基づいて、コマンド準備フラグとしてメインフラグ記憶手段に第1特化ゾーン準備フラグを設定し(S620)、コマンド準備状態として第1特化ゾーン準備状態へ移行し、コマンド切替処理を行う(S625)。一方、ステップS610において、押し順1ではなく(S610でNO)、押し順2でストップボタン16L〜16Rが押下操作されると(S630でYES)、マンド管理手段140は、対応する押し順エリアに設定されたAT信号出力準備コマンドを選択する(S635)。その際、ペナルティ付与手段550は、特化ゾーン抽選に当選しているか否かを判断し、当選していない場合には(S638でNO)、当該AT信号出力準備コマンドに基づいて、コマンド準備フラグとしてメインフラグ記憶手段にAT信号出力準備フラグを設定し(S640)、コマンド準備状態としてAT信号送信準備状態へ移行し、コマンド切替処理を行う(S625)。一方、ステップS630において、押し順2ではなく(S630でNO)、中1stでストップボタン16L〜16Rが押下操作されると(S650でYES)、コマンド管理手段140は、対応する押し順エリアに設定された第2特化ゾーン準備コマンドを選択する(S655)。その際、ペナルティ付与手段550は、特化ゾーン抽選において特別当選しているか否かを判断し、特別当選の場合には(S658でYES)、当該第2特化ゾーン準備コマンドに基づいて、コマンド準備フラグとしてメインフラグ記憶手段に第2特化ゾーン準備フラグを設定し(S660)、コマンド準備状態として第2特化ゾーン準備状態へ移行し、コマンド切替処理を行う(S625)。一方、ステップS650において、中1stではなく(S650でNO)、右1stでストップボタン16L〜16Rが押下操作されると、また、ステップS618において特化ゾーン抽選で通常当選ではないと判断した場合(S618でNO)、またはステップS638において特化ゾーン抽選に当選したと判断した場合(S638でYES)、またはステップS658において特化ゾーン抽選で特別常当選ではないと判断した場合(S658でNO)、ペナルティ付与手段550はペナルティフラグを設定する(S670)。
コマンド管理手段140は、図17に示すステップS600において、打順リプレイ6が当選せず(S600でNO)、図18に示すように、打順小役1〜5が当選した際(S700でYES)、正解押し順でストップボタン16L〜16Rが押下操作されると(S710でYES)、その状態を維持したまま処理が終了する。
一方、ステップS710において、正解押し順ではなく(S710でNO)、不正解押し順でストップボタン16L〜16Rが押下操作されると、ペナルティ付与手段550は、特化ゾーン抽選に当選しているか否かを判断し、当選している場合であって(S618でYES)、その際、特殊小役が入賞した場合は(S720でYES)、ペナルティ付与手段550はペナルティフラグを設定する(S730)。一方、ステップS720において、特殊小役が入賞せず(S720でNO)、RT変動ブランクが表示された場合は、遊技制御手段110はリプレイの抽選状態をリプレイ高確率状態からリプレイ低確率状態に移行させる制御を行う(S740)。
なお、ステップS700において、打順小役1〜5が当選しなかった場合(S700でNO)、またはステップS618において特化ゾーン抽選に当選していない場合には(S618でNO)その状態を維持したまま処理を終了する。
コマンド管理手段140は、図12に示すステップS100において、コマンド準備フラグが設定されていると判断した場合は(S100でYES)、図19に示すように、打順リプレイ1〜6のうち打順リプレイ1が当選した際に(S800でYES、S805でYES)、右1stでストップボタン16L〜16Rが押下操作された場合(S810でYES)、また、打順リプレイ1が当選せず(S805でNO)、打順リプレイ2が当選した際に(S815でYES)、左1stでストップボタン16L〜16Rが押下操作された場合(S820でYES)、また、打順リプレイ2が当選せず(S815でNO)、打順リプレイ3が当選した際に(S825でYES)、中1stでストップボタン16L〜16Rが押下操作された場合(S830でYES)、また、打順リプレイ3が当選せず(S825でNO)、図20に示すように、打順リプレイ4が当選した際に(S900でYES)、中1stまたは右1stでストップボタン16L〜16Rが押下操作された場合(S905でYES)、また、打順リプレイ4が当選せず(S900でNO)、打順リプレイ5が当選した際に(S910でYES)、左1stまたは右1stでストップボタン16L〜16Rが押下操作された場合(S905でYES)、また、打順リプレイ5が当選せず(S910でNO)、打順リプレイ6が当選した際に、左1stまたは中1stでストップボタン16L〜16Rが押下操作された場合(S925でYES)、図19に示すように、AT信号出力開始コマンドまたは特化ゾーン開始コマンドを選択し(S835)、設定されているコマンド準備フラグの種類を判断し、コマンド準備フラグとしてAT信号出力準備フラグが設定されていると判断したときは(S840YES)、選択したAT信号出力開始コマンドに基づいてメインフラグ記憶手段にAT状態開始フラグを設定し(S845)、一方、コマンド準備フラグとしてAT信号出力準備フラグではなく(S840でNO)、第1特化ゾーン準備フラグが設定されていると判断したときは(S850でYES)、選択した特化ゾーン開始コマンドに基づいてメインフラグ記憶手段に第1特化ゾーン開始フラグを設定し(S855)、一方、コマンド準備フラグとして第1特化ゾーン準備フラグではなく(S850でNO)、第2特化ゾーン準備フラグが設定されていると判断したときは、選択した特化ゾーン開始コマンドに基づいてメインフラグ記憶手段に第2特化ゾーン開始フラグを設定する(S860)。ステップS845、S855及びS860において、開始フラグ設定後、メインフラグ記憶手段に設定されたコマンド準備フラグをクリアし(S870)、参照するコマンドテーブルを第2コマンドテーブルから第1コマンドテーブルへ切り替えるコマンド切替処理を行う(S880)。
一方、図19におけるステップS810において右1stで押下操作されなかった場合は(S810でNO)、図12におけるステップS160以降の処理を行う。また、ステップS820において左1stで押下操作されなかった場合は(S820でNO)、図13におけるステップS250以降の処理を行う。また、ステップS830において中1stで押下操作されなかった場合は(S830でNO)、図14におけるステップS350以降の処理を行う。また、図20におけるステップS905において中1stまたは右1stで押下操作されなかった場合は(S905でNO)、図15におけるステップS470以降の処理を行う。また、ステップS915において左1stまたは右1stで押下操作されなかった場合は(S915でNO)、図16におけるステップS570以降の処理を行う。また、ステップS925において左1stまたは中1stで押下操作されなかった場合は(S925でNO)、図17におけるステップS670以降の処理を行う。
ペナルティ付与手段550は、ステップS855における第1特化ゾーン開始フラグの設定、またはステップS860における第2特化ゾーン開始フラグの設定に基づいて特化ゾーン状態が開始した際、特化ゾーン準備状態において上述のペナルティ判断処理に基づいてペナルティフラグを設定している場合、AT管理手段530のAT加算抽選による加算可能な値を制限するペナルティを付与する。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、本実施形態に対して、次のような変形や変更を施すことが可能であって、それらの組合せも適宜可能である。
(変形例1)
上述した本発明の実施の形態では、コマンド管理手段140は、ストップボタン16L〜16Rに対する押し順(押し順エリア)に対応して設定されている所定のコマンド(準備コマンド、開始コマンド)を、打順リプレイ1〜6が当選した際に入賞するリプレイの種類に依存することなく、選択可能となっている。
例えば、図7において、打順リプレイ1が当選した際に、押し順5でストップボタン16L〜16Rの押下操作がされると、リプレイEが入賞するとともに、図8に示す第1準備コマンドとして、AT信号出力準備コマンドが選択され、図9に示す第1開始コマンドとして、AT信号出力開始コマンドまたは特化ゾーン開始コマンドが選択されるようになっており、また、同じく、打順リプレイ1が当選した際に、押し順6でストップボタン16L〜16Rの押下操作がされると、リプレイFが入賞するとともに、第1準備コマンドにおいては、第1特化ゾーン準備コマンドが選択され、第1開始コマンドにおいては、AT信号出力開始コマンドまたは特化ゾーン開始コマンドが選択されるようになっている。
この場合、押し順5または6のいずれの操作が行われた場合であっても、共に、リプレイE、リプレイFまたは他のリプレイが入賞するように、各押し順エリアに対して同一のリプレイが当選するように設定してもよい。これによって、第1準備コマンドまたは第1開始コマンドにおいて選択されるコマンドが変化することはないからである。すなわち、入賞するリプレイの種類によって選択されるコマンドが変化することはないからである。なお、上記の例は一例であり、他の打順リプレイ(打順リプレイ2〜6)が当選した場合も同様である。
(変形例2)
上述した本発明の実施の形態では、コマンド管理手段140は、ストップボタン16L〜16Rに対する押し順(押し順エリア)に対応して設定されている所定のコマンド(準備コマンド、開始コマンド)を選択するとともに、当該コマンドを切り替える処理を行っているが、これに限定されず、打順リプレイ1〜6を構成する所定のリプレイのみに対応してコマンドを設定するようにしてもよい。
具体的には、コマンド管理手段140は、非コマンド準備状態においては、打順リプレイ1〜6が当選した際に、リプレイE?Gのうちいずれかが入賞したことに基づいて、コマンド準備フラグを設定する。より詳細には、コマンド管理手段140は、非コマンド準備状態において、リプレイEの入賞を契機にコマンド準備状態としてAT信号送信準備状態に設定し、リプレイFの入賞を契機にコマンド準備状態として第1特化ゾーン準備状態に設定し、リプレイGの入賞を契機にコマンド準備状態として第2特化ゾーン準備状態に設定する。
次に、コマンド管理手段140は、コマンド準備状態のうち、AT信号送信準備状態において、リプレイE〜Gのうちいずれかが入賞したことに基づいて、AT状態開始フラグを設定し、同じく第1特化ゾーン準備状態において、リプレイE〜Gのうちいずれかが入賞したことに基づいて、コマンド管理手段140は、第1特化ゾーン開始フラグを設定し、同じく第2特化ゾーン準備状態において、リプレイE〜Gのうちいずれかが入賞したことに基づいて、後述するAT管理手段2は、第2特化ゾーン開始フラグを設定するようにしてもよい。すなわち、この場合、押し順の種類によってコマンドが変化することはない。
(変形例3)
上記変形例2では、打順リプレイを構成する各リプレイに対応するようにコマンドを設定しているが、これに限定されず、打順小役(役群)を構成するベルや特殊小役に対応するようにコマンドを設定するようにしてもよい。
(変形例4)
上述した本発明の実施の形態では、コマンドは、コマンド管理手段140により実質1回切替えられているが、複数の遊技に亘って、複数回切替えを行うようにしてもよい。
(変形例5)
上述した本発明の実施の形態では、押し順エリアに設定された準備コマンド(AT信号出力準備コマンドや、第1特化ゾーン準備コマンドや、第2特化ゾーン準備コマンド)に基づいて、コマンド準備フラグを設定することによって、対応するコマンド準備状態(AT信号送信準備状態や、第1特化ゾーン準備状態や、第2特化ゾーン準備状態)へ移行するとともに、押し順エリアに設定された準備コマンドを開始コマンド(AT信号出力開始コマンド・特化ゾーン開始コマンド)に切り替え、さらに、切り替えられた開始コマンドに基づいて、各コマンド準備状態に対応する処理を開始するように制御されているが、これに限定されず、準備コマンドをメインメモリ190のコマンド記憶手段(図示省略)に一時的に記憶するとともに、押し順エリアに設定された準備コマンドを開始コマンドに切り替え、さらに、切り替えられた開始コマンドに基づいて、一時記憶された各コマンドに基づいて、各コマンドに対応する処理を開始するように制御するようにしてもよい。
(変形例6)
上述した本発明の実施の形態では、準備コマンドと開始コマンドを段階的に実行するによって、メイン基板100が、サブ基板500が管理する情報や状況を判断するようになっているが、これに限定されず、2以上の複数のコマンド(情報)が組み合わさることにより、1の処理を行うようにしてもよく、この場合、組合せパターンに応じて複数の処理を行うことができる。
(変形例7)
上述した本発明の実施の形態では、コマンド切替処理によって、押し順エリアに対して設定されるコマンド切替処理前のコマンドの種類よりも、コマンド切替処理後のコマンドの種類を少なくするような処理が行われているが、これに限定されず、コマンド切替処理前のコマンドの種類よりも、コマンド切替処理後のコマンドの種類を多くするような処理(例えば、押し順1〜6のそれぞれに異なるコマンドを設定するように切り替える)を行ってもよい。このように、多くの種類のコマンドに切り替え可能とすることにより、コマンド切替処理後のコマンドに基づいて、多様な情報(命令)をメイン基板100に伝達することができる。
(変形例8)
上述した本発明の実施の形態では、ペナルティ付与手段550がペナルティフラグを設定すると、AT管理手段530が行うAT加算抽選において参照する加算値テーブルを一回で一気に不利となる加算テーブルへと変更するようになっているが、これに限定されず、段階的に不利となる値が設定された複数の加算テーブルを設けるようにしてもよい。また、最終的に、特化ゾーンへの移行の権利を消滅させるようにしてもよい。
以上により、本実施形態のスロットマシンSは、遊技を統括的に管理するメイン基板100が、メイン基板100からのコマンド信号の受信のみを可能とした単方向通信で接続されるサブ基板500により管理される演出状態を、第1の操作手順や第2の操作手順で操作が行われたことに基づいて判断可能なスロットマシンSであって、メイン基板100による役の当否を決定するための内部抽選の対象として、操作手順に応じて入賞する役が異なるように複数の役から構成される打順リプレイ1〜6を設定するとともに、打順リプレイ4〜6に対応する複数種類の準備コマンドのうち第2特化ゾーン準備コマンドを設定し、打順リプレイ1〜3に対応する準備コマンドのうちAT信号出力準備コマンド及び第1特化ゾーン準備コマンドを設定し、メイン基板100は、準備コマンドを準備コマンドとは異なる開始コマンドに切り替えるコマンド切替処理を実行可能なコマンド管理手段140を有し、コマンド管理手段140は、内部抽選の結果、打順リプレイ4〜6が当選した際に、所定の第1の操作手順で操作が行われたことに基づいて第2特化ゾーン準備コマンドを選択するとともに、コマンド切替処理を行い、当該コマンド切替処理後の遊技において、打順リプレイ1〜6が当選した際に、所定の第2の操作手順で操作が行われたことに基づいて開始コマンドを選択し、メイン制御手段100は、選択された第2特化ゾーン準備コマンドと選択された開始コマンドとに基づいて、演出状態を判断する。
このような構成としたことにより、内部抽選で、打順リプレイ1〜6のうち打順リプレイ4〜6のいずれかが当選した際に、所定第1の操作手順で操作が行われたことにより選択した第2特化ゾーン準備コマンドと、第2特化ゾーン準備コマンド選択後の遊技で、内部抽選で打順リプレイ1〜6のいずれかが当選した際に所定の第2の操作手順で操作が行われたことにより選択した特化ゾーン開始コマンドとに基づいて所定の処理(第2特化ゾーン開始フラグの設定)を実行可能としているため、段階的に役群の当選確率を高めること(打順リプレイ4〜6の合算当選確率<打順リプレイ1〜6の合算当選確率)により、例えば、打順リプレイ4〜6のみの当選を契機としたコマンドの選択を複数回行った場合と比較すると、所定の処理(第2特化ゾーン開始フラグの設定)の実行開始の早期化を図ることができる。
具体的に、一例を挙げて説明する。例えば、打順リプレイ1〜6の合算当選確率が1/1.5の場合、例えば、打順リプレイ4〜6の合算当選確率は、1/3となる。
ここで、従来技術では、例えば、打順リプレイ4〜6が複数回当選し、打順リプレイ4〜6を構成する所定のリプレイが複数回入賞したことに基づいて、メイン制御手段が、サブ制御手段が管理する演出状態等を判断するようになっており、判断するための要件として、所定のリプレイの入賞が2回必要な場合には、打順リプレイ1〜6のいずれかの当選が2回必要となるため、準備期間として平均6ゲーム要することとなる。
一方、本実施形態のスロットマシンSの場合、メイン基板100が、サブ基板500が管理する演出状態(第2特化ゾーン)を判断するために、準備コマンドと開始コマンドとに基づく処理が必要となるが、第2特化ゾーンに係る準備コマンド(第2特化ゾーン準備コマンド)を選択させるためには打順リプレイ4〜6の当選が1回必要であり、第2特化ゾーンに係る開始コマンド(特化ゾーン開始コマンド)を選択させるためには、打順リプレイ1〜6の当選が1回必要であるため、準備期間として平均して4.5ゲームを要することとなる。
すなわち、本実施形態のスロットマシンSでは、準備期間を従来技術と比較して短縮することができるため、メイン基板100が、サブ基板500が管理する状況や情報を早期に判断することができる。
また、少なくとも2段階(準備コマンドの選択及び開始コマンドの選択)でコマンドに基づく処理を実行することができるため、出鱈目の操作手順で1回操作が行われることにより、偶然にコマンドに基づく処理が行われないようにする。これにより、メイン基板100は、サブ基板500が管理する演出状態に対する判断の正確性を担保するとともに、この判断を行うための準備期間を極力短期間とすることができる。
また、例えば、コマンド切替処理を行う際に、コマンド切替処理前のコマンドよりもコマンド切替処理後のコマンドの種類が多くなるようにコマンドを切り替えることにより、コマンド切替処理後の方が選択可能なコマンドの種類が増えるため、メイン基板100へサブ基板500が管理する状態(例えばAT状態)の開始に係る情報を伝達するような従来の遊技機よりも多様な情報をメイン基板100へ伝達することができる。
さらに、本実施形態のスロットマシンSは、遊技を統括的に管理するメイン基板100が、メイン基板100からのコマンド信号の受信のみを可能とした単方向通信で接続されるサブ基板500により管理される演出状態を、第1の操作手順や第2の操作手順で操作が行われたことに基づいて判断可能なスロットマシンSであって、メイン制御手段100は、操作手順に対応してメインメモリ100に記憶された複数種類の準備コマンドを準備コマンドとは異なる開始コマンドに切り替えるコマンド切替処理を実行可能なコマンド管理手段140を有し、コマンド管理手段140は、所定の第1の操作手順で操作が行われたことに基づいて、準備コマンドを選択するとともに、コマンド切替処理を行い、当該コマンド切替処理後の遊技において、所定の第2の操作手順で操作が行われたことに基づいて、開始コマンドを選択し、メイン制御手段100は、選択した準備コマンドと選択した開始コマンドとに基づいて、前記演出状態を判断する。
さらに、本実施形態のスロットマシンSは、準備コマンド及び開始コマンドは、メインメモリ190に設定された予め所定数に区分された押し順エリアに、それぞれ押し順と対応するように設定され、コマンド管理手段140は、コマンド切替処理において、押し順エリアに設定されている複数種類の準備コマンドを、当該準備コマンドによりも少なくとも種類が少ない開始コマンドに切り替える。
このような構成としたことにより、コマンド管理手段140は、図8に示す各押し順エリアのそれぞれに設定された複数種類の準備コマンド(例えば、AT出力準備コマンド、第1特化ゾーン準備コマンド、第2特化ゾーン準備コマンド)を、図9に示す一の押し順エリアに纏めて設定された開始コマンド(AT信号出力開始コマンド、特化ゾーン開始コマンド)に切り替えるコマンド切替処理によって、押し順エリアに対して設定されるコマンド切替処理前の準備コマンドの種類よりも、コマンド切替処理後の開始コマンドの種類を少なくすることができる。
これにより、準備コマンド(例えば、AT出力準備コマンド、第1特化ゾーン準備コマンド、第2特化ゾーン準備コマンド)が選択されうる操作手順で操作される確率よりも、開始コマンド(AT信号出力開始コマンド、特化ゾーン開始コマンド)が選択されうる操作手順で操作される確率を高く設定することができる。例えば、第1段階目の準備コマンドに対応する操作手順で操作される確率が、例えば1/6の場合、第2段階目の開始コマンドに対応する操作手順で操作される確率を、例えば1/3とすることができる。
このように、コマンドの種類を少なくすることにより、コマンドに係る設計や開発工数を抑え、コストの抑制を図ることができ、また処理が簡素化されるため、処理効率の向上を図ることができる。
さらに、本実施形態のスロットマシンSは、コマンド管理手段140は、第1の操作手順が記憶された押し順エリアと第2の操作手順が記憶された押し順エリアとにそれぞれ設定されている準備コマンドを、それぞれの打順エリアに跨るように開始コマンドに書き換え、サブ基板500は、演出状態に応じて所定の契機で、開始コマンドに基づく処理を実行させるために、第1の操作手順または第2の操作手順に係る演出を報知する。
これにより、開始コマンドを実行するために、サブ基板500は、第1の操作手順または第2の操作手順で操作に係る演出を報知するが、第1の操作手順を報知した際に、第2の操作手順で操作したとしても、また、その逆であっても、開始コマンドに基づいて処理が行われる。すなわち、サブ基板500の演出に従わず、操作手順を間違えた場合であっても、適切に処理される場合があり、適切な処理を行うための操作手順に許容性を持たせることができる。