JP5679912B2 - 溶接異常検知方法及び溶接異常検知装置 - Google Patents

溶接異常検知方法及び溶接異常検知装置 Download PDF

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本発明は、溶接施工の異常を画像処理の手法を用いて自動で検出することができる溶接異常検知方法及び溶接異常検知装置に関する。
従来より、溶接作業の自動化のために溶接ロボットが用いられている。溶接ロボットによる溶接施工においては、ロボットアームに設けられた各軸駆動モータの作動制御によりロボット姿勢が変化しつつ溶接作業が行なわれる。斯かる溶接作業において、溶接アークや溶融池近傍を直接見ることができる場合には、オペレータによる直接観察により、溶接電流等の溶接条件の変更や溶接位置の修正を行っている。
しかしながら、溶接対象であるワークが大型である場合には、オペレータによる直接観察ができないことが多く、仮にできたとしても、ポジショナによりワークの姿勢も変化することもあるので、オペレータ作業に危険が伴うことも否めない。
このような問題に対して、特許文献1,2は、遠隔監視技術を開示している。
例えば、特許文献1は、溶融プールを照射するレーザ線状光照射手段と、照射されるレーザ光を透過させる干渉フィルタを備え、溶融プールを観測するように設置された撮像手段と、該撮像手段によって検出された画像信号をディジタル化したのち各画素の輝度値を記憶し、溶融プールの情報を算出する画像処理手段と、該画像処理手段が算出した溶融プール情報より溶接状況を判断し、適正な溶接状態に保つための溶接電力,トーチ移動速度,位置などを算出する溶接条件制御手段と、該溶接条件制御手段により算出された溶接電力,トーチ移動速度,位置などに基づき実際の加工機の制御を行う溶接加工手段とを備えた自動溶接加工装置において、前記レーザ線状光照射手段によりレーザ線状光を溶融プールの被測定部位に投射し、撮像手段を該レーザ線状光の投射された溶融プール被測定部位を観測できる位置に設置し、観測した画像よりレーザ線状光の輝線の座標を画像処理手法により計測し、溶融プールの情報として算出する自動溶接加工装置を開示する。
すなわち、特許文献1の自動溶接加工装置は、光切断法センサにより、溶融池の幅を検知し、溶融池の幅の変動から溶接状況を判断して、溶接条件(溶接電流、溶接電圧、溶接速度、溶接狙い位置など)を自動調節するものとなっている。ラインレーザの設置数を増やすことで、よりきめ細かい計測を行う技術にも言及している。
特許文献2は、溶接トーチを搭載した溶接ヘッドが溶接ラインに沿って自動的に移動して溶接を行う自動溶接システムにおいて、前記溶接ヘッドに搭載されて、溶融池を撮像する赤外線カメラと、該赤外線カメラからの撮像データに基づき、前記溶融池の温度分布や形状等を特徴づける特徴データを抽出して、当該特徴データを実測値として出力する画像処理部と、予め理想的な溶接を行い、その際に形成される溶融池の特徴データを目標値として記憶しておき、当該目標値に前記画像処理部からの前記実測値が一致するように溶接電流、溶接速度、溶接トーチの狙い位置等の溶接条件のうち少なくとも1を操作する制御部と有する自動溶接システムを開示する。
すなわち、特許文献2の自動溶接システムは、赤外光を捉えるカメラを用いて、溶融池の形状の特徴を捉え、正常溶接時の特徴量を正常状態として記録して、実際の溶接時の特徴量と正常状態の特徴量を比較することで溶接異常を検知し、溶接条件(溶接電流・溶接速度、溶接狙い位置など)を調整するものとなっている。加えて、光切断法などを用いた溶接後のビード形状を計測するための検査装置も備えている。
特開平11−309576号公報 特開2000−351071号公報
溶接作業においては、溶接アークや溶融池近傍を観察しつつ、ブローホール、抜け落ち、アンダカット、オーバーラップなどの溶接不良の発生の有無や、溶融池表面にスラグが異常な状態で発生している等を確認する必要がある。
これらの状況は、溶融池や溶接ビード(ビード)の形状にその症状が現れるため、溶融池やビードの3次元形状を観察することが有効である。オペレータによる目視観察が有効であることはもちろんであるが、溶接対象であるワークが大型である場合や狭開先の溶接を行わなければならない場合はオペレータによる直接観察ができないことが多く、何よりもロボット溶接の場合は、オペレータの立ち入り範囲が制限され、直接観察が基本的に困難である。
そこで、この問題を解決すべく、特許文献1を採用したとしても、アンダカット、オーバーラップと言ったビードの断面形状の異常の検知はできるものの、溶融池の幅しか計測できない故、溶融池の高さに症状が現れる抜け落ちのような溶接異常の検出が難しい。また、きめ細かい形状計測を行いたい場合、レーザ線を複数本並べれば実現できるが、そうすると多くのレーザ投光器が必要になるため、センサが大きくなり、装置の肥大化、溶接ロボットへの実装が困難となる。
一方、特許文献2の技術を採用すれば、溶融池の温度分布により溶融池の3次元形状を推定することが可能かもしれない。しかしながら、スラグと溶融池には温度差があるため、溶融池が凝固する近傍では温度分布が安定せず、正確な溶融池の3次元形状の推定が困難であるといった問題が発生する。また、溶接時のトーチ姿勢や開先形状毎に正常溶接時のプール形状が変わってしまうため、適用対象のワークによっては正常状態の認識が困難となる。
つまり、特許文献1,2の技術を用いたとしても、溶接不良の発生の有無の確認のために溶融池やビードの3次元形状を正確に観察することは困難であると思われる。
そこで、本発明は、上記問題点を鑑み、溶接不良の発生の有無の確認のために、溶融池や溶接ビードの3次元形状を確実に検出することができる溶接異常の検知方法及び溶接異常の検知装置を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
本発明に係る溶接異常検知方法は、溶接中のワーク上に存在する溶融池の状況をステレオ視で撮像し、前記ステレオ視で撮像された2枚の撮像画像に映り込んだ溶融池の表面の文様を基に、溶融池の3次元形状を算出し、算出された溶融池の3次元形状を基にして溶接部位の異常を検出することを特徴とする。
好ましくは、2台の撮像カメラを同期させてワーク上の溶融池を撮像するとよい。
好ましくは、前記2台の撮像カメラで撮影した撮像画像のそれぞれに対して、以下の処理を行って溶接部位の異常を検知するとよい。
(i) 撮像画像において、背景及びアーク放電の領域を除外することで、溶融池の領域のみを抽出する。
(ii) 処理(i)を行った画像において、溶融池の領域の輝度の正規化を行い、溶融池の表面に浮かぶスラグ起因の文様を得る。
(iii) 処理(i)により得られた溶融池の表面の文様に基づき、2枚の撮像画像でステレオ視を実行し、溶融池の3次元形状を求め、溶融池の3次元形状モデルとする。
(iv) 処理(iii)により得られた溶融池の3次元形状モデルを実空間での座標系に投影し、当該実空間での座標系における3次元形状モデルの形状変化又は体積変化を基に、溶接状況の異常を検知する。
好ましくは、前記処理(iv)を行うに際しては、ワークの3次元形状モデルを実空間での座標系に投影するとよい。
なお、本発明にかかる溶接異常検知方法の最も好ましい形態は、溶接中のワーク上に存在する溶融池の状況をステレオ視で撮像し、前記ステレオ視で撮像された2枚の撮像画像に映り込んだ溶融池の表面の文様を基に、溶融池の3次元形状を算出し、算出された溶融池の3次元形状を基にして溶接部位の異常を検出するものであって、2台の撮像カメラを同期させてワーク上の溶融池を撮像することとし、前記2台の撮像カメラで撮影した撮像画像のそれぞれに対して、以下の処理を行って溶接部位の異常を検知することを特徴とする。
(i) 撮像画像において、背景及びアーク放電の領域を除外することで、溶融池の領域のみを抽出する。
(ii) 処理(i)を行った画像において、溶融池の領域の輝度の正規化を行い、溶融池の表面に浮かぶスラグ起因の文様を得る。
(iii) 処理(i)により得られた溶融池の表面の文様に基づき、2枚の撮像画像でステレオ視を実行し、溶融池の3次元形状を求め、溶融池の3次元形状モデルとする。
(iv) 処理(iii)により得られた溶融池の3次元形状モデルを実空間での座標系に投影し、当該実空間での座標系における3次元形状モデルの形状変化又は体積変化を基に、溶接状況の異常を検知する。
本発明に係る溶接異常の検知装置は、溶接装置により溶接が施工されているワーク上に存在する溶融池をステレオ視で撮像可能とする2台の撮像カメラを有する撮像部と、前記撮像部により撮像された2枚の撮像画像を基に、上記した溶接異常の検知方法を実行することで、溶接部位の異常を検出する異常検出部と、を備えることを特徴とする。
好ましくは、前記溶接装置が溶接ロボットであるとよい。
本発明の溶接異常検知方法及び溶接異常検知装置によると、溶接施工中において、溶接不良の発生を確実に検知することが可能となる。
本発明の実施形態に係る溶接異常検知装置が備えられた溶接ロボットを示す図である。 (a)は、撮像カメラで撮像された画像の一例を示した図であり、(b)は、(a)を模式的に示した図である。 撮像カメラで撮像された画像に対する画像処理の手順を示したフローチャートである。 溶接異常を検知する処理を示したフローチャートである。 溶融池を撮像した画像及びこの画像を画像処理した結果を示す模式図であり、(a)は元画像、(b)はエッジ強調画像、(c)は(a)の画像から(b)の画像を差分した画像、(d)は(c)の画像にラベリング処理を施し面積最大領域を抽出した画像、(e)は(d)を基にして作成された溶融池抽出用のマスク画像、(f)は元画像(a)にマスク画像(e)を適用し得られた画像、(g)は画像(f)からアーク点部位を除去した画像、(h)は画像(g)の輝度値を正規化した画像である。 ステレオ視の原理を模式的に示した図である。 ステレオ視での対応点を探索する方法の一例を示した図である。 溶融池の3次元形状モデルを示した図である。
以下、本発明の実施形態を、図に基づいて説明する。
なお、以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称及び機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
図1は、本実施形態に係る溶接異常検知方法を行って溶接異常を自動的に検知する溶接異常検知装置1の概略を示す。
この溶接異常検知装置1は、溶接対象物W(ワーク)に溶接を行う溶接ロボット2に設けられている。溶接ロボット2は、例えば垂直多関節型の6軸の産業用ロボットであり、その先端に溶接トーチなどから構成される溶接ツール3が設けられている。この溶接ロボット2はそれ自体を移動させるスライダ(図示せず)に搭載されている場合もある。
この溶接ロボット2には、制御装置4及びオフライン教示データ作成装置5などが接続されている。制御装置4は、溶接ロボット2の動作を、予め教示した教示プログラムに従って制御する。教示プログラムは、制御装置4に接続された教示ペンダント6や、オフライン教示データ作成装置5を使用して作成する場合がある。溶接ロボット2は、制御装置4内に格納された教示プログラムに基づいて、ワークWに対して溶接を行う。
係る構成の溶接ロボット2に設けられた溶接異常検知装置1は、溶接ロボット2の先端部(すなわち溶接ツール3の近傍)に設けられた撮像部10を有している。
撮像部10は、2台の撮像カメラ11,11から構成される。撮像カメラ11はCCD撮像素子やCMOS撮像素子を内蔵したカメラであり、撮像するためのレンズも備えている。このレンズには、減光フィルタや帯域フィルタ(赤外波長のみを通す干渉フィルタ)を取り付けることが好ましい。これらフィルタにより溶融池を撮影しやすくなり、撮像画像として、主に溶接ツール3の先端部、ワークW上に形成された溶融池、溶接後のビード部などを含む画像を得ることができる。図2(a)は、撮像画像の一例を示したものであり、図2(b)は、図2(a)の画像を模式的に示したものである。
図1,図6に示す如く、2台の撮像カメラ11,11は異なる視野角をもって撮像対象を撮像するようになっており、2台の撮像カメラ11,11により得られた2枚の画像(ステレオ視画像)を用いることで、ワークW上に形成された溶融池及び溶接後のビードの3次元形状が判別可能となっている。
2台の撮像カメラ11,11による撮像は外部トリガーにより同期しており、各撮像カメラ11で撮像された画像は、溶接ツール3の先端部の座標と共に画像処理部12へと送られる。
画像処理部12では、撮像カメラ11により撮像された画像に対して画像処理を行い、撮像された2枚の画像に映り込んだ溶融池の表面の文様(模様)を基に、溶融池の3次元形状を算出する。
さらに、この画像処理部12は異常検出部13の機能を備えており、算出された溶融池の3次元形状を基にして溶接部位の異常を検出する。異常検出部13を含む画像処理部12はパソコン等で構成されている。
以下、図3,図4のフローチャート、及び図5に示す画像(模式的に示した画像)などを基に、画像処理部12で行われる画像処理の詳細について説明する。
まず、図3のS1において、溶接異常検知装置1の2台の撮像カメラ11,11により、溶接中のワークW上に形成された溶融池を撮影する。
なお、撮影の際には、2台の撮像カメラ11,11に外部トリガーを入力することで、完全同期させる。これにより短時間で形状変化を起こす溶融池に対してもステレオ視が可能となる。
その後、S2にて、元画像に対してエッジ抽出処理を行う。エッジ抽出処理としては、例えば微分フィルタであるGradientフィルタやSobelフィルタを適用した結果を所定の閾値で2値化処理するなどの当業者常法の手法を採用するとよい。エッジ抽出を行った画面を、図5(b)に示す。
S3では、S1で取得した元画像からS2で得られたエッジ画像を除算することで、エッジ領域を取り除き、図5(c)のような画像を得る。この処理により、後述するラベリング処理時に溶融池とヒュームを分離することが可能となる。
S4において、S3で得られた画像に対してラベリング処理を行って最大面積の領域を抽出する(図5(d)参照)。
すなわち、S3で得られた画像に対して、一定閾値以上の輝度を持つ領域に対してラベリング処理を施す。ラベリング処理で得られた各領域において、最大面積の領域(最大領域)のみを抽出する。最大領域は、アーク領域と溶融池領域が一体になったものとなっており、この段階では、溶融池に浮かぶスラグの領域が抽出されないことがあったとしても、後の処理(S5)を行うことで抽出可能となる。
S5にて、図5(d)に示される最大領域に包含される微小領域を統合する。すなわち、S4の処理で検出されなかった領域の内、最大領域に含まれなかった領域を既に抽出されている最大領域と統合する。
包含処理は、例えば以下の条件が満たされたときに行うようにする。
・条件(i):包含対象の領域の外接矩形が、最大領域の外接矩形に包含される。
・条件(ii):包含対象の領域と、最大領域までの最短距離が閾値以下である。なお、最短距離は、包含対象領域内の1点と最大領域内の1点の間の距離で、最短のものをさす。
このS5の処理により、溶融池とアークの領域を全て抽出することができるようになる。
その後、S6にて、溶融池及びアーク領域を抽出のための領域(マスクパターン)を作成する(図5(e)参照)。すなわち、S5により得られた「最大領域」を、数ピクセル分膨張させて、マスクパターンを生成する(領域内の輝度値=255、領域外の輝度値=0)。このマスクパターンと元画像とで論理和をとることにより、図5(f)に示すような溶融池とアークのみが撮像された映像を取得することができる。なお、最大領域を膨張させる理由は、S3で除外されたエッジ領域を溶融池及びアーク領域に含ませるためである。
S7においては、図5(f)の画像から、アークの領域を除外して溶融池領域のみを取り出す(図5(g))。すなわち、図5(f)の画像に対して、二値化処理をかけてアークの領域を抽出する(閾値以上の領域)。二値化処理の閾値は設定値とする。アークの領域は概ね飽和しているため、二値化処理によってアーク領域を抽出する事ができる。抽出したアーク領域の外接矩形の範囲を図5(f)の画像から減算することで、溶融池の領域のみとなった画像(図5(g))を得ることができる。
なお、溶融池とアークの輝度の差は非常に大きい故、アークと溶融池を同時に信号処理すると処理結果の精度低下を招くが、上記した処理により溶融池領域のみを取り出すことで、当該溶融池領域に対する信号処理の精度向上をすることができる。
S8にて、図5(g)で示される溶融池領域の輝度値を正規化することで、溶融池のスラグ起因の文様を浮かび上がらせる(図5(h))。正規化の処理は、抽出した溶融池領域の輝度値最大値をMaxP、輝度値最小値をMinPとして、溶融池領域の輝度値Pixを式(1)でPix’に変換するとよい。

Pix’=(Pix−MinP)/(MaxP−MinP)×255 (1)

この処理により、溶融池領域の輝度値が0〜255に正規化され、溶融池の表面に存在するスラグ起因の文様(模様)がより明確に浮かび上がる。
その後、S9にて、図5(h)の画像に対してステレオ視を実行し、溶融池の3次元形状を形成する。
すなわち、2台の撮像カメラ11,11で撮像された画像のそれぞれに対して、S1〜S8の処理を施し、得られた2枚の溶融池の画像(図5(h)のように処理された2枚の画像)に対し、ステレオ視を実行して溶融池の3次元モデルを取得する。
ところで、S9にて行われるステレオ視は、撮像カメラ11の焦点距離などの内部パラメータ、2台の撮像カメラ11,11間の距離・位置などの外部パラメータを事前に求め、2台の撮像カメラ11,11による画像上の計測対象点の位置を基に、三角測量法により3次元座標を導出するものである。
ステレオ視を行う際には、一方の画像上で任意に設定した計測対象点を、それに対応する他方の画像から探索する処理が必要となり、この処理は対応点探索と呼ばれる(図6参照)。
この対応点探索方法は大まかに分けて、
・処理(i):2枚の画像で別個抽出した特徴量間で対応をとる方法、
・条件(ii):1枚の画像で注目点を設定し、その周辺の領域と最も相関が高い領域をもう一枚の画像から探索する方法、
があり、そのどちらの方法を採用してもよい。
本実施形態では、溶融池表面に浮かぶスラグ起因の文様に基づき、条件(ii)を採用している。例えば、図7に示すように、一方の撮像カメラ11(左の撮像カメラ)の注目点周辺の領域をテンプレートとして使用し、他方の撮像カメラ11(右の撮像カメラ)における画像のエピ極線上で、テンプレートと最も相関が高い領域を探索する。
以上の処理を行った後、S10では、得られた溶融池の3次元形状をモデル化し、溶融池の3次元形状モデルをワークWの3次元モデルと共に実空間座標(溶接ロボット2の座標空間)に投影する(図8参照)。
S11では、溶接ロボット2の座標空間に投影された溶融池の3次元モデルを基に、溶接ロボット2による溶接が正常に行われているか否かを判断する。すなわち、S10で得られた実空間座標における溶融池の3次元形状モデル、溶接施工の設計値(予定値)、ワークWの3次元形状モデル、その他、溶接ツール3先端の軌跡などを用いて、溶接異常を診断する。
次ぎに、図4を用いて、S11の詳細(溶接異常の診断処理の詳細)を説明する。
まず、S11−1では、溶融池の3次元形状モデル及びワークWの3次元形状モデルに包含された領域を検出する。もし、ワークWの3次元形状モデルが存在しなければ、溶接ツール3の先端軌跡と溶融池の3次元形状モデルの両端を結んだ領域を検出する。この3次元の領域は凝固した時に溶接ビードになる部分なので、当該領域を溶融ビード領域と呼ぶ。
次ぎに、S11−2では、抽出した溶接ビード領域の体積を算出し、得られた体積の時間変化の有無を調べる。
S11−3では、溶接ビードの体積変化が設定値以上か否かを判定し、所定値以上となり体積変化があると判断された場合(S11−3でNo)には、溶接異常が発生したとする。具体的には、溶融ビード領域の体積が縮小した場合には、抜け落ち(溶融金属の流出)が発生したと判断する。溶融ビード領域の体積が拡大した場合には、ブローホール(溶融池内で気泡)が発生したと判断する。
S11−3でYes,すなわち、溶接ビードに体積変化が無いと判断された場合、S11−4へ進む。
S11−4では、溶接ビード領域と溶接施工の設計値を付き合わせて比較する。すなわち、溶融ビード領域からビードの幅・高さ、脚長を導出して、溶接部の断面寸法の設計値と比較する。本実施形態の場合の比較方法として、ビード幅、ビード高さ、脚長を以下のように定義する(図8参照)。
・ビードの幅:溶融池の3次元形状モデルの幅方向両端間の距離最大値。なぜならば、溶融池が固まってビードになるためである。
・ビードの高さ:溶融池の3次元形状モデルの最も盛り上がった位置から開先位置までの距離。
・脚長:ビードの幅が最大になる部位における、溶融池の3次元形状モデルの縁と開先位置までの最短距離。
次ぎに、S11−5では、S11−4での比較結果に基づき、溶接異常の判定を行う。
例えば、算出された脚長からオーバーラップ・アンダーカットが検出可能であり、設計値通りにビードが形成されていなければ溶接異常として検知する。異常検出の判断は、設計値から所定値閾値以上ずれているか否かによる。
S11−6において、溶接異常を検知した結果を出力し、オペレータに通知するようにする。
以上述べたように、溶接中のワークW上に存在する溶融池の状況を2枚の画像によりステレオ視で撮像し、撮像された2枚の画像に映り込んだ溶融池の表面の文様を基に、溶融池の3次元形状を算出し、算出された溶融池の3次元形状を基にして溶接部の異常を検出する溶接異常の検知方法によれば、溶接ロボット2による溶接施工状況、特に溶接不良の発生の有無の確認のために溶融池やビードの3次元形状を的確に検知することが可能となる。
例えば、本発明を用いることで、溶接ビードの3次元形状に現れる溶接不良も、溶融池の段階から明確に捕らえることができる。また、2台の撮像カメラ11,11を溶接ロボット2の先端部に取り付けるだけで、本発明を実施できるため、狭い溶接空間であっても実現可能である。また、溶融池の表面に浮かぶスラグを3次元計測に利用しているため、形状計測のためもアクティブ光が不要であり、且つスラグによる温度分布ムラの影響を受けない。正常状態のデータとの比較でなく、溶融池の3次元形状の時間変化や、溶融池の3次元形状と溶接ビードの設計値との差に基づき溶接異常を検知するため、トーチ姿勢やカメラと溶接ビードの位置関係の影響を受けない。さらには、ワークWの3次元形状モデルも同時に溶接ロボット2の座標空間へ投影することにより、溶融池の3次元形状モデルと溶接ビードの設計値との差をより明確に比較することが可能になる、などの多くの利点を有するものとなっている。
以上、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
例えば、溶接装置が溶接ロボットである場合を例示して実施形態の説明を行ったが、これに限定はされない。
1 溶接異常検知装置
2 溶接ロボット
3 溶接ツール
4 制御装置
5 オフライン教示データ作成装置
6 教示ペンダント
10 撮像部
11 撮像カメラ
12 画像処理部
13 異常検出部
W ワーク

Claims (4)

  1. 溶接中のワーク上に存在する溶融池の状況をステレオ視で撮像し、前記ステレオ視で撮像された2枚の撮像画像に映り込んだ溶融池の表面の文様を基に、溶融池の3次元形状を算出し、算出された溶融池の3次元形状を基にして溶接部位の異常を検出するものであって、
    2台の撮像カメラを同期させてワーク上の溶融池を撮像することとし、
    前記2台の撮像カメラで撮影した撮像画像のそれぞれに対して、以下の処理を行って溶接部位の異常を検知することを特徴とする溶接異常検知方法。
    (i) 撮像画像において、背景及びアーク放電の領域を除外することで、溶融池の領域のみを抽出する。
    (ii) 処理(i)を行った画像において、溶融池の領域の輝度の正規化を行い、溶融池の表面に浮かぶスラグ起因の文様を得る。
    (iii) 処理(i)により得られた溶融池の表面の文様に基づき、2枚の撮像画像でステレオ視を実行し、溶融池の3次元形状を求め、溶融池の3次元形状モデルとする。
    (iv) 処理(iii)により得られた溶融池の3次元形状モデルを実空間での座標系に投影し、当該実空間での座標系における3次元形状モデルの形状変化又は体積変化を基に、溶接状況の異常を検知する。
  2. 前記処理(iv)を行うに際しては、ワークの3次元形状モデルを実空間での座標系に投影することを特徴とする請求項に記載の溶接異常検知方法。
  3. 溶接装置により溶接が施工されているワーク上に存在する溶融池をステレオ視で撮像可能とする2台の撮像カメラを有する撮像部と、
    前記撮像部により撮像された2枚の撮像画像を基に、請求項1又は2に記載された溶接異常の検知方法を実行することで、溶接部位の異常を検出する異常検出部と、
    を備えることを特徴とする溶接異常検知装置。
  4. 前記溶接装置が溶接ロボットであることを特徴とする請求項に記載の溶接異常検知装置。
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