以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。以下の説明において同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一であるものとする。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に従う画像形成装置管理システムの概念図である。
図1を参照して、ここでは、複数の画像形成装置がネットワークを介して接続されている場合が示されている。本発明の実施の形態1に従う画像形成装置は、ICカードのカード識別情報を認識することが可能なMFP(Multi Function Peripheral)として説明する。なお、各MFP2〜8の基本的な構成については同一であるものとする。
ネットワークは、一例として、イーサネット(登録商標)、トークンリング、FDDI等の規格によるコンピュータやネットワーク機器同士を接続したLAN(Local Area Network)で接続されているものとする。なお、LAN同士を専用線で接続したWAN(Wide Area Network)、およびインターネット等であっても良い。なお、ネットワークに接続される機器の種類および台数はこれらに限定されるものではない。
本例においては、ルータ112を用いてLAN116とLAN117とが接続されている。また、ルータ114を用いてLAN116とLAN118とが接続されている。
ルータ112は、LAN116とLAN117とのセキュリティレベルを設定することが可能であり、ルータ112は、LAN117のセキュリティレベルを低、LAN116のセキュリティレベルを中に設定する。また、ルータ114は、LAN116のセキュリティレベルを中、LAN118のセキュリティレベルを高に設定する。そして、LAN117にMFP2が接続され、LAN116にMFP4,MFP6が接続され、LAN118にMFP8が接続されている場合が示されている。また、管理サーバ10は、LAN116に接続されているものとする。
例えば、社内のロビー等のエリアのLANについてはセキュリティレベルを低に設定し、会議室や居室等のLANについてはセキュリティレベルを中に設定し、サーバ室等のLANについてはセキュリティレベルを高に設定するような場合が挙げられる。
なお、当該構成は一例であり、特に、この構成に限られるものではない。管理サーバ10は、LAN116に接続されている場合について説明するが、特に当該構成に限られず、他のLAN117,118に接続されている場合であっても同様に適用可能である。
当該構成においては、LANに従ってセキュリティレベルが異なるため、例えば、管理サーバ10は、LAN116に接続されたMFP4,6との間で自由にデータの授受が可能であるが、管理サーバ10は、MFP8とはセキュリティレベルが異なるため自由にMFP8との間でデータの授受を実行することはできない。管理サーバ10とMFP2との間においても同様である。
図2は、本発明の実施の形態1に従うMFP8の構成を説明する概略ブロック図である。
図2を参照して、本発明の実施の形態1に従うMFP8は、MFP8全体を制御するためのCPU(Central Processing Unit)11と、CPU11のプログラム部分の実行に必要なデータを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)12と、CPU11で実行されるプログラムやデータを不揮発的に記憶する記憶手段であるハードディスクドライブ15(HDD:Hard Disk Drive)および不揮発性メモリ14と、CPU11で実行されるプログラムが予め格納されたROM(Read-Only memory)13と、各種操作を実行するための操作パネル19と、原稿を読取って画像データを取得するスキャナ17と、画像データを紙媒体に印刷する印刷手段であるプリンタ18と、外部との間でデータを通信を実行するための送信/受信手段であるLANカード等からなるネットワークインタフェースカード(NIC)16と、ICカードのカード識別情報を読み取り、データを書き込むことも可能なカードリーダ/ライタ21とを含む。なお、CPU11は、カードリーダ/ライタ21で読み取ったカード識別情報に基づいて正規のカードであるか否か、具体的には予め登録されたカード識別情報であるか否かを判断するユーザ認証処理も実行する。なお、各部は内部バスで接続されており、互いにデータの授受が可能であるものとする。
なお、本例においては、CPU11がユーザ認証処理も実行する方式について説明するが、認証に関しては別のモジュールを用いて実行するようにしても良い。
なお、ここでは、MFP8の構成について説明するが他のMFP2〜6の構成についても同様であるのでその詳細な説明は繰り返さない。
図3は、本発明の実施の形態1に従うMFP8における操作パネル19の構成を説明する図である。
図3を参照して、スタートキー30は、コピー/スキャン等の動作を開始させるために用いられる。テンキーはコピー枚数等の数値等を入力するために用いられる。クリアキーは、入力された数値のクリア、および蓄積された画像記憶の画像データを破棄等するために用いられる。
ストップキー32は、コピー/スキャン動作の停止を指示するために用いられる。パネルリセットキー34は、設定されているモードおよびジョブを破棄するために用いられる。
また、操作ディスプレイ36は、各種モードの表示や設定等を実行するためにタッチパネルが取付けられている。
このタッチパネルによって、ユーザは操作ディスプレイ36内の表示内容に従った各種設定を行なうことができる。また、タッチパネルにおける設定画面領域には、通常はコピー動作やスキャン動作を実行する際に行なう基本的/応用的な設定のためのボタンが配置されている。各ボタンを押下するとその詳細設定を行なうための階層画面が表示される。
本例においては、一例として、コピー動作を実行するための各種詳細設定領域22が示されており、当該領域内において、倍率を調整するためのアイコン、濃度を調整するためのアイコン、画像調整のためのアイコン、用紙を設定するためのアイコンがそれぞれ示されている。
本例においては、コピー動作を実行する場合の各種詳細設定のためのアイコンについて説明したが、スキャン動作についても同様の詳細設定領域が表示される。
また、左側のジョブ情報画面領域にはその時点でMFP8に投入されているジョブ情報が表示される。表示は実行されるべきジョブの順序で並んでいる。特定のジョブに対して消去変更等の操作を行なう場合は、ジョブ操作ボタンを選択した後、操作対象となるジョブ番号ボタンを押下する。それらの操作によってジョブ操作画面が表示され、特定のジョブに対する操作が可能となる。
コピー(Copy)キー46、およびスキャン(Scan)キー44は、MFP8をコピー/スキャナのいずれのモードで動作させるかを設定するための選択キーである。
また、ボックス(Box)キー42は、MFP8のハードディスクドライブ15にアクセスするための選択キーである。当該ボックスキー42を選択することにより、当該ボックスに格納されたデータを確認して、格納されたデータのプリント、あるいは送信等の処理が可能である。なお、各個人毎にボックス領域が設けられておりユーザの権限のあるボックスのみにアクセスすることが可能である。
コピーキー46を押下した場合、MFP8はコピー機として使用可能となる。この状態ではスキャナ動作は実行することはできない。
また、スキャンキー44を押下した場合、MFP8はスキャナとなる。この状態ではコピー動作を実行することはできない。
なお、コピーキー46とスキャンキー44は排他的動作となり、一方を選択すると自動的に他方は非選択状態となる。
また、操作パネル19には、ICカード載置領域50が設けられており、MFP8を利用することを希望するユーザが所持するICカードを当該領域に載置することにより、カードリーダ/ライタ21によりデータが読み取られて、所定のユーザ認証処理が実行されるものとする。なお、ICカードとしては、接触型、非接触型のいずれも適用可能である。
また、操作パネル19には、ログイン/ログアウトボタン28が設けられており、当該ログイン/ログアウトボタン28を押下することによりICカードを用いた所定のユーザ認証処理を実行することが可能である。
また、操作パネル19には、ユーザ登録ボタン29が設けられており、当該ボタンを押下することにより、ユーザ認証処理を実行するためのユーザ認証情報をHDD15等に格納するためのユーザ新規登録処理を実行することができる。なお、当該ユーザ新規登録処理は、当該MFP8の管理者が実行する。なお、管理者を介さずにユーザがユーザ新規登録処理を実行するようにしても良い。当該ユーザ新規登録処理に従って各個人毎にボックス領域が設けられるものとする。
図4は、本発明の実施の形態1に従うログイン画面を説明する図である。
図4を参照して、本発明の実施の形態1に従うログイン画面100は、上述した操作パネル19の操作ディスプレイ36に表示されるものである。
具体的には、操作パネル19のログイン/ログアウトボタン28が押下されることにより当該ログイン画面100が操作ディスプレイ36に表示される。
ここでは、「ICカードをICカード載置領域に載置して下さい。」の表示がなされている場合が示されている。当該表示に従って、ユーザがICカード載置領域50に予め登録されたICカードを載置することによりカードリーダ/ライタ21でICカードに保存されたカード識別情報を読み取ることによりユーザ認証処理が実行される。
図5は、本発明の実施の形態1に従うユーザ認証情報を説明する図である。
図5を参照して、一例としてHDD15に複数のユーザ認証情報が格納されている。
登録された順にIDが昇順的につけられ、ユーザIDとともにカードIDが登録されている場合が示されている。
上述したように、予め管理者がユーザ新規登録処理を実行して使用するユーザIDとともに当該MFP8のユーザ認証処理で用いる正規のICカードのカード識別情報を登録するものとする。
本例においては、一例として、ID「001」に対応してユーザID「佐藤」、カードID(識別情報)「IDAAA」が登録されている場合が示されている。
同様に、ID「002」に対応してユーザID「ABC」、カードID(識別情報)「IDBBB」が登録されている場合が示されている。
他のユーザ認証情報についても同様である。
CPU11は、当該HDD15に格納されたユーザ認証情報の中にカードリーダ/ライタ21で読み取ったカード識別情報と一致する情報が含まれているか否かを判断する。
CPU11は、当該HDD15に格納されたユーザ認証情報の中にカードリーダ/ライタ21で読み取ったカード識別情報と一致する情報が含まれていると判断した場合には、正規のカードである、すなわち予め登録されたカード識別情報であると判断して認証成功として通知する。
一方、CPU11は、当該HDD15に格納されたユーザ認証情報の中にカードリーダ/ライタ21で読み取ったカード識別情報と一致する情報が含まれていないと判断した場合には、正規のカードでない、すなわち予め登録されたカード識別情報でないと判断して認証失敗として通知する。
図6は、本発明の実施の形態1に従うユーザ認証の結果を通知する画面102を説明する図である。
図6を参照して、本発明の実施の形態1に従うユーザ認証の結果を通知する画面102は、上述した操作パネル19の操作ディスプレイ36に表示されるものである。ここでは、ユーザ認証に成功した場合が示されている。
具体的には、「認証に成功しました。」の表示とともに、「OK」ボタン106が設けられている場合が示されている。
「OK」ボタン106を選択することにより当該表示が終了して、例えば、図3の操作ディスプレイ36の表示が実行されて、ユーザ認証処理が成功したユーザは各種の機能を実行することが可能である。
本実施の形態1に従う画像形成装置管理システムにおいては、管理サーバ10との間でデータの授受を実行することができないMFPについては、ユーザ認証処理が成功したユーザが所持するICカードに管理情報を記憶させる。
図7は、本発明の実施の形態1に従う画像形成装置管理システムにおいてICカードに管理情報を記憶させる場合の概念図である。
図7を参照して、本例においては、MFP8がカードリーダ/ライタ21を用いてICカードに管理情報を記憶させる場合が示されている。なお、ここでは、全てのユーザについてユーザ認証処理が成功したものとする。また、HDD15に管理データDA,DB,DC,DDで構成される管理情報が格納されている場合が示されている。管理データとしては、例えば、一例として印刷ページの合計枚数、ジャム回数、カラーコピーの回数、ジョブ履歴等、MFP8の状況を管理するのに必要なデータが挙げられる。当該管理情報を管理サーバ10が収集することによりMFP8の状況を把握してメンテナンスやトナー交換の処置や使用状況の分析等に利用することが可能となる。
ここでは、ユーザAのICカードに対しては、HDD15に格納されている管理データDA,DBを保存する場合が示されている。
また、ユーザBのICカードに対しては、管理データDA,DB,DC,DDを保存する場合が示されている。
ユーザAと、ユーザBとでICカードに保存する管理データの数が異なるのはユーザBのICカードには空き容量が多くあると判断されたからであり、一方で、ユーザAのICカードには空き容量が少ないと判断されたからである。
このようにユーザ認証処理に成功したユーザが所持するICカードの空き容量を用いて管理データを保存することにより、後述するが他のMFPにアクセスした際に当該保存した管理データを渡すことが可能となる。これにより直接的にデータを送信できない場合であってもICカードを介してデータを伝達することが可能となる。
また、ユーザCのICカードについては、管理データDA,DBの管理サーバ10への送信が完了している場合には、管理データDC,DDを保存する場合が示されている。
ここで、ユーザCのICカードについて、管理データDA,DBの管理サーバ10への送信が完了している場合には、管理データDA,DBのデータを管理サーバ10に送信する必要が無いため管理データDC,DDを保存する。
一方で、ユーザCのICカードについて、管理データDA,DBの管理サーバ10への送信が完了していない場合には、管理データDA,DBを保存する場合が示されている。
ここで、ユーザCについて、管理データDC,DDあるいはDA,DBのいずれか一方が保存されるとしたのは、ユーザCのICカードには空き容量が少ないと判断されたからである。
管理データDA,DBの管理サーバ10への送信が完了したか否かの判断は、後述するが管理データ送信完了フラグがオンかオフかで判断する。この点については後述する。
このように保存した管理データの管理サーバ10への送信が完了したか否かを確認することにより確実に管理データを管理サーバ10に送信することが可能となる。
図8は、ICカードの空き容量に応じて管理データをICカードに保存する具体例について説明する図である。ここでは、管理データDA,DB,DC,DDの順番について、管理する際に時間の順序を特定する必要がある場合についての例が示されている。例えば、管理データとして日付情報を含むジョブ履歴情報等が挙げられる。管理データDA,DB,DC,DDの順にジョブ履歴情報が分割して送信される場合には、受信側である管理サーバ10は日付順で管理データを受信することが望ましい。
図8を参照して、本例においては、管理データのデータ量が示されており、データ量と空き容量とに基づいてMFP8がカードリーダ/ライタ21を用いてICカードに管理データを記憶させる場合が示されている。
具体的には、HDD15に管理データDA(10Kbyte),DB(20Kbyte),DC(30Kbyte),DD(40Kbyte)が格納されている場合が示されている。
ここでは、ユーザAのICカードの空き容量は30KbyteであるためユーザAのICカードにデータDA,DBを保存する場合が示されている。
また、ユーザBのICカードの空き容量は60KbyteであるためユーザBのICカードに管理データDA,DB,DCを保存する場合が示されている。
そして、再び、ユーザAがMFP8にアクセスする場合が示されている。この場合、管理データDA,DBの管理サーバ10への送信が完了しているものとする。当該場合には、管理データDA,DBの送信が完了している旨の送信結果をMFP8に出力して、HDD15から管理データDA,DBを削除する。そして、ユーザAのICカードの空き容量は30KbyteであるためユーザAのICカードに管理データDCを保存する。
また、ユーザCのICカードの空き容量は60KbyteであるためユーザCのICカードにデータDCを保存する場合が示されている。
したがって、MFP8は、管理データを順番にICカードに保存するとともに、ICカードから管理サーバ10に管理データが送信されたかどうかを判断し、送信が完了したことが確認されるまで順番に管理データをICカードに保存する。当該処理により確実に順番に管理データを管理サーバ10に送信することが可能となる。
また、同じ管理データを認証が成功したユーザのICカードに管理サーバ10への送信が完了するまでそれぞれ保存することにより、たとえICカードが紛失された場合であっても他のICカードに保存された管理データが管理サーバ10に送信されるため確実に管理データを管理サーバ10に送信することが可能である。
なお、ここでは、ジョブ履歴情報を管理データとして順番に送信する場合について説明したが、特に当該情報に限られず他の情報を送信するようにしても良い。また、他の情報と組み合わせて送信するようにしても良い。
図9は、ICカードの空き容量に応じて管理データをICカードに保存する別の具体例について説明する図である。ここでは、管理データDA,DB,DC,DDの順番について、管理する際に時間の順序を特定する必要が無い場合についての例が示されている。例えば、管理データとして、例えば、印刷ページの合計枚数、ジャム回数、カラーコピーの回数等それぞれが異なる情報である場合が挙げられる。
図9を参照して、本例においては、管理データのデータ量が示されており、データ量と空き容量とに基づいてMFP8がICカードに管理データを記憶させる場合が示されている。
具体的には、HDD15に管理データDA(10Kbyte),DB(20Kbyte),DC(30Kbyte),DD(40Kbyte)が格納されている場合が示されている。
ここでは、ユーザAのICカードの空き容量は30KbyteであるためユーザAのICカードにデータDA,DBを保存する場合が示されている。
また、ユーザBのICカードの空き容量は60KbyteであるためユーザBのICカードに管理データDD,DAを保存する場合が示されている。
そして、再び、ユーザAがMFP8にアクセスする場合が示されている。この場合、管理データDA,DBの管理サーバ10への送信が完了しているものとする。当該場合には、管理データDA,DBの送信が完了している旨の送信結果をMFP8に出力して、HDD15から管理データDA,DBを削除する。そして、ユーザAのICカードの空き容量は30KbyteであるためユーザAのICカードに管理データDCを保存する。
また、ユーザCのICカードの空き容量は60KbyteであるためユーザCのICカードにデータDDを保存する場合が示されている。
したがって、MFP8は、カードリーダ/ライタ21を用いて管理データを順番にICカードに保存せず、ランダムに保存するものとする。当該処理により管理データを分散してICカードに保存することが可能となり、各種の管理データを早期に管理サーバ10が受信することが可能となる。なお、ここでは、ランダムに保存する管理データの一例について説明したが、特に当該情報に限られず他の情報を送信するようにしても良い。また、図8で説明したように順番に送信するようにしても良い。
なお、管理データは、予めMFP8のROM13に格納されているプログラムをCPU11が実行することによって作成され、HDD15に格納されるものとする。
なお、管理データを順番に保存するか、あるいはランダムに保存するかは管理データの種類に応じて予め定めておくことも可能であるし、あるいは、管理者が予め設定しておいても良い。
図10は、ICカードに保存する管理データの流れについて説明する概念図である。
図10を参照して、ここでは、ユーザAの所持するICカードに管理データを保存する場合について説明する。
まず、ユーザAがMFP8を操作するためにユーザAが所持するICカードでログインしたものとする(シーケンスsq0)。その際にMFP8は、カードリーダ/ライタ21を用いてICカードに保存されているデータを取得する。なお、ここでは、ユーザAについてユーザ認証処理が成功したものとする。
MFP8は、認証が成功した場合にICカードの空き状況を確認する(シーケンスsq2)。そして、MFP8は、カードリーダ/ライタ21を用いて図8で説明したように空き状況に応じて管理データをICカードに保存する(シーケンスsq4)。
次に、ユーザAは、セキュリティレベルの異なる他のMFP6を操作するためにユーザAが所持するICカードでログインしたものとする(シーケンスsq6)。なお、ここでは、ユーザAについてユーザ認証処理が成功したものとする。
MFP6は、認証が成功した場合にICカードに保存されている管理データを取得する(シーケンスsq8)。
そして、MFP6は、取得した管理データを管理サーバ10にデータ送信する(シーケンスsq10)。
そして、管理サーバ10は、MFP6からデータ送信された管理データを取得する(シーケンスsq11)。当該処理により、ICカードに保存されていたMFP8に格納されていた管理データが管理サーバ10で収集されることになる。
次に、管理サーバ10は、受信結果を通知する(シーケンスsq12)。
MFP6は、管理サーバ10からの受信結果の通知を受けて、カードリーダ/ライタ21を用いてICカードに結果を保存する(シーケンスsq14)。具体的には、管理データ送信完了フラグをオンに設定する。
次に、再び、ユーザAは、MFP8を操作するためにユーザAが所持するICカードでログインする(シーケンスsq16)。なお、ここでは、ユーザAについてユーザ認証処理が成功したものとする。
MFP8は、認証が成功した場合にICカードに保存されている結果を反映する(シーケンスsq18)。具体的には、管理データ送信完了フラグがオンに設定されていることを確認して、以降、対応する当該管理データの保存を中止し、HDD15に格納されている当該管理データを削除する(シーケンスsq20)。
また、MFP8は、カードリーダ/ライタ21を用いてICカードに保存されている管理データを削除する(シーケンスsq22)。
当該処理により、管理サーバ10との間で直接的にデータの授受を実行することができないMFPの管理データをICカードを介して他のデータの授受が可能なMFPに送信し、当該データの授受が可能なMFPから管理サーバ10に送信することにより管理サーバ10において、直接的にデータの授受を実行できないMFPの管理データを収集することが可能となる。
また、ユーザAが意識することなくICカードに管理データが保存されて、管理サーバ10に管理データが送信されるためユーザの煩雑な操作等は不要でありユーザに不要なストレスを与えることが無い。
なお、シーケンスsq22で管理データを削除する場合について説明したが、削除する代わりに他の管理データを保存して、上述したのと同様の処理に従って他の管理データを管理サーバ10に送信するようにしても良い。
なお、MFP6は、管理サーバ10との間でデータの授受が可能であるためLAN116を介して所定タイミングでHDD15に格納された管理データを送信する。
なお、本例においては、MFP8に格納された管理データをICカードを用いて、管理サーバ10に送信する方式について説明したが、他のMFP、例えばMFP2についても同様に実行することが可能である。
以下に、上記で説明した管理サーバ10に各MFPから管理データを送信する方式を説明するためのフローについて説明する。
図11は、本発明の実施の形態1に従うユーザ認証処理を説明するフロー図である。
図11を参照して、まず、CPU11は、ログインボタンが押下されたかどうかを判断する(ステップS2)。具体的には、図3で説明したログイン/ログアウトボタン28が押下されたかどうかを判断する。CPU11は、ログイン/ログアウトボタン28が押下されたと判断した場合(ステップS2においてYES)には、ログイン画面を表示する(ステップS4)。具体的には、図4で説明したログイン画面100を表示する。
次に、ICカードが有るかどうかを判断する(ステップS6)。
具体的には、カードリーダ/ライタ21がICカード載置領域50に載置されたICカードのカード識別情報を読み取ったかどうかを判断する。
次に、ICカードが有ると判断した場合(ステップS6においてYES)には、認証がOKであるかどうかを判断する(ステップS8)。具体的には、CPU11は、カードリーダ/ライタ21で読み取ったカード識別情報が正規のカードである、すなわち、予め登録されたカード識別情報であるか否かを判断する。
なお、ICカードが無いと判断した場合(ステップS6においてNO)には、ステップS4に戻り、ログイン画面100の表示を維持する。
ステップS8において、CPU11は、認証がOKであると判断した場合、すなわち、HDD15に格納されたユーザ認証情報の中にカードリーダ/ライタ21で読み取ったカード識別情報と一致する情報が含まれていると判断した場合には、ユーザ認証の結果を通知する画面を表示する(ステップS10)。具体的には、図6で説明したように認証が成功した場合の通知画面を表示する。
次に、CPU11は、管理サーバ10との間でデータの授受が可能であるかどうかを判断する(ステップS11)。ここで、管理サーバ10との間でデータの授受が可能であるかどうかの判断は、予め管理者が設定しておくものとする。あるいは、各MFPがLANを介して接続されている管理サーバ10を検索して、検索できたか否かに基づいて判断するようにしても良い。
ステップS11において、CPU11は、管理サーバ10との間でデータの授受が可能でないと判断した場合(ステップS11においてNO)には、ステップS12に進み、ICカードデータ確認処理を実行する。ICカードデータ確認処理の詳細については後述する。
次に、ステップS12のICカードデータ確認処理の後、書き込みOK判定であるかどうかを判断する(ステップS14)。
ステップS14において、書き込みOK判定であると判断した場合(ステップS14においてYES)には、カードリーダ/ライタ21を用いてデータ書込処理を実行する(ステップS16)。データ書込処理の詳細については後述する。
そして、ユーザ認証処理を終了する(エンド)。以降の処理は、通常の処理と同様であり、図3で説明した操作パネル19を操作して、各種のジョブの実行が可能である。
一方、ステップS14において、書き込みOK判定でないと判断した場合(ステップS14においてNO)には、データ書込処理を実行することなく、処理を終了する(エンド)。
一方、ステップS11において、CPU11は、管理サーバ10との間でデータの授受が可能であると判断した場合(ステップS11においてYES)には、ステップS16に進み、ICカードデータ取得処理を実行する。ICカードデータ取得処理の詳細については後述する。
そして、ユーザ認証処理を終了する(エンド)。
一方、ステップS8において、CPU11は、認証がOKでないと判断した場合、すなわち、HDD15に格納されたユーザ認証情報の中にカードリーダ/ライタ21で読み取ったカード識別情報と一致する情報が含まれていないと判断した場合には、認証失敗としてユーザ認証の結果を通知する画面を表示する(ステップS19)。そして、ユーザ認証処理を終了する(エンド)。この場合には、各種のジョブの実行は不可能である。
次に、ICカードデータ確認処理について説明する。具体的には、MFP2,8における処理である。
図12は、本発明の実施の形態1に従うICカードデータ確認処理を説明するフロー図である。
図12を参照して、CPU11は、ICカードに管理データが有るかどうかを判断する(ステップS20)。すなわち、管理データが既に保存されているかどうかを判断する。
次に、CPU11は、ICカードに管理データが無いと判断した場合(ステップS20においてNO)には、次に、ICカードの空き容量を確認する(ステップS22)。
そして、CPU11は、ICカードの空き容量が所定量以上であるか否かを判断する(ステップS24)。所定量の値は、管理データのサイズに従って設定することが可能である。
CPU11は、ICカードの空き容量が所定量以上であると判断した場合(ステップS24においてYES)には書き込みOK判定とする(ステップS26)。そして、処理を終了する(リターン)。
一方、CPU11は、ICカードの空き容量が所定量未満であると判断した場合(ステップS24においてNO)には書き込みNG判定とする(ステップS28)。そして、処理を終了する(リターン)。
一方、ステップS20において、ICカードに管理データが有ると判断した場合(ステップS20においてYES)には、次に、管理データ送信完了フラグがオンであるかどうかを判断する(ステップS30)。すなわち、管理サーバ10への送信が完了したか否かを示す管理データ送信完了フラグを確認してオンであれば送信が完了したと判断し、オフであればまだ未送信であると判断する。
図13は、ICカードに保存されている管理データと当該管理データに対応付けられている送信完了フラグについて説明する図である。
図13を参照して、ここでは、管理データDA〜DDが保存されていて、当該送信完了フラグがそれぞれ対応付けられて設定されている場合が示されている。
ここでは、全ての管理データDA〜DDについて送信完了フラグがオフである場合が示されている。つまり、送信完了フラグがオフであるとは、管理サーバ10には未送信の状態であることを意味する。
再び、図12を参照して、ステップS30において、CPU11は、管理データ送信完了フラグがオンであると判断した場合(ステップS30においてYES)には、HDD15に格納されている管理データを削除する(ステップS32)。すなわち、送信が完了しているため既に送信済みであるため不要な管理データを削除する。
そして、次に、ICカード内に保存されている管理データを削除する(ステップS34)。なお、以降の書き込みの際に上書きすることにより当該管理データを削除するようにしても良い。当該場合には、ステップS22において、送信完了フラグがオンに設定されている管理データは空き容量とみなして処理されるものとする。
そして、再び、ステップS22に進む。
一方、ステップS30において、管理データ送信完了フラグがオンで無いと判断した場合(ステップS30においてNO)には、ステップS32およびステップS34をスキップして、ステップS22に進む。管理データ送信完了フラグがオフである、すなわち、未送信であるため管理データは削除されない。以降の処理については上述したのと同様であるのでその詳細な説明は繰り返さない。
次に、データ書込処理について説明する。具体的には、MFP2,8における処理である。
図14は、本発明の実施の形態1に従うICカードのデータ書込処理について説明するフロー図である。
図14を参照して、CPU11は、まず、使用履歴を確認する(ステップS40)。
図15は、ユーザの使用履歴を確認する履歴テーブルを説明する図である。
図15を参照して、ここでは、ユーザのMFP8の使用履歴として日付情報とともに使用したユーザ名が履歴として登録されている場合が示されている。当該履歴テーブルは、一例としてHDD15に格納されているものとする。
再び、図14を参照して、CPU11は、図15で説明した履歴テーブルを確認して、使用履歴が多いかどうかを判断する(ステップS42)。具体的には、使用履歴が多いユーザに対応するICカードであるかどうかを判断する。
ステップS42において、CPU11は、使用履歴が多いユーザに対応するICカードであると判断した場合(ステップS42においてYES)には、次のステップS44に進む。
一方、ステップS42において、CPU11は、使用履歴が多いユーザに対応するICカードでないと判断した場合(ステップS42においてNO)には、処理を終了する(リターン)。ここで、使用履歴が多いとは、使用履歴として履歴テーブルに2回以上登録されているユーザに対応するICカードであるか否かに基づいて判断する。なお、2回に限られず、他の回数に設定することも可能である。例えば、図15を参照して、ユーザAは、2回以上登録されているユーザであるものとする。
次に、使用履歴が多いユーザに対応するICカードであると判断した場合には、ステップS44において管理データ確認処理を実行する。具体的には、どの管理データの送信が完了していないかを判断する。また、どの順番で管理データを送信するかを判断する。
そして、CPU11は、ICカードの空き容量に基づいて、ICカードに保存する管理データを決定する(ステップS46)。
具体的には、図8,図9で説明したようにHDD15に保存されている管理データを確認し、管理データの種類に応じてどの管理データを保存するかを決定する。また、ICカードの空き容量に基づいて、管理データを分割して細分化した管理データとするようにしても良い。
そして、CPU11は、カードリーダ/ライタ21を用いてICカードに決定された管理データを書き込む(ステップS48)。
そして、処理を終了する(リターン)。
なお、ここでは、使用履歴を確認して使用履歴が多いユーザのICカードにのみ管理データを保存する場合について説明したが、特にこれに限られず、ICカードの空き容量があれば管理データを保存するようにしても良い。ここで、使用履歴を確認したのは、使用履歴が多いユーザのICカードに管理データを保存した方が管理サーバ10に管理データが送信される可能性が高いと考えられるからである。また、本例においては、使用履歴に基づいて、管理データが送信される可能性が高いICカードか否かの判断処理を実行する場合について説明したが、特にこれに限られず、例えば、管理データを保存するユーザのICカードを特定するようにしても良い。例えば、管理サーバ10に管理データが送信される可能性の高い管理者のICカードにのみ管理データを保存するようにして、当該管理者のICカードか否かのみ判断するようにしても良い。なお、管理者に限られず、他の特定者のICカードに特定するようにすることも当然に可能である。あるいは、管理データ送信完了フラグの履歴を収集して、どのICカードが管理サーバ10に送信する可能性が高いかを自動学習させて、管理サーバ10に送信する送信率の高いICカードを特定して、当該ICカードに保存させるようにしても良い。
また、管理データを決定する際、使用履歴に基づいて保存する管理データの量も決定するようにしても良い。例えば、使用履歴の多いユーザのICカードについては管理データの量を多くし、少ないユーザのICカードについては管理データの量を少なくするようにしても良い。
次に、ICカードデータ取得処理について説明する。具体的には、MFP4,6における処理である。
図16は、本発明の実施の形態1に従うICカードデータ取得処理を説明するフロー図である。
図16を参照して、CPU11は、ICカードに管理データが有るかどうかを判断する(ステップS50)。すなわち、ICカードに管理サーバ10に送信するべき管理データが保存されているかどうかを判断する。
次に、CPU11は、ICカードに管理データが無いと判断した場合(ステップS50においてNO)には、取得して管理サーバ10に送信するべきデータが無いため処理を終了する(リターン)。
一方、CPU11は、ICカードに管理データが有ると判断した場合(ステップS50においてYES)には、管理データ送信完了フラグがオンであるかどうかを判断する(ステップS52)。すなわち、ICカードに保存されている管理データは既に管理サーバ10に送信済みかどうかを判断する。
ステップS52において、CPU11は、管理データ送信完了フラグがオンであると判断した場合(ステップS52においてYES)には、処理を終了する(リターン)。この場合にもICカードに保存されている管理データは、既に送信された管理データであるため処理を終了する。
一方、ステップS52において、CPU11は、管理データ送信完了フラグがオンでないと判断した場合(ステップS52においてNO)には、管理データを取得する(ステップS54)。
次に、CPU11は、取得した管理データを管理サーバ10に送信する(ステップS56)。当該処理により、管理サーバ10に管理データが送信され、管理サーバ10は、他のMFPの管理データを取得することが可能である。
次に、CPU11は、管理サーバ10から受信完了通知が有ったかどうかを判断する(ステップS58)。
そして、CPU11は、管理サーバ10から受信完了通知が有ったと判断した場合(ステップS58においてYES)には、カードリーダ/ライタ21を用いて管理データ送信完了フラグをオンに書き込みする(ステップS60)。すなわち、ICカードに保存されている管理データ送信完了フラグについて、管理サーバ10への送信が完了したことを示すフラグをオンに設定する。
そして、処理を終了する(リターン)。
一方、ステップS58において、CPU11は、管理サーバ10から受信完了通知が無かったと判断した場合(ステップS58においてNO)には、管理データ送信完了フラグをオンにすることなく処理を終了する(リターン)。この場合は、管理サーバ10への送信が完了していないためフラグをオフのまま維持する。
そして、上述したように管理データ送信完了フラグがオンとなることにより、当該管理データを送信したMFPにアクセスした際にMFPは、当該管理データが管理サーバ10に送信されたことを把握することが可能となる。
図17は、管理サーバ10との間でデータの授受が可能なMFPのデータ送信について説明するフロー図である。主にMFP4,6における処理である。
図17を参照して、CPU11は、所定期間が経過したかどうかを判断する(ステップS70)。
ステップS70において、CPU11は、所定期間が経過したと判断した場合(ステップS70においてYES)には、管理データを送信する(ステップS72)。
そして、次に、管理サーバ10からの受信完了通知が有ったかどうかを判断する(ステップS74)。
ステップS74において、管理サーバ10からの受信完了通知が有ったと判断した場合(ステップS74においてYES)には、画像形成装置であるMFP内のHDD15に格納されている管理データを削除する(ステップS76)。そして、処理を終了する(エンド)。
なお、本例においては、所定期間が経過した場合に、MFPが自発的に自己のHDDに格納されている管理データを管理サーバ10に送信する場合について説明したが、特にこれに限られず、例えば、管理サーバ10からデータの送信を要求された場合に管理データを管理サーバ10に送信するようにしても良い。
当該構成により、管理サーバ10は、データの授受が可能なMFPから直接管理データをLAN116を介して受信して、収集することが可能である。また、データの授受ができないMFPについては、当該MFPがICカードに管理データを保存する。そして、データの授受が可能なMFPがICカードを介して保存された管理データを取得して、当該管理データを管理サーバ10に転送することによりデータの授受ができないMFPの管理データについても収集することが可能となる。
したがって、管理者がセキュリティレベルの異なる場所や区域に設けられた装置に個別に管理データを収集しにいく必要はなく、また、新たな機器の導入等の必要が無く、既存の装置を用いて簡易な方式で管理データを収集することが可能となる。
(実施の形態2)
上記の実施の形態1においては、管理サーバ10との間で直接データの授受が可能でないMFPについても、ICカードを介して当該MFPの管理データを管理サーバ10に送信する方式について説明した。
一方で、管理サーバ10から各MFPに対して各MFPを管理するための指示コマンド(単にコマンドとも称する)を送信する場合もある。
上記の実施の形態1で説明したように、各LANのセキュリティレベルが異なるために、例えば、セキュリティレベルの高い側から低い側への指示コマンドの送信は可能である場合も考えられるが、低い側から高い側への指示コマンドの送信は拒否される可能性が高い。本例においては、例えば、セキュリティレベル中のLAN116に接続されている管理サーバ10からセキュリティレベル高のLAN118に接続されているへの指示コマンドの送信は無効とされる可能性がある。
本実施の形態2に従う画像形成装置管理システムにおいては、管理サーバ10からの指示コマンドをセキュリティレベルの異なるMFPにも送信することが可能な方式について説明する。
図18は、管理サーバ10からの指示コマンドの送信の流れについて説明する概念図である。
図18を参照して、まず、管理サーバ10は、MFP6に対して指示コマンドを送信する(シーケンスsq30)。
次に、ユーザAがMFP6を操作するためにユーザAが所持するICカードでログインしたものとする(シーケンスsq32)。その際にMFP6は、カードリーダ/ライタ21を用いてICカードに保存されているデータを取得する。なお、ここでは、ユーザAについてユーザ認証処理が成功したものとする。
MFP6は、認証が成功した場合にICカードに管理サーバ10から送信されてきた指示コマンドをカードリーダ/ライタ21を用いて保存する(シーケンスsq34)。なお、ここでは、上記の実施の形態1で説明したICカードデータ取得処理等については省略している。
次に、ユーザAは、MFP8を操作するためにユーザAが所持するICカードでログインする(シーケンスsq36)。その際にMFP8は、カードリーダ/ライタ21を用いてICカードに保存されているデータを取得する。なお、ここでは、ユーザAについてユーザ認証処理が成功したものとする。
MFP8は、認証が成功した場合にICカードに保存されている指示コマンドを取得する(シーケンスsq38)。なお、ここでは、上記の実施の形態1で説明した管理データに関する処理については省略している。
そして、MFP8は、取得した指示コマンドに従う処理を実行する(シーケンスsq40)。
当該処理により、管理サーバ10との間でデータの授受を実行することができないMFPについても指示コマンドを送信することが可能である。まず、データの授受が可能なMFPに指示コマンドを送信し、そして、当該データの授受が可能なMFPがカードリーダ/ライタ21を用いてICカードに指示コマンドを保存することにより、当該ICカードでログインした際に、管理サーバ10からの指示コマンドを取得して、実行することが可能となる。
なお、本例においては、MFP8に指示コマンドを送信する場合の方式について説明したが、他のMFP、例えばMFP2についても同様に実行することが可能である。
図19は、本発明の実施の形態2に従う管理サーバ10から直接指示コマンドを受信した場合の処理について説明するフロー図である。主に、MFP4,6における処理である。
図19を参照して、CPU11は、管理サーバ10からの指示コマンドを受信したかどうかを判断する(ステップS80)。
CPU11は、管理サーバ10からの指示コマンドを受信したと判断した場合(ステップS80においてYES)には、次の処理であるステップS82に進む。一方、受信していないと判断した場合(ステップS80においてNO)には、ステップS80の状態を維持する。
次に、CPU11は、指示コマンドを取得する(ステップS82)。
そして、CPU11は、指示コマンドを実行する(ステップS84)。
そして、処理を終了する(エンド)。
図20は、本発明の実施の形態2に従うユーザ認証処理を説明するフロー図である。
図20を参照して、図11で説明したフロー図と比較して、ステップS17のコマンド確認処理と、ステップS18#のコマンド格納処理が追加された点が異なる。その他の点については、実施の形態1の図11で説明したフロー図と同様であるのでその詳細な説明は繰り返さない。
図21は、本発明の実施の形態2に従うコマンド格納処理を説明するフロー図である。主に、MFP4,6における処理である。
図21を参照して、まず、CPU11は、管理サーバ10からの指示コマンドが有るかどうかを判断する(ステップS90)。ステップS90において、CPU11は、指示コマンドが無い場合には、格納するコマンドが無いため処理を終了する(リターン)。
次に、CPU11は、管理サーバ10からの指示コマンドが有ると判断した場合(ステップS90においてYES)には、ICカードに指示コマンドが有るかどうかを判断する(ステップS92)。ステップS92において、CPU11は、ICカードに指示コマンドが有ると判断した場合(ステップS92においてYES)には、既に格納済みであるため処理を終了する(リターン)。
次に、CPU11は、ICカードに指示コマンドが無いと判断した場合(ステップS92においてNO)には、カードリーダ/ライタ21を用いてICカードに指示コマンドを書き込む(ステップS94)。そして、処理を終了する(リターン)。
図22は、本発明の実施の形態2に従うコマンド確認処理を説明するフロー図である。主に、MFP8,2における処理である。
図22を参照して、まず、CPU11は、ICカードに指示コマンドが有るかどうかを判断する(ステップS100)。ステップS100において、CPU11は、指示コマンドが無い場合(ステップS100においてNO)には、実行するコマンドが無いため処理を終了する(リターン)。
次に、CPU11は、ICカードに指示コマンドが有ると判断した場合(ステップS100においてYES)には、指示コマンドを取得する(ステップS102)。
そして、次に、CPU11は、取得した指示コマンドを実行する(ステップS104)。そして、処理を終了する(リターン)。
当該処理により、管理サーバ10との間でデータの授受を実行することができないMFPについても管理サーバ10からのコマンドを受信し、実行することが可能である。
例えば、指示コマンドとして、MFPを終了する時刻をセットする終了タイマコマンド(例えば20時等)が管理サーバ10から送信された場合、管理サーバ10から直接終了タイマコマンドを受けたMFPについては、当該コマンドに基づいて20時に自動的に電源をオフとする。また、当該終了タイマコマンドをICカードを介して受信したMFPについても、当該コマンドに基づいて20時に電源をオフする。当該処理により、それぞれのMFPを管理者が操作して電源をオフする終了タイマを設定する必要がなく、管理サーバ10から指示コマンドを発信することにより簡易な方式に従って各MFPのそれぞれを管理することが可能となる。
また、一例として、指示コマンドとして終了タイマコマンドについて説明したが、起動タイマコマンドを管理サーバ10から送信して、起動する時刻を設定するようにしても良いし、あるいは別のコマンドを送信して、所望の動作を各MFPで実行させるようにしても良い。
また、本例において、MFP8は、同じネットワーク118に接続されている他のMFPが存在する場合には、取得した指示コマンドを当該他のMFPに送信するようにしても良い。
本例においては、各MFPでユーザ認証処理を実行する方式について説明したが、認証サーバ等を用いてユーザ認証処理を実行するようにすることも可能である。当該認証サーバを利用することによりそれぞれのMFPに対してユーザ認証情報を登録する必要が無く、管理が容易である。
なお、上記においては、ユーザが所持するICカードを用いて管理データを保存して、当該管理データを管理サーバ10で収集する方式について説明したが、特にこれに限られず、例えば、ユーザ認証処理を実行するための認証データが格納された着脱可能な外部記憶媒体、例えば、USBメモリを用いる場合においても同様に適用可能である。なお、例えば、特定のUSBメモリにのみ保存する場合には、当該USBメモリに管理データを保存するために設けられた特定のフォルダ(例えば、MFPフォルダ等)が含まれているか否かを判断するようにしても良い。
なお、本発明にかかる画像形成装置は、MFPに限定されない。なお、コンピュータ(CPU)を機能させて、上述のフローで説明したような制御を実行させるプログラムを提供することもできる。このようなプログラムは、コンピュータに付属するフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびメモリカードなどの一時的でないコンピュータ読取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。あるいは、コンピュータに内蔵するハードディスクなどの記録媒体にて記録させて、プログラムを提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
なお、プログラムは、コンピュータのオペレーションシステム(OS)の一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して処理を実行させるものであってもよい。その場合、プログラム自体には上記モジュールが含まれずOSと協働して処理が実行される。このようなモジュールを含まないプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
また、本発明にかかるプログラムは他のプログラムの一部に組込まれて提供されるものであってもよい。その場合にも、プログラム自体には上記他のプログラムに含まれるモジュールが含まれず、他のプログラムと協働して処理が実行される。このような他のプログラムに組込まれたプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
提供されるプログラム製品は、ハードディスクなどのプログラム格納部にインストールされて実行される。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記録された記録媒体とを含む。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。