JP5702278B2 - 長鎖グリシルポリオール型ゲル化剤およびゲル - Google Patents

長鎖グリシルポリオール型ゲル化剤およびゲル Download PDF

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Description

本発明は、工業的に製造容易である新規な脂肪族オキシグリシルポリオール型ゲル化剤、又は該ゲル化剤の自己集合化して形成される自己集合体、並びに該ゲル化剤又は自己集合体と各種水溶液より構成されるゲルに関する。
本発明の脂肪族オキシグリシルポリオール型ゲル化剤は、2回の還流反応で簡単に合成できるゲル化剤であり、化粧品、寒天等のゲル状食料品や医薬品製剤等をはじめとする各種ゲル状基材の製造に好適に利用できる。また、該ゲル化剤から得られたゲルは、化粧品、(ソフト)コンタクトレンズ、紙おむつ、芳香剤などの日用品用途や、乾燥地農業用途、クロマトグラフィーなどの分析化学用途、医療・薬学用途、タンパク質の担持体や細胞培養関連基材、バイオリアクター等の生化学分野用途等、各種機能性材料として好適に利用される。
ヒドロゲルは水を媒質とするため生体適合性の高いゲルとして有用であり、紙おむつや化粧品、芳香剤の日用品向け用途をはじめとして、幅広い分野で使用されている。
従来型のヒドロゲルとしては、アガロースなどの天然高分子ゲルや、アクリルアミドゲルなどの高分子鎖間を化学共有結合にて架橋した合成高分子ゲルを挙げることができる。
近年、ヒドロゲルに物質保持生能や外部刺激応答性能、さらには環境に配慮して生分解性能といった、各種機能を付与させた機能性ゲルが注目されており、前記天然又は合成高分子ゲルに共重合反応等を用いて機能性分子を組み入れることにより、様々な機能発現の試みがなされている。
このように新たな機能をヒドロゲルに付与するには、ゲルのナノ構造やその表面構造を詳細に検討する必要があるが、上述の共重合反応を用いた機能性分子の組み入れ方法では、機能性基の導入率に限界があることや精密分子設計が難しいという問題があり、さらに未反応の残存物質の安全性の問題、ひいてはゲル調製が非常に煩雑であるという様々な課題を有している。
こうした従来の「トップダウン型」の機能性材料の開発に対し、物質の最少単位である原子や分子を集合させ、その集合体である超分子に新しい機能を見出す「ボトムアップ型」の機能性材料の創製研究が注目されている。
ゲルの分野においても、低分子化合物の自己集合化による非共有結合性ゲルファイバー(所謂「ナノファイバー状の自己集合体」)によって形成される新たなゲルの開発が進められている。この「自己集合化」とは、当初ランダムな状態にある物質(分子)群において、分子が適切な外部条件下で分子間の非共有結合性相互作用等により自発的に会合することにより、マクロな機能性集合体に成長することを指す。
上記新たなゲルは、理論的にはモノマーの分子設計によって分子間相互作用や分子集合体の弱い非共有結合を制御することで、巨視的なゲルの構造や機能の制御が可能である点が注目されている。
但し、低分子化合物間の分子間相互作用や非共有結合を如何に制御するかについては、明確な方法論が見出されておらず、また非共有結合性ゲルの研究は、比較的ゲル形成が容易であることから有機溶媒中における水素結合を利用した自己集合体の研究が先行しており、水溶液中における自己集合化化合物(すなわちヒドロゲル化剤など)は偶発的な発見の域に留まっている。
現在報告されている非共有結合性ゲルを形成するヒドロゲル化剤は、大きく分けて以下の3種類が挙げられる。
[1.両親媒性低分子を骨格として有するもの]
人工脂質膜をモデルとしたもので、四級アンモニウム塩部を親水部とし、アルキル長鎖を疎水部にした界面活性剤型ゲル化剤、二つの界面活性剤型分子の親水部を連結した双界面活性剤型ゲル化剤などが挙げられる。
こうしたゲル化剤によるヒドロゲルの一例として、分岐型アルキル基を疎水部に有するカチオン性両親媒性化合物の分散水溶液に、分子量90以上のアニオンを添加することによって形成される分子組織性のヒドロゲルに関する提案がなされている(特許文献1)。
[2.生体内成分をモチーフとした骨格を有するもの]
ペプチド二次構造骨格(α−ヘリックス構造やβ−シート構造など)による分子集合体間の会合を利用したゲル化剤が挙げられる。
例えばα−ヘリックス構造を有するもの(非特許文献1)、β−シート構造を有するもの(非特許文献2)に関する提案がなされている。
[3.半人工型低分子を骨格として有するもの]
DNA塩基やペプチド鎖、糖鎖などの生体内成分(親水部)とアルキル鎖(疎水部)等の組み合わせからなり、先に挙げた2つのゲル化剤の特徴を組み合わせたゲル化剤といえる。ここでDNA塩基、ペプチド鎖及び糖鎖は、親水性を高めるだけでなく、水素結合などの分子間相互作用を付与する役割を担っている。
例えばN−アセチル化された単糖類又は二糖類のグリコシド構造を有する糖構造部位を有するグリコシドアミノ酸誘導体から成るヒドロゲル化剤(特許文献2)、一般式「RCO(NHCH2CO)mOH」で表されるペプチド脂質と遷移金属とから自己集合性を有して形成される微細中空繊維(特許文献3)などの提案がなされている。
また、<疎水部−システイン残基(ネットワーク形成時にジスルフィド結合形成)−グリシン残基(柔軟性を付与)−リン酸化セリン残基−細胞接着性ペプチド>という構造を有する両親媒性ペプチドが、疎水部を核としてβ−シート型ファイバーネットワークを形成することが開示されている(非特許文献3)。
そして、ケミカルライブラリーを用いて糖脂質型超分子ヒドロゲルの作成を行った事例も報告されている(非特許文献4)。
両親媒性である疎水性部+ジペプチドで構成されたジペプチド化合物も、自己集合体を形成しうる「ボトムアップ型」の機能性材料の一つとして注目されている。例えば、「2−(ナフタレン−2−イルオキシ)酢酸」+「グリシルグリシンやグリシルセリンなど」と言った特殊な脂質部を持つジペプチド化合物で、ヒドロゲルとなることが知られている。しかしながら、いずれも酸性水溶液をゲル化するか、又はゲル化したヒドロゲルが酸性といったものである(非特許文献5)。
これに対して、天然に存在する脂肪酸であるラウリン酸又はミリスチン酸と、グリシルグリシンで構成した脂質ペプチド化合物は、ヒドロゲルへとはならずに多重なベシクルの内径50−90nm程度の中空を有する有機ナノチューブを形成して析出する(例えば特許文献3)。
また、両親媒性化合物の中でも脂質グリシルポリオールは界面活性剤や乳化剤として活用されている(非特許文献6)が、同文献に記載の脂質グリシルポリオール(1a〜3a)が自己集合して形成される自己集合体は、ヒドロゲルを形成することができない。
特開2002−085957号公報 特開2003−327949号公報 特開2004−250797号公報
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従来型のヒドロゲルにあっては、その合成高分子ゲルを形成するにあたって、また場合によってゼラチン(コラーゲン)等の天然高分子をゲル化するにあたって、アルデヒド基を有する架橋剤を使用する必要がある。
また、天然高分子ゲルは勿論のこと、(合成)高分子ゲルに機能を付与するには、高分子鎖を化学修飾するか、機能分子を組み入れるために共重合反応を行う必要がある。
このように、従来型のヒドロゲルにおいては、ゲルの調製が煩雑であり、未反応の架橋剤や共重合反応時の未反応物質がヒドロゲル内に残存するという問題も有していた。
また、これまで提案された上述の非共有結合性ゲルを形成するヒドロゲル化剤において、前記両親媒性低分子を骨格とする(1.)場合、媒質の液性によってはゲル形成に至らないことがある。すなわち、アルカリ性領域ではミセルを形成し乳化液となってしまい、一方、酸性領域ではファイバー状に自己集合してヒドロゲルが得られるものの、生体に安全とされる中性領域でヒドロゲル化する例はほとんど報告されていない。また、四級アンモニウムカチオン等(例えば特許文献1)の生体環境への安全性に不安を残すなどの課題も有している。
また生体内成分をモチーフとした骨格(2.)にあっては、大量製造に向かないという生産性の問題や、ゲル形成能が温度やpHに依存するという課題を有している。
そして、半人工型低分子を骨格として有するもの(3.)にあっては、例えば特許文献2に記載の該ヒドロゲル化剤を構成するグリコシドアミノ酸誘導体を合成する反応スキーム(図1)を参照すると、毒性の高いアジ化ナトリウムを使用することが明記されており、また特許文献3に記載の中空繊維の自己集合化にあたり、遷移金属(イオン)の添加が必須となるなど、生体適合性や環境安全性において課題を残すものであった。
このように、これまで報告された各種の非共有結合性のヒドロゲル及び該ゲルを形成するヒドロゲル化剤にあっては、ゲル形成能(ゲル構造保持能)や生体環境への安全性等の面でさらなる改善が求められているものであった。
さらに生体環境への安全性の観点からは、より少量の添加量でゲル形成が可能となるヒドロゲル化剤に対する潜在的な要求があった。
本発明は、上記の事情に基づいてなられたものであり、その解決しようとする課題は、化粧品や医薬製剤に用いられるような安全で汎用性の高い高級アルコール、天然に存在するアミノ酸並びにポリオールを用いてなり、2種類の還流反応による2段階反応により安価で容易に入手できることから工業化可能であり、少量添加であってもゲルを形成させる高いゲル化能を有する脂質グリシンポリオールからなるゲル化剤を提供することである。
特に本発明は酸性からアルカリ性といった広い液性範囲において、特に中性領域にあっても、アルコールや有機溶剤が混合した水溶液や、無機塩や有機塩が溶解した水溶液を、極めて少量の添加でゲルを形成できる高いゲル化能を有するゲル化剤を提供することにある。
また本発明は、酸性からアルカリ性といった広い液性範囲で安定してゲル構造を保ち、また、高い環境・生体適合性及び生分解性を有するゲルを提供することにある。
本発明は、第1観点として、式(1):
Figure 0005702278
(式中、Rは炭素原子数18乃至20の飽和脂肪族基又は1個の二重結合を持つ炭素原子数18乃至20の不飽和脂肪族基を表す。)で表される脂肪族オキシグリシルポリオール又はその薬学的に使用可能な塩から成る事を特徴とするゲル化剤に関する。
第2観点として、Rが炭素原子数18の飽和脂肪族基又は1個の二重結合を持つ炭素原子数18の不飽和脂肪族基を表す、第1観点記載のゲル化剤に関する。
第3観点として、Rがステアリル基又はオレイル基である、第1観点記載のゲル化剤に関する。
第4観点として、第1観点乃至第3観点のうちいずれか一項に記載のゲル化剤の自己集合化により形成される自己集合体に関する。
第5観点として、第1観点乃至第3観点のうちいずれか一項に記載のゲル化剤又は第4観点記載の自己集合体と、水、アルコール、水溶液、アルコール溶液、親水性有機溶液又は疎水性有機溶液より成るゲルに関する。
第6観点として、前記アルコール溶液がメタノール、エタノール、2−プロパノール及びi−ブタノールからなる群から選択される少なくとも一種のアルコールの水溶液である、第5観点記載のゲルに関する。
第7観点として、前記親水性有機溶液が、アセトン及びジオキサンからなる群から選択される少なくとも一種の親水性有機溶媒の溶液である、第5観点記載のゲルに関する。
第8観点として、前記水溶液が、無機炭酸塩、無機硫酸塩、無機リン酸塩及び無機リン酸水素塩からなる群から選択される少なくとも一種の無機塩、又は、有機アミン塩酸塩及び有機アミン酢酸塩からなる群から選択される少なくとも一種の有機塩を溶解させた水溶液である、第5観点記載のゲルに関する。
第9観点として、前記無機塩が、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム及びリン酸二水素ナトリウムからなる群から選択される少なくとも一種の無機塩であり、前記有機塩が、エチレンジアミン塩酸塩、エチレンジアミン四酢酸塩及びトリスヒドロキシメチルアミノメタン塩酸塩からなる群から選択される少なくとも一種の有機塩である、第8観点記載のゲルに関する。
第10観点として、前記疎水性有機溶液が、植物油、エステル類及び炭化水素類からなる群から選択される少なくとも一種の疎水性有機溶媒の溶液である、第5観点記載のゲルに関する。
本発明のゲル化剤は、従来型のゲル形成時に必要とされた架橋剤等を用いずに、水、アルコール、水溶液、アルコール溶液、親水性有機溶液等の水性媒体をゲル化させてゲルを形成することができるため、未反応の架橋剤の残存というも問題が起こらない。また本発明のゲル化剤は低分子化合物からなるため、従来のゲル化剤のように機能発現のために組み入れられた機能性分子の未反応物質を含まずに、ゲルを形成することができる。
しかも本発明のゲル化剤は、前述の水性媒体だけでなく、油などの疎水性有機溶液といった疎水性媒体のゲル形成も可能とする。
また本発明のゲル化剤は、従来の低分子型のゲル化剤と異なり、化粧品や医薬品の添加剤として利用できる高級アルコール、ポリオール及び天然に存在するグリシンより構成されるため生体安全性が高く、しかも二回の還流反応により容易にかつ大量に合成できるため、経済的にも優れた低分子型ゲル化剤である。
さらに本発明のゲル化剤は、酸性領域からアルカリ性領域に亘る広い液性において、アルコール溶液、親水性有機溶媒を混合した水溶液、無機塩や有機塩が溶け込んだ水溶液においてもゲルを形成することができる。特に、細胞培養の基材や医用材料、或いは化粧品用材料等において要求される高い安全性の観点から、中性領域において種々の水溶液に対してゲル形成能を有する本発明のゲル化剤は、上記用途において非常に有用である。
また本発明のゲル化剤は、該ゲル化剤を構成する脂肪族オキシグリシルポリオールを2種類以上混合して用いても、ゲル化剤としてのゲル形成能を有することができる。
さらに、本発明のゲル化剤は、上記式(1)で表される脂肪族オキシグリシルポリオール以外に、自己集合体を形成し得る他の各種ペプチド、すなわちN末端を脂肪酸にて修飾されたトリペチドやテトラペプチドを混合しても、それぞれが又は混合して自己集合体を形成することができる。
また本発明のゲル化剤は、アニオン性界面活性剤、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤が溶解する水溶液であっても、界面活性剤と混合して自己集合体を形成することができる。
また本発明のゲル化剤は、自己集合して形成する自己集合体に低分子化合物が吸着又は自己集合体内に包摂し、低分子化合物を徐放化しうるゲルを形成することができる。
また本発明のゲル化剤は、近年BSE感染等で問題となっている動物由来材料(コラーゲン、ゼラチン、マトリゲルなど)を使用せず、脂質とペプチドのみから構成される人工低分子化合物であるため、得られたゲルにおいて感染等による問題が生じない。しかも、アジ化ナトリウムなどの反応性は高いが毒性の試薬を使用することなく、脂質とペプチドのアミド化反応のみでゲル化剤の製造が可能であり、安全性の高いゲル化剤として好適に用いることができる。
なお本発明のゲル化剤は、ゲル以外の用途として、たとえば、細胞傷害保護材、ラングミュア単分子層(Langmuir monolayer)としても用いることができる。
また本発明の自己集合体は、前記ゲル化剤が疎水性基を中心として自己集合する際、その最も外側(すなわち自己集合体表面)にポリオール部が位置することになるため、生体内に取り込まれた際、生体細胞と拒絶反応を起こしにくく、細胞接着性にも優れる。このため、医療用の徐放性担体や吸着剤、再生医療用足場材などに好適に用いることができる。
上記用途のほか、食品工業、農林業、化粧品分野、繊維工業における安定剤、分散剤、湿潤剤として、金属や導電性物質をドープしたナノ部品として電子・情報分野において、さらにはフィルター用材料や導電性材料としても有用である。
そして本発明のゲルは、酸性領域からアルカリ性領域に亘って広い液性において、特に中性条件下でも安定にゲル構造を保つことができるため、細胞培養等の生化学向け材料や医用材料用途に好適である。
また本発明のゲルは、上述のように従来に比べて少量のゲル化剤の添加により得ることができるため、生体面・環境面の何れにおいても安全性の高いゲルといえる。
さらに上述のように、低分子化合物である脂肪族オキシグリシルポリオールから得られたゲルは、外部環境中で、例えば土中で使用する場合、土壌細菌などによって容易に分解され、また生体内で使用する場合には代謝酵素によって容易に分解されるため、環境・生体に対する負荷が少ない。
[ゲル化剤]
本発明のゲル化剤は、下記式(1)で表される構造を有する脂肪族オキシグリシルポリオール又はその薬学的に使用可能な塩から成り、該脂肪族オキシグリシルポリオールは、脂溶性の高い長鎖を有する高級アルコール由来の部分、グリシン由来の部分そしてポリオール(グルコノラクトン)由来の部分より構成される。
Figure 0005702278
上記式(1)において、高級アルコール由来の部分に含まれるRは炭素原子数18乃至20の飽和脂肪族基又は1個の二重結合を持つ炭素原子数18乃至20の飽和脂肪族基不飽和脂肪族基を表す。
好ましくはRは炭素原子数18の飽和脂肪族基又は1個の二重結合を持つ炭素原子数18の不飽和脂肪族基であり、ステアリル基(オクタデシル基)又はオレイル基であることが特に好ましい。
[ゲル化剤より形成される自己集合体]
本発明のゲル化剤が、水、アルコール、水溶液、アルコール溶液又は親水性有機溶液中に投入されると、式(1)におけるグリシン由来の部分並びにポリオール由来の部分が水素結合により分子間非共有結合を形成し、一方、式(1)における高級アルコール由来の部分が疎水的にパッキングするように自己集合化(或いは自己組織化ともいう)し、自己集合体が形成される。
参考として図1に本発明のゲル化剤を構成する脂肪族オキシグリシルポリオールの自己集合化及びゲル化の概念図の一例を示す(但し、本発明において、全ての脂肪族オキシグリシルポリオールが図1に示す自己集合化及びゲル化の形態をとっているとは限らない)。
該脂肪族オキシグリシルポリオール分子(a)は疎水性部位である高級アルコール由来の部分を中心として集合し(b)、自己集合化により自己集合体(c)を形成する。自己集合体の形状は限定されないが、筒状又は板状の形状が挙げられる。
なお、本発明のゲル化剤が、植物油などの疎水性の有機溶液中に投入されると、今度は反対に前記式(1)におけるグリシン由来の部分並びにポリオール由来の部分が親水的にパッキングするように自己集合化し、自己集合体が形成される。
[ゲル]
上記自己集合体が水、アルコール、水溶液、アルコール溶液又は親水性有機溶液等の水性媒体中で形成されると、この自己集合体が三次元網目構造を形成し(例えば図1における(d)参照)、さらに、自己集合体表面の親水性部位(グリシン由来部分、ポリオール由来部分)と水性媒体間で非共有結合を形成して膨潤することにより、水性媒体がゲル化し、ヒドロゲルが形成される。
また、上記自己集合体が植物油(疎水性有機溶液)などの疎水性媒体中で形成されると、この自己集合体が同様に三次元網目構造を形成しさらに、自己集合体表面の疎水性部位(高級アルコール由来部分)と疎水性媒体が疎水性相互作用によって集合することにより、疎水性媒体がゲル化し、ゲルが形成される。
上記水性媒体は、ゲル化剤の自己集合化やゲル化を妨げるものでなければ特に限定されないが、好ましい具体例として、水又は水に無機塩又は有機塩を溶解させた水溶液(本明細書において水溶液と称する。)、アルコール又は水とアルコールの混合溶液(本明細書においてアルコール溶液と称する。)、水と親水性有機溶媒の混合溶液(本明細書において親水性有機溶液と称する。)を用いることができる。
前記アルコールは、好ましくは水に自由に溶解する水溶性アルコールであり、より好ましくは炭素原子数1乃至6のアルコール、多価アルコール、高級アルコール、グリセライド類が挙げられる。
具体的には、炭素原子数1乃至6のアルコールとしてはメタノール、エタノール、2−プロパノール又はi−ブタノール等;多価アルコールとしてはエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等;高級アルコールとしてはオクチルドデカノール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール等;グリセライド類としてはトリオクタノイン、トリ(カプリルカプリル酸)グリセリル、ステアリン酸グリセリル等が挙げられる。
前記親水性有機溶媒とはアルコール以外の有機溶媒であって、かつ水に任意の割合で溶解する有機溶媒を意味する。用いる親水性有機溶媒の例としては、アセトン又はジオキサンなどが挙げられる。
前記無機塩又は有機塩は、複数種を加えても良いが、好ましくは1又は2種である。塩を2種類加えることで、溶液が緩衝能をもつことも望ましい。
好ましい無機塩の例としては無機炭酸塩、無機硫酸塩、無機リン酸塩及び無機リン酸水素塩が挙げられる。より好ましくは、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム又はリン酸二水素ナトリウムであり、さらに好ましくは炭酸カルシウム、硫酸マグネシウム、リン酸水素二ナトリウム又はリン酸二水素ナトリウムである。
又、好ましい有機塩の例としては、有機アミンの塩酸塩若しくは有機アミン酢酸塩が挙げられる。より好ましくはエチレンジアミン塩酸塩、エチレンジアミン四酢酸塩、トリスヒドロキシメチルアミノメタン塩酸塩である。
上記疎水性媒体は、ゲル化剤の自己集合化やゲル化を妨げるものでなければ特に限定されないが、好ましい具体例として、植物油、エステル類及び炭化水素類からなる群から選択される少なくとも一種の疎水性有機溶媒の溶液を用いることができる。
上記疎水性媒体の好ましい具体例としては、例えばオリーブ油、ヤシ油、ヒマシ油、ホホバ油又はヒマワリ油等の植物油;オクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル又はパルミチン酸イソプロピル等のエステル類;ミネラルオイル又は水添ポリイソブテン等の炭化水素類が挙げられる。
なお本発明において、これら疎水性媒体を総称して疎水性有機溶液と称する。
また、本発明のゲル化剤を水性媒体に投入した際のヒドロゲル形成時のメカニズムとして以下の事項が考えられる。
即ち、ゲル化剤を構成する脂肪族オキシグリシルポリオールのヒドロキシ基部位(ポリオール由来部分)は、酸性から中性では水素原子の乖離が無くヒドロキシ基間の水素結合を形成し、自己集合化がなされる。一方、アルカリ性では水素原子が乖離し、そこに溶液中に存在する金属イオンが結合するため、その金属イオンを介して架橋し得、自己集合化がなされる。
以上のように、本発明のゲル化剤によって中性領域においても安定なゲルを形成することができる。また天然由来物質や安全性のある物質を原料とした低分子化合物である脂肪族オキシグリシルポリオールからなるゲル化剤であるため、ゲル化剤及びそれから得られるゲルとともに環境・生体内において分解可能であり、生体適合性の高いゲル化剤及びゲルを得ることができる。
このため、本発明のゲル化剤及びそれから得られるゲルは、細胞培養基材、細胞やタンパク質などの生体分子保存材、外用基材、医療用材料、生化学用材料、化粧品材料、食品用材料、コンタクトレンズ、紙おむつ、人工アクチュエーター、乾燥地農業用材、など様々な分野における材料に使用することができる。また、酵素などのバイオリアクター担体として、研究、医療、分析、各種産業に幅広く利用することができる。
しかも本発明のゲルは低分子化合物(脂肪族オキシグリシルポリオール)によって形成されたゲルであるため、該化合物の設定によって、例えば外部刺激応答性によりゾル−ゲル転換するゲルを形成できるなど、高分子鎖の修飾や共重合反応の実施と必要せずとも、様々な機能を容易に付加することが可能である。
以下、実施例を挙げて、本発明を更に詳しく説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものでない。
[実施例で用いる略記号]
以下の実施例で用いる略記号の意味は、次のとおりである。
Gly:グリシン
Ala:アラニン
[長鎖グリシルポリオールの合成]
例1:式(1)で表される長鎖グリシルポリオール(脂肪族オキシグリシルポリオール)の合成
Figure 0005702278
オレイルアルコール(20.0g,74.5mmol)、グリシン(6.2g,82.6mmol)をトルエン(400mL)に懸濁させ、p−トルエンスルホン酸一水和物(23.6g,124mmol)を加えて4時間加熱還流した。放冷後、減圧下で半分以下の量まで濃縮し、塩化メチレンで希釈後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄した。
有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過後、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル200g,メタノール:塩化メチレン=0:100〜1:30)にて精製し、目的化合物(17.9g,55.0mmol,収率67%)を茶色液体として得た。
このようにして得られた化合物(17.9g,55.0mmol)をエタノール(350mL)に溶解し、D−(+)−グルコノ−1,5−ラクトン(9.8g,55.0mmol)を加えて5時間加熱還流した。放冷後、室温で一晩ゆっくり攪拌し、生じた結晶をろ過、メタノールで洗浄、乾燥して式(1)で表される脂肪族オキシグリシルポリオール(17.5g,34.7mmol,収率63%)を白色結晶として得た。
1H NMR(500MHz DMSO−d6 δppm):7.99(1H,t,J=5.8Hz 1NH Gly),5.49(1H,d,J=5.2Hz,−OH),5.4−5.3(2H,m,−CH=CH−),4.54(1H,d,J=5.2Hz,−OH),4.47(1H,d,J=5.8Hz,−OH),4.37(1H,d,J=7.4Hz,−OH),4.34(1H,t,J=5.5Hz,−CH2−OH),4.08−4.01(3H,m,−CH(OH)−,−CH2O−),3.94−3.89(2H,m,−CH(OH)−,α−CH Gly),3.77(1H,m,α−CH Gly),3.57(1H,m,−CH2−OH),3.52−3.44(2H,m,−CH(OH)−×2),3.38(1H,m,−CH2−OH),2.0−1.9(4H,m,−CH2−CH=CH−CH2−),1.58−1.52(2H,m,−CH2−),1.34−1.20(22H,m,−CH2−),0.85(3H,t,J=7.1Hz,CH3
・FT−MS +m/z calc.for C26H50O8N1 [M+H]+504.35364,found 504.3541
例2:式(2)で表される長鎖グリシルポリオール(脂肪族オキシグリシルポリオール)の合成
Figure 0005702278
オクタデカノール(7.9g,29.2mmol)、グリシン(2.0g,26.6mmol)をトルエン(80mL)に懸濁させ、pトルエンスルホン酸一水和物(6.6g,34.7mmol)を加えて18時間加熱還流した。放冷後、塩化メチレンで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄した後、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過後、減圧下で濃縮した。得られた残渣に4M 塩酸ジオキサン溶液(20mL)加え、減圧下で濃縮後、生じた結晶をろ過し、酢酸エチルで洗浄した。結晶を再度塩化メチレンに溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で分液し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した後、ろ過、減圧下での濃縮を経て、目的化合物(5.5g,16.8mmol,収率63%)を白色固体として得た。
上記のようにして得られた化合物(5.5g,16.8mmol)をエタノール(100mL)に懸濁し、D−(+)−グルコノ−1,5−ラクトン(3.0g,16.8mmol)を加えて5時間加熱還流した。放冷後、室温で一晩ゆっくり攪拌し、生じた結晶をろ過後、塩化メチレンで洗浄し、乾燥して式(2)で表される脂肪族オキシグリシルポリオール(6.1g,12.1mmol,収率72%)を白色結晶として得た。
1H NMR(500MHz DMSO−d6 δppm):7.92(1H,t,J=5.8Hz 1NH Gly),5.40(1H,d,J=4.9Hz,−OH),4.46(1H,d,J=5.2Hz,−OH),4.40(1H,d,J=5.5Hz,−OH),4.30(1H,d,J=7.0Hz,−OH),4.27(1H,t,J=5.5Hz,−CH2−OH),4.08−4.02(3H,m,−CH(OH)−,−CH2O−),3.94−3.88(2H,m,−CH(OH)−,α−CH Gly),3.79(1H,m,α−CH Gly),3.58(1H,m,−CH2−OH),3.52−3.44(2H,m,−CH(OH)−×2),3.38(1H,m,−CH2−OH),1.60−1.54(2H,m,−CH2−),1.35−1.20(30H,m,−CH2−),0.86(3H,t,J=7.1Hz,CH3
・FT−MS +m/z calc.for C26H52O8N1 [M+H]+506.36929,found 506.3696
例3:式(3)で表される長鎖グリシルポリオールの合成
Figure 0005702278
ステアリルアミン(200mg,0.74mmol)、N−Boc−グリシン(156mg,0.89mmol)を塩化メチレン(4mL)に懸濁させ、WSC(水溶性カルボジイミド:185mg,0.96mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(126mL,0.74mmol)を加えて4時間攪拌した。塩化メチレンで希釈後、1M 塩酸水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄した。
有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過後、減圧下で濃縮した。得られた残渣を塩化メチレン(4mL)に溶解し、4M 塩酸ジオキサン溶液(3mL)加えて3時間攪拌し、生じた結晶をろ過した後、塩化メチレンで洗浄した。得られた結晶を再度塩化メチレンに溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で分液し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した後、ろ過、減圧下での濃縮を経て、目的化合物(106mg,0.32mmol,収率43% for 2steps)を白色結晶として得た。
上記のようにして得られた化合物(100mg,0.31mmol)をエタノール(5mL)に溶解し、D−(+)−グルコノ−1,5−ラクトン(55mg,0.31mmol)を加えて3時間加熱還流した。放冷後、室温で一晩ゆっくり攪拌し、生じた結晶をろ過後、メタノールで洗浄、乾燥して式(3)で表される長鎖グリシルポリオール(110mg,0.22mmol,収率70%)を白色結晶として得た。
1H NMR(500MHz DMSO−d6 δppm):7.94(1H,t,J=5.8Hz 1NH Gly),7.73(1H,t,J=5.8Hz,−NH−),5.60(1H,d,J=4.6Hz,−OH),4.63(1H,d,J=6.2Hz,−OH),4.59(1H,d,J=5.5Hz,−OH),4.54(1H,d,J=7.0Hz,−OH),4.36(1H,t,J=5.5Hz,−CH2−OH),4.05(1H,m,−CH(OH)−),3.92(1H,m,−CH(OH)−),3.73(1H,m,α−CH Gly),3.64−3.42(4H,m,α−CH Gly,−CH2−OH,−CH(OH)−×2),3.37(1H,m,−CH(OH)−),3.10−2.96(2H,m,−CH2NHCO−),1.42−1.32(2H,m,−CH2−),1.30−1.20(30H,m,−CH2−),0.85(3H,t,J=7.1Hz,CH3
・FT−MS +m/z calc.for C26H53O7N2 [M+H]+505.38528,found 505.3856
例4:式(4)で表される長鎖グリシルポリオールの合成
Figure 0005702278
ウンデカノール(304mL,1.47mmol)、グリシン(100mg,1.33mmol)をトルエン(2mL)に懸濁させ、p−トルエンスルホン酸一水和物(330mg,1.73mmol)を加えて3時間加熱還流した。放冷後、塩化メチレンで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄した後、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後、減圧下で濃縮した。得られた残渣に4M 塩酸ジオキサン溶液(3mL)加え、減圧下で濃縮後、生じた結晶をろ過し、酢酸エチルで洗浄した。結晶を再度塩化メチレンに溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で分液し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過、減圧下での濃縮を経て、目的化合物(259mg,1.13mmol,収率85%)を薄黄色液体として得た。
上記のようにして得られた化合物(212mg,0.92mmol)をエタノール(4mL)に溶解し、D−(+)−グルコノ−1,5−ラクトン14(165mg,0.92mmol)を加えて3時間加熱還流した。放冷後、室温で一晩ゆっくり攪拌し、生じた結晶をろ過、塩化メチレンで洗浄、乾燥して式(4)で表される長鎖グリシルポリオール(268mg,0.66mmol,収率71%)を白色結晶として得た。
1H NMR(500MHz DMSO−d6 δppm):8.00(1H,t,J=5.8Hz 1NH Gly),5.49(1H,d,J=5.2Hz,−OH),4.54(1H,d,J=5.2Hz,−OH),4.48(1H,d,J=5.8Hz,−OH),4.38(1H,d,J=7.3Hz,−OH),4.34(1H,t,J=5.8Hz,−CH2−OH),4.08−4.02(3H,m,−CH(OH)−,−CH2O−),3.94−3.88(2H,m,−CH(OH)−,α−CHGly),3.77(1H,m,α−CH Gly),3.58(1H,m,−CH2−OH),3.52−3.44(2H,m,−CH(OH)−×2),3.38(1H,m,−CH2−OH),1.60−1.54(2H,m,−CH2−),1.35−1.20(16H,m,−CH2−),0.86(3H,t,J=7.1Hz,CH3
・FT−MS +m/z calc.for C19H38O8N1 [M+H]+408.25974,found 408.2589
例5 式(5)で表される長鎖グリシルポリオールの合成
Figure 0005702278
オレイルアルコール(330mg,1.23mmol)、L−アラニン(100mg,1.12mmol)をトルエン(4mL)に懸濁させ、p−トルエンスルホン酸一水和物(278mg,1.46mmol)を加えて3時間加熱還流した。放冷後、塩化メチレンで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄した後、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル2g,メタノール:塩化メチレン=0:100〜1:30)にて精製し、目的化合物(358mg,1.06mmol,収率95%)を茶色シロップとして得た。
このようにして得られた化合物(304mg,0.90mmol)をエタノール(8mL)に溶解させ、D−(+)−グルコノ−1,5−ラクトン(161mg,0.90mmol)を加えて3時間加熱還流した。放冷後、減圧下濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル6g,メタノール:塩化メチレン=0:100〜1:50〜1:30)にて精製し、式(5)で表される長鎖グリシルポリオール(116mg,0.22mmol,収率25%)を白色結晶として得た。
1H NMR(500MHz DMSO−d6 δppm):7.90(1H,d,J=7.3Hz 1NH Ala),5.39(1H,d,J=5.5Hz,−OH),5.38−5.3(2H,m,−CH=CH−),4.53(1H,d,J=5.2Hz,−OH),4.44(1H,d,J=5.8Hz,−OH),4.38−4.25(3H,m,−OH,−CH2−OH,α−CH Ala),4.10−3.98(3H,m,−CH(OH)−,−CH2O−),3.89(1H,m,−CH(OH)−),3.58(1H,m,−CH2−OH),3.52−3.44(2H,m,−CH(OH)−×2),2.0−1.9(4H,m,−CH2−CH=CH−CH2−),1.60−1.52(2H,m,−CH2−),1.34−1.20(25H,m,−CH2−,CH3 Ala),0.85(3H,t,J=7.1Hz,CH3
*ただし、−CH2−OHの1H分は、3.3ppm水ピーク中に含む。
・FT−MS +m/z calc.for C27H52O8N1 [M+H]+518.36929,found 518.3699
例6 式(6)で表される長鎖グリシルポリオールの合成
Figure 0005702278
オレイルアルコール(225mg,0.84mmol)、グリシン(63mg,0.84mmol)をトルエン(3mL)に懸濁させ、p−トルエンスルホン酸一水和物(211mg,1.11mmol)を加えて5時間加熱還流した。放冷後、塩化メチレンで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄した後、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過後、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル2g,メタノール:塩化メチレン=0:100〜1:30)にて精製し、目的化合物(219mg,0.67mmol,収率80%)を茶色液体として得た。
上記のようにして得られた化合物(219mg,0.67mmol)をエタノール(5mL)に溶解し、D−グルコヘプトノ−1,4−ラクトン(140mg,0.67mmol)を加えて4時間加熱還流した。放冷後、室温で一晩ゆっくり攪拌し、生じた結晶をろ過後、エタノールで洗浄し、乾燥して式(6)で表される長鎖グリシルポリオール(176mg,0.33mmol,収率49%)を白色結晶として得た。
1H NMR(500MHz DMSO−d6 δppm):8.23(1H,t,J=6.1Hz 1NH Gly),5.74(1H,d,J=6.4Hz,−OH),5.4−5.3(2H,m,−CH=CH−),4.79(1H,d,J=4.3Hz,−OH),4.46(1H,d,J=5.5Hz,−OH),4.44(1H,d,J=5.2Hz,−OH),4.35(1H,d,J=6.7Hz,−OH),4.32(1H,t,J=5.8Hz,−CH2−OH),4.06−3.98(3H,m,−CH2O−,−CH(OH)−),3.92−3.82(3H,m,−CH(OH)−,α−CH×2 Gly),3.71(1H,m,−CH(OH)−),3.57(1H,m,−CH2−OH),3.52−3.44(2H,m,−CH(OH)−×2),2.0−1.9(4H,m,−CH2−CH=CH−CH2−),1.60−1.52(2H,m,−CH2−),1.34−1.20(22H,m,−CH2−),0.85(3H,t,J=7.1Hz,CH3
*ただし、−CH2−OHの1H分は、3.3ppm水ピーク中に含む。
・FT−MS +m/z calc. for C27H52O9N1 [M+H]+534.36421,found 534.3646
実施例1:純水によるゲル化の評価
上記例1乃至例6で合成された長鎖グリシルポリオールを用い、スクリュー管(マルエムNo1、(株)マルエム製)中で、これら長鎖グリシルポリオールの濃度が1%、2%あるいは5%(w/v)となるように超純水(栗田工業(株)製)を加え、ヒートブロック恒温糟(日本ジェネティクス(株)製)で、100℃に加熱し、その後、室温に24時間放置した。溶液の流動性が失われて、スクリュー管を倒置しても溶液が流れ落ちない状態を「ゲル化(○)」と判定した。得られた結果を表1に示す。
例1で調製した前記式(1)で表される長鎖グリシルポリオールは、1%および2%濃度(w/v)ではゾルが形成したが、5%濃度(w/v)においてゲル化が認められた。
また例2で調製した前記式(2)で表される長鎖グリシルポリオールは、1%濃度(w/v)ではゾルが形成したが、2%濃度(w/v)においてゲル化が認められた。
さらに、例6で調製した前記式(6)で表される長鎖グリシルポリオールは、2%濃度(w/v)においてゲル化が認められた。
Figure 0005702278
実施例2:ポリエチレングリコール400(PEG400)によるゲル化の評価
上記例1乃至例6で合成された長鎖グリシルポリオールを用い、スクリュー管(マルエムNo1、(株)マルエム製)中で、これら長鎖グリシルポリオールの濃度が0.5%、1%、2%あるいは5%(w/v)となるようにPEG400(和光純薬工業(株)製)を加え、ヒートブロック恒温糟(日本ジェネティクス(株)製)で、100℃に加熱し、その後、室温に24時間放置した。溶液の流動性が失われて、スクリュー管を倒置しても溶液が流れ落ちない状態を「ゲル化(○)」と判定した。得られた結果を表1に示す。
例1で調製した前記式(1)で表される長鎖グリシルポリオールは、0.5%濃度(w/v)ではゾルが形成したが、1%および2%濃度(w/v)においてゲル化が認められた。
また、例2で調製した前記式(2)で表される長鎖グリシルポリオールは、5%濃度(w/v)においてゲル化が認められた。
さらに、例4で調製した前記式(4)で表される長鎖グリシルポリオールは、2%濃度(w/v)において、例5で調製した前記式(5)で表される長鎖グリシルポリオールは5%濃度(w/v)においてそれぞれゲル化が認められた。
Figure 0005702278
実施例3:オリーブオイル、エタノール、水溶液(pH=8)によるゲル化の評価
上記例1で合成された前記式(1)で表される長鎖グリシルポリオールを、これらの濃度がスクリュー管(マルエムNo1、(株)マルエム製)中で、0.5%あるいは1%(w/v)になるようにオリーブオイル(和光純薬工業(株)製)、エタノール又は水溶液(6N 水酸化ナトリウム(純正化学(株)製)を水で希釈してpH=8に調整)を加え、ヒートブロック恒温糟(日本ジェネティクス(株)製)で、100℃に加熱し、その後、室温に2〜24時間放置した。溶液の流動性が失われて、スクリュー管を倒置しても溶液が流れ落ちない状態を「ゲル化(○)」と判定した。得られた結果を表3に示す。
Figure 0005702278
例1で調製した前記式(1)で表される長鎖グリシルポリオールは、1%濃度(w/v)において、オリーブオイル、エタノールおよび水溶液(pH=8)を媒体とした時に、ゲル化が認められた。
参考:エタノール、水溶液(pH=8)によるゲル化の評価
上記例2で合成された前記式(2)で表される長鎖グリシルポリオールを、これらの濃度がスクリュー管(マルエムNo1、(株)マルエム製)中で、2%あるいは5%(w/v)になるようにエタノール又は水溶液(6N 水酸化ナトリウム(純正化学(株)製)を水で希釈してpH=8に調整)を加え、ヒートブロック恒温糟(日本ジェネティクス(株)製)で、100℃に加熱し、その後、室温に2〜24時間放置した。溶液の流動性が失われて、スクリュー管を倒置しても溶液が流れ落ちない状態を「ゲル化(○)」と判定した。得られた結果を表4に示す。
Figure 0005702278
例2で調製した前記式(2)で表される長鎖グリシルポリオールは、エタノール及び水溶液(pH=8)を媒体とした時、5%濃度(w/v)においてゲル化が認められ、また水溶液(pH=8)を媒体では、2%濃度(w/v)においてもゲル化が認められた。
上記結果に示すとおり、例1で調製した前記式(1)で表される長鎖グリシルポリオール、並びに、例2で調製した前記式(2)で表される長鎖グリシルポリオールは、水、PEG400、エタノール、水溶液(pH=8)のいずれにおいてもゲルを形成することができた。また例1で調製した前記式(1)で表される長鎖グリシルポリオールはオリーブオイルを媒体とした場合においてもゲルを形成できた。
本発明によるゲル化剤及びそれから得られるゲルは、酸性領域からアルカリ性領域に亘って広い液性において、特に中性条件下でも安定にゲル構造を保つことができ、生体適合性が非常に高いことから、各種機能性材料としての用途に好適である。
例えば、上述の広い液性に適する観点から、洗浄剤(医療用、生活用、工業用等)、ゾル・ゲル化剤(化粧品、その他日用品用途)、色素安定用途のゲル化剤、食品用添加剤(酸性食品、アルカリ性食品、中性食品等)などの用途に好適である。
また、中性領域においては細胞培養基材や皮膚基材等、生物・生化学向け材料として、酸性領域においては、胃酸調整剤、腸溶性製剤、満腹感による生分解性抗メタボリック剤などの医薬品製剤の基材として、ペクチン等を含有する酸性乳飲料を製造する際の安定剤や添加剤として、或いはアルカリ土壌の改良用途等に用いることができる。
さらにアルカリ性領域においては、アルカリ性飲料、乳飲料を製造する際に安定剤や添加剤として、各種アルカリ性酵素(アルカリプロテアーゼ、アルカリセラーゼ、アルカリアミラーゼ、アルカリキシラーゼ、アルカリぺクチン酸リアーゼ等)を用いた触媒反応向け用途として、好アルカリ性菌の産業利用において、アルカリ電池等に用いるゲル化剤として、酸性土壌の改良剤用途として、その他バイオリアクター、洗剤・石鹸、化粧品、創薬、分析検査等、各種産業に利用における基材、反応添加剤、促進剤として用いることができる。
図1はゲル化剤を水性媒体に投入した場合の自己集合化及びそれに続くゲル化の概念図を示す図である。

Claims (10)

  1. 式(1):
    Figure 0005702278
    (式中、Rは1個の二重結合を持つ炭素原子数18乃至20の不飽和脂肪族基を表す。)で表される脂肪族オキシグリシルポリオール又はその薬学的に使用可能な塩から成る事を特徴とするゲル化剤。
  2. が1個の二重結合を持つ炭素原子数18の不飽和脂肪族基を表す、請求項1記載のゲル化剤。
  3. がオレイル基である、請求項1記載のゲル化剤。
  4. 請求項1乃至請求項3のうちいずれか一項に記載のゲル化剤の自己集合化により形成される自己集合体。
  5. 請求項1乃至請求項3のうちいずれか一項に記載のゲル化剤又は請求項4記載の自己集合体と、水、アルコール、水溶液、アルコール溶液、親水性有機溶液又は疎水性有機溶液より成るゲル。
  6. 前記アルコール溶液がメタノール、エタノール、2−プロパノール及びi−ブタノールからなる群から選択される少なくとも一種のアルコールの溶液である、請求項5記載のゲル。
  7. 前記親水性有機溶液が、アセトン及びジオキサンからなる群から選択される少なくとも一種の親水性有機溶媒の溶液である、請求項5記載のゲル。
  8. 前記水溶液が、無機炭酸塩、無機硫酸塩、無機リン酸塩及び無機リン酸水素塩からなる群から選択される少なくとも一種の無機塩、又は、有機アミン塩酸塩及び有機アミン酢酸塩からなる群から選択される少なくとも一種の有機塩を溶解させた水溶液である、請求項5記載のゲル。
  9. 前記無機塩が、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム及びリン酸二水素ナトリウムからなる群から選択される少なくとも一種の無機塩であり、
    前記有機塩が、エチレンジアミン塩酸塩、エチレンジアミン四酢酸塩及びトリスヒドロキシメチルアミノメタン塩酸塩からなる群から選択される少なくとも一種の有機塩である、請求項8記載のゲル。
  10. 前記疎水性有機溶液が、植物油、エステル類及び炭化水素類からなる群から選択される少なくとも一種の疎水性有機溶媒の溶液である、請求項5記載のゲル。
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