JP5696450B2 - 歯車伝動装置 - Google Patents
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Description
特に、歯車伝動装置内における歯車噛合状態を、出力回転取り出しメンバへ外部からこじり力が入力された場合においても、良好に維持し得るようになす技術に関するものである。
このインホイールモータユニットは、ハウジングに直接、回転自在に支持したピニオンを具え、同じくハウジングにホイールハブを直接、回転自在に支持して設け、このホイールハブに設けた大径歯車に上記のピニオンを噛合させて、これら大径歯車およびピニオンより成る減速歯車組を介し、モータおよびホイールハブ(車輪)間を駆動結合したものである。
上記タイヤ横力によるホイールハブの倒れ(こじり)は、大径歯車の軸線を対応方向へ傾斜させる。
そのため、大径歯車の軸線とピニオンの軸線との平行がくずれ、大径歯車およびピニオン間に径方向相対変位を生ずる。
先ず、本発明の前提となる歯車伝動装置を説明するに、これは、
ハウジング内に回転自在に横架した入力軸と、
この入力軸に同軸突き合わせ関係に配して前記ハウジングに回転自在に支持した出力回転取り出しメンバと、
前記入力軸および出力回転取り出しメンバ間での動力伝達が可能な歯車組とを具えたものである。
また、上記歯車構造体を前記入力軸に回転自在に支持してユニット化し、
更に、これら入力軸および歯車構造体から成る回転ユニットの支持に際しては、上記出力回転取り出しメンバに近い上記入力軸の端部を該出力回転取り出しメンバに対し揺動可能、且つ軸線方向変位可能にして該出力回転取り出しメンバに回転自在に支持し、上記出力回転取り出しメンバから遠い上記入力軸の端部を上記ハウジングに対し揺動可能にして該ハウジングに回転自在に支持し、
上記歯車構造体を上記入力軸上に回転自在に支持すると共に、上記出力回転取り出しメンバに対し揺動可能な態様で該出力回転取り出しメンバに回転係合させた構成に特徴づけられる。
従って、歯車間の噛み合い率が悪化するのを回避し得て、これら歯車の強度低下や、耐久性の悪化を招くという前記の問題を生じなくすることができると共に、不快な異音が発生するという前記の問題も生じなくすることができる。
出力回転取り出しメンバがこじられる時、回転ユニットはハウジング側支持点を中心として揺動されることとなる。
従って、前記の歯車組が歯車構造体とハウジング側固定ギヤとの噛合により構成されたものである場合において、この固定ギヤと歯車構造体との間に設定する必要があるラジアルギャップ(径方向隙間)が小さくてよく、これら固定ギヤおよび歯車構造体間の噛合部におけるバックラッシュを減じて、歯車打音やギヤ噛み合いショックを小さくすることができる。
更に本発明においては上記した通り、出力回転取り出しメンバから遠い入力軸の端部をハウジングに回転自在に支持するに当たり、当該入力軸端部をハウジングに対し揺動可能な態様で該ハウジングに回転支持し、
出力回転取り出しメンバに近い入力軸の端部を出力回転取り出しメンバに回転自在に支持するに当たり、当該入力軸端部を出力回転取り出しメンバに対し揺動可能、且つ軸線方向変位可能な態様で該出力回転取り出しメンバに回転支持し、
歯車構造体を出力回転取り出しメンバに対し揺動可能な態様で該出力回転取り出しメンバに回転係合させたため、
上記した歯車間噛み合い率の悪化(歯車の強度低下や、耐久性の悪化や、騒音)に関する問題解決を一層確実なものにし得るほか、出力回転取り出しメンバに発生するガタの方向や発生量を含む発生形態の如何に関わらず、このガタを、ハウジングおよび出力回転取り出しメンバに対する入力軸両端部の回転支持部と、出力回転取り出しメンバに対する歯車構造体の回転係合部とで吸収することができ、入力軸および歯車構造体に外力が伝わるのを防止し得て小型化を図ることができる。
<第1実施例の構成>
図1は、電気自動車のインホイールモータユニットとして構成した本発明の一実施例になる歯車伝動装置を示す縦断側面図である。
この図において、1は、インホイールモータユニットのケース本体、2は、該ケース本体1のリヤカバーで、これらケース本体1およびリヤカバー2により、インホイールモータユニットのハウジング3を構成する。
電動モータ4は、ケース本体1の内周に嵌合して固設した円環状のステータ6と、かかる円環状ステータ6の内周にラジアルギャップ(径方向隙間)を持たせて同心に配したロータ7とで構成する。
そのため減速歯車組5は、サンギヤ11と、このサンギヤ11に対しホイールハブ9に接近する軸線方向へずらせて同心配置した固定のリングギヤ12と、これらサンギヤ11およびリングギヤ12に噛合する段付きプラネタリピニオン(段付きピニオン)13と、かかる段付きプラネタリピニオン13を回転自在に支持するキャリア14a,14bとにより構成する。
ホイールハブ9の外周部には、これを軸線方向に貫通して複数個のハブボルト16を植設し、
図示せざる車輪のホイールディスクに穿ったボルト孔にこれらハブボルト16が貫通するよう、当該ホイールディスクをホイールハブ9の側面に密接させ、この状態でハブボルト16の先端にホイールナットを緊締螺合することにより、ホイールハブ9に対する車輪の取り付けを行う。
ケース本体1の前端開口端内に前記のリングギヤ12を廻り止め、且つ抜け止めして固設する。
段付きプラネタリピニオン13をサンギヤ11の外周およびリングギヤ12の内周に沿い転動させ得るようになす。
この段付きプラネタリピニオン13は、大径ギヤ部13aがホイールハブ9から遠い側に位置し、小径ギヤ部13bがホイールハブ9に近い側に位置するような向きに配置する。
キャリア14a,14bおよび4個の段付きプラネタリピニオン13は、本発明における歯車構造体(遊星歯車構造体)を構成し、キャリア14a,14b が減速歯車組5の出力回転メンバの用をなす。
従って入力軸8および遊星歯車構造体(段付きプラネタリピニオン13およびキャリア14a,14b)は、本発明における回転ユニットに相当する。
この駆動軸21は中空として入力軸8に遊嵌し、ホイールハブ9に近い該中空駆動軸21の先端外周21aを、ベアリング18と略同じ軸線方向位置においてホイールハブ9の内周に回転係合させる。
この時におけるホイールハブ9の径方向ガタ量を検出する変位センサ22を、図1のごとくケース本体1(ハウジング3)に設ける。
従って変位センサ22は、本発明におけるガタ量検出手段に相当する。
この図3(a)をも用いて第1実施例の構成を更に付言するに、ホイールハブ9から遠い入力軸8の端部をケース本体1(ハウジング3)に回転自在に支持するベアリング17は、このベアリング17による支承部の周りで入力軸8がケース本体1(ハウジング3)に対し揺動するのを許容するようなベアリングとする。
これにより遊星歯車構造体をホイールハブ9の内周に対し揺動可能な態様で回転係合させる。
電動モータ4のステータ6に通電すると、これからの電磁力で電動モータ4のロータ7が回転駆動され、この回転駆動力は入力軸8を介して減速歯車組5のサンギヤ11に伝達される。
これによりサンギヤ11は、大径ギヤ部13aを介して段付きプラネタリピニオン13を回転させるが、このとき固定のリングギヤ12が反力受けとして機能するため、段付きプラネタリピニオン13は、小径ギヤ部13bがリングギヤ12の内周に沿って転動し、また大径ギヤ部13aがサンギヤ11の外周に沿って転動するような遊星運動を行う。
かかる段付きプラネタリピニオン13の遊星運動は、キャリア14a,14bおよび中空駆動軸21を順次介してホイールハブ9に伝達され、ホイールハブ9を入力軸8と同方向に回転させる。
ホイールハブ9への回転は、これにハブボルト16で結合した図示せざる車輪に伝達され、車両を走行させることができる。
ところで第1実施例においては、減速歯車組5が、入力軸8およびハウジング3間の環状スペース内を旋回しつつ入力軸8およびホイールハブ9間での動力伝達を行う遊星歯車構造体(キャリア14a,14bおよび段付きプラネタリピニオン13)を包含するようなものとし、
また、遊星歯車構造体(キャリア14a,14bおよび段付きプラネタリピニオン13)を入力軸8上にベアリング19,20で回転自在に支持して、1個の回転ユニットとなるようユニット化し、
更に、当該回転ユニットを構成する入力軸8を、ホイールハブ9に近い端部においては該ホイールハブ9にベアリング18で回転自在に支持し、ホイールハブ9から遠い端部においてはハウジング3(リヤカバー2)にベアリング17で回転自在に支持したため、以下の効果を得ることができる。
この時ホイールハブ9は、図3(b)に示すように或る中心点O1の周りで例えば矢Bの方向へ変位し、ベアリング17,18間に延在する入力軸8がハウジング側支持点(ベアリング17)の周りで図3(b)に示すように、また図3(a)の破線O2により示すように揺動して傾斜する。
従って、遊星歯車構造体の構成部品(キャリア14a,14bおよび段付きプラネタリピニオン13)が径方向に相対変位することがなく、入力軸8上のサンギヤ11に対しても径方向に相対変位することがない。
歯車組5の遊星歯車構造体(キャリア14a,14bおよび段付きプラネタリピニオン13)がホイールハブ9よりも、入力軸8の揺動中心(ベアリング17)に近いこととなり、入力軸8の上記揺動に伴う遊星歯車構造体(キャリア14a,14bおよび段付きプラネタリピニオン13)の径方向変位量がその分だけ小さい。
これら小径ギヤ部13bおよびリングギヤ12間のバックラッシュを減じて歯車打音やギヤ噛み合い騒音を小さくすることができる。
また、ホイールハブ9に近い入力軸8の端部をベアリング18により揺動可能かつ軸線方向変位可能な態様でホイールハブ9に対し回転自在に支持し、
また、遊星歯車構造体(キャリア14a,14bおよび段付きプラネタリピニオン13)を中空駆動軸21(先端外周21aの軸線方向中高円弧歯)によりホイールハブ9の内周に対し揺動可能な態様で回転係合させたため、
前記した歯車間噛み合い率の悪化(歯車の強度低下や、耐久性の悪化や、騒音)に関する問題解決を一層確実なものにし得るほか、以下のような効果を享受し得る。
2個のベアリング17,18のみで、ベアリングの増設なしに、遊星歯車構造体(キャリア14a,14bおよび段付きプラネタリピニオン13)と入力軸8との前記した径方向一体変位を保証して、安価に前記の効果を達成することができる。
センサ22によりホイールハブ9のガタ量を検出し得るようになり、これによる検出結果を用いて本実施例のような安全対策が実現可能となる。
図4は、本発明の第2実施例になる歯車伝動装置を示す模式図で、図中、図1,3におけると同様な部分に同一符号を付して示した。
本実施例は、図1,3に示した第1実施例と略同様な構成とし、遊星歯車構造体(キャリア14a,14bおよび段付きプラネタリピニオン13)を2個のベアリング19,20により入力軸8上に回転自在に支持する。
これにより、図1,3に示した第1実施例のようにホイールハブ9に近い入力軸8の端部を直接ホイールハブ9に対し回転自在に支持するのではなく、
遊星歯車構造体(キャリア14a,14bおよび段付きプラネタリピニオン13)の一部を成す中空駆動軸21の先端(外周21aおよび内周21bを有する)を介して、ホイールハブ9に近い入力軸8の端部を間接的にホイールハブ9に対し回転自在に支持する。
かかる第2実施例の歯車伝動装置によれば、第1実施例の前記した作用効果をそのまま奏し得るのに加えて、
図1,3におけるような、ホイールハブ9に近い入力軸8の端部を直接ホイールハブ9に軸受するためのベアリング18が不要であり、コスト上および重量的に有利となる。
図5は、本発明の第3実施例になる歯車伝動装置を示す模式図で、図中、図1,3におけると同様な部分に同一符号を付して示した。
本実施例は、図1,3に示した第1実施例と略同様な構成とし、入力軸8に一体成形したサンギヤ11に噛合する大径ギヤ部13a、およびリングギヤ12に噛合する小径ギヤ部13bを有した段付きプラネタリピニオン13と、キャリア14a,14bとから成る遊星歯車構造体で入力軸8およびホイールハブ9間を駆動結合する。
これに合わせて、入力軸8に設けるサンギヤ11、およびハウジング3に固設するリングギヤ12の位置替えを行う。
これにより本実施例ではリングギヤ12を、遊星歯車構造体(キャリア14a,14bおよび段付きプラネタリピニオン13)の軸線方向幅内で最も、ホイールハブ9から遠い位置に配置する。
かかる第3実施例の歯車伝動装置によれば、第1実施例の前記した作用効果をそのまま奏し得るのに加えて、
リングギヤ12および小径ギヤ部13b間の噛合部が、遊星歯車構造体(キャリア14a,14bおよび段付きプラネタリピニオン13)の軸線方向幅内で最も、ホイールハブ9から遠い位置に存在することとなり、その分だけ、入力軸8のハウジング側回転支持部(ベアリング17)に接近する。
従って、この径方向変位量を考慮して決定すべき、リングギヤ12および小径ギヤ部13b間の噛合部におけるバックラッシュを小さくすることができ、歯車打音やギヤ噛み合い騒音を小さくし得る。
ロータ7およびステップ6間のラジアルギャップを極く小さくすることができ、電動モータ4の動力性能を向上させることができる。
図6は、本発明の第4実施例になる歯車伝動装置を示す模式図で、図中、図1,3におけると同様に機能する部分を同一符号により示した。
本実施例においては、図1,3に示した第1実施例、図4に示した第2実施例、図5に示した第3実施例と異なり、入力軸8を中空とし、駆動軸21を中実とする。
駆動軸21は、ホイールハブ9から遠い端部をベアリング17でハウジング3に回転自在に支持し、ホイールハブ9に近い端部をベアリング18でホイールハブ9内に回転自在に支持する。
電動モータ4よりもベアリング17に近い側、好ましくはホイールハブ9から最も遠いハウジング3内の端部内に遊星歯車構造体(段付きプラネタリピニオン13およびキャリア14a,14b)を配置する。
サンギヤ11は、大径ギヤ部13aと噛合する位置に配して入力軸8の外周に設け、リングギヤ12は、小径ギヤ部13bと噛合する位置に配してハウジング3の内周に固設する。
駆動軸21の反対端外周21aを、ベアリング18と略同じ軸線方向位置においてホイールハブ9の内周に回転係合させる。
かかる第4実施例の歯車伝動装置においては、タイヤ接地面から車輪へタイヤ横力(車幅方向荷重)が入力され、ホイールハブ9がこじり力を受けて対応する径方向へ変位すると、
駆動軸21はハウジング側支持点(ベアリング17)の周りで対応方向へ揺動して傾斜する。
かかる駆動軸21の揺動時に入力軸8は、これと一体になって揺動し、これら入力軸8および駆動軸21間の遊星歯車構造体(キャリア14a,14bおよび段付きプラネタリピニオン13)も、入力軸8および駆動軸21と一体的に揺動する。
そのため前記した各実施例と同様に、歯車間の噛み合い率が悪化するのを回避し得て、これら歯車の強度低下や、耐久性の悪化を招くという前記の問題を生じなくすることができると共に、不快な異音が発生するという前記の問題も生じなくすることができる。
歯車組5の遊星歯車構造体(キャリア14a,14bおよび段付きプラネタリピニオン13)がホイールハブ9よりも、駆動軸21の揺動中心(ベアリング17)に近いこととなり、駆動軸21の上記揺動に伴う遊星歯車構造体(キャリア14a,14bおよび段付きプラネタリピニオン13)の径方向変位量がその分だけ小さい。
これら小径ギヤ部13bおよびリングギヤ12間のバックラッシュを減じて歯車打音やギヤ噛み合い騒音を小さくすることができる。
遊星歯車構造体(キャリア14a,14bおよび段付きプラネタリピニオン13)およびリングギヤ12が、駆動軸21の上記揺動の中心であるハウジング側支持点(ベアリング17)に最も近い位置に配置されることとなり、上記の作用効果を更に顕著なものにすることができる。
図7は、本発明の第5実施例になる歯車伝動装置を示す模式図で、図中、図1,3におけると同様に機能する部分を同一符号により示した。
本実施例においては、図1,3に示した第1実施例、図4に示した第2実施例、図5に示した第3実施例と異なり、入力軸8を中空とし、駆動軸21を中実とし、
基本的には、図6に示した第4実施例と同様な構成とするが、特に、ベアリング17をリングギヤ12と略同じ軸線方向位置に配置する。
かかる第5実施例の歯車伝動装置においては、第4実施例の作用効果に加えて、以下の作用効果を得ることができる。
つまり、ホイールハブ9から遠い遊星歯車構造体(キャリア14a,14bおよび段付きプラネタリピニオン13)の端部を、リングギヤ12と略同じ軸線方向位置においてハウジング3に対し回転支持するため、
タイヤ横力に起因した駆動軸21、遊星歯車構造体(キャリア14a,14bおよび段付きプラネタリピニオン13)、および入力軸12のハウジング側支持点(ベアリング17)周りの揺動時における小径ギヤ部13bの径方向変位を実質上0になし得る。
しかし、小径ギヤ部13bの揺動に伴う小径ギヤ部13bおよびリングギヤ12間の相対変位は、これら小径ギヤ部13bおよびリングギヤ12間のバックラッシュに大きく関与するものでなく、当該バックラッシュの悪化を伴うことなく容易に吸収することができ、上記相対変位の吸収とバックラッシュとの両立は容易である。
図8は、本発明の第6実施例になる歯車伝動装置を示す模式図で、図中、図1,3におけると同様な部分に同一符号を付して示した。
本実施例は、図1,3に示した第1実施例と基本的に同様な構成とするが、遊星歯車構造体(キャリア14a,14bおよび段付きプラネタリピニオン13)を、ホイールハブ9と略同じ軸線方向位置において、該ホイールハブ9の外周に配置し、1個のベアリング20により入力軸8上に回転自在に支持する。
かかる第6実施例の歯車伝動装置によれば、第1実施例の前記した作用効果をそのまま奏し得るのに加えて、
遊星歯車構造体(キャリア14a,14bおよび段付きプラネタリピニオン13)をホイールハブ9の外周に配置したため、歯車伝動装置の軸線方向寸法を小さくして、同方向における小型化を実現し得る。
このため、電動モータ4に低出力モータを用いることができることとなり、電動モータ4の小型化、軽量化、および低廉化によるメリットを享受することができる。
図9は、本発明の第7実施例になる歯車伝動装置を示す模式図で、図中、図1,3におけると同様な部分に同一符号を付して示した。
本実施例は、図1,3に示した第1実施例と基本的に同様な構成とするが、遊星歯車構造体(キャリア14a,14bおよび段付きプラネタリピニオン13)を、ホイールハブ9と略同じ軸線方向位置において、該ホイールハブ9の内周に配置し、1個のベアリング19により入力軸8上に回転自在に支持する。
かかる第7実施例の歯車伝動装置によれば、第1実施例の前記した作用効果をそのまま奏し得るのに加えて、
遊星歯車構造体(キャリア14a,14bおよび段付きプラネタリピニオン13)をホイールハブ9の内周に配置したため、歯車伝動装置の軸線方向寸法を小さくして、同方向における小型化を実現し得る。
なお上記した各実施例においては、歯車伝動装置を電気自動車用のインホイールモータユニットとして構成したが、
本発明の歯車伝動装置は、インホイールモータユニット用に限られるものではなく、産業上のあらゆる伝動ユニットに適用可能であるのは勿論である。
2 リヤカバー
3 ハウジング
4 電動モータ
5 遊星歯車式減速歯車組(歯車組)
6 ステータ
7 ロータ
8 入力軸(回転ユニット)
9 ホイールハブ(出力回転取り出しメンバ)
11 サンギヤ
12 リングギヤ
13 段付きプラネタリピニオン(歯車構造体:遊星歯車構造体:回転ユニット)
14a,14b キャリア(歯車構造体:遊星歯車構造体:回転ユニット)
15 ベアリング
16 ハブボルト
17,18,19,20 ベアリング
21 駆動軸
21a 駆動軸先端外周
21b 駆動軸先端内周
22 ホイールハブ変位センサ
Claims (11)
- ハウジング内に回転自在に横架した入力軸と、
この入力軸に同軸突き合わせ関係に配して前記ハウジングに回転自在に支持した出力回転取り出しメンバと、
前記入力軸および出力回転取り出しメンバ間での動力伝達が可能な歯車組とを具えた歯車伝動装置において、
前記歯車組は、前記入力軸および出力回転取り出しメンバ間で動力伝達を行う歯車構造体を包含し、
前記歯車構造体を前記入力軸に回転自在に支持してユニット化し、
これら入力軸および歯車構造体から成る回転ユニットの支持に際しては、前記出力回転取り出しメンバに近い前記入力軸の端部を該出力回転取り出しメンバに対し揺動可能、且つ軸線方向変位可能にして該出力回転取り出しメンバに回転自在に支持し、前記出力回転取り出しメンバから遠い前記入力軸の端部を前記ハウジングに対し揺動可能にして該ハウジングに回転自在に支持し、
前記歯車構造体を前記入力軸上に回転自在に支持すると共に、前記出力回転取り出しメンバに対し揺動可能な態様で該出力回転取り出しメンバに回転係合させたことを特徴とする歯車伝動装置。 - 請求項1に記載の歯車伝動装置において、
前記歯車構造体は、前記入力軸およびハウジング間の環状スペース内を旋回しつつ前記入力軸および出力回転取り出しメンバ間での動力伝達を行う遊星歯車構造体であることを特徴とする歯車伝動装置。 - 請求項1または2に記載の歯車伝動装置において、
前記出力回転取り出しメンバに対する前記入力軸の回転支持部と略同じ軸線方向位置において、前記歯車構造体を前記出力回転取り出しメンバに対し回転係合させたことを特徴とする歯車伝動装置。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の歯車伝動装置において、
前記出力回転取り出しメンバに近い前記入力軸の端部は、前記歯車構造体の一部を介して出力回転取り出しメンバに回転自在に支持したことを特徴とする歯車伝動装置。 - 前記歯車構造体が、前記ハウジング内に固設したリングギヤに噛合して旋回するものである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の歯車伝動装置において、
前記リングギヤを、前記歯車構造体の軸線方向幅内で最も、前記出力回転取り出しメンバから遠い位置に配置したことを特徴とする歯車伝動装置。 - 請求項1または2に記載の歯車伝動装置において、
前記歯車構造体を、前記出力回転取り出しメンバに近い端部において該出力回転取り出しメンバに回転自在に支持し、前記出力回転取り出しメンバから遠い端部において前記ハウジングに回転自在に支持し、
前記入力軸を前記歯車構造体上に回転自在に支持したことを特徴とする歯車伝動装置。 - 請求項6に記載の歯車伝動装置において、
前記歯車構造体を、前記ハウジング内において、前記出力回転取り出しメンバから最も遠い位置に配置したことを特徴とする歯車伝動装置。 - 前記歯車構造体が、前記ハウジング内に固設したリングギヤに噛合して旋回するものである、請求項7に記載の歯車伝動装置において、
前記出力回転取り出しメンバから遠い前記歯車構造体の端部は、前記リングギヤと略同じ軸線方向位置において前記ハウジングに対し回転自在に支持したことを特徴とする歯車伝動装置。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載の歯車伝動装置において、
前記歯車構造体を、前記出力回転取り出しメンバと略同じ軸線方向位置において、該出力回転取り出しメンバの外周側に配置したことを特徴とする歯車伝動装置。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載の歯車伝動装置において、
前記歯車構造体を、前記出力回転取り出しメンバと略同じ軸線方向位置において、該出力回転取り出しメンバの内周側に配置したことを特徴とする歯車伝動装置。 - 請求項1〜10のいずれか1項に記載の歯車伝動装置において、
前記出力回転取り出しメンバのガタ量を検出するガタ量検出手段と、
該手段からの信号に応答して、出力回転取り出しメンバのガタ量が許容限界を超えるとき、前記入力軸への出力を制限したり警報を発する安全対策手段とを設けたことを特徴とする歯車伝動装置。
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