JP5700405B2 - 包装材料用組成物 - Google Patents
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Description
例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)/印刷インキ層/紙基材層(繊維質キャリア層)/LDPE(接着用押出ラミネート層)/アルミニウム箔(ガスバリア層)/LDPE/LDPE、LDPE/印刷インキ層/紙基材層/LDPE/LDPE、印刷インキ層/LDPE/紙基材層/LDPE/LDPE、また、LDPE/印刷インキ層/紙基材層/LDPE/アルミニウム箔/ポリエステル(PET)等の積層包装材料がある。
中身製品の品質を維持するためには、中身製品の芳香、風味などが包装材料を透過して外部に飛散することを防止する、又はその芳香、風味などを、中身製品と接触する包装材料が吸収することを防止する、若しくは、包装材料から異臭物などが中身製品に染み出しその芳香、風味など阻害することを防止する保香性と、中身製品の品質を阻害する気体(酸素ガスなど)が包装容器の積層材料器壁などを透過して中身製品を保護するガスバリア性が包装材料に必要になり、保香性及びガスバリア性を十分に具える包装材料が好ましい。
食品衛生法適合の食品添加物である白色顔料の二酸化チタンとしては、99%以上の高純度酸化チタンがある。この二酸化チタンの白色顔料は、衛生上、衛生管理上、及び食品の印象上から食品用途で意義を持つ。(特許文献2参照)
しかしながら、多層構成とするために、その積層体を製造するためのラミネート/接合設備が必要となって複雑化すると共に、機能層と別の機能層との間にそれらを接合する接着剤層を必要とするようになり、更に多層化に拍車がかかる。
この発明は、多機能を維持しつつ、多層化を抑制して、所望の容器に不要な樹脂を使用する必要がない包装材料用組成物、その組成物を用いた包装材料及び包装容器を提供することを目的とする。
この発明の包装材料用組成物、その組成物を用いた包装材料及び包装容器は、メタロセン系触媒を使用して得られた高密度ポリエチレン(mHDPE)90wt%から60wt%と、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)10wt%から40wt%との混練物(ブレンド物)からなる。
この混練物中で、主成分をなす高密度ポリエチレン(mHDPE)は、密度0.942以上のポリエチレンと定義されている。この発明において、高密度ポリエチレンは、メタロセン系触媒を使用して得られたポリマーである。重合に用いられる触媒は、触媒としての活性が非常に高いメタロセン触媒であり、重合されたポリマーの分子量分布が極めて狭い特徴を持つ。また、異なる分子量を生成する活性点を持つバイモーダル型メタロセン触媒も使用することができる。
上記の高密度ポリエチレンは、包装材料において、種々の作用・機能を果たすことができ、例えば、液密のための耐水性として、ヒートシールのためのシーラント性などである。
メタロセン系高密度ポリエチレン90〜60wt%とエチレンビニルアルコール共重合体10〜40wt%との混練比でブレンドされる。上記の混練比の範囲内で、混練物中で、良好に、EVOHが島に相当しmHDPEが海に相当する海島構造状に分散され、上記範囲から外れると所望の海島構造を得ることが難しくなる。
一般的に、ダイスウェルとは押出成形において溶融物の径がダイの径よりも大きくなる現象であり、ダイスウェルや溶融張力が大きい樹脂ほど内容積の大きい製品の成形が可能となる。
この発明において、ダイスウェル若しくは、ダイスウェル比とは、キャピラリー粘度測定器を使用し、ダイス径1.0mm、長さ10mm、温度190℃の測定条件において、ピストン速度を200mm、500mm/minに設定した時のストランド径をレーザー測定し、ダイス径1.0mmで割って得た値(比率)である。
また、エチレンビニルアルコール共重合体が、35〜50モルのエチレン含有量、10〜20g/10min(210℃)のMFR、好ましくは7〜20g/10minのMFRを有し、混練物中のエチレンビニルアルコール共重合体の粒径が20〜100μmである、
上記の条件、状態において、高密度ポリエチレンとエチレンビニルアルコール共重合体とが各々の機能を損なうことなく、混練物を使用することができる。
添加剤を加えることなく、無添加物とし包装材料や包装容器に使用することができる。
また、好ましい態様において、混練物は、2軸押出し機により混練されたものである。
高密度ポリエチレンとエチレンビニルアルコール共重合体とのブンレドは、製造プロセスの管理と生産性から、2軸押出し機により行うことができるからである。
この形態の包装材料用組成物、その組成物を用いた包装材料及び包装容器は、メタロセン系触媒を使用して得られた高密度ポリエチレン(mHDPE)90〜60wt%と、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)10〜40wt%との混練物(ブレンド物)からなる。
この形態において、メタロセン系触媒を使用して得られた高密度ポリエチレンは、包装材料において、種々の機能を果し、例えば、液密のための耐水性、ヒートシールのためのシーラント性、包装材料に機械的強度を付与する支持材などとして機能する。
この発明による形態において、この組成物にEVOHがブレンドされるが、このブレンドによって、上記高密度ポリエチレンの上記機能が損なわれることが最小限に抑えられる。例えば、上記強度低下を30%以内に抑えることができ、ブレンドの最適化により更にその低下劣化を低減することができる。
上記形態の混練比の範囲内で、混練物中で、良好に、EVOHが島に相当しmHDPEが海に相当する海島構造状に分散され、上記範囲から外れると所望の海島構造を得ることが難しくなる。
ダイスウェルは、プラスチック押出成形において溶融物の径がダイの径よりも大きくなる現象を指す。この形態において、ダイスウェル若しくは、ダイスウェル比(DS)とは、ダイス径1.0mm、長さ10mmのキャピラリー粘度測定器を使用し、温度190℃、ピストン速度200mm、500mm/minの設定で、ストランド径をレーザー測定し、ダイス径1.0mmで割って得た比率である。
この形態においては、エチレンビニルアルコール共重合体が、35〜50モルのエチレン含有量、10〜20g/10min(210℃)のMFR、好ましくは7〜20g/10minのMFRを有する。
混練物中のエチレンビニルアルコール共重合体の粒径が20〜100μmである。ブレンド(一次のブレンド)時に、流動時の弾性の低いもの使用することで、得ることができる。
このような形態で、高密度ポリエチレンとエチレンビニルアルコール共重合体とが各々の機能を損なうことない。
更に、好ましい態様において、混練物は、製造プロセスの管理と生産性の観点から、2軸押出し機により混練されたものである。
製造される包装容器には、レンガ型包装容器、屋根型包装容器、紙製本体と本体端にインジェクション成形されたプラスチックの蓋とからなる複合容器、及び紙製本体と本体端に接合されたプラスチック頂部とからなる複合容器などがある。
更に、上記の組成物を用いて、容器用の蓋、ストローなどを成形することもできる。
mHDPEとEVOHとを、それぞれ70wt%とEVOH30wt%との割合で、異方向、噛合い型の2軸押出し機に装填し、混練した。
比較のために、従来型(Ziglar−Natta)触媒で製造されている高密度ポリエチレン(HDPE)樹脂を、0.6mmの平板に成型し酸素透過度を測定した。
実施例の樹脂の酸素透過度は、比較例の樹脂の酸素透過度の概ね半分となり、概ね2倍の酸素バリアー性を示した。
機械的強度について、実施例の樹脂の強度は、比較例の樹脂の強度と比べて30%以下の低下に過ぎなかった。
上記に実証されるように、バリア性などの機能を維持しつつ、接着剤層などの追加による多層化を抑制して、所望の容器に不要な樹脂、添加剤を使用する必要がない包装材料用組成物を提供することができた。
Claims (1)
- メタロセン系触媒を使用して得られた高密度ポリエチレン90wt%から60wt%と、エチレンビニルアルコール共重合体10wt%から40wt%との混練物からなる包装材料用及び包装容器用の組成物であって、
該高密度ポリエチレンが、950〜970kg/m3の密度、3.0〜30g/10min(190℃)のMFR、1.2〜1.6のダイスウェルを有し、
該エチレンビニルアルコール共重合体が、35〜50モルのエチレン含有量、10〜20g/10min(210℃)のMFRを有し、該混練物中の該エチレンビニルアルコール共重合体の粒子の粒径が20〜100μmの範囲内であり、
該混練物からなる該組成物は、添加剤を含有しない
ことを特徴とする包装材料用組成物。
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