JP5679718B2 - 撮像装置 - Google Patents

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本発明は、撮像装置に関する。
特許文献1は、ハーフミラーを固定し、ハーフミラーを透過した光束を撮像面へ向かわせ、ハーフミラーで反射した光束を光学ファインダとして利用するカメラを提案している。特許文献2は、撮像素子に焦点検出用画素と瞳分割手段を設けて位相差方式のオートフォーカス(撮像面位相差AF(以下、「SAF」と称する場合がある))機能を持たせた技術を開示している。
特開2008−52246号公報 特開2009−003122号公報
特許文献1が提案するカメラでは、斜めに配置されたハーフミラーを透過した光束に光学収差が含まれるために撮像素子が出力する画像データに画像処理による収差補正を行う必要があるが、これは膨大な計算を要し、カメラ内部で行うと時間がかかる。このため、撮像素子が出力する信号を利用するコントラスト方式を使用したAF(以下、「コントラストAF」と略す)やSAFにおいても同様な収差補正が必要であるとすると撮影までに時間を要してしまい、高速な被写体への焦点調節を行うことができない。一方、何らの収差補正も行わないとするとAF精度が低下する。
そこで、本発明は、焦点調節の速度と精度を維持することが可能な撮像装置を提供することを例示的な目的とする。
本発明の撮像装置は、撮影レンズの光軸に対して斜めに配置され、前記撮影レンズからの光束の少なくとも一部を透過する平行平板の光学素子と、前記光束が形成する光学像を光電変換する撮像素子と、前記撮像素子から出力される信号に含まれる、前記光束が前記光学素子を透過することによって生じる収差を補正する画像処理手段と、前記撮像素子から出力された信号に基づいて焦点検出をして焦点調節処理を行う焦点調節手段とを備え、前記焦点調節手段は、前記光学素子を通過した光学像に応じた信号であって、前記画像処理手段によって収差補正された信号に基づいて焦点検出をし焦点調節を行う第1のモードと、前記光学素子を通過した光学像に応じた信号であって、前記画像処理手段によって収差補正されていない信号に基づいて焦点検出を行い焦点調節において補正する第2のモードとを有することを特徴とする。
本発明によれば、焦点調節の速度と精度を維持することが可能な撮像装置を提供することができる。
本発明が適用可能なデジタルカメラのブロック図である。 図1に示すデジタルカメラの光路の一部を示す図である。 図2に示す光線の屈折を詳細に説明するための図である。 周辺像高に到達する光線の収差を説明するための図である。 図1に示す撮像素子の撮影範囲を示す平面図である。 図1に示すデジタルカメラの焦点調節方法を説明するためのフローチャートである。 図1に示す撮影レンズの像高によるピント位置変化を表すグラフである。
図1は、本実施例のデジタルカメラ(撮像装置)の焦点調節に関連する主要部分のブロック図である。本実施例のデジタルカメラは交換レンズ式一眼レフカメラであり、カメラ本体10とレンズユニット60とを有する。但し、本発明が適用可能な撮像装置は、デジタルビデオカメラやレンズ一体型のカメラなど種類は問わない。
レンズユニット60は、カメラ本体10に交換可能に構成されており、撮影レンズ62、レンズMPU70、メモリ72を有する。カメラ本体10とレンズユニット60とは、二点鎖線で示すマウントに設けられた不図示のコネクタを介して機械的かつ電気的に接続されている。
撮影レンズ62は、一点鎖線で示す光軸方向に移動して焦点調節を行う不図示のフォーカスレンズを含み、被写体の光学像を形成する。図1において、Lは撮影レンズ62の光軸である。
レンズMPU70は、撮影レンズに係る全ての演算、制御を行い、撮影レンズ62のフォーカスレンズの駆動を制御する。また、レンズMPU70は、レンズMPU70からの指示により、フォーカスレンズを微小往復(ウォブリング)することも可能である。また、レンズMPU70は、現在のレンズ位置を検出し、カメラMPU20からの要求に対してレンズ位置情報を通知する。メモリ72は、撮影レンズ62の情報、例えば、撮影レンズ62の像高による合焦位置のずれの情報やその他後述する情報を保持している。
カメラ本体10は、ハーフミラー11、ファインダ光学系、撮像素子16、画像処理回路(画像処理手段)18、カメラMPU20、メモリ22、AF30を有する。カメラMPU20、AF手段30は自動焦点調節装置を構成する。
撮影レンズ62と撮像素子16の間には、平行平板のガラス板などで形成された光学素子であるハーフミラー11が光軸Lに対して斜めに傾けて(図1においてYZ平面上で傾斜した状態で)配置されている。ハーフミラー11は全面半透過性を有するミラーとなっており、撮影レンズ62を通過した光束は光学ファインダに導かれる反射光と撮像素子16に入射する透過光に分離される。
ファインダ光学系は、ピント板13a、ペンタプリズム13b、接眼レンズ13cを有する。ハーフミラー11からの反射光は、ピント板13aのマット面上に結像し、マット面上の像は、ペンタプリズム13bおよび接眼レンズ13cを介して撮影者によって観察される。一方、ハーフミラー11の透過光は撮像素子16で受光され、受光された光の強度信号はAD変換、画像処理部などを介して電子画像となる。
ハーフミラー11を通過した光軸Lは、ハーフミラー11での屈折により紙面下方向にオフセットした光軸L’となる。そこで、撮像素子16の中心はこの光軸L’に一致するよう配置されている。
撮像素子16はハーフミラー11を経た光束が形成する光学像を電気信号に光電変換する。撮像素子16は、撮影レンズ62の予定結像面付近に配置され、光学ローパスフィルタや赤外カットフィルタ、さらにはCMOSセンサなどからなる光電変換素子である。
一般に撮影レンズ62と撮像素子16の間に平板光学素子を斜めに配置すると、撮像素子16で得られる画像には収差が発生してしまうため、従来の一眼レフカメラは、ハーフミラー11をクイックリターン機構により撮影時には撮影光束外へ退避させていた。
これに対して、本実施例は、図1に示すように、ハーフミラー11を傾けて固定し、撮影時にはハーフミラー11を透過した光束を用いるため、撮像素子16で得られる画像には収差が発生する。この収差は、撮影レンズ62の光学収差と異なり、軸対称性のない収差である。本実施例は、この非対称な収差を画像処理回路18によって補正することで良好な電子画像を形成する。即ち、画像処理回路18は、撮像素子16から出力される電気信号に含まれる、光束がハーフミラー11を透過することによって生じる収差を補正する。
本実施例によれば、撮像素子16で画像を撮影しながら光学ファインダで被写体を観察することができるため、高速で移動する被写体に追従可能であり、また、クイックリターン機構が不要であるため、カメラのコストダウンと小型化が可能である。
図2(a)は、ハーフミラー11で生じる収差を説明するための光路図で、必要な部分を抽出している。図2(a)において、光線Ea、Ebは、物体側光軸L上の1点を発し、撮影レンズ62を通過して撮像素子16の中心像高付近に結像する光束の最外部の光線である。なお、撮影レンズ62を挟んで物体側の光線は省略している。
光線Ea、Ebは、ハーフミラー11の入射面で周知のスネルの法則に従い屈折し、ハーフミラー11中を直進した後、ハーフミラー11の射出面で再度スネルの法則に従って屈折し射出する。このとき、ハーフミラー11に入射する光線の角度と射出する光線の角度は平行平板における光の屈折の原理によって等しくなる。光軸Lについても同様である。このように、ハーフミラー11を通過した光線は、角度は変化せず、平行シフトのみが生じる。
図3は、空気中における平行平板における屈折を詳細に説明するための図である。図3において、12は平行平板で、Fは平行平板12に入射する光線を示し、進行方向を矢印で示している。
光線Fは入射角度φで平行平板12の入射面12aに入射し、スネルの法則に基づき屈折し、屈折後は角度φ’で平行平板12中を直進する。その後、光線Fは平行平板12の射出面12bで再度屈折し、入射角度φと同じ角度φで射出し、射出した光線は入射する光線に対してdだけ平行シフトする。ここで、平行平板12の板厚をt、空気の屈折率をn、平行平板12の屈折率をn’とすると、平行シフト量dは次式で表すことができる。
数式1から入射角度φが大きいほど、平行シフト量dが大きくなることが分かる。図2(a)において光線Ea、光軸L、光線Ebの平行シフト量をそれぞれda、dl、dbとすると、daよりdlが大きく、dlよりdbが大きい。これは、光線Ea、光軸L、光線Ebがそれぞれハーフミラー11に入射する入射角度が光線Eaより光軸Lの方が大きく、光軸Lより光線Ebの方が大きいためである。
すると、光線Eaが光軸L’と交わる位置と、光線Ebが光軸L’と交わる位置は、平行シフトの影響で一致せず、光線Ebの方が光線Eaより図中右側で光軸Lと交わることになり、これが、ハーフミラー11による収差の原因となっている。
図2は、2本の光線のみを示しているが、実際には多数の光線により被写体の像は形成され、各光線が光軸L’上で交わる位置は、図2の断面においてはすべて一致しない。
図2(b)は、図1の撮像素子16の中央像高付近Cを拡大した図で、結像する光線を示している。図2(b)において、16aは撮像素子16の受光面近傍、即ち、撮影レンズ62の予定結像面を示し、予定決像面16aには多数の光線が集まっている。しかし、ハーフミラー11の平行シフトの影響により、全ての光線が光軸L’上で交わる位置が異なっており、完全な結像となっていない。
なお、実際の光線は紙面奥行き方向にも存在するためより複雑な収差が発生しているが、ハーフミラー11は光軸Lに対して図1のYZ断面でのみ傾斜して配置されているため、紙面奥行き方向には対称性を有する収差となっている。また、収差は数式1から、平行平板12、即ち、ハーフミラー11の屈折率によっても収差の状況は異なり、波長によっても収差は異なる。更に、数式1より、像高によって入射する光線の角度が異なるため、像高によっても収差の状況は異なる。
図4は、周辺像高に到達する光線の収差を説明するための図である。図4において、光線Ec、Edは撮像素子16の上側像高に結像する光線を示し、光線Ee、Efは撮像素子16の下側像高に結像する光線をそれぞれ示す。
それぞれの光線はハーフミラー11に入射する角度が異なるため、図3にて説明した原理から平行シフト量も異なり、光線EcとEd、光線EeとEfでは異なる収差が発生している。また、上側像高と下側像高に結像する光線の平行シフト量は、図2で説明した撮像素子16の中央像高付近に結像する光線とも異なるため、図4における撮像素子16の上下方向においては非対称な収差が生じる。
なお、紙面奥行き方向においては前述した理由により、周辺像高においても対称性を有する収差となっている。また、周辺像高においても、波長によって収差の状況が異なる。実際の収差は、周知の光学シミュレーションソフトウェアなどを用いて、スポットダイアグラムやMTF(Modulation Transfer Function)などを計算することにより、詳細な状況を観察することができる。
整理すると、ハーフミラー11を通過した光束で得られる画像には、(1)紙面奥行方向に対称で上下方向には非対称な収差が発生し、(2)収差は像高、波長により異なる。この収差を画像処理回路18によって復元処理を行い、収差による劣化のない画像を生成する。以下、収差復元について説明する。
図5は、撮像素子16の撮影範囲を示す平面図である。図5において、17は撮影範囲を示し、撮影範囲の中央を原点として、図5に示すようにXY座標を定義する。そして、撮影範囲17内の任意の座標点(x,y)における撮影レンズ62及びハーフミラー11の収差による劣化前の画像の光量分布をo(x,y)と定義する。また、それに対応した撮影レンズ62及びハーフミラー11の収差による劣化後の画像の光量分布をi(x,y)と定義する。すると、i(x,y)は次式で表すことができる。
ここで、h(x,y)は撮影レンズ62およびハーフミラー11により画像が劣化する状態を表す伝達関数である。数式2はハーフミラー11による収差のみならず、撮影レンズ62の収差までを含む劣化像モデル式としている。そして、数式2はo(x,y)とh(x,y)の畳み込み積分であるため、フーリエ変換を行えば、よりシンプルに積の形で表すことができ、次式のようになる。
ここで、I(u,v)はi(x,y)、O(u,v)はo(x,y)、H(u,v)はh(x,y)のそれぞれ2次元フーリエ変換で、u、vは空間周波数変数であるため、数式3から劣化前の画像O(u,v)は次式で表すことができる。
1/H(u,v)は一般的にインバースフィルタと呼ばれ、このインバースフィルタをメモリ72や22に予め記憶しておくことで、ハーフミラー11の収差による劣化前の画像を復元することができる。
実際の画像復元処理は、ノイズなどの影響を大きく受けるので、インバースフィルタに限らず周知のウィナーフィルタや線形反復修正法、非線形反復修正法など多くの手法が開示されており、それらを用いてもよい。
また、ハーフミラー11による収差は図5においてY軸対称であるため、画像復元フィルタとしては撮影範囲17の半分のみを用意することで、全画像を復元処理することができる。更に、画像復元フィルタは、ハーフミラー11の収差のみならず、撮影レンズ62の収差までも考慮しているため、撮影レンズの収差による劣化も復元することができる。
このようにして、ハーフミラー11に収差による劣化前の画像を復元する。なお、ハーフミラー11による収差は波長による異なるため、実際の画像処理回路18による復元はRGBの色別に取得された画像データを用いて行う。
画像処理回路18は、撮像素子16と不図示のA/D変換器を経た画像データにγ変換、カラー補間、JPEG圧縮、上述した収差補正などの処理を施す。得られた画像データのうち焦点検出に対応する画像データは、画像処理回路18で焦点検出用画像データに変換され、カメラMPU20へ送られる。
カメラMPU(制御部)20は、カメラ本体10に係る全ての演算や制御を行うマイクロコンピュータ(プロセッサ)である。カメラMPU20はレンズMPU70と通信可能に接続され、レンズMPU70に対して撮影レンズ62の位置の取得や所定の駆動量でのレンズ駆動要求を発行したり、レンズユニット60に固有の光学情報(焦点距離など)を取得したりする。
カメラMPU20は、AF手段30によって焦点検出された検出結果に基づいてレンズMPU70を介して撮影レンズ62のフォーカスレンズを駆動するAF制御を行う。特に、カメラMPU20は、AF手段30が撮像素子16から出力されて画像処理手段18による収差補正が行われていない信号に基づいて焦点検出を行う場合に、AF手段30の焦点検出結果を補正する補正手段として機能する。より詳細には、カメラMPU20は、AF手段30の焦点検出結果に含まれる、収差に起因した撮影レンズ62の特性情報により決定される合焦位置のずれを補正する。この合焦位置とは、MTFピーク(撮影解像ピーク)の位置または像面位置である。
メモリ22は、カメラMPU20の動作に必要な情報を格納する。例えば、メモリ22は、後述する焦点調節方法を実行するためのプログラムや、それに使用される情報(後述する収差補正を行う前の設計的な撮影レンズ62のピント位置)、画像復元フィルタを保持している。
AF手段30は、画像処理回路18にて得られた画像情報のコントラスト成分によりコントラスト検出方式で焦点検出を行う焦点検出手段である。本実施例のコントラスト検出方式の焦点検出は、焦点を検出する領域を規定する焦点検出枠といわゆる山登り方式によってフォーカスレンズを移動してコントラスト値がピークとなるフォーカスレンズの位置を検出する山登りAFモードを有する。また、コントラスト方式の焦点検出は、合焦位置付近で撮影レンズ62と撮像素子16の間隔を変化するようにその一方を微小往復駆動してコントラスト値の変化を観察することによって被写体に対する焦点調節の追従を行うウォブリングAFモードを有する。
なお、AF手段30が使用する焦点検出方式はコントラスト検出方式に限定されず、位相差検出方式などほかの検出方式を使用してもよい。
本実施例のカメラは不図示の通信部を有する。通信部は、RS232C、USB、IEEE1394、P1284、SCSI、モデム、LAN、無線通信等を含み、不図示のケーブルまたは無線により外部のパーソナルコンピュータ(PC)と通信が可能に構成されている。
図1に示すカメラの撮影動作において、不図示のシャッタースイッチが半押しされると撮影準備処理を経て焦点調節、露出制御が行われる。次に、不図示のシャッタースイッチが全押しされると撮影が行われる。その後、カメラMPU20は収差補正情報(数式4で説明した画像復元フィルタ)を取得し、画像処理回路18が収差補正、γ補正、色変換、エッジ強調等の画像変換処理を行って画像データを記録または表示する。
なお、収差補正は、図2〜5で説明したように撮影画面内の位置、すなわち像高や波長によって異なるため、撮影画像を複数の領域に分割し、その領域ごとにRGBの色別に取得された画像データに対してそれぞれの色別に行われる。したがって、画像復元フィルタを、像高、RGBの色別、さらには撮影レンズのFナンバーごとに予めカメラ200のメモリ22に格納しておく。そして、この中から必要な画像復元用フィルタを取得する。画像復元処理フィルタを予め備え代わりに、撮影レンズ62の光学特性とカメラ本体10の光学特性を用いて、画像復元処理フィルタをその都度計算してもよい。
図6は、カメラMPU20によるAF制御を説明するためのフローチャートであり、「S」はステップの略である。図6に示す焦点調節方法はコンピュータが実行可能なプログラムとして実現可能である。
まず、カメラMPU20は撮像素子16から画像処理回路18へ画像データを読み出す(S102)。
次に、カメラMPU20は、不図示の入力部への入力に基づいて、現在のAFのモードが粗調AFモードであるか微調AFモードであるかを判定する(S104)。ここで、粗調AFは、焦点検出精度を多少犠牲にして焦点検出速度(焦点調節速度)を高速で行うAFモード(第2の焦点調節モード)である。一方、微調AFモードは、焦点検出精度を高精度にして焦点検出速度(焦点調節速度)を犠牲にするAFモード(第1の焦点調節モード)である。粗調AFモードは微調AFモードよりも高速で焦点調節を行うモードである。
微調AFモードが設定されている場合(S104のYes)、カメラMPU20は画像処理回路18に対して収差補正を指示し、収差補正された画像データに対して焦点検出を行う(S108)。なお、コントラスト検出方式の山登りAFにおいてコントラスト値のピーク位置を検出する方法や、ウォブリングAFにおいて振幅中心を移動するかどうかを判断する方法は知られている。
一方、粗調AFモードが設定されている場合(S104のNo)、カメラMPU20は画像処理回路18に対して収差補正を指示せず、収差補正されていない画像データに対して焦点検出を行う(S110)。
その後、カメラMPU20は、検出された合焦位置にフォーカスレンズまたは撮像素子16を移動するようにレンズMPU70に命令を送信することによって焦点調節を行う(S114)。
収差補正は大規模な演算を要するため、多数枚の画像データを必要とする焦点調節において、全ての画像に収差補正を行うことは演算に時間がかかる。そこで、S110は収差補正を行わない画像データで焦点調節を行っている。
ところが、収差補正を行わない画像で焦点調節をすると、その後の収差補正にてハーフミラーに起因する撮影レンズ62の合焦位置のズレを0となるように補正してしまうため、収差補正後にはピントがずれてしまうという問題が生じる。そこで、本実施例では、収差補正を行う前の設計的な撮影レンズのピント位置を予めメモリ22に記憶しておき、焦点調節量を補正することで、この問題を解決する。
図7は、撮影レンズの像高によるピント位置変化を表すグラフである。図7においてYZ軸は図1のYZ軸に対応している。横軸Zは撮影レンズ62のピント位置で、点Oが撮影レンズ62の予定結像面である。また、縦軸YはY軸方向の像高で、点Oが撮影範囲17の中心となっている。
曲線Ka、Kb、Kcは、ハーフミラー11を透過した光束による撮影レンズ62のピント位置の一部を示し、それぞれFナンバーがF2.8、F5.6、F8.0の場合に対応している。このピント位置は、コントラスト方式の焦点調節で使用する空間周波数域におけるMTFピーク位置から算出される。そして、撮影範囲17の中心に結像するF5.6の撮影光束のときにちょうどピントずれが0となるように、カメラのフランジバックが設定されている。
図7から、撮影レンズ62のピント位置は、Y軸プラス方向に行くほど後ピンとなり、Y軸マイナス方向に行くほど前ピンとなっている。例えば、F2.8において像高H1におけるハーフミラー11の収差によるピントずれはBP1となる。そして、撮影後の収差補正では、このピントずれBP1がほぼ0となるように収差補正が行われる。このため、この収差補正では、第1の像高で第1のずれ量を補正して前記第1の像高よりも高い第2の像高で前記第1のずれ量よりも大きい第2のずれ量を補正する。
そこで、カメラMPU20は、像高H1で焦点検出を行う場合は、このピントずれ量BP1を焦点調節量の補正値として使用して(S112)撮影レンズ62の焦点調節を行う(S114)。これにより、収差補正を行わない画像データを用いて焦点検出を行った場合でも、収差補正後に適正なピントの画像を得ることが可能となる。なお、S112において、「BP補正」とは、フォーカスレンズの特性情報により決まるベストピント補正量に基づく補正という意味である。これにより、収差に起因した撮影レンズの特性情報により決定される合焦位置のずれを補正することができる。
なお、図7は図5のY軸上におけるピント位置変化を示すが、実際の撮影範囲は図5に示すように2次元の広がりを有する。したがって、図5に示す撮影範囲17内の任意の像高(x,y)におけるピント位置変化量を焦点調節用の補正値として予め撮影レンズ62のメモリ72に格納し、これをカメラMPU20は取得してメモリ22に格納する。この補正値は撮影レンズ62のFナンバーごとに格納する。これにより、撮影範囲17の任意の像高において焦点調節を行う場合でも容易に補正値を得ることが可能となる。
本実施例によれば、小型軽量、安価な構成で光学ファインダを備え、すばやい焦点調節が可能なデジタル一眼レフカメラを実現することが可能となる。本実施例では、ハーフミラー11は光軸Lに対して一部を反射しているが、本発明は撮影光学系62の光軸Lに対して斜めに配置された光学素子を透過した光束が撮像素子16に光学像を形成すれば足り、反射が必須ではない。
なお、図6において、微調AFに関するS104、S106、S108を省略して粗調AFのみとし、S102からS110、S112、S114を行ってもよい。 なお、収差補正をPCなどのカメラ外で行ってもよい。また、収差補正のための画像復元フィルタは、撮影レンズ62の収差とハーフミラー11の収差の両方を含む代わりにハーフミラー11の収差のみを反映してもよい。あるいは、撮影レンズ62の収差情報は撮影レンズ62側に備え、ハーフミラー11の収差情報はカメラ200側に備えて、それらの情報を合わせて画像復元フィルタを算出してもよい。
更に、撮像素子16の一部の画素を焦点検出用画素として構成し、撮像面で位相差検出方式の焦点検出を行うように構成してもよい。この場合、撮像素子16は、被写体の像を形成する撮影レンズの射出瞳の全域を通る光を各々が受光して被写体像を光電変換する複数の撮影用画素と、複数の焦点検出用画素を有する。また、撮像素子16は、撮影レンズ62の射出瞳の異なる領域を通過した光束を各焦点検出用画素に導く瞳分割手段を更に有する。
例えば、撮像素子16は、2行×2列の画素のうち、対角に配置される一対のG画素は撮影用画素として残し、R画素とB画素を焦点検出用画素に置き換える。瞳分割手段は、特許文献2の図6や図7に記載されているようなマイクロレンズや開口部を有する配線層などである。
このように、撮像素子16は撮像用画素と焦点検出用画素を有する。焦点検出用画素は離散的に配置され、焦点検出時には離散的な画素出力を繋ぎ合わせた画像信号を用いて焦点検出を行う。一方、撮影時には、焦点検出用画素はキズ画素として扱われ、周囲の画素から補間演算などによりキズ補正処理されることで撮影画像を形成する。
また、この場合、AF手段30は、コントラスト方式のAF(コントラストAF)を行う手段と、撮像面で位相差方式のAF(SAF)を行う手段とを有する。SAFを行う手段は、撮像素子16に埋め込まれた焦点検出用画素を利用して位相差検出方式によって撮影レンズ62の焦点状態を検出する焦点検出手段である。即ち、この手段は、撮影レンズ62の一対の瞳領域を通過する光束により撮像素子16の焦点検出用画素に形成される被写体の一対の像のずれ量を撮像面で検出し、周知の相関演算によって撮影レンズ62の焦点状態を検出する。
SAFの原理は、特許文献2で説明されているものと同様であり、SAFを行う手段は、特許文献2に開示された合成手段、連結手段、演算手段を有する。
SAFを行う場合には焦点調節量の補正が必要となる。また焦点検出用画素が撮影レンズ62の瞳領域の片側のみを通過した光束を受光し、撮像用画素が撮影レンズ62の瞳領域の全てを通過した光束を受光するように構成すると、同じ被写体を受光する場合に両画素とでは瞳領域の違いによるピントずれが発生する。したがって、この場合、収差補正前後にどちらで焦点調節を行っても必ずピントずれが発生することとなり、焦点調節量の補正が必須となる。これを回避するためには、画像復元処理フィルタを撮像用画素と焦点検出用画素でそれぞれ別に有することが考えられるが、データ容量、計算量ともに極めて膨大となり、カメラ内部に実装するのは現実的ではない。したがって、本実施例のように焦点調節量の補正を行うと、比較的少量のデータで高速な焦点調節が可能となる。そこで、図6のS104において、カメラMPU20は、微調AFの代わりにコントラストAF(第1の焦点検出モード)かSAF(第2の焦点検出モード)かを判断してもよい。そして、コントラストAFの場合にはS104のYesのフローに、SAFの場合にはS104のNoのフローに移行してもよい。これにより、SAFにおいて比較的少量のデータで高速な焦点調節が可能となる。この場合の撮影レンズ62の像高によるピント位置変化は、図7のピント位置変化と量は異なるが基本的な考え方は同様であるため説明を省略する。
以上、本発明は上述した実施例に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
撮像装置は被写体を撮像する用途に適用することができる。
16 撮像素子
18 画像処理回路(画像処理手段)
20 カメラMPU(補正手段、制御手段)
30 AF手段

Claims (4)

  1. 撮影レンズの光軸に対して斜めに配置され、前記撮影レンズからの光束の少なくとも一部を透過する平行平板の光学素子と、
    前記光束が形成する光学像を光電変換する撮像素子と、
    前記撮像素子から出力される信号に含まれる、前記光束が前記光学素子を透過することによって生じる収差を補正する画像処理手段と、
    前記撮像素子から出力された信号に基づいて焦点検出をして焦点調節処理を行う焦点調節手段とを備え、
    前記焦点調節手段は、前記光学素子を通過した光学像に応じた信号であって、前記画像処理手段によって収差補正された信号に基づいて焦点検出をし焦点調節を行う第1のモードと、前記光学素子を通過した光学像に応じた信号であって、前記画像処理手段によって収差補正されていない信号に基づいて焦点検出を行い焦点調節において補正する第2のモードとを有することを特徴とする撮像装置。
  2. 前記光学素子は、撮影時においても前記撮影レンズの光軸に対して斜めに固定して配置されていることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記焦点調節手段は、前記第2のモードにおいて第1の像高で第1のずれ量を補正して前記第1の像高よりも高い第2の像高で前記第1のずれ量よりも大きい第2のずれ量を補正するように前記焦点調節手段が検出した焦点検出結果に含まれる合焦位置のずれを補正する補正手段を更に有することを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。
  4. 焦点調節速度より焦点検出精度を優先する微調AFが設定されている場合は、前記第1のモードを実行し、前記微調AFが設定されていない場合は、前記第2のモードを実行することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の撮像装置。
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