JP5704216B2 - 多層プリント配線板の製造方法。 - Google Patents

多層プリント配線板の製造方法。 Download PDF

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本発明は、シート状繊維基材に熱硬化性樹脂組成物を含浸したプリプレグより調製される絶縁樹脂シート、及び該絶縁樹脂シートを用いた多層プリント配線板の製造方法に関する。
従来、多層プリント配線板の製造技術として、コア基板上に絶縁層と導体層とを交互に積み重ねるビルトアップ方式による製造方法が知られている。この製造方法によれば、絶縁層形成には、専らプラスチックフィルム上に熱硬化性樹脂層が形成された接着フィルムが使用され、この接着フィルムを内層回路基板にラミネート(積層)し、プラスチックフィルムを剥離した後、熱硬化性樹脂を熱硬化することにより、絶縁層が形成される。一方、近年の、電子機器や電子部品の小型化のニーズにより、多層プリント配線板においては、例えば、コア基板の薄型化や省略化が要求されるなど、ますます薄型化される傾向にある。このように多層プリント配線板の薄型化が図られる中で、多層プリント配線板の機械強度を維持するためには、層間絶縁層を形成する材料としてプリプレグの適用が有効と考えられる。
例えば、特許文献1には、ガラスクロスプリプレグと銅箔とを真空加圧式ラミネーターで枚葉することにより、回路基板上に絶縁層を形成する方法が開示されている。しかしながら、近年の電子機器の小型化、薄型化の傾向により、多層構造のプリント配線板においても、微細配線化の要求が高まっており、その要求に応えるためには、銅箔で導体層を形成するよりも、セミアディティブ法により、めっきで導体層を形成する方が有利である。
多層プリント配線板の層間絶縁層を形成するためのプリプレグとしては、特許文献2及び3に、プリプレグ上に熱硬化樹脂組成物層を形成した絶縁樹脂シートが開示されている。
特開2003−0332740公報 特開2003−249764号公報 特開2003−313324号公報
接着フィルムを用いたビルトアップ方式による多層プリント配線板の製造方法においては、真空ラミネーターを使用して熱硬化性樹脂組成物層をラミネートし、その後、該層を熱硬化して絶縁層が形成される。かかる絶縁層形成後はセミアディティブ法により、めっきで導体層形成が可能である。一方、プリプレグにおいては、プリプレグを内層回路基板の回路凹凸に追従させ、回路凹凸を十分に埋め込めるように、プリプレグに含浸される熱硬化性樹脂組成物の流動性を確保した場合、真空ラミネート後の熱硬化工程において、樹脂の流動性が大きくなりすぎるため、樹脂の染み出しが起こり、絶縁層表面にガラスクロス等の繊維基材が露出するなど、絶縁層形成に支障をきたすという問題がある。
そこで、プリプレグを内層回路基板の回路凹凸に追従させ、樹脂組成物を回路凹凸に十分に埋め込む手段として、特許文献2及び3のように、プリプレグにさらに熱硬化性樹脂組成物層を設ける方法が有効であると考えられる。本発明者らが、プリプレグ両面に熱硬化性樹脂組成物を積層した絶縁樹脂シートを、真空ラミネーターによりラミネートしたところ、内層回路基板の回路凹凸に、絶縁樹脂シートが十分に追従し、回路凹凸の埋め込み性も良好であることが見出された。一方、ラミネートされた絶縁樹脂シートは、回路凹凸を反映して表面が凹凸状になる。そこで絶縁樹脂シート表面を平滑化するため、常圧下で、金属板により接着シートを加熱及び加圧したところ、絶縁樹脂シート表面の熱硬化性樹脂組成物層が流動するため、回路の凹凸を反映して、一部の熱硬化性樹脂組成物層の厚みが薄くなる現象が見出された。また、絶縁樹脂シートを熱硬化して絶縁層を形成した後に、絶縁層表面を粗化してめっきにより導体層を形成した場合に、熱硬化性樹脂組成物層の厚みが薄くなった部分よりプリプレグの繊維状シート基材が露出し、導体層形成に不具合が生じる現象が見出された。
従って、本願発明の課題は、繊維状シート基材を有する絶縁樹脂シートにより多層プリント配線板を製造する場合に、上記のように繊維状シート基材が露出することのない絶縁樹脂シートを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、シート状繊維基材に熱硬化性樹脂組成物を含浸したプリプレグを圧縮及び熱硬化した硬化プリプレグ層、並びに該硬化プリプレグ層の両面に形成された熱硬化性樹脂組成物層を有する絶縁樹脂シートを、多層プリント配線板の製造に用いることにより、形成された絶縁層表面を粗化した場合でも、上述した繊維状シート基材の露出を抑制することが出来ることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の内容を含むものである。
[1] シート状繊維基材に熱硬化性樹脂組成物を含浸したプリプレグを圧縮及び熱硬化した硬化プリプレグ層、並びに該硬化プリプレグ層の両面に形成された熱硬化性樹脂組成物層を有する絶縁樹脂シート。
[2] 前記絶縁樹脂シートが、(1)絶縁樹脂シートを熱硬化性樹脂組成物層が内層回路基板の両面又は片面に接するように内層回路基板に配置し、減圧下で、弾性材を介して加熱及び加圧することにより、内層回路基板上に積層するラミネート工程、(2)積層された絶縁樹脂シートを、常圧下で、金属板又は金属ロールにより加熱及び加圧することにより、絶縁樹脂シートを平滑化する平滑化工程、及び(3)平滑化された絶縁樹脂シートを熱硬化することにより、絶縁層を形成する熱硬化工程、を含む多層プリント配線板の製造方法に用いられる、上記[1]又は[2]記載の絶縁樹脂シート。
[3] 前記熱硬化性樹脂組成物層の片面又は両面に保護フィルムが形成された、上記[1]又は[2]記載の絶縁樹脂シート。
[4] 上記[1]〜[3]のいずれかに記載の絶縁樹脂シートにより絶縁層が形成された、多層プリント配線板。
[5] (1)上記[1]〜[3]のいずれかに記載の絶縁樹脂シートを、熱硬化性樹脂組成物層が内層回路基板の両面又は片面に接するように内層回路基板に配置し、減圧下で、弾性材を介して加熱及び加圧することにより、内層回路基板上に積層するラミネート工程、(2)積層された絶縁樹脂シートを、金属板又は金属ロールにより加熱及び加圧することにより、絶縁樹脂シートを平滑化する平滑化工程、及び(3)平滑化された絶縁樹脂シートを熱硬化することにより、絶縁層を形成する熱硬化工程を含む、多層プリント配線板の製造方法。
[6] 前記ラミネート工程及び平滑化工程における絶縁樹脂シートの加熱及び加圧が保護フィルム上から行われる、上記[5]記載の方法。
[7] 絶縁層に穴あけする穴あけ工程、該絶縁層を粗化処理する粗化工程、粗化された絶縁層表面にめっきにより導体層を形成するめっき工程、及び導体層に回路を形成する回路形成工程をさらに含む、上記[5]又は[6]記載の製造方法。
真空ラミネーターにより内層回路基板にラミネートした場合でも、内層回路基板の回路凹凸に、絶縁樹脂シートが十分に追従し、回路凹凸の埋め込み性も良好である。また、ラミネート後に、絶縁樹脂シート表面を平滑化した場合でも、回路凹凸を反映して樹脂組成物層の厚みが薄くなる現象を抑制することができる。よって、本発明によれば、熱硬化により絶縁層が形成された後、絶縁層表面を粗化しても、プリプレグの繊維基材が露出することがなく、めっきによる導体層形成を良好に行うことができ、信頼性の高い多層プリント配線板を製造することが可能となる。
まずシート状繊維基材に熱硬化性樹脂組成物を含浸したプリプレグを圧縮及び熱硬化した硬化プリプレグ層ついて説明する。
シート状繊維基材に熱硬化性樹脂組成物を含浸したプリプレグとしては一般的なものを用いることができる。シート状繊維基材としては、例えばガラスクロス、アラミド不織布、液晶ポリマー不織布等のプリプレグ用基材として常用されているものを用いることができる。特に、多層プリント配線板の絶縁層形成に用いる場合には、厚さが30μm以下の薄型のものが好適に用いられ、特に10〜30μmのものが好ましい。シート状繊維基材の具体的な例としては、ガラスクロス基材として、例えば、旭シュエーベル社(株)製スタイル1027MS(経糸密度75本/25mm、緯糸密度75本/25mm、布重量20g/m、厚さ19μm)、旭シュエーベル社(株)製スタイル1037MS(経糸密度70本/25mm、緯糸密度73本/25mm、布重量24g/m、厚さ28μm)、(株)有沢製作所製1037NS(経糸密度72本/25mm、緯糸密度69本/25mm、布重量23g/m、厚さ21μm)、(株)有沢製作所製1027NS(経糸密度75本/25mm、緯糸密度75本/25mm、布重量19.5g/m、厚さ16μm)、(株)有沢製作所製1015NS(経糸密度95本/25mm、緯糸密度95本/25mm、布重量17.5g/m、厚さ15μm)、(株)有沢製作所製1000NS(経糸密度85本/25mm、緯糸密度85本/25mm、布重量11g/m、厚さ10μm)などが挙げられる。また液晶ポリマー不織布として、(株)クラレ製の芳香族ポリエステル不織布のメルトブロー法によるベクルス(目付け量6〜15g/m)やベクトランなどが挙げられる。シート状繊維基材としては、ガラスクロスが汎用されている。多層プリント配線板に使用するガラスクロスは、一般に、ガラスフィラメントを数十〜数百本束ねたヤーンを自動織機等により織り込むことにより製造され、通常、ヤーンを束ねる際にヤーンのほつれ・ケバを防止するために撚りがかけられる。そのため、プリプレグにおいて、一部のガラスファイバーが均等に配列せず、重なる場所が局所的に存在するようになる。このガラスファイバーが重なった場所は、それ以外の場所に比較して、ガラスクロスの厚みが大きい。また、プリプレグ製造工程において、ガラスクロスのたるみ等により、ガラスクロスがプリプレグの中心ではなく、表面近傍に存在することがある。一般に、絶縁樹脂シートにおけるシート状繊維基材の露出は、このようにシート状繊維基材の厚さが局所的に大きい部分や、シート状繊維基材の一部が表面近傍にある箇所で特に顕著に現れやすい。
シート状繊維基材に含浸させる熱硬化性樹脂組成物としては、多層プリント配線板の絶縁層に適するものであれば、特に制限なく使用できる。かかる熱硬化性樹脂組成物の具体例としては、エポキシ樹脂、シアネートエステル樹脂、フェノール樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、ビニルベンジル樹脂等の熱硬化性樹脂とその硬化剤とを、少なくとも含有する組成物が挙げられる。それらの中でも、熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を含有する組成物が好ましく、例えば、エポキシ樹脂、熱可塑性樹脂及び硬化剤を含有する組成物が好ましい。
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、リン含有エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂、ビスフェノールのジグリシジルエーテル化物、ナフタレンジオールのジグリシジルエーテル化物、フェノール類のグリシジルエーテル化物、及びアルコール類のジグリシジルエーテル化物、並びにこれらのエポキシ樹脂のアルキル置換体、ハロゲン化物及び水素添加物等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、いずれか1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
エポキシ樹脂は、これらの中でも、耐熱性、絶縁信頼性、金属膜との密着性の観点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂が好ましい。かかるエポキシ樹脂の具体例としては、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製「エピコート828EL」)、ナフタレン型2官能エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業(株)製「HP4032」、「HP4032D])、ナフタレン型4官能エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業(株)製「HP4700」)、ナフトール型エポキシ樹脂(東都化成(株)製「ESN−475V」)、ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂(ダイセル化学工業(株)製「PB−3600」)、ビフェニル構造を有するエポキシ樹脂(日本化薬(株)製「NC3000H」、「NC3000L」、ジャパンエポキシレジン(株)製「YX4000」)などが挙げられる。
熱硬化性樹脂組成物には、硬化後の樹脂組成物に適度な可撓性を付与すること等を目的として、熱可塑性樹脂を配合することができる。かかる熱可塑性樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、いずれか1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。当該熱可塑性樹脂は、熱硬化性樹脂組成物の不揮発成分を100質量%としたとき、0.5〜60質量%の割合で配合するのが好ましく、3〜50質量%の割合で配合するのがより好ましい。
フェノキシ樹脂の市販品としては、例えば、東都化成(株)製FX280、FX293、ジャパンエポキシレジン(株)製YX8100、YL6954、YL6974等が挙げられる。
ポリビニルアセタール樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂が好ましく、かかるポリビニルアセタール樹脂の市販品としては、例えば、電気化学工業(株)製、電化ブチラール4000−2、5000−A、6000−C、6000−EP、積水化学工業(株)製エスレックBHシリーズ、BXシリーズ、KSシリーズ、BLシリーズ、BMシリーズ等が挙げられる。
ポリイミドの市販品としては、例えば、新日本理化(株)製のポリイミド「リカコートSN20」及び「リカコートPN20」が挙げられる。また、2官能性ヒドロキシル基末端ポリブタジエン、ジイソシアネート化合物及び四塩基酸無水物を反応させて得られる線状ポリイミド(特開2006−37083号公報に記載のもの)、ポリシロキサン骨格含有ポリイミド(特開2002−12667号公報、特開2000−319386号公報等に記載のもの)等の変性ポリイミドが挙げられる。
ポリアミドイミドの市販品としては、例えば、東洋紡績(株)製のポリアミドイミド「バイロマックスHR11NN」及び「バイロマックスHR16NN」が挙げられる。また、日立化成工業(株)製のポリシロキサン骨格含有ポリアミドイミド「KS9100」、「KS9300」等の変性ポリアミドイミドが挙げられる。
ポリエーテルスルホンの市販品としては、例えば、住友化学(株)社製のポリエーテルスルホン「PES5003P」等が挙げられる。
ポリスルホンの市販品としては、例えば、ソルベンアドバンストポリマーズ(株)社製のポリスルホン「P1700」、「P3500」等が挙げられる。
硬化剤としては、例えば、アミン系硬化剤、グアニジン系硬化剤、イミダゾール系硬化剤、フェノール系硬化剤、ナフトール系硬化剤、酸無水物系硬化剤又はこれらのエポキシアダクトやマイクロカプセル化したもの、シアネートエステル樹脂等が挙げられる。それらの中でも、フェノール系硬化剤、ナフトール系硬化剤、シアネートエステル樹脂が好ましい。これらの硬化剤は、いずれか1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
フェノール系硬化剤、ナフトール系硬化剤の市販品としては、例えば、MEH−7700、MEH−7810、MEH−7851(明和化成(株)製)、NHN、CBN、GPH(日本化薬(株)製)、SN170、SN180、SN190、SN475、SN485、SN495、SN375、SN395(東都化成(株)製)、LA7052、LA7054、LA3018、LA1356(大日本インキ化学工業(株)製)等が挙げられる。
シアネートエステル樹脂としては、例えば、ビスフェノールAジシアネート、ポリフェノールシアネート(オリゴ(3−メチレン−1,5−フェニレンシアネート)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジメチルフェニルシアネート)、4,4’−エチリデンジフェニルジシアネート、ヘキサフルオロビスフェノールAジシアネート、2,2−ビス(4−シアネート)フェニルプロパン、1,1−ビス(4−シアネートフェニルメタン)、ビス(4−シアネート−3,5−ジメチルフェニル)メタン、1,3−ビス(4−シアネートフェニル−1−(メチルエチリデン))ベンゼン、ビス(4−シアネートフェニル)チオエーテル、ビス(4−シアネートフェニル)エーテル等の2官能シアネート樹脂、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等から誘導される多官能シアネート樹脂、これらシアネート樹脂が一部トリアジン化したプレポリマー等が挙げられる。かかるシアネートエステル樹脂の具体例としては、フェノールノボラック型多官能シアネートエステル樹脂(ロンザジャパン(株)製「PT30」、シアネート当量124)やビスフェノールAジシアネートの一部又は全部がトリアジン化され三量体となったプレポリマー(ロンザジャパン(株)製「BA230」、シアネート当量232)等が挙げられる。
エポキシ樹脂と硬化剤の配合比率は、フェノール系硬化剤又はナフトール系硬化剤を用いる場合は、エポキシ樹脂のエポキシ当量1に対してこれら硬化剤のフェノール性水酸基当量が0.4〜2.0の範囲となる比率が好ましく、より好ましくは0.5〜1.0の範囲となる比率である。シアネートエステル樹脂を用いる場合は、エポキシ当量1に対してシアネート当量が0.3〜3.3の範囲となる比率が好ましく、0.5〜2.0の範囲となる比率がより好ましい。
熱硬化性樹脂組成物には、硬化剤に加え、硬化促進剤をさらに含有させることができる。かかる硬化促進剤としては、例えば、イミダゾール系化合物、有機ホスフィン系化合物等が挙げられ、具体例としては、2−メチルイミダゾール、トリフェニルホスフィン等が挙げられる。硬化促進剤を用いる場合、硬化促進剤はエポキシ樹脂に対して0.1〜3.0質量%の範囲で用いるのが好ましい。なお、エポキシ樹脂硬化剤としてシアネートエステル樹脂を使用する場合には、硬化時間を短縮する目的で、従来からエポキシ樹脂組成物とシアネート化合物とを併用した系において硬化触媒として用いられている有機金属化合物を、添加してもよい。このような有機金属化合物としては、例えば、銅(II)アセチルアセトナート等の有機銅化合物、亜鉛(II)アセチルアセトナート等の有機亜鉛化合物、コバルト(II)アセチルアセトナート、コバルト(III)アセチルアセトナート等の有機コバルト化合物などが挙げられる。これらの有機金属化合物は、いずれか1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。有機金属化合物の添加量は、シアネートエステル樹脂に対し、金属換算で通常10〜500ppmの範囲であることが好ましく、25〜200ppmの範囲であることがより好ましい。
また、熱硬化性樹脂組成物には、硬化後の樹脂組成物の低熱膨張化のために、無機充填剤を含有させることができる。かかる無機充填剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、雲母、マイカ、珪酸塩、硫酸バリウム、水酸化マグネシウム、酸化チタン等が挙げられ、これらの中でも、シリカ、アルミナが好ましく、シリカが特に好ましい。なお、無機充填剤の平均粒径は、絶縁信頼性の観点から、3μm以下が好ましく、1.5μm以下が特に好ましい。無機充填剤の含有量は、熱硬化性樹脂組成物の不揮発成分を100質量%とした時、好ましくは20〜60質量%であり、より好ましくは20〜50質量%である。
さらに、熱硬化性樹脂組成物には、必要に応じて他の成分を含有させることができる。他の成分としては、例えば、有機リン系難燃剤、有機系窒素含有リン化合物、窒素化合物、シリコーン系難燃剤、金属水酸化物等の難燃剤;シリコンパウダー、ナイロンパウダー、フッ素パウダー等の有機充填剤;オルベン、ベントン等の増粘剤;シリコーン系、フッ素系等の高分子系消泡剤又はレベリング剤;イミダゾール系、チアゾール系、トリアゾール系、シラン系カップリング剤等の密着性付与剤;フタロシアニン・ブルー、フタロシアニン・グリーン、アイオジン・グリーン、ジスアゾイエロー、カーボンブラック等の着色剤等が挙げられる。
通常のプリプレグの製造方法としては、例えば、公知のホットメルト法、ソルベント法などを挙げることができる。ホットメルト法とは、熱硬化性樹脂組成物を有機溶剤に溶解することなく、熱硬化性樹脂組成物を該組成物と剥離性の良い離型紙に一旦コーティングし、それをガラスクロスにラミネートする、あるいはダイコータにより直接塗工する等して、プリプレグを製造する方法である。またソルベント法とは、熱硬化性樹脂組成物を有機溶剤に溶解した樹脂組成物ワニスにシート状繊維基材を浸漬することにより、樹脂組成物ワニスをシート状繊維基材に含浸させ、その後乾燥させる方法である。また、プラスチックフィルム上に積層された熱硬化性樹脂組成物からなる接着フィルムをシート状繊維基材の両面から加熱、加圧条件下、連続的にラミネートすることで調製することもできる。ワニスを調製する場合の有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、カルビトールアセテート等の酢酸エステル類、セロソルブ、ブチルカルビトール等のカルビトール類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン
等が挙げられる。これらの有機溶剤は、いずれか1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
ソルベント法における乾燥条件は特に限定されないが、プリプレグ内に有機溶剤が多く残留すると、硬化後に膨れが発生する原因となるため、熱硬化性樹脂組成物中への有機溶剤の含有割合が通常5重量%以下、好ましくは2重量%以下となるように乾燥させる。具体的な乾燥条件は、熱硬化性樹脂組成物の硬化性やワニス中の有機溶媒量によっても異なるが、例えば30〜60重量%の有機溶剤を含むワニスにおいては、通常80〜180℃で3〜13分程度乾燥させることができる。
本発明においては、上記のようにして得られるプリプレグを圧縮及び熱硬化し、硬化プリプレグとする。プリプレグを硬化することにより、繊維基材の露出を抑制することができ、またプリプレグを圧縮することで、絶縁樹脂シートの層厚を小さくすることができ、多層プリント配線板の薄型化に有利となる。さらに圧縮により、硬化による繊維基材の露出抑制効果が増大する。圧縮と熱硬化は同時に行なってもよく、圧縮した後で熱硬化してもよい。
圧縮と熱硬化を同時に行なう場合、例えば多段式熱プレスを用いて、枚葉式にて、圧縮と熱硬化を行う方法がある。具体的には、例えば、(株)名機製作所のMHPCV200型等のホットプレス装置を用いて、プリプレグを圧縮しながら室温から温度100〜200℃まで2〜10℃/分で昇温することで硬化プリプレグを得ることができる。加熱時間は15〜60分、圧力は1〜10kg/cmの範囲で行うことができる。該圧縮硬化は、プリプレグ内にボイドが発生することを避けるため、減圧下に行うのが好ましい。
圧縮と熱硬化を逐次的に行う場合は、2本のロールで連続的に圧縮し、その後熱硬化する方法により行うことができる。具体的には、ロール状に巻き取ったプリプレグを2本のロール間に搬送し圧縮する。ロールは一方がSUS等の金属ロール、一方が耐熱ゴム等の弾性材ロールであるのが好ましい。圧縮において、金属ロールの温度は40〜150℃、線圧は1〜10kgf/cm、搬送速度は0.5〜10m/分の範囲で行うことができる。続いて、圧縮したプリプレグをロール状に巻き取り、加熱オーブン中で加熱することにより硬化することができる。加熱の際に、圧縮したプリプレグが再び膨らまないように、加熱前の巻き取り時の張力を0.1〜0.5kgf/cmとし、1〜72時間かけて室温から100〜200℃の範囲まで昇温することにより加熱硬化する方法が好ましい。
熱硬化性樹脂組成物は必ずしも完全に熱硬化されている必要はなく、本発明の効果が発揮される程度に硬化されていればよい。通常、使用されるプリプレグは、回路基板へ積層するなど接着性を維持する必要があるので、樹脂流動性(フロー性)を有する。例えば、Bステージのプリプレグであっても、接着能力を保持するため、乾燥時に熱硬化性樹脂組成物の硬化をできる限り進行させないことが重要となるため、熱硬化性樹脂組成物の反応度は著しく低く、通常ガラス転移温度を測定することは不可能であり、少なくとも室温以下のガラス転移温度となる。
熱硬化性樹脂組成物は必ずしも完全に熱硬化されている必要はなく、本発明の効果が発揮される程度に硬化されていればよい。通常、使用されるプリプレグは、回路基板へ積層するなど接着性を維持する必要があるので、樹脂流動性(フロー性)を有する。例えば、Bステージのプリプレグであっても、熱硬化性樹脂組成物の反応度は著しく低く、通常ガラス転移温度を測定することは不可能であり、少なくとも室温以下のガラス転移温度となる。
本発明の絶縁樹脂シートを用いて多層プリント配線板を製造する場合、一般に、(1)絶縁樹脂シートを熱硬化性樹脂組成物層が内層回路基板の両面又は片面に接するように内層回路基板に配置し、減圧下で、弾性材を介して加熱及び加圧することにより、内層回路基板上に積層するラミネート工程、(2)積層された絶縁樹脂シートを、金属板又は金属ロールにより加熱及び加圧する平滑化工程、及び、(3)平滑化された絶縁樹脂シートを熱硬化することにより、絶縁層を形成する熱硬化工程、の工程を経て製造される。この際、圧縮硬化プリプレグのガラス転移温度が低すぎると、ラミネート工程及び/又は平滑化工程において、シート状繊維基材の硬化物による保持能力が低下し、シート状繊維基材の膨張による該基材の露出の問題が顕在化する傾向にある。したがって、圧縮硬化プリプレグは、ラミネート工程及び平滑化工程において、シート状繊維基材の膨張による露出が起こらないよう、十分に高いガラス転移温度を有するようになるまで加圧硬化するのが好ましい。適切なガラス転移温度は、ラミネート工程及び平滑化工程の温度によっても異なるが、好ましくはラミネート工程の温度及び平滑化工程の温度の何れか高い方をP℃とした場合、(P−50)℃以上であり、より好ましくは(P−45)℃以上であり、より好ましくは(P−40)℃以上である。なお、本願でいう「ラミネート工程の温度」及び「平滑化工程の温度」とは、より詳細には、それぞれラミネート工程おいて加熱する際の最高温度、及び平滑化工程おいて加熱する際の最高温度をいう。さらにより好ましくは硬化プリプレグのガラス転移温度は60℃以上とする。ガラス転移温度の上限は特に限定されないが、一般に硬化した熱硬化性樹脂組成物のガラス転移温度は300℃以下となることが多く、これを一般的な上限値とすることができる。なお、上記のように、例えば60℃以上のガラス転移温度が観測される程度までプリプレグを硬化した場合、プリプレグの含浸された熱硬化性樹脂組成物が実質的に流動性を有せず、接着性もないため、硬化プリプレグを単独で内層回路基板に積層し、回路の埋め込みを行い、絶縁層を形成させることは不可能である。この点でプリント配線板等の絶縁層形成に用いられる一般のプリプレグとは明確に区別される。
本願でいう「ガラス転移温度」とは、耐熱性を示す値であり、JIS K 7179に記載の方法にしたがって決定され、具体的には、熱機械分析(TMA)、動的機械分析(DMA)などを用いて測定される。熱機械分析(TMA)としては、例えば、TMA−SS6100(セイコーインスツルメンツ社製)、TMA−8310(リガク株式会社製)などが挙げられ、動的機械分析(DMA)としては、例えば、DMS−6100(セイコーインスツルメンツ社製)などが挙げられる。また、ガラス転移温度が分解温度よりも高く、実際にはガラス転移温度が観測されない場合には、分解温度を本発明におけるガラス転移温度とみなすことができる。なお、ここでいう分解温度とは、JIS K 7120に記載の方法にしたがって測定したときの質量減少率が5%となる温度で定義される。
硬化プリプレグ層の厚さは、特に制限されないが通常12〜70μmが好ましく、使用するガラスクロスのコスト及び絶縁樹脂シートとして所望される薄さの観点から、12〜60μmであることがより好ましく、特に薄型化の観点から、12〜25μmがより好ましい。なお、かかる厚さは、熱硬化性樹脂組成物の含浸量の調整、圧縮工程における調整により、容易にコントロールすることが出来る。特に本発明においては、プリプレグを圧縮する工程を含むため、容易に薄型化が達成可能である。
硬化プリプレグ層の両面に形成する熱硬化性樹脂組成物層に用いる熱硬化性樹脂としては、上述のプリプレグに用いるものと同様の熱硬化性樹脂組成物を用いることができる。なお、熱硬化性樹脂組成物層に使用する熱硬化性樹脂組成物の種類は、プリプレグ層に使用する熱硬化性樹脂組成物と同じであっても、異なっていてもよい。また、熱硬化性樹脂組成物層に使用する熱硬化性樹脂組成物は、両面とも同じものを用いてもよく、異なる種類のものを用いてよい。
硬化プリプレグ層の両面に熱硬化性樹脂組成物層を形成する方法としては、例えば下記の3つの方法が挙げられる。
第1の方法としては、樹脂ワニスに硬化プリプレグを含浸させて、乾燥させることで熱硬化性樹脂層を形成する方法が挙げられる。なお、かかる樹脂ワニスは、前記した熱硬化性樹脂組成物のワニスと同様のものを用いることができる。該樹脂ワニスの粘度は、25℃において10〜10,000cpsの範囲であることが好ましく、特に100cps〜1000cpsの範囲であることが好ましい。該樹脂ワニスの固形分含量としては、10%〜60%の範囲が良く、更には20%〜50%の範囲が良い。上記の乾燥は、60℃〜150℃で10分〜20分の範囲で行うことが好ましい。
また、第2の方法としては、前記樹脂ワニスを離型処理されたPETフィルムにコーティング及び乾燥させて、熱硬化性樹脂層のシート(熱硬化性樹脂フィルム)を得、続いて、それを硬化のプリプレグの両面にラミネートする方法が挙げられる。かかるコーティングは、膜厚を正確にコントロールするためにも、クローズドタイプのダイコータを用いることが好ましく、乾燥は60℃〜150℃で10分〜20分程度行うことが好ましい。
さらに、第3の方法としては、硬化のプリプレグの一方の面に前記樹脂ワニスを直接塗布及び乾燥し、続いて、他方の面に同樹脂ワニスを塗布及び乾燥する方法が挙げられる。なお、かかる塗布は、膜厚を正確にコントロールするために、クローズドタイプのダイコータを用いることが好ましく、乾燥は60℃〜150℃で10分〜20分程度行うことが好ましい。
熱硬化性樹脂組成物層の厚さは、内層回路基板に接する方の層(以下、B層と称することもある)が熱硬化性樹脂組成物層の回路への埋め込み性の観点から1〜50μmであることが好ましく、1〜25μmであることがより好ましい。他方の層(以下、A層と称することもある)は、配線形成の観点から1〜30μmであることが好ましく、1〜25μmであることがより好ましい。また、内層回路基板に接触する方の層(B層)は、内層回路基板の配線部分にボイドなくラミネート又は積層可能な流動性を持つことが必要である。その為には、最低溶融粘度が200〜7000poiseの範囲であることが好ましく、400〜3000poiseの範囲であることが特に好ましい。他方の層(A層)においては、銅配線形成が容易に可能であることが必要となるため、セミアディティブ工法により回路形成が可能であることが求められる。
絶縁樹脂シートにおける、硬化プリプレグ層及び熱硬化性樹脂組成物層の合計の厚さは通常14〜150μmの範囲であり、14〜110μmの範囲がより好ましく、特に薄型化の観点から12〜75μmの範囲がより好ましい。厚さが薄すぎると、絶縁層を形成する上で回路の埋め込みが不十分となる傾向にあり、また製造も困難である。また絶縁樹脂シートの厚さが厚すぎると、多層プリント配線板の薄型化に不利となる。
絶縁樹脂シートは、表面の凹みや傷の防止、異物の付着防止などの目的で、両側に保護フィルムが形成されているのが好ましい。かかる保護フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム等のプラスチックフィルムが好ましい。その厚さは、5μm〜100μmの間が好ましい。なお、ラミネート工程及び平滑化工程においては、装置への樹脂の付着防止の観点から、保護フィル上から加熱及び加圧するのが好ましい。この場合、保護フィルムとしては、コスト面や耐熱性に優れるPETフィルムを用いるのが好ましい。保護フィルムは、熱硬化性樹脂組成物層の被形成面が離型処理された、離型層を有するものを用いてもよい。離型処理に使用する離型剤としては、例えば、シリコーン系離型剤、アルキッド樹脂系離型剤等が挙げられる。なお、市販されている離型層付きプラスチックフィルムを用いてもよく、好ましいものとしては、例えば、アルキッド樹脂系離型剤を主成分とする離型層を有するPETフィルムである、リンテック(株)製のSK−1、AL−5、AL−7などが挙げられる。また、プラスチックフィルムはマット処理、コロナ処理を施してあってもよく、当該処理面上に離型層を形成してもよい。
本発明の多層プリント配線板の製造方法は、絶縁樹脂シートを内層回路基板の少なくとも片面に積層(ラミネート)し、絶縁樹脂シートを硬化して絶縁層を形成する工程を含む。ここで、絶縁樹脂シートの内層回路基板への積層は、基本的に絶縁樹脂シート1枚(1層)を用いて行うが、2枚(2層)以上を積み重ねて積層してもよい。なお、絶縁層の厚さは、基本的に絶縁樹脂シートの厚さ(総厚さ)が踏襲される。したがって、絶縁層の厚さは、通常14〜150μmであり、より好ましくは14〜110μmであり、特に好ましくは14〜75μmである。
ラミネート工程においては、絶縁樹脂シートを減圧下で加熱及び加圧し、内層回路基板にラミネートする。ラミネート工程における当該加熱及び加圧は、加熱されたSUS鏡板等の金属板を保護フィルム側からプレスすることにより行うことができる。その際、金属板を直接プレスするのではなく、内層回路基板の回路凹凸に絶縁樹脂シートが十分に追随するよう、耐熱ゴム等の弾性材を介してプレスを行うのが好ましい。金属板と弾性材は必ずしも接している必要はなく、金属板と弾性材間に空気を存在させ、圧縮空気により弾性材に圧力をかけてプレスすることでラミネートを行ってもよい。なお、かかるプレスの温度は、好ましくは70〜140℃であり、より好ましくは80〜130℃である。また、かかるプレスの圧力は、1〜11kgf/cm(9.8×104〜107.9×104N/m)の範囲内であることが好ましい。一般に、ラミネート工程は、ボイドが発生することを防ぐために減圧下で行われ、その空気圧は20mmHg(26.7hPa)以下の減圧下であることが好ましい。
ラミネート工程の後、好ましくは金属板又は金属ロールによる熱プレスにより、ラミネートされた絶縁樹脂シートの平滑化を行う。該平滑化工程は、加熱されたSUS鏡板等の金属板又は金属ロールを用いて、絶縁樹脂シートを加熱及び加圧することにより行われる。該平滑化工程は、常圧下(大気圧下)で行うのが好ましい。また平滑化工程は金属板により行うのがより好ましい。かかる加熱及び加圧条件としては、上記ラミネート工程と同様の条件を用いることができる。
本発明におけるラミネート工程及び平滑化工程は、市販されている真空ラミネーターによって連続的に行うことができる。市販されている真空ラミネーターとしては、例えば、(株)名機製作所製 真空加圧式ラミネーター、ニチゴー・モートン(株)製 バキュームアップリケーター等が挙げられる。
ラミネート工程及び/又は平滑化工程の後、熱硬化工程を行う。熱硬化工程においては、絶縁樹脂シートを熱硬化し、絶縁層を形成する。熱硬化条件は熱硬化性樹脂組成物の種類等によっても異なるが、一般に硬化温度は150〜200℃の範囲内であり、硬化時間は15〜60分の範囲内である。
本発明の多層プリント配線板の製造方法においては、絶縁層に穴あけする穴あけ工程、該絶縁層を粗化処理する粗化工程をさらに含んでもよい。なお、これらの工程は、当業者に公知である、多層プリント配線板の製造に用いられている各種方法に従って行うことができる。また、本発明の多層プリント配線板の製造方法においては、ラミネート工程、平滑化工程、熱硬化工程又は穴あけ工程の後で、残存する保護フィルムを剥離する工程をさらに含んでもよい。離型処理された保護フィルムであれば、熱硬化された絶縁樹脂シート(絶縁層)から剥離することも可能である。保護フィルムの剥離は、手動で剥離してもよく、自動剥離装置により機械的に剥離してもよい。
穴あけ工程は、例えば、絶縁層に、ドリル、炭酸ガスレーザー、YAGレーザー等のレーザー、プラズマ等によりビアホール、スルーホール等のホールを形成することにより行うことができる。多層プリント配線板においては、貫通孔(スルーホール)の形成は一般にコア基板において行われ、ビルドアップされた絶縁層は一般にはビアホールにより導通が行われる。また貫通孔形成は、一般に機械ドリルが用いられる。
粗化工程は、例えば、絶縁層表面をアルカリ性過マンガン酸水溶液等の酸化剤で処理することにより行うことができる。該粗化工程は、ビアホール、スルーホール等のホールのデスミア工程を兼ねる場合がある。アルカリ性過マンガン酸水溶液に先立って膨潤液による膨潤処理を行うのが好ましい。膨潤液には、例えば、アトテックジャパン株式会社製のスウェリング・ディップ・セキュリガンスP(Swelling Dip Securiganth P)、スウェリング・ディップ・セキュリガンスSBU(Swelling Dip Securiganth SBU)等を挙げることができる。
膨潤処理は、通常60〜80℃程度に加熱した膨潤液に絶縁層を5〜10分程度付すことで行われる。アルカリ性過マンガン酸水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウムの水溶液に過マンガン酸カリウムや過マンガン酸ナトリウムを溶解した溶液を挙げることができる。アルカリ性過マンガン酸水溶液による粗化処理は、通常60〜80℃、10〜30分程度付すことで行われる。アルカリ性過マンガン酸水溶液は、市販品としては、アトテックジャパン株式会社製のコンセントレート コンパクトCP、ド−ジングソリューション セキュリガンスP等が挙げられる。
本発明の多層プリント配線板の製造方法においては、さらに粗化された絶縁層表面にめっきにより導体層を形成するめっき工程、導体層形成後、加熱により内層回路基板をアニール処理する工程、及び導体層に回路を形成する回路形成工程をさらに含んでもよい。これらの工程は、当業者に公知である、多層プリント配線板の製造に用いられている各種方法に従って行うことができる。
めっき工程は、例えば、粗化処理により凸凹のアンカーが形成された絶縁層表面に無電解めっきと電解めっきを組み合わせた方法で導体層を形成することにより行われる。この際、ビアホール内にもめっきが形成される。導体層としては銅めっき層が好ましい。銅めっき層は、無電解銅めっきと電解銅めっきを組み合わせた方法か、導体層とは逆パターンのめっきレジストを形成し、無電解銅めっきのみで導体層を形成する。無電解めっき層の厚さは、好ましくは0.1〜3μm、より好ましくは0.3〜2μmである。一方、電解めっき層の厚さとしては、無電解めっき層の厚さとの合計が3〜35μmとなる厚さが好ましく、5〜20μmとなる厚さがより好ましい。またビアホールはめっきによりフィルドビアを形成することもできる。
アニール処理工程は、例えば、導体層形成後、回路基板を150〜200℃で20〜90分間加熱することにより行うことができる。アニール処理することにより、導体層のピール強度をさらに向上、安定化させることができる。
回路形成工程としては、例えば、サブトラクティブ法、セミアディディブ法等を用いることができる。ファインライン形成にはセミアディティブ法が好ましく、無電解めっき層上にパターンレジストを施し、所望の厚さの電解めっき層(パターンめっき層)を形成後、パターンレジストを剥離し、無電解めっき層をフラッシュエッチで除去することにより、回路形成することができる。
本発明でいう「内層回路基板」とは、主として、ガラスエポキシ基板、金属基板、ポリエステル基板、ポリイミド基板、BTレジン基板、熱硬化型ポリフェニレンエーテル基板等の基板の片面又は両面にパターン加工された(回路形成された)導体層を有し、多層プリント配線板を製造する際に、さらに絶縁層および導体層が形成されるべき中間製造物を言う。なお導体層表面は黒化処理等により予め粗化処理が施されていた方が絶縁層の内層回路基板への密着性の観点から好ましい。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明する。
なお、以下の記載において「部」は「質量部」を意味する。
(樹脂ワニスの作成)
エタノールとトルエンとを1:1の割合で混合した溶媒に、60℃で、ポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業(株)製「KS−1」)を固形分15%になるように溶解させ、ポリビニルブチラール樹脂溶液を得た。次に、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量180、ジャパンエポキシレジン(株)製「エピコート828EL」)28部と、ナフタレン型4官能エポキシ樹脂(エポキシ当量163、大日本インキ化学工業(株)製「HP4700」)28部とを、メチルエチルケトン(以下「MEK」と略称する。)15部、及びシクロヘキサノン15部からなる溶媒に、撹拌しながら加熱溶解させた。そこへ、ナフトール系硬化剤(東都化成(株)製「SN−485」、フェノール性水酸基当量215)の固形分50%のMEK溶液110部、硬化触媒(四国化成工業(株)製、「2E4MZ」)0.1部、球形シリカ(平均粒径0.5μm、「SOC2」アドマテックス社製)70部、及び前記したポリビニルブチラール樹脂溶液30部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、樹脂ワニスを作製した。
(熱硬化樹脂組成物フィルムの製造)
前記樹脂ワニスを38μmのアルキッド系離型剤で処理されたPETフィルム上に、乾燥後の熱硬化性樹脂組成物フィルムの厚さが15μm、16μmになるよう、ダイコータにて均一に塗布し、80〜120℃(平均100℃)で6〜8分間乾燥することにより、厚さが15μmの場合は最低溶融粘度が1280poise、16μmの場合には1370となる熱硬化性樹脂組成物フィルムを得た。次いで、この熱硬化性樹脂組成物フィルムの表面に、厚さ15μmのポリプロピレンフィルムを貼り合わせながらロール状に巻き取った。その後、ロール状の熱硬化性樹脂組成物フィルムを幅502mmにスリットし、50M巻きのPETフィルム付き熱硬化性樹脂組成物フィルムを2種得た。
(硬化プリプレグの製造)
ソルベント法により(株)有沢製作所製1015NSガラスクロス(厚さ16μm)を前記樹脂ワニスに浸漬、含浸し、加熱により溶剤を揮発させ、プリプレグの樹脂中に残存する溶剤量を0.6%、厚さ約25umとなるよう乾燥した。樹脂ワニスはプリプレグの樹脂含有量を55%となるように粘度、固形分含量を調整した。次にアルキッド系離型剤で処理されたPETフィルム(38μm)を両面に貼り合せながらロール状に巻き取った。次に、一方のロールが耐熱ゴム製で、他方のロールがSUS製のロールラミネータに該プリプレグを搬送し、2本のロールで連続的に圧縮した。圧縮条件は、SUSロールの温度140℃、線圧5Kg/cm、搬送速度5m/分であった。圧縮後、プリプレグを再度ロール状に巻き取った。巻取り張力は0.2kgf/cmであった。次に、バッチ式加熱オーブンを用いて圧縮されたプリプレグの熱硬化を行った。ロール状の圧縮プリプレグを室温から180℃まで48時間かけて昇温し、各段階で加熱時間の異なる7種の硬化プリプレグを得た。ガラス転移温度はそれぞれ、48℃、57℃、65℃、76℃、93℃、101℃、111℃であり、厚みは21〜22μmであった。
(絶縁樹脂シートの製造)
膜厚16μm、溶融粘度1370poiseの熱硬化樹脂組成物フィルムと膜厚15μm、溶融粘度1280poiseの熱硬化樹脂組成物フィルムのそれぞれのポリプロピレンフィルムを剥離し、熱硬化樹脂組成物層がガラス転移温度65℃の硬化プリプレグ側になるように配置し、(株)名機製作所製の真空加圧式ラミネーターを用い、温度120℃にて30秒間真空吸引後、温度120℃、圧力7.0kg/cmの条件で、PETフィルム上から、耐熱ゴムを介して30秒間プレスすることによりラミネートした。次に、大気圧下で、SUS鏡板を用いて、温度120℃、圧力5kg/cmの条件で60秒間プレスを行い絶縁樹脂シートを得た。なお、絶縁樹脂シートの内層回路基板側の硬化樹脂組成物層をB層(15μm)、反対側の層をA層(16μm)とした。
(絶縁樹脂シートのラミネート及び平滑化)
得られた絶縁樹脂シートを、内層回路基板(IPC MULTI-PURPOSE TESTBOARD No.IPC-B-25、回路導体厚18μm、0.8mm厚)の両面にラミネートした。かかるラミネートは、(株)名機製作所製の真空加圧式ラミネーターMVLP−500を用い、温度100℃にて30秒間真空吸引後、温度100℃、圧力7.0kg/cmの条件で、PETフィルム上から、耐熱ゴムを介して30秒間プレスすることによりラミネートした。次に、大気圧下で、SUS鏡板を用いて、温度100℃、圧力5kg/cmの条件で60秒間プレスし平滑化を行った。
(樹脂組成物の硬化)
ラミネートされた絶縁樹脂シートから、PETフィルムを剥離し、熱風循環炉を用いて、180℃、30分の硬化条件で、樹脂組成物を硬化させて、絶縁層を形成した。これにより、内層回路基板の両面に絶縁層が形成された積層板を得た。
(粗化処理)
得られた積層板に過マンガン酸液による粗化処理を施した。まず、膨潤処理として、アトテックジャパン株式会社製のスウェリング・ディップ・セキュリガントP(Swelling Dip Securiganth P)に60℃にて5分間浸漬し、次に、酸化処理として、アトテックジャパン株式会社製のコンセントレート・コンパクトCPとド−ジングソリューション・セキュリガントPの混合液に80℃にて20分間浸漬し、その後、還元処理として、アトテックジャパン(株)製リダクション・ソリューション・セキュリガントP500(Reduction solution Securiganth P500)溶液に40℃にて5分浸漬した。
(めっきによる導体層形成)
得られた積層基板の絶縁層表面に、パラジウム含有のアトテックジャパン社製のアクチベータネオガント834を用いて無電解銅めっきの触媒付与を行なった後、酒石酸塩含有のアトテックジャパン製プリントガントMSK−DKを用いて無電解めっきを行った。次に、硫酸銅を用いて銅厚が約20μmになるように電解めっきを行った。その後、180℃にて30分間硬化を行い、目的とする多層プリント配線板を作成した。
硬化プリプレグのガラス転移温度を76℃とした以外は、実施例1と同様にして、目的とする多層プリント配線板を作成した。
硬化プリプレグのガラス転移温度を93℃とした以外は、実施例1と同様にして、目的とする多層プリント配線板を作成した。
硬化プリプレグのガラス転移温度を101℃とした以外は、実施例1と同様にして、目的とする多層プリント配線板を作成した。
ラミネートの温度及びプレスの温度を120℃にしたこと以外は、実施例2と同様にして、目的とする多層プリント配線板を作成した。
ラミネート及び平滑化工程の温度を120℃にしたこと以外は、実施例3と同様にして、目的とする多層プリント配線板を作成した。
ラミネート及び平滑化工程の温度を120℃にしたこと以外は、実施例4と同様にして、目的とする多層プリント配線板を作成した。
硬化プリプレグのガラス転移温度を111℃としたこと以外は、実施例7と同様にして、目的とする多層プリント配線板を作成した。
<比較例1>
絶縁樹脂シートの代わりに、厚さ50μmのプリプレグ層のみを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、目的とする多層プリント配線板を作成した。
なお、かかる厚さ50μmのプリプレグは、実施例1と同様の樹脂ワニスを、(株)有沢製作所製1015NSガラスクロス(厚さ16μm)に、得られるプリプレグの厚さが50μmになるように含浸させて、80〜150℃で10分間乾燥させて得た。
<比較例2>
ラミネート及び平滑化工程の温度を120℃にしたこと以外は、比較例1と同様にして、目的とする多層プリント配線板を作成した。
<比較例3>
絶縁樹脂シートの代わりに、厚さ60μmのプリプレグ層のみを用いたこと以外は、比較例1と同様にして、目的とする多層プリント配線板を作成した。
なお、かかる厚さ60μmのプリプレグは、実施例1と同様の樹脂ワニスを、(株)有沢製作所製1015NSガラスクロス(厚さ16μm)に、得られるプリプレグの厚さが60μmになるように含浸させて、80〜150℃で10分間乾燥させて得た。
<比較例4>
硬化プリプレグの代わりに、厚さ24μmのプリプレグを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、目的とする多層プリント配線板を作成した。
なお、かかる厚さ24μmのプリプレグは、実施例1と同様の樹脂ワニスを、(株)有沢製作所製1015NSガラスクロス(厚さ16μm)に、得られるプリプレグの厚さが24μmになるように含浸させて、80〜150℃で10分間乾燥させて得た。
<参考例1>
硬化プリプレグのガラス転移温度を48℃としたこと以外は、実施例1と同様にして、目的とする多層プリント配線板を作成した。
<参考例2>
ラミネート及び平滑化工程の温度を120℃にしたこと以外は、参考例1と同様にして、目的とする多層プリント配線板を作成した。
<参考例3>
硬化プリプレグのガラス転移温度を57℃としたこと以外は、参考例2と同様にして、目的とする多層プリント配線板を作成した。
以上の実施例及び比較例で得られた硬化プリプレグ、熱硬化性樹脂組成物、絶縁樹脂シート又は多層プリント配線板についての評価を、下記のとおりに行った。結果を下記表1及び2に示す。
(ガラス転移温度の測定)
実施例及び参考例で得られた硬化プリプレグのそれぞれの小辺をサンプルとし、熱機械分析装置(DMA)としてセイコーインスツルメンツ株式会社製の型式DMS−6100を用い、「引っ張りモード」にて測定した。かかる測定は、2℃/分の昇温にて、25℃から240℃の範囲で行った。測定で得られた貯蔵弾性率(E’)と損失弾性率(E”)との比で求められる損失正接(tanδ)の最大値の小数点第一位を四捨五入した値をガラス転移温度とした。なお、比較例の未硬化のプリプレグはガラス転移温度が測定できないため測定不可とした。
(最低溶融粘度の測定)
ユービーエム社製の型式Rheosol-G3000を用い、樹脂量は1gとした。また、直径18mmのパラレルプレートを使用し、測定開始温度60℃、昇温速度5℃/分、振動数1Hz/degにて測定した。最低の粘度値(η)を最低溶融粘度とした。
(プリプレグ層、硬化プリプレグ層、熱硬化性樹脂組成物層、及び絶縁樹脂シートの厚さの測定)
接触式膜厚計(ミツトヨ社製、MCD−25MJ)を用いて測定した。
(ガラスクロス上の樹脂の厚さ及びガラスクロスの厚さの測定)
内層回路基板中のPクーポン部分の断面を削りだし、CCD型顕微鏡(キーエンス社製、VH6300)又は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて計測した。なお、「Pクーポン部分」とは、絶縁樹脂シートをラミネートした、内層回路基板(IPC MULTI-PURPOSE TESTBOARD No.IPC-B-25、回路導体厚18μm、0.8mm厚)内の導体回路の一部を指す。
(ガラスクロスの露出とめっき銅残り)
内層回路基板のPクーポン上のめっき皮膜を剥がして、CCD型顕微鏡(キーエンス社製、VH6300)を用いて、ガラスクロスの露出の有無を観察した。なお、ガラスクロスが露出していた場合、銅めっき時に、そこにめっき銅が潜り込むため、めっき皮膜剥離後もめっき銅が残存する。
[評価]
○:Pクーポンの樹脂表面へのガラスクロスの露出、及びめっき銅残りなし。
×:Pクーポンの樹脂表面へのガラスクロスの露出、及び/又はめっき銅残りあり。
(回路への埋め込み性)
内層回路基板中のPクーポン部分の段差部分の断面を削りだした積層板を、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、回路間に樹脂が埋め込まれているか確認した。
[評価]
○:回路間に樹脂が埋め込まれている。
×:回路間にボイド残りがあり、埋め込みが不十分である。
表2において示される結果から明らかなように、実施例1〜8の硬化プリプレグを有する絶縁樹脂シートは、内層回路基板にラミネートし硬化させた後に粗化処理を施しても、ガラスクロスが樹脂表面に露出せず、めっき銅残りもなかった。一方、比較例1〜4の絶縁樹脂シートでは、粗化処理によるガラスクロスの露出が多数観察された。
また、実施例1〜8に示される硬化プリプレグを有する絶縁樹脂シートのガラスクロス上の樹脂の厚さは、いずれも10μm以上であるのに比べ、比較例1〜4の絶縁樹脂シートは、2〜8μmであった。
本発明の、絶縁樹脂シートは、多層プリント配線板の絶縁材料として好適に使用される。

Claims (12)

  1. シート状繊維基材に熱硬化性樹脂組成物を含浸したプリプレグを圧縮及び熱硬化した硬化プリプレグ層、並びに該硬化プリプレグ層の両面に形成された熱硬化性樹脂組成物層を有し、前記硬化プリプレグ層のガラス転移温度が60℃以上であり、かつ前記硬化プリプレグ層の厚さが12〜70μmであり、前記シート状繊維基材の厚さが30μm以下である絶縁樹脂シートを熱硬化した絶縁層を含む多層プリント配線板。
  2. 絶縁樹脂シートの厚さが14〜150μmである、請求項1記載の多層プリント配線板。
  3. 熱硬化性樹脂組成物が、エポキシ樹脂、熱可塑性樹脂及び硬化剤を含む請求項1又は2記載の多層プリント配線板。
  4. 熱硬化性樹脂組成物層の片面又は両面に保護フィルムが形成され、該保護フィルムは熱硬化性樹脂組成物層の被形成面が離型処理されている、請求項1〜3のいずれか1項記載の多層プリント配線板。
  5. シート状繊維基材に熱硬化性樹脂組成物を含浸したプリプレグを圧縮及び熱硬化した硬化プリプレグ層、並びに該硬化プリプレグ層の両面に形成された熱硬化性樹脂組成物層を有し、前記硬化プリプレグ層のガラス転移温度が60℃以上であり、かつ前記硬化プリプレグ層の厚さが12〜70μmであり、前記シート状繊維基材の厚さが30μm以下である絶縁樹脂シートを熱硬化した絶縁層。
  6. 絶縁樹脂シートの厚さが14〜150μmである、請求項5記載の絶縁層。
  7. 熱硬化性樹脂組成物が、エポキシ樹脂、熱可塑性樹脂及び硬化剤を含む請求項5又は6記載の絶縁層。
  8. 熱硬化性樹脂組成物層の片面又は両面に保護フィルムが形成され、該保護フィルムは熱硬化性樹脂組成物層の被形成面が離型処理されている、請求項5〜7のいずれか1項記載の多層プリント配線板。
  9. シート状繊維基材に熱硬化性樹脂組成物を含浸したプリプレグを圧縮及び熱硬化した硬化プリプレグ層、並びに該硬化プリプレグ層の両面に形成された熱硬化性樹脂組成物層を有し、前記硬化プリプレグ層のガラス転移温度が60℃以上であり、かつ前記硬化プリプレグ層の厚さが12〜70μmであり、前記シート状繊維基材の厚さが30μm以下である絶縁樹脂シートを熱硬化して得られる硬化物。
  10. 絶縁樹脂シートの厚さが14〜150μmである、請求項9記載の硬化物。
  11. 熱硬化性樹脂組成物が、エポキシ樹脂、熱可塑性樹脂及び硬化剤を含む請求項9又は10記載の硬化物。
  12. 熱硬化性樹脂組成物層の片面又は両面に保護フィルムが形成され、該保護フィルムは熱硬化性樹脂組成物層の被形成面が離型処理されている、請求項9〜11のいずれか1項記載の多層プリント配線板。
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