JP5688116B2 - 光硬化性熱硬化性樹脂組成物、そのドライフィルム及び硬化物並びにそれらを用いたプリント配線板 - Google Patents

光硬化性熱硬化性樹脂組成物、そのドライフィルム及び硬化物並びにそれらを用いたプリント配線板

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Description

本発明は、希アルカリ水溶液により現像可能な光硬化性熱硬化性樹脂組成物、特に紫外線露光又はレーザー露光により光硬化するソルダーレジスト用組成物、そのドライフィルム及び硬化物、並びにそれらを用いて形成された硬化皮膜を有するプリント配線板に関する。
従来、アルカリ現像型の感光性樹脂組成物は、プリント配線板用のソルダーレジストートして大量に使用されている。ソルダーレジストは、プリント配線板の表層回路の保護を目的に使用されており、高いはんだ耐熱性と電気絶縁性が要求される。さらに最近では、プリント配線板の高密度化が著しく、その回路は最小でライン10μm、スペース10μmになり、従来よりも高い絶縁信頼性が要求されている。
従来のアルカリ現像型ソルダーレジストは、酸変性エポキシアクリレートと光重合開始剤、反応性希釈剤、エポキシ樹脂、フィラーで構成されている。これらの成分の中でも、特にエポキシ樹脂は、耐熱性、電気特性、密着性を向上させる重要な役割を担っている。特にエポキシ樹脂の中でも、結晶性のエポキシ樹脂は特異な耐熱性、光特性の観点から重要な成分である(特許文献1参照)。
しかしながら、近年のプリント基板の高密度化により、ファインパターン回路間で不溶性の物質(無機フィラーや結晶性エポキシ樹脂等)が粒子で存在し、回路間のショートを起こす原因になってきた。さらに、光硬化性熱硬化性樹脂組成物を、キャリアフィルム上に塗布・乾燥させて得られるドライフィルムを、種々の回路パターンを形成した基板上にラミネートしてプリント回路基板を作製する工程においては、不溶性物質の粒子がラミネート不良の原因となり、特に高度な膜厚コントロールを必要とするファインパターン基板作製の歩留まりが低下する原因ともなってきた。このため、ソルダーレジストの調製時に各種の分散処理を行ったり、不溶成分の粗大粒子除去のためにろ過を行っているが、結晶性エポキシ樹脂のほとんどが有機溶剤や他の樹脂と親和性を持っており、分散工程の温度変化により部分的に溶解し、さらに再結晶して粗大粒子となる。また、ろ過する際も温度を低くしなければならず、高粘度の組成物を得るのが困難であった。
特開平1−141904号公報(特許請求の範囲)
本発明は、前記したような従来技術に鑑みなされたものであり、乾燥塗膜の耐熱性、無電解金めっき耐性、電気絶縁性等に優れ、特に不溶分の粗大粒子によるファインピッチ回路の断線を防止できる、ソルダーレジスト等の硬化皮膜形成用の光硬化性熱硬化性樹脂組成物を提供することを目的としている。
さらに本発明の目的は、このような光硬化性熱硬化性樹脂組成物を用いることによって得られる上記のような諸特性及び平滑性に優れたドライフィルム及び硬化物、並びに該ドライフィルムや硬化物によりソルダーレジスト等の硬化皮膜が形成されてなるプリント配線板を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明によれば、(A)エポキシ樹脂、(B)カルボキシル基含有樹脂、及び(C)光重合開始剤を含有する組成物において、上記エポキシ樹脂(A)が、下記一般式(I)に示す構造を有する2官能ビフェニルエポキシ樹脂(A−1)と、軟化点40〜100℃でエポキシ当量が180〜300のビフェノールノボラック型エポキシ樹脂又はビフェノールノボラック型エポキシ樹脂とビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂(A−2)との混合物であり、(A−1)と(A−2)の割合が(A−1)<(A−2)であり、該組成物の乾燥塗膜において前記エポキシ樹脂(A)の粗大粒子が存在しないことを特徴とするアルカリ現像性の光硬化性熱硬化性樹脂組成物が提供される。
Figure 0005688116
(式中、RはH又はCHを表す。)
好適な態様においては、前記カルボキシル基含有樹脂(B)は酸価40〜120mgKOH/gを有し、その100質量部に対して(A−1)と(A−2)の混合物は20〜60質量部であり、さらに1分子中に2個以上のエチレン性不飽和基を有する感光性モノマー(E)を含む光硬化性熱硬化性樹脂組成物は、ソルダーレジストートして好適に用いることができる。
また、本発明によれば、前記光硬化性熱硬化性樹脂組成物を、キャリアフィルム上に塗布・乾燥させて得られるドライフィルムや、前記光硬化性熱硬化性樹脂組成物又はこの光硬化性熱硬化性樹脂組成物をキャリアフィルムに塗布・乾燥させて得られるドライフィルムを、光硬化及び/又は熱硬化させて得られる硬化物、特に銅上にて光硬化させて得られる硬化物や、パターン状に光硬化して得られる硬化物も提供される。
さらに本発明によれば、前記硬化物、特に光硬化性熱硬化性樹脂組成物又はドライフィルムをパターン状に光硬化させた後、熱硬化して得られる硬化皮膜を有することを特徴とするプリント配線板も提供される。
本発明の光硬化性熱硬化性樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂、(B)カルボキシル基含有樹脂、及び(C)光重合開始剤を含有する組成物において、上記エポキシ樹脂(A)が、前記一般式(I)に示す構造を有する2官能ビフェニルエポキシ樹脂(A−1)と、軟化点40〜100℃でエポキシ当量が180〜300のビフェノールノボラック型エポキシ樹脂又はビフェノールノボラック型エポキシ樹脂とビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂(A−2)との混合物であり、(A−1)と(A−2)の割合が(A−1)<(A−2)であり、該組成物の乾燥塗膜において前記エポキシ樹脂(A)の粗大粒子が存在しないことを特徴としているため、はんだ耐熱性、無電解金めっき耐性、電気絶縁性等に優れ、特にファインパターン間の絶縁信頼性の高い硬化皮膜を形成できる。
従って、本発明の光硬化性熱硬化性樹脂組成物は、プリント配線板やフレキシブルプリント配線板のソルダーレジスト等の硬化皮膜形成に有利に適用できる。
前記したように、本発明の光硬化性熱硬化性樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂、(B)カルボキシル基含有樹脂、及び(C)光重合開始剤を含有する組成物において、上記エポキシ樹脂(A)が、前記一般式(I)に示す構造を有する2官能ビフェニルエポキシ樹脂(A−1)と、軟化点40〜100℃でエポキシ当量が180〜300のビフェノールノボラック型エポキシ樹脂又はビフェノールノボラック型エポキシ樹脂とビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂(A−2)との混合物であり、(A−1)と(A−2)の割合が(A−1)<(A−2)であり、該組成物の乾燥塗膜において前記エポキシ樹脂(A)の粗大粒子が存在しないことを特徴としている。
本発明者らの研究によれば、(A)成分のうち、前記一般式(I)に示す構造を有する2官能ビフェニルエポキシ樹脂(A−1)は、エポキシ樹脂として、耐熱性、無電解金めっき耐性、電気絶縁性等に優れ、特にファインパターン間の絶縁信頼性に優れるため、重要な成分である反面、樹脂成分や有機溶剤中で高い結晶性を持つことから、温度変化等の要因により容易に再結晶が発生し、混合物中で粒子が粗大化し、回路間のショートを起こす原因となってきた。さらに、2官能ビフェニルエポキシ樹脂(A−1)を含む光硬化性熱硬化性樹脂組成物をキャリアフィルム上に塗布・乾燥させて得られるドライフィルムを、種々の回路パターンを形成した基板上にラミネートしてプリント回路基板を作製する工程においては、発生した粗大粒子がラミネート不良の原因となり、特に高度な膜厚コントロールを必要とするファインパターン基板作製の歩留まりが低下する原因ともなってきた。
そこで、本発明者らはさらに鋭意研究を進めた結果、エポキシ樹脂(A)が、前記一般式(I)に示す構造を有する2官能ビフェニルエポキシ樹脂(A−1)と、軟化点40〜100℃でエポキシ当量が180〜300のビフェノールノボラック型エポキシ樹脂又はビフェノールノボラック型エポキシ樹脂とビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂(A−2)との混合物であり、(A−1)と(A−2)の割合が(A−1)<(A−2)であり、攪拌、混練、加熱等の方法で2官能ビフェニルエポキシ樹脂(A−1)の粒子を微小化あるいは溶解させた混合物の場合、耐熱性、無電解金めっき耐性に優れ、2官能ビフェニルエポキシ樹脂(A−1)に起因する粗大粒子の発生を防止できることから回路間のショートを防止することができ、優れた電気絶縁性を持ち、さらに、光硬化性熱硬化性樹脂組成物をキャリアフィルム上に塗布・乾燥させて得られるドライフィルムをラミネートする際のラミネート不良を防止できることを見出し、本発明を完成させるに至ったものである。
以下、本発明の光硬化性熱硬化性樹脂組成物の各構成成分について詳しく説明する。
まず、本発明のアルカリ現像性の光硬化性熱硬化性樹脂組成物を構成するエポキシ樹脂(A)のうち、2官能ビフェニルエポキシ樹脂(A−1)としては、ジャパンエポキシレジン社製のYL−6056、YX4000、YX4000K、YX4000H、YX4000HK、YL6121、YL6121H、YL6640、YL6677(何れも商品名)等のビキシレノール型もしくはビフェノール型エポキシ樹脂又はそれらの混合物を使用できる。
次に、前記エポキシ樹脂(A)のうち、軟化点40〜100℃でエポキシ当量が180〜300のビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂及び/又はビフェノールノボラック型エポキシ樹脂(A−2)としては、例えば、ジャパンエポキシレジン社製のJER834、大日本インキ化学工業社製のエピクロン860、東都化成社製のエポトートYD−134、ダウケミカル社製のD.E.R.337等(何れも商品名)のビスフェノールA型エポキシ樹脂;ジャパンエポキシレジン社製のJER157S、大日本インキ化学工業社製のエピクロンN−865(何れも商品名)等のビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂;日本化薬社製のNC−3000、NC−3000H、NC−3000L、NC−3100(商品名)等のビフェノールノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられるが、これらに限られるものではない。これらのエポキシ樹脂は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記エポキシ樹脂(A−1)と(A−2)の配合割合は、(A−1)<(A−2)であることが好ましい。(A−1)の配合比率が(A−2)の配合比率を超えた場合、(A−1)の組成物への溶解性が低くなり、混合物の結晶化に関する経時安定性が低くなる。
前記エポキシ樹脂(A−1とA−2)の配合量は、例えばカルボキシル基含有樹脂(B)100質量部に対して、10〜100質量部、好ましくは20〜60質量部の範囲が適当である。エポキシ樹脂(A−1とA−2)の配合量が上記範囲よりも多すぎると、アルカリ現像性に劣り、解像性不良や現像残渣が生じ易くなる。一方、10質量部未満の場合、得られる硬化塗膜のはんだ耐熱性が損なわれるので好ましくない。
尚、前記エポキシ樹脂(A−1)及び(A−2)と組み合わせてその他のエポキシ樹脂を用いることもできる。その他のエポキシ樹脂としては、公知慣用のエポキシ樹脂を特に限定なく用いることができる。このようなエポキシ樹脂としては、例えば、分子内に少なくとも2つ以上のエポキシ基を有する化合物、すなわち多官能エポキシ化合物が挙げられる。
前記多官能エポキシ化合物としては、例えば、ジャパンエポキシレジン社製のJER828、JER1001、JER1004、大日本インキ化学工業社製のエピクロン840、エピクロン850、エピクロン1050、エピクロン2055、東都化成社製のエポトートYD−011、YD−013、YD−127、YD−128、ダウケミカル社製のD.E.R.317、D.E.R.331、D.E.R.661、D.E.R.664、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社のアラルダイド6071、アラルダイド6084、アラルダイドGY250、アラルダイドGY260、住友化学工業社製のスミ−エポキシESA−011、ESA−014、ELA−115、ELA−128、旭化成工業社製のA.E.R.330、A.E.R.331、A.E.R.661、A.E.R.664等(何れも商品名)のビスフェノールA型エポキシ樹脂;ジャパンエポキシレジン社製のJERYL903、大日本インキ化学工業社製のエピクロン152、エピクロン165、東都化成社製のエポトートYDB−400、YDB−500、ダウケミカル社製のD.E.R.542、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のアラルダイド8011、住友化学工業社製のスミ−エポキシESB−400、ESB−700、旭化成工業社製のA.E.R.711、A.E.R.714等(何れも商品名)のブロム化エポキシ樹脂;ジャパンエポキシレジン社製のJER152、JER154、ダウケミカル社製のD.E.N.431、D.E.N.438、大日本インキ化学工業社製のエピクロンN−730、エピクロンN−770、エピクロンN−865、東都化成社製のエポトートYDCN−701、YDCN−704、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のアラルダイドECN1235、アラルダイドECN1273、アラルダイドECN1299、アラルダイドXPY307、日本化薬社製のEPPN−201、EOCN−1025、EOCN−1020、EOCN−104S、RE−306、住友化学工業社製のスミ−エポキシESCN−195X、ESCN−220、旭化成工業社製のA.E.R.ECN−235、ECN−299等(何れも商品名)のノボラック型エポキシ樹脂;大日本インキ化学工業社製のエピクロン830、ジャパンエポキシレジン社製JER807、東都化成社製のエポトートYDF−170、YDF−175、YDF−2004、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のアラルダイドXPY306等(何れも商品名)のビスフェノールF型エポキシ樹脂;東都化成社製のエポトートST−2004、ST−2007、ST−3000(商品名)等の水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂;ジャパンエポキシレジン社製のJER604、東都化成社製のエポトートYH−434、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のアラルダイドMY720、住友化学工業社製のスミ−エポキシELM−120等(何れも商品名)のグリシジルアミン型エポキシ樹脂;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のアラルダイドCY−350(商品名)等のヒダントイン型エポキシ樹脂;ダイセル化学工業社製のセロキサイド2021、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のアラルダイドCY175、CY179等(何れも商品名)の脂環式エポキシ樹脂;ジャパンエポキシレジン社製のYL−933、ダウケミカル社製のT.E.N.、EPPN−501、EPPN−502等(何れも商品名)のトリヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂;日本化薬社製EBPS−200、旭電化工業社製EPX−30、大日本インキ化学工業社製のEXA−1514(商品名)等のビスフェノールS型エポキシ樹脂;ジャパンエポキシレジン社製のJER YL−931、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のアラルダイド163等(何れも商品名)のテトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のアラルダイドPT810、日産化学工業社製のTEPIC等(何れも商品名)の複素環式エポキシ樹脂;日本油脂社製ブレンマーDGT等のジグリシジルフタレート樹脂;東都化成社製ZX−1063等のテトラグリシジルキシレノイルエタン樹脂;新日鐵化学社製ESN−190、ESN−360、大日本インキ化学工業社製HP−4032、EXA−4750、EXA−4700等のナフタレン基含有エポキシ樹脂;大日本インキ化学工業社製HP−7200、HP−7200H等のジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂;日本油脂社製CP−50S、CP−50M等のグリシジルメタアクリレート共重合系エポキシ樹脂;さらにシクロヘキシルマレイミドとグリシジルメタアクリレートの共重合エポキシ樹脂;エポキシ変性のポリブタジエンゴム誘導体(例えばダイセル化学工業製PB−3600等)、CTBN変性エポキシ樹脂(例えば東都化成社製のYR−102、YR−450等)等が挙げられるが、これらに限られるものではない。これらのエポキシ樹脂は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、特にノボラック型エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂又はそれらの混合物が好ましい。
前記その他エポキシ樹脂の配合量は、エポキシ樹脂全体の使用量を100モル%としたとき、75モル%以下とすることが好ましい。75モル%を越えて使用した場合、2官能ビフェニルエポキシ樹脂(A−1)由来の特性が十分に得られなくなる恐れがある。その他のエポキシ樹脂のより好ましい使用量は50モル%以下である。
前記カルボキシル基含有樹脂(B)としては、アルカリ現像性を付与する目的で分子中にカルボキシル基を有している従来公知の各種カルボキシル基含有樹脂を使用できる。特に、分子中にエチレン性不飽和二重結合を有するカルボキシル基含有感光性樹脂(B’)が、光硬化性や耐現像性の面からより好ましい。そして、その不飽和二重結合は、アクリル酸もしくはメタアクリル酸又はそれらの誘導体由来のものが好ましい。尚、エチレン性不飽和二重結合を有さないカルボキシル基含有樹脂のみを用いる場合、組成物を光硬化性とするためには、後述する分子中に1個以上のエチレン性不飽和基を有する感光性モノマー(E)を併用する必要がある。
カルボキシル基含有樹脂(B)の具体例としては、以下に列挙するような化合物(オリゴマー及びポリマーのいずれでもよい)が好ましい。
(1)(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸と、スチレン、α−メチルスチレン、低級アルキル(メタ)アクリレート、イソブチレン等の不飽和基含有化合物との共重合により得られるカルボキシル基含有樹脂。
(2)脂肪族ジイソシアネート、分岐脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート等のジイソシアネートと、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸等のカルボキシル基含有ジアルコール化合物及びポリカーボネート系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリオレフィン系ポリオール、アクリル系ポリオール、ビスフェノールA系アルキレンオキシド付加体ジオール、フェノール性ヒドロキシル基及びアルコール性ヒドロキシル基を有する化合物等のジオール化合物の重付加反応によるカルボキシル基含有ウレタン樹脂。
(3)ジイソシアネートと、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂等の2官能エポキシ樹脂の(メタ)アクリレートもしくはその部分酸無水物変性物、カルボキシル基含有ジアルコール化合物及びジオール化合物の重付加反応による感光性カルボキシル基含有ウレタン樹脂。
(4)前記(2)又は(3)の樹脂の合成中に、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の分子内に1つの水酸基と1つ以上の(メタ)アクリル基を有する化合物を加え、末端(メタ)アクリル化した感光性カルボキシル基含有ウレタン樹脂。
(5)前記(2)又は(3)の樹脂の合成中に、イソホロンジイソシアネートとペンタエリスリトールトリアクリレートの等モル反応物など、分子内に1つのイソシアネート基と1つ以上の(メタ)アクリル基を有する化合物を加え末端(メタ)アクリル化した感光性カルボキシル基含有ウレタン樹脂。
(6)後述するような2官能又はそれ以上の多官能(固形)エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を反応させ、側鎖に存在する水酸基に2塩基酸無水物を付加させた感光性カルボキシル基含有樹脂。
(7)後述するような2官能(固形)エポキシ樹脂の水酸基をさらにエピクロロヒドリンでエポキシ化した多官能エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を反応させ、生じた水酸基に2塩基酸無水物を付加させた感光性カルボキシル基含有樹脂。
(8)後述するような2官能オキセタン樹脂にジカルボン酸を反応させ、生じた1級の水酸基に2塩基酸無水物を付加させたカルボキシル基含有ポリエステル樹脂。
(9)上記(1)〜(8)の樹脂にさらに1分子内に1つのエポキシ基と1つ以上の(メタ)アクリル基を有する化合物を付加してなる感光性カルボキシル基含有樹脂。
なお、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート、メタクリレート及びそれらの混合物を総称する用語で、他の類似の表現についても同様である。
上記のようなカルボキシル基含有樹脂(B)は、バックボーン・ポリマーの側鎖に多数の遊離のカルボキシル基を有するため、希アルカリ水溶液による現像が可能になる。
また、上記カルボキシル基含有樹脂(B)の酸価は、40〜200mgKOH/gの範囲であり、より好ましくは45〜120mgKOH/gの範囲である。カルボキシル基含有樹脂の酸価が40mgKOH/g未満であるとアルカリ現像が困難となり、一方、200mgKOH/gを超えると現像液による露光部の溶解が進むために、必要以上にラインが痩せたり、場合によっては、露光部と未露光部の区別なく現像液で溶解剥離してしまい、正常なレジストパターンの描画が困難となるので好ましくない。
また、上記カルボキシル基含有樹脂(B)の重量平均分子量は、樹脂骨格により異なるが、一般的に2,000〜150,000、さらには5,000〜100,000の範囲にあるものが好ましい。重量平均分子量が2,000未満であると、タックフリー性能が劣ることがあり、露光後の塗膜の耐湿性が悪く、現像時に膜減りが生じ、解像度が大きく劣ることがある。一方、重量平均分子量が150,000を超えると、現像性が著しく悪くなることがあり、貯蔵安定性が劣ることがある。
このようなカルボキシル基含有樹脂(B)の配合量は、全組成物中に、20〜80質量%、好ましくは30〜60質量%の範囲が適当である。カルボキシル基含有樹脂(B)の配合量が上記範囲より少ない場合、皮膜強度が低下したりするので好ましくない。一方、上記範囲より多い場合、組成物の粘性が高くなったり、塗布性等が低下するので好ましくない。
これらカルボキシル基含有樹脂(B)は、前記列挙したものに限らず使用することができ、1種類でも複数種混合しても使用することができる
光重合開始剤(C)としては、下記一般式(II)で表される基を有するオキシムエステル系光重合開始剤(C1)、下記一般式(III)で表される基を有するα−アミノアセトフェノン系光重合開始剤(C2)、又は/及び下記式(IV)で表される基を有するアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤(C3)よりなる群から選択される1種以上の光重合開始剤を使用することが好ましい。
Figure 0005688116
Figure 0005688116
Figure 0005688116
式中、Rは、水素原子、フェニル基(炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基、若しくはハロゲン原子で置換されていてもよい)、炭素数1〜20のアルキル基(1個以上の水酸基で置換されていてもよく、アルキル鎖の中間に1個以上の酸素原子を有していてもよい)、炭素数5〜8のシクロアルキル基、炭素数2〜20のアルカノイル基又はベンゾイル基(炭素数が1〜6のアルキル基若しくはフェニル基で置換されていてもよい)を表し、
は、フェニル基(炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基若しくはハロゲン原子で置換されていてもよい)、炭素数1〜20のアルキル基(1個以上の水酸基で置換されていてもよく、アルキル鎖の中間に1個以上の酸素原子を有していてもよい)、炭素数5〜8のシクロアルキル基、炭素数2〜20のアルカノイル基又はベンゾイル基(炭素数が1〜6のアルキル基若しくはフェニル基で置換されていてもよい)を表し、
及びRは、それぞれ独立に、炭素数1〜12のアルキル基又はアリールアルキル基を表し、
及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又は2つが結合した環状アルキルエーテル基を表し、
及びRは、それぞれ独立に、炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、アリール基、又はハロゲン原子、アルキル基若しくはアルコキシ基で置換されたアリール基を表し、但し、R及びRの一方は、R’−C(=O)−基(ここでR’は、炭素数1〜20の炭化水素基)を表してもよい。
前記一般式(II)で表される基を有するオキシムエステル系光重合開始剤としては、好ましくは、下記式(V)で表される2−(アセチルオキシイミノメチル)チオキサンテン−9−オン、下記一般式(VI)で表される化合物、及び下記一般式(VII)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0005688116
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式中、Rは、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基、ベンゾイル基、炭素数2〜12のアルカノイル基、炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基(アルコキシル基を構成するアルキル基の炭素数が2以上の場合、アルキル基は1個以上の水酸基で置換されていてもよく、アルキル鎖の中間に1個以上の酸素原子を有していてもよい)、又はフェノキシカルボニル基を表し、
10、R12は、それぞれ独立に、フェニル基(炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基若しくはハロゲン原子で置換されていてもよい)、炭素数1〜20のアルキル基(1個以上の水酸基で置換されていてもよく、アルキル鎖の中間に1個以上の酸素原子を有していてもよい)、炭素数5〜8のシクロアルキル基、炭素数2〜20のアルカノイル基又はベンゾイル基(炭素数が1〜6のアルキル基若しくはフェニル基で置換されていてもよい)を表し、
11は、水素原子、フェニル基(炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基若しくはハロゲン原子で置換されていてもよい)、炭素数1〜20のアルキル基(1個以上の水酸基で置換されていてもよく、アルキル鎖の中間に1個以上の酸素原子を有していてもよい)、炭素数5〜8のシクロアルキル基、炭素数2〜20のアルカノイル基又はベンゾイル基(炭素数が1〜6のアルキル基若しくはフェニル基で置換されていてもよい)を表す。
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式中、R13、R14及びR19は、それぞれ独立に、炭素数1〜12のアルキル基を表し、
15、R16、R17及びR18は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表し、
Mは、O、S又はNHを表し、
m及びpは、それぞれ独立に0〜5の整数を表す。
前記オキシムエステル系光重合開始剤の中でも、前記一般式(V)で表される2−(アセチルオキシイミノメチル)チオキサンテン−9−オン、及び式(VI)で表される化合物がより好ましい。市販品としては、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のCGI−325、イルガキュアーOXE01、イルガキュアーOXE02、ADEKA社製のN−1919等が挙げられる。これらのオキシムエステル系光重合開始剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記一般式(III)で表される基を有するα−アミノアセトフェノン系光重合開始剤としては、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパノン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、N,N−ジメチルアミノアセトフェノンなどが挙げられる。市販品としては、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のイルガキュアー907、イルガキュアー369、イルガキュアー379などが挙げられる。
前記一般式(IV)で表される基を有するアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキサイドなどが挙げられる。市販品としては、BASF社製のルシリンTPO、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のイルガキュアー819などが挙げられる。
このような光重合開始剤(C)の配合量は、前記カルボキシル基含有樹脂(B)100質量部に対して、0.01〜30質量部、好ましくは0.5〜15質量部の範囲が適当である。光重合開始剤(C)の配合量が0.01質量部未満であると、銅上での光硬化性が不足し、塗膜が剥離したり、耐薬品性等の塗膜特性が低下するので好ましくない。一方、30質量部を超えると、光重合開始剤(C)のソルダーレジスト塗膜表面での光吸収が激しくなり、深部硬化性が低下する傾向があるために好ましくない。
なお、前記式(II)で表される基を有するオキシムエステル系光重合開始剤の場合、その配合量は、前記カルボキシル基含有樹脂(B)100質量部に対して、好ましくは0.01〜20質量部、より好ましくは0.01〜5質量部の範囲が望ましい。
他に本発明の光硬化性熱硬化性樹脂組成物に好適に用いることができる光重合開始剤、光開始助剤及び増感剤としては、ベンゾイン化合物、アセトフェノン化合物、アントラキノン化合物、チオキサントン化合物、ケタ−ル化合物、ベンゾフェノン化合物、キサントン化合物、及び3級アミン化合物等を挙げることができる。
ベンゾイン化合物の具体例を挙げると、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルである。
アセトフェノン化合物の具体例を挙げると、例えば、アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノンである。
アントラキノン化合物の具体例を挙げると、例えば、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノンである。
チオキサントン化合物の具体例を挙げると、例えば、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントンである。
ケタ−ル化合物の具体例を挙げると、例えば、アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタールである。
ベンゾフェノン化合物の具体例を挙げると、例えば、ベンゾフェノン、4−ベンゾイルジフェニルスルフィド、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド、4−ベンゾイル−4’−エチルジフェニルスルフィド、4−ベンゾイル−4’−プロピルジフェニルスルフィドである。
3級アミン化合物の具体例を挙げると、例えば、エタノールアミン化合物、ジアルキルアミノベンゼン構造を有する化合物、例えば、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン(日本曹達社製ニッソキュアーMABP)、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン(保土ヶ谷化学社製EAB)などのジアルキルアミノベンゾフェノン、7−(ジエチルアミノ)−4−メチル−2H−1−ベンゾピラン−2−オン(7−(ジエチルアミノ)−4−メチルクマリン)等のジアルキルアミノ基含有クマリン化合物、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル(日本化薬社製カヤキュアーEPA)、2−ジメチルアミノ安息香酸エチル(インターナショナルバイオ−シンセエティックス社製Quantacure DMB)、4−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル(インターナショナルバイオ−シンセエティックス社製Quantacure BEA)、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエチルエステル(日本化薬社製カヤキュアーDMBI)、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル(Van Dyk社製Esolol 507)、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン(保土ヶ谷化学社製EAB)である。
前記した化合物の中でも、チオキサントン化合物及び3級アミン化合物が好ましい。本発明の組成物には、チオキサントン化合物が含まれることが深部硬化性の面から好ましく、中でも、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン化合物が好ましい。
このようなチオキサントン化合物の配合量としては、前記カルボキシル基含有樹脂(B)100質量部に対して、好ましくは20質量部以下、より好ましくは10質量部以下の割合が適当である。チオキサントン化合物の配合量が多すぎると、厚膜硬化性が低下して、製品のコストアップにつながるので、好ましくない。
3級アミン化合物としては、ジアルキルアミノベンゼン構造を有する化合物が好ましく、中でも、ジアルキルアミノベンゾフェノン化合物、最大吸収波長が350〜410nmにあるジアルキルアミノ基含有クマリン化合物が特に好ましい。ジアルキルアミノベンゾフェノン化合物としては、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノンが、毒性も低く好ましい。最大吸収波長が350〜410nmにあるジアルキルアミノ基含有クマリン化合物は、最大吸収波長が紫外線領域にあるため、着色が少なく、無色透明な感光性組成物はもとより、着色顔料を用い、着色顔料自体の色を反映した着色ソルダーレジスト膜を提供することが可能となる。特に、7−(ジエチルアミノ)−4−メチル−2H−1−ベンゾピラン−2−オンが波長400〜410nmのレーザー光に対して優れた増感効果を示すことから好ましい。
このような3級アミン化合物の配合量としては、前記カルボキシル基含有樹脂(B)100質量部に対して、好ましくは0.1〜20質量部、より好ましくは0.1〜10質量部の割合である。3級アミン化合物の配合量が0.1質量部未満であると、十分な増感効果を得ることができない傾向にある。一方、20質量部を超えると、3級アミン化合物による乾燥ソルダーレジスト塗膜の表面での光吸収が激しくなり、深部硬化性が低下する傾向がある。
これらの光重合開始剤、光開始助剤及び増感剤は、単独で又は2種類以上の混合物として使用することができる。
このような光重合開始剤、光開始助剤、及び増感剤の総量は、前記カルボキシル基含有樹脂(B)100質量部に対して35質量部以下となる範囲であることが好ましい。35質量部を超えると、これらの光吸収により深部硬化性が低下する傾向にある。
本発明の光硬化性熱硬化性樹脂組成物には、耐熱性を付与するために、前記エポキシ樹脂以外に、さらに熱硬化性樹脂を加えることができる。特に好ましいのは分子中に2個以上の環状エーテル基及び/又は環状チオエーテル基(以下、環状(チオ)エーテル基と略す)を有する熱硬化性成分(D)である。
このような分子中に2つ以上の環状(チオ)エーテル基を有する熱硬化性成分(D)は、分子中に3、4又は5員環の環状エーテル基、又は環状チオエーテル基のいずれか一方又は2種類の基を2個以上有する化合物であり、分子内に少なくとも2つ以上のオキセタニル基を有する化合物、すなわち多官能オキセタン化合物(D−1)、分子内に2個以上のチオエーテル基を有する化合物、すなわちエピスルフィド樹脂(D−2)などが挙げられる。
前記多官能オキセタン化合物(D−1)としては、ビス[(3−メチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エーテル、ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エーテル、1,4−ビス[(3−メチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、(3−メチル−3−オキセタニル)メチルアクリレート、(3−エチル−3−オキセタニル)メチルアクリレート、(3−メチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレート、(3−エチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレートやそれらのオリゴマー又は共重合体等の多官能オキセタン類の他、オキセタンアルコールとノボラック樹脂、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)、カルド型ビスフェノール類、カリックスアレーン類、カリックスレゾルシンアレーン類、又はシルセスキオキサンなどの水酸基を有する樹脂とのエーテル化物などが挙げられる。その他、オキセタン環を有する不飽和モノマーとアルキル(メタ)アクリレートとの共重合体なども挙げられる。
前記分子中に2個以上の環状チオエーテル基を有する化合物(D−2)としては、例えば、ジャパンエポキシレジン社製のビスフェノールA型エピスルフィド樹脂 YL7000などが挙げられる。また、同様の合成方法を用いて、ノボラック型エポキシ樹脂のエポキシ基の酸素原子を硫黄原子に置き換えたエピスルフィド樹脂なども用いることができる。
前記分子中に2つ以上の環状(チオ)エーテル基を有する熱硬化性成分(D)の配合量は、前記エポキシ樹脂(A)と合計して、前記カルボキシル基含有樹脂(B)のカルボキシル基1当量に対して、好ましくは0.6〜2.5当量、より好ましくは、0.8〜2.0当量となる範囲が適当である。分子中に2つ以上の環状(チオ)エーテル基を有する熱硬化性成分(D)の配合量が0.6未満である場合、ソルダーレジスト膜にカルボキシル基が残り、耐熱性、耐アルカリ性、電気絶縁性などが低下するので、好ましくない。一方、2.5当量を超える場合、低分子量の環状(チオ)エーテル基が乾燥塗膜に残存することにより、塗膜の強度などが低下するので、好ましくない。
本発明の光硬化性熱硬化性樹脂組成物には、熱硬化触媒を含有することが好ましい。そのような熱硬化触媒としては、例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体;ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン等のアミン化合物、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド等のヒドラジン化合物;トリフェニルホスフィン等のリン化合物などが挙げられる。また、市販されているものとしては、例えば四国化成工業社製の2MZ−A、2MZ−OK、2PHZ、2P4BHZ、2P4MHZ(いずれもイミダゾール系化合物の商品名)、サンアプロ社製のU−CAT(登録商標)3503N、U−CAT3502T(いずれもジメチルアミンのブロックイソシアネート化合物の商品名)、DBU、DBN、U−CATSA102、U−CAT5002(いずれも二環式アミジン化合物及びその塩)などが挙げられる。特に、これらに限られるものではなく、エポキシ樹脂やオキセタン化合物の熱硬化触媒、もしくはエポキシ基及び/又はオキセタニル基とカルボキシル基の反応を促進するものであればよく、単独で又は2種以上を混合して使用してもかまわない。また、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、メラミン、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン、2−ビニル−2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物等のS−トリアジン誘導体を用いることもでき、好ましくはこれら密着性付与剤としても機能する化合物を前記熱硬化触媒と併用する。
これら熱硬化触媒の配合量は、通常の量的割合で充分であり、例えばカルボキシル基含有樹脂(B)又は分子中に2つ以上の環状(チオ)エーテル基を有する熱硬化性成分(D)100質量部に対して、好ましくは0.1〜20質量部、より好ましくは0.5〜15.0質量部である。
本発明の光硬化性熱硬化性樹脂組成物に用いられる分子中に2個以上のエチレン性不飽和基を有する感光性モノマー(E)は、活性エネルギー線照射により、光硬化して、前記エチレン性不飽和基含有カルボキシル基含有樹脂(B)を、アルカリ水溶液に不溶化、又は不溶化を助けるものである。このような化合物としては、エチレングリコール、メトキシテトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコールのジアクリレート類;ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリス−ヒドロキシエチルイソシアヌレートなどの多価アルコール又はこれらのエチレオキサイド付加物もしくはプロピレンオキサイド付加物などの多価アクリレート類;フェノキシアクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、及びこれらのフェノール類のエチレンオキサイド付加物もしくはプロピレンオキサイド付加物などの多価アクリレート類;グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレートなどのグリシジルエーテルの多価アクリレート類;及びメラミンアクリレート、及び/又は上記アクリレートに対応する各メタクリレート類などが挙げられる。
さらに、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂などの多官能エポキシ樹脂に、アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート樹脂や、さらにそのエポキシアクリレート樹脂の水酸基に、ペンタエリスリトールトリアクリレートなどのヒドロキシアクリレートとイソホロンジイソシアネートなどのジイソシアネートのハ−フウレタン化合物を反応させたエポキシウレタンアクリレート化合物などが挙げられる。このようなエポキシアクリレート系樹脂は、指触乾燥性を低下させることなく、光硬化性を向上させることができる
このような分子中に2個以上のエチレン性不飽和基を有する感光性モノマー(E)の配合量は、前記カルボキシル基含有樹脂(B)100質量部に対して、5〜100質量部、より好ましくは、1〜70質量部の割合が適当である。前記配合量が、5質量部未満の場合、光硬化性が低下し、活性エネルギー線照射後のアルカリ現像により、パターン形成が困難となるので、好ましくない。一方、100質量部を超えた場合、アルカリ水溶液に対する溶解性が低下して、塗膜が脆くなるので、好ましくない。
本発明の光硬化性熱硬化性樹脂組成物は、着色剤(F)を配合することができる。着色剤としては、赤(F−1)、青(F−2)、緑(F−3)、黄(F−4)などの慣用公知の着色剤を使用することができ、顔料、染料、色素のいずれでもよい。但し、環境負荷低減並びに人体への影響の観点からハロゲンを含有しないことが好ましい。
赤色着色剤(F−1):
赤色着色剤としてはモノアゾ系、ジズアゾ系、アゾレーキ系、ベンズイミダゾロン系、ペリレン系、ジケトピロロピロール系、縮合アゾ系、アントラキノン系、キナクリドン系などがあり、具体的には以下のものが挙げられる。
モノアゾ系:PigmentRed 1, 2, 3, 4, 5, 6, 8, 9, 12, 14, 15, 16, 17, 21, 22, 23, 31, 32, 112, 114, 146, 147, 151, 170, 184, 187, 188, 193, 210, 245, 253, 258, 266, 267, 268, 269。
ジスアゾ系:PigmentRed 37, 38, 41。
モノアゾレーキ系:PigmentRed 48:1, 48:2, 48:3, 48:4, 49:1, 49:2, 50:1, 52:1, 52:2, 53:1, 53:2, 57:1, 58:4, 63:1, 63:2, 64:1,68。
ベンズイミダゾロン系:PigmentRed 171、Pigment Red 175、PigmentRed 176、Pigment Red 185、Pigment Red 208。
ぺリレン系:SolventRed 135、Solvent Red 179、Pigment Red 123、Pigment Red 149、Pigment Red 166、Pigment Red 178、Pigment Red 179、Pigment Red 190、Pigment Red 194、PigmentRed 224。
ジケトピロロピロール系:PigmentRed 254、Pigment Red 255、PigmentRed 264、Pigment Red 270、Pigment Red 272。
縮合アゾ系:PigmentRed 220、Pigment Red 144、PigmentRed 166、Pigment Red 214、Pigment Red 220、Pigment Red 221、Pigment Red 242。
アンスラキノン系:PigmentRed 168、Pigment Red 177、Pigment Red 216、SolventRed 149、Solvent Red 150、Solvent Red 52、Solvent Red 207。
キナクリドン系:PigmentRed 122、Pigment Red 202、PigmentRed 206、Pigment Red 207、Pigment Red 209。
青色着色剤(F−2):
青色着色剤としてはフタロシアニン系、アントラキノン系があり、顔料系はピグメント(Pigment)に分類されている化合物、具体的には、下記のようなカラ−インデックス(C.I.;ザ ソサイエティ オブ ダイヤーズ アンド カラリスツ(The Society of Dyers and Colourists)発行)番号が付されているものを挙げることができる:Pigment Blue 15、Pigment Blue 15:1、Pigment Blue 15:2、Pigment Blue 15:3、PigmentBlue 15:4、Pigment Blue 15:6、Pigment Blue 16、Pigment Blue 60。
染料系としては、SolventBlue 35、Solvent Blue 63、SolventBlue 68、Solvent Blue 70、SolventBlue 83、Solvent Blue 87、SolventBlue 94、Solvent Blue 97、SolventBlue 122、Solvent Blue 136、Solvent Blue 67、Solvent Blue 70等を使用することができる。上記以外にも、金属置換もしくは無置換のフタロシアニン化合物も使用することができる。
緑色着色剤(F−3):
緑色着色剤としては、同様にフタロシアニン系、アントラキノン系、ペリレン系があり、具体的にはPigment Green 7、Pigment Green 36、Solvent Green 3、SolventGreen 5、Solvent Green 20、SolventGreen 28等を使用することができる。上記以外にも、金属置換もしくは無置換のフタロシアニン化合物も使用することができる。
黄色着色剤(F−4):
黄色着色剤としてはモノアゾ系、ジスアゾ系、縮合アゾ系、ベンズイミダゾロン系、イソインドリノン系、アントラキノン系等があり、具体的には以下のものが挙げられる。
アントラキノン系:SolventYellow 163、Pigment Yellow 24、Pigment Yellow 108、Pigment Yellow 193、Pigment Yellow 147、Pigment Yellow 199、PigmentYellow 202。
イソインドリノン系:PigmentYellow 110、Pigment Yellow 109、Pigment Yellow 139、PigmentYellow 179、Pigment Yellow 185。
縮合アゾ系:PigmentYellow 93、Pigment Yellow 94、PigmentYellow 95、Pigment Yellow 128、PigmentYellow 155、Pigment Yellow 166、Pigment Yellow 180。
ベンズイミダゾロン系:PigmentYellow 120、Pigment Yellow 151、PigmentYellow 154、Pigment Yellow 156、Pigment Yellow 175、Pigment Yellow 181。
モノアゾ系:PigmentYellow 1, 2, 3, 4, 5, 6, 9, 10, 12, 61, 62, 62:1, 65, 73, 74, 75, 97, 100, 104, 105, 111, 116, 167, 168, 169, 182, 183。
ジスアゾ系:PigmentYellow 12, 13, 14, 16, 17, 55, 63, 81, 83, 87, 126, 127, 152, 170, 172, 174, 176, 188, 198。
その他、色調を調整する目的で紫、オレンジ、茶色、黒などの着色剤を加えてもよい。
具体的に例示すれば、PigmentViolet 19、23、29、32、36、38、42、Solvent Violet 13、36、C.I.ピグメントオレンジ1、C.I.ピグメントオレンジ5、C.I.ピグメントオレンジ13、C.I.ピグメントオレンジ14、C.I.ピグメントオレンジ16、C.I.ピグメントオレンジ17、C.I.ピグメントオレンジ24、C.I.ピグメントオレンジ34、C.I.ピグメントオレンジ36、C.I.ピグメントオレンジ38、C.I.ピグメントオレンジ40、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントオレンジ46、C.I.ピグメントオレンジ49、C.I.ピグメントオレンジ51、C.I.ピグメントオレンジ61、C.I.ピグメントオレンジ63、C.I.ピグメントオレンジ64、C.I.ピグメントオレンジ71、C.I.ピグメントオレンジ73、C.I.ピグメントブラウン23、C.I.ピグメントブラウン25、C.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック7等がある。
前記したような着色剤(F)の配合割合は、特に制限はないが、前記カルボキシル基含有樹脂(B)100質量部に対して、好ましくは0〜10質量部、特に好ましくは0.1〜5質量部の割合で充分である。
本発明の光硬化性熱硬化性樹脂組成物は、その塗膜の物理的強度等を上げるために、必要に応じて、フィラーを配合することができる。このようなフィラーとしては、公知慣用の無機又は有機フィラーが使用できるが、特に硫酸バリウム、球状シリカ及びタルクが好ましく用いられる。さらに、白色の外観や難燃性を得るために酸化チタンや金属酸化物、水酸化アルミニウムなどの金属水酸化物を体質顔料フィラーとしても使用することができる。フィラーの配合量は、好ましくは組成物全体量の75質量%以下、より好ましくは0.1〜60質量%の割合である。フィラーの配合量が、組成物全体量の75質量%を超えた場合、絶縁組成物の粘度が高くなり、塗布、成形性が低下したり、硬化物が脆くなるので好ましくない。
さらに、本発明の光硬化性熱硬化性樹脂組成物は、上記カルボキシル基含有樹脂(B)の合成や組成物の調製のため、又は基板やキャリアフィルムに塗布するための粘度調整のため、有機溶剤を使用することができる。
このような有機溶剤としては、ケトン類、芳香族炭化水素類、グリコールエーテル類、グリコールエーテルアセテ−ト類、エステル類、アルコール類、脂肪族炭化水素、石油系溶剤などを挙げることができる。より具体的には、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;セロソルブ、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテ−ト、プロピレングリコールメチルエーテルアセテ−ト、プロピレングリコールエチルエーテルアセテ−ト、プロピレングリコールブチルエーテルアセテ−トなどのエステル類;エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類;オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素;石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤などである。このような有機溶剤は、単独で又は2種以上の混合物として用いられる。
本発明の光硬化性熱硬化性樹脂組成物は、さらに必要に応じて、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、t−ブチルカテコール、ピロガロール、フェノチアジンなどの公知慣用の熱重合禁止剤、微粉シリカ、有機ベントナイト、モンモリロナイトなどの公知慣用の増粘剤、シリコーン系、フッ素系、高分子系などの消泡剤及び/又はレベリング剤、イミダゾール系、チアゾール系、トリアゾール系等のシランカップリング剤、酸化防止剤、防錆剤などのような公知慣用の添加剤類を配合することができる。
本発明の光硬化性熱硬化性樹脂組成物は、例えば前記有機溶剤で塗布方法に適した粘度に調整し、基材上に、ディップコート法、フローコート法、ロールコート法、バーコーター法、スクリーン印刷法、カーテンコート法等の方法により塗布し、約60〜100℃の温度で組成物中に含まれる有機溶剤を揮発乾燥(仮乾燥)させることにより、タックフリーの塗膜を形成できる。また、上記組成物をキャリアフィルム上に塗布し、乾燥させてフィルムとして巻き取ったものを基材上に張り合わせることにより、樹脂絶縁層を形成できる。その後、接触式(又は非接触方式)により、パターンを形成したフォトマスクを通して選択的に活性エネルギー線により露光もしくはレーザーダイレクト露光機により直接パターン露光し、未露光部を希アルカリ水溶液(例えば0.3〜3wt%炭酸ソ−ダ水溶液)により現像してレジストパターンが形成される。さらに、例えば約140〜180℃の温度に加熱して熱硬化させることにより、前記カルボキシル基含有樹脂(B)のカルボキシル基と、前記エポキシ樹脂(A)あるいはさらに分子中に2個以上の環状エーテル基及び/又は環状チオエーテル基を有する熱硬化性成分(D)が反応し、耐熱性、耐薬品性、耐吸湿性、密着性、電気特性などの諸特性に優れた硬化塗膜を形成することができる。
上記基材としては、予め回路形成されたプリント配線板やフレキシブルプリント配線板の他、紙−フェノール樹脂、紙−エポキシ樹脂、ガラス布−エポキシ樹脂、ガラス−ポリイミド、ガラス布/不繊布−エポキシ樹脂、ガラス布/紙−エポキシ樹脂、合成繊維−エポキシ樹脂、フッ素樹脂・ポリエチレン・PPO・シアネートエステル等の複合材を用いた全てのグレード(FR−4等)の銅張積層板、ポリイミドフィルム、PETフィルム、ガラス基板、セラミック基板、ウエハ板等を用いることができる。
本発明の光硬化性熱硬化性樹脂組成物を塗布した後に行う揮発乾燥は、熱風循環式乾燥炉、IR炉、ホットプレート、コンベクションオーブンなど(蒸気による空気加熱方式の熱源を備えたものを用いて乾燥機内の熱風を向流接触せしめる方法及びノズルより支持体に吹き付ける方式)を用いて行うことができる。
以下のように本発明の光硬化性熱硬化性樹脂組成物を塗布し、揮発乾燥した後、得られた塗膜に対し、露光(活性エネルギー線の照射)を行う。塗膜は、露光部(活性エネルギー線により照射された部分)が硬化する。
上記活性エネルギー線照射に用いられる露光機としては、直接描画装置(例えばコンピューターからのCADデータにより直接レーザーで画像を描くレーザーダイレクトイメージング装置)、メタルハライドランプを搭載した露光機、(超)高圧水銀ランプを搭載した露光機、水銀ショートアークランプを搭載した露光機、もしくは(超)高圧水銀ランプなどの紫外線ランプを使用した直接描画装置を用いることができる。活性エネルギー線としては、最大波長が350〜410nmの範囲にあるレーザー光を用いていればガスレーザー、固体レーザーどちらでもよい。また、その露光量は膜厚等によって異なるが、一般には5〜200mJ/cm、好ましくは5〜100mJ/cm、さらに好ましくは5〜50mJ/cmの範囲内とすることができる。上記直接描画装置としては、例えば日本オールボテック社製、ペンタックス社製等のものを使用することができ、最大波長が350〜410nmのレーザー光を発振する装置であればいずれの装置を用いてもよい。
前記現像方法としては、ディッピング法、シャワー法、スプレー法、ブラシ法等によることができ、現像液としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア、アミン類などのアルカリ水溶液が使用できる。
本発明の光硬化性熱硬化性樹脂組成物は、液状で直接基材に塗布する方法以外にも、予めポリエチレンテレフタレート等のフィルムにソルダーレジストを塗布・乾燥して形成したソルダーレジスト層を有するドライフィルムの形態で使用することもできる。本発明の光硬化性熱硬化性樹脂組成物をドライフィルムとして使用する場合を以下に示す。
ドライフィルムは、キャリアフィルムと、ソルダーレジスト層と、必要に応じて用いられる剥離可能なカバーフィルムとが、この順序に積層された構造を有するものである。ソルダーレジスト層は、アルカリ現像性の光硬化性熱硬化性樹脂組成物をキャリアフィルム又はカバーフィルムに塗布・乾燥して得られる層である。キャリアフィルムにソルダーレジスト層を形成した後に、カバーフィルムをその上に積層するか、カバーフィルムにソルダーレジスト層を形成し、この積層体をキャリアフィルムに積層すればドライフィルムが得られる。
キャリアフィルムとしては、2〜150μmの厚みのポリエステルフィルム等の熱可塑性フィルムが用いられる。
ソルダーレジスト層は、アルカリ現像性光硬化性熱硬化性樹脂組成物をブレードコーター、リップコーター、コンマコーター、フィルムコーター等でキャリアフィルム又はカバーフィルムに10〜150μmの厚さで均一に塗布し乾燥して形成される。
カバーフィルムとしては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等を使用することができるが、ソルダーレジスト層との接着力が、キャリアフィルムよりも小さいものが良い。
ドライフィルムを用いてプリント配線板上に保護膜(永久保護膜)を作製するには、カバーフィルムを剥がし、ソルダーレジスト層と回路形成された基材を重ね、ラミネーター等を用いて張り合わせ、回路形成された基材上にソルダーレジスト層を形成する。形成されたソルダーレジスト層に対し、前記と同様に露光、現像、加熱硬化すれば、硬化塗膜を形成することができる。キャリアフィルムは、露光前又は露光後のいずれかに剥離すればよい。
以下に実施例及び比較例を示して本発明について具体的に説明するが、本発明が下記実施例に限定されるものではないことはもとよりである。尚、以下において「部」及び「%」とあるのは、特に断りのない限り全て質量基準である。
合成例1(カルボキシル基含有樹脂の合成)
攪拌機、温度計、環流冷却管、滴下ロ−ト及び窒素導入管を備えた2リットールのセパラブルフラスコに、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、EOCN−104S、軟化点92℃、エポキシ当量220)660g、カルビトールアセテート421.3g、及びソルベントナフサ180.6gを導入し、90℃に加熱・攪拌し、溶解した。次に、一旦60℃まで冷却し、アクリル酸216g、トリフェニルホスフィン4.0g、メチルハイドロキノン1.3gを加えて、100℃で12時間反応させ、酸価が0.2mgKOH/gの反応生成物を得た。これにテトラヒドロ無水フタル酸241.7gを仕込み、90℃に加熱し、6時間反応させた。これにより、酸価50mgKOH/g、二重結合当量(不飽和基1モル当りの樹脂のg重量)400、重量平均分子量7,000の固形分濃度65%の感光性カルボキシル基含有樹脂の溶液を得た。以下、この感光性カルボキシル基含有樹脂の溶液をB1ワニスと称す。
合成例2(カルボキシル基含有樹脂の合成)
エポキシ当量800、軟化点79℃のビスフェノールF型固型エポキシ樹脂400部をエピクロルヒドリン925部とジメチルスルホキシド462.5部を溶解させた後、攪拌下70℃で98.5%NaOH 81.2部を100分かけて添加した。添加後さらに70℃で3時間反応を行なった。次いで過剰の未反応エピクロルヒドリン及びジメチルスルホキシドの大半を減圧下に留去し、副生塩とジメチルスルホキシドを含む反応生成物をメチルイソブチルケトン750部に溶解させ、さらに30%NaOH 10部を加え70℃で1時間反応させた。反応終了後、水200部で2回水洗を行った。油水分離後、油層よりメチルイソブチルケトンを蒸留回収して、エポキシ当量290、軟化点62℃のエポキシ樹脂(A−0)370部を得た。
次いで、得られたエポキシ樹脂(A−0)2900部(10当量)、アクリル酸720部(10当量)、メチルハイドロキノン2.8部、カルビトールアセテート1950部を仕込み、90℃に加熱、攪拌し、反応混合物を溶解した。次いで、反応液を60℃に冷却し、トリフェニルフォスフィン16.7部を仕込み、100℃に加熱し、約32時間反応し、酸価が1.0mgKOH/gの反応物を得た。次に、これに無水コハク酸786部(7.86モル)、カルビトールアセテート423部を仕込み、95℃に加熱し、約6時間反応させた。これにより、固形分の酸価が100mgKOH/gの固形分濃度65%の感光性カルボキシル基含有樹脂の溶液を得た。以下、この感光性カルボキシル基含有樹脂の溶液をB2ワニスと称す。
実施例1、2、参考例1〜3及び比較例1〜3
表1に示す種々の成分を各配合例に示す割合(質量部)にて配合し、攪拌機にて予備混合した後、密封容器に入れ、100℃の熱風循環式乾燥機にて60分加熱した。得られた組成物が完全に溶解状態であることを確認した後、攪拌機にて攪拌し、室温にて2時間放置し、室温に戻ったことを確認後、この混合液を5μmフィルターを用いてろ過しA液を得た。得られたA液をエリクセン社製グラインドメータにより粒度測定を行い分散度を評価したところ5μm以下であった。このA液を5℃で24時間放置後、エリクセン社製グラインドメータにより粒度測定を行い分散度を評価した。
分散度の評価結果を表2に示す
Figure 0005688116
Figure 0005688116
表2に示されるように、本発明に従って(A−1)と(A−2)のエポキシ樹脂を用いた実施例1、2及びA−1成分を用いなかった比較例3においては分散度は5μm以下であったのに対し、(A−1)と(A−2)のエポキシ樹脂を本発明で規定する割合で用いなかった比較例1、2においてはいずれもA−1成分が原因と考えられる粗大粒子が発生し、分散度が大幅に低下した。
実施例3
前記配合例1−4のDPHAに代えて、KAYARAD TMPTA(トリメチロールプロパントリアクリレート、日本化薬(株)製)を20部使用してA液を調整し、実施例2と同様に分散度の評価を行ったところ、分散度は5μm以下であった。
実施例4
前記配合例1−4のDPHAに代えて、NKエステルA−DCP(ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、新中村化学工業(株)製)を20部使用してA液を調整し、実施例2と同様に分散度の評価を行ったところ、分散度は5μm以下であった。
実施例5
前記配合例1−4のDPHAに代えて、アロニックスM−350(トリメチロールプロパンEO変性トリアクリレート、東亞合成(株)製)を20部使用してA液を調整し、実施例2と同様に分散度の評価を行ったところ、分散度は5μm以下であった。
実施例6
前記配合例1−4のDPHAに代えて、TMPTMA(トリメチロールプロパントリメタクリレート、新中村化学工業(株)製)を20部使用してA液を調整し、実施例2と同様に分散度の評価を行ったところ、分散度は5μm以下であった。
実施例7
前記配合例1−4のDPHAに代えて、NKエステルBPE−500(エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート、新中村化学工業(株)製)を20部使用してA液を調整し、実施例2と同様に分散度の評価を行ったところ、分散度は5μm以下であった。
実施例8、参考例4、5及び比較例4
前記合成例のカルボキシル基含有樹脂溶液B1ワニスを用い、表3の配合例2に示す種々の成分のうち硫酸バリウムスラリー以外を表3に示す割合(質量部)にて配合し、攪拌機にて予備混合した後、3本ロールミルで混練した。次に、この組成物に硫酸バリウムスラリーを表3に示す割合(質量部)で添加し攪拌機にて攪拌した。この組成物を5μmフィルターを用いてろ過しB液を調整した。得られたB液をエリクセン社製グラインドメータにより粒度測定を行い分散度を評価したところ5μm以下であった。次に、この組成物を5℃で24時間放置後、エリクセン社製グラインドメータにより粒度測定を行い分散度を評価したところ5μm以下であった。
Figure 0005688116
次に、表4の配合例3に示す種々の成分を表4に示す割合(質量部)にて配合し、攪拌機にて予備混合した後、3本ロールミルで混練し、C液を調整した。得られたC液をエリクセン社製グラインドメータにより粒度測定を行い分散度を評価したところ15μm以下であった。
Figure 0005688116
<乾燥塗膜上の粗大粒子>
配合例2のB液と配合例3のC液をそれぞれ混合後、攪拌機にて混合し、光硬化性熱硬化性樹脂組成物を得た。この光硬化性熱硬化性樹脂組成物を、それぞれメチルエチルケトンで適宜希釈し、攪拌機で十分に攪拌した後、エリクセン社製グラインドメータにより粒度測定を行い分散度を評価したところ、C液の分散度は15μm以下であったにもかかわらず、5μm以下であった。これはC液の5μm以上の粗大粒子がB液と混合した際溶解したためと思われる。つぎに、この液をアプリケーターにて乾燥後塗膜が50μmになるようにPETフィルム(東レ(株)製 FB−50:16μm)に塗布し、80℃の熱風循環式乾燥炉で30分間乾燥させ、15℃で24時間放冷させた。この板を光学顕微鏡にて観察し、結晶状粗大粒子の有無を評価した。判定基準は以下のとおりである。
○:結晶状粗大粒子なし
△:わずかに結晶の発生が認められる
×:結晶状粗大粒子多数発生
<乾燥塗膜のラミネート性>
パターン形成した銅箔基板をバフ研磨した後、上記にて観察した乾燥塗膜を真空ラミネーター((株)名機製作所製 MVLP−500)を用いて加圧度:0.8MPa、70℃、1分、真空度:133.3Paの条件で加熱ラミネートして、未露光のソルダーレジスト層を有する基板(未露光の基板)を得た。
この基板を光学顕微鏡にて観察し、以下の判定基準を用いて評価した。評価結果を表5に示す。
○:ラミネート後の面状態は平滑である
△:ラミネート不良により一部に凹凸発生
×:ラミネート不良により全面に凹凸が発生
Figure 0005688116
表5に示されるように、本発明に従って(A−1)と(A−2)のエポキシ樹脂を用いた実施例8の場合、B液とC液を混合して得られた光硬化性熱硬化性樹脂組成物を、それぞれメチルエチルケトンで適宜希釈し、攪拌機で十分に攪拌した場合、粗大粒子はすべて溶解し、乾燥後24時間が経過しても、乾燥塗膜にはA−1成分が原因と考えられる粗大粒子が発生しなかった。また、この塗膜をラミネートしても平滑性が得られた。それに対し、比較例4の場合には、メチルエチルケトンで希釈、攪拌後には粗大粒子はすべて溶解したものの、乾燥放置後にはA−1成分が原因と考えられる粗大粒子が発生し、ラミネート後の基板上塗膜も不均一になった。
実施例9
配合例2のB1ワニスに代えてB2ワニス155部を用いてB液を調整し、実施例8と同様の方法にて、ドライフィルムの作製、面状態の評価を実施した。結果は実施例8と同様であった。
実施例10
配合例2のB1ワニスに代えてサイクロマーP(ACA)Z250(ダイセル・サイテック社製カルボキシル基含有樹脂、固形分45質量%)222部を用いてB液を調整し、実施例8と同様の方法にて、ドライフィルムの作製、面状態の評価を実施した。結果は実施例8と同様であった。
実施例11、12、参考例6〜8、比較例5〜7
表6の配合例4に示す種々の成分を配合例4に示す割合(質量部)にて配合し、攪拌機にて予備混合した後、3本ロールミルで混練し、D液を調整した。得られた組成物の分散度をエリクセン社製グラインドメータによる粒度測定にて評価したところ15μm以下であった。
Figure 0005688116
実施例13、比較例8
表7の配合例5に示す種々の成分を配合例5に示す割合(質量部)にて配合し、攪拌機にて予備混合した後、3本ロールミルで混練し、E液を調整した。得られた組成物の分散度をエリクセン社製グラインドメータによる粒度測定にて評価したところ15μm以下であった。
Figure 0005688116
次に、前記A液、E液とD液を、表8に示す組み合わせで混合後、攪拌機で攪拌し、光硬化性熱硬化性樹脂組成物を得た。なお、A液、E液は調製後、15℃にて7日間放置後のものを用いた。
Figure 0005688116
性能評価:
<乾燥塗膜上の粗大粒子>
前記実施例11〜13、参考例6〜8及び比較例5〜8の光硬化性熱硬化性樹脂組成物を、アプリケーターにて乾燥後塗膜が50μmになるようにガラス板に塗布し、80℃の熱風循環式乾燥炉で30分間乾燥させ、室温で24時間放冷させた。この板を光学顕微鏡にて観察し、結晶状粗大粒子の有無を評価した。判定基準は以下のとおりである。
○:結晶状粗大粒子なし
△:わずかに結晶の発生が認められる
×:結晶状粗大粒子多数発生
<最適露光量>
前記実施例11〜13、参考例6〜8及び比較例5〜8の光硬化性熱硬化性樹脂組成物を、銅厚35μmの回路パターン基板をバフロール研磨後、水洗し、乾燥してからスクリーン印刷法により全面に塗布し、80℃の熱風循環式乾燥炉で60分間乾燥させた。乾燥後、高圧水銀灯(ショートアークランプ)搭載の露光装置を用いてステップタブレット(Kodak No.2)を介して露光し、現像(30℃、0.2MPa、1wt%NaCO水溶液)を60秒で行った際残存するステップタブレットのパターンが7段の時を最適露光量とした。
特性試験:
上記各実施例11〜13、参考例6〜8及び比較例5〜8の組成物を、パターン形成された銅箔基板上にスクリーン印刷で乾燥後の膜厚が20μmになるように全面塗布し、80℃で30分乾燥し、室温まで放冷する。この基板に高圧水銀灯(ショートアークランプ)搭載の露光装置を用いて最適露光量でソルダーレジストパターンを露光し、30℃の1wt%NaCO水溶液をスプレー圧0.2MPaの条件で60秒間現像を行い、レジストパターンを得た。この基板を、UVコンベア炉にて積算露光量1000mJ/cmの条件で紫外線照射した後、150℃で60分加熱して硬化した。得られたプリント基板(評価基板)に対して以下のように特性を評価した。
<はんだ耐熱性>
ロジン系フラックスを塗布した評価基板を、予め260℃に設定したはんだ槽に浸漬し、変性アルコールでフラックスを洗浄した後、目視によるレジスト層の膨れ・剥がれについて評価した。判定基準は以下のとおりである。
◎:10秒間浸漬を6回以上繰り返しても剥がれが認められない。
○:10秒間浸漬を3回以上繰り返しても剥がれが認められない。
△:10秒間浸漬を3回以上繰り返すと少し剥がれる。
×:10秒間浸漬を3回以内にレジスト層に膨れ、剥がれがある。
<耐無電解金めっき性>
市販品の無電解ニッケルめっき浴及び無電解金めっき浴を用いて、ニッケル0.5μm、金0.03μmの条件でめっきを行い、テープピーリングにより、レジスト層の剥がれの有無やめっきのしみ込みの有無を評価した後、テープピーリングによりレジスト層の剥がれの有無を評価した。判定基準は以下のとおりである。
◎:染み込み、剥がれが見られない。
○:めっき後に少し染み込みが確認されるが、テープピール後は剥がれない。
△:めっき後にほんの僅かしみ込みが見られ、テープピール後に剥がれも見られる。
×:めっき後に剥がれが有る。
<電気特性>
銅箔基板に代えてライン/スペース=20/20μmのクシ型電極パターンを用い、上記の条件で評価基板を作製し、このクシ型電極10ピースにDC10Vのバイアス電圧を印加し、130℃、85%R.H.にて絶縁抵抗値を槽内で測定した。測定中、抵抗値が10Ω以下となったクシ型電極をショートと判定し、100時間後にショートしなかったクシ型電極の数をカウントした。
実施例14
<ドライフィルム作製>
実施例11の光硬化性熱硬化性脂組成物をそれぞれメチルエチルケトンで適宜希釈した後、アプリケーターを用いて、乾燥後の膜厚が20μmになるようにPETフィルム(東レ(株)製 FB−50:16μm)に塗布し、80℃で30分乾燥させドライフィルムを得た。
<基板作製>
パターン形成された銅箔基板をバフ研磨した後、上記方法にて作製したドライフィルムを真空ラミネーター((株)名機製作所製 MVLP−500)を用いて加圧度:0.8MPa、70℃、1分、真空度:133.3Paの条件で加熱ラミネートして、未露光のソルダーレジスト層を有する基板(未露光の基板)を得た。
得られた硬化皮膜を有する試験基板について、前記試験方法及び評価方法にて各評価試験を行った。
前記各評価試験の結果を表9に示す。
Figure 0005688116
上記表9に示されるように、本発明の実施例11〜14の場合、比較例5〜8と比較して乾燥塗膜上に粗大粒子を発生させることがなく、又はんだ耐熱性、耐無電解金めっき性、電気特性に優れていた。
一方、A−2成分を十分に含まない比較例5の場合、結晶状の粗大粒子の減少が認められたが、完全に再結晶の発生を防止するところまで至らなかった。さらに、比較例6及び8の場合、粗大粒子が多数発生したことが原因と考えられる電気特性の低下が認められた。比較例7では、粗大粒子は発生しなかったものの、はんだ耐熱性、電気特性の低下が認められた。

Claims (6)

  1. (A)エポキシ樹脂、(B)カルボキシル基含有樹脂、及び(C)光重合開始剤を含有する組成物において、予め、1分子中に2個以上のエチレン性不飽和基を有する液状の感光性モノマー(E)及び有機溶剤の少なくともいずれか1種に混合した上記カルボキシル基含有樹脂(B)及び光重合開始剤(C)を含む光硬化性液と、予め、1分子中に2個以上のエチレン性不飽和基を有する液状の感光性モノマー(E)及び有機溶剤の少なくともいずれか1種に混合した上記エポキシ樹脂(A)を含む熱硬化性液とを、混合した組成物であって、上記エポキシ樹脂(A)が、下記一般式(I)に示す構造を有する2官能ビフェニルエポキシ樹脂(A−1)と、軟化点40〜100℃でエポキシ当量が180〜300のビフェノールノボラック型エポキシ樹脂又はビフェノールノボラック型エポキシ樹脂とビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂(A−2)との混合物であり、(A−1)と(A−2)の割合が(A−1)<(A−2)であり、該組成物の乾燥塗膜において前記エポキシ樹脂(A)の粗大粒子が存在しないことを特徴とするアルカリ現像性の光硬化性熱硬化性樹脂組成物。
    Figure 0005688116
    (式中、RはH又はCHを表す。)
  2. 前記カルボキシル基含有樹脂(B)が酸価40〜120mgKOH/gを有し、その100質量部に対し、前記エポキシ樹脂の(A−1)と(A−2)の混合物が20〜60質量部であることを特徴とする請求項1に記載の光硬化性熱硬化性樹脂組成物。
  3. ソルダーレジスト形成用であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光硬化性熱硬化性樹脂組成物。
  4. 前記請求項1乃至のいずれか一項に記載の光硬化性熱硬化性樹脂組成物を、キャリアフィルムに塗布・乾燥させて得られるドライフィルム。
  5. 前記請求項1乃至のいずれか一項に記載の光硬化性熱硬化性樹脂組成物、又はこの光硬化性熱硬化性樹脂組成物をキャリアフィルムに塗布・乾燥させて得られるドライフィルムを、光硬化及び/又は熱硬化させて得られる硬化物。
  6. 前記請求項に記載の硬化物を有するプリント配線板。
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