以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
ユーザが電子検索を通じて所望する閲覧情報を得るものとしては、上述したような電子マニュアル(オンラインマニュアル)に限らず、質問を特定して、その質問に対する適切な閲覧情報を得るFAQ等、様々な検索態様が考えられる。ここで、閲覧情報は、任意の技術分野や任意の製品種別といった所定の技術範囲における、内容や事情についての知らせであり、それによって、ユーザに知識や適切な判断を生じさせるものをいう。したがって、本実施形態の閲覧情報の検索対象は、所定の技術範囲に限られる。
本実施形態では、例えば、デジタルビデオムービーカムのオンラインマニュアルを例に挙げて説明するが、本実施形態がこれに限定されるものではなく、上述したFAQや、その他の様々な閲覧形態や検索形態に適用することができる。本実施形態は、オンラインマニュアルが参照されることを前提に、そのオンラインマニュアル自体を生成することを目的とする。そこで、第1の実施形態において、前提となる、ユーザに目的語と述語とを入力させるだけで、予め準備された複数の閲覧情報からユーザが所望する適切な閲覧情報を効率的に抽出する情報閲覧システム100を説明し、第2の実施形態において、情報閲覧システム100を構築するため、任意の閲覧情報をユーザが所望する適切な位置に配置する閲覧情報編集装置300を説明し、第3の実施形態において、そのように構築された閲覧情報を容易に改編(追加、削除、編集)する閲覧情報編集装置700を説明する。
(第1の実施形態:情報閲覧システム100)
図1は、情報閲覧システム100の概略的な関係を示した説明図である。情報閲覧システム100は、通信網102と、クライアント装置110と、サーバ装置120とを含んで構成される。通信網102は、インターネット、LAN、専用回線等で構成され、クライアント装置110、サーバ装置120それぞれを接続する。
クライアント装置110は、パーソナルコンピュータ、ノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話等、Webブラウザを利用可能な電子機器であり、ブラウザプログラムを備え、サーバ装置120が蓄積している、音楽、静止画、動画等の様々な情報を、Webブラウザを通じて取得することができる。本実施形態において、クライアント装置110は、サーバ装置120に保持されているオンラインマニュアルを利用し、所望する閲覧情報を得ることを目的とする。
サーバ装置120は、Webサイトを管理し、クライアント装置110による、Webページの取得を要求する情報取得要求に応じ、クライアント装置110のWebブラウザを通じて、サーバ装置120自体で管理しているオンラインマニュアルに関する様々なWebページを提供する。ここで、Webサイトは、サーバ装置120を特定するドメイン下にあるWebページ群をいう。クライアント装置110およびサーバ装置120の具体的構成は、以下のようになる。
(クライアント装置110)
図2は、クライアント装置110の電気的構成を示した機能ブロック図である。クライアント装置110は、操作部140と、表示部142と、クライアントメモリ144と、クライアント通信部146と、クライアント制御部148とを含んで構成される。
操作部140は、キーボード、ポインティングデバイス、十字キー、ジョイスティック、ジョグダイヤル、タッチパネル、音声認識(音声入力)デバイス等で構成され、ユーザ112の操作入力または音声入力(以下、音声入力も含めて単に操作入力という。)、例えば、閲覧情報の抽出(検索)を試みた場合の、目的語に相当する単語および述語に相当する単語の直接の文字入力を受け付ける。以下、目的語として入力された単語を「目的単語」、述語として入力された単語を「述単語」と称する。
表示部142は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等で構成され、Webブラウザを通じてサーバ装置120から提供されるWebページを表示したり、様々な画像を表示する。本実施形態において、所定のWebサイトにアクセスする場合は、クライアント装置110自体のWebブラウザを通じてサーバ装置120から提供されるWebページ(例えば、サーバ装置120のPHP・JavaScriptプログラムによるXMLで記述されたオンラインマニュアル)を表示し、ユーザ112は、WebページにおけるUI(User Interface)を、操作部140を通じて操作することで、Webページに関する様々な処理を実現する。また、表示部142は、操作部140を通じて入力した、例えば、目的単語や述単語を表示して入力結果の確認に利用したり、本実施形態の遂行によって抽出された閲覧情報を表示したりする。
クライアントメモリ144は、HDD(Hard disk drive)、フラッシュメモリ、RAM等の記憶媒体で構成され、後述するクライアント制御部148で利用されるOS(Operating System)、制御プログラム、ブラウザプログラム、通信処理プログラムや、Webブラウザを通じてサーバ装置120からWebページと共にダウンロードしたドキュメント等の情報を保持する。なお、HDDは正確には装置であるが、説明の便宜上本説明では他の記憶媒体と同義として扱う。
クライアント通信部146は、TCP/IP等のプロトコルを用い、通信網102を通じてサーバ装置120と通信接続を行う。クライアント制御部148は、中央処理装置(CPU)を含む半導体集積回路で構成され、クライアントメモリ144や他の電子回路と協働してクライアント装置110全体を管理および制御する。また、クライアント制御部148は、クライアント送信制御部150、クライアント受信制御部152としても機能する。
クライアント送信制御部150は、サーバ装置120にアクセスし、サーバ装置120から提供されるWebページの内容に応じ、操作部140を通じて目的語として入力された単語(目的単語)と、述語として入力された単語(述単語)とを送信する。また、クライアント送信制御部150は、サーバ装置120による質問に応じて選択された回答をサーバ装置120に送信する。クライアント受信制御部152は、サーバ装置120から質問206および選択肢を受信し、表示部142に表示させて、ユーザ112に選択肢を選択させる。また、クライアント受信制御部152は、サーバ装置120から閲覧情報を受信し、表示部142に表示させる。
(サーバ装置120)
図3は、サーバ装置120の電気的構成を示した機能ブロック図である。サーバ装置120は、サーバメモリ160と、サーバ通信部162と、サーバ制御部164とを含んで構成される。
サーバメモリ160は、HDD、フラッシュメモリ、RAM等の記憶媒体で構成され、後述するサーバ制御部164で利用されるOS、制御プログラム、Webサーバプログラム、通信処理プログラム、オンラインマニュアル処理プログラムや、Webブラウザを通じてクライアント装置110に提供可能な、オンラインマニュアルやFAQ等の情報を保持する。ここで、オンラインマニュアルやFAQとしては、複数の閲覧情報を含む閲覧情報群、類語関係を有する目的語に相当する単語をグループ化した目的語グループを複数含む目的語グループ群、類語関係を有する述語に相当する単語をグループ化した述語グループを複数含む述語グループ群、および、目的語グループと述語グループとに基づいて閲覧情報へ案内するための案内情報を一意に特定するマトリクステーブルが保持されている。閲覧情報群、目的語グループ群、述語グループ群、および、マトリクステーブルは本実施形態を理解する上で前提となるので、先だってその構成を簡単に説明する。
図4および図5は、閲覧情報群200の一部を説明するための説明図である。閲覧情報群200は、複数の閲覧情報202を枝とし、その上位階層として、閲覧情報202を導くための選択肢204を幹とするツリー構造で形成されている。例えば、図4のツリー構造の最下位階層(閲覧情報202)以外の階層には、質問206と、その質問206の複数の回答で構成される選択肢204とが示され、例えば、「どのメディアに保存しますか」という質問206に対して、「光ディスク」または「外付HDD」という選択肢204が準備されている。そして、ユーザ112が、準備された選択肢204から1の回答を選択すると、その選択肢204に属する下位階層に準備された質問206が提示され、ユーザ112は、下位階層の質問206に対して順次選択肢204を選択していくことで、最終的に所望する閲覧情報202を閲覧することができる。また、かかる質問206や選択肢204のデータ位置は、図4中「image_cpy.xml」といったファイル名やそのファイル中のディレクトリ「opt」等で特定することができる。
このような閲覧情報群200では、最上位階層(図示せず)に相当する質問206に対する選択肢204毎にその下位階層が複数のファイルに分けられて保持されている。したがって、図4に示したツリー構造も閲覧情報群200の一部に当たり、最上位階層の選択肢204で「映像保存」が選ばれた場合に、はじめて呼び出されるものである。閲覧情報群200のツリー構造は、例えば、図4に示したように、アルゴリズムやプログラム処理を示す手段としてのPAD(Problem Analysis Diagram)で表すことができる。また、閲覧情報群200のツリー構造を、マークアップ記述言語XMLで記述すると図5のように表すことができる。
このような閲覧情報群200さえ準備しておけば、ユーザ112は、最上位階層の質問206を適宜選び、さらに、図4のように閲覧情報群200の質問206に適宜回答(選択肢204を選択)していくことで、所望する閲覧情報202を得ることができる。しかし、一般的に、ツリー構造の階層は深く(多く)、ユーザ112は、所望する最下位階層の閲覧情報202に到達するまで多くの選択肢204を選択しなければならず、手間と時間を要するばかりか、到達した最下位階層の閲覧情報202が所望するものでなかった場合、再度、最上位階層の質問206からを繰り返し、前回と異なる選択肢204を意識的に選択して自力で所望する閲覧情報202を探し当てなければならないものである。
また、所望する閲覧情報202を直接導き出せる、閲覧情報202の1つ上位階層に当たる質問206や選択肢204をキーワードとして思いついたとしても、閲覧情報群200の最上位階層以外の階層に設けられた質問206や選択肢204を直接指定する手段はなく、ユーザ112は、やはり、最上位階層の質問206から選択せねばならず、所望する閲覧情報202の抽出に手間と時間を費やすこととなる。
そこで、本実施形態における情報閲覧システム100では、上述した閲覧情報群200が既に存在すること、または、新たに閲覧情報群200を後に生成することを前提に、以下に示す、目的語グループ群、述語グループ群を用い、マトリクステーブルを経由した(マトリクステーブルによって所望する選択肢204または閲覧情報202までショートカットした)絞り込み処理によって、効率的に閲覧情報202をユーザ112に閲覧させることを目的とする。
図6は、目的語グループ群208を説明するための説明図である。上述したように、目的語グループは、類語関係を有する目的語に相当する単語をグループ化したものであり、図6における縦方向には、その目的語グループ210が目的語番号212に関連付けられて並べられている。また、図6における横方向には、目的語グループ210の代表単語214(類語1に相当)、例えば「静止画」と、目的語グループ210内のいずれかの単語と類語関係にある1または複数の単語、例えば、「スナップショット」、「写真」、「コマ」が並置されている。なお、目的語グループ210内の類語の数は限定されない。
このように、類語関係を有する目的語に相当する単語をグループ化する構成により、多数の単語を類語として目的語グループ群208のいずれかの目的語グループ210に関連付けることができるので、目的語グループ群208に含まれる単語の総数(バリエーション)を容易に増やすことが可能となり、ユーザ112が入力した任意の目的単語に対して閲覧情報を抽出できる確率が高くなる。また、複数の類語をグループ化し、その纏まったグループに対して閲覧情報202を準備する構成により、サーバメモリ160の容量や処理負荷を抑えることができる。
また、目的語グループ群208は、目的語グループ210内の単語それぞれが検索に用いられた頻度を示す目的語頻度216の項目も有する。かかる目的語頻度216は、後述する目的語グループ特定部174において、検索頻度が高い順に目的語を検索するために用いられる。
図7は、述語グループ群218を説明するための説明図である。述語グループは、類語関係を有する述語に相当する単語をグループ化したものであり、図7における縦方向には、その述語グループ220が述語番号222に関連付けられて並べられている。また、図7における横方向には、述語グループ220の代表単語224、例えば「撮影」と、述語グループ220内のいずれかの単語と類語関係にある1または複数の単語、例えば、「録画」、「記録」、「REC」が並置されている。なお、述語グループ220内の類語の数は限定されない。
このように、類語関係を有する述語に相当する単語をグループ化する構成により、目的語同様、多数の単語を類語として述語グループ群218のいずれかの述語グループ220に関連付けることができるので、述語グループ群218に含まれる単語の総数(バリエーション)を容易に増やすことが可能となり、ユーザ112が入力した任意の述単語に対して閲覧情報を抽出できる確率が高くなる。また、複数の類語をグループ化し、その纏まったグループに対して閲覧情報202を準備する構成により、サーバメモリ160の容量や処理負荷を抑えることができる。また、述語グループ群218は、述語グループ220内の単語それぞれが検索に用いられた頻度を示す述語頻度226の項目も有する。かかる述語頻度226は、後述する述語グループ特定部176において、検索頻度が高い順に述語を検索するために用いられる。
図8は、マトリクステーブル228を説明するための説明図である。マトリクステーブル228では、図8における縦方向に配された複数の目的語グループ210(図8では、目的語グループ210の代表単語214のみを示す。)と、図8における横方向に配された複数の述語グループ220(図8では、述語グループ220の代表単語224のみを示す。)とが掛け合わされた2次元配列となっており、1の目的語グループ210と1の述語グループ220に基づいて閲覧情報202へ案内するための1の案内情報230が導き出されるようになっている。
例えば、目的単語が代表単語「静止画」の目的語グループ210に含まれ、述単語が代表単語「撮影」の述語グループ220に含まれている場合、図8に示すように、2次元配列上で両者の行列が交わるところに示される案内情報「L−0001」が抽出される。かかる案内情報「L−0001」は、閲覧情報202を直接特定する直接リンク情報(図8中「L−」を付した配列要素で示す。)であり、ユーザ112は、当該案内情報「L−0001」によって、閲覧情報群200の質問206や選択肢204を経由することなく、閲覧情報202を直接閲覧することができる。
ただし、目的語グループ210と述語グループ220の組み合わせによっては、複数の閲覧情報202が候補となってしまい、1の閲覧情報202を特定できない場合がある。このような目的語グループ210および述語グループ220に関して、2次元配列上で両者の行列が交わるところには、上述した直接リンク情報と異なる、閲覧情報202を特定するための絞り込み処理に移行する間接リンク情報(図8中「S−」を付した配列要素で示す。)が案内情報230として示される。このように案内情報230が間接リンク情報であった場合、ユーザ112は、直接閲覧情報202を閲覧することはできないが、閲覧情報群200の比較的下位の階層ある任意の質問206に直接移行し、最小限の質問206および選択肢204を経由して閲覧情報202を効率的に得ることができる。このようなマトリクステーブル228を経由した絞り込み処理については、後述する閲覧情報特定部180の動作で具体的に説明する。
図3に戻って説明すると、サーバ通信部162は、TCP/IP等のプロトコルを用い、通信網102を通じてクライアント装置110と通信接続する。サーバ制御部164は、中央処理装置(CPU)を含む半導体集積回路で構成され、サーバメモリ160や他の電子回路と協働してサーバ装置120全体を管理および制御する。また、サーバ制御部164は、サーバ受信制御部170、サーバ送信制御部172、目的語グループ特定部174、述語グループ特定部176、案内情報特定部178、閲覧情報特定部180、頻度更新部182、再入力促進部184、類語登録部186としても機能する。
サーバ受信制御部170は、クライアント装置110から目的単語と述単語とを受信し、目的語グループ特定部174および述語グループ特定部176に伝達する。また、サーバ受信制御部170は、クライアント装置110から選択肢204に対する回答を受信し、閲覧情報特定部180に伝達する。サーバ送信制御部172は、案内情報特定部178が案内情報230として間接リンク情報を特定した場合、閲覧情報202を絞り込むための質問206および選択肢204をクライアント装置110に送信する。また、サーバ送信制御部172は、閲覧情報特定部180によって特定された閲覧情報202をクライアント装置110に送信する。
目的語グループ特定部174は、目的語グループ群208における複数の目的語グループ210のいずれに、目的語として入力された目的単語が含まれるかを判定する。このとき、目的語グループ特定部174は、目的語グループ群208内の単語それぞれの検索頻度である目的語頻度216の高い順に、目的語グループ群208の単語と目的単語とが一致するか否かを判定し、目的単語が含まれる目的語グループ210を特定する。
図9は、目的語グループ特定部174の判定処理のイメージを示した説明図である。ユーザ112がクライアント装置110の操作部140を通じて目的単語を入力し、サーバ受信制御部170がその目的単語を受信すると、目的語グループ特定部174は、まず、目的語グループ210といった枠に囚われることなく、目的語グループ群208内の全ての単語の目的語頻度216を参照し、目的語頻度216が高い順に目的語に相当する単語を抽出する。例えば、図9に示すように、目的語番号212を「1」とする目的語グループ210内の単語「静止画」の目的語頻度216が「220」で最大となっているので、目的語グループ特定部174は、単語「静止画」と目的単語とが一致するか否か判定する。目的単語が単語「静止画」と異なる場合、目的語グループ特定部174は、単語「静止画」の次に目的語頻度216が大きい単語「動画」と目的単語との一致判定を行う。
そして、目的語グループ特定部174は、目的単語が目的語グループ群208のいずれかの単語と一致するまで、図9に示すような目的語頻度216の高い順に当該判定処理を繰り返し、一致する単語が有れば、その目的語グループ210の目的語番号212、例えば、目的単語が「写真」であれば、「写真」を類語として含む目的語グループ210を示す目的語番号「1」を案内情報特定部178に送信する。また、一致する単語が見つからなかった場合、目的語グループ特定部174は、目的単語は目的語グループ群208に含まれていなかったとして当該判定処理を終了する。
上述した目的語頻度216は、過去にその単語が用いられた累積結果ではあるが、今後その単語が利用される可能性をも示すこととなる。したがって、目的語グループ特定部174は、かかる目的語頻度216が高い順に、目的単語が含まれる目的語グループ210を検索することで、目的語グループ210を効率的に見つけ出すことが可能となり、ユーザ112が所望する閲覧情報を早期に得ることができる。
ここで、目的語グループ特定部174は、目的単語の入力を受けて、一旦、目的語頻度216の高い順に、比較対象となる単語を抽出しているが、かかる場合に限られず、例えば、図9のような目的語頻度216の高い順に単語を並べたテーブルを予め作成しておいてもよい。この場合、後述する頻度更新部182が、テーブル内の目的語頻度216の更新と、検索順位のソート(並べ替え)を行う。
述語グループ特定部176は、述語グループ群218における複数の述語グループ220のいずれに、述語として入力された述単語が含まれるかを、述語グループ群218内の単語それぞれの検索頻度である述語頻度226の高い順に判定し、述単語が含まれる述語グループ220を特定する。
ユーザ112がクライアント装置110の操作部140を通じて述単語を入力し、サーバ受信制御部170がその述単語を受信すると、述語グループ特定部176は、目的語グループ特定部174同様、まず、述語グループ群218内の全ての単語の述語頻度226を参照し、述語頻度226が高い順に述語に相当する単語を抽出し、その抽出された単語と述単語とが一致するか否か判定する。したがって、述語グループ特定部176は、かかる述語頻度226が高い順に、述単語が含まれる述語グループ220を検索することで、述語グループ220を迅速に見つけ出すことが可能となり、ユーザ112が所望する閲覧情報を早期に得ることができる。
図10は、ユーザ112による目的単語と述単語の入力処理を示した説明図である。例えば、サーバ装置120は、クライアント装置110の表示部142に、初期画面として、図10(a)のような、目的単語と述単語の入力を促すGUI(Graphical User Interface)である入力画面232を表示し、ユーザ112は、クライアント装置110の操作部140を通じて、表示部142に表示された目的語ボックス234に目的単語を、述語ボックス236に述単語を入力し、確定ボタン238を選択決定する。本実施形態では、単純にキーワードを羅列するだけでなく、ユーザ112が希望する具体的な動作(目的語と述語)を入力してもらい、それに準じて、閲覧情報202を検索する。
例えば、デジタルビデオムービーのオンラインマニュアルを参照する際、ユーザ112が、撮影した映像の保存に関する情報取得を希望する場合、ユーザ112は、図10(b)のように、入力画面232の目的語ボックス234に「映像」を、述語ボックス236に「保存」を入力する。そうすると、その目的単語と述単語とで「映像(を)保存(したい)」という文章が形成される。かかるユーザ112の入力を受けて、目的語グループ特定部174は、目的語ボックス234に入力された目的単語「映像」を、目的語グループ群208から目的語頻度216が高い順に検索し、述語グループ特定部176は、述語ボックス236に入力された述単語「保存」を、述語グループ群218から述語頻度226が高い順に検索する。
また、他の入力手段として、図10(c)に示すように、入力画面232の文章ボックス240に、目的単語や述単語が含まれた文章をそのまま入力することもできる。ユーザ112が、入力画面232の文章ボックス240に、例えば、文章「映像を保存したい」を入力し、確定ボタン238を選択決定すると、目的語グループ特定部174および述語グループ特定部176は、入力された文章から目的単語と述単語をそれぞれ抽出する。具体的に、目的語グループ特定部174は、入力された文章から、格助詞「を」または「に」を検索し、「を」または「に」が存在すると、その前の単語を目的単語とする。また、述語グループ特定部176は、入力された文章から、助動詞「たい」または「したい」を検索し、「たい」または「したい」が存在すると、その前の単語を述単語とする。
このように、格助詞や助動詞を検索するだけで、目的語や述語を抽出する構成により、構文解析や形態素解析といった解析処理が不要となり、処理負荷の低減を図ることが可能となる。
案内情報特定部178は、図8に示したマトリクステーブル228を用い、目的語グループ特定部174および述語グループ特定部176で特定された目的語グループ210と述語グループ220とに基づいて案内情報230を特定する。例えば、目的単語として「映像」が入力され、述単語として「保存」が入力された場合、案内情報特定部178は、目的語グループ特定部174が特定した目的語グループ「代表単語:映像」と、述語グループ特定部176で特定された述語グループ「代表単語:保存」とに基づいて、図8に示したマトリクステーブル228上で両グループが交わるところに示される案内情報「S−0003」(間接リンク情報)を特定する。このように、目的単語と述単語といった、2語の入力のみで案内情報230を特定する構成により、操作性および検索効率の向上を図ることができる。また、案内情報特定部178は、マトリクステーブル228を用いて1の案内情報230を特定するので、複数の結果が検出されてしまう従来の技術に比べ、閲覧情報の候補から所望する閲覧情報を自力で探さずに済む利点がある。
また、案内情報特定部178は、目的語グループ210の目的語番号212と述語グループ220の述語番号222とを用いて、さらに迅速に案内情報230を導き出すことができる。
図11は、マトリクステーブルの他の例を示した説明図である。図11のマトリクステーブル242は、図8のマトリクステーブル228と異なり、縦方向に、複数の目的語グループ210を示す目的語番号212が配され、横方向に、複数の述語グループ220を示す述語番号222が配されており、1の目的語グループ210を示す目的語番号212と1の述語グループ220を示す述語番号222によって1の案内情報230を示す案内番号244が導き出されるようになっている。このように、図11におけるマトリクステーブル242では、案内情報230が全て単純な数値に置き換えられている。
ここで、案内情報特定部178は、目的語番号212と述語番号222を加算し、その加算結果に基づいて案内番号244を導出する。目的語番号212は、1〜999の数値で表され、述語番号222は、1000単位の数値で表されているので、それぞれの数値がユニークであるように、両者を加算した値もユニークな値になる。したがって、目的語番号212と述語番号222を加算するだけといった簡易な手順で一意に案内番号244を導き出すことができ、処理負荷の軽減が可能となる。
また、目的語グループ特定部174が目的語グループ210を特定できない、または、述語グループ特定部176が述語グループ220を特定できない場合、即ち、一方のグループを特定できない場合に、案内情報特定部178は、目的語グループ210または述語グループ220のうち特定できた方のみによって案内情報230を特定する。これは、一方のグループが特定されたことで、閲覧情報群200の全ての範囲から閲覧情報202を探し出さなくても、少なくともその検索対象範囲を狭めることができ、閲覧情報群200の最上位階層ではない、下位の階層の選択肢204に移行することが可能になるからである。
したがって、案内情報特定部178は、特定できた一方のグループを前提とし、特定できなかった他方のグループのあらゆる単語に対応した閲覧情報202を取得可能な、閲覧情報群200上の選択肢204に移行する間接リンク情報(図8中、「ワイルドカード」で示されるワイルドカード行列246にある。)を案内情報230(または案内番号244)として特定する。
例えば、クライアント装置110の操作部140を通じ、ユーザ112によって目的単語「写真」と述単語「写す」とが入力されたとする。図6の目的語グループ群208では、目的語番号1の目的語グループ210に「写真」という類語が存在するが、図7の述語グループ群218には、「写す」という単語が存在しない。ここで、案内情報特定部178は、図8において、目的単語「写真」を含む目的語グループ210のワイルドカード行列246に準備された案内情報「S−0050」を特定する(以下、ワイルドカード行列246を通じた検索をワイルドカード検索という。)。
かかる構成により、ユーザ112は、閲覧情報群200の最上位階層ではない任意の質問206に直接移行することができるので、最小限の質問206および選択肢204を経由して閲覧情報202を効率的に得ることができる。
閲覧情報特定部180は、案内情報特定部178によって特定された案内情報230に基づき、閲覧情報群200を用いて閲覧情報202を特定する。案内情報230は、上述したように、閲覧情報202を直接閲覧させる直接リンク情報と、閲覧情報202を特定するための絞り込み処理に移行する間接リンク情報とで構成される。また、案内情報230には、案内情報230が、直接リンク情報と間接リンク情報のいずれであるかを示すインデックス情報も関連付けられている。
閲覧情報特定部180は、まず、案内情報特定部178によって特定された案内情報230に関連付けられたインデックス情報が直接リンク情報と間接リンク情報のいずれであるか判断する。そして、閲覧情報特定部180は、インデックス情報が直接リンク情報であれば、直接リンク情報によって閲覧情報202を特定し、インデックス情報が間接リンク情報であれば、絞り込み処理に移行し、ユーザ112による選択肢204の新たな選択入力を通じて閲覧情報202を特定する。
図12および図13は、閲覧情報特定部180の動作処理を説明するための説明図であり、特に図12(a)は、直接リンク情報群248を示し、図12(b)は、間接リンク情報群250を示している。閲覧情報特定部180は、インデックス情報(図12中「種別」で示す。)に基づいて、それが直接リンク情報であれば、予め定められた移動・制御先にジャンプし、間接リンク情報であれば、予め定められたファイルを呼び出す。
例えば、目的単語として「静止画」、述単語として「撮影」が特定され、案内情報特定部178が、図8のマトリクステーブル228において案内情報「L−0001」を特定した場合、閲覧情報特定部180は、インデックス情報(種別が「L」であること)によって、その案内情報230が直接リンク情報であることを認識し、図12(a)の直接リンク情報群248を参照し、案内情報「L−0001」に対応したWebページのURL(Uniform Resource Locator)を通じて「静止画の撮影方法のWebページ」(「http://www.jvc.com/webman/photo_rec.html」)にジャンプする。こうして閲覧情報をユーザ112に閲覧させることができる。
また、上述したように、閲覧情報群200は、ツリー構造で形成されており、間接リンク情報は、ツリー構造の幹に相当する選択肢204にリンクする情報である。例えば、目的単語として「映像」、述単語として「保存」が入力され、案内情報特定部178が、図8のマトリクステーブル228において案内情報「S−0003」を特定した場合、閲覧情報特定部180は、インデックス情報(種別が「S」であること)によって、その案内情報が間接リンク情報であることを把握し、図12(b)に示す間接リンク情報群250を参照し、案内情報「S−0003」に対応した「映像保存のシナリオ」(「image_cpy_xml」のXMLファイル)を呼び出す。かかるXMLファイルは、図4のPADに対応している。したがって、閲覧情報特定部180は、図4の「どのメディアに保存しますか」の質問206から絞り込み処理を実行する。さらに、目的単語として「DVD」、述単語として「保存」が入力され、案内情報「S−0004」が特定された場合、閲覧情報特定部180は、案内情報「S−0004」に対応した、「DVDディスクへの保存のシナリオ」(「image_cpy_xml」のdvd)を呼び出し、図4の「どちらを使いますか」の質問206から絞り込み処理を実行する。
ここで、間接リンク情報を用いているのは、上述したように、入力された目的単語や述単語の組み合わせによっては複数の閲覧情報202が候補となってしまい、1の閲覧情報202を特定できない場合があり、その際、さらなる質問206によっていずれの閲覧情報202を閲覧させるべきか絞り込むためである。
例えば、上述した案内情報「S−0004」の例では、ユーザ112が、DVDディスクへ保存することに関する閲覧情報202を所望しているのは把握できるが、それに属する閲覧情報202は図4の如く複数存在しており、仮に全ての閲覧情報202を提示し、ユーザ112に個々に確認させるとすると、ユーザ112の手間と時間が費やされる。ここでは、閲覧情報特定部180が、1の閲覧情報202を提示するための適切な選択肢204に移行し、最小限の絞り込み処理によって閲覧情報を効率的に特定することで、ユーザ112は早期に所望する閲覧情報を得ることが可能となる。
また、間接リンク情報は、リンク先である閲覧情報群200自体を変更することなく、閲覧情報群200と独立して閲覧情報群200のいずれの選択肢204にも事後的かつ容易にリンクすることができる。したがって、案内情報230は、閲覧情報群200内の選択肢204や閲覧情報202の数に拘わらず、無数に設けることができるので、閲覧情報群200の情報量を増やすことなく、目的語グループ群208、述語グループ群218、マトリクステーブル228の情報を増やすことが可能となる。また、マトリクステーブル228の案内情報230は全て閲覧情報群200にリンクしているので、案内情報230毎に別途、質問206や選択肢204を作成する必要もなく、データ量の不要な拡大を回避することが可能となる。
こうして、目的単語と述単語によって直接閲覧情報202を導ける場合には、そのように動作すると共に、さらに絞り込みが必要な場合には、閲覧情報群200の、適切な階層の質問206および選択肢204から絞り込み処理を開始し、迅速かつ確実に閲覧情報を特定することができる。
また、図11に示したマトリクステーブル242を用いた場合、案内情報230は目的語番号212と述語番号222を加算した単純な数値である案内番号244によって示され、図12の直接リンク情報群248および間接リンク情報群250は、図13のように1つのテーブルで表される。ここでは、案内番号244によって、一意に次の処理を特定することが可能となるので、処理負荷の低減を図ることができる。
閲覧情報特定部180は、閲覧情報202を特定すると、その特定された閲覧情報202を表した画像をクライアント装置110の表示部142に表示させる。
頻度更新部182は、閲覧情報特定部180が閲覧情報202をクライアント装置110の表示部142に表示させ、閲覧情報202に関する一通りの処理が完了すると、目的語グループ群208内の今回の処理で用いられた目的語に相当する単語の目的語頻度216、および、述語グループ群218のうち今回の処理で用いられた述語に相当する単語の述語頻度226を更新(インクリメント)する。
再入力促進部184は、案内情報特定部178によって案内情報230を特定できなかった場合、即ち、目的単語が目的語グループ群208に存在せず、かつ、述単語が述語グループ群218に存在しなかった場合に、他の目的単語および他の述単語による再入力をユーザ112に促す画像をクライアント装置110の表示部142に表示させる。
類語登録部186は、目的語グループ特定部174が目的語グループ210を特定できない、または、述語グループ特定部176が述語グループ220を特定できない場合であって、上述したように、案内情報特定部178が、目的語グループ210または述語グループ220のうち特定できた方のグループのみによって案内情報230を特定し、閲覧情報特定部180が閲覧情報を特定した場合に、マトリクステーブル228における特定できた方のグループの1または複数の案内情報のうち、特定された閲覧情報を案内する案内情報230があれば、その案内情報230を示す特定できなかった方のグループを抽出し、そのグループの類語として、特定できなかった単語を新たに登録する。
具体的に、例えば、目的単語として「写真」が入力され、述単語として「写す」が入力された場合、目的単語「写真」は目的語グループ群208に含まれるが、述単語「写す」はその時点で述語グループ群218に含まれていない。そこで、案内情報特定部178が、目的語グループ210または述語グループ220のうち特定できた方、ここでは、目的単語「写真」を含む目的語グループ210(「代表単語:静止画」のグループ)のみによって、ワイルドカード検索を示す案内情報「S−0050」を特定し、閲覧情報特定部180が閲覧情報「静止画の撮影方法のWebページ」を特定したとする。即ち、述単語「写す」は、どの述語グループ220にも含まれないが、目的単語「写真」のみから閲覧情報202が特定されたとする。
ここで、類語登録部186は、マトリクステーブル228における特定できた方のグループ、ここでは目的語グループ210(「代表単語:静止画」のグループ)の1または複数の案内情報(図8において行252で示す。)に、特定された閲覧情報「静止画の撮影方法のWebページ」を案内する案内情報230、特に直接リンク情報があるか否か判定する。ここでは、直接リンク情報である案内情報「L−0001」が、案内情報特定部178に特定された閲覧情報「静止画の撮影方法のWebページ」と等しいので、類語登録部186は、その案内情報「L−0001」を示す、特定できなかった方のグループ、ここでは述語グループ「代表単語:撮影」を抽出し、そのグループの類語として、特定できなかった述単語である「写す」を登録する。
また、特定できなかった述単語の他の登録手段として、類語登録部186は、マトリクステーブル228における特定できた方のグループ、ここでは目的語グループ210(「代表単語:静止画」のグループ)のすべての案内情報を示す、特定できなかった方の1または複数のグループ、図8の例では述語グループ「代表単語:撮影」、「代表単語:再生」、「代表単語:検索」を抽出し、抽出した述語グループの選択を促す映像をクライアント装置110の表示部142に表示させる。そして類語登録部186は、ユーザ112による、クライアント装置110の操作部140を通じた選択入力によって選択された述語グループ、例えば、述語グループ「代表単語:撮影」の類語として、特定できなかった述単語である「写す」を登録する。このとき、ユーザ112が対応する述語グループ220が存在しないと判断した場合、特定できなかった述単語の登録は実行しない。
このようにして、類語登録部186は、目的語グループ210または述語グループ220を特定できなかった単語を、品詞が等しいグループの類語として登録する。したがって、目的語グループ210または述語グループ220の一方が特定できなくとも、案内情報特定部178によるワイルドカード検索を用いて閲覧情報202をユーザ112に提供すると共に、その特定できなかった単語を適切なグループに登録することが可能となる。こうして、次回から同じ単語が入力された場合、ワイルドカード検索を利用することなく、グループを特定でき、軽処理負荷かつ短時間で閲覧情報を取得することができる。
また、新たな単語がグループに登録されるので、登録された単語は、案内情報特定部178に特定された案内情報230に限らず、その目的語グループ210または述語グループ220とマトリクステーブル228において掛け合わされる複数の組み合わせ全てにその影響が及び、検索対象の拡大を図ることができる。
ただし、このような登録は、次回の検索に影響を及ぼすので、不本意な閲覧情報202が抽出されるような登録をしてはならない。そこで、類語登録部186は、以下の3つの条件のうち、予め定められた1または複数の条件によって、登録を制限し、条件を満たす単語のみを登録する。
(1)類語登録部186は、特定できなかった単語中の一部の漢字が、抽出されたグループ内のいずれかの類語の一部の漢字と等しい場合に、特定できなかった単語を登録する。例えば、述単語として「撮像」が入力された場合に、抽出された述語グループ220内の類語「撮影」中の漢字「撮」が述単語「撮像」の漢字「撮」と等しいので、述単語「撮像」は類語「撮影」を含む述語グループ220に登録される。
(2)類語登録部186は、さらに、目的単語と述単語のうち、特定できなかった単語を、抽出されたグループ内の任意の単語に置換して表示部142に表示させ、操作部140を通じたユーザ112の承認入力(承認する旨の入力)に応じて、特定できなかった単語を登録する。例えば、上述した例では、ユーザ112が、「写真」を「写す」と入力しているが、特定できなかった述単語「写す」を、抽出された述語グループ220の代表単語「撮影」に置換して、「写真を撮影する」とういう文章を表した画像をクライアント装置110の表示部142に表示させ、その文章「写真を撮影する」がユーザ112の所望する文章であるか否かを問い合わせ、ユーザ112から、クライアント装置110の操作部140を通じた承認入力があると、類語登録部186は、代表単語が「撮影」である述語グループ220に述単語「写す」を登録する。
ここでは、置換する任意の単語を各グループの代表単語としている。代表単語は、目的語グループ210や述語グループ220において、予め定められた単語でもよいし、目的語頻度216や述語頻度226が最大の単語をその都度、代表単語としてもよい。
(3)類語登録部186は、さらに、抽出されたグループの類語としての登録候補として特定できなかった単語を累積し、1のグループに対して特定できなかった単語の累積数が予め定められた数を超えると、特定できなかった単語を登録する。例えば、上述した述単語「写す」が何回も検索に用いられた場合、その検索に用いられた回数が累積され、累積数が例えば20回を超えると、述単語「写す」は、適切な述語グループ220に登録される。また、累積数は、そのまま述語頻度226として保持される。
以上説明したように本実施形態の情報閲覧システム100では、クライアント装置110から目的単語と述単語とを入力するだけで、予め準備された複数の閲覧情報202からユーザ112が所望する適切な閲覧情報202を効率的に抽出することが可能となる。以下、このような情報閲覧システム100におけるクライアント装置110とサーバ装置120との情報閲覧処理の流れを簡単に説明する。
(クライアント装置110とサーバ装置120とによる情報閲覧処理の流れ)
図14は、情報閲覧方法の全体的な流れを示したシーケンス図である。ユーザ112が、クライアント装置110を操作してサーバ装置120のWebサイトへのアクセスを試みると、クライアント装置110のクライアント送信制御部150は、サーバ装置120に閲覧情報の取得要求を行う(S260)。サーバ装置120のサーバ送信制御部172は、情報取得要求に応じて、クライアント装置110に対し、図10(a)に示す入力画面232をWebページとして送信し(S262)、クライアント装置110は、入力画面232を表示部142に表示させる(S264)。
ユーザ112が、クライアント装置110の操作部140を通じて、入力画面232の目的語ボックス234に目的単語を入力し、述語ボックス236に述単語を入力して、確定ボタン238を選択決定すると(S266)、クライアント装置110のクライアント送信制御部150は、入力された目的単語と述単語とをサーバ装置120に送信する(S268)。
サーバ装置120のサーバ受信制御部170が目的単語と述単語を受信すると、目的語グループ特定部174は、目的語グループ群208における複数の目的語グループ210のいずれに、クライアント装置110から送信された目的単語が含まれるかを、目的語グループ群208内の単語それぞれの目的語頻度216の高い順に判定し、目的単語が含まれる目的語グループ210を特定する(S270)。同様に、述語グループ特定部176は、述語グループ群218における複数の述語グループ220のいずれに、送信された述単語が含まれるかを、述語グループ群218内の単語それぞれの述語頻度226の高い順に判定し、述単語が含まれる述語グループ220を特定する(S272)。
続いて、サーバ装置120の案内情報特定部178は、目的語グループ特定部174と述語グループ特定部176とによって特定された目的語グループ210および述語グループ220に基づいて、マトリクステーブル228を用い、案内情報230を特定する(S274)。
このとき、目的語グループ210または述語グループ220のいずれか一方が特定されていなければ、案内情報特定部178は、目的語グループ210または述語グループ220のうち特定できた方のみのグループに基づき、上述したワイルドカード検索を用いて案内情報230を特定する。
続いて、閲覧情報特定部180は、特定された案内情報230に基づいて閲覧情報を特定する(S276)。このとき、特定された案内情報230が直接リンク情報であれば、閲覧情報を直接特定できるが、間接リンク情報であれば、閲覧情報特定部180は、間接リンク情報によって移行した閲覧情報群200の質問206と選択肢204とによって図15に示す入力画面232を形成し、サーバ送信制御部172は、入力画面232をWebページとしてクライアント装置110に送信する(S278)。クライアント装置110のクライアント受信制御部152は、かかる入力画面232を受信して表示部142に表示させ(S280)、ユーザ112は、操作部140を通じて入力画面232から選択肢204に相当する選択肢チェックボックス254を選択し、クライアント装置110のクライアント送信制御部150は、選択された選択肢チェックボックス254に対応する選択肢204の回答をサーバ装置120に送信する(S282)。このようなサーバ装置120とクライアント装置110間でのやりとりを通じて、最終的に1の閲覧情報202を特定する。
サーバ装置120のサーバ送信制御部172は、特定された閲覧情報202をクライアント装置110に送信し(S284)、クライアント装置110のクライアント受信制御部152は、閲覧情報202を受信して表示部142に表示させる(S286)。こうして、ユーザ112は、所望する閲覧情報202を閲覧することができる。
サーバ装置120の頻度更新部182は、クライアント受信制御部152が閲覧情報202を表示部142に表示させ、閲覧情報202に関する一通りの処理が完了すると、目的語グループ群208内の今回の処理で用いられた目的語に相当する単語の目的語頻度216、および、述語グループ群218のうち今回の処理で用いられた述語に相当する単語の述語頻度226を更新(インクリメント)する(S288)。
また、案内情報特定部178がワイルドカード検索を用いて案内情報230を特定した場合、類語登録部186は、マトリクステーブル228における特定できた方のグループの1または複数の案内情報230のうち、閲覧情報特定部180が特定した閲覧情報202を案内する案内情報230があれば、その案内情報230を示す特定できなかった方のグループを抽出し、そのグループの類語として、特定できなかった単語を登録する(S290)。
かかる情報閲覧方法によっても、目的単語と述単語とを入力するだけで、予め準備された複数の閲覧情報202からユーザ112が所望する適切な閲覧情報202を効率的に抽出することが可能となる。
ここでは、クライアント装置110とサーバ装置120とが通信網102を通じて情報をやりとりするため、類語登録部186による新たな単語として多数のサンプルを取得でき、多岐のバリエーションを形成できる。したがって、サービス提供者側が主体となってデータを蓄積しなくとも、複数のユーザ112による多数のサンプルによって自動的にグループ内の類語が増え、目的単語や述単語が目的語グループ210や述語グループ220内に存在する確率が高まり、ユーザ112は、閲覧情報202をより効率的に閲覧することが可能となる。
また、上述した実施形態では、通信網102を介して本実施形態のサービスを提供する情報閲覧システム100を説明したが、クライアント装置110が目的語グループ特定部174、述語グループ特定部176、案内情報特定部178、閲覧情報特定部180、頻度更新部182、再入力促進部184、類語登録部186を備え、閲覧情報群200、目的語グループ群208、述語グループ群218、および、マトリクステーブル228を、クライアント通信部146を通じてサーバ装置120からダウンロードする、または、任意の記憶媒体からインストールして用い、スタンドアローンで本実施形態を実現することもできる。
(第2の実施形態:閲覧情報編集装置300)
第1の実施形態で説明した情報閲覧システム100によって、ユーザ112に目的語と述語とを入力させるだけで、予め準備された複数の閲覧情報群200からユーザが所望する適切な閲覧情報202を効率的に抽出することができるようになった。第2の実施形態では、閲覧情報編集装置300の所謂、エディタ機能によって、このような情報閲覧システム100を構築する処理を説明する。
図16は、閲覧情報編集装置300の電気的構成を示した機能ブロック図である。閲覧情報編集装置300は、操作部310と、表示部312と、装置メモリ314と、装置通信部316と、装置制御部318とを含んで構成される。当該閲覧情報編集装置300は、第1の実施形態で説明した閲覧情報群200、目的語グループ群208、述語グループ群218、マトリクステーブル228等を生成、編集することを目的とし、生成された閲覧情報群200、目的語グループ群208、述語グループ群218、マトリクステーブル228等はサーバ装置120のサーバメモリ160に保持される。したがって、閲覧情報編集装置300をサーバ装置120と独立して構成してもよいし、サーバ装置120と一体的に構成することもできる。
操作部310は、キーボード、ポインティングデバイス、十字キー、ジョイスティック、ジョグダイヤル、タッチパネル、音声認識(音声入力)デバイス等で構成され、製作者(ユーザ)の操作入力を受け付ける。表示部312は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等で構成される。
装置メモリ314は、HDD、フラッシュメモリ、RAM等の記憶媒体で構成され、後述する装置制御部318で利用されるOS、制御プログラム、ブラウザプログラム、通信処理プログラム等の情報を保持する。装置通信部316は、TCP/IP等のプロトコルを用い、通信網102を通じてサーバ装置120と通信接続を行う。装置制御部318は、中央処理装置(CPU)を含む半導体集積回路で構成され、装置メモリ314や他の電子回路と協働して閲覧情報編集装置300全体を管理および制御する。また、装置制御部318は、グループ選択部320、案内情報選択部322、情報関連付け部324としても機能する。
グループ選択部320は、表示部312にマトリクステーブル228を表示部312に表示させ、操作部310を通じて目的語グループ210と述語グループ220とを選択させる。案内情報選択部322は、表示部312に閲覧情報群200を表示し、操作部310を通じて案内情報230を特定させる(案内情報230によって特定される選択肢を選択決定する)。情報関連付け部324は、選択決定された目的語グループ210および述語グループ220に、特定された案内情報230を関連付ける。
ここでは、まず、閲覧情報編集装置300に設けられた複数のエディタ画面を参照してエディタ機能の基本的処理を説明し、その後で、グループ選択部320、案内情報選択部322、情報関連付け部324に関する具体的処理を説明する。
図17は、エディタ機能のツリー表示画面400を例示した説明図である。ツリー表示画面400のメニューバー402には、エディタ機能の基本操作を実行可能なメニューが並置されている。メニューバー402の下方に位置するツリー表示領域404には、XMLにおけるノードが長方形のブロック406として視覚的に表示され、そのブロック同士は接続線で結ばれ、このブロック406と接続線でツリー構造(閲覧情報群200)の幹と枝の関係を成している。ここでは、より左に位置するブロック406が上位階層となる。
第2の実施形態では、オンラインマニュアルとして「ムービーの取り扱い方法」が挙げられ、図17中、左上に位置する「ムービーナビ」が最上位の階層になる。ここでは、その下位に「保存」等の階層が配され、さらに「保存」の下位に「ブルーレイディスク」や「DVDディスク」といった階層が配される。このとき、ブロック406の末端に相当する枝には、ユーザが最終的に到達することが想定される閲覧情報202が配され、その閲覧情報202には回答やURLが示されている。プロパティ領域408には、ツリー構造のうち選択されたブロック406(カレントブロック416)のプロパティが表示され、各項目を直接編集することができる。かかるツリー表示画面400を通じて閲覧情報群200が生成される。
図18および図19は、閲覧画面410を例示した説明図である。閲覧情報編集装置300で生成された閲覧情報群200を、情報閲覧システム100を通じて参照し、目的単語として「DVDディスク」を、述単語として「保存」を入力すると、「ムービーナビ」、「保存」、「DVD」といった階層で特定される図18の閲覧画面410がクライアント装置110の表示部142に表示される。
図17に示したツリー表示画面400と図18の閲覧画面410に関して詳述すると、ツリー表示画面400のプロパティ領域408におけるタイトル(title)412は、ツリー表示領域404のブロック406に表示される文言であり、プロパティ領域408のボタン(button)414は、例えば、閲覧画面410のカレントブロック416(ここでは「DVDディスク」)における選択肢領域418またはボタン領域422に表示される。
また、ツリー表示画面400におけるカレントブロック416「DVDディスク」の下位階層にあたる下位ブロック420は閲覧画面410のボタン領域422に表示される。閲覧画面410の選択肢領域418は、カレントブロック416の表題として用いられるだけであるが、ボタン領域422は、そのカレントブロック416より下位の階層を選択するためのボタンとして機能する。かかるボタン領域422の文言は、その下位ブロック420のボタン414に記述されている。ツリー表示画面400のプロパティ領域408におけるコメント(comment)424は、閲覧画面410のコメント領域426に表示される。かかる部分は、html(HyperText Markup Language)で記述でき、タグを挿入することで文言の修飾、画像の貼り付け・リンクの設定などが可能となる。
さらに、プロパティ領域408のジャンプ428には、ツリー構造のノード間を遷移する必要性がある場合に、その遷移先のノードを記述する。プロパティ領域408のURL430には、他のリンク先に遷移する必要性がある場合に、その遷移先のURLを記述する。閲覧画面410の入力領域432は、図10を用いて説明した、目的単語と述単語とを入力する領域である。ここでは、ユーザ112が、「DVDに保存したい」と入力領域432に入力し、確定ボタン434を選択決定することで当該カレントブロック416を特定している。また、履歴表示領域436には、過去に検索した履歴が時系列に表示され、表示された文言を選択決定することで過去に検索したカレントブロック416に遷移できる。
図18の閲覧画面410において、ボタン領域「DVDレコーダを使用して、ディスクに保存する。」を選択すると、閲覧画面410が図19のように切り換わる。かかるブロック406にはさらなる下位階層が存在しないので、ボタン領域422は表示されず、コメント領域426が大きく表示される。
第1の実施形態で説明した情報閲覧システム100では、閲覧情報群200の選択肢204(選択肢204を特定する案内情報)を特定するため、前提として目的語および述語の入力をユーザに促している。このため、マトリクステーブル228における目的語および述語の組み合わせと、閲覧情報群200における閲覧情報の選択肢204(選択肢204を特定する案内情報)とを関連付ける作業が必要となる。また、想定される単語全てに関して、このような関連付けを行うのは現実的ではないので、類語同士を纏める処理も必要となる。以下、マトリクステーブル228と閲覧情報群200との関連付けに用いる基本的な画面と、類語の登録に関する基本的処理を説明する。
図20は、類語登録画面450を例示した説明図である。図17に示したツリー表示画面400におけるメニューバー402で「表示」、「類語登録」を選択決定すると、図20に示す類語登録画面450が表示される。かかる類語登録画面450は、行単位で類語452が記述されているが、その中の基本とする類語を基本語454とする。製作者は、類語登録画面450中のボックス456を直接選択して類語を追加、削除、編集する。ここでは、述語、目的語の順で類語を並べているが、述語と目的語を分離して保持したり、別の表にして管理してもよい。かかる類語登録画面450を通じて目的語グループ群208や述語グループ群218が生成される。
図21は、マトリクス編集画面460を例示した説明図である。ここでは、上行462に述語の基本語が、左列464に目的語の基本語が配置されている。そして、任意の目的語の基本語と任意の述語の基本語との交点に案内情報が配され、閲覧情報群200と関連付けられる。このとき、目的語の基本語や述語の基本語の順番は任意に決めることができる。かかるマトリクス編集画面460を通じて上述したマトリクステーブル228が生成される。
図22および図23は、ツリー表示画面400とマトリクス編集画面460との関係を説明するための説明図である。本実施形態では、ツリー表示画面400に示されるツリー構造(閲覧情報群200)とマトリクス編集画面460に示されるマトリクス構造(マトリクステーブル228)とが、その要素を相互に関連付けさせるため、図22の如く、独立かつ並行して表示される。こうして、製作者は、両画面を視認しつつ、的確かつ効率的に各要素を相互に関連付けることができる。また、他の例では、図23のように、ツリー表示画面400とマトリクス編集画面460とを同一のウィンドウに含め、タブ476で切り換えることもできる。
閲覧情報編集装置300では、上記のように生成した各ファイルを「基本情報部」、「マトリクス部」、「類語辞書部」、「ツリー構造部」の4つの構造に分けて管理している。図24、図25、図26は、各構造の具体的な記述例を示している。「基本情報部」は、ファイル作成の日付・バージョン等の情報が記述されている。「マトリクス部」は、図24に示すように、<key>のタグ以下に構成されており、<link>タグに、接続されるノード(ブロック406)のツリー構造上の位置が記述されている。また、<keyword1>タグに述語が、<keyword2>タグに目的語が記述されている。情報閲覧システム100では、入力された述単語が<keyword1>に記述された述語と一致し、かつ入力された目的単語が<keyword2>に記述された目的語と一致した場合に、<link>タグに示されたツリー構造内のノードから閲覧が開始される。
「類語辞書部」は、図25に示すように、<dic>のタグ以下に構成されており、<word1>が基本語に相当し、<word2>がその基本語との類語になっている。情報閲覧システム100では、入力された単語が<word2>に記述された類語と一致した場合に、<word1>に記述された基本語に置き換える処理が実行される。「ツリー構造部」は、図26に示すように、<scenario>タグ内に、トップ画面に関して記述され、その下には、ツリー構造の各ノードが並置されている。かかるノードは、ツリー表示画面400のツリー構造におけるブロック406に対応している。内部の変数に関し、titleは、ツリー表示画面400のプロパティ領域408のタイトル412に相当し、buttonは、プロパティ領域408のボタン414に相当し、commentは、プロパティ領域408のコメント424に相当する。このとき、comment(コメント424)には、htmlによる記述が可能であるが、XML記述内にhtmlのタグの記述はできないので、XMLエスケープ変換をしている。つまり<br>タグは、<br>の記述に変換されている。
図27および図28は、ツリー表示画面400におけるブロック406の編集処理の基本動作を示した説明図である。ツリー表示画面400内で編集を所望するブロック406があると、製作者は、操作部310の例えば、ポインティングデバイスを用いて対象となるブロック406を選択決定し、そのブロック406をカレントブロック416とする。このとき、選択決定されたブロック406の彩色(表示態様)が変化し、製作者はその対象を明確に認識することができる。また、プロパティ領域408が、カレントブロック416に対応した表示になる。このときプロパティ領域408の各パラメータは個別に編集でき、図27では、コメント424を編集する例が示されている。コメント424には、改行を意味する<br>タグなどを記述することができる。
また、図28に示すように、カレントブロック416が選択された状態で、ツリー表示画面400のメニューバー402の「編集」を選択すると、ブロック406の追加、削除、コピー、貼り付け等が可能となる。
(閲覧情報編集方法:グループ選択処理、案内情報選択処理)
図29は、グループ選択部320によるグループ選択処理の流れを説明するためのフローチャートである。ここでは、ツリー表示画面400とマトリクス編集画面460とを一度に表示し、相互に視認しながら目的語および述語の組み合わせと閲覧情報の選択肢(選択肢を特定する案内情報)との関連付けを、視覚的かつ容易に実行することを目的としている。
仮に、情報閲覧システム100において、「BDレコーダに保存したい」と入力された場合(目的語は「BDレコーダ」、述語は「保存」)に、閲覧情報群200の適切な選択肢に遷移させるマトリクステーブル228を構築する。したがって、ツリー表示画面400のツリー構造におけるブロック「BDレコーダ」と、マトリクス編集画面460における目的語の基本語「BDレコーダ」と述語の基本語「保存」とが交わる部分とを関連付けることとなる。まず、図29のフローチャートを実行するに先立って、変数の初期化が行われる。例えば、図29で用いられるブロック確定フラグやマトリクス位置確定フラグを0(ゼロ)に初期化する。
図29のフローチャートにおいて、操作部310による選択入力(例えば、ポインティングデバイスであるマウスの左クリック)が検出されると(S500におけるYES)、装置制御部318は、その選択入力が為されたウィンドウを特定する(S502)。続いてウィンドウがツリー表示画面400であるかマトリクス編集画面460であるか判定され(S504)、ツリー表示画面400であれば(S504におけるツリー表示画面)、案内情報選択部322は、ツリー表示画面400における選択入力により指定された位置の座標を取得し(S506)、取得した座標に対応するブロック406を特定する(S508)。ここで、対応するブロック406が特定されれば、即ち、取得した座標にブロック406が存在していれば(S510におけるYES)、ブロック確定フラグを1に設定する(512)。また、対応するブロック406が存在していなければ(S510におけるNO)、そのまま処理を終了する。
このような処理を図30のツリー表示画面400を用いて説明すると、ツリー表示画面400のツリー構造において、製作者は、目的語「BDレコーダ」と述語「保存」に対応するブロック406は、「保存」、「ブルーレイディスク」の階層下にあるブロック「BDレコーダ」であると判断し、ブロック「BDレコーダ」を選択入力してカレントブロック416とする。こうして、ブロック「BDレコーダ」が、図26に示したXML記述のxpath「/_1/_1/_2」に置換されて装置メモリ314に記憶される。かかるxpathは、ルート階層に対し、1番目の階層「保存(/_1)」、1つ下位の階層「ブルーレイディスク(/_1/_1)」、さらに1つ下位の階層「BDレコーダ(/_1/_1_/2)」であることを示している。
図29のフローチャートに戻り、ウィンドウ判定処理S504において、マトリクス編集画面460と判定されれば(S504におけるマトリクス編集画面)、グループ選択部320は、マトリクス編集画面460における選択入力により指定された位置の座標を取得し(S514)、取得した座標に対応するブロックを特定する(S516)。ここで、対応するブロックが特定されれば、即ち、取得した座標にブロックが存在していれば(S518におけるYES)、マトリクス位置確定フラグを1に設定し(520)、そのブロックの行と列に対応する目的語と述語とを確定する(522)。また、対応するブロックが存在していなければ(S518におけるNO)、そのまま処理を終了する。
このような処理を図31のマトリクス編集画面460を用いて説明すると、マトリクス編集画面460のマトリクス構造において、製作者は、マトリクス構造の各ブロック466のうち、目的語「BDレコーダ」と述語「保存」との交点にあたるブロック468を選択する。このとき、製作者が操作部310の他の操作入力(例えば、ポインティングデバイスであるマウスの右クリック)を実行すると、図31の如く操作メニュー470が表示され、「ブロック接続」を選択することで、当該ブロック468の接続処理が実行される。具体的に、図24に示したXML記述における「BDレコーダ」に関する<link>タグに、/root/scenario/_1/_1_/2が書き込まれる。
(情報関連付け処理)
図32は、案内情報選択部322による案内情報選択処理の流れを説明するためのフローチャートである。ここでは、ツリー表示画面400のツリー構造におけるブロック「BDレコーダ」と、マトリクス編集画面460における目的語の基本語「BDレコーダ」と述語の基本語「保存」とが交わる部分との関連付け処理を説明する。
操作部310による選択入力(例えば、ポインティングデバイスであるマウスの左クリック)が検出されると(S550におけるYES)、装置制御部318は、その選択入力が為されたウィンドウを特定する(S552)。続いてウィンドウがマトリクス編集画面460であるか否か判定され(S554)、マトリクス編集画面460でなければ(S554におけるNO)、当該処理を終了する。
ウィンドウ判定処理S554において、マトリクス編集画面460と判定されると(S554におけるYES)、情報関連付け部324は、ブロック確定フラグ=1であり、かつマトリクス位置確定フラグ=1であるか否かを判定し(S556)、両フラグが共に1でなければ(S556におけるNO)、当該処理を終了する。
ここで、両フラグが共に1であれば(S556におけるYES)、情報関連付け部324は、図31に示した操作メニュー470を表示し(S558)、製作者の操作入力待ち(S560におけるNO)に移行する。製作者から操作入力があり(S560におけるYES)、それが操作メニュー470の「ブロック接続」であれば(S562におけるYES)、情報関連付け部324は、マトリクステーブル228のXML記述に、ブロック確定フラグの契機となったツリー表示画面400のブロック406へ遷移するための情報(案内情報)を追加し(S564)、マトリクス編集画面460のマトリクス構造で選択されているブロック468に接続が為されていることを示す「接続」を表示する(S566)。
操作入力が操作メニュー470の「接続解除」であれば(S568におけるYES)、情報関連付け部324は、マトリクステーブル228のXML記述からツリー表示画面400のブロック406へ遷移するための情報を削除し(S570)、マトリクス編集画面460のマトリクス構造で選択されているブロック468の「接続」の表示を削除する(S572)。最後に、ブロック確定フラグとマトリクス位置確定フラグとが0にリセットされる(S574)。
上述したグループ選択処理、案内情報選択処理、情報関連付け処理によって、情報閲覧システムにおける目的語および述語の組み合わせと閲覧情報の選択肢(選択肢を特定する案内情報)との関連付けを、視覚的かつ容易に実行することができ、製作者の負担を軽減することが可能となる。
(接続先確認処理)
図33は、接続先確認処理の流れを示したフローチャートであり、図34〜図37は、接続先確認処理中の各画面推移を示している。図33のフローチャートにおいて、操作部310による選択入力(例えば、ポインティングデバイスであるマウスの左クリック)が検出されると(S600におけるYES)、装置制御部318は、その選択入力が為されたウィンドウを特定する(S602)。
続いてウィンドウがツリー表示画面400であるかマトリクス編集画面460であるか判定され(S604)、ツリー表示画面400であれば(S604におけるツリー表示画面)、案内情報選択部322は、ツリー表示画面400における選択入力により指定された位置の座標を取得し(S606)、取得した座標に対応するブロック406を特定する(S608)。ここで、対応するブロック406が特定されれば、即ち、取得した座標にブロック406が存在していれば(S610におけるYES)、図24に示したXML記述におけるブロック406に関連付けられた目的語と述語とを取得し(S612)、図34の如く、目的語と述語とをカンマ等で区切りポップアップ472としてカレントブロック416近傍に表示し(S614)、さらに、図26に示したXML記述からxpathを参照して、マトリクス編集画面460における対応するブロック468を特定し、図35の如く、そのブロック468を強調表示する(S616)。また、対応するブロック406が存在していなければ(S610におけるNO)、そのまま処理を終了する。
ウィンドウ判定処理S604において、マトリクス編集画面460と判定されると(S604におけるマトリクス編集画面)、グループ選択部320は、マトリクス編集画面460における選択入力により指定された位置の座標を取得し(S618)、取得した座標に対応するブロック466を特定する(S620)。ここで、対応するブロック466が特定されれば、即ち、取得した座標にブロック466が存在していれば(S622におけるYES)、図26に示したXML記述からxpathを参照し、buttonタイプの内容(選択肢)を取得して(S624)、図36の如くポップアップ474としてブロック468近傍に表示し(S626)、さらに、図26に示したXML記述からxpathを参照して、ツリー表示画面400における対応するブロック406を特定し、図37の如く、そのブロック406を強調表示する(S628)。また、対応するブロック466が存在していなければ(S622におけるNO)、そのまま処理を終了する。
以上、説明した閲覧情報編集装置300により、情報閲覧システムにおける目的語および述語の組み合わせと閲覧情報の選択肢を特定する案内情報との関連付けを、視覚的かつ容易に実行することで、製作者の負担を軽減することが可能となる。
(第3の実施形態:閲覧情報編集装置700)
第2の実施形態では、マトリクステーブル228における目的語と述語の組み合わせを、閲覧情報群200の選択肢(選択肢を特定する案内情報)に手動で関連付けた。第3の実施形態では、閲覧情報群200(ツリー構造)を構成する図26に示すようなXML記述のタグ内の表記を用いて目的語と述語の組み合わせと案内情報とを自動的に関連付け、さらなる効率化を図ることを目的としている。
図38は、閲覧情報編集装置700の電気的構成を示した機能ブロック図である。閲覧情報編集装置300は、操作部310と、表示部312と、装置メモリ314と、装置通信部316と、装置制御部318とを含んで構成される。また、装置制御部318は、グループ抽出部720、案内情報抽出部722、情報関連付け部724としても機能する。第2の実施形態における構成要素として既に述べた操作部310と、表示部312と、装置メモリ314と、装置通信部316と、装置制御部318とは、実質的に機能が同一なので重複説明を省略する。
グループ抽出部720は、マトリクステーブル228における目的語グループ210と述語グループ220とを順次抽出する。案内情報抽出部722は、閲覧情報群200の選択肢のうち、抽出された目的語グループ210の目的語と述語グループ220の述語とが含まれる選択肢を特定する案内情報を抽出する。情報関連付け部724は、抽出された目的語グループ210および述語グループ220に、抽出された案内情報230を関連付ける。グループ抽出部720、案内情報抽出部722、情報関連付け部724については、その処理と併せて後ほど詳述する。
当該閲覧情報編集装置700においても、第1の実施形態で説明した閲覧情報群200、目的語グループ群208、述語グループ群218、マトリクステーブル228等を生成、編集することを目的とし、生成された閲覧情報群200、目的語グループ群208、述語グループ群218、マトリクステーブル228等はサーバ装置120のサーバメモリ160に保持される。したがって、閲覧情報編集装置300同様、閲覧情報編集装置700もサーバ装置120と独立して構成してもよいし、サーバ装置120と一体的に構成することもできる。
(閲覧情報編集方法:自動関連付け処理)
図39および図40は自動関連付け処理の流れを示したフローチャートである。図39を参照すると、閲覧情報編集装置700の装置制御部318は、図25のXML記述に従い、図26に示すような閲覧情報群200のXML内の全ての類語(目的語および述語)を基本語に変換する(S750)。そして、グループ抽出部720は、図24に示すようなマトリクステーブル228のXMLから目的語(ここでは目的語の基本語)を1つ抽出し(S752)、マトリクステーブル228のXMLから述語(ここでは述語の基本語)を1つ抽出する(S754)。そして、案内情報抽出部722および情報関連付け部724は、目的語と述語とを閲覧情報群200のブロック406(ブロックを特定する案内情報)に関連付ける(S756)。かかる関連付け処理S756は後ほど詳述する。
関連付け処理S756が完了すると、マトリクステーブル228のXMLに、目的語に対応する述語が残っているか否か判定され(S758)、述語が残っていれば(S758におけるYES)、述語の対象を1つシフト(例えば「保存」→「再生」)し(S760)、述語抽出処理S754からを繰り返す。述語が残っていなければ(S758におけるNO)、マトリクステーブル228のXMLに、目的語が残っているか否か判定され(S762)、目的語が残っていれば(S762におけるYES)、目的語の対象を1つシフト(例えば「ACアダプタ」→「バッテリ」)し(S764)、目的語抽出処理S752からを繰り返す。目的語が残っていなければ(S762におけるNO)、当該処理を終了する。
ところで、図31に示すように操作メニュー470には、自動関連付け処理(自動作成)を行う場合のモードを選択できる。モードは、3種類準備され、自動関連付け処理を行う場合に、XML記述のうちのどのタグ内の情報までを対象とするかを選択するために用いられる。例えば、モード1はXML中のtitleを対象に目的語および述語を検索し、モード2は、さらにXML中のbuttonを対象に目的語および述語を検索し、モード3は、さらにXML中のcommentを対象に目的語および述語を検索する。即ち、モード1は、大項目中に目的語や述語があるかを調べるので、自動関連付け処理における関連付け確度が高くなる。また、モード2、3となるに従って多くの情報から目的語および述語を検索するので、確度は高くならないものの、自動関連付けの成功率が格段に向上する。かかるモードは、実際の運用や用途によって任意に選択することができる。
(関連付け処理S756)
関連付け処理S756を示す図40を参照すると、まず、案内情報抽出部722が、製作者により選択されたモードがモード3であるか否かを判定し(S800)、モード3であれば(S800におけるYES)、xml中のcommentを対象に目的語を検索する(S802)。目的語が無ければ(S804におけるNO)、次の処理に移行し、目的語が1つでも有れば(S804におけるYES)、xmlにおける検索で抽出された目的語が含まれる全てのノードのcommentを対象に述語を検索する(S806)。このとき、述語が無ければ(S808におけるNO)、次の処理に移行し、述語が1つでも有れば(S808におけるYES)、その述語と同一のノードに含まれる目的語の組み合わせを関連付け対象として特定する(S810)。そして、情報関連付け部724は、マトリクス編集画面460において、「接続」表示を追加し(S812)、マトリクステーブル228のXML記述を作成して(S814)、次の処理に移行する。
上記の関連付け処理において、目的語と述語の組み合わせが複数存在する場合、その関連付け先となるそれぞれの選択肢(ブロック)の共通の1の上位階層を対象とする。例えば、目的語「BDレコーダ」、述語「保存」については、図17のツリー表示画面400を参照して理解できるように、階層「ブルーレイディスク」と階層「DVDディスク」下の「BDレコーダ」が関連付けの対象となる。この場合、その上位階層であり、かつ両者の共通の幹である階層「保存」が対象となる。
以下、モード2、モード1でもモード3と同様の処理が遂行されるが、検索対象が、モード3の場合、commentであるのに対し、モード2は、button、モード1は、titleといった点が異なるのみなので、ここでは、重複した処理の説明を省略する。モードは、上述したように、モード3→モード2→モード1の順に自動関連付け処理における関連付け確度が高くなるので、モード3で関連付けが行われたとしても、モード1でさらなる関連付けが行われることにより、その結果を上書きすることで、高い関連付けの成功率を維持したまま、マトリクステーブル228の確度を向上することが可能となる。
以上、説明した閲覧情報編集装置700により、情報閲覧システムにおける目的語および述語の組み合わせと閲覧情報の選択肢を特定する案内情報との関連付けを自動的に遂行でき、製作者の負担を軽減することが可能となる。
また、コンピュータを、閲覧情報編集装置300や閲覧情報編集装置700として機能させるプログラムや当該プログラムを記録した、コンピュータで読み取り可能なフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM、EEPROM、CD、DVD、BD等の記憶媒体も提供される。ここで、プログラムは、任意の言語や記述方法にて記述されたデータ処理手段をいう。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
なお、本明細書の閲覧情報編集方法における各工程は、必ずしもフローチャートおよびシーケンス図として記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいはサブルーチンによる処理を含んでもよい。