JP5706208B2 - 広角光検出部材及びそれを用いた走査型観察装置 - Google Patents

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Description

本発明は、従来の電子内視鏡よりも細径化が可能なファイバ走査型観察装置に好適な広角光検出部材及びそれを用いた走査型観察装置に関するものである。
従来型の電子内視鏡よりも細径化することが可能な観察装置として、例えば、次の非特許文献1,2に記載の走査型プローブが提案されている。
図9は非特許文献2に記載の走査型プローブの一構成例を示す説明図である。この種の走査型プローブは、例えば図9に示すように、照明光を導波させた照明用光ファイバ51を、アクチュエータ52を介して振動させることによって、対象物上へ所定のパターンで光を走査させ、対象物からの戻り光を検出用光ファイバ53で受光し、画像化させるような構成となっている図中、54は照明レンズである。
この種の走査型プローブとしては、外径が1mm程度のものが提案されている。そして、検出用光ファイバには、マルチモードファイバを用いており、その直径は数100μm以下の細さとなっている。
ところで、このような走査型観察装置においては、画角は照射角と検出受光角(取り込み角)のうち小さい方に制約される。
図10は走査型観察装置の照射角と取り込み角との関係を示す説明図である。
照射角は、照明用光ファイバ先端部の振動振幅及びその偏向角と照明レンズの焦点距離によって定まり、100度程度はとることができる。一方、取り込み角は、検出用光ファイバのNAにより定まるが、現状では、検出用光ファイバのNA0.6として70度程度が限界である。
このため、たとえ照明できても検出用光ファイバの取り込み角により、画角が制限され、検出できない領域が、特に、画像周辺で顕著に生じ、内視鏡として利用する場合に必要な90度以上の画角を得ることが困難である。
このため、上記のような走査型観察装置を内視鏡として利用するには、取り込み角を、検出用光ファイバのNAで定まる角度以上に広げる必要がある。
光ファイバを用いた広角化に関する従来技術としては、例えば、次の特許文献1に、照明用光ファイバに関し、照射角を広角化する技術が記載されている。
図11は特許文献1に記載されている広角照明装置の構成を示す説明図で、(a)はその一構成例の断面図、(b)は(a)を前方から見た平面図、(c)は他の構成例の断面図、(d)はさらに他の構成例の断面図、(e)はさらに他の構成例の断面図、(f)はさらに他の構成例の断面図である。
特許文献1に記載の技術では、影像伝送系61の周囲に環状に配列された第1のライトガイド62(正面用の照明用光ファイバ)の周囲に第2のライトガイド63(周辺用の照明用光ファイバ)を設け、第2のライトガイド63の先端を外側に傾ける(図11(a)参照)、斜めにカットする(図11(c)参照)、或いは、第2ライトガイド63の先端に、反射部材64(図11(d)参照)や、プリズム65(図11(e)参照)を設けることによって、照射角の拡大を図っている。また、特許文献1には、従来技術として、照明用光ファイバ62の先端に広角レンズ66(図11(f)参照)を設けることによって、照射角を拡大する技術も開示されている。
特許第2941621号公報
In Press, Optical fibers and Sensors for Medical Diagnosis and Treatment Applications, Ed. I. Gannot, Proc. SPIE vol. 6083 Gastrointest Endoscopy Clin N Am 18(2008)467-478
しかし、特許文献1に記載の技術は、照射角を拡大させる光学部材に対する液体の付着について何ら配慮がなされていない。このため、特許文献1に記載の技術を内視鏡の検出用光ファイバに利用した場合、先端の照射角を拡大させる構成部分が体液や水に濡れることによって、取り込み角が大きく変化し、画角が大きく変化してしまう。
また、特許文献1に記載の技術は、第1のライトガイド62(正面用の照明用光ファイバ)の周囲に第2のライトガイド63(周辺用の照明用光ファイバ)を設けた分、太径化してしまう。
また、ライトガイドの先端にレンズ等を設けるのでは、レンズを光ファイバの端面よりも小さく成形することが難しく、その結果レンズの径によって太径化してしまう。
また、図11(c)に示すような端面を斜めにカットした光ファイバは、画角に異方性が生じないように、組み立て時に光ファイバの端面の傾き方向を調整する必要があり、組立が煩雑化する。
ここで、光ファイバの先端に散乱部材やレンズ・プリズムを用いると太径化する点について説明する。
図12は光ファイバの先端に散乱部材やレンズを設けた構成と径の太径化との関係を示す説明図で、(a)は光ファイバの先端に散乱部材を備えた構成における径の太径化を示す図、(b)は光ファイバの先端にレンズを備えた構成における径の太径化を示す図である。図12中、71は検出用光ファイバ、72はファイバコア部、73はファイバクラッド部、74はビーズ等の光散乱体を混ぜ固めた散乱部材、75は凹レンズである。
図12(a)に示すように、散乱部材74を検出用光ファイバ71の先端に備えると、取り込み角を拡大させる効果が得られる。しかるに、十分な拡大効果を得るためには散乱部材74の厚みを厚くする必要がある。しかし、散乱部材74の厚みを厚くした場合、広角に受光するためには、径を拡大せざるを得なくなる。
また、図12(b)に示すように、凹レンズ75を、検出用光ファイバ71の先端に備える場合、径の拡大を抑制するためには、凹レンズ75の直径を検出用光ファイバ71の直径と同等以下にする必要がある。しかるに、検出用光ファイバ71の直径は数100μm以下であり、凹レンズ75を検出用光ファイバ71と同等以下の大きさの直径に加工することは非常に困難である。このため、凹レンズ75を検出用光ファイバ71の先端に備えた場合、全体の径を検出用光ファイバ71と同等に抑えることは困難である。しかも、レンズを用いた場合には、検出用光ファイバとレンズとの偏心調整など、組立の難易度も非常に高くなってしまう。またここでは、凹レンズを例として説明したが、凸レンズでも同様である。
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたものであり、細径を維持しながら取り込み角を広角化でき、且つ、先端の液体付着によっても取り込み角が減少せず、さらに組立も容易化できる走査型観察装置に好適な広角光検出部材及びそれを用いた走査型観察装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明による広角光検出部材は、光を受光する検出用光ファイバと、前記検出用光ファイバの先端に設けられた、取り込み角を拡大させる取り込み角拡大面と、前記取り込み角拡大面の後方近傍に位置する光学要素の屈折率と異なる屈折率を持ち、前記取り込み角拡大面を封止する封止手段を有していて、前記取り込み角拡大面が、前記検出用光ファイバの先端面に近接配置された薄肉の光学部材における該検出用光ファイバ側の面に形成された粗面からなり、前記封止手段が、前記検出用光ファイバのコア部の屈折率と異なる屈折率を持つ、前記薄肉の光学部材の硝材からなることを特徴としている。
また、本発明による走査型観察装置は、照明用光ファイバを振動させて対象物上で照明光を走査する走査照明光学系と、前記走査照明光学系の側方に、少なくとも一つの上記本発明の広角光検出部材を有することを特徴としている。
また、本発明の走査型観察装置においては、さらに、前記走査照明光学系の側方に、先端面が平面に形成された検出用光ファイバを少なくとも一つ有するのが好ましい。
本発明によれば、細径を維持しながら取り込み角を広角化でき、且つ、先端の液体付着によっても取り込み角が減少せず、さらに組立も容易化できる走査型観察装置に好適な広角光検出部材及びそれを用いた走査型観察装置が得られる。
本発明の第1実施形態にかかる広角光検出部材の要部構成を示す説明図である。 本発明の第2実施形態にかかる広角光検出部材の要部構成を示す説明図である。 本発明の第3実施形態にかかる広角光検出部材の要部構成を示す説明図である。 本発明の第4実施形態にかかる広角光検出部材の要部構成を示す説明図である。 本発明の第5実施形態にかかる広角光検出部材の要部構成を示す説明図である。 本発明の第6実施形態にかかる広角光検出部材の要部構成を示す説明図である。 本発明の第7実施形態にかかる広角光検出部材を用いた走査型観察装置の要部構成を示す説明図で、(a)は断面図、(b)は前方から見た平面図である。 図7の変形例にかかる広角光検出部材を用いた走査型観察装置の構成を前方から見た平面図である。 非特許文献2に記載の走査型プローブの一構成例を示す説明図である。 走査型観察装置の照射角と取り込み角との関係を示す説明図である。 特許文献1に記載されている広角照明装置の構成を示す説明図で、(a)はその一構成例の断面図、(b)は(a)を前方から見た平面図、(c)は他の構成例の断面図、(d)はさらに他の構成例の断面図、(e)はさらに他の構成例の断面図、(f)はさらに他の構成例の断面図である。 図12は光ファイバの先端に散乱部材やレンズを設けた構成と径の太径化との関係を示す説明図で、(a)は光ファイバの先端に散乱部材を備えた構成における径の太径化を示す図、(b)は光ファイバの先端にレンズを備えた構成における径の太径化を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、本発明の実施形態のうち、第1〜5実施形態は本発明の参考例である。
第1実施形態
図1は本発明の第1実施形態にかかる広角光検出部材の要部構成を示す説明図である。
本実施形態の広角光検出部材は、光を受光する検出用光ファイバ1と、検出用光ファイバ1の先端に設けられた、取り込み角を拡大させる取り込み角拡大面4と、取り込み角拡大面4の後方近傍に位置する光学要素の屈折率と異なる屈折率を持ち、取り込み角拡大面を封止する封止手段5を有する。図1中、2は検出用光ファイバ1のコア部、3は検出用光ファイバ1のクラッド部である。
取り込み角拡大面4は、検出用光ファイバ1の先端面に形成された粗面で構成されている。
第1実施形態では、取り込み角拡大面4の後方近傍に位置する光学要素は、検出用光ファイバのコア部2である。
封止手段5は、検出用光ファイバ1のコア部2の屈折率と異なる屈折率を持つ、例えば、樹脂等の封止材で構成されている。
本実施形態の広角光検出部材によれば、検出用光ファイバ1の先端面に形成された粗面により、取り込み角が拡大する。このため、図12で示したような、検出用光ファイバの先端面に散乱部材やレンズを用いる構成に比べて、取り込み角を拡大させるための径の拡大を抑制できる。
しかも、取り込み角拡大面4としての粗面を、ファイバコア部2の屈折率と異なる屈折率を持つ封止材で封止したので、広角光検出部材の先端に液体が付着しても粗面としての効果が失われず、取り込み角拡大効果が減少しない。
さらに、検出用光ファイバ1の先端にレンズ等の光学部材を備えないため、部品点数が少なくて済み、組立が容易になる。
第2実施形態
図2は本発明の第2実施形態にかかる広角光検出部材の要部構成を示す説明図である。なお、第1実施形態と構成が同じ部材には同じ符号を付してある。
本実施形態の広角光検出部材では、取り込み角拡大面4’は、検出用光ファイバ1の先端面に形成された球面で構成されている。
また、封止手段5’は、検出用光ファイバ1のコア部2の屈折率よりも高い屈折率を持つ、例えば、樹脂等の封止材で構成されている。
本実施形態の広角光検出部材によれば、検出用光ファイバ1の先端面を球面加工し、その球面を、ファイバコア部2の屈折率よりも高い屈折率を持つ封止材で封止することによって、封止材を負のパワーを持つ凹レンズとして機能させることができ、検出用光ファイバのNA以上に取り込み角を拡大することができる。
また、樹脂等の封止材は、厚みを薄くすることができる。このため、図12で示したような、検出用光ファイバの先端にレンズ等の光学部材を備える構成に比べて、取り込み角を拡大させるための径の拡大を抑制できる。
その他の作用効果は、第1実施形態の広角光検出部材と略同じである。
第3実施形態
図3は本発明の第3実施形態にかかる広角光検出部材の要部構成を示す説明図である。なお、第1実施形態と構成が同じ部材には同じ符号を付してある。
本実施形態の広角光検出部材では、封止手段5”が、例えば、ビーズや気体等の光散乱体を混在させた封止材で構成されている。その他の構成は第1実施形態と略同じである。
本実施形態の広角光検出部材によれば、検出用光ファイバ1の先端面に形成した粗面による取り込み角拡大効果、及び封止材による、広角光検出部材の先端への液体付着時の取り込み角拡大効果を維持する効果に加えて、封止材中に混在する光散乱体により、封止材自体の取り込み角拡大効果が得られ、広角光検出部材全体の取り込み角拡大効果が増大する。
その他の作用効果は、第1実施形態の広角光検出部材と略同じである。
第4実施形態
図4は本発明の第4実施形態にかかる広角光検出部材の要部構成を示す説明図である。なお、第1実施形態と構成が同じ部材には同じ符号を付してある。
本実施形態の広角光検出部材では、封止手段5”’が、例えば、ビーズや気体等の光散乱体を混在させた封止材で構成されている。その他の構成は第2実施形態と略同じである。
本実施形態の広角光検出部材によれば、検出用光ファイバ1の先端面に形成した球面による取り込み角拡大効果、及び封止材による、広角光検出部材の先端への液体付着時の取り込み角拡大効果を維持する効果に加えて、封止材中に混在する光散乱体により、封止材自体の取り込み角拡大効果が得られ、広角光検出部材全体の取り込み角拡大効果が増大する。
その他の作用効果は、第2実施形態の広角光検出部材と略同じである。
第5実施形態
図5は本発明の第5実施形態にかかる広角光検出部材の要部構成を示す説明図である。なお、第1実施形態と構成が同じ部材には同じ符号を付してある。
本実施形態の広角光検出部材は、検出用光ファイバ1の先端に薄肉の光学部材6を備えている。
取り込み角拡大面4”は、薄肉の光学部材6における検出用光ファイバ1とは反対側の面に形成された粗面で構成されている。
封止手段5””は、薄肉の光学部材6の屈折率と異なる屈折率を持つ封止材で構成されている。
本実施形態の広角光検出部材によれば、第1実施形態と同様、薄肉の光学部材6の先端面に形成された粗面により、取り込み角が拡大する。このため、図12で示したような、検出用光ファイバの散乱部材やレンズを備える構成に比べて、取り込み角を拡大させるための径の拡大を抑制できる。しかも、取り込み角拡大面4”としての粗面を、薄肉の光学部材6の屈折率と異なる屈折率を持つ封止材で封止したので、広角光検出部材の先端に液体が付着しても粗面としての効果が失われず、取り込み角拡大効果が減少しない。
また、本実施形態の広角光検出部材によれば、第1実施形態とは異なり、検出用光ファイバに粗面を形成しないで、薄肉の光学部材6に粗面を形成し、封止材で薄肉の光学部材6の粗面を封止したので、封止材で封止された薄肉の光学部材6を挿脱することにより、取り込み角を変更することができ、観察用途が拡大する。
例えば、走査型観察装置を用いて正面に位置する特定の検出対象からの光を検出したい場合には、取り込み角が広いと検出強度が弱くなってしまう。一方、周辺に位置する広範囲の検出対象からの光を検出したい場合には、取り込み角が狭いと検出できない領域が生じてしまう。しかし、これらの観察用途に応じて、正面検出用の走査型観察装置と第1実施形態〜第4実施形態に示した広角光検出部材を備えた走査型観察装置とを取り替えるのでは、コスト高となる上、装置の入れ替え作業が煩雑化してしまう。
しかるに、本実施形態の広角光検出部材によれば、共通の走査型観察装置に用いて、粗面が形成された薄肉の光学部材6を挿脱することで、上記いずれの用途にも対応できるので、コストを低減することができ、作業負担も軽減できる。
第6実施形態
図6は本発明の第6実施形態にかかる広角光検出部材の要部構成を示す説明図である。なお、第1実施形態と構成が同じ部材には同じ符号を付してある。
本実施形態の広角光検出部材は、検出用光ファイバ1の先端に薄肉の光学部材6を備えている。
取り込み角拡大面4”’は、薄肉の光学部材6における検出用光ファイバ1側の面に形成された粗面で構成されている。
封止手段5””’は、検出用光ファイバ1のコア部の屈折率と異なる屈折率を持つ、薄肉の光学部材6の硝材で構成されている。
本実施形態の広角光検出部材によれば、検出用光ファイバ1の先端近傍に位置する薄肉の光学部材6の粗面により、取り込み角が拡大する。このため、図12で示したような、検出用光ファイバの先端面に散乱部材やレンズを備える構成に比べて、取り込み角を拡大させるための径の拡大を抑制できる。
しかも、取り込み角拡大面4”’としての粗面を、ファイバコア部2の屈折率と異なる屈折率を持つ薄肉の光学部材6の硝材で封止したので、広角光検出部材の先端に液体が付着しても粗面としての効果が失われず、取り込み角拡大効果が減少しないうえ、封止材を用いずに済む。
また、本実施形態の広角光検出部材によれば、第1実施形態とは異なり、検出用光ファイバに粗面を形成しないで、薄肉の光学部材6に粗面を形成し、薄肉の光学部材6の硝材で粗面を封止したので、薄肉の光学部材6を挿脱することにより、取り込み角を変更することができ、観察用途が拡大する。
第7実施形態
図7は本発明の第7実施形態にかかる広角光検出部材を用いた走査型観察装置の要部構成を示す説明図で、(a)は要部構成を示す断面図、(b)は前方から見た平面図である。第1実施形態と構成が同じ部材には同じ符号を付してある。
第7実施形態の走査型観察装置は、走査照明光学系10と、走査照明光学系10の側方に環状に配置された複数の広角光検出部材11を有している。
走査照明光学系10は、照明用光ファイバ10aを振動させて対象物上で照明光を走査することができるように構成されている。図7中、10bは照明レンズである。
夫々の広角光検出部材11は、図7では第1実施形態(又は第2実施形態)の広角光検出部材と略同様に構成されている。
なお、本実施形態の走査型観察装置では、全ての検出用光ファイバ1の先端面に形成された取り込み角拡大面4(又は取り込み角拡大面4’)としての粗面(又は球面)は、図7(b)に示すように、封止手段5(又は封止手段5’)としての封止材で、一括に封止されている。
本実施形態の広角光検出部材を用いた走査型観察装置によれば、細径を維持しながら取り込み角を拡大でき、且つ、先端に液体が付着しても取り込み角を拡大した状態に維持できる。
また、粗面又は球面加工された全ての検出用光ファイバ1の先端面を樹脂等の封止材で、一括で封止することによって、全ての広角光検出部材の構成できるため、組立性が向上する。
なお、図7の走査型観察装置では、走査照明光学系10の側方に環状に配置された全ての検出用光ファイバ1が先端面を粗面又は球面加工されているが、このような構成に限定されるものではなく、走査照明光学系10の側方に環状に配置される検出用光ファイバとして、先端面が平面研磨された検出用光ファイバを少なくとも1本含んでいてもよい。また、その場合、封止材は、全ての検出用光ファイバの先端面のうち、少なくとも粗面又は球面加工された先端面を覆っていればよく、平面研磨された先端面を覆わなくてもよい。
腸などの管状の対象物を観察する場合、正面(画角中心部)の対象物が検出用光ファイバの先端から比較的遠距離に存在し、周辺部の対象物ほど検出用光ファイバの先端から近距離に存在する状態になり易い。
しかるに、本実施形態の走査型観察装置において、走査照明光学系10の側方に環状に配置される検出用光ファイバとして、先端面が粗面(又は球面)に形成された検出用光ファイバ1とともに先端面が平面研磨された検出用光ファイバを含んで構成すれば、暗くなり易い正面からの対象物の光をより多く受光することができる。
また、図8に示すように、先端面が粗面又は球面加工された検出用光ファイバからなる広角光検出部材11と先端面が平面研磨された検出用光ファイバ11’とを交互に配置してもよい。
このようにすれば、均一な状態で、正面からの対象物の光が暗くなることなく、均一な状態で、広角に対象物からの光を受光できる。
さらに、本実施形態の走査型観察装置においては、走査照明光学系10の側方に環状に配置された夫々の広角光検出部材11として、第3〜6実施形態の広角光検出部材と略同様に構成されたものを用いてもよい。
なお、図7及び図8では、広角光検出部材11は、走査照明光学系10の側方に環状に配置したが、環状の配置に限定されるものではなく、例えば、鉗子と照明光学系の隙間など、内視鏡の構成に応じたあらゆる隙間を埋めるように配置してもよい。
本発明の広角光検出部材及びそれを用いた走査型観察装置は、例えば、膵臓の管や胆管等、従来の電子内視鏡で観察が困難な細径の対象物を観察することが求められるあらゆる分野に有用である。
1 検出用光ファイバ
2 ファイバコア部
3 ファイバクラッド部
4、4’、4”、4”’ 取り込み角拡大面
5、5’、5”、5”’、5””、5””’ 封止手段
6 薄肉の光学部材
10 走査照明光学系
10a 照明用光ファイバ
10b 照明レンズ
11 広角検出部材
11’ 先端面が平面研磨された検出用光ファイバ
51 照明用光ファイバ
52 アクチュエータ
53 検出用光ファイバ
54 照明レンズ
61 影像伝送光学系
62 第1のライトガイド
63 第2のライトガイド
64 反射部材
65 プリズム
66 広角レンズ
71 検出用光ファイバ
72 ファイバコア部
73 ファイバクラッド部
74 散乱部材
75 凹レンズ

Claims (3)

  1. 光を受光する検出用光ファイバと、
    前記検出用光ファイバの先端に設けられた、取り込み角を拡大させる取り込み角拡大面と、
    前記取り込み角拡大面の後方近傍に位置する光学要素の屈折率と異なる屈折率を持ち、前記取り込み角拡大面を封止する封止手段を有していて、
    前記取り込み角拡大面が、前記検出用光ファイバの先端面に近接配置された薄肉の光学部材における該検出用光ファイバ側の面に形成された粗面からなり、
    前記封止手段が、前記検出用光ファイバのコア部の屈折率と異なる屈折率を持つ、前記薄肉の光学部材の硝材からなることを特徴とする広角光検出部材。
  2. 照明用光ファイバを振動させて対象物上で照明光を走査する走査照明光学系と、
    前記走査照明光学系の側方に、少なくとも一つの請求項1に記載の広角光検出部材を有することを特徴とする走査型観察装置
  3. さらに、前記走査照明光学系の側方に、先端面が平面に形成された検出用光ファイバを少なくとも一つ有することを特徴とする請求項に記載の走査型観察装置
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