JP5691777B2 - 粉末圧延装置及び粉末圧延方法 - Google Patents
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Description
一般的には、粉末材料は、篩等を用いた分級によって大きな粒径の粒子が除去されて、特定の粒径以下の粉末粒子が使用される。ところが、まれに、大きな粒径の粒子が紛れ込んでいたり、分級後の粉末材料の保管中に複数の粉末粒子同士が凝集し、見かけ上大きな粒径の凝集粉末粒子が発生する場合がある。このため、基材に対して粉末材料を圧着する過程において、(見かけ上)大きな粒径の粉末粒子が予備圧下ロールと圧延ロールとの間に入り込む場合がある。
つまり、粉末材料を基材に圧着する過程においては、特定の粉末粒径以下の粉末材料を用いた場合であっても、(見かけ上)大きな粒径の粉末粒子が予備圧下ロールと圧延ロールとの間に入り込んだ場合は、一時的であるものの粉末材料及び予備圧下ロールに対して一時的に大きな荷重が作用することとなる。
このため、粒径の大きな粉末材料が圧延ロールと予備圧下ロールとの間に供給された場合であっても、粉末材料及び予備圧下ロールに作用する荷重が一時的に増加することを防止することができる。
本実施形態の粉末圧延装置1は、金属からなるシート状の基材の両面に対して例えばロウ材層として機能するクラッド層が付着形成されたクラッドシートを製造する過程で用いられるものであり、基材の両面に対してクラッド層の形成材料となる粉末材料を圧着させるものである。
なお、図1に示されていないが、本実施形態の粉末圧延装置1は、基材が巻回されたコイルを支持すると共に当該基材を送り出す送出装置、基材を搬送する搬送装置、粉末材料を圧延ロールの周面に供給するための粉末材料供給装置、及び粉末圧延装置1の全体を制御する制御装置等を備えている。
本実施形態の粉末圧延装置1においては、図1に示すように、2本の圧延ロール2A,2Bが一対とされており、これら2本の圧延ロール2A,2Bが周面を向かい合わせて対向配置されている。また、図1に示すように、2本の圧延ロール2A,2Bは、回転軸が平行となり、かつ同じ高さとなるように配置されている。
そして、本実施形態の粉末圧延装置1においては、2本の圧延ロール2A,2B間に上方から下方に向けて基材Xが通過され、これらの2本の圧延ロール2A,2BのギャップGにて粉末材料Yを基材Xの表面に圧着する。
この圧延ロール軸箱3は、軸部2aに対して直接取り付けられる軸受を備えている。
具体的には、リニアガイド4は、圧延ロール軸箱3の下方に配置され、当該軸箱を圧延ロール2A,2Bの配列方向に移動可能に支持している。
そして、図1に示すように、ハウジングフレーム7は、リニアガイド4を介して圧延ロール軸箱3を支持している。つまり、本実施形態においてハウジングフレーム7は、リニアガイド4を介することにより、圧延ロール軸箱3をスライド可能に支持している。
また、圧延ロール用油圧シリンダ5は、ハウジングフレーム7に設置され、当該ハウジングフレーム7と圧延ロール軸箱3との間に配置されている。
また、予備圧下ロール8は、予備圧下ロール用油圧シリンダによる押圧力と、予備圧下ロール回転数によって、ギャップGに送り出す粉末材料Yの供給量を調節する。
この予備圧下ロール軸箱9は、軸部8aに対して直接取り付けられる軸受を備えている。
そして、本実施形態の粉末圧延装置1において予備圧下ロール用加圧シリンダ10は、予備圧下ロール8に掛かる荷重が予め定められた設定値で常に維持されるように、圧延ロール2の周面に対して近づいたり離れたり(近接又は離間)する方向に予備圧下ロール8の位置を移動可能に支持する。
つまり、本実施形態の粉末圧延装置1においては、予備圧下ロール用加圧シリンダ10に掛かる圧力を一定に保持し、予備圧下ロール8に掛かる荷重が予め定められた設定値で常に維持されるように、予備圧下ロール8の圧延ロール2の周面に対する位置移動が可能とされている。予備圧下ロール用加圧シリンダ10に掛かる圧力の媒体は、油圧でも空気圧でも良く、圧力を発生できる媒体であれば何でも良い。
次に、このように構成された本実施形態の粉末圧延装置1の動作(粉末圧延方法)について説明する。
このように圧延ロール2の周面に供給された粉末材料Yは、予備圧下ロール8によって圧延ロール2の周面に押し付けられて圧下されることにより、圧延ロール2の周面上に均一な厚さの粉末層が形成され、その後圧延ロール2によって基材Xの表面に圧着される。
そして、粒径の大きな粉末材料が圧延ロール2と予備圧下ロール8との間を通り過ぎると、また、予備圧下ロール8に掛かる荷重が一定となるよう(すなわち設定値に維持されるよう)に、予備圧下ロール用加圧シリンダ10が伸びて圧延ロール2と予備圧下ロール8との隙間が狭くなる。
以上のような本実施形態の粉末圧延装置1及び粉末圧延方法によれば、粒径の大きな粉末材料が圧延ロール2と予備圧下ロール8との間に供給されると、当該粒径の大きな粉末材料に起因する荷重の増加が、予備圧下ロール用加圧シリンダ10によって予備圧下ロール8が圧延ロール2から離れる方向に移動して、粉末層が不均一に形成されることを防止する。
このため、粒径の大きな粉末材料が圧延ロール2と予備圧下ロール8との間に供給された場合であっても、粉末材料Y及び予備圧下ロール8に作用する荷重が一時的に増加することを防止することができる。
したがって、粉末材料Yや予備圧下ロール8に対して一時的に大きな荷重が作用することを抑止して予備圧下ロール8にて形成された粉末層が不均一になることを抑制し、これによって基材Xに対して良好に粉末材料Yを圧着させることができる。
このため、圧延ロール2の偏心や軸受の歪み等が存在する場合であっても、圧延ロール軸箱3が移動することによって圧延ロール2が変位することが防止することができ、圧延ロール2とハウジングフレーム7との位置関係が変化しない構成となっている。
そして、本実施形態の粉末圧延装置1においては、予備圧下ロール8を支持する予備圧下ロール用油圧シリンダ10が、圧延ロール2と位置関係が変化しないハウジングフレーム7に対して設置されている。このため、圧延ロール2と予備圧下ロール8との位置関係が変化することを防ぎ、圧延ロール2と予備圧下ロール8とのギャップ幅を安定させることができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、図2に示すように、予備圧下用加圧シリンダ10に換えて、予備圧下ロール8を圧延ロール2の周面に向けて付勢するバネ12(弾性体)を用いる構成を採用することもできる。また、バネ12に換えて、ゴム等の種々の弾性体を用いる構成を採用することもできる。
予備圧下ロール8に掛かる荷重を監視する場合は、予備圧下ロールは、スクリューの回転制御等で、その押圧力を一定に保持しても良い。
Claims (5)
- シート状の基材に対して粉末材料を圧着する一対の圧延ロールと、
前記圧延ロールの周面に供給された前記粉末材料が前記基材に圧着される前に、前記粉末材料を前記圧延ロールの周面に対して押し付ける予備圧下ロールと、
前記予備圧下ロールに掛かる荷重が予め定められた設定値となるように、前記予備圧下ロールを前記圧延ロールの周面に対して近接又は離間する方向に移動可能に支持する支持手段を備えることを特徴とする粉末圧延装置。 - 前記支持手段は、前記予備圧下ロールを前記圧延ロールの周面に向けて押圧する加圧シリンダを備えることを特徴とする請求項1記載の粉末圧延装置。
- 前記支持手段は、前記予備圧下ロールを前記圧延ロールの周面に向けて押圧する弾性体を備えることを特徴とする請求項1記載の粉末圧延装置。
- 前記圧延ロールを支持する軸箱と、
前記軸箱をスライド可能に支持する支持フレームとを備え、
前記支持手段が前記支持フレームに取り付けられていることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の粉末圧延装置。 - 一対の圧延ロールの少なくとも一方の周面に粉末材料を供給する第1工程と、
前記第1工程の後に、前記圧延ロールの周面に供給された前記粉末材料を、予備圧下ロールにて前記圧延ロールの周面に対して押し付ける第2工程と、
前記第2工程の後に、前記一対の圧延ロールにて、シート状の基材を前記粉末材料と共に挟み込み、前記粉末材料をシート状の前記基材に圧着する第3工程とを有し、
前記第2工程では、前記予備圧下ロールに掛かる荷重が予め定められた設定値となるように、前記予備圧下ロールを前記圧延ロールの周面に対して近接又は離間させることを特徴とする粉末圧延方法。
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