JP5681317B1 - 再生粉と再生繊維の製造方法 - Google Patents

再生粉と再生繊維の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5681317B1
JP5681317B1 JP2014139373A JP2014139373A JP5681317B1 JP 5681317 B1 JP5681317 B1 JP 5681317B1 JP 2014139373 A JP2014139373 A JP 2014139373A JP 2014139373 A JP2014139373 A JP 2014139373A JP 5681317 B1 JP5681317 B1 JP 5681317B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
striking
disaggregation
fiber
processing
powder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2014139373A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015116810A (ja
Inventor
裕 赤星
裕 赤星
Original Assignee
裕 赤星
裕 赤星
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 裕 赤星, 裕 赤星 filed Critical 裕 赤星
Priority to JP2014139373A priority Critical patent/JP5681317B1/ja
Priority to PCT/JP2014/078894 priority patent/WO2015072337A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5681317B1 publication Critical patent/JP5681317B1/ja
Publication of JP2015116810A publication Critical patent/JP2015116810A/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29BPREPARATION OR PRETREATMENT OF THE MATERIAL TO BE SHAPED; MAKING GRANULES OR PREFORMS; RECOVERY OF PLASTICS OR OTHER CONSTITUENTS OF WASTE MATERIAL CONTAINING PLASTICS
    • B29B17/00Recovery of plastics or other constituents of waste material containing plastics
    • B29B17/02Separating plastics from other materials
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29BPREPARATION OR PRETREATMENT OF THE MATERIAL TO BE SHAPED; MAKING GRANULES OR PREFORMS; RECOVERY OF PLASTICS OR OTHER CONSTITUENTS OF WASTE MATERIAL CONTAINING PLASTICS
    • B29B17/00Recovery of plastics or other constituents of waste material containing plastics
    • B29B17/02Separating plastics from other materials
    • B29B2017/0213Specific separating techniques
    • B29B2017/0217Mechanical separating techniques; devices therefor
    • B29B2017/022Grippers, hooks, piercing needles, fingers, e.g. mounted on robots
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29LINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASS B29C, RELATING TO PARTICULAR ARTICLES
    • B29L2009/00Layered products
    • B29L2009/005Layered products coated
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29LINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASS B29C, RELATING TO PARTICULAR ARTICLES
    • B29L2031/00Other particular articles
    • B29L2031/30Vehicles, e.g. ships or aircraft, or body parts thereof
    • B29L2031/3005Body finishings
    • B29L2031/3017Floor coverings
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29LINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASS B29C, RELATING TO PARTICULAR ARTICLES
    • B29L2031/00Other particular articles
    • B29L2031/712Containers; Packaging elements or accessories, Packages
    • B29L2031/7162Boxes, cartons, cases
    • B29L2031/7166Cartons of the fruit juice or milk type, i.e. containers of polygonal cross sections formed by folding blanks into a tubular body with end-closing or contents-supporting elements, e.g. gable type containers
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29LINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASS B29C, RELATING TO PARTICULAR ARTICLES
    • B29L2031/00Other particular articles
    • B29L2031/732Floor coverings
    • B29L2031/7322Carpets
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/62Plastics recycling; Rubber recycling

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Environmental & Geological Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)

Abstract

【課題】 繊維複合材から、クリーンな再生粉とクリーンな再生繊維を高い品質と高い回収率と高い作業性で製造することを課題とする。特に織布は織布のまま長い糸は長い糸のまま再生繊維とすることを課題とする。使用する総動力は小さく、設備は簡素で、必要な敷地も狭く、移動も容易で、騒音と粉塵も少ないことを課題とする。【解決手段】 順送り離解装置を使用したプロセスで、分かりやすい概念でまとめた処理材料群に該当する処理条件に設定し、機械と材料の特性に適合した手立てで処理材料を供給する。離解長繊維を分離して離解粉の回収を行う。必用に応じて処理残し部分の切断除去を行い、処理残し部分は再処理して回収率を高める。必要に応じて処理残し部分を反転供給して回収率を高める。必用に応じて離解異物ぬきを行う。順送り離解装置の空気取り入れ口にファンの排気を戻して騒音の漏れを軽減する。【選択図】図8

Description

本発明は、繊維複合材からクリーンな再生粉とクリーンな再生繊維を製造する方法に関するものである。
この特許文書では、煩雑な記述を簡素な記述とするために、多用する説明などについて、下記のように記述する。
2つ以上の成分を互いの付着・接着・融着などの状態から開放してそれぞれの成分に分解することを「離解」と記述する。
離解させる材料を「処理材料」と記述する。
純粋な樹脂と、例えば柔軟材の入った塩ビのような樹脂以外の成分が配合された樹脂と、例えば炭酸カルシウムのような樹脂に配合された成分と、例えば石膏のような樹脂以外の材料など、を総合して「樹脂など」と記述する。
処理材料を離解して樹脂などの細かくなったものを「離解粉」と記述する。離解粉には配合成分が離解したものも含まれる。離解粉は粉とは限らずリボン状のものなども含む。
離解粉をマテリアルリサイクルに供する品質としたものを「再生粉」と記述する。再生粉は粉とは限らずリボン状のものなども含む。
離解した繊維をマテリアルリサイクルに供する品質としたものを「再生繊維」と記述する。
繊維と樹脂などの複合材を「繊維複合材」と記述する。
長繊維の繊維複合材を他の繊維複合材と区別する時は「長繊維複合材」と記述する。
繊維複合材には多くの種類がある(特許文献01段落[0021][0022])。
代表的な長繊維複合材は、タイルカーペット、自動車用カーペット、ターポリンシート、工事用安全ネット、工事用安全シート、防音シート、防水シート、ふっ素樹脂含浸クロス、ビニールレザー、繊維強化プラスチックなどである。
長繊維複合材を除く繊維複合材は、塩ビ壁紙、ダストマット、牛乳パック、石膏ボードなどがある。
廃棄処分されている量も莫大である。例えば、2000年の廃棄量は、業務用カーペットで14万トン、自動車用カーぺットで8万トンにものぼる(特許文献01段落[0002])。
その中で、繊維複合材の一つであるタイルカーペットの塩ビバッキング層のリサイクルのみがマテリアルリサイクル事業に採算的に成功しているにすぎない状況である(特許文献01段落[0002])。
各種の技術が研究されているが、大半は小片化したものを破砕により微粉化してから成分に分離するという技術である(特許文献01段落[0004][0005][0006][0007])。以下にその詳細を説明する。
特許文献01に記載された長繊維複合材を処理対象とした打撃・刃物による粉砕にかかわる特許文献03、10、27、31、38、42、43、51、52、53、54、58、60、61、63、64、68、69、71、72、74、79(特許文献01段落[0016])から先願があることで拒絶されたものを順次さかのぼって特許登録となっているもののみを公開順にリストしたのが本発明の特許文献04〜17(段落[0040])である。「豆の分離」のような少々かけ離れたものは除外した。
長繊維複合材を処理対象とした打撃・刃物による粉砕を伴う大半の特許出願は、特許文献04〜17またはそれが根拠で拒絶された特許願が根拠となって拒絶されている。
特許文献04は概略、限定成分の多層プラスチックを加熱粉砕して風力分離する技術である。
特許文献05は概略、限定成分の多層積層物を加熱軟化して粉砕して分離する技術である。
特許文献06は概略、都市ごみ等を複数段に仕切った突起付円筒状スクリーンと回転掻板で粉砕し、粉砕度の違いで分離する技術である。
特許文献07は概略、複合材廃棄物の硬さの違いで異なる粒度に粉砕して分級する技術である。
特許文献08は概略、複合材廃棄物を粉砕して比重差で分級する技術である。
特許文献09は概略、塗装プラスチックを冷却微粉砕して分級する技術である。
特許文献10は概略、発泡と箔の3物質複合部材をサイズ違いに小片化して順次に選別する技術である。
特許文献11は概略、樹脂成形品の塗膜を破砕と撃圧潰で剥離して随時に除去しスクリーン板から溶融押出す技術である。
特許文献12は概略、樹脂成形品の塗膜を破砕と撃圧潰で剥離するのに液体を流下する技術である。
特許文献13は概略、タイルカーペットの表皮材側を引き剥して廃棄し残った樹脂を粉砕する技術である。
特許文献14は概略、軽比重物を含むシート状積層体を衝撃粉砕してスクリーンを通過した粉砕混合物の中から軽比重物を吸引分離する技術である。
特許文献15は概略、タイルカーペットを粗粉砕して風力分離しスクリーン付ハンマクラッシャで微粉砕して風力分離する技術である。
特許文献16は概略、自動車用内装材を粗粉砕して風力分離し衝撃粉砕し風力分離してダスト分離装置でダストを分離する技術である。
特許文献17は概略、樹脂と繊維の複合材を円筒容器内で打撃粉砕したものを回転中心に近い出口から軽量繊維を吸引分離する技術である。これは元々分離機能を持つ叩解装置として出願したものを、分離方法に限定して分割出願して成立したものである。
こうして見ると、特許文献04〜17は特許文献13を除き材料を丸ごと粉砕してから分離するものであることが分かる。
また、処理対象を、成分の限定されたもの、都市ごみ等、硬さが違うもの、比重が違うもの、塗装されたもの、発泡材と箔、軽比重物を含むシート、タイルカーペット、自動車用内装材、などと限定した上で、その限定的な特性を利用して分離するものが大半である。
当然ながら全ての成分は細片化または粉体化したものとなる。これらの技術から派生した方法では長繊維複合材の長繊維は用途のない中途半端な長さのものになることは明らかであるし、それらの繊維が樹脂を抱きこみ、抱き込んだ不純物は繊維から除去できず、繊維は使用に耐えない。樹脂の回収率は低下し、短い繊維の混入で樹脂の純度が低下する。このような欠陥を回避できないことは段落を改めて説明する。
これらは粉砕方法の技術であるとともに、分離システムの技術である。工程図の掲載されている特許文献10、11、12、15、16を見ると、分離回収には何段にも処理を重ねざるを得ない状況がよく現れている。特許文献15、16の簡単に描いてある工程図も実際のフロー図にするともっと複雑なものになる。費用や敷地や動力や騒音や粉塵については触れていないが、粉砕が主な工程である以上は押してはかるべしである。費用や敷地や動力や騒音や粉塵については後に詳しく説明する。
出願審査の評価を受けずにみなし取下げとなった特許文献01の段落[0016]に記載された特許文献21、16、31、51、52、53、60、64、68、74、71、72を公開順に再録したのが本発明の特許文献18〜29である。特許文献18、19は処理材料が繊維複合材ではないが、繊維複合材処理の特許出願の拒絶の根拠とされている。
特許文献18は概略、自動車バンパーを粗粉砕しジェット渦流中で衝突粉砕して表面塗膜を異なる形状に剥離して分離する技術である。
特許文献19は概略、積層複合樹脂を粉砕し水を加えて砥石で摩砕し浮揚と沈降で分離する技術である。
特許文献20は概略、タイルカーペットの細片を金床板にハンマ−部材で打ち当て分離して空気分離する技術である。
特許文献21は概略、予熱により軟化させた廃床材を薄刃ナイフを多数個用いて切断して粉体化する技術である。
特許文献22は概略、塩ビ系内装廃床材を細片化し氷結し撹拌粉砕等で微粉化する技術である。
特許文献23は概略、廃床材等の産業廃棄物を階段状に多数の切れ刃を有する円筒状工具ユニットで切削粉砕する技術である。
特許文献24は概略、ターポリンをシュレッダで解砕しスクリーンミルで粉砕分離し静電分離機で繊維を除去する技術である。
特許文献25は概略、裏打ち層を除去したタイルカーペットの基布からパイル糸を引抜く分離技術である。
特許文献26は概略、ベルト状の羽根で攪拌して粉体化する技術である。
特許文献27は概略、複合樹脂廃材を切れ刃を持つ内筒と外筒の回転により切削粉砕し複数の手法で分離する技術である。
特許文献28は概略、外筒の中で回転する内筒に設けた打撃部材で叩解微粉化する技術である。
特許文献29は概略、外筒の中で回転する内筒に設けた打撃部材で叩解微粉化し回転する突起付ロールで繊維を排出する技術である。
特許文献18〜29は特許文献21、23、25を除き材料を丸ごと粉砕してから分離するものである。
処理対象は、自動車バンパー、タイルカーペット、床材、ターポリン、などに限定したものが多い。
粉砕してから分離する技術の問題点は段落[0009]に記した内容と同じである。長繊維複合材の長繊維は用途のない中途半端な長さのものになり、それらの繊維が樹脂を抱きこみ、抱き込んだ樹脂は繊維から除去できず、繊維は再使用に耐えない。さらに樹脂の回収率は低下し、短い繊維の混入で樹脂の純度が低下するなど、樹脂の再生にも支障が多い。また高い設備費用や広い敷地や大きな動力が必要で、ひどい騒音や粉塵が発生する。粉砕してから分離する技術はこのような欠陥を回避できない。
特許文献26、17、28、29は同系統の叩解装置の改良の経過を示している。
特許文献23は段落[0005]で説明した現在独占的に行われているタイルカーペットのマテリアルリサイクル事業に使用されている方法である。
長繊維複合材の大半は、強力な長い繊維が破砕機の工具に巻きつくため、小片化そのものが困難である(特許文献01段落[0008])。
その中でタイルカーペットなどはサイズが小さいこともあり、そのまま破砕機にかけることが出来る。
ただし、小片化だけでは廃棄処分の便を良くするのみでマテリアルリサイクルには役立たない。
一般に破砕機は45〜数100kwという信じられないような動力を要する(特許文献01段落[0007])。
小片化したものをマテリアルリサイクルするにはさらに微粉化する必用がある。
微粉化する装置も45〜90kwという莫大な動力を要する(特許文献01段落[0007])。
微粉化した繊維複合材では繊維も切断されて細かくなる(特許文献01段落[0009])。
細かくなった繊維の混じった樹脂は、精製に手間がかかり、回収率も低下し、使用する動力も多大である(特許文献01段落[0010])(特許文献15段落[0006])。
採算性と回収率などが原因で精製にかける手間を減らすと、繊維の混入は避けられず、再生樹脂の品質は低くなる。
細かくなった繊維は絡み合って樹脂粉を抱きこむため、クリーンな繊維の回収は大変に困難である(特許文献01段落[0011])。
市場で求められる繊維の長さは50mm以上で、中途半端に細かくなった繊維には用途がほとんどない(特許文献01段落[0009])。
タイルカーペットのように種類の異なる複数の繊維を含む複合材では、例え樹脂が除けたとしても、繊維は異なる種類の繊維の混合物となり、用途がほとんどない(特許文献01段落[0012])。
タイルカーペットの炭カル成分の多い塩ビバッキング層のみを刃物で削り取る技術(特許文献23)は、塩ビ樹脂のマテリアルリサイクル事業として稼動しているが、削り残したパイル繊維と基布繊維と高純度塩ビ接着層と処理できない端部は廃棄処分の対象となり、マテリアルリサイクルとしての重量での回収率は70%程度である(特許文献01段落[0013][0014])。
削り残した層からナイロン糸と基布を分離する方法として特許文献25があるが、糸が切断すると作業が完結しないことは明らかである。またナイロン糸に強固にしみ込んだ樹脂のコブの実用的な除去方法は見当たらない。
逆にパイルと基布を刃物で削り取り、残ったバッキング層のシートを新しいタイルカーペットのバッキング層に混ぜるという方法も行われ始めた。刃物で削り取った繊維は短く細かくなった上に、接着層の塩ビと二種類の繊維が混じる。削り取った側は溶鉱炉の添加材として安価に提供するか廃棄処分せざるを得ない。細かくなった繊維の体積は大変大きくなるので、減容しないと運搬費用と廃棄費用がかさむ。マテリアルリサイクルとしての重量での塩ビの回収率は70%程度である。
ナイロンのリサイクルとして、タイルカーペットのパイルの上部のみをスライサーで切り落とす方法も、回収率が低く、度々の研磨による刃物の磨耗と手間などでコストがかかるのが問題である。
タイルカーペットに次いで事業化されている塩ビ壁紙のマテリアルリサイクル(非特許文献1)の処理の流れを図1で説明する。
(a)は前処理ラインである。
壁紙はロール状や、折りたたんだ状態で入荷する。
壁紙を小片に細片化する。細片化した材料は回収してフレコンバッグなどにストックする。
101は壁紙、102は細片化装置、103は回収装置、104はファン、105は集塵装置、106はフレコンバッグである。
(b)は精製ラインである。
細片化した壁紙は定量供給装置111で供給する。壁紙片は高圧プレートファン114で叩解装置112に吸い込み、叩解装置112は高速の工具で細粉化し、フィルタを通して排出する。細粉化した壁紙を叩解粉という。
叩解粉は、バルプと樹脂粉と離解の不十分な材料の混合物である。
回収分離装置113で、叩解粉からフィラメントパルプを出来るだけ分離する。分離されたフィラメントパルプは浄化装置115で微粉を除去しフレコンバッグ106に回収し、微粉はバグフィルタ116でフレコンバッグ106に回収する。
フィラメントパルプと微粉を除いた混合粉は篩い121にかけ、太いパルプと太い粒を除去する。太いパルプと太い粒はフレコンバッグ106にストックし、必要に応じ再び叩解処理に戻す。
パルプと離解の不完全な粒は比重分離装置122で分離されてバグフィルタ116でフレコンバッグ106に回収される。回収された混合粉は再び叩解処理に戻す。
クリーンな粒は篩い121で分級し、小さいサイズのものが再生樹脂となる。
回収率は70%余である。
一つのラインの所用動力は略200kwと算定できる。
一つのラインの設置には300〜400平方メートルの敷地と高い天井の建屋が必用である。
壁紙のマテリアルリサイクルを1トン/Hの生産能力とするには上記ラインが2〜4ラインは欲しい。所用動力は500kw以上、設置面積は1000平方メートルが必要である。
塩ビ壁紙も繊維複合材の一つである。ただし繊維は短いパルプのみである。従って前記した(段落[0017])ような繊維の塊が樹脂を抱きこむという現象は少ない。従って遠心分離と風力分離を駆使することで、高純度の樹脂とフィラメントパルプの回収が達成できたと言えよう。
細片化、微粉化、フィラメントパルプの分離、樹脂の風力による精製、分級、運搬、投入、などのあらゆる工程で凄まじい粉塵が起こり、防止するのは困難である。粉塵の主な原因は細かいパルプである。
大動力高速回転の機械と沢山の大きなファンは、凄まじい騒音も発生する。騒音は近隣との関係で事業継続の致命傷にもなりうるもので、大きな問題である。
粉塵問題と騒音問題は微粉化をベースとする生産工程ではつき物である。
特許文献14、15、16は同系統の技術である。
特許文献15は、粉砕したタイルカーペットから風力分離で繊維を除去して再生樹脂を回収する技術の一つである。第一粉砕工程、第一風力分離工程、第二粉砕工程、第二風力分離工程を重ねて樹脂のみを製品として回収している。第二粉砕工程にはスクリーンのついた特殊なハンマークラッシャーを使用し、風力分離には特許装置を使用している。
この技術は、繊維も出来るだけ細かく粉砕して風力分離するという考えものとに考案されていると言える。従って樹脂のみの回収が目的である。
特許文献13は権利が消滅しており、この方法が実際に使用されているという情報はない。
タイルカーペットの表面層の引き剥がしは可能ではあるが、切断などのエラーが発生することもあるであろう。
引き剥がした表面層は基布とパイル糸と高純度接着塩ビ層の複合体であり、段落[0019]に説明した特許文献23の切削法と同じく、略30%の廃棄物を伴い、繊維の回収はできない。
特許文献17は壁紙のフィラメントパルプをある程度は分離するが、樹脂の純度は高くは出来ない。この方法を長繊維複合材に適用するのは困難である。
特許文献28は壁紙のマテリアルリサイクルには成功裏に使用されている。長繊維複合材では繊維は短く切断されてクリーンな樹脂と繊維を得るのには不適当である。
特許文献29は離解した繊維を順次排出する方法である。しかし実現は難しい。繊維は短いフィラメント状になるが、スクリーン以外の所から順次排出する関係で特許文献28の装置よりは長めである。
基布であるポリエステルとパイルであるナイロンは混合物となり、分離不能である。
これらの大きな設備を整えるのには相当の費用がかかる。億という声も聞く。
設備費と電気料金と家賃、再生樹脂の品質からくる価格の低さ、繊維などの廃棄費用、運賃、立地条件、労働条件などが、マテリアルリサイクルの事業性の障害となっていることは明らかである。
不純物の多い再生塩ビを新しいタイルカーペットのバッキング層に混ぜることの出来る割合は限定的である。またそのようなエコ商品が再びマテリアルリサイクルされるとバッキング層の品質はだんだん低下して行くという問題がある。
このように、繊維複合材のマテリアルリサイクルは、処理材料がタイルカーペットなどの一部の種類に限られており、一部実現している事業でも、全ての繊維と一部の樹脂の廃棄、回収率の低さ、莫大な動力の消費、大きな設備、広い敷地、すさまじい粉塵と騒音、方法によっては再生樹脂の品質、などの問題があり、未完成の技術であると言える。
特許5475904号公報 特許5243222号公報 特開2000-265322号公報 特許1398423号公報 特許1295267号公報 特許1146201号公報 特許2649419号公報 特許2742604号公報 特許3178095号公報 特許2073330号公報 特許2553807号公報 特許3048283号公報 特許3167852号公報 特許3682553号公報 特許4035980号公報 特許4089284号公報 特許5116057号公報 特開H05-237410号公報 特開H06-023752号公報 特開H09-000418号公報 特開2003-24817号公報 特開2003-47878号公報 特開2003-88772号公報 特開2003-71839号公報 特開2006-297626号公報 特開2007-229603号公報 特開2007-252964号公報 特開2009-50757号公報 特開2009-101315号公報
財団法人機械振興協会 第8回新機械振興賞受賞者業績概要 5頁 平成23年2月24日発行
本発明は、繊維複合材から樹脂などのみでなく繊維も再生製造することを課題とする。
また、再生製造する樹脂などと繊維は今までにない高純度のものとすることを課題とする。
また、再生製造する長繊維は織布のままの形状や糸のままの形状とすることを課題とする。
また、再生粉と再生繊維は高い回収率で製造することを課題とする。
また、簡素で明快な管理と高い作業性で製造することを課題とする。
また、使用する総動力は小さく、設備は簡素で、必要な敷地も狭く、移動も容易で、騒音と粉塵も少ないことを課題とする。
本発明の前記ならびに他の目的と新規な特徴は以下の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。
図面に付す符号は、共通の部材・動作・位置・機能などにはほぼ同一の符号を付した。明らかな場合には重複する説明を省略する場合もある。
ただし、図面はもっぱら解説のためであって、本発明の記述的範囲を限定するものではない。
この特許文書では、煩雑な記述を簡素な記述とするために、多用する説明などについて、下記のように記述する。
特許文献01の技術で作られた離解装置を「順送り離解装置」と記述する。
すなわち、順送り離解装置とは下記のような請求項で特許権が確立し特許文献01の明細書で詳細に説明されている技術である。
[請求項1] 一つ以上の成分の破壊される打撃力が他の成分の破壊される打撃力より小さい2つ以上の成分から構成する複合材を原形状のままで処理端部の近傍を打撃に抗して支持し、処理端部を支持端から空中にさらし、処理端部を複合材を切らない部材で打撃し、与える打撃力は構成成分のなかの破壊される最も大きい打撃力未満で破壊される最も小さい打撃力以上とし、与える打撃力より破壊される打撃力が大きい成分を略原形のまま保ち与える打撃力より破壊される打撃力が小さい成分を破壊して構成成分を離解する方法。
[請求項2] 複合材を空中方向に移動し、打撃を連続的に行うことを特徴とする請求項1記載の離解方法。
[請求項3] 複合材が長繊維複合材であることを特徴とする、請求項1又は2記載の離解方法。
[請求項4] 連続打撃手段と、支持手段と、材料移動手段と、材料排出手段を備え、支持手段と連続打撃手段の間の空中の方向に材料移動手段で処理材料を移動し、支持手段の端部から空中にさらした処理端部を連続打撃手段で連続的に打撃し、与える打撃力より破壊される打撃力が大きい成分を略原形のまま保ち与える打撃力より破壊される打撃力が小さい成分を破壊して構成成分を離解し、離解した構成成分を材料排出手段で排出する請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法による離解装置。
[請求項5] 連続打撃手段が回転打撃手段であることを特徴とする、請求項4記載の離解装置。
[請求項6] 連続打撃手段が飛翔打撃手段であることを特徴とする、請求項4記載の離解装置。
[請求項7] 連続打撃手段が往復打撃手段であることを特徴とする、請求項4記載の離解装置。
[請求項8] 打撃部材の幅が長繊維複合材の織布の糸の間隔より大きい事を特徴とする、請求項4〜7のいずれか一項に記載の離解装置。
[請求項9] 運動制限手段を備えることを特徴とする、請求項4〜8のいずれか一項に記載の離解装置。
[請求項10] 材料移動手段に振動停止手段を含むことを特徴とする、請求項4〜9のいずれか一項に記載の離解装置。
[請求項11] 離解繊維を処理残し部分に結合した状態で排出することを特徴とする、請求項4〜10のいずれか一項に記載の離解装置。
[請求項12] 材料排出手段が材料排出吸引口であることを特徴とする、請求項4〜11のいずれか一項に記載の離解装置。
[請求項13] 材料排出手段が選別排出口であることを特徴とする、請求項4〜12のいずれか一項に記載の離解装置。
[請求項14] 強制排出手段を備えることを特徴とする、請求項4〜13のいずれか一項に記載の離解装置。
[請求項15] 補助打撃台を備えることを特徴とする、請求項14記載の離解装置。
[請求項16] 擦り領域を持つことを特徴とする、請求項4〜15のいずれか一項に記載の離解装置。
順送り離解装置で離解した織布の形状の繊維と長い糸の形状の繊維を総称して「離解長繊維」と記述する。単に離解長繊維と記述する場合に処理残し部分(特許文献01段落[0043])の有無は問わないものとする。
順送り離解装置は離解した成分の排出方法で3種類に分類できる。3種類の順送り離解装置を区別する場合は下記のように記述する。
コンベアで排出する装置を「コンベア排出順送り離解装置」と記述する。
離解繊維と離解粉の全てを吸引で排出する装置を「吸引排出順送り離解装置」と記述する。
離解長繊維を機械的に排出し離解粉を吸引で排出する装置を「強制排出順送り離解装置」と記述する。
ただし、強制排出の機能を持つ順送り離解装置(特許文献01段落[0049][0050])でも、供給する繊維複合材の繊維が長繊維でなかったりガラス繊維のように折れやすいものである場合は、強制排出は遊んだ状態で実質的には吸引排出順送り離解装置として使用しているという場合もある。従って上記の分類は順送り離解装置の機械仕様による分類ではなく、使い方での分類と解釈されたい。
特許文献01の順送り離解装置の発明は従来に無い原理を創造したものであり、非公開の時点では、発明者にしか明らかでない条件や結果を有していたものである。本出願の国内優先権主張の基礎となる先の出願である特願2013−234614は特許文献01が国内公開される前に出願されたものであり、それに述べている順送り離解装置の使用に伴う発明は、高品質と省エネルギーと省コストと高回収率と高作業性と広範囲の利用を可能とし、産業上に大いに利用することができる非公知の発明である。
本発明は、順送り離解装置を使用し処理材料を供給し離解し回収するプロセスで有効な独特の技術的な手立てと成果物に関するものである。
独特の技術的な手立てを大項目で列挙すると概略下記のように言える。
A.順送り離解装置を使用したプロセスでの処理材料供給の管理方法。
B.順送り離解装置を使用したプロセスで特定の処理材料の分離品質を大きく左右する要因の管理方法。
C.順送り離解装置を使用したプロセスで複数の処理材料の高品質で高効率の管理方法。
D.順送り離解装置を使用したプロセスで類似の処理材料の分離品質を大きく左右する要因の管理方法。
E.順送り離解装置を使用したプロセスで離解を高品質に保つ管理方法。
F.順送り離解装置を使用したプロセスが故に生じる長繊維の処理方法。
G.順送り離解装置を使用したプロセスが故に発生し活用できる処理残し部分の処理方法。
H.順送り離解装置を使用したプロセスが故に可能な不純物の除去方法。
I.順送り離解装置を使用したプロセスで造った再生粉に必要に応じて付加する後処理。
J.順送り離解装置を使用したプロセスでの消音方法。
段落[0051]の「A.順送り離解装置を使用したプロセスの処理材料供給の管理方法」について詳しく説明する。
順送り離解装置は特殊な粉砕機であると言えよう。「複合材を原形状のままで移動し、支持手段の端部から空中にさらした処理端部を打撃し、与える打撃力より破壊される打撃力が大きい成分を略原形のまま保ち与える打撃力より破壊される打撃力が小さい成分を破壊する」という技術であり、樹脂などは粉砕し、繊維は略原形のまま分離できる。これは今までにない離解技術である。
従来の破砕機は材料をランダムに投入して小片にするものである。材料の供給方法は投入であり、特別の技術的な手立てを講じることはない。
従来の粉砕機は材料を予め小片に破砕したものを供給し、全てを細かく粉砕するものである。従って材料の供給方法は投入や吸入であり、特別の技術的な手立てを講じることはない。
これに対して、順送り離解装置は処理材料を原形状のまま(段落[0075]参照、特許文献01の段落[0025]参照)供給する。原形状のまま供給することで、繊維は略原形のまま分離回収できる。長繊維の織布は織布の形状で、糸は糸の形状のまま分離回収できる。これは大変に価値のあることであることは別途説明したことであるし、以後にも繰り返し述べることである。
順送り離解装置をこの特徴を活かす方法で使用することが製造プロセスに求められることである。
織布は織布の形状で、糸は糸の形状のまま分離回収するには特別の技術的な手立てを講じることが必要である。
順送り離解装置の送り装置に処理材料を供給するには、幅に関して講ずべき技術的な手立てがある。
タイルカーペットの規格が500mm角であるように処理材料の幅が決まっている場合、順送り離解装置の供給有効幅が処理材料の幅より大きい場合は、そのまま供給すれば良い。
工場生産で生じる端材のように処理材料の幅がうんと狭い場合は長手方向に平行に供給する。順送り離解装置は処理材料を送り支えることが必要であり、そのために取るべき技術的な手立ての一つが長手方向での供給である。複数の端材を並べ、状況により重ねて供給するのが好ましい。細長い処理材料を縦長に供給することを、この特許文書では「供給縦長調整」と記述する。
処理材料が厚くて幅が順送り離解装置の供給有効幅より大きい場合は、順送り離解装置の供給有効幅より小さい幅に処理材料を予め切断して供給する。
処理材料が薄くて幅が順送り離解装置の供給有効幅より大きい場合は、処理材料を予め切断するだけでなく、折りたたんで供給することができる。順送り離解装置の処理能力を高める技術的な手立ての一つが、薄い処理材料は重ねて厚さを大きくすることであり、折りたたむのは有効な方法である。
順送り離解装置の送り装置に処理材料を供給するとき幅に関して講ずる上記の技術的な手立てを、この特許文書では「供給幅調整」と記述する。
順送り離解装置の送り装置に処理材料を供給するには、厚さに関して講ずべき技術的な手立てがある。
処理材料が厚い場合は、処理材料は重ならないように供給する。過負荷や品質低下を招かないように、順送り離解装置の仕様の範囲の厚さで使用することが求められる。
処理材料が薄い場合は、処理材料は重ねて供給することができる。順送り離解装置の処理能力を高める技術的な手立ての一つが、薄い処理材料は重ねて厚さを大きくすることであり、必用に応じて可能な限り活用するのが良い。
このときの厚さの目安は順送り離解装置の能力と処理材料の質に関係しているので一概に言うことはできない。事前の試験運転等で確認する必要がある。
また重ねた厚さは出来るだけ均一にするのが望ましい。
順送り離解装置の送り装置に処理材料を供給するとき厚さに関して講ずる上記の技術的な手立てを、この特許文書では「供給厚調整」と記述する。
順送り離解装置の送り装置に処理材料を供給するには、方向に関して講ずべき技術的な手立てがある。
タイルカーペットのようにループパイルを持つ繊維複合材(特許文献01の段落[0021]と図の1(a)を参照)では、パイルを整列した糸として排出するために、パイルの埋め込み方向に略平行に供給する。
ループパイルを持たない処理材料の場合は処理材料を斜めに供給することもできる。強制排出順送り離解装置に於いては、ループパイルの埋め込み方向を斜めにして供給しても、パイルを整列した糸として排出することができる。
斜めに供給すると供給有効幅の無駄と送り量は増えるが、処理残し部分を小さくすることができる。
順送り離解装置の送り装置に処理材料を供給するとき方向に関して講ずる上記の技術的な手立てを、この特許文書では「供給方向調整」と記述する。
順送り離解装置の送り装置に処理材料を供給するには、表裏に関して講ずべき技術的な手立てがある。
タイルカーペットのように表にループパイルを持ち樹脂層が厚い繊維複合材(特許文献01の段落[0021]と図の1(a)を参照)は、樹脂面が打撃されるように供給するのが好ましい。樹脂の離解が確実になり、織布や糸の傷みが防止でき、糸は打撃材に面する(特許文献01の段落[0046]と図の11を参照)ことで打撃材の擦り面で擦られ樹脂のコブなどが除去されてより清浄になる。
ビニールレザーのように織布が裏に露出しており樹脂層が薄い場合(特許文献01の段落[0021]と図の1(b)を参照)は、表から打撃した方が良いものと、裏から打撃した方が良いものがある。このようなものは事前の試験運転等で確認するのが良い。
ターポリンシートのように織布の両側に少し厚めの樹脂シートを接着したもの(特許文献01の段落[0021]と図の1(c)を参照)では、表裏の樹脂シートの特性が異なるものもあり、表から打撃した方が良いものと、裏から打撃した方が良いものがある。このようなものは事前の試験運転等で確認するのが良い。
順送り離解装置の送り装置に処理材料を供給するとき表裏に関して講ずる上記の技術的な手立てを、この特許文書では「供給表裏調整」と記述する。
順送り離解装置の送り装置にループパイルを持つ繊維複合材の端材を供給するには、講ずべき技術的な手立てがある。
ループパイルを持つ繊維複合材の製造方法は連続したシート材を製造しながら型抜きをするのが一般的ある。このとき、ループパイルはシートの流れ方向に埋め込む。
タイルカーペットの端材のようにループパイルを持つ繊維複合材で、生産の流れの方向の耳(型抜きをする連続シートの両端や2列の型の間隙)である端材はパイルの埋め込み方向は長手方向となる。
長尺シートから定尺(普通は500mm角)のタイルカーペットを打ち抜いた送り方向の間隙に生じるブリッジした端材は、パイルの埋め込み方向は短い寸法のものとなる。
このような端材は大半が空隙である大サイズのもの(500mm角2列の型抜きで耳端材とブリッジ端材のつながった幅1m余、長さは無限のものを数メートル毎に切断した形状など)である。これは並べて供給することは出来ない。タイルカーペットは厚さがあるので重ねるのも支障がある。タイルカーペットは表裏があるので折り曲げるのも支障がある。
脱落繊維を少なくするには、、ブリッジした端材は予め切断して分別しておくことが好ましい。ブリッジした端材を予め切断して分別すると、長い耳の端材は並べた供給が可能となる。
耳である端材は前記の幅と厚さと方向と表裏に関して講ずべき手立てに基づいて供給する。
ブリッジした端材は脱落する糸が多いので、前記の幅と厚さと方向と表裏に関して講ずべき手立てに基づいて、それだけをまとめて別に供給、離解、回収するのが好ましい。
順送り離解装置の送り装置に処理材料を供給するときループパイルを持つ繊維複合材の端材に関して講ずる上記の技術的な手立てを、この特許文書では「供給ループ端材調整」と記述する。
順送り離解装置の送り装置にループパイルを持たない処理材料の端材を供給するには、講ずべき技術的な手立てがある。
大半が空隙である大サイズの端材では、ブリッジした端材は予め切断しておくことが好ましい。耳の端材と分別する必要はない。
厚い端材は縦長に並べた供給とするのが好ましい。
薄い端材は縦長に重ねた供給とすることが可能である。
重ねる場合はできるだけ厚さが均一となるようにして供給することが好ましい。
フレコンバッグを作るターポリンシートなどは薄く、抜き型は形状とサイズが色々である。端材のサイズも様々である。薄い端材は均一に重ねることが可能ならばブリッジした端材は必ずしも予め切断しなくても済む場合がある。
順送り離解装置の送り装置に処理材料を供給するときループパイルを持たない処理材料の端材に関して講ずる上記の技術的な手立てを、この特許文書では「供給一般端材調整」と記述する。
順送り離解装置では処理材料の長さ方向の制限はない。工事用ネットなど5〜10mの大きいサイズのものは、長さ方向はそのままで供給すれば、回収する織布も長いものが得られる。また処理残し部分の割合も軽減できる。
しかし、補助打撃台を持たない順送り離解装置で一般的な処理材料を離解処理した場合は、500mm〜数mに対して数cmの処理残し部分(特許文献01の段落[0043]を参照)が生ずる。
順送り離解装置の送り装置に処理材料を供給するには、処理残し部分のある一次処理材料の再処理に関して講ずべき技術的な手立てがある。
後述する処理残し部分を再処理して回収率を高める説明で、処理残し部分を切断したものを処理残し端材と記述(段落[0160])している。
処理残し端材は縦長供給する。複数の端材を並べ、状況により重ねて供給するのが好ましい。処理残し部分を処理残し端材として再処理することを、この特許文書では「供給処理残し端材調整」と記述する。
後述する処理残し部分を無くす処理方法の説明で、離解長繊維が接合した処理残し部分のある一時処理材料を、処理残し部分を先頭にして供給することを反転供給と記述(段落[0165])している。
順送り離解装置の送り装置に離解長繊維が接合した処理残し部分のある一次処理材料を反転供給することを、この特許文書では「供給反転調整」と記述する。
後述する処理残し部分を無くす反転供給で、前の処理残し部分のある処理材料の離解長繊維に次の処理残し部分のある処理材料を重ねて供給する手立てを積層反転供給として記述(段落[0169])している。
順送り離解装置の送り装置の速度はそのままで、遊び時間なく次々と処理残し部分のある処理材料を再処理して長繊維を全て離解して再生繊維とすることができる。
順送り離解装置の送り装置に離解長繊維が接合した処理残し部分のある一次処理材料を積層反転して供給することを、この特許文書では「供給積層反転調整」と記述する。
後述する処理残し部分を無くす反転供給で、長いパイルの糸や織布がついた処理残し部分のある処理材料では、離解したパイルの糸や織布を適当な長さで切断して分別した後で反転供給する手立てを記述(段落[0171])している。
反転供給での扱いが容易になり高速順送りした場合(段落[0168])の待ち時間を軽減することができる。また積層反転供給でも扱いが容易になる。
順送り離解装置の送り装置に離解長繊維が接合した処理残し部分のある一次処理材料を供給するときに処理残し部分のある一次処理材料の離解長繊維を適当な長さで切断して供給することを、この特許文書では「供給部分切断調整」と記述する。
供給処理残し端材調整と供給反転調整と供給積層反転調整と供給部分切断調整を一括して、この特許文書では「供給処理残し部分調整」と記述する。
順送り離解装置の送り装置に処理材料を供給するとき、処理材料の幅や厚さや方向や表裏や端材や処理残し部分を上記のように適切に調整する技術的な手立てを一括して、この特許文書では「供給調整」と記述する。
供給幅調整、供給縦長調整、供給厚調整、供給方向調整、供給表裏調整、供給ループ端材調整、供給一般端材調整、供給処理残し端材調整、供給反転調整、供給積層反転調整、供給部分切断調整を一括した記述が供給調整である。
すなわち、供給幅調整、供給縦長調整、供給厚調整、供給方向調整、供給表裏調整、供給ループ端材調整、供給一般端材調整、供給処理残し部分調整、を一括した記述が供給調整である。
処理材料が、シートはシート状、ホースはホース状、型押材は型押材の形状など、小片化しないで原形をとどめた形状のままであることを、この特許文書では「原形状のまま」と記述する。
ただし原形状のままというのは、小片化していないという意味であり、ここに記載した形状に限るものではない。
本発明は、順送り離解装置を使用したプロセスで、原形状のままで、供給幅調整、または供給縦長調整、または供給厚調整、または供給方向調整、または供給表裏調整、または供給ループ端材調整、または供給一般端材調整、または供給処理残し端材調整、または供給反転調整、または供給積層反転調整、または供給部分切断調整、の何れかまたはそれらの複数の調整をした処理材料を順送り離解装置に供給することを特徴とする、再生粉と再生繊維の製造方法である。
すなわち本発明は、順送り離解装置を使用したプロセスで、原形状のままで供給調整した処理材料を順送り離解装置に供給することを特徴とする、再生粉と再生繊維の製造方法である。
ただ、原形状のまま供給調整するとは、動力の軽減や品質向上や処理能力向上のために予め加えるかもしれないその他の処理や加工を否定しているものではない。また工事用シートのように金属のハドメの付いたものなどは、障害物を予め除去する工程があることを否定しているものではない。
段落[0051]の「B.順送り離解装置を使用したプロセスで分離品質を大きく左右する要因の管理方法」について詳しく説明する。
特許文献01の請求項1、2、4で明らかなように、順送り離解装置の特徴は、「与える打撃力より破壊される打撃力が大きい成分を略原形のまま保ち与える打撃力より破壊される打撃力が小さい成分を破壊して構成成分を離解する」ことであり、適正な打撃力を与えることが特に重要である。
順送り離解装置の打撃力を決定する特に重要な2つのパラメータは下記の空中間隙と打撃速度である。
処理材料の送り速度は順送り離解装置の打撃力に与える影響は空中間隙と打撃速度ほど決定的ではないが、分離品質に影響する管理要因である。
順送り離解装置の支持手段と打撃手段の間隙を、この特許文書では「空中間隙」と記述する。
空中間隙は順送り離解装置による処理材料の離解の品質を決定する最高位の要因の一つである。
空中間隙は従来の材料を投入する破砕機や材料を投入または吸引する粉砕機には無かった要素である。
ある処理材料を許容する品質に離解する範囲の空中間隙を、この特許文書では「適空中間隙」と記述する。
順送り離解装置の打撃の速度を、この特許文書では「打撃速度」と記述する。
打撃速度は順送り離解装置による処理材料の離解の品質を決定する最高位の要因の一つである。
ある処理材料を許容する品質に離解する範囲の打撃速度を、この特許文書では「適打撃速度」と記述する。
順送り離解装置の処理材料の移動速度を、この特許文書では「送り速度」と記述する。送り速度は従来の材料をそのまま投入する破砕機や材料を投入または吸引する粉砕機には無かった要素である。
大きすぎる送り速度は順送り離解装置による処理材料の離解の品質低下を引き起こす要因である。また打撃動力の過負荷を引き起こすこともある。
ある処理材料を許容する品質に離解する最大送り速度以下で最大送り速度近傍の送り速度を、この特許文書では「適送り速度」と記述する。ある処理材料を許容する品質に離解する最大送り速度が打撃動力の能力の限界を超えている場合は、打撃動力の能力の限界での送り速度近傍の送り速度を適送り速度とする。
空中間隙と打撃速度と送り速度を一括して、この特許文書では「打撃条件」と記述する。
ある処理材料の適空中間隙と適打撃速度と適送り速度を一括して、この特許文書では「適打撃条件」と記述する。
適打撃条件は温度などの環境条件の影響も受ける。適打撃条件は温度などの環境を一定とするなどの前提下の条件である。
適打撃条件は処理材料に前処理で加えた任意の処置の影響を受けることもある。適打撃条件は前処理などの環境も同一とするなどの前提下の条件である。
適打撃条件は順送り離解装置の離解の働きをする周辺の構造・形状・寸法などから細かな影響を受ける。すなわち適打撃条件は順送り離解装置の特性に依存する。
例えば、打撃部材の先端の形状、支持手段の先端の形状、運動制限手段の有無、打撃の動作と支持の角度、打撃部材の傾斜角、などである。
適打撃条件は処理材料により大きく異なる。処理材料の材質、構造、厚さが主要な要因である。
適打撃条件は処理材料の供給条件から影響を受ける。供給での表裏の別、方向、積層の有無などである。
過度の打撃は、繊維の切断や損傷を起こす。
不完全な打撃は、長繊維複合材で言えば、織布への樹脂などの付着や糸へのコブの残留などであり、織布にパイル糸が刺さった状態のままの部分が多いことなどである。
例えば、タイルカーペットのような処理材料での厚さは、バッキング層の厚さ、接着層の厚さ、パイルの厚さに分けられる。同じメーカの同じ呼称のタイルカーペットでも型番が違うと異なる値である。さらにパイルの厚さは自由高さか潰した高さかでも値が異なる。
適打撃条件は同じ系統の処理材料でも異なった値となる。
成分と構造と厚さなどが一定であることで特定される処理材料を、この特許文書では「特定処理材料」と記述する。
ここでいう厚さは重ねた場合は重ねた厚さである。
処理材料に表裏の別がある場合は表裏の別も特定するのが好ましい。
処理材料に方向の別がある場合は方向の別も特定するのが好ましい。
特定処理材料の適打撃条件を、この特許文書では「適打撃特定条件」と記述する。
適打撃特定条件は特定処理材料ごとに異なった条件である。
順送り離解装置で再生粉と再生繊維を製造するには、特定処理材料に対して適打撃特定条件を事前のテストで求めることが必用である。
本発明は、順送り離解装置を使用したプロセスで、特定処理材料を特定し、事前に得た特定処理材料の適打撃条件すなわち適打撃特定条件を保持または再現などすることにより許容する品質の再生粉と再生繊維を製造することを特徴とする、再生粉と再生繊維の製造方法である。
順送り離解装置の打撃条件を適打撃条件とすることを、この特許文書では「適打撃条件を再現する」とか「再現するのが適打撃条件である」などと記述する。
段落[0051]の「C.順送り離解装置を使用したプロセスで複数の処理材料の高品質で高効率の管理方法。」と「D.順送り離解装置を使用したプロセスで類似の処理材料の分離品質を大きく左右する要因の管理方法」について詳しく説明する。
産業廃棄物として回収された使用済みの処理材料から再生粉と再生繊維を製造する場合は、多くの処理材料を特定処理材料として分別することは困難な場合が多い。
薄い処理材料から低コストで再生粉と再生繊維を製造する場合は、供給厚さ調整を試みるのは必然の流れである。すなわち色々に重ねて離解処理を行う場合が多い。重ねる度合いが変化する場合は、特定処理材料として特定することはできない。
リサイクル事業の現場では出来るだけ大雑把な作業が許容されることが望まれる。
例えば、「○○メーカのタイルカーペットの商品名□□の型番△△のパイル方向の裏打ち」ではなく「全てのタイルカーペットのパイル方向の裏打ち」という把握で作業を進めたい。
共通の概念で把握した複数の処理材料の集まりを、この特許文書では「処理材料群」と記述する。
同類の処理材料の適空中間隙の条件は、例えば横軸を処理材料の厚さとし縦軸を空中間隙とした座標で原点近傍を通る一次または二次関数で近似できる。
同類の処理材料の適打撃速度の条件は、例えば横軸を処理材料の厚さとし縦軸を打撃速度とした座標で一次関数または二次関数で近似することができる。
同類の処理材料の適送り速度の条件は、例えば横軸を厚さとし縦軸を送り速度とした座標で一次または二次関数で近似することができる。
ここで一次または二次関数で近似することができると説明したが、関数化すると限定しているわけではなく、上位の関数やデータ列の使用を除外しているのでもない。また座標系を直角座標などに限定しているものでもない。
処理材料の厚さをパラメータとした一連の適空中間隙の条件と適打撃速度の条件と適送り速度の条件も、この特許文書では「適打撃条件」と記述する。
このうち、適打撃速度の条件と適送り速度の条件は一定値として扱った方が作業上は便利なこともある。打撃速度を一定値とする場合や送り速度を一定値とする場合も適空中間隙の条件が処理材料の厚さをパラメータとするので適打撃条件と記述する。
前記と同様に、順送り離解装置の打撃条件を適打撃条件とすることを、この特許文書では「適打撃条件を再現する」とか「再現するのが適打撃条件である」などと記述する。
処理材料群とは共通の適打撃条件が適用できそうであると期待しこのような仕分けで作業を進めたいと希望する複数の種類の材料の集まりである。
共通の適打撃条件が適用できそうであると期待しこのような仕分けで作業を進めたいと希望する処理材料群と供給調整などを概念化すること、区分すること、その区分を改善して行くこと、そしてその区分の結果とその使用を、この特許文書では「処理材料群区分」と記述する。
処理材料群区分の適打撃条件を、この特許文書では「適打撃区分条件」と記述する。
処理材料群区分の最初の作業は、例えば「全てのタイルカーペットのパイル方向の裏打ち」や「全てのターポリンシートを重ねた裏表方向なし」などと処理材料群と供給調整などを概念化して区分することである。これは段落[0099]に記した「処理材料群と供給調整などを概念化すること」に相当する。
処理材料群区分につけた名称を、この特許文書では「処理材料群区分名」と記述する。
処理材料群区分名は、例えば「タイルカーペット」や「ターポリンシート」などである。
処理材料群区分の概念に従って処理材料群を選ぶことが、段落[0099]に記した「区分すること」に相当する。
処理材料群区分した処理材料群の離解作業を重ねる中で、「どうもこの処理材料は離解の品質が許容できない」というものが発生することがある。この場合は該当する処理材料をその処理材料群から除外する。
テストや実作業を元に処理材料群から属していた処理材料を外すことを、この特許文書では「処理材料群分別」と記述する。
処理材料群分別は、段落[0099]に記した「区分を改善して行くこと」の一つである。
新しい処理材料が加わったとき、「この処理材料は◎◎の処理材料群区分に含めても良さそうだ」という場合がある。この場合は適合すると思われる処理材料群区分の適打撃条件で新しい処理材料の離解処理を試みる。離解結果が許容される品質であった場合は新しい処理材料をその処理材料群区分の処理材料群に加える。
処理材料群区分に属していなかった処理材料をテストや実作業を元に既存の処理材料群区分の処理材料群に加えることを、この特許文書では「処理材料群参入」と記述する。
処理材料群参入は、段落[0099]に記した「区分を改善して行くこと」の一つである。
処理材料群に対して処理材料群分別や処理材料群参入を重ねて処理材料群区分の処理材料群をより現実に即したものにすることを、この特許文書では「処理材料群育成」と記述する。
処理材料群分別や処理材料群参入すなわち処理材料群育成は処理材料群区分の一つの作業である。
処理材料群育成は、段落[0099]に記した「区分を改善して行くこと」の一つである。
処理材料群育成をした処理材料群区分は、除外した処理材料と新しく加えた処理材料を検討することで、区分の概念を改善するのが適当な場合がある。
例えば、「全てのタイルカーペットのパイル方向の裏打ち」という処理材料群区分を「メーカ××のタイルカーペットのパイル方向の裏打ち」という処理材料群区分に改める、などである。
処理材料群区分は、供給調整などを変えた一連のテストや作業を試みることで、区分の概念を改善するのが適当な場合がある。
例えば、「全てのターポリンシートを重ねた裏表方向なし」という処理材料群区分を「全てのターポリンシートを表向きに重ねた方向なし」という処理材料群区分に改める、などである。
処理材料群区分の概念を改めることも、処理材料群区分の一つの作業である。
区分の概念を改善するのは、段落[0099]に記した「区分を改善して行くこと」の一つである。
処理材料群分別をした処理材料は、新しい処理材料群区分を行うか、既存の別の処理材料群区分の処理材料群に処理材料群参入させるなどの処置を行って、品質の良い離解を行う適打撃条件に作業を切り替える。
処理材料群区分は独自に行う場合もあるし、装置メーカなどが提供するなどの既存の処理材料群区分である場合もある。
完成または育成中の処理材料群区分が、段落[0099]に記した「区分の結果」である。
完成または育成中の処理材料群区分、すなわち区分の結果を使用して作業を進めることが、段落[0099]に記した「区分の使用」である。
本発明は、順送り離解装置を使用したプロセスで、共通の適打撃条件が適用できそうであると期待しこのような仕分けで作業を進めたいと希望する処理材料群と供給調整などを概念化し、材料や条件を区分し、処理材料群育成をし、区分の概念を改善し、区分の結果を得て、区分の結果を使用することを特徴とする、再生粉と再生繊維の製造方法である。
本発明は、順送り離解装置を使用したプロセスで、処理材料群区分をすることを特徴とする、再生粉と再生繊維の製造方法である。
本発明は、順送り離解装置を使用したプロセスで、処理材料群区分をし、事前にテストすることにより求めた処理材料群区分の適打撃条件、すなわち適打撃区分条件を打撃条件として再現することにより許容する品質の再生粉と再生繊維を製造することを特徴とする、再生粉と再生繊維の製造方法である。
処理材料群区分をすれば、その処理材料群区分の処理材料群は一括して離解の作業を行うことが可能となる。
段落[0051]の「E.順送り離解装置を使用したプロセスで離解を高品質の性能に保つ管理方法」について詳しく説明する。
順送り離解装置の打撃部材を、この特許文書では「打撃材」と記述する。
順送り離解装置で処理材料を良好に離解するには、順送り離解装置の打撃材の交換に関して講ずべき手立てがある。
特許文献28の微粉化装置では、工具は200枚を越えるの板状の刃で、120m/秒の速度で粉体の中を攪拌する。この工具は一週間もすれば角が大きく磨耗する。略1000mmのケースの周囲の研磨性の高い炭カルなどの混じった粉体の中を高速で通過する。50時間で21600km走る計算となる。この磨耗に耐える材料を探すことは至難である。
これに対し、順送り離解装置では一つの打撃材の打撃は1回転に1回で、攪拌ではなく叩くだけであり、打撃材は厚みがあるので、打撃材の磨耗は桁違いに小さい。
それでも打撃材の磨耗は必ず発生する。打撃材の磨耗に対応した処置と打撃材の交換時期の把握は順送り離解装置を使用したプロセスでの再生粉と再生繊維の製造においては大事なことである。
打撃材の磨耗は適空中間隙に少し影響する。
適空中間隙は打撃材の磨耗に応じて空中間隙を減じる方向の補正をかけるのが好ましい。
打撃材の磨耗は処理材料の種類によっても変化する。
しかし、あまりに細かい対応を求めるのは現実的ではない。順送り離解装置の運用では、作業所あるいは順送り離解装置ごとに処理材料はほぼ決まっていると考えても差し支えない。
適空中間隙の補正は、作業所や順送り離解装置の使用目的ごとに異なる固有値である。
適空中間隙の補正は、初回は離解結果を観察して、品質低下を発見した段階で適空中間隙に再調整する。一方そ時点での稼動時間を記録しておく。
または、適当に想定した稼働時間ごとに磨耗量や離解品質を点検し、必用に応じて適空中間隙に再調整し、その時点での稼動時間を記録しておく。
この作業を初回に2回以上行うことで、その作業所やその順送り離解装置の適空中間隙の補正量の変化が把握できる。場合によっては1回の作業で代替しても良い。初回に限らず、必要に応じてこの作業はやり直しても良い。
適空中間隙の補正量の変化は、例えば横軸を稼働時間、縦軸を適空中間隙の補正量とした座標で、原点を通る一次関数または二次関数で近似できるが、より次元の高い関数やデータ列による表現を除外しているものではない。また座標系を直角座標などに限定しているものでもない。
補正量に替え、初期の適空中間隙に対する補正量の比率をパラメータとしても良い。
この稼働時間に対する適空中間隙の補正量または補正比率の変化を、この特許文書では「適空中間隙補正条件」と記述する。
本発明は、順送り離解装置を使用したプロセスで、適空中間隙補正条件により空中間隙を補正することを特徴とする、再生粉と再生繊維の製造方法である。
本発明は、順送り離解装置を使用したプロセスで適空中間隙の補正量が基準の値または割合に達した時を打撃材の交換時期と認識する。
打撃材の交換時期の基準とする適空中間隙の補正量を、この特許文書では「打撃材交換空中間隙補正量」と記述する。
打撃材の交換時期の基準とする適空中間隙の補正量の元の適空中間隙に対する比率を、この特許文書では「打撃材交換空中間隙補正比率」と記述する。
空中間隙の変化を直接判断するのみでなく、適空中間隙補正条件や、経験から得られた稼動時間などを代替パラメータとしても間隙判定打撃材交換と等価である。
打撃材の交換時期の基準とする稼働時間を、この特許文書では「打撃材交換稼働時間」と記述する。
打撃材交換空中間隙補正量や打撃材交換空中間隙補正比率または打撃材交換稼働時間を把握して打撃材を交換することを、この特許文書では「間隙判定打撃材交換」と記述する。
間隙判定打撃材交換は適空中間隙補正条件を得ることを前提としているものではなく、独自に行う場合もある。
本発明は、順送り離解装置を使用したプロセスで、打撃材交換空中間隙補正量や打撃材交換空中間隙補正比率または打撃材交換稼働時間を把握して打撃材を交換することを特徴とする、再生粉と再生繊維の製造方法である。
本発明は、順送り離解装置を使用したプロセスで、間隙判定打撃材交換をすることを特徴とする、再生粉と再生繊維の製造方法である。
段落[0051]の「F.順送り離解装置を使用したプロセスが故に生じる長繊維の処理方法」について詳しく説明する。
コンベア排出順送り離解装置では、離解粉と離解繊維は分別してコンベアで排出される。処理材料の離解特性が良い場合はそのまま再生粉と再生繊維となる。
長繊維複合材の離解に吸引排出順送り離解装置を使用した場合、吸引排出順送り離解装置からは離解粉などと一緒に離解長繊維が排出される。順送り離解装置での離解で織布の形状のままや糸の形状のものが生成されるというのは、従来の粉砕と分離の手法などと全く異なる特性であり、順送り離解装置を利用したプロセスでの特異性である。
離解粉などと離解長繊維を一緒に吸引する場合は、離解長繊維が吸引するファンを通過しないようにする必要がある。長い繊維はファンの羽にからまり、故障の原因となるからである。吸引するファンは離解長繊維を予め除去する手段の後に位置するようにする。
離解長繊維を予め除去することをこの特許文書では「長繊維セパレート」と記述する。
長繊維セパレートをする装置を「長繊維セパレータ」と記述する。
長繊維セパレートの必要性は順送り離解装置を利用したプロセスでの特異な技術的な要件である。
長繊維セパレートの例を図2で説明する。
図2(a)は流路に堰201を設ける方法である。堰201は熊手や櫛をイメージするような多数の棒状の部材が隙間をあけて並んだものである。
織布である離解長繊維や処理残し部分に接合した糸である離解長繊維は堰201に捕捉されて停止する。離解粉はそのまま通過する。堰201を適切な角度、例えば60度などに設置しておけば、捕捉された繊維は落下して下部にストックされる。
ストックされた繊維は図示しない取り出し手段で外部に出して回収する。取り出し手段は例えば2つの引き出し箱が交互に往復できるようにするとか、往復運動する押出し部材で狭い出口から押し出すとか、図2(d)に例示したようなゲートから押出す方法など、様々な方法が利用できる。
供給反転調整などの処理残し部分を無くす処置をした後の長い糸は堰201を通過するが、長い糸が完全に通過するには時間がかかるので、その時間内に機械的な押出しなどの手段を講じれば補足することが出来る。センサーで検知するなどの方法を併用するのも良い。
堰201を網にした場合、長い糸の形状の繊維は網に複雑に刺さって落下できなくなるので好ましくない。織布では問題が少ないが、空圧で織布が網に張り付いて離解粉の通過を妨げないように留意する必要がある。
またターポリンシートなどでは樹脂などは粒や粉ではなくリボン状に離解する場合(特許文献01段落[0091])もある。網ではリボン状の離解粉が目詰まりを起こすこともあるので好ましくはない。
ただし、織布や離解粉の張り付き対策や掻き落としなどの策を講じれば網も使用可能であるので、網の使用を除外しているわけではない。
この例では堰201で繊維が自然落下するとして説明したが、何らかの機械装置で落とすとか捕捉するなどの他の方法を除外しているわけではない。
流路に堰を設ける長繊維セパレートを、この特許文書では「長繊維堰セパレート」と記述する。
図2(b)は途中に大きな径の流路202を設け、空気搬送の困難な離解長繊維は低速の風の中で落下することで長繊維セパレートをする例である。落下した繊維は図示しない各種の方法で外部に取り出す。
風速によっては大き目の離解粉なども落下する場合があるが、離解長繊維と離解粉などでは空気搬送力に差があるので異なった位置に落下するし、後工程で振るい落とすなどして簡単に分離できる。
流路を大きくする長繊維セパレートを、この特許文書では「長繊維低速セパレート」と記述する。
図2(c)は擬似サイクロン203で、旋回の遠心力の差で長繊維セパレートをする例である。離解長繊維は外周に集まり、離解粉は中心部に残る。外周の繊維は落下する。中心部に残った離解粉は吸引経路に流れるが、条件によっては落下するものもある。図のように離解長繊維と落下離解粉は壁で分別するようにすると良い。
サイクロンは普通は外部排出にロータリーバルブを使用するが、長繊維はロータリーバルブにからまり運転停止に至らしめるので、普通は長繊維の取り出しには使用できない。このような場合は、図のように密閉した箱204に落してバッチ的に取り出すか、前記したような各種の方法で外部に取り出す。
遠心力の差で行う長繊維セパレートを、この特許文書では「長繊維遠心セパレート」と記述する。
長繊維遠心セパレートはここに説明した擬似サイクロンに限るものではない。
図2(d)は離解長繊維と離解粉を一緒に回収する例である。
回収は長繊維がからまるロータリーバルブのような排出装置を使わないサイクロンや、図に例示するような離解粉も落下する大きな径の縦型や横型の箱などが利用できるが、これに限るものではない。図では往復する押出し部材205がゴム板のゲート206から離解長繊維と離解粉を一緒に外部に排出する例で示した。
この場合は、ファンに長繊維が入らないようにするという意味で、長繊維に適した排出方法を持つ回収装置自身が長繊維セパレータである。
この後は、離解長繊維だけを袖がらみのような爪のついた部材で引っ掛けて分別する、センサーで識別して把持して分別する、または人手で分別する、篩いで分別する、などすれば良い。
長繊維に適した排出方法を持つ回収装置による長繊維セパレートを、この特許文書では「長繊維混みセパレート」と記述する。
長繊維セパレータは流路の途中に設けるので、外部取り出しの部分はできるだけ密閉されていることが望ましいが、少々の隙間ならばそこから空気が流入しても差し支えはない。
長繊維セパレータは糸や織布を切断分離する機能を併せ持つ場合もある。
図3は長繊維セパレータ212が入った流路の例である。
図3(a)は吸引排出順送り離解装置211の後が長繊維セパレータ212でファン213が吸引しサイクロン214に吹き込む例である。サイクロン214の排気は集塵機215で清浄にしている。サイクロン214は落下した離解粉と脱落繊維をロータリーバルブで外部に排出する。ファン213は物質が通過しても支障のないプレートファンなどを用いる。
図3(b)は吸引排出順送り離解装置211の後が長繊維セパレータ212でサイクロン214につながり、ファン213が全体を吸引する例である。ファン213の排気は集塵機215で清浄にしている。サイクロン214は落下した離解粉と脱落繊維を密閉容器にストックする様子で例示した。ファン213は物質が通過しても支障のないプレートファンなどを用いる。
図3(c)は吸引排出順送り離解装置211の後が長繊維セパレータ212でバグフィルタ216につながり、ターボファン217が全体を吸引する例である。バグフィルタ216は回収した離解粉と脱落繊維をロータリーバルブで外部に排出する。ファンは物質が通過しないので、性能の良いターボファンが使用できる。
図3(d)は吸引排出順送り離解装置211の後が長繊維セパレータ212で、長繊維セパレータ212は離解粉も同時に落下させる場合の例である。長繊維セパレータ212の後がファン213で、ファンの排気は集塵機215で清浄にしている。
サイクロンとファンと集塵装置、バグフィルタとファンなど、空気搬送物を回収する手段を、この特許文書では「空気搬送物回収手段」と記述する。
空気搬送物回収手段はここに例示したものには限らない。
本発明は、繊維複合材の離解に吸引排出順送り離解装置を使用したプロセスで、離解長繊維を長繊維堰セパレート、または長繊維低速セパレート、または長繊維遠心セパレート、または長繊維混みセパレートなどで分離回収することを特徴とする、再生粉と再生繊維の製造方法である。
本発明は、繊維複合材の離解に吸引排出順送り離解装置を使用したプロセスで、離解長繊維を長繊維セパレートで分離回収することを特徴とする、再生粉と再生繊維の製造方法である。
また、離解粉などを空気搬送物回収手段で回収することを特徴とする。
ここでいう吸引排出順送り離解装置は、段落[0048]で記したように使い方での分類である。
段落[0051]の「G.順送り離解装置を使用したプロセスが故に発生し活用できる処理残し部分の処理方法」について詳しく説明する。
コンベア排出順送り離解装置と吸引排出順送り離解装置を使用した場合、離解長繊維は処理残し部分に接合して整列した状態で排出される。
コンベア排出順送り離解装置と吸引排出順送り離解装置を使用した場合、離解長繊維が接合した処理残し部分のある一次処理材料を反転供給すると、織布は織布の形で排出されるが長い糸は整列状態になるとは限らない。
これに対し強制排出順送り離解装置を使用した場合、強制排出順送り離解装置からは、離解長繊維は長い糸も含めて専用の排出口から確実に整列排出され、離解粉などは吸引排出される。
離解長繊維はコンベアなどで別送する。
強制排出順送り離解装置の吸引に空気搬送物回収手段を用いることで、離解粉などが回収できる。
図4は強制排出順送り離解装置の吸引の流路の例である。
図4(a)は強制排出順送り離解装置221をファン213が吸引し、サイクロン214に吹き込む例である。サイクロン214の排気は集塵機215で清浄にしている。サイクロン214は落下した離解粉と脱落繊維をロータリーバルブで外部に排出する。ファン213は物質が通過しても支障のないプレートファンなどを用いる。
図4(b)は強制排出順送り離解装置221にサイクロン214がつながり、ファン213が全体を吸引する例である。ファン213の排気は集塵機215で清浄にしている。サイクロン214は落下した離解粉と脱落繊維を密閉容器にストックする様子で例示した。ファン213は物質が通過しても支障のないプレートファンなどを用いる。
図4(c)は強制排出順送り離解装置221はバグフィルタ216につながり、全体をターボファン217が吸引する例である。バグフィルタ216は回収した離解粉と脱落繊維をロータリーバルブで外部に排出する。ファンは物質が通過しないので、性能の良いターボファンが使用できる。
本発明は、繊維複合材の離解に強制排出順送り離解装置を使用したプロセスで、離解長繊維を強制排出順送り離解装置で分離排出した後の離解粉を空気搬送物回収手段で回収することを特徴とする。
長繊維複合材を順送り離解装置で離解して得られる離解長繊維は、既に樹脂を含まないクリーンな整列した繊維となっている(特許文献01段落[0061])。
順送り離解装置が補助打撃台を持つ場合(特許文献01段落[0052])は、離解長繊維は完全に繊維だけの成分となり、そのまま再生繊維としてマテリアルリサイクルに供することができる。
しかし、機能を極力省略した順送り離解装置(特許文献01の実施例9段落[0097])の場合は、離解長繊維には端に数cmの処理残し部分が残留する。
長繊維セパレートで分離回収した処理残し部分のある離解長繊維や、強制排出順送り離解装置で別経路に搬送された処理残し部分のある離解長繊維は、処理残し部分を切断する。
処理残し部分の切断は、人手や半自動切断装置や完全自動切断装置を使用するなど色々な方法で行うことができる。
処理残し部分を除去した離解長繊維は完全に繊維だけの成分となり、そのまま再生繊維としてマテリアルリサイクルに供することができる。
本発明は、順送り離解装置を使用したプロセスで、回収した離解長繊維の処理残し部分を切断除去して、織布や長い糸を得ることを特徴とする、再生繊維の製造方法である。
離解長繊維の処理残し部分を切断除去することを、この特許文書では「処理残し切断」と記述する。
小さい処理残し部分は廃棄するのも一つの方法である。
処理残し部分は幅が数cmのものであれば、端材と同じである。表裏を適正にして、縦に並べ、必用に応じて重ねるなどして、順送り離解装置に供給すれば、大半は離解処理できる。
例えば処理残し部分の長さが全体の2%あった場合、このように再び離解することで、処理残し部分を0.04%などに減らすことができる。
処理残し切断した処理残し部分を端材としたものを、この特許文書では「処理残し端材」と記述する。
処理残し端材を端材として適切に供給することを、供給処理残し端材調整として先に記述(段落[0066])した。
本発明は、順送り離解装置を使用したプロセスで、切断した処理残し部分を端材として、すなわち処理残し端材として供給調整して順送り離解装置に供給し、再生粉と再生繊維を高い回収率で製造することを特徴とする、再生粉と再生繊維の製造方法である。
本発明は、順送り離解装置を使用したプロセスで、処理残し部分のある離解長繊維を反転して再処理し、最高水準の回収率で再生粉と再生繊維を製造することを特徴とする、再生粉と再生繊維の製造方法である。
図5(a)にその方法を図示した。
処理残し部分のある離解長繊維302の処理残し部分303を先頭にして順送り離解装置301にかける。織布や長い糸が順送り離解装置の送り装置に把持されて処理残し部分が離解処理され、完全に処理残し部分のない離解長繊維になる。
処理残し部分のある離解長繊維の処理残し部分を先頭にして順送り離解装置にかけることを、この特許文書では「反転供給」と記述する。順送り離解装置の送り装置に離解長繊維が接合した処理残し部分のある一次処理材料を反転供給することを、供給反転調整として段落[0068]に記述した。
本発明は、順送り離解装置を使用したプロセスで、処理残し部分のある離解長繊維を反転供給し、最高水準の回収率で再生粉と再生繊維を製造することを特徴とする、再生粉と再生繊維の製造方法である。
処理残し部分の離解が終わったら順送り離解装置301の送り装置を高速反転して、挿入側304に戻るようにすると良い。織布または整列した長い糸は整然と整列した状態でオペレータの手元に戻る。繊維はクリーンであり、織布や長い糸の形状のまま整列して回収されるので利用価値が高い。マテリアルリサイクルの回収率は、再生粉と再生繊維とも最高水準となる。
強制排出順送り離解装置であれば、処理残し部分のない長い糸の離解長繊維も整列排出することができる。
コンベア排出順送り離解装置や吸引排出順送り離解装置では織布だけの離解長繊維は離解粉を抱き込まないで排出することができる。機能の高い長繊維セパレートでは、装置によっては長い糸も整列して分離することもできる。
従って、処理残し部分の離解が終了したら、順送り離解装置301の送り装置を高速順送りにして、所定の排出に委ねても良い。この場合は既に前の処理で離解長繊維となった部分の送り込み完了を待つという時間は必要であるが、オペレータは新たな供給に専念すれば良いという利点もある。
順送り離解装置301の送り装置の速度はそのままで、前の処理残し部分のある処理材料の離解長繊維302に次の処理残し部分のある離解長繊維302を重ねて供給するという方法も有効である。この場合は既に前の処理で離解長繊維となった部分の送り込み完了を待つ必用はない。
前の処理残し部分のある処理材料の離解長繊維に次の処理残し部分を重ねて供給することを、この特許文書では「積層反転供給」と記述する。
これは、供給積層反転調整として前にも記述(段落[0070])した。
図5(b)に積層反転供給の様子を図示した。
本発明は、順送り離解装置を使用したプロセスで、処理残し部分のある離解長繊維を積層反転供給し、最高水準の回収率で再生粉と再生繊維を製造することを特徴とする、再生粉と再生繊維の製造方法である。
例えばタイルカーペットのように織布の長さの4〜6倍である2〜3mのループパイルの糸が接合した処理残し部分のある処理材料では、離解したパイルの糸を根元からあるいは例えば織布の長さで切断して分別した後で反転供給するという方法もある。反転供給での扱いが容易になり高速順送りした場合の待ち時間を軽減することができる。また積層反転供給でも扱いが容易になる。
処理残し部分に接合した離解織布が長くて邪魔になる場合も、離解した織布を適当な長さに切断して分別した後で反転供給すると良い。
処理残し部分に接合した離解長繊維を適当な長さに切断することを、この特許文書では「処理残し部分切断」と記述する。
処理残し部分切断は供給部分切断調整として前に記述(段落[0072])した。
本発明は、順送り離解装置を使用したプロセスで、処理残し部分のある離解長繊維の織布や糸を適当な長さに切断して分別した後で反転供給し、最高水準の回収率で再生粉と再生繊維を製造することを特徴とする、再生粉と再生繊維の製造方法である。
本発明は、順送り離解装置を使用したプロセスで、処理残し部分のある離解長繊維の織布や糸を処理残し部分切断した後で反転供給し、最高水準の回収率で再生粉と再生繊維を製造することを特徴とする、再生粉と再生繊維の製造方法である。
本発明は、順送り離解装置を使用したプロセスで、処理残し部分のある離解長繊維を供給部分切断調整して反転供給し、最高水準の回収率で再生粉と再生繊維を製造することを特徴とする、再生粉と再生繊維の製造方法である。
反転供給は機能を極力省略した順送り離解装置(特許文献01の実施例9段落[0097])でも行うことが出来るので、処理量のさほど多くない工事現場など(特許文献01段落[0024])でも高い回収率の再生粉と再生繊維の製造を行うことができる。
段落[0051]の「H.順送り離解装置を使用したプロセスが故に可能な不純物の除去方法」について詳しく説明する。
工事用安全ネットのように、織布が極めて頑丈な繊維複合材では、繊維の脱落は極めて少なく、離解粉も織布もそのまま再生粉と再生繊維としてマテリアルリサイクルに供することができる。
一方、使用済タイルカーペット、カットパイルのダストマット、斜めに切断された弱めの繊維複合材、折れやすいガラス繊維の織布を使った繊維複合材、などでは繊維が糸として脱落する場合がある(特許文献01段落[0028][0091])。
このような場合は、脱落した糸を離解粉から除去するのが好ましい、または除去する必要がある。糸の混入がどの程度まで許容できるかは、再生粉の用途や製造条件に依るので、一概には記述できない。
牛乳パックのように紙に樹脂皮膜をコーティングしたようなものでは、紙がフィラメントバルブとして微小化され、樹脂皮膜は断片的なフィルム状に離解する場合もある。
このような場合は、離解粉に相当するのはフィラメントバルプといえる。
順送り離解装置の一つの特徴は、離解成分が形状や寸法や性状の異なったものになることである。従来の微粉化によるリサイクル技術のように全てが分類の難しい細かい類似物となるのと大きな違いである。
離解粉に対比した脱落した糸や、フィラメントパルプに対比した樹脂フィルムのように、主たる離解粉に混じった形状や寸法や性状の異なる混合物を、この特許文書では「離解異物」と記述する。
図6は離解粉から形状や寸法や重量の違いを利用して離解異物を除去する方法の例である。
(a)は熊手に似た形状の清掃材401で縦横交互にすくい動作を行い離解異物402を除去する説明図である。
離解異物を引っ掛け離解粉は通す部材で離解異物を分別することを、この特許文書では「離解異物掛けぬき」と記述する。
(b)は離解粉403と離解異物402を水平方向に投げ、空気抵抗と慣性で分離する説明図である。空気流407を併用することもできる。投げるまたは吹き出すのは水平方向に限らず斜め方向でも良い。
離解異物と離解粉を投げたり吹き出したりして分別することを、この特許文書では「離解異物投げぬき」と記述する。
(c)は多数の爪がついたシリンダー404を高速回転させ、離解異物402は爪にひっかかりシリンダーの上部まで運ばれて吸引ノズル405で除去され、離解粉403は遠心力で飛散し落下する説明図である。この方法は離解異物が糸のようなものである場合に有効である。
離解異物を引っ掛けて分離し離解粉を遠心力で飛ばして分別することを、この特許文書では「離解異物遠心ぬき」と記述する。
(d)は網406で離解粉403を篩い落して離解異物402を除去する説明図である。
離解異物を篩い残し離解粉を篩い通して分別することを、この特許文書では「離解異物篩いぬき」と記述する。
離解異物を除去するのは、ここに例示した方法に限るものではない。
順送り離解装置では、糸は細かくならず、糸の形状を保っているので、従来の粉砕分離法のように綿となって離解粉を抱きこむことは少ない。短い細い繊維が爪に引っ掛からなかったり縦になって網を通過するということもない。
順送り離解装置では、紙は細かくフィラメントパルプになるが、薄い樹脂フィルムは断片的なフィルム状となるような運転条件を得られる場合もある。
形状や寸法や性状の異なる離解異物の除去は容易であり、様々な方法を利用することができる。
離解異物掛けぬきや離解異物投げぬきや離解異物遠心ぬきや離解異物篩いぬきその他で離解粉から離解異物を除去することを、この特許文書では「離解異物ぬき」と記述する。
こうして分離した離解粉は、必要に応じて分級機でサイズ別に分級し、再生粉を得る。再生粉はそのままマテリアルリサイクルに供することができる。
除去した糸は、不織布の材料などとしてマテリアルリサイクルに供することができる。長さが略50mm以上のものが多ければ不織布の製造に利用できる。50mm以下の糸や若干の混入物は、解繊工程やニードルパンチ工程などでダストとして脱落するので支障はない。
牛乳パックの湿式叩解では、樹脂フィルムとパルプの混合物である莫大な量の濡れたダストを固形化して燃料にしたいという要望があるが、多量の水分を含むために固形化も出来ずに処理に困っている。水分を飛ばすのには多大のエネルギーがかかる。
乾いたポリエチレンなどの樹脂フィルムは、燃料にするどころか、樹脂材料としての需要はパルプ以上にあるという。
本発明を牛乳パックの湿式叩解の前処理として利用すると、ダストの少ないパルプと乾いたポリエチレンなどの樹脂フィルムが得られる。
本発明はこのような既存のリサイクルの前処理としても有効である。
本発明は、順送り離解装置を使用したプロセスで、回収した離解粉から、離解異物掛けぬき、または離解異物投げぬき、または離解異物遠心ぬき、または離解異物篩いぬき等で離解異物を除去して再生粉とすることを特徴とする、再生粉の製造方法である。
本発明は、順送り離解装置を使用したプロセスで、回収した離解粉から、離解異物ぬきで離解異物を除去して再生粉とすることを特徴とする、再生粉の製造方法である。
また、除去した糸を再生繊維とすることを特徴とする。
また、除去した樹脂フィルムを再生樹脂とすることを特徴とする。
ただし再生樹脂の用途として燃料を除外するものではない。
段落[0051]の「I.順送り離解装置を使用したプロセスで造った再生粉に必要に応じて付加する後処理」について詳しく説明する。
再生粉を分級機でサイズ別に分級した後には、希望より大きいサイズの粒が篩い残しとして得られることがある。あるいはターポリンシートのように樹脂がリボン状となる場合もある。
順送り離解装置を利用したプロセスで得られた再生粉は従来の微粉化リサイクル技術で得る樹脂粉より粒度が大きくなる傾向がある。
利用方法によってはサイズが大きいことは全く問題にならない。微粉が再生利用の投入時に舞い上がりホコリとなる方が問題となる場合もある。
一方、利用技術面で細かい方が良いという場合もある。粒度が大きいという見かけを理由に値引きを要求するようなケースもある。そのために、再生粉を外販する側では余分の費用やエネルギーをかけて細かい再生粉に追加加工することもある。
細かい再生粉にするのは既存の造粒機や粉砕機などで良い。繊維を含まないので粉砕効率は高い。従来の全てを粉砕するリサイクル手法とは異なり、より小型の造粒機でよい。
全ての再生粉を造粒機にかける場合と、分級で篩い残した大きい再生粉だけを造粒機にかける場合とがあり、状況によって使い分ける。
粉砕した再生粉は必要に応じて分級工程に渡すと良い。
順送り離解装置を利用したプロセスで得られた再生粉を造粒機や粉砕機などにかけて細かい再生粉を得ることを、この特許文書では「再生粉微粉化」と記述する。
本発明は、順送り離解装置を使用したプロセスで、再生粉を造粒機や粉砕機などにかけて細かい再生粉を得る、すなわち再生粉微粉化することを特徴とする、再生粉と再生繊維の製造方法である。
以上の説明では離解分離した成分がそのまま再生繊維と再生樹脂となるように説明したが、その後の工程でさらに手を加えることを除外しているものではない。例えば洗浄するとかペレットに固めるなど、必要に応じて加工を加える場合もある。
段落[0050]で触れた「成果物」について詳しく説明する。
本発明の再生粉は、不純物の混入が少ないので、利用価値が非常に高い。
例えばタイルカーペットでは殆どバージン材料を混ぜることなくバンバリーミキサーで練ってバッキング層として再生利用することができる。工場廃材である場合、自社の炭カルなどの混合割合はそのまま再生粉の成分に反映されており、調合の手間も少ない。
必要に応じ、安定剤、滑剤、加工性改良剤などを添加して加工性を向上させてバージン塩ビに混ぜ、遮音シートや床材等の再生用途に調整して利用することもできる。
例えば工事用安全ネットでは、高価な耐候薬品が大量に使用されており、塩ビ樹脂の純度も高い。由来が分かれば成分の比率も把握される。再び溶融させて工事用安全ネットの製造に使うこともできるし、耐候性を求められるシートの原料として使用することもできる。こうして高価な耐候薬品も再生粉としてバージン薬品の使用量も減らすことができる。
例えばターポリンシートでは、塩ビ樹脂の純度は高く、自社製品の成分比率は把握されている。必用な成分調合をして、安心して再生利用をすることができる。
本発明の再生繊維は、不純物の混入が少なく、異なる種類の繊維は分別されるので、利用価値が非常に高い。
織布は布の形状のまま回収されるので、減容しなくても運搬費用は抑えられる。
織布はポリエステル繊維の場合が多く、非常に丈夫である。
不織布の用途では解繊もニードルパンチプレスも従来の設備がそのまま使用できる。
高価で丈夫なナイロンの糸は、護岸工事に使う不織布の材料として需要が大きく膨らんでいる。
由来のはっきりしている工場廃材や自社商品では、化学成分までも分別することができる。例えばタイルカーペットのパイルに使用されているナイロン6をナイロン66と分別するなどである。製品型番などにより、タイルカーペットをナイロン6のタイルカーペットとナイロン66のタイルカーペットに分別してから処理すれば良い。
ナイロン66と分別したナイロン6を原料に戻す技術は既に存在する(特許文献03)。パイルは着色されているが原料に戻せば色がなくなる。再び糸にして着色すれば価値は大変に高まり、新品のパイル用の糸として利用できる。再生利用というより高い価値の利用方法である。
特許文献03には「回収及び選別の作業に多大の設備と労力がかかる」、「回収し再生された原料を使って元の製品を製造するには、一定水準以上の純度が必要」などと記載されている。従来はこれらの条件が満たされない場合が多かったが、本発明はこれらの問題を一挙に解決する有効な技術である。
ナイロン66も遠からず原料に戻すようになるであろう。特許文献03に続きナイロン66を原料に戻す特許願は2001年には公開されている。
再生材はバージン材料に比べて安価である。コストの観点からも利用できる再生材が求められている。
再生材はバージン材料に比べてエネルギーの消費が少ない。地球温暖化ガスの低減からも利用できる再生材が求められている。
地球環境が問題となって、環境保護の観点からエコ商品として認定されることが必然の分野が増えている。例えばタイルカーペットでは公共設備工事からの受注はエコ商品であることが条件となっているという。そのために再生塩ビ樹脂などの供給が不足するということも起きている。
従来は塩ビバッキング層の再生率しかカウントできなかったが、本発明では繊維の再生率もカウントできるようになり、エコ商品の認定のハードルも越しやすくなる。
再生材であるが故の樹脂などと繊維の需要が膨らんでいるということである。
本発明で製造する再生粉と再生繊維は品質でも特性でも需要にマッチした優れたマテリアルリサイクル材料である。
段落[0051]の「J.順送り離解装置を使用したプロセスでの消音方法」について詳しく説明する。
順送り離解装置の騒音発生は密閉と吸音などで極力軽減されているが、内部が外部に開口している部分があると、開口部から騒音が漏れる。
コンベア排出順送り離解装置ではコンベアの排出口が開口部となる。
吸引排出順送り離解装置と強制排出順送り離解装置では、吸引口はダクトでふさがれるが、空気取り入れ口が外部に開口しているので、そこから騒音が漏れる。
図7にその対策を例示した。
順送り離解装置301の材料排出吸引口501はサイクロン611やバグフィルタなどの回収装置にダクトでつながり、回収装置はファン612にダクトでつながる。ファン612の排気を順送り離解装置301の空気取り入れ口622にダクト621でつなぐ。ダクト621にはバイバスダクト623をつなぎ、余分な排気を外部に逃す。バイバスダクト623には消音装置を設けるのが好ましい。バイバスダクト623には必要に応じてダンパーを設けると良い。
このように配管することで、空気取り入れ口622から漏れる騒音を極力小さくする効果がある。隙間からの流入などで吸引風量の方が空気取り入れ口622から入る風量より若干多くなるので、バイバスダクト623はからは余分な排気が外部に逃げる。バイバスダクト623は開口しているが、細くすれば音のレベルは小さくなり、消音器の設置などの対策もとりやすい。ファン612から空気取り入れ口622の風速は略10〜30m/secで、騒音の伝達方向と逆であるので、あたかも風下で音を聞くように、騒音の伝達を軽減する効果もある。
空気搬送物回収手段がサイクロンである場合などは集塵機624を使用する。集塵機624をバイバスダクト623につなぐようにすると、従来は高価で場所を取る集塵機も、本発明では小さな風量の小さな安価な集塵機で済むし、消音の効果もある。
空気の循環量が多いと過熱することもある。そのような場合は外気または冷気を補給するバイバスダク625を追加すると良い。バイバスダク625にはダンパー626をつけて流量を調整する。このバイバスダク625は図で例示した部分以外の場所に設けることも可能である。
本発明は、材料排出吸引口と空気取り入れ口を持つ順送り離解装置とファンの防音の方法として、外部に排気するバイパスダクトを設けたダクトで、ファンの排気の一部を順送り離解装置の空気取り入れ口に戻することを特徴とする防音方法である。
本発明は処理材料ごとの供給での技術的な固有の手立て、すなわち供給調整を明らかにすることで品質の良い再生粉と再生繊維を製造することを可能とした。
本発明は処理材料ごとの品質の良い離解を行う固有の条件、すなわち適打撃特定条件を明らかにし品質の良い再生粉と再生繊維を製造することを可能とした。
本発明は処理材料ごとの品質の良い離解を行う条件の違いを克服する一括した作業条件を得る固有の方法、すなわち処理材料群区分と適打撃区分条件を明らかにし、複雑な作業条件を単純化して高い作業性と品質を実現することを可能とした。
本発明は品質の良い離解を継続するメンテナンスの方法、すなわち適空中間隙補正条件と間隙判定打撃材交換を明らかにし品質の良い再生粉と再生繊維の製造を維持することを可能とした。
本発明は周辺機器を結合して製造ラインを構築するときに必要な技術的な固有の手立て、すなわちファンと空気搬送物回収手段の連結を明らかにすることで品質の良い再生粉と再生繊維を製造するラインを実現することを可能とした。
本発明は品質の良い再生粉と再生繊維を得るための固有の分離の方法、すなわち長繊維セパレートを明らかにすることで品質の良い再生粉と再生繊維を製造するラインを実現することを可能とした。
本発明は品質の良い再生繊維を得るための技術的な固有の手立て、すなわち離解異物ぬきを明らかにすることで品質の良い再生粉と再生繊維を製造するラインを実現することを可能とした。
本発明は商品価値を高める固有のプロセスを加えること、すなわち再生粉微粉化で商品性の高い再生粉を製造するラインを実現することを可能とした。
本発明はマテリアルリサイクル事業継続の障害となる騒音問題を軽減する固有の方法を明らかにして再生粉と再生繊維の製造ラインの構築を容易にした。
本発明は騒音問題を軽減する固有の方法によりコストと場所を取る集塵機を小型化できることを明らかにしてコストとスペースの低減を容易にした。
本発明は離解工程と分離工程を一段の処理で完結できる固有の手立てを明らかにして費用と敷地と動力と騒音と粉塵の少ない製造ラインの構築を容易にした。
本発明により製造する再生粉は非常にクリーンである。不純物の混入は大変少ない。
本発明により従来不可能であった再生繊維の製造が可能となった。
本発明により製造する再生繊維は非常にクリーンである。不純物の混入と付着は大変少ない。
本発明により製造する再生繊維は織布は織布の形状、長い糸は長い糸の形状で得られる。
織布の形状や糸の形状の再生繊維は運送費が軽減できる。
織布の形状の再生繊維は長繊維であり利用価値が高い。
長い糸の形状の再生繊維は長繊維であり利用価値が高い。
本発明により製造する再生粉と再生繊維は非常に回収率が高く、不要物の廃棄が少なく、環境破壊を防ぎ、廃棄費用がほとんどかからない。
本発明により再生粉と再生繊維を製造することができる処理材料の種類や形状は多岐にわたり、いままで不可能であったマテリアルリサイクルを実現する。
処理材料は原形状のまま供給できるので、動力と敷地と設備を必要とする細片化の前処理工程は不要で、省コスト・省動力である。前処理工程に伴う騒音と粉塵の問題もない。
本発明の所用動力は桁違いに低く、再生粉と再生繊維を製造する工程は従来の工程に比べて段違いに簡素化され、省動力、省コスト、省スペースである。従来の工程で生じる騒音は大幅に軽減され、粉塵の発生する設備も工程もほとんどない。
本発明により再生粉と再生繊維を製造する工程には繊維の微粉化は存在せず、粉塵の発生の主原因であるフィラメント繊維は存在しないので、環境が極めてクリーンである。
従って立地条件も有利であるし、労働環境もよく、移動可能な設備とすることもできる。
本発明により製造する再生粉は非常にクリーンであるので、再生利用にあたっての配合率は大変に高く出来る。由来の明確な再生粉は構成成分が明らかで、安心して再使用できるし、用途も広くなる。
本発明により製造する再生繊維は非常にクリーンであり、他の種類の繊維の混入もない。由来の明確な再生繊維は成分が明らかで、安心して再使用できるし、化学分解して原料に戻すことも出来、用途も広くなり、価値も高くなる。
図1は、従来の塩ビ壁紙のマテリアルリサイクルの工程の説明図である。 図2は、長繊維セパレートの説明図である。 図3は、長繊維セパレータが入った流路の説明図である。 図4は、強制排出順送り離解装置の流路の説明図である。 図5は、離解長繊維の処理残し部分を再処理する方法の説明図である。 図6は、離解粉から離解異物を除去する方法の説明図である。 図7は、騒音の漏れを防ぐ方法の説明図である。 図8は、実施例2の説明図である。 図9は、実施例4の説明図である。 図10は、実施例5の説明図である。
本発明の再生粉と再生繊維を製造するための最良の形態の実施例と、より簡易な形態の実施例を例示し、その製造方法の姿を明らかにした。
順送り離解装置を使用したプロセスで再生粉と再生繊維を製造するための、本発明の処理材料群区分と適打撃区分条件の例を説明する。
産業廃棄物として、タイルカーペットと工事用安全ネットとテントの幕が使用済みで入荷したとする。
タイルカーペットだけを集める(材料や区分)。メーカの分別はしない。
「全てのタイルカーペットの離解をバッキング層を上にしてパイルの方向に1枚づつ供給する」という処理材料群区分(概念化)をする。処理材料群区分名を「タイル」とする。
タイルの処理材料群区分(材料や条件の区分)の処理材料群の中から、厚さATのサンプルAと厚さBTのサンプルBの2種類のタイルカーペットを抽出する。サンプルは同じメーカの同じ商品系列のものを選ぶのが好ましい。
温度を一定とし、前処理はしないこととする。
サンプルAで離解テストを行い、適空中間隙AGと適打撃速度AVと適送り速度AMを求める。
サンプルBで離解テストを行い、適空中間隙BGと適打撃速度BVと適送り速度BMを求める。
横軸を処理材料の厚さ、縦軸を空中間隙とした座標で、(0,0)(AT,AG)(BT,BG)を通る曲線を適空中間隙曲線とする。
横軸を処理材料の厚さ、縦軸を打撃速度とした座標で、(AT,AV)(BT,BV)を通る直線を適打撃速度曲線とする。
横軸を処理材料の厚さ、縦軸を送り速度とした座標で、(AT,AM)(BT,BM)を通る直線を適送り速度曲線とする。
処理材料の厚さが異なるごとに打撃速度と送り速度が変化するのが煩わしい場合は、適打撃速度曲線と適送り速度曲線を利用しないで、それぞれの条件に近い打撃速度と送り速度を定数として設定して適打撃速度の条件と適送り速度の条件としても良い。
適空中間隙曲線と、適打撃速度曲線または定数とした適打撃速度と、適送り速度曲線または定数とした適送り速度、が適打撃区分条件である。
タイルの処理材料群区分の処理材料群の打撃条件を適打撃区分条件から求めて、離解作業(区分の結果の使用)を開始する。
適空中間隙と適打撃速度と適打撃速度、すなわち適打撃条件は、処理材料の厚さを手動測定して、グラフから読み取り、手動で設定するなどの全手動の方法から、処理材料の厚さを自動測定して、ソフトウェアプログラムで求めたバラータをサーボシステムなどで自動設定するなど全自動の方法まで、色々な方法が利用できる。
離解作業の中で離解が過剰のものや不足のものがあった場合は、それらと同一の処理材料はタイルの処理材料群区分の処理材料群から外す(処理材料群育成)。
タイルの処理材料群区分の処理材料群から処理材料群分別したタイルカーペットの特徴を観察する。
例えばそれらが海外メーカのものであった場合は、タイルの処理材料群区分を「国内メーカのタイルカーペットの離解をバッキング層を上にしてパイルの方向に1枚づつ供給する」という処理材料群区分(概念の改善)を行う。また分別した処理材料を集めて「海外××メーカのタイルカーペットの離解をバッキング層を上にしてパイルの方向に1枚づつ供給する」という新しい処理材料群区分をする。
このようにして、離解作業を行う事業所に適合した処理材料群区分(区分の結果)が得られる。
本発明の順送り離解装置で再生粉と再生繊維を製造する最良の形態の例を図8で説明する。
処理材料群区分をする。
601は供給調整した処理材料である。処理材料の厚さと幅と形状と表裏と方向と処理残し部分と端材を判断し、必要に応じて切断や折り曲げや整列や重ねる処理を行い、適切な方向と供給面で順送り離解装置の送り装置に供給する。
供給調整の中には指定の処理材料群区分に適合しないものもある。例えば積層反転供給は別の処理材料群区分に属する、などと説明すれば分かりやすいであろう。そのような供給調整はこの処理材料群区分からは外して別個の処理材料群区分とする。ただしこの例は単に説明の為であり、そのようでありそのようにするということではない。
処理材料の厚さは例えば強制排出順送り離解装置602の図示しない測定装置で自動測定され、順送り離解装置の打撃条件が適打撃区分条件から自動設定される。
この実施例では運用上最も好ましいと思われる全自動設定として説明しているが、全自動設定に限定している訳ではない。打撃条件を適打撃区分条件に再現するには様々な方法が採用できる。
強制排出順送り離解装置602は有効幅500mmで補助打撃台(特許文献01段落[0052])を持ち、長繊維複合材では処理残し部分の無い離解長繊維が機械的に把持されて強制排出される。
強制排出順送り離解装置602は適切な擦り領域(特許文献01段落[0047])を持ち、タイルカーペットのループパイルのように長い糸にしみ込んでいる樹脂のコブや付着した樹脂なども除去して、離解長繊維はすでに清浄な状態となっている。
清浄な離解長繊維604は強制排出口603から整列して排出される。
強制排出順送り離解装置602は選別排出口と再叩解機能(特許文献01段落[0055])を持つ。
このような微細化機能を持つ強制排出順送り離解装置602で、離解粉は必用な細かさになって排出される。
清浄な離解長繊維604はコンベア615で搬送され、タイルカーペットのように織布と長い糸である場合など、必要に応じて織布分離工程605を経て、織布606は積み重ねるなどして梱包し、糸607は巻き取るか縛るか折りたたむなどして梱包する。
これらの工程は人力であっても機械処理であっても良い。
梱包された織布606と糸607は再生繊維としてストックしてから出荷する。
611はサイクロンである。下部にロータリーバルブを持つ。サイクロン611の投入口は強制排出順送り離解装置602の吸引口613に連結されている。
サイクロン611はファン612で吸引する。
離解粉614はサイクロン611の下部から落下し、コンベア615で回転篩い装置616に投入される。
回転篩い装置616は目開き1mmの網を持ち、2つの口から分級された成分が落下する。この例の場合は回転篩い装置616は離解異物篩いぬきとして使用している。
617は離解異物篩いぬきで得た脱落した糸、618は再生粉である。
再生粉618はフレコンバッグ619に入れて梱包され、ストックした後に出荷される。
脱落した糸617はフレコンバッグ619に入れて梱包され、ストックした後に再生繊維として出荷される。
ファン612の排気口はダクト621につながり、ダクト621は強制排出離解装置602の空気取り入れ口622につながる。
ダクト621の途中にはバイパスダクト623が分岐している。
バイパスダクト623は集塵機624につながり、排気を清浄化する。バイパスダクト623の排気は少ないので集塵機624は小型のもので良い。集塵機624の布フィルターから低速の排気が出て、ダクト内を伝わる強制排出順送り離解装置602の打撃音とファン612の空気を切る音を軽減する。
サイクロン611の後には新鮮な空気を取り入れるバイパスダクト625が接合され、バイパスダクト625にはダンパー626が設けられている。
運転を継続する中で循環空気の温度が高くなった場合はダンパー626を広げて常温または低温の空気を補充する。
必要に応じてファンの流量を増やす。
ホコリはサイクロン611からコンベア615を経る回転篩い装置616までの経路と回転篩い装置616の本体から発生する程度である。ホコリの主因であるフィラメント繊維は大変少ないので、ホコリの発生そのものも従来より格段に少ない。
さらにコンベア615を密閉型のバケットコンベアにすれば、大半の粉塵は防止できる。
また狭い領域の発塵なので、簡単なフード型の空気清浄装置の利用も可能である。
強制排出順送り離解装置602はタイルカーペットで言えば1トン/Hの処理能力のもので、主モータの所用動力は45kw(特許文献01段落[0092][0096])である。機械の寸法は幅1m余、長さ2.5m弱、高さ略1.2mである。
ファン612は静圧1.6kpaで風量が30リューベ/分の2.2kwである。
サイクロン611の設置寸法は1.8m角、集塵機624の設置寸法は1.2m角、回転篩い装置616の設置寸法は1.5m角程度である。
所用動力は50kw、設置面積は24平方メートル程度である。
1トン/Hの処理能力の塩ビ壁紙のマテリアルリサイクルの所用動力が500kw以上で、設置面積が1000平方メートルという(段落[0029])のに比べて、動力で1/10、設置面積で1/40である。
特許文献15のマテリアルリサイクルの所要動力や敷地面積は不詳であるが、手法が似ている以上は塩ビ壁紙のマテリアルリサイクルと大差はないと考えられる。繊維を廃棄して樹脂の精製も程ほどにしたとしても、動力と設置面積は良くて塩ビ壁紙のマテリアルリサイクルの1/3程度であろう。これに比較しても本発明は動力で1/3、設置面積で1/13である。
このように比較すると、この発明が如何に省動力で省スペースであるかが理解できよう。
本発明の適空中間隙補正条件と間隙判定打撃材交換の例を説明する。
色々な作業を重ねるうちに、打撃材が磨耗して、適空中間隙が少しずれる場合がある。
離解結果に異常がみつかった時に適空中間隙の補正をしても良いが、ある程度の時間が経過した時点で適空中間隙の補正をする方が好ましい。
1度または2度の適空中間隙の補正量と稼働時間を離解装置の制御装置に入力すると、横軸を稼働時間、縦軸を適空中間隙の補正量とした座標で、原点と入力点を補完する曲線として、適空中間隙補正条件が得られる。制御装置に入力すると記述したが、この方法に限るものではない。
以後は、自動調整であれば、適空中間隙補正条件と稼働時間のデータより、適空中間隙の補正が自動的に行われる。自動調整にはコンピュータとサーボシステムなどが利用できるが、自動調整に限るものではなくも、自動調整もコンピュータやサーボに限るものではない。
トータルの空中間隙の補正量が打撃材交換空中間隙補正量に該当した時点を打撃材の交換時期と判断する。
打撃材交換空中間隙補正量は打撃材の形状変化と経費と品質の経験を元に定めるのが良い。
適空中間隙補正条件が得られている場合は、打撃材交換空中間隙補正量に達した時にアラームを発生させると良い。アラームは打撃材交換空中間隙補正量の例えば90%などの所定割合に達した時に予告するようにすると、交換部品の手配や工事予定を立てるのに利便があり、なお良い。
打撃材が反転使用できる場合は反転して取り付け直し、交換を要する場合は新しい打撃材に交換し、適空中間隙の補正と稼働時間データなどをリセットする。
本発明の再生粉と再生繊維を製造するための異なる形態の例を図9で説明する。
631は吸引排出順送り離解装置である。生産工場や工事現場での使用を目的として、コンパクトな簡単な装置とするたるめに機能を極力省略したものとする。有効幅は実施例2の半分の250mmで、ループパイルのあるタイルカーペットなどは処理対象としない。振動停止手段と選別排出口と再叩解機能と強制排出機能と補助打撃台と擦り領域はない(特許文献01の実施例9段落[0097])。
処理材料群区分をする。例えば、既存の処理材料群区分の処理材料群を集める。
吸引排出順送り離解装置631の送り装置に供給調整した処理材料601を供給する。
パイルのない長繊維複合材の離解長繊維604は織布606のみで、処理残し部分632が付いている。
離解長繊維604と離解粉614と脱落した糸617は吸引口613からファン612に吸引されて吸引排出される。
吸引口613とファン612の間には長繊維セパレータ633とサイクロン611が入る。
ファン612の排気口はダクト621につながり、ダクト621は吸引排出離解装置631の空気取り入れ口622につながる。
ダクト621の途中にはバイパスダクト623が分岐している。
バイパスダクト623は小型の集塵機624につながり、排気を清浄化する。集塵機624の布フィルターから低速の排気が出て、ダクト内を伝わる吸引排出順送り離解装置631の打撃音とファン612の空気を切る音を軽減する。
サイクロン611の前には新鮮な空気を取り入れるバイパスダクト625が接合され、バイパスダクト625にはダンパー626が設けられている。
運転を継続する中で循環空気の温度が高くなった場合はダンパー626を広げて常温または低温の空気を補充する。
必要に応じてファンの流量を増やす。
長繊維セパレータ633は縦型の箱で、離解長繊維604は落下して下部の密閉容器634にストックされる。ストックした離解長繊維604の入った密閉容器634は空の密閉容器634と交換する。交換するときは処理材料の供給を休止する。
サイクロン611も下部に密閉容器634を装着し、長繊維セパレータ633の密閉容器634の交換に合わせて離解粉614の入った密閉容器634を外して空の密閉容器634と交換する。
取り出した離解長繊維604は処理残し部分があるので別にストックしておく。
ストックした処理残し部分の付いた離解長繊維604は、折を見て供給積層反転調整して供給する。必要に応じて供給部分切断調整を併用する。織布606だけとなった離解長繊維は重ねるなどしてストックし、梱包して再生繊維とする。
取り出した離解粉614と脱落した糸617は、簡単な定量供給装置635に移して、コンベア615で運んで回転篩い装置616で離解異物篩いぬきをする。選別排出口と再叩解機能がないので網は少し大きい目開きの2mmとする。
離解異物ぬきをした離解粉614は再生粉として梱包する。
離解異物ぬきで得た脱落した糸617は再生繊維として梱包する。網の目開きより大きい樹脂の粒が残っている場合も、量が少なければ不織布の用途では解繊やニードルパンチで脱落するので利用可能である。
吸引排出順送り離解装置631の所用電力は22kwで、400〜500kgr/Hの処理能力である。
ファン612は1.5kwである。
全体の所用電力は25kw程度である。全体の設備は大きなトラックに乗る程度である。
従来のリサイクルシステムが移動は困難であったことと比較すると、本発明は移動できることで活用範囲が格段に大きくなる。
もし電力事情が不足の場合は、時間当たりの処理量を減らせば、吸引排出順送り離解装置631の所用電力は軽減できる。インバータで上限電流値を設定しておけば、電源に過負荷を与えることもない。インバータで電流値を表示して監視しながら作業することを併用すると良い。
本発明の再生粉と再生繊維を製造するための異なる形態の例を説明する。
図10は実施例4を更に簡素化したものである。工事現場用にできるだけコンパクトにして移動を容易にした例である。
集塵装置624は袋状のフィルターとし、バイパスダクト623に直接装着する。
長繊維セパレータ633はサイクロンとし、下部には密閉容器634を装着して離解繊維と離解粉を一緒に回収する。
密閉容器634は時々空のものと交換し、織布606は人手で分離除去して長繊維の再生繊維としてフレコンバッグに入れる。
脱落した糸の離解異物ぬきは熊手状の道具で人手で行う。離解異物ぬきで得た脱落した糸617は再生繊維としてフレコンバッグに入れる。
離解異物ぬきした離解粉614は再生粉としてフレコンバッグに入れる。
処理残し部分は必要なら折を見て供給積層反転調整して供給する。必要に応じて供給部分切断調整を併用する。
処理能力は100kgr/Hに押さえ、電源は200ボルト50アンペア程度とすれば、工事現場の電源が利用できる。
従来はリサイクルシステムを大規模にしないと採算性がないのと比較すると、また数百キロワットの電力を消費するのと比較すると、処理能力は様々に選択可能であり、エネルギー消費は雲泥の差となることが分かる。
設置面積を必要とするのは吸引排出順送り離解装置631と小型の長繊維セパレータ633とファン612だけで、小型のトラックに搭載可能である。
従来のリサイクルシステムが移動は困難であったことと比較すると、本発明は移動が容易なシステムに出来るという特徴も併せ持つことが分かる。
交換工事で取り外した繊維複合材と新しく取り付けた繊維複合材の端材を順次供給して再生粉と再生繊維にする。
ストックした再生粉は樹脂などの利用者に、再生繊維は繊維の利用者に直送する。
工事廃材の余分なストックエリアは不要となり、別の場所で再生粉と再生繊維を製造する費用と利用者に再運搬する費用を節約することができる。
従来のリサイクルシステムが移動は困難であったことと比較すると、本発明は移動が容易であることから、今までと異なるリサイクルの仕方までが可能となる。
本発明は、繊維複合材を生産する工場で、瑕疵品や在庫品や端材などを再生粉と再生繊維に戻して再使用をする産業に利用できる。
本発明は、繊維複合材を利用する工場で、瑕疵品や在庫品や端材などを再生粉と再生繊維に戻して販売をする産業に利用できる。
本発明は、使用済みの繊維複合材や廃材を収集する産業廃棄物処理の分野で、従来は廃棄していた繊維複合材を再生粉と再生繊維に戻して販売する産業に利用できる。
本発明は、繊維複合材を利用した設備でこれらを交換する工事を行う時に、取外した繊維複合材と新しい繊維複合材の端材をその場で再生粉と再生繊維に戻して、運搬量を軽減し、運搬経路を簡素化し、再生品として販売に供する産業に利用できる。
本発明は、牛乳パックなどの既存のリサイクル工場での前処理として使用する産業に利用できる。
101 壁紙
102 細片化装置
103 回収装置
104 ファン
105 集塵装置
106 フレコンバッグ
111 定量供給装置
112 叩解装置
113 回収分離装置
114 高圧プレートファン
115 浄化装置
116 バグフィルタ
117 ターボファン
121 篩い
122 比重分離装置
123 プレートファン
201 堰
202 流路
203 擬似サイクロン
204 密閉した箱
205 押出し部材
206 ゲート
211 吸引排出順送り離解装置
212 長繊維セパレータ
213 ファン
214 サイクロン
215 集塵機
216 バグフィルタ
217 ターボファン
221 強制排出順送り離解装置
301 順送り離解装置
302 離解長繊維
303 処理残し部分
304 挿入側
401 清掃材
402 離解異物
403 離解粉
404 シリンダー
405 吸引ノズル
406 網
407 空気流
501 材料排出吸引口
502 空気取り入れ口
503 ダクト
504 バイバスダクト
601 供給調整した処理材料
602 強制排出順送り離解装置
603 強制排出口
604 離解長繊維
605 織布分離工程
606 織布
607 糸
611 サイクロン
612 ファン
613 吸引口
614 離解粉
615 コンベア
616 回転篩い装置
617 脱落した糸
618 再生粉
619 フレコンバッグ
621 ダクト
622 空気取り入れ口
623 バイパスダクト
624 集塵機
625 バイパスダクト
626 ダンパー
631 吸引排出順送り離解装置
632 処理残し部分
633 長繊維セパレータ
634 密閉容器
635 定量供給装置

Claims (14)

  1. 繊維複合材の端部を原形状のまま打撃する順送り離解装置を使用したプロセスで繊維複合材を原形状のまま供給調整して順送り離解装置に供給することを特徴とする再生粉と再生繊維の製造方法であって、順送り離解装置は、連続打撃手段と、支持手段と、材料移動手段と、材料排出手段を備え、支持手段と連続打撃手段の間の空中の方向に材料移動手段で処理材料を移動し、支持手段の端部から空中にさらした処理端部を連続打撃手段で連続的に打撃し、与える打撃力より破壊される打撃力が大きい成分を略原形のまま保ち与える打撃力より破壊される打撃力が小さい成分を破壊して構成成分を離解し、離解した構成成分を材料排出手段で排出する装置である、再生粉と再生繊維の製造方法。
  2. 繊維複合材の端部を原形状のまま打撃する順送り離解装置を使用したプロセスで繊維複合材である特定処理材料に対して順送り離解装置で再現するのが適打撃条件であることを特徴とする再生粉と再生繊維の製造方法であって、順送り離解装置は、連続打撃手段と、支持手段と、材料移動手段と、材料排出手段を備え、支持手段と連続打撃手段の間の空中の方向に材料移動手段で処理材料を移動し、支持手段の端部から空中にさらした処理端部を連続打撃手段で連続的に打撃し、与える打撃力より破壊される打撃力が大きい成分を略原形のまま保ち与える打撃力より破壊される打撃力が小さい成分を破壊して構成成分を離解し、離解した構成成分を材料排出手段で排出する装置である、再生粉と再生繊維の製造方法。
  3. 繊維複合材の端部を原形状のまま打撃する順送り離解装置を使用したプロセスで繊維複合材である処理材料を処理材料群区分をすることを特徴とする再生粉と再生繊維の製造方法であって、順送り離解装置は、連続打撃手段と、支持手段と、材料移動手段と、材料排出手段を備え、支持手段と連続打撃手段の間の空中の方向に材料移動手段で処理材料を移動し、支持手段の端部から空中にさらした処理端部を連続打撃手段で連続的に打撃し、与える打撃力より破壊される打撃力が大きい成分を略原形のまま保ち与える打撃力より破壊される打撃力が小さい成分を破壊して構成成分を離解し、離解した構成成分を材料排出手段で排出する装置である、再生粉と再生繊維の製造方法。
  4. 繊維複合材の端部を原形状のまま打撃する順送り離解装置を使用したプロセスで繊維複合材である処理材料の処理材料群区分に対して順送り離解装置で再現するのが適打撃条件であることを特徴とする再生粉と再生繊維の製造方法であって、順送り離解装置は、連続打撃手段と、支持手段と、材料移動手段と、材料排出手段を備え、支持手段と連続打撃手段の間の空中の方向に材料移動手段で処理材料を移動し、支持手段の端部から空中にさらした処理端部を連続打撃手段で連続的に打撃し、与える打撃力より破壊される打撃力が大きい成分を略原形のまま保ち与える打撃力より破壊される打撃力が小さい成分を破壊して構成成分を離解し、離解した構成成分を材料排出手段で排出する装置である、再生粉と再生繊維の製造方法。
  5. 繊維複合材の端部を原形状のまま打撃する順送り離解装置を使用したプロセスで、適空中間隙補正条件により空中間隙を補正することを特徴とする、再生粉と再生繊維の製造方法であって、順送り離解装置は、連続打撃手段と、支持手段と、材料移動手段と、材料排出手段を備え、支持手段と連続打撃手段の間の空中の方向に材料移動手段で処理材料を移動し、支持手段の端部から空中にさらした処理端部を連続打撃手段で連続的に打撃し、与える打撃力より破壊される打撃力が大きい成分を略原形のまま保ち与える打撃力より破壊される打撃力が小さい成分を破壊して構成成分を離解し、離解した構成成分を材料排出手段で排出する装置である、再生粉と再生繊維の製造方法。
  6. 繊維複合材の端部を原形状のまま打撃する順送り離解装置を使用したプロセスで間隙判定打撃材交換をすることを特徴とする再生粉と再生繊維の製造方法であって、順送り離解装置は、連続打撃手段と、支持手段と、材料移動手段と、材料排出手段を備え、支持手段と連続打撃手段の間の空中の方向に材料移動手段で処理材料を移動し、支持手段の端部から空中にさらした処理端部を連続打撃手段で連続的に打撃し、与える打撃力より破壊される打撃力が大きい成分を略原形のまま保ち与える打撃力より破壊される打撃力が小さい成分を破壊して構成成分を離解し、離解した構成成分を材料排出手段で排出する装置である、再生粉と再生繊維の製造方法。
  7. 繊維複合材の端部を原形状のまま打撃する順送り離解装置を使用したプロセスで順送り離解装置から排出された直後に長繊維セパレートをすることを特徴とする再生粉と再生繊維の製造方法であって、順送り離解装置は、連続打撃手段と、支持手段と、材料移動手段と、材料排出手段を備え、支持手段と連続打撃手段の間の空中の方向に材料移動手段で処理材料を移動し、支持手段の端部から空中にさらした処理端部を連続打撃手段で連続的に打撃し、与える打撃力より破壊される打撃力が大きい成分を略原形のまま保ち与える打撃力より破壊される打撃力が小さい成分を破壊して構成成分を離解し、離解した構成成分を材料排出手段で排出する装置である、再生粉と再生繊維の製造方法。
  8. 繊維複合材の端部を原形状のまま打撃する順送り離解装置を使用したプロセスで順送り離解装置から回収された離解粉に対して離解異物ぬきをすることを特徴とする再生粉と再生繊維の製造方法であって、順送り離解装置は、連続打撃手段と、支持手段と、材料移動手段と、材料排出手段を備え、支持手段と連続打撃手段の間の空中の方向に材料移動手段で処理材料を移動し、支持手段の端部から空中にさらした処理端部を連続打撃手段で連続的に打撃し、与える打撃力より破壊される打撃力が大きい成分を略原形のまま保ち与える打撃力より破壊される打撃力が小さい成分を破壊して構成成分を離解し、離解した構成成分を材料排出手段で排出する装置である、再生粉と再生繊維の製造方法。
  9. 繊維複合材の端部を原形状のまま打撃する順送り離解装置を使用したプロセスで処理残し切断して再生繊維とすることを特徴とする再生繊維の製造方法であって、順送り離解装置は、連続打撃手段と、支持手段と、材料移動手段と、材料排出手段を備え、支持手段と連続打撃手段の間の空中の方向に材料移動手段で処理材料を移動し、支持手段の端部から空中にさらした処理端部を連続打撃手段で連続的に打撃し、与える打撃力より破壊される打撃力が大きい成分を略原形のまま保ち与える打撃力より破壊される打撃力が小さい成分を破壊して構成成分を離解し、離解した構成成分を材料排出手段で排出する装置である、再生繊維の製造方法。
  10. 繊維複合材の端部を原形状のまま打撃する順送り離解装置を使用したプロセスで、処理残し部分を処理残し端材として再処理する供給処理残し端材調整、順送り離解装置の送り装置に離解長繊維が接合した処理残し部分のある一次処理材料を反転供給する供給反転調整、順送り離解装置の送り装置に離解長繊維が接合した処理残し部分のある一次処理材料を積層反転して供給する供給積層反転調整、順送り離解装置の送り装置に離解長繊維が接合した処理残し部分のある一次処理材料を供給するときに処理残し部分のある一次処理材料の離解長繊維を適当な長さで切断して供給する供給部分切断調整の何れかまたはそれらの複数の供給処理残し部分調整をすることを特徴とする再生粉と再生繊維の製造方法であって、順送り離解装置は、連続打撃手段と、支持手段と、材料移動手段と、材料排出手段を備え、支持手段と連続打撃手段の間の空中の方向に材料移動手段で処理材料を移動し、支持手段の端部から空中にさらした処理端部を連続打撃手段で連続的に打撃し、与える打撃力より破壊される打撃力が大きい成分を略原形のまま保ち与える打撃力より破壊される打撃力が小さい成分を破壊して構成成分を離解し、離解した構成成分を材料排出手段で排出する装置である、再生粉と再生繊維の製造方法。
  11. 繊維複合材の端部を原形状のまま打撃する順送り離解装置を使用したプロセスで再生粉微粉化をすることを特徴とする再生粉の製造方法であって、順送り離解装置は、連続打撃手段と、支持手段と、材料移動手段と、材料排出手段を備え、支持手段と連続打撃手段の間の空中の方向に材料移動手段で処理材料を移動し、支持手段の端部から空中にさらした処理端部を連続打撃手段で連続的に打撃し、与える打撃力より破壊される打撃力が大きい成分を略原形のまま保ち与える打撃力より破壊される打撃力が小さい成分を破壊して構成成分を離解し、離解した構成成分を材料排出手段で排出する装置である、再生粉の製造方法。
  12. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、10、11項に記載の製造方法の何れかで製造した再生粉。
  13. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10項に記載の製造方法の何れかで製造した再生繊維。
  14. 材料排出吸引口と空気取り入れ口を持つ繊維複合材の端部を原形状のまま打撃する順送り離解装置の吸引ファンの排気を外部に開放するバイパスダクトを備えるダクトで順送り離解装置の空気取り入れ口に戻すことを特徴とする防音方法であって、順送り離解装置は、連続打撃手段と、支持手段と、材料移動手段と、材料排出手段を備え、支持手段と連続打撃手段の間の空中の方向に材料移動手段で処理材料を移動し、支持手段の端部から空中にさらした処理端部を連続打撃手段で連続的に打撃し、与える打撃力より破壊される打撃力が大きい成分を略原形のまま保ち与える打撃力より破壊される打撃力が小さい成分を破壊して構成成分を離解し、離解した構成成分を材料排出手段で排出する装置である、防音方法。
JP2014139373A 2013-11-13 2014-07-07 再生粉と再生繊維の製造方法 Expired - Fee Related JP5681317B1 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014139373A JP5681317B1 (ja) 2013-11-13 2014-07-07 再生粉と再生繊維の製造方法
PCT/JP2014/078894 WO2015072337A1 (ja) 2013-11-13 2014-10-30 再生粉と再生繊維の製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013234614 2013-11-13
JP2013234614 2013-11-13
JP2014139373A JP5681317B1 (ja) 2013-11-13 2014-07-07 再生粉と再生繊維の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP5681317B1 true JP5681317B1 (ja) 2015-03-04
JP2015116810A JP2015116810A (ja) 2015-06-25

Family

ID=52684838

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014139373A Expired - Fee Related JP5681317B1 (ja) 2013-11-13 2014-07-07 再生粉と再生繊維の製造方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP5681317B1 (ja)
WO (1) WO2015072337A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020106201A (ja) * 2018-12-27 2020-07-09 川崎重工業株式会社 複合処理施設

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020026928A1 (ja) * 2018-07-31 2020-02-06 キョーラク株式会社 構造体の製造方法、保持装置
CN115464897A (zh) * 2022-09-16 2022-12-13 国际竹藤中心 一种废弃竹纤维餐盒制造复合基板的方法、复合基板和阻尼复合地板及其应用

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08258042A (ja) * 1995-03-27 1996-10-08 Hokuetsu Paper Mills Ltd 成形用シ−ト及びその製造方法並びにその成形用シ−トを用いた成形物
JP2003127141A (ja) * 2001-10-29 2003-05-08 Komatsu Ltd 廃プラスチックの分別処理装置とその分別処理方法
JP2009513380A (ja) * 2003-07-07 2009-04-02 シーヴィーピー クリーン ヴァリュー プラスティックス ゲームベーハー 繊維状材の製造法
JP2010241074A (ja) * 2009-04-09 2010-10-28 Tokuyama Corp 樹脂シートの回収方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5580511A (en) * 1978-12-14 1980-06-17 Ikeda Bussan Co Ltd Recovery of fiber from textile material having bonded fixed portion
JP4126340B2 (ja) * 2002-11-01 2008-07-30 株式会社タジマ タイルカーペットから塩化ビニル裏打ち層を分離回収する方法
JP4863252B2 (ja) * 2004-09-21 2012-01-25 株式会社タジマ 繊維形成層材料若しくはブロック状若しくは長尺状シート材料及びその利用方法
JP2009005897A (ja) * 2007-06-28 2009-01-15 Shigenka Kenkyusho:Kk カーペットの各構成材料を分離回収する方法及びその装置
JP5116057B2 (ja) * 2011-04-12 2013-01-09 学校法人明治大学 樹脂と繊維とを分離する方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08258042A (ja) * 1995-03-27 1996-10-08 Hokuetsu Paper Mills Ltd 成形用シ−ト及びその製造方法並びにその成形用シ−トを用いた成形物
JP2003127141A (ja) * 2001-10-29 2003-05-08 Komatsu Ltd 廃プラスチックの分別処理装置とその分別処理方法
JP2009513380A (ja) * 2003-07-07 2009-04-02 シーヴィーピー クリーン ヴァリュー プラスティックス ゲームベーハー 繊維状材の製造法
JP2010241074A (ja) * 2009-04-09 2010-10-28 Tokuyama Corp 樹脂シートの回収方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020106201A (ja) * 2018-12-27 2020-07-09 川崎重工業株式会社 複合処理施設
JP7256640B2 (ja) 2018-12-27 2023-04-12 川崎重工業株式会社 複合処理施設

Also Published As

Publication number Publication date
WO2015072337A1 (ja) 2015-05-21
JP2015116810A (ja) 2015-06-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4035980B2 (ja) タイルカーペットの樹脂材料分離方法
US5251827A (en) Process for separating fibres from composite materials
US11364661B2 (en) Processes and structures for recycling carpet and products of such processes
US11376606B2 (en) Advanced manufacturing system to recycle carpet
KR101036948B1 (ko) 폐플라스틱의 재활용 처리시스템 및 재활용 처리방법
WO2011147125A1 (zh) 废橡胶回收加工方法及其装置
JP5681317B1 (ja) 再生粉と再生繊維の製造方法
CN219377406U (zh) 一种风电叶片破碎分选线
CN1212638A (zh) 合理分类处理下脚料的方法和设备
CN204661892U (zh) 废旧纺织品切断及异物去除装置
CN101838864B (zh) 一种地毯表面纤维的回收方法及其生产流水线
CN211099406U (zh) 一种多功能废旧电池回收装置
JP2009050757A (ja) 粉体化装置、及び、処理システム
JP4341221B2 (ja) タイルカーペットおよびその製造方法
EP0633110A1 (en) Process for separating fibres from composite materials
US20180305869A1 (en) Processing device, sheet manufacturing apparatus, processing method, and sheet manufacturing method
JP4218109B2 (ja) 陰極線管のリサイクル方法とその装置
CN207825279U (zh) 一种塑料破碎机
JP5475904B2 (ja) 複合材の分離
CN213382448U (zh) 一种塑料型废料杂质分离装置
JP2007275852A (ja) 風力分離装置並びにそれを用いて廃製品から繊維質成分及び樹脂成分を分離回収する方法及び装置
JP2001062832A (ja) 基材層と繊維層を備える熱可塑性樹脂成形品の回収方法及び装置並びに前記方法により回収された熱可塑性樹脂より成るカーペット基材
CN209633542U (zh) 一种高安全性塑料粉碎机
CN217962868U (zh) 一种废电路板回收生产线
CN208066507U (zh) 一种粉碎机

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20141201

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20141217

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5681317

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees