図1は、本発明に係るナビゲーション装置の好適な一実施形態の外観図を示しており、図2は、その機能ブロック図を示しており、図3以降は表示形態の一例を示している。図1に示すように、ナビゲーション装置は、持ち運び可能な携帯型の装置本体2と、それを保持する取付部材たるクレードル3とを備える。装置本体2をクレードル3に装着することで、車載用のナビゲーション装置として機能し、クレードル3から取り外すことで携帯型のナビゲーション装置(PND)として機能する。本実施形態は、装置本体2をクレードル3に着脱可能とし、クレードル3と共に車両のダッシュボード上に設置して利用したり、クレードル3から装置本体2を取り外して携帯型(PND)として利用したりすることができるタイプであるが、クレードル3に対して簡単に着脱できず、車載固定タイプでも良いし、携帯型専用のものでもよい。さらには、例えば携帯電話などの携帯端末に所定のアプリケーションプログラムをインストール(プリインストールを含む)して実現されるものでもよい。アプリケーションプログラムは、ナビゲーションを行うためのシステム自身でも良いし、ナビゲーションを行うためのシステムが実装されているサーバにアクセスし、当該システムを利用するためのプログラムでも良い。本発明は、係る各種のタイプのナビゲーションシステムに適用できる。
装置本体2は、クレードル3に対して着脱自在に取り付けられる。装置本体2は、扁平な矩形状のケース本体4を備えている。そのケース本体4の前面には、表示部5が配置され、その表示部5上には表示部5のどの部分がタッチされたかを検出するタッチパネル8を備え、前面の両サイドには警報ランプ9を備えている。クレードル3は、装置本体2を保持するクレードル本体6と、車室内の所定の位置(ダッシュボード等)において、クレードル本体6を任意の姿勢で指示する台座部7と、を備えている。台座部7は、底面に設けた吸盤にて、ダッシュボードなどの上に吸着して固定される。台座部7とクレードル本体6とは、ボールジョイント等の連結機構を介して所定の角度範囲内で回転可能に連結される。ボールジョイントであるため、台座部7とクレードル本体6は、相対的に三次元方向の任意の角度範囲内で回転移動し、ジョイント部分における摩擦抵抗により任意の角度位置でその位置をとどめる。よって、クレードル本体6に取り付けられた装置本体2も、ダッシュボード上において任意の姿勢で配置することができる。
さらにケース本体4の一方の側面には、SDメモリカード用スロット部21を備え、そのSDメモリカード用スロット部21に地図データなどが記録されたSDメモリカード22を挿入可能としている。また、ケース本体4のSDメモリカード用スロット部21を設けた側面には、DCジャック10を設けている。DCジャック10は、図示省略のシガープラグコードを接続するためのもので、そのシガープラグコードを介して車両のシガーソケットに接続して電源供給を受け得るようにする。
一方、SDメモリカード用スロット部21とは反対側の側面には、電源スイッチや、USB端子23を設けている。このUSB端子23を介してパソコンと接続し、ソフトウェアアプリケーションのバージョンアップなどを行なうことができる。
ケース本体4の内部には、以下の各機器・部品を配置している。すなわち、ケース本体4の背面側内部には、マイクロ波受信機11を配置する。マイクロ波受信機11は、所定周波数帯のマイクロ波を受信するもので、その設定された周波数帯のマイクロ波を受信した場合に、その受信したマイクロ波の信号レベルを検出する。具体的には、その信号レベルであり電界強度に対応するRSSI電圧を利用する。上記の所定周波数帯は、たとえば車両速度測定装置から出射されるマイクロ波の周波数が含まれる周波数帯としている。
また、ケース本体4の上面側内部には、GPS信号を受信し現在位置を求めるGPS受信機12を配置している。ケース本体4の前面側内部には、赤外線通信機14を配置する。赤外線通信機14は携帯電話機15等の赤外線通信機を内蔵した通信装置との間でデータの送受を行なう。さらに、ケース本体4内には、スピーカ20も内蔵されている。
更に、本実施形態の装置は、無線受信機13とリモコン受信機16を備えている。無線受信機13は、飛来する所定周波数の無線を受信する。リモコン受信機16は、リモコン(携帯機:子機)17とデータ通信をし、装置に対する各種の設定を行なう。無線受信機13は、飛来する所定周波数帯の無線を受信する。この所定周波数は、例えば、緊急車両が基地局に対して自車位置を通知する際に使用する無線の周波数帯とすることができる。
本実施形態のナビゲーション装置は、ナビゲーション機能に加え、周囲に存在する車両速度測定装置その他の交通監視ポイント等の目標物を報知する目標物報知装置としての目標物報知機能も備えている。これらのナビゲーション機能並びに目標物報知機能は、制御部18に有するコンピュータが実行するプログラムとして制御部18のEEPROM上に格納され、これを制御部18に有するコンピュータが実行することで実現される。
すなわち、制御部18は、上記の各種の入力機器(GPS受信機12、マイクロ波受信機11、無線受信機13、タッチパネル8、赤外線通信機14、リモコン受信機16、SDメモリカード用スロット部21、USB端子23等)から入力される情報に基づき所定の処理を実行し、出力機器(表示部5,警報ランプ9,スピーカ20、赤外線通信機14、SDメモリカード用スロット部21、USB端子23等)を利用して所定の情報・警報・メッセージを出力する。この所定の処理が、上記の各機能を実行するためのものであり、必要に応じてデータベース19や、SDメモリカード22にアクセスする。
ここでデータベース19は、制御部18のマイコン内あるいはマイコンに外付けした不揮発性メモリ(たとえばEEPROM)により実現できる。なお、データベース19には、出荷時に一定の目標物や地図その他の各機能を実施するために必要な情報が登録されており、その後に追加された目標物についてのデータ等は、所定の処理を経て更新することができる。この更新のための処理は、例えば、追加データが格納されたSDメモリカードをSDメモリカード用スロット部21に装着すると共に、そのSDメモリカードからデータベース19に転送することで行うことがある。また、このデータ更新は、赤外線通信機7を用いたり、USB端子23を介して接続されるパソコンその他の外部機器を用いたりすることで行うことができる。
目標物報知機能を実現するための制御部18は、以下のような動作をする。すなわち、制御部18は、マイクロ波受信機11が所望のマイクロ波を受信した場合、予め定めた警報を出力する。この警報としては、スピーカ20を用いたブザーやマイクロ波の受信(車両速度測定装置の検出等)を知らせるための音声の出力や、表示部5を用いた文字或いはイメージによるメッセージの出力などがある。
また、制御部18は、無線受信機13が所望の無線を受信した場合、予め定めた警報を出力する。この警報としては、スピーカ20を用いたブザーやマイクロ波の受信(緊急車両の接近等)を知らせるための音声の出力や、表示部5の用いた文字或いはイメージによるメッセージの出力などがある。この無線の受信に伴う警報と、上記のマイクロ波の受信に伴う警報の形態は、異なるようにすると良い。
さらに、制御部18は、GPS受信機12によって検出した現在位置と、データベース19に記憶している交通監視ポイント等の目標物の位置が、所定の位置関係にあるとき、所定の警報を出力する。そのため、データベース19には、検出対象の目標物に関する情報(経度・緯度を含む目標物の位置情報や目標物の種別情報等)や、事故多発地帯や交通取締り情報などのより注意を持って安全に運転するための交通安全情報や、ランドマークや運転に有益な各種の情報がある。各情報は、具体的な情報の種類(目標物の種類,交通取り締まりの種類,事故多発地帯,ランドマークの名称等)と位置情報とを関連づけて登録されている。
警報を発する際の目標物までの距離は、目標物の種類ごとに変えることができる。警報の態様としては、上記と同様に、スピーカ20を用いた音声等による警報と、表示部5を用いた警報等がある。図3は、表示部5による警報の一例を示している。本実施形態では、本装置がナビゲーション装置であるので、後述するように地図データを有していることから、基本画面として、制御部18は、現在位置周辺の道路ネットワーク情報を読み出し、現在位置周辺の地図を表示部5に表示する機能を有する。そして、表示部5に、現在表示中の画面(ここでは現在位置周辺の地図)に重ねて警告画面70を表示する。図3は、地図50を表示している際に、現在位置と交通監視ポイントの一つである速度測定装置の一種であるLHシステムとの距離が500mになった場合の警告画面70の表示例を示している。さらに、「500m先LHシステムです」といった警報種類と距離を示す警告音声をスピーカ20から出力する処理を行う。
一方、ナビゲーション機能を実現するための制御部18は、以下のような動作をする。まず、データベース19は、ナビゲーション用の道路ネットワーク情報を記憶している。このデータベース19に格納するナビゲーションのための情報は、出荷時において全国についてのすべての情報を格納しておいても良いし、地図データ等は、地方毎にSDメモリカード22に格納したものを提供するようにし、ユーザは必要な地図データ等が格納されたSDメモリカードを用意し、それをSDメモリカード用スロット部21に装着して使用するようにしても良い。なお、SDメモリカード22に格納された地図データ等は、データベース19に転送して格納しても良いし、制御部18がSDメモリカード22にアクセスし、そこから読み出して使用するようにしても良い。
制御部18は、データベース19から現在位置周辺の道路ネットワーク情報を読み出し、現在位置周辺の地図を表示部5に表示する機能を有する。この制御部18は、この道路ネットワーク情報を利用してある位置から別の位置に至るルート(経路)を検索することができる。また、データベース19は、電話番号とその電話番号の住宅・会社・施設等の位置情報及び名称とを対応づけて記憶した電話番号データベースと、住所とその住所の位置情報とを対応づけて記憶した住所データベースを備える。またデータベース19には、速度測定装置等の交通監視ポイントの位置情報がその種類とともに記憶されている。
また、制御部18は、一般的なナビゲーション装置の処理を行う機能を有する。すなわち、表示部5に現在位置周辺の地図を随時表示し、目的地設定ボタンを表示する。制御部18は、タッチパネル8によって、目的地設定ボタンの表示位置に対応する位置の押下を検出した場合に、目的地設定処理を行う。目的地設定処理では、目的地設定メニューを表示部5に表示し、目的地の設定方法の選択をユーザに促す。目的地設定メニューは、目的地の設定方法の選択をユーザに促す電話番号検索ボタンと住所検索ボタンとを有する。電話番号検索ボタンが押下されたことを検出した場合には、電話番号の入力画面を表示し、入力された電話番号に対応する位置情報をデータベース19から取得する。住所検索ボタンが押下されたことを検出した場合には、住所の選択入力画面を表示し、入力された住所に対応する位置情報をデータベース19から取得する。そして、取得した位置情報を目的地の位置情報として設定し、現在位置から目的地までの推奨経路を、データベース19に記憶している道路ネットワーク情報に基づいて求める。この推奨経路の算出方法としては例えばダイクストラ法など公知の手法を用いることができる。
そして、制御部18は、算出した推奨経路を、周辺の地図とともに表示する。例えば、図4に示すように、現在位置51から目的地52にいたるルート53を推奨経路として、所定の色(例えば赤色)で表示する。これは、一般的なナビゲーションシステムと同様である。そして本実施形態では、制御部18は、ルート53上の位置情報とデータベース19に記憶された交通監視ポイント等の目標物の位置情報とを比較し、ルート53上に位置する交通監視ポイント等の位置を表示する。なお、ルート53を安全運転で走行するための情報提供としては、データベース19に格納された各種の目標物の内、交通監視ポイントに限るようにしても良い。
これにより、例えば、図4に示すように、道路上の位置から吹き出しを表示し、データベース19に記憶されたその位置の交通監視ポイントの種類を吹き出しの中に表示する。例えば、図4(a)は、警告ポイント検索画面の表示例であり、交通監視ポイント55aから55fを表示した例を示している。交通監視ポイント55aは、Nシステムを示す「N」の文字を吹き出しの中に表示している。交通監視ポイント55b、55c、55eは、LHシステムを示す「LH」の文字を吹き出しの中に表示している。交通監視ポイント55dは、ループコイルを示す「ループ」の文字を吹き出しの中に表示している。交通監視ポイント55fは、Hシステムを示す「H」の文字を吹き出しの中に表示している。このように、吹き出しの中に文字を表示する簡略表示状態の吹き出し位置へのタッチをタッチパネル8が検知した場合には、図4(b)に示すように、簡易表示を詳細表示へと切り替える。詳細表示は、図3に示した警告画面を吹き出しの中に表示するものである。
また、図4(a)に示すように表示部5内の右下側には、交通監視ポイント種別指定部56を表示する。交通監視ポイント種別指定部56は、ルート53上に存在する交通監視ポイントの種別を列挙したボタン表示を行う部分である。図4(a)の例では、交通監視ポイント55aのNシステムを示す「N」の種別ボタン57aと、交通監視ポイント55b、55c、55eのLHシステムを示す「LH」の種別ボタン57bと、交通監視ポイント55dのループコイルを示す「ループ」の種別ボタン57cと、交通監視ポイント55fのHシステムを示す「H」の種別ボタン57dを表示している。制御部18は、この種別ボタンの表示部へのタッチをタッチパネル8から検出した場合、タッチされた種別ボタンを反転表示するとともに、タッチされた種別ボタンに対応する交通監視ポイントの表示態様を、簡易表示中であれば詳細表示に切り替え、詳細表示中であれば簡易表示中に切り替える。
本実施形態のカーナビゲーション装置は、目的地の設定方法として、周辺検索機能を備えている。この周辺検索機能が選択されて起動された場合、制御部18は、指定された条件に合致する施設であって、現在位置から近いものを抽出し、その抽出結果を表示部5に描画する。そして、ユーザは、表示部5に描画された候補の中からいずれかを選択し、確定することとで目的地(経由地を含む)に指定することができる。
すなわち、係る機能を実現するため、本実施形態のデータベース19には、各施設についての情報として、その位置情報とともに施設の分類に関する情報を関連付けて記憶した。施設の分類に関する情報は、大項目,中項目,小項目のように段階・階層を立てて分類分けすることで効率よい指定を行うことができるようにしている。すなわち、大項目の中には、1または複数の中項目が属し、各中項目には、1または複数の小項目が属する。なお、1つの項目のみ属する場合には、実際には、その階層の項目はないものと同等となる。つまり、ある中項目に属する小項目が1つしか存在しない場合には、中項目までで、小項目はないとしてもよい。
大項目の一例を挙げると、「交通」,「ショッピング」,「飲食店」,「レジャー・観光」,「宿泊・温泉」,「くらし・生活」等がある。「交通」に属する中項目の一例としては、「道路」,「鉄道」,「空港」,「フェリー乗り場」,「道の駅・ドライブイン」等がある。「道路」に属する小項目の一例としては、「インターチェンジ」,「スマートIC」,「SA・PA・ハイウェイオアシス」,「交差点」等がある。「空港」や「フェリー乗り場」に属する小項目はない。「ショッピング」に属する中項目は、「コンビニエンスストア」,「スーパー・百貨店・商店街」,「食品・お酒」,「自動車関連」などがある。「コンビニエンスストア」に属する小項目は、各チェーン店がある。大項目の「飲食店」に属する中項目の分類は、「ファミリーレストラン」,「ファーストフード」,「ラーメン」,「和食」,「洋食」,「アジア・中華・エスニック料理」などがある。「アジア・中華・エスニック料理」に属する小項目としては、「中華料理」,「飲茶」,「韓国料理」,「焼き肉」などがある。「ファーストフード」に属する小項目は、「ハンバーガー」,「牛丼」,「その他のファーストフード」などがあるが、これも各チェーン店にさらに分けても良い。
そして、大項目を指定した場合には、それに属する全ての中項目が指定されたことになり、ある中項目が指定された場合には、その中項目に属する全ての小項目が指定されたこととして、制御部18は処理する。
係る施設の検索項目の特定は、図5(a)に示すように表示部5上に描画される目的地設定ボタンの中から、「周辺検索ボタン」80aが選択される(タッチパネル8を設けているので、ユーザが当該「周辺検索ボタン」80aを触れたことを検出することで実現する)ことを契機として行われる。この目的地設定ボタンは、図では、「周辺検索ボタン」80aと、「住所検索ボタン」80bと、「電話番号検索ボタン」80cの3つのボタンを描画しているが、描画するボタンは、これらに限定されるものではなく、他の検索方式を選択するボタンを用意しても良い。この目的地設定ボタンは、図示省略するが、この図5(a)に示す前の係る目的地設定ボタンが描画されていない表示画面において、所定位置のタッチを検出したり、リモコン操作を検出したりすることで、メインメニュー画面を描画し、そのメニュー画面から目的地検索(入力)を指示することでこの図5に示す状態とすることができる。もちろん、メインメニュー画面の描画を省略していきなり図5に示す状態するなど、各種の方式がとれる。
「住所検索ボタン」80bがタッチ等されて当該ボタンが選択されたことを認識した制御部18は、上述したように表示部5に住所の選択入力画面を表示し、そこで入力された住所に対応する位置情報をデータベース19から取得し、その位置までの推奨経路を検索する。より具体的には、住所入力画面から入力された住所を取得すると、その住所に該当する地点を含む地図情報をデータベース19から読み出すと共に、当該住所に該当する地点が表示部5の中心に来るように地図画面を描画する。このとき、住所に該当する地点には、所定のマークを描画する。このマークで指示された位置でよい場合には、ユーザは、選択ボタンの押下などの目的地確定指示を与えるので、制御部18は、係る目的地確定命令を受けると、そのマークで指示されている位置を目的地にして現在位置からの推奨経路を求める。
「電話番号検索ボタン」80cがタッチ等されて当該ボタンが選択されたことを認識した制御部18は、上述したように、電話番号の入力画面を表示し、入力された電話番号に対応する施設等が存在する場合には、その施設等の位置情報をデータベース19から取得し、その施設等が目的地に選択された場合には目的地までの推奨経路を求め出力する。これらの基本的な検索並びに各画面の描画機能は、従来と同様である。
「周辺検索ボタン」80aがタッチ等されて当該ボタンが選択されたことを認識した制御部18は、図5(b)に示すように、分類情報選択メニュー(大項目)81を描画する。本実施形態では、施設の分類は、大・中・小の3つの階層に分けていたため、最初に大項目を選択するメニューを描画する。ユーザは、この大項目のメニュー一覧から、検索対象の施設を特定するための所望のボタン領域をタッチ等して選択するので、制御部18は、係るユーザからの指示を受けると、その選択された大項目を認識し、その選択された大項目のメニュー領域を反転表示や、図示省略のチェックボックスにチェック印を描画などしてユーザに選択・認識した項目を通知する。また、すでに選択されているメニュー領域が再度タッチ等して指定された場合、制御部18は、選択解除と判断して初期の表示状態に戻す。なお、図では分類情報選択メニュー81は、各項目の文字のみ描画しているが、それにあわせてその分類のアイコンをあわせて描画しても良い。
ユーザは、選択した分類(図5(b)の状態では大項目)で良い場合には、検索ボタン82をタッチ等して選択し、その選択した分類のさらに下位の項目を選択する場合には、下位層選択ボタン83をタッチ等して選択する。そこで、制御部18は、どのボタンが選択されたかを認識し、「下位層選択ボタン83」が選択された場合には、現在選択されている大項目の下位に関連づけられている中項目のメニュー一覧を描画し、上記の大項目の場合と同様に項目の選択を行わせる。この場合も、下位層選択ボタンが選択されたことを認識した制御部18は、さらに現在選択されている中項目について関連づけられている小項目についてのメニュー一覧を描画し、その中から必要な項目の選択を受け付ける。
一方、「検索ボタン82」が選択された場合、制御部18は、データベース19にアクセスし、現在位置を中心として、基準距離(たとえば、10km)以内に存在する施設であって、指定された分類に一致するものを抽出する。そして、近いものから所定数(たとえば10個)の施設を表示部5に描画されている地図上の対応する箇所に、当該施設を示すアイコン(マーク)を重ねて描画する。このとき描画するアイコンIは、図6(a)に示すように、丸印のような簡単な形状のものでも良いし、その施設を模した図柄(2D,3D)でも良いし、その施設を示すロゴ等のマークでもよい。施設そのものを示す図柄のアイコンとした場合、データベース19に格納した施設の情報として、各施設に対して、それぞれのアイコンを関連づけて登録しておき、描画に際しては、その関連づけられたアイコンを読み出して表示部5の所定位置に描画する。また、施設の分類ごとに、当該施設の分類を示す図柄のアイコン(たとえば、ラーメン屋の分類には、ラーメンどんぶりの絵等)としてもよい。また、それらを混在させ、施設に対して個別のアイコンが設定されているものについては、その個別の施設を示す図柄のアイコンを描画し、設定されていないものについては分類を示す図柄のアイコンを描画するようにしても良い。
なお、表示部5に描画された地図上に、現在位置が存在している場合には、その現在位置に該当する位置に自車を示す自車アイコンI0を重ねて描画している。図では、自車アイコンI0は、三角形状としているが、自動車を模した形状や矢印など各種の態様がとれる。また、通常の走行状態(ナビゲーション時)における表示態様では、表示部5の表示画面(地図)の中央が自車位置となる。
さらにまた、係る施設のアイコンIを描画するに際し、自車から近い順に番号を付記して表示するようにするとよい。このようにすれば、行きたい(探したい)施設のうちどの施設が近いのかを番号を見ることで容易に判断できるので好ましい。特に、自車の移動に伴い、随時番号は更新するようにするとよい。
このように、地図の道路ネットワーク上の実際の位置にアイコンIを重ねて描画することで、現在位置、さらには、現在走行中の道路(走行方向)を基準に、周囲のどの位置に目的とする分類に属する施設等が存在しているかが一目で直感的に理解できる。すなわち、従来のこの種の周辺検索を実行した場合、システム側で現在位置から最も近いものを選択し、その情報をテキスト情報として出力したり、分類が一致する複数の施設を、テキストにてリストアップして表示部に一括して描画したりするにすぎず、後者の場合には、現在位置から各施設までの距離が付加情報として表示されるに過ぎず、各施設の存在位置を直感的に理解することができないと共に、実際にもっとも行きやすい場所はどこかまでは理解することができなかったが、本実施形態では、地図上に条件の一致する各施設の場所が示されるので、たとえば、「現在走行中の道路の先にあって、行きやすい」,「直線距離は近いが、走行方向と逆方向・狭い路地に面している・右折禁止・一方通行などの交通規則から実際の道のりが遠く行きにくい」,「近所に複数の施設が存在し、一つの施設が満室等で利用できなくても、その近所にある別な施設に行きやすい」などの判断を行うことが容易にできる。
そして、描画されているアイコンIをクリックして選択した状態で、ユーザが、表示部5に描画されている図示省略の「目的地設定ボタン」をクリック等することで、当該施設を目的地(経由地の追加の場合もある:以下同じ)として確定する処理を行うと、それを認識した制御部18が、係る施設を目的地とした推奨経路を求め、その結果を表示部5の地図に重ねて描画する。なお、上記の所定のアイコンIをクリックして選択したとき、そのアイコンIの施設に関連づけて登録された関連情報(詳細情報)が存在する場合には、その関連情報を表示部5に描画すると良い。この関連情報は、例えば、施設の名称や、位置情報や、電話番号や、営業日・営業時間など各種のものがあり、これらの情報は予めデータベース19に登録しておく。この登録は、上記の分類と同様に、出荷時に、製造メーカ等で初期情報として格納することで行うものでも良いし、適宜更新することもできる。
施設のアイコンIであるが、図示の例では、丸印としているが、その形状は任意であり、分類ごとに分けても良い。この場合、データベース19において、各階層の各分類にはその分類を示すアイコンを関連づけて登録しておき、施設のアイコンIを描画するに際し、係るデータベース19から対応するアイコンを取得して描画する。このとき、選択された分類に下位の階層が存在する場合には、選択された下位の階層のアイコンを表示するのではなく、選択された階層の当該分類のアイコンを表示するとよい。例えば、大分類の飲食店が選択された場合、飲食店を示すアイコンを表示する。
また、本実施形態では、複数の分類を選択可能としている。そこで、1つの分類のみ選択した場合、その目的に合致するアイコンが表示される。例えば、ラーメンを食べたいときラーメン屋のアイコンのみ表示させることができる。また、ラーメンか中華料理を食べたいときには、それらを指定することで、ラーメン屋と中華料理屋のアイコンを表示させることができる。
また、例えば、上記の施設の分類を設定する際に、中項目或いは小項目の一部を選択しない状態で「検索ボタン82」をクリックすると、選択されなかった分類の施設は抽出されないため、検索結果として例えば図6(b)に示すようになる。図6(a)と図6(b)を比較すると明らかなように、指定した施設の分類が少ない図6(b)では、図6(a)で描画されていたアイコンIの表示が制限(ここでは非表示)されている。もちろん、図6(a)のものでも、データベース19に格納されている全ての施設に比べれば、先に指定した分類に一致する施設のアイコンIのみが描画されることになる。このように、ユーザが行きたい分類の施設のアイコン以外の施設のアイコンの表示が制限されるため、行きたい分類の施設がどこにあるのかを容易に見ることができる。
これにより、例えば、車両のガソリンタンクのガソリン残量が少なくなった場合に、ユーザが周辺施設の分類として、“ガソリンスタンド”を選択して検索命令をすると、制御部18は、データベース19をアクセスし、現在位置を中心に所定距離内にあるガソリンスタンドを抽出し、抽出したガソリンスタンドの位置情報に基づき、地図上の対応する箇所に施設(ガソリンスタンド)のアイコンI(図6の例では丸印)を描画する。よって、ユーザは、現在の走行中の道路の前方のどれくらい先にガソリンスタンドがあるか、横道にそれるにしても、最終目的地に対してできるだけ少ない迂回経路で行けるガソリンスタンドはどこかなど、地図を見て直感的に容易かつ迅速に判断することができる。また、ガソリンスタンドでも、特定の一又は複数の会社のものを利用したいという要求があり、係る場合には、「下位層選択ボタン83」を用いて目的の会社のガソリンスタンドに限定した上で「検索ボタン82」をクリック等すればよい。これにより、例えば、図6(a),(b)のように、絞り込まれた特定の施設が描画されることになる。
なお、図6(b)は、単純に図6(a)で描画されている施設のアイコンIから、指定された分類の条件に合わなくなった施設のアイコンが表示部5に表示されず、描画される検索された周辺の施設のアイコンIは新たに追加されずに削減されているが、例えば、指定された分類に一致する施設の数に上限を設定している場合であって、条件に一致する周辺の施設の数が当該上限を超えて存在しているようなときには、条件を変更(絞り込み)することで、新たに描画される施設のアイコンIが出現することもある。
一方、通常のナビゲーション機能の一つとして、表示部5に描画した地図上の各地点に、予めデータベース19に登録していた施設が存在した場合には、対応する地図上の位置に道路ネットワークに重ねて当該施設のアイコン(マーク)を描画するものがある。この描画する施設(以下の説明では、ユーザの指定に伴い周辺検索された施設と区別するため、“周辺施設”と称する)は、ユーザ設定により替えることができ、全く描画しないようにすることもできるし、一又は複数(全指定も可)の指定した分類に一致する周辺施設を描画することもできる。一例としては、表示する施設の分類としてガソリンスタンド(特定の会社のものに限定することも可)を選択していると、描画している地図上に、指定されたガソリンスタンドが存在している場合には、対応する箇所に指定された周辺施設であるガソリンスタンドを示すアイコンを重ねて描画する。また、地図上に表示する周辺施設として、特定のファーストフードや、コンビニエンスストアなどを指定しておくと、それらの周辺施設が周囲に存在する場合には、制御部18は、該当する箇所にそれぞれを示すアイコンを道路ネットワークに重ねて描画する。これらの描画する周辺施設は、デフォルトとして変更できないものと、ユーザの設定により選択できるものがあり、複数の異なる種類の分類に該当する施設がそれぞれ描画されることから、それぞれのアイコンは、何の施設のものかがわかるようなデザインとなっている(図7中、符号I1)。
このように、表示部5に出力している地図上に存在する所定の周辺施設の分類と、本実施形態の特徴である目的地(経由地)を検索するための周辺検索の際に指定する施設の分類は、同じにしていても良いし、異なっていても良い。但し、すでに周辺検索とは関係無く、条件に一致する施設が存在する場合にその施設についてのアイコンI1が地図上に描画されている場合に、周辺検索を実行し、該当する周辺に存在する施設のアイコンIを描画するに際し、係る周辺検索された結果の施設のアイコンIと、それ以外の周辺施設のアイコンI1とは区別がつくような表示態様とする。図では、周辺検索された施設のアイコンIは、丸印の形状としているので、容易に認識することができる。丸印であっても、直前に分類を指定したユーザは、何の分類に属する施設のアイコンIであるかは理解できるので問題はない。
また、周辺検索された結果の施設のアイコンIと、周辺検索に関係無く描画される周辺施設のアイコンI1の形態を同じにする場合には、例えば、周辺施設のアイコンI1をグレー表示等で目立たなくしたり、非表示にしたりするなどの表示を制限することで、周辺検索された結果の施設のアイコンIの存在を容易に認識することができる。また、施設のアイコンIを点滅させたり、色を異ならしたりすることで、施設のアイコンIを目立たせることで間接的に周辺施設のアイコンI1の表示を制限する(目立たなくする)ようにしても同様の効果が得られる。これらの表示の制限は、周辺検索された結果の施設のアイコンIと、周辺検索に関係無く描画される周辺施設のアイコンI1の形態が異なる場合についても同様にすることができる。
周辺検索のために指定された施設の分類と、周辺検索に関係無く描画する周辺施設の分類が同じ場合、それぞれの機能により描画される施設のアイコンIと周辺施設のアイコンI1は、地図上の同じ位置に描画されることになる。係る場合、周辺施設のアイコンI1の表示の制限として描画しない場合には問題はないが、それぞれのアイコンI,I1を共に描画する場合には、施設のアイコンIを上にする。これにより、施設のアイコンIが周辺施設のアイコンI1により隠れてしまうことが無く、周辺検索した結果であるユーザが希望する施設の位置を、ユーザが見落としすることなく確実に認識することができる。また、このように重ねて描画することで、周辺施設として描画されているアイコンI1が、周辺検索されて施設の分類の選択を受け付けている状態か否かが容易に分かる。
この場合において、重ね方は、施設のアイコンI(分類に関するアイコン)を完全に周辺施設のアイコンI1の上に重ねて表示してもよいし、施設のアイコンIを周辺施設のアイコンI1の一部に重ねて表示してもよい。重ねて表示する場合には、例えば、施設のアイコンIは周辺施設のアイコンI1よりも小さなサイズとして、例えば、施設のアイコンの中の例えば右下位置など所定の位置に重ねるようにしてもよい。例えば、周辺施設のアイコンI1をラーメンどんぶりの絵などの図柄のアイコンとし、施設のアイコンIをこの図柄のアイコンの4分の1程度の小さな簡単な形状(たとえば星印)のアイコンとして、周辺施設のアイコンI1の上に施設のアイコンIを重ねて描画するとよい。このように一部に重ねるようにすれば、施設の分類の選択を受け付けている状態か否かが容易に分かるとともに、周辺施設のアイコンI1によりその分類がわかるので、その周辺検索された結果の施設の分類が何かも同時に分かる。
また、周辺検索のために指定する施設の分類と、周辺検索に関係無く描画する周辺施設の分類は、同じでも良いし異なっていても良い。すなわち、周辺施設の分類は、従来からナビゲーションにおいて用いられる観点で分けられ、周辺検索のための施設の分類は、それとは異なる観点から分類分けすると良い。一例としては、食堂・レストランのような食べ物を提供する施設に対する分類分けとして、周辺施設については、ファーストフード店,ファミリーレストランなどにおいて、チェーン店毎に分類し、周辺施設のアイコンI1は、各チェーン店を示すマークで構成し、周辺検索のための施設の分類は、ハンバーガー・和食・洋食・ラーメン・中華などの食事の種類に分けるようにしてもよい。この場合、例えばファミリーレストランのように、和食と洋食といった複数の異なる種類に属するようなものもある。係る場合、当該施設の分類として複数個を設定すれば、いずれを指定した場合でも抽出されるのでよい。
また、図6,図7等に示すように、表示部5の地図上には、周辺施設のアイコンとは別に、信号機やランドマーク等のアイコンI2を表示している。周辺検索の要求を受けた場合、少なくとも、その検索結果の施設のアイコンIを描画する際には、係る周辺施設のアイコンI1以外のアイコンの少なくとも一部の表示を制限する機能を備えると良い。この表示の制限は、非表示にしたり、グレー表示などの目立たない態様にしたりすることができる。つまり、ユーザから地図上に表示する施設の分類の選択として周辺検索を受けた場合、制御部18は、信号機やランドマーク等のアイコンI2の表示を行わない。また、制御部18は、周辺検索を実行し、施設のアイコンIを描画するに際し、地名等の文字の表示を行わないようにする機能を備えても良い。もちろん、周辺施設のアイコンI1を表示しないモードをあわせて行っても良い。
周辺施設のアイコン以外のアイコン(マーク)I2において、表示を制限する対象は、全てでも良いし一部でも良い。一部の場合、表示制限対象としないものとしては、例えば、道路に関する情報とすることができる。この道路に関する情報は、その道路が何号線なのかを示す標識用のアイコンI4などがある。
データベース19に登録する上記の周辺検索する際の施設と、その分類や位置情報・詳細情報その他の情報を関連づけたデータは、メーカにてそれ専用に作成し格納する。また、係る周辺検索をするためにアクセスするデータとして、職業別電話帳番号データを用いることができる。すなわち、NTTのタウンページ(職業別電話帳)は、大企業から中小企業、さらには個人商店まであらゆる規模の企業情報が収録されている。このタウンページに掲載されている全国の業種・業態の情報をデータ化した「タウンページデータベース(登録商標)」(職業別電話帳番号データ)を取得し、必要に応じて適宜の修正を行いデータベース19に格納する。そして、この職業別電話帳番号データは、通常、電話番号検索に用いられる。すなわち、上述したように、「電話番号検索ボタン」80cがタッチ等されて当該ボタンが選択されたことを認識した制御部18は、電話番号の入力画面を表示し、入力された電話番号をキーにして職業別電話帳番号データにアクセスし、入力された電話番号に一致する施設等が存在する場合には、その施設等の位置情報を取得し、その施設等が目的地に選択された場合には目的地までの推奨経路を求め出力する。このように、通常、職業別電話帳番号データは、入力された電話番号に対応する施設等の検索に用いられるが、本実施形態では、この職業別電話帳番号データに含まれる電話番号に対応づけて記録された位置情報と分類情報を用いることで、周辺検索を行うようにした。
すなわち、職業別電話帳番号データは、約1800の業種・業態の情報をデータ化したものであり、電話番号と、名称(契約者)と、住所と、分類等が関連づけて登録されている。分類は、業種・業態に応じて基本の64種類に分類分けされていると共に、さらに詳細な多数の分類分けもされているので、その一部または全部を周辺施設の検索の際の分類の指定に利用する。
そして、通常の職業別電話帳番号データでは、各施設に関連づけられている位置情報は住所であり、そのままでは、ナビゲーションシステムにおける地図データ上の対応する位置にリンクできない。そこで、職業別電話帳番号データに、緯度経度情報からなる位置情報を付与したデータを用いる。すなわち、この緯度経度情報は、全国約3,000市区町村の住所データを基に、住所の号・番地に対応する、いわゆる“ピンポイント”の緯度経度データベースを、職業別電話帳番号データ(タウンページデータベース(登録商標))用に構築したことにより、位置確定率と精度を飛躍的に高めている。
よって、係る職業別電話帳番号データの分類を指定し、周辺検索を実行した結果、自車位置の周囲に存在する指定された分類に一致する施設を抽出し、その施設の位置情報(緯度・経度)から対応する地図の道路ネットワーク上の位置に重ねて施設のアイコンを描画する。この施設のアイコンは、上述した通り、施設ごとにそれを表す図柄のアイコンを用意していても良いし、分類を示すアイコンとしても良いし、さらには、全ての共通のものとしても良い。
また、上記の経度緯度情報は、住居番号・地番レベルまでマッチングがとれたピンポイントと、同一番地に属する施設はその街区の代表地点の経度緯度が設定される街区レベルマッチングと、同一町丁目に属する施設はその町丁目の代表地点の経度緯度が設定される町丁目レベルマッチングのように、関連づけられる位置情報の精度にレベル差がある。例えば、「東京都港区芝大門1丁目○番×号」という住所にある施設の場合、ピンポイントでマッチングした場合には、その該当する住所所在地、つまり、施設が存在している位置の緯度経度がその施設に対する位置情報として設定される。従って、その位置情報に基づいて描画される施設のアイコンは、地図上の正確な位置に描画される。
一方、街区レベルマッチングの場合、「東京都港区芝大門1丁目○番×号」という住所にある施設は、号レベルで特定できない。従って、街区の「芝大門1丁目○番」でマッチング、つまり、「芝大門1丁目○番」として設定されている緯度経度(当該街区の中央や、「1丁目○番1号」のように「同一街区の1号」等、適宜のルールで決めた代表地点の緯度経度)が、当該施設についての位置情報として設定される。よって、その位置情報に基づいて描画される施設のアイコンは、必ずしも地図上の施設の正確な位置に描画されることはなく、同一街区の範囲内での誤差がある。
さらに、町丁目レベルマッチングの場合、「東京都港区芝大門1丁目○番×号」という住所にある施設は、街区レベルで特定できない。従って、町丁目の「芝大門1丁目」でマッチング、つまり、「芝大門1丁目」として設定されている緯度経度(当該1丁目の中央や、「1丁目1番1号」のように「同一丁目の1番1号」等、適宜のルールで決めた代表地点の緯度経度)が、当該施設についての位置情報として設定される。よって、その位置情報に基づいて描画される施設のアイコンは、必ずしも地図上の施設の正確な位置に描画されることはなく、同一町丁目の範囲内での誤差があり、この誤差は、街区レベルマッチングの場合よりもさらに大きい。
このように、各施設について設定された位置情報の精度は、レベルの差があるので、施設に関する情報を登録するデータベースには、施設の位置情報に対応づけて当該施設の位置情報の精度に関する情報(精度レベル)も関連づけて記憶する。そして、施設のアイコンを描画するに際し、当該位置情報の精度に関する情報に応じて、その表示態様を変えるとよい。変える表示態様としては、たとえば、色、大きさ、形の少なくとも1つとするとよい。色を変える場合、位置情報の精度が高い施設のアイコンは明るい色で表示し、位置情報の精度が低い施設のアイコンは暗い色で表示するというように明度を変えるように、また、図8に示すように、精度が住居番号・地番緯度経度に一致したピンポイントの施設のアイコンIpは赤色の丸印,精度が街区レベルマッチング(近い)の施設のアイコンInは青色の丸印,精度が町丁目レベルマッチング(遠い)の施設のアイコンIfは緑色の丸印のように、色を変えても良い。また、一定のレベルよりも低い精度の施設のアイコンは表示しないようにしてもよい。
さらに、図8に示すように、制御部18は、表示部5の地図上の自車位置には、先に述べた実施形態と同様に、自車アイコンI0を描画する。そして、制御部18は、指定された分類(施設ジャンル)に一致する施設のうち、自車位置(現在位置)から近い順にN箇所を抽出し、それぞれに関連づけられた位置情報で特定される地図上の位置に、精度に応じた施設のアイコンIp,In,Ifを描画する。このとき、地図のスケールは、N個が表示できるように、オートスケールで調整し、画面いっぱいにN個の施設のアイコンが描画されるように制御する。
また、各施設までの現在位置からの離反距離が同心円状の複数のサークルからスケール線Kもあわせて描画している。このスケール線Kは、周辺検索した結果の施設のアイコンIp,In,Ifを描画している間、描画し続けるようにしても良いし、施設のアイコンIp,In,Ifを描画後、一定時間(たとえば5秒)経過したら消去するように制御しても良い。また、縮尺の変更をしたり、施設のアイコンIp,In,Ifを選択したりするなど、何かしらの画面表示の変更があった際に、一定期間サークル線Kを描画し、その後消去するようにしても良い。
この図8は、表示部5の上端側に、メッセージ領域R1が設定され、下端側に操作スイッチ領域R2が設定されている。描画された施設のアイコンIp,In,Ifの中のいずれかを選択した場合、制御部18は、データベース19に格納されたその選択された施設に関連づけられた簡易情報(名称・住所等)をメッセージ領域R1に描画する。このアイコンの選択は、たとえば、表示部5に描画されたアイコンIp,In,Ifを直接タッチすることで行う。また、操作スイッチ領域R2の右端に設定されたカーソルキーをタッチする都度、所定のルール(近いものから順で、最遠まで行くと最近に戻る)で選択されるアイコンが遷移することで選択することもできる。さらに、現在どのアイコンが選択されているかが容易にわかるようにするため、制御部18は、自車アイコンI0から、選択(フォーカス)されたアイコンまでを直線(点線)で結ぶ指示線Sを描画するようにしている。
さらに、操作スイッチ領域R2の中央の詳細ボタンをタッチされたことを制御部18が認識すると、制御部18は、現在選択されているアイコンの施設についての詳細情報が存在する場合、それをデータベース19から読み出すと共に表示部5の地図の道路ネットワーク上の対応する位置に重ねて或いは地図表示から切り替えて詳細情報を描画する。また、選択した状態で確定すると、目的地とし、制御部18は、その目的地までの推奨経路を求め、その経路を描画すると共にガイドする。
なお、その他の構成並びに作用効果、すなわち、周辺検索により指定された分類の施設以外の周辺施設についてのアイコンの表示の制限等は、図1〜図7を用いて先に説明した実施形態と同様であるのでその詳細な説明を省略する。また、この職業別電話帳番号データに経度緯度情報を付加したデータベースに基づく周辺検索を行う機能、並びに、経度緯度情報に精度のレベル差が存在する場合にその周辺検索した結果を描画するに際し、精度に応じて表示形態を異ならせることは、周辺施設のアイコンの表示の制限等とは関係なく、それぞれ単独の機能として実現することもできる。
また、上述した実施形態では、自車位置を基準とした周辺検索を行う場合について説明したが、本発明はこれに限ることはなく、特定の地点を基準に周辺検索を行う場合にも適用できる。特定の地点は、たとえば、地図上の任意の点をタッチし、そのタッチした位置を基準とすることができる。また、設定済みの目的地(最終目的地/経由地)を特定の地点とすることもできる。
また、上述した実施形態は、周辺検索する際に指定する分類の指定方法として、分類情報選択メニューのように、一覧リストを描画し、その中からユーザが選択するようにしたが、本発明はこれに限ることはなく、たとえば、表示部5の地図上にすでに描画されている周辺施設のアイコンI1等をタッチなどして選択する方式を採ることができる。すなわち、周辺施設のアイコンI1は、予め設定された分類の施設が地図で表示されるエリア内に存在する場合には、対応する位置に描画するものである。そして、周辺施設のアイコンI1は、その分類がわかるような形態となっているので、ユーザが表示画面を見ていて、同種の分類の施設が周囲にないかを検索しようとした場合、係る描画された周辺施設のアイコンI1をタッチして選択すると共に、周辺施設の検索実行命令を与えると、制御部18は、データベース19にアクセスし、指定された周辺施設のアイコンI1に対応する施設の分類を取得し、取得した分類に基づいて周辺検索を実行し、その結果を表示部5の地図上に描画する。このとき、施設のアイコンIが丸印とした場合、上述したように、周辺施設のアイコンI1の上に重ねて描画したり、周辺施設のアイコンI1の描画を制限したり(非表示・目立たない表示態様とする)するとよい。また、描画する周辺施設として、複数種の分類が指定されている場合は、指定されなかった分類の周辺施設のアイコンI1もその描画を制限すると、どのアイコンが周辺検索して抽出された施設のアイコンIであるかが一目でわかる。
さらに、位置の精度に応じて表示態様を異ならせる機能は、電話番号検索の結果にも利用することができる。すなわち、電話番号検索は、電話番号を入力し、それに対応する施設を特定し、その施設に関連づけられた位置情報に基づき地図上の該当する位置にアイコンを描画し、目的地として良いかの判断をする。このとき、描画されたアイコンの位置が実際の位置と正確に一致しているのか、ある程度のばらつきがあるのかがわかるので、目標物として設定して良いか否かの判断をするのに適切な情報の提供をすることができる。
図9は、表示部5に描画する描画の重ね合わせ構造(レイヤ構造)の一例を示している。同図に示すように、表示部5に描画する地図は、道路ネットワークを描画するレイヤ61,地名等の文字情報を描画するレイヤ62,周辺施設のアイコンを描画するレイヤ63,推奨経路等を描画するレイヤ64など、それぞれの種類ごとにレイヤを分けている。例えば道路ネットワークを描画するレイヤ61,地名等の文字情報を描画するレイヤ62,周辺施設のアイコンを描画するレイヤ63,推奨経路等を描画するレイヤ64は、従来のナビゲーション装置と同じ構成とするようにしてもよい。
そして、施設のアイコンIを描画するレイヤをさらに設け、ユーザからの選択を受けた制御部18は、該当する施設を検索し、該当する施設のアイコンを、当該レイヤ65を用いて描画する。なお、本実施形態では、この施設のアイコン用のレイヤ65を、上記の各種のレイヤの上に重ねて描画するようにしたが、周辺施設のアイコンのレイヤ63と切り替える形で描画するようにしてもよい。特に、周辺施設の表示の制限として表示しない態様をとる場合には、係る切替を行うことで簡単に実現できる。もちろん、切替を行う場合に、周辺施設のアイコンの一部または全部を、施設のアイコン用のレイヤ65上に描画するようにしても良い。つまり、施設のアイコン用のレイヤ65の描画に切り替えることで、周辺施設のアイコン用のレイヤ63で描画していた周辺施設のアイコンは表示されなくなる。この場合に、係る周辺施設のアイコン用のレイヤ63で描画していたアイコンのうち描画したいアイコンについては、施設のアイコン用のレイヤ65を用いて、当該レイヤ65上に周辺施設のアイコンと共に描画することができる。また、施設のアイコン用のレイヤ65を周辺施設のアイコン用のレイヤ63の上に重ねることで、周辺施設のアイコンの上に重ねて施設のアイコンを描画する処理が簡単に行える。