JP5697982B2 - 複数の変換層を持つ放射線検出器、x線検出器および画像形成システム - Google Patents

複数の変換層を持つ放射線検出器、x線検出器および画像形成システム Download PDF

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Description

本発明は、入射フォトン(光子)を電気信号に変換するための少なくとも2つの変換層を有する放射線検出器に関する。さらに、本発明は、X線検出器及びこのような放射線検出器を有する画像形成システムに関する。
米国特許出願に係る文献のUS7022996B2は、ケイ素(Si)及びCdZnTe(CZT)又はCdTeの変換層の組み合わせを有する放射線検出器を開示している。この構成によれば、低いエネルギ放射線が高分解能を有するSi層により吸収されるとともに、高エネルギ放射線は、高エネルギ放射線に対して高い検出効率を有する他の層により吸収される。この放射線検出器は、数10eVの範囲で高エネルギ分解能でγ放射線の検出のために特に適している。
かかる状況に鑑み、本発明の目的は、放射線、特にX線及びγ線を検出する代替手段であって、スペクトル的に分解する画像形成システムに適用可能な手段を提供することである。
この目的は、請求項1による放射線検出器、請求項16によるX線検出器、及び請求項17による画像形成システムにより達成される。好適な実施例は、従属請求項に開示される。
本発明による放射線検出器は、平均的に、以下において「主放射方向」と呼ばれる所定の方向に沿って伝搬する電磁放射線、特にX線又はγ線の量的及び/又は質的検出のために役立つものとなる。この放射線検出器は、次の構成部を有する。
a)少なくとも1つの変換層。これは、参考のため以下において「主変換層」と呼ばれ、検出されるフォトン(光子)の低減衰係数を有するものである。この主変換層とともに、エネルギ分解計数電子回路部(energy-resolving counting electronics)[以下では「ERCE」と略される]が設けられ、当該電子回路部は、入射フォトンの変換により主変換層において発生した電気的パルスを計数しこれらパルスを当該変換されたフォトンのエネルギによって(例えば、所定数のカテゴリに)分類するために機能するものとされる。
通常、「減衰係数」は、(その幾何学的構造とは関係なく)材料の固有の減衰性能を表すものである。したがって、放射線ビームの強度は、減衰係数μ及び厚さxを有する材料を通じた後にはexp(−μx)の係数で下降することになる。さらに注記すれば、減衰係数は、通常は入射放射線のエネルギEに依存することになる。すなわち、減衰係数の最も完全な表現は、様々な値μ(E)に対応するものであり、適切な単一値は、これから、例えばその様々な値の群の平均をとることによって得ることができる。
主変換層は、大抵、単純な幾何学的構造、特に立方体状又は凡そ平坦なシート状の形態を有するものとなり、均質な(純粋又は複合の)物質からなるのが普通のものとなる。入射フォトンは、大抵、主変換層における自由電荷(例えば、電子正孔対)を形成することとなり、かかる電荷を、印加される電界及びERCEに結合される関連の電極によって電気(電圧又は電荷)パルスとして検出することができる。
b)少なくとも1つの他の変換層。これは、参考のために以下にある「副変換層」と呼ばれ、入射フォトンの変換により当該副変換層において発生した電気信号のための関連の読出電子回路と共に設けられるものである。副変換層及び/又は関連の読出電子回路は、オプションとしては、主変換層及びERCEと、それぞれ、デザイン的に同一又は同様のものとすることができる。但し、本発明の好適実施例は、主変換層及び副変換層が互いに異なるものが以下に説明されることとなる。
低い減衰係数、すなわち入射フォトンに対する阻止能を持つ主変換層を用いることによって、説明される放射線検出器は、入射フォトンの高い計数率を扱わなければならない用途に適している。このような状況は、例えばスペクトルコンピュータ断層撮影(CT)イメージングにおいて生じるものであり、平易な材料から形成される変換層の非現実的に小さい寸法が、計数率を実現可能な範囲に限定するために必要となると考えられる。低い減衰係数の主変換層を適用することによって、当該計数率を、実用的に可能な幾何学的デザインで限定することができる。
主変換層の減衰係数の絶対値は、所期の特定の用途の要件に応じたものである。本発明の好適実施例において、主変換層の減衰係数は、20keVないし150keVのエネルギ範囲においてSiのものの0.5ないし最大約4倍の範囲に及ぶ。最も好ましいのは、減衰係数がSiのものと同等のものとすることである。なお、X線又はγ線のような高エネルギフォトンが検出される場合、主変換層の減衰係数は、当該材料の原子番号Z及び質量密度に強く依存したものとなる。
特に適した材料は、シリコン(Si)であり、低阻止能のX線及びγ線を電気信号(電子正孔対)に変換することができ、低額で利用可能でかつ平易な半導体電子回路と両立することができるという利点がある。さらに、小さい形状で構成することも、Siには問題がなく、またこの材料は、非常にもろいCdTe又はCZTとは対照的に柔軟性もある。
X線又はγ線は、K蛍光の過程において変換材料に二次フォトンを発生させることもある。当該フォトンは、検出される前に他の検出器セル内へ移動することができるので、これは、対応する信号の空間的起源又はエネルギの誤った解釈を導きうるものである。したがって、主変換層及び/又は副変換層は、20keVないし150keVのエネルギ範囲内でK蛍光を呈しない変換材料を有することが好ましい。これに代えて、或いはこれに加えて、主変換層及び/又は副変換層は、当該20keVないし150keVのエネルギ範囲内において20%以下のみのK蛍光可能性を有する変換材料を有するものとしてもよい。かくして、不要なクロストーク効果を最小限にすることができる。
既に述べたこととして、副変換層は、主変換層とは異なる構成のものとすることができる。したがって、副変換層は特に、検出すべきフォトンの高い減衰係数又は阻止能を有することができる。したがって、これは、入射光子束が主変換層により低い値に既に低下させられている位置において適用されるのが好ましい。これに加え又はこれに代えて、副変換層の高阻止能は、残りのフォトン(主変換層の通過後に残存するもの)のうち、放射線が損失しないような、出来る限り多くのものを捕捉するために用いることができる。
上述したケースにおいて、副変換層の減衰係数は、特に、GaAs、CZT、CdTe、CsI、CWO及び/又はGOSのものと同等又はこれを上回るものとすることができる。
副変換層はさらに、オプションとして高原子番号Z及び高質量密度を持つ材料を有するようにしてもよい。適切な材料の特定の例には、GaAs、CZT、CdTe、CsI、CWO及びGOSが含まれる。
既に述べたように、主変換層の特定の目的は、直接変換層及び関連のERCEにより扱われなければならない計数率を制限することである。この点につき、主変換層の寸法及び/又は形状は、検出すべき入射フォトンの所定の最大強度に対して、当該直接変換層及びERCEにより分かる計数率は、所定の最大計数率未満、例えば毎秒約1000万カウント(10Mcps;10 Million counts per second)未満のままである。なお、この計数率は、主変換層がフォトンの入射ビームに露出される際の断面及び当該フォトンの主伝搬方向に対する変換層の厚さに依存する。主変換層の低い減衰係数のため、これらの寸法は、スペクトルCTのような通常の用途に対して実現可能な限度よりも大きい状態に維持されることが可能である。
主変換層及び副変換層の相対的構成に関して、これら層は、例えば、入射フォトンの主伝搬方向に関して並べて配置されるものとしてもよい。但し、好適実施例において、主変換層及び副変換層は、主放射方向において縦に積層される。したがって、入射フォトンは、2つの異なる変換層により順次に処理されることになる。
上述したケースにおいて、放射線検出器は、その動作の間、主変換層が副変換層の前にフォトンにより交差させられる(この実施例では「主」及び「副」なる用語に意味を持たせている)ように構成されることが特に好ましい。また、この状況において、フォトンは、原則的に、いずれの方向からも放射線検出器に照射されうるものである。但し、放射線検出器は、大抵は、シャッタ、散乱線除去グリッド、電子回路、ハウジングなどの如き付加的構成部(これらは当業者には自明なので詳しく述べない)を有することになり、これら構成部は、大抵、この検出器に対する特定の入射方向から検出器にフォトンを照射させることを専ら合理的なものとするようにして構成される。したがって、入射フォトンの主放射線方向が当該入射方向に一致する場合、フォトンは、最初に主変換層に当たりその後(変換されない場合に)副変換層へ当たることになる。これは、大抵、当該主放射線方向が当該各層(添付の図面に示されるようなもの)に直角であるケースである。ここで述べた当たりの順番は、元の(多数)のフォトンが、低減衰係数のためにごく僅かのフォトンしか影響を受けず当該計数率が当該関連の電子回路のために依然として扱いやすいものとしているところの主変換層と最初に遭遇するという利点がある。副変換層に届く光子束は、この層のより高い減衰係数が当該関連の電子回路により扱われなければならない結果として得られる計数率に関しての問題とはならないところ(いやそれどころか利点となるところ)のレベルに減少させられることになる。
本発明の他の変形例において、当該放射線検出器は、主放射方向に沿って縦に積層されたそれぞれのERCEとともに複数の主変換層を有する。したがって、各個別の主変換層は、当該フォトンの計数率を管理可能な値に限定するために、より小さく維持されることができる。
上述した構成の他の展開例において、種々の主変換層は、異なる厚さ、好ましくは主放射方向において増加する厚さを有する。したがって、主変換層の感知可能ボリュームは、期待される光子束(これは、主放射方向において連続的に減少する)に適合可能である。
本発明の他の実施例において、当該放射線検出器は、主放射方向において縦に積層される関連の読出電子回路とともに複数の対の副変換層を有する。ここでも、このような階層化デザインは、各個別の副変換層により扱われなければならない計数率を限定するために用いることができる。
副変換層に関連づけられる読出電子回路は、オプションとして、エネルギ分解計数電子回路(主変換層のERCEと同等又は同一の構成)により実現することができる。エネルギ分解計数は、特に、例えばCZT変換層と組み合わせで用いることができる。
他の実施例において、副変換層の読出電子回路は、副変換層において発生された電気信号を統合するような形態に構成可能である。このアプローチは、例えばGOS変換層との組み合わせにおいて特に有用である。何故なら、GOSが既知のエネルギ統合CTスキャナにおいて用いられる検証された材料であるからである。よって、このような実施例においては、エネルギ分解計数層は、GOS及びエネルギ統合読出電子回路に基づいた慣例のスキャナを、エネルギ分解計数層の各々がそれら自身のERCEを有して又は有せずして用いることができるように、除去可能に形成することができる。
本発明はさらに、X線に対して感応性のある上述した種類の放射線検出器を有するX線検出器に関するものである。さらに、本発明は、上述した種類の放射線検出器を有する画像形成システムに関し、当該画像形成装置は、特に、X線、CT(コンピュータ断層撮影)、PET(ポジトロン放射断層撮影法)、SPECT(単光子放射型コンピュータ断層撮影法)又は放射性映像法のものとすることができる。
上述した画像形成システムは、特に、例えば、フォトンが交差するオブジェクトのエネルギ依存性減衰係数を推定するためにERCEと読出電子回路とに結合された、関連ソフトウェアを伴うディジタルデータ処理ハードウェアにより実現される復元器を有するものとすることができる。このような復元器は、例えば、X線検査される材料のフォト、コンプトン及び/又はKエッジ係数を区別するためにスペクトルCTにおける放射線検出器の用途に特に有用なものとなりうる。
本発明のこれらの態様及びその他の態様は、以下に説明される実施例に基づいて明らかとなる。これら実施例は、添付図面を用いて例示により説明される。
Si及びGOS材料の組み合わせを持つX線検出器の層構造を概略的に示す図。 Si及びCZT材料の組み合わせを持つX線検出器の層構造を概略的に示す図。 同様の参照番号又は100の整数倍で異なる番号は、各図において同一又は同等の構成部を指し示す。
「スペクトルCT」は、X線管により発生されスキャンされるオブジェクトを通過する多色性X線ビームに含まれるスペクトル情報が新しい診断上重要な情報を提供するために用いられるようにして現行のCTシステムに改革をもたらす可能性を有するものと考えられている。スペクトルCT画像形成システムのための実現技術は、当該スキャンされるオブジェクトの後方で当該検出器に突き当たるフォトンのエネルギスペクトルの十分に正確な推定値を提供することができる検出器である。画像復元の理由で当該検出器もダイレクトビームに露出されるので、当該ダイレクトビームに出会う検出器画素におけるフォトン計数率は、莫大なもの(mm及び秒当たり概して10フォトンであり、すなわちmm当たり1000Mcps)である。しかしながら、読出電子回路は、10Mcps以下で処理することができるよう期待されている。この計数率を限定するため、検出器のセンサ部(X線フォトンが相互作用し電荷パルスを発生するところ、このパルスはさらに読出電子回路により評価される)を小さな副画素(例えば、300μm×300μm)に、そして複数の異なるセンサ層に、分割構成(sub-structure)することができ(3次元サブストラクチャリング)、その際、センサ層における各副画素は、エネルギ毎にサブチャネルを持つそれ自身のエネルギ分解読出電子回路を有するものとしている。
スペクトルCTのためのセンサ材料として、CZT又はCdTeは、それらの比較的高いX線阻止能のために重要なものである(約3mmの厚さのCZTは、現在使用されているGOSシンチレータを全部置き換えるのに十分であると考えられている)。但し、この高い阻止能は、或る程度不利な点でもある。センサ層内の副画素の最大計数率を約10Mcpsに限定して、機能している読出電子回路チャネルが極めて稀にしかパルスの度重なる出現を見ないようにするために、第1のセンサ層(300μm×300μm画素のもの)は、100μmを遥かに下回る厚さが必要となると目される。CZTの脆性のためにCZTの層をそれほど薄く製造することができるかどうかは疑わしい。また、非常に小さいアスペクトレシオ(厚さ/「外側延長部」)のため、小画素効果の利点は、100μmを下回る厚さのそうした非常に薄い層において失われる。
上記問題に対処するため、シリコンのような低阻止能を有する材料は、スペクトルCTのための、場合によっては、計数モードにおいても用いられるCZT又はCdTeと、或いはエネルギ統合GOS層と関連したセンサ材料として提案される。Siの低原子番号Z=14のため、X線減衰は、CZT又はCdTeのケースにおけるよりも遥かに小さい。したがって、10Mcps以下の計数率を達成するためのエネルギ分解計数検出器においてSiにより形成される積層検出器の頂部層の層厚さは、1.7mmの範囲にある。当該頂部層の下の変換層の厚さは、層毎にまさに順次に増加するものとすることができる。よって、直接変換材料としてSiの複数の層からなるスペクトルCT検出器は、容易に製造することができる。Siのさらなる利点は、それがCZTよりも遥かに安価であり、製造するのに非常に簡単であり(場合によっては標準のCMOS組み立てにおいても)、K蛍光クロストークがほぼ皆無である、ということである。何故なら、Kエッジエネルギは2keVを下回り、蛍光収率(すなわち、K蛍光との相互作用がどの程度の頻度で起きるかについての測定値)は4.1%だけであるからである(例えば、L. Tlustors, Performance and limitations of high granularity single photon processing X-ray imaging detectors, Ph. D thesis, Wien Technical university, 2005, pp. 10ff参照)。
図1は、放射線検出器100の特に有望なアプローチを示しており、この検出器は、「主変換層」と「仕上げ」エネルギ統合「副変換層」102のスタック101を用いており、これらの層は、入射X線Xの主放射方向zにおいて縦に配置されている。主変換層は、複数の(ここでは6つの)Si層101aないし101fにより実現されており、その各々の下には、エネルギ分解計数電子回路部(ERCE;energy-resolving counting electronics)111aないし111f(の少なくとも一部)をそれぞれ備えた関連の(画素化した)電極が設けられている。かかるERCEをセンサに近づけることは有利である。何故なら、センサから到来するアナログ信号は、長い距離を渡ることなしにディジタル信号に変換されるからである。これら全ての個々のERCEは、さらなる評価のために、中央のより高いレベルの電子回路121に結合される。なお、高流量X線ビームが照射されるエネルギ分解計数読出チップ(標準CMOSにより製造される)による実験的試験では、当該CMOSチップにおけるX線の直接変換による誤った計数は観察されなかった。
副変換層102は、GOS層によって、読出電子回路122に結合されるその下の関連のフォトダイオードアレイ112とともに実現される。この構成は特に魅力的なものである。何故なら、エネルギ分解計数Si層は、多くの現行CT検出器に用いられるエネルギ統合GOS検出器の「頂部上に」追加物として用いることができるからである。
主変換層の厚さΔzは、残存のX線ビームの減少する強度を補償し全ての主変換層における概して等しい計数率を規定するために、主放射方向zにおいて頂部から底部へと増大する。約9・10フォトン/(s・mm)の入射X線束を扱うため、以下の厚さを持つ変換層が適切と考えられる(すなわち、計数率を10Mcps未満に維持する)。
Figure 0005697982
図2は、X線検出器200のもう1つの実施例を示しており、この検出器は、主変換層の積層部201と副変換層の積層部202とにより構成される。上述のように、主変換層は、関連の電極を持つSi層201a〜201fと、中央評価回路221に結合されるこれらの下にあるERCE構成部211a〜211fである。主放射方向zにおいて、主変換層に続き、CZTの(ここでは2つの)副変換層202a及び202bが、これらも中央評価回路221に結合される当該副変換層の下にある関連の電極212a,212bとともに設けられる。したがって、副変換層は、入射X線フォトンXのエネルギ分解される計数を可能にし、その一方でこれらが、主変換層の全積層部201を通過した後にこれらに達する減少されたフォトン束に対してより高い阻止能を有する。
約9・10フォトン/(s・mm)の入射X線束を扱うため、以下の厚さを持つ変換層が適切と考えられる(すなわち、計数率を10Mcps未満に維持する)。
Figure 0005697982
「幾何学的」クロストークの観点からは、可能な限り薄く全体のセンサを形成することが有利である。
スペクトルCTから知られるように、放射線検出器100又は200により測定された投影データのフォト/コンプトン/Kエッジ係数への分解は、標準の最大尤度のアプローチにより行うことができ、その際、エネルギ分解計数層についてはポアソン分布モデルが推定されるとともに、当該計数層における測定値に統計的に相互に独立した測定値を有するエネルギ統合層についてはガウス分布が用いられる。
以上、本発明を、エネルギ分解能を持つコンピュータ断層撮影の主たる用途について説明したが、他の用途として、エネルギ分解能を持つ投影イメージング又はエネルギ分解X線フォトン計数から利益を得ることのできる他の何らかの用途もあることに留意されたい。
最後に、本願において、「有する」なる文言は、他の要素又はステップを排除せず、単数表現は複数を排除せず、また、単一のプロセッサ又は他のユニットは複数の手段の機能を満たすものとすることができることを注記するものである。本発明は、ありとあらゆる新規な特徴的事項及び特徴的事項のありとあらゆる新規な組み合わせに存するものである。さらに、請求項における参照符号は、それらの範囲を限定するものと解釈してはならない。

Claims (12)

  1. 主放射方向に沿って伝搬するフォトンを検出するための放射線検出器であって、
    a)前記フォトンに対する低減衰係数を有する少なくとも1つの主変換層、及び入射フォトンの直接変換により当該主変換層において発生される電気的パルスに対する関連のエネルギ分解計数電子回路部ERCEと、
    b)GOS層及びフォトダイオードアレイを有する少なくとも1つの副変換層、及び入射フォトンの変換により当該副変換層において発生された電気信号に対する関連の読出電子回路であって、前記フォトダイオードアレイに接続された読出電子回路部と、
    を有し、前記主変換層が、主放射方向に積層された複数の層を有し、前記複数の層の各層の厚さは、主放射方向に増大し、前記複数の層の各層について個別のエネルギ分解計数電子回路部ERCEが設けられ
    前記主変換層は、前記副変換層の上部に除去可能に接続されており、前記検出器の動作の間、前記主変換層が前記副変換層の前において入射フォトンと交差し、
    前記主変換層の各層の寸法及び形状は、入射フォトンの所定の最大フラックスに対して、当該エネルギ分解計数電子回路部ERCEによって扱われる計数率が所定の最大計数率である10Mcps以下の計数率となるようなものである、検出器。
  2. 請求項1に記載の放射線検出器であって、前記主変換層の減衰係数は、20keVないし150keVのエネルギ範囲においてX線フォトン及び/又はγ線フォトンについてシリコンの減衰係数の約0.5ないし4倍に及ぶ、検出器。
  3. 請求項1に記載の放射線検出器であって、前記主変換層は、前記シリコンの材料を有する、検出器。
  4. 請求項1に記載の放射線検出器であって、前記主変換層は、20keVないし150keVのエネルギ範囲内においてK蛍光を呈しない変換材料を有する、検出器。
  5. 請求項1に記載の放射線検出器であって、前記主変換層は、20keVないし150keVのエネルギ範囲内において20%以下のK蛍光確率を有する変換材料を有する、検出器。
  6. 請求項1に記載の放射線検出器であって、前記副変換層は、前記フォトンに対し前記主変換層より高い減衰係数を有する、検出器。
  7. 請求項1に記載の放射線検出器であって、前記主変換層及び前記副変換層は、前記主放射方向において積層されている、検出器。
  8. 請求項1に記載の放射線検出器であって、前記主放射方向において積層した画素化したERCEを備えた複数の主変換層を有する検出器。
  9. 請求項1に記載の放射線検出器であって、前記副変換層の読出電子回路部は、エネルギ積算電子回路部である、検出器。
  10. 請求項1に記載の放射線検出器を有するX線検出器。
  11. 請求項1に記載の放射線検出器を有する、X線、CT、PET、SPECT又は放射性映像に基づく装置を含む画像形成システム。
  12. 請求項11に記載の画像形成システムであって、
    前記フォトンが交差したオブジェクトのエネルギ依存性減衰係数を推定するために前記ERCE及び前記読出電子回路部に結合された復元器を有するシステム。
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