以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一符号は同一または相当部分を示す。
図1は、本発明の実施の形態に従う電力供給システムにおける充電動作および発電動作の概要を説明する図である。
図1を参照して、電力供給システムは、車両100と、車両100と車両外部との間で電力を伝達するための給電装置である給電ケーブル400とを備える。
車両100は、蓄電装置110と、動力出力装置105と、制御装置であるECU(Electronic Control Unit)300とを含む。蓄電装置110は、再充電可能に構成された電力貯蔵要素である。蓄電装置110は、たとえば、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池または鉛蓄電池などの二次電池、あるいは電気二重層キャパシタなどの蓄電素子を含んで構成される。
動力出力装置105は、蓄電装置110に蓄えられた電力を用いて車両100の駆動力を発生する。具体的には、動力出力装置105は、ECU300からの駆動指令に基づいて車両100の駆動力を発生し、その発生した駆動力を車両100の駆動輪へ出力する。なお、駆動指令は、車両100の走行中において、要求された車両駆動力あるいは車両制動力に基づいて生成される制御指令である。具体的には、ECU300は、車両100の車両状態やドライバ操作(アクセルペダルの踏込み量、シフトレバーのポジション、ブレーキペダルの踏込み量など)に応じて、車両100全体で必要な車両駆動力および車両制動力を算出する。そして、ECU300は、要求された車両駆動力または車両制動力を実現するように、動力出力装置105の駆動指令を生成する。
また、動力出力装置105は、ECU300から発電指令を受けると、車両外部の電気機器700へ供給するための電力を発生し、その発生した電力を電力変換装置200へ出力する。なお、発電指令は、後述する非常用発電モードにおいて、電気機器700へ供給する電力の発生を指示するための制御指令である。
車両100は、外部電源500によって車載蓄電装置110を充電可能な、いわゆる、プラグインタイプの電動車両である。なお、電動車両の構成は、車載蓄電装置からの電力によって走行可能であれば、その構成は特に限定されるものではない。車両100には、たとえばハイブリッド自動車、電気自動車および燃料電池自動車などが含まれる。
さらに本発明の実施の形態による電力供給システムは、スマートグリッドなどに見られるように、車両100を電力供給源として考え、車両外部の電気機器700に対して車両100が発電した電力を供給可能に構成される。すなわち、車両100は、車載蓄電装置110を外部電源500により充電する充電動作が可能であるとともに、車両100が発電した電力を車両外部の電気機器700へ供給する発電動作が可能に構成される。
車両100は、このような充電動作と発電動作とを切換えて実行するための構成として、電力変換装置200と、接続部であるインレット220とを含む。
インレット220には、給電ケーブル400の給電コネクタ410が接続される。そして、充電動作時には、外部電源500からの電力が、給電ケーブル400を介して車両100に伝達される。
給電ケーブル400は、給電コネクタ410に加えて、外部電源500のコンセント510、外部の電気機器700の電源プラグ710および家屋800のコンセント810のいずれかに選択的に接続するためのプラグ420と、給電コネクタ410およびプラグ420とを接続する電力線440とを含む。電力線440には、外部電源500からの電力の供給および遮断を切換えるための充電回路遮断装置(以下、CCID(Charging Circuit Interrupt Device)とも称する。)430が介挿される。
給電コネクタ410には、操作部415と、切換スイッチ416と、非常用発電開始ボタン417とが設けられる。操作部415は、給電コネクタ410をインレット220から取り外す際にユーザによって操作される。具体的には、ユーザが操作部415を押下することによって、給電コネクタ410の嵌合部(図示せず)とインレット220との嵌合状態が解除される。
切換スイッチ416は、充電動作と発電動作とを切換えるためのスイッチであり、切換スイッチ416が「非常時」に切換えられることによって、車両100は、エンジンの駆動による発電動作を行ないつつ、車両外部への給電を行なう。これにより、外部電源500の停電時には、外部電源500に代えて車両100を電力供給源として、車両100から電気機器700に電力を供給することができる。以下の説明では、車両100を外部電源500の非常用電源として用いて発電動作を行なうモードを「非常用発電モード」と称する。これに対して、外部電源500の正常時において車載蓄電装置110の充電動作を行なうモードを「通常モード」と称する。
切換スイッチ416が「非常時」に設定されている場合には、車両100のECU300は、後述する方法によって非常用発電モードに設定されたことを認識すると、電力変換装置200を発電動作させるように制御するとともに、必要に応じてエンジンを駆動して発電動作を実行する。これにより、非常用発電モードの実行時には、蓄電装置110に蓄えられた電力に加えて、エンジンの駆動による発電電力を供給することができるため、車両外部への長時間の給電が可能となる。
これに対して、切換スイッチ416が「通常」に設定されている場合には、車両100のECU130は、通常モードに設定されたことを認識すると、電力変換装置200を充電動作させるように制御する。なお、切換スイッチ416が「通常」に設定されている場合には、エンジンの駆動を伴なわない発電動作を行なうことができる構成とすることも可能である。この場合には、たとえば、追加的なスイッチをコネクタに設けたり、車両100側の操作パネル等によって設定したりすることによって、エンジンの駆動を伴なわない発電動作と充電動作とを切換えるようにすることができる。
非常用発電開始ボタン417は、切換スイッチ416が「非常時」に設定されている場合、すなわち、非常用発電モードに設定されている場合に、車両100における発電動作の実行および停止を制御するためのボタンである。非常用発電開始ボタン417は、たとえばモーメンタリスイッチである。ユーザが非常用発電開始ボタン417を押下する操作をしたときに、給電コネクタ410は、車両100のECU300に対して、発電動作の実行を指示する指令を出力する。一方、ユーザが非常用発電開始ボタン417に対する操作を解除したり、非常用発電開始ボタン417がユーザからの操作を受け付けないときには、給電コネクタ410は、ECU300に対して、発電動作の停止を指示する指令を出力する。
電力変換装置200は、電力線ACL1,ACL2を介して、インレット220に接続される。また、電力変換装置200は、図示しない充電リレーを介して蓄電装置110に接続される。
ECU300は、いずれも図1には図示しないが、CPU(Central Processing Unit)、記憶装置および入出力バッファを含み、各センサ等からの信号の入力や各機器への制御信号の出力を行なうとともに、蓄電装置110および車両100の各機器の制御を行なう。これらの制御については、ソフトウェアによる処理に限られず、専用のハードウェア(電子回路)で処理することも可能である。
ECU300は、蓄電装置110からの電圧および電流の検出値に基づいて、蓄電装置110の充電状態(SOC:State of Charge)を演算する。
ECU300は、給電ケーブル400の接続状態を示す信号PISWを給電コネクタ410から受ける。また、ECU300は、給電ケーブル400のCCID430からパイロット信号CPLTを受ける。ECU300は、図2で後述するように、これらの信号に基づいて充電動作および発電動作を実行する。
なお、図1においては、ECU300として1つの制御装置を設ける構成としているが、動力出力装置105用の制御装置や蓄電装置110用の制御装置などのように、機能ごとまたは制御対象機器ごとに個別の制御装置を設ける構成としてもよい。
また、図1に示す構成に代えて、外部電源と車両とを非接触のまま電磁的に結合して電力を供給する構成、具体的には外部電源側に一次コイルを設けるとともに、車両側に二次コイルを設け、一次コイルと二次コイルとの間の相互インダクタンスを利用して電力供給を行なう構成としてもよい。
図2は、図1の電力供給システムにおける充電動作を説明するためのブロック図である。なお、図2において、図1と同じ参照符号が付された重複する要素についての説明は繰り返さない。
図2を参照して、車両100は、蓄電装置110と、動力出力装置105と、ECU300と、電力変換装置200と、充電リレー210と、インレット220とを含む。
動力出力装置105は、システムメインリレー(System Main Relay)115と、電力変換ユニット(PCU:Power Control Unit)120と、モータジェネレータ130,135と、動力伝達ギヤ140と、エンジン160と、駆動輪150とを含む。
蓄電装置110は、電力線PL1および接地線NL1を介してPCU120に接続される。そして、蓄電装置110は、車両100の駆動力を発生させるための電力をPCU120に供給する。また、蓄電装置110は、モータジェネレータ130,135で発電された電力を蓄電する。蓄電装置110の出力はたとえば200V程度である。
蓄電装置110は、いずれも図示しないが電圧センサおよび電流センサを含み、これらのセンサによって検出された、蓄電装置110の電圧および電流をECU300へ出力する。
SMR115に含まれるリレーの一方は、蓄電装置110の正極線およびPCU120に接続される電力線PL1に接続され、他方のリレーは蓄電装置110の負極線およびPCU120に接続される接地線NL1に接続される。そして、SMR115は、ECU300からの制御信号SE1に基づいて、蓄電装置110とPCU120との間での電力の供給と遮断とを切換える。
PCU120は、コンバータ121と、インバータ122,123と、コンデンサC1,C2とを含む。
コンバータ121は、ECU300からの制御信号PWCに基づいて、電力線PL1および接地線NL1と電力線PL2および接地線NL1と間で電圧変換を行なう。
インバータ122,123は、電力線PL2および接地線NL1に並列に接続される。インバータ122,123は、ECU300からの制御信号PWI1,PWI2にそれぞれ基づいて、コンバータ121から供給される直流電力を交流電力に変換し、モータジェネレータ130,135をそれぞれ駆動する。
コンデンサC1は、電力線PL1およびNL1の間に設けられ、電力線PL1および接地線NL1の間の電圧変動を減少させる。また、コンデンサC2は、電力線PL2および接地線NL1の間に設けられ、電力線PL2および接地線NL1の間の電圧変動を減少させる。
モータジェネレータ130,135は、交流回転電機であり、たとえば、永久磁石が埋設されたロータを備える永久磁石型同期電動機である。
モータジェネレータ130,135の出力トルクは、減速機や動力分割機構によって構成される動力伝達ギヤ140を介して駆動輪150に伝達されて、車両100を走行させる。モータジェネレータ130,135は、車両100の回生制動時には、駆動輪150の回転力によって発電することができる。そして、その発電電力は、PCU120によって蓄電装置110の充電電力に変換される。
また、モータジェネレータ130,135は、動力伝達ギヤ140を介してエンジン160とも結合される。そして、ECU300により、モータジェネレータ130,135およびエンジン160が協調的に動作されて必要な車両駆動力が発生される。さらに、モータジェネレータ130,135は、エンジン160の回転により発電が可能であり、この発電電力を用いて蓄電装置110を充電することができる。なお、本実施の形態においては、モータジェネレータ135を専ら駆動輪150を駆動するための電動機として用い、モータジェネレータ130を専らエンジン160により駆動される発電機として用いるものとする。
なお、図2においては、モータジェネレータが2つ設けられる構成が例示されるが、モータジェネレータの数はこれに限定されず、モータジェネレータが1つの場合、あるいは2つより多くのモータジェネレータを設ける構成としてもよい。
また、本実施の形態においては、車両100は、上述のように、ハイブリッド自動車を例として説明するが、車両100の構成が、エンジン160により駆動される発電機からの発電電力、および/または、蓄電装置110からの電力を用いて車両外部の電気機器700へ電力の供給が可能な車両であればその構成は限定されない。すなわち、車両100は、図2のようなエンジンおよび電動機により車両駆動力を発生するハイブリッド自動車のほかに、車両駆動力は発生しないがエンジンにより発電を行なう発電機が設けられる車両、エンジンを搭載しない電気自動車あるいは燃料電池自動車などを含む。
給電ケーブル400は、給電コネクタ410と、プラグ420と、電力線440と、CCID430とを含む。
充電動作を行なう際には、図2に示すように、給電ケーブル400の給電コネクタ410が車両100のインレット220に接続されるとともに、給電ケーブル400のプラグ420が外部電源500のコンセント510に接続される。これにより、車両100の電力線ACL1,ACL2と外部電源500とが給電ケーブル400を介して電気的に接続される。
図3は、図2の給電ケーブル400の詳細な構成を示す回路図である。
図2および図3を参照して、CCID430は、CCIDリレー450と、CCID制御部460と、コントロールパイロット回路470と、電磁コイル471と、漏電検出器480と、電圧センサ481と、電流センサ482とを含む。また、コントロールパイロット回路470は、発振回路472と、抵抗R20と、電圧センサ473とを含む。
CCIDリレー450は、給電ケーブル400の電力線440に介挿される。CCIDリレー450は、コントロールパイロット回路470によって制御される。CCIDリレー450が開放されているときには、給電ケーブル400内で電路が遮断される。一方、CCIDリレー450が閉成されると、外部電源500から車両100へ電力が供給される。
コントロールパイロット回路470は、給電コネクタ410およびインレット220を介してECU300へパイロット信号CPLTを出力する。このパイロット信号CPLTは、コントロールパイロット回路470からECU300へ給電ケーブル400の定格電流を通知するための信号である。また、パイロット信号CPLTは、ECU300によって操作されるパイロット信号CPLTの電位に基づいて、ECU300からCCIDリレー450を遠隔操作するための信号としても使用される。コントロールパイロット回路470は、パイロット信号CPLTの電位変化に基づいてCCIDリレー450を制御する。
上述のパイロット信号CPLTおよび接続信号PISW、ならびに、インレット220および給電コネクタ410の形状、端子配置などの構成は、たとえば、米国のSAE(Society of Automotive Engineers)や日本電動車両協会等において規格化されている。
CCID制御部460は、いずれも図示しないが、CPUと、記憶装置と、入出力バッファとを含み、各センサおよびコントロールパイロット回路470の信号の入出力を行なうとともに、給電ケーブル400の充電動作を制御する。
発振回路472は、電圧センサ473によって検出されるパイロット信号CPLTの電位が規定の電位(たとえば、12V)のときは非発振の信号を出力し、パイロット信号CPLTの電位が上記の規定の電位から低下したとき(たとえば、9V)は、CCID制御部460により制御されて、規定の周波数(たとえば、1kHz)およびデューティサイクルで発振する信号を出力する。
なお、パイロット信号CPLTの電位は、ECU300によって操作される。また、デューティサイクルは、外部電源500から給電ケーブル400を介して車両100へ供給可能な定格電流に基づいて設定される。
パイロット信号CPLTは、上述のようにパイロット信号CPLTの電位が規定の電位から低下すると、規定の周期で発振する。ここで、外部電源500から給電ケーブル400を介して車両100へ供給可能な定格電流に基づいてパイロット信号CPLTのパルス幅が設定される。すなわち、この発振周期に対するパルス幅の比で示されるデューティによって、パイロット信号CPLTを用いてコントロールパイロット回路470から車両100のECU300へ定格電流が通知される。
なお、定格電流は、給電ケーブルごとに定められており、給電ケーブル400の種類が異なれば定格電流も異なる。したがって、給電ケーブル400ごとにパイロット信号CPLTのデューティも異なることになる。
ECU300は、コントロールパイロット線L1を介して受信したパイロット信号CPLTのデューティに基づいて、給電ケーブル400を介して車両100へ供給可能な定格電流を検知することができる。
ECU300によってパイロット信号CPLTの電位がさらに低下されると(たとえば、6V)、コントロールパイロット回路470は、電磁コイル471へ電流を供給する。電磁コイル471は、コントロールパイロット回路470から電流が供給されると電磁力を発生し、CCIDリレー450の接点を閉じて導通状態にする。
漏電検出器480は、CCID430内部において給電ケーブル400の電力線440の途中に設けられ、漏電を検出する。具体的には、漏電検出器480は、対となる電力線440に互いに反対方向に流れる電流の平衡状態を検出し、その平衡状態が破綻すると漏電の発生を検出する。なお、図示しないが、漏電検出器480により漏電が検出されると、電磁コイル471への給電が遮断され、CCIDリレー450の接点が開放されて非導通状態となる。
電圧センサ481は、給電ケーブル400のプラグ420がコンセント510に差し込まれると、外部電源500から伝達される電源電圧を検出し、その検出値をCCID制御部460に通知する。また、電流センサ482は、電力線440に流れる充電電流を検出し、その検出値をCCID制御部460に通知する。
給電コネクタ410は、抵抗R25,R26およびスイッチSW20を含む接続検知回路411と、抵抗R35,R36およびスイッチSW22を含む接続検知回路412と、スイッチSW30,SW32とを含む。
抵抗R25,R26は、接続信号線L3と接地線L2との間に直列に接続される。スイッチSW20は、抵抗R25に並列に接続される。
抵抗R35,R36は、接続信号線L3と接地線L2との間に直列に接続される。スイッチSW22は、抵抗R35に並列に接続される。
スイッチSW20,SW22は、たとえばリミットスイッチであり、給電コネクタ410がインレット220に確実に嵌合された状態で接点が閉じられる。給電コネクタ410がインレット220から取り外された状態、および給電コネクタ410とインレット220との嵌合状態が不確実な場合には、スイッチSW20,SW22の接点が開放される。また、スイッチSW20,SW22は、給電コネクタ410に設けられて給電コネクタ410をインレット220から取り外す際にユーザによって操作される操作部415が操作されることによっても接点が開放される。
スイッチSW30は、接続検知回路411および接続検知回路412と接地線L2との間に接続される。スイッチSW32は、コントロールパイロット線L1および接続信号線L3とCCID430との間に接続される。スイッチSW30,SW32は、たとえば、機械的な自己保持機能を有する、いわゆるオルタネイト型スイッチである。スイッチSW30,32は、給電コネクタ410に設けられた、充電動作と発電動作とを切換える際にユーザによって操作される切換スイッチ416と連動しており、切換スイッチ416が操作されることによって接点が切換えられる。
具体的には、スイッチSW30は、切換スイッチ416の状態に応じて、接地線L2の接続先を、接続検知回路411および接続検知回路412の一方に制御する。切換スイッチ416が「通常」に設定されている場合には、スイッチSW30の接点は接続検知回路411側に制御される。これにより、抵抗R25,R26は、接続信号線L3と接地線L2との間に直列に接続される。一方、切換スイッチ416が「非常時」に設定されている場合には、スイッチSW30の接点は接続検知回路412側に制御される。これにより、抵抗R35,R36は、接続信号線L3と接地線L2との間に直列に接続される。
スイッチSW32は、切換スイッチ416の状態に応じて、CCID430の接続先を、コントロールパイロット線L1および接続信号線L3の一方に制御する。切換スイッチ416が「通常」に設定されている場合には、スイッチSW32の接点はコントロールパイロット線L1側に制御される。これにより、コントロールパイロット線L1がCCID430内部のコントロールパイロット回路470と接続される。切換スイッチ416が「通常」に設定されている場合には、コントロールパイロット回路470は、パイロット信号CPLTの電位変化に基づいてCCIDリレー450を制御する。
一方、切換スイッチ416が「非常時」に設定されている場合には、スイッチSW32の接点は接続信号線L3側に制御される。これにより、接続信号線L3がコントロールパイロット回路470に接続される。切換スイッチ416が「非常時」に設定されている場合には、コントロールパイロット回路470は、非常用発電開始ボタン417の操作による接続信号PISWの電位変化を検出することによって、発電動作の実行および停止を検出する。
以上のような構成とすることにより、切換スイッチ416が「通常」に設定されている場合には、図2に示すように、接続信号線L3および接地線L2の間に接続検知回路411が接続されるとともに、コントロールパイロット線L1がコントロールパイロット回路470に接続される。このような場合において、給電コネクタ410がインレット220から取り外された状態では、スイッチSW20の接点が開放されるため、ECU300に含まれる電源ノード350の電圧およびプルアップ抵抗R10、ならびにインレット220に設けられた抵抗R15によって定まる電圧信号が接続信号PISWとして接続信号線L3に発生する。また、給電コネクタ410がインレット220に接続された状態では、嵌合状態および操作部415の操作状態などに対応して、抵抗R15,R25,R26の組み合わせによる合成抵抗に応じた電圧信号が接続信号線L3に発生する。ECU300は、接続信号線L3の電位(すなわち、接続信号PISWの電位)を検出することによって、給電コネクタ410の接続状態および嵌合状態を判定することができる。
車両100においては、ECU300は、上記の電源ノード350およびプルアップ抵抗R15に加えて、CPU310と、抵抗回路320と、入力バッファ340とをさらに含む。
抵抗回路320は、コントロールパイロット線L1と車両アース360との間に接続される。抵抗回路320は、CPU310からの制御信号に従って車両100側からパイロット信号CPLTの電位を操作するための回路である。
入力バッファ340は、給電コネクタ410の接続検知回路411,412に接続される接続信号線L3から接続信号PISWを受け、その受けた接続信号PISWをCPU310へ出力する。なお、接続信号線L3には上記で説明したようにECU300から電圧がかけられており、給電コネクタ410のインレット220への接続によって、接続信号PISWの電位が変化する。CPU310は、この接続信号PISWの電位を検出することによって、給電コネクタ410の接続状態および嵌合状態を検出する。
また、CPU310は、パイロット信号CPLTの発振状態およびデューティサイクルを検出することによって、給電ケーブル400の定格電流を検出する。
そして、CPU310は、接続信号PISWの電位およびパイロット信号CPLTの発振状態にもとづいて、抵抗回路320を制御することによって、パイロット信号CPLTの電位を操作する。これによって、CPU310は、CCIDリレー450を遠隔操作することができる。そして、給電ケーブル400を介して外部電源500から車両100へ電力が伝達される。
図2および図3を参照して、CCIDリレー450の接点が閉じられると、電力変換装置200に外部電源500からの交流電力が与えられ、外部電源500から蓄電装置110への充電準備が完了する。CPU310は、電力変換装置200に対して制御信号PWDを出力することによって、外部電源500からの交流電力を蓄電装置110が充電可能な直流電力に変換する。そして、CPU310は、制御信号SE2を出力してCHR210の接点を閉じることにより、蓄電装置110への充電を実行する。
図4は、図1の電力供給システムにおける発電動作を説明するためのブロック図である。なお、図4において、図2および図3と同じ参照符号が付された重複する要素についての説明は繰り返さない。
図4を参照して、発電動作を行なう際には、給電ケーブル400の給電コネクタ410がインレット220に接続されるとともに、給電ケーブル400のプラグ420が外部の電気機器700の電源プラグ710に接続される。これにより、車両100の電力線ACL1,ACL2と電気機器700とが給電ケーブル400を介して電気的に接続される。
なお、図4では、プラグ420を外部の電気機器700の電源プラグ710に接続する構成について説明するが、図1に示されるように、プラグ420を家屋800のコンセント810に接続することによって、車両100から家屋800内の電気機器に電力を供給することも可能である。
車両100のECU300は、切換スイッチ416が「非常時」に切換えられることによって非常用発電モードに設定されたことを認識する。車両100は、エンジン160の駆動による発電動作を行ないつつ、車両外部への給電動作を行なう。
ここで、切換スイッチ416が「非常時」に設定されている場合には、図4に示すように、接続信号線L3および接地線L2の間に接続検知回路412が接続されるとともに、接続信号線L3がコントロールパイロット回路470に接続される。このような場合において、給電コネクタ410がインレット220から取り外された状態では、スイッチSW22の接点が開放されるため、ECU300に含まれる電源ノード350の電圧およびプルアップ抵抗R10、ならびにインレット220に設けられた抵抗R15によって定まる電圧信号が接続信号PISWとして接続信号線L3に発生する。
また、給電コネクタ410がインレット220に接続された状態では、嵌合状態および操作部415の操作状態などに対応して、抵抗R15,R35,R36の組み合わせによる合成抵抗に応じた電圧信号が接続信号線L3に発生する。ECU300は、接続信号線L3の電位(すなわち、接続信号PISWの電位)を検出することによって、給電コネクタ410の接続状態および嵌合状態を判定することができる。
給電コネクタ410は、接続検知回路412に含まれるスイッチSW40と、接続信号線L3に介挿接続されたスイッチSW42とをさらに含む。スイッチSW40は、抵抗R35に並列に接続され、かつ、スイッチSW22に直列に接続される。スイッチSW40,SW42は、たとえばモーメンタリスイッチである。スイッチSW40,SW42は、非常用発電モード時に、給電コネクタ410に設けられた非常用発電開始ボタン417がユーザにより押下されることによって、導通または非導通に制御される。
具体的には、非常用発電開始ボタン417がユーザからの操作を受け付けないときには、図4に示されるように、スイッチSW40の接点が閉じられる一方で、スイッチSW42の接点が開放される。このスイッチSW40の接点が閉じられている状態では、上記のように、給電コネクタ410およびインレット220の接続状態および嵌合状態、ならびに操作部415の操作状態などに応じて、接続信号PISWの電位が変化する。CPU130は、この接続信号PISWの電位を検出することによって、給電コネクタ410の接続状態および嵌合状態を検出する。
なお、接続検知回路412に含まれる抵抗R35,R36は、接続検知回路411に含まれる抵抗R25,R26の抵抗値と異なる抵抗値とされる。たとえば、抵抗R35,R36の抵抗値の和を、抵抗R25,R26の抵抗値の和よりも大きい抵抗値とするとともに、抵抗R36を抵抗R26よりも大きい抵抗値とするように設定する。
このような構成とすることにより、切換スイッチ416が「通常」に設定されている場合の接続信号PISWの電位が、切換スイッチ416が「非常時」に設定されている場合の接続信号PISWの電位と異なる値となる。したがって、ECU300は、切換スイッチ416が「通常」に設定されているのか、「非常時」に設定されているのかを識別することができる。
そして、ECU300は、接続信号PISWの電位に基づいて切換スイッチ416が「非常時」に設定されている、すなわち非常用発電モードに設定されていることを認識すると、さらに接続信号PISWの電位に基づいて、給電ケーブル400において発電動作の実行が指示されていることを認識する。
具体的には、ユーザが非常用発電開始ボタン417を押下する操作をしたときには、スイッチSW40の接点が開放される一方で、スイッチSW42の接点が閉じられる。このスイッチSW42が閉じられている状態では、CCID430内部のコントロールパイロット回路470は、接続信号線L3から接続信号PISWを受ける。コントロールパイロット回路470は、接続信号PISWの電位を検出することによって、非常用発電開始ボタン417が押下されていること、すなわち、発電動作の実行が指示されていることを検出することができる。
このとき、車両100においては、CPU310が入力バッファ340から接続信号PISWを受ける。CPU310は、接続信号PISWの電位を検出することによって、給電ケーブル400において発電動作の実行が指示されているか、あるいは、発電動作の停止が指示されているかを識別する。そして、給電ケーブル400において発電動作が指示されているときには、CPU310は、電力変換装置200を発電動作させるように制御するとともに、必要に応じてエンジン160を駆動して発電動作を実行する。
このように、接続検知回路412の抵抗値を、接続検知回路411の抵抗値と異なる抵抗値に設定することによって、ECU300に、切換スイッチ416が「非常時」に設定されていること、すなわち、非常用発電モードに設定されていることを認識させることができる。これにより、車両100に対して、エンジン160を駆動した発電動作を行ないつつ、車両外部への電力供給を行なわせることができる。これによって、車両外部への長時間の給電が可能となる。
また、給電ケーブル400においては、非常用発電モード時には接続信号線L3がコントロールパイロット回路470に接続されるため、コントロールパイロット回路470は、接続信号PISWの電位を検出することによって、車両100における発電動作の実行および停止を検知することができる。
以上説明したように、本実施の形態においては、接続信号PISWの電位を変化させることによって、車両100のECU300に、給電ケーブル400において切換スイッチ416が「通常」および「非常時」のいずれに設定されているか、すなわち、通常モードおよび非常用発電モードのいずれに設定されているかを認識させる。また、切換スイッチ416が「通常」に設定されている場合および切換スイッチ416が「非常時」に設定されている場合の各々において、ECU300に、給電コネクタ410の接続状態および嵌合状態を認識させる。さらに、切換スイッチ416が「非常時」に設定されている場合には、非常用発電開始ボタン417の操作状態、すなわち、発電動作の実行または停止が指示されたことをECU300に認識させる。
図5は、これらの各状態を判定するための接続信号PISWの電位レベルVpと、それに対応した判定基準をまとめたものである。
図5を参照して、給電コネクタ410が車両100のインレット220に接続されていない場合には、接続信号PISWの電位Vpは、インレット220に設けられた抵抗R15の抵抗値によって定まる電位範囲(V5≦Vp<V7)となる。
給電ケーブル400において切換スイッチ416が「通常」の場合、給電コネクタ410がインレット220に接続されているが完全には嵌合していない半嵌合状態のときには、接地線L2と接続信号線L3との間には、抵抗R15に並列に、直列接続された抵抗R25,R26が接続される。これにより、接続信号PISWの電位Vpは,V4≦Vp<V5の範囲となる。
そして、給電コネクタ410がインレット220に完全に嵌合した状態では、スイッチSW20が閉成されて抵抗R25の両端が短絡される。これにより、接地線L2と接続信号線L3との間には、抵抗R15および抵抗R26が並列に接続されることになり、接続信号PISWの電位VpはV4よりも低くなる。この状態においては、充電動作が実行される。あるいは、給電ケーブル400において発電動作が指示されているときには、エンジン160を停止した状態で蓄電装置110からの電力を用いて外部への電力供給が行なわれる。
一方、給電ケーブル400において切換スイッチ416が「非常時」の場合、給電コネクタ410が半嵌合状態のときには、接地線L2と接続信号線L3との間には、抵抗R15に並列に、直列接続された抵抗R35,R36が接続される。これにより、接続信号PISWの電位Vpは,V3≦Vp<V5の範囲となる。
そして、給電コネクタ410がインレット220に完全に嵌合した状態では、スイッチSW22が閉成されて抵抗R35の両端が短絡される。これにより、接地線L2と接続信号線L3との間には、抵抗R15および抵抗R36が並列に接続されることになり、接続信号PISWの電位VpはV3よりも低くなる。この状態においては、給電ケーブル400を用いて、エンジン160の駆動を伴なった発電動作が可能とされる。
さらに、ユーザが非常用発電開始ボタン417を押下する操作をした場合には、SW40が開放される一方で、スイッチSW42が閉成される。これにより、接地線L2と接続信号線L3との間には、抵抗R15に並列に、直列接続された抵抗R35,R36が接続される。これにより、接続信号PISWの電位Vpは,V3≦Vp<V5の範囲となる。この状態においては、給電ケーブル400からECU300に対して、エンジン160の駆動を伴なった発電動作の実行が指示される。
一方、ユーザが非常用発電開始ボタン417に対する操作を解除したり、非常用発電開始ボタン417がユーザからの操作を受け付けない場合には、スイッチSW40が閉成される一方で、スイッチSW42が開放される。これにより、接地線L2と接続信号線L3との間には、抵抗R15および抵抗R36が並列に接続されることになり、接続信号PISWの電位VpはV3よりも低くなる。この状態においては、給電ケーブル400からECU300に対して、発電動作の停止が指示される。
なお、Vp≧V7の場合には、接地線L2と接続信号線L3とが断線している状態である可能性が高いと判定される。また、Vp<V1の場合には、接地線L2と接続信号線L3とが短絡している地絡状態である可能性が高いと判定される。これらの場合には、充電動作および発電動作のいずれも実行されない。
なお、抵抗R15,R25,R26,R35,R36の抵抗値については、図5に示す電位レベルの関係が満たされるように適宜設定される。
[実施の形態1]
以上説明したように、本実施の形態による電力供給システムにおいては、給電ケーブル400に設けられた切換スイッチ416を「非常時」に設定することにより、通常モードから非常用発電モードに切換えることができる。そして、非常用発電モード時には、給電ケーブル400に設けられた非常用発電開始ボタン417の操作状態に応じて、車両100における発電動作の実行および停止を制御することができる。
また、非常用発電モード時において発電動作が終了すると、ユーザが切換スイッチ416を「非常時」から「通常」に切換えることによって、再び通常モードに戻すことができる。また、このように切換スイッチ416を「通常」に切換えることによって、車両100では、通常モードに復帰されたことが認識され、充電動作が実行される。
このとき、充電動作と発電動作とを切換え可能な車両100とは異なり、充電動作のみが可能な車両(一般的なプラグインタイプの車両)が新たに給電ケーブル400に接続された場合であっても、この車両のECUは、接続信号PISWの電位に基づいて、給電コネクタ410の接続状態および嵌合状態を認識することができる。上述のように、接続信号PISWの仕様は米国のSAEなどで規格化されているためである。これにより、外部電源500からの電力によって車載蓄電装置を充電することができる。
その一方で、発電動作を終了した後において、車両100を給電ケーブル400から切り離す際に、ユーザが切換スイッチ416を「通常」に戻し忘れた場合には、切換スイッチ416は「非常時」に設定されたままとなる。切換スイッチ416が「非常時」に設定された状態では、上記のように、給電コネクタ410においてスイッチSW30の接点が接続検知回路412側に制御される。そのため、接続信号PISWの電位は、切換スイッチ416が「通常」に設定されている場合の接続信号PISWの電位と異なる値となる。したがって、一般的なプラグインタイプの車両が新たに給電ケーブル400に接続されると、当該車両のECUは、接続信号PISWの電位に基づいて、給電コネクタ410の接続状態および嵌合状態を認識することができない。その結果、当該車両は、充電動作を実行することができないという問題が生じてしまう。
また、図1〜図4で説明した充電動作と発電動作とを切換え可能な車両100においても、発電動作の終了後に切換スイッチ416の戻し忘れが生じると、接続信号PISWの電位に基づいてECU300は非常用発電モードに設定されていると認識したままであるため、上記した問題と同様の問題、すなわち充電動作を実行できないという問題が生じる。
そこで、本実施の形態1に従う電力供給システムにおいては、給電ケーブル400Aは、切換スイッチ416が「非常時」に設定されることによって非常用発電モードに設定されている場合には、発電動作の終了を検知する。そして、発電動作の終了が検知されたときには、給電ケーブル400Aは、切換スイッチ416の操作状態にかかわらず、強制的に通常モードに復帰させる。
図6は、本実施の形態1に従う給電ケーブル400Aを用いた発電動作を説明するためのブロック図である。なお、図6において、図1〜4と同じ参照符号が付された重複する要素についての説明は繰り返さない。
図6を参照して、給電ケーブル400Aは、図1〜4で説明した給電ケーブル400と比較して、機械的な自己保持機能を有するオルタネイト型スイッチである切換スイッチ416に代えて、電気的スイッチである切換スイッチ416Aを含むように構成される。
切換スイッチ416Aは、CCID430のCCID制御部460に電気的に接続される。切換スイッチ416Aは、切換スイッチ416と同様に、充電動作と発電動作とを切換えるためのスイッチであり、ユーザによる「非常時」または「通常」の選択を実現するものである。切換スイッチ416Aの操作状態によって、CCID制御部460には「通常」または「非常時」が選択指示される。CCID430は、切換スイッチ416を操作することによって生じる選択指令に応答して、スイッチSW30,SW32の接点を切換えるための制御信号を生成する。
すなわち、上記の図2〜図4においては、スイッチSW30,SW32を、切換スイッチ416と連動して接点が機械的に切換えられる構成としたが、図6では、スイッチSW30,SW32は、CCID制御部460から出力される制御信号によって接点が切換え可能に構成される。なお、切換スイッチ416Aは、CCID430に設けてもよく、給電コネクタ410に設けてもよい。
切換スイッチ416Aが「非常時」に設定されたときには、非常用発電モードを選択するための選択指令が切換スイッチ416からCCID制御部460に与えられる。CCID制御部460は、非常用発電モードの選択指令を受けると、スイッチSW30の接点を接続検知回路412側に制御するための制御信号を生成する。これにより、図6に示すように、抵抗R35,R36は、接続信号線L3と接地線L2との間に直列に接続される。
さらに、CCID制御部460は、スイッチSW32の接点を接続信号線L3側に制御するための制御信号を生成する。これにより、接続信号線L3がコントロールパイロット回路470に接続される。コントロールパイロット回路470は、電圧センサ473によって接続信号PISWの電位を検出し、その検出値をCCID制御部460へ出力する。
そして、ユーザが非常用発電開始ボタン417を押下する操作を行なうと、図4で説明したように、スイッチSW40の接点が開放される一方で、スイッチSW42の接点が閉じられる。車両100のECU300は、このときの接続信号PISWの電位変化を検出することによって、給電ケーブル400において発電動作の実行が指示されていることを認識する。これにより、車両100に発電動作を行なわせることができる。
本実施の形態1では、CCID制御部460は、給電コネクタ410がインレット220から取り外されたときに、発電動作の終了を検知する。具体的には、CCID制御部460は、電圧センサ473によって検出される接続信号PISWの電位に基づいて、給電コネクタ410がインレット220から取り外されたか否かを検出する。そして、給電コネクタ410がインレット220から取り外されたことを検出したときに、CCID制御部460は、発電動作の終了を検知する。
CCID制御部460は、発電動作の終了を検知すると、切換スイッチ416Aからの選択指令にかかわらず、非常用発電モードから通常モードに強制的に復帰させるための制御を実行する。
具体的には、CCID制御部460は、スイッチSW30の接点を接続検知回路411側に制御するための制御信号を生成する。これにより、抵抗R25,R26は、接続信号線L3と接地線L2との間に直列に接続される。さらに、CCID制御部460は、スイッチSW32の接点をコントロールパイロット線L1側に制御するための制御信号を生成する。これにより、コントロールパイロット線L1がコントロールパイロット回路470に接続される。コントロールパイロット回路470は、電圧センサ473によってパイロット信号CPLTの電位を検出し、その検出値をCCID制御部460へ出力する。
このような構成とすることにより、非常用発電モード時において給電コネクタ410がインレット220から取り外された後は、給電コネクタ410は、発電動作を行なうための構成から、図3で説明した充電動作を行なうための構成に戻される。したがって、このような状態で一般的なプラグインタイプの車両が新たに給電ケーブル400Aに接続された場合であっても、当該車両のECUが接続信号PISWの電位に基づいて、給電コネクタ410の接続状態および嵌合状態を認識することができる。その結果、当該車両は充電動作を行なうことが可能となる。
また、充電動作と発電動作とを切換え可能な車両100が新たに給電ケーブル400Aに接続された場合には、ECU300は接続信号PISWの電位に基づいて、通常モードに設定されていることを認識する。したがって、車両100は充電動作を実行することができる。
図7は、本実施の形態1に従う給電ケーブル400Aを用いた発電動作を説明するためのフローチャートである。
図7を参照して、給電ケーブル400Aにおいて、ステップS01によって切換スイッチ416Aが「非常時」に設定され、ステップS02,S11によって給電コネクタ410がインレット220に接続されると、車両100においては、ステップS12により、抵抗R10,R15,R35,R36の組み合わせで定まる合成抵抗により変化する接続信号PISWの電位Vpを取得すると、この電位Vpに基づいて、給電コネクタ410の接続状態および嵌合状態(すなわち、スイッチSW22が閉成状態)が認識される。ステップS13では、ECU300は、接続信号PISWの電位Vpに基づいて、非常用発電モードに設定されたことを認識すると、ステップS14では、給電コネクタ410に設けられた非常用発電開始ボタン417が押下されたことに応答して、発電動作を実行する。具体的には、ECU300は、電力変換装置200を発電動作させるように制御するとともに、必要に応じてエンジン160を駆動して発電動作を実行する。
給電ケーブル400Aでは、ステップS03による発電動作が終了した後に、ステップS04,S15において、給電コネクタ410がインレット220から取り外される。給電コネクタ410がインレット220から切り離された状態(すなわち、スイッチSW22が開成状態)となると、CCID430内部では、コントロールパイロット回路470への接続信号PISWの入力が遮断される。CCID制御部460は、電圧センサ473によって検出される接続信号PISWの電位に基づいて、給電コネクタ410がインレット220から取り外されたか否かを検出する。そして、給電コネクタ410がインレット220から取り外されたことを検出したときに、CCID制御部460は、発電動作の終了を検知する。
CCID制御部460は、発電動作の終了を検知すると、ステップS05に進み、非常用発電モードから通常モードに強制的に復帰させる。具体的には、CCID制御部460は、給電コネクタ410に含まれるスイッチSW30,SW32をそれぞれ、その接点が通常モード時の状態となるように制御する。これにより、新たに車両のインレットに給電コネクタが接続された場合には、当該車両は、通常モードであると判断して、充電動作が実行される。
以上説明したように、この発明の実施の形態1によれば、給電ケーブルは、非常用発電モード時には、車両のインレットから給電コネクタが取り外されたときに発電動作の終了を検知する。そして、発電動作の終了を検知すると、給電ケーブルは、切換スイッチの操作状態にかかわらず、通常モードに強制的に復帰させる。これにより、発電動作の終了後にユーザが切換スイッチの設定を「通常」に戻し忘れた場合においても、新たに給電ケーブルに接続された車両に対して充電動作を実行することができる。
[実施の形態2]
上述のこの発明の実施の形態1に従う給電ケーブル400Aでは、給電コネクタ410が車両100のインレット220から取り外されたときに、発電動作の終了を検知する構成について説明したが、発電動作により車両100から給電ケーブル400Aに供給される発電電圧に基づいて、発電動作の終了を検知してもよい。この発明の実施の形態2では、発電電圧に基づいて発電動作の終了を検知する構成について説明する。
なお、この発明の実施の形態2に従う給電ケーブルおよび電力供給システムの構成は、図6と同様であるので、詳細な説明は繰り返さない。
図8は、本実施の形態2に従う電力供給システムにおける発電動作を説明するためのタイミングチャートである。
図8を参照して、時刻t1において、給電コネクタ410がインレット220に接続されると、接続信号PISWの電位VpはV7からV5に低下する。なお、この時刻t1では、切換スイッチ416Aは「通常」に設定されているものとする。
さらに、時刻t2において、給電コネクタ410がインレット220に完全に嵌合されると、接続信号PISWの電位VpはV5からV4に低下する。車両100においては、ECU300は、接続信号PISWの電位がV4に低下したことにより、切換スイッチ416Aが「通常」に設定されていること、すなわち通常モードに設定されていることを認識する。
ここで、時刻t3において、切換スイッチ416Aが「通常」から「非常時」に切換えられると、接続信号PISWの電位はV4からV3に低下する。接続信号PISWがV3に低下したことにより、ECU300は、切換スイッチ416Aが「非常時」に切換えられたこと、すなわち非常用発電モードに切換えられたことを認識する。
続いて時刻t4において、ユーザが非常用発電開始ボタン417を押下する操作が行なうと、接続信号PISWの電位VpはV3からV5に増加する。ECU300は、接続信号PISWの電位変化に応じて給電ケーブル400Aから出力される発電動作の実行を指示する指令を受けると、発電動作を開始する。
車両100が発電動作を開始したことによって、電力線ACL1,ACL2を介して、車両100から給電ケーブル400Aへ電力が供給される。電圧センサ481は、車両100から供給される電圧VACを検出し、その検出値をCCID制御部460に通知する。電圧VACは、発電動作を開始した時刻t4においてL(論理ロー)レベルからH(論理ハイ)レベルに立ち上がる。
その後、時刻t5において、ユーザが非常用発電開始ボタン417に対する操作を解除すると、接続信号PISWの電位VpはV5からV3に低下する。ECU300は、接続信号PISWの電位変化に応じて出力される発電動作の停止を指示する指令を受けると、発電動作を停止する。
時刻t5において車両100が発電動作を停止すると、車両100からの供給電圧VACはHレベルからLレベルに立ち下がる。CCID制御部460は、電圧センサ481を用いて電圧VACの立ち下がりを検出したときに、発電動作の終了を検知する。
CCID制御部460は、発電動作の終了を検知すると、非常用発電モードから通常モードに強制的に復帰させる。CCID制御部460は、給電コネクタ410に含まれるスイッチSW30,SW32をそれぞれ、その接点が通常モード時の状態となるように制御する。これにより、接続信号PISWの電位Vpは、V3からV4に増加する。ECU300は、この接続信号PISWの電位変化に基づいて、通常モードに戻されたことを認識する。
図9は、本実施の形態2に従う給電ケーブル400Aを用いた発電動作を説明するためのフローチャートである。
図9を参照して、給電ケーブル400Aにおいて、ステップS21によって切換スイッチ416Aが「非常時」に設定され、ステップS22,S31によって給電コネクタ410がインレット220に接続されると、車両100においては、ステップS32により、抵抗R10,R15,R35,R36の組み合わせで定まる合成抵抗により変化する接続信号PISWの電位Vpを取得すると、この電位Vpに基づいて、給電コネクタ410の接続状態および嵌合状態(すなわち、スイッチSW22が閉成状態)が認識される。ステップS33では、ECU300は、接続信号PISWの電位Vpに基づいて、非常用発電モードに設定されたことを認識すると、ステップS34では、給電コネクタ410に設けられた非常用発電開始ボタン417が押下されたことに応答して、車両100における発電動作を開始する。
さらに、ステップS35では、非常用発電開始ボタン417に対する操作が解除されたことに応答して、ECU300は発電動作を終了する。
給電ケーブル400Aにおいては、ステップS23において、CCID制御部460は、電圧センサ481により検出される車両100からの供給電圧VACを取得する。CCID制御部460は、ステップS24において、供給電圧VACがLレベルからHレベルに立ち上がったか否かを判定する。供給電圧VACがLレベルからHレベルに立ち上がったと判定されると(ステップS24のYES判定時)、CCID制御部460は、車両100における発電動作が開始されたと判断する。そして、ステップS25に進み、供給電圧VACがHレベルからLレベルに立ち下がったか否かを判定する。供給電圧VACがHレベルからLレベルに立ち下がったと判定されると(ステップS25のYES判定時)、CCID制御部460は、車両100における発電動作が終了したと判断する。
CCID制御部460は、発電動作の終了を検知すると、ステップS26に進み、非常用発電モードから通常モードに強制的に復帰させる。具体的には、CCID制御部460は、給電コネクタ410に含まれるスイッチSW30,SW32をそれぞれ、その接点が通常モード時の状態となるように制御する。これにより、新たに車両のインレットに給電コネクタが接続された場合には、当該車両は、通常モードであると判断して、充電動作が実行される。
以上説明したように、この発明の実施の形態2によれば、給電ケーブルは、非常用発電モード時には、車両からの供給電圧の立ち下がりを検出したときに発電動作の終了を検知する。そして、発電動作の終了を検知すると、給電ケーブルは、切換スイッチの操作状態にかかわらず、通常モードに強制的に復帰させる。これにより、発電動作の終了後にユーザが切換スイッチの設定を「通常」に戻し忘れた場合においても、新たに給電ケーブルに接続された車両に対して充電動作を実行可能となる。
また、この発明の実施の形態2では、給電コネクタを車両のインレットから取り外す操作が行なわれなくても、発電動作の終了を検知することができる。したがって、発電動作を終了した後に給電ケーブルがインレットに接続された状態で放置されているような場合であっても自動的に通常モードに戻されるため、給電コネクタを抜き差しすることなく、インレットに接続したままの状態で、充電動作に移行することができる。
なお、上述の本実施の形態2では、車両100からの供給電圧VACの立下りを検出することで発電動作の終了を検知する構成について例示したが、これ以外にも、たとえば、電圧センサ473により検出される接続信号PISWの電位変化に基づいて、発電動作の終了を検知してもよい。この接続信号PISWの電位は、図5で説明したように、非常用発電開始ボタン417の操作状態に応じて変化する。したがって、CCID制御部460は、接続信号PISWの電位に基づいて、非常用発電開始ボタン417に対する操作が解除されたことを検出したときに、発電動作の終了を検知することも可能である。
[実施の形態3]
上述のように、非常用発電モードは、外部電源500の停電時に、車両100を外部電源500の非常用電源として用いて発電動作を行なうモードである。この発明の実施の形態3では、外部電源の復旧が検出されたときに発電動作の終了を検知する構成について説明する。
図10は、本実施の形態3に従う給電ケーブル400Bを用いた電力供給システムの構成を示す図である。本実施の形態3では、給電ケーブル400Bは、通常モードと非常用発電モードとの切換えを、電力線通信(PLC:Power Line Communication)を用いて行なうように構成される。
図10を参照して、給電ケーブル400Bにおいては、給電ケーブル400は図6における給電ケーブル400Aと同様であり、それに加えて、PLCユニット190を備える。PLCユニット190は、車両100側の電力線ACL1,ACL2とプラグ420との間に接続される電力線440に結合される。PLCユニット190は、車両100に設けられるPLCユニット(図示せず)およびHEMS(Home Energy Management System)830に設けられたPLCユニット860との間で電力線を介して情報の伝達を行なう。
HEMS830は、家屋800の内部(または外部)に設けられる。HEMS800は、給電線を介して外部電源500および給電ケーブル400Bと電気的に接続される。HEMS860は、PLCユニット860と、CPU840と、切換スイッチ850とを含む。
切換スイッチ850は、図1および図6においてそれぞれ説明した切換スイッチ416,416Aと同様であり、充電動作と発電動作とを切換えるためのスイッチである。CPU840は、切換スイッチ850の状態(「通常」に設定されているか「非常時」に設定されているか)を示す信号を、PLCユニット190に送信する。
給電ケーブル400Bにおいて、PLCユニット190は、接続信号線L3に結合され、合成抵抗で分圧された車両100側の電源ノード350からの電圧が電源電圧として供給される。このような構成とすることにより、給電コネクタ410が車両100のインレット220に接続されると、PLCユニット190が起動され、車両100に発電動作または充電動作を行なわせるための信号が車両100のPLCユニットへ送信される。車両100側のPLCユニットは、受信したこれらの信号をCPU310(図示せず)へ出力する。
PLCユニット190は、PLCユニット860から切換スイッチ850の状態を示す信号を受信すると、この受信した信号に基づいて、スイッチSW30の接点を制御する。具体的には、PLCユニット190は、切換スイッチ850が「通常」に設定されている場合には、スイッチSW30の接点を接続検知回路411側に制御するための制御信号を生成する。これにより、図10に示すように、抵抗R25,R26は、接続信号線L3と接地線L2との間に直列に接続される。一方、切換スイッチ850が「非常時」に設定されている場合には、PLCユニット190は、スイッチSW30の接点を接続検知回路412側に制御するための制御信号を生成する。これにより、抵抗R35,R36は、接続信号線L3と接地線L2との間に直列に接続される。
そして、ユーザが非常用発電開始ボタン417を押下する操作を行なうと、スイッチSW40の接点が開放される。このときの接続信号PISWの電位変化を検出することによって、車両100のECU300(図示せず)は、給電ケーブル400において発電動作の実行が指示されていることを認識する。これにより、車両100に発電動作を行なわせることができる。
本実施の形態3では、PLCユニット190は、外部電源500の復旧が検出されたときに、発電動作の終了を検知する。具体的には、PLCユニット190は、HEMS830内のPLCユニット860から外部電源500が復旧したことを示す信号を受信することにより、外部電源500の復旧を検出する。そして、外部電源500の復旧を検出したときに、PLCユニット190は、発電動作の終了を検知する。
PLCユニット190は、発電動作の終了を検知すると、切換スイッチ850の状態にかかわらず、非常用発電モードから通常モードに強制的に復帰させるための制御を実行する。具体的には、PLCユニット190は、スイッチSW30の接点を接続検知回路411側に制御するための制御信号を生成する。これにより、抵抗R25,R26は、接続信号線L3と接地線L2との間に直列に接続される。
このような構成とすることにより、非常用発電モード時において外部電源500が復旧した後は、給電コネクタ410は、発電動作を行なうための構成から、充電動作を行なうための構成に戻される。したがって、このような状態で一般的なプラグインタイプの車両が新たに給電ケーブル400Bに接続された場合であっても、当該車両のECUが接続信号PISWの電位に基づいて、給電コネクタ410の接続状態および嵌合状態を認識することができる。その結果、当該車両は充電動作を行なうことが可能となる。
図11は、この発明の実施の形態3に従う給電ケーブル400Bを用いた発電動作を説明するためのフローチャートである。
図11を参照して、給電ケーブル400Bにおいて、ステップS41によって切換スイッチ850が「非常時」に設定され、ステップS42,S51によって給電コネクタ410がインレット220に接続されると、車両100においては、ステップS52により、抵抗R10,R15,R35,R36の組み合わせで定まる合成抵抗により変化する接続信号PISWの電位Vpを取得すると、この電位Vpに基づいて、給電コネクタ410の接続状態および嵌合状態(すなわち、スイッチSW22が閉成状態)が認識される。ステップS53では、ECU300は、接続信号PISWの電位Vpに基づいて、非常用発電モードに設定されたことを認識すると、ステップS54では、給電コネクタ410に設けられた非常用発電開始ボタン417が押下されたことに応答して、車両100における発電動作を開始する。
給電ケーブル400Bにおいては、ステップS43による発電動作が開始されると、PLCユニット190は、ステップS44において、HEMS830内のPLCユニット860から送信される信号に基づいて、外部電源500が復旧したか否かを検出する。PLCユニット190は、外部電源500の復旧を検出すると、車両100における発電動作が終了したと判断する。
PLCユニット190は、発電動作の終了を検知すると、ステップS45に進み、非常用発電モードから通常モードに強制的に復帰させる。具体的には、PLCユニット190は、給電コネクタ410に含まれるスイッチSW30を、その接点が通常モード時の状態となるように制御する。これにより、新たに車両のインレットに給電コネクタが接続された場合には、当該車両は、通常モードであると判断して、充電動作が実行される。
以上説明したように、この発明の実施の形態3によれば、給電ケーブルは、非常用発電モード時には、外部電源の復旧を検出したときに発電動作の終了を検知する。そして、発電動作の終了を検知すると、給電ケーブルは、切換スイッチの操作状態にかかわらず、通常モードに強制的に復帰させる。これにより、発電動作の終了後にユーザが切換スイッチの設定を「通常」に戻し忘れた場合においても、新たに給電ケーブルに接続された車両に対して充電動作を実行可能となる。
なお、図10においては、給電ケーブル400BとHEMS830との間の通信にPLCを用いる構成としているが、PLCに限らず、他の通信手段(無線または有線)を用いることが可能である、
上記の実施の形態1〜3においては、車両100が「車両」に相当し、給電ケーブル400,400A,400Bが「給電装置」に相当する。また、切換スイッチ416,416A,850が「操作部」に相当し、給電コネクタ410が「信号出力部」に相当し、CCID430またはPLCユニット190が「制御部」に相当する。
なお、上記の実施の形態1〜3では、給電装置の一例として、給電ケーブルを例示したが、外部電源からの電力により車載の蓄電装置を充電する充電動作と、車両が発電した電力を車両外部の負荷に供給する発電動作とを実行可能に構成された車両と、外部電源または負荷との間で電力を伝達可能に構成されていれば、本発明を適用することが可能である。たとえば、給電ケーブルを介して車両と外部電源または負荷との間で電力を伝達するための充電スタンドについても本発明が適用可能である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。