JP5685746B2 - 貼付シート - Google Patents
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Description
前記複数の第一剥離フィルムはそれぞれ、折り返し部にて折り返されて上下に重なる上部フィルムと下部フィルム、および、前記折り返し部と反対方向に下部フィルムを引っ張るための引手を備えており、前記下部フィルムの下面に粘着層を有すること、
前記上部フィルムの上面が、前記本体シート下面の粘着層と接しており、前記下部フィルム下面の粘着層が前記第二剥離フィルムと接していること、
を特徴とする。
表示画面上に存在する塵や埃等の異物は、下部フィルム下面に設けられた粘着層に付着したまま除去されていき、下部フィルムをスライドさせるにつれ、本体シート下面の粘着層が露出していくため、下部フィルムによる異物除去の直後に、本体シート下面の粘着層を被着体に貼付していくことが可能である。また、本体シートを被着体に向けて軽く押さえつけながら、剥離作業を行えるため、剥離開示時でさえ、本体シートが大きく持ち上がることがなく、本体シートと被着体の間の空隙を最小限にしながら本体シートの貼付作業を行えるため、気泡や異物が入り込む可能性が非常に少ない。
一例として、下面にシリコーン系粘着層が形成されたPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムが挙げられる。また、反射防止加工等の特殊加工が施されたものであってもよい。
粘着層を含めた本体シートの厚みは、シートの材質、希望する強度、対象となる被着体等によって異なるが、表示画面の保護シートとして用いる場合は、65μm〜220μm程度が好ましい。このような粘着層付きの本体シートとして、液晶画面の保護シート用として販売されている既存の粘着層付きのシートを用いることができる。
前記第一剥離フィルム4は、上部フィルム4aの厚みが10〜50μm、下部フィルム4bの厚みが10〜150μm程度であることが好ましい。
また、上部フィルムは薄く撓みやすいほうが剥離作業を行いやすいが、下部フィルムはより厚く強度が高い方が、第二剥離フィルムから剥離しやすく、被着体上に貼付する際にも皺等が生じにくく、被着体からの剥離も行いやすい。そのため、下部フィルムの厚みが上部フィルムの厚みより大きいことがより好ましい。
特に好ましい第一剥離フィルムの例として、上部フィルムの厚みが10〜45μmであり、下部フィルムの厚みが50〜150μm(特に、55〜120μm)である第一剥離フィルムが挙げられる。
本発明では、各第一剥離フィルムが本体シートの下面(の粘着層)を一部ずつ覆い、複数の第一剥離フィルムによって本体シート下面の全体が覆われる構成となっている。
第一剥離フィルムの数は、2〜4が好ましく、2が特に好ましい。
本発明の貼付シートの好ましい例では、複数の第一剥離フィルム同士は隙間なく配置されるか、あるいは隙間があるとしても2mm以内(特に1mm以内)となるように配置され、さらに第一剥離フィルムの上部フィルムと下部フィルムがそれぞれ、複数併せて本体シートと同一かそれ以上の大きさ(例えば、本体シートの縁から0.5〜15mm程度はみ出る大きさ)となるように形成されている。
図1Bは、本発明の貼付シートの構成を模式的に示す分解図であり、各層を見やすくするため、本体シート2の下面の粘着層3と、上部フィルム4aの間に隙間を挿入し、第一剥離フィルム4の下面の粘着層6と、第二剥離フィルム7との間にも隙間を挿入している。また、折り返し構造を示すため、上部フィルム4aを下部フィルム4bから少し持ち上げた状態を図示している。実際の貼付シート1はこれら各層が隙間なく積層された構成を有する。
図1Bに示すように、2つの第一剥離フィルム4は、その折り返し部(直線状の折り返し線)同士が対向するように、本体シートの下面側に配置される。また、2つの第一剥離フィルム4同士の間に隙間がないか、あっても1mm以下であることが好ましい。
また、第一剥離フィルムの折り返し線と、本体シートを2等分する中心線Cが平行になるように配置されることが好ましく、特に、前記折り返し線が、前記中心線と重なるか、中心線に沿うように近接配置されることが好ましい。前記中心線は、本体シートが長方形状の場合は、長辺を2等分する直線であることが好ましい。
なお、図1Bでは、中心線Cを挟んで、2つの第一剥離フィルム4が隙間なく配置されている特に好ましい例(2つの第一剥離フィルムが、本体シートの下面を半分ずつ覆っている例)を示したが、中心線Cから若干離れた箇所(中央部)で、2つの第一剥離フィルムが対向するように配置してもよい(本体シートの中央部で折り返された2つの第一剥離フィルムが、本体シートの下面を略半分ずつ覆う)。前記中央部とは、中心線からの距離が、本体シートの長さ(中心線と直交する方向の長さ)の5%以下である範囲が好ましく、3%以下の範囲がより好ましい。特に、中心線からの距離が5mm以下の範囲が好ましく、3mm以下の範囲がより好ましい。
例えば、アクリル系粘着剤やシリコーン系粘着剤からなる粘着層であって、被着体をガラスとし、JIS Z0237に準拠して(剥離速度:300mm/min、測定環境:23℃・50%RH)、180°引き剥がし粘着力を測定した場合、20分値が0.01〜0.10N/25mm程度の粘着力を示すものが好ましく、0.02〜0.08N/25mm程度の粘着力を示すものがより好ましい。
前記粘着層は、下部フィルムの下面全体に渡って設けられることが好ましい。
前記粘着層は、下部フィルム下面に粘着剤を塗工することにより形成することができる。また、あらかじめ粘着層が形成されたフィルムを下部フィルムとして使用してもよい。
好ましくい凹凸層として、点線状または破線状に配置された凸部が全体に形成された粘着層が挙げられる。凸部の形状は点状であっても、短い線状であってもよい。
本発明の貼付シートは、下部フィルム下面の粘着層6を被着体に貼付した状態で、引手5を引いて、被着体上を下部フィルム4bがスライドするように動かして第一剥離フィルムを剥がしていく。そのため、粘着層6が被着体にぴったり接着されているよりも、凹凸により接着力が軽減されているほうが、剥離作業をスムーズに行うことができる。また、位置の微調節も行い易い。
言い換えれば、被着体に対する粘着層6の実際の接着力は、粘着層を構成する粘着剤の粘着力だけでなく、被着体に対する濡れ性によっても変わるため、凹凸を設けて濡れ性を緩和することにより、被着体に対する実際の接着力を低下させ、スムーズな位置合わせと剥離を実現することができる。
接着力を所望の程度にするための最適な凹凸構成は、粘着剤の種類や、被着体と粘着層の濡れ性によって異なるため、適宜調節すればよい。望ましい接着力は、被着体の大きさ等によっても異なる可能性があるため、被着体に応じて適宜調節すればよい。
一般に、粘着層6の面積に占める凸部面積の割合は、1%〜30%程度が好ましく、2%〜20%程度がより好ましい。特に好ましい凸部面積の割合は3%以上15%以下(特に10%以下)である。凸部面積の割合が大きすぎると、濡れ性が低下しすぎて被着体に対する接着力が不足する恐れがある。
また、各線上の凸部の位置は、隣の線上の凸部の位置とずれていることが好ましく、線同士の間隔は0.5mm〜3mm程度であることが好ましい。
凸部が点状(略円状、略正方形状等)の場合、直径(又は一辺の長さ)は0.1〜1.5mm程度が好ましく、0.2〜1.0mm程度がより好ましく、0.3〜0.7mm程度が特に好ましい。
凸部が短線状(長方形状)の場合、幅0.1〜0.5mm程度、長さ0.7〜3.0mm程度の凸部が好ましく、幅0.15〜0.4mm程度、長さ1.0〜2.0mm程度の凸部がより好ましい。
特に、補強フィルムとして、フィルムの片面に微粘着層が形成され、その微粘着層が剥離フィルムに覆われているフィルムを使用すれば、前記微粘着層を、下部フィルム下面の粘着層6として、前記剥離フィルムを第二剥離フィルム7として使用することができる。また、このような補強フィルムに凹凸加工を施してから、下側のフィルムに接着すれば、凹凸層付きの粘着層を容易に設けることができる。
本発明では、第二剥離フィルムを一部ずつ剥がして貼付作業を行う必要は無いため、第二剥離フィルムは一枚のフィルムであることがより好ましい。
図1および図2と同じ構成を有する貼付シートを以下の工程で製造した。
(1)まず、60μmの透明な二軸延伸ポリプロピレンフィルム(以下、OPP)、厚み9μmの透明アクリル系粘着層、25μmの透明剥離フィルムを積層してなる加工工程用微粘着シート(日栄化工株式会社製:PP60-Y160(9))を用意した(前述した条件での180°引き剥がし粘着力は0.05N/25mm)。貼付シート完成後は、OPPが補強フィルム4b2、アクリル系粘着層が下部フィルム下面の粘着層6、25μmの剥離フィルムが第二剥離フィルム7となる(図1Bおよび図3A参照)。
この微粘着シートに、OPP側から凹凸加工用の刃型(直線に沿って並ぶ点状の凸部を有する刃型)を用いて、中心線Cと平行な複数の点線状の凸部を粘着層に形成した。線の間隔は約1〜2mmとし、隣り合う線同士で凸部の位置がずれるように凹凸加工した。凸部の大きさは直径約0.5mm、高さ約2〜3μmであり、凸部密度は約36個/cm2、粘着層面積に占める凸部面積の割合は約7%となった。
(2)次に、OPPの上面全面に透明両面テープを張り付けた後、OPPを2等分する位置(中心線C)にスリット加工を行い、OPPとアクリル系粘着層を切断した(剥離フィルムは切断しない)。
(3)その後、事前に折り返し加工した厚み約30μmの透明OPPフィルムを2つ、(2)のスリット線の左右に配置し(折り返し線がスリット線と重なるか、ずれても0.5mm以内となるようにスリット線と平行に配置した)、貼り合わせ加工した。貼付シート完成後は、前記折り返し加工済みOPPフィルムの上側のフィルムが本発明の上部フィルム4a(厚み約30μm)に該当し、下側のフィルム4b1が、前記補強フィルム4b2とともに、下部フィルム4b(厚み約90μm)を構成する(図3参照)。
(4)その後、片面に透明なシリコーン系粘着層が形成された透明PETフィルム(粘着層の厚み:50μm、PETフィルムの厚み:100μm)を、粘着層が下になるようにして、前記(3)のOPPフィルムの上に乗せ、貼り合わせた。貼付シート製造後は、前記PETフィルムが本体シート2に該当し、シリコーン系粘着層が、本体シート下面の粘着層3に該当する。
(5)その後、最下層の剥離フィルム以外を約11cm×7cmの長方形状に打ち抜き加工した。
(6)不要な部分を除去後、折り返しOPPフィルムの下側のフィルム4b1に、約2.5cm×1.5cmの樹脂フィルム片を、一端が本体シートの縁から約1cm突出するように貼り付け、約1cm×1.5cmの引手5を形成した。
(7)その後、最下層の剥離フィルムを約13cm×8cmに打ち抜き加工した。
製造した貼付シートの第二剥離フィルム7を完全に剥がし、第一剥離フィルムの粘着層6を全て露出させた後、表示画面に貼付し、位置合わせを行った。その後、片手で本体シート2を表示画面に向けて軽く押さえつけた状態で、まず、右側の第一剥離フィルム4の引手5をゆっくり右方向に引いた(図2参照)。引手を引くことにより、第一剥離フィルムの下部フィルム4bがゆっくりと表示画面上を滑るように右側にスライドし、それに合わせて、上部フィルム4aが本体シートから剥がれ、本体シート下面の粘着層3が露出した。粘着層3が露出した部分の本体シート2を上から表示画面に押しつけて表示画面に貼付していき、この作業を続けることにより、右半分の本体シート2全てを表示画面に貼付した。同様にして、左側の第一剥離フィルムも剥離し、左半分の本体シートも表示画面に貼付した。
実施例1の工程(1)で使用した凹凸加工用の刃型の代わりに、直線に沿って並ぶ短線状の凸部を有する刃型を用いて、中心線Cと平行な複数の破線状の凸部を粘着層に形成した。線の間隔は約1〜2mmとし、隣り合う線同士で凸部の位置がずれるように凹凸加工した。短線状の凸部の大きさは、幅約0.2mm×長さ約1.2mm、高さ約2〜3μmであり、凸部密度は約25個/cm2、粘着層面積に占める凸部面積の割合は約6%であった。
それ以外は、実施例1と同様の手順で作業を行うことにより、貼付シートを製造した。
実施例1の工程(1)で凹凸加工を行わなかった以外は、実施例1と同様の手順で作業を行うことにより、貼付シートを製造した。
実施例1の第一剥離フィルムの製造工程の(4)の前に、まず、折り返し加工済みOPPフィルムと、平板状のOPPフィルム(補強フィルム)、アクリル系粘着層を、本体シートより各辺が約2mmずつ大きい長方形状に打ち抜き加工した。
その後(4)の工程を行い、(5)の工程において、PETフィルムとシリコーン系粘着層を実施例1と同じ大きさ(約11cm×7cm)に打ち抜き加工した。
それ以外は、実施例1と同様の手順で作業を行うことにより、2つの第一剥離フィルムの合計の大きさが、本体シートより大きく形成された貼付シートを製造した。
より具体的に説明すると、タッチパネル機能を有する表示画面の場合、本体シートが表示画面からずれると、タッチパネルモジュール端面に負荷がかかり誤作動を起こすことがある。そのため、誤作動が起こりにくいにように、本体シートを表示画面よりも小さく(例えば、各辺を1〜3mm程度短く)形成する場合がある。本実施例の貼付シートは、第一剥離フィルムと表示画面の大きさが同じであるため、第一剥離フィルムと表示画面の位置を正確に揃えた後、第一剥離フィルムを剥離することにより、表示画面よりわずかに小さい本体シートを表示画面の枠内に確実に配置することができた。
実施例1の(2)の工程において、OPP上面全面ではなく、中心線上にのみ約2cm幅の透明両面テープを張り付けたことを除いて、実施例1と同じ方法で、貼付シートを製造した。
この貼付シートの第一剥離フィルムでは、折り返しOPPフィルムの下側のフィルム4b1の下面うち、折り返し線付近の一部のみが、平板状OPPフィルムに接着されている(図3B参照)。すなわち、本実施例では、平板状OPPフィルムが単独で下部フィルム4b(厚み約60μm)となり、4b1は引手5の付いた引手用のフィルムとなる。
2 本体シート
3 本体シート下面の粘着層
4 第一剥離フィルム
4a 上部フィルム
4b 下部フィルム
5 引手
6 下部フィルム下面の粘着層
7 第二剥離フィルム
C 中心線
Claims (4)
- 下面に粘着層を有する本体シートと、複数併せて前記本体シートの下面全体を覆う複数の第一剥離フィルムと、前記第一剥離フィルムの下面側と接する第二剥離フィルムとを有すること、
前記複数の第一剥離フィルムはそれぞれ、折り返し部にて折り返されて上下に重なる上部フィルムと下部フィルム、および、前記折り返し部と反対方向に下部フィルムを引っ張るための引手を備えており、前記下部フィルムの下面に粘着層を有すること、
前記上部フィルムの上面が、前記本体シート下面の粘着層と接しており、前記下部フィルム下面の粘着層が前記第二剥離フィルムと接していること、
を特徴とする貼付シート。 - 前記下部フィルム下面の粘着層が、凹凸を有することを特徴とする、請求項1に記載の貼付シート。
- 前記第一剥離フィルムが、前記本体シートの下面を略半分ずつ覆う2つのフィルムからなり、前記2つの第一剥離フィルムがそれぞれ、前記本体シートの中央部で折り返されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の貼付シート。
- 前記下部フィルムの厚みが、前記上部フィルムの厚みより大きいことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の貼付シート。
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