JP5689040B2 - エレベータドア制御装置およびエレベータドア制御方法 - Google Patents

エレベータドア制御装置およびエレベータドア制御方法 Download PDF

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本発明は、エレベータドア制御装置および制御方法に関し、特に、ドア開閉動作中の過負荷によるドア反転時に対応するエレベータドア制御装置および制御方法に係る。
本技術分野の背景技術として、特許文献1がある。この公報には、エレベータドア開閉における過負荷検出を所定回検出すると、閉扉動作時においては開扉保持時間を延長し、開扉動作時においては閉扉保持時間を延長することが開示されている。エレベータのドア開閉制御において、乗客がドアに挟まれることを想定し、過負荷を検出した場合に開閉動作を反転する機能がある。ドア敷居溝に異物が存在し、これがドア開閉動作を妨げ、過負荷検出に至り、本機能が動作し、反転動作に至った場合、敷居溝の異物が取り除かれない限り、反転動作を繰り返すこととなる。特許文献1では、このような繰り返し動作の回数をカウントし、所定回数に達すると、異物により完了できない開閉動作を中止する機能である。
また、特許文献2には、過負荷による反転後に、再度開閉動作を繰り返す際に、扉開閉用モータ駆動力を増加させることが開示されている。これは、ドア敷居溝に異物が存在する場合に、ドア開閉モータ駆動力を増すことで、モータ駆動力による異物除去を試みるものである。
特開平1−285580号公報 特開平9−309682号公報
エレベータドア敷居溝に異物が存在し、ドア開閉動作が妨げられている場合、従来のドア開閉制御では、異物を取り除く方法として、モータ駆動力を増加させる方法があるが、これは、モータ駆動力増加時の乗客の挟まれといった安全面について考慮されていない。
本発明は、乗客の安全性を考慮した上でドア敷居溝の異物を除去する機会を増加させることができるエレベータドア制御装置および制御方法を提供することを目的とする。
本発明の望ましい実施態様においては、敷居溝に沿って開閉動作を行うエレベータドアと、ドア開閉の駆動力を発生させるドア開閉用モータと、ドア開閉動作中の前記モータにかかる過負荷を検出する過負荷検出手段と、過負荷検出状態が第1の所定時間継続したときドア開閉動作を反転させる開閉動作反転手段を備えたエレベータドア制御装置において、過負荷検出によるドア開閉反転動作回数をカウントする反転回数計数手段と、ドア開閉指令がオンされてドア開閉動作が開始されてから、前記ドア開閉動作が完了する前に、過負荷検出によるドア反転回数が第1の所定回数に達したとき、ドア開閉の最高速度を低減させる開閉速度低減手段を備え、前記ドア開閉の最高速度を低減させた後のドア開閉動作中に再び前記モータにかかる過負荷を検出し、この過負荷状態が前記第1の所定時間よりも長い第2の所定時間を経過したとき、ドア開閉動作を反転させる第2の開閉動作反転手段を備えたことを特徴とする。
また、本発明の望ましい実施態様においては、更なる過負荷検出によるドア反転動作が前記第1の所定回数よりも多い第2の所定回数に達すると、ドア開閉動作を中止し、ドア開閉ボタンを点滅させることを特徴とする。
本発明の望ましい実施態様によれば、エレベータのドア開閉動作において、その動作を所定回数繰り返した後は、ドア開閉速度を低くすることで乗客のドア挟まれに対する安全性を確保するとともに、過負荷検出から反転動作に至る時間を増加させることで、より長い時間、敷居溝の異物に低速にてドアモータ駆動力を伝えることができるため、異物除去の可能性を高めることができる。
また、上記動作にて、異物除去が不可能でさらなる反転を繰り返した後には、ドア開閉動作を中止し、ドア開閉ボタンを点滅させることにより、ドア開閉動作が不可能であることを利用客に認識させる。これにより、ドア開閉動作が不可能であることを認識した利用客による異物除去作業を期待できる。
本発明のその他の目的と特徴は、以下に述べる実施例の説明において明らかにする。
本発明の一実施例によるエレベータドア制御装置の制御ブロック図である。 本発明の一実施例によるエレベータドア制御装置における過負荷検出時のドア開閉制御部の処理を説明するフローチャートである。
以下、図面を用いて本発明の一実施例について説明する。
本実施例では、エレベータドア敷居溝に異物が混入した場合のドア閉動作例を説明する。
図1は、本発明の一実施例によるエレベータドア制御装置の制御ブロック図である。
ドア開閉制御装置の演算部200は、マイクロコンピュータによって構成される制御機能である。
エレベータのドア102は、かごに取り付けられたドアモータ101が発生する駆動力によってドア敷居溝に沿って開閉動作する。ドアモータ101は、ドアモータ駆動装置100からのモータ電流313によって駆動力を得る。ドアモータ駆動装置100は、電流指令値演算部204からのモータ電流指令値305に基づいたモータ電流312をドアモータ101に供給している。このモータ電流指令値305は、ドアトルク指令値演算部203が出力するトルク指令値304に基づいて決定される。
ドアトルク指令値304は、ドア速度指令値演算部202のドア速度指令値303と、ドアモータ101に取り付けられたドアモータ速度検出器103からのドア速度帰還値309に基づいて決定される。ドア速度指令値303とドア速度帰還値309が乖離している場合、ドア速度帰還値309がドア速度指令値303に近づく方向にトルク指令値304を増加または減少させるドア速度制御を行っている。
本制御を実施している中で、トルク指令値304が一定値以上となった場合、過負荷検出部208にて過負荷を検出する。この過負荷検出は、ドアに異物がはさまり、ドア開閉動作が妨げられている状態を検出することを目的としており、上述の過負荷検出と判断するトルク指令値とは、正常なドア動作に必要なドアモータトルクよりも大きなドアモータトルクに相当するトルク指令値である。
過負荷検出部208にて過負荷を検出した場合、過負荷検出信号310が反転指令作成部207に送信される。反転指令作成部207は、過負荷検出信号310の受信が一定時間継続した場合に、反転指令306をドア開閉指令作成部201、ドア速度指令値演算部202、およびドア釦点滅制御部209に送信する。
ドア速度指令値303は、ドア開閉指令作成部201からのドア開指令301またはドア閉指令302をトリガとし、ドア速度帰還値309に基づいてドア位置演算部206にて算出するドア位置308、並びに反転動作カウンタ205からの反転回数307等を斟酌して、ドア速度指令値演算部202にて作成される。
ドア開指令301およびドア閉指令302は、エレベータの状態、ドア開釦105からのドア開釦押下信号315、ドア閉釦104からのドア閉釦押下信号313、反転指令306、反転回数307に応じて、ドア開閉指令作成部201が決定する。
ドア釦点滅制御部209は、反転回数307に応じて、エレベータかご内のドア開釦105を点滅させる点滅信号311や、ドア閉釦点滅信号312を制御する。ドア開釦105は、ドア開釦点滅信号311を受けて、ドア開釦を点滅させる。ドア閉釦104は、ドア閉釦点滅信号312を受けて、ドア閉釦を点滅させる。
図2は、本発明の一実施例によるエレベータドア制御装置における過負荷検出時のドア開閉制御部の処理を説明するフローチャートである。この図は、煩雑化を避けるために、ドア閉動作のみについて示しており、ドア開動作についても、「閉」と「開」を入れ替えて、全く同様の処理が実行される。以下に、エレベータドア敷居溝に異物が混入した場合のドア閉動作のみについて説明する。
はじめに、ステップ501にて、ドア閉指令をオンにする。このとき、ステップ502での反転回数のカウント値の判定は0であるので、ステップ503にてドア閉動作を開始する。ステップ504では、ドア閉動作が完了する前に、異物によりドア閉動作が妨げられ、過負荷を検出したかを判定する。過負荷を検出し、ステップ505にて、過負荷検出状態が120[ms]継続したと判定すると、ステップ506にて、ドア開閉の反転動作指令がオンする。ステップ507では、ドア開閉指令作成部201は反転指令を受けて、ドア開指令をオンに切り替える。これにより、ステップ508にてドアは開動作を行う。
ステップ509でドア開動作の完了後、ステップ510で、反転動作カウンタは、反転回数を1回カウントアップする。
このとき、ステップ511にて反転回数を確認するが、今は1であるから、ステップ501に戻って、ドア閉指令をオンに切り替える。
以後、敷居溝の異物が除去されない限り、ステップ501〜511の動作を10回繰り返す。
反転回数が10回となった場合、ステップ502の判断により、ステップ514に分岐して、低速でドア閉動作を実施する。ドア閉動作の最高速度を低くすることで、利用客のドア挟まれに対する安全性を高める。
しかし、ステップ515において、ドア閉動作が完了する前に、異物によりドア閉動作が妨げられると、過負荷を検出する。そして、前述したステップ505での第1の所定時間(例えば、120[ms])よりも長い、例えば、5[s]間、過負荷検出状態が継続すると、ステップ516にてこれを検出し、ステップ517にてドア開閉の反転動作指令がオンする。
このように、過負荷検出から反転動作に至る時間を長くすることで、より長い時間、敷居溝の異物にドアモータ駆動力を伝えることができるため、異物除去の可能性が高まる。
さて、反転動作指令を受けて、ステップ518でドア開指令をオンに切り替える。すると、今度は、ステップ519により、ドアは低速で開動作を行う。
以後、敷居溝の異物が除去されない限り、ステップ501,502,514〜519,509〜511の動作を10回繰り返す。
反転回数が20回となった場合は、ステップ511の分岐により、ステップ512に移って、ドア開状態を保持し、ドア故障と判断して保守員を呼び出すための警報を発し、ドア閉釦を点滅させる。ドア閉釦の点滅により、ドア開閉動作が不可能であることを認識した利用客による異物除去が期待できる。さらに、ステップ513では、このドア開保持状態で、利用客によるドア閉釦押下連続5[s]を検出した場合、ステップ501に移ってドア閉指令をオンして、再度、ドア閉動作を試みる。
ステップ520にて、敷居溝の異物が除去されて、ドア閉動作が完了した場合は、ステップ521で反転回数を0にリセットし、この処理を終了する。
前述したように、以上は、ドア閉動作の処理フローであるが、すべての「開」と「閉」を逆に書き替えれば、ドア開動作の処理フローとなり、全く同様の処理が実行できる。
100…ドア、101…ドアモータ、102…モータ駆動装置、103…速度検出器、104…ドア閉釦、105…ドア開釦、200…ドア開閉制御装置演算部、201…ドア開閉指令作成部、202…ドア速度指令値演算部、203…ドアトルク指令値演算部、204…電流指令値演算部、205…反転動作カウンタ、206…ドア位置演算部、207…反転指令作成部、208…過負荷検出部、209…ドア釦点滅制御部、301…ドア開指令、302…ドア閉指令、303…ドア速度指令値、304…ドアトルク指令値、305…モータ電流指令値、306…反転動作指令、307…反転回数、308…ドア位置、309…ドア速度帰還値、310…過負荷検出信号、311…ドア開釦点滅信号、312…ドア閉釦点滅信号、313…モータ電流、314…ドア閉釦押下信号、315…ドア開釦押下信号。

Claims (6)

  1. 敷居溝に沿って開閉動作を行うエレベータドアと、ドア開閉の駆動力を発生させるドア開閉用モータと、ドア開閉動作中の前記モータにかかる過負荷を検出する過負荷検出手段と、過負荷検出状態が第1の所定時間継続したときドア開閉動作を反転させる開閉動作反転手段を備えたエレベータドア制御装置において、
    過負荷検出によるドア開閉反転動作回数をカウントする反転回数計数手段と、
    ドア開閉指令がオンされてドア開閉動作が開始されてから、前記ドア開閉動作が完了する前に、過負荷検出によるドア反転回数が第1の所定回数に達したとき、ドア開閉の最高速度を低減させる開閉速度低減手段を備え、
    前記ドア開閉の最高速度を低減させた後のドア開閉動作中に再び前記モータにかかる過負荷を検出し、この過負荷状態が前記第1の所定時間よりも長い第2の所定時間を経過したとき、ドア開閉動作を反転させる第2の開閉動作反転手段を備えたことを特徴とするエレベータドア制御装置。
  2. 請求項1において、過負荷検出によるドア反転回数が、前記第1の所定回数よりも多い第2の所定回数に達したとき、ドア開閉動作を中止することを特徴とするエレベータドア制御装置。
  3. 請求項2において、過負荷検出によるドア反転回数が、前記第2の所定回数に達したとき、エレベータかご内のドア開閉釦を点滅させることを特徴とするエレベータドア制御装置。
  4. 請求項2または3において、過負荷検出によるドア反転回数が、前記第2の所定回数に達したとき、保守員を呼び出すための警報を発することを特徴とするエレベータドア制御装置。
  5. 請求項2〜4のいずれかにおいて、過負荷検出によるドア反転回数が、前記第2の所定回数に達した後に、ドア開釦またはドア閉釦が所定時間(5s)以上継続して押下されたとき、ドア開指令またはドア閉指令を活かしてドア開またはドア閉動作に再トライすることを特徴とするエレベータドア制御装置。
  6. 敷居溝に沿って開閉動作を行うエレベータドアに対し、ドア開閉用モータによりドア開閉の駆動力を発生させ、ドア開閉動作中の前記モータにかかる過負荷を検出し、過負荷検出状態が第1の所定時間継続したときドア開閉動作を反転させるエレベータドア制御方法において、
    ドア開閉指令がオンされてドア開閉動作が開始されてから、前記ドア開閉動作が完了する前に、過負荷検出によるドア開閉反転動作回数をカウントし、ドア反転回数が第1の所定回数に達したとき、ドア開閉の最高速度を低減させるステップと、前記ドア開閉の最高速度を低減させた後のドア開閉動作中に再び前記モータにかかる過負荷を検出し、この過負荷状態が前記第1の所定時間よりも長い第2の所定時間を経過したとき、ドア開閉動作を反転させる第2の開閉動作反転ステップを備えたことを特徴とするエレベータドア制御方法。
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