以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。図2は、本発明の実施の形態のシステム構成例を示す図である。
同図において、作業者端末20a及び20b等は、農場において各作業者によって所持(携帯)される携帯電話である。但し、GPS(Global Positioning System)機能及びネットワーク通信機能等を有する情報処理端末であれば、携帯電話以外の端末(例えば、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistance)等)が作業者端末20a又は20bとして用いられてもよい。以下、作業者端末20a及び20bを区別しない場合、「作業者端末20」という。
作業者端末20は、基地局30及びネットワーク40等を介して作業履歴記録装置10と通信可能とされている。作業者端末20は、斯かる通信路を介して、GPS機能によって定期的に測定される位置情報(緯度及び経度)と、該位置情報が測定された時刻を示す時刻情報とを作業履歴記録装置10に送信する。なお、時刻情報は、GPS衛星からの電波に含まれるものであってもよいし、作業者端末20が有する時計によって計測されたものであってもよい。
基地局30は、携帯電話の基地局である。作業者端末20より送信される位置情報等は、無線通信によって基地局30によって受信され、ネットワーク40に転送される。なお、作業者端末20による無線通信に無線LAN(Local Area Network)が利用される場合、基地局30は、無線LANのアクセスポイントによって代替されてもよい。
ネットワーク40は、例えば、インターネット又はLAN等のネットワークである。
作業履歴記録装置10は、各作業者の作業履歴を記録するコンピュータである。本実施の形態において、作業履歴記録装置10は、所在区域判定装置の一例である。例えば、作業履歴記録装置10は、作業者端末20より送信される位置情報等に基づいて、当該作業者端末20を所持する作業者の作業履歴を判定する。本実施の形態において、作業履歴とは、作業者が、何時、農場のいずれの作業区域(所定区域)において作業を行っていたかを示す情報をいう。本実施の形態では、ビニルハウス(以下、単に「ハウス」という。)が作業区域の一例とされる。
図3は、第一の実施の形態における作業者端末のハードウェア構成例を示す図である。同図において、作業者端末20は、CPU21、不揮発性メモリ22、メモリ23、無線通信部24、及びGPS受信部25等を有する。
作業者端末20での処理を実行させるプログラムは、例えば、不揮発性メモリ22にインストールされる。メモリ23は、プログラムの起動指示があった場合に、不揮発性メモリ22から読み出されたプログラム等を格納する。CPU21は、メモリ23に格納されたプログラムに従って作業者端末20に係る機能を実行する。無線通信部24は、無線通信を行うためのアンテナや無線通信モジュール等である。GPS受信部25は、GPS衛生より電波を受信することにより作業者端末20の位置を検出する。
図4は、第一の実施の形態における作業履歴記録装置のハードウェア構成例を示す図である。同図において、作業履歴記録装置10は、それぞれバスBで相互に接続されているドライブ装置100、補助記憶装置102、メモリ装置103、CPU104、及びインタフェース装置105等を有する。
作業履歴記録装置10での処理を実現するプログラムは、記録媒体101によって提供される。プログラムを記録した記録媒体101がドライブ装置100にセットされると、プログラムが記録媒体101からドライブ装置100を介して補助記憶装置102にインストールされる。但し、プログラムのインストールは必ずしも記録媒体101より行う必要はなく、ネットワークを介して他のコンピュータよりダウンロードするようにしてもよい。補助記憶装置102は、インストールされたプログラムを格納すると共に、必要なファイルやデータ等を格納する。
メモリ装置103は、プログラムの起動指示があった場合に、補助記憶装置102からプログラムを読み出して格納する。CPU104は、メモリ装置103に格納されたプログラムに従って作業履歴記録装置10に係る機能を実行する。インタフェース装置105は、ネットワークに接続するためのインタフェースとして用いられる。
なお、記録媒体101の一例としては、CD−ROM、DVDディスク、又はUSBメモリ23等の可搬型の記録媒体が挙げられる。また、補助記憶装置102の一例としては、HDD(Hard Disk Drive)又はフラッシュメモリ23等が挙げられる。記録媒体101及び補助記憶装置102のいずれについても、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に相当する。
図5は、第一の実施の形態の作業履歴記録装置による作業履歴の判定処理の概要の第一の例を説明するための図である。同図の左側には、ハウスの配置位置及び領域と、作業者の実際の移動軌跡(実軌跡)と、GPSによって測定された作業者の移動軌跡(測定軌跡)との相対的な関係が示されている。すなわち、矩形H1及びH2は、二つのハウスのそれぞれの領域を示す。以下、矩形H1、矩形H2を、ハウスH1、ハウスH2と呼ぶ。ハウスH1は、出入り口e1を有する。ハウスH2は、出入り口e2を有する。ハウスH1又はH2への出入りには、出入り口e1又はe2が利用される。
破線の曲線Tr1は、実軌跡を示す。実線の曲線Tr2は、測定軌跡を示す。以下、それぞれを、実軌跡Tr1、測定軌跡Tr2と呼ぶ。実軌跡Tr1によれば、作業者は、出入り口e1を通ってハウスH1に入り、ハウスH1内において作業した後、出入り口e1を通ってハウスH1を出ていることが分かる。一方、測定軌跡Tr2からは、作業者が出入り口e1を通過していること、及び作業者がハウスH1において作業をしていたことは必ずしも明らかでない。GPSの測定誤差のため、測定軌跡Tr2は、実軌跡Tr1に対してずれを有するからである。しかし、作業履歴記録装置10が、作業者端末20より転送される位置情報及び時刻情報に基づいて知りうるのは、測定軌跡Tr2である。
そこで、作業履歴記録装置10は、図中右側の(1)、(2)、(3)に示されるような処理手順によって、作業履歴を判定する。なお、図中右側における、tn(nは整数)は、図中左側において、測定軌跡Tr2に付されているtn(nは整数)の地点における時刻を示す。
まず、作業履歴記録装置10は、出入り口e1からのGPSの誤差範囲(出入り口誤差範囲C1)、又は出入り口e2からのGPSの誤差範囲(出入り口誤差範囲C2)に測定軌跡Tr2が入ってから出るまでの時間を、入出候補期間として記録する。入出候補期間とは、作業者がハウスの出入り口を通過した可能性がある期間をいう。
すなわち、作業者が出入り口e1又はe2を通過してハウスH1又はH2に出入りするタイミングにおいて、作業者端末20の位置は、出入り口e1又はe2からのGPSの誤差範囲において検出される可能性が高い。そこで、作業履歴記録装置10は、測定軌跡Tr2が出入り口誤差範囲C1又はC2に含まれている期間を、作業者が出入り口e1又はe2を通過した可能性の有る時間(入出候補期間)として判定する。なお、入出候補期間は、ハウスへ入った可能性の有る期間、又は作業者がハウスから出た可能性の有る期間であるともいえる。
同図の左側に示されるように、測定軌跡Tr2は、時刻t1に出入り口誤差範囲C1に入り、時刻t3に出入り口誤差範囲C1より出ている。その後、測定軌跡Tr2は、時刻t5に出入り口誤差範囲C1に入り、時刻t7に出入り口誤差範囲C1より出ている。また、測定軌跡Tr2は、時刻t2に出入り口誤差範囲C2に入り、時刻t4に出入り口誤差範囲C2より出ている。その後、測定軌跡Tr2は、時刻t6に出入り口誤差範囲C2に入り、時刻t8に出入り口誤差範囲C2より出ている。
そこで、作業履歴記録装置10は、図中右側(1)に示されるように、時刻t1〜t3の期間T11と、時刻t5〜t7の期間T12とをハウスH1の入出候補期間として記録する。また、作業履歴記録装置10は、時刻t2〜t4の期間T21と、時刻t6〜t8の期間T22とをハウスH2の入出候補期間として記録する。
なお、GPSの誤差の大きさは、利用している作業者端末20の性能等に鑑みて、作業履歴記録装置10に予め設定されればよい。例えば、GPSの最大誤差が明らかである場合、最大誤差以下の値が、誤差の大きさとして設定されればよい。
また、同図において、出入り口誤差範囲C1及びC2は、円によって表現されているが、出入り口は、幅を有する。したがって、厳密には、出入り口誤差範囲C1及びC2は、出入り口の幅方向に対して平行な方向において、直線部分を有する。但し、同図に示されるように、出入り口誤差範囲C1及びC2は、円によってモデル化されてもよい。または、出入り口誤差範囲C1及びC2は、コンピュータの処理性能又はプログラミングの容易性等を考慮して、多角形によってモデル化されてもよい。
続いて、作業履歴記録装置10は、入出候補期間T11及び入出候補期間T12の間の期間(時刻t3〜t5)において、測定軌跡Tr2が、ハウス誤差範囲B1内に収まっているか(含まれているか)否かを判定する。ハウス誤差範囲B1は、ハウスH1の外周からのGPSの誤差範囲を外周とする範囲である。なお、入出候補期間T11及び入出候補期間T12を判定することは、入出候補期間T11及び入出候補期間T12の間の期間を特定することと等価であるといえる。入出候補期間T11及び入出候補期間T12を判定することにより、当該間の期間が自動的又は必然的に特定されるからである。
当該期間において、測定軌跡Tr2はハウス誤差範囲B1に収まっている。そこで、作業履歴記録装置10は、(2)に示されるように、当該期間、入出候補期間T11、及び入出候補期間T12を、ハウスH1の作業候補期間T13として統合する。すなわち、作業履歴記録装置10は、時刻t3〜t5における作業者の所在位置が、ハウスH1内である可能性は高いと判定する。
同様に、作業履歴記録装置10は、入出候補期間T21及び入出候補期間T22の間の期間(時刻t4〜t6)において、測定軌跡Tr2が、ハウス誤差範囲B2内に収まっているか(含まれているか)否かを判定する。ハウス誤差範囲B2は、ハウスH2の外周からのGPSの誤差範囲を外周とする範囲である。当該期間において、測定軌跡Tr2はハウス誤差範囲B2に収まっていない。例えば、時刻t5において、測定軌跡Tr2は、ハウス誤差範囲B2の外側に有る。したがって、作業履歴記録装置10は、入出候補期間T21及びT22の統合は行わない。すなわち、作業履歴記録装置10は、時刻t4〜t6における作業者の所在位置が、ハウスH2内である可能性は低いと判定する。
なお、同図において、ハウス誤差範囲B1及びB2は、矩形によって表現されているが、厳密には、ハウスH1又はH2の各頂点からの誤差範囲の外周は円弧となる。したがって、ハウス誤差範囲B1及びB2は、斯かる円弧を有するように定義されてもよい。または、同図に示されるように、矩形等の多角形によってモデル化されてもよい。
続いて、作業履歴記録装置10は、閾値(例えば、10分等)以下である作業候補期間又は入出候補期間を削除する。同図でが、入出候補期間T21及びT22は、閾値以下であるとして削除される。その結果、(3)に示されるように、作業候補期間T13が残る。そこで、作業履歴記録装置10は、作業候補期間T13において、作業者はハウスH1に滞在していたと判定する。すなわち、作業候補期間T13は、ハウスH1における作業時間であると判定される。換言すれば、作業候補期間T13における作業者の所在位置は、ハウスH1内であると判定される。
なお、閾値は、例えば、作業者が、出入り口誤差範囲C1又はC2を歩行して横切るのに要する時間や、作業履歴記録装置10による処理結果の用途等を考慮して定めればよい。例えば、作業履歴記録装置10による処理結果の用途が人件費の算出であり、10分程度の算出誤差を許容できる場合、10分以下の値を閾値とすればよい。
また、入出候補期間T11と入出候補期間T12との間の期間(すなわち、作業候補期間T13から入出候補期間T11及び入出候補期間T12を除いた期間)がハウスH1における作業時間として判定されてもよい。上記したように、入出候補期間T11及び入出候補期間T12は、出入り口e1を通過した可能性の有る期間である。そうすると、作業者が出入り口e1を通過してハウスH1に入ったのは、入出候補期間T11の終了時刻t3である可能性もある。同様に、作業者が出入り口e1を通過してハウスH1を出たのは、入出候補期間T12の開始時刻t5である可能性もある。したがって、時刻t3〜t5は、本実施の形態において最小の作業時間であると考えることができる。これに対し、作業候補期間T13は、本実施の形態において最大の作業時間であると考えることができる。最大の作業時間については、作業者がハウスH1に入っていない期間、又は作業者がハウスH1から出た後の期間も含まれている可能性がある。そこで、運用上の都合等に鑑みて、最大の作業時間ではなく、最小の作業時間が記録されるようにしてもよい。
最小の作業時間を採用する場合、入出候補期間の間の期間が閾値との比較対象とされてもよい。この場合、閾値は、最小の作業時間に合わせて小さくされてもよい。
なお、最小の作業時間及び最大の作業時間に関する考え方は、図5のケースに限定されるものではなく、本実施の形態の全般にわたって有効である。
続いて、作業履歴の判定処理の他の例について説明する。図6は、第一の実施の形態の作業履歴記録装置による作業履歴の判定処理の概要の第二の例を説明するための図である。図6中、図5と同一又は対応する部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
図6では、ハウスH1の左側にハウスH2が配置され、ハウスH1の右側にハウスH3が配置されている。ハウスH3は、出入り口e3を有する。
実軌跡Tr1によれば、作業者は、出入り口e1を通過してハウスH1に入り、ハウスH1内において作業した後、出入り口e1を通過してハウスH1を出ていることが分かる。作業履歴記録装置10は、測定軌跡Tr2等に基づいて、図中右側の(1)、(2)に示されるような処理手順を実行して、斯かる作業履歴を判定する。
まず、作業履歴記録装置10は、出入り口誤差範囲C1、出入り口誤差範囲C2、又は出入り口誤差範囲C3に測定軌跡Tr2が入ってから出るまでの期間を、入出候補期間として記録する。図中右側(1)に示されるように、時刻t2〜t5の期間T11と、時刻t8〜t11の期間T12とがハウスH1の入出候補期間として記録される。また、時刻t1〜t4の期間T21と、時刻t7〜t10の期間T22とがハウスH2の入出候補期間として記録される。更に、時刻t3〜t6の期間T31と、時刻t9〜t12の期間T32とがハウスH3の入出候補期間として記録される。
続いて、作業履歴記録装置10は、入出候補期間T11及び入出候補期間T12の間の期間(時刻t5〜t8)において、測定軌跡Tr2が、ハウス誤差範囲B1内に収まっているか否かを判定する。当該期間において、測定軌跡Tr2はハウス誤差範囲B1に収まっている。そこで、作業履歴記録装置10は、(2)に示されるように、当該期間、入出候補期間T11、及び入出候補期間T12を、ハウスH1の作業候補期間T13として統合する。
また、作業履歴記録装置10は、入出候補期間T21及び入出候補期間T22の間の期間(時刻t4〜t7)において、測定軌跡Tr2が、ハウス誤差範囲B2内に収まっているか否かを判定する。当該期間において、測定軌跡Tr2はハウス誤差範囲B2に収まっている。そこで、作業履歴記録装置10は、(2)に示されるように、当該期間、入出候補期間T21、及び入出候補期間T22を、ハウスH2の作業候補期間T23として統合する。
更に、作業履歴記録装置10は、入出候補期間T31及び入出候補期間T32の間の期間(時刻t6〜t9)において、測定軌跡Tr2が、ハウス誤差範囲B3内に収まっているか否かを判定する。当該期間において、測定軌跡Tr2はハウス誤差範囲B3に収まっていない。例えば、時刻t7及びt8において、測定軌跡Tr2は、ハウス誤差範囲B3の外側に有る。したがって、作業履歴記録装置10は、入出候補期間T31及びT32の統合は行わない。
続いて、作業履歴記録装置10は、閾値以下である作業候補期間又は入出候補期間を削除する。ここでは、入出候補期間T31及びT32が閾値以下であるとして削除される。一方、閾値を超える作業候補期間T13及びT23は削除されないで残る。ここで、作業候補期間T13と作業候補期間T23とは、時刻t2〜t10において重複している。すなわち、同期間(時刻t2〜t10)において、作業者の所在位置として判定されるハウスが複数存在する。
そこで、作業履歴記録装置10は、測定軌跡Tr2について、重複する作業候補期間が記録されている各ハウス(ここでは、ハウスH1及びH2)との相対的な位置関係に関する統計量を算出する。作業履歴記録装置10は、ハウスごとに算出された統計量に基づいて、重複している作業候補期間の中から一つの作業候補期間を選択する。すなわち、作業履歴記録装置10は、当該統計量に基づいて、作業者の所在位置として判定するハウスを限定する。
図7は、測定軌跡とハウスとの相対的な位置関係に関する統計量の第一の例を説明するための図である。図7中、図6と同一部分には同一符号を付している。
図7の例では、測定軌跡Tr2がハウスの本来の範囲内(領域内)に含まれる期間の、作業候補期間に対する割合が統計量として算出される。同図(A)は、測定軌跡Tr2が、ハウスH1に含まれている期間を示す。すなわち、時刻t13〜t14、時刻t15〜t16、及び時刻t17〜t18において、測定軌跡Tr2は、ハウスH1の範囲内に含まれている。したがって、ハウスH1に関する当該統計量Z1は、以下の式によって算出される。
Z1={(t18−t17)+(t16−t15)+(t14−t13)}/(t11−t2)
なお、分母の(t11−t2)は、作業候補期間T13の長さである。
また、同図(B)は、測定軌跡Tr2が、ハウスH2に含まれている期間を示す。すなわち、時刻t19〜t20、及び時刻t21〜t22において、測定軌跡Tr2は、ハウスH2の範囲内に含まれている。したがって、ハウスH12関する当該統計量Z2は、以下の式によって算出される。
Z2={(t22−t21)+(t20−t19)}/(t10−t1)
なお、分母の(t10−t1)は、作業候補期間T23の長さである。
作業履歴記録装置10は、ハウスごとに算出された統計量を比較して、測定軌跡Tr2に相対的に近いと判定されるハウスに係る作業候補期間を選択する。例えば、Z1>Z2である場合、作業履歴記録装置10は、作業候補期間T13を選択する。すなわち、作業候補期間T13は、ハウスH1における作業時間であると判定される。換言すれば、作業候補期間T13における作業者の所在位置は、ハウスH1内であると判定される。
なお、作業候補期間T13と作業候補期間T23とにおいて重複していない期間(時刻t1〜t2)に関しては、閾値との比較が行われる。当該期間が閾値以下である場合、当該期間は、作業候補期間より削除される。当該期間が閾値を超える場合、当該期間は、ハウスH2における作業時間であると判定される。
また、図8は、測定軌跡とハウスとの相対的な位置関係に関する統計量の第二の例を説明するための図である。
同図の例では、測定軌跡Tr2がハウスの本来の範囲外にある期間における、測定軌跡Tr2と当該ハウスとの距離の平均値が統計量として算出される。例えば、同図において、当該統計量Z3は、以下のように算出される。
Z3=(d1+d2+d3+d4+d8+d9+・・・+dn)/n
この場合、統計量の小さい方のハウスに係る作業候補期間が選択される。
なお、本実施の形態では、2種類の統計量について例示したが、他の方法によって算出される統計量が採用されてもよい。例えば、測定軌跡Tr2がハウスの本来の範囲内(領域内)に含まれる時間が、統計量とされてもよい。
図9及び図10は、第一の実施の形態の作業履歴記録装置による作業履歴の判定処理の概要の第三の例を説明するための図である。図9中、図6と同一又は対応する部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
図9では、実軌跡Tr1及び測定軌跡Tr2の内容が、図6と異なる。図9における実軌跡Tr1によれば、作業者は、ハウスH1において作業後、ハウスH3において作業を行っていることが分かる。すなわち、図9は、複数のハウスにおいて作業が行われた場合の作業履歴の判定処理の例を示す。このような場合においても、基本的な処理手順は、図6に示したものと同様でよい。
まず、作業履歴記録装置10は、出入り口誤差範囲C1、出入り口誤差範囲C2、又は出入り口誤差範囲C3に測定軌跡Tr2が入ってから出るまでの時間を、入出候補期間として記録する。図中右側(1)に示されるように、時刻t2〜t5の期間T11と、時刻t8〜t11の期間T12と、時刻t12〜t14の期間T13とがハウスH1の入出候補期間として記録される。また、時刻t1〜t4の期間T21と、時刻t7〜t10の期間T12とがハウスH2の入出候補期間として記録される。更に、時刻t3〜t6の期間T31と、時刻t9〜t12の期間T32と、時刻t15〜t16の入出候補期間T33とがハウスH3の入出候補期間として記録される。
続いて、(2)に示されるように、作業履歴記録装置10は、入出候補期間T11、入出候補期間T12、及び作業候補期間T13と、各入出候補期間の間の期間とを、ハウスH1の作業候補期間T14として統合する。また、作業履歴記録装置10は、入出候補期間T21及び期間T23と、各期間の間の期間とを、ハウスH2の作業候補期間T24として統合する。更に、作業履歴記録装置は、入出候補期間T32及び入出候補期間33と、各入出候補期間の間の期間とを、ハウスH3の作業候補期間T34として統合する。各期間が統合される理由は、図6等において説明した通りである。
続いて、図10の(3)に示されるように、作業履歴記録装置10は、閾値及び統計量等に基づいて、作業候補期間の重複を解消する。例えば、入出候補期間T31は、閾値以下であるため削除される。同図において、破線の矢印は、最終的に削除される作業候補期間又は入出候補期間を示す。
作業候補期間T14、T23、及びT34の重複期間については、統計量に基づいて、作業候補期間T14が選択される。すなわち、作業候補期間T14は、ハウスH1における作業時間であると判定される。換言すれば、作業候補期間T14における作業者の所在位置は、ハウスH1内であると判定される。
作業候補期間T23及びT34について、作業候補期間T14と重複していた期間は削除される。その結果、作業候補期間T24及びT35が残る。作業候補期間T24は、閾値以下であるため削除される。一方、作業候補期間T35は、閾値を超えるため、ハウスH3における作業時間であると判定される。換言すれば、作業候補期間T35における作業者の所在位置は、ハウスH3内であると判定される。
上記より、作業者は、ハウスH1で作業を行った後、ハウスH3で作業を行ったと判定される。
なお、図5、図6、及び図9等においては、各ハウスについて、出入り口が一つである例を示したが、出入り口は複数有ってもよい。この場合、(1)のステップでは、いずれかの出入り口に係る出入り口誤差範囲に入ってから出るまでの各期間が、入出補期間として記録されればよい。
上記した処理を実現するために、作業履歴記録装置10は、例えば、図11に示されるような機能構成を有する。
図11は、第一の実施の形態における作業履歴記録装置の機能構成例を示す図である。同図において、作業履歴記録装置10は、測定軌跡受信部11、入出候補期間判定部12、作業履歴判定部13、測定軌跡記憶部14、ハウス領域情報記憶部15、出入り口情報記憶部16、誤差情報記憶部17、及び作業履歴記憶部18等を有する。
測定軌跡受信部11、入出候補期間判定部12、及び作業履歴判定部13は、作業履歴記録装置10にインストールされたプログラムがCPU104に実行させる処理によって実現される。測定軌跡記憶部14、ハウス領域情報記憶部15、出入り口情報記憶部16、誤差情報記憶部17、及び作業履歴記憶部18は、例えば、補助記憶装置102、又は作業履歴記録装置10とネットワークを介して接続される外部記憶装置を用いて実現可能である。
測定軌跡受信部11は、作業者端末20より送信される位置情報、時刻情報、及び作業者の識別子(作業者ID)等を含む測定軌跡データを受信する。測定軌跡受信部11は、受信された測定軌跡データを測定軌跡記憶部14に記録する。
図12は、第一の実施の形態の測定軌跡記憶部の構成例を示す図である。同図に示されるように、測定軌跡記憶部14は、作業者IDごとに、時刻情報及び位置情報の履歴(測定軌跡データ)を記憶する。位置情報は、緯度及び経度によって示される。位置情報の履歴は、列方向に記録される。したがって、測定軌跡受信部11は、測定軌跡データを受信すると、当該測定軌跡データに含まれる作業者IDに係るレコードに対して、新たな列を追加し、当該列の時刻、緯度、経度に、当該測定軌跡データに含まれる時刻情報及び位置情報を記録する。同図の例では、作業者W1は、8時20分において、北緯35.44347度、東経139.31332度に位置していたことが示されている。
なお、複数の時点に関する位置情報及び時刻情報が一つの測定軌跡データに含められて送信されてもよい。例えば、作業者端末20は、1分間隔で位置情報及び時刻情報を不揮発性メモリ22又はメモリ23に記録し、30分間隔で、過去30分に蓄積された位置情報及び時刻情報の履歴、並びに作業者IDを含む測定軌跡データを送信してもよい。この場合、30の時点における位置情報等が一度に転送される。なお、作業者IDは、例えば、作業者端末20の不揮発性メモリ22に記録されている。
ハウス領域情報記憶部15は、各ハウスの位置及び領域(範囲)を示す情報を記憶する。出入り口情報記憶部16は、各ハウスの出入り口の位置を示す情報(出入り口情報)を記憶する。誤差情報記憶部17は、作業者端末20のGPS機能の誤差の大きさを示す情報(例えば、最大誤差の値又は平均誤差の値等)を記憶する。
入出候補期間判定部12は、測定軌跡記憶部14が記憶する測定軌跡データと、出入り口情報記憶部16が記憶する出入り口情報と、誤差情報記憶部17が記憶する誤差情報とに基づいて、入出候補期間を判定する。
作業履歴判定部13は、測定軌跡記憶部14が記憶する測定軌跡データと、ハウス領域情報記憶部15が記憶する情報と、誤差情報記憶部17が記憶する誤差情報とに基づいて、各作業者の作業履歴を判定又は推定する。作業履歴判定部13は、判定結果としての作業履歴を作業履歴記憶部18に記録する。
以下、作業履歴記録装置10が実行する処理手順について説明する。図13は、第一の実施の形態の作業履歴記録装置が実行する処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。同図の処理手順は、例えば、1日に1回等、定期的に行われる。
ステップS101において、入出候補期間判定部12は、位置情報及び時刻情報の履歴(測定軌跡データ)を測定軌跡記憶部14より読み込む。例えば、同図の処理手順が1日に1回実行される場合、1日の作業時間分の測定軌跡データが読み込まれる。なお、図13の処理は、作業者ごとに実行される。ここでは、作業者W1が処理対象であるとする。したがって、ステップS101では、作業者W1に係る測定軌跡データが読み込まれる。
続いて、入出候補期間判定部12は、一つのハウス(ここでは、ハウスH1)に関する入出候補期間を判定する(S102)。すなわち、作業者W1の位置がハウスH1の出入り口誤差範囲内に含まれている期間が判定される。当該判定には、読み込んだ測定軌跡データと、出入り口情報記憶部16においてハウスH1に関して記憶されている出入り口情報と、誤差情報記憶部17に記憶されている誤差情報とが利用される。
図14は、第一の実施の形態の出入り口情報記憶部の構成例を示す図である。同図において、出入り口情報記憶部16は、ハウスごとに、ハウス名、出入り口数、出入り口ごとの位置情報等を記憶する。ハウス名は、ハウスの識別名である。出入り口数は、ハウスが有する出入り口の総数である。出入り口ごとの位置情報は、各出入り口の緯度及び経度である。同図の例では、ハウスH1の出入り口は二つ有り、一つ目の出入り口の位置は、北緯35.4434度、東経139.3134度であり、二つ目の出入り口の位置は、北緯35.4433度、東経139.3134度であることが示されている。なお、出入り口を点ではなく、線分によって表現する場合、出入り口の一端の緯度及び経度と、他端の緯度及び経度が、出入り口ごとに記憶されればよい。
入出候補期間判定部12は、ハウスH1の出入り口ごとの位置情報と、誤差情報記憶部17が記憶する誤差情報とに基づいて、ハウスH1の各出入り口の出入り口誤差範囲を算出する。ハウスH1の出入り口誤差範囲とは、例えば、図6等における、出入り口誤差範囲e1のことである。なお、出入り口情報記憶部16は、各出入り口の出入り口誤差範囲を示す情報を記憶していてもよい。
入出候補期間判定部12は、読み込んだ測定軌跡データに含まれる各位置情報を、測定軌跡データ内の履歴順に各出入り口誤差範囲と比較して、各位置情報によって示される位置が、いずれかの出入り口誤差範囲に含まれるか否かを判定する。入出候補期間判定部12は、同一の出入り口誤差範囲に含まれると判定された位置情報が1以上連続する期間を、入出候補期間として判定する。入出候補期間判定部12は、入出候補期間の判定結果を、例えばメモリ装置103に記録する。
入出候補期間判定部12は、出入り口情報記憶部16に出入り口情報が記憶されている他のハウス(ハウスH2及びハウスH3等)についても、入出候補期間の判定し、その判定結果をメモリ装置103に記録する(S103)。その結果、例えば、図15に示されるような判定結果がメモリ装置103に生成される。
図15は、入出候補期間の判定結果の例を示す図である。同図において、(tn,tm)という表記は、tnを開始時刻とし、tmを終了時刻とする期間を示す。同図の例では、ハウスH1に関して、t2〜t5と、t8〜t11との二つの入出候補期間が判定された例が示されている。また、ハウスH2に関して、t1〜t4と、t7〜t10との二つの入出候補期間が判定された例が示されている。また、ハウスH3に関して、t3〜t6と、t9〜t12との二つの入出候補期間が判定された例が示されている。
なお、同図における、入出候補期間の判定結果は、図6に示される例に対応する。すなわち、ハウスH1に関するt2〜t5、t8〜t11は、それぞれ、入出候補期間T11、入出候補期間T12に対応する。また、ハウスH2に関するt1〜t4、t7〜t10は、入出候補期間T21、入出候補期間T22に対応する。また、ハウスH3に関する入t3〜t6、t9〜t12は、入出候補期間T31、入出候補期間T32に対応する。
なお、入出候補期間の開始時刻は、作業者(作業者端末20)が、出入り口誤差範囲に入った時刻に相当する。また、位置情報及び時刻情報の履歴において、入出候補期間の終了時刻の次に記録されている時刻は、作業者(作業者端末20)が、出入り口誤差範囲を出た時刻に相当する。したがって、入出候補期間の判定は、作業者(作業者端末20)が、出入り口誤差範囲に入った時刻又は出入り口誤差範囲から出た時刻の判定と等価であるといえる。
続いて、作業履歴判定部13は、図15に示される判定結果に含まれる一つのハウス(ここでは、ハウスH1)に関して、入出候補期間の間の期間の全ての位置情報がハウスH1のハウス誤差範囲B1に含まれているか否かを判定する。ハウス誤差範囲B1と比較された全ての位置情報がハウスH1のハウス誤差範囲B1に含まれている場合、作業履歴判定部13は、当該入出候補期間と、当該間の期間とを統合する(S104)。統合された期間は、図6等において説明した、「作業候補期間」である。すなわち、当該間の期間における測定軌跡Tr2が、ハウス誤差範囲B1に収まっているか否かが判定され、判定結果が肯定的な場合に、当該間の期間と、当該間の両側に係る入出候補期間とが統合される。
入出候補期間の間の期間の全ての位置情報がハウスH1のハウス誤差範囲B1に含まれているか否かの判定は、測定軌跡記憶部14における作業者W1のレコードとハウス誤差範囲B1とに基づいて行われる。すなわち、当該レコードにおいて、当該間の期間に含まれる時刻を示す時刻情報に関連付けられている全ての位置情報が、ハウス誤差範囲B1に含まれているか否かが判定される。ハウス誤差範囲B1は、ハウス領域情報記憶部15に記憶されている情報と、誤差情報記憶部17に記憶されている誤差情報に基づいて算出される。
図16は、ハウス領域情報記憶部の構成例を示す図である。同図において、ハウス領域情報記憶部15は、ハウスごとに、ハウス名、頂点数、及び頂点ごと位置情報を記憶する。ハウス名は、ハウスの識別名である。頂点数は、ハウスの外周(底面の外周)の頂点の数である。頂点ごとの位置情報は、各頂点の緯度及び経度である。
作業履歴判定部13は、ハウスH1の頂点ごとの位置情報によって導出される、ハウスH1の外周を、誤差情報記憶部17に記憶されている誤差情報が示す誤差分だけ外側に拡張することによりハウス誤差範囲B1(の外周)を導出する。なお、ハウス領域情報記憶部15は、各ハウスのハウス誤差範囲を示す情報を記憶していてもよい。
作業履歴判定部13は、ハウスH1に関する全ての入出候補期間の間の期間についてステップS104を実行する(S105)。また、作業履歴判定部13は、ハウスH1以外の他のハウスに関しても、ステップS104及びS105を実行する。
その結果、図15に示される入出候補期間の判定結果は、例えば、図17に示されるように加工される。
図17は、入出候補期間の統合結果の例を示す図である。同図の統合結果は、図6の(2)の状態に対応する。すなわち、ハウスH1とハウスH2とに関して、それぞれの入出候補期間が作業候補期間に統合されている。一方、ハウスH3の入出候補期間は統合されていない。なお、以下においては、統合されていない入出候補期間も、便宜上、作業候補期間という。
続いて、作業履歴判定部13は、閾値以下である作業候補期間を、図17の統合結果より削除する(S107)。
図18は、閾値に基づく作業候補期間の削除例を示す図である。同図では、図17においてハウスH3に対して記録されていた、二つの作業候補期間が削除された例が示されている。
続いて、作業履歴判定部13は、図18に示される作業候補期間について、少なくとも一部が相互に重複しているか否かを判定する(S108)。図18の例(すなわち、図6の例)では、期間t2〜t10において、ハウスH1に係る作業候補期間とハウスH2に係る作業候補期間とが重複している。
続いて、作業履歴判定部13は、重複している各作業候補期間に関して統計量を算出する(S109)。統計量の算出方法は、図7又は図8等において説明した通りである。続いて、作業履歴判定部13は、統計量の比較に基づいて、一つの作業候補期間を選択する(S110)。作業履歴判定部13は、選択されなかった作業候補期間に関して、重複期間に係る部分を削除する。
図19は、統計量の比較に基づく作業候補期間の削除例を示す図である。同図では、ハウスH2に係る作業候補期間について、図18の状態においてハウスH1に係る作業候補期間との重複期間t2〜t10が削除されている。その結果、ハウスH2に係る作業候補期間は、期間t1〜t2となっている。
続いて、作業履歴判定部13は、重複している作業候補期間が無くなるまで、ステップS107以降を繰り返す。したがって、期間t1〜t2が閾値以下であれば、ステップS107において削除される。
重複している作業候補期間が無くなると(S108でNO)、作業履歴判定部13は、削除されずに残っている作業候補期間を、作業者W1による、当該作業候補期間に係るハウスに対する作業時間として、作業測定軌跡記憶部14に記録する(S111)。例えば、図19において、ハウスH1に関する作業候補期間のみが残っている場合、作業者W1はハウスH1において時刻t2から時刻t11まで作業を行ったことが作業測定軌跡記憶部14に記録される。換言すれば、時刻t2から時刻t11までの期間における作業者の所在位置はハウスH1であることが作業測定軌跡記憶部14に記録される。
上述したように、第一の実施の形態によれば、出入り口とハウスの外周に関してGPSの誤差を考慮した誤差範囲が定義され、作業者の位置情報を誤差範囲と比較することで作業区域及び作業期間が判定される。したがって、GPSによる作業者の位置情報の測定誤差の影響を低減させることができる。特に、本実施の形態では、作業者の測定軌跡について、出入り口誤差範囲を出てから再び入るまでの期間に係る軌跡(位置情報群)が、ハウス誤差範囲との比較対象とされる。その結果、単純に、作業者の測定軌跡がハウス誤差範囲に入った期間が当該ハウスにおける作業期間であると判定する場合に比べて、作業者の作業区域及び作業期間の判定の精度を向上させることができる。
また、閾値以下の作業候補期間又は入出候補期間が削除されることで、誤差範囲を設けたことによる誤判定の可能性を低減させることができる。
更に、複数の作業候補期間が重複する期間に関しては、測定軌跡(位置情報群)とハウスとの相対的な位置関係を示す統計量に基づいて一つの作業候補期間が選択される。その結果、重複期間における作業区域について、正しい判定結果が得られる可能性を高めることができる。
なお、各ハウスの出入り口誤差範囲及びハウス誤差範囲の大きさは、必ずしも均一でなくてもよい。例えば、実際の運用時における作業履歴記録装置10による判定結果の傾向を調べ、正しい作業履歴が得られるように、各誤差範囲の大きさが調節されてもよい。
ところで、ハウスの入り口にICカードリーダを設置し、作業者が入退室時にICカードをICカードリーダに読み取らせることにより、入退室時刻を記録することも考えられる。しかしながら、この方法は、作業者によるICカードのタッチ等の操作が必要とされる。したがって、特に、両手がふさがっている場合等において、作業者にとって煩雑である。また、ICカードのタッチのし忘れ等も考えられる。本実施の形態では、作業者は作業者端末20を携帯すればよいため、ハウスの入退室時において、作業者には特別な操作は要求されない。
また、UHF帯のRFIDであれば、数メートル程度の無線通信が可能であるため、作業者は、ICカードを携帯するだけで、入退室時刻を記録することができる。しかしながら、斯かるRFIDリーダは、現時点において高価であり、現時点においては実用的ではない。本実施の形態では、RFIDリーダのような高価な装置は、必要とされない。
次に、第二の実施の形態について説明する。第一の実施の形態では、例えば、図20に示されるようなケースにおいて、作業履歴に関して誤判定が発生する可能性がある。
図20は、第一の実施の形態において誤判定が発生する例を説明するための図である。図20中、図5と同一又は対応する部分には同一符号を付している。
同図の実軌跡Tr1によれば、作業者は、ハウスH2において作業していることが分かる。一方、測定軌跡Tr2(すなわち、測定軌跡記憶部14に記憶された位置情報及び時刻情報の履歴)に基づいて、第一の実施の形態において説明した処理手順が実行された場合、次のようは判定が行われる。
まず、同図右側の(1)に示されるように、ハウスH1及びハウスH2のそれぞれについて、入出候補期間T11、T12、T21、又はT22が判定される。
入出候補期間T11とT12との間の期間において、測定軌跡Tr2は、ハウス誤差範囲B1に収まっている。また、入出候補期間T21とT22との間の期間において、測定軌跡Tr2は、ハウス誤差範囲B1に収まっている。したがって、同図右側の(2)に示されるように、入出候補期間T11及びT12とその間の期間は、作業候補期間T13として統合される。また、入出候補期間T21及びT22とその間の期間は、作業候補期間T23として統合される。
作業候補期間T13とT23とは、いずれも閾値以下ではなく、相互に重複する期間が有る。そこで、例えば、図7において説明した統計量によって比較を行うと、作業候補期間T13が選択されてしまう。すなわち、作業候補期間T13は、ハウスH1の作業時間であると判定されてしまう。
そこで、第二の実施の形態では、作業履歴の判定の精度を更に向上させることのできる例について説明する。なお、第二の実施の形態では、第一の実施の形態と異なる点について説明する。したがって、特に言及されない点については、第一の実施の形態と同様でよい。
第二の実施の形態では、作業者端末20によって、定期的に方位情報が測定される。すなわち、作業者がいずれの方向を向いているかを示す情報が測定される。作業履歴記録装置10は、位置情報及び時刻情報等に加えて、方位情報を用いて、例えば、図21に示されるように、作業履歴の判定処理を実行する。
図21は、第二の実施の形態の作業履歴記録装置による作業履歴の判定処理の概要を説明するための図である。図21中、図20と同一又は対応する部分には同一符号を付している。図21における実軌跡Tr1及び測定軌跡Tr2は、図20のそれと同じである。但し、図21では、測定軌跡Tr2において、作業者の向きを示す方位情報が含まれている点が図20と異なる。すなわち、図21の測定軌跡Tr2に付されている矢印群は、各地点において測定された方位を示す。
図21の右側の(1)及び(2)は、図20の右側の(1)と同様である。したがって、作業候補期間T13及びT23の重複が検出される。そこで、作業履歴記録装置10は、作業候補期間T13及びT23のそれぞれの開始時及び終了時において、測定軌跡Tr2に係る方位情報が示す方位は、ハウスH1又はH2に入るときの方位又は出るときの方位の範囲に含まれるか否かを判定する。すなわち、作業者の向きが、ハウスH1又はH2に入るときの方位の範囲又は出るときの方位の範囲内であるか否かが判定される。なお、作業候補期間T13及びT23のそれぞれの開始時とは、例えば、入出力候補期間T11又はT21である。また、作業候補期間T13及びT23のそれぞれの終了時とは、例えば、入出力候補期間T12又はT22である。
ハウスH1又はH2に入るときの方位の範囲又は出るときの方位の範囲は、例えば、図22に示されるように定義される。図22は、ハウスに入るときの方位の範囲又はハウスから出るときの方位の範囲の例を説明するための図である。
作業者は、出入り口e1又はe2を、出入り口の幅方向に対して直角に通過するとは限らない。多少斜めの方向から出入り口e1又はe2を通過するものと考えられる。本実施の形態では、斜めの程度を30度とする。すなわち、出入り口e1又はe2に対して直角の方向に対して±30度の範囲を、ハウスに入るとき又はハウスから出るときの方位の範囲とする。但し、30度は、あくまでも例示である。他の角度によってハウスに入るとき又はハウスから出るときの方位の範囲が定義されてもよい。
同図において、出入り口e1及びe2は、南北方向に対して直角に配置されている。したがって、ハウスH1又はH2に入るときの方位の範囲は、真南±30度として定義される。また、ハウスH1又はH2から出るときの方位の範囲は、真北±30度として定義される。
図22の例に基づく場合、図21の(2)における作業候補期間T13の開始時(入出力候補期間T11)において、測定軌跡Tr2に係る方位情報は、一度も真南±30度を示していない。そこで、作業履歴記録装置10は、(3)に示されるように、作業候補期間T13を削除する。
一方、作業候補期間T23の開始時(入出力候補期間T21)において、測定軌跡Tr2に係る方位情報には、真南±30度に含まれる方位を示すものがある。また、作業候補期間T23の終了時(入出力候補期間T22)において、測定軌跡Tr2に係る方位情報には、真北±30度に含まれる方位を示すものがある。そこで、作業履歴記録装置10は、作業候補期間T23は、ハウスH2における作業時間であると判定する。当該判定結果は、実軌跡Tr1に一致する。このように、第二の実施の形態によれば、作業履歴の判定の精度を向上させることができる。
図21に示されるような判定処理を実現するため、作業者端末20は、例えば、図23に示されるようなハードウェア構成を有する。
図23は、第二の実施の形態における作業者端末のハードウェア構成例を示す図である。図23中、図3と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
第二の実施の形態の作業者端末20は、電子コンパス26を更に有する。電子コンパス26は、地磁気センサを使用して方位を検知する。作業者端末20は、例えば、定期的な位置情報の測定時刻において、電子コンパス26によって検知された方位を示す情報(方位情報)を記録する。作業者端末20は、方位情報の履歴をも含む測定軌跡データを作業履歴記録装置10宛に送信する。
作業履歴記録装置10の測定軌跡受信部11は、位置情報及び時刻情報の履歴並びに作業者IDと共に測定軌跡データに含まれている方位情報の履歴を、当該作業者IDに関連付けて測定軌跡記憶部14に記録する。
図24は、第二の実施の形態の測定軌跡記憶部の構成例を示す図である。同図に示されるように、第二の実施の形態の測定軌跡記憶部14は、時刻情報、位置情報、及び方位情報の履歴を記憶する。例えば、作業者W1は、8時20分において、方位88度を向いていたことが分かる。ここでいう88度は、真北を0度とした場合の、真北からの時計回りの角度である。したがって、88度は、ほぼ東向きを示す。
以下、第二の実施の形態の作業履歴記録装置10の処理手順について更に詳細に説明する。図25は、第二の実施の形態の作業履歴記録装置が実行する処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。同図の処理手順は、例えば、1日に1回等、定期的に行われる。
ステップS201〜ステップS209は、図13のステップS101〜S108と同様でよい。但し、ステップS201において読み込まれる測定軌跡データには、方位情報が含まれている。また、ステップS202において、入出候補期間判定部12は、読み込まれた方位情報に関して、作業者端末20の所持方向に合わせて校正(キャリブレーション)を行う。例えば、作業者が真北(0度)を向いている状態において、作業者に固定されている作業者端末20の電子コンパス26の測定値を、予め作業者IDに関連付けて補助記憶装置102等に記録しておく。入出候補期間判定部12は、当該測定値によって、測定軌跡データに含まれている方位情報を校正する。
図25の処理手順が、図13と大きく異なるのは、相互に重複する作業候補期間がある場合である(S209でYES)。この場合、作業履歴判定部13は、相互に重複する作業候補期間のうちの一つを処理対象とする。作業履歴判定部13は、処理対象の作業候補期間の開始時において作業者が向いている方位が、当該作業候補期間に係るハウスに入るときの方位の範囲に含まれるか否かを判定する(S210)。具体的には、作業履歴判定部13は、当該作業候補期間の開始時の入出候補期間に係る方位情報群を、測定軌跡記憶部14(図24)より抽出する。すなわち、当該入出候補期間に含まれる時刻を示す時刻情報に関連付けられている方位情報群が抽出される。続いて、作業履歴判定部13は、抽出された方位情報群に含まれている各方位情報が示す方位が、当該入出候補期間に係るハウスに入るときの方位の範囲に含まれるか否かを判定する。図23の例に基づけば、作業候補期間T13に関して、入出候補期間T11に係るいずれかの方位情報が、入出候補期間T11に係るハウスH1に入るときの方位の範囲に含まれるか否かが判定される。
ハウスに入るときの方位の範囲は、ハウス出入り口情報記憶部16より取得される。図26は、第二の実施の形態の出入り口情報記憶部の構成例を示す図である。同図に示されるように、第二の実施の形態の出入り口情報記憶部16は、各ハウスの出入り口ごとに、位置情報(緯度及び経度)に加えて、入方位1及び2、並びに出方位1及び2を記憶する。
入方位1及び2は、ハウスに入るときの方位の範囲を示す。すなわち、同図では、ハウスH1の一つ目の出入り口に関して、150度から210度の範囲に含まれる方位が、ハウスH1に入るときの方位であることが示されている。なお、150度及び210度は、真北を0度とした場合における、真北から時計回りの角度である。したがって、150度から210度は、真南±30度と同義である。
出方位1及び2は、ハウスに入るときの方位の範囲を示す。すなわち、同図では、ハウスH1の一つ目の出入り口に関して、330度から30度の範囲に含まれる方位が、ハウスH1から出るときの方位であることが示されている。330度から30度は、真北±30度と同義である。
なお、図26に示されるように、出入り口が複数有る場合、ステップS210において、入方位の取得対象とされる出入り口は、ステップS210において処理対象とされる入出候補期間に係る出入り口である。
処理対象の作業候補期間の開始時における作業者の向きが、当該作業候補期間に係るハウスに入るときの方位の範囲に含まれる場合(S210でYES)、作業履歴判定部13は、当該作業候補期間に関して、ステップS211を実行する。ステップS211において、作業履歴判定部13は、当該作業候補期間の終了時において作業者の向いている方位が、当該作業候補期間に係るハウスから出るときの方位の範囲に含まれるか否かを判定する(S211)。具体的には、作業履歴判定部13は、当該作業候補期間の終了時の入出候補期間に係る方位情報群を、測定軌跡記憶部14(図24)より抽出する。すなわち、当該入出候補期間に含まれる時刻を示す時刻情報に関連付けられている方位情報群が抽出される。続いて、作業履歴判定部13は、抽出された方位情報群に含まれている各方位情報が示す方位が、当該入出候補期間に係るハウスから出るときの方位の範囲に含まれるか否かを判定する。
処理対象の作業候補期間の開始時又は終了時において、作業者の向きが当該作業候補期間に係るハウスに入る方向又は当該ハウスから出る方向の範囲に含まれない場合(S210でNO又はS211でNO)、作業履歴判定部13は、当該作業候補期間を削除する(S212)。
なお、ステップS210又はステップS211のいずれか一方のみが実行されてもよい。すなわち、ハウスに入るときの方位の範囲及びハウスから出るときの方位の範囲のいずれか一方についてのみ、作業者の向きのチェックがおこなわれてもよい。
続いて、作業履歴判定部13は、相互に重複する他の作業候補期間を順番に一つずつ処理対象として、ステップS210以降を繰り返す(S213)。その結果、作業候補期間の重複が解消された場合(S214でYES)、作業履歴判定部13は、ステップS208以降を繰り返す。ステップS209において、作業候補期間の重複が検出されない場合(S209でNO)、作業履歴判定部13は、その時点で残っている作業候補期間を、当該作業候補期間に係るハウスにおける作業時間として、作業履歴記憶部に記録する(S215)。
一方、ステップS210〜S212を実行しても作業候補期間の重複が解消されない場合(S214でNO)、作業履歴判定部13は、図13のステップS109及びS110と同様の処理によって、当該重複を解消する(S216、S217)。すなわち、重複する作業候補期間に関して、統計量を算出され、当該統計量に基づいて重複が解消される。ステップS217の実行後、作業履歴判定部13は、ステップS208以降を繰り返す。ステップS208以降の繰り返し時の処理については、上述した通りである。
上述したように、第二の実施の形態によれば、入出候補期間における作業者の向いている方位が考慮されて、作業者の作業区域が判定される。したがって、第一の実施の形態に比べて、作業履歴の判定の精度を向上させることができる。
なお、上記各実施の形態では、作業者が移動体の一例とされた。しかし、移動体は、作業者等の人に限定されない。例えば、所定の機械がいずれのハウスにおいて何時間利用されたかを記録したい場合、当該機械に作業者端末20が設置されてもよい。
また、移動体は、それ自体が移動能力を有していなくてもよい。例えば、人によって携帯されたり、操作されたりすることによって移動可能な物体であってもよい。又は自走能力の有る他の移動体に設置可能な物体であってもよい。
また、ハウス以外の区域が移動体の所在位置の判定対象とされもよい。農業以外の用途に、作業履歴記録装置10が実行する処理手順が適用されてもよい。
なお、本実施の形態において、入出候補期間判定部12は、特定部の一例である。作業履歴判定部13は、判定部の一例である。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は斯かる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
以上の説明に関し、更に以下の項を開示する。
(付記1)
記憶部が記憶する、移動体の位置情報及び時刻情報の履歴に基づいて、前記移動体が所定区域の出入り口の所定範囲を出てから該所定区域の出入り口の所定範囲に入るまでの第一の期間を特定する特定部と、
前記第一の期間における前記位置情報が、前記所定区域内又は前記所定区域の外側の所定範囲内に含まれている場合に、該第一の期間における前記移動体の所在位置は当該所定区域内であると判定する判定部とを有する所在区域判定装置。
(付記2)
前記記憶部は、移動体の位置情報、時刻情報、及び方位情報の履歴を記憶し、
前記特定部は、移動体の位置情報及び時刻情報の履歴に基づいて、前記移動体が所定区域の出入り口の所定範囲内に位置する第二の期間を判定し、複数の前記第二の期間の間を前記第一の期間として特定し、
前記判定部は、前記第一の期間における前記位置情報が、前記所定区域内又は前記所定区域の外側の所定範囲内に含まれており、かつ、当該第一の期間の開始時又は終了時に係る前記第二の期間における前記方位情報の示す方位が、前記所定区域へ入るときの方位の範囲又は前記所定区域から出るときの方位の範囲に含まれる場合に、該第一の期間における前記移動体の所在位置は当該所定区域内であると判定する付記1記載の所在区域判定装置。
(付記3)
前記判定部は、前記移動体の所在位置として判定される前記所定区域が複数有る場合、複数の前記所定区域のそれぞれと、前記記憶部が記憶する前記位置情報との位置関係に関する統計量に基づいて、前記移動体の所在位置として判定する前記所定区域を限定する付記1又は2記載の所在区域判定装置。
(付記4)
前記判定部は、前記第一の期間が閾値以下である場合、前記第一の期間における前記移動体の所在位置は前記所定区域内であると判定しない付記1乃至3いずれか一項記載の所在区域判定装置。
(付記5)
記憶部が記憶する、移動体の位置情報及び時刻情報の履歴に基づいて、前記移動体が所定区域の出入り口の所定範囲を出てから該所定区域の出入り口の所定範囲に入るまでの第一の期間を特定し、
前記第一の期間における前記位置情報が、前記所定区域内又は前記所定区域の外側の所定範囲内に含まれている場合に、該第一の期間における前記移動体の所在位置は当該所定区域内であると判定する処理をコンピュータが実行する所在区域判定方法。
(付記6)
前記記憶部は、移動体の位置情報、時刻情報、及び方位情報の履歴を記憶し、
前記特定する処理は、移動体の位置情報及び時刻情報の履歴に基づいて、前記移動体が所定区域の出入り口の所定範囲内に位置する第二の期間を判定し、複数の前記第二の期間の間を前記第一の期間として特定し、
前記判定する処理は、前記第一の期間における前記位置情報が、前記所定区域内又は前記所定区域の外側の所定範囲内に含まれており、かつ、当該第一の期間の開始時又は終了時に係る前記第二の期間における前記方位情報の示す方位が、前記所定区域へ入るときの方位の範囲又は前記所定区域から出るときの方位の範囲に含まれる場合に、該第一の期間における前記移動体の所在位置は当該所定区域内であると判定する付記5記載の所在区域判定方法。
(付記7)
前記判定する処理は、前記移動体の所在位置として判定される前記所定区域が複数有る場合、複数の前記所定区域のそれぞれと、前記記憶部が記憶する前記位置情報との位置関係に関する統計量に基づいて、前記移動体の所在位置として判定する前記所定区域を限定する付記5又は6記載の所在区域判定方法。
(付記8)
前記判定する処理は、前記第一の期間が閾値以下である場合、前記第一の期間における前記移動体の所在位置は前記所定区域内であると判定しない付記5乃至7いずれか一項記載の所在区域判定方法。
(付記9)
記憶部が記憶する、移動体の位置情報及び時刻情報の履歴に基づいて、前記移動体が所定区域の出入り口の所定範囲を出てから該所定区域の出入り口の所定範囲に入るまでの第一の期間を特定し、
前記第一の期間における前記位置情報が、前記所定区域内又は前記所定区域の外側の所定範囲内に含まれている場合に、該第一の期間における前記移動体の所在位置は当該所定区域内であると判定する処理をコンピュータに実行させる所在区域判定プログラム。
(付記10)
前記記憶部は、移動体の位置情報、時刻情報、及び方位情報の履歴を記憶し、
前記特定する処理は、移動体の位置情報及び時刻情報の履歴に基づいて、前記移動体が所定区域の出入り口の所定範囲内に位置する第二の期間を判定し、複数の前記第二の期間の間を前記第一の期間として特定し、
前記判定する処理は、前記第一の期間における前記位置情報が、前記所定区域内又は前記所定区域の外側の所定範囲内に含まれており、かつ、当該第一の期間の開始時又は終了時に係る前記第二の期間における前記方位情報の示す方位が、前記所定区域へ入るときの方位の範囲又は前記所定区域から出るときの方位の範囲に含まれる場合に、該第一の期間における前記移動体の所在位置は当該所定区域内であると判定する付記9記載の所在区域判定プログラム。
(付記11)
前記判定する処理は、前記移動体の所在位置として判定される前記所定区域が複数有る場合、複数の前記所定区域のそれぞれと、前記記憶部が記憶する前記位置情報との位置関係に関する統計量に基づいて、前記移動体の所在位置として判定する前記所定区域を限定する付記9又は10記載の所在区域判定プログラム。
(付記12)
前記判定する処理は、前記第一の期間が閾値以下である場合、前記第一の期間における前記移動体の所在位置は前記所定区域内であると判定しない付記9乃至11いずれか一項記載の所在区域判定プログラム。