JP5688417B2 - 高速トラクションドライブ及び無段変速機を有するスーパーターボチャージャ - Google Patents

高速トラクションドライブ及び無段変速機を有するスーパーターボチャージャ Download PDF

Info

Publication number
JP5688417B2
JP5688417B2 JP2012551955A JP2012551955A JP5688417B2 JP 5688417 B2 JP5688417 B2 JP 5688417B2 JP 2012551955 A JP2012551955 A JP 2012551955A JP 2012551955 A JP2012551955 A JP 2012551955A JP 5688417 B2 JP5688417 B2 JP 5688417B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
traction
engine
turbine
planetary
compressor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012551955A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013519034A (ja
Inventor
ヴァンダイン,エド
ブリンクス,バリー,ティー.
リレイ,マイケル,ビー.
ブラウン,ジェアード,ウィリアム
Original Assignee
ヴァンダイン スーパー ターボ,インコーポレイテッド
ヴァンダイン スーパー ターボ,インコーポレイテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ヴァンダイン スーパー ターボ,インコーポレイテッド, ヴァンダイン スーパー ターボ,インコーポレイテッド filed Critical ヴァンダイン スーパー ターボ,インコーポレイテッド
Publication of JP2013519034A publication Critical patent/JP2013519034A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5688417B2 publication Critical patent/JP5688417B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B33/00Engines characterised by provision of pumps for charging or scavenging
    • F02B33/44Passages conducting the charge from the pump to the engine inlet, e.g. reservoirs
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02MSUPPLYING COMBUSTION ENGINES IN GENERAL WITH COMBUSTIBLE MIXTURES OR CONSTITUENTS THEREOF
    • F02M26/00Engine-pertinent apparatus for adding exhaust gases to combustion-air, main fuel or fuel-air mixture, e.g. by exhaust gas recirculation [EGR] systems
    • F02M26/02EGR systems specially adapted for supercharged engines
    • F02M26/08EGR systems specially adapted for supercharged engines for engines having two or more intake charge compressors or exhaust gas turbines, e.g. a turbocharger combined with an additional compressor
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B39/00Component parts, details, or accessories relating to, driven charging or scavenging pumps, not provided for in groups F02B33/00 - F02B37/00
    • F02B39/02Drives of pumps; Varying pump drive gear ratio
    • F02B39/04Mechanical drives; Variable-gear-ratio drives
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B37/00Engines characterised by provision of pumps driven at least for part of the time by exhaust
    • F02B37/013Engines characterised by provision of pumps driven at least for part of the time by exhaust with exhaust-driven pumps arranged in series
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B37/00Engines characterised by provision of pumps driven at least for part of the time by exhaust
    • F02B37/04Engines with exhaust drive and other drive of pumps, e.g. with exhaust-driven pump and mechanically-driven second pump
    • F02B37/10Engines with exhaust drive and other drive of pumps, e.g. with exhaust-driven pump and mechanically-driven second pump at least one pump being alternatively or simultaneously driven by exhaust and other drive, e.g. by pressurised fluid from a reservoir or an engine-driven pump
    • F02B37/105Engines with exhaust drive and other drive of pumps, e.g. with exhaust-driven pump and mechanically-driven second pump at least one pump being alternatively or simultaneously driven by exhaust and other drive, e.g. by pressurised fluid from a reservoir or an engine-driven pump exhaust drive and pump being both connected through gearing to engine-driven shaft
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02MSUPPLYING COMBUSTION ENGINES IN GENERAL WITH COMBUSTIBLE MIXTURES OR CONSTITUENTS THEREOF
    • F02M26/00Engine-pertinent apparatus for adding exhaust gases to combustion-air, main fuel or fuel-air mixture, e.g. by exhaust gas recirculation [EGR] systems
    • F02M26/02EGR systems specially adapted for supercharged engines
    • F02M26/09Constructional details, e.g. structural combinations of EGR systems and supercharger systems; Arrangement of the EGR and supercharger systems with respect to the engine
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Supercharger (AREA)
  • Friction Gearing (AREA)
  • Exhaust-Gas Circulating Devices (AREA)
  • Control Of Transmission Device (AREA)
  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)

Description

関連出願の相互参照
この特許出願は、その教示及び開示の全体が参照によりそこに組み込まれる2008年8月5日に出願された米国特許仮出願整理番号第61/086,401号に基づく優先権を主張する、2009年8月5日に出願された米国特許出願整理番号第12/536,421号の一部継続出願である。
従来のターボチャージャは、排気タービン・ハウジングを通してタービンホイール上に強制的に送られる排気廃熱及び排気ガスによって駆動される。タービンホイールは、共通のターボシャフトによって圧縮機ホイールに接続される。排気ガスがタービンホイールに当たる際に、両方のホイールが同時に回転する。圧縮機ホイールの回転が空気を圧縮機ハウジングの中に引き込み、これにより圧縮空気がエンジンシリンダの中に強制的に送り込まれて、改善されたエンジン性能及び燃料効率が達成される。可変速度/負荷用途でのターボチャージャは、典型的に、ピークトルクに達するのに十分なだけのブーストを発生させるために、トルクピーク速度での最大効率に向けて寸法設定される。しかしながら、より低速では、ターボチャージャは、適当なエンジン過渡応答に対して不十分なブーストを生じる。
これらの問題を克服し、且つ効率を高めるシステムを提供するために、スーパーチャージャの特徴とターボチャージャの特徴とを組み合わせたスーパーターボチャージャを用いることができる。スーパーターボチャージャは、主として低速での高トルクのために良いスーパーチャージャの利点と、普通は高速での高馬力のためにのみ良いターボチャージャの利点とを融合する。スーパーターボチャージャは、過給のため及びターボラグをなくすために、ターボチャージャと、ターボシャフト上にエンジントルクをかけることができるトランスミッションとを組み合わせたものである。排気エネルギーが圧縮機を駆動するのに費やす以上の仕事を提供し始めると、スーパーターボチャージャは、普通はクランクシャフトを通してピストンエンジンに付加的な力を適用することによって過剰なエネルギーを回収する。結果として、スーパーターボチャージャは、1つのシステムから、低速高トルクの利点と高速高馬力の付加価値との両方を提供する。
本発明の実施形態は、したがって、エンジンに結合されるスーパーターボチャージャであって、エンジンによって生じた排気ガスのエンタルピーからタービン回転機械エネルギーを発生させるタービンと、タービンによって発生したタービン回転機械エネルギー及びエンジンから伝達されたエンジン回転機械エネルギーに応答して吸気を圧縮し及び圧縮空気をエンジンに供給する圧縮機と、タービン及び圧縮機に接続される端部とシャフトトラクション面を有する中央部とを有するシャフトと、シャフトの中央部の周りに配置されるトラクションドライブであり、複数の遊星ローラトラクション面とシャフトトラクション面との間に第1の複数のトラクション境界面が存在するようにシャフトトラクション面と整合する複数の遊星ローラトラクション面を有する複数の遊星ローラと、第2の複数のトラクション境界面を通じて複数の遊星ローラによって回転するリングローラと、を有するトラクションドライブと、トラクションドライブ及びエンジンに機械的に結合され、エンジンにタービン回転機械エネルギー及びエンジンの作動速度でスーパーターボチャージャにエンジン回転機械エネルギーを伝達する無段変速機と、を備えるスーパーターボチャージャを備えてもよい。
本発明の実施形態は、スーパーターボチャージャとエンジンとの間で回転機械エネルギーを伝達する方法であって、エンジンによって生じた排気ガスのエンタルピーからタービンにタービン回転機械エネルギーを発生させるステップと、タービンによって発生したタービン回転機械エネルギー及びエンジンによって発生したエンジン回転機械エネルギーに応答してエンジンに圧縮空気を供給するために吸気を圧縮するステップと、タービン及び圧縮機に接続される端部とシャフトトラクション面を有する中央部とを有するシャフトを提供するステップと、シャフトのシャフトトラクション面にトラクションドライブを機械的に結合するステップと、複数の遊星ローラトラクション面とシャフトトラクション面との間に複数の第1のトラクション境界面がもたらされるように、複数の遊星ローラの複数の遊星ローラトラクション面をシャフトトラクション面と接触する状態で配置するステップと、複数の遊星ローラとリングローラとの間に複数の第2のトラクション境界面がもたらされるように、リングローラを複数の遊星ローラと接触する状態で配置するステップと、エンジンにタービン回転機械エネルギー及びエンジンの作動速度でスーパーターボチャージャにエンジン回転機械エネルギーを伝達するためにトラクションドライブ及びエンジンに無段変速機を機械的に結合するステップと、を含む方法をさらに含んでもよい。
本発明の実施形態は、スーパーターボチャージャ付き内燃機関における排気ガス再循環を容易にする方法であって、第1の所定のサイズの高圧排気ポートを内燃機関に提供するステップと、第1の所定のサイズよりも実質的に大きい第2の所定のサイズの低圧排気ポートを内燃機関に提供するステップと、高圧排気ポートからの高圧排気ガスの少なくとも第1の部分で高圧スーパーターボチャージャを駆動するステップと、高圧排気ポートからの高圧排気ガスの少なくとも第2の部分を内燃機関の吸込みマニホルドに提供するステップと、低圧排気ポートからのより低圧の排気ガスで低圧スーパーターボチャージャを駆動するステップと、低圧圧縮機の出力からの圧縮空気を高圧圧縮機の空気入力に提供するステップと、高圧圧縮機の出力からの圧縮空気を所定の圧力で内燃機関の吸込みマニホルドに提供するステップと、高圧排気ガスの第2の部分が内燃機関を通して再循環するように、高圧排気ポートの中の圧力が所定の圧力よりも高い状態で高圧排気ポートを開くステップと、を含む方法をさらに含んでもよい。
本発明の実施形態は、スーパーターボチャージャ付き内燃機関における排気ガス再循環を容易にする方法であって、内燃機関に第1の所定のサイズの高圧排気ポートを提供するステップと、第1の所定のサイズよりも実質的に大きい第2の所定のサイズの低圧排気ポートを内燃機関に提供するステップと、高圧排気ポートからの高圧排気ガスで高圧スーパーターボチャージャを駆動するステップと、低圧排気ポートからのより低圧の排気ガスで低圧スーパーターボチャージャを駆動するステップと、低圧圧縮機の出力からの圧縮空気を高圧圧縮機の空気入力に提供するステップと、高圧圧縮機の出力からの圧縮空気を所定の圧力で内燃機関の吸込みマニホルドに提供するステップと、高圧スーパーターボチャージャの出力からの高圧排気ガスを内燃機関の吸込みマニホルドに流すステップと、高圧スーパーターボチャージャの出力からの高圧排気ガスが内燃機関を通して再循環するように、高圧排気ポートの中の圧力が所定の圧力よりも高い状態で高圧排気ポートを開くステップと、を含む方法をさらに含んでもよい。
本発明の実施形態は、スーパーターボチャージャ付き内燃機関における排気ガス再循環を容易にする方法であって、第1の所定のサイズの高圧排気ポートを内燃機関に提供するステップと、第1の所定のサイズよりも実質的に大きい第2の所定のサイズの低圧排気ポートを内燃機関に提供するステップと、高圧排気ポートからの高圧排気ガスを内燃機関の吸込みマニホルドに提供するステップと、低圧スーパーターボチャージャを低圧排気ポートからのより低圧の排気ガスで駆動するステップと、低圧圧縮機の出力からの圧縮空気を所定の圧力で内燃機関の吸込みマニホルドに提供するステップと、高圧排気ガスの第2の部分が内燃機関を通して再循環するように、高圧排気ポートの中の圧力が所定の圧力よりも高い状態で高圧排気ポートを開くステップと、を含む方法をさらに備えてもよい。
スーパーターボチャージャの実施形態の側面図である。 図1のスーパーターボチャージャの実施形態の透視等角図である。 図1及び図2で例証されたスーパーターボチャージャの実施形態の透視側面図である。 スーパーターボチャージャの別の実施形態の側部切取図である。 図1、図2、及び図3Aで例証されたスーパーターボチャージャの実施形態を修正した透視側面図である。 可変径遊星ローラトラクションドライブの実施形態を用いるスーパーターボチャージャの図である。 可変径遊星ローラトラクションドライブの実施形態を用いるスーパーターボチャージャの図である。 可変径遊星ローラトラクションドライブの実施形態を用いるスーパーターボチャージャの図である。 可変径遊星ローラトラクションドライブの実施形態を用いるスーパーターボチャージャの図である。 可変径遊星ローラトラクションドライブの実施形態を用いるスーパーターボチャージャの図である。 可変径遊星ローラトラクションドライブの実施形態を用いるスーパーターボチャージャの図である。 高速トラクションドライブの別の実施形態の図である。 トラクション無段変速機の実施形態の図である。 トラクション無段変速機の実施形態の図である。 別の実施形態の側部切取図である。 スーパーターボチャージャ付きガス再循環装置の実施形態の概略図である。 スーパーターボチャージャ付きガス再循環装置の別の実施形態の概略図である。 スーパーターボチャージャ付きガス再循環装置の別の実施形態の概略図である。 図14A〜図14Cの実施形態に関するピストン位置に対するバルブリフト、流量、及びシリンダ圧のグラフである。 図14A〜図14Cの実施形態に関するシリンダ体積に対するシリンダ圧のPVグラフである。 シミュレートされたBSFC改善のグラフ図である。
図1は、高速トラクションドライブ114及び無段変速機116を用いるスーパーターボチャージャ100の実施形態の略図である。図1に示すように、スーパーターボチャージャ100はエンジン101に結合される。スーパーターボチャージャは、排気導管104によってエンジン101に結合されるタービン102を含む。タービン102は、排気導管104から高温排気ガスを受け、排気出口112の中に排気ガスを排出する前に回転機械エネルギーを発生させる。排気導管104とタービン102との間に触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタ(図示せず)を接続することができる。代替的に、排気出口112に触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタ(図示せず)を接続することができる。タービン102によって発生した回転機械エネルギーが、図4のシャフト414のようなタービン/圧縮機シャフトを介して圧縮機106に伝達されて、圧縮機106の中に配置された圧縮機ファンが回転し、この回転が吸気110を圧縮し、圧縮された空気はエンジン101の吸込みマニホルド(図示せず)に結合された導管108に伝達される。上記で参照した特許出願で開示されるように、スーパーターボチャージャは、ターボチャージャとは違って、推進トレーン(propulsion train)に結合され、推進トレーンとの間でエネルギーを伝達する。本明細書で言及される場合の推進トレーンは、エンジン101、その中にエンジン101が配置される車両のトランスミッション、その中にエンジン101が配置される車両のドライブトレーン、又はエンジン101によって発生する回転機械エネルギーの他の用途を含んでもよい。言い換えれば、スーパーターボチャージャからトランスミッション又は車両のドライブトレーンのような少なくとも1つの中間機械装置を通してエンジンに回転機械エネルギーを結合し又は伝達することができ、逆もまた同様である。図1の実施形態では、スーパーターボチャージャの回転機械エネルギーは、シャフト118、プーリ120、及びベルト124を通してエンジン101のクランクシャフト122に直接結合される。同じく図1で例証されるように、高速トラクションドライブ114は無段変速機116に機械的に結合される。
作動時に、図1の高速トラクションドライブ114は、タービン/圧縮機シャフトとの間で回転機械エネルギーを伝達するためにトラクション境界面を用いてタービン/圧縮機シャフトに機械的に結合される、固定変速比の高速トラクションドライブである。高速トラクションドライブ114は、エンジン101のサイズによって異なる場合がある固定変速比を有する。小型エンジンでは、高速トラクションドライブ114の大きい固定変速比が要求される。
より小さいエンジンでは、小さいエンジンサイズを維持し且つ圧縮機及びタービンの流れ要件に合致させるために、スーパーターボチャージャの圧縮機及びタービンを必然的により小さくしなければならない。より小さいタービン及びより小さい圧縮機が適正に機能するには、それらはより高いrpmで回転する必要がある。例えば、より小さいエンジンは、圧縮機とタービンが300,000rpmで回転することを要求する場合がある。0.5リッター(half liter)エンジンのような非常に小さいエンジンでは、スーパーターボチャージャは、900,000rpmで回転する必要がある場合がある。より小さいエンジンがより高いrpmレベルで作動する圧縮機を要求する理由の1つは、サージを回避するためである。加えて、効率的な様態で作動するために、圧縮機の先端速度は、もう少しで音速に達するほどでなければならない。先端部は、より小さい圧縮機ではあまり長くないので、より小さい圧縮機の先端部は同じrpmでもより大きい圧縮機の先端部と同程度に速く動かない。圧縮機のサイズが減少するのに伴って、効率よく作動するのに必要な回転速度は指数関数的に上昇する。歯車はおよそ100,000rpmに制限されるので、車のエンジンのスーパーターボチャージャに必要なより高い速度での動力取り出しを達成するのに標準歯車システムを用いることができない。したがって、種々の実施形態は、ターボシャフトに動力を加える及びターボシャフトから動力を受け取るために高速トラクションドライブ114を用いる。
高速トラクションドライブ114からの回転機械エネルギーは、したがって、タービン/圧縮機の回転速度に応じて可変のrpmレベルであるが、無段変速機(CVT)116の作動範囲内であるrpmレベルに低減される。例えば、高速トラクションドライブ114は、ゼロから7,000rpmまでの間で変化する出力を有してもよく、一方、タービン/圧縮機シャフトからの入力は、ゼロから300,000rpm以上に変化してもよい。適正なrpmレベルでエンジン101に回転機械エネルギーを適用する又はエンジン101から回転機械エネルギーを抽出するために、無段変速機116は、高速トラクションドライブ114のrpmレベルをクランクシャフト122及びプーリ120のrpmレベルに調節する。言い換えれば、無段変速機116は、エンジンの回転速度及びタービン/圧縮機の回転速度に従って変化する適正なrpmレベルでエンジン101と高速トラクションドライブ114との間で回転機械エネルギーを伝達するための境界面を備える。無段変速機116は、要求される回転速度で作動することができ且つエンジン101に直接又は間接的に結合されたクランクシャフト122又は他の機構の回転速度に合致する変速比を有する任意の所望のタイプの無段変速機を含むことができる。例えば、本明細書で開示された実施形態に加えて、2ローラCVT、並びにトラクションボール・ドライブ及びプッシュ式スチールベルトCVTを用いることができる。
図1で開示された無段変速機116として用いるのに適した無段変速機の例は、図11及び図12で開示される無段変速機である。図1の無段変速機116として用いることができる無段変速機の他の例は、2009年6月2日にMiller他に発行された米国特許第7,540,881号を含む。Millerの特許は、遊星ボールベアリングを用いるトラクションドライブ、無段変速機の例である。Millerのトラクションドライブは約10,000rpmに制限され、そのためMillerの無段変速機は高速トラクションドライブ114のような高速トラクションドライブとして使用できない。しかしながら、Millerの特許は、トラクションドライブを用いる無段変速機であって、図1〜図3で例証される無段変速機116として用いることができる無段変速機の例として用いるのに適した無段変速機を開示する。適切な無段変速機の別の例は、2006年6月6日にWilliam R.Kelley,Jr.に発行され、Borg Warnerに譲渡された、米国特許第7,055,507号で開示される。無段変速機の別の例は、1991年7月23日にSmithに発行された米国特許第5,033,269号で開示される。さらに、米国特許第7,491,149号はまた、無段変速機116として用いるのに適する可能性がある無段変速機を開示する。2009年2月17日にGreenwood他に発行され、Torotrak Limitedに譲渡された、米国特許第7,491,149号は、無段変速機116として用いることができるトラクションドライブを用いる無段変速機の例を開示する。これらの特許のすべては、それらが開示し及び教示するすべてに関して参照により具体的に組み込まれる。1995年8月9日に公開番号0517675B1として公開された欧州特許出願第92830258.7号はまた、連続可変トラクションドライブ116として用いるのに適した別の無段変速機3を例証する。
高速トラクションドライブ114として種々のタイプの高速トラクションドライブを用いることができる。例えば、図4〜図9で開示される高速遊星トラクションドライブ406及び図10の高速遊星ドライブを高速トラクションドライブ114として用いることができる。
歯車を用いる高速ドライブの例は、1946年4月9日にBirgkigtに発行された米国特許第2,397,941号及び1998年3月24日にHiereth他に発行された米国特許第5,729,978号で開示される。これらの特許の両方は、それらが開示し及び教示するすべてに関して参照により本明細書に具体的に組み込まれる。これらの参照特許の両方は、標準歯車を使用し、トラクションドライブは使用しない。したがって、高度に研磨され、特別に設計されたギアシステムであっても、これらのシステムにおける歯車は、およそ100,000rpm以下の回転速度に制限される。2005年11月1日にKolstrupに発行され、Rulounds Roadtracks Rotrex A/Sに譲渡された、米国特許第6,960,147号は、13:1の歯車比をもたらすことができる遊星歯車を開示する。Kolstrupの遊星歯車は、図1の高速トラクションドライブ114の代わりに用いることができる高速ドライブの例である。米国特許第6,960,147号はまた、それが開示し及び教示するすべてに関して参照により本明細書に具体的に組み込まれる。
図2は、スーパーターボチャージャ100の透視略側面図である。図2に示すように、タービン102は、タービンファン130に適用される排気ガスを受ける排気導管104を有する。圧縮機106は、吸込みマニホルドに圧縮空気を供給する圧縮空気導管108を有する。圧縮機ハウジング128は、圧縮機ファン126を取り囲み、且つ圧縮空気導管108に結合される。上で開示されたように、高速トラクションドライブ114は、無段変速機116に結合される固定変速比トラクションドライブである。無段変速機116はシャフト118及びプーリ120を駆動する。
図3Aは、図1及び図2で例証されたスーパーターボチャージャの実施形態100の透視側面図である。また、図3Aに示すように、タービン102はタービンファン130を含み、一方、圧縮機106は圧縮機ファン126を含む。タービンファン130と圧縮機ファン126とを接続するシャフト(図示せず)が高速トラクションドライブ114に結合される。高速トラクションドライブ114から伝達歯車132に回転機械エネルギーが伝達され、伝達歯車132は回転機械エネルギーをCVT歯車134及び無段変速機(CVT)116に伝達する。無段変速機116はシャフト118及びプーリ120に結合される。
図3Bは、エンジン304に結合されるスーパーターボチャージャ300の別の例の略切取図である。図3Bに示すように、タービン302と圧縮機306はシャフト320によって機械的に結合される。高速トラクションドライブ308は、伝達歯車322に回転機械エネルギーを伝達し、及び伝達歯車322から回転機械エネルギーを受け取る。高速トラクションドライブ308の具体例が図3Bで例証される。伝達歯車322は、トラクションドライブ308と無段変速機310との間で回転機械エネルギーを伝達する。無段変速機310の具体例もまた図3Bで例証される。シャフト312、プーリ314、及びベルト316が、クランクシャフト318と無段変速機310との間で回転機械エネルギーを伝達する。
図3Cは、図1、図2、及び図3Aで例証されたスーパーターボチャージャ100の実施形態を修正した概略的な側部切取図である。図3Cに示すように、タービン102と圧縮機106はシャフト(図示せず)によって互いに結合される。シャフトに高速トラクション装置114が結合される。高速トラクション装置114から伝達歯車132に回転機械エネルギーが伝達され、伝達歯車132が回転機械エネルギーを変速機歯車134に伝達する。高速トラクションドライブ114、伝達歯車132、及び変速機歯車134は、すべて、同じハウジング内に収容されてもよい。変速機歯車134は、マニュアル・ギアボックス、CVT、ストレートシャフト、及びオートマチック・ギアボックス、又は油圧式変速機を含むことができる変速機140に接続される。次いで、変速機140がシャフト118に接続され、これはプーリ120に接続される。プーリ120は推進トレーンに結合される。代替的な実施形態では、プーリ120は電動機/発電機142に結合される。
図4は、無段変速機408に結合される高速トラクションドライブ416を使用するスーパーターボチャージャ400の別の実施形態の透視略図である。図4に示すように、タービン404は、圧縮機/タービンシャフト414により圧縮機402に機械的に結合される。圧縮機/タービンシャフト414と可変径(multi−diameter)トラクションドライブ416との間で回転機械エネルギーが以下でより詳細に開示される様態で伝達される。伝達歯車418が、可変径トラクションドライブ416と無段変速機408のCVT歯車420との間で回転機械エネルギーを伝達する。シャフト410及びプーリ412が無段変速機408に結合され、無段変速機408と推進トレーンとの間で動力を伝達する。
図5は、伝達歯車418に結合される可変径トラクションドライブ416の切取略側面図であり、伝達歯車418は次にCVT歯車420に結合される。圧縮機/タービンシャフト414は、以下でより詳細に開示されるように、可変径トラクションドライブ416における太陽ドライブとして機能する、研磨され硬化された表面を中央部に有する。
図6は、図4で例証されたスーパーターボチャージャ400の実施形態の分解図600である。図6に示すように、タービン・ハウジング602はタービンファン604を収容する。タービンファン604及びメインハウジング支持部608に隣接して高温側カバープレート606が設置される。リングシール610が高温側カバープレート606での排気をシールする。リングローラ・ベアリング612がリングローラ614に設置される。圧縮機/タービンシャフト414がメインハウジング支持部608を通して延びる。高温側カバープレート606はタービンファン604と接続される。遊星キャリヤ・ボールベアリング618が遊星キャリヤ620上に設置される。遊星キャリヤ620に可変径リングローラ622が回転可能に接続される。トラクション面にトラクション流体を供給するために送油管624が用いられる。遊星キャリヤ626が遊星キャリヤ620に設置され、遊星キャリヤ・ボールベアリング628を用いる。次いで、遊星キャリヤ626の外側に固定リング630が設置される。固定リング630と低温側カバープレート636との間にケージ632が設置される。圧縮機/タービンシャフト414に圧縮機ファン638が結合される。圧縮機ファン638を圧縮機ハウジング640が取り囲む。メインハウジング支持部608はまた、無段変速機と伝達歯車418を支持する。伝達歯車418及びメインハウジング支持部608を設置するのに種々のベアリング646が用いられる。無段変速機は、CVTカバー642及びCVTベアリングプレート644を含む。メインハウジング支持部608の内部にベアリング650と共にCVT歯車420が設置される。CVTベアリングプレート644からCVT歯車420とは反対側にCVTベアリングプレート652が設置される。CVTカバー654は、CVT装置の種々の部分をカバーする。無段変速機にシャフト410が結合される。シャフト410上にプーリ412が設置され、シャフト410と推進トレーンとの間で回転機械エネルギーを伝達する。
図7は、可変径トラクションドライブ416、並びにタービンファン604及び圧縮機ファン638の分離した重要な構成要素の斜視図である。図7に示すように、圧縮機/タービンシャフト414は、タービンファン604及び圧縮機ファン638に接続され、可変径トラクションドライブ416の中心を貫通する。可変径トラクションドライブ416は、可変径遊星ローラ664、666(図9)、668を含む。これらの可変径遊星ローラは、遊星キャリヤ626(図9)に回転可能に結合される。ボール656、658、660、662は、固定リング630上のボールランプの傾斜面上に載っている。リングローラ614は、以下でより詳細に開示されるように可変径遊星ローラ664、666、668の内径によって駆動される。
図8は、可変径トラクションドライブ416の側部切取図である。図8に示すように、圧縮機/タービンシャフト414は、硬化され及び研磨されてトラクション面を形成し、可変径遊星ローラ664とのトラクション境界面676を有する太陽ローラ674として用いられる。可変径遊星ローラ664は、可変径遊星ローラ軸線672に沿って回転する。可変径遊星ローラ664は、遊星ローラ664と固定リング630の境界面690で固定リング630と接触する。可変径遊星ローラ664は、可変径遊星ローラ軸線672から境界面691とは異なる半径方向の距離にある境界面691でリングローラ614と接触する。図8はまた、遊星キャリヤ626、ボール656と交わるボールランプ630、及びボール660と交わるボールランプ631を例証する。ボール656、658、660、662は、ハウジング(図示せず)と固定リング664上のボールランプ630のようなボールランプとの間に押し込められる。リングローラ614にトルクがかかるときに、固定リング664がリングローラ614の回転方向に僅かに動かされる。これにより、ボールがボールランプ630、631のような種々のボールランプで上に動いて、次に固定リング630が可変径遊星ローラ664、666、668に押しつけられる。遊星ローラ664及び固定リング630の境界面691に傾斜が付けられており、且つ遊星ローラ664及びリングローラ690の境界面に傾斜が付けられているため、可変径遊星ローラ664に対する内向きの力が発生し、これがトラクション境界面676に対する力を発生させて、可変径遊星ローラ664と太陽ローラ674との間のトラクション境界面676でのトラクションを増加させる。加えて、可変径遊星ローラ664とリングローラ614との境界面691で力が生じ、これは境界面691でのトラクションを増加させる。また、図8に示されるように、圧縮機ファン630とタービンファン604との両方が圧縮機/タービンシャフト414に結合される。また、図8に示されるように、リングローラ614は伝達歯車418に結合される。
図9は、可変径トラクションドライブ416の側部切取図である。図9に示すように、太陽ローラ674は、回転方向686によって示されるように時計回り方向に回転する。可変径遊星ローラ664、666、668は、可変径遊星ローラ664のローラ面外径688のようなローラ面外径を有する。これらのローラ面外径は、太陽ローラ674と接触して、可変径遊星ローラ664、666、668を可変径遊星ローラ666の回転方向684のような反時計回り方向に回転させる。可変径遊星ローラ664、666、668はまた、可変径遊星ローラ664のローラ面ローラ内径680のようなローラ面内径を有する。各可変径遊星ローラのローラ面内径は、リングローラ614のローラ面687と接触する。したがって、遊星ローラ664とリングローラ614のローラ面687との境界面678は、トラクション流体が適用されるときに回転機械エネルギーを伝達するトラクション境界面を構成する。可変径遊星ローラ664、666、668のそれぞれと太陽ローラ674との間の境界面はまた、トラクション流体の適用時に回転機械エネルギーを伝達するトラクション境界面を構成する。
図8及び図9に関して上に示したように、固定リング630は力を発生させ、この力は可変径遊星ローラ664、666、668を太陽ローラ674の方に押してトラクションを発生させる。可変径遊星ローラ664、666、668のそれぞれは、可変径遊星ローラ664の可変径遊星ローラ軸672のような遊星ローラ軸により遊星キャリヤ626に回転可能に取り付けられる。これらの軸は、可変径遊星ローラ664、666、668が僅かに動いて太陽ローラ674と遊星ローラ664のローラ面688の外径のような可変径遊星ローラ664、666、668のローラ面外径との間に力を生じることができるように、僅かな量の遊びを有する。可変径遊星ローラ664、666、668とリングローラ614との間の境界面678のような境界面に傾斜が付けられているため、太陽ローラ674の方への可変径遊星ローラ664の移動はまた、可変径遊星ローラ664、666、668とリングローラ614との境界面でのトラクションを増加させる。可変径遊星ローラ664、666、668とリングローラ614のローラ面687との接触は、遊星キャリヤ626を図9で例証される回転方向682のような時計回り方向に回転させる。結果として、リングローラ614は、回転方向687のような反時計回り方向に回転し、伝達歯車418を時計回り方向に駆動する。
図10は、高速トラクションドライブ1000の別の実施形態の略断面図である。図10に示すように、スーパーターボチャージャにおいてタービン及び圧縮機を接続するシャフトである、シャフト1002は、高速トラクションドライブ1000における太陽ローラとして作用することができる。遊星ローラ1004は、トラクション境界面1036でシャフト1002と接触する。遊星ローラ1004は、ベアリング1008、1010、1012、1014を用いて軸線1006上で回転する。また、図10に示されるように、歯車1016がキャリヤ1018の外面に配置され及び接続される。キャリヤ1018は、キャリヤ1018及び歯車1016が回転することを可能にするベアリング1032、1034を介してハウジング(図示せず)に結合される。固定リング1020、1022は、それぞれボールランプ1028、1030を含む。ボールランプ1028、1030は、図7及び図8で例証されたボールランプ630と類似している。歯車1016が動く際に、ボール1024、1026がそれぞれボールランプ1028、1030の中で動き、固定リング1020、1022を互いの方に内向きに強制する。ボール1024、1026が固定ランプ1020、1022を互いの方に内向きに強制する際に、トラクション面1038、1040で固定リング1020、1022と遊星ローラ1004の表面との間に力が生じる。固定リング1020、1022によって生じた力はまた、図10に例証されるように遊星ローラ1004を下向きに強制し、このため、トラクション境界面1036でシャフト1002と遊星ローラ1004との間に力が生じる。結果として、トラクション境界面1036及びトラクション面1038、1040でのより大きいトラクションが達成される。これらの表面にトラクション流体が適用され、これは、トラクション境界面1036、1038、1040で生じた摩擦に起因してトラクション流体が加熱される際に粘着性になり、トラクション境界面での摩擦を増加させる。
図10で例証された高速トラクションドライブ1000は、ギアシステムでは達成することができない100,000rpmを超える高速で回転することができる。例えば、高速トラクションドライブ1000は、300,000rpmを上回る速度で回転できる可能性がある。しかしながら、高速トラクションドライブ1000は、サイズの物理的限界により、およそ10:1の歯車比に制限される。高速トラクションドライブ1000は、シャフト1002の周りに半径方向に配置される遊星ローラ1006のような3つの遊星ローラを使用してもよい。図9で例証されるように、遊星ローラのサイズは、太陽ローラに対して制限される。図9の遊星ローラの直径が増加する場合、遊星ローラは互いに当接するであろう。したがって、図10で例証されるような遊星トラクションドライブでは約10:1だけの歯車比に達することができ、図7〜図9で例証されるような遊星キャリヤに接続される可変径遊星ドライブは、47:1以上もの比を有してもよい。したがって、効率のために300,000rpmで回転しなければならないより小さいエンジンに圧縮機が必要とされる場合、図7〜図9で例証されるような47:1の比のトラクションドライブは、300,000rpmの最高回転速度をおよそ6,400rpmに低減させることができる。次いで、高速トラクションドライブとエンジンの推進トレーンとの間で回転機械エネルギーを伝達するために、標準歯車付き又はトラクション無段変速機を用いることができる。
上で開示されたように、図10で例証された高速トラクションドライブ1000は、10:1程度の比を有してもよい。小型エンジン用のスーパーターボチャージャに関するシャフト1002の回転速度が300,000rpmであると仮定すると、シャフトの300,000rpmの回転速度は、歯車1016において30,000rpmに低減させることができる。標準ギア技術を用いて30,000rpmまで作動する種々のタイプの無段変速機116を用いることができる。図11及び図12で例証されるトラクションドライブ無段変速機のようなトラクションドライブ無段変速機を、図1で例証された無段変速機116として用いることもできる。さらに、図4から図9で例証された可変径トラクションドライブ416で、100:1までの比を達成可能な場合がある。したがって、900,000rpmで作動する圧縮機を要求する場合がある0.5リッターの小型エンジンは、推進トレーンとタービン/圧縮機シャフトとの間で回転機械エネルギーを結合するために種々の無段変速機116が容易に使用できる回転速度である9,000rpmに低減させることができる。
図11及び図12は、図1の無段変速機116として用いることができる連続可変トラクションドライブ・トランスミッションの例を例証する。図11及び図12で例証されるトラクションドライブ無段変速機は、レース表面上で横方向に並進するレース1116、1118によって作動し、レース表面は、ボールベアリングの接触場所を動かす曲率半径を有し、これにより、次にボールが異なるスピン角度で回転してレース1122を異なる速度で駆動する。言い換えれば、レース表面上のベアリングのそれぞれの接触場所は、より詳細に後述するように、レース1116、1118の横方向並進の結果として変化し、接触場所でベアリングが回転する速度が変わる。
図11に示すように、入力シャフト1102が伝達歯車132に結合される(図3A)。例えば、図3Aで例証されたCVT歯車134にスプライン1104が形成されてもよい。したがって、入力シャフト1102のスプライン入力歯車1104を、図3Aで例証されたように高速トラクションドライブ114を通じてスーパーターボチャージャに結合することができる。このように、推進トレーンからの入力トルクは、入力シャフト1102のスプライン入力歯車1104を駆動するのに用いられる。スプライン入力歯車1104上の入力トルクは、入力シャフト1102と入力レース1114を含むその関連構造体との両方に回転方向1112のスピンを付与する。入力レース1116はまた、入力シャフト1102からスプライン1166によって入力レース1116に与えられたトルクに応答して回転軸1106を中心として回転する。固定レース1120が固定レース1120との接触点でのボールベアリングの回転を妨げるので、入力シャフト1102、入力レース1114、及び入力レース1116の回転は、複数のボールベアリング1132に対してスピンを付与する。入力レース1114及び入力レース1116は、それらがスプライン1116を通じて互いに結合されるため、同じ角速度で回転する。入力レース1114及び入力レース1116は、ボールベアリング1132が固定レース1120に接触するので、ボールベアリング1132を実質的に垂直な向きにスピンさせる。固定レース1120に対するボールベアリング1132の接触はまた、ボールベアリング1132をレース1114、1116、1118、1120の周辺部の周りで歳差運動させる。図11で例証された実施形態では、レース1114、1116、1118、1120の表面上で回転する20個もの数のボールベアリング1132が存在する場合がある。入力レース1114及び入力レース1116によって駆動された結果としてのボールベアリング1132の回転が、出力レース1118上へのボールベアリング1132の接線方向の接触をもたらす。出力レース1118上のボールベアリング1132の接触位置に応じて、出力レース1118に対する入力レース1114、1116の回転速度の比を変化させることができる。出力レース1118は出力歯車1122に結合される。出力歯車1122は、出力歯車1124と係合し、これは次に、出力シャフト1126に接続される。
図11で例証されたトラクションドライブ無段変速機1100が入力シャフト1102と出力シャフト1126との間の比をシフトさせる様態は、ボールベアリング1132と接触している4つのレース1114、1116、1118、1120の間の接点の相対位置を変化させることによって達成される。レース1114、1116、1118、1120とボールベアリング1132との接触面が変化する様態は、並進クランプ1152の位置をシフトすることによるものである。並進クランプ1152は、図11で例証されるように電動アクチュエータ1162に応答して水平方向に動かされる。電動アクチュエータ1162は、伸縮シフタ(telescopic shifter)1158と係合し且つ伸縮シフタ1158を回転させるシャフトを有する。伸縮シフタ1158は、内側部分と外側部分に異なるねじ型を有する。異なるねじ型のねじピッチの差異が、伸縮シフタ1158に回転を付与する電動アクチュエータ1162のシャフトの回転に応答して、並進クランプ1152を水平方向に並進させる。ベアリングクランプ1164と接触している並進クランプ1152の横方向並進が、入力レース1116及び出力レース1118の横方向遷移を引き起こす。入力レース1116及び出力レース1118の横方向並進は、図11で例証された実施形態では、およそ1/10インチだけ変化する場合がある。入力レース1116及び出力レース1118の並進は、ボールベアリング1132と出力レース1118との間の接触角度を変化させ、これは固定レース1120と入力レース1114と入力レース1116との間の接触角度の変化により、ボールベアリング1132がレースの中で動く比率、すなわち速度を変化させる。レースの間の角度の変化の組合せは、ボールベアリング1132と出力レース1118との間の接触速度、又は接触点が変化することを可能にし、その結果、入力シャフト1102の0パーセントの回転速度から入力シャフト1102の最大30パーセントの回転速度までの間の速度変化が生じる。出力レース1118の0パーセントの回転速度から入力シャフト1102の30パーセントの回転速度までの速度の変化は、出力シャフト1126で達成することができる広い調節可能な回転速度範囲を提供する。
レース1114、1116、1118、1120の間のボールベアリング1132の適正なクランプを保証するために、ばね1154、1156が提供される。ばね1154は、入力レース1114と固定レース1120との間のクランプ力を生じる。ばね1156は、入力レース1116と出力レース1118との間のクランプ力を生じる。ボールベアリング1132に対するこれらのクランプ力は、並進クランプ1152の並進距離全体にわたって維持される。伸縮シフタ1158は、固定ねじ装置1160上のねじに接続する内面上にねじを有する。固定ねじ装置1160は、ハウジング1172に固定され、伸縮シフタ1158の2つの側部上の異なるねじに起因して並進クランプ1152が水平方向に並進できるように、ハウジング1172に対する固定位置を提供する。
同じく図11で例証されるように、トラクションドライブ無段変速機1100の回転要素のすべてが、同じ方向に、すなわち回転方向1112及び出力歯車1122の出力回転方向1128に回転する。クランプナット1168は、ばね1156を定位置に保持し、ばね1156に予め荷重をかけて、固定レース1120と入力レース1114との間に適正な斜め方向の圧力をもたらす。並進クランプ1152が水平方向に並進されるときに、図11で例証されるように、ボールベアリング1132に接触するレース1114〜1120の角度に基づく入力シャフト1102の僅かな並進が存在する。スプライン入力歯車1104は、ボールベアリング1132がレース1114〜1120に接触する点及びボールベアリング1132に対するレースの特定の接触角度に基づく方向1108、1110の並進運動を可能にする。入力レース1114と固定レース1120との間に適正な量のクランプ力をもたらすばね1154を収容するために、ハウジング1170はハウジング1172にしっかりとボルト締めされる。ボールベアリング1132は、図11で例証されるように、4つのレース1114、1116、1118、1120での回転順行(rotational progression)1131を有する。シャフト1102の回転方向1112は、図11で例証されるように歯車1122を回転方向1128に回転させる。
図12は、トラクションドライブ無段変速機1100の作動を例証するレース1114〜1120及びボール1132の拡大図である。図12に示すように、レース1114は、接触場所1134でボール1132と強制的に接触する。レース1116は、接触場所1136でボール1132と強制的に接触する。レース1118は、接触場所1138でボール1132と強制的に接触する。レース1120は、接触場所1140でボール1132と強制的に接触する。接触場所1134、1136、1138、1140のそれぞれは、ボール1132の表面上の共通の大きい円上に位置する。大きい円は、ボール1132の中心及びシャフト1102の軸線1106を含む平面内に位置する。ボール1132は、ボール1132の中心を通り且つ接触場所1134、1136、1138、1140を含む大きい円を二分するスピン軸1142を中心としてスピンする。ボール1132のスピン軸1142は、垂直軸1144に対し角度1146に傾けられる。傾き角度1146は、トラクションドライブ1100の周囲を取り巻くレースの中に配置されたボールのそれぞれに関して同じである。傾き角度1146は、距離比と周速度比との間の数学的な関係性を確立する。距離比は、スピン軸1142から接触場所1134までの直交方向の距離である第1の距離1148とスピン軸1142から接触場所1136までの対角線方向の距離である第2の距離1150との間の比である。この距離比は、周速度比に等しい。周速度比は、第1の周速度と第2の周速度との間の比であり、第1の周速度は、レース1114におけるボール1132の周速度とレースの中のボール1132及び他のボールの共通の軌道周速度との間の差異であり、一方、第2の周速度は、レース1116上のボール1132の周速度とレースの中に配置されたボール1132並びに他のボールの共通の軌道周速度との間の差異である。レース1114〜1120のそれぞれの曲率半径は、ボール1132の曲率半径よりも大きい。加えて、レース1114〜1120のそれぞれの曲率半径は、一定の曲率半径である必要はないが、変化することができる。さらに、4つのレースのそれぞれの曲率半径は等しい必要はない。
レース1116、1118が横並進方向1108のような横方向に同時に並進するとき、シャフト1102の回転の速度比及び回転方向1112は、歯車1122の回転及び回転方向1128に対して変化する。レース1116、1118の横方向並進方向1108の並進は、第1の距離1148をより大きくし、且つ第2の距離1150をより小さくする。したがって、距離の比並びに周速度比が変化し、この変化がシャフト1102に対する歯車1122の回転速度を変化させる。
上に示したように、無段変速機の出力は、タービン圧縮機シャフトに接続されるトラクションドライブ減速機構と歯車で接触する。上に示したように、使用されてもよい少なくとも2つ又は3つの異なるタイプのトラクションドライブ減速システムが存在する。典型的なタイプは、図6〜図9及び図10で開示される高速減速用の遊星型トラクションドライブである。タービンシャフトと遊星ローラとの間の大きい速度差が望まれる場合、図10の実施形態は、所望の歯車比変化を得るために、ローラを3つではなく2つだけ使用してもよい。
3ローラでは、約10:1の減速の限界が存在し、10:1トランスミッションが必要とされるであろう25,000rpm以下では、高速250,000rpm作動を得るために、むしろ20:1トランスミッションへの必要性が存在する場合がある。したがって、最低最高速度システムに必要な減速を達成するために、図10の3遊星ドライブシステムの代わりに2ローラ遊星トラクションドライブを用いることができる。2つのローラはまた、各ローラがシステムに同じ量の慣性を付加するので、より低い慣性を提供する。最低慣性のためには2つのローラで十分であろう。トラクションローラの幅は、3ローラの実施形態よりも僅かに広い。
シャフトに接触して転がる可変径遊星ローラは、外側ドラム内のローラの幾らかの変形を可能にする弾力性のある材料、例えば、ばね鋼又は別の材料のいずれかで作製される。ばね式(spring loaded)ローラの適用は、シャフト上に必要な圧力を提供することができるが、その理想的な回転中心を見つけ出すシャフトの能力を制約しない。
ターボチャージャが極めて高速で作動するときに、これはシャフトがそれ自身の回転中心を見つけ出す必要があるというバランスの制約を有する。バランスはシャフトの動きによって補償されるであろう。この動きは、ばね式ローラによって補償することができる。ばね式ローラはまた、それらを非常に低い慣性を伴ってシャフトに接触して作動できるようにする鋼の薄い帯でそれらを作製することによって、極めて軽量に作製することができる。帯の厚さは、トラクションに必要な垂直力を提供するのに十分な圧力をトラクション面にかけるのに十分なだけ厚くなければならない。各ローラをシステム内で位置決めし且つ該位置を保つことになるカムフォロアをローラの内部に配置することができる。ローラは、外側ドラムとタービン/圧縮機シャフトとの間の極めて直線的な位置合わせで作動する必要があるが、低慣性への鍵は軽量である。鋼帯がシステムにおいて位置合わせされた状態のままとどまるように鋼帯を定位置に保つために、1つ又は2つのカムフォロアを使用することができる。
リングローラ614は、リングローラが可変径トラクションドライブ416の内外に動力を伝達できるように、外面上で歯車に接続される。リングローラ614は、多くの方法で作製することができる。リングローラ614は、単純に、可変径トラクションドライブ416の内外にトルクを伝達することができる鋼又は他の適切な材料の中実部品とすることができる。リングローラ614は、リングローラ614を軽量にする多くの材料で作製することができるが、リングローラ614は、ローラ面687上のトラクションドライブ面として用いることができる材料からなるものでなければならない。適正なローラ面687は、遊星ローラ664、666、668がトラクションを通じてトルクを伝達することを可能にする。
また、タービン/圧縮機シャフト414は、非常に正確な位置合わせに保たれる必要がある。ハウジング内のタービン/圧縮機シャフト414の位置合わせは、圧縮機のブレードの先端部と圧縮機ハウジングとの間のクリアランスが保たれることを可能にする。より密接したクリアランスは、圧縮機効率を高める。より正確な位置決めは、タービン圧縮機ファン638と圧縮機ハウジング640との間の接触の機会を減らす。最小のクリアランスが存在することを保証するために、ガスを圧縮機ホイールに対して圧縮することから生じるスラスト荷重を制御する方法が必要である。これは、給油式(oil fed)であるスラストベアリング(図示せず)若しくはボールベアリング又はローラベアリング型のベアリングであるスラストベアリングを用いて行うことができる。
典型的に、ターボチャージャでは、ベアリングは、信頼性の目的で、タービンシャフトがその調和した回転において自身で中心をとることを可能にするために内部及び外部の両方にオイルクリアランスを有するスリーブ軸受である。大量生産されるターボチャージャに対するバランス要件は、ダブルクリアランスベアリングを用いることによって低減される。これらのベアリングのタイプは、ターボチャージャのシャフトのより密接したクリアランス及びより正確な位置合わせの要件のために用いられている。ボールベアリングは、圧縮機とタービンとの両方を保持するため及び左右の動きの観点からハウジングへのより良好な位置合わせを維持するために用いられる。これは、1つ又は2つのボールベアリングで達成することができる。油で加圧される外側領域内のベアリングの位置合わせは、ベアリングが浮動することを可能にし且つベアリングが中心を見つけ出すことを可能にする。これは、ハウジングの外縁と、タービンの外縁と、圧縮機の外縁との間のクリアランスに影響を及ぼすが、スラストクリアランスが小さいままであることを可能にする。ターボシャフトベアリングは、ローラの位置合わせを維持するために第3の制約点を提供する。ローラの中央にあるカムフォロアは、ローラを互いから120度に保つことができる。動力が方向を変えるときのバックラッシをなくすために、各ローラに対して2つの小さいカムフォロアを用いることができる。
また、より大きいタービンを用いることができる。タービンホイールは、通常よりも直径を大きく作ることができる。排気の密度が吸気よりも低く、したがって音の速度の方がより高いので、先端部が音速に近づく臨界速度に及ばなくても、タービン外径を圧縮機ホイールよりも一層大きく作ることが可能である。これは、より高い背圧なしに排気がタービン/圧縮機シャフト上でより大きいトルクを生じることを可能にする。より高いトルクを有することは、吸気を圧縮するのに必要とされるよりも多くのエネルギーをタービンに回収させる。これは、回収され且つエンジンに伝達されることが可能であるよりも多くのエネルギーを生産する。圧縮のために必要とされない同じ排気ガスの流れから、より多くのエネルギーがクランクシャフトに伝達されることになり、より低い燃料消費をもたらす。
さらに、タービン効率は、排気ガスがタービンホイールに当たる入射角を制御する案内羽根を用いることによって改善することができる。これは、ピーク効率をより高めるが、該効率が達成される速度範囲を狭くする。狭い速度範囲は、通常のターボチャージャにとっては悪いが、調速機が必要な速度制御を提供できるスーパーターボチャージャにとっては問題ではない。
圧縮機にわたる圧力に比べてより高いタービンにわたる背圧はまた、バランスの悪いスーパーターボチャージャをもたらす可能性がある。通常のターボチャージャでは、この圧力差は、逆に作用する場合もある。より高い背圧は、吸気を圧縮するのに必要とされるよりも多くのエネルギーをタービンに回収させる。これは、回収され且つエンジンに伝達されることが可能であるよりも多くのエネルギーを生産する。ディーゼルエンジン上の高圧EGRループにはより高い背圧が必要とされる。高い背圧は、普通は弁又は絞りを必要とし、そのため高い背圧は、通常のターボチャージャは過回転速度でなければバランスが悪くなるはずはないので、普通はエネルギーを失う。背圧の増加は、シリンダに溜まる排気ガスの量を増加させ、エンジンにデトネーション問題をより起こしやすくするので、ガソリン及び天然ガスエンジンにとっては悪い。
別の実施形態によれば、タービンによって回収されるエネルギーを増加させ、且つエンジンシステムの燃料効率を改善するために、タービン/圧縮機シャフト上に第2のタービンホイールを配置することができる。また、スーパーターボチャージャのブースト圧力ポテンシャルを増加させ且つ段間の中間冷却を可能にするために、同じシャフト上に第2の圧縮機ホイールを配置することができる。これは、所与のブーストのための吸気温度をより低くし、したがってNOxを低下させる。
加えて、高温用途での温度を低下させるために、翼先端部を通じてタービンブレードの冷却を提供することができる。これは、タービンの外縁での中空翼先端部で行うことができる。この特別な先端部設計は、タービン効率を高め、冷却空気がブレードを通過するための経路を提供する。タービン翼の冷却はまた、圧縮機側からハウジングを横切ってタービンホイールの後ろ側に送られる圧縮空気によって提供することができる。加えて、タービンホイール及びブレードを冷却するためにヒートパイプを用いることができる。
加えて、動力経路上でねじり軽減(softening)装置を用いることができる。クランクシャフトのエネルギー又は推進トレーンからの回転機械エネルギーは、該エネルギーの損失なしにエンジン又は推進トレーンからのトルクインパルスがハウジングに入る前に除去されるような方法で撓みシャフト又はインパルス軽減装置(ばね式又は撓み式のいずれか)を通じてもたらすことができる。トランスミッションが高トルクスパイクを伴ってトラクションドライブに当たらないことによって、ピークトルク要件が低減される。システム上の最大トルクによってトラクション要件が制限されるので、これらのトルクスパイクをなくすことによって、トラクションドライブはより信頼性が高くなる。トラクションドライブ上のこれらのトルクスパイクを最小にすることによって、トラクションドライブのサイズ及び接触表面積を最小にすることができる。最小の接触表面積は、システムの効率を最大にし、且つ連続出力を伝達するのに必要とされるトルクを依然として達成することができる。
代替的に、別の実施形態によれば、シャフト、ベルト、又は歯車ドライブの代わりに定容量型油圧ポンプを伴う可変速度トラクションドライブ設計が用いられてもよい。これは、システムをパッケージしやすくし、このことは、複数のターボチャージャを有する非常に大きいエンジンにおいて特に有用である可能性がある。
図13で例証されるさらなる実施形態では、より高い圧力比を得る方法として、及び第2の中間冷却器を用いることによってより低い吸気温度を得る方法として、第2のスーパーターボチャージャが1つのトランスミッションをランオフ(run off)する。これは2つのスーパーターボチャージャの間の固定速度比で可能である。第1のスーパーターボチャージャ1302は、空気取入導管1308を有し、圧縮空気導管1310からエンジンに供給される空気を圧縮する。排気導管1314は、第1のスーパーターボチャージャ1302のタービンを回すためにエンジンから排気ガスを受け取る。排気ガスは、排気出口導管1312を出る。第1のスーパーターボチャージャ1302は、第2のスーパーターボチャージャ1304に伝達歯車1306で結合される。
図14Aは、低圧スーパーターボチャージャ1402及び高圧スーパーターボチャージャ1404のような2つのスーパーターボチャージャの使用の実行の別の実施形態を例証する。標準スーパーターボチャージャは、排気弁が最初に開くときにシリンダから生じる高圧パルスを回収するのに良い仕事をしない。このインパルス圧力回収を改善するために、図14Aで例証されるように、高圧排気弁ポート1406、1408は、4バルブエンジンの低圧排気弁ポート1410、1412から分離される。高圧排気ポート1406、1408は、高圧排気マニホルド1430を介して高圧タービン1434に向けられ、一方、低圧排気ポートは、低圧排気マニホルド1428を介して低圧タービン1420に向けられる。高圧排気ポート1406、1408上の弁が最初に開かれ、高圧タービン1434に通じるように、高圧排気ポート1406、1408における弁の弁タイミングを変化させることによって、パルスエネルギーがより良好に回収される。高圧排気ポート1406、1408上の弁が素早く閉じられ、次いで、排気行程の持続時間にわたって低圧排気ポート1410、1412上の弁が開かれる。低圧排気ポート1410、1412上の弁は低圧タービン1420に通じる。このプロセスは、シリンダに排気するためにピストンによって必要とされる仕事を減らす。このプロセスは、アイドルの燃料効率を改善し、又は少なくともアイドルにおける寄生損失をなくす。高圧タービン1434の出口はまた、低圧タービン1420に接続される。より低圧のタービンの前に触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタ(図示せず)も配置することができる。
同じく図14Aで例証されるように、高圧排気マニホルド1430にEGR導管1438が接続される。EGR導管1438は、高圧排気マニホルド1430からの排気の一部が冷却器1440及びEGR弁1442を介して吸込みマニホルド1444に流し戻されることを可能にする。EGR導管1438を通して流される高圧排気マニホルド1430からの排気は、排気ガスの再循環の目的で吸込みマニホルド1444に流される。排気ガス再循環器導管1438を通して流れる排気ガスは、特に冷却器1440の中で冷却された後で、燃焼チャンバの中での燃焼温度を下げるのを助ける。排気ガスは水分及び他の液体を含有し、これは、燃焼チャンバの温度を下げて、これによりエンジンからのNOxエミッションを減らすのを助ける。再循環される排気ガスの量は、EGR弁1442によって制御される。EGR弁1442は、絞り弁などの使用を通じて固定することができ、又はエンジンの監視されるNOxエミッションに応じて変化させることができる。
同じく図14Aに示されるように、高圧空気が、高圧圧縮機1432から高圧圧縮機マニホルド1446を通して吸込みマニホルド1444に流し込まれる。したがって、吸込みマニホルド1444は、高圧圧縮機1432の出力によって決定される所定の高圧レベルに維持される。再循環されるガスがEGR導管1438を通して流れるようにするために、高圧マニホルド1430における圧力は、高圧圧縮機1432の出力圧力によって決定される場合の吸込みマニホルド1444における圧力よりも高くなければならない。そのことについて、ピストンに依然として残圧が存在して、排気ガスを高圧排気マニホルド1430からEGR導管1438を通して駆動するのに十分なだけ高い圧力が高圧排気マニホルド1430の中にもたらされるときに、高圧排気ポート1406、1408の弁が、ピストンの下り行程の間に十分に早く開かれる。以下で開示されるように、高圧排気ポート1406、1408の弁は、ピストンを下向きに駆動するプロセスにおいて少量のエネルギー損失が存在する点で開く。高圧弁の開放点は、下死点の前であるが、ロッドが実質的に90°をなす点であるクランクシャフト上のピストンの最大トルク点を越えている。この点は、およそ100°で生じる。トルクの量はロッドの角度のコサインに比例し、このため、より下方のピストンは、高圧弁が開くときに、ピストンを駆動する際に失われるエネルギーがより少ない。しかしながら、シリンダチャンバに残る多大な量の残圧が存在し、これは下死点に達する前に高圧弁によってシリンダチャンバから抜くことができ、EGR導管1438の中の排気ガスを高圧タービン1434の中に駆動するのに用いることができる。高圧排気ポート1406、1408の高圧弁を用いてシリンダを予め排気することによって、低圧排気ポート1410、1412が開く前にシリンダの中の大量の残圧が抜かれる。開かれるときに、低圧排気ポート1410、1412は、シリンダからほとんどの圧力を抜くことができる。このように、シリンダの中の残圧は、NOxエミッションを減らし且つ高圧タービン1434を駆動するためにEGR導管1438を通して排気ガスを流すのに用いられ、これはエンジンに付加的な動力及び効率を付加する。
同じく図14Aに示されるように、低圧排気マニホルドからの排気ガスは、低圧スーパーターボチャージャ1402の低圧タービン1420を駆動するのに用いられる。高圧タービン1434によって放出された排気ガスは、低圧排気ポート1410、1412からの低圧排気ガスと組み合わされて低圧タービン1420を駆動する。低圧タービン1420からの排気ガスは、排気出口1436によって排気される。低圧タービン1420は、低圧圧縮機1418に結合され、これは吸気1422を所定の量だけ圧縮する。導管1424は、低圧圧縮機1418からの圧縮空気を高圧圧縮機1432の入力に流し、高圧圧縮機1432は1424の中の加圧空気をさらに圧縮してより高圧の圧縮空気をもたらすように機能し、これは高圧圧縮機マニホルド1446によって吸込マニホルド1444に流される。
図14Bは、図14Aで例証された実施形態の変形を例証する。図14Bで例証されるように、高圧排気ポート1406、1408は、高圧タービン1434に結合される高圧排気マニホルドに組み合わされる。言い換えれば、高圧排気マニホルド1430からの高圧排気のすべてが高圧タービン1434に適用されて高圧タービン1434を駆動し、これが次に、高圧圧縮機1432を駆動する。高圧圧縮機1432は、吸気1422を圧縮する低圧スーパーターボチャージャ1402の低圧圧縮機1418から導管1424の中に圧縮空気を受け入れる。高圧圧縮機1432の出力は、高圧圧縮機マニホルド1446を介して入力マニホルド1444に送られる。低圧圧縮機1418は低圧タービン1420によって駆動され、低圧タービン1420は、低圧排気ポート1410、1412によって放出される低圧排気マニホルド1428の中の低圧排気ガスによって駆動される。低圧タービン1420からの排気ガスは、排気出口1436を通して排気される。高圧タービン1434を駆動する高圧排気マニホルド1430からの高圧ガスは、排気ガス再循環(EGR)導管1426に結合され、吸込みマニホルド1444に戻るように伝達される。高圧タービン1434を駆動する高圧排気マニホルド1430からの高圧ガスは、圧力が実質的に低減されず、EGR導管1426から吸込みマニホルド1444に排気ガスを入れるのに十分なだけ高い圧力を有する。図14Bは、高圧排気マニホルド1430からの本質的にすべての排気ガスが吸込みマニホルド1444に再循環されるため、NOxガスの最大の減少を提供する。
同じく図14Bで例証されるように、高圧排気マニホルド1430からの高圧排気ガスをEGR導管1426にバイパスするのにウェイストゲート1448が使用されてもよい。高圧排気ガスは、時には、熱すぎる場合があり、及び/又は高圧タービン1434を過度に駆動することになる圧力で排気ガスを提供する場合がある。この場合、高圧排気マニホルド1430からの高圧排気ガスの一部をEGR導管1426に直接送るために、ウェイストゲート1448を開くことができる。加えて、EGR導管1426を低圧排気マニホルド1428に接続するEGR弁1450が付加されてもよい。EGR導管1426を通して十分な量の排気ガスが送られている場合、これらのガスの一部は、EGR導管1426からEGR弁1450を介して低圧排気マニホルド1428に向けられてもよい。EGR導管1426からの過剰なガスは、次いで、吸込みマニホルドの圧力1444を高めることによってエンジンに付加的な動力を与えるために低圧タービン1420を回すのに用いることができる。EGR弁1450の使用は、再循環されるガスを回収してエンジンに付加的な動力を与え且つエンジンの作動効率を高めることができる付加的な方法を提供する。
図14Cは、図14A及び図14Bの実施形態への別の修正を例証する。図14Cに示すように、吸気1422は、低圧圧縮機1418によって圧縮される。低圧圧縮機1418からの圧縮空気は、導管1424によって吸込みマニホルド1444に送られる。同じく図14Cで例証されるように、第2の高圧タービンは使用されず、すべての再循環ガスが高圧排気ポート1406、1408からEGR導管1426を介して吸込みマニホルド1444に再循環される。低圧排気ポート1410、1412からの排気ガスは、導管1428の中で組み合わされて低圧タービン1420を作動させる。排気ガスは、次いで、排気出口1436で排気される。したがって、高圧排気ポート1406、1408からのすべてのブローダウンガスが、吸込みマニホルド1444の中に戻るように送られて、NOxガスの大きな減少をもたらす。代替的に、EGR弁1450は、EGR導管1426の中の排気ガスの一部を低圧排気マニホルド1428に流すのに用いることができ、これは低圧タービン1420にさらなる動力を与え、EGR導管1426の中の再循環ガスの量を減らす。EGR弁1450は、EGR導管1426から低圧排気マニホルド1428に送られる排気ガスの量を調整するために調整することができる。このプロセスは、エンジンのNOx出力を減らすためにEGR導管1426の中で十分な量の排気ガスが再循環される場合に有益である可能性がある。
図14Dは、上死点後のピストン位置に対するバルブリフト、シリンダ圧、及び流量のグラフである。図14Dに示すように、シリンダ圧1450は、上死点後に、ピストンの行程を通して絶えず減少する。高圧弁1456のリフトは、高圧の流れ1452をもたらす。高圧弁1456のリフトは、100°回転のあたりで起こり、高圧排気ポート1406、1408(図14A、図14B、及び図14C)を通して排気される高圧の流れ1452の大きいブローダウンサージをもたらす。低圧弁のリフトは曲線1454で例証される。低圧バルブリフトは、低圧排気ポート1410、1412の中の低圧の流れ1458をもたらす。結果として、シリンダの中のシリンダ圧1450がさらに低下する。
図14Eは、ピストンがシリンダの中で下向きに動き、次いで上向きに動く際の、シリンダ圧対シリンダ内の体積のPVグラフである。ゼロ付近が上死点を表し、一方、1がシリンダの回転の下死点を表す。2つの曲線が図14Eに示される。曲線1464は、Rileyサイクルを採用しないエンジンに関するシリンダ圧対体積の曲線を表す。曲線1462は、図14A〜図14Cで例証されるようにRileyサイクル装置に関するシリンダ圧対シリンダ内の体積を例証する曲線である。点1466で、図14A〜図14Cで例証されるようにRileyサイクル装置上で高圧弁が開かれ、圧力が低減される。点1466、1470の間の領域1468は、高圧弁の開放によって失われたエネルギーを表している。しかしながら、図14Eに示すように、点1472で、Rileyサイクル装置における圧力は、非Rileyサイクル装置における圧力よりも低下し、点1474までの間ずっと非Rileyサイクル装置の圧力より低いままである。点1472と点1474との間で、シリンダの中により低い圧力が存在し、その結果、シリンダが点1472から点1474に動く際にシリンダ上により低い背圧が生じる。Rileyサイクル曲線1462と標準(normal)曲線1464との間、1478によって示されるような点1472と点1476との間の多大な面積は、より低圧でのシリンダの中のピストンの移動によって節約されたエネルギーを示す。
代替的な実施形態では、スーパーターボチャージャは、処理後のための並びにエンジンのための空気ポンプとして用いられてもよく、バーナのためだけの別個のポンプの必要性をなくす。
別の実施形態では、過回転速度を防ぎ、圧縮機をサージ条件外に保ち、タービン及び圧縮機の最大効率を制御するために、調速機(図示せず)が提供される。タービン効率のピークと圧縮機効率のピークは同じ速度でのピークとなる可能性があるので、スーパーターボチャージャは、普通のターボチャージャとは違った独特のものとなる可能性がある。所与のブースト要件のためのこのピーク効率速度の制御は、モデル化し及び電子調速機にプログラムすることができる。アクチュエータは、調速を提供することができるが、アクチュエータは電動トランスミッションには必要とされない。
別の実施形態では、スーパーターボチャージャのための注油システムは、ハウジング内部を真空引きし、したがって高速コンポーネントの空力損失を減らす。
別の代替的な実施形態では、デュアルクラッチ・スーパーターボチャージャは、自動的にシフトされるマニュアルトランスミッションを含む。このタイプのトランスミッションは、両端にクラッチを有するので非常にスムーズにシフトする。図3Cは、トランスミッションは多くの異なるタイプのトランスミッションとすることができることを例証する。
別の実施形態では、トランスミッションとターボシャフトからの減速との両方のためにトラクションドライブが用いられる。ボールベアリングと共に、トラクション流体は潤滑剤と同様に作用する。過給中に、システムは、負荷の受け入れ(load acceptance)を改善し、煤エミッションを減らし、ローエンドトルクにおける30%までの増加とピーク出力における10%までの増加を提供する。ターボ・コンパウンディング中に、システムは、10%までの改善された燃費を提供し、背圧を制御する。エンジンのダウンサイジングのために、システムは、エンジンが30〜50%小さくなり、より低いエンジン重量及び17%以上の改善された車両燃費を有することを可能にする、30%多いローエンドトルクを提供する。図15は、天然ガスエンジンに関するシミュレートされたBSFC改善を例証する。
また、排気ガスをエンジンの熱よりも高い温度に加熱するために、触媒、DPF、又はさらにバーナ+DPFをスーパーターボチャージャのタービンの前に配置することができる。より高い温度は、空気をより一層膨張させて、タービンを横切る流量をより高くする。この追加熱のおよそ22%は、スーパーターボチャージャにわたる機械的仕事に変わることができ、80%のタービン効率であるとみなされる。普通は、タービンに送られる排気の体積が大きくなると、タービン応答が遅くなり、一層大きいターボラグが生じることになるが、スーパーターボチャージャは、この問題を、圧力応答を駆動するトラクションドライブ114及び無段変速機116で克服する。触媒コンバータを用いる類似技術は、Van Dyne他により2009年7月24日に出願された「Improving Fuel Efficiency for a Piston Engine Using a Super−Turbocharger」と題する国際特許出願第PCT/US2009/051742号で開示され、これは、それが開示し及び教示するすべてに関して参照により本明細書に具体的に組み込まれる。
図16は、高効率のスーパーターボチャージャ付きエンジンシステム1600の一実施形態の例証からの簡易単線図である。以下の説明から当業者には明らかとなるように、こうしたスーパーターボチャージャ付きエンジンシステム1600は、乗用車及び商用車に用いられるディーゼルエンジン並びに幾つかの火花点火式ガソリンエンジンでの特定の適用可能性が見出され、したがって、本明細書で説明される説明に役立つ例は、本発明の理解を助けるためにこうした環境を使用する。しかしながら、システム1600の実施形態は、例えば、陸上発電エンジン、及び他の陸上エンジンのような他の作動環境への適用可能性を有し、こうした例は、例証するものとして受け取られるべきであって、限定するものとして受け取られるべきではないことを認識されたい。
図16に示すように、スーパーターボチャージャ1604は、タービン1606、圧縮機1608、並びに、エンジン1602のクランクシャフト又は推進トレーン1612の他の部分に結合されるトランスミッション1610を含む。すべての実施形態に要求されるわけではないが、図16で例証される実施形態はまた、圧縮機108からエンジン1602に供給される空気密度を増加させて、エンジン1602から入手可能な動力をさらに増加させるために、中間冷却器1614を含む。
スーパーターボチャージャは、ターボチャージャの特定の利点を有する。ターボチャージャは、エンジンの排気によって駆動されるタービンを使用する。このタービンは、エンジンのシリンダの中に送られる吸気を圧縮する圧縮機に結合される。ターボチャージャの中のタービンは、エンジンからの排気によって駆動される。したがって、エンジンは、タービンの回転数を上げて、十分なブーストを発生させるためにタービンに機械的に結合される圧縮機に動力を与えるのに十分なだけ高温の排気が存在するまで、最初に加速されたときにブーストのラグを経験する。ラグを最小にするために、より小さい及び/又はより軽いターボチャージャが典型的に使用される。軽量ターボチャージャのより低い慣性は、それらが非常に速く回転数を上げることを可能にし、これにより性能のラグを最小にする。
残念なことに、こうしたより小さい及び/又はより軽量のターボチャージャは、かなりの排気の流れ及び温度が生じるときに高速エンジン作動中に過回転速度となる場合がある。こうした過回転速度の発生を防ぐために、典型的なターボチャージャは、タービンの上流の排気管に設置されるウェイストゲートバルブを含む。ウェイストゲートバルブは、圧縮機の出力圧力が所定の限界を超えるときに排気ガスの一部をタービンの周りに分流させる圧力操作弁である。この限界は、ターボチャージャがまもなく過回転速度となることを示す圧力に設定される。残念なことに、これは、結果として、エンジンの排気ガスから入手可能なエネルギーの一部を無駄にすることになる。
従来のターボチャージャがハイエンド動力のためにローエンド性能を犠牲にすることを受けて、スーパーターボチャージャとして知られている装置が開発された。1つのこうしたスーパーターボチャージャは、2009年2月17日に発行された「Super−Turbocharger」と題する米国特許第7,490,594で説明され、これは、それが開示し及び教示するすべてに関して参照により本明細書に具体的に組み込まれる。
上で参照した出願で説明されるように、スーパーターボチャージャでは、タービンを駆動するのに十分に加熱されたエンジン排気ガスが利用可能ではないときに、低速エンジン作動中にエンジンに結合されるトランスミッションを介してエンジンクランクシャフトによって圧縮機が駆動される。エンジンによって圧縮機に供給される機械エネルギーは、従来のターボチャージャによって悩まされるターボラグ問題を低減させ、より大きい又はより効率的なタービン及び圧縮機が用いられることを可能にする。
図16で例証されたスーパーターボチャージャ1604は、ローエンドでの従来のターボチャージャのターボラグ問題に悩まされることなく、及びハイエンドでタービン1606に供給されるエンジン排気ガスの熱から入手可能なエネルギーを無駄にすることなく、圧縮機1608からエンジン1602に圧縮空気を供給するために作動する。これらの利点は、エンジン1602の種々の作動モード中に、丁寧に(respectfully)、エンジンクランクシャフト1612から動力を抽出して圧縮機1608を駆動させる及びエンジンクランクシャフト1612に動力を供給してタービン1606に負荷をかけることができる、スーパーターボチャージャ・トランスミッション1610を含めることによって提供される。
始動中に、従来のターボチャージャが、タービンを駆動するのにエンジン排気熱からの十分な動力が不足することに起因するラグに悩まされるときに、圧縮機1608を駆動してエンジン1602に十分なブーストを提供するために、スーパーターボチャージャ1604は、過給アクションを提供し、これによりクランクシャフト1612からスーパーターボチャージャ・トランスミッション1610を介して動力が引き出される。エンジンが、タービン1606を駆動するのに十分な、エンジン排気ガスの熱から入手可能な速度及び動力量に至るのに伴って、トランスミッション1610によってクランクシャフト1612から引き出される動力量が減少する。その後、タービン1606は、エンジン1602によって用いられる吸気を圧縮するために圧縮機1608に動力を供給し続ける。
エンジン速度が増加するのに伴って、エンジン排気ガス熱から入手可能な動力量は、タービン1606が従来のターボチャージャにおける速度を上回ることになる点まで増加する。しかしながら、スーパーターボチャージャ1604では、エンジン1602に理想的なブーストを供給するために圧縮機1608を適正な速度に維持しながら、エンジン排気ガス熱によってタービン1606に提供される過剰エネルギーがトランスミッション1610を通してエンジンのクランクシャフト1612に流される。エンジン1602の排気ガス熱から入手可能な出力動力がより高ければ、圧縮機1608から入手可能な最適なブーストを維持しながら、タービン1606によって発生し及びトランスミッション1610を通してクランクシャフト1612に流される動力がより多くなる。このトランスミッション1610によるタービン1606の負荷付与(loading)は、タービン1606の過回転速度を防ぎ、且つエンジン排気ガスから抽出される動力の効率を最大にする。したがって、従来のウェイストゲートは必要とされない。
従来のスーパーターボチャージャ付き用途においてタービン1606を駆動するのに利用可能な動力の量は、エンジン排気から入手可能な動力の量に厳密に制限されるが、タービンブレードに供給される熱エネルギー及び質量流量を十分に使用することができる及び/又は増加させることができる場合には、タービン1606はかなり多くの動力を発生させることができる。しかしながら、タービン1606は、或る温度を超えて損傷なしに作動することはできず、質量流量は、エンジン1602を出ていく排気ガスに慣例的に制限される。
これを受けて、システム1600の実施形態は、触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタ1616をタービン1606の上流におくことによって過渡的高温からタービン1606を保護する。一実施形態では、触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタは、タービンから上流の、排気マニホルドの近くにおかれ、これは、エンジンの持続的な高速又は高負荷作動中に発熱反応を可能にし、結果として排気ガス温度を高める。触媒担持デジタルパティキュレートフィルタを用いて、煤、炭化水素(hyrocarbons)、及び触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタ1616上で燃やされる一酸化炭素からエネルギーを回収して、触媒担持デジタルパティキュレートフィルタ1616から下流に位置するスーパーターボチャージャに動力を与えることができる。エネルギーの回収は、100%に近い煤収集率をもつ非常に制約された流通(flow−through)能力を有する従来のディーゼルパティキュレートフィルタ又は流通触媒担持デジタルパティキュレートフィルタのいずれかを用いることから達成することができる。流通触媒担持デジタルパティキュレートフィルタは、煤の約半分だけを収集し、他の半分は通過させる、ディーゼルパティキュレートフィルタである。エミッションを適度に低い温度で燃焼させるために、両方のタイプのデジタルパティキュレートフィルタが触媒担持される。デジタルパティキュレートフィルタの触媒担持は、煤、炭化水素、及び一酸化炭素が低温で燃焼することを保証する白金コーティングをパティキュレートフィルタ要素に提供することによって達成される。加えて、スーパーターボチャージャから上流でディーゼルパティキュレートフィルタ及びデジタルパティキュレートフィルタの煤を焼き払うためのバーナを用いることが可能である。ガソリンエンジンは、典型的に、ディーゼルパティキュレートフィルタを必要とするのに十分な煤を有さない。しかしながら、幾つかのガソリン直接噴射式エンジンは、パティキュレートフィルタの使用が有益な場合がある及び本明細書で開示された様態で触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタの使用が行われる場合があるほど十分な煤及び他の微粒子をもたらす。
排気ガスをタービンに到達する前に冷却するために、圧縮機によって発生した圧縮空気の一部が、制御弁1618を介してタービンから上流の排気の中に直接送られ、触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタ1616を出るエンジン排気ガスに加えられる。より低温の吸気が膨張し、排気ガスを冷却し、及び排気ガスの流れに付加的な質量を加え、これは以下でより詳細に説明されるようにタービン1606に付加的な動力を加える。タービン1606への混合流れの温度を最適な温度に維持するために高温排気ガスにより低温の空気が提供されるので、タービンブレードに送達されるエネルギー及び質量流量もまた増加する。これは、エンジンクランクシャフトを駆動するためにタービンによって供給される動力をかなり増加させる。
触媒担持ディーゼルパティキュレート(particular)フィルタ1616内の化学量論的反応を妨害しないようにするために、圧縮機フィードバック空気が触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタ1616の下流に加えられる。こうした実施形態では、エンジン排気ガスは、触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタ1616を通過し、排気ガスの温度が発熱反応によって増加する。次いで、タービンに供給される全質量流量が増加するように圧縮されたフィードバック空気が加えられ、膨張する。本発明の実施形態は、より低温の圧縮されたフィードバック空気とエンジン排気ガスとの組合せがタービンブレードの作動に最適な温度でタービンに送達されることを保証するために、排気を冷却し且つタービンを駆動するために供給される圧縮されたフィードバック空気の量を制御する。
図16で例証された触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタ1616がエンジン1602からの排気ガスよりも大きいサーマルマスを有するので、触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタ1616は、最初にサーマルダンパとして作動し、これは高温サーマルスパイクがタービン1606に到達するのを防ぐ。しかしながら、触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタ1616における反応は本質的に発熱性なので、触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタ1616を出る排気ガスの温度は、触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタ1616に入る排気ガスの温度よりも高い。タービンに入る排気ガスの温度がタービン1606の最大作動温度よりも低いままである限り、問題はない。
しかしながら、エンジン1602の持続的な高速及び高負荷作動中に、触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタ1616から転換された排気ガスの出口温度が、タービン1606の最大作動温度を超えることがある。前述のように、触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタ1616を出る排気ガスの温度は、圧縮機1608からの圧縮空気の一部をフィードバック弁1618を介して供給し、触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタ1616を出る排気ガスと混合することによって低下する。大いに改善された燃費は、従来のシステムでなされるようにこうした条件の間に燃料を冷却液として用いないことによって達成される。加えて、圧縮機1608がエンジン1602に最適なブーストを及びフィードバック弁1618を介してタービン1606に圧縮されたフィードバック空気を提供するのに十分な量の圧縮空気を供給することを可能にするために、トランスミッションの作動が制御される。タービンを通る圧縮空気の増加した質量流量に起因してタービン1606によって発生する過剰な動力がトランスミッション1610を介してクランクシャフト1612に流され、燃料効率がさらにもっと高まる。
圧縮機1608からの圧縮空気の出力温度は、典型的には約200℃から300℃までの間である。従来のタービンは、およそ950℃でガスから動力を抽出するために最適に作動することができるが、これ以上高い温度では歪み又は故障の可能性がある。タービンブレードの材料限界により、およそ950℃で最適な動力が達成される。材料が排気ガス温度を約950℃に制限するので、温度限界、例えば950℃でタービンを横切る質量流量を増加させるためにより多くの空気を供給することは、タービンの性能を高める。
200℃〜300℃での圧縮されたフィードバック空気のこうした流れは、触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタ1616を出ていく排気ガスの温度を低下させるのに役立つが、タービン1606の熱的限度内で温度及び質量流量が最大になるときにタービン1606から最大動力を供給できることが認識される。したがって、一実施形態では、フィードバック空気の量は、タービンに送達される動力量を最大にする又は大いに増加させるために、排気ガスとフィードバック空気の組合せがタービンの最大作動温度に又はその付近に維持されるように制御される。エンジン1602に最適なブーストを供給し且つフィードバック弁1618を介して圧縮機フィードバック空気を供給するために、圧縮機1608によってこの過剰な動力のすべては普通は必要とされないので、過剰な動力をトランスミッション1610によってエンジン1602のクランクシャフト1612に伝達し、これによりエンジン1602の全体的効率又は動力を増加させてもよい。
上述のように、一実施形態では、フィードバック弁1618を介する圧縮機フィードバック空気の接続は、エンジン1602とタービン1606との間の熱バッファとして触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタ1616を採用する。したがって、圧縮機からの空気の供給は、触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタ1616内の化学量論的反応を乱さないように触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタ1616の下流に提供される。すなわち、触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタ1616を使用する実施形態では、触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタ1616の上流に圧縮機フィードバック空気を供給することは、結果として触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタ1616に過剰な酸素を供給することになり、これにより、触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタ1616が適正作動に必要な化学量論的反応を起こすのを防ぐ。
タービンブレード上の圧縮機フィードバック空気と排気ガスとの混合ガスの温度が最大になる(タービン自体の材料限界内)ときにタービン1606によって最適な発電効率が達成されるので、フィードバック弁1618によって許される圧縮機フィードバック空気の量は、温度をこうした最適化された温度よりも著しく低下させないように制限される。触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタ1616が発熱反応を介してより多くの熱エネルギーを生じ、触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタ1616から転換された排気ガスの温度がタービン1606の最高作動温度よりも上の温度に高まるので、より多くの圧縮機フィードバック空気がフィードバック弁1618を介して供給される場合があり、これはタービン1606に供給される質量流量及びエネルギーを増加させる。触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタ1616によって発生する熱エネルギーの量が減少するので、空気を必要以上に供給するのを避けるためにフィードバック弁1618によって供給される圧縮機フィードバック空気の量もまた減少させることができ、この結果、最適な作動条件での混合ガスの温度の維持がもたらされる。
別の実施形態では、システムは、圧縮機のサージを避けるために、より低温の圧縮機空気をタービンの前方の排気の中に低速高負荷の作動条件でフィードバックするためにフィードバック弁1618を使用する。圧縮機のサージは、圧縮機圧力が高くなるが、低rpmでのエンジン回転の結果としてエンジンに入るのを許される質量流量は低く、多くの吸気の流れを必要としないときに起こる。圧縮機ブレードを横切る低い空気流に起因する圧縮機のサージ(又は空力的失速)が圧縮機の効率を非常に迅速に落とすことになる。普通のターボチャージャの場合には、十分なサージがタービンがスピンするのを止めることがある。スーパーターボチャージャの場合には、圧縮機をサージに追い込むために、エンジンクランクシャフトからの動力を用いることが可能である。フィードバック弁1618の開放は、圧縮空気の一部をエンジンの周りにフィードバックすることを可能にする。このフィードバック流れは、圧縮機をサージ外にもっていき、より高いブースト圧力がエンジン1602に到達することを可能にし、これにより、エンジン1602が低いエンジン速度で通常可能となるよりも多くの動力を発生することを可能にする。圧縮空気をタービンの前方の排気の中に噴射することは、すべての流れがタービンに到達し、これが高いブースト圧力レベルに過給するのにエンジンから必要とされる動力を最小にするように、圧縮機を通る全質量流量を保つ。
別の実施形態では、リッチエンジンコールドスタート中の作動のために付加的なコールドスタート制御弁1620が含まれてもよい。こうしたエンジンコールドスタート中に、エンジン1602からの排気ガスは、典型的に過剰な未燃燃料を含む。このリッチ混合気は化学量論的ではないので、触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタ1616は、排気ガス中の未燃炭化水素(UHC)を十分に減らすことができない。こうした時間の間、圧縮機フィードバック空気を触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタ1616の入力に提供して、リッチ混合気を化学量論的レベルに下げるのに必要な追加の酸素を供給するために、コールドスタート制御弁1620が開かれてもよい。これは、触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタ1616がより早く着火し、且つコールドスタートイベント中のエミッションをより効率よく減らすことを可能にする。エンジンがアイドリングしている場合、普通のターボチャージャは、フィードバック空気を供給することができるブースト圧力を有さないであろう。しかしながら、トランスミッション1610のトランスミッション比は、空気が弁1620を通して流れるのに必要とされる圧力を発生させるのに十分な速度を圧縮機に与えるように調整することができる。その点において、アイドリング中に、特にコールドスタート中にエンジンドライブシャフト1612から圧縮機1608に十分な回転速度を提供して、コールドスタート弁1620を通して流れる空気を十分に圧縮し、触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタ1616を十分な量の酸素と共に点火することができるようにトランスミッション1610の比を調整するために、制御信号1624を用いることができる。
付加的な酸素のための要件は、コールドスタートイベントにおいて典型的に制限され、しばしば30〜40秒間にわたる。多くの車両は、現在、こうした空気ポンプが作動に要する限られた時間量に比べて多大な費用及び重量でコールドスタートイベント中にこの酸素を供給するために、別個の空気ポンプを含む。別個の空気ポンプを簡単なコールドスタート制御弁1620に置き換えることによって、多大な費用、重量、及び複雑さの節減が実現される。スーパーターボチャージャ1604はトランスミッション1610を介して圧縮機1608の速度を制御できるので、コールドスタート制御弁1620は、簡単なオン/オフ弁を備えてもよい。次いで、制御信号1624の動作の下でトランスミッション1610を介して圧縮機1608の速度を制御することによって、コールドスタートイベント中に供給される空気の量を制御することができる。
コールドスタート制御弁1620はまた、燃料効率に対して負の影響を及ぼすにもかかわらずエンジン内で及び/又は触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタ1616に対して燃料が冷却液として用いられる場合に、極めて高温の作動期間中に用いられてもよい。このような状況では、コールドスタート制御弁1620は、触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタ1616が排気中の未燃炭化水素エミッションを適正に減らすことを可能にするためにリッチ排気を化学量論的レベルに引き下げるのに必要な追加の酸素を供給できるであろう。これは、従来のシステムを上回る環境への多大な利点を提供する。
コールドスタート制御弁1620がオン/オフ弁である実施形態では、システムは、排気が化学量論的レベルに下がるように供給される圧縮空気の量を変化させるために、コールドスタート制御弁1620を変調することができる。これと同じ機能を達成するために他のタイプの可変流量制御弁が用いられてもよい。
図16はまた、コントローラ1640を開示する。コントローラ1640は、フィードバック弁1618及びコールドスタート弁1620の作動を制御する。コントローラ1640は、フィードバック弁1618を通して流れる空気の量を異なる条件に対して最適化するために作動する。フィードバック弁1618を通して流れる空気の量は、前述のように特定の所望の条件を得るのに必要な最小量の空気の流れである。コントローラ1640がフィードバック弁1618を作動させる2つの特定の条件、すなわち、1)所与のブースト要件に関する圧縮機のサージ限界が、ほぼエンジンの低rpm、高負荷でのものである、及び2)タービン1606に入る混合ガスの温度が、ほぼ高rpm、高負荷条件でのものである、という条件が存在する。
図16に示すように、コントローラ1640は、触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタ1616によって生じた高温排気ガスと混合される圧縮機1608から供給される冷却空気の混合ガスの温度を検出する温度センサ1638から混合ガス温度信号1630を受け取る。加えて、コントローラ1640は、圧縮機1608から供給される圧縮空気の導管の中に配置される圧力センサ1636によって生成される圧縮空気吸気圧信号1632を検出する。さらに、エンジン1602又はスロットルから供給されるエンジン速度信号1626及びエンジン負荷信号1628がコントローラ1640に送られる。
高速、高負荷条件でタービン1606に供給される混合ガスの温度の制御に関して、コントローラ1640は、混合ガスの温度を、タービン1606の機構を損傷するほど高くはない、タービン1606の作動を最大にする温度に制限する。一実施形態では、およそ925℃の温度が、混合ガスがタービン1606を作動させるのに最適な温度である。タービン1606に送られる混合ガスの温度が900℃を超え始めると、圧縮機1608からの圧縮空気が触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタ1616からの高温排気ガスをタービン1606の中に通過する前に冷却できるようにするために、フィードバック弁1618が開かれる。コントローラ1640は、上限950℃及び下限900℃でおよそ925℃の温度を対象とするように設計することができる。950℃の限界は、従来の材料を用いるタービン1606への損傷が起こる可能性がある限界である。もちろん、コントローラは、タービン1606に用いられる特定のタイプのコンポーネント及び材料に応じて他の温度に向けて設計することができる。これらの制御された結果をもたらすために、コントローラ1640において従来の比例積分微分(proportional integral derivative)(PID)制御論理デバイスを用いることができる。
タービン1606に入る混合ガスの温度を制御する利点は、混合ガスのタービン入口温度を制限するための排気中の燃料の使用が廃止されることである。触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタ1616からの高温排気ガスを冷却するためにより低温の圧縮空気の流れを用いることは、大きい質量を有する大量の空気が混合ガスの所望のより低い温度を達成することを必要とする。圧縮機1608からのより低温の圧縮空気は、特に排気ガスに挿入される液体燃料と比べたときに良好な冷却液ではないので、触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタ1616からの高温排気ガスを冷却するのに必要とされる空気の量は多い。触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタ1616の出力からの高温排気ガスは、圧縮機1608からのより低温の圧縮ガスを膨張させて混合ガスをもたらす。触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタ1616からの高温排気ガスの温度を下げるのに圧縮機1608からの大量のより低温の圧縮空気が必要とされるため、大きい質量流量の混合ガスがタービン1606を横切って流れ、これはタービン1606の出力を大いに増加させる。タービン動力は、質量流量からフィードバック弁1618を通して流れる圧縮空気を圧縮するのに必要とされる仕事を引いた差異によって生み出される動力の差異だけ増加する。温度センサ1638から混合ガス温度信号1630を取得し、フィードバック弁1618によって圧縮空気の追加を制御することによって、最高温度は超過されない。
コントローラ1640はまた、圧縮機1608におけるサージを制限するためにフィードバック弁1618を制御する。サージ限界は、ブースト圧力、圧縮機を通る空気の流れ、及び圧縮機1608の設計の関数として変化する境界である。ターボチャージャに典型的に用いられる圧縮機1608のような圧縮機は、吸気1622の流れが低く、吸気1622と圧縮空気との間の圧力比が高いときに、サージ限界を超える。従来のスーパーターボチャージャでは、エンジン速度(rpm)1626が低いときに吸気1622の流れは低い。低rpmにおいて、圧縮空気がエンジン1602によって大量に用いられないときには、吸気1622の質量流量は低く、回転する圧縮機1608が吸気1622の妥当な流れなしに高圧導管の中に空気を押し込むことはできないので、サージが起こる。フィードバック弁1618は、圧縮空気導管1609を通した流れを可能にし、且つ圧縮機1608におけるサージを防ぐ又は減らす。圧縮機1608でサージが起こると、圧縮空気導管1609の中の圧力を維持することはできない。したがって、エンジン1602の低rpm、高負荷作動条件では、圧縮空気導管1609の中の圧縮空気の圧力は、所望のレベルよりも低下する場合がある。フィードバック弁1618を開くことによって、特にエンジンの低rpm、高負荷作動条件での圧縮機1608を通した吸気1622の流れが増加し、これは、圧縮空気導管1609の中で所望のレベルのブーストが達成されることを可能にする。フィードバック弁1618は、圧縮空気導管1609の中の所望の圧力に達するまで単純に開くことができる。しかしながら、圧縮空気導管1609の中のブースト圧力を単純に検出することによって、圧縮機1608をサージ条件外にもっていくためにフィードバック弁1618が開かれる前にサージが起こるであろう。
しかしながら、サージ限界を判定し、サージ条件が発生する前にフィードバック弁1618を前もって開くことが好ましい。所与のrpm及び所望のブーストレベルに関して、サージ限界を判定することができる。フィードバック弁1618は、圧縮機1608が計算されたサージ限界に達する前に開き始めることができる。弁の早期の開放は、圧縮機が圧縮機作動パラメータのより高い効率点のより近くにとどまるので、圧縮機がより高いブースト圧力までより迅速にスプールアップすることを可能にする。次いで、低rpmでのブースト圧力の急上昇を達成することができる。サージが起こる前に弁を開くことによって、より安定な制御システムも達成することができる。
エンジン1602の応答性を改善するような方法でフィードバック弁1618を開くことは、エンジン1602がより低いrpmにあるときにエンジン1602がより高いブースト圧力をより迅速に得られるようにすることによって達成される。圧縮機1608はまた、より効率的であり、これは、結果として、トランスミッション1610が過給を達成するのにより少ない仕事をもたらす。サージ限界の制御は、MATLABのような標準モデルベースの制御シミュレーションコード内でモデル化することができる。このようなモデリングは、コントローラ1640のシミュレーション及びコントローラ1640のアルゴリズムの自動コーディングを可能にするであろう。
上記で説明されたようなモデルベースの制御システムは、タービン1606の回転を制御するのにトランスミッション1610を利用する点及び圧縮機1608がターボラグなしにブースト圧力を発生させる点において独特のものである。言い換えれば、トランスミッション1610は、圧縮機1608を駆動するためにクランクシャフト1612から回転エネルギーを抽出して、タービン1606が圧縮機108をこうした所望のレベルで駆動するのに十分なだけの機械エネルギーを発生させる前に、圧縮空気導管1609における所望のブーストを非常に迅速に達成することができる。このように、ラグを減らすための従来のターボチャージャにおける制御が低減され又は廃止される。コントローラ1640のモデルベースの制御は、圧縮機108の作動パラメータ内で圧縮機1608の最適な効率を維持するように設計されるべきである。
コントローラ1640の制御モデルはまた、対象速度及び負荷が車両のスロットルの位置に対して定義されてもよい所与の対象速度及び負荷でエンジンによって許容される質量流量に対してマップされる場合に、圧力作動パラメータに対して注意深くモデル化されるべきである。図16に示すように、エンジン速度信号1626は、エンジン1602から得ることができ、コントローラ1640に適用される。同様に、エンジン負荷信号1628は、エンジン1602から得ることができ、コントローラ1640に適用することができる。代替的に、これらのパラメータは、エンジンスロットル(図示せず)上に位置するセンサから得ることができる。次いで、コントローラ1640によって生成された制御信号1642に応答してフィードバック弁1618を作動させることができる。圧力センサ1636は、コントローラ1640に適用される圧縮空気吸気圧信号1632を生成し、コントローラ1640は、エンジン速度信号1626、エンジン負荷信号1628、及び圧縮空気吸気圧信号1632に応答して制御信号1642を計算する。
圧縮機1608がサージ限界に到達せず、且つ温度センサ1638によって検出される場合の混合ガスの温度に達しない、エンジン1602の作動条件の間、システムが従来のスーパーターボチャージャ付きシステムとして働くようにフィードバック弁1618が閉じられる。これは、エンジン1602の作動パラメータの大部分で起こる。エンジン1602の高負荷及び低rpm条件が起こるときに、サージを防ぐためにフィードバック弁1618が開かれる。同様に、エンジン1602の高rpm、高負荷作動条件では、触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタ1616の出力で排気ガス中に高温が生じ、そのため、タービン1606に適用される燃料混合気の温度をタービン1606を損傷させるであろう温度よりも下げるためにフィードバック弁1618が開かれなければならない。
図17は、図16で例証された高効率スーパーターボチャージャ付きエンジンシステム1600の実施形態の詳細図である。図17に示すように、エンジン1602は、従来のスーパーターボチャージャ付きエンジンよりも全体として高い効率を提供すると共に、低rpm、高負荷作動条件での高い最適な効率及び高rpm、高負荷条件での高い最適な効率を提供するために、図16に関して上記で説明されたように修正されているスーパーターボチャージャを含む。スーパーターボチャージャは、シャフトによって圧縮機1608に機械的に接続されるタービン1606を含む。圧縮機1608は、吸気1622を圧縮し、圧縮された吸気を導管1704に供給する。導管1704は、フィードバック弁1618及び中間冷却器1614に接続される。上で開示されたように、中間冷却器1614は、圧縮空気を冷却するように機能し、圧縮空気は、圧縮プロセス中に加熱されることになる。中間冷却器1614は、圧縮空気導管1726に接続され、これは次に、エンジン1602の吸込みマニホルド(図示せず)に接続される。圧力センサ1636は、圧力を検出し且つコントローラ1640に適用される圧縮吸気圧信号1632を介して圧力読み取りを供給するために、圧縮空気導管1704に接続される。フィードバック弁1618は、上で開示されたようにコントローラ1640によって生成されるコントローラ・フィードバック弁制御信号1642によって制御される。或る作動条件下で、圧縮空気導管1704から混合チャンバ1706に圧縮空気を供給するためにフィードバック弁1618が開く。
図17の実施形態に示すように、圧縮空気導管1704から供給され開口部1702を通過する圧縮空気が触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタ出力導管1708の中で排気ガスと混合されるように、混合チャンバ1706は、単純に、圧縮空気導管1704によって取り囲まれる触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタ出力導管1708の一連の開口部1702を備える。より低温の圧縮空気を排気ガスと混合して排気ガスの温度を下げるために任意の所望のタイプの混合チャンバを用いることができる。触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタ出力導管1708の中の排気ガスの温度を測定するために、触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタ出力導管1708に温度センサ1638が配置される。温度センサ1638は、混合ガス温度信号1630をコントローラ1640に供給し、これは、触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタ出力導管208の中の排気ガスの温度がタービン1606を損傷するであろう最高温度を超えないことを保証するために、フィードバック弁1618を制御する。触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタ1616は、触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタ入口導管1714によって排気マニホルド1710に接続される。触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタ1616を排気マニホルド1710の近傍に配置することによって、エンジンからの高温排気ガスが触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタ1616に直接流れ込み、これは、触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタ1616を活性化させるのを助ける。言い換えれば、エンジン排気ガスの出口に近い触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタ1616の近接位置は、排気ガスを触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタ1616に入る前に実質的に冷却せず、これは、触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタ1616の性能を高める。排気ガスが触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタ1616を通過する際に、触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタ1616は、排気ガスに付加的な熱を加える。触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタ1616の出力でのこれらの非常に高温の排気ガスは、触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタ出力導管208に供給され、混合チャンバ1706の中で圧縮空気導管1704からの圧縮された吸気で冷却される。エンジン1602の作動条件に応じて変化する触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタ1616の出力で生じる非常に高温の排気ガスの温度に応じて、高速、高負荷条件の間に、異なる量の圧縮された吸気が排気ガスに追加されるであろう。低いエンジン速度、高いエンジン負荷条件の間に、フィードバック弁1618はまた、サージを避けるために吸気が圧縮機を通して流れることを可能にするように機能する。サージは、低いエンジン速度条件の間の圧縮機を通る低い流れ条件の結果として起こる圧縮機ブレードの空力的失速と類似している。サージが起こるときに、圧縮機1608が吸気を圧縮できないので、吸込みマニホルド(図示せず)の中の圧力が低下する。フィードバック弁1618が開かれる結果として空気が圧縮機1608を通して流れるようにすることによって、低いエンジン速度で高いトルクが必要とされるときに、高い吸込みマニホルド圧により高いトルクを達成することができるように、吸込みマニホルドの中の圧力を維持することができる。
上で開示されたように、エンジンが、高速、高負荷条件の下で作動しているときに、触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタ1616は、触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタ出力導管1708に供給される排気ガス中に大量の熱を発生させる。圧縮された、より低温の吸気を触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタ出力導管1708に供給することによって、高速、高負荷条件の下で高温排気ガスが冷却される。エンジンの負荷及び速度が増加するのに伴って、より高温のガスが生じ、導管1704からのより多くの圧縮空気が必要とされる。タービン1606が、低速、高負荷条件の下でのように、圧縮機を駆動するのに十分な回転エネルギーを提供しない場合、エンジンクランクシャフト1612が、ドライブベルト1722、ドライブプーリ1718、シャフト1724、無段変速機1716、及びトランスミッション1728を介して圧縮機1608に回転エネルギーを供給することができる。また、推進トレーンのあらゆる部分を圧縮機1608に回転エネルギーを供給するのに用いることができ、図17は、開示された一実施形態に係る一実装を開示する。
同じく図17で例証されるように、圧縮空気導管1704にコールドスタート弁1620も接続され、これは次に、コールドスタート導管1712に接続される。コールドスタート導管1712は、触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタ入口導管1714に接続され、これは、触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタ1616から上流にある。コールドスタート弁の目的は、上で開示されたように始動条件の間に触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタ1616の入力に圧縮された吸気を提供することである。始動条件の下で、触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタ1616がフル作動温度に達する前に、触媒プロセスを開始するためにコールドスタート導管1712を介して付加的な酸素が提供される。コールドスタート導管1712を介して提供される付加的な酸素は、触媒プロセスの開始を助ける。コントローラ1640は、エンジン速度信号1626、エンジン負荷信号1628、及び混合ガス温度信号1630に応答して、コントローラ・コールドスタート弁制御信号1644を介してコールドスタート弁1620を制御する。
したがって、高効率のスーパーターボチャージャ付きエンジン1600は、2つの理由でフィードバック弁1618が圧縮機からの圧縮空気の一部をタービンの入力に供給すること以外は、スーパーターボチャージャと類似した方法で作動する。1つの理由は、排気ガスの全エネルギーを使用できるように排気ガスをタービンに入る前に冷却するためであり、高速、高負荷条件の下ではウェイストゲートは必要ではない。他の理由は、低rpm、高負荷条件でのサージを防ぐために、圧縮機を通した空気の流れを提供するためである。加えて、タービン1606を駆動し及び触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタ1616からの高温ガスと混合される圧縮された吸気を膨張させるのに触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタ1616によって発生した熱を用いることができるように、触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタを排気ガスがタービンに到達する前に排気ストリームの中に接続することができ、これはシステムの効率を大きく増加させる。さらに、コールドスタート弁1620は、始動条件の間に排気ガスに酸素を提供することによって触媒担持ディーゼルパティキュレートフィルタ1616における触媒プロセスを開始するのに用いることができる。
したがって、タービン/圧縮機シャフトの回転機械速度を推進トレーンとタービン/圧縮機シャフトとの間でエネルギーを結合する無段変速機によって用いられるrpmレベルに低減させる固定変速比を有する高速トラクションドライブを用いる独特なスーパーターボチャージャが開示される。スーパーターボチャージャ設計の独自性は、トランスミッションがシステム内に配置されることである。スーパーターボチャージャハウジングの下側部分内に無段変速機が配置される。無段変速機1116は、スーパーターボチャージャとエンジンとの間で回転機械エネルギーを伝達するのに必要な無限可変速度比を提供する。無段変速機1116として、歯車付き無段変速機を用いることができ、又はトラクションドライブ無段変速機を用いることができる。したがって、高速トラクションドライブ114と無段変速機1116との両方のためにトラクションドライブを用いることができる。
本発明の上記の説明は、例証及び説明の目的で与えられている。網羅的となること又は本発明を開示された正確な形態に限定することは意図されず、上記の教示に照らして他の修正及び変形が可能な場合がある。実施形態は、当業者が本発明を種々の実施形態で及び考慮される特定の使用に合わされる場合の種々の修正をなして最良に使用できるようにするために、本発明の原理及びその実際の適用を最もよく解説するように選択され及び説明されたものである。付属の請求項は、従来技術によって制限される範囲を除いて、本発明の他の代替的実施形態を含むように解釈されることを意図される。

Claims (14)

  1. エンジンに結合されるスーパーターボチャージャであって、
    前記エンジンによって生じた排気ガスのエンタルピーからタービン回転機械エネルギーを発生させるタービンと、
    記タービン回転機械エネルギーと前記エンジンによって発生したエンジン回転機械エネルギーとに応答して吸気を圧縮し圧縮空気を前記エンジンに供給する圧縮機と、
    前記タービン及び前記圧縮機に接続される端部とシャフトトラクション面を有する中央部とを有するシャフトと、
    少なくとも2つの可変径遊星ローラを有する遊星トラクションドライブであって、前記遊星トラクションドライブが遊星キャリヤを有し、前記可変径遊星ローラが前記遊星キャリヤの上に設置され、前記遊星トラクションドライブが前記シャフトトラクション面の周りに配置され、前記可変径遊星ローラが、前記シャフトトラクション面と整合する第1の複数の遊星ローラトラクション面を有し、それにより、第1の複数のトラクション境界面が、前記第1の複数の遊星ローラトラクション面と前記シャフトトラクション面との間に存在し前記トラクションドライブが、前記可変径遊星ローラの第2の複数の遊星ローラトラクション面を通じて第2の複数のトラクション境界面をもたらすように前記可変径遊星ローラによって回転するリングローラをさらに備える、遊星トラクションドライブと、
    前記リングローラ及び前記エンジンに機械的に結合され、前記エンジンの作動条件に応じて、前記エンジンに前記タービン回転機械エネルギーの一部を、又は前遊星トラクションドライブに前記エンジン回転機械エネルギーの一部を伝達する、無段変速機と、
    を備えるスーパーターボチャージャ。
  2. 前記無段変速機が、トラクションドライブ無段変速機を備える、請求項1に記載のスーパーターボチャージャ。
  3. 前記無段変速機が、遊星ボールベアリングトラクションドライブ無段変速機を備える、請求項2に記載のスーパーターボチャージャ。
  4. 前記遊星トラクションドライブが、少なくとも3つの遊星ローラを有する、請求項に記載のスーパーターボチャージャ。
  5. 前記リングローラが、前記第2の複数のトラクション境界面をもたらすために前記第2の複数の遊星ローラトラクション面と整合するリングローラトラクション面を有する、請求項に記載のスーパーターボチャージャ。
  6. 前記リングローラが、前記第2の複数のトラクション境界面をもたらすために前記第1の複数の遊星ローラトラクション面よりも小さい直径を有する、前記第2の複数の遊星ローラトラクション面と整合するリングローラトラクション面を有する、請求項に記載のスーパーターボチャージャ。
  7. スーパーターボチャージャとエンジンとの間で回転機械エネルギーを伝達する方法であって、
    前記エンジンによって生じた排気ガスのエンタルピーからタービンにタービン回転機械エネルギーを発生させるステップ(a)と、
    記タービン回転機械エネルギーと、前記エンジンによって発生したエンジン回転機械エネルギーに応答して前記エンジンに圧縮空気を供給するために圧縮機を用いて吸気を圧縮するステップ(b)と、
    前記タービン及び前記圧縮機に接続される端部とシャフトトラクション面を有する中央部とを有するシャフトを提供するステップ(c)と、
    記シャフトトラクション面に少なくとも3つの可変径遊星ローラを有する遊星トラクションドライブを機械的に結合するステップ(d)であって、前記遊星トラクションドライブが遊星キャリヤを有し、前記可変径遊星ローラが前記遊星キャリヤの上に設置される、ステップ(d)と、
    前記可変径遊星ローラの第1の複数の遊星ローラトラクション面を前記シャフトトラクション面と接触して配置するステップ(e)であって、それにより、第1の複数のトラクション境界面が、前記第1の複数の遊星ローラトラクション面と前記シャフトトラクション面との間にもたらされる、ステップ(e)と、
    ングローラを前記可変径遊星ローラの第2の複数の遊星ローラトラクション面と接触して配置するステップ(f)であって、それにより、第2の複数のトラクション境界面が、前記可変径遊星ローラと前記リングローラとの間にもたらされる、ステップ(f)と、
    前記エンジンの作動条件に応じて、前記エンジンに前記タービン回転機械エネルギーの一部を、又は前記遊星トラクションドライブ前記エンジン回転機械エネルギーの一部を伝達するために、前記リングローラ及び前記エンジンに無段変速機を機械的に結合するステップ(g)と、
    を含む方法。
  8. なくとも1つの機械装置を通じて回転機械エネルギーを伝達するステップ(h)さらに含む、請求項に記載の方法。
  9. ステップ(h)が、車両のトランスミッション回転機械エネルギーを伝達するステップ(h1)さらに含む、請求項に記載の方法。
  10. ステップ(h)が、車両の推進トレーンに回転機械エネルギーを伝達するステップ(h2)さらに含む、請求項に記載の方法。
  11. ステップ(f)が、前記第2の複数のトラクション境界面をもたらすために、前記リングローラのリングローラトラクション面を前記第2の複数の遊星ローラトラクション面と接触して配置するステップ(f1)をさらに含む、請求項に記載の方法。
  12. ステップ(f)が、前記第2の複数のトラクション境界面をもたらすために、前記リングローラのリングローラトラクション面を、前記第1の複数の遊星ローラトラクション面よりも小さい直径を有する、前記第2の複数の遊星ローラトラクション面と接触して配置するステップ(f2)をさらに含む、請求項に記載の方法。
  13. ステップ(g)が、前記リングローラにトラクションドライブ無段変速機を機械的に結合するステップ(g1)をさらに含む、請求項に記載の方法。
  14. ステップ(g1)が、前記リングローラに遊星ボールベアリング無段変速機を機械的に結合するステップ(g1a)をさらに含む、請求項13に記載の方法。
JP2012551955A 2010-02-05 2010-02-05 高速トラクションドライブ及び無段変速機を有するスーパーターボチャージャ Active JP5688417B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/US2010/023398 WO2011096936A1 (en) 2010-02-05 2010-02-05 Super-turbocharger having a high speed traction drive and a continuously variable transmission

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013519034A JP2013519034A (ja) 2013-05-23
JP5688417B2 true JP5688417B2 (ja) 2015-03-25

Family

ID=44355698

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012551955A Active JP5688417B2 (ja) 2010-02-05 2010-02-05 高速トラクションドライブ及び無段変速機を有するスーパーターボチャージャ

Country Status (10)

Country Link
JP (1) JP5688417B2 (ja)
CN (1) CN102822471B (ja)
AU (1) AU2010345054B2 (ja)
CA (1) CA2786580A1 (ja)
DE (1) DE112010005233B4 (ja)
ES (1) ES2453204B1 (ja)
GB (1) GB2489647B (ja)
MX (1) MX356972B (ja)
SE (1) SE1250994A1 (ja)
WO (1) WO2011096936A1 (ja)

Families Citing this family (25)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012197716A (ja) * 2011-03-22 2012-10-18 Hino Motors Ltd 排気損失回収装置
DE102012217603A1 (de) 2012-09-27 2014-03-27 Siemens Aktiengesellschaft Anordnung zur Nukleinsäure-Sequenzierung mittels Tunnelstromanalyse
DE102013000495B3 (de) * 2013-01-15 2014-03-13 Voith Patent Gmbh Antriebsstrang, insbesondere für ein Kraftfahrzeug
US9670832B2 (en) * 2013-11-21 2017-06-06 Vandyne Superturbo, Inc. Thrust absorbing planetary traction drive superturbo
FR3013765A1 (fr) * 2013-11-28 2015-05-29 Renault Sa Turbocompresseur a fonctionnement variable
GB201321152D0 (en) * 2013-11-29 2014-01-15 Torotrak Dev Ltd Compressor arrangement for a supercharger
MX364676B (es) * 2014-10-24 2019-05-03 Superturbo Tech Inc Turbocompresor accionado mediante una velocidad reducida.
US10107183B2 (en) * 2014-11-20 2018-10-23 Superturbo Technologies, Inc. Eccentric planetary traction drive super-turbocharger
DE102015001662A1 (de) * 2015-02-10 2016-08-11 Man Diesel & Turbo Se Brennkraftmaschine, Verfahren zum Betreiben derselben und Steuerungseinrichtung zur Duchführung des Verfahrens
JP2016148280A (ja) * 2015-02-12 2016-08-18 スズキ株式会社 ターボチャージャ付き内燃機関
US9869240B2 (en) 2015-02-20 2018-01-16 Pratt & Whitney Canada Corp. Compound engine assembly with cantilevered compressor and turbine
US10371060B2 (en) 2015-02-20 2019-08-06 Pratt & Whitney Canada Corp. Compound engine assembly with confined fire zone
US10408123B2 (en) 2015-02-20 2019-09-10 Pratt & Whitney Canada Corp. Engine assembly with modular compressor and turbine
US10533500B2 (en) 2015-02-20 2020-01-14 Pratt & Whitney Canada Corp. Compound engine assembly with mount cage
US20160245162A1 (en) * 2015-02-20 2016-08-25 Pratt & Whitney Canada Corp. Compound engine assembly with offset turbine shaft, engine shaft and inlet duct
CN107429614B (zh) * 2015-02-20 2020-03-10 普拉特-惠特尼加拿大公司 具有安装笼部的复合发动机组件
US10533492B2 (en) 2015-02-20 2020-01-14 Pratt & Whitney Canada Corp. Compound engine assembly with mount cage
US10428734B2 (en) 2015-02-20 2019-10-01 Pratt & Whitney Canada Corp. Compound engine assembly with inlet lip anti-icing
US10132233B2 (en) * 2015-10-29 2018-11-20 Superturbo Technologies, Inc. Compressor map based driven turbocharger control system
CN106286745A (zh) * 2016-08-16 2017-01-04 江苏三能动力总成有限公司 一种可变传动比机械增压器
DE102017215355A1 (de) 2016-09-01 2018-03-01 Superturbo Technologies Inc. Hochgeschwindigkeits abschnittstrennung für angetriebene turbolader
US10539210B2 (en) 2016-10-13 2020-01-21 Superturbo Technologies, Inc. Angular contact ball ramps for driven turbocharger
JP6583368B2 (ja) * 2017-08-24 2019-10-02 マツダ株式会社 車両用パワートレインユニット
US10655711B2 (en) 2018-04-06 2020-05-19 Superturbo Technologies, Inc. Single angular contact ball ramp for driven turbocharger
US11480098B1 (en) 2021-07-23 2022-10-25 Mustafa Ali Al-Huwaider Continuously variable transmission (CVT) driven supercharger through transmission output

Family Cites Families (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2397941A (en) 1942-05-22 1946-04-09 Birkigt Louis Supercharged internal-combustion engine
US3254546A (en) * 1962-11-14 1966-06-07 Trw Inc Toggle action planetary friction drive
US5033269A (en) 1989-04-03 1991-07-23 Smith Roger R Compound power plant
IT1249901B (it) * 1991-06-06 1995-03-30 Iveco Fiat Motore composito a combustione interna a ciclo diesel con turbocompressore a collegamento meccanico.
US5397279A (en) * 1993-02-11 1995-03-14 Mccotter, Jr.; Geraco R. High speed, radial ball, traction transmission
US5385514A (en) * 1993-08-11 1995-01-31 Excelermalic Inc. High ratio planetary transmission
JPH07286526A (ja) 1994-04-19 1995-10-31 Tochigi Fuji Ind Co Ltd 過給機
CA2124264C (en) * 1994-05-25 2004-07-27 John Nigel Ramsden Turbocharged internal combustion engine
DE4429855C1 (de) 1994-08-23 1995-08-17 Daimler Benz Ag Aufgeladene Brennkraftmaschine mit mechanischer Hochtriebsmöglichkeit eines Abgasturboladers
JPH0988620A (ja) * 1995-09-29 1997-03-31 Toyota Motor Corp 過給機付内燃機関
JPH09112288A (ja) * 1995-10-13 1997-04-28 Mitsubishi Motors Corp ターボコンパウンドエンジンの振動低減構造
SE511035C2 (sv) * 1996-04-25 1999-07-26 Volvo Ab Överladdad förbränningsmotor
US20030084658A1 (en) * 2000-06-20 2003-05-08 Brown Kevin F Process for reducing pollutants from the exhaust of a diesel engine using a water diesel fuel in combination with exhaust after-treatments
DE60205460T2 (de) * 2001-02-14 2006-06-08 Roulunds Rotrex A/S Planetengetriebe und dessen verwendung
GB0201631D0 (en) * 2002-01-24 2002-03-13 Torotrak Dev Ltd Fluid supply arrangement for a rolling-traction continuously variable ratio transmission unit
US7166052B2 (en) 2003-08-11 2007-01-23 Fallbrook Technologies Inc. Continuously variable planetary gear set
US7055507B2 (en) * 2004-03-29 2006-06-06 Borgwarner Inc. Continuously variable drive for superchargers
US7490594B2 (en) * 2004-08-16 2009-02-17 Woodward Governor Company Super-turbocharger
US7510274B2 (en) 2005-01-21 2009-03-31 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Ink delivery system and methods for improved printing
US7540881B2 (en) 2005-12-22 2009-06-02 Boston Scientific Scimed, Inc. Bifurcation stent pattern
JP2007211621A (ja) * 2006-02-07 2007-08-23 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 過給装置
WO2008024895A1 (en) 2006-08-23 2008-02-28 The Timken Company Variable speed supercharger with electric power generation
CN102549248A (zh) * 2009-07-24 2012-07-04 范戴尼超级涡轮有限公司 提高使用超级涡轮增压器的活塞式发动机的燃料效率

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013519034A (ja) 2013-05-23
AU2010345054B2 (en) 2014-08-28
GB2489647B (en) 2016-07-27
CA2786580A1 (en) 2011-08-11
MX356972B (es) 2018-06-20
ES2453204R1 (es) 2014-05-09
DE112010005233B4 (de) 2020-07-16
MX2012009009A (es) 2012-11-21
SE1250994A1 (sv) 2012-09-05
CN102822471B (zh) 2015-12-16
WO2011096936A1 (en) 2011-08-11
GB2489647A (en) 2012-10-03
ES2453204B1 (es) 2015-02-11
GB201214265D0 (en) 2012-09-26
AU2010345054A1 (en) 2012-08-30
DE112010005233T5 (de) 2012-11-15
ES2453204A2 (es) 2014-04-04
CN102822471A (zh) 2012-12-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5688417B2 (ja) 高速トラクションドライブ及び無段変速機を有するスーパーターボチャージャ
US9581078B2 (en) Super-turbocharger having a high speed traction drive and a continuously variable transmission
US20100031935A1 (en) Super-turbocharger having a high speed traction drive and a continuously variable transmission
CN101925725B (zh) 具有热旁路的多级涡轮增压系统
CN101939529B (zh) 控制在涡轮增压与排气再循环之间分开的排气流动
US8677751B2 (en) Rich fuel mixture super-turbocharged engine system
EP2042705B1 (en) Supercharged turbocompound engine
EP2229513A2 (fr) Moteur a combustion interne et vehicule equipe d'un tel moteur
CN101790625A (zh) 新改进的增压系统和具有该系统的内燃机
US20080256950A1 (en) Turbo Lag Reducer
US9945327B2 (en) Method and apparatus for controlling turbine efficiency
US20170122189A1 (en) Supercharged internal combustion engine
EP2341225A1 (en) Method for controlling a turbocompound engine apparatus
EP1233162A1 (en) Supplemental air system for engine exhaust manifolds
EP2203636B1 (fr) Procédé de contrôle d'un moteur à essence à circuit egr basse pression
KR100552154B1 (ko) 원 웨이 클러치가 구비된 터보차저의 구조
KR20160013247A (ko) 엔진의 차징 시스템
FR2926601A1 (fr) Moteur a combustion interne et vehicule equipe d'un tel moteur
FR2926600A1 (fr) Moteur a combustion interne et vehicule equipe d'un tel moteur
FR2926599A1 (fr) Moteur a combustion interne et vehicule equipe d'un tel moteur
JPS61178523A (ja) V形タ−ボコンパウンドエンジン

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140204

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20140502

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20140513

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140801

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150113

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150126

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5688417

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250