JP2012087655A - ターボ回転機械のロータ挙動計測装置及びロータ挙動計測方法、並びにターボ回転機械 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ロータ挙動計測装置1は、車室4内のロータ2の外周面に設けられた突起10と、車室4を貫通して取り付けられ、車室4内に挿入される先端側にアブレイダブル材22を有する計測棒20とを備える。計測棒20のアブレイダブル材22は、少なくともロータ挙動の計測時にロータ2の突起10に接触するように構成されている。突起10によってアブレイダブル材22に形成された傷に基づいて、ターボ回転機械の車室4内におけるロータ2の挙動が計測される。
【選択図】 図1
Description
さらに、運転中のターボ回転機械は、ロータの芯ぶれ(偏心)が生じることがあり、車室内における回転部材と静止部材との径方向における間隙は、ロータの偏心(芯ぶれ)の影響を受ける。
例えば、特許文献1には、蒸気タービンのロータと車室との伸び差量およびロータの偏心量を車室外(軸受の周辺)で計測する手法が記載されている。具体的には、高中圧タービンについては、車室外の軸受周辺に設けられた伸び差計及び偏心計によって伸び差量及び偏心量を常時監視する一方で、低圧タービンについては、車室外の軸受周辺に設けられた伸び差計によって伸び差量を計測するとともに、この伸び差計の検出信号から偏心量を算出するようになっている。
また、本明細書において、「アブレイダブル材」とは、前記ロータの突起に接触させたときに容易に傷が付く快削性を備えた材料であり、例えば金属材、樹脂材、金属と樹脂との混合材などで構成することができる。
なお、移動手段40は、図1(a)に示す例に限られず、油圧シリンダ等の任意のアクチュエータで構成してもよい。
これにより、ターボ回転機械の車室4内に計測棒20を挿入して、ロータ2に設けられた突起10にアブレイダブル材22を接触させてアブレイダブル材22に形成した傷から、車室4内における実際のロータ挙動を直接的に把握することができる。
次に、上記構成のロータ挙動計測装置1を用いて車室4内におけるロータ2の挙動を計測する方法の一例について説明する。図3は、本実施形態に係るロータ挙動の計測方法の手順を示す図である。
次に、第2実施形態のロータ挙動計測方法について説明する。本実施形態では、以下で説明するように、ロータ周方向に沿って設けた複数の計測棒20を用いて、ターボ回転機械の運転開始から定格運転状態に達するまでの期間におけるロータ挙動の経時変化を計測する。
第1実施形態及び第2実施形態によれば、ターボ回転機械の車室4内に計測棒20を挿入し、計測棒20の先端側に設けられたアブレイダブル材22をロータ2に設けられた突起10に接触させて形成した計測用傷26を利用してロータ挙動を計測するので、車室4内における実際のロータ挙動を直接的に把握することができる。
しかし、これらの手法以外にも、突起10の形状の工夫により、ロータ2と車室4との伸び差方向を求めることも可能である。
これにより、車室4の外部に伸び差計を設けていない場合であっても、単一の計測棒20を用いてロータ2と車室4との伸び差方向を求めることも可能である。
また、基準傷24に比べて計測傷26を深く形成するように計測棒20の移動量を調節すれば、仮に計測用傷26の形成工程でロータ2のロータ半径方向における変位が起こったとしても、計測傷26は予想を超えて深く形成されるだけであって、基準傷24と計測傷26との傷の深さの大小関係が逆転することはない。よって、基準傷24に比べて計測傷26を確実に深く形成できるので、両者の区別を誤ることを防止できる。
これにより、車室4の外部に伸び差計を設けていない場合であっても、単一の計測棒20を用いてロータ2と車室4との伸び差方向を求めることも可能である。
また、基準傷24に比べて計測傷26を深く形成するように計測棒20の移動量を調節すれば、仮に計測用傷26の形成工程でロータ2のロータ半径方向における変位が起こったとしても、計測傷26は予想を超えて深く形成されるだけであって、基準傷24と計測傷26との傷の深さの大小関係が逆転することはない。よって、基準傷24に比べて計測傷26を確実に深く形成できるので、両者の区別を誤ることを防止できる。
2 ロータ
4 車室
6 ダミーリング
8 ダミーシール
10 突起
10A 突起
10B 突起
20 計測棒
20A 先端部
20B 本体部
22 アブレイダブル材
24 基準傷
26 計測用傷
30 スリーブ
32 フランジ部
34 締結部材
36A 第1シール部材
36B 第2シール部材
40 移動手段
42 雄ねじ部
44 送り部材
46 ハンドル
50 移動量測定手段
52 測定子
54 ダイヤルゲージ
Claims (14)
- ターボ回転機械の車室内におけるロータの挙動を計測するためのロータ挙動計測装置であって、
前記車室内の前記ロータの外周面に設けられた突起と、
前記車室を貫通して取り付けられ、前記車室内に挿入される先端側にアブレイダブル材を有する計測棒とを備え、
少なくともロータ挙動の計測時に、前記計測棒のアブレイダブル材が前記ロータの突起に接触するように構成されたことを特徴とするロータ挙動計測装置。 - 前記車室に固定され、前記計測棒が挿通されるスリーブと、
前記計測棒と前記スリーブとの間を密封する第1シール部材と、
前記スリーブと前記車室との間を密封する第2シール部材とをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のロータ挙動計測装置。 - 前記車室に先端側が挿入された前記計測棒をその軸方向に進退させて、前記計測棒のアブレイダブル材と前記ロータの突起との距離を調節する移動手段と、
前記移動手段による前記計測棒の移動量を測定する移動量測定手段とをさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のロータ挙動計測装置。 - 前記突起及びこれに対応する前記計測棒が、前記ロータの軸方向に沿って複数セット設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のロータ挙動計測装置。
- 複数の前記計測棒が前記ロータの周方向に沿って設けられたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のロータ挙動計測装置。
- 前記突起は、ロータ軸方向に略直交する方向に沿って前記ロータの外周面上に設けられ、環状に連続するフィンであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のロータ挙動計測装置。
- 前記計測棒は、前記アブレイダブル材が設けられた先端側が交換可能に構成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のロータ挙動計測装置。
- 車室と、前記車室内に収納されるロータと、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のロータ挙動計測装置とを備えることを特徴とするターボ回転機械。
- ターボ回転機械の車室内におけるロータの挙動を計測するロータ挙動計測方法であって、
先端側にアブレイダブル材を有する計測棒を車室内に挿入し、前記ターボ回転機械の運転中に、ロータに形成された突起に前記アブレイダブル材を接触させて、該アブレイダブル材に前記突起による計測用傷を付ける計測用傷形成ステップと、
前記計測用傷のロータ軸方向位置および深さの少なくとも一方に基づいて、車室内におけるロータの挙動を計測する挙動計測ステップとを備えることを特徴とするロータ挙動計測方法。 - 常温条件下において、前記ロータの前記突起に前記アブレイダブル材を接触させて、該アブレイダブル材に前記突起による基準傷を付ける基準傷形成ステップをさらに備え、
前記挙動計測ステップでは、前記計測用傷と前記基準傷とのロータ軸方向位置の差から、前記車室内におけるロータの車室に対する伸び差を求めることを特徴とする請求項9に記載のロータ挙動計測方法。 - 前記挙動計測ステップでは、前記計測用傷の深さから、前記車室内におけるロータの芯振れ量を求めることを特徴とする請求項9又は10に記載のロータ挙動計測方法。
- 複数の前記計測棒を前記ロータの周方向に沿って設け、
前記計測用傷形成ステップでは、前記ターボ回転機械の運転開始から定格運転状態に達するまでの期間において、前記ロータの突起に向けて前記複数の計測棒を順に移動させて、該複数の計測棒のアブレイダブル材にタイミングをずらして前記計測用傷を形成し、
前記挙動計測ステップでは、前記複数の計測棒のアブレイダブル材にタイミングをずらして形成された前記計測用傷を比較して、前記期間におけるロータ挙動の経時変化を求めることを特徴とする請求項9乃至11のいずれか一項に記載のロータ挙動計測方法。 - 前記ターボ回転機械は蒸気タービンであり、
前記挙動計測ステップの前に、前記車室内の真空状態を破壊し、前記計測棒を前記車室から引き抜く計測棒引抜ステップをさらに備えることを特徴とする請求項9乃至12のいずれか一項に記載のロータ挙動計測方法。 - 前記計測用傷形成ステップでは、前記ターボ回転機械が回転数3000rpm又は3600rpmの定格運転中において、前記アブレイダブル材に前記計測用傷を付け、
前記基準傷形成ステップでは、前記ターボ回転機械が回転数1〜5rpmの常温状態において、前記アブレイダブル材に前記基準傷を付けることを特徴とする請求項10に記載のロータ挙動計測方法。
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