JP5696629B2 - 内燃機関の制御入力値演算方法 - Google Patents

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Description

この発明は、内燃機関の制御入力値の演算方法に係り、特に、複数のコアを搭載したマルチコアプロセッサを用いて制御入力値の演算を行う方法に関する。
従来、例えば特開平4−227563号公報に開示されるように、高速に線形計画法モデルの最適解を求め被制御システムの物理的資源を割り当てるための技術が知られている。この装置では、具体的には、ポリトープの内側の任意に或いは計画的に選択されたポイントが開始ポイントとして使用される。そして、線形性及び凸面性を保持するように割り当て変数を線形的に変化させることによって、開始ポイントが実質的に変形されたポリトープの中心となり全ての小面が中心からほぼ等距離となるように、線形計画法モデル内の変数が正規化変換される。そして、目的関数の傾斜の負の方向に沿って、ポリトープの境界によって制約される距離だけ移動することによって、次の割り当てポイントが選択される。最後に、新たな割り当てポイントに関して、元のポリトープ空間に戻すための逆変換が行われ、変換された新たなポイントを新たな開始ポイントとして、全プロセスが反復される。
特開平4−227563号公報 特開2010−277577号公報
ところで、エンジンの1または複数のアクチュエータの制御入力を、制御モデルを用いて演算するいわゆるモデルベース制御が知られている。このようなモデルベース制御では、サンプリングレートが速いというエンジン制御の特殊性から演算の高速化が求められる。そこで、上記従来の演算手法をエンジン制御に適用することが考えられる。しかしながら、上記従来の技術は、線形方程式、線形不等式で書かれた静的な問題に対するアプローチであるため、エンジンのモデルベース制御のような動的な問題を設計することはできない。そこで、演算の高速化の要望を受けて検討されている事項の1つが、複数のコアを備える演算装置のモデルベース制御への適用である。複数のコアを有する演算装置によれば、種々の演算を並列化することにより演算の高速化が期待できる。
しかしながら、演算の並列化は単純な問題ではない。すなわち、エンジンのモデルベース制御では、データの依存関係が複雑に存在する。このため、単純に演算のタスクを複数のコアに分配してしまうと、待ち状態となる演算が出てきてしまい、演算資源を有効に活用することができないおそれがある。したがって、複数のコアを有する演算装置を用いてエンジン制御を行う場合には、その演算内容に応じた適切なプロセスの構築が必要となる。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、複数のコアが搭載されたマルチコアプロセッサを用いて、内燃機関のアクチュエータの制御入力値を高速に演算することのできる内燃機関の制御入力値演算方法を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、複数のコアが搭載されたマルチコアプロセッサを用いて内燃機関の1または複数のアクチュエータの制御入力値を演算する方法であって、
前記内燃機関の第1のエンジンパラメータおよび第2のエンジンパラメータに関する観測量を取得する観測量取得ステップと、
前記第1,第2のエンジンパラメータを引数とする2次元格子空間の各格子点の中から、前記観測量に対応する動作点の近傍に位置する複数の格子点をそれぞれ端点として特定する端点特定ステップと、
前記複数の端点の各々に対応する前記制御入力値を演算する演算ステップと、
前記演算ステップにおいて演算された各端点の制御入力値に基づいて、前記動作点に対応する前記制御入力値を算出する制御入力値算出ステップと、を備え、
前記演算ステップは、
前記制御入力値の演算を、前記端点毎に前記複数のコアに割り当てる割り当てステップと、
コア毎に割り当てた前記制御入力値の演算を、前記複数のコアにより並列に演算する並列演算ステップと、
を含むことを特徴としている。
第2の発明は、第1の発明において、
前記演算ステップは、前記内燃機関の複数の状態量がそれぞれの目標値に追従するように、前記状態量と前記目標値との偏差を積分する積分器を含んだ方程式を用いて、前記複数の端点の各々に対応する制御入力値を計算することを特徴としている。
第3の発明は、第1または第2の発明において、
前記複数の端点の各々について、前記動作点との距離が近いほど大きくなるような重みパラメータを算出するステップを更に備え、
前記制御入力値算出ステップは、前記複数の端点の各々の制御入力値に前記重みパラメータの各々を反映させることにより、前記動作点に対応する制御入力値を算出することを特徴としている。
第4の発明は、第1乃至第3の何れか1つの発明において、
前記端点特定ステップは、前記動作点を含む最小格子空間を形成する4つの格子点を前記複数の端点として特定することを特徴としている。
第5の発明は、第1乃至第4の何れか1つの発明において、
前記制御入力値算出ステップは、
前記演算ステップによる演算処理後における所定時間先の機関回転数を推定する推定ステップと、
前記推定ステップにより推定された機関回転数に基づいて、前記複数のコアのうち前記所定時間先における演算負荷が他のコアに比して軽いコアを特定するコア特定ステップと、を更に備え、
前記制御入力値算出ステップは、前記コア特定ステップにおいて特定されたコアに、前記動作点に対応する前記制御入力値の演算を割り当てて演算を行うことを特徴としている。
第1の発明によれば、各端点における制御入力値が、複数のコアにより並列に演算される。各端点における制御入力値の演算は互いに独立した演算であって、並列演算に適している。このため、本発明によれば、演算資源を有効に活用して演算の高速化を図ることが可能となる。
第2の発明によれば、制御入力値は、内燃機関の複数の状態量がそれぞれの目標値に追従するように、状態量と目標値との偏差を積分する積分器を含んだ方程式を用いて計算される。このような積分器を含んだ方程式は演算負荷が高い。このため、本発明によれば、演算負荷の高い制御入力値の演算を複数のコアを用いて並列に演算することができるので、演算の高速化を有効に図ることが可能となる。
第3の発明によれば、各端点と動作点との距離が近いほど端点の制御入力値が動作点の制御入力値に大きく反映されるように、重みパラメータが算出される。このため、本発明によれば、動作点に対応する制御入力値を高精度に演算することができる。
第4の発明によれば、動作点の属する最小格子空間を形成する4つの格子点が端点として特定される。このため、本発明によれば、動作点に最も近い4端点の制御入力値を用いて制御入力値が演算されるので、動作点に対応する制御入力値の補完精度を有効に高めることができる。
第5の発明によれば、各端点の制御入力値の演算処理後における機関回転数の所定時間先の値が推定される。そして、この推定された機関回転数に基づいて、演算負荷の低いコアが複数のコアの中から特定され、係るコアを用いて動作点における制御入力値が演算される。このため、本発明によれば、演算負荷の低いコアを先読みすることにより、演算資源を有効に活用することができる。
本発明の実施の形態1としての内燃機関の制御システムの概要を示す図である。 エンジン回転数Neと燃料噴射量Qとを引数とした運転条件格子空間を示す図である。 図2に示す運転条件格子空間における動作点の近傍を拡大して示した図である。 本発明の実施の形態1において実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態2において実行されるルーチンのフローチャートである。
以下、図面に基づいてこの発明の実施の形態について説明する。尚、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。また、以下の実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
[実施の形態1の構成]
図1は、本発明の実施の形態1としての内燃機関の制御システムの概要を示す図である。制御システムは、制御対象である内燃機関2と、内燃機関2が備える複数のアクチュエータを操作してその運転を制御する制御装置4を含んでいる。本実施の形態の内燃機関2はディーゼルエンジンであり、アクチュエータはディーゼルスロットル、EGRバルブ及びターボチャージャの可変ノズルの3種類である。
本実施の形態の制御装置4は、4つのコア6A,6B,6C,6Dが搭載されたマルチコアECUとして構成され、エンジンECUの機能の一部として実現される。制御装置4は、いわゆるモデルベース制御によってディーゼルエンジン2を制御するものであり、モデル予測を多用して、上述した複数のアクチュエータの制御入力値を計算する。具体的には、ディーゼルエンジン2から制御装置4には、EGR率“egr”、過給圧“pim”、エンジン回転数“Ne”及び燃料噴射量“Q”を含む各種の情報が取り込まれる。制御装置4は、取り込んだ情報に基づき、ディーゼルスロットルの操作量であるスロットル開度“Dth”、EGRバルブの操作量であるEGRバルブ開度“EGRv”及び可変ノズルの操作量である可変ノズル開度“VN”をそれぞれ計算し、ディーゼルエンジン2に出力する。
[実施の形態1の特徴的動作]
次に、本実施の形態1の特徴的動作について説明する。複雑なエンジン挙動をモデル化する際には、エンジン特性をより高精度に記述可能な表現形式を用いてモデル化することが重要となる。そこで、本実施の形態1のシステムでは、ポリトープ表現形式を用いてエンジン挙動のモデル化を行うこととしている。以下、ポリトープ表現形式を用いたモデリング手法について詳細に説明する。
制御装置4は、協調制御のための目標値追従コントローラを備えている。目標値追従コントローラは、ディーゼルエンジン2の状態量であるEGR率と過給圧の各推定値がそれぞれの目標値に追従するように各アクチュエータの操作量を計算する。以下の式(1)は、目標値追従コントローラの制御側を示す方程式である。尚、次式(1)において、“u”はディーゼルエンジン2への制御入力としての入力変数ベクトルである。入力変数ベクトルには操作量であるスロットル開度、EGRバルブ開度及び可変ノズル開度が含まれる。“x”は状態量としての状態変数ベクトルであり、“r”はその目標値ベクトルである。状態変数ベクトルにはEGR率と過給圧の各推定値が含まれる。“v”は目標値ベクトルに対する状態変数ベクトルの追従誤差を積分して得られる積分ベクトルである。“K”は係数行列であり、“ρ”はエンジン回転数Neと燃料噴射量Qとによって変化するスケジューリングパラメータである。
Figure 0005696629
図2は、エンジン回転数Neと燃料噴射量Qとを引数とした運転条件格子空間を示す図である。この図に示すとおり、運転条件格子空間は、エンジン回転数Neを横軸、燃料噴射量Qを縦軸とした2次元空間が所定の幅で格子状に区切られている。ここで、図2に示す運転条件格子空間上において、エンジン回転数Neおよび燃料噴射量Qの観測量が位置する点(以下、「動作点」と称する)の属する格子空間の4つの頂点をそれぞれ端点1、端点2、端点3、端点4とした場合を考える。図3は、図2に示す運転条件格子空間における動作点の近傍を拡大して示した図である。この場合、動作点と各端点との横方向および縦方向の距離の比率をα,βを用いて図3のように表したとき、動作点における入力変数ベクトルuは、次式(2)で表される。
Figure 0005696629
上式(2)によれば、動作点に近い端点ほど、大きな重みをかけることができる。上式(2)のような表現形式をポリトープ表現形式という。このように、ポリトープ表現形式による演算によれば、動作点が格子内の内分点に位置した場合であっても、入力変数ベクトルuを高精度に計算することが可能となる。
ところで、上述したようなポリトープ表現形式の演算をエンジンのモデルベース制御に用いる場合においては、演算処理時間の長期化が問題となる。すなわち、サンプリングレートが速いエンジン制御の特殊性に鑑みると、上述したような演算負荷の高い行列計算を逐次処理した場合に、指定したサンプリング時間内に演算処理を終わらすことができないことも想定される。
そこで、本実施の形態のシステムでは、上式(2)の演算において、複数のコアを用いた並列演算処理を行うこととする。上式(2)の演算を展開して整理すると次式(3)が導き出される。
Figure 0005696629
上式(3)における入力変数ベクトルu〜uは、端点1〜端点4におけるそれぞれの入力変数ベクトルを示しており、これらの演算は互いに独立している。そこで、本実施の形態のシステムでは、入力変数ベクトルu,u,u,uの各々の演算を、それぞれ各コア6A,6B,6C,6Dに割り当てて、各コア6A〜6Dにおいて並列に演算することとする。演算された入力変数ベクトルu〜uは、複数のコアの中から選択された演算負荷の低いコア(以下、「空きコア」と称する)に集められる。空きコアでは、集められた入力変数ベクトルu〜u、および上式(2)に従い別途演算されたスケジューリングパラメータρ1〜ρ4を上式(3)に代入することにより、動作点における入力変数ベクトルuが算出される。
このように、本実施の形態のシステムによれば、互いに独立した入力変数ベクトルu〜uの各々の演算を複数のコアを用いて並列に演算することができる。これにより、ポリトープ表現形式を用いたモデルベース制御において、演算負荷の軽減および演算の高速化を有効に図ることが可能となる。
[実施の形態1の具体的処理]
次に、図4を参照して、本実施の形態1の具体的処理について説明する。図4は、本発明の実施の形態1において実行されるルーチンのフローチャートである。尚、図4に示すルーチンは、ディーゼルエンジンの運転中に繰り返し実行されるものとする。
図4に示すルーチンでは、先ず、現在の運転条件として、エンジン回転数Neと燃料噴射量Qとが検出される(ステップ100)。次に、上記ステップ100において検出された運転条件の動作点が、エンジン回転数と燃料噴射量とを引数とした運転条件格子空間上のどのセル(格子)に属するかが判定される(ステップ102)。ここでは、具体的には、現在の運転条件の属するセルを形成する4つの端点が特定される。
次に、現在状態が取得される(ステップ104)。ここでは、エンジンの状態量としての過給圧pimおよびEGR率egrが取得されるとともに、これら状態量の各追従誤差の積分値がそれぞれ算出される。
また、上記ステップ102の処理の後は、現在運転条件の内分点計算が行われる(ステップ106)。ここでは、具体的には、上記ステップ102において特定された4つの端点のそれぞれと現在の運転条件の動作点との距離に応じた重みを反映させるための値として、上式(2)に示すスケジューリングパラメータρ1〜ρ4が算出される。
次に、上記ステップ104において取得された現在状態を用いて、上式(3)に示す4つ端点の入力変数ベクトルu〜uが複数のコアのそれぞれで演算される(ステップ108)。ここでは、具体的には、入力変数ベクトルuの演算がコア6Aに、入力変数ベクトルuの演算がコア6Bに、入力変数ベクトルuの演算がコア6Cに、そして入力変数ベクトルuの演算がコア6Dに、それぞれ割り当てられる。各コア6A〜6Dでは、割り当てられた演算がそれぞれ並列に実行される。
次に、空きコアが探索される(ステップ110)。ここでは、具体的には、複数のコア6A〜6Dの中で最も演算負荷の低いコアが探索される。次に、現在の運転条件における最終制御入力として、動作点での入力変数ベクトルが算出される(ステップ112)。ここでは、具体的には、上記ステップ108において並列に演算された入力変数ベクトルu〜u、および上記ステップ106において算出されたスケジューリングパラメータρ1〜ρ4が、上記ステップ110において特定された空きコアに集められる。そして、空きコアでは、集められた入力変数ベクトルu〜u、およびρ1〜ρ4を上式(3)に代入することにより、動作点における制御入力である入力変数ベクトルuが算出される。
以上説明したとおり、本実施の形態1のシステムによれば、演算負荷が高いとされる各端点での制御入力計算が複数のコアを用いて並列に演算される。これにより、演算負荷を有効に軽減することができるので、演算の高速化及び高精度化を図ることが可能となる。
ところで、上述した実施の形態1のシステムでは、状態量としてEGR率と過給圧の2つを用いているが、協調制御の対象となる状態量の個数には限定はなく、例えば、タービン回転速度や排気マニホールド内の圧力(エキマニ圧)なども状態量として用いてもよい。
また、上述した実施の形態1のシステムでは、本発明が適用される内燃機関としてディーゼルエンジンを例に説明しているが、ガソリンやアルコールを燃料とする火花点火式エンジンにも適用可能であるし、また、内燃機関とモータとを組み合わせてなるハイブリッドシステムにも適用可能である。
また、上述した実施の形態1のシステムでは、制御装置4が備える複数のコアとして、4つのコアを有する場合について説明したが、制御装置4が備えるコア数はこれに限られず、2以上のコア数であれば、例えば更に複数のコア数を有することとしてもよい。
また、上述した実施の形態1のシステムでは、空きコアの探索において、最も演算負荷の低いコアを選択することとしているが、空きコアの選択方法はこれに限らず、他の情報等も総合的に考慮して、演算資源を有効に活用しうるコアを選択すればよい。
尚、上述した実施の形態1においては、制御装置4が、上記ステップ100の処理を実行することにより、前記第1の発明における「観測量取得ステップ」が、上記ステップ102の処理を実行することにより、前記第1の発明における「端点特定ステップ」が、上記ステップ108の処理を実行することにより、前記第1の発明における「演算ステップ」が行う判定が、上記ステップ112の処理を実行することにより、前記第1の発明における「制御入力値算出ステップ」が、それぞれ実現されている。
また、上述した実施の形態1においては、制御装置4が、上記ステップ106の処理を実行することにより、前記第3の発明における「重みパラメータを算出するステップ」が実現されている。
実施の形態2.
[実施の形態2の特徴]
次に、図5を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。本実施の形態2は、図1に示すシステムを用いて、後述する図5に示すルーチンを実行することにより実現することができる。
上述した実施の形態1のシステムでは、各コアの現時点での負荷状況に応じて、最終的な制御入力値を算出するための空きコアを選択することとしている。しかしながら、現時点での演算負荷が低い場合であっても、当該演算を行う近い将来には演算負荷が高くなることも想定される。
そこで、本実施の形態2のシステムでは、将来のエンジン回転数として、例えば、噴射量のディレー分に相当する32ms先のエンジン回転数を予測し、当該予測されたエンジン回転数に基づいて、32ms先の各コアの演算負荷を予測することとする。これにより、32ms将来において演算負荷が最も低いコアを特定することができるので、係るコアを用いて最終制御入力値を演算することにより、演算資源を有効に利用して演算の高速化を図ることが可能となる。
[実施の形態2の具体的処理]
次に、図5を参照して、本発明の実施の形態2において実行する処理の具体的内容について説明する。図5は、本発明の実施の形態2において実行されるルーチンのフローチャートである。尚、図5に示すルーチンは、ディーゼルエンジンの運転中に繰り返し実行されるものとする。
図5に示すルーチンでは、先ず、現在の運転条件として、エンジン回転数Neと燃料噴射量Qとが検出される(ステップ200)。次に、上記ステップ200において検出された運転条件の動作点が、エンジン回転数と燃料噴射量とを引数とした運転条件格子空間上のどのセル(格子)に属するかが判定される(ステップ202)。次に、現在状態が取得される(ステップ204)。また、上記ステップ202の処理の後は、現在運転条件の内分点計算が行われる(ステップ206)。次に、複数のコアのそれぞれにおいて、4端点の入力変数ベクトルu〜uがそれぞれ並列に演算される(ステップ208)。尚、本ステップ200〜208では、具体的には、上記ステップ100〜108と同様の処理が実行される。
次に、32ms先のエンジン回転数が予測される(ステップ210)。次に、上記ステップ210において予測されたエンジン回転数に基づいて、32ms先の各コアの演算負荷状況が予測される(ステップ212)。次に、上記ステップ212において予測された各コアの演算負荷が比較され、最も演算負荷が低いコアが空きコアとして選択される(ステップ214)。次に、現在の運転条件における最終制御入力が算出される(ステップ216)。ここでは、具体的には、上記ステップ112と同様の処理が実行される。
以上説明したとおり、本実施の形態2のシステムによれば、将来のエンジン回転数を用いて各コアの演算負荷状況が予測される。これにより、演算負荷の低い空きコアを有効に選択することができるので、選択された空きコアを用いて最終制御入力を演算することにより、演算資源を有効に活用して演算の高速化を図ることが可能となる。
ところで、上述した実施の形態2のシステムでは、状態量としてEGR率と過給圧の2つを用いているが、協調制御の対象となる状態量の個数には限定はなく、例えば、タービン回転速度や排気マニホールド内の圧力(エキマニ圧)なども状態量として用いてもよい。
また、上述した実施の形態2のシステムでは、本発明が適用される内燃機関としてディーゼルエンジンを例に説明しているが、ガソリンやアルコールを燃料とする火花点火式エンジンにも適用可能であるし、また、内燃機関とモータとを組み合わせてなるハイブリッドシステムにも適用可能である。
また、上述した実施の形態2のシステムでは、制御装置4が備える複数のコアとして、4つのコアを有する場合について説明したが、制御装置4が備えるコア数はこれに限られず、2以上のコア数であれば、例えば更に複数のコア数を有することとしてもよい。
尚、上述した実施の形態2においては、制御装置4が、上記ステップ200の処理を実行することにより、前記第1の発明における「観測量取得ステップ」が、上記ステップ202の処理を実行することにより、前記第1の発明における「端点特定ステップ」が、上記ステップ208の処理を実行することにより、前記第1の発明における「演算ステップ」が行う判定が、上記ステップ216の処理を実行することにより、前記第1の発明における「制御入力値算出ステップ」が、それぞれ実現されている。
また、上述した実施の形態2においては、制御装置4が、上記ステップ206の処理を実行することにより、前記第3の発明における「重みパラメータを算出するステップ」が実現されている。
また、上述した実施の形態2においては、制御装置4が、上記ステップ210の処理を実行することにより、前記第5の発明における「推定ステップ」が、上記ステップ212およびステップ214の処理を実行することにより、前記第5の発明における「コア特定ステップ」が、それぞれ実現されている。
2 ディーゼルエンジン
4 制御装置
6A,6B,6C,6D コア

Claims (5)

  1. 複数のコアが搭載されたマルチコアプロセッサを用いて内燃機関の1または複数のアクチュエータの制御入力値を演算する方法であって、
    前記内燃機関の第1のエンジンパラメータおよび第2のエンジンパラメータに関する観測量を取得する観測量取得ステップと、
    前記第1,第2のエンジンパラメータを引数とする2次元格子空間の各格子点の中から、前記観測量に対応する動作点の近傍に位置する複数の格子点をそれぞれ端点として特定する端点特定ステップと、
    前記複数の端点の各々に対応する前記制御入力値を演算する演算ステップと、
    前記演算ステップにおいて演算された各端点の制御入力値に基づいて、前記動作点に対応する前記制御入力値を算出する制御入力値算出ステップと、を備え、
    前記演算ステップは、
    前記制御入力値の演算を、前記端点毎に前記複数のコアに割り当てる割り当てステップと、
    コア毎に割り当てた前記制御入力値の演算を、前記複数のコアにより並列に演算する並列演算ステップと、
    を含むことを特徴とする内燃機関の制御入力値演算方法。
  2. 前記演算ステップは、前記内燃機関の複数の状態量がそれぞれの目標値に追従するように、前記状態量と前記目標値との偏差を積分する積分器を含んだ方程式を用いて、前記複数の端点の各々に対応する制御入力値を計算することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の制御入力値演算方法。
  3. 前記複数の端点の各々について、前記動作点との距離が近いほど大きくなるような重みパラメータを算出するステップを更に備え、
    前記制御入力値算出ステップは、前記複数の端点の各々の制御入力値に前記重みパラメータの各々を反映させることにより、前記動作点に対応する制御入力値を算出することを特徴とする請求項1または2記載の内燃機関の制御入力値演算方法。
  4. 前記端点特定ステップは、前記動作点を含む最小格子空間を形成する4つの格子点を前記複数の端点として特定することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載の内燃機関の制御入力値演算方法。
  5. 前記制御入力値算出ステップは、
    前記演算ステップによる演算処理後における所定時間先の機関回転数を推定する推定ステップと、
    前記推定ステップにより推定された機関回転数に基づいて、前記複数のコアのうち前記所定時間先における演算負荷が他のコアに比して軽いコアを特定するコア特定ステップと、を更に備え、
    前記制御入力値算出ステップは、前記コア特定ステップにおいて特定されたコアに、前記動作点に対応する前記制御入力値の演算を割り当てて演算を行うことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項記載の内燃機関の制御入力値演算方法。
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