JP5707304B2 - 建築構造体 - Google Patents
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Description
このような、長孔を利用する熱延び吸収構造は構成が簡単で採用しやすいが、一方の中空形材に長孔を形成しなければならない手間がかかるのと、そのままでは長孔が外部から見え、建築構造体の外観を損ねてしまう恐れがあるなどの難点がある。
連結具が架設材と受け板とで構成され、架設材は一方中空形材に固定され、受け板は他方中空形材に固定され、さらに、受け板と架設材が長孔を介して連結されるので、連結強度が向上すると共に、ガタつきを防止することができる。
架設材側長孔8および受け板側長孔10は、いずれも、熱延びによる寸法変化を吸収できる長さを有する。
架設材9に受け板連結用ねじ12で受け板11を連結する。受け板連結用ねじ12は、受け板11の受け板側長孔10を貫通して架設材9の受け板連結用ねじ孔12aへねじ込まれる。受け板連結用ねじ孔12aは、架設材9に設けた固定部であって、受け板11と架設材9を連結するために用いる。受け板11と架設材9との連結構造は、受け板側長孔10により、相互に熱延び方向へスライド可能である。このように連結された架設材9と受け板11とで連結具4が構成される。
連結具4は、一方中空形材2及び他方中空形材3の長手方向端部の内部に架け渡して配置する。そして、一方中空形材2の外から架設材固定用ねじ13を架設材9の架設材固定用ねじ孔13aにねじ込んで連結具4の一端部を一方中空形材2に固定し、また、連結具4の他端部を他方中空形材3に、架設材連結用ねじ14を架設材9の架設材側長孔8を貫通させ、受け板11の架設材連結用ねじ孔14aへねじ込むことで連結する。これにより、一方中空形材2と他方中空形材3が相互に、熱延び方向へスライド可能に連結される。架設材固定用ねじ孔13aは、架設材9における固定部であって、架設材9と一方の中空形材2を固定するために用いる。また、架設材連結用ねじ孔14aは、受け板11における固定部であって、受け板11と他方中空形材3を連結するために用いる。
この実施例のパネル18は笠木タイプの縦格子であり、上辺の笠木19と下辺の下弦材20との間に縦桟21が配置され、これらの上下がそれぞれ笠木19と下弦材20とにねじ22,23によってねじ止めされている(図4)。笠木19、下弦材20、縦桟21は、この実施例において、いずれもアルミ合金の中空形材で構成されている。
パネル18は、その上辺を係合するフック24(図4)と下辺を係合するフック25を、共に支柱17の正面へ固定することによって、支柱17へ取り付けられる。なお、図において、フック24,25を支柱17へ固定するために支柱17を貫通してフック24,25にねじ込まれるボルトは図示していない。
下方のフック25は下方が載置係合部25aとなっており、この部分に下弦材20の背面側上部に一体成形された引掛け部25bが係合する。この載置係合部25aは正面側へ張り出した後上方へ屈曲した係合部を有するだけで抜け止め部は有していない。また、下方のフック25はパネル18の重量を支持するために上方のフック24よりも肉厚で頑丈に構成されている。
図3の円囲み部分Aは、隣接した一方の笠木19aと他方の笠木19bが連結具26aを用いて連結されている「中空形材を連結した構造部分」(構造部分Aという)であり、同図3の円囲み部分Bは、隣接した一方の下弦材20aと他方の下弦材20bが連結具26bを用いて連結されている「中空形材を連結した構造部分」(構造部分Bという)である。
図5において、符号31は笠木用隙間カバー、符号32は下弦材用隙間カバーである(後述)。
架設材側長孔8および受け板側長孔10は、いずれも、熱延びによる寸法変化を吸収できる長さ(実施例では約22mm)を有する。
ついで、架設材9に受け板11を組み付けて一体とした連結具26aを一方の笠木19aと他方の笠木19bとの間に架け渡して配置し、その一端部を一方の笠木19aに架設材固定用ねじ13を架設材9の架設材固定用ねじ孔13aにねじ込んで固定し、また、他端部を他方の笠木19bに、架設材連結用ねじ14を架設材9の架設材側長孔8を貫通させて受け板11の架設材連結用ねじ孔14aへねじ込むことにより連結して、一方の笠木19aと他方の笠木19bを連結する。固定はねじとねじ孔に限らず、フックと係合孔による場合もある。この場合、係合孔が固定部となる。
下弦材用隙間カバー32(図9ロ)についても笠木用隙間カバー31の場合と同様であり、同じ説明となるので、対応する部品に同じ符号を付して説明を省略する。
また、複数のパネル18を連ねたフェンス15は笠木19と下弦材20が一連につながり、また、熱延び吸収構造に利用する長孔が外観に現れないので、フェンスの意匠性が向上する。
さらに、従来品(図16)のように、熱伸び吸収のための長孔を中空形材(例えば、笠木19b)へ直接に設けると、中空形材の端部を連結具4の両端で固定する場合に、長孔側ではあらかじめ熱伸び分を考慮して長孔内でのねじの位置を定める必要がある。このため、連結するまでに長孔側の中空形材を抜き差し調整しなければならない。しかし、実施例の場合は、架設材9に対する受け板11の位置を長孔10を介して定めておけば、後は架設材9に受け板11を重合させた連結具26aを両側の中空形材と結合(固定)するだけで作業が完了するので、現場での作業性が改善される。
フック44,45は同形で上部に鈎部46を有する載置部47を備えている。鈎部46は上端に背面側に曲がる抜け止め部48を有している。
なお、胴縁40は、図6の笠木19の場合と同様に、背面側の両端部に架設材固定用ねじ13を通すための取付け孔27,28(実施例においてそれぞれ2個)と縦桟21を固定するためのねじ43を通すための取付け孔29(胴縁40では正面側の下部)が等間隔に形成されている。
架設材側長孔8および受け板側長孔10は、いずれも、熱延びによる寸法変化を吸収できる長さを有する。
ついで、架設材9に受け板11を組み付けて一体とした連結具26aの一端部を、架設材固定用ねじ13で一方の胴縁40aに固定し、他端部を他方の胴縁40bに、架設材9の架設材側長孔8を貫通させた架設材連結用ねじ14で受け板11へ連結する。
架設材固定用ねじ13、架設材連結用ねじ14は、隣接した胴縁40a,40bの端部に形成されている前記の取付け孔27,28を通して架設材9及び受け板11にねじ込まれる(図8参照)。
説明が重複するので省略する。
他の構造は実施例1の場合と同じであり、説明を省略する。
構造部分Aにおいて、他方の笠木19bの端部は架設材連結用ねじ14で連結されるだけであり、架設材9のもう一つのねじ孔58bは遊んでいる。
これにより、取り替える必要のあるパネル38だけをフェンス36から直接に取外すことができ、従来のように、長いフェンス36の端から目的のパネル38まで、パネル38を順次ずらしたり、取外していく必要がない。
建築構造体としては他に外装材や手摺、無目、その他、中空形材を連結して構成する構造体がある。
実施例において、連結具26における架設材9や受け板11の形状をチャンネル形や平らな板材としているが、連結しようとする一方中空形材、他方中空形材の断面形状に応じて、その一部あるいは断面の全体に適合するように設定される。
笠木用隙間カバー31や下弦材用隙間カバー32は、アルミ合金の押出し形材から切り出されることが多いが、鋳造品であったり、合成樹脂製であってもよい。
支柱17、37に対するパネル38の取付け構造は、実施例の用にフックに限らず、直接的なねじ止めなど、適宜の手段によってもよい。
2 一方中空形材
3 他方中空形材
4 連結具
5 ねじ
6 長孔
7 ねじ
8 架設材側長孔
9 架設材
10 受け板側長孔
12 受け板連結用ねじ
12a 受け板連結用ねじ孔
13 架設材固定用ねじ
13a 架設材固定用ねじ孔
14 架設材連結用ねじ
14a 架設材連結用ねじ孔
15 フェンス
16 基礎
17 支柱
18 パネル
19,19a,19b 笠木
20,20a,20b 下弦材
22 ねじ
23 ねじ
24 上方のフック
24a 載置係合部
24b 引掛け部
24c 抜け止め部
24d 呑み込み部
25 下方のフック
26 連結具
26a 上部の連結具
26b 下部の連結具
27 取付け孔
28 取付け孔
29 取付け孔
30 切り起こし片
32 下弦材用隙間カバー
33 ねじ挿通孔
34 舌片
35 ねじ
36 フェンス
37 支柱
38 パネル
39 基礎
41 下の胴縁
42 縦桟
43 ねじ
44 上のフック
45 下のフック
46 鈎部
47 載置部
48 抜け止め部
49 上のボルト
50 下のボルト
52 連結具
53 胴縁用隙間カバー
54 舌片
55 ねじ
56 取外し用ガイド長孔
57 カバー取付け用ねじ孔
58,58a,58b ねじ孔
Claims (1)
- 一方中空形材と、他方中空形材と、これらを連結する連結具とを備え、
連結具は、一方中空形材及び他方中空形材の長手方向端部の内部に架け渡して配置され、
連結具は架設材と受け板を備え、
架設材は一方中空形材側に一方中空形材との固定部を有すると共に他方中空形材側に中空形材の長手方向に長い長孔と受け板との固定部を有し、
受け板は他方中空形材との固定部と中空形材の長手方向に長い長孔とを有し、
架設材に受け板を重合して受け板の長孔を介して受け板を架設材とスライド可能に連結し、
架設材を一方中空形材及び他方中空形材の長手方向端部の内部に架け渡して配置し、一方中空形材をその架設部材の固定部へ固定すると共に、他方中空形材を架設材の長孔を介して受け板の固定部へ固定してあり、長孔によって中空形材の熱延びを吸収することを特徴とする建築構造体。
Priority Applications (1)
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JP2011254376A JP5707304B2 (ja) | 2011-11-21 | 2011-11-21 | 建築構造体 |
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JP2011254376A JP5707304B2 (ja) | 2011-11-21 | 2011-11-21 | 建築構造体 |
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JP2011254376A Active JP5707304B2 (ja) | 2011-11-21 | 2011-11-21 | 建築構造体 |
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