JP5704768B2 - 廃プラスチックの分離回収装置及びその分離回収方法 - Google Patents

廃プラスチックの分離回収装置及びその分離回収方法 Download PDF

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Description

本発明は、廃プラスチックを再利用する技術に係り、特に渦流等を発生させた貯留水に廃プラスチックの破砕片を投入して比重の違いによりプラスチック等の種類別に分離し、それぞれを回収する分離回収装置及びその分離回収方法に関する。
近年、廃棄されたプラスチック製品等の廃プラスチックは容器リサイクル法に基づいて回収され、新しい製品の材料もしくは原料として利用する再資源化が行われている。回収された廃プラスチックは、人の手作業により分別されたのちにフレーク状に破砕・洗浄され、プラスチック等の種類別に選別されて再商品化される。再商品化する際の品質を保つためには選別の精度を高める必要があり、選別する際の技術としては、プラスチックの種類による比重の違いを利用して選別する方法が知られている。
例えば、特許文献1の特開2010−142759号「浮遊選別装置」には、液体を収容するための外側ケーシングと、前記外側ケーシング内に、前記外側ケーシングと連通するように配置される内側筒と、前記外側ケーシング内及び/又は前記内側筒内に設けられ、前記液体を攪拌するための水平回転可能な第1羽根と、前記内側筒内に設けられ、上下移動可能な第2羽根とを有する浮遊選別装置において、前記内側筒内に湿潤状態の発泡体を含む材料を投入して前記液体に浮遊させて、前記発泡体を選別する技術が提案されている。
特開2010−142759号公報
しかし、特許文献1に記載の「浮遊選別装置」は、材料を内側筒内に投入するため比重が小さい小比重樹脂を第2選別室に移動させるのが困難であるという問題があった。また、小比重樹脂は溢れる液体の流れに乗せるようにして回収し、発泡体はへら状の上下移動羽根によって液体と共に掬い上げて回収する構成となっているため、回収した小比重樹脂や発泡体を液体と分離する工程が必要になり煩雑な作業になりやすいという問題を有していた。さらに、選別を行なう際には、浮遊選別装置に投入する前に材料を湿潤状態にする工程や液体の比重を調整する工程が必要であった。
本発明は、かかる問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、渦流等を発生させた貯留水を利用して、廃プラスチック破砕片等を確実に分離するとともに、比重の違いも利用してプラスチック等の種類ごとに分離用タンク内の異なる箇所に集め、集めた廃プラスチックの破砕片等それぞれを貯留水の中から効率的に回収することができる廃プラスチックの分離回収装置及びその分離回収方法を提供することにある。
本発明の廃プラスチックの分離回収装置(1,2,3)は、円筒形状の筒部(11)とその底側に形成された底部(13)とを有する貯留水(W)を貯留する分離用タンク(10)と、前記分離用タンク(10)の貯留水(W)中に廃プラスチック破砕片を投入する投入パイプ(20)と、前記分離用タンク(10)内の貯留水(W)に渦流を発生させる撹拌手段(31,40x)と、前記分離用タンク(10)の内壁に突設される高圧水を噴射するノズル(41)を有し、該分離用タンク(10)内の貯留水(W)の前記渦流の外側に上昇流を発生させるジェット水流ユニット(40,40x)と、を備え、前記分離用タンク(10)の筒部(11)は、横断面が略C字状となるように側面の一部(X−Y間)が切り欠かれ、その切り欠き部に外方に突出するように導水部(11a)が形成されており、前記渦流の流れにおいて上流側に位置する該導水部(11a)の一側壁面は、該筒部(11)の切り欠き部から平面視接線方向に外方に延びるように形成されていることを特徴とする。
動手段(79)により回転する回転軸(71)とその回転軸(71)に支持部材(75)を介して取り付けられた笊状の掬部(77)を有する水車式排出ドラム(70)をさらに備え、前記回転軸(71)は前記導水部(11a)の上方に配置され、前記駆動手段(79)は、前記貯留水(W)の水中において前記掬部(77)が前記導水部(11a)に流れ込む水流と略反対方向に移動するように前記水車式排出ドラム(70)を回転させてもよい。
前記分離用タンク(10)の底部(13)中央には、下方に延びるように管状部分(13b)が形成され、該管状部分(13b)には鉛直方向上下に設けた2つのバルブ(51a,51b)と、それらの間の略円柱状の空間である中間室(53)とを有する二重バルブ(50)が備えられていてもよい
さらに、前記分離用タンク(10)は、その中央部上方に、貯留水(W)の水面に対向するように吸い口(61)が配設されるバキューム(60)を備えてもよい。
また、前記分離用タンク(10)内の貯留水(W)に渦流を発生させる撹拌手段(40x)は、該分離用タンク(10)の内壁に突設される高圧水を噴射するノズル(41)を有するジェット水流ユニット(40x)であってもよい。
本発明の廃プラスチックの分離回収方法は、分離用タンクに貯留された貯留水の水中に廃プラスチック破砕片を投入する投入工程と、前記貯留水に渦流と該渦流外側の上昇流を発生させ、投入された前記廃プラスチック破砕片を各破砕片に分ける分離工程と、分離された破砕片のうち水と略同じ比重の中比重片を、前記渦流及び上昇流により該貯留水の外側上部に集める収集工程と、前記収集工程において前記貯留水の外側上部に集められた前記中比重片を、前記分離用タンクの側面に外方に突出するように形成された導水部に、該導水部に流れ込む該渦流及び/又は前記上昇流による水流に乗せて移動させる移動工程と、駆動手段により回転する回転軸が前記導水部の上方に配置され、該回転軸に支持部材を介して取り付けられた複数の穿通孔を有する笊状の掬部を、該導水部に流れ込む水流と略反対方向に前記貯留水の水中を移動するように回転させて、前記移動工程において該導水部に移動してきた前記中比重片を水切りしながら回収する中比重片回収工程を備えたことを特徴とする
本発明の廃プラスチックの分離回収装置及びその分離回収方法によれば、渦流及び上昇流を発生させることにより、廃プラスチック破砕片等を分離し、重比重片、中比重片、小比重片それぞれを、分離用タンク内の異なる所定の箇所に確実に集めることができる。比重の違いだけでなく水流を利用することにより、種類の違うプラスチック等の破砕片を高い純度で回収することができる。
また、貯留水中から破砕片のみを効率的に回収することにより、供給する水の量を減少させることができる。さらに、回収した破砕片の脱水処理等の時間を短縮することが可能なので経済的である。
実施例1の廃プラスチックの分離回収装置の平面図である。 実施例1の廃プラスチックの分離回収装置の正面図である。 実施例1の廃プラスチックの分離回収装置の右側面図である。 実施例1の廃プラスチックの分離回収装置のバキュームの吸い口先端側の拡大斜視図である。 廃プラスチックの分離回収方法を説明するフロー図である。 実施例2の廃プラスチックの分離回収装置の平面図である。 実施例2の廃プラスチックの分離回収装置の正面図である。 実施例3の廃プラスチックの分離回収装置の平面図である。
図1は、実施例1の廃プラスチックの分離回収装置1の平面図である。図2は、実施例1の廃プラスチックの分離回収装置1の正面図である。図3は、実施例1の廃プラスチックの分離回収装置1の右側面図である。図4は、実施例1の廃プラスチックの分離回収装置1のバキューム60の吸い口61の先端側を、斜め上方から視認した状態を示す拡大斜視図である。なお、図2においては、便宜上投入手段(投入パイプ)20を省略している。
以下、実施例1の廃プラスチックの分離回収装置1の構成を図1〜4に基づいて説明する。なお、廃プラスチックの分離回収装置1(以下、分離回収装置1という)を設置した状態における鉛直方向下側(図2における下側)を下方、鉛直方向上側(図2における上側)を上方とする。また、正面側(図1における下側)を手前側、その反対側(図1における上側)を背面側とし、右側、左側とは分離回収装置1を正面から視認した状態での方向とする。
本発明の分離回収装置1は、水を貯留する分離用タンク10と、分離用タンク10に貯留された水W(以下適宜、貯留水Wという)の中に廃プラスチックの破砕片(以下適宜、破砕片という)を投入する投入手段20と、投入された破砕片を分離し、比重の違いによりプラスチックの種類ごとに分離用タンク10内の異なる所定の箇所に集めるために、貯留水Wに水流を発生させる分離手段30,40と、所定の箇所に集められた破砕片それぞれを回収する回収手段50,60,70とを備える。
分離用タンク10は、支持枠F内側に固設された水を貯留するタンクであり、直立する略円筒形状の筒部11とその下端側に下方に延長するように形成された漏斗形状の底部13とからなる。底部13は、筒部11の下端面から下方に向うに従って内径及び外径が小さくなる傾斜部分13aと、この傾斜部分13aの下端部から鉛直方向下方に延びる円筒状の管である管状部分13bとからなる。管状部分13bにはその軸方向に垂直に二重バルブ50(回収手段の1つ、詳細は後述)が取り付けられており、貯留水Wを溜めた状態を保つことができる。なお、分離用タンク10の側面には適宜点検窓を設けて、分離用タンク10内部(例えば、破砕片の撹拌状態や後述する大比重片Aの収集量の状態)を確認できるようにすることが望ましい。
筒部11は、その側面の手前左側の4分の1の部分(具体的には、平面視における筒部11の上面の最も手前の位置(点X)から最も左側の位置(点Y)までの下側部分)が切り欠かれ、その切り欠き部に左側外方に突出するように導水部11aが形成され、さらにその先端側(左端側)に回収部11b及び排水部11cが形成されている。また、筒部11の背面下側には投入手段20である投入パイプ20と連通する連通孔hが設けられている。
導水部11aは、上側に向って開く横断面視略コ字形状の壁面からなり、正面視及び背面視においては、1つの脚が隣り合う辺に垂直である台形を大小二つ、その脚を上側にして揃えて、大きいものが切り欠き部側となるように左右に並べたような形状となっている。具体的には、平面視において、導水部11aの手前側の前面壁は、分離用タンク10の切り欠きの手前側の直線状部分(点Xを通る鉛直線上の点)からその接線方向である左側外方に延びるように形成された壁であり、背面側の背面壁は分離用タンク10の切り欠きの背面側の直線状部分(点Yを通る鉛直線上の点)からその接線と垂直な方向である左側外方に延びるように、手前側の壁面と対面するように形成された壁である。また、導水部11aの底面は、分離用タンク10の切り欠きの下側の円弧状部分から底部13の傾斜部分13aを左斜め上方に延長するようにして形成されており、その端部には立設する縦断面視逆くの字状の壁kが形成されている。なお、この逆くの字状の壁kの上側部分(上述した小さい台形のもう一方の脚に該当する部分)は、正面視において、後述する水車式排出ドラム70(回収手段の1つ、詳細は後述)の回転する掬部77の描く円に沿うように傾斜している。
導水部11aの左端(先端)側には、1枚の壁m(回収部11bの底面)を隔てて上下に設けられた横断面が略コの字状の回収部11b及び横断面が略コの字状の排水部11cが、左斜め下方に向かって延びるように形成されている。
導水部11aの上面に設置された水車式排出ドラム70が水中から掬い出した破砕片は、この回収部11bにより受け止められて回収される。また、排水部11cは、分離用タンク10の他の箇所から貯留水Wが溢れることのないように、かつ、貯留水Wの量(貯留水Wの水面の位置)を略一定に保つために設けられている。貯留水Wの水面の高さは排水部11cの下面右端側(基端側)位置かそれよりも若干低い位置(以下、所定の水位という)に保たれ、排水部11cから少しずつ貯留水Wを排出して新しい水と入れ替えることにより、貯留水Wが汚れてしまうことを防ぐ。
投入手段20は、下端側が分離用タンク10の筒部11の連通孔hに連通している略円筒状の投入パイプ20であり、分離用タンク10に対して斜め上方に延びるように設置されている。投入パイプ20の上端側には廃プラスチックの破砕片を投入する投入口(ホッパー)20aが設けられており、投入された破砕片はモータ等の駆動手段20cにより駆動される投入パイプ20内部のスクリューフィーダー20bにより、分離用タンク10に貯留された貯留水Wの水中に送り込まれる。
分離手段30,40は、投入手段20により運び込まれた破砕片を単に比重の違いにより分離するのではなく、回収手段50,60,70により効率的に回収できるように、貯留水Wに水流を発生させて比重の異なる破砕片を分離用タンク10内の異なる箇所に集める手段である。分離回収装置1は、分離手段30,40として、貯留水Wに分離用タンク10の中心軸を中心として回転する回転流(以下、渦流という)を発生させるためのプロペラ状の攪拌子31を有する渦流ユニット30と、貯留水Wの分離用タンク10の内壁側に、上昇流である、渦流に略沿うように斜め上方へ向かう流れ(以下、傾斜上昇流という)を発生させるための高圧水を噴射するノズル41を有するジェット水流ユニット40とを備えている。
渦流ユニット30は、2つのプロペラ状の攪拌子31と、攪拌子31を回転させるための駆動手段(モーター等)33と、駆動手段33の動力を攪拌子31に伝達する支持軸35とを有する。
駆動手段33は分離用タンク10の手前側及び背面側の上面に平行に架設された2本のコの字状の支持フレームGによって筒部11の上方中央に支持されている。また、この駆動手段33により基端側が回転駆動される棒状の支持軸35は分離用タンク10の中央に鉛直に配置されており、先端側にはプロペラ状の攪拌子31(31a,31b)が鉛直方向上下に所定の間隔で2つ設けられている。なお、支持軸35の回転速度は適宜変更することが可能となっている。
攪拌子31は、支持軸35を中心として水平方向に等間隔に放射状に設けられた複数の板状のブレードを有し、各ブレードは回転方向に対して所定の角度傾斜するように形成されている。また、下側の攪拌子31aは筒部11の略下面の高さに、上側の攪拌子31bは下側の攪拌子31aの位置から筒部11の鉛直方向の長さの約4分の1上方に設けられており、破砕片が投入される連通孔hと略同じ高さに位置するように配置されている。攪拌子31は、駆動手段33により支持軸35の軸心を中心として水平方向に回転して貯留水Wを攪拌(回転)し、分離用タンク10上方から見た際に時計回り(図1における矢印方向)に回転する渦流を作る。この渦流により、貯留水Wの水面の水位は、図2に示すように中央部が低く、外側へ向かって徐々に高くなる。
ジェット水流ユニット40は、分離用タンク10の筒部11の下側の側壁に、略同じ高さ、かつ、略等間隔に3つ配置されている。ジェット水流ユニット40は、内壁に内方に突出するように設けられる高圧水を噴射するノズル41と、側壁に形成された貫通孔jのパイプ43を介して外壁側からノズル41に高圧水を供給する高圧水供給源45とを有する。高圧水供給源45は外部から給水された水に圧力をかけ、ノズル41の先端側から筒部11の内壁面に略沿うように、かつ支持軸35から視認した際に右斜め上方に向かうように高圧水を噴射させて、この高圧水による水流(以下適宜、ジェット水流という)により渦流の外側に上昇流を発生させる。なお、高圧水供給源45は水にかける圧力及びノズル41に供給する水量を調節する調節手段(図示せず)を有し、ノズル41は噴射方向を変更可能にパイプ43に取り付けられている。
ここで、貯留水Wの中に送り込まれた廃プラスチック破砕片を、分離手段30,40により分離して所定の箇所に集める方法について説明する。
まず、破砕片は、貯留水Wの下側の回転する2つの攪拌子31の横に運び入れられ、渦流等により個々の破砕片に分けられる。また、破砕片表面の気泡も渦流等により取り除くことができるので、破砕片は各比重に応じた選り分けが可能となる。
そして、水よりも比重が大きい大比重片の破砕片A(以下、大比重片Aという)と、水よりも僅かに比重の小さい中比重片の破砕片B(以下、中比重片Bという)と、水により極めて比重の小さい小比重片の破砕片C(以下、小比重片Cという)は、それぞれ分離用タンク10内の異なる所定の箇所に集められる。
大比重片Aとは、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合樹脂(ABS)等の比重が1より大きい樹脂(例えば、1.1〜1.7)や金属片などである。中比重片Bとは、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等からなる比重が1よりわずかに小さいオレフィンフィルムであり、その比重は例えば、0.9〜0.96である。小比重片Cとは、例えば、比重が顕著に小さい食品トレイ等に使用される発泡ポリスチレン(発泡PS)などの発泡体やアルミニウム薄膜などの金属薄膜により被覆された若干比重の大きい発泡ポリスチレン等である。
大比重片Aは重力により沈下し、分離用タンク10の底部13の傾斜部分13aの傾斜に沿って移動し、下端側の管状部分13bに集められる。攪拌子31の位置・回転速度の変化や高圧ノズル41による角度・水圧の変化等に関わらず、大比重片Aを他の破砕片(中比重片B、小比重片C)から分離することができる。
中比重片Bは、比重が水と略同じなので水中を浮遊するが、渦流の遠心力により渦流の外側(分離用タンク10の筒部11の内壁面側)を回転しながら移動する。移動した中比重片Bは、ノズル41から噴射されるジェット水流により発生した上昇流により、これに追随して水面側(貯留水Wの上部)に浮上する。さらに浮上した中比重片Bは渦流等の水流により導水部11aに集められる。
上述したように導水部11aは、筒部11の最も手前側の側面(点Xを通る鉛直線上にある部分)において、その接線方向に延長するように形成され、その底面は左斜め上方に向かって傾斜して形成されている。点Xの下方に設けられたジェット水流ユニット40のノズル41は正面視において左斜め上方に高圧水を噴射するので、このジェット水流により渦流外側を回転していた中比重片Bを導水部11aの先端側に集めることができる。このように、ジェット水流ユニット40は、渦流により回転する中比重片Bの導水部11aへの移動を促進、補助する役目を担う。なお、ノズル41から噴射する高圧水の角度、水圧、水量を調節することにより、中比重片Bの形状や大きさが異なるものであっても、渦流の外側上層部分に浮上させ導水部11aに集めることができ、他の破砕片(大比重片A、小比重片C)から分離することができる。
小比重片Cは、渦流の中を浮力により浮上し回転しながら渦流の表面中央の窪み部分に集まってくる。また、渦流の遠心力によって分離用タンク10の内壁面側に移動しようとした小比重片Cも、ジェット水流による上昇流が水面において分離用タンク10の中央部に向って流れるため、この流れに押し戻されて渦流の表面中央の窪み部分に集まるので、他の破砕片(大比重片A、中比重片B)から分離することができる。
回収手段50,60,70は、分離用タンク10の異なる箇所に集められたそれぞれの破砕片を回収する手段である。分離回収装置1は、回収手段50,60,70として、小比重片Cを回収するバキューム60と、大比重片Aを回収する二重バルブ50と、中比重片Bを回収する水車式排出ドラム70とを備えている。
大比重片Aを回収する二重バルブ50は、分離用タンク10の底部13の管状部分13bにその軸方向に垂直に設けられた個々に開閉可能な2つのバタフライバルブ51a,51bであり、2つのバルブの間には、管状部分13bの一部の円筒状の空間である中間室53が設けられている。通常時、2つのバルブは貯留水Wが流れ出ないように閉じられている。管状部分13bに集められた大比重片Aを回収する際には、まず上のバルブを開けて大比重片Aを中間室53に移動させる。次に上のバルブを閉め、下のバルブを開けて大比重片Aを管状部分13bの先端側から落下させて回収し、最後に下のバルブを閉める。このように、大比重片Aは分離用タンク10に貯留水Wを溜めて渦流等を発生させた状態で回収することができ、他の破砕片が混入する虞が少ない。
小比重片Cを回収するバキューム60は、下端側が上述した支持軸35を囲むように同心円状に設けられた略円筒形の吸い口61と、その端部から吸い込まれた小比重片Cを回収室(図示せず)へ導く横断面視略逆L字状の移送管62と、その移送管62に取り付けられた吸引ブロア(図示せず)とを備える。
吸い口61は、図示しない駆動手段によって速度変更可能に、かつ、渦流の回転方向と同方向に回転するように移送管62に配設されている。吸い口61の外壁下端側には、図4に示すように、外方に突出するように延設され、横断面において基端側が長く先端側が短い略等脚台形状の略板状の支持部61aと、この支持部61aに対する鉛直方向の位置を変更可能に取り付けられる羽根61bを有する。なお、詳細は後述するが、羽根61bは支持部61aに取り付け面やその取り付け位置を変更できるように構成されており(図示せず)、例えば、支持部61aに複数の貫通孔を形成し、これらを利用して所望の位置に羽根61bをネジ等で取り付けてもよい。
羽根61bは、略矩形の板状部材の先端側(支持部61aに支持される側と反対側)下方及び上方を斜めに切り欠いた略六角形状の板状部材であり、先端部分が僅かに湾曲した横断面が略J字形状となっている。下方及び上方に設けられた切り欠きの形状は略同じ形状である。この羽根61bは、渦流の水面側の回転速度に応じて、支持部61aの、鉛直方向に平行な対向する側壁面のどちらか一方に、支持部61aの下端側から下方に、かつ、先端側から外方に突出するように取り付けられる。
具体的には、羽根61bは、その回転速度が渦流の回転速度よりも速い場合には渦流の回転方向と逆側の側壁面に、羽根61aの先端の湾曲が回転方向と同方向となるように取り付けられる。また、羽根61bは、その回転速度が渦流の回転速度よりも、遅い場合には渦流の回転方向側の側壁面に、羽根61aの先端の湾曲が回転方向と逆方向となるように取り付けられる。つまり、羽根61bは上下変更可能に支持部61aに取り付けられ、渦流の回転速度と羽根の回転速度に合わせて、吸い口61に対する角度や先端の湾曲の向きを変えることができる。
また、羽根61bの下端部の位置を貯留水Wの水面の高さに応じて変更できるとともに、水面に浮上している小比重片Cの量等に応じて貯留水Wの水面における羽根61bの幅(水平方向の長さ)を変化させることができる。また、上述したように、渦流と羽根61bの回転速度の違いに応じて支持部61aに取り付ける面(側壁面)を変えることで、羽根61bの外方への突出角度及び先端の湾曲方向を変化させて、小比重片Cを吸い口61の円筒形部分の真下に効率的に集めることができる。さらに、小比重片Cが水面から盛り上がるように集めることができるので、バキューム60は貯留水W水面から水よりも比重の軽い小比重片Cのみを容易に吸い上げることが可能となる。なお、バキューム60による吸引は連続運転でもよいが、小比重片Cが真ん中に集まってきた量に応じて動作させて、効率的に回収することも望ましい。
中比重片Bを回収する水車式排出ドラム70は、水平面に対して平行な軸を有するように設けられた略円柱状の形状であり、上述した分離用タンク10の導水部11a上面に上方に突設された支持台Hにより導水部11aの延長方向に対して垂直に配設されている。水車式排出ドラム70は、支持台Hに回転可能に支持される回転軸71と、回転軸71の両端側に対向するように固設された円形板状の2枚のディスク73と、回転軸71を中心として2枚のディスク73を掛け渡すように設けられた横断面が六角形状の軸筒72と、軸筒72の各周側面に沿って外方に延長するように等間隔に4本ずつ設けられた支持材75と、4本の支持材75の先端側に取り付けられた一面が開口した箱状部材からなる6つの掬部77と、回転軸71を回転させる駆動手段79とを有する。水車式排出ドラム70は、その回転軸71が導水部11aの略中央上方に位置するように、また、回転する掬部77の描く円の水平方向の直径の左端点が導水部11aと排出部の境目の略上方に位置するように配設されている。
6つの掬部77は、回転軸71からの距離が同じになるように、回転軸71を中心として放射状に等間隔に設けられおり、駆動手段79により動作する回転軸71等により正面視反時計回りに回転する。各掬部77は、回転の接線方向における移動方向側が開口するように支持材75に取り付けられている。具体的には、正面視において、最上位置にきたときには掬部77の左側が開口し、最左位置にきたときには掬部77の下側が開口し、最下位置にきたときには掬部77の右側が開口し、最右位置にきたときには掬部77の上側が開口するように取り付けられている。掬部77の5つの面には、中比重片Bの大きさよりも小さい複数の穿通孔pが形成されている。なお、分離用タンク10内の貯留水Wの水面は、上述したジェット水流ユニット40及び後述する給水手段により給水され、導水部11aの先端側(左端側)の底面と略同じ高さに保たれている。
導水部11aの先端側に集められた中比重片Bは、導水部11aの貯留水W中を水流と反対方向である外側(左側)から内側(右側)に移動する箱状の掬部77によって掬い上げられる。そして、導水部11aの上方を通る間に中比重片Bと一緒に掬い上げた水のみが、回転による遠心力及び重力によって掬部77に設けられた穿通孔pから導水部11a内(分離用タンク10内)に落とされる。水切りがなされた中比重片Bは、重力により導水部11a先端側に設けられた回収部11bに落下し回収される。なお、掬部77の内面は中比重片Bが張り付いてしまわないような加工、例えば凹凸等がなされていることが望ましい。また、掬部77を支持する支持材75は導水部11aに流れ込む貯留水Wの流れを乱さないよう、回転方向に垂直な厚さが薄いものであることが望ましい。
分離回収装置1には、図示しない給水手段が設けられている。この給水手段によって、必要に応じて分離用タンク10内に水が供給され、分離用タンク10内の貯留水Wが所定の水位に保たれる。具体的には、上述した3つの回収手段50,60,70により各破砕片が回収される際には、僅かながら貯留水Wが一緒に排出される。また、上述したように排水部11cからも少しずつ貯留水Wが排出される。分離用タンク10内には高圧水を噴射するノズル41により水が供給されるが、必要に応じて給水手段によっても貯留水Wを所定の水位に保つための水が供給される。
図5は実施例1の廃プラスチックの分離回収方法を説明するフロー図である。上述した分離回収装置1の各構成要素の説明において、その特徴と共に分離回収方法についても合わせて説明したので、ここでは図5に基づいて、廃プラスチックの分離回収方法を簡単に説明する。
まず分離用タンク10に図示しない給水手段及び/又はジェット水流ユニット40により所定の水位まで水を貯留させる。次に渦流ユニット30の攪拌子31を回転させることにより貯留水Wに渦流を発生させ、ジェット水流ユニット40のノズル41から高圧水を噴射することにより渦流の外側に上昇流を発生させる。そして投入パイプ20からスクリューフィーダー20bにより分離用タンク10の貯留水Wの水中に廃プラスチックの破砕片を投入する。破砕片は渦流及び上昇流により分離され、比重の違いによりプラスチック等の種類により異なる所定の箇所に集められる。浮上し渦流中央に集められた小比重片Cはバキューム60により回収され、貯留水W下側に沈降した大比重片Aは二重バルブ50から回収され、遠心力により渦流外側を回転し渦流及び上昇流により導水部11aに誘導された中比重片Bは水車式排出ドラム70により排出部に回収される。なお、小比重片Cの回収、大比重片Aの回収は収集量に応じて間欠的に行ってもよい。分離用タンク10には、水面を所定の高さに保つように、かつ、貯留水Wに汚れを溜め込むことのないように、常にジェット水流ユニット40により、また必要に応じて給水手段により水が補給されるとともに、排水部11cからオーバーフロー水が排出される。
本発明の実施例1の廃プラスチックの分離回収装置1によれば、分離用タンク10の下側に底部13を設け、分離用タンク10の側面に突出する導水部11aを設けて、貯留水Wに渦流及び上昇流を発生させることにより、貯留水Wの水中に投入された廃プラスチックの破砕片を分離して大比重片A、中比重片B、小比重片Cの3種類ごとに異なる所定の箇所に確実に集めることができる。また、破砕片(特にオレフィンフィルム等)は水面上から投入すると、水面の表面張力等により浮いたままとなってしまう場合があるが、廃プラスチックの分離回収装置1においては、投入手段20により分離用タンク10の下側に破砕片を送り込み、貯留水W中で分離手段30,40により攪拌する。よって、破砕片を確実に分離することができる。さらに、破砕片を貯留水W中にて渦流やジェット水流で旋回させることによりこれらを洗浄することもできる。また、分離用タンク10には、ノズル41や供給手段によりきれいな水が補給されるので、貯留水Wに汚れが溜まってしまうことを防ぐことができる。
所定の箇所に集められた大比重片A、中比重片B、小比重片Cは、それぞれ貯留水Wに渦流及び上昇流を発生させている状態で回収することができるので、他の破砕片が混入することが少ない。また、大比重片A及び小比重片Cはある程度の量が集まった時点で適宜回収すればよいので経済的である。また、各回収手段50,60,70は貯留水Wから破砕片のみを効率的に回収するので、貯留水Wの減少量が少なく補給する水の量を少なくすることができる。また回収後の破砕片を脱水したり乾燥したりする際に短時間で容易に行うことができる。
特に、中比重片Bの回収する水車式排出ドラム70は、渦流及びジェット水流により導水部11aの先端方向に寄せ集められてくる中比重片Bを、その反対方向から水中を移動してくる掬部77によって掬い上げて効率的に回収する。また、水車式排出ドラム70は、その回転軸71が分離用タンク10内(導水部11a)の上方に設けられ、中心軸から離れた位置に設けられた掬部77が貯留水W中で分離用タンク10の内方に向かうように回転する構成としている。そのため、水面上に出た掬部77に中比重片Bと一緒に掬い上げられた水は、遠心力により掬部77の穿通孔pから分離用タンク10内に戻るので、貯留水Wの排出を抑制し補給水の量を減少させることができる。また、回収した中比重片Bは水切りがなされているので、再利用しやすい。また、バキューム60の吸い口61は回転可能に、かつ上下移動可能に設けられているので、羽根61bによって小比重片Cを容易に吸い口61の真下に移動させることができる。
廃プラスチックの分離回収装置1は、例えば再資源化のため食品用包装フィルムや袋類等のオレフィンフィルムを選別する際に、手作業で選別されたものを洗浄、破砕した後の、仕上げの工程において用いることができる。本発明の分離回収装置1によれば、見過ごされて混入した発泡PS(小比重片C)やPVC、PETなどの重残渣(大比重片A)を除去するとともに、オレフィンフィルムの仕上げの洗浄を行うことができる。また、分離回収装置1は、同様に発泡PSを再資源化する際の仕上げの工程として用いることも可能である。
また、農業用廃棄ビニールの再資源化においては、1次破砕した後、かつ、2次洗浄粉砕する前に、破砕片を洗浄し水よりも比重の重い泥や砂等を除去するために用いることもできる。
なお、廃プラスチックの分離回収装置1の各部材の形状、大きさ、構成等は、上述した実施例に限られず、本実施例の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できる。例えば、攪拌子31やジェット水流ユニット40の位置等も上述した実施例に限られない。渦流及び上昇流により、投入された破砕片を分離し、それぞれを所定の箇所に集めることができればよい。分離用タンク10の導水部11aや水車式排出ドラム70の形状や数等も上述した実施例に限られない。分離用タンク10に対する水車式排出ドラム70の位置や回転方向を上述のようにして中比重片Bを効率的に掬い上げ、遠心力により水を切り回収部11bに移動させることができる構成であればよい。また、本実施例においては、排水部11cを中比重片Bの集まる箇所(回収部11bの下側)に設けているが、分離用タンク10の他の上縁部に設けることもできる。導水部に集めた中比重片Bが貯留水Wと一緒に流れ落ちてしまうのを防ぐことができる。
掬部77には、穿通孔pを空けて水を切る構成としているが、網目状でもよく、一緒に掬い上げた水を落とすことができればよい。掬部77の形状も横断面が矩形状の箱状に限らず、横断面が逆等脚台形であり、開口側が少し大きく開いたような形状のものでもよく、掬い上げた中比重片Bを回収部11bに容易に移動できる構成であればよい。また、水車式排出ドラム70の掬部77は、連続して回転を続ける構成としているが、例えば掬部77の数を対向するように2つ設け、1方の掬部77が最上位置よりも少し(例えば30度)回転したところで一時的に回転を止めて中比重片Bを慣性により回収部11bに移動させるとともに、他方の掬部77を貯留水W内から揚げた状態で水を切る時間を設けるようにしてもよい。
本実施例においては、ジェット水流ユニット40に外部から水を供給する構成としているが、複数設けられるジェット水流ユニット40の少なくとも一部について、分離用タンク内の貯留水Wを濾過して循環させるようにしてもよい。使用する水の量を減らすことができる。また、給水手段を設けず、ジェット水流ユニット40によってのみ水を給水する構成としてもよい。水量と水圧を調節することにより、必要な量の水を供給するとともに水圧を変化させて所望の上昇流を発生させるようにしてもよい。
バキューム60の中央に渦流ユニット30の支持軸35を貫通させて上方から設けているが、支持軸35の横に沿うように設けてもよい。バキューム60の吸い口61は渦流の中央の上方から少しずれた位置となってしまうが、支持軸35の周りを回転する小比重片Cを回収することができる。吸い口61の支持部61aや羽根61bの形状等も上述したものに限らず、例えば、平面視において外壁の略接線方向に延びるように支持部61aや羽根61bが設けられるようにしてもよく、小比重片Cを吸い口61の真下に集めることができればよい。
次に実施例2の廃プラスチックの分離回収装置2について説明する。
図6は実施例2の廃プラスチックの分離回収装置2を示す平面図であり、図7は実施例2の廃プラスチックの分離回収装置2を示す正面図である。実施例2の分離回収装置2は、実施例1の分離回収装置1と分離手段30,40の構成が異なる。以下、実施例1の分離・回収装置1と同様の構成については、同様の符号、名称を付す等して重複する説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。また、実施例2の廃プラスチックの分離回収装置2の分離回収方法は、実施例1の廃プラスチックの分離回収装置1の場合と略同様であるので説明を省略する。
実施例2の分離回収装置2は、実施例1の分離回収装置1の渦流ユニット30の代わりに、分離用タンク10の筒部11に設けるジェット水流ユニット40の数を増やすことにより上昇流だけでなく渦流も発生させるように構成したものである。図6に示すように、ジェット水流ユニット40xは筒部11の上部及び下部に互い違いになるように3つずつ、計6つ設けられている。それぞれのノズル41xは、筒部11中心から見て右斜め上方に高圧水を噴射して、上方から視認した際に貯留水Wが時計方向に回転するような渦流を発生させるとともに、渦流の外側に上昇流を発生させる。
本発明の実施例1の廃プラスチックの分離回収装置2によれば、実施例1における渦流ユニット30がないため、小比重片Cが支持軸35にぶつかることがないので、渦流の中央に確実に寄せ集めることができる。また、攪拌子31を回転させるモータが不要であるため、分離回収装置1のようにバキューム60x内に支持軸35を設ける必要がないので、バキューム60xを渦流の中央上部に容易に設置することができ、小比重片Cを確実に吸い込むことができる。
なお、廃プラスチックの分離回収装置2の各部材の形状、大きさ、構成等は、上述した実施例に限られないのは、実施例1同様である。ジェット水流ユニット40xにより、渦流及び上昇流を発生させることができる構成であればよい。
次に実施例3の廃プラスチックの分離回収装置3について説明する。
図8は実施例3の廃プラスチックの分離回収装置3を示す平面図である。実施例3の分離回収装置3は、より確実に水面中央に小比重片Cを集めるために、実施例1の分離回収装置1の分離用タンク10に仕切板15を設けたものである。以下、実施例1の分離・回収装置1と同様の構成については、同様の符号、名称を付す等して重複する説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。また、その分離回収方法は、実施例1の廃プラスチックの分離回収装置1と略同様であるので説明を省略する。
分離回収装置3の分離用タンク10には、その内壁面横断面が略C字状の湾曲した板状の仕切板15が、図示しない駆動手段により鉛直方向の上下移動が可能となるように設けられている。仕切板15の曲率は分離用タンク10よりも大きく、その前面左側の切り欠きよりも内側に、水車式排出ドラム70の回転する掬部77に接触等することのないように設けられている。また、仕切板15の鉛直方向の長さは、例えば渦流等を発生させた状態における貯留水Wの中央部と外縁部の高さの差の2倍程度の長さとなっており、筒部11の切り欠きを完全に塞いでしまうことのないような長さとなっている。さらに、仕切板15は常にその下端側が貯留水W中にある状態で上下移動させることができ、仕切板15全体を貯留水W中に沈めることも可能な構成となっている。
本発明の実施例3の廃プラスチックの分離回収装置3によれば、小比重片Cの量により仕切板15の位置を調節することができ、仕切板15を水面側に配設することにより導水部11aに小比重片Cが流れ込むのを防ぐことができる。また、仕切板15の内側壁面(筒部11中央側の壁面)等に張り付いてしまった小比重片Cを、仕切板15を下方向に移動させたり、水面下に移動させたりすることにより、貯留水W中に戻すことができる。
なお、廃プラスチックの分離回収装置3の各部材の形状、大きさ、構成等は、上述した実施例に限られないのは、実施例1同様である。また、仕切板15の形状等も上述した物に限らず、小比重片Cが導水部11aに流れ込むことを防ぐことができればよい。また、上述の構成に加えて、小比重片Cが仕切板15に沿って回転するように移動するのを補助するような水流を発生させるジェット水流ユニット40を分離用タンク10の上部に設けてもよい。
本発明の廃プラスチックの分離回収装置及びその分離回収方法は、廃プラスチックのリサイクル設備だけでなく、水に対して比重の大小が異なるものを分離して集めるものであれば、様々な分野に応用して利用することができる。
1,2,3 分離回収装置
10 分離用タンク
11 筒部
11a 導水部
11b 回収部
11c 排水部
13 底部
13a 傾斜部分
13b 管状部分
15 仕切板
20 投入パイプ(投入手段)
20b スクリューフィーダー
30 渦流ユニット(分離手段)
31 攪拌子
35 支持軸
40,40x ジェット水流ユニット(分離手段)
50 二重バルブ(回収手段)
60,60x バキューム(回収手段)
61 吸い口
61a 羽根
70 水車式排出ドラム(回収手段)
71 回転軸
75 支持材
77 掬部
A 大比重片
B 中比重片
C 小比重片

Claims (6)

  1. 円筒形状の筒部(11)とその底側に形成された底部(13)とを有する貯留水(W)を貯留する分離用タンク(10)と、
    前記分離用タンク(10)の貯留水(W)中に廃プラスチック破砕片を投入する投入パイプ(20)と、
    前記分離用タンク(10)内の貯留水(W)に渦流を発生させる撹拌手段(31,40x)と、
    前記分離用タンク(10)の内壁に突設される高圧水を噴射するノズル(41)を有し、該分離用タンク(10)内の貯留水(W)の前記渦流の外側に上昇流を発生させるジェット水流ユニット(40,40x)と、を備え、
    前記分離用タンク(10)の筒部(11)は、横断面が略C字状となるように側面の一部(X−Y間)が切り欠かれ、その切り欠き部に外方に突出するように導水部(11a)が形成されており、前記渦流の流れにおいて上流側に位置する該導水部(11a)の一側壁面は、該筒部(11)の切り欠き部から平面視接線方向に外方に延びるように形成されている、ことを特徴とする廃プラスチックの分離回収装置。
  2. 駆動手段(79)により回転する回転軸(71)とその回転軸(71)に支持部材(75)を介して取り付けられた笊状の掬部(77)を有する水車式排出ドラム(70)をさらに備え、
    前記回転軸(71)は前記導水部(11a)の上方に配置され、
    前記駆動手段(79)は、前記貯留水(W)の水中において前記掬部(77)が前記導水部(11a)に流れ込む水流と略反対方向に移動するように前記水車式排出ドラム(70)を回転させる、ことを特徴とする請求項1に記載の廃プラスチックの分離回収装置。
  3. 前記分離用タンク(10)の底部(13)中央には、下方に延びるように管状部分(13b)が形成され、該管状部分(13b)には鉛直方向上下に設けた2つのバルブ(51a,51b)と、それらの間の略円柱状の空間である中間室(53)とを有する二重バルブ(50)が備えられた、ことを特徴とする請求項1又は2に記載された廃プラスチックの分離回収装置。
  4. 前記分離用タンク(10)は、その中央部上方に、貯留水(W)の水面に対向するように吸い口(61)が配設されるバキューム(60)を備えた、ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1つに記載された廃プラスチックの分離回収装置。
  5. 前記分離用タンク(10)内の貯留水(W)に渦流を発生させる撹拌手段(40x)は、該分離用タンク(10)の内壁に突設される高圧水を噴射するノズル(41)を有するジェット水流ユニット(40x)である、ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1つに記載された廃プラスチックの分離回収装置。
  6. 分離用タンクに貯留された貯留水の水中に廃プラスチック破砕片を投入する投入工程と、
    前記貯留水に渦流と該渦流外側の上昇流を発生させ、投入された前記廃プラスチック破砕片を各破砕片に分ける分離工程と、
    分離された破砕片のうち水と略同じ比重の中比重片を、前記渦流及び上昇流により該貯留水の外側上部に集める収集工程と、
    前記収集工程において前記貯留水の外側上部に集められた前記中比重片を、前記分離用タンクの側面に外方に突出するように形成された導水部に、該導水部に流れ込む該渦流及び/又は前記上昇流による水流に乗せて移動させる移動工程と、
    駆動手段により回転する回転軸が前記導水部の上方に配置され、該回転軸に支持部材を介して取り付けられた複数の穿通孔を有する笊状の掬部を、該導水部に流れ込む水流と略反対方向に前記貯留水の水中を移動するように回転させて、前記移動工程において該導水部に移動してきた前記中比重片を水切りしながら回収する中比重片回収工程を備えた、ことを特徴とする廃プラスチックの分離回収方法。
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