JP5683834B2 - 測光装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光源としての、蛍光灯、電球、LED照明、LED素子、LD、LCD(液晶ディスプレー)などの色度、照度、演色性、波長、パワーなどを測定する測光装置に関するものである。
従来、例えば、蛍光灯、電球、LED素子などの測定対象光源からの光の特性を測定する測光装置として、種々の装置が提案されている。
例えば、特許文献1には、入射光を拡散する拡散板と、複合光学フィルタとフォトダイオードから成る光センサとを備えた色彩測定器が開示されている。この色彩測定器では、入射光は、拡散板により拡散され、複数の光センサに照射される。各光センサは、それぞれ異なった分光感度特性を有している。各分光感度特性に適当な係数を掛けて足し合わせることにより、国際照明委員会(略称CIE)が規定する等色関数(x、y、z)に近似した出力特性を持つセンサを実現させている。
従って、特許文献1の色彩測定器では、得られた近似等色関数(x、y、z)の出力値を基に入射光の色度、照度などを測定することができる。
また、特許文献2には、積分球から出射された測定光を測定する測定部を備えた測光装置を開示している。この測光装置の光測定部では、測定光をスリットで制限し、レンズ系で平行光にして透過型回折格子を通過させ、複数の光電変換素子を備えた光電変換手段に照射される。以後の処理は、上記特許文献1と同様にして得られた近似等色関数(x、y、z)の出力値を基に測定光の特性を測定することができる。
ここで、図14を参照して、従来行われている、日本工業規格JIS Z 8726に規定する光源の演色性評価方法について説明する。
ステップ(1):
測定対象光源に対して、380〜780nmの範囲を5nmステップで分光特性を、一般的には、回折格子とラインセンサを組み合わせたポリクロメータと呼ばれる測定器にて測定する。
ステップ(2):
国際照明委員会(略称CIE)が規定する等色関数を用いて、下記式1で示す三刺激値(X、Y、Z)を求め、次いで、下記式2で示す測定対象光源の色度(u、v)を計算する。
Figure 0005683834
Figure 0005683834
ステップ(3):
上記ステップ(2)にて得られた色度(u、v)を用いて、日本工業規格JIS Z 8725に従って相関色温度(°K)を求める。
ステップ(4):
ステップ(3)にて求められた相関色温度より基準光源の分光スペクトルを決定する。
ステップ(5):
ステップ(4)の分光スペクトルを用いて、ステップ(2)と同様にして基準光源の色度(u、v)を求める。
ステップ(6):
ステップ(1)で測定した「測定対象光源の分光特性」、或いは、ステップ(4)で決めた「基準光源の分光特性」と、日本工業規格JIS Z 8726で規定されている試験色の分光放射輝度率を用いて、測定対象光源或いは基準光源で試験色を照らしたときの試験色の色度を求める。
Figure 0005683834
Figure 0005683834
ステップ(7)、(8)、(9):
ステップ(6)以降の、ステップ(7)(色順応補正)、ステップ(8)(均等色度空間への変換)、ステップ(9)(演色評価の算出)は、日本工業規格JIS Z 8726で規定された方法に従って行う。
上述のように、従来の光源の演色性評価方法においては、上記ステップ(1)にて測定対象光源の380〜780nmの範囲での5nmステップの分光特性を測定するには、高価で大型な分光光度計、例えば、ポリクロメータが必要となる。
そこで、上記特許文献1、2に示す測光装置を使用すれば、上記ステップ(1)における測定対象光源の分光特性が極めて効率良く、測定可能とされ、ステップ(2)〜(5)で求められていた、三刺激値X、Y、Z、及び、色度u、vが効率良く求められる。
特開平9−49765号公報 特開2002−13981号公報
しかしながら、分光光度計やポリクロメータを使用した場合であっても、上記ステップ(6)における、測定対象光或いは基準光で試験色を照らしたときの試験色の色度を求める際には、日本工業規格JIS Z 8726で規定されている試験色の分光放射輝度率を用いて、上記式4を計算する必要がある。この作業は、煩雑である。
そこで、蛍光灯、電球、LED素子などの測定対象光源からの光の特性を、例えば、上述のような光源の演色性を、より簡易で、迅速に、測定する測光装置が希求されている。
本発明の目的は、蛍光灯、電球、LED素子などの測定対象光源からの光の特性を、例えば、光源の色度、照度、演色性、波長、パワーなどをより簡易で、迅速に測定することのできる測光装置を提供することである。
上記目的は本発明に係る測光装置にて達成される。要約すれば、以下の通りである。
本発明によれば、測定対象光源からの光が入射する入射開口部と、入射光を拡散する拡散光学系と、拡散光が出射する出射開口部とを有した測光装置において、
前記出射開口に近接して、それぞれ感度波長領域が制限された異なる分光感度特性を有した光電変換素子が複数個配列された光検出部と、
前記各光電変換素子の分光感度特性を元に、前記各光電変換素子の信号に重み付け係数を掛けて加算する演算部と、
種類の異なる複数の組の前記重み付け係数を記憶した記憶部と、
を備え、前記演算部は、
前記光電変換素子の分光感度特性を、前記記憶部に記憶した第1の組の重み付け係数を掛けて等色関数に近似した出力特性として、前記測定対象光源の色度を測定し、
前記光電変換素子の分光感度特性を、前記記憶部に記憶した第2の組の重み付け係数を掛けて演色性測定の試験色の分光放射輝度率と等色関数の積に合致させて前記測定対象光源下での試験色の色度を測定し、
前記測定対象光源の演色性を測定することを特徴とする測光装置が提供される。
本発明の一実施態様によれば、前記光電変換素子は、リニアバリアブルフィルタを備えている。
本発明の他の実施態様によれば、前記拡散光学系は、積分球を備え、前記入射開口部に拡散透過板を備えている。
本発明の他の態様によれば、前記積分球は、フッ素樹脂の固体ブロックを使用して、内部が球面状の中空とされる積分球ブロックを作製し、前記積分球ブロックの外周囲は、前記入射開口部及び出射開口部を除いて反射板で囲包する。
本発明によれば、例えば、光源の色度、照度、演色性、波長、パワーなどを、より簡易で、迅速に測定することができる。
本発明に係る測光装置の一実施例の概略構成図である。 光電変換素子列による相対分光感度を示す図である。 本発明に係る測光装置の電気的構成を示すブロック図である。 図1に示す本発明に係る測光装置の概略構成図である。 従来装置における被試験光の入射角度と各光電変換素子上の強度分布を示す図である。 本発明に係る測光装置における被試験光の入射角度と各光電変換素子上の強度分布を示す図である。 本発明に係る測光装置の他の実施例の概略構成図である。 本発明に係る測光装置の他の実施例の概略構成図である。 本発明に係る測光装置の他の実施例の概略構成図である。 本発明に係る測光装置の他の実施例の概略構成図である。 本発明に係る測光装置の他の実施例の概略構成図である。 等色関数を示す図である。 等色関数と近似等色関数を示す図である。 光源の演色性評価方法について説明する工程図である。 等色関数と試験色の分光放射輝度率との積を説明する図である。 測光装置に設定した、一つの太陽電池セルの近似分光感度特性を示す図である。 測光装置に設定した、他の太陽電池セルの近似分光感度特性を示す図である。 測光装置に設定した、一つの植物のクロロフィルの近似分光感度特性を示す図である。 測光装置に設定した、一つの植物のフィトクロムの近似分光感度特性を示す図である。
以下、本発明に係る測光装置を図面に則して更に詳しく説明する。
実施例1
先ず、本発明に係る測光装置1の全体構成例について説明する。
図1に、本発明に係る測光装置1の第一の実施例を示す。
本実施例によると、測光装置1は、拡散光学系としての積分球2を備えている。積分球2は、内部が球面状の中空20とされ、中空20の球面(内面)21は拡散反射コーティングを施し、拡散反射フィルム又は拡散反射層を有している。フィルム或いは反射層は、硫酸バリウムなどとされるコーティング剤を充填するか、又は、スプレーして形成される。
更には、積分球2は、例えば、ポリテトラフッ化エチレン、ポリクロロトリフッ化エチレン、ポリクロロフッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニルなどとされる、適宜に焼結したフッ素樹脂の固体ブロックで形成することもできる。
本実施例では、積分球2は、その左側位置に測定対象光源100からの光が入射する入射開口部22と、積分球2の下側位置に積分球2の内壁面21で拡散された拡散光が光検出部3へと出射する検出部開口、即ち、出射開口部23とを有する。
本実施例における積分球2の具体的寸法、形状、材質の一例を挙げれば次の通りである。
本実施例にて、積分球2は、フッ素樹脂、特に、PTFE(ポリテトラフッ化エチレン)の固体ブロックで作製し、中空球面21の直径(D)は60mmであった。入射開口部22は、直径(d1)が20mmであり、出射開口部23は、直径(d2)が13mmとした。
本発明にて、積分球2は、上記寸法、形状、材質、に限定されるものではない。ただし、一般的な推奨条件によれば、積分球2は、次の条件を満足することにより良好な性能を発揮し得ることが分かった。
つまり、本実施例にて、積分球2における、直径Dとされる球面(内壁面)21の全表面積をA、入射部開口部22の開口面積をA1、検出部開口部23の開口面積をA2としたとき、
A1+A2≦A×5%
を満足するのがよい。
本実施例の測光装置1は、積分球2の外側で且つ出射開口部23に近接して光検出部3が配置される。光検出部3は、積分球2からの拡散光を分光する分光手段31と、分光手段31に隣接して配置され、分光手段31により分光された光が入射する複数の光電変換素子(フォトダイオード)S1、S2、・・・Snから成る光電変換素子列32とを備えている。分光手段31と光電変換素子列32とは、光センサ(即ち、光検出器)3Aを構成している。
上記構成の本実施例の測光装置1によれば、拡散光学系は積分球2とされ、そのため、後述するように、積分球2に入射する測定対象光源100からの入射角(θ)(図4参照)が変化しても、極端に変化しない限りにおいては、分光手段31や光電変換素子列32
への入射角分布や光量が変化することは少ない。
本実施例によると、分光手段31は、リニアバリアブルフィルタ(以後、「LVF」という。)とされる。
LVFは、バンドパスフィルタの中心波長が位置により連続的に変化する部材であり、従って、フィルタは1種類製作すればよく、従来の干渉フィルタアレイのような、光電変換素子列への貼り付け作業も必要とはしない。また、バンドパスの中心波長が連続的に変化しているため、位置ズレの影響は干渉フィルタに比べると小さい。
LVFは、透過スペクトルの半値幅は中心波長に比例する。例えば、中心波長の1〜2%である。400〜800nmまでの特性で考えると、400nm付近では半値幅が40nm(中心波長の1%)、800nm付近では半値幅が80nmとなる。つまり、400〜500nm付近では半値幅が狭く、500nm以降では半値幅を広くすることが可能であり、光電変換素子列32は均等間隔でよい。
上述のように、本実施例によれば、従来使用しているスリットや光ファイバなどを使用してはいない。従って、本実施例の測光装置1によれば、出射開口部23から分光手段31に入射する光束は、制限されず、光検出部3の感度を高くすることができる。
本実施例にて、分光手段31としてのLVFは、波長範囲380nm〜720nmとされる、米国JDSU社製のリニアバリアブルフィルタを使用した。また、出射開口部23からLVF31までの距離(L)は、10mmとされ、このLVF31に1mm以下にて密着して光電変換素子列32を配置した。
光電変換素子列32は、本実施例では、16個の光電変換素子(フォトダイオード)S1、S2、・・・S16からなるフォトダイオードアレーを使用した。つまり、本実施例では、16個の光電変換素子(フォトダイオード)S1、S2、・・・S16を備えたフォトダイオードアレー32により、図2に示すように、380nm〜720nmまで20nmピッチでピークを持つ16個の受光信号S1(λ)、S2(λ)、・・・S16(λ)が測定値として得られる。なお、光電変換素子Sの数は、16個に限定されるものではなく、所望により、これ以外の個数とすることもできる。
図3は、本実施例における測光装置1の電気的構成の一実施例を示すブロック図である。
本実施例によると、16個(n=16)のフォトダイオード(光電変換素子)S1、S2、・・・S16から成る光電変換素子列32からの受光信号をデジタル値に変換するA/D変換器101と、A/D変換器101にて変換された受光信号を受信する制御手段(CPU)102とを備えている。又、詳しくは後述する記憶手段、即ち、RAM103、ROM104を備えている。
上述のように、本実施例の測光装置1によれば、スリット又は光ファイバを使用することはない。従って、分光手段31に入射する光束は制限されることがなく、測定装置1の感度を高くすることができる。このことは、積分球を使用する測光装置においては特に重要である。
つまり、一般に、積分球を使用する測光装置は、直接光を検出する場合と比較して光量減衰が大きく、測定装置の感度を高くすることは、測定精度を向上させる上から、極めて重要である。
本実施例の測光装置1は、入射開口部22に拡散透過板4が設置された点に特徴を有している。以下に、本実施例の特徴部である拡散透過板4を有する構成について説明する。
測光装置1において、拡散光学系として積分球2を使用した場合には、測定対象光源100からの直接光を検出する場合と異なり、被試験光の偏光、ビーム強度分布、入射角度などが平均化(均一化)されて、光電変換素子列32を備えた光検出器3Aを照射する。
その結果、光検出器3Aの測定誤差要因となる入射位置依存性、入射角依存性、偏光依存性などが軽減され、より高精度の測定が可能となる。
しかし、積分球2を使用しても、図4に示すように、積分球2に入射する被試験光の入射角度(θ)が極端に変化した場合には、例えば、入射角度(θ)が10°以上に変化した場合には、光分布に偏りが生じる。
そのために、従来、分光手段31として使用されている、所謂、入射角依存性を有した分光手段であるリニアバリアブルフィルタ、バンドパスフィルターアレー、回折格子、又は、ダイクロイックミラーアレーを使用した光検出器3Aは、本実施例のように、受光素子32を透過波長が異なる複数の光電変換素子S1、S2、・・・Snで構成した場合には、被試験光の入射角度(θ)によって複数の光電変換素子S1、S2、・・・Sn上の光量が変化して測定値が変化する。
そこで、本実施例では、図1及び図4に示すように、入射開口部22の領域を全面的に覆って、拡散透過板4が固定部材41により積分球2に固定される。拡散透過板4としては、シグマ光機株式会社製のオパール型拡散板が好適に使用される。
尚、拡散透過板4は、図1に一点鎖線にて示すように、直径d1とされる入射開口部22内のいずれかの位置に設置することも可能である。この場合は、拡散透過板4の設置位置は、積分球2の内壁面21に隣接した位置の方が好ましい。
図5は、拡散透過板4を使用しない場合の、被試験光の入射角度(θ)と、光電変換素子列32を構成する16個の各光電変換素子S1、S2、・・・S16上の強度分布との関係を示す図である。図6は、本実施例に従って拡散透過板4を使用した場合の、被試験光の入射角度(θ)と、光電変換素子列32を構成する各光電変換素子S1、S2、・・・S16上の強度分布との関係を示す図である。
図5から、積分球2の光入射開口部22に拡散透過板4がない場合には、積分球2に入射する光束の角度(θ)が変化すると、透過波長が異なる各光電変換素子S1、S2、・・・S16に照射する光量が入射角度によって変化することが分かる。
これに対して、図6から分かるように、本実施例に従って構成される測光装置1では、拡散透過板4を積分球2の光入射開口部22に固定することで、積分球2に入射する被試験光が拡散されて入射し、被試験光の入射角度(θ)が変化しても、透過波長が異なる各光電変換素子に照射する光束分布は偏りが生じず、均一である。
従って、本実施例の測光装置1によれば、被試験光の入射角度θが変化しても高精度に被試験光のパワーや色度を高精度に測定することが可能である。
実施例2
次に、本発明の測光装置1の第二の実施例について説明する。本実施例にて、測光装置
1の全体構成は、図1に示す実施例1の測光装置と同じ構成とされ、ただ、分光手段31と光電変換素子列32で構成される光検出器3Aの構成において異なる。従って、測光装置の全体構成については、実施例1の説明を援用し、ここでの再度の説明は省略する。以下に、本実施例の特徴部であるLVFについて説明する。
実施例1で説明したように、LVFを利用することで、400〜500nm付近では半値幅が狭く、500nm以降では半値幅を広くすることが可能であり、光電変化素子列32における各光電変換素子S1、S2、・・・Snは、均等間隔で良い。
そこで、本実施例では、分光手段31として、中心波長の変化率が変わるLVFを利用することによって、フィルタ(LVF)31と光電変換素子列32からなる光検出器3Aによる検出を、中心波長ピッチが400〜500nm付近では狭く、500nm以降では広く設計することで、フィルタと光電変換素子からなる光センサの数を最小にすることができ、しかも、少ない光センサにて等色関数への近似精度を向上させることが可能である。
実施例3
図7に、本発明の測光装置1の第三の実施例を示す。本実施例にて、測光装置1の全体構成及び積分球2は、実施例1の測光装置1及び積分球2と同じ構成とされ、ただ、光検出部3の構成が異なるのみである。従って、積分球2及び測光装置1の全体構成については、同じ構成及び機能をなす部材には同じ参照番号を付し、実施例1の説明を援用し、ここでの再度の説明は省略する。
本実施例の光検出部3は、積分球2からの拡散光が、スリット33及びレンズ34を介して平行光とされた後、光検出器3Aへと照射される。光検出器3Aは、例えば、回折格子などとされる分光手段31と、分光手段31に隣接して、分光手段31により分光された光が入射する光電変換素子列32とを備えている。
このような測光装置1においても、実施例1で説明した積分球2は、極めて有効であり、実施例1と同様の作用効果を達成し得る。
更に、本実施例にて、光検出部3は、分光手段31として、入射角依存性を有した分光手段であるバンドパスフィルターアレー又はダイクロイックミラーアレーを使用することも可能である。この場合も、上記構成の積分球2は、極めて有効であり、実施例1と同様の作用効果を達成し得る。
実施例4
図8に、本発明の測光装置1の第四の実施例を示す。本実施例にて、測光装置1の全体構成及び光検出部3は、図1に示す実施例1の測光装置1及び光検出部3と同じ構成とされ、ただ、積分球2の構成が異なるのみである。従って、光検出部3及び測光装置1の全体構成については、同じ構成及び機能をなす部材には同じ参照番号を付し、実施例1の説明を援用し、ここでの再度の説明は省略する。
本実施例では、積分球ブロック2Aの外周囲は、入射開口部22及び出射開口部23を除いて反射板5で囲包する。反射板5は、球面内部20からの漏れ光を、再度球面内部20に反射させる。反射板5は、好ましくは拡散反射板とされる。
本実施例における積分球2の具体的寸法、形状、材質の一例を挙げれば次の通りである。
本実施例にて、積分球ブロック2Aは、フッ素樹脂、特に、PTFE(ポリテトラフッ化エチレン)の固体ブロックで作製し、中空内面の直径(D)は60mmとした。入射開口部22は、直径(d1)が20mmであり、出射開口部23は、直径(d2)が13mmであった。
また、このような形状の積分球ブロック2Aは、本実施例では、一辺の長さ(W)が70mmの立方体形状とされた。ただし、本発明にて、積分球2は、これらの寸法、形状、材質、に限定されるものではない。
尚、上述したように、一般に、積分球2は、次の条件を満足することにより良好な性能を得る。
つまり、本実施例においても、積分球2における、直径Dとされる球面(内壁面)21の全表面積をA、入射部開口部22の開口面積をA1、検出部開口部23の開口面積をA2としたとき、
A1+A2≦A×5%
を満足するのがよい。
積分球ブロック2Aは、本実施例では、産業用に一般的に使用されているPTFE(密度2.1〜2.3g/cm3)を使用した。
更に説明すると、上述したように、積分球ブロック2Aに一般の産業用で利用されているPTFEを使用すると、PTFEの中空球面21に入射した光は、PTFEの表面で拡散反射する光以外にPTFEを透過する光が存在する。
積分球ブロック2Aから入射光が漏れると、光検出部3、即ち、分光手段31と光電変換素子列32にて構成される光センサ(即ち、光検出器)へ照射する拡散反射光が減り測定の感度が落ちる。
この対策として、本実施例では、積分球ブロック2Aの周囲に、反射板5、好ましくは、拡散反射板5を取付け、積分球2からの漏れ光を、再度積分球2の球面内部20に反射させる。
この結果、光検出部3へと照射する拡散光量が増え、感度の低下を改善することができる。また、雰囲気光などの外乱光が積分球2の外部から漏れ込まないように、反射板5は周囲の光を遮断することにも利用できる。
本実施例では、反射板5としては、アルミ製の反射板を使用した。特に、拡散反射板としては、古河電工製の超微細発泡光反射板(MCPET)を使用した。
上記構成の立方体形状とされる積分球ブロック2Aの、入射開口部22及び出射開口部23を除く全外周囲に、上記構成の反射板(拡散反射板)5を貼り付け、反射板5の効果を実験により確認した。
その結果、一般の産業用に利用するPTFE(密度2.1〜2.3g/cm3)を使用
して積分球を作製した場合であっても、反射板5として、上記拡散反射板を使用した場合には、光検出部(照射面)3上の光量が1.6倍向上した。上記アルミ製の反射板を使用した場合であっても、1.2倍向上した。
これは、球面内面21が硫化バリウムで塗布された一般の積分球と同等な光量であった
このように、上記構成の本実施例の積分球2によれば、一般の産業用に使用されているPTFEブロックを利用することによって作製することができ、安価である。また、周囲に反射板を固定することで、拡散反射光が増えて、一般の積分球と同等な特性が達成できる。更に、反射板は外乱光の影響をなくすことにも効果がある。
実施例5
図9に、本発明の測光装置の第五の実施例を示す。本実施例にて、測光装置1の全体構成及び積分球2は、図8に示す実施例4の測光装置1及び積分球2と同じ構成とされ、ただ、光検出部3の構成が異なるのみである。従って、積分球2及び測光装置1の全体構成については、同じ構成及び機能をなす部材には同じ参照番号を付し、実施例4の説明を援用し、ここでの再度の説明は省略する。
本実施例の光検出部3は、積分球2からの拡散光が、スリット33及びレンズ34を介して平行光とされた後、光検出器3Aへと照射される。光検出器3Aは、例えば、回折格子などとされる分光手段31と、分光手段31に隣接して、分光手段31により分光された光が入射する光電変換素子列32とを備えている。
このような測光装置1においても、本実施例の積分球2は、極めて有効であり、実施例4と同様の作用効果を達成し得る。
実施例6
図10に、本発明の測光装置1の第六の実施例を示す。本実施例にて、測光装置1の全体構成は、図8に示す実施例4の測光装置1と同じ構成とされ、ただ、入射開口部22に拡散透過板4が配置された点でのみ異なる。従って、測光装置1の全体構成については、同じ構成及び機能をなす部材には同じ参照番号を付し、実施例4の説明を援用し、詳しい説明は省略する。又、拡散透過板4の構成及び機能は、実施例1で説明したとおりである。
また、実施例1で説明したと同様に、拡散透過板4は、図10に一点鎖線にて示すように、直径d1とされる入射開口22内のいずれかの位置に設置することも可能である。この場合は、拡散透過板4の設置位置は、積分球2の内壁面21に隣接した位置の方が好ましい。
本実施例の測光装置1もまた、実施例1と同様に、光検出器3Aの測定誤差要因となる入射位置依存性、入射角依存性、偏光依存性などが軽減され、より高精度の測定が可能となる。
実施例7
図11に、本発明の測光装置の第七の実施例を示す。本実施例にて、測光装置1の全体構成及び積分球2は、図10に示す実施例6の測光装置1及び積分球2と同じ構成とされ、ただ、光検出部3の構成が異なるのみである。従って、積分球2及び測光装置1の全体構成については、同じ構成及び機能をなす部材には同じ参照番号を付し、実施例6の説明を援用し、ここでの再度の説明は省略する。
本実施例の光検出部3は、積分球2からの拡散光が、スリット33及びレンズ34を介して平行光とされた後、光検出器3Aへと照射される。光検出器3Aは、例えば、回折格子などとされる分光手段31と、分光手段31に隣接して、分光手段31により分光された光が入射する光電変換素子列32とを備えている。
このような測光装置1においても、本実施例の積分球2は、極めて有効であり、実施例4と同様の作用効果を達成し得る。
実施例8
次に、上述した実施例の測光装置1の具体的使用態様について説明する。本実施例では、上記実施例1で説明した構成の測光装置1を使用し、光源の演色性を測定するものとして説明する。
本実施例にて、分光手段31としてのLVFは、波長範囲380nm〜720nmとされる、米国JDSU社製のリニアバリアブルフィルタを使用した。また、出射開口部23からLVF31までの距離距離(L)は、10mmとされ、このLVF31に1mm以下にて密着して光電変換素子列32を配置した。
光電変換素子列32は、本実施例では、16個(n=16)の光電変換素子(フォトダイオード)S1、S2、・・・S16からなるフォトダイオードアレーを使用した。つまり、本実施例では、光センサ3Aを構成する16個の光電変換素子(フォトダイオード)S1、S2、・・・S16を備えたフォトダイオードアレー32は、図2に示すように、380nm〜720nmまで20nmピッチでピークを持つ16個の分光感度特性S1(λ)、S2(λ)、・・・S16(λ)を持ち、光センサ3A、即ち、各光電変換素子は16個の測定値SD1、SD2、・・・SD16を出力する。なお、光電変換素子の数(n)は、16個に限定されるものではなく、所望により、これ以外の個数とすることもできる。
図3を参照して説明したように、本実施例における測光装置1は、16個のフォトダイオード(光電変換素子)S1、S2、・・・S16から成る光電変換素子列32からの受光信号をデジタル値に変換するA/D変換器101と、A/D変換器101にて変換された受光信号を受信する制御手段(CPU)102とを備えている。
本実施例によると、制御手段102は、A/D変換器101から送信される各光電変換素子の測定値SD1、SD2、・・・SD16をRAM103に保存する。ROM104には、以下に説明するように、種類の異なる複数組の重み付け係数、即ち、本実施例では、第1の組のa1〜an(本例ではn=16)、b1〜bn(本例ではn=16)、c1〜cn(本例ではn=16)、第2の組のe1〜en(本例ではn=16)、f1〜fn(本例ではn=16)、g1〜gn(本例ではn=16)、・・・・・・を格納している。本実施例では、試験色の種類は15種類(No.1〜No.15)あるため、前記第2の組の重み付け係数は、45種類(15×3)となる。
制御手段102は、演算部を備えており、本実施例の測定装置1は、演算部により測定光の三刺激値X、Y、Zを測定することができる。
つまり、本実施例にて、演算部は、RAM103に保存されている上記各光電変換素子の測定値SD1、SD2、・・・SD16、及び、ROM104に保存されている三刺激値X、Y、Z毎の上記重み付け係数a1〜an(本例ではn=16)、b1〜bn(本例ではn=16)、c1〜cn(本例ではn=16)を用いて、本実施例の三刺激値測定値は下記式のように求められる。
X=a1・SD1+a2・SD2+・・・・・・・・+a16・SD16
Y=b1・SD1+b2・SD2+・・・・・・・・+b16・SD16
Z=c1・SD1+c2・SD2+・・・・・・・・+c16・SD16
本実施例の近似等色関数x’(λ)、y’(λ)、z’(λ)は、各光電変換素子の分光感度特性S1(λ)、S2(λ)、・・・S16(λ)と、三刺激値X、Y、Z毎の重み付け係数a1〜an(本例ではn=16)、b1〜bn(本例ではn=16)、c1〜cn(本例ではn=16)を用いて、下記式のように表わされる。
x’(λ)=SΣ(λ)=a1・S1(λ)+a2・S2(λ)+・・・・・・+a16・S16(λ)
y’(λ)=SΣ(λ)=b1・S1(λ)+b2・S2(λ)+・・・・・・+b16・S16(λ)
z’(λ)=SΣ(λ)=c1・S1(λ)+c2・S2(λ)+・・・・・・+c16・S16(λ)
上記重み付け係数a1〜an(本例ではn=16)、b1〜bn(本例ではn=16)、c1〜cn(本例ではn=16)は、近似等色関数x’(λ)、y’(λ)、z’(λ)であるSΣ(λ)と、等色関数x(λ)、y(λ)、z(λ)との差が最小となるように、最小二乗法によって求められる。
上記重み付け係数を求める工程は、例えば、上述の特許文献2(特開2002−13981号公報)などに記載されており、当業者には周知である。従って、これ以上の説明は省略する。
図12に等色関数x(λ)、y(λ)、z(λ)を示し、図13に、等色関数x(λ)、y(λ)、z(λ)と、等色関数に近似した近似等色関数x’(λ)、y’(λ)、z’(λ)を示す。
上述にて理解されるように、本実施例の測定装置1は、制御手段102の演算部により測定光の三刺激値X、Y、Zを測定することができ、得られた三刺激値X、Y、Zに基づいて、測定対象光源100の色度u、vを算出することができる。基準光源の色度u、vは、基準光源は5nmのデータがあるのでJIS通りに実施して求める。
つまり、図14に示す、日本工業規格JIS Z 8726に規定する光源の演色性評価方法における、「測定対象光源の色度」、及び、「基準光源の色度」を求めることができる。
更に、本実施例によれば、ステップ(6)に記載する工程における、「測定対象光源下での試験色の色度」、及び、「基準光源下で試験色の色度」をもまた容易に且つ迅速に、高精度にて求めることができる。
従来、上述のステップ(6)では、日本工業規格JIS Z 8726で規定されている試験色の分光放射輝度率を用いて、測定対象光、或いは、基準光で試験色を照らしたときの試験色の色度を求めている。
つまり、測定対象光源で照らされた試験色の三刺激値X、Y、Zは、下記式5(上記式3と同じ)にて求める。この三刺激値X、Y、Zに基づいて、下記式6により試験色の色度u、vを算出する。
Figure 0005683834
Figure 0005683834
これに対して、本実施例では、測光装置1の分光感度特性を、記憶部ROM104に記憶した上述の第二の組の重み付け係数e1〜e16、f1〜f16、g1〜g16、・・・・(15種類×3=45種類)を掛けて演色性測定の試験色の分光放射輝度率と等色関数の積に合致させて、三刺激値X、Y、Zを求め、測定対象光源下での試験色の色度u、vを計算する。
図15を参照すると、等色関数x(λ)と、試験色No.1の分光放射輝度率β(λ)とを掛けて得られる分光感度特性Cx(λ)が示される。
即ち、測光装置1の分光感度特性S(λ)と上記分光感度特性Cx(λ)、Cy(λ)、Cz(λ)との差が最小となるように最小二乗法によって上記第二の組の重み付け係数e1〜e16、f1〜f16、g1〜g16、・・・・・を求める。そして、上述のように、ROM104に格納しておく。
本実施例によれば、上述したように測光装置1における光センサ3Aを構成する16個の光電変換素子S1〜S16からの測定値(出力)をSD1〜SD16とすると、測定対象光源で照らされた試験色No.1の三刺激値X、Y、Zは、
X=e1・SD1+e2・SD2+・・・・・・・・+e16・SD16
Y=f1・SD1+f2・SD2+・・・・・・・・+f16・SD16
Z=g1・SD1+g2・SD2+・・・・・・・・+g16・SD16
で表わされる。制御手段102の演算部は、求められた三刺激値X、Y、Zの出力値に基づき、上記式6により、測定対象光源下での試験色の色度u、vを計算する。
基準光源で照らされた試験色に対しては(基準光源は5nmのデータがあるので)JIS通りに実施して、色度u、vを計算する。
他の試験色No.2〜No.15に対しても同様の手順で測定対象光源で照らされた試験色の三刺激値及び色度u、vを求める。
従って、本実施例の測光装置1によれば、上記ステップ(6)における、測定対象光源で照らした試験色の色度、及び、基準光源で照らした試験色の色度を容易に且つ迅速に求めることができる。
次いで、日本工業規格JIS Z 8726の規定に従って、図14のステップ(7)における試料光源の色度及び試料光源による試験色の色度に対する色順応補正、ステップ(8)における均等空間への変換、及び、ステップ(9)における演色評価数の算出が行われる。ステップ(7)、(8)、(9)等は、当業者には周知であり、これ以上の説明は省略する。
実施例9
次に、上述した実施例の測光装置1を使用して、太陽電池セルに対する自然太陽下の放射照度(日射量)を測定する場合について説明する。本実施例では、上記実施例1で説明した構成の測光装置1を使用するものとして説明する。
従来、太陽電池セルの特性を屋外試験にて測定するためには、太陽の放射照度が不明であるために、被測定対象の太陽電池セルと同じ分光感度を持つ太陽電池セル(二次基準太陽電池セル)を用意する必要がある。
製造メーカ、型番などが違う複数の太陽電池セルを評価する場合には、二次基準太陽電池セルが複数必要となる。従って、種類を変更する度に、測定装置の放射測定部に二次基準太陽電池セルを設置し直す必要がある。
そこで、本発明に従った構成の測光装置1にて放射測定部を構成する。
つまり、本実施例にて、実施例8にて説明したと同様に、分光手段31としてのLVFは、波長範囲300nm〜1200nmとされるリニアバリアブルフィルタを使用した。また、出射開口部23からLVF31までの距離距離(L)は、10mmとされ、このLVF31に1mm以下にて密着して光電変換素子列32を配置した。
光電変換素子列32は、本実施例では、16個(n=16)の光電変換素子(フォトダイオード)S1、S2、・・・S16からなるフォトダイオードアレーを使用した。つまり、本実施例では、16個の光電変換素子(フォトダイオード)S1、S2、・・・S16を備えたフォトダイオードアレー32は、300nm〜1200nmまで56nmピッチでピークを持つ16個の分光感度特性S1(λ)、S2(λ)、・・・S16(λ)を持つ。なお、光電変換素子の数(n)は、16個に限定されるものではなく、所望により、これ以外の個数とすることもできる。
図3を参照して説明したように、本実施例における測光装置1は、16個のフォトダイオード(光電変換素子)S1、S2、・・・S16から成る光電変換素子列32からの受光信号をデジタル値に変換するA/D変換器101と、A/D変換器101にて変換された受光信号を受信する制御手段(CPU)102とを備えている。
本実施例によると、制御手段102は、A/D変換器101から送信される各光電変換素子の測定値SD1、SD2、・・・・・SD16をRAM103に保存する。ROM104には、以下に説明するように、種類の異なる複数組の重み付け係数h1〜hn(本例ではn=16)、i1〜in(本例ではn=16)、・・・・・を格納している。
制御手段102は、演算部を備えており、本実施例にて演算部は、RAM103に保存されている各光電変換素子の測定値SD1、SD2、・・・・・SD16、及び、ROM104に保存されている前記複数組のうちの選択された一つの組の重み付け係数、例えば、重み付け係数h1〜h16を用いて、所望の太陽電池の分光感度特性Ss(λ)に近似した分光感度特性Sss(λ)によって、太陽の放射照度Tを求めることができる。
つまり、所望の太陽電池で測定した太陽の放射照度Tは、下記式
T=h1・SD1+h2・SD2+・・・・・・・・・+h16・SD16
で求められる。
本実施例の近似分光感度特性Sss(λ)は、各光電変換素子の分光感度特性S1(λ)、S2(λ)、・・・S16(λ)と、重み付け係数h1〜h16を用いて、下記式のように表わされる。
Sss(λ)=SΣ(λ)=h1・S1(λ)+h2・S2(λ)+・・・・・・+h16・S16(λ)
上記重み付け係数h1〜h16は、近似分光感度特性Sss(λ)であるSΣ(λ)と、所望の太陽電池セルの分光感度特性Ss(λ)との差が最小となるように、最小二乗法によって求められる。
上記重み付け係数h1〜h16を求める工程は、上述のように、当業者には周知である。従って、これ以上の説明は省略する。
このようにして、複数の太陽電池セルについて、近似の分光感度特性を実現し得る複数組の重み付け係数h1〜h16、i1〜i16、・・・・を算出し、装置内の記憶手段ROM104に格納しておく。
図16及び図17に、異なる分光感度特性を有した二つの異なる太陽電池セルに対する近似分光感度特性を示す。
このように、本実施例の測光装置によれば、ユーザが希望する二次基準太陽電池セルの重み付け係数を呼び出し、測光装置の分光感度特性を二次基準太陽電池セルの感度に近似させることができる。
そのため、本実施例によれば、重み付け係数を変えるだけで、所望の二次基準太陽電池セル相当品を実現できる。つまり、複数の二次基準電池セルを保有する必要がなくなる。また、二次基準太陽電池セルを交換、即ち、設置し直すなどの手間もなくなる。
更には、メーカ、型番が不明な場合、分光感度を測定しても同等の二次基準太陽電池セルを用意できない場合がある。この場合にも、分光感度さえ分かれば重み付け係数を算出することは可能であり、二次基準太陽電池セル相当品を用意することができ、極めて好便である。
実施例10
次に、上述した実施例の測光装置1を使用して、測定対象光源中に植物の成長に必要な光がどの程度含まれているかを測定する場合について説明する。本実施例では、上記実施例1で説明した構成の測光装置1を使用するものとして説明する。
本実施例によると、実施例9と同様に、制御手段102は、A/D変換器101から送信される各光電変換素子の測定値SD1、SD2、・・・・・SD16をRAM103に
保存する。ROM104には、以下に説明するように、種類の異なる複数組の重み付け係数p1〜pn(本例ではn=16)、q1〜qn(本例ではn=16)、・・・・・を格納している。
制御手段102は、演算部を備えており、本実施例にて演算部は、RAM103に保存されている各光電変換素子の測定値SD1、SD2、・・・・・SD16、及び、ROM104に保存されている前記複数組のうちの選択された一つの組の重み付け係数、例えば、重み付け係数p1〜p16を用いて、クロロフィルが吸収し得る光の分光感度特性Sp(λ)に近似した分光感度特性Spp(λ)によって、照射されている光量Wを求めることができる。
つまり、クロロフィルが吸収し得る光量Wは、下記式
W=p1・SD1+p2・SD2+・・・・・・・・・+p16・SD16
で求められる。
本実施例の近似分光感度特性Spp(λ)は、各光電変換素子の分光感度特性S1(λ)、S2(λ)、・・・S16(λ)と、重み付け係数p1〜p16を用いて、下記式のように表わされる。
Spp(λ)=SΣ(λ)=p1・S1(λ)+p2・S2(λ)+・・・・・・・+p16・S16(λ)
上記重み付け係数p1〜p16は、近似分光感度特性Spp(λ)であるSΣ(λ)と、所望のクロロフィルが吸収し得る光の分光感度特性Sp(λ)との差が最小となるように、最小二乗法によって求められる。
上記重み付け係数p1〜p16を求める工程は、上述のように、当業者には周知である。従って、これ以上の説明は省略する。
このようにして、複数の植物について、そのクロロフィルの分光感度に対する近似の分光感度特性を実現し得る種類の異なる複数組の重み付け係数p1〜p16、q1〜q16・・・・・を算出し、装置内の記憶手段に格納しておく。
図18には、異なる分光感度特性を有するクロロフィルa、b、cなどの型のうちクロロフィルbに対する近似分光感度特性Spp(λ)を示す。
従って、本実施例の測光装置によれば、ユーザが希望する植物のクロロフィルの重み付け係数を呼び出し、測光装置の分光感度特性を所望のクロロフィルの感度に近似させることができる。
そのため、本実施例によれば、重み付け係数を変えるだけで、複数種類の植物のクロロフィル相当品を実現できる。
また、図19には、異なる分光感度特性を有するフィトクロムのPfr型に対する近似分光感度特性Stt(λ)を示す。フィトクロム(phytochrome)は植物や真菌、細菌、
シアノバクテリアに含まれる色素タンパク質である。フィトクロムは、赤色光吸収型(Pr型)と遠赤色光吸収型(Pfr型)の間を可逆的に光変換することで、それぞれ光を受
容する。
本実施例の測光装置によれば、クロロフィルに対してと同様に、このようなフィトクロムに対してもフィトクロムの分光感度に対する近似の分光感度特性Stt(λ)を実現し得る重み付け係数t1〜t16などを算出し、装置内の記憶手段に格納しておき、必要に応じて、ユーザが希望するフィトクロムの重み付け係数(例えば、t1〜t16)を呼び
出し、測光装置の分光感度特性を所望のフィトクロムの感度に近似させることができる。
従って、本実施例によれば、重み付け係数を変えるだけで、フィトクロム相当品を実現できる。
1 測光装置
2 積分球
20 中空
21 中空球面(内面)
22 入射部開口
23 検出部開口
3 光検出部
3A 光センサ(光検出器)
31 リニアバリアブルフィルタ、回折格子(分光手段)
32 光電変換素子列
33 スリット
34 レンズ系
4 拡散透過板
100 測定対象光源

Claims (6)

  1. 測定対象光源からの光が入射する入射開口部と、入射光を拡散する拡散光学系と、拡散光が出射する出射開口部とを有した測光装置において、
    前記出射開口に近接して、それぞれ感度波長領域が制限された異なる分光感度特性を有した光電変換素子が複数個配列された光検出部と、
    前記各光電変換素子の分光感度特性を元に、前記各光電変換素子の信号に重み付け係数を掛けて加算する演算部と、
    種類の異なる複数の組の前記重み付け係数を記憶した記憶部と、
    を備え、前記演算部は、
    前記光電変換素子の分光感度特性を、前記記憶部に記憶した第1の組の重み付け係数を掛けて等色関数に近似した出力特性として、前記測定対象光源の色度を測定し、
    前記光電変換素子の分光感度特性を、前記記憶部に記憶した第2の組の重み付け係数を掛けて演色性測定の試験色の分光放射輝度率と等色関数の積に合致させて前記測定対象光源下での試験色の色度を測定し、
    前記測定対象光源の演色性を測定することを特徴とする測光装置。
  2. (I)前記各光電変換素子は、分光感度特性S1(λ)、S2(λ)、・・・Sn(λ)を持ち、前記各光電変換素子は、測定値SD1、SD2、・・・SDnを出力し、
    測定光の三刺激値X、Y、Z毎の前記第1の組の重み付け係数をa1〜an、b1〜bn、c1〜cnとすると、
    前記演算部は、下記式にて測定光の三刺激値X、Y、Zを測定し、
    X=a1・SD1+a2・SD2+・・・・・・・・+an・SDn
    Y=b1・SD1+b2・SD2+・・・・・・・・+bn・SDn
    Z=c1・SD1+c2・SD2+・・・・・・・・+cn・SDn
    得られた三刺激値X、Y、Zに基づいて、前記測定対象光源の色度u、vを算出し、
    (II)前記各光電変換素子は、分光感度特性S1(λ)、S2(λ)、・・・Sn(λ)を持ち、前記各光電変換素子は、測定値SD1、SD2、・・・SDnを出力し、
    測定光の三刺激値X、Y、Z毎の前記第2の組の重み付け係数を試験色毎に設定し、
    試験色No.1に対する前記第2の組の重み付け係数を、e1〜en、f1〜fn、g1〜gnとすると、
    前記演算部は、下記式にて測定対象光源で照らされた試験色No.1の三刺激値X、Y、Zを測定し、
    X=e1・SD1+e2・SD2+・・・・・・・・+en・SDn
    Y=f1・SD1+f2・SD2+・・・・・・・・+fn・SDn
    Z=g1・SD1+g2・SD2+・・・・・・・・+gn・SDn
    得られた三刺激値X、Y、Zに基づいて、測定対象光源下での試験色No.1の色度u、vを算出し、
    他の試験色に対しても上記と同様の手順で測定対象光源で照らされた試験色の三刺激値X、Y、Z及び色度u、vを求める、
    ことを特徴とする請求項1に記載の測光装置。
  3. (I)近似等色関数x’(λ)、y’(λ)、z’(λ)は、各光電変換素子の分光感度特性S1(λ)、S2(λ)、・・・Sn(λ)と、三刺激値X、Y、Z毎の重み付け係数a1〜an、b1〜bn、c1〜cnを用いて、下記式のように表わされ、
    x’(λ)=SΣ(λ)=a1・S1(λ)+a2・S2(λ)+・・・・・・+an・Sn(λ)
    y’(λ)=SΣ(λ)=b1・S1(λ)+b2・S2(λ)+・・・・・・+bn・Sn(λ)
    z’(λ)=SΣ(λ)=c1・S1(λ)+c2・S2(λ)+・・・・・・+cn・Sn(λ)
    前記第1の組の重み付け係数a1〜an、b1〜bn、c1〜cnは、近似等色関数x’(λ)、y’(λ)、z’(λ)であるSΣ(λ)と、等色関数x(λ)、y(λ)、z(λ)との差が最小となるように、最小二乗法によって求められ、
    (II)試験色No.1に対して、等色関数x(λ)、y(λ)、z(λ)と、試験色No.1の分光放射輝度率β(λ)とを掛けて得られる分光感度特性Cx(λ)、Cy(λ)、Cz(λ)とすると、
    上記分光感度特性S(λ)と上記分光感度特性Cx(λ)、Cy(λ)、Cz(λ)との差が最小となるように最小二乗法によって上記第2の組の重み付け係数e1〜e16、f1〜f16、g1〜g16を求め、
    他の所要数の試験色に対しても上記と同様の手順で上記第2の組の重み付け係数を求める、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の測光装置。
  4. 前記光電変換素子は、リニアバリアブルフィルタを備えていることを特徴とする請求項1〜のいずれかの項に記載の測光装置。
  5. 前記拡散光学系は、積分球を備え、前記入射開口部に拡散透過板を備えたことを特徴とする請求項1〜のいずれかの項に記載の測光装置。
  6. 前記積分球は、フッ素樹脂の固体ブロックを使用して、内部が球面状の中空とされる積分球ブロックを作製し、前記積分球ブロックの外周囲は、前記入射開口部及び出射開口部を除いて反射板で囲包したことを特徴とする請求項に記載の測光装置。
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