JP5687595B2 - 建物内避難設備 - Google Patents
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Description
また、特許文献3の非常避難用設備は大きな空間を要することから、建物空間の有効利用という観点から室内用の避難用設備としては採用しづらい。
しかも、斜行昇降具内にすべり台が設けられることもないから、斜行昇降具とすべり面を有する避難用具(以下「すべり台」ということがある。)を同時に使用可能とすることができ、高い避難効率を確保することができる。
また、すべり台は10階までの利用が認められている安全性の高い避難用具であるので、幼児や怪我人・病人等を極めて安全・容易・確実に避難させることができる。
さらに,当該避難用具は階段内に吊り具で設置されているため、階段を歩行している避難者からも避難状況を容易に確認することができる。
このため、普通のオフィス用ビルの2階以上の床面にも保育施設を設けることができ、また建物の高層階に病室等を設けることができ、レイアウトの自由度を高めることができる。
以上のことは、新規建物においても同様の効果を奏するものである。
また、各吊り具の長さを調整することにより簡単にすべり面の傾斜角度を微妙に調整することができ、避難を安全に遂行することができる。
さらに、避難用具の始端部と終端部を各避難室に望ませるだけの構成であるから、その始端・終端の構造を簡素化できる。
また、避難用具の始端部は、特定階の踊り場とその1つ上の踊り場を接続する斜行昇降具の下端部から所定寸法高いレベルの下面に吊り下げて直ちに旋回部に到達するから、すべり初速をコントロールすることができ、避難者の不安感を除去することができる。
さらに、始端部のレベルは前記第2の避難室と略同一レベルに設定されていることから、幼児等を避難用具に容易に乗り込ませることができる。
図1(a)は、通常階の廊下2に接続された階段室1を示す平面図である。そして、この実施例は、特定階の階段室1の踊り場13に隣接して特定階避難室3を設けている。
21.22は階段室1・避難室3のぞれぞれと廊下2とを区画する防火扉である。
ここでいう特定階は、自力では避難することができない、乳幼児を預かる保育所や歩行不能な怪我人・重篤な病人などを収容する病室等が設けられた階をさし、本実施例においては3階である。本発明の建物内避難設備は、この特定階から1階や地下階の脱出階まで、これらの自力では避難することができない人たちを安全に素早く避難させるために建物内に設けられた設備である。
特定階避難室3は、特定階の床と略同一レベルとされた第1の避難室31と、この第一の避難室の床面から所定寸法低いレベルの第2の避難室32と、これら第1・第2の避難室31.32を接続する避難室内階段33とから構成された立体的な区画である。
ここで略同一レベルとは、ストレッチャーや車椅子が移動可能なように段差を傾斜板にて解消するバリアフリー構造を含む概念である。
なお、脱出階避難室5は、本実施例においては図2に示すように、階段18の下り方向から見て踊り場19奥側に設けているが、建物の間取りの都合で同方向から見て踊り場19の右側に設けてもよく、また、階段20の下方に設けてもよい。
要するに、建物の間取りを勘案してすべり台をすべり下りてくる幼児等の避難者を安全・確実に収容できる位置、高さに必要なスペースを確保して設ければよい。
なお、当該避難用具4の利用者の落下を防止するために、手摺子の間隔を所定寸法としたり、あるいはすべり台側面に金網などの面材を設ける構造とすることもできる。
この吊り具45は、すべり台41の両側板43.43外面から外方に所定の間隔を空けて垂設される2本の縦部材46.46とこれら縦部材の下端部を連結する水平部材47とからなっていて、すべり方向に適宜間隔ですべり台41底面に複数個固定される。
避難用具4は、すべり面の傾斜角度とすべり下り速度を適度にするため、これら複数の吊り具の長尺袋ナットを回動させ螺合長さを調整することにより、斜行昇降具の下面に沿って底板のすべり面までの距離を適宜の所定寸法として吊り下げられて設置されることとなる。なお、長尺袋ナットはダブルナット等にて緩み止めされている。
その始端部411の底板レベルは、脱出階避難室3の第2の避難室32と同じレベルとして段差を解消して迅速な脱出を図っている。
すなわち、すべり台の直線部である程度加速して旋回部で減速する運動を繰り返しながらすべり下りていけるように設計してある。
なお、階段幅が広い場合には旋回部412の階段下り方向と直交する横方向距離が長くなるので、旋回部に相当程度の勾配を付して必要なすべり速度を確保することもある。
減速面49のレベルは、脱出階避難室5の床面のレベルと同じとするか少し高くするかいずれでもよいが、要は避難介助者が避難者を手早く収容可能な高さを選定することである。
この変形例の特定階避難室3’は、3階と4階の中間に設けられた中間階踊り場11に隣接して設置されている。
特定階避難室3’は、特定階の床と略同一レベルとされた第1の避難室31’と、この第一の避難室の床面から所定寸法高いレベルの第2の避難室32’と、これら第1・第2の避難室31.32を接続する避難室内階段33’とから構成された立体的な区画である。
以上の説明から明らかなように、特定階避難室は、特定階の階段室1の踊り場13、その上階との中間階の踊り場11のいずれに設けても機能的にみて何ら変わらない。
本実施例は、少なくとも建物の特定階から脱出階に亘って斜行昇降具が配設された建物内に配備された建物内避難設備である点、及び、底板と側板と手摺を備えた避難用具が、上端が斜行昇降具の下面に取付けられ、側板外面から外方に所定の間隔を空けて垂設される複数の吊り具により、斜行昇降具の下面に沿って底板のすべり面までの距離を所定寸法として吊り下げられて設置される点においては、実施例1との間において基本的な構成の差異はない。
しかしながら、本実施例は特定階に避難室を備えていないことから、すべり台41を階段12.14・・・の下面に取付けたとしても、避難者をすべり台41に乗り込ませる手段がない。
この階段の手摺21に形成された開口部23が、避難用具の入り口411として機能するところが本実施例の特徴的な構成である。
したがって、避難介助者は避難者を抱きかかえてすべり台41に安定的に搭乗させてから左方向に向きを変えながら背中を押す。すべり始め以後の動きについては実施例1と同じてある。すなわち、すぐに特定階の踊り場の下面の上記旋回部412に到達してゆっくりと旋回しながら折り返して反対方向にすべり下りることとなる。
つまり、脱出階と下階を接続する階段の上部位置の手摺に開口部を形成するのである。
そして、脱出階とその上階を接続する階段の下方に吊り下げられたすべり台41の終端部である出口を上記開口に臨ませるのである。
このときは、避難者が出口部で停止不可の状態となって怪我をすることがないように、減速面49の勾配を上りとする等して確実に停止状態を実現することが重要である。
さらにまた、この緊急避難扉を複数階に設置して緊急時対応をきめ細かく準備することも可能となる。
2 廊下
3(3’) 特定階避難室
4 避難用具
41 すべり台
45 吊り具
5 脱出階避難室
Claims (4)
- 少なくとも建物の特定階から脱出階に亘って階段やエスカレータ等の斜行昇降具が配設され、前記特定階の踊り場近傍に、前記特定階の床面と略同一レベルの第1の避難室と該第1の避難室の床面とはレベルの異なる第2の避難室と前記第1の避難室と前記第2の避難室とを接続する避難室内階段とからなる特定階避難室が設置されるとともに、前記建物の脱出階の踊り場近傍に、床面を脱出階レベルまたはそれに近いレベルとして脱出階避難室が設置された建物内に配備された建物内避難設備であって、
底板と側板と手摺を備えた避難用具が、上端が前記斜行昇降具の下面に取付けられ、前記側板外面から外方に所定の間隔を空けて垂設される複数の吊り具により、前記斜行昇降具の下面に沿って前記底板のすべり面までの距離を所定寸法として吊り下げられて設置され、
前記避難用具の始端部は、前記第2の避難室内に臨むとともに、
前記避難用具の終端部は、前記脱出階避難室内に臨んでいる建物内避難設備。 - 少なくとも建物の特定階から脱出階に亘って階段やエスカレータ等の斜行昇降具が配設された建物内に配備された建物内避難設備であって、
底板と側板と手摺を備えた避難用具が、上端が前記斜行昇降具の下面に取付けられ、前記側板外面から外方に所定の間隔を空けて垂設される複数の吊り具により、前記斜行昇降具の下面に沿って前記底板のすべり面までの距離を所定寸法として吊り下げられて設置され、
前記避難用具の始端部は、前記特定階の踊り場と脱出階とを接続する斜行昇降具の内側壁に形成された開口部に臨むとともに、
前記避難用具の終端部は、前記脱出階避難室内または前記脱出階の踊り場と下階とを接続する斜行昇降具の内側壁に形成された開口部に臨んでいる建物内避難設備。 - 建物の階段やエスカレータ等の斜行昇降具の下面に沿って設置されるすべり面を有する避難用具であって、
該避難用具は、底板と側板と手摺を備え、上端が前記斜行昇降具の下面に取付けられ、前記側板外面から外方に所定の間隔を空けて垂設される複数の吊り具により、前記斜行昇降具の下面に沿って前記底板のすべり面までの距離を所定寸法として吊り下げられ、
前記避難用具の始端部は、前記建物の特定階の踊り場近傍に設置された、前記特定階の床面と同一レベルの第1の避難室と該第1の避難室の床面から所定寸法低いレベルの第2の避難室と前記第1の避難室と前記第2の避難室とを接続する避難室内階段とからなる特定階避難室の前記第2の避難室内に臨むとともに、前記避難用具の終端部は、脱出階避難室内または前記脱出階の踊り場と下階とを接続する斜行昇降具の内側壁に形成された開口部に臨む避難用具。 - 前記避難用具は、直行式の斜行昇降具が踊り場を境に折り返す構造の直行折り返し型の斜行昇降具の下面に取付けられるものであって、該踊り場下面にて1方向きから反対向きに折り返す旋回部を有し、
前記避難用具の始端部は、前記特定階の踊り場とその1つ上の踊り場を接続する斜行昇降具の下端部から所定寸法高いレベルの下面に吊り下げられ、前記始端部のレベルは前記第2の避難室と略同一レベルに設定されていることを特徴とする請求項3に記載された避難用具。
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