JP5684813B2 - 油入電気機器の異常予測診断方法 - Google Patents

油入電気機器の異常予測診断方法 Download PDF

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Description

本発明は、油中ガス濃度を用いた油入電気機器の異予測診断方法に関するものである。
油入電気機器の保守管理方法としては、油中ガス濃度を用いた分析方法が広く用いられている。例えば、運転中の変圧器などの油入電気機器の内部で異常が生じた場合に、油入電気機器から採集した試料油について油中ガス濃度を測定し、油中ガスの種類とその濃度のパターンから、過去の事例をもとにして、異常内容や異常箇所などを推定する、いわゆるガスパターン法(非特許文献1)などが用いられる。
しかし、このような分析方法においては、診断専門家が、その経験により得られた知見などを判断基準として、過去の事例をもとに、測定データから推定するため、診断専門家の知識レベルや経験の差などにより診断結果に違いが生じる可能性がある。また、各診断専門家が処理できる件数には限界があり、膨大な件数の診断を処理するには時間を要するため、適切な時期に油入電気機器の交換や修理などを行うことができない可能性もある。また、一定のレベルの診断専門家を養成するには相当の時間を要し、熟練の診断専門家に過大な負担が課せられているのが現状である。
このような状況を改善するため、機械診断を行う試みがなされている(非特許文献2)。非特許文献2には、ID3アルゴリズムに基づくファジィ決定木を油中ガス分析診断へ適用した例が記載されている。本例では、ファジィ決定木を生成する際に、複数のガス種のガス濃度の測定値をそのまま採用して、ファジィ集合が作成され、複数の離散化した属性に変換した離散化データが作成されている。しかし、このように、ガス濃度の測定値をそのまま用いた場合、複数のガス種相互の関係が考慮されないことから、診断専門家の判断手法と乖離しており、機械診断の精度としては限界があった。
また、決定木を用いた診断方法や予測方法についての各種提案はされているものの(例えば特許文献1、2参照)、油中ガス分析に適用できる提案は未だなされておらず、その開発が望まれていた。
特開平6−113439号公報 特開2005−107940号公報
社団法人電気協同研究会、小河、「電気協同研究 電力用変圧器改修ガイドライン」、平成21年9月5日、第65巻、第1号、p48−51 Umano et al., 'Generation of fuzzy decision trees by extended ID3 algorithm and its application to diagnosis by analyzing gas in oil' Proceeding of the fourth Intelligent FA Symposium, ISCIE, p201-204、July 7-8, 1993
そこで、本発明の目的とするところは、一定レベルに達した診断専門家と同等以上の診断精度を有する油中ガス濃度を用いた油入電気機器の異予測診断方法を提供することにある。
本発明は、前述の課題解決のために、
コンピュータにより油入電気機器の内部異常を診断する診断方法であって、
コンピュータが、
実績データ記憶手段に記憶されている油入電気機器の過去の異常事例データに基づき、各異常事例毎に油入電気機器の絶縁油中に溶解していた複数のガス種の濃度を、それぞれ、当該異常事例毎に測定した前記複数のガス種のガス濃度の総和で除して比率に変換した標準化データ群を作成し、これを第1標準化データ群記憶手段に記憶し、
前記第1標準化データ群記憶手段に記憶された異常事例毎の標準化データ群に基づき、該標準化データ群を構成している各ガス種の濃度比率を、ガス種ごとに設定された所定の閾値により複数の離散化した属性に変換した離散化データ群を作成し、これを第1離散化データ群記憶手段に記憶し、
前記第1離散化データ群記憶手段に記憶された異常事例毎の離散化データ群に基づき、下記式(1)〜(4)を用いた解析により油入電気機器の内部異常の種類を判定するための決定木を作成し、これを決定木記憶手段に記憶し、
判定対象の油入電気機器から抽出した絶縁油中に溶解している複数のガス種の濃度を、当該複数のガス種のガス濃度の総和で除して比率に変換した標準化データ群を作成し、これを第2標準化データ群記憶手段に記憶し、
前記第2標準化データ群記憶手段に記憶された判定対象機器の標準化データ群に基づき、該標準化データ群を構成している各ガス種の濃度比率を、ガス種ごとに設定された前記異常事例と同じ所定の閾値により複数の離散化した属性に変換した離散化データ群を作成し、これを第2離散化データ群記憶手段に記憶し、
前記第2離散化データ群記憶手段に記憶された判定対象機器の離散化データ群と、前記決定木記憶手段に記憶された決定木により、判定対象機器の内部異常の種類を判定することを特徴とする油入電気機器の異常診断方法、
を構成した。
Figure 0005684813
Figure 0005684813
Figure 0005684813
Figure 0005684813
X:絶縁油中に溶解していたガス種
D:節点に対応付けられた異常事例データの集合
|D|:節点に対応付けられた異常事例データの件数
i:集合D中のi番目の内部異常の種類の件数
αi:ガス種Xのj番目の枝の異常事例データの件数
βjk:ガス種Xのj番目の枝におけるk番目の内部異常の種類の件数
G(X):利得比
M(D):集合Dの内部異常の種類に対する期待情報量
E(X):ガス種Xにより分類された後の期待情報量
S(X):集合Dのガス種Xに対する期待情報量
l:集合D中の最初の内部異常の種類または離散化した属性の番号
m、n:集合D中の内部異常の種類の総数
ν:離散化した属性の総数
また、前記複数のガス種は、メタン、エタン、エチレン、プロパン、プロピレン、イソブタン、アセチレン、水素、一酸化炭素、及びノルマルブタンを含むことが好ましい。
本発明では、コンピュータが、
前記判定対象の油入電気機器から抽出された絶縁油中に溶解している複数のガス種の濃度について、それぞれ所定の正常範囲に入るか否かを判定し、
異常のガス種が存在した場合にのみ、前記決定木による異常判定を行なうようにしても良い。
また、本発明は、
コンピュータにより油入電気機器の内部異常を診断する診断システムであって、
コンピュータが、
油入電気機器の過去の異常事例データを記憶する実績データ記憶手段と、
前記実績データ記憶手段に記憶されている油入電気機器の過去の異常事例データに基づき、各異常事例毎に油入電気機器の絶縁油中に溶解していた複数のガス種の濃度を、それぞれ、当該異常事例毎に測定した前記複数のガス種のガス濃度の総和で除して比率に変換した標準化データ群を作成する第1標準化データ群作成手段と、
前記第1標準化データ群作成手段により作成された標準化データ群を記憶する第1標準化データ群記憶手段と、
前記第1標準化データ群記憶手段に記憶された異常事例毎の標準化データ群に基づき、該標準化データ群を構成している各ガス種の濃度比率を、ガス種ごとに設定された所定の閾値により複数の離散化した属性に変換した離散化データ群を作成する第1離散化データ群作成手段と、
前記第1離散化データ群作成手段により作成された離散化データ群を記憶する第1離散化データ群記憶手段と、
前記第1離散化データ群記憶手段に記憶された異常事例毎の離散化データ群に基づき、下記式(1)〜(4)を用いた解析により油入電気機器の内部異常の種類を判定するための決定木を作成する決定木作成手段と、
前記決定木作成手段により作成された決定木を記憶する決定木記憶手段と、
判定対象の油入電気機器から抽出した絶縁油中に溶解している複数のガス種の濃度を、当該複数のガス種のガス濃度の総和で除して比率に変換した標準化データ群を作成する第2標準化データ群作成手段と、
前記第2標準化データ群作成手段により作成された標準化データ群を記憶する第2標準化データ群記憶手段と、
前記第2標準化データ群記憶手段に記憶された判定対象機器の標準化データ群に基づき、該標準化データ群を構成している各ガス種の濃度比率を、ガス種ごとに設定された前記異常事例と同じ所定の閾値により複数の離散化した属性に変換した離散化データ群を作成する第2離散化データ群作成手段と、
前記第2離散化データ群作成手段により作成された離散化データ群を記憶する第2離散化データ群記憶手段と、
前記第2離散化データ群記憶手段に記憶された判定対象機器の離散化データ群と、前記決定木記憶手段に記憶された決定木により、判定対象機器の内部異常の種類を判定する異常判定手段と、
を備えたことを特徴とする油入電気機器の異常診断システム、
を構成した。
Figure 0005684813
Figure 0005684813
Figure 0005684813
Figure 0005684813
X:絶縁油中に溶解していたガス種
D:節点に対応付けられた異常事例データの集合
|D|:節点に対応付けられた異常事例データの件数
i:集合D中のi番目の内部異常の種類の件数
αi:ガス種Xのj番目の枝の異常事例データの件数
βjk:ガス種Xのj番目の枝におけるk番目の内部異常の種類の件数
G(X):利得比
M(D):集合Dの内部異常の種類に対する期待情報量
E(X):ガス種Xにより分類された後の期待情報量
S(X):集合Dのガス種Xに対する期待情報量
l:集合D中の最初の内部異常の種類または離散化した属性の番号
m、n:集合D中の内部異常の種類の総数
ν:離散化した属性の総数
また、本発明は、
コンピュータにより油入電気機器の内部異常を診断する診断プログラムであって、
コンピュータに、
実績データ記憶手段に記憶されている油入電気機器の過去の異常事例データに基づき、各異常事例毎に油入電気機器の絶縁油中に溶解していた複数のガス種の濃度を、それぞれ、当該異常事例毎に測定した前記複数のガス種のガス濃度の総和で除して比率に変換した標準化データ群を作成し、これを第1標準化データ群記憶手段に記憶し、
前記第1標準化データ群記憶手段に記憶された異常事例毎の標準化データ群に基づき、該標準化データ群を構成している各ガス種の濃度比率を、ガス種ごとに設定された所定の閾値により複数の離散化した属性に変換した離散化データ群を作成し、これを第1離散化データ群記憶手段に記憶し、
前記第1離散化データ群記憶手段に記憶された異常事例毎の離散化データ群に基づき、下記式(1)〜(4)を用いた解析により油入電気機器の内部異常の種類を判定するための決定木を作成し、これを決定木記憶手段に記憶し、
判定対象の油入電気機器から抽出した絶縁油中に溶解している複数のガス種の濃度を、当該複数のガス種のガス濃度の総和で除して比率に変換した標準化データ群を作成し、これを第2標準化データ群記憶手段に記憶し、
前記第2標準化データ群記憶手段に記憶された判定対象機器の標準化データ群に基づき、該標準化データ群を構成している各ガス種の濃度比率を、ガス種ごとに設定された前記異常事例と同じ所定の閾値により複数の離散化した属性に変換した離散化データ群を作成し、これを第2離散化データ群記憶手段に記憶し、
前記第2離散化データ群記憶手段に記憶された判定対象機器の離散化データ群と、前記決定木記憶手段に記憶された決定木により、判定対象機器の内部異常の種類を判定することを実行させる油入電気機器の異常診断プログラム、
を構成した。
Figure 0005684813
Figure 0005684813
Figure 0005684813
Figure 0005684813
X:絶縁油中に溶解していたガス種
D:節点に対応付けられた異常事例データの集合
|D|:節点に対応付けられた異常事例データの件数
i:集合D中のi番目の内部異常の種類の件数
αi:ガス種Xのj番目の枝の異常事例データの件数
βjk:ガス種Xのj番目の枝におけるk番目の内部異常の種類の件数
G(X):利得比
M(D):集合Dの内部異常の種類に対する期待情報量
E(X):ガス種Xにより分類された後の期待情報量
S(X):集合Dのガス種Xに対する期待情報量
l:集合D中の最初の内部異常の種類または離散化した属性の番号
m、n:集合D中の内部異常の種類の総数
ν:離散化した属性の総数
また、本発明は、
コンピュータにより油入電気機器の内部異常の種類を判定するための決定木を作成する方法であって、
コンピュータが、
実績データ記憶手段に記憶されている油入電気機器の過去の異常事例データに基づき、各異常事例毎に油入電気機器の絶縁油中に溶解していた複数のガス種の濃度を、それぞれ、当該異常事例毎に測定した前記複数のガス種のガス濃度の総和で除して比率に変換した標準化データ群を作成し、これを第1標準化データ群記憶手段に記憶し、
前記第1標準化データ群記憶手段に記憶された異常事例毎の標準化データ群に基づき、該標準化データ群を構成している各ガス種の濃度比率を、ガス種ごとに設定された所定の閾値により複数の離散化した属性に変換した離散化データ群を作成し、これを第1離散化データ群記憶手段に記憶し、
前記第1離散化データ群記憶手段に記憶された異常事例毎の離散化データ群に基づき、下記式(1)〜(4)を用いた解析により油入電気機器の内部異常の種類を判定するための決定木を作成することを特徴とする油入電気機器内部異常の決定木作成方法、
を構成した。
Figure 0005684813
Figure 0005684813
Figure 0005684813
Figure 0005684813
X:絶縁油中に溶解していたガス種
D:節点に対応付けられた異常事例データの集合
|D|:節点に対応付けられた異常事例データの件数
i:集合D中のi番目の内部異常の種類の件数
αi:ガス種Xのj番目の枝の異常事例データの件数
βjk:ガス種Xのj番目の枝におけるk番目の内部異常の種類の件数
G(X):利得比
M(D):集合Dの内部異常の種類に対する期待情報量
E(X):ガス種Xにより分類された後の期待情報量
S(X):集合Dのガス種Xに対する期待情報量
l:集合D中の最初の内部異常の種類または離散化した属性の番号
m、n:集合D中の内部異常の種類の総数
ν:離散化した属性の総数
また、本発明は、
コンピュータにより油入電気機器の内部異常の種類を判定するための決定木を作成するプログラムであって、
コンピュータに、
実績データ記憶手段に記憶されている油入電気機器の過去の異常事例データに基づき、各異常事例毎に油入電気機器の絶縁油中に溶解していた複数のガス種の濃度を、それぞれ、当該異常事例毎に測定した前記複数のガス種のガス濃度の総和で除して比率に変換した標準化データ群を作成し、これを第1標準化データ群記憶手段に記憶し、
前記第1標準化データ群記憶手段に記憶された異常事例毎の標準化データ群に基づき、該標準化データ群を構成している各ガス種の濃度比率を、ガス種ごとに設定された所定の閾値により複数の離散化した属性に変換した離散化データ群を作成し、これを第1離散化データ群記憶手段に記憶し、
前記第1離散化データ群記憶手段に記憶された異常事例毎の離散化データ群に基づき、下記式(1)〜(4)を用いた解析により油入電気機器の内部異常の種類を判定するための決定木を作成することを実行させる油入電気機器内部異常の決定木作成プログラム、
を構成した。
Figure 0005684813
Figure 0005684813
Figure 0005684813
Figure 0005684813
X:絶縁油中に溶解していたガス種
D:節点に対応付けられた異常事例データの集合
|D|:節点に対応付けられた異常事例データの件数
i:集合D中のi番目の内部異常の種類の件数
αi:ガス種Xのj番目の枝の異常事例データの件数
βjk:ガス種Xのj番目の枝におけるk番目の内部異常の種類の件数
G(X):利得比
M(D):集合Dの内部異常の種類に対する期待情報量
E(X):ガス種Xにより分類された後の期待情報量
S(X):集合Dのガス種Xに対する期待情報量
l:集合D中の最初の内部異常の種類または離散化した属性の番号
m、n:集合D中の内部異常の種類の総数
ν:離散化した属性の総数
また、本発明は、
コンピュータにより油入電気機器の内部異常を診断する診断方法であって、
コンピュータが、
実績データ記憶手段に記憶されている油入電気機器の過去の異常事例データに基づき、各異常事例毎に油入電気機器の絶縁油中に溶解していた複数のガス種の濃度を、それぞれ、当該異常事例毎に測定した前記複数のガス種のガス濃度の総和で除して比率に変換した標準化データ群を作成し、これを第1標準化データ群記憶手段に記憶し、
前記第1標準化データ群記憶手段に記憶された異常事例毎の標準化データ群に基づき、該標準化データ群を構成している各ガス種の濃度比率に対応する確信度をガス種ごとに設定された所定のメンバーシップ関数により算出し、前記確信度に基づき前記各ガス種の濃度比率を複数の離散化した属性に変換した離散化データ群を作成し、これを第1離散化データ群記憶手段に記憶し、
前記第1離散化データ群記憶手段に記憶された異常事例毎の離散化データ群に基づき、下記式(5)〜(8)を用いた解析により油入電気機器の内部異常の種類を判定するための決定木を作成し、これを決定木記憶手段に記憶し、
判定対象の油入電気機器から抽出した絶縁油中に溶解している複数のガス種の濃度を、当該複数のガス種のガス濃度の総和で除して比率に変換した標準化データ群を作成し、これを第2標準化データ群記憶手段に記憶し、
前記第2標準化データ群記憶手段に記憶された判定対象機器の標準化データ群に基づき、該標準化データ群を構成している各ガス種の濃度比率を、ガス種ごとに設定された前記異常事例と同じ所定の確信度に基づき複数の離散化した属性に変換した離散化データ群を作成し、これを第2離散化データ群記憶手段に記憶し、
前記第2離散化データ群記憶手段に記憶された判定対象機器の離散化データ群と、前記決定木記憶手段に記憶された決定木により、判定対象機器の内部異常の種類を判定することを特徴とする油入電気機器の異常診断方法、
を構成した。
Figure 0005684813
Figure 0005684813
Figure 0005684813
Figure 0005684813
X:絶縁油中に溶解していたガス種
D’:節点に対応付けられた異常事例データの確信度に基づく集合
|D’|:節点に対応付けられた異常事例データの確信度の和
i’:集合D’中のi番目の内部異常の種類の確信度の和
αi’:ガス種Xのj番目の枝の異常事例データの確信度の和
βjk’:ガス種Xのj番目の枝におけるk番目の内部異常の種類の確信度の和
G’(X):利得比
M’(D’):集合D’の内部異常の種類に対する期待情報量
E’(X):ガス種Xにより分類された後の期待情報量
S’(X):集合D’のガス種Xに対する期待情報量
l:集合D中の最初の内部異常の種類または離散化した属性の番号
m、n:集合D中の内部異常の種類の総数
ν:離散化した属性の総数
また、本発明は、
コンピュータにより油入電気機器の内部異常を予測して診断する異常予測診断方法であって、
コンピュータが、
実績データ記憶手段に記憶されている油入電気機器の過去の異常事例データに基づき、各異常事例毎に油入電気機器の絶縁油中に溶解していた複数のガス種の濃度を比率に変換した標準化データ群を作成し、これを第1標準化データ群記憶手段に記憶し、
前記第1標準化データ群記憶手段に記憶された異常事例毎の標準化データ群に基づき、該標準化データ群を構成している各ガス種の濃度比率を、ガス種ごとに設定された所定の閾値により複数の離散化した属性に変換した離散化データ群を作成し、これを第1離散化データ群記憶手段に記憶し、
前記第1離散化データ群記憶手段に記憶された異常事例毎の離散化データ群に基づき、下記式(1)〜(4)を用いた解析により油入電気機器の内部異常の種類を判定するための決定木を作成し、これを決定木記憶手段に記憶し、
実績データ記憶手段に記憶されている判定対象の油入電気機器の過去の3つ以上の実績データに基づき、油入電気機器の絶縁油中に溶解していた複数のガス種毎に抽出されたガス濃度の時系列データ群について、第1回帰直線と、該第1回帰直線に対する前記時系列データ群のばらつきと、該ばらつきに基づく不確かさとを算出し、これらを第1回帰直線データ記憶手段に記憶し、
実績データ記憶手段に記憶されている実績データに基づき抽出された前記時系列データ群のうち最も測定時期の新しい3つ以上の前記時系列データ群について、第2回帰直線と、該第2回帰直線上の最も新しい測定時期から所定期間経過した時のガス濃度である第1予測ガス濃度とを算出し、これらを第2回帰直線データ記憶手段に記憶し、
第1直線データ記憶手段に記憶された前記不確かさと第2直線データ記憶手段に記憶された前記第1予測ガス濃度とを和した値を第2予測ガス濃度として算出し、第2予測ガス濃度と、実績データ記憶手段に記憶されている実績データに基づき抽出された前記時系列データ群のうち最も測定時期の新しい実績データとにより構成される予測時系列データ群を作成し、該予測時系列データ群について第3回帰直線を作成し、これを第3回帰直線データ記憶手段に記憶し、
前記第3回帰直線データ記憶手段に記憶されたガス種毎の第3回帰直線について、該第3回帰直線上の同時期の第3予測ガス濃度をそれぞれ抽出し、当該複数のガス種の第3予測ガス濃度を比率に変換した標準化データ群を作成し、これを第2標準化データ群記憶手段に記憶し、
前記第2標準化データ群記憶手段に記憶された判定対象機器の標準化データ群に基づき、該標準化データ群を構成している各ガス種の濃度比率を、ガス種ごとに設定された前記異常事例と同じ所定の閾値により複数の離散化した属性に変換した離散化データ群を作成し、これを第2離散化データ群記憶手段に記憶し、
前記第2離散化データ群記憶手段に記憶された判定対象機器の離散化データ群と、前記決定木記憶手段に記憶された決定木により、判定対象機器の内部異常の種類を判定することを特徴とする油入電気機器の異常予測診断方法、
を構成した。
Figure 0005684813
Figure 0005684813
Figure 0005684813
Figure 0005684813
X:絶縁油中に溶解していたガス種
D:節点に対応付けられた異常事例データの集合
|D|:節点に対応付けられた異常事例データの件数
i:集合D中のi番目の内部異常の種類の件数
αi:ガス種Xのj番目の枝の異常事例データの件数
βjk:ガス種Xのj番目の枝におけるk番目の内部異常の種類の件数
G(X):利得比
M(D):集合Dの内部異常の種類に対する期待情報量
E(X):ガス種Xにより分類された後の期待情報量
S(X):集合Dのガス種Xに対する期待情報量
l:集合D中の最初の内部異常の種類または離散化した属性の番号
m、n:集合D中の内部異常の種類の総数
ν:離散化した属性の総数
以上にしてなる本願発明に係る油入電気機器の異常診断方法は、特定のデータ処理を行った離散化データに基づき決定木を生成する方法を採用することで、過去の異常事例データを精度よく解析可能なため、一定レベルに達した診断専門家と同等以上の診断精度を有するものであり、油中ガス濃度を用いた分析方法の機械診断として極めて有効である。
また、本願発明に係る油入電気機器の異常予測診断方法は、特定の回帰直線を用いて予測した各ガス種の予測濃度について、特定の決定木作成方法を採用して、判定対象機器の内部異常の種類を判定することで、将来発生する内部異常を精度よく予測診断することが期待できる。
本発明の第1の実施形態における油入電気機器の異常診断方法を行うための代表的な異常診断システムの主要な構成を示したブロック図である。 本発明に係る油入電気機器の異常予測診断方法を行うための代表的な異常予測診断システムの主要な構成を示したブロック図である。 判定対象の油入電気機器から抽出した絶縁油中に溶解している複数のガス種の濃度の入力から異常診断結果が得られるまでの概略フロー図である。 図3における決定木による診断(ステップS104)のステップの詳細を示す概略フロー図である。 判定対象ガスの濃度の入力から異常予測診断結果が得られるまでの概略フロー図である。 図5における予測のステップ(ステップS305)の詳細を示す概略フロー図である。 本発明において作成された決定木の木構造の一部を示す図である。 本発明において抽出される異常事例データの一部を仮想的に一覧表として示した図である。 図8における各ガス種のガス濃度を、それぞれ、事例毎に測定した各ガス種のガス濃度の総和で除して、各異常事例毎に油入電気機器の絶縁油中に溶解していた複数のガス種の濃度を比率に変換した標準化データ群の一部を仮想的に一覧表として示した図である。 図9に示す標準化データ群から、ガス種ごとに設定された所定の閾値により複数の離散化した属性に変換した離散化データ群の一部を仮想的に一覧表として示した図である。 あるガス種(X)について、3種の離散化属性毎に対応する5種の内部異常の各件数、内部異常毎の合計件数、離散化属性毎の合計件数をまとめた図である。 決定木の作成過程における葉節点の決定、ラベル付けの手順を示した説明図である。 決定木の作成過程における枝刈りの手順を示した説明図である。 あるガス種のメンバーシップ関数を示す模式図である。 ある異常事例データについて、メンバーシップ関数を用いて作成された離散化データの一部を示す図である。 あるガス種についてのガス濃度の時系列データ群に基づく各回帰直線の作成手順を示した模式図である。 実施例3における各ガス種の時系列データ群と各第3回帰直線とをグラフ化した図である。 実施例3における各ガス種の時系列データ群と各第3回帰直線とをグラフ化した図である。 実施例3における各ガス種の時系列データ群と各第3回帰直線とをグラフ化した図である。
次に、本発明の実施形態を添付図面に基づき詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態における油入電気機器の異常診断方法を行うための代表的な異常診断システムの主要な構成を示したブロック図である。図1に示すように、異常診断システム1は、入力手段2、出力手段3、コンピュータ4を備え、コンピュータ4は、処理装置10と記憶手段11を備える。処理装置10は、マイクロプロセッサを主体に構成され、図示しないRAM、ROMからなる記憶部を有して、一般的な各種処理動作の手順や後述する本発明の診断方法などを実行させるための手順を規定するプログラムや処理データが記憶される。
処理装置10は、標準化データ作成部10a、離散化データ作成部10b、決定木作成部10c、第1内部異常判定部10d、第2内部異常判定部10eを備える。
標準化データ作成部10aは、実績データ記憶部11aに記憶されている油入電気機器の過去の異常事例データに基づき、各異常事例毎に油入電気機器の絶縁油中に溶解していた複数のガス種の濃度を比率に変換した標準化データ群を作成し、これを第1標準化データ記憶部11bに記憶する機能を有する。また、判定対象の油入電気機器から抽出した絶縁油中に溶解している複数のガス種の濃度を比率に変換した標準化データ群を作成し、これを第2標準化データ群記憶部11eに記憶する機能をも有する。尚、判定対象の油入電気機器から抽出した絶縁油中に溶解している複数のガス種の濃度は、実績データ記憶部11aに記憶されていてもよいし、入力手段2により入力してもよい。
離散化データ作成部10bは、第1標準化データ群記憶部11bに記憶された異常事例毎の標準化データ群に基づき、該標準化データ群を構成している各ガス種の濃度比率を、ガス種ごとに設定された所定の閾値により複数の離散化した属性に変換した離散化データ群を作成し、これを第1離散化データ群記憶部11cに記憶する機能を有する。また、第2標準化データ群記憶部11eに記憶された判定対象機器の標準化データ群に基づき、該標準化データ群を構成している各ガス種の濃度比率を、ガス種ごとに設定された前記異常事例と同じ所定の閾値により複数の離散化した属性に変換した離散化データ群を作成し、これを第2離散化データ群記憶部11fに記憶する機能をも有する。
決定木作成部10cは、第1離散化データ群記憶部11cに記憶された異常事例毎の離散化データ群に基づき、上記式(1)〜(4)を用いた解析により油入電気機器の内部異常の種類を判定するための決定木を作成し、これを決定木記憶部11dに記憶する機能を有する。
任意の構成である第1内部異常判定部10dは、前記判定対象の油入電気機器から抽出された絶縁油中に溶解している複数のガス種の濃度について、それぞれ所定の正常範囲に入るか否かを判定する機能を有する。
第2内部異常判定部10eは、第2離散化データ群記憶部11fに記憶された判定対象機器の離散化データ群と、決定木記憶手段11dに記憶された決定木により、判定対象機器の内部異常の種類を判定する機能を有する。
また、判定結果は、記憶手段11に記憶させてもよいし、出力手段3により出力されるようにしてもよい。
記憶手段11は、実績データ記憶部11a、第1標準化データ群記憶部11b、第1離散化データ群記憶部11c、決定木記憶部11d、第2標準化データ群記憶部11e、第2離散化データ群記憶部11fを備える。なお、図示しないが、診断結果を記憶する結果記憶部を備えてもよい。
実績データ記憶部11aには、油入電気機器の過去の絶縁油中に溶解していた複数のガス種の濃度の測定データが記憶されていてもよい。その場合は、実績データには、過去の異常事例データ以外にも、正常時の測定データも含まれているため、異常事例データか否かを区別することができるようにして記憶される。また、診断精度をより向上させる観点から、異常事例データには、新たに得られた異常事例のデータを追加して、異常事例全体の件数を追加していくことが望ましい。
第1標準化データ群記憶部11bには、過去の異常事例データに基づき標準化データ作成部10aにおいて作成された標準化データ群が記憶されている。第1離散化データ群記憶部11cには、第1標準化データ群記憶部11bに記憶された標準化データ群に基づき離散化データ作成部10bにおいて作成された離散化データ群が記憶されている。決定木記憶部11dには、決定木作成部10dにおいて作成された決定木が記憶されている。第2標準化データ群記憶部11eには、判定対象の油入電気機器から抽出した絶縁油中に溶解している複数のガス種の濃度に基づき標準化データ作成部10aにおいて作成された標準化データ群が記憶されている。第2離散化データ群記憶部11fには、第2標準化データ群記憶部11dに基づき離散化データ作成部10bにおいて作成された離散化データ群が記憶されている。
本例では、診断システムを構成するコンピュータが1台である例を示したが、例えば、決定木を作成するのに必要な構成を備えたコンピュータをホストコンピュータとして構成するとともに、該ホストコンピュータと判定対象の油入電気機器のある場所において使用可能な他のコンピュータとをインターネットなどの通信回線を介して接続し、判定対象の油入電気機器についての実績データは個別のコンピュータにより管理するように構成してもよい。
以上のような機能は、処理装置10に備えられた図示しないRAM、ROMからなる記憶部に記憶された各種処理動作の手順を規定するプログラムにより実現される。
次に、本発明に係る異常診断システムにおける処理手順を実施例に基づき説明する。
図3は、判定対象の油入電気機器から抽出した絶縁油中に溶解している複数のガス種の濃度の入力から異常診断結果が得られるまでの概略フロー図である。
コンピュータ4は、入力手段3により、あるいは、実績データ記憶部11aから選択することにより、判定対象の油入電気機器から抽出した絶縁油中に溶解している複数のガス種の濃度が入力されると(ステップS101)、第1内部異常判定部10dにおいて、各ガス種の濃度についてそれぞれ所定の正常範囲に入るか否か、即ち、ガス種毎に予め定められた基準値以上か否かを判定する(ステップS102、S103)。何れのガス濃度も基準値以上でない場合は、異常なしとの診断結果を記憶手段11の図示しない結果記憶部に記憶し(ステップS105)、必要により、診断結果を出力手段3により出力する(ステップS106)。一方、各ガス濃度のうち基準値以上のものが存在する場合は、決定木による診断を行い(ステップS104)、決定木による診断結果を同じく結果記憶部に記憶し(ステップS105)、必要により、診断結果を出力手段3により出力する(ステップS106)。
尚、ステップS102、S103は、任意の構成である。例えば、あるガス種のガス濃度が基準値以上であることが既知の場合、これらのステップは不要であるため、省略できるように構成すると良い。
図4は、図3における決定木による診断(ステップS104)のステップの詳細を示す概略フロー図である。
ステップS104では、先ず、標準化データ作成部10aにおいて、実績データ記憶部11aに記憶されている油入電気機器の過去の実績データのうち、異常事例データを抽出し(ステップS201)、該異常事例データに基づき、各異常事例毎に油入電気機器の絶縁油中に溶解していた複数のガス種の濃度を比率に変換した標準化データ群を作成するとともに、これを第1標準化データ群記憶部11bに記憶する(ステップS202)。
また、同様の処理を行って、ステップS101において入力された判定対象の油入電気機器から抽出した絶縁油中に溶解している複数のガス種(以下、判定対象ガスともいう。)の濃度を変換して標準化データ群を作成するとともに、これを第2標準化データ群記憶部11eに記憶する(ステップS202)。
このように、事例毎にガス濃度で表わされたデータを、その比率に変換することで、ガス種の相対的な関係を考慮した決定木の生成が可能となる。このようなガス種の相対的な関係は、熟練した診断専門家の判断においても考慮される。従って、このような一連のステップを採用することで、熟練した診断専門家の判断手法と同様の判断基準に基づいた決定木が作成され、診断精度がより向上した診断方法などを実現することができる。
過去の異常事例データの処理について具体的に説明すると、実績データ記憶部11aから異常事例データとして、例えば、図8に示すように、過去の異常事例データ(事例1、事例2、・・・・)毎に、各ガス種(ガス1、ガス2、ガス3、ガス4、ガス5、・・・・・)のガス濃度[ppm](事例1;a11、a12、・・・・、事例2;a21、a22、・・・・)、測定した各ガス種のガス濃度の和(事例1;Σa1p=a11+a12+・・・、事例2;Σa2p=a21+a22+・・・、・・・)、事例における代表的な内部異常の種類(異常1、異常2、・・・)が抽出される。尚、図8は、仮想的に一覧表として示したものである(ステップS201)。
尚、ガス種としては、メタン、エタン、エチレン、プロパン、プロピレン、イソブタン、アセチレン、水素、一酸化炭素、ノルマルブタン、などが例示できる。これらは油入電気機器のガス分析において指標とされるガス種であり、これらのうち、代表的な数種を選択してもよいし、より多くの種類を選択してもよいが、ガス種の種類を多くした場合の方が、診断精度が向上する傾向にある。
また、内部異常の種類としては、例えば変圧器であれば、タップ部の異常、鉄心部の異常、コイル部の異常、リード部の異常、スイッチ室からの漏油などがある。これらの内部異常は、1件の異常事例データに複数含まれる場合がある。その場合は、上記のように代表的な内部異常の種類が選択される。このため、実績データ記憶部11aには、その区別ができるようにして実績データが記憶されている。なお、後述するように、最終的に判定される内部異常の種類は、全ての内部異常の種類が考慮され、決定される。
その後、ステップ202において、例えば図9に示すように、図8における各ガス種のガス濃度を、それぞれ、事例毎に測定した各ガス種のガス濃度の総和(合計。事例1ではΣa1p、事例2ではΣa2p、・・・。)で除して、各異常事例毎に油入電気機器の絶縁油中に溶解していた複数のガス種の濃度を比率に変換した標準化データ群が作成される。尚、図9は、図8と同じく、仮想的に一覧表として示したものである
次に、ステップS203では、離散化データ作成部11bにおいて、第1標準化データ群記憶部11bおよび第2標準化データ群記憶部11cに記憶された異常事例毎の標準化データ群および判定対象ガスの標準化データ群に基づき、該標準化データ群を構成している各ガス種の濃度比率を、ガス種ごとに設定された所定の閾値により複数の離散化した属性に変換した離散化データ群を作成するとともに、これらをそれぞれ第1離散化データ群記憶部11cおよび第2離散化データ群記憶部11fに記憶する。尚、異常事例および判定対象ガスの離散化データ群の作成の際の閾値は同一である。
過去の異常事例データの処理について具体的に説明すると、図10に示すように、図9に示す標準化データ群から、ガス種ごとに設定された所定の閾値により複数の離散化した属性に変換した離散化データ群が作成される(ステップS203)。離散化属性の数は、特に限定はない。本例では、図10に示すように、離散化の属性として、診断専門家の判断基準に合致している「非常に少ない」、「少ない」、「多い」との3つの離散化属性を採用している。即ち、連続属性である標準化デーテを大小2つ特定の閾値で3分割し、小さい方の閾値以下の場合に「非常に少ない」、小さい方の閾値より大きく、大きい方の閾値以下の場合は「少ない」、大きい方の閾値より大きい場合は「多い」としている。このように、診断専門家の判断基準に合致している3つの属性を採用すると、診断精度が向上する傾向にある。また、前記閾値としては、ガス種毎に診断専門家が過去の異常事例データなどから経験的に定める値を用いる。そのため、閾値は、過去の異常事例データに基づく判断のみならず、将来的に異常事例データが追加される場合は、そのデータを加味した判断に基づいて定められる。
尚、閾値は、記憶手段11の符号11a〜11fで示される記憶部以外の記憶部に記憶されていても、第1/第2離散化データ群記憶部に記憶されていてもよい。
次にステップS204では、第1離散化データ群記憶部11cに記憶された異常事例毎の離散化データ群に基づき、決定木作成部10cにおいて、前記式(1)〜(4)を用いた解析により油入電気機器の内部異常の種類を判定するための決定木を作成し、これを決定木記憶部11dに記憶する。
ガス種毎に決定される図11に示す表、図7、12、13に示す決定木の一部を示す図をもとに、前記式(1)〜(4)を用いた解析により決定木を作成する部分の手順を具体的に説明する。
図11は、あるガス種(X)について、内部異常の種類の件数を5件(異常1〜5)、離散化属性(枝)を「多い」(1番目の枝とする)、「少ない」(2番目の枝とする)、「非常に少ない」(3番目の枝とする)の3属性とした場合を例にして、そのガス種における、離散化属性毎に対応する内部異常(異常1〜5)の各件数(β11〜β35)、内部異常毎の合計件数(C1〜C5)、離散化属性(枝)毎の合計件数(α1〜α3)をまとめたものである。従って、各ガス種毎に図11に対応する表が仮想的に作成される。
解析手順は概ね以下の通りである。
(i)全ての過去の異常事例データを対応付けた節点を作成する(図7の「ガス1」に相当する節点)。従って、この節点に対応付けられた異常事例データの集合Dは、全ての過去の異常事例になり、この全ての過去の異常事例の件数が|D|である。
(ii)この集合Dに対して、各ガス種毎に作成される図11に示す表の値をもとに、ガス種毎に上記式(1)〜(4)に基づいて利得比G(X)を算出し、該利得比G(X)が最大となるガス種(Xmax)をこの節点のテスト属性とする。
(iii)ガス種Xmaxの離散化属性に従って、この集合Dを部分集合に分割する。ガス種Xmaxが図11に示す表のような特性を有したとすると、集合Dは、離散化属性に基づき、α1、α2、α3の件数をそれぞれ有する部分集合に分割される。
(iv)部分集合に対して、新しい子節点を作成し、上位の節点とこれらの新しい節点を結ぶ枝にXmaxの対応する離散化属性をそれぞれラベル付けする。(例えば図7において、「ガス1」が「上位の節点」、「ガス2」、「ガス3」、「ガス4」が部分集合に対応する「子節点」、「多い」、「少ない」、「非常に少ない」が、対応する離散化属性(枝)のラベルに相当する。)
(v)作成した子節点における異常事例データの件数が3件以上である場合、その部分集合に対して、(ii)〜(iv)に従って、再帰的にその部分集合をさらに分割する。異常事例データの件数が3件未満である場合、その節点は葉節点とし、その節点の集合のうち最も多く含まれる内部異常の種類を解として葉節点にラベル付けする。また、異常事例データの件数が0件である場合は、その上位節点に最も多く含まれる内部異常の種類を解として葉節点にラベル付けする。尚、最も多く含まれる内部異常の種類が複数存在する場合は、それら全ての種類を解として葉節点にラベル付けする。その際、内部異常の種類の比率とともにラベル付けしても良い。
図12に示す例をもとに説明すると、「上位節点」および「子節点1」には異常事例データの件数がそれぞれ6件および4件含まれているため、再帰的に部分集合に分割される。また、「子節点3」には異常事例データの件数が2件含まれるため、「子節点3」は「子節点3」に最も多く含まれる内部異常の種類「異常1」とラベル付けられた葉節点となる。さらに、「子節点2」に含まれる異常事例データの件数は0件であるため、「子節点2」は上位節点に最も多く含まれる内部異常の種類「異常3」とラベル付けられた葉節点となる。
(vi)上記の処理が全て終了した後、いわゆる枝刈りを行う。枝刈りは、(親節点の誤り率)<(子節点全体の誤り率)となった場合について行い、枝刈り後は親節点を葉節点とし、子節点において最も多く分類された内部異常の種類をその葉節点のラベルとする。
誤り率は、葉節点に含まれる異常事例データの件数(Nとする)、誤って分類された異常事例データの件数(Eとする)について、ベータ分布の上側累積確率0.25から求めたパーセント点として算出されるもの(ベータ分布の累積分布関数の逆関数の値)を用いることができる。これにより、前記件数の比(E/N)を誤り率とした場合に比べ、安全側に誤り率を見積もることができる。
図13(a)および(b)に示す例をもとに説明すると、(v)の段階で図13(a)に示すように、親節点としての「ガス2」から3つの子節点としての「異常3」、「異常2」、「異常3」が形成された場合に、親節点における誤り率が11%で、3つの子節点の全体の誤り率が16%であったとすると、図13(b)に示すように、子節点は枝刈りされ、一旦「ガス2」とラベル付けされた親節点が葉節点となり、もとの子節点において最も多く分類された「異常3」をその葉節点のラベルとする。
(vii)上記の枝刈りが終了した時点で、決定木が完成し、この決定木が決定木記憶部11dに記憶される。なお、上記の処理において算出された値も、決定木記憶部11dに記憶させてもよい。
次にステップS205では、第2内部異常判定部10eにおいて、決定木記憶部11dに記憶させた決定木に、第2離散化データ群記憶部11fに記憶させた判定対象ガスの離散化データ群をあてはめて、決定木のルート節点から順に枝をたどり、最終的にたどり着いた葉節点の内容である内部異常の種類を判定する。
図7に示す例をもとに説明すると、最終的に決定された決定木の一部が、図7に示す木構造を有したとして、判定対象ガスの離散化データ群が「ガス1:多い、ガス2:非常に少ない、ガス3:少ない、ガス4:非常に少ない、ガス5:非常に少ない」というような特性を有したとした場合、判定対象ガスの離散化データ群のうち、先ず決定木のルート節点にラベルされた「ガス1」が選択され、その離散化属性である「多い」とラベルされた枝が選択される。次に、その選択された枝をたどって下位の節点「ガス2」が選択され、その離散化属性である「非常に少ない」とラベルされた枝が選択される。さらに、その選択された枝をたどってさらに下位の節点「ガス5」が選択され、その離散化属性である「非常に少ない」とラベルされた枝が選択され、最終的に葉節点である「異常5」に到達する。この「異常5」が、決定木により判定された判定対象の油入電気機器の内部異常の種類である。
また、この際、葉節点に複数の異常事例データが含まれる場合がある。例えば、図12の葉節点である子節点2および子節点3には、ラベル付け後に、それぞれ6件および2件の異常事例データが含まれる。また、子節点2では異なる種類の内部異常の種類が含まれる。さらに、上述したように、異常事例データにおいて示される各内部異常の種類(例えば図8〜10における内部異常の種類)は、複数の内部異常のうちの代表的な一つの種類が選択されている場合がある。このような場合には、葉節点に含まれる全ての異常事例データを対象として、異常事例データに含まれる全ての内部異常の種類ののべ件数に対する比率を、各内部異常の種類の発生の確率として、判定対象機器の内部異常の種類を判定することもできる。
以上で、決定木による診断のステップS104が終了し、第2内部異常判定部10eで行われた内部異常の診断結果を図示しない結果記憶部に記憶する(ステップS105)。さらに、必要な場合は、出力手段3により診断結果を出力する。
尚、本実施形態では、油入電気機器の異常診断方法を行うための異常診断システムないし異常診断方法として説明したが、上記のステップS104において実行される決定木の作成方法(ステップS201〜S204)のみの構成も、本発明の範疇に含まれる。また、これらの異常診断方法や決定木の作成方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラムも本発明の範疇に含まれる。この点は以下の実施形態においても同様である。
(第2の実施形態)ファジィ決定木
次に、本発明における第2の実施形態について説明する。尚、本実施形態と第1の実施形態とは、後述する確信度に基づいて作成される決定木(以下、ファジィ決定木ともいう。)および判定対象ガスの離散化データ群を用いること以外は、同じ構成である。従って、上述した第1に実施形態と同一の部分については、同一の図面、符号を用い、詳細な説明は省略する。
ファジィ決定木を用いる場合、図4に示すステップS203において作成される離散化データ群が第1の実施形態の場合と異なる。
即ち、第2の実施形態では、離散化データ作成部10bにおいて、第1標準化データ群記憶部11bおよび第2標準化データ群記憶部11cに記憶された異常事例毎の標準化データ群および判定対象ガスの標準化データ群に基づき、該標準化データ群を構成している各ガス種の濃度比率に対応する確信度をガス種ごとに設定された所定のメンバーシップ関数により算出し、前記確信度に基づき前記各ガス種の濃度比率を複数の離散化した属性に変換した離散化データ群を作成するとともに、これらをそれぞれ第1離散化データ群記憶部11cおよび第2離散化データ群記憶部11fに記憶する。尚、異常事例および判定対象ガスの離散化データ群の作成の際のメンバーシップ関数は同一である。
メンバーシップ関数は、離散化属性が3つ(即ち、「非常に少ない」、「少ない」、「多い」)の場合を例にすると、次のようにして定めることができる。
先ず、ガス種の濃度を比率に変換した上記の第1標準化データ群からガス種毎の標準化データ群を採取し、その濃度比率の平均値と最大値を求める。求めた濃度比率の平均値を「非常に少ない」と「少ない」との分岐点(即ち、それぞれの離散化属性の確信度が0.5となる値)とし、同じく濃度比率の最大値を「少ない」と「多い」との分岐点(即ち、それぞれの離散化属性の確信度が0.5となる値)とする。次に、これらの分岐点を基準にして、診断専門家が過去の異常事例データなどから経験的に、それぞれの離散化属性の確信度とガス比率の関係を求め、メンバーシップ関数を作成する。その例を図14に示す。
尚、同じガス比率におけるそれぞれの離散化属性の確信度の和は常に1となる。また、上記のように、ガス種毎のメンバーシップ関数は、異常事例データに基づく第1標準化データ群より算出される値をもとに定められるため、異常事例が追加されると、更新される場合がある。
過去の異常事例データの処理について具体的に説明すると、ガス種毎に例えば図14に示すような予め作成されたメンパーシップ関数に基づいて、各事例について、図15に示すような離散化データ群が作成される。例えば、図15におけるガス種の「ガス1」について、図14に示すメンバーシップ関数が作成されていた場合に、ステップS202において作成された標準化データのガス比率が9%であった時、離散化属性「少ない」および「非常に少ない」の確信度は、図14に示すグラフ(メンバーシップ関数)から、それぞれ0.30および0.70となる。即ち、図15の事例において、「ガス1」については、「少ない」が0.30件、「非常に少ない」が0.70件としてカウントされることになる。
このようにして、ステップS203において離散化データ群が作成された後は、第1の実施形態の場合と同様にして、決定木(ファジィ決定木)が生成され、決定木記憶部11dに記憶される(S204)。尚、ファジィ決定木の生成において用いる上記式(5)〜(8)は取り扱う一部のパラメータが確信度になる点で、第1の実施形態における式(1)〜(4)と異なるが、処理方法は同一であるので、詳細な説明は省略する。
ステップS205の決定木(ファジィ決定木)による内部異常の種類の判定でも、実質的な処理手順は同じである。相違点としては、第2離散化データ群は、確信度に基づいて、離散化属性に振り分けられているため、複数の枝をたどっていき、複数の葉節点に到達する場合があることである。この場合、これら複数の葉節点に含まれるファジィ決定木の内部異常の種類の確信度の和の総和のうち、最も大きい値を有する内部異常の種類が、ファジィ決定木により判定された判定対象の油入電気機器の内部異常の種類である。尚、第1の実施形態の場合と同様に、各内部異常の種類の発生の確率として、判定対象機器の内部異常の種類を判定することもできる。
(第3の実施形態)異常予測診断方法
次に、本発明における第3の実施形態について説明する。
図2は、本発明に係る油入電気機器の異常予測診断方法を行うための代表的な異常予測診断システムの主要な構成を示したブロック図であり、図1に示すシステム構成に、判定対象ガス種の濃度を予測するための構成を追加したものである。従って、図2中符号20a〜20e、21a〜21fは、それぞれ図1中符号10a〜10e、11a〜11fの構成と同じ構成である。
また、図5は、判定対象ガスの濃度の入力から異常予測診断結果が得られるまでの概略フロー図である。図5に示すように、本実施形態ではステップS305の予測のステップを行うこと以外は、全く同じ構成である。従って、図5中のステップS301〜S304、S306〜S307は、それぞれ図3中のステップS101〜S106と同一である。
以上のように、第3の実施形態は、予測を行う構成を備える以外は、第1の実施形態と同じ構成を有するものである。従って、共通する構成の詳細な説明は省略する。
第3の実施形態では、図2に示すように、処理装置20において、図1の処理装置10の構成に加え、第1回帰直線作成部20f〜第3回帰直線作成部20hを備え、また、記憶手段21において、図1の記憶手段11の構成に加え、第1回帰直線データ記憶部21g〜第3回帰直線データ記憶部20iを備える。
第1回帰直線作成部20fは、実績データ記憶部20aに記憶されている判定対象の油入電気機器の過去の3つ以上の実績データに基づき、油入電気機器の絶縁油中に溶解していた複数のガス種毎に抽出されたガス濃度の時系列データ群について、第1回帰直線と、該第1回帰直線に対する前記時系列データ群のばらつきと、該ばらつきに基づく不確かさとを算出し、これらを第1回帰直線データ記憶部21gに記憶する機能を有する。
第2回帰直線作成部20gは、実績データ記憶部21aに記憶されている実績データに基づき抽出された前記時系列データ群のうち最も測定時期の新しい3つ以上の前記時系列データ群について、第2回帰直線と、該第2回帰直線上の最も新しい測定時期から所定期間経過した時のガス濃度である第1予測ガス濃度とを算出し、これらを第2回帰直線データ記憶部21hに記憶する機能を有する。
第3回帰直線作成部20hは、第1回帰直線データ記憶部21gに記憶された前記不確かさと第2回帰直線データ記憶部21hに記憶された前記第1予測ガス濃度とを和した値を第2予測ガス濃度として算出し、第2予測ガス濃度と、実績データ記憶部21aに記憶されている実績データに基づき抽出された前記時系列データ群のうち最も測定時期の新しい実績データとにより構成される予測時系列データ群を作成し、該予測時系列データ群について第3回帰直線を作成し、これを第3直線データ記憶部21iに記憶する機能を有する。
次に、本発明に係る異常予測診断システムにおける処理手順のうち、予測を行う処理手順について実施例に基づき説明する。
図5に示すように、本実施例では、ステップS303において、判定対象ガスのガス濃度が基準値未満の場合に限らず、基準値以上である場合も、ステップS305において判定対象ガス濃度の予測を行うようにしている。判定対象ガスのガス濃度が基準値以上である場合も、予測を行うことにより、判定対象となる油入電気機器の修理、交換の時期をより適切に把握することが可能となる。もっとも、ガス濃度が基準値以上の場合には、予測を行わないように構成してもよい。
図6は、図5における予測のステップ(ステップS305)の詳細を示す概略フロー図である。また、図16は、あるガス種についてのガス濃度の時系列データ群に基づく各回帰直線の作成手順を示した模式図である。尚、図16中、横軸の経過時間のゼロ点は、油入電気機器の新規設置時期を意味する。従って、油入電気機器を改修した場合は、改修した時が新規設置時期即ちゼロ点になり、それ以前の時系列データは、予測のステップにおいては参照されない。
ステップS305では、先ず、第1回帰直線作成部20fにおいて、実績データ記憶部20aに記憶されている判定対象の油入電気機器の過去の3つ以上の実績データが選択される(ステップS401)。
次いで、この選択された実績データに基づき、油入電気機器の絶縁油中に溶解していた複数のガス種毎に抽出されたガス濃度の時系列データ群について、第1回帰直線が算出される。第1回帰直線は、最小二乗法により求めることができる。
また、第1回帰直線に対する前記時系列データ群のばらつきと、該ばらつきに基づく不確かさとを算出する。そして、前記時系列データ群とともに、各算出結果を第1回帰直線データ記憶部21gに記憶する。
ここで、ばらつきは、時系列データ群のある時期tpにおけるあるガス種の濃度apと、そのガス種の第1回帰直線により算出される時期tpにおける算出濃度ap’との差である。例えば、一次回帰直線がa=αt+β(a:あるガス種の濃度、t:経過時間、αおよびβは任意の定数)で表わされたとすると、ある時期tpにおける、ばらつきDpは、Dp=ap’−ap=αtp+β−apとなる。
また、不確かさ(U)は、時系列データ群の全てについて上記ばらつきを求め、その各ばらつきをDp(p=1〜Pの自然数、P:あるガス種の時系列データに含まれる全体のデータ数に等しい値)とすると、下式(9)で表わされる。また、不確かさは、95%信頼水準において算出されるものが好ましい。
Figure 0005684813
また、第2回帰直線作成部20gにおいて、実績データ記憶手段に記憶されている実績データに基づき抽出された前記時系列データ群(本例では、第1回帰直線データ記憶部21gに記憶された時系列データ群)のうち最も測定時期の新しい3つ以上の前記時系列データ群について、第2回帰直線を算出し、該第2回帰直線上の最も新しい測定時期から所定期間経過した時のガス濃度である第1予測ガス濃度とを算出し、これらを第2回帰直線データ記憶部21hに記憶する。
ここで前記の所定期間とは、原則として、最も新しい測定時期と、その次に新しい測定時期との間の期間と同じ期間を意味するが、必ずしもその必要はなく、将来予定する測定時期をもとに確定すればよい。
このように、最も測定時期の新しい実績データに基づいて別途第2回帰直線を作成するため、直近のデータの推移を反映することができる。
図16をもとに説明すると、時系列データ群のうち、最も新しい3つの測定時期t7(最も新しい測定時期)、t6(その次に新しい測定時期)、t5のデータ群について第2回帰直線が算出される。次いで、所定時期t8における第2回帰直線上の第1予測ガス濃度が算出される(図16中「×」で示される)。所定時期t8は、t8−t7=t7−t6で規定される。
さらに、第3回帰直線作成部20hにおいて、第1回帰直線データ記憶部21gに記憶された前記不確かさと第2回帰直線データ記憶部21hに記憶された前記第1予測ガス濃度とを和した値を第2予測ガス濃度として算出し、第2予測ガス濃度と、実績データ記憶部21aに記憶されている実績データに基づき抽出された前記時系列データ群(本例では、第1回帰直線データ記憶部21gに記憶された時系列データ群)のうち最も測定時期の新しい実績データとにより構成される予測時系列データ群を作成し、該予測時系列データ群について第3回帰直線を作成し、これを第3回帰直線データ記憶部21iに記憶する。
このように、最も新しい時系列データ群から作成した第2回帰直線上の第1予測ガス濃度に対して、全ての時系列データ群に基づいて求めた不確かさを和して第2予測ガス濃度を算出することで、全ての時系列データ群のばらつきを考慮し、安全側に見積もることができる。
図16をもとに説明すると、第2回帰直線上の時期t8におけるガス濃度である第1予測ガス濃度b(t8)(図16中の「×」のガス濃度)に前記特定の不確かさを和して算出された第2予測ガス濃度c(t8)(図16中の「△」のガス濃度)が算出される。そして、この時期t8における第2予測ガス濃度c(t8)と前記時系列データ群のうち最も測定時期の新しい実績データである時期t7におけるガス濃度a(t7)とにより予測時系列データ群が作成される。次いで、この予測時系列データ群に基づいて第3回帰直線が作成される。
以上のようにして、判定対象となる各ガス種についての回帰直線の作成がステップS402において行われる。
次に、第3回帰直線が行われた後、各ガス種について、第3回帰直線上の同時期の第3予測ガス濃度をそれぞれ抽出する(ステップS403)。抽出される各ガス種の第3予測ガス濃度の時期は、それぞれ同時期であれば、特に限定はないが、後の処理である決定木による予測診断(ステップS404)において異常診断を行う観点から、何れかの第3予測ガス濃度が、ステップS302における判定基準である所定の基準値以上となる時期が好ましい。尚、算出された各第3予測ガス濃度は、第3回帰直線データ記憶部21iに記憶にされるように構成してもよい。また、当該第3予測ガス濃度は、出力手段3に出力するように構成しても良い。
次に、前記第3予測ガス濃度を用いて、決定木による予測診断を行う(ステップS404)。
ステップS404において行う処理は、第1の実施形態において行われる決定木による診断、即ち、ステップS201〜S205において、判定対象ガス濃度に替えて第3予測ガス濃度を用いること以外は、実質的に同じである。このため詳細な説明は省略する。但し、第3の実施形態では、第2標準化群データ記憶部21eおよび第2離散化群データ記憶部21fにおいて、それぞれ、判定対象ガス濃度の実績データに基づくデータ群の記憶部と第3予測ガス濃度に基づくデータ群の記憶部を備えるように構成するとよい(何れも図示せず。)。
尚、第3の実施形態において、第1の実施形態の決定木に替えて、第2の実施形態のファジィ決定木を採用してもよい。
以下に、上記実施形態の実施例を示す。
(実施例1)
油入電気機器である変圧器に関して、444件の過去の異常事例データに基づき、内部異常の種類として、タップ部の異常、鉄心部の異常、コイル部の異常、リード部の異常、スイッチ室からの漏油の5種、ガス種として、メタン、エタン、エチレン、プロパン、プロピレン、イソブタン、アセチレン、水素、一酸化炭素、ノルマルブタンの10種を用い、診断専門家の判断に基づく閾値をもとに定めた離散化属性を「多い」、「少ない」、「非常に少ない」の3属性として、第1の実施形態における決定木(表1中「通常」と示した)を作成するとともに、当該444件の異常事例データのそれぞれを判定対象として、作成した決定木にあてはめ、判定対象機器の内部異常の種類を判定した。決定木による判定結果(最終的に到達した葉節点にラベルされた内部異常の種類)に基づく各内部異常および全体の正答率を表1に示す。
表1に示すように、各内部異常の正答率は何れも60%以上であり、全体の正答率は76.4%であった。平均的な診断専門家の正答率は概ね50%程度、熟練した診断専門家の正答率は概ね80%程度とされており、本実施形態における診断方法は、平均的な診断専門家以上、熟練した診断専門家に非常に近い診断精度を有するものであることが分かる。
(実施例2)
第2の実施形態における決定木(表1中「ファジィ」と示した)を作成したこと以外は、実施例1と同様にして、444件の異常事例データのそれぞれを判定対象として、作成したファジィ決定木にあてはめ、判定対象機器の内部異常の種類を判定した。ファジィ決定木による判定結果に基づく各内部異常および全体の正答率を表1に示す。
表1に示すように、各内部異常の正答率は何れも62%以上であり、全体の正答率は80.4%であった。ファジィ決定木を用いることで、さらに診断精度が向上し、全体の正答率では、熟練の診断専門家と同等の診断精度を有するものである。
Figure 0005684813
(実施例3)
実施例1と同様にして第1の実施形態における決定木を作成した。また、実際に鉄心部の内部異常があった特定の変圧器の過去約6年間の時系列データ群のうち約5年間の時系列データ群(図17〜19中、0〜5.2年までの実測データ)をもとに、前記第3の実施形態に基づいて、各ガス種の第3予測ガス濃度を算出した。算出結果を表2に示す。時系列データ群は、図17〜19に示すように、5.2年経過時において、ガス種毎に3つ以上の時系列データ群から構成されるものである。当該第3予測ガス濃度は、最も新しい測定時(図17〜19の経過時間が5.2年にあたる。その値を表2の「5年経過時のガス濃度」に示す。)から1年経過後の予測濃度(表2中、「6年経過時のガス濃度」の「予測値」)である。
当該第3予測ガス濃度群について所定の処理を行って、前記決定木をあてはめ、当該変圧器の1年後に予測される内部異常の種類を予測診断した。また、5年経過時及び6年経過時のガス濃度についても内部異常の診断を行った。診断結果を表2に示す。尚、表2中「ND」は検出されなかったことを示す。
図17〜19に示すように、第3回帰直線(図17〜19中の破線)と実測値とは、概ね、同様の傾向を示した。また、予測値は、概ね実測値よりも大きい値になっており、予測の安全性の面からは、良好な結果であった。また、表2に示すように、決定木を用いた内部異常の診断については、何れも鉄心部であり、実際の内部異常の種類と一致していた。
Figure 0005684813
1 診断システム
2 入力手段
3 出力手段
4、6 コンピュータ
5 予測診断システム
10 処理装置
10a 標準化データ作成部
10b 離散化データ作成部
10c 決定木作成部
10d 第1内部異常判定部
10e 第2内部異常判定部
11 記憶手段
11a 実績データ記憶部
11b 第1標準化データ群記憶部
11c 第1離散化データ群記憶部
11d 決定木記憶部
11e 第2標準化データ群記憶部
11f 第2離散化データ群記憶部
20 処理装置
20a 標準化データ作成部
20b 離散化データ作成部
20c 決定木作成部
20d 第1内部異常判定部
20e 第2内部異常判定部
20f 第1回帰直線作成部
20g 第2回帰直線作成部
20h 第3回帰直線作成部
21 記憶手段
21a 実績データ記憶部
21b 第1標準化データ群記憶部
21c 第1離散化データ群記憶部
21d 決定木記憶部
21e 第2標準化データ群記憶部
21f 第2離散化データ群記憶部
21g 第1回帰直線データ記憶部
21h 第2回帰直線データ記憶部
21i 第3回帰直線データ記憶部


Claims (1)

  1. コンピュータにより油入電気機器の内部異常を予測して診断する異常予測診断方法であって、
    コンピュータが、
    実績データ記憶手段に記憶されている油入電気機器の過去の異常事例データに基づき、各異常事例毎に油入電気機器の絶縁油中に溶解していた複数のガス種の濃度を比率に変換した標準化データ群を作成し、これを第1標準化データ群記憶手段に記憶し、
    前記第1標準化データ群記憶手段に記憶された異常事例毎の標準化データ群に基づき、該標準化データ群を構成している各ガス種の濃度比率を、ガス種ごとに設定された所定の閾値により複数の離散化した属性に変換した離散化データ群を作成し、これを第1離散化データ群記憶手段に記憶し、
    前記第1離散化データ群記憶手段に記憶された異常事例毎の離散化データ群に基づき、下記式(1)〜(4)を用いた解析により油入電気機器の内部異常の種類を判定するための決定木を作成し、これを決定木記憶手段に記憶し、
    実績データ記憶手段に記憶されている判定対象の油入電気機器の過去の3つ以上の実績データに基づき、油入電気機器の絶縁油中に溶解していた複数のガス種毎に抽出されたガス濃度の時系列データ群について、第1回帰直線と、該第1回帰直線に対する前記時系列データ群のばらつきと、該ばらつきに基づく不確かさとを算出し、これらを第1回帰直線データ記憶手段に記憶し、
    実績データ記憶手段に記憶されている実績データに基づき抽出された前記時系列データ群のうち最も測定時期の新しい3つ以上の前記時系列データ群について、第2回帰直線と、該第2回帰直線上の最も新しい測定時期から所定期間経過した時のガス濃度である第1予測ガス濃度とを算出し、これらを第2回帰直線データ記憶手段に記憶し、
    第1直線データ記憶手段に記憶された前記不確かさと第2直線データ記憶手段に記憶された前記第1予測ガス濃度とを和した値を第2予測ガス濃度として算出し、第2予測ガス濃度と、実績データ記憶手段に記憶されている実績データに基づき抽出された前記時系列データ群のうち最も測定時期の新しい実績データとにより構成される予測時系列データ群を作成し、該予測時系列データ群について第3回帰直線を作成し、これを第3回帰直線データ記憶手段に記憶し、
    前記第3回帰直線データ記憶手段に記憶されたガス種毎の第3回帰直線について、該第3回帰直線上の同時期の第3予測ガス濃度をそれぞれ抽出し、当該複数のガス種の第3予測ガス濃度を比率に変換した標準化データ群を作成し、これを第2標準化データ群記憶手段に記憶し、
    前記第2標準化データ群記憶手段に記憶された判定対象機器の標準化データ群に基づき、該標準化データ群を構成している各ガス種の濃度比率を、ガス種ごとに設定された前記異常事例と同じ所定の閾値により複数の離散化した属性に変換した離散化データ群を作成し、これを第2離散化データ群記憶手段に記憶し、
    前記第2離散化データ群記憶手段に記憶された判定対象機器の離散化データ群と、前記決定木記憶手段に記憶された決定木により、判定対象機器の内部異常の種類を判定することを特徴とする油入電気機器の異常予測診断方法。
    Figure 0005684813

    Figure 0005684813

    Figure 0005684813

    Figure 0005684813

    X:絶縁油中に溶解していたガス種
    D:節点に対応付けられた異常事例データの集合
    |D|:節点に対応付けられた異常事例データの件数
    Ci:集合D中のi番目の内部異常の種類の件数
    αi:ガス種Xのj番目の枝の異常事例データの件数
    βjk:ガス種Xのj番目の枝におけるk番目の内部異常の種類の件数
    G(X):利得比
    M(D):集合Dの内部異常の種類に対する期待情報量
    E(X):ガス種Xにより分類された後の期待情報量
    S(X):集合Dのガス種Xに対する期待情報量
    l:集合D中の最初の内部異常の種類または離散化した属性の番号
    m、n:集合D中の内部異常の種類の総数
    ν:離散化した属性の総数
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