JP5680365B2 - ターボ回転機械のロータ相対変位量計測装置及びロータ相対変位量計測方法、並びにターボ回転機械 - Google Patents
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Description
さらに、運転中のターボ回転機械は、ロータの芯ぶれ(偏心)が生じることがあり、車室内における回転部材と静止部材との径方向における間隙は、ロータの偏心(芯ぶれ)の影響を受ける。
例えば、特許文献1には、蒸気タービンのロータと車室との伸び差量およびロータの偏心量を車室外(軸受の周辺)で計測する手法が記載されている。具体的には、高中圧タービンについては、車室外の軸受周辺に設けられた伸び差計及び偏心計によって伸び差量及び偏心量を常時監視する一方で、低圧タービンについては、車室外の軸受周辺に設けられた伸び差計によって伸び差量を計測するとともに、この伸び差計の検出信号から偏心量を算出するようになっている。
また、本明細書において、「アブレイダブル材」とは、前記ロータの突起に接触させたときに容易に傷が付く快削性を備えた材料であり、例えば金属材、樹脂材、金属と樹脂との混合材などで構成することができる。
なお、移動手段40は、図1(a)に示す例に限られず、油圧シリンダ等の任意のアクチュエータで構成してもよい。
これにより、ターボ回転機械の車室4内に計測棒20を挿入して、ロータ2に設けられた突起10にアブレイダブル材22を接触させてアブレイダブル材22に形成した傷から、車室4内における実際のロータ挙動を直接的に把握することができる。
次に、上記構成のロータ挙動計測装置1を用いて車室4内におけるロータ2の挙動を計測する方法の一例について説明する。図3は、本実施形態に係るロータ挙動の計測方法の手順を示す図である。
次に、第2実施形態のロータ挙動計測方法について説明する。本実施形態では、以下で説明するように、ロータ周方向に沿って設けた複数の計測棒20を用いて、ターボ回転機械の運転開始から定格運転状態に達するまでの期間におけるロータ挙動の経時変化を計測する。
第1実施形態及び第2実施形態によれば、ターボ回転機械の車室4内に計測棒20を挿入し、計測棒20の先端側に設けられたアブレイダブル材22をロータ2に設けられた突起10に接触させて形成した計測用傷26を利用してロータ挙動を計測するので、車室4内における実際のロータ挙動を直接的に把握することができる。
しかし、これらの手法以外にも、突起10の形状の工夫により、ロータ2と車室4との伸び差方向を求めることも可能である。
これにより、車室4の外部に伸び差計を設けていない場合であっても、単一の計測棒20を用いてロータ2と車室4との伸び差方向を求めることも可能である。
また、基準傷24に比べて計測傷26を深く形成するように計測棒20の移動量を調節すれば、仮に計測用傷26の形成工程でロータ2のロータ半径方向における変位が起こったとしても、計測傷26は予想を超えて深く形成されるだけであって、基準傷24と計測傷26との傷の深さの大小関係が逆転することはない。よって、基準傷24に比べて計測傷26を確実に深く形成できるので、両者の区別を誤ることを防止できる。
これにより、車室4の外部に伸び差計を設けていない場合であっても、単一の計測棒20を用いてロータ2と車室4との伸び差方向を求めることも可能である。
また、基準傷24に比べて計測傷26を深く形成するように計測棒20の移動量を調節すれば、仮に計測用傷26の形成工程でロータ2のロータ半径方向における変位が起こったとしても、計測傷26は予想を超えて深く形成されるだけであって、基準傷24と計測傷26との傷の深さの大小関係が逆転することはない。よって、基準傷24に比べて計測傷26を確実に深く形成できるので、両者の区別を誤ることを防止できる。
2 ロータ
4 車室
6 ダミーリング
8 ダミーシール
10 突起
10A 突起
10B 突起
20 計測棒
20A 先端部
20B 本体部
22 アブレイダブル材
24 基準傷
26 計測用傷
30 スリーブ
32 フランジ部
34 締結部材
36A 第1シール部材
36B 第2シール部材
40 移動手段
42 雄ねじ部
44 送り部材
46 ハンドル
50 移動量測定手段
52 測定子
54 ダイヤルゲージ
Claims (14)
- ターボ回転機械の車室内におけるロータと車室の相対変位量を計測するロータ相対変位量計測装置であって、
前記車室内の前記ロータの外周面に設けられた突起と、
前記車室を貫通し前記突起方向に進退して前記突起と接触可能に取り付けられる計測棒とを備え、
前記計測棒の前記突起との接触側には、前記突起により切削されるアブレイダブル材が設けられており、
前記アブレイダブル材は、前記ターボ回転機械の少なくとも1つの運転状態における前記相対変位量の計測に用いられる少なくとも1つの切削傷が個々に形成されるものである
ことを特徴とするロータ相対変位量計測装置。 - 前記車室に固定され、前記計測棒が挿通されるスリーブと、
前記計測棒と前記スリーブとの間を密封する第1シール部材と、
前記スリーブと前記車室との間を密封する第2シール部材とをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のロータ相対変位量計測装置。 - 前記車室に先端側が挿入された前記計測棒をその軸方向に進退させて、前記計測棒のアブレイダブル材と前記ロータの突起との距離を調節する移動手段と、
前記移動手段による前記計測棒の移動量を測定する移動量測定手段とをさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のロータ相対変位量計測装置。 - 前記突起及びこれに対応する前記計測棒が、前記ロータの軸方向に沿って複数セット設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のロータ相対変位量計測装置。
- 複数の前記計測棒が前記ロータの周方向に沿って設けられたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のロータ相対変位量計測装置。
- 前記突起は、ロータ軸方向に略直交する方向に沿って前記ロータの外周面上に設けられ、環状に連続するフィンであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のロータ相対変位量計測装置。
- 前記計測棒は、前記アブレイダブル材が設けられた先端側が交換可能に構成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のロータ相対変位量計測装置。
- 車室と、前記車室内に収納されるロータと、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のロータ相対変位量計測装置とを備えることを特徴とするターボ回転機械。
- ターボ回転機械の車室内におけるロータと車室の相対変位量を計測するロータ相対変位量計測方法であって、
先端側にアブレイダブル材を有する計測棒を車室内に挿入し、
前記ターボ回転機械の運転中に、前記ロータに形成された突起に向けて前記計測棒を移動させて前記アブレイダブル材を前記突起に接触させ、これにより前記アブレイダブル材に前記突起による切削傷を付け、
前記相対変位量がないと仮定した場合におけるロータ軸方向位置又は切削深さと前記切削傷のロータ軸方向位置又は切削深さとを比較し、
前記比較結果に基づいて車室内におけるロータと車室の相対変位量を計測する
ことを特徴とするロータ相対変位量計測方法。 - ターボ回転機械の車室内におけるロータと車室の相対変位量を計測するロータ相対変位量計測方法であって、
先端側にアブレイダブル材を有する計測棒を車室内に挿入し、
前記ターボ回転機械の常温下の一の運転状態において、前記ロータに形成された突起に向けて前記計測棒を移動させて前記アブレイダブル材を前記突起に接触させ、これにより前記アブレイダブル材に前記突起による切削傷を付け、
前記ターボ回転機械の他の運転状態において、前記ロータに形成された突起に向けて前記計測棒を移動させて前記突起に前記アブレイダブル材を接触させ、これにより前記アブレイダブル材に前記突起による切削傷を付け、
前記一の運転状態における前記切削傷と前記他の運転状態における前記切削傷とのロータ軸方向位置の差から、前記車室内におけるロータの車室に対する前記相対変位量を計測する
ことを特徴とするロータ相対変位量計測方法。 - ターボ回転機械の車室内におけるロータと車室の相対変位量を計測するロータ相対変位量計測方法であって、
先端側にアブレイダブル材を有する計測棒を車室内に挿入し、
前記ターボ回転機械の一の運転状態において、前記ロータに形成された突起に向けて前記計測棒を移動させて前記アブレイダブル材を前記突起に接触させ、これにより前記アブレイダブル材に前記突起による切削傷を付け、
前記ターボ回転機械の他の運転状態において、前記ロータに形成された突起に向けて前記計測棒を移動させて前記突起に前記アブレイダブル材を接触させ、これにより前記アブレイダブル材に前記突起による切削傷を付け、
前記一の運転状態における前記切削傷と前記他の運転状態における前記切削傷との間でロータ軸方向位置又は切削深さを比較し、
前記比較結果に基づいて前記車室内におけるロータと車室の相対変位量を計測することを特徴とするロータ相対変位量計測方法。 - 複数の前記計測棒を前記ロータの周方向に沿って設け、
前記切削傷を付けるステップでは、前記ターボ回転機械の運転開始から定格運転状態に達するまでの期間において、前記ロータの突起に向けて前記複数の計測棒を順に移動させて、該複数の計測棒のアブレイダブル材にタイミングをずらして前記切削傷を形成し、
前記相対変位量計測ステップでは、前記複数の計測棒のアブレイダブル材にタイミングをずらして形成された前記切削傷を比較して、前記期間におけるロータ相対変位量の経時変化を求めることを特徴とする請求項9乃至11のいずれか一項に記載のロータ相対変位量計測方法。 - 前記ターボ回転機械は蒸気タービンであり、
前記相対変位量計測ステップの前に、前記車室内の真空状態を破壊し、前記計測棒を前記車室から引き抜く計測棒引抜ステップをさらに備えることを特徴とする請求項9乃至12のいずれか一項に記載のロータ相対変位量計測方法。 - 前記他の運転状態において切削傷を付けるステップでは、前記ターボ回転機械が回転数3000rpm又は3600rpmの定格運転中において、前記アブレイダブル材に前記切削傷を付け、
前記一の運転状態において切削傷を付けるステップでは、前記ターボ回転機械が回転数1〜5rpmの常温状態において、前記アブレイダブル材に前記切削傷を付けることを特徴とする請求項10に記載のロータ相対変位量計測方法。
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FR2811422B1 (fr) * | 2000-07-06 | 2002-08-30 | Snecma Moteurs | Capteur de mesure de jeux par abrasion multiprofondeur |
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