JP5680476B2 - 構造物の振動及び寸法の非接触計測による測定方法及びその測定装置 - Google Patents

構造物の振動及び寸法の非接触計測による測定方法及びその測定装置 Download PDF

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Description

本発明は、振動測定による構造物の健全性の検査・診断分野における、構造物の振動及び寸法の非接触計測による測定方法及びその測定装置に関するものである。
従来、構造物の振動特性を利用してその健全性を調べる「振動測定による構造物検査技術」が実用化され鉄道分野等で用いられている。特に、高架橋、橋脚の健全度や、橋桁の動的たわみ、岩塊の安定性等の検査への適用が展開されている。
この検査方法では、人為的な加振(車両の走行,起振器加振,衝撃加振等)及び常時微動などを振動源とする測定対象構造物の振動を、その構造物に取り付けた振動計で測定し、その収録データから得られる振幅や卓越振動数等を指標として構造物の健全性を評価するようにしている。
しかしながら、この測定対象構造物の健全性の検査方法の実施にあたっては、構造物へのセンサの取付け位置が高所等である場合が多く、センサの取付け及び撤去作業が危険かつ時間を要するといった問題があった。
そこで、本発明者らは、測定対象構造物へのセンサの取付けなどを必要としない、測定対象構造物の振動の非接触計測方法及びその測定装置を開発した(下記特許文献1参照)。
図15は従来の構造物の非接触型振動計による測定装置の構成図であり、図15(a)はその全体構成図、図15(b)はそのシステムのブロック図である。
これらの図において、101は構造物の振動を非接触で検出する非接触型振動計であり、ここでは、非接触型振動計101としてはレーザードップラ速度計を用いる。102はこの非接触型振動計101に取り付けられる接触型振動計であり、この接触型振動計102としてはセンサの傾きの影響を受けないサーボ型速度計などを用いる。103は非接触型振動計101及び接触型振動計102が水準面となす角度を測定できる角度測定器、104は水準器付きベース105を支える支持装置であり、ここでは三脚を用いる。
一方、106は電源装置、107は非接触型振動計101と接触型振動計102と角度測定器103からの情報を取り込み、構造物の振動特性の非接触計測による測定を行う、データを記録・表示できるデータ処理・記録・表示装置であり、このデータ処理・記録・表示装置107は非接触型振動計101の信号を適切な電気信号に変換するための復調器108、非接触型振動計101と接触型振動計102からの信号を等しい感度特性に調整するためのバンドパスフィルタ109、アナログの電気信号をデジタル化するためのA/D変換器110、及び入力された情報(及び演算結果)を記録する記録装置111、必要な処理を演算装置112に指示するための入力装置113、記録装置111に入力された情報及び演算結果を表示する表示装置114とを具備する。
特許第4001806号公報
しかしながら、構造物等の振動特性からその健全性を評価する場合には、その構造物の寸法等に関わる情報が必要になる。
例えば、橋梁の橋脚や高架橋の柱の振動モードを推定する場合、測定箇所の位置(高さ)と得られた振幅とを関連付けて振動モード図を作成するため、非接触測定した測定点の高さを正確に取得する必要がある。
また、構造物の部分の健全性の評価にあたって、振動特性に対するスケール効果の考慮が不可欠となる場合がある。例えば、岩盤斜面中の不安定岩塊の安定性を評価する場合、安定度が同程度の岩塊であっても、スケールが大きくなるにつれて振幅は増大し、固有振動数は低下する傾向にある。このような場合、対象岩塊の概略寸法を取得して評価に用いなければならない。
このように非接触振動測定で構造物の健全性を検査・診断する際に測定対象の寸法や測定箇所の位置情報を取得する必要がある場合、現状では、非接触振動測定装置の他に、別途、測量装置を準備して測定対象構造物の寸法等を記録しなければならないといった問題があった。
一方、レーザー距離計の現状において、高性能なレーザー距離計を用いる場合、一つのセンサで測定対象の振動と寸法等の両方を測定できる可能性がある。
しかしながら、非接触センサを構造物等の検査に用いる場合、非接触センサと測定対象の間の距離は数10m以上となることが多い。また、振動測定のデータサンプリングは100Hz以上の比較的高速なサンプリングが要求される。ところが、現状では、上記のニーズを満たすことができるレーザー距離計の精度は0.1mm程度であり、振幅がより微小な常時微動等を正確に測定することはできない。
本発明は、上記状況に鑑みて、レーザードップラ速度計とレーザー距離計の2種類のセンサが一体となった機器構成で、構造物の振動と寸法を測定して健全性の検査を実施することができる、構造物の振動及び寸法の非接触計測による測定方法及びその測定装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕測定対象構造物の振動を計測するレーザードップラ速度計に前記測定対象構造物の寸法を計測するレーザー距離計を一体化させて、前記測定対象構造物の振動特性とともに前記測定対象構造物の寸法を計測し、ビームスプリッタにより前記レーザードップラ速度計の照射レーザー光軸と前記レーザー距離計からのレーザー光軸とを一致させ、この光軸を一致させたレーザーを望遠レンズを介して前記測定対象構造物に照射することを特徴とする構造物の振動及び寸法の非接触計測による測定方法であって、測定装置に更に搭載されるCCDカメラからのレーザー光軸と前記レーザードップラ速度計に入射するレーザー光軸とを一致させたことを特徴とする。
〕上記〔〕記載の構造物の振動及び寸法の非接触計測による測定方法において、前記レーザードップラ速度計からの振動データに振動計からの振動データを加えて、前記測定対象構造物自体の振動データを算出することを特徴とする。
〕構造物の振動及び寸法の非接触計測による測定装置において、測定対象構造物の振動を計測するレーザードップラ速度計と、このレーザードップラ速度計と一体化される前記測定対象構造物の寸法を計測するレーザー距離計とを備え、前記測定対象構造物の振動特性とともに前記測定対象構造物の寸法を計測することを特徴とする構造物の振動及び寸法の非接触計測による測定装置であって、更にCCDカメラを備え、このCCDカメラからのレーザー光軸と前記レーザードップラ速度計に入射するレーザー光軸とを一致させたことを特徴とする。
〕上記〔〕記載の構造物の振動及び寸法の非接触計測による測定装置において、前記レーザードップラ速度計の照射レーザー光軸と前記レーザー距離計からのレーザー光軸とを一致させるビームスプリッタと、このビームスプリッタにより光軸を一致させたレーザーを前記測定対象構造物へ照射する望遠レンズとを具備することを特徴とする。
〕上記〔〕記載の構造物の振動及び寸法の非接触計測による測定装置において、更に振動計を備え、前記レーザードップラ速度計からの振動データに前記振動計からの振動データを加えて、前記測定対象構造物自体の振動データを算出することを特徴とする。
〕上記〔〕記載の構造物の振動及び寸法の非接触計測による測定装置において、更に電子コンパスを備え、この電子コンパスによって計測される前記測定装置の鉛直角・方位角に基づいて前記測定装置で得られる振動データを補正することを特徴とする。
〕上記〔〕記載の構造物の振動及び寸法の非接触計測による測定装置において、前記測定対象構造物の任意の部位の振動と、この測定対象構造物に隣接した構造物の振動とを比較することにより、前記測定対象構造物の安定性の評価を行うことを特徴とする。
本発明によれば、測定対象構造物の振動データと寸法データを同一の測定装置により容易に、かつ精確に取得することができる。
また、測定装置本体の振動データを補正することによって、暗振動が比較的大きな屋外環境でも使用することができる。
さらに、測定対象構造物の常時微動などの微小な振動を精確に測定することができる。
また、測定対象構造物の寸法データを取得することによって、振動モードの推定やスケール効果の考慮を容易に行えるようになり、振動測定による構造物検査の高度化を図ることができる。
本発明の実施例を示す構造物の振動及び寸法の非接触計測による測定装置のセンサ部の構成図である。 本発明の実施例を示す構造物の振動及び寸法の非接触計測による測定装置の全体構成図である。 図1のセンサ部からの出力信号を収録するデータ収録部の構成図である。 本発明のセンサ部から出力された信号のデータ収録部における表示装置の画面(振動波形等出力・演算画面)の説明図である。 本発明のセンサ部から出力された信号のデータ収録部における表示装置の画面の例を示す図である。 本発明のセンサ部から出力された信号のデータ収録部における表示装置の画面(CCD、電子コンパス、レーザー距離計データ表示及び寸法等演算画面)の説明図である。 非接触振動測定による揺れの補正の説明図である。 角度の補正と測定対象構造物の振動方向の説明図である。 本発明による2次元平面で検討可能な場合の測定対象構造物の寸法の取得例を示す図である。 本発明による3次元平面で検討可能な場合の極座標(球面座標)から直交座標への変換による測定対象構造物の寸法の取得例を示す図である。 本発明に係る岩塊の安定性評価の模式図である。 本発明に係る岩塊の寸法の詳細を示す図である。 本発明に係る複数方向からの同期計測による測定対象構造物としての桁の動的たわみ測定の模式図である。 図13によるたわみ測定データを示す図である。 従来の構造物の非接触型振動計による測定装置の構成図である。
本発明の構造物の振動及び寸法の非接触計測による測定方法は、測定対象構造物の振動を計測するレーザードップラ速度計に前記測定対象構造物の寸法を計測するレーザー距離計を一体化させて、前記測定対象構造物の振動特性とともに前記測定対象構造物の寸法を計測し、ビームスプリッタにより前記レーザードップラ速度計の照射レーザー光軸と前記レーザー距離計からのレーザー光軸とを一致させ、この光軸を一致させたレーザーを望遠レンズを介して前記測定対象構造物に照射することを特徴とする構造物の振動及び寸法の非接触計測による測定方法であって、測定装置に更に搭載されるCCDカメラからのレーザー光軸と前記レーザードップラ速度計に入射するレーザー光軸とを一致させる
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は本発明の実施例を示す構造物の振動及び寸法の非接触計測による測定装置のセンサ部の構成図、図2はその測定装置の全体構成図、図3は図1のセンサ部からの出力信号を収録するデータ収録部の構成図である。
図1に示すように、測定装置1のレーザードップラ速度計(LDV)1Aは、レーザー管2、反射ミラー3A,3B,3C,3Dとビームスプリッタ3E,3F,3G,3H,3Iと望遠レンズ3Jなどからなる光学系ならびにLDV受光部4を備えている。さらに、測定装置1は、センサ制御部5(図2参照)、電源6、CCDカメラ(又はスコープ)7、スコープ7のビュー・ファインダー7A、レーザー距離計8などを備えている。なお、図1にはセンサ制御部5は省略されている。
LDV1Aは、測定対象構造物AにレーザーL1 を照射して、その反射レーザーL2 を受信し、その反射レーザーL2 のドップラシフトから測定対象構造物Aの速度(振動)を非接触で検出するセンサ部を構成している。
この測定装置1に搭載する振動計10は、図2に示すように、バンドパスフィルタ11を用いて測定対象構造物Aの振動周波数帯において、周波数応答特性・位相特性をLDV1Aとほぼ一致させ、振動の検出方向をレーザー光軸とほぼ一致させたものとする。
また、電子コンパス12は、センサ部(レーザー光軸)の水平面に対する鉛直角度θ及び方位角φを測定できるように構成されている。
CCDカメラ7は、測定対象構造物Aに対するレーザー照射位置を視認するために用いる。測定対象構造物Aの測定箇所がCCDカメラ7で視認可能であるようにしてセンサの向きを決定することにより、測定箇所にレーザーを照射できるよう、CCDカメラ7に入射するレーザーL5 の光軸はLDV1Aおよびレーザー距離計8のレーザー光軸と一致するように構成している。なお、CCDカメラ7の代わりにスコープ(一般的な望遠鏡)を用いるようにしても良い。
また、レーザー距離計8は、測定対象構造物AにレーザーL3 を照射してその反射レーザーL4 が戻ってくる時間(位相のずれ)によって測定対象構造物Aまでの距離を検出するセンサである。レーザー距離計8のレーザー光軸は、LDV1Aのレーザー光軸と一致するように構成している。つまり、レーザー距離計8からのレーザーL3 はビームスプリッタ3Iで反射されて、LDV1AのレーザーL1 の光軸と一致するように構成されている。これにより、振動計測と距離計測とを調整なしで容易に両立させることができ、精度の高い計測が可能となる。
また、CCDカメラ7に入射するレーザーL5 の光軸も、LDV1AのレーザーL1 と レーザー距離計8からのレーザーL3 とに一致させるように構成している。
図2に示すように、CCDカメラ7からの出力信号、LDV受光部4からの出力信号、バンドパスフィルタ11を介する振動計10からの出力信号、電子コンパス12からの出力信号、レーザー距離計8からの出力信号はそれぞれ、無線化装置21のA/D変換装置22に入力されて、バンドパスフィルタ23を介して無線通信装置24及び記録装置25に出力される。
このように、アナログ出力信号のA/D変換装置22、バンドパスフィルタ23、無線通信装置24、及び記録装置25からなる無線化装置21をセンサ部に付加して、デジタルデータを後述するデータ収納部に無線出力できるようにしている。ただし、無線化装置21に代えて、有線により各種データをデータ収録部に接続するように構成してもよい。なお、図示していないが、データ収録部側にはGPSを取り付けており、そのデータを用いて、時刻の更生(同期),位置情報の取得を行っている。
データ収録部31は、図3に示すように、CCDカメラ7からのCCD出力、LDV1AからのLDV出力、振動計10からの本体振動出力、電子コンパス12からの方位・鉛直角出力、レーザー距離計8からの距離出力がそれぞれ入力される無線通信装置32、この無線通信装置32に接続される記録装置33、演算装置34、入力装置35、及び表示装置36を備えている。
このデータ収録部31は、入力装置35からの制御情報の入力に従って、データの収録、演算、表示を行う機能を有し、また、CCDカメラ7の拡大倍率の設定やレーザー距離計8の動作設定に関わる制御信号をセンサ部に送信する機能を有するものである。
このように、図3に示すデータ収録部31は、図1に示すセンサ部からの無線デジタル信号を受信してデータの収録、演算、表示を行うとともに、センサ部制御信号をセンサ部に無線送信する機能を備えている。
図4は本発明のセンサ部から出力された信号のデータ収録部における表示装置の画面(振動波形等出力・演算画面)の説明図、図5はその表示装置の画面の例を示す図、図6はその表示装置の画面(CCD、電子コンパス、レーザー距離計データ表示及び寸法等演算画面)の説明図である。
図3に示した表示装置36には、図4又は図5に示すように、LDV出力(時系列波形)表示部36A、本体振動出力(時系列波形)表示部36B、補正後振動出力(時系列波形)表示部36C、上記波形のFFT表示部36D、表示データ設定部36E、GPS(時間、緯経度)表示部36F、方位角・迎角出力表示部36G、データ設定部(サンプリング、データ長)36H、収録制御部36Iが含まれている。
図3に示した表示装置36には、図6に示すように、CCD映像リアルタイム表示部41、CCD拡大倍率制御部42、CCD画像キャプチャ・作図部43、及び位置情報表示部44が含まれている。CCD映像リアルタイム表示部41は、これに表示される映像を見ながら測定箇所にレーザーを照射するためのものであり、CCD画像キャプチャ・作図部43では、CCDカメラで取得した静止画に測定点や寸法を記入して保存するものである。さらに、位置情報表示部44は、各測定点における距離、鉛直角、方位角、直交座標系をそれぞれ表示する。表示装置36は他に、2点間距離計算部45、多角形面積概算部46、立体体積概算部47を有する。
次に、本発明の非接触振動測定におけるデータ演算方法について説明する。
図7は非接触振動測定による揺れの補正の説明図、図8は角度の補正と測定対象構造物の振動方向の説明図である。
図7(a)に示すように、測定装置1は振動計(振動センサ)10と電子コンパス(角度センサ)12を備えており、振動計10を用いた補正により、センサ部自体に揺れが生じやすい屋外環境でのLDVの測定精度の向上を図るようにしている。つまり、図7(b)に示すように、LDV1Aによって計測された測定対象構造物Aの振動VL (t)に、測定装置1に搭載された振動計10によって計測された振動VS (t)を付加することにより、測定対象構造物A自体の振動V(t)を求めるようにしており、V(t)=〔VL (t)+VS (t)〕/cosθとなる。
一方、図8において、測定対象構造物Aの振動方向とLDVの照射レーザー光軸のなす角度がθのときは、検出される振幅VL (t)は、cosθ倍となる。したがって、cosθで割れば振幅を補正することができるので、V(t)=VL (t)/cosθとなる。
このように、振動が一方向に卓越する測定対象構造物を測定する場合であって、測定対象構造物の振動方向とLDVの照射レーザー光軸を一致させられない場合には、電子コンパス12のデータを用いて測定角度θによる振幅値の補正を行う。
ただし、本発明では、上記したように、電子コンパス12は、センサ部(レーザー光軸)の水平面に対する鉛直角度θ及び方位角φを測定できるように構成されているので、振動測定時の鉛直、水平の2方向の角度補正を行うことができるようになった。つまり、従来は、上記したように、〔VL (t)+VS (t)〕/cosθであったが、〔VL (t)+VS (t)〕/cosθ/cosφ(φは測定対象構造物の振動方向に対する方位角)とすることによって、振幅の推定精度を高めることができる。
次に、本発明における測定対象構造物の寸法データの取得例について説明する。
図9は本発明による2次元平面で検討可能な場合の測定対象構造物の寸法の取得例を示す図、図10は本発明による3次元平面で検討可能な場合の極座標(球面座標)から直交座標への変換による測定対象構造物の寸法の取得例を示す図である。
地平面に直立する橋脚、高架橋、建物など、2次元平面内での測量が可能な測定対象構造物Aの高さ方向の寸法を得る場合には、図9に示すように、測定点までの距離rと鉛直角θを用いた簡単な演算で寸法を取得することができる。
一方、3次元空間を考慮して測量を実施する必要がある場合には、以下のような手順で、センサ部の中心を原点とした直交座標系における各測定点の座標を決定し、その座標から、測定点間の距離、測定点で囲まれた領域の面積等を算出することができる。つまり、本発明の測定装置1では、測定点の位置は球面座標系の座標(距離r,鉛直角θ,方位角φ)で取得され、直交座標系を図10のように定義した場合、直交座標系上の座標(x,y,z)は下記式(1)によって算出される。
なお、直交座標では、z軸を鉛直方向とし、x軸(またはy軸)は、真北等の方位を設定するか、または構造物形状などを考慮して任意に設定すればよい。
上記のようにして、直交座標における各測定点の座標が決定すれば、測定点間の距離や測定点で囲まれた領域の面積は、一般的な手法で算出することができる。例えば、2つの測定点Pi (xi ,yi ,zi ),Pj (xj ,yj ,zj )間の距離Lijは、下記式(2)によって、3辺の長さがLa,Lb,Lcの三角形の面積Sは、下記式(3)によって算出することができる。
ij=√{(xj −xi 2 +(yj −yi 2 +(zj −zi 2 }…(2)
S=√{s(s−La)(s−Lb)(s−Lc)} …(3)
ここで、式(3)において、s=(La+Lb+Lc)/2とする。
以上、本発明によれば、測定対象構造物の振動データと寸法データを同時に取得することができる。
また、センサ本体の揺れの補正によって、暗振動が比較的大きい屋外環境でも使用することができ、構造物の常時微動などの微小な振動を測定できる。
さらに、寸法データの取得機能によって、振動モードの推定やスケール効果の考慮などを容易に行えるようになり、振動測定による構造物検査を高度化することができる。
図11は本発明に係る岩塊の安定性評価の模式図、図12はその岩塊の寸法の詳細を示す図である。
ここでは、鉄道の軌道51の側面に切り立った岩盤斜面52が存在するような場合に、対象岩塊53の安定性評価を行う例について説明する。
まず、対象岩塊53の輪郭を把握するために、対象岩塊53の各部位53A〜53Gまでの距離を本発明の測定装置54のレーザー距離計により求める。次いで、本発明の測定装置54のLDVにより、対象岩塊53の中央部位53Hの振動を求める。なお、55はデータ収納部である。
次いで、同様に測定装置54のLDVにより、各部位53A〜53Gの位置よりも外側に位置する別の任意の岩塊の振動を求める。そこで、対象岩塊53の振動データとその対象岩塊53の外側に位置する別の岩塊の振動データを比較して、対象岩塊53の安定性評価を行う。例えば、対象岩塊53の振動データの大きさが対象岩塊53の外側に位置する別の岩塊の振動データよりも大きく、その差が所定値(閾値)を超えるような場合には対象岩塊53の安定性が低いと考えられるので、その安定性を高める補修工事を行う必要が生じることになる。
このように、本発明によれば、測定対象の振動データを得るとともに、測定対象の寸法データを得ることができるので、測定対象の安定性評価を容易に確実に実施することができる。その場合に、測定対象の振動データを得るLDVの照射レーザー光軸と測定対象の寸法データを得るときの光軸は、図1で示したように、何ら調整することなく、自動的に一致させることができるので、容易に正確な計測を実施することができる。また、CCDからのレーザーの光軸も測定対象の振動データを得るLDVの照射レーザー光軸と測定対象の寸法データを得る光軸と一致させることができ、より精度の高い計測を容易に実施することができる。
次に、複数方向からの同期計測による測定対象構造物のたわみの測定例について説明する。
図13は本発明に係る複数方向からの同期計測による測定対象構造物としての桁の動的たわみ測定の模式図、図14はそのたわみ測定データを示す図である。
図13に示すように、橋桁61の動的たわみ測定を、桁直下又は斜め下方に配置した測定装置62,64を用いて行うような場合、測定装置62,64からの測定データを無線化装置63,65により1台のデータ収録部66に送信して計測を行うことができる。つまり、センサ部から得られた計測データは、無線化装置63,65を介してデータを統括するデータ収録部66にて収録することができる。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
本発明の構造物の振動及び寸法の非接触計測による測定方法は、測定対象構造物の振動データと寸法のデータを、同一の測定装置により容易にかつ精確に取得することができる構造物の健全性の検査手法として利用可能である。
1,54,62,64 測定装置
1A レーザードップラ速度計(LDV)
2 レーザー管
3A,3B,3C,3D 反射ミラー
3E,3F,3G,3H,3I ビームスプリッタ
3J 望遠レンズ
4 LDV受光部
5 センサ制御部
6 電源
7 CCDカメラ(スコープ)
7A スコープのビュー・ファインダー
8 レーザー距離計
10 振動計
11,23 バンドパスフィルタ
12 電子コンパス
21,63,65 無線化装置
22 A/D変換装置
24,32 無線通信装置
25,33 記録装置
31,55,66 データ収録部
34 演算装置
35 入力装置
36 表示装置
36A LDV出力(時系列波形)表示部
36B 本体振動出力(時系列波形)表示部
36C 補正後振動出力(時系列波形)表示部
36D 波形のFFT表示部
36E 表示データ設定部
36F GPS(時間,経緯度)表示部
36G 方位角・迎角出力表示部
36H データ設定部(サンプリング,データ長)
36I 収録制御部
41 CCD映像リアルタイム表示部
42 CCD拡大倍率制御部
43 CCD画像キャプチャ・作図部
44 位置情報表示部
45 2点間距離計算部
46 多角形面積概算部
47 立体体積概算部
51 鉄道の軌道
52 岩盤斜面
53 対象岩塊
53A〜53G 対象岩塊の各部位
53H 対象岩塊の中央部位
61 橋桁
A 測定対象構造物

Claims (7)

  1. 測定対象構造物の振動を計測するレーザードップラ速度計に前記測定対象構造物の寸法を計測するレーザー距離計を一体化させて、前記測定対象構造物の振動特性とともに前記測定対象構造物の寸法を計測し、ビームスプリッタにより前記レーザードップラ速度計の照射レーザー光軸と前記レーザー距離計からのレーザー光軸とを一致させ、該光軸を一致させたレーザーを望遠レンズを介して前記測定対象構造物に照射することを特徴とする構造物の振動及び寸法の非接触計測による測定方法であって、測定装置に更に搭載されるCCDカメラからのレーザー光軸と前記レーザードップラ速度計に入射するレーザー光軸とを一致させたことを特徴とする構造物の振動及び寸法の非接触計測による測定方法。
  2. 請求項記載の構造物の振動及び寸法の非接触計測による測定方法において、前記レーザードップラ速度計からの振動データに振動計からの振動データを加えて、前記測定対象構造物自体の振動データを算出することを特徴とする構造物の振動及び寸法の非接触計測による測定方法。
  3. 構造物の振動及び寸法の非接触計測による測定装置において、測定対象構造物の振動を計測するレーザードップラ速度計と、該レーザードップラ速度計と一体化される前記測定対象構造物の寸法を計測するレーザー距離計とを備え、前記測定対象構造物の振動特性とともに前記測定対象構造物の寸法を計測することを特徴とする構造物の振動及び寸法の非接触計測による測定装置であって、更にCCDカメラを備え、該CCDカメラからのレーザー光軸と前記レーザードップラ速度計に入射するレーザー光軸とを一致させたことを特徴とする構造物の振動及び寸法の非接触計測による測定装置。
  4. 請求項記載の構造物の振動及び寸法の非接触計測による測定装置において、前記レーザードップラ速度計の照射レーザー光軸と前記レーザー距離計からのレーザー光軸とを一致させるビームスプリッタと、該ビームスプリッタにより光軸を一致させたレーザーを前記測定対象構造物へ照射する望遠レンズとを具備することを特徴とする構造物の振動及び寸法の非接触計測による測定装置。
  5. 請求項記載の構造物の振動及び寸法の非接触計測による測定装置において、更に振動計を備え、前記レーザードップラ速度計からの振動データに前記振動計からの振動データを加えて、前記測定対象構造物自体の振動データを算出することを特徴とする構造物の振動及び寸法の非接触計測による測定装置。
  6. 請求項記載の構造物の振動及び寸法の非接触計測による測定装置において、更に電子コンパスを備え、該電子コンパスによって計測される前記測定装置の鉛直角・方位角に基づいて前記測定装置で得られる振動データを補正することを特徴とする構造物の振動及び寸法の非接触計測による測定装置。
  7. 請求項記載の構造物の振動及び寸法の非接触計測による測定装置において、前記測定対象構造物の任意の部位の振動と、該測定対象構造物に隣接した構造物の振動とを比較することにより、前記測定対象構造物の安定性の評価を行うことを特徴とする構造物の振動及び寸法の非接触計測による測定装置。
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