JP5693842B2 - ヘリコプタのロータ・ブレード - Google Patents

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Description

本発明は、ヘリコプタが発生する騒音の低減を目的としたロータ・ブレード形状に関するものである。詳しくは、ヘリコプタのロータ・ブレード先端形状に関するものである。
近年、ヘリコプタ開発において注目されている課題の1つに“低騒音化”がある。ヘリコプタ騒音の中でも、図15に示すように先行するロータ・ブレード100aの翼端から発生する翼端渦101と後続するロータ・ブレード100b若しくは100aが干渉するときにブレード表面上で急激な圧力変動が生じて起こるBVI(Blade Vortex Interaction)騒音は非常に耳障りである。そのため、BVI騒音を低減する方法の1つとして翼端から放出する渦を緩和することが有効であり、翼端渦が緩和できるロータ・ブレードの翼端形状の開発が行われている。
BVI騒音の低減を目的とした翼端形状を開示する文献として、特許文献1〜3、非特許文献1,2がある。
非特許文献1に示す翼端形状(図16)は、従来の矩形翼端前縁に矩形形状の前翼(サブウィング)105を装着することで、2つの弱い翼端渦に分割し、BVI騒音の低減を可能にしている。
特許文献1及び非特許文献2に示す翼端形状(図17)では、ロータ・ブレード先端部にロータ・ブレード・中央部コード長の50%よりも大きな平均コード長と、中央部コード長よりも大きなスパン長を有する先端部翼115を備え、2つのほぼ等しい強さの翼端渦に分割することでBVI騒音を低減している。
特許文献2に示す翼端形状(図18)では、放物線等の2次曲線形状を有するロータ・ブレード(主翼)11先端部に副翼12を備え、主翼と副翼の前縁は一致し、副翼コード長は主翼コード長の10%〜30%、副翼スパン長は主翼コード長の0%〜30%、副翼形状は、主翼形状同様に、放物線等の2次曲線形状を有している。主翼先端部と副翼先端部から2つのほぼ等しい強さの翼端渦を放出し、それら2つの翼端渦を積極的に相互干渉させることにより翼端渦をさらに弱めることでBVI騒音を低減している。
特許文献3に示す翼端形状(図19)では、副翼12の形状を矩形とすることで設計及び製造に要する費用・時間を大幅に削減しながら、ヘリコプタの着陸時等に発生するBVI騒音を格段に低減している。
図20(a)に示す矩形形状の翼端を有するロータ・ブレード100においては、翼端から1つの強い翼端渦101が発生し、この翼端渦101は拡散されずに後方に流れる。
これに対し、図20(b)に示す特許文献2又は3によって提案されたロータ・ブレード10によると、翼端から発生する翼端渦は、主翼11の翼端から発生する翼端渦(以下、「主翼渦」という)11cと、副翼12の翼端から発生する翼端渦(以下、「副翼渦」という)12cとの比較的弱い2つの渦に分割され、それぞれ、後方に流れる。ここで、副翼12の翼幅は、主翼11の翼幅よりも翼端外側に延長されているため、副翼渦12cは、主翼11の翼端の外側近傍を通過しながら後方に流れ、主翼渦11cと積極的に干渉し合うこととなる。
すなわち、図20(c)に後方から見た主翼渦11cと副翼渦12cとを示すように、反時計方向に回転する主翼渦11cの右側部分が、同方向に回転する副翼渦12cの左側部分と相殺し、全体として渦の強さが弱められた状態で拡散されることとなる。
この結果、先行するロータ・ブレード10から発生する翼端渦の強さが大幅に弱められ、この翼端渦と、後続するロータ・ブレード10との干渉によって発生するBVI騒音が、大幅に低減されることとなる。
特開平4−262994号公報 特開2002−284099号公報 特開2005−335621号公報
J.L. Tangler, "The design and testing of a tip to reduce blade slap", 31st AHS annual forum, 1975 J. Wilkerson, "AHS Technical committee highlights", VERTIFLITE Vol39 No.5 Sep/Oct 1997
しかし、以上の従来技術にあってもさらに次のような問題があった。
非特許文献1や特許文献1の翼端形状では、翼端渦を2つの弱い渦に分割してBVI騒音を抑制しているものの、2つの渦同士が積極的に干渉せず、渦の拡散効果が少ないため、大幅なBVI騒音低減は図れないという問題がある。
特許文献2及び特許文献3では主翼先端部と副翼先端部から2つのほぼ等しい強さの翼端渦を放出し、それら2つの翼端渦を積極的に相互干渉させることにより翼端渦をさらに弱めることでBVI騒音を低減しているものの、空力性能が低下するという問題がある。
本発明は以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、主翼の先端部に副翼が取り付けられ、主翼渦と副翼渦を干渉させて翼端渦を拡散することにより騒音を低減するロータ・ブレードにおいて、主翼流をさらに拡散させることによりさらなる騒音低減を図るとともに、空力性能を維持又は向上できる翼端形状を有したヘリコプタのロータ・ブレードを提供することを課題とする。
以上の課題を解決するための請求項1記載の発明は、根元部がヘリコプタのロータ・ヘッドに取り付けられる主翼と、前記主翼の先端部に取り付けられた副翼を備え、
前記副翼は、その前縁が前記主翼の前縁に面一となるよう連続し、前記主翼のコード長よりも短いコード長を有し、前記主翼に対して所定の取付角を有し、
前記主翼の先端部は、前縁よりも後縁が翼端外側に延長され前記副翼との取付位置付近から所定の捩りを有して形成されてなり、前記主翼の先端部の捩り角は−5°以上0°未満の範囲に設定されることを特徴とするヘリコプタのロータ・ブレードである。
請求項2記載の発明は、前記副翼の取付角は−5°〜5°の範囲に設定されてなることを特徴とする請求項1のヘリコプタのロータ・ブレードである。
請求項3記載の発明は、前記副翼の取付角は−2°〜1°の範囲に設定されてなることを特徴とする請求項1のヘリコプタのロータ・ブレードである。
本発明によれば、特許文献2,3のロータ・ブレードと同様に、主翼渦と副翼渦とが干渉して弱め合い、BVI騒音が低減されるが、本発明では、主翼の先端部が捩りを有するために主翼渦が拡散して弱まり、さらに大幅なBVI騒音の低減化が図られる。
さらに本発明によれば、抗力が低下する領域の主翼の捩り及び副翼の取付角を選択することができ、これにより翼先端部の揚抗比が大きくなり、空力性能を維持又は向上することができるという効果がる。
以上の効果を良好に得るために、主翼の先端部の捩り角は好ましくは−5°〜5°の範囲、より好ましくは、−2°〜0°の範囲に設定する。副翼の取付角は好ましくは−5°〜5°の範囲、より好ましくは−2°〜1°の範囲に設定する。
本発明の第1実施形態に係るロータ・ブレードの翼端を示す平面図(a)、後縁側から見た図(b)及び翼端側から見た図(c)、並びに主翼の捩り角分布を示すグラフ(d)及び図(b)に示したA−A線、B−B線、C−C線についての各断面を相対位置を保って描いた断面図である。 主翼先端部捩り角−2°において副翼取付角の変化に対するホバリング揚抗比の変化を示すグラフである。 主翼先端部捩り角−2°において副翼取付角の変化に対する前進飛行揚抗比の変化を示すグラフである。 主翼先端部捩り角−2°において副翼取付角の変化に対するロータの騒音量の変化を示すグラフである。 主翼先端部捩り角−2°を付与し副翼に取付角−2°を付与することによる変化を示す比較グラフであり、(a)はホバリング揚抗比の変化、(b)は前進飛行揚抗比の変化(c)は騒音量の変化を示す。 副翼を有さない場合について、(a)は主翼の先端部に捩りを有さない比較例の翼端渦の発生状況を解析して示した2次元分布図であり、(b)は捩りを有する本発明例の翼端渦の発生状況を解析して示した2次元分布図であり、それぞれ翼後端から1コード長後方の位置を対象に解析したものである。 副翼を有する場合について、(a)は主翼の先端部に捩りを有さない比較例の翼端渦の発生状況を解析して示した2次元分布図であり、(b)は捩りを有する本発明例の翼端渦の発生状況を解析して示した2次元分布図であり、それぞれ翼後端から1コード長後方の位置を対象に解析したものである。 本発明の第2実施形態に係るロータ・ブレードの翼端を示す平面図(a)、後縁側から見た図(b)である。 本発明の第3実施形態に係るロータ・ブレードの翼端を示す平面図である。 本発明の第4実施形態に係るロータ・ブレードの翼端を示す平面図である。 本発明の第5実施形態に係るロータ・ブレードの翼端を示す平面図である。 副翼を有さない場合について、主翼先端部捩り角の変化に対するホバリング揚抗比の変化を示すグラフである。 副翼を有さない場合について、主翼先端部捩り角の変化に対する前進飛行揚抗比の変化を示すグラフである。 副翼を有さない場合について、主翼先端部捩り角の変化に対するロータの騒音量の変化を示すグラフである。 BVI騒音の発生原理を説明するためのヘリコプタ斜視図である。 従来の一例のロータ・ブレードの翼端を示す斜視図である。 従来の他の一例のロータ・ブレードの翼端を示す斜視図である。 従来の他の一例のロータ・ブレードの翼端を示す平面図である。 従来の他の一例のロータ・ブレードの翼端を示す平面図である。 (a)は矩形形状の翼端から発生する翼端渦を説明するための斜視図、(b)は主翼端及び副翼端から発生する翼端渦の干渉を説明するための斜視図、(c)は(b)に示した翼端渦を後方から見た場合の模式図である。
以下に本発明の一実施形態につき図面を参照して説明する。以下は本発明の一実施形態であって本発明を限定するものではない。
〔第1実施形態〕
まず、図1を用いて、本発明の第1実施形態に係るロータ・ブレード10の構成について説明する。本実施の形態に係るロータ・ブレード10は、図示しないヘリコプタのロータ・ヘッドに複数枚取り付けられて回転翼を形成するものであり、ロータ・ヘッドに根元部が取り付けられる主翼11と、主翼11の先端部11dに取り付けられた副翼12とを備えて構成されている。
本実施形態のロータ・ブレード10は、遷音速特性上有効な放物線等の2次曲線を有するロータ・ブレードの先端に、矩形形状の副翼(コード長c1、スパン長b1)12を備えたものである。
主翼11は、図1に示すように、先端部11d除いてほぼ一様なコード長cを有しており、前縁11aに対して後縁11bが翼端外側に突出するように形成されている。そして、主翼11の前縁11aの先端と、後縁11bの先端とがなめらかな曲線形状(放物線形状)の翼端縁13で繋げられた形状に形成されて、主翼11の先端部11dが構成されている。
本発明では副翼の翼端渦と、主翼の翼端渦とを互いに積極的に干渉させて拡散する。c1, b1は翼端渦の強さ及び生成位置を決める翼端渦拡散に対して重要なパラメータである。
副翼12は、図1に示すように、平面形状が矩形状を呈しており、主翼11の前縁11aに連続する前縁12aと、主翼11のコード長cよりも短いコード長c1と、を有している。本実施形態においては、0.1c≦c1≦0.5cなる関係式を満たすように副翼12のコード長c1を設定している。
また、副翼12の先端は、図1に示すように、主翼11の後縁側先端に対して、スパン長b1だけ翼端外側に突出されている。本実施形態においては、0≦b1≦0.5cなる関係式を満たすようにスパン長b1を設定している。
そして本ロータ・ブレード10は、従来の主翼先端部に副翼を取り付けたロータ・ブレードと異なり、以下の構成を有する。
図1(c)に示すように、副翼12は、主翼11に対して所定の取付角θを有して取り付けられている。本発明の効果を良好に得るために、副翼12の取付角θは好ましくは−5°〜5°の範囲、より好ましくは−2°〜1°の範囲に設定する。
図1(b)〜(e)に示すように、主翼11の先端部11dは、前縁11aよりも後縁11bが翼端外側に延長され所定の捩りを有して形成されている。主翼先端部11dは、副翼取付スパン位置から主翼先端に渡って捩り角αが付与される。本発明の効果を良好に得るために、主翼11の先端部11dの捩り角は好ましくは−5°〜5°の範囲、より好ましくは、−2°〜0°の範囲に設定する。
取付角θ及び捩り角αの基準軸Fは、前縁11a、12a上に位置する。図1(d)において破線Gは、捩りを有さない場合を示す。
図20を参照して上述したように副翼の無い矩形翼端では1つの集中した強い翼端渦が発生し、渦は拡散されずにそのまま後方へ移動する。これに対し、本ロータ・ブレード10では副翼12を備えることで翼端渦は2つの弱い翼端渦に分割され、副翼12から放出された翼端渦が主翼11の上を通過し後縁渦と積極的に干渉し、相互に弱めあう。弱まった後流渦と後続のロータ・ブレードが干渉することにより騒音低減が可能となる。
図2〜図4において、破線G1,G2,G3は、主翼先端部11dに捩りを付与せず副翼に取付角を付与しない比較例のグラフである。実線H1,H2,H3は、主翼先端部11dが捩り角α=−2°を有する場合において副翼12取付角θを変化させた場合のグラフである。
図2にあっては、領域I1においてホバリング揚抗比(実線H1)が破線G1に対して上回っており、領域I1においてホバリング性能が向上することを示している。
図3にあっては、領域I2において前進飛行揚抗比(実線H2)が破線G2に対して上回っており、領域I2において前進飛行性能が向上することを示している。
図4にあっては、領域I3においてロータの騒音量(実線H3)が破線G3に対して下回っており、領域I3において騒音低減が図られることを示している。
したがって、取付角θの値を、以上の領域I1,I2,I3に重なるように、すなわち、−2°〜1°の範囲に設定することが好ましい。領域I1,I2,I3のピークは重ならないから、ホバリング性能、前進飛行性能、騒音低減率に優劣をつけて任意に選択する。
例えば、取付角θとして−2°を選択すると、図5に示すように、ホバリング性能が2.6%向上し、前進飛行性能、騒音低減率がほぼ同等の結果が得られる。
以上のようにして、主翼先端部11dに捩りを付与し、副翼12に取付角を付与した場合、捩り及び取付角を付与していない比較例の翼端形状に対して、騒音低減量を維持しつつ、空力性能を向上することが可能である。
空力性能が向上するのは、抗力が最小となる捩りおよび取付角を付与することによって、比較例よりも翼先端部の揚抗比が大きくなるためである。
捩り及び取付角を付与しても騒音低減果が維持されるのは、次に説明するように、主翼先端部11dに捩りを付与することにより、騒音低減効果が増すためである。
主翼先端部11dに捩りを付与することにより、主翼先端部11dから発生する翼端渦が分散して互いに干渉し、主翼先端部11dから発生する翼端渦が弱まる。図6、図7は捩りを付与していない比較例(図(a))と、主翼先端部11dに捩りを付与した本発明例(図(b))の翼先端部から発生した翼端渦を比較したものである。図の矢印で示したベクトルは渦の周速度を表し、ベクトルの大きさが小さいほど渦が弱く、BVI騒音が小さいことを示しており、捩りを付与した本発明例にあってはベクトルが小さく渦が弱い。また、渦の形状は、捩りを付与していない比較例にあっては同心円状であるのに対し、捩りを付与した本発明例にあっては楕円形となっている。これは、捩りを付与した本発明例にあっては渦が分散して発生、互いに干渉し、渦が拡散しているためである。また、捩りを付与していない比較例にあっては主翼先端部に渦中心があるのに対し、捩りを付与した本発明例にあっては渦中心が翼根側へ移動する。主翼先端部11dの捩りの開始位置は副翼12取付スパン位置付近とする。これにより、主翼先端部11dから発生する渦と副翼12先端部から発生する渦の距離が適当となり、効果的に渦が拡散する。
副翼12に取付角を付与し、主翼先端部11dから発生した渦と同程度の強さの渦を副翼12先端部から発生させると、効果的に渦が拡散し、騒音低減効果が大きくなる。
次に、本発明の第2〜第5実施形態につき説明する。以下に記載する第2〜第5実施形態は、本発明とともに実施できる付加的構成を示したものであり、第2〜第5実施形態に係る各ロータ・ブレードは第1実施形態と同様にそれぞれ副翼に取付角、主翼に捩りを有する。
〔第2実施形態〕
次に、図8を用いて、本発明の第2実施形態に係るロータ・ブレード10Aについて説明する。本実施の形態に係るロータ・ブレード10Aは、第1実施形態に係るロータ・ブレード10の主翼11の先端部及び副翼の構成を若干変更したものであり、その他の構成については第1実施形態と実質的に同一である。このため、変更した構成についてのみ説明することとし、第1実施形態と重複する構成については、第1実施形態と同一の符号を付すこととする。
本実施形態に係るロータ・ブレード10Aは、図8に示すように、主翼11の先端部11Aが所定の下反角δ1で下方に折曲されている。また、本実施の形態に係るロータ・ブレード10Aは、図8に示すように、副翼12Aが、主翼11に対して所定の下反角δ2を有するように取り付けられている。これら下反角δ1、δ2は、ロータ・ブレード10Aの大きさや回転速度、ヘリコプタの飛行速度等に応じて適宜決めることができ、例えば0°〜30°の範囲内で設定することができる。
本実施形態においては、図8(b)に示すように、主翼11の先端部11Aの下反角δ1が、副翼12Aの下反角δ2よりも大きく設定されている。このため、主翼11の先端部11Aから放出される翼端渦は、副翼12Aの先端部から放出される翼端渦の下方に位置することとなり、これら2つの翼端渦を効果的に干渉させることができる。また、本実施の形態に係るロータ・ブレード10Aから翼端渦が下方へ放出されるため、この翼端渦が後続するロータ・ブレードと干渉し難くなるので、BVI騒音をより一層低減することができる。
また、本実施の形態に係るロータ・ブレード10Aにおいては、翼端渦を下方へ放出することができるので、翼端渦により誘導された流れに起因する後続ロータ・ブレードの部分的失速を抑制することができる。この結果、回転翼駆動の際のエネルギー損失を低減させることができ、ヘリコプタを空中停止させる際のホバリング性能を向上させることができる。
〔第3実施形態〕
次に、図9を用いて、本発明の第3実施形態に係るロータ・ブレード10Cについて説明する。本実施形態に係るロータ・ブレード10Cは、第1実施形態に係るロータ・ブレード10の主翼と副翼との接合部の構成を若干変更したものであり、その他の構成については第1実施形態と実質的に同一である。このため、変更した構成についてのみ説明することとし、第1実施形態と重複する構成については、第1実施形態と同一の符号を付すこととする。
本実施形態に係るロータ・ブレード10Cは、図9に示すように、主翼11と副翼12との接合部14Cを滑らかな面(平面又は曲面)で構成したものである。このように主翼11と副翼12との接合部14Cを滑らかな面で構成することにより、この接合部14Cに作用する空気抵抗を減少させることができ、ロータ・ブレード10Cの遷音速特性を向上させることができる。
〔第4実施形態〕
次に、図10を用いて、本発明の第4実施形態に係るロータ・ブレード10Dについて説明する。本実施形態に係るロータ・ブレード10Dは、第1の実施の形態に係るロータ・ブレード10の主翼の先端部の構成を若干変更したものであり、その他の構成については第1の実施の形態と実質的に同一である。このため、変更した構成についてのみ説明することとし、第1の実施の形態と重複する構成については、第1の実施の形態と同一の符号を付すこととする。
本実施の形態に係るロータ・ブレード10Dは、図10に示すように、主翼11の前縁11aの先端と、後縁11bの先端とが直線状の翼端縁13Dで繋げられた形状に形成されている。本実施の形態に係るロータ・ブレード10Dにおいては、前縁11aに対して後縁11bが翼端外側に突出するように形成されているため、直線状の翼端縁13Dは大きな後退角Λを有することとなり、翼端縁13Dに対して垂直な方向の対気速度は、この後退角Λの効果によって低減する。すなわち、一様流速度をV∞とした場合に、主翼11の翼端縁13Dに垂直な方向の対気速度はV∞cosΛ(<V∞)となる。従って、本実施形態に係るロータ・ブレード10Dは遷音速特性に優れ、衝撃波の発生を遅れさせて、急激な抵抗増加を回避することができる。
ロータ・ブレード10D(コード長c)は、その先端に第1実施形態と同じく矩形形状を有する副翼(コード長c1,スパン長b1)を備え、主翼先端部に捩りを付与し、副翼に取付角を付与したものである。ここで、第1実施形態と同様に0.1c≦c1≦0.5c、0≦b1≦0.5cである。
〔第5実施形態〕
次に、図11を用いて、本発明の第5実施形態に係るロータ・ブレード10Eについて説明する。本実施形態に係るロータ・ブレード10Eは、第1実施形態に係るロータ・ブレード10の主翼の先端部及びその近傍部分の構成を若干変更したものであり、その他の構成については第1実施形態と実質的に同一である。このため、変更した構成についてのみ説明することとし、第1実施形態と重複する構成については、第1実施形態と同一の符号を付すこととする。
本実施形態に係るロータ・ブレード10Eは、図11に示すように、前縁翼端近傍部分15Eを一定の後退角で後退させ、この前縁翼端近傍部分15Eと平行になるように後縁翼端近傍部分16Eを一定の後退角で後退させ、後縁翼端近傍部分16Eを翼端外側に延長させ、前縁翼端近傍部分15Eの先端と後縁翼端近傍部分16Eの先端とがなめらかな放物線状の翼端縁13Eで繋げられた形状に形成されたものである。また、副翼12は、主翼11の前縁翼端近傍部分15Eに連続する前縁12aを有している。すなわち、本実施形態に係るロータ・ブレード10Eは、主翼11の先端部近傍部分11Eと、この翼先端部近傍部分11Eに連接される副翼12とが翼端外側になるに従って後退するように構成されている。
本実施形態に係るロータ・ブレード10Eにおいては、主翼11の翼端近傍部分11Eと、この翼端近傍部分11Eに連接される副翼12とが翼端外側になるに従って後退するように構成されているので、これら主翼11の翼端近傍部分11E及び副翼12に対して垂直な方向の対気速度を低減することができる。従って、本実施の形態に係るロータ・ブレード10Eは遷音速特性に優れ、衝撃波の発生を遅れさせて、急激な抵抗増加を回避することができる。
ロータ・ブレード10E(コード長c)は、その先端に、第1実施形態と同じく矩形形状の副翼(コード長c1、スパン長b1)を備えたものであり、主翼先端部に捩りを付与し、副翼12に取付角を付与したものである。ここで、第1実施形態と同様に0.1c≦c1≦0.5c、0≦b1≦0.5cである。
なお、図12〜図14に示すように、副翼を有さない場合においても、主翼の先端部に捩りを付与することで、空力性能の向上、騒音低減効果が得られることを確認した。
図12〜図14において、破線J1,J2,J3は、主翼先端部11dに捩りを付与せず副翼が無い比較例のグラフである。実線K1,K2,K3は、同じく副翼が無い場合について、主翼先端部11dの捩り角αを変化させた場合のグラフである。
図12にあっては、領域L1においてホバリング揚抗比(実線K1)が破線J1に対して上回っており、領域L1においてホバリング性能が向上することを示している。
図13にあっては、領域L2において前進飛行揚抗比(実線K2)が破線J2に対して同レベルであり、領域L2において前進飛行性能が維持できることを示している。
図14にあっては、領域L3においてロータの騒音量(実線K3)が破線J3に対して下回っており、領域L3において騒音低減が図られることを示している。
以上の図12〜図14の結果は、本発明の効果が得られるための主翼の捩りに起因した部分の要因を裏付けている。この結果から、主翼の先端部の捩り角は−2°〜0°の範囲に設定することが好ましいとわかる。
10 ロータ・ブレード
11 主翼
11a 前縁
11b 後縁
11d 主翼先端部
12 副翼
12a 前縁
13 翼端縁
α 捩り角
θ 副翼取付角

Claims (3)

  1. 根元部がヘリコプタのロータ・ヘッドに取り付けられる主翼と、前記主翼の先端部に取り付けられた副翼を備え、
    前記副翼は、その前縁が前記主翼の前縁に面一となるよう連続し、前記主翼のコード長よりも短いコード長を有し、前記主翼に対して所定の取付角を有し、
    前記主翼の先端部は、前縁よりも後縁が翼端外側に延長され前記副翼との取付位置付近から所定の捩りを有して形成されてなり、
    前記主翼の先端部の捩り角は−5°以上0°未満の範囲に設定されることを特徴とするヘリコプタのロータ・ブレード。
  2. 記副翼の取付角は−5°〜5°の範囲に設定されてなることを特徴とする請求項1記載のヘリコプタのロータ・ブレード。
  3. 記副翼の取付角は−2°〜1°の範囲に設定されてなることを特徴とする請求項1記載のヘリコプタのロータ・ブレード。
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