JP5680065B2 - 抗脳腫瘍薬剤 - Google Patents

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Description

本発明は、抗脳腫瘍薬剤に関する。
薬剤は生体に投与された後、患部に到達し、その患部において薬理効果を発揮することで治療効果を発揮する。一方、薬剤が患部以外の組織(つまり正常組織)に到達しても治療にはならないばかりか、副作用の原因となる。
したがって、いかにして効率的に患部に薬剤を誘導するかが治療戦略上重要となる。このように薬剤を患部に誘導する技術はドラッグ・デリバリと呼ばれ、近年研究開発が盛んに行なわれている。このドラッグ・デリバリには少なくとも二つのメリットがある。
一つは患部組織において十分に高い薬剤濃度が得られることである。薬理効果は患部における薬剤濃度が一定以上でないと現れず、低い濃度では治療効果が望めないからである。二つ目は薬剤を患部組織のみに誘導して、不必要に正常組織に誘導させないことである。これにより副作用を抑制することができる。
このようなドラッグ・デリバリが最も効果を発揮するのが抗がん剤によるがん治療である。抗がん剤は細胞分裂の活発ながん細胞の細胞増殖を抑制するものが大半であるため、正常組織においても細胞分裂の活発な組織、例えば骨髄あるいは毛根、消化管粘膜などの細胞増殖を抑制してしまう。
このため抗がん剤の投与を受けたがん患者には貧血、抜け毛、嘔吐などの副作用が発生する。これら副作用は患者にとって大きな負担となるため投薬量を制限しなければならず、抗がん剤の薬理効果を十分に得ることができないという問題がある。
そこで、ドラッグ・デリバリによって抗がん剤をがん細胞まで誘導し、がん細胞に集中して薬理効果を発揮させることによって、副作用を抑えつつ効果的にがん治療を行うことができると期待されている。
このような抗がん剤として、本出願人は、鉄サレン錯体を提案した。この鉄サレン錯体は、自身で磁性を有するため、外部磁場によって、磁性のキャリアを用いることなく、目的の患部組織に誘導することができる。(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−173631号公報
本発明者が鋭意検討したところ、既述の鉄サレン錯体は、脳血液関門を通過できず、脳腫瘍に対する適用性が十分ではないという問題があった。
そこで、本発明は、脳腫瘍に対して有効な金属サレン錯体を提供することを目的とするものである。
本発明者が鋭意検討したところ、3価の金属原子に陰イオンを構成する官能基が結合している金属サレン錯体化合物が、磁性を維持しつつ、脳血液関門を通過でき得る特性を有することを見出し、脳腫瘍が発生している患部に外部磁場を適用することにより、血管から脳腫瘍に金属サレン化合物を選択的に誘導することができるとの知見を得た。この種の陰イオンを構成する官能基としては、ハロゲン原子、水酸基、アミド基、カルボキシル基があるが、好ましくは、ハロゲン原子、特に塩素原子である。
具体的には、例えば、下記化学式(I)で示される金属サレン錯体化合物、薬理学的に許容される誘導体、及び/又は薬理学的に許容される塩を含む、抗脳腫瘍薬剤であることを特徴とするものである。
化学式(I)
式(I)中、Mは、Fe(鉄)、Cr(クロム)、Mn(マンガン)、Co(コバルト)、Ni(ニッケル)、Mo(モリブデン)、Ru(ルビジウム)、Rh(ロジウム)、Pd(パラジウム)、W(タングステン)、Re(レニウム)、Os(オスミウム)、Ir(イリジウム)、Pt(白金)、Nd(ニオブ)、Sm(サマリウム)、Eu(ユウロピウム)、又は、Gd(ガドリニウム)であり、a〜jの少なくとも一つは金属サレン錯体の効果を維持する置換基であり、残りは水素であり、Xはハロゲン原子である。このような置換基は、例えば、WO2010/058280に記載されている。好適な金属サレン錯体化合物は、Mが鉄原子であり、Xが塩素原子であり、a〜jが全て水素原子である。
以上説明したように、本発明によれば脳腫瘍に対して治療効果を有する金属サレン錯体化合物を提供することができる。
ラットL6細胞の培地がある角型フラスコに棒磁石を接触させた状態の側面図(模式図)である。 48時間後角型フラスコ底面の一端から他端までを撮影し、細胞数を算出した結果を示すグラフである。 磁気誘導装置の一例を示す斜視図である。 金属サレン錯体化合物の磁気特性を示すグラフである。 鉄サレン錯体化合物の第1の構造を示す分子モデルである。 鉄サレン錯体化合物の第2の構造を示す分子モデルである。
<鉄サレン錯体(化学式I)の合成>
Step 1:
4−ニトロフェノール(4-nitrophenol;化合物1(compound 1));25g、0.18mol、ヘキサメチレンテトラミン(hexamethylene tetramine);25g、0.18mol、ポリリン酸(polyphosphoric acid);200mlの混合物を100℃で1時間攪拌した。その後、その混合物を500ml酢酸エチルと1L(リットル)の水の中に入れ、完全に溶解するまで攪拌した。さらにその溶液に400mlの酢酸エチルを追加で加えたところ、その溶液は2つの相に分離した。次に、この2つの相に分離した溶液から水の相を取り除き、残りの化合物を塩性溶剤で2回洗浄し、無水MgSO(硫酸マグネシウム)で乾燥させた結果、化合物2(compound 2)が17g(収率57%)合成できた。
Step 2:
化合物2(compound 2);17g、0.10mol、無水酢酸(acetic anhydride);200ml、HSO;少々、を室温で1時間攪拌させた。得られた溶液は、氷水;2Lの中に0.5時間混ぜ、加水分解を行った。得られた溶液をフィルターにかけ、大気中で乾燥させたところ白い粉末状のものが得られた。酢酸エチルを含む溶液を使ってその粉末を再結晶化させたところ、化合物3(compound 3)の白い結晶を24g(収率76%)得ることができた。
Step 3:
化合物3(compound 3);24g、77molと、メタノール;500mlに10%のパラジウムを担持したカーボン;2.4gの混合物を一晩、1.5気圧の水素還元雰囲気で還元した。終了後、フィルターでろ過したところ茶色油状の化合物4(compound 4)が21g合成できた。

Step 4, 5:
無水ジクロメタン(DCM);200mlに化合物4(compound 4);21g、75mmol、二炭酸ジ-tert-ブチル(di(tert-butyl) dicarbonate);18g、82mmolを窒素雰囲気で一晩攪拌した。得られた溶液(化合物5(compound 5))を真空中で蒸発させた後、メタノール;100mlで溶解させた。その後、水酸化ナトリウム;15g、374mmolと水50mlを加え、5時間還流させた。その後冷却し、フィルターでろ過し、水で洗浄後、真空中て乾燥させたところ茶色化合物がえられた。得られた化合物は、シリカジェルを使ったフラッシュクロマトグラフィーを2回行うことで、10g(収率58%)の化合物6(compound 6)が得られた。
Step 6:
無水エタノール;400mlの中に化合物6(compound 6);10g、42mmolを入れ、加熱しながら還流させ、無水エタノール;20mlにエチレンジアミン;1.3g、21mmolを0.5時間攪拌しながら数滴加えた。そして、その混合溶液を氷の容器に入れて冷却し15分間かき混ぜた。その後、エタノール;200mlで洗浄し、フィルターをかけ、真空で乾燥させたところ化合物7(compound 7)が8.5g(収率82%)で合成できた。
Step 7:
N,N−ジメチルホルムアミド(N,N-dimethylformamide, 略称DMF);50mlの中に化合物7(compound 7);8.2g、16mmol、トリエチルアミン(triethylamine);22ml、160mmolを入れ、メタノール;10mlの中にFeCl・4HO(塩化鉄(III)水溶液);2.7g、16mmolを加えた溶液を窒素雰囲気下で混合した。室温窒素雰囲気で30分、40℃で混合したところ茶色の化合物が得られた。
その後、この化合物を真空中で乾燥させた。得られた化合物をジクロロメタン;400mlで希釈し、塩性溶液で2回洗浄し、NaSO(硫酸ナトリウム)で乾燥させ、真空中で乾燥させたところ鉄サレン錯体が得られた。得られた化合物をジエチルエーテルとパラフィンの溶液中で再結晶させ、高速液化クロマトグラフィーで測定したところ、純度95%以上の鉄サレン錯体が5.7g(収率62%)得られた。
<鉄サレン錯体(化学式(I))の薬理効果>
ラットL6細胞が30%のコンフルエントの状態の時に、化学式(I)で示されるFeサレン錯体化合物の粉末を、磁石に引き寄せられるのが目視できる程度の量(50mg)で培地に適用し、48時間後に培地の状態を写真撮影した。
図1はラットL6細胞の培地がある角型フラスコに棒磁石を接触させた状態を示している。次いで、48時間後、角型フラスコ底面の一端から他端までを撮影し、細胞数を算出した。この結果を図2に示す。
図2において磁石から近位とは、角型フラスコ底面における磁石端面の投影面積内を示し、磁石から遠位とは、角型フラスコ底面において磁石端面と反対側にある領域を示す。図2から、磁石から近位では鉄錯体が引き寄せられて鉄錯体の濃度が増し、鉄錯体のDNA抑制作用によって細胞数が遠位よりも極端に低くなっていることが分かる。
次に、誘導装置から磁場を個体に適用して、個体の脳に鉄サレン錯体を誘導する実施形態を説明する。この誘導装置は、図3に示すように重力方向に互いに向き合う一対の磁石230及び232がスタンド234とクランプ235によって支持されており、磁石230及び232の間には金属板236が置かれている。一対の磁石230及び232の間に金属板236、特に、鉄板を配置することにより、局所的に一様で強力な磁界を作り出すことができる。
なお、この誘導装置は磁石の代わりに電磁石を用いて発生磁力を可変にすることができる。また、XYZ方向に一対の磁力発生手段を移動できるようにして、テーブル上の固体の目的とする位置に磁力発生手段を移動させることができる。
この磁場の領域に固体を置くことにより、特定の組織に薬剤を集中させることができる。体重約30gのマウスに既述の金属錯体(薬剤濃度5mg/ml(15mmol))を尾の静脈に静注後、一対の磁石の間にマウスの頭を置いた。比較対象として、磁場を適用することなく、鉄サレン錯体を同一の条件で適用した個体を用意した。なお、磁場を適用した個体を試験体といい、磁場を適用しない個体を対象体という。
使用した磁石は、信越化学工業株式会社製、品番:N50(ネオジウム系永久磁石)、残留磁束密度;1.39〜1.44テスラ(T)である。実験後、マウスの脳を取り出し、染色法(Prussian blue; ferric hexaacyanoferrate and hydrochloric acid, Sigma)を適用した。試験体と対象体とを比較すると、試験体の脳組織の方が青く染まっていた。
脳のがんである脳腫瘍の23%は髄膜腫と呼ばれる髄膜(頭蓋内の一番頭蓋寄)にできるがんである。化学式(I)の化合物は、静脈から髄膜に効率よく誘導することができる。磁場が外部から適用されるため、特に、脳内腫瘍のうち、頭蓋直下の髄膜に発生する髄膜腫に効果的である。
<鉄サレン錯体の磁性>
カンタムデザイン社のMPMS7を用いて鉄サレン錯体(化学式(I))の37℃(310K)における磁場−磁化曲線を測定したところ、図4に示すように、常磁性であった。この結果、8000Oe(0.8T)の磁場強度を体外から頭部の腫瘍発生箇所に適用することにより、金属サレン錯体を頭部の腫瘍発生箇所に選択的に誘導することができる。磁場強度は、0.5T以上0.8Tが、薬剤を頭部に誘導する上で好適である。
<結晶解析>
大型放射光施設(Spring−8)を利用して鉄サレン錯体(化学式(I))の単結晶の解析を行った。放射光データ測定の詳細は次のとおりである。
使用施設:Spring−8
仮照射条件:結晶を5つ選択し、次の条件で仮照射を実施した。
検出器:イメージングプレート
カメラ長:190mm
波長:0.0710690nm
振動角:2.0度
露光時間:30秒
測定範囲:0〜20度
測定温度:−173℃
仮照射の結果、5個のうち1つの結晶について回折パターンが比較的鮮明であり、構造解析が可能になると判断し、本照射の対象とすることとした。
本照射条件:次の条件で仮照射を実施した。
検出器:イメージングプレート
カメラ長:190mm
波長:0.0710690nm
振動角:1.0度
露光時間:90秒
測定範囲:−90〜+90度
測定温度: −173℃
本照射で得られた180枚のイメージデータを処理した結果、結晶パラメータを以下のとおり決定した。
結晶系:monoclinic
格子定数:
a=14.34(6)Å
b=6.907(16)Å
c=14.79(4)Å
β=96.73(4)度
V=1455(8)Å
空間群 :P21/n (#14)
Z値:4
測定縮尺:−90°〜90°
直接法による解析の結果、予想の錯体構造(図5)が確認されたが、Fe原子近傍に不明ピークの存在が認められた。Fe原子との距離及びピーク高さからC、H、Fe、N、O以外の原子と考えられた。不明ピーク特定のためにEPMA分析を実施した結果、塩素が存在することが分かった。さらに、EI/MS測定の結果を確認したところ、塩素付加体か検出された。以上の結果から不明ピークについては塩素原子と判定した。
精密化した最終の分子構造を図6に示す。最小2乗法の最終サイクルの結果において、各パラメータは特に異常値を示していないため、最終構造は正しい構図を表していると判断した。なお、結晶中では2つの分子が互いにFeとO原子を介した会合体(複核錯体)を形成していることが分かった。
<鉄錯体化合物(化学式I)の水溶性>
第一原理計算を用いて化学式Iの水溶性の自由エネルギーを求めた。第一原理計算は、すべて密度汎関数法によるものである。電子とイオンの相互作用についてはすべての電子を考慮する全電子法(All electron method)を用いている。
波動関数はスピン分極型の線形結合型の原子軌道(Liner Combination of Atomic Orbitals、LCAO)で分極関数を追加した2重数値基底関数(Double Numerical basis-set including Polarization function、DNP)を使用し、計算精度を損なうことなく計算速度の高速化をするため上記基底関数のカットオフは0.4nmに設定している。
交換相互作用項は、Becke、Lee、Yang、Parrによるものを用い、使用ソフトはアクセルリス社のDMol3を用いた。水溶性のエネルギーの計算は、Andreas Klamt, COSMO-RS: From Quantum Chemistry to Fluid Phase Thermodynamics and Drug Design, 2005, Elsevierの方法によった結果、下記化学式(II)の鉄サレン錯体の水溶性の自由エネルギーは、−20.13kcal/molであった。一方、化学式(I)の塩化鉄のサレン錯体の水溶性の自由エネルギーは、−31.95kcal/molとなり、化学式(I)の塩素付き鉄サレン錯体の方が水溶性が高い。
化学式(II)


Claims (4)

  1. 3価の金属原子に陰イオンを構成する官能基が結合している金属サレン錯体化合物を主成分として含有し、
    前記金属サレン錯体化合物は、下記化学式(I)で示され、

    化学式(I)
    前記式(I)中、Mは、Fe(鉄)、Cr(クロム)、Mn(マンガン)、Co(コバルト)、Mo(モリブデン)、Ru(ルビジウム)、Rh(ロジウム)、W(タングステン)、Re(レニウム)、Os(オスミウム)、Ir(イリジウム)、Nd(ニオブ)、Sm(サマリウム)、Eu(ユウロピウム)、又は、Gd(ガドリニウム)であり、a〜jは水素原子であり、Xはハロゲン原子であ
    体内に投与された後外部磁場によって、脳血液関門を通過し脳髄膜に誘導されるための抗脳腫瘍薬剤。
  2. 前記金属サレン錯体化合物は、前記化学式(I)中、Mが鉄原子であり、Xが塩素原子である請求項1記載の抗脳腫瘍薬剤。
  3. 前記化学式(I)の鉄サレン錯体化合物は、以下の特性の結晶構造を有する、請求項1または請求項2に記載の抗脳腫瘍薬剤。
    結晶系が、単斜晶(monoclinic)
    格子定数が、
    a=14.34(6)Å
    b=6.907(16)Å
    c=14.79(4)Å
    β=96.73(4)度
    V=1455(8)Å
    であり、
    空間群が、P21/n (#14)
  4. 体内に投与された後、頭部に0.5テスラ(T)以上、0.8(T)以下の強度の外部磁場を適用することにより、磁場適用領域に誘導される、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の抗脳腫瘍薬剤。
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