JP5692839B2 - 可溶化剤、分散剤、およびリン酸化アルキレングリコールポリマー誘導体の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、制御可能な生分解性を有するリン酸化アルキレングリコールポリマー誘導体を含む可溶化剤および分散剤、並びに制御可能な生分解性を有するリン酸化アルキレングリコールポリマー誘導体の製造方法を提供することを課題とする。
本発明の第1の態様は、下記一般式(I)で表される構造単位を含むリン酸化アルキレングリコールポリマー誘導体を含む可溶化剤である。
前記リン酸化アルキレングリコールポリマー誘導体は、一般式(I)におけるL 1 が単結合であることが好ましく、nが4〜10であることがより好ましい。
本発明のリン酸化アルキレングリコールポリマー誘導体は、下記一般式(I)で表される構造単位の少なくとも1種を含み、必要に応じてその他の構造単位を含んで構成される。
下記一般式(I)で表される構造単位を含むことにより、生分解性に優れ、かつ生分解性を容易に制御することができる。さらに、水不溶性または水難溶性の化合物の可溶化性および分散性(以下、「可溶化性等」ということがある)に優れる。
前記炭素数2〜30のアルキル基は、置換基としてフェニル基、ナフチル基、アントラニル基、ピリジル基等の芳香族基を有していてもよい。具体的には、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、ピリジルメチル基等を挙げることができる。
また炭素数が30を超えると、疎水性が大きくなり所望の可溶化性、分散性が得られ難くなる。
このように本発明においては、R1の炭素数を適宜選択することで、リン酸化アルキレングリコールポリマー誘導体の可溶化性、生分解性等を所望の態様に制御することができる。
また炭素数が12より多いアルキル基を選択することで、体積平均粒子径がより大きいミセルを形成することができ、炭素数が12より少ないアルキル基を選択することで、体積平均粒子径がより小さいミセルを形成することができる。これは例えば、リン酸化アルキレングリコールポリマー誘導体が形成するミセルは、疎水性のR1で表されるアルキル基等が内側に、親水性のポリマー主鎖が外側に配置されるため、R1の大きさに応じて形成されるミセル径が変化するためと考えることができる。
また一般式(I)におけるR2は1種のみからなっていても、2種以上の組み合わせであってもよい。R2が2種以上の組み合わせからなる場合、少なくとも1種は炭素数が2のアルキレン基であることが好ましく、炭素数が2のアルキレン基の含有率がR2で表されるアルキレン基全体に対して50質量%以上であることがより好ましい。かかる態様であることにより、一般式(I)で表される化合物の疎水性が高くなりすぎることを抑制し、可溶化性等がより向上する。
前記アルキレンオキシ基からなる繰り返し構造の少なくとも1種を含むポリオール化合物に由来する2価の連結基は、ポリアルキレングリコールとポリアルコール化合物とがエーテル縮合して形成される化合物から、アルコール性水酸基の水素原子の1つと、アルコール性水酸基の1つを取り除いて構成される連結基であることが好ましい。
また前記3価以上のポリアルコールは、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ジペンタエリスリトールから選ばれる少なくとも1種であることもまた好ましく、グリセリン、ペンタエリスリトールから選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。
本発明においてL1で表される2価の連結基の具体例として、下記一般式(IIIa)〜(IIIh)で表される2価の連結基を示すが、本発明はこれらに限定されない。
R6は、水素原子またはリン酸エステル残基を表し、前記リン酸エステル残基は上記一般式(I)で表される構造単位をさらに含んでいてもよい。また、それぞれの連結基に含まれる複数のR6はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
mは2〜100の整数を表わすが、可溶化性等と生分解性の観点から、4〜20であることがより好ましく、4〜10であることがさらに好ましい。また、それぞれの連結基に含まれる複数のmはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
またR1、R2、L1およびnのうち少なくとも1つが異なる2種以上の一般式(I)で表される構造単位の混合比には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
中でも、生分解性と可溶化性等の観点から、一般式(I)におけるR1が水素原子またはメチル基である構造単位、および一般式(I)におけるOR1がハロゲン原子または水素原子である構造単位の少なくとも1種であることが好ましい。
本発明の下記一般式(II)で表される構造単位を含むリン酸化アルキレングリコールポリマー誘導体の製造方法は以下のような工程を有する。
すなわち、(1)亜リン酸ジエステル、および、下記一般式(III)で表されるポリアルキレングリコール誘導体を縮合して亜リン酸ポリアルキレングリコールエステルポリマーを得る第1の工程と、(2)前記亜リン酸ポリアルキレングリコールエステルポリマーをハロゲン化剤でハロゲン化して亜リン酸ポリアルキレングリコールエステルポリマーのハロゲン化物を得る第2の工程と、(3)前記亜リン酸ポリアルキレングリコールエステルポリマーのハロゲン化物および下記一般式(II)におけるR11に対応するアルコールを反応させる第3の工程と、を有する製造方法である。
またnは2〜100の整数を表わすが、可溶化性等と生分解性の観点から、4〜20であることがより好ましく、4〜10であることがさらに好ましい。
本発明の製造方法は、亜リン酸ジエステル、および、上記一般式(III)で表されるポリアルキレングリコール誘導体を縮合して亜リン酸ポリアルキレングリコールエステルポリマーを得る第1の工程を有する。第1の工程は、例えば下記反応式(A)によって表される。
前記亜リン酸の脂肪族エステルを構成する脂肪族基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリールアルキル基等を挙げることができる。中でも、製造効率の観点から、アルキル基であることが好ましく、炭素数1〜6のアルキル基であることがより好ましく、炭素数1〜4のアルキル基であることがさらに好ましい。
また前記亜リン酸の芳香族エステルを構成する芳香族基としては、芳香族炭化水素に由来する芳香族基であっても、芳香族複素環に由来する芳香族基であってもよい。中でも、製造効率の観点から、芳香族炭化水素に由来する芳香族基であることが好ましく、フェニル基、またはナフチル基であることが好ましく、フェニル基であることがより好ましい。
加熱温度および加熱時間は反応に用いる原料に応じて適宜選択することができる。例えば80℃以上で数時間とすることができ、100℃以上で数時間であることが好ましく、120℃以上で3時間以上であることがより好ましい。
また前記第1の工程においては、必要に応じて触媒を用いてもよい。前記触媒としては、エステル交換反応に通常用いられる触媒を適宜選択して用いることができる。
本発明の製造方法は、前記第1の工程で得られる亜リン酸ポリアルキレングリコールエステルポリマーをハロゲン化剤でハロゲン化して亜リン酸ポリアルキレングリコールエステルポリマーのハロゲン化物を得る第2の工程を含む。第2の工程は、例えば下記反応式(B)によって表される。
具体的には例えば、ハロゲン化剤としてトリクロロイソシアヌル酸(3価のハロゲン化剤)を用いる場合、亜リン酸ポリアルキレングリコールエステルポリマーに含まれる亜リン酸残基1モルに対して、トリクロロイソシアヌル酸を1/10〜1モル用いることができ、1/6〜2/3モル用いることが好ましい。
また本発明においては、ハロゲン化剤の添加量を制御することで、一般式(II)で表される構造単位のポリマー全体に対する含有率を制御することもできる。
本発明においては、ハロゲン化剤としてイソシアヌル酸のハロゲン化物を用いることで、加熱を要することなく、短時間かつ高収率で、所望の亜リン酸ポリアルキレングリコールエステルポリマーのハロゲン化物を得ることができる。
本発明の製造方法は、前記第2の工程で得られる亜リン酸ポリアルキレングリコールエステルポリマーのハロゲン化物、ならびに、炭素数1〜30のアルキルアルコール、炭素数2〜30のアルケニルアルコールおよび炭素数2〜30のアルキニルアルコールから選ばれる少なくとも1種のアルコールを反応させて、上記一般式(II)で表される構造単位を含むリン酸化アルキレングリコールポリマー誘導体を得る第3の工程を有する。第3の工程は、例えば下記反応式(C)で表される。
前記精製工程としては、ポリマーの精製方法として通常用いられる精製方法を特に制限なく用いることができる。具体的には例えば、有機溶剤等を用いる再沈殿法、ゲルろ過法、透析法等を挙げることができる。
−ポリ(ブチル−ポリオキシエチレン−ホスホネート)の合成−
二口ナスフラスコにポリエチレングリコール400(PEG400、和光純薬(株)製)12.7g(31.7mmmol)をとり、窒素気流下に蒸留装置を組立て、亜リン酸ジメチルエステル(DP、アルドリッチジャパン社製)4.75g(43.2mmol)を加えた。常圧下135℃に加熱して5時間、次いで減圧下(1mmHg)160℃で4時間、さらに減圧下(1mmHg)180℃で15分間反応を行ない、ポリエチレングリコールと亜リン酸からなるエステルポリマー(ポリ(ポリオキシエチレン−H−ホスホネート)、以下「POE400−H−P」と略記することがある)11.38g(収率80.4%)を得た。
窒素雰囲気下に、上記で得られたエステルポリマー2.0gをナスフラスコにとり、アセトニトリル38mlを加えて溶解した。さらにトリクロロイソシアヌル酸(アルドリッチジャパン社製)0.35gを加えて、室温で3.5時間反応を行ない、ポリ(ポリオキシエチレン クロロホスホネート)を含むアセトニトリル溶液を得た。
次いで、1−ブタノール0.5mlを加えて41時間反応させた。ろ過後、得られた溶液にジエチルエーテルを加えて再沈殿を行い、ついで減圧下(1mmHg)で12時間乾燥し、所望のポリ(ブチル−ポリオキシエチレン−ホスホネート)(リン酸化アルキレングリコールポリマー誘導体、以下「POE400P−OC4H9」と略記することがある)を1.04g(収率43.1%)得た。
得られたポリマーの数平均分子量を1H−NMRによって測定したところ、8200であった。
得られたポリマーについて、NMRを測定し、構造解析を行なったところ、一般式(I)におけるR1がブチル基である構造単位をポリマー全体に対して86%含んでいた。尚、下記NMRデータにおいてカッコ内の数値はピーク面積の相対値(%)を表す。
13C−NMR(DMSO−d6)δ13.40、18.15、31.66、65.26、66.26、69.48、69.76.
31P−NMR(DMSO−d6)δ−11.91(3%)、−0.12(86%)、0.32(10%).
−ポリ(エチル−ポリオキシエチレン−ホスホネート)の合成−
実施例1において、1−ブタノールの代わりにエタノールを用いたこと意外はと実施例1と同様にしてポリ(エチル−ポリオキシエチレン−ホスホネート)(リン酸化アルキレングリコールポリマー誘導体、以下「POE400P−OC2H5」と略記することがある)を得た。
得られたポリマーの数平均分子量は5300であった。
また得られたポリマーについて、NMRを測定し、構造解析を行なったところ、一般式(I)におけるR1がエチル基である構造単位をポリマー全体に対して100%含んでいた。
31P−NMR(CD3OD) δ80.026(74.6%)、80.59(25.0%)、81.23(1.3%)
−ポリ(メチル−オクチル−ポリオキシエチレン−ホスホネート)の合成−
実施例1と同様にして得られたポリ(ポリオキシエチレン−クロロホスホネート)を含むアセトニトリル溶液をろ過した後、溶媒を留去した。残渣にテトラヒドロフラン(THF)38mlを加えて溶解し、1−オクタノール1mlを加えて室温で96時間反応を行なった。
次いでメタノール2mlを加えて、さらに20時間反応を行なった。溶媒を留去し、ジクロロメタンを加えて、ろ過した後、ジエチルエーテルにて再沈殿を行い、ついで減圧下(1mmHg)で一昼夜乾燥し、所望のポリ(メチル−オクチル−ポリオキシエチレン−ホスホネート)(リン酸化アルキレングリコールポリマー誘導体、以下「POE400P−OC8H17」と略記することがある)を0.73g(収率58.3%)得た。
得られたポリマーの数平均分子量は5300であった。
また得られたポリマーについて、NMRを測定し、構造解析を行なったところ、一般式(I)におけるR1がメチル基である構造単位をポリマー全体に対して61.1%、オクチル基である構造単位を38.9%含んでいた。
13C−NMR(CDCl3)δ66.30、66.80、70.04、70.56.
31P−NMR(CDCl3)δ−12.41、−0.16、0.28、0.85.
−ポリ(メチル−ドデシル−ポリオキシエチレン−ホスホネート)の合成−
実施例1において、ポリエチレングリコール400の代わりにポリエチレングリコール200を用いたこと以外は実施例1と同様にして得られたポリ(ポリオキシエチレン−クロロホスホネート)を含むアセトニトリル溶液をろ過した後、溶媒を留去した。残渣にテトラヒドロフラン(THF)38mlを加えて溶解し、1−ドデカノール2.1mlを加えて室温で48時間反応を行なった。
次いで1−ドデカノール2.1mlを加えて室温で48時間反応を行なった。溶媒を留去し、ジエチルエーテルにて再沈殿を行い、ついで減圧下(1mmHg)で一昼夜乾燥し、所望のポリ(メチル−ドデシル−ポリオキシエチレン−ホスホネート)(リン酸化アルキレングリコールポリマー誘導体、以下「POE200P−OC12H25」と略記することがある)を1.07g(収率28.87%)得た。
得られたポリマーの数平均分子量は4800であった。
また得られたポリマーについて、NMRを測定し、構造解析を行なったところ、一般式(I)におけるR1がドデシル基である構造単位を100%含んでいた。
−ポリ(メチル−オクタデシル−ポリオキシエチレン−ホスホネート)の合成−
実施例1と同様にして得られたポリ(ポリオキシエチレン−クロロホスホネート)を含むアセトニトリル溶液をろ過した後、溶媒を留去した。残渣にテトラヒドロフラン(THF)10mlを加えて溶解し、1−オクタデカノール3.0gを加えて室温で140時間反応を行なった。
次いでメタノール1mlを加えて、さらに24時間反応を行なった。溶媒を留去し、ジクロロメタンを加えて、ろ過した後、ジエチルエーテルにて再沈殿を行い、ついで減圧下(1mmHg)で一昼夜乾燥し、所望のポリ(メチル−オクタデシル−ポリオキシエチレン−ホスホネート)(リン酸化アルキレングリコールポリマー誘導体、以下「POE400P−OC18H37」と略記することがある)を0.57g(収率18.9%)得た。
得られたポリマーの数平均分子量は12700であった。
また得られたポリマーについて、NMRを測定し、構造解析を行なったところ、一般式(I)におけるR1がメチル基である構造単位をポリマー全体に対して70.7%、オクタデシル基である構造単位を29.3%含んでいた。
31P−NMR(CDCl3)δ−12.1、−0.12、0.13、0.88.
−ポリ(メチル−オクチル−ポリオキシエチレン−ホスホネート)の合成−
実施例1と同様にして得られたポリ(ポリオキシエチレン−クロロホスホネート)を含むアセトニトリル溶液をろ過した後、溶媒を留去した。残渣にテトラヒドロフラン(THF)38mlを加えて溶解し、1−オクタノール7.9mlを加えて室温で30分時間反応を行なった。
次いでメタノール2mlを加えて、さらに20時間反応を行なった。溶媒を留去し、ジクロロメタンを加えて、ろ過した後、ジエチルエーテルにて再沈殿を行い、ついで減圧下(1mmHg)で一昼夜乾燥し、所望のポリ(メチル−オクチル−ポリオキシエチレン−ホスホネート)(リン酸化アルキレングリコールポリマー誘導体)を得た。
得られたポリマーについて、NMRを測定し、構造解析を行なったところ、一般式(I)におけるR1がメチル基である構造単位をポリマー全体に対して59.9%、オクチル基である構造単位を40.1%含んでいた。
実施例6において、1−オクタノールを加えてからの反応時間を30分間の代わりに2時間としたこと以外は実施例5と同様にしてリン酸化アルキレングリコールポリマー誘導体)を得た。
得られたポリマーについて、NMRを測定し、構造解析を行なったところ、一般式(I)におけるR1がメチル基である構造単位をポリマー全体に対して54.2%、オクチル基である構造単位を45.8%含んでいた。
実施例6において、1−オクタノールを加えてからの反応時間を30分間の代わりに24時間としたこと以外は実施例5と同様にしてリン酸化アルキレングリコールポリマー誘導体)を得た。
得られたポリマーについて、NMRを測定し、構造解析を行なったところ、一般式(I)におけるR1がメチル基である構造単位をポリマー全体に対して3.9%、オクチル基である構造単位を96.1%含んでいた。
[生分解性]
上記で得られたリン酸化アルキレングリコールポリマー誘導体について、以下のようにして生分解性を評価した。
数平均分子量(Mn)5320であるポリ(エチル−ポリオキシエチレン−ホスホネート)(POE400P−OC2H5)の0.30gを、蒸留水300mlに溶解し、室温で3日間放置した。放置後のポリマー溶液の30mlを取り凍結乾燥後、NMRで数平均分子量を測定したところMn=4686であった。
数平均分子量が低下したことから、本発明のリン酸化アルキレングリコールポリマー誘導体は、蒸留水中3日間でその一部が加水分解されたことが分かる。
親油性色素であるスダンIIIのジクロロメタン飽和溶液を調製した。この飽和溶液0.5mlを、(1)蒸留水5ml、(2)蒸留水5mlに上記POE200−H−Pを100mg溶解した溶液、(3)蒸留水5mlに上記POE200P−OC12H25を100mg溶解した溶液に、それぞれ添加して充分に攪拌した。
その結果、(3)蒸留水5mlに上記POE200P−OC12H25を100mg溶解した溶液においてのみ、スダンIIIの着色が認められた。すなわち、POE200P−OC12H25によって、親油性色素であるスダンIIIが蒸留水中に可溶化された。
また、スダンIIIが可溶化された溶液を、室温で2週間放置したところ、着色量の低下が認められた。
これはPOE200P−OC12H25が加水分解され、可溶化能が低下したためと考えることができる。
上記で得られたPOE200P−OC12H25の3mgを蒸留水10mlに溶解し、Zetasizer3000HS(マルバーン社製)を用いて、25℃における体積平均粒径を測定したところ225nmであった。
すなわち、本発明のリン酸化アルキレングリコールポリマー誘導体は水中で容易にミセルを形成することが分かる。
さらに本発明の製造方法により、前記リン酸化アルキレングリコールポリマー誘導体を効率的に製造することができたことが分かる。
Claims (10)
- 下記一般式(I)で表される構造単位を含むリン酸化アルキレングリコールポリマー誘導体を含む可溶化剤。
(一般式(I)中、R1は炭素数8〜18のアルキル基を表し、R2は炭素数2〜4のアルキレン基を表し、L1は単結合またはポリアルキレンオキシ基を含む2価の連結基を表し、nは2〜100の整数を表わす) - 前記一般式(I)におけるL1が単結合である請求項1に記載の可溶化剤。
- 前記一般式(I)におけるnが4〜10である請求項1または請求項2に記載の可溶化剤。
- 下記一般式(I)で表される構造単位を含むリン酸化アルキレングリコールポリマー誘導体を含む分散剤。
(一般式(I)中、R 1 は炭素数8〜18のアルキル基を表し、R 2 は炭素数2〜4のアルキレン基を表し、L 1 は単結合またはポリアルキレンオキシ基を含む2価の連結基を表し、nは2〜100の整数を表わす) - 前記一般式(I)におけるL 1 が単結合である請求項4に記載の分散剤。
- 前記一般式(I)におけるnが4〜10である請求項4または請求項5に記載の分散剤。
- 亜リン酸ジエステル、および、下記一般式(III)で表されるポリアルキレングリコール誘導体を縮合して亜リン酸ポリアルキレングリコールエステルポリマーを得る工程と、
前記亜リン酸ポリアルキレングリコールエステルポリマーをハロゲン化剤でハロゲン化して亜リン酸ポリアルキレングリコールエステルポリマーのハロゲン化物を得る工程と、
前記亜リン酸ポリアルキレングリコールエステルポリマーのハロゲン化物、ならびに、炭素数1〜30のアルキルアルコール、炭素数2〜30のアルケニルアルコールおよび炭素数2〜30のアルキニルアルコールから選ばれる少なくとも1種のアルコールを反応させる工程と、
を有する、下記一般式(II)で表される構造単位を含むリン酸化アルキレングリコールポリマー誘導体の製造方法。
(一般式(II)および一般式(III)中、R11は炭素数1〜30のアルキル基、炭素数2〜30のアルケニル基、または炭素数2〜30のアルキニル基を表し、R12は炭素数2〜4のアルキレン基を表し、L11は単結合またはポリアルキレンオキシ基を含む2価の連結基を表し、nは2〜100の整数を表わす) - 前記一般式(II)におけるR11が、炭素数2〜30のアルキル基、炭素数2〜30のアルケニル基、または炭素数2〜30のアルキニル基である請求項7に記載のリン酸化アルキレングリコールポリマー誘導体の製造方法。
- 前記一般式(II)および一般式(III)におけるL11が単結合である請求項7または請求項8に記載のリン酸化アルキレングリコールポリマー誘導体の製造方法。
- 前記ハロゲン化剤が、イソシアヌル酸のハロゲン化物である請求項7〜請求項9のいずれか1項に記載のリン酸化アルキレングリコールポリマー誘導体の製造方法。
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