JP5682771B2 - 車両用発音装置 - Google Patents

車両用発音装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5682771B2
JP5682771B2 JP2013271648A JP2013271648A JP5682771B2 JP 5682771 B2 JP5682771 B2 JP 5682771B2 JP 2013271648 A JP2013271648 A JP 2013271648A JP 2013271648 A JP2013271648 A JP 2013271648A JP 5682771 B2 JP5682771 B2 JP 5682771B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sound
vehicle
modulation
sound pressure
driver
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2013271648A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014058316A (ja
Inventor
岩本 太郎
太郎 岩本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP2013271648A priority Critical patent/JP5682771B2/ja
Publication of JP2014058316A publication Critical patent/JP2014058316A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5682771B2 publication Critical patent/JP5682771B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Fittings On The Vehicle Exterior For Carrying Loads, And Devices For Holding Or Mounting Articles (AREA)
  • Traffic Control Systems (AREA)

Description

本発明は車両用発音装置に係り、より詳細には、電気車両及びハイブリッド車両を初めとする低騒音車両に搭載して好適な、車両外部に車両の接近を報知する車両用発音装置に関する。
低騒音車両は、従来の自動車と比較して走行時の騒音が少ないため、歩行者が車両の接近に気がつかない場合がある。このため、歩行者や自転車に乗った人に車両の接近を気づかせるために、車両から走行疑似音を発音させることが提案されている。
下記の特許文献1には、タイヤノイズやエンジンアイドリング音の疑似音を発音する技術が開示されている。また、下記の特許文献2には、車両が走行している地域に応じて疑似音を発生させる技術が開示されている。
特開2009−40318号公報 特開2005−253236号公報
ところで、これらの疑似音は、車両の周囲にとっては騒音に他ならず、また、高い静粛性という低騒音車両の長所を減殺してしまうことにもなる。
また、疑似音によって歩行者が車両の接近に気づいたとしても、車両のドライバが歩行者に気づいているか否かは、歩行者には分からない。
そこで、本発明は、車両のドライバが障害物を認知していることを障害物に報知することができる車両用発音装置を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するため、本発明の車両用発音装置は、車両外部に車両の接近を報知する車両用発音装置であって、車両の接近を想起させるための接近音の原音色を生成する原音色生成手段と、原音色から変調音色を生成する変調音色生成手段と、変調音色の接近音の発音音圧を設定する音圧設定手段と、設定された発音音圧で、車両外部へ変調音色の接近音を発音する発音手段と、車外の障害物を検出する障害物検出手段と、ドライバによって車両が障害物を回避する回避操作がとられたことを検出する回避操作検出手段と、変調音色生成手段及び音圧設定手段の少なくとも一方を制御する制御手段とを備え、制御手段は、回避操作の検出後の接近音を回避操作の検出前の接近音から変化させるように、変調音色生成手段及び音圧設定手段の少なくとも一方を制御することを特徴としている。
このように構成された本発明によれば、ドライバによる回避操作がとられたときに接近音を変化させることによって、歩行者や自転車に乗った人を含む障害物が、ドライバが歩行者を認知して回避行動をとったことを確認することが可能なる。その結果、障害物の不安を減じる効果が期待できる。このように、本発明によれば、車両のドライバが障害物を認知し回避する行動を取ったことを歩行者に報知することができる。
本発明の車両用発音装置によれば、車両のドライバが障害物を認知していることを障害物に報知することができる。
本発明の第1実施形態による車両用発音装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第1実施形態による車両中のセンサの配置を模式的に示す平面図である。 (A)は、第1実施形態における原音色の音圧の周波数分布を示すグラフであり、(B)は、初期の変調フィルタの利得の周波数特性を示すグラフであり、(C)は、変更後の変調フィルタの利得の周波数特性を示すグラフであり、(D)は、変調音色の音圧の周波数分布を示すグラフである。 本発明の第1実施形態による車両用発音装置の作動を示すフローチャートである。 (A)は、第2実施形態における原音色の音圧の周波数特性を示すグラフであり、(B)は、初期の変調フィルタの利得の周波数特性を示すグラフであり、(C)は、変更後の変調フィルタの利得の周波数特性を示すグラフであり、(D)は、変調音色の音圧の周波数特性を示すグラフである。
以下、添付の図面を参照して、本発明の車両用発音装置の実施形態を説明する。
まず、図1を参照して、本発明の実施形態による車両用発音装置の構成について説明する。図1は、実施形態による車両用発音装置の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、実施形態による車両用発音装置は、車両外部に車両の接近を報知するために、作動条件判定部1と、車両の接近を想起させるための接近音の原音色を生成する原音色生成部2と、原音色生成用データを格納したメモリ3と、原音色から変調音色を生成する変調音色生成部4と、変調音色の接近音の発音音圧を設定する音圧設定部5と、設定された発音音圧で、車両外部へ変調音色の接近音を発音する発音手段としてのスピーカ6と、車外の障害物を検出する障害物検出部7と、車両のドライバの視線方向を検出する視線方向検出部8と、ドライバによって車両が障害物を回避する回避操作がとられたことを検出する回避操作検出部9と、ドライバの視線方向と障害物の存在方向とが一致したとき、及び、回避操作の前後の少なくとも何れか一方の場合に、接近音を変化させるように、変調音色生成手段及び音圧設定手段の少なくとも一方を制御する制御部10とを有する。
作動条件判定部1、原音色生成部2、変調音色生成部4、音圧設定部5、障害物検出部7、視線方向検出部8、回避操作検出部9及び制御部10は、例えば車載ECU(electric control unit:電子制御装置)100における処理機能に相当する。これらの処理機能は、コンピュータにおいて所定のプログラムを実行することによって実現してもよいし、マイクロチップによって実現してもよい。
作動条件判定部1は、接近音を発音させる条件が満たされているか否かを判定する。判定条件として、車速センサ11が検出した走行中の車速が、所定の基準車速以下であること、例えば(0<車速≦20km/h)であることが挙げられる。
なお、車速センサ11は、図2に示すように、車両C前方のエンジンルーム内に設けられている。図2は、車両の平面模式図である。
また、他の判定条件として、車両が停車中であっても、ホーンスイッチ(ホーンSW)12が操作された場合も挙げられる。この判定条件は、停車していた電気自動車を発進させるときに、車両の周囲にいる人間に、車両が発進することを気づかせることが望ましいからである。したがって、発音装置が発生する接近音を、クラクションを鳴らすよりも穏やかな警告手段として使用することもできる。
なお、ホーンスイッチ12は、図2に示すように、車両の運転席のステアリングに設けられている。
原音色生成部2は、メモリ3から、車両の走行状態に対応した原音色生成用データを読み出して原音色を生成する。メモリ3には、原音色生成用データが車両の走行状態に対応させて付けて格納されている。車両の走行状態としては、車速センサ11によって検出された車速、及び、エンジン回転センサ13によって検出されたエンジン回転数(又はエンジン出力)、アクセル開度センサ14によって検出されたアクセル開度が挙げられる。
なお、エンジン回転センサ13及びアクセル開度センサ14も、車速センサ11と同様に、図2に示すように、車両C前方のエンジンルーム内に設けられている。
本実施形態では、メモリ3には、車速、エンジン回転数及びアクセル開度の少なくとも一つと対応付けられて、原音色生成用データが格納されている。したがって、原音色生成部2は、車速、エンジン回転数及びアクセル開度の少なくとも一つに対応づけられた原音色生成用データを読み出して、車速等に原音色を生成する。
図3(A)に、生成した原音色のグラフを模式的に示す。このグラフの横軸は周波数を表し、縦軸は音圧を表す。グラフ中の曲線Iは、原音色の音圧の周波数特性を示す。
なお、原音色生成用データは、実際に走行している車両のタイヤノイズやエンジン音の録音データを利用して生成してもよいし、合成音として生成してもよい。
変調音色生成部4は、原音色から変調音色を生成する。そのために、変調音色生成部4は、変調フィルタ機能を有している。
図3(B)に、初期化された変調フィルタの特性を示すグラフを模式的に示す。このグラフの横軸は周波数を表し、縦軸は利得(ゲイン)を表す。グラフ中の線IIは、初期化された変調フィルタの利得の周波数特性を示す。線IIに示すように、この初期化された変調フィルタでは、周波数に関係なく一定の利得g1が付与される。例えば、利得g1=1.0dBである。
また、図3(C)に、変更後の変調フィルタの特性を示すグラフを模式的に示す。このグラフの横軸は周波数を表し、縦軸は利得(ゲイン)を表す。グラフ中の曲線IIIは、変更後の変調フィルタの利得の周波数特性を示す。曲線IIIに示すように、変更後の変調フィルタは、ハイパスフィルタであって、所定の閾値周波数fcよりも高い周波数成分に、閾値周波数fcより低い周波数成分に付与する利得g3よりも高い利得g2を選択的に付与する。例えば、利得g2=0.0dB、利得g3=−3dBとするとよい。
そして、変調音色生成部4は、初期化された変調フィルタ又は変更後の変調フィルタを使用して、原音色から変調音色を生成する。
図3(D)に変調音色のグラフを模式的に示す。グラフの横軸は周波数を表し、縦軸は音圧を表す。グラフ中の実線IVは、図3(A)の原音色に、図3(B)の初期化された変調フィルタを掛け合わせて生成された、変調音色の音圧の周波数特性を示す。また、グラフ中の破線Vは、図3(A)の原音色に、図3(C)の変更後の変調フィルタを掛け合わせて生成された、変調音色の音圧の周波数特性を示す。さらに、グラフ中の一点鎖線VIは、図3(A)の原音色に、図3(C)の変更後の変調フィルタの利得g2、g3を更に小さな値とした変調フィルタを掛け合わせて生成された、変調音色の音圧の周波数特性を示す。
実線IVで示すように、図3(B)の初期化された変調フィルタを使用したときは、実質的に原音色の変調音色が生成される。また、破線Vで示すように、図3(C)の変更後の変調フィルタを使用したときは、閾値周波数fcより低音域の音圧が抑制された変調音色が生成される。さらに、一点鎖線VIで示すように、図3(C)の変更後の変調フィルタの利得g2、g3を小さくした変調フィルタを使用したときは、さらに、音圧全体が抑制される変調音色が生成される。
音圧設定部5は、変調音色の接近音の発音音圧を設定する。発音音圧の設定にあたっては、周囲環境の音圧よりも少し高めの音圧を設定することが望ましい。
なお、車両の周囲環境の音圧は、周囲環境音圧測定手段としてのマイク15によって測定される。マイク15は、図2に示すように、車両のフロントガラスの直前であって、車幅方向の中央付近に設けられている。
また、車両のヘッドライトが点灯している場合には、歩行者は、通常、ヘッドライトの光によって車両の接近に気がつく。このような場合、大きな音の接近音を発生させる必要はなく、小さな音の接近音で十分である。そこで、車外カメラ16で撮像した画像を障害物検出部7で処理して、周囲環境が夜間であると判断され、かつ、車両のヘッドライトが点灯している場合には、設定音圧を、昼間の設定音圧よりも低くすることが望ましい。
なお、車外カメラ16は、図2に示すように、フロントガラスの内側の車幅方向の中央であって、車室の天井近くに、前方に向けて設けられている。
また、自車両の近くに、接近音を発音している車両が存在する場合、互いに、相手の車両の接近音よりも少し高い音圧を設定していくと、ハウリング現象が発生するおそれがある。そこで、音圧の設定に当たっては、適当な上限値を設定しておくことが望ましい。
スピーカ6からは、設定された発音音圧で、車両外部へ変調音色の接近音が発音される。このように変調音色の接近を発音することにより、発音装置による騒音を抑制しつつ、車両接近を想起しやすい音を発生させることができる。
なお、スピーカ6は、図2に示すように、車両先頭の車幅方向中央付近に設けられている。
障害物検出部7は、周囲環境の昼夜の別を判断するだけでなく、車外カメラ16で撮像した画像から、歩行者や自転車といった障害物を抽出する。さらに、障害物検出部7は、障害物の存在する方向を検出する。
視線方向検出部8は、車内に取り付けられた車内カメラ17によって撮像された画像から、ドライバの視線方向を検出する。車内カメラ17は、図2に示すように、フロントガラスの内側の運転席上方の車室天井付近に設けられている。視線方向は、ドライバの眼球の動きに基づいて検出してもよいし、ドライバの頭部の動きに基づいて検出してもよい。
回避操作検出部9は、アクセル開度センサ14,ブレーキセンサ18及び舵角センサ19によって検出されたブレーキ操作及び舵角操作に基づいて、ドライバによって車両が障害物を回避する回避操作がとられたことを検出する。例えば、障害物が車両前方に或る場合に、ドライバがアクセルペダルを上げてアクセル開度が小さくなったり、ドライバがブレーキ操作をした場合が、回避操作に該当する。具体的には、過去5秒間に、アクセルOFFやブレーキランプ連動操作があった場合に、回避操作を検出するとよい。
また、障害物が車両左前方にある場合に、ドライバがハンドルを、障害物と反対側の左側に操作した場合も、回避操作に該当する。
なお、ブレーキセンサ18は、図2に示すように、車両前方のエンジンルーム内に設けられている。また、舵角センサ19も、エンジンルーム内でステアリングシャフトに連結して設けられている。
そして、制御部10は、障害物検出部7によって検出された障害物の存在方向と、視線方向検出部8によって検出されたドライバの視線方向とが一致したときに、接近音を変化させるように、変調音色生成部4及び音圧設定部5の少なくとも一方を制御する。
ここで、視線方向の一致を判断するに当たっては、例えば、過去5秒間に、ドライバの視線方向と障害物の存在する方向とが0.25秒以上一致した場合に、ドライバの視線方向と障害物の存在する方向とが一致していると判断するとよい。
さらに、制御部10は、ドライバによる回避操作の前後でも、接近音を変化させるように、変調音色生成部4及び音圧設定部5の少なくとも一方を制御する。
第1実施形態では、制御部10は、障害物の存在方向とドライバの視線方向とが一致するまでは、変調音色生成部4を制御して、図3(B)の初期化された変調フィルタを使用して、図3(D)に実線IVで示す実質的に原音色の変調音色を生成させる。
一方、制御部10は、障害物の存在方向とドライバの視線方向とが一致した後は、変調音色生成部4を制御して、図3(C)の変更後の変調フィルタを使用して、図3(D)に破線曲線Vで示す、閾値周波数fcより低音域の音圧が抑制された変調音色が生成させる。
また、制御部10は、音圧設定部5を制御して、視線一致後や回避行動後の接近音の音圧を、視線位一致前や回避行動前の接近音の音圧よりも低下させてもよい。その場合も、接近音の音圧を急激に小さくして、接近音を不連続に変化させるとよい。接近音の不連続な変化によって、障害物である人間が接近音の変化に気付きやすくなる。また、その障害物以外の周囲の人間も、接近音が不連続に変化したことによって、接近音に気づきやすくなることが期待される。
これにより、ドライバの視線方向と障害物の存在方向とが一致したときに接近音が変化することによって、ドライバが障害物の存在に気づいたことを、歩行者や自転車に乗った人を含む障害物に報知することができる。その結果、障害物の不安を減じる効果が期待できる。
また、制御部10は、変調音色生成部4及び音圧設定部5の少なくとも一方を制御して接近音を変化させる際には、接近音を不連続に変化させるとよい。接近音を不連続に変化させることによって、ドライバが障害物を漫然と見ているが、それを障害物と認知していない場合に、ドライバの認知レベルを引き上げることができる。その結果、ドライバによる障害物の認知を図ることができる。さらに、接近音の音色を急激に変化させたり、接近音の音圧を急激に変化させたりして、接近音を不連続に変化させると、障害物である人間が接近音の変化を気付きやすくなる。
なお、制御部10は、変調音色生成部4だけを制御してもよいし、音圧設定部5だけを制御してもよいし、変調音色生成部4及び音圧設定部5の両方を制御してもよい。
次に、図4のフローチャートを参照して、実施形態による車両用発音装置の作動を説明する。
先ず、作動条件判定部1が、車速センサ11から車速を取得する(S1)。
次に、作動条件判定部1は、車速Vが、0<V≦20km/hの条件を満たすか否かを判定する(S2)。この条件が満たされていいない場合(S2で「NO」の場合)、作動条件判定部1は、ホーンスイッチ(ホーンSW)12が操作された(ON)か否かを判定する(S3)。
そして、車速が上記条件を満たす場合(S2で「YES」の場合)、又は、ホーンスイッチ12が操作された場合(S3で「YES」の場合)、原音色生成部2は、車両の走行状態データを取得する(S4)。走行状態データとしては、車速、エンジン回転数、及びアクセル開度が挙げられる。
次に、原音色生成部2が、取得した走行状態に対応した原音色生成用データを読み出し、図3(A)に示した原音色を生成する(S5)。
次に、車外カメラ16で撮像され障害物検出部7で処理された周囲環境のデータ、及び、マイク15で検出された周囲環境音圧のデータを取得する(S6)。そして、障害物検出部7が、歩行者や自転車といった障害物を検出す。
次に、車内カメラ17で撮像されたドライバ画像から、視線方向検出部8は、ドライバの視線方向を検出する(S7)。
そして、制御部10が、障害物検出部7によって検出された、ドライバから見た障害物の方向と、視線方向検出部8によって検出された、ドライバの視線方向とが一致するか否かを判定する(S8)。視線方向が一致しない場合(S8で「NO」の場合)、制御部10は、変調音色生成部4に、図3(B)の初期化された第1変調フィルタを選択させる(S9)。
一方、視線方向が一致した場合(S8で「YES」の場合)、制御部10は、変調音色生成部4に、図3(C)の変更後の第1変調フィルタを選択させる(S10)。
続いて、回避操作検出部8が、ドライバによる回避操作の有無を判定する(S11)。回避操作が検出されない場合(S11で「NO」の場合)、制御部10は、変調音色生成部4に、図3(B)の初期化された第2変調フィルタを選択させる(S12)。
一方、回避操作が検出された場合(S11で「YES」の場合)、制御部10は、変調音色生成部4に、図3(C)の変更後の第1変調フィルタの利得を低下させたものを、変更後の第2変調フィルタとして選択させる(S13)。
次に、変調音色生成部4が、選択した第1及び第2変調フィルタを使用して、原音色から変調音色を生成する(S14)。
ドライバの視線方向が障害物の方向と一致するまでは、図3(B)に示す初期化された第1変調フィルタと、これと同じ、図3(B)に示す初期化された第2変調フィルタとを使用して、図3(D)に実線IVで示す、原音色と実質的に同じ変調音色が生成される。
また、ドライバの視線方向が障害物の方向と一致したが、ドライバによる回避操作が検出されていないときは、図3(C)に示す変更後の第1変調フィルタと、図3(B)に示す初期化された第2変調フィルタとを組み合わせて使用する。その結果、図3(D)に破線Vで示す、低音域が減衰した変調音色が生成される。
さらに、ドライバの視線方向が障害物の方向と一致し、さらに、ドライバによる回避操作が検出された後は、図3(C)に示す変更後の第1変調フィルタと、図3(C)の利得を更に低下させた変更後の第2変調フィルタとを組み合わせて使用し、利得の小さい変更後の第2変調フィルタが選択される。その結果、図3(D)に一点鎖線VIで示す、破線Vよりも全体的に利得が抑制された変調音色が生成される。
次に、音圧設定部5が、変調音色の接近音の発音音圧を設定する(S15)。
ここで、音圧設定部5は、マイク15によって測定された周囲環境音圧よりも少し高い音圧を設定するとよい。また、車外カメラ16が撮像した画像を処理した障害物検出部7によって夜間であると判定され、かつ、ヘッドライトが点灯している場合には、より低い音圧設定とするとよい。
次に、スピーカ6が、設定発音音圧で、車両外部へ変調音色の接近音を発音する(S16)。
このようにして、発音装置による不必要な騒音発生の抑制を図ることができる。
なお、図4に示すフローチャートでは、ドライバの挙動を、視線方向の一致と回避操作の2段階で検出する例について説明するが、本発明では、視線方向の一致及び回避操作のうちの一方だけを検出する一段階としてもよい。
次に、図5を参照して、本発明の第2実施形態による車両用発音装置を説明する。
第2実施形態による車両用発音装置の構成は、図1に示した第1実施形態のものと同じである。第2実施形態では、図5(A)に曲線Iで示すように、第1実施形態で使用した原音色と同様の原音色を使用する。しかし、第2実施形態では、変調音色生成部4で使用される変調フィルタが、上述の第1実施形態のものと相違する。そのため、その変調フィルタについて詳細に説明する。
第2実施形態では、制御部10は、ドライバの視線方向と障害物の方向とが一致するまで、変調音色生成部4に、基本周波数f0及びこの基本周波数f0の倍音列の周波数f1,f2,・・・成分が繰り返し高音側へ所定の遷移速度で遷移していく無限音階の変調音色を生成させる。
図5(B)に、初期化された変調フィルタの特性を示すグラフを模式的に示す。このグラフの横軸は周波数を表し、縦軸は利得(ゲイン)を表す。グラフ中の線IIは、コムフィルタ機能4aの利得の周波数特性を示す。線IIに示すように、このコムフィルタ機能4aでは、ある時点での基本周波数f0の倍音列の一部のf1,f2,・・・,f6の周波数成分に高い利得g1を付与し、それ以外の周波数成分には低い利得g2を付与している。例えば、利得g1=1.2dB、利得g2=0.0dBでもよい。
そして、図5(B)に矢印で示すように、これらの基本周波数f0及びその倍音列f1〜f6の周波数が時間の経過ともに、高周波側へ遷移しながら、包絡線Eに従って利得を変化している。この初期化された変調フィルタを使用することにより、無限音階効果を発生させることができる。
なお、この包絡線Eの形状は、台形に限定されず、例えば、末広がりの釣鐘形でもよい。
また、図5(C)に、変更後の変調フィルタの特性を示すグラフを模式的に示す。このグラフの横軸は周波数を表し、縦軸は利得(ゲイン)を表す。グラフ中の線IIIは、変更後の変調フィルタの利得の周波数特性を示す。線IIIに示すように、この変更後の変調フィルタでは、周波数に関係なく一定の利得g4が付与される。例えば、利得g4=0.0dBである。図5(C)の変更後の変調フィルタでは、音色が高音側へ遷移することはなく、無限音階効果は生じない。
そして、制御部10は、ドライバの視線方向と障害物の方向とが一致した後、変調音色生成部4に、遷移が停止した変調音色を生成させる。
第2実施形態では、制御部10は、視線方向の一致を判定するまで、変調音色生成部4を制御し、図5(B)の初期化された変調フィルタを使用して、変調音色を生成させる。
図5(D)に、変調音色のグラフを模式的に示す。グラフの横軸は周波数を表し、縦軸は音圧を表す。グラフ中の曲線IVは、視線方向一致前の変調音色の音圧の周波数特性を示す。曲線IVに示すように、視線方向一致前の変調音色は、図5(A)に示した原音色をベースとし、基本周波数f0及びその倍音列の周波数f1〜f6に音圧ピークp0〜p6をそれぞれ有する。これらの音圧ピークp0〜p6は、基本周波数及びその倍音列の周波数が高周波側へ遷移するのに従って高周波側へ遷移する。これにより、変調音色の接近音は、これを聞いた人間に、周波数の持続的な上昇を錯覚させる無限音階の効果を生じさせることができる。
また、各ピークの音圧は、基本周波数が高周波側へ遷移するにつれて、低周波域で漸増し、高周波域で漸減する。これにより、利得の高い基本周波数及びその倍音列の周波数成分は、低周波側からフェードインし、高周波側へ遷移するにつれてフェードアウトする。これにより、違和感無く無限音階効果を生じさせることができる。
一方、制御部10は、視線方向一致と判定した後は、変調音色生成部4を制御して、図5(C)の変更後の変調フィルタを使用して、図5(D)に破線Vで示す、原音色と実質的に同じ変調音色を生成させる。この変調音色は、基本周波数は高周波側遷移せず、無限音階を発生させない。
このように、無限音階は、元の音色の周波数特性を実質的に保ったまま、これを聞く人間に周波数の持続的な上昇を錯覚させる効果を有する。このため、車両の接近をより強く感じさせることができる。そして、視線方向一致後に、無限音階の遷移を停止させることによって、発音装置による不必要な騒音発生の抑制を図ることができる。また、変調音色生成4で使用する変調フィルタを切り換えることにより、視線方向一致の前後で接近音の音色を急激に変化させることができる。
なお、視線方向一致後に選択する変調フィルタとして、図5(C)に示すものではなく、図5(B)に示す初期化された変調フィルタのピークの周波数の遷移速度を減速したものを使用してもよい。挙動検出前後で変調フィルタを切り換えることによって、無限音階の遷移速度を急激に低下させることができる。
また、第2実施形態においても、ドライバの視線方向と障害物の方向とが一致した場合に加えて、又は、その場合の代わりに、ドライバによる回避操作が行われた場合に、無限音階の遷移を停止したり、遷移速度を低下させてもよい。
上述の実施形態においては、本発明を特定の条件で構成した例について説明したが、本発明は種々の変更及び組み合わせを行うことができ、これに限定されるものではない。例えば、上述の実施形態では、ドライバの視線が一致した後、ドライバによる回避操作が検出された場合に、制御部が接近音を変化させた例を説明したが、本発明では、ドライバによる回避操作が検出されただけで、接近音を変化させるようにしてもよい。
また、例えば、上述の第2実施形態では、1つの基本周波数についての倍音列に高い利得を付与して変調音色を生成した例を説明したが、本発明では、基本周波数は1つに限られず、位相の異なる複数の基本周波数それぞれの倍音列に高い利得を使用して変調音色を生成してもよい。
また、上述の第2実施形態では、補正フィルタ機能が台形波形の利得の周波数特性を有する例について説明したが、本発明では、補正フィルタ機能の特性はこれに限定されず、例えば、末広がりの釣鐘形の波形となる利得の周波数特性を与えてもよい。
本発明の車両用発音装置は、例えば、電気自動車及びハイブリッド自動車をはじめとする走行時の騒音が小さい車両に搭載して利用可能である。
1 作動条件判定部
2 原音色生成部
3 メモリ
4 音色変調部
5 発音音圧設定部
6 スピーカ
7 障害物検出部
8 視線方向検出部
9 回避操作検出部
10 制御部
11 車速センサ
12 ホーンスイッチ
13 エンジン回転センサ
14 アクセル開度センサ
15 マイク
16 車外カメラ
17 車内カメラ
18 ブレーキセンサ
19 舵角センサ
100 ECU

Claims (1)

  1. 車両外部に車両の接近を報知する車両用発音装置であって、
    車両の接近を想起させるための接近音の原音色を生成する原音色生成手段と、
    上記原音色から変調音色を生成する変調音色生成手段と、
    上記変調音色の接近音の発音音圧を設定する音圧設定手段と、
    設定された発音音圧で、車両外部へ上記変調音色の接近音を発音する発音手段と、
    車外の障害物を検出する障害物検出手段と、
    ドライバによって車両が上記障害物を回避する回避操作がとられたことを検出する回避操作検出手段と
    上記変調音色生成手段及び上記音圧設定手段の少なくとも一方を制御する制御手段と
    を備え、
    上記制御手段は、回避操作の検出後の接近音を回避操作の検出前の接近音から変化させるように、上記変調音色生成手段及び音圧設定手段の少なくとも一方を制御することを特徴とする車両用発音装置。
JP2013271648A 2013-12-27 2013-12-27 車両用発音装置 Expired - Fee Related JP5682771B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013271648A JP5682771B2 (ja) 2013-12-27 2013-12-27 車両用発音装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013271648A JP5682771B2 (ja) 2013-12-27 2013-12-27 車両用発音装置

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010078305A Division JP5549806B2 (ja) 2010-03-30 2010-03-30 車両用発音装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014058316A JP2014058316A (ja) 2014-04-03
JP5682771B2 true JP5682771B2 (ja) 2015-03-11

Family

ID=50615190

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013271648A Expired - Fee Related JP5682771B2 (ja) 2013-12-27 2013-12-27 車両用発音装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5682771B2 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1044893A (ja) * 1996-08-02 1998-02-17 Toyota Motor Corp 車両の障害物検知・警報装置
JP2003118482A (ja) * 2001-10-10 2003-04-23 Osaka Sairen Seisakusho:Kk 車両用電子サイレン装置
JP4347743B2 (ja) * 2004-05-11 2009-10-21 パイオニア株式会社 発音装置、その方法、そのプログラム、および、そのプログラムを記録した記録媒体
JP2006264390A (ja) * 2005-03-22 2006-10-05 Yamaha Corp 車両の警報音装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014058316A (ja) 2014-04-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5585764B2 (ja) 車両用発音装置
CN107018467B (zh) 用于车辆的外部声音合成的系统和方法
JP6524129B2 (ja) 運転支援装置
JP5445773B2 (ja) 車両用発音装置
US20120179280A1 (en) Pedestrian Warning System for an Electric or Hybrid Vehicle
US10558876B2 (en) Automatic driving assistance device and automatic driving assistance method
WO2011148534A1 (ja) 擬似音制御装置、擬似音発生装置、およびそれを備えた電動移動体
JP4936059B2 (ja) 移動体接近認知装置
US20130208912A1 (en) Simulation of engine sounds in silent vehicles
JPH0732948A (ja) 電気自動車用疑似走行音発生装置
JP6525658B2 (ja) 車両接近通報装置
JP5549807B2 (ja) 車両用発音装置
JP7047845B2 (ja) 車両用警報装置
JP2011051446A (ja) 音発生システムおよび音発生装置
JP5333260B2 (ja) 車両接近音制御装置
JP5549806B2 (ja) 車両用発音装置
JP5614088B2 (ja) 車両用発音装置
JP5682771B2 (ja) 車両用発音装置
JP2011235765A (ja) 車両用発音装置
US11697370B2 (en) Augmented audio output by an electric vehicle
US10011218B2 (en) Warning signal control system for motor vehicles
JP5565076B2 (ja) 車両用発音装置
JP2004078036A (ja) 車室内音制御装置
CN112026699A (zh) 一种障碍物示警方法、车载终端及计算机可读存储介质
KR102391782B1 (ko) 운전자 보조 시스템과 연계한 가상 엔진음 발생시스템 및 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20131227

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140827

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20141017

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20141112

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20141120

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20141217

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20141230

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5682771

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees