JP5677835B2 - 血液型抗体スクリーニング - Google Patents

血液型抗体スクリーニング Download PDF

Info

Publication number
JP5677835B2
JP5677835B2 JP2010502561A JP2010502561A JP5677835B2 JP 5677835 B2 JP5677835 B2 JP 5677835B2 JP 2010502561 A JP2010502561 A JP 2010502561A JP 2010502561 A JP2010502561 A JP 2010502561A JP 5677835 B2 JP5677835 B2 JP 5677835B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
assay
assay according
cell
blood
antigen
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2010502561A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010523995A (ja
Inventor
ペトリック,ジュラージ
ロブ,ジェニン,スコット
オルーニー,ニコラ,メアリー
Original Assignee
アルバ・バイオサイエンス・リミテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by アルバ・バイオサイエンス・リミテッド filed Critical アルバ・バイオサイエンス・リミテッド
Publication of JP2010523995A publication Critical patent/JP2010523995A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5677835B2 publication Critical patent/JP5677835B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/80Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving blood groups or blood types or red blood cells
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/53Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
    • G01N33/543Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor with an insoluble carrier for immobilising immunochemicals
    • G01N33/54393Improving reaction conditions or stability, e.g. by coating or irradiation of surface, by reduction of non-specific binding, by promotion of specific binding

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)

Description

本発明は、輸血検査に係り、より具体的には、血液型抗原に対する抗体の検出に関する。また、本発明は、好ましい表面コーティングを有したアッセイに関する。
血液または血液成分の輸血は、一般的に行われている医療行為である。輸血検査に使用される血液製剤および器具は、厳格な要件に従って製造され標準化されねばならない。患者に輸血される血液成分の安全性を保証するため、可能な限りの処置が現に実行されている。従って、輸血および輸血検査に関する分野は、高度に統制された分野であるといえる。英国において輸血検査は、英国法および欧州法の両者によって規定されており、また地域品質システムや世界法によってもカバーされている。輸血前試験の大部分は、血液型抗体およびその他の抗体のスクリーニングで構成される。これは、ドナーおよび患者双方の適合性を判断し、その後の免疫反応を最小限に抑えるためである。血液型抗体スクリーニング検査は、主として、赤血球表面の血液型抗原に対する抗体を、血液サンプルが含んでいるかどうかを検出するために行われる。このような抗体が個人的に作り出される原因は、多くの場合、同種免疫によるものであり、抗原陽性血液が抗原陰性の人に導入されると、非自己抗原に対する抗体が作られる可能性がある。輸血および妊娠時における胎児母体出血が、同種免疫を引き起こす可能性のある2つ事由である。このメカニズムによって産生された抗体は、通常、不規則血液型同種抗体と呼ばれる。また、同種抗体には、免疫原が不明なものがあり、こちらは自然発生的同種抗体と呼ばれる。
臨床的に意義のある血液型同種抗体を検出することは、ドナーおよび輸血者の輸血前試験において、非常に重要な意味を持つ検査である。臨床的に意義のある抗体を検出することにより、患者が抗体を産生した抗原を含まない安全な血液を患者に提供することが可能となる。
従来的に抗体スクリーニング検査は、試験管内における凝集試験として行われてきた。この試験には、血漿・血清試薬に対して試験された、既知の特異性を有するヒト赤血球が使用される。一定の培養期間を経た後、多くの場合、二次抗体溶液を加えて、この混合物の赤血球凝集を観察する。最近では、マイクロプレートやカラムを使用した凝集テクノロジーシステム(たとえば、Dia Med社のID System、Ortho Clinical Diagnostics社のBio Vue)を用いて、ある程度自動化して試験を行うことも可能となってきている。検査方法および検出限界要件は、検査の対象となるのが、ドナーのサンプルであるか患者のサンプルであるかによって異なる。ドナーの場合は、パパイン処理したOR12K陽性細胞群が、抗Dの検出限界0.5IU/mlで使用されるが、患者の場合には、より精度の高い技術が用いられ、検出限界は抗D0.05IU/mlである。ドナー試験において最も一般的に使用されている方法は、かなり大ざっぱで、感度の低いものである。現行の規制要件に従ってはいるものの、現在行われている試験はかなり限定されており、検出可能な臨床的に意義のある抗体の範囲は限られている(この検査では、パパイン処理したOR12K陽性細胞群を用いて、オリンパス株式会社の血液型アッセイで行う)。より広い範囲の臨床的に意義のある血液型抗体をドナーから検出できれば、輸血医療の安全性は、さらに向上するといえる。また、本明細書において提案するように、多重化技術を用いれば、より一層の利益がもたらされるといえる。
血液型抗原は、構造も複雑度も様々であるが、本来的に主として糖質またはタンパク質である。糖鎖抗原は、単純構造の場合もあれば、高度に分岐した構造をとる場合もある。タンパク質抗原は、外膜に付着していたり、膜を何度も貫通して膜と一体化(膜貫通型)していたり、本来的に糖タンパク質であったりする。
通常、ほとんどの抗体スクリーニングアッセイは、赤血球全体の溶液を使用する。最近では、赤血球ゴースト(すなわち、空の細胞膜)を用いた固相血液型判定が実証され(Immucor社による米国特許第5030560号)、いくつかの実験室においては、日常的に抗体スクリーニングに用いている。この方法は費用が高くつく上に、ある種の特異性をもつ偶発的IgM抗体や、多様な特異性をもつIgG抗体を見逃してしまうことが知られている。小型化すれば、試薬の使用量が少なくなるため、費用効率を改善することができ、このことは特に、稀な特異性の赤血球の場合に意味がある。また、マイクロアレイなどをベースとした小型アッセイは、反応速度を高め、より良好な感度を示すことが多い(Ekins、1998年)。しかしながら、スポットサイズは50〜700μm、より頻繁には100〜250μmであるから、赤血球全体または溶解赤血球(「ゴースト」)の構造はスポット用としてはかなり大きい。さらに、全体的な細胞は、長期間にわたって安定的であるとはいえない。マイクロアレイ上のプローブとして細胞膜フラグメントを使用し(Corning社による米国特許出願公開第2002/0019015号、同第2004/0213909号、国際公開第WO2005/010532号、同第WO2006/058237号)、Gタンパク共役受容体の相互作用を調べることについては、すでに開示されている。しかしながら、赤血球膜のフラグメントについては、記述されていない。より厳密には、これまで赤血球またはその他の細胞(たとえば、トランスフェクト細胞)からの膜フラグメントが、血液型抗原同種抗体の検出に用いられたことはなかったのである。先に引用した特許文献において、Corning社グループは、様々なスライド表面上に、ポリエチレンイミンのリンカー/モディファイアーで膜フラグメントを固定して使用しているが、中でも最も良好な結果が得られたのは、金でコーティングしたスライドであった。金コーティングは、かなり高価であり、また、その不透明性が原因で、ある種のスキャナの場合、問題が生る可能性がある。赤血球の大きさは、7.5〜8.5μmであり、その平均寿命はおよそ120日である。ある種の重要な低頻度抗原を発現する赤血球は、しばしばきわめて稀少である。小型化の特質として、試験のために用意する必要のある各プローブ細胞の量はナノリットル/マイクロリットルで足り、献血から大量のストック抗原を準備できるため、ある種の血液型抗原を調べる際の稀少性の問題が緩和される。赤血球を酵素処理すると、表面電荷が変化し、細胞からある種の化学構造が除去されることが知られている。こうした処理を施すことにより、多くの血液型抗原の検出を最適化することが可能である。タンパク質血液型抗原(エピトープ)は、抗原決定基配列からなるペプチドで表すことも可能であり、これらのペプチドを抗体スクリーニングに使用することも実証されている。しかしながらペプチドは、通常、線状エピトープに対してのみ作用し、複数回貫通型膜タンパクの場合、組み換え抗原は適切な配座を支持できない。
遺伝子組み換え細胞は、その表面に組み換え血液型抗原が表れるよう作成可能である。このことは、Kell式、Knops式およびDuffy式の抗原に対してすでに実証されている(Ridgwellその他、2000年;Yazdanbakhshその他、2000年;Sheffieldその他、2006年;国際公開第WO2005/024026号公報)。これらの抗原形態は、ヒト血漿/血清の抗体スクリーニングに用いられ、成功をおさめてはいるものの、特異性の範囲は制限されている。さらに、検出方法として、主にフローサイトメトリーを用いなければならないが、フローサイトメトリーの処理容量は低く、利用可能なラボは少なく、固相への適応が必要となる。酵素免疫測定法や、免疫プロット法を用いる試みも行われている。こうした細胞を用いれば、有効保存期間が短いという問題を解決でき、また潜在的なバイオハザードの危険性を回避できる。しかしながら、血液型抗原を発現するこうした細胞のフラグメントについては、これまで記述されていない。
米国特許第5030560号公報 米国特許出願公開第2002/0019015号公報 米国特許出願公開第2004/0213909号公報 国際公開第WO2005/010532号公報 国際公開第WO2006/058237号公報 国際公開第WO2005/024026号公報
Robb, J.S., Roy, D.J., Ghazal, P., Allan, J. and Petrik, J.(2006). "Development of non-agglutination microarray blood grouping" Transfusion Medicine. 16, 119-129 Campbell, C.J., O'Looney, N., Chong Kwan, M., Robb, J.S., Ross, A.J., Beattie, J.S., Petrik, J. and Ghazal, P. (2006). "Cell Interaction Microarray for Blood Phenotyping" Analytical Chemistry. 78, 1930-1938. Ekins, R.P. (1998). Ligand assays: from electrophoresis to miniaturised microarrays. Clinical Chemistry, 44, 2015-2030. K. Ridgwell, J. Dixey and M. L. Scott (2000). The production of soluble recombinant Kell antigens and their use in screeing human sera for anti-Kell blood group antibodies. Transfusion Medicine. 13, Supplement 1, 9. Yazdanbakhsh, K., Oyen, R., Yu, Q., Lee, S. Antoniou, M., Chaudhuri, a. and Reid, M. E.(2000). High-level. stable expression of blood group antigens in a homologous system. American Journal of Hematology. 63:114-124. Sheffield, W.P., Bhakta, V., Branch, D. R. and Denomme, G. A. (2006). Detection of antibodies reactiong with the antithetical duffy blood group antigens Fy(a) and Fy(b) using recombinant fusion proteins containing the duffy extracellular domain. Transfus Apher Sci. Dec; 35(3): 207-16.
そして今、われわれは、次のような発見をした。すなわち、フラグメント化した赤血球膜を用いて発現させた血液型抗原や、細胞株を発現する他の抗原は、固体表面に固定化すること可能であり、これらは処理後もなお固体表面に保持され、抗原性を維持できるため、マイクロアレイ技術を用いて、血液サンプル内に存在する抗体を検出することが可能だ、ということである。これにより、従来の抗体スクリーニング検査を効果的に代替する試験を提供することができ、さらには、血液処理において重要なその他の検査、たとえば、赤血球表面上にある多重抗原の血液表現型検査、直接抗グロブリン試験、微生物学的試験、病原菌検査などとともに、単一のマイクロアレイで行うことが可能となる。
本発明の第一の態様は、血液型抗原に対する抗体を検出するためのアッセイを提供するものであり、このアッセイは、血液型抗体と結合可能な血液型抗原を発現する細胞膜フラグメントを固定した固体基板を含む。
本発明の第二の態様は、前記アッセイを用いた血液検査方法を提供する。
このように、本発明は、マイクロアレイプリントにより適した、小さな均等サイズの細胞膜フラグメントを使用することにより、赤血球ゴーストに吸着または結合した細胞由来の不要物質を最小限に抑えるものであり、特に、この発明で行われているように、膜フラグメントを超音波処理で作成すれば、アッセイのバックグランド(ノイズ)値を軽減できる。
しかしながら、細胞をフラグメント加工するプロセスにおいて、膜フラグメント上に小気胞ができてしまう可能性があり、場合によっては、適用不能なものとなることが知られている。フラグメント化のプロセスは、慎重に制御されねばならない。であるからこそ、固相マイクロアレイの表面に固定化(スポッティング)するというプロセスをさらに経た赤血球膜のフラグメントが、同じ特異性をもつ完全な赤血球または赤血球ゴーストに匹敵する、あるいはこれらを上回る性能を示す(試験結果参照)ことは、驚嘆に値する。
本発明の第三の態様は、血液サンプルから臨床的に意義のある血液型抗体を検出するために使用する適切な血液検査方法を提供するものであり、この方法は、次のステップ、すなわち、
様々な前記特徴的抗体と特異的に結合することが可能な多数の血液型抗原を、基板上のあらかじめ定めた位置に個別に固定したマイクロアレイを提供し、
前記マイクロアレイに、被験者から採取した血液サンプルを接触させ、
前記結合剤を固定した基板上の1つ以上の領域から、非結合の赤血球を実質的にすべて除去し、
前記マイクロアレイに結合した抗体の存在を検出し、これにより前記特徴的抗体が被験者の血液中に存在するかどうかを判断する、ステップからなる。
抗体の結合にタンパク質/抗原マイクロアレイを使用することは、すでに公知ではあるものの、固体基板と結合した赤血球フラグメントが、必要とされるさらなる処理にも耐えうるものであり、依然としてマイクロアレイに付着し、ここに係留し、かつ抗原性を維持し続けており、従って、効果的に血液型抗体スクリーニングに用いることができるということは、驚嘆に値する。細胞膜フラグメントは、公知のどのような方法を用いて作成してもよい。好ましくは、完全細胞を低張溶解で溶解したり、その他の周知の方法を用いたりして、細胞内容物を放出させ、空の細胞膜(細胞ゴースト)が残るようにする。細胞ゴーストは、超音波処理、冷凍/解凍、スパニングなどの寸断方法でフラグメントにする。細胞をプロテーゼで前処理して、ある種の抗体−抗原相互作用を最適化することもできる。典型的に、細胞フラグメントのサイズは、1μm以下(たとえば、<0.5μmあるいは<0.3μm)であり、多くの場合、0.1〜0.5μmの範囲である。フラグメントをふるいにかけて、固体基板上にスポットするのに最も適したサイズとすることも可能である。さらなるプロセスとして、最初に行うブロッキングや、非結合物質を除去し、非特異的結合を減じるためのマイクロアレイの洗浄、スキャンを行うための乾燥などが含まれる。
マイクロアレイは比較的新しい技術であるが、その便益と用途は、当業者には周知である。マイクロアレイ技術に関するほとんどの出版物は、プローブおよび標的として遺伝物質を用いることに言及している。マイクロアレイは、通常、マイクロサイズまたはナノサイズのプローブサンプルのスポットを、固体基板上に配置する専門ロボットを使用して作成される。この技術がもたらす多重化機能は、きわめて大きな利益を提供する。たとえば、1標的−1プローブであった従来の検査と異なり、1つのサンプルを、ほとんど無限に近い数のプローブに対して、同時に検査することが可能である。同様に、多重化により、処理スピードおよび処理容量がアップする。このことは、ひいてはコストの削減、人員の削減、サンプル数の削減、試薬の削減、繰り返し試験の削減につながる。マイクロアレイには、データ生成レベルの向上をともなった高レベルの反復が含まれており、より効率的なデータ一致が可能となるからである。
本発明のアッセイによれば、単一の検査システムに、抗体スクリーニング検査、血液型検査、表現型検査、DAT試験および梅毒検査をまとめて含めることができる。これにより、スクリーニング検査と同時に、様々な特徴的抗体を同定することが可能なため、血液検査手続きにおける効率と有効性が向上する。また、識別可能因子の臨床的意義を決定する際の遅延を短縮できる。
その他含めることが可能な検査には、ヒト免疫不全ウィルス(HIV)スクリーニング、B型肝炎スクリーニング、C型肝炎スクリーニング、ヒトT細胞白血球ウィルス(HTLV)スクリーニング、微生物学的スクリーニング、血小板スクリーニングなどがある。
アッセイ上に供給される膜結合抗原は、標的となる特徴的な抗体のアイデンティティーに即して選択することが好ましい。これらの抗原は、一般的に、従来的な抗体スクリーニング検査で使用されているもの、たとえば、少なくともA、B、C、c、D、E、eおよびKなどである。また、ある種の抗体との結合を最適化するため、修飾抗原を含めることもできる。さらに、臨床的に意義が認められているその他の抗原、たとえば異なる個体数で存在する抗体に対する抗原(たとえばDiego)を含めると有益である。
具体的には、ABOおよびH式、Rh式、Kell式、Duffy式、Kidd式、Lewis式、MNS式、P式、Lutheran式、Wright式、Diego式、Colton式およびXg式といった血液型分類法による、臨床的に意義のある血液型抗原のすべてを、細胞膜フラグメントに含めることが可能である。これらを、その抗原(もっと多数あるが、臨床的に意義のあるもののみを示す)とともに、以下に表示する。
ABOおよびH式 A(A1およびA2)B、H;
Rh式 C、D、E,c、e、CW;
Kell式 K、k、Kpa、Kpb、Jsa、Jsb;
Duffy式 Fya、Fyb;
Kidd式 Jka、Jkb;
Lewis式 Lea、Leb;
MNS式 M、N、S、s、Mia、U;
P式 Pl、Tja;
Lutheran式 Lua、Lub;
Wright式 Wra;
Diego式 Dia、Dib;
Colton式 Cob;
Xg式 Xga。
基板上に固定される血液型抗原は、赤血球膜フラグメントであってもよいし、代替的な細胞株に発現した抗原であってもよい。また、検査を十分に対照化するため、関連する対照プローブも含めることが好ましい。こうした陽性対照には、たとえば抗ヒトIgなど、試験材料の添加を示す抗体が含まれる。陰性対照には、プローブの作成に使用されるバッファや、ブロッキング剤が含まれ、また、他の種/源に由来する同種の細胞/プローブを、本発明の検査プローブと同様に修飾・処理したものを含めることもできる。
固体基板には、血液型抗原をキャリーする膜フラグメントを支持するためのコーティングを施すことが好ましい。コーティングは、抗原の効果的な発現が可能になるよう、膜フラグメントを固定するために十分な厚さであることが好ましい。これにより、検査対象となる血液抗体は有効な免疫複合体を形成できる。通常、コーティングは、少なくとも1分子以上の厚さであり、とりわけ0.1μm以上、さらには1μm以上、またさらには10μm以上でありうる。コーティングの厚さは、100μm以下、たとえば10μm以下でありうる。好ましい範囲は、1〜100μm(とりわけ、5〜20μm)である。コーティング材料は、この分野において、生物学的物質を固定する目的で、固体基板をコーティングするのに適するとされる材料であれば、何を用いてもよい。通常コーティング材料は、親水性、水溶性であり、溶液状態で塗布し、これを乾燥させ、固体状また半固体状で基板上に残るようにする。
表面改質およびコーティングに適した材料は、数多く存在する。たとえば、天然および合成ゴム、ゲル、ポリマーなどである。適切なポリマーには、オレイル−o−ポリ(エチレングリコール)−スクシニル−N−ヒドロキシ−スクシンミジルエステルのようなポリエチレングリコールや、高分子塩基、中でも高分子窒素塩基、とりわけ塩化ポリジアリルジメチルアンモニウムのような第4級窒素塩基、およびポリ−L−リジンのようなポリペプチドが含まれる。適切なシランには、3−グリシドキシプロピル−トリメトキシシランが含まれる。
マイクロアレイのスライド用に最も頻繁に使われるのはガラスであるが、こうした固体表面は、GAPS(ガンマアミノプロピルシラン)、APTS(3−アミノプロピルトリエトキシシラン)、エポキシシラン、GOPS(3−グリシドキシプロピル−トリメトキシラン)などで改質できる。ポリアクリルアミドのパッチは、三次元構造を形成できる。また、ニトロセルロースやPVDFなどの膜で、ガラスをコーティングすることも可能である。膜フラグメントの固定化において重要なことは、ポリマーのコーティング材料が側方への運動に対しては柔軟性を保持するということである。換言すれば、膜フラグメントは、固体表面上に直接固定しない方がよいということである。これは、適切なポリマーのクッションを、固体表面と固定する膜フラグメントとの間に用いることによって達成できる。金の表面とポリエチレンイミンのクッションは非常によく作用するが、高価である。本発明は、高い処理容量の血液スクリーニングを目指しており、このようなコーティングは高すぎて使用できない。そこで、日油株式会社の「サンブライト(登録商標)」製品(オレイル−o−ポリ(エチレングリコール塩化ポリジアリルジメチルアンモニウム)−スクシニル−N−ヒドロキシ−スクシンミジルエステル)など、表面に使用できそうな様々なポリマーを分析した。本発明は、有効期限が長い膜フラグメントを、生細胞とは非常に異なる処理・加工を施し、理想的に使用することを目的とする。赤血球は、他の組織培養真核細胞とはかなり異なる。したがって、超音波処理を施し、ある種の抗体−抗原相互作用を最適化するため、しばしば特殊プロテーゼで処理した小さなサイズ(典型的に0.5μm以下)の赤血球膜フラグメントが、「サンブライト(登録商標)」でコーティングされた表面に依然として保持され、抗体スクリーニングアッセイに使用できるという発見は、驚くべきものである。
もう1つのポリマー、塩化ポリジアリルジメチルアンモニウム(pDADMAC)は、通常、大規模工業用水処理用途に使用されているものの、マイクロアレイに用いる固相コーティングとしては、今まで使用されたことがない。これは、金でコーティングした固相と比して、はるかに安価であり、実際、他のほとんどのコーティング剤よりも安い。このポリマーが、膜フラグメントの固定化に非常に適しているということは、驚くべき発見である。さらには、抗体のような対照タンパク質分子の固定化にも適しており(実験結果参照)、このことは、pDADMACをコーティングしたスライド、マイクロプレート、その他のバイオアッセイ用の固体表面、とりわけ本発明のバイオアッセイに基づくマイクロアレイが、幅広い用途に使用可能だということを示唆するものである。
典型的に、抗原はアレイ内の基板に結合される。ここで「アレイ」という用語を使用する場合、これは、赤血球抗体と特異的に結合する抗源が、ガラスやプラスチックなどの基板上に、通常の秩序で配列され固定化されものを意味する。典型的にアレイは、別々に仕切られた領域が規則正しく連続して並んだ形状をしており、ここに、抗原が結合される。このような抗原を結合したアレイを、一般に「抗原チップ」と呼ぶ。
抗原は、たとえば平面状あるいは球状の基板上に配列される。平面アレイは、自動装置により容易にスキャンされる。さらに、各々の特異的抗原につき、数々の希釈物を用意し、および/または数回繰り返して(たとえば、3〜10回)配置する。これにより、何らかのアッセイを実行する際に発生する可能性がある、偽陽性/偽陰性反応を最小限に抑えることが可能となる。
アレイは、従来的な基板のいずれで形成してもよい。たとえば、ガラス、プラスチック、ケイ素、酸化ケイ素、金属、金属酸化物などで作られたプレートまたはビーズを使用することができる。抗原を結合させる基板は、ウェル、トレンチ、ピン、チャネルおよび孔など、様々な表面形状とすることができるが、マルチウェル式のマイクロプレートが好ましい。蛍光検出を改良するための好ましい基板表面構造は、国際公開第WO02/059583号公報および同第WO03/023377号公報に記載されている。ある種の実施態様においては、基板は、光学的に透明であることが好ましい。
一般に、本発明のアッセイは、小さな平面基板(たとえば辺長50〜100mmの長方形)で構成され、スライドまたはマイクロプレート当り10000個までの抗原スポットを有する。通常、各抗原は、既知の方法を使用して、基板にスポット付け、プリントまたは他の方法で結合させる。たとえば、Michael J. Heller, Annual Review of Biomedical Engineering, 2002 Vol. 4: 129-153、DNA Microarray Technology: Devices, Systems and Applications、Angenendt, P.; Glokler, J.; Murpy, D.; Lehrach, H.; Cahill, D.J. Anal. Biochem., 2002, 309, 252-260;Angendt, P.; Glokler, J.; Sobek, J.; Lehrach, H.; Cahill, D. J. Chromatogr. A, 2003 100, 997-104を参照されたい。典型的なスポットは、直径1mm以下、たとえば、直径500μm以下または100μm以下である。通常、スポットサイズは50〜1000μmである。この方法においては、必要に応じて、1〜1000個、好ましくは10〜100個の抗原スポットを単一アレイ内に収めることができる。
また、本発明のアッセイを使用して、1以上のサンプルを試験することが可能である。各チップは、基板表面上に個別のアレイを複数有し、別々のサンプルと各アレイとが、各サンプルが混合しないようなやり方でアレイと接触するよう配列される。たとえば各アレイは、異なる各サンプル同士の接触を阻止するように工夫された壁、リッジ、堤、疎水性領域等により、互いに連結される。
上記のような構造の特定例の1つとして、従来型フォーマットのマイクロプレートがあげられるが、本発明の目的に則するのは、平らなガラスのウェル底を有するものである。このフォーマットのマイクロプレートにおいて、数あるアレイのうちの1つは、典型的に、96のプローブアレイを含んだ96ウェルプレート(384ウェル、またはそれ以上のサイズも可能ではあるが)を使用する。各ウェルは、予め定めたパターンに配した抗原スポットのアレイを備える。各ウェルは、試験対象となる血液サンプルを容れられるようになっており、単一の抗原(異なる濃度とすることもできる)で構成してもよいし、多数の抗原で構成してもよい。パターンを予め定めておくことにより、自動的にアレイをスキャンし、その結果をコンピューターを用いて読み取り、保存することが可能となる。
基板表面の結合剤でカバーされていない領域(非特異的結合部位を提供する可能性がある領域)は、ブロッキング剤で処理し、前記抗原と抗体との非特異的結合を回避することが好ましい。様々なブロッキング剤が、この分野では周知である。一般的に、これらのブロッキング剤は、無脂肪乳タンパク質、カゼイン、ウシ血清アルブミン(BSA)など、アルブミンまたは血清(血液型抗体や抗IgG抗体、あるいは同一マイクロアレイ上における試験プローブの相互作用を阻害する可能性のある抗体といった、好ましくない抗体を有さないもの)を、バッファに入れたものが都合よく用いられる。一例を挙げれば、1〜4%W/Vのウシ血清アルブミン(BSA)(ID Bio社、フランス)をリン酸緩衝生理食塩水(PBS){0.15M塩化ナトリウム、2.632mMリン酸緩衝原液(Alba Bioscience社、スコットランド)、pH7.0}に入れたものなどが便利である。
抗体スクリーニングにおいて、二次検出に用いる抗体は、あらゆる結合抗体(たとえば、ヒトIgGまたはIgM)と反応するものでなければならない。これは、IgG、IgM、IgE、IgA、IgDといったあらゆる免疫グロブリンクラスの抗体についても同様であり、またこれらのサブクラスにも適用される。
生物学的要素の結合を検出する方法は、数多い。たとえば、発光タグ、化学ルミネッセンス、ラジオアイソトープ、無標識検出(たとえば、ビアコア)などである。マイクロアレイに最も頻繁に用いられるのは、共焦点走査を用いた蛍光検出であるが、代替的な選択肢としては画像システムがあり、こちらは、よりコスト効率がよく、用途が広く、より迅速である。以下に記述するように、結合抗体の検出にきわめて便利な方法として、検出が望まれる結合抗体への特異性を有する、蛍光標識した二次抗体複合体使用があげられる。蛍光の存在は、共焦点走査型レーザを用いて蛍光を励起し、これに続く発光を検出することにより検出されるが、代替的に、発光ダイオード(LED)やメタルハライドランプなどによる照明法を用い、カメラ画像キャプチャで検出することも可能である。
本発明のアッセイ法では、血液サンプル中に存在するあらゆる抗体を、一定期間(10秒〜数時間、たとえば1分〜60分)にわたって、固定化された膜結合抗原と特異的に反応させる。典型的に、この反応は、室温で実施されるが、たとえば、37℃で実施することも可能である。
非結合物質の除去は、たとえば、基板表面を水または塩水のような溶液で洗浄することにより、または空気を基板表面全体に吹き付けたり、吸引したりすることにより、あるいは遠心分離または振動を利用して非結合物質を基板表面から払拭することにより行う。さらに、抗原を結合させる限定領域以外の基板領域を、試験サンプルの細胞に対して浸透性(多孔性)とすることにより、抗体と接触しない細胞が基板を通過できるようにし、除去を容易にすることも可能である。前述したように、結合抗体の存在は、二次標識検出(蛍光・化学ルミネッセンス複合抗体)、ローリング・サークル増幅など、様々な周知技術により検出できる。
このように、マイクロアレイに結合した抗体は、蛍光シグナルによって検出できる。基板上の各特異的抗原の位置を知ることにより、試験対象の血液中に存在する抗体を同定することが可能であり、これにより、試験対象となる血液サンプルの血液型特異性を同定することができる。
蛍光は、分光光度計など、この技術分野で既知の適切な光検知器を用いて検出できる。励起レーザを伴った共焦点スキャナを用いれば、スキャナで蛍光出力を検出し、その強度を数値化して、解釈およびデータ処理に活用できるため、便利である。
適切なエレクトロニクスおよびソフトウェアを使用して、適切な装置をプログラムすることにより、基板表面上の特異的抗体を同定し、その位置を知り、これを発生した蛍光シグナルと相関させることが可能となり、これにより、特殊な血液型であるかどうかが判定され、テスターで同定できる。さらに、統計用ソフトウェアを組み込むことにより、基板上に種々に繰り返された抗体および/または様々に希釈された抗体から得た結果を、組み合わせて定式化することが可能となる。この方法においては、多数の特異的抗原スポットから得た蛍光シグナルが合わせて解析され、統計的に有意な結果がテスターに表示される。
図1は、「サンブライト(登録商標)」でコーティングされ、赤血球(R11、R22およびrr細胞)膜フラグメントをキャリーするスライドの、モノクロナール抗体パネルに対する反応性を示したものである。 図2は、ポリ−L−リジンでコーティングされ、赤血球膜フラグメントをキャリーするスライドの反応性を示したものである。 図3は、pDADMACでコーティングされ、赤血球膜フラグメントをキャリーするスライドの反応性を示したものである。 図4は、pDADMAC上に固定した赤血球フラグメント(超音波処理あり)と赤血球ゴースト(超音波処理なし)の反応性を、平均分子量の異なる5つのpDADMACにおいて対比したものである。 図5(a)は、コーティング剤の濃度の増加に伴う効果を、抗Dを抗体に用いて示したものである。 図5(b)は、コーティング剤の濃度の増加に伴う効果を、抗Dを抗体に用いて示したものである。 図5(c)は、コーティング剤の濃度の増加に伴う効果を、抗Dを抗体に用いて示したものである。 図6は、「サンブライト(登録商標)」でコーティングされ、様々な赤血球型(R11、R22およびrr)の膜フラグメントをキャリーするマイクロアレイの、抗Dモノクロナール抗体に対する反応性を、それぞれ示したものである。 図7は、「サンブライト(登録商標)」でコーティングされ、様々な赤血球型(R11、R22およびrr)の膜フラグメントをキャリーするマイクロアレイの、抗Eモノクロナール抗体に対する反応性を、それぞれ示したものである。 図8は、図6と同様の反応性を、polyDADMACでコーティングしたマイクロアレイにつき示したものである。 図9は、図7と同様の反応性を、polyDADMACでコーティングしたマイクロアレイにつき示したものである。 図10は、図6と同様の反応性を、ポリ−L−リジンでコーティングしたマイクロアレイにつき示したものである。 図11は、図7と同様の反応性を、ポリ−L−リジンでコーティングしたマイクロアレイにつき示したものである。 図12(a)は、pDADAMCでコーティングされ、グリコフォリンAおよびB遺伝子(Aは血液型抗原M/Nを、Bは血液型抗原S/sを有する)をトランスフェクトしたT293細胞のコロニー(1,1;1,2;2,3;4,7,1など)の膜フラグメントをキャリーするスライドの、抗M抗体に対する反応性を、それぞれ示したものである。 図12(b)は、pDADAMCでコーティングされ、グリコフォリンAおよびB遺伝子(Aは血液型抗原M/Nを、Bは血液型抗原S/sを有する)をトランスフェクトしたT293細胞のコロニー(1,1;1,2;2,3;4,7,1など)の膜フラグメントをキャリーするスライドの、抗N抗体に対する反応性を、それぞれ示したものである。
本発明のさらなる特徴および利点は、例証として以下に示す実施例により、明らかにされる。
修飾赤血球および未処理赤血球からの膜フラグメントの作成:
対象抗原を発現しているヒト赤血球を、献血および/またはドナー検査サンプルから選択した。適切なドナー血液を各3mlずつ、別々の225mlファルコンチューブにピペットで滴下し、氷で冷却したリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を200mlまで加えた。この赤血球懸濁液を、そっと混ぜ合わせ、その後3000rpmで10分間、遠心分離した。上澄みを捨て、同じプロセスを、2回はPBSを用いて、1回はバッファ310(0.1M Na2HPO4、Na2HPO4を使用してpH7.3にしたもの)を用いて、計3回繰り返した。いずれの場合も、遠心分離された赤血球ペレットを、そっと再懸濁した。ヘマトクリット値(すなわち、赤血球が占める容積のパーセンテージ)が測定された。ヘマトクリット値は、>赤血球10%であった。必要に応じて、バッファ310を用いてヘマトクリット値を10%に調整した。10%の細胞懸濁液10mlをソルヴァル(Sorval 遠心分離機)のチューブに移し、ここに氷で冷した溶解バッファ(46.5mlのバッファ310を希釈して1Lの逆浸透水(RO)にしたもの)を加えて36mlにし、そっと混ぜ合わせた。これを、速度19000rpm、温度4℃で、15分間遠心分離した。溶血した上澄みを捨て、ペレットを再懸濁し、氷で冷やした溶解バッファ36mlでもう1度洗浄した。これを再び、速度19000rpm、温度4℃で、15分間、遠心分離した。普通の容器内の5mlのPBSにペレットをそっと再懸濁し、これを氷の上に保った。こうして得た赤血球ゴースト(すなわち、空の細胞膜)を、最大出力の50%で1分間超音波処理(Status 200 超音波処理機)してフラグメント化した。
酵素修飾細胞が必要な場合には、前記したゴースト化、フラグメント化のプロセスの前に、次の処理を行った。上澄みが透明になるまで(通常4回)PBSで赤血球懸濁液を洗浄し、PBS内でヘマトクリット値を50%に調整した。50%の赤血球懸濁液1ml毎に、1mlのパパイン酵素を加え、別々の225mlファルコンチューブ内でそっと混ぜ合わせた。この混合物を、室温で8分±0.5分、終始混ぜ合わせながらインキュベートした。インキュベート後、各フラスコを0.9%の生理食塩水またはPBSで満たし、そっと混ぜ合わせた。その後、各フラスコを3600rpmで6分間、ノーブレーキで遠心分離した。上澄みを蠕動ポンプで吸引廃棄した。この作業を、上澄みが透明になるまで3回以上繰り返した。最終洗浄の際、懸濁液にModified Alsevers溶液(Alba Bioscience社)を追加して50%の懸濁液とした。
クローン化血液型抗原(M/NおよびS/s抗原)を発現しているトランスフェクト細胞株からの膜フラグメントの作成:
RNA源: 赤血球細胞株K562は、グリコフォリンAおよびBを発現することが知られている。グリコフォリンAは血液型抗原M/Nを、グリコフォリンBは血液型抗原S/sを、それぞれキャリーする。K562を、10%の子牛血清で強化したRPMI培地で培養した。RNeasyミニキット(Qiagen社)をメーカーの指示に従って使用し、107個の細胞を用いてトータルRNAを分離した。AccuScript High Fidelity 1st Strand cDNA Synthesis Kit(Stratagene社)を使用し、RNAの一部を用いて20μlの反応液内で、cDNAの第1ストランドを合成した。その後0.5〜2μlを使用して、グリコフォリンA(GYPA)およびB(GYPB)のコード配列をPCR増幅した。この2つのタンパク質のN端末は同一であるため、同じフォワードプライマーを使用した(SacIIGYP AB fwl)。
プライマー:
SacIIGYP AB fwl:
CATCGACCGCGGGCCACCATGTATGGAAAAATAATCTTTGTAT、
EcoRIGYP A r:
GTTCGTGAATTCTCATTGATCACTTGTCTCTGG、
EcoRIGYP B r:
GTTCGTGAATTCTCATGCCTTTATCAGTCGGC。
PCR条件: 0.7μlのcDNAを使用した;
プライマー各1μl(20pmoles/μl)、
水25μl以下、
Pfu Ultra Hot Start 2x Master ミックス (Stratagene社)25μl。
プログラム: 95℃/3分 1サイクル、
95℃/30秒、
54.5℃/30秒 35サイクル、
72℃/1分、
72℃/10分 1サイクル、
4℃ ホールド。
フォワードプライマーは、制限エンドヌクレアーゼSacIIの認識配列と、制限エンドヌクレアーゼEcoRIのリバースプライマーとをキャリーする付加配列を含む。このため、NFBバッファ4内において、37℃で2時間、PCR産物を両酵素で同時に分解し、その後PCR精製キット(Qiagen社)で精製した。pCMV−Scriptプラスミド(Stratagen社)5μgを、20μlの反応液内で、同じ制限エンドヌクレアーゼで分解し、2.5μlの10x Antractic Phosphataseバッファと2.5μlのAntarctic Phosphatase(5U/μl)を加えた後に、37℃で15分間、脱リン酸化し、続いて酵素を36℃で15分間インキュベートした。その後、線状化プラスミドをPCR精製キットで精製した。精製されたPCR産物とプラスミドを、30μlの溶出バッファに溶出した。
ライゲーション: 前記のように処理した0.6μlのpCMV−Scriptプラスミドを、2.4μlの対応するPCR産物および3μlの2x Mighty Mixライゲーションミックス(タカラバイオ株式会社)で連結した。ライゲーションは、16℃で20分間行った。
形質転換: 4μlのライゲーションミックスを使用して、E.coil Top 10化学的コンピテントセル(Invitrogen社)のアリコート50μlをメーカーの指示に従いトランスフォームした。250μlのSOC培地を加え、250rpmでシェイクしながら、37℃で1時間、細胞培養を行い、プレーティング前に取り出した。形質転換細胞を各々20μlおよび200μlずつ、50ug/mlのカナマイシンを含有する寒天培地にプレーティングした。
組み換えプラスミドの作成: 各形質変換体から4コロニーを、50ug/mlのカナマイシンを含有する5mlの液体LB培地内で、250rpmでシェイクしながら37℃で1晩、培養した。Qiagen社のミニプレップ・キットを使用し、メーカーの指示に従ってプラスミドをミニプレップし、50μlの溶出バッファに溶出した。各プラスミドDNAを3μlずつ、NEBバッファ4内で、制限エンドヌクレアーゼ(NEB)SacIIおよびEcoRIで同時に分解し、1%アガロース/TBEゲル内の電気泳動とエチジウムプロマイド染色を用いて、クローン挿入部の存在をチェックした。
トランスフェクション: プラスミドDNAを、紫外分光光度法により260nmで定量し、各プラスミドDNAを15μgずつ、45μlのGeneJuiceと混ぜ合わせ、エレクトロポレーションを用いて293T細胞をトランスフェクトした。エレクトロポレーションの後、10cmシャーレの上で、10%の子牛血清で強化したRPMI培地内に、細胞をプレーティングした。プレートの1/2の細胞を、トランスフェクション後24時間で、残りの半分を48時間で、スクラッピングにより回収し、スピニングし、PBSで洗浄し、再度スピニングして、細胞ペレットをスナップ冷凍した。
トランスフェクト細胞からの膜フラグメントの作成: 赤血球の場合(実施例1)と同じ超音波処理法を用いて膜フラグメントを作成した。ただし、細胞の数は大幅に少なく、その結果、トランスフェクト293T細胞からのフラグメントの希釈係数はより大きいものとなった。
コーティングしたスライドおよびプレートの作成:
一般材料: ウシ血清アルブミン(最低限96%電気泳動)は、Sigma−Aldrich社(ドーセット、英国)から購入した。PBSタブレット(100mlにつき1タブレット)は、Scientific Laboratory Supplies社(ノッティンガム、英国)から購入するか、Alba Bioscience自社製のPBSを使用した。
マイクロプレート: 96ウェルのガラス底のMatrixマイクロプレートは、Matrix Technologies社(英国)から購入し、96ウェルのガラス底のPorvairマイクロプレートは、Porvair Science社(シェパートン、英国)から購入した。
コーティング試薬: オレイル−O−ポリ(エチレングリコール)−スクシニル−N−ヒドロキシ−スクシンミジルエステル、「サンブライト(登録商標)」OE−040C(ポリエチレングリコール部分に、平均して90のエチレンオキサイド繰り返し単位を有し、分子量は4000である)は、NOF EUROPE (BELGIUM)NV社から購入した。中間分子量の塩化ポリジアリルジメチルアンモニウム(polyDADMAC)FL4440(活性率39〜42%)は、SNK社(キャッスルフォード、英国)が提供してくれた。ポリ−L−リジン溶液PLL(1%W/Vの水溶液)と3−グリシドキシプロピル−トリメトキシシラン(GOPS)は、Sigma−Aldrich社(ドーセット、英国)から購入した。
方法:
スライドの浄化: スライドを、50gNaOH/250ml96%EtOH/200mlMilliQ精製水の中で、室温で2時間、そっとシェイクしながら浄化した。
マイクロプレートの浄化: 0.2モル濃度のNaOHを200μlずつ、マイクロプレートの96ウェルの各々にピペットで滴下し、室温で30分放置した。Dynex Ultrawash Plus ELISAマイクロプレート・ウォッシャーを使用し、逆浸透精製水でプレートを2×3回洗浄した。90%のEtOHをさらに200μl各ウェルに追加した後、30分間室温に放置してインキュベートした。マイクロプレートを前記のように洗浄した。遠心分離機IEC Centra−4Bを使用し、40000rpm以下で5分間、各マイクロプレートを逆さまに遠心分離にかけ、乾燥させた。
マイクロプレートのコーティング:
ポリ−L−リジン: 100μlのポリ−L−リジン(0.1mg/mlを10%のPBS/RO水で希釈したもの)を各ウェルにピペット滴下し、室温に一晩放置した。自動ピペット洗浄器を使用し、100μlのRO水で2回、非結合のPLL溶液を洗い流し、前記と同様に遠心分離機にかけて乾燥させた。プレートを40℃のオーブンに5分間入れた。
GOPS: 100μlのGOPS(10mg/ml以下を94%のEtOH/RO水に入れたもの)をマイクロプレートの各ウェルにピペット滴下し、室温に一晩放置した。自動ピペット洗浄器を使用し、100μlの90%EtOH/RO水で2回、非結合のGOPS溶液を洗い流し、前記と同様に遠心分離機にかけて乾燥させた。プレートを60℃のオーブンに60分間入れた。
「サンブライト(登録商標)」OE−040C:100μlの1%BSA/PBS/RO水溶液をマイクロプレートの各ウェルにピペット滴下し、室温に一晩放置した。自動ピペット洗浄器を使用し、100μlのPBS水で2回、過剰な1%BSA/PBS/RO水溶液を洗い流し、前記と同様に遠心分離機にかけて乾燥させた。100μlのSUNBRIGHTOE−040C(0.08mg/mlをPBS/RO水に入れたもの)をマイクロプレートの各ウェルにピペット滴下し、室温に1時間放置してインキュベートした。自動ピペット洗浄器を使用し、100μlのPBS/RO水で2回、非結合のSUNBRIGHTOE−040Cを洗い流し、前記と同様に遠心分離機にかけて乾燥させた。
FL 4440(polyDADMAC): 100μlの0.08mg/ml polyDADMACPBSをマイクロプレートの各ウェルにピペット滴下し、室温に1時間放置した。自動ピペット洗浄器を使用し、100μlのRO水で2回、非結合のpolyDADMACを洗い流し、前記と同様に遠心分離機にかけて乾燥させた。
スライドのコーティング: マイクロプレートの場合と同様の濃度、温度およびインキュベート時間を用いて、スライドをPLL、「サンブライト(登録商標)」OE−040CおよびFL4440でコーティングした。
タンパク質マイクロアレイの作成:
前記のように表面をコーティングしたスライドを基板として使用した。スポットする膜フラグメントのサンプルを、PBSまたはその他の安定液剤内に準備した。
SpotBot(Telechem/Arrayit)またはBioRobotic MicroGrid II Arrayerを用い、200〜700μmの硬質ピンで、スライドをプリントした。各サンプルの複製を、各スライド上にプリントし、スライドを少なくとも1時間、空気乾燥させてからバック内に密閉し、4℃の温度で、必要となるまで保った。スライドを、PBS内で軽くすすいでから、PBS−BSAブロッキング剤の容器内で、絶えず混ぜ合わせながら1時間、室温で処理した。取り出す際、スライドをPBSで軽くすすぎ、遠心分離機内で1分間、1000rpmで遠心分離して乾燥させた。
タンパク質マイクロアレイを使用した抗体スクリーニング検査:
実施例4に従って準備した各マイクロアレイを、チャンバで覆った。被験者の血液サンプルを、PBS内で1/10に希釈した。その後、450μlの抗体溶液を、チャンバの小窓の1つからピペットでマイクロアレイのスライド上に滴下し、付属のシールで小窓を密閉した。スライドをスライドボックスに入れ、室温で1時間、混ぜ合わせた。
チャンバを取り外し、スライドを軽くPBSに浸して、過剰な標的溶液を除去し、その後、PBS内で10分間、2回洗浄した。最後の洗浄を済ませた後、スライドを遠心分離機にかけて乾燥させ、無塵の暗所にスキャニングまで保管した。なお、抗体は、Alba Bioscience社(エディンガム、英国)から入手した。
データの抽出および分析:
Genepix Personal 4100A Scannerまたは同様のスキャナを用いて、スライドをスキャンした。波長設定は、Cy3/FITC用のものを使用した。すべてのスライドを、10μmの画素サイズでスキャンし、BMPおよびTIFの両ファイルに保存した。
GenePix Pro4.1(Axon Instruments社)または同様の機具を用いて、マイクロアレイから数値データを抽出した。スキャニング、データ入力、およびマイクロアレイからのデータ抽出を、ソフトウェアで制御した。テキスト入力ファイルは、マイクロアレイのカラムおよび列の位置を用いて自動作成され、各プローブを同定し、その位置を決定した。これを用いて、アレイリストを作成し、マイクロアレイグリッドの設定完了後にロードした。グリッドとアレイリストの作成が完了すると、データはテキストファイルに抽出された。このプロセスにより、各スポット中心からの蛍光強度の中央値、およびスライドのバックグラウンド全体からの蛍光強度の中央値を得た。この情報を、エクセルのワークシートに収集した。
各スポットにつき、蛍光強度値からバックグラウンド蛍光値を差し引いた。スライド毎に、それぞれ異なるスキャン設定からのシグナル強度値を、1つのワークシートに並べた。設定ごとの各設定に対する全数値を用いて、散布図にした。こうして得られたデータの形状は、スキャンの質の目安となるものであり、設定が低すぎたり、高すぎたりした場合は、飽和スポットとして表わされた。各グラフにR2値を適用し、1に最も近い数値を出したものを、最良のデータとした。将来的データ処理用に、各スライドから1スキャンを選択した。
最良のスキャンデータを選択した後、以下のように処理した。不要なデータをワークシートから除去し、マイクロアレイ上の1スポットにつき1つの数値(各スポットにつき、蛍光強度値からバックグラウンド蛍光値を差し引いたもの)だけを残した。陰性対照の数値を用いて、「ノイズ」値を計算した。すなわち、陰性対照の平均値に、標準偏差の2倍をプラスした(平均+2標準偏差)。この数値は、非特異的結合(NSB)を表す。各スポットの数値を陰性対照の「平均+2標準偏差」で割って、シグナル対ノイズ比(S/N)を求めた。1以上の数値であれば、有意と判断し得た。各サンプルの反復スポットにつき、S/Nの中央値を計算した。
マイクロソフト社のエクセルを用いて、処理データを、必要に応じて分析した。データの分析には、一般に棒グラフを活用した。棒グラフのY軸は、サンプルのS/N中央値を示す。
結果:
こうして得た結果を、図1〜図12に示す。
図1〜3は、「サンブライト(登録商標)」、ポリ−L−リジンおよびpolyDADMACでコーティングしたスライドのモノクロナール抗体パネル(抗D、抗C、抗E、抗cおよび抗e)に対する反応性を示す。R11、R22およびrrの赤血球型からの膜フラグメントが固定化された。PBSバッファを対照とした。蛍光標識した抗ヒト二次抗体を用いて、結合抗体を検出した。
シグナル対ノイズ比(S/N)が1よりも大きければ、陽性と見なした。抗体に対する様々な細胞型の反応性として期待されるのは、既知の反応性に基づき、次のような結果であった:
11: D+ C+ E- c- e+、
22: D+ C- E+ c+ e-、
rr: D- C- E- c+ e+。
図1〜図3には、前記赤血球膜フラグメントを固定した表面のすべてから、期待通りの反応性が得られたことが示されている(ただし、R22c抗原の反応性については、一貫した結果が得られなかった)。このことは、固定化された細胞膜フラグメントが、様々な抗原に対する抗原性を十分に保持しているということを示している。
図4は、抗S抗体でインキュベートした、様々な分子量のpDADMAC上に固定した、赤血球膜フラグメント(超音波処理あり)と赤血球ゴースト(超音波処理なし)の反応性を比較したものである。
*NS:超音波処理なし(ゴースト); S:超音波処理あり(膜フラグメント)、
赤血球 S/s 表現型:
11: S-s+
22: S-s+
rr: S+s-。
期待される反応性: rrのみ陽性、
IgG:直接スポットした二次抗体の陽性対照。
Floquat(pDADMAC)は、前記実験で処方されたものを使用した。
結論: すべての処方のpDADMACが適切と判断できた。少なくとも抗S抗体に関する限り、平均分子量が少ないものの方が、S/N値が良好であった。また、膜フラグメント(超音波処理あり)の方が、幾分か良好な結果(5つ処方のうち3つにおいて)を示した。フラグメントのさらなる利益(安定性、サイズの均一性など)は、よりサイズ小さいスポット(200μm位)の方が顕著である。ここで使用したスポットは、およそ1μmであり、マニュアルでスポッティングされた。
図5a〜図5cは、先の実施例と同様のR11、R22およびrrの細胞型と、抗D(ヒトIgM)抗体を使用し、コーティング剤の濃度の増加に伴う効果を示したものである。1/1000希釈のpDADMACと2μMの「サンブライト(登録商標)」が先例でコーティングに使用された濃度であった。この実験は、コーティング濃度の増加が、膜フラグメントの固定化を向上させるかどうか、従って、より良い結果を生むどうかを調べるためのものであった。これらの実験結果は、これまでに用いてきた濃度が効果的であり、濃度を増加させても結果の改善が見られないことを示した。
結論:コーティング剤の濃度を増加させても、反応性の改善は見られず、最も低いコーティング濃度でさえ、飽和濃度であることが分かった。
図6〜図11は、「サンブライト(登録商標)」、polyDADMACおよびポリ−L−リジンでコーティングされ、赤血球膜フラグメント(R11、R22およびrr)をキャリーするマイクロアレイの、抗Dおよび抗Eモノクロナール抗体に対する反応性をそれぞれ示している。結合抗体は、蛍光標識二次抗体(Cy3)を用いて検出された。
条件は以下の通りである:
二次抗体の陽性対照:直接スポットした抗D(ヒトIgM)および抗c(ヒトIgM)、
二次抗体の陰性対照:直接スポットした抗S(ヒトIgG)、
11、R22およびrr細胞からの赤血球膜フラグメントに期待される反応性:
抗E(ヒトIgM):R22陽性、rrおよびR11陰性。
抗D(ヒトIgM):R11およびR22陽性、rr陰性、
なお、陽性反応のカットオフ値は2とした。
結論:
PLL/抗D: 反応パターンに一貫性が見られなかった。原液では幾分かの反応性を示し、1/10希釈では全く反応せず、1/100希釈において最良の反応性を示した;
PLL/抗E: R22において、非常に低いS/N値を示した;
「サンブライト(登録商標)」/抗D: 反応パターンに幾分が矛盾が見られた;
「サンブライト(登録商標)」/抗E: R22の1/10、1/100希釈において良好な反応性良好な反応性を示した;
pADMAC/抗D: 一貫した反応パターンを見せた。プリントしたフラグメントの希釈度が増すにつれ、S/N値は増加した。これは、非特異的なバックグラウンドシグナルが、希釈されて消失したためと考えられる;
pDADMAC/抗E*: 上記と同様の反応を示した;
*ただし、R11の1/100希釈、1/2000二次抗体だけは、偽陽性反応を示した。
図12aおよび図12bは、トランスフェクト細胞(コロニー1,1;1,2;2,3;4,3および7,1)および赤血球(R11、R22およびrr)からの膜フラグメントをキャリーするpDADMACコーティングの反応性を示している。対照は、K562、PBSおよび標的細胞(陰性)である。膜フラグメントは、グリコフォリンAおよびBのコード配列を含むpCMV発現プラスミドをトランスフェクトした293T細胞から作成した。細胞から作成された膜フラグメントは、トランスフェクトの24時間後に収集された。
赤血球表現型:
11: K-、Fy(a-)、Jk(b-)、S-s+、M-、N+、
22: K+k+、Fy(a+b+)、Jk(a-)、S+s+、M+、N-、
rr: K+、Fy(a+b-)、Jk(a+b+)、S+s-、M+、N-。
期待される反応性:
1,1;1,2および7,1は、MまたはN(グリコフォリンAのクローン遺伝子を含む)と反応することが期待される:
1,2は、あまり反応しないものと考えられる;
1,1は、抗Nモノクロナール抗体とよく反応する;
7,1は、抗Mモノクロナール抗体とよく反応する;
2,3および4,3は、抗MまたはN(グリコフォリンBのクローン遺伝子を含む)と、反応しないことが期待される。ただし、両遺伝子(M/N特異性を有する)のN端末は同一であるため、何らかの交差反応は起こりうる:
特に4,3は、何らかの交差反応を示す可能性がある。
標的細胞−陰性対照: 非トランスフェクトT細胞;
K562−陽性対照: MNSを発現する赤血球系細胞株。ただし、使用される細胞数が少ないため、スポットされる膜フラグメントの密度はかなり低い;
PBS−陰性対照: バッファ。

Claims (35)

  1. 血液型抗体と結合可能な血液型抗原を有する細胞膜フラグメントを固定した固体基板を含む、血液型抗原に対する抗体を検出するためのアッセイであって、前記細胞膜フラグメントは、細胞溶解により細胞ゴーストを生成し、かつ、該細胞ゴーストをフラグメント化することにより得られたものであることを特徴とする、アッセイ。
  2. 前記細胞ゴーストのフラグメント化が超音波処理によりなされたものである、請求項1に記載のアッセイ。
  3. 前記細胞フラグメントは、洗浄されたものである、請求項1または2に記載のアッセイ。
  4. 前記細胞フラグメントは、前記細胞溶解の後、かつ、前記細胞ゴーストのフラグメント化の前に洗浄されたものである、請求項3に記載のアッセイ。
  5. 前記細胞膜フラグメントのサイズが1μm以下である、請求項1〜4のいずれかに記載のアッセイ。
  6. 前記細胞膜フラグメントのサイズが0.5μm以下である、請求項5に記載のアッセイ。
  7. 前記細胞膜フラグメントのサイズが0.1〜0.5μmの範囲である、請求項6に記載のアッセイ。
  8. 前記細胞膜フラグメントが、A、B、c、D、E、eおよびK抗原を有する、請求項1〜7のいずれかに記載のアッセイ。
  9. 前記細胞膜フラグメントが、A(A1およびA2)、B、H、C、D、E,c、e、CW、K、k、Kpa、Kpb、Jsa、Jsb、Fya、Fyb、Jka、Jkb、Lea、Leb、M、N、Mia、S、s、U、Pl、Lua、Lub、Wra、Cob、Xga、Tja、Dia、Dibなど、臨床的に意義のあるすべての抗原を有する、請求項8に記載のアッセイ。
  10. 前記細胞膜フラグメントが赤血球から作られる、請求項1〜9のいずれかに記載のアッセイ。
  11. 前記細胞膜フラグメントがプロテアーゼで前処理される、請求項1〜10のいずれかに記載のアッセイ。
  12. 試験材料の添加を示す陽性対照をさらに含む、請求項1〜11のいずれかに記載のアッセイ。
  13. プローブの作成に使用したバッファおよびブロッキング剤から選択される陰性対照を含む、請求項1〜12のいずれかに記載のアッセイ。
  14. 前記基板が、膜フラグメントを担持し、効果的に抗原を発現させるためのコーティングを備える、請求項1〜13のいずれかに記載のアッセイ。
  15. 前記コーティングの厚みが、1μm以上である、請求項14に記載のアッセイ。
  16. 前記コーティングの厚みが、1〜100μmである、請求項15に記載のアッセイ。
  17. 前記コーティングの厚みが、5〜20μmである、請求項16に記載のアッセイ。
  18. 前記コーティングの材料が親水性および水溶性である、請求項14〜17のいずれかに記載のアッセイ。
  19. 前記コーティングが、ポリエチレングリコールを含むポリマーである、請求項14〜18のいずれかに記載のアッセイ。
  20. 前記ポリエチレングリコールを含むポリマーが、オレイル−o−ポリ(エチレングリコール)−スクシニル−N−ヒドロキシ−スクシンミジルエステルである、請求項19に記載のアッセイ。
  21. 前記コーティングが第4級の窒素含有塩基性ポリマーを含む、請求項14〜18のいずれかに記載のアッセイ。
  22. 前記第4級の窒素含有塩基性ポリマーが、塩化ポリジアリルジメチルアンモニウムである、請求項21に記載のアッセイ。
  23. 前記コーティングが、ポリペプチドを含む、請求項14〜18のいずれかに記載のアッセイ。
  24. 前記ポリペプチドが、ポリ−L−リジンである、請求項23に記載のアッセイ。
  25. 前記コーティングが、シランである、請求項14〜18のいずれかに記載のアッセイ。
  26. 前記シランが、3−グリシドキシプロピル−トリメトキシシランである、請求項25に記載のアッセイ。
  27. 前記基板が、ガラスまたはプラスチック材料で形成されたプレートまたはビーズである、請求項1〜26のいずれかに記載のアッセイ。
  28. 前記細胞膜フラグメントが、抗原スポットアレイ内の基板上に存在する、請求項1〜27のいずれかに記載のアッセイ。
  29. 前記基板が、マルチウェルプレートであり、各ウェル内に抗原スポットアレイが存在する、請求項28に記載のアッセイ。
  30. 前記スポットが、直径1mm以下である、請求項28または29に記載のアッセイ。
  31. 前記スポットが、直径50〜1000μmである、請求項30に記載のアッセイ。
  32. 前記基板の膜フラグメントが固定されていない領域は、ブロッキング剤で処理される、請求項1〜31のいずれかに記載のアッセイ。
  33. 血液型検査、直接抗グロブリン試験(DAT)、梅毒スクリーニング、HIVスクリーニング、HCVスクリーニング、B型肝炎スクリーニング、HTLVスクリーニング、および血小板スクリーニングから選択された検査をさらに含む、請求項1〜32のいずれかに記載のアッセイ。
  34. 請求項1〜33のいずれかに記載したアッセイに、被験者から採取した血液サンプルを接触させ、非結合の赤血球を除去し、前記基板に結合した抗体の存在を検出するというステップからなる、血液型抗原に対する抗体の存在を検査するための血液サンプル検査方法。
  35. 血液サンプル中の臨床的に意義のある血液型抗体を検出するのに適した血液検査方法であって、
    様々な前記抗体と特異的に結合することが可能な複数の血液型抗原を発現する細胞膜フラグメントを、基板上のあらかじめ定めた位置に個別に固定したマイクロアレイであって、前記細胞膜フラグメントは、細胞溶解により細胞ゴーストを生成し、かつ、該細胞ゴーストをフラグメント化することにより得られたものであるマイクロアレイを提供し、
    前記マイクロアレイに、被験者から採取した血液サンプルを接触させ、
    前記結合剤を固定した1つ以上の領域から、非結合の赤血球を実質的にすべて除去し、および、
    前記マイクロアレイに結合した抗体の存在を検出し、
    これにより、被験者の血液中に前記抗体が存在するかどうかを判断する、
    というステップからなる、血液検査方法。
JP2010502561A 2007-04-10 2008-04-08 血液型抗体スクリーニング Expired - Fee Related JP5677835B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
GB0706820.8 2007-04-10
GBGB0706820.8A GB0706820D0 (en) 2007-04-10 2007-04-10 Blood grouop antibody screening
PCT/GB2008/001220 WO2008122793A2 (en) 2007-04-10 2008-04-08 Blood group antibody screening

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010523995A JP2010523995A (ja) 2010-07-15
JP5677835B2 true JP5677835B2 (ja) 2015-02-25

Family

ID=38091036

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010502561A Expired - Fee Related JP5677835B2 (ja) 2007-04-10 2008-04-08 血液型抗体スクリーニング

Country Status (7)

Country Link
US (1) US20100256005A1 (ja)
EP (1) EP2132575A2 (ja)
JP (1) JP5677835B2 (ja)
AU (1) AU2008235291B2 (ja)
CA (1) CA2684112A1 (ja)
GB (1) GB0706820D0 (ja)
WO (1) WO2008122793A2 (ja)

Families Citing this family (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012106442A1 (en) 2011-02-01 2012-08-09 Arryx, Inc. Centrifuge rotor for separation and processing of complex fluids
US9599613B2 (en) 2011-07-20 2017-03-21 University Of Washington Through Its Center For Commercialization Photonic blood typing
EP2751574A4 (en) * 2011-08-30 2015-02-18 Univ Alberta METHOD AND SYSTEM FOR DETECTION AND CHARACTERIZATION OF ABO ANTIBODIES
US10031138B2 (en) 2012-01-20 2018-07-24 University Of Washington Through Its Center For Commercialization Hierarchical films having ultra low fouling and high recognition element loading properties
US20150140578A1 (en) * 2012-05-29 2015-05-21 Arryx, Inc. Methods and devices for sample testing and evaluation
US9200991B2 (en) * 2013-06-04 2015-12-01 Tecan Trading Ag Sorptive extraction layer for immobilized liquid extraction
JP6746059B2 (ja) 2015-01-14 2020-08-26 バイオ−ラッド ラボラトリーズ,インコーポレイティド 血液分析の系および方法
EP3062109A1 (en) * 2015-02-25 2016-08-31 DRK-Blutspendedienst Baden-Württemberg-Hessen gGmbH Antibody detection method and system
GB201520903D0 (en) * 2015-11-26 2016-01-13 Qbd Qs Ip Ltd Purification method
JP6955261B2 (ja) * 2016-01-25 2021-10-27 学校法人北里研究所 マイクロアレイ、マイクロアレイの製造方法、検査方法、及び検査キット
CN105866444A (zh) * 2016-05-03 2016-08-17 江阴力博医药生物技术有限公司 MNSs血型系统检测试剂卡及其制备方法
CN109804234B (zh) * 2016-08-18 2023-03-17 皮瑞克生物医学有限公司 血液单元测试试剂盒
EP3330712A1 (en) 2016-12-01 2018-06-06 imusyn GmbH & Co. KG Analysis of anti-erythrocyte antibody in the presence of antibody directed against a surface-bound erythrocyte antigen
CN107643409B (zh) * 2017-09-19 2021-05-04 中国人民解放军总医院 一种血型抗原芯片及其在红细胞意外抗体检测中的应用
US20190154669A1 (en) * 2017-11-20 2019-05-23 Vector Laboratories, Inc. Methods and systems for species-on-species immunoassay detection
CN111537236B (zh) * 2020-04-24 2021-04-30 吉林大学 一种交通拥堵辅助系统测试方法

Family Cites Families (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ATE79679T1 (de) * 1985-10-11 1992-09-15 Abbott Lab Diagnostische probe.
US5759774A (en) * 1988-05-18 1998-06-02 Cobe Laboratories, Inc. Method of detecting circulating antibody types using dried or lyophilized cells
GB9211176D0 (en) * 1992-05-27 1992-07-08 Central Blood Lab Authority Assay
JPH0954091A (ja) * 1995-08-09 1997-02-25 Nippon Zoki Pharmaceut Co Ltd 抗赤血球抗体の測定法
US5919576A (en) * 1997-11-21 1999-07-06 Health Research Inc. Immobilized biological membranes
US6406840B1 (en) * 1999-12-17 2002-06-18 Biomosaic Systems, Inc. Cell arrays and the uses thereof
US6541071B1 (en) * 2000-03-23 2003-04-01 Corning Incorporated Method for fabricating supported bilayer-lipid membranes
US7678539B2 (en) * 2000-08-10 2010-03-16 Corning Incorporated Arrays of biological membranes and methods and use thereof
US6977155B2 (en) * 2000-08-10 2005-12-20 Corning Incorporated Arrays of biological membranes and methods and use thereof
US7501157B2 (en) * 2001-06-26 2009-03-10 Accelr8 Technology Corporation Hydroxyl functional surface coating
US6844028B2 (en) * 2001-06-26 2005-01-18 Accelr8 Technology Corporation Functional surface coating
US6984485B2 (en) * 2002-04-23 2006-01-10 Beckman Coulter, Inc. Polymer-coated substrates for immobilization of biomolecules and cells
DE10330981B4 (de) * 2003-07-09 2010-04-01 Medion Diagnostics Ag Vorrichtung und Verfahren zur simultanen Durchführung von Blutgruppenbestimmung, Serumgegenprobe und Antikörpersuch-Test
JP2005181154A (ja) * 2003-12-19 2005-07-07 Kanagawa Acad Of Sci & Technol 血液型抗体の測定及び/又は同定用器具並びにそれを用いた血液型抗体の測定及び/又は同定方法
KR20060113747A (ko) * 2003-12-30 2006-11-02 쓰리엠 이노베이티브 프로퍼티즈 컴파니 기질 및 그에 결합된 화합물
US7384779B2 (en) * 2004-04-12 2008-06-10 Corning Incorporated Porous substrate plates and the use thereof
US7258990B2 (en) * 2004-08-19 2007-08-21 Biocept, Inc. Alleviation of non-specific binding in microarray assays
EP1800129B1 (en) * 2004-09-23 2013-04-10 Tripath Imaging, Inc. Polycationic polymer coatings for immobilizing biological samples

Also Published As

Publication number Publication date
EP2132575A2 (en) 2009-12-16
GB0706820D0 (en) 2007-05-16
WO2008122793A3 (en) 2009-01-15
US20100256005A1 (en) 2010-10-07
JP2010523995A (ja) 2010-07-15
CA2684112A1 (en) 2008-10-16
WO2008122793A2 (en) 2008-10-16
AU2008235291A1 (en) 2008-10-16
AU2008235291B2 (en) 2014-10-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5677835B2 (ja) 血液型抗体スクリーニング
González-González et al. Evaluation of homo-and hetero-functionally activated glass surfaces for optimized antibody arrays
US8030006B2 (en) Blood typing
JP2024050633A (ja) デジタルアッセイのために横からの照射を使用した光学イメージングシステム
JP2005504955A (ja) 多重に修飾された細胞タンパク質の同時検出及び測定の評価システム(assaysystem)
JP6966197B2 (ja) 赤血球検出
Lourido et al. Protein microarrays: overview, applications and challenges
JP6708558B2 (ja) 血液サンプルの交差適合
RU2682721C2 (ru) Биологический микрочип для обнаружения опухолевых экзосом в сыворотке крови человека для диагностики колоректального рака
JP2017508961A5 (ja)
WO2010065797A2 (en) Immobilized analyte assays
JP2001330614A (ja) 生物活性を付与した固相およびその製造方法
JP2004271336A (ja) 細胞に発現する表面抗原を迅速に同定するための分析方法
JP2017149810A (ja) 共重合体、これを用いたコーティング剤、及びコーティング方法
AU2022258444A1 (en) Nanoscale reaction chambers and methods of using the same
Meyer Applications of aptamers in flow cytometry assays
Ludwig et al. Concepts for the development of immunodiagnostic assays for detection and diagnosis of biothreat agents
WO2016157513A1 (ja) 抗原抗体間相互作用量の同定法及び装置
CN110779852A (zh) 生物体粒子的测定方法、及用于检测生物体粒子的试剂盒

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100409

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110322

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120607

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120619

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20120918

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20120925

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20121018

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20121025

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20121119

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20121127

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121218

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130402

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20130701

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20130708

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20130729

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20130805

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20130902

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20130909

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140610

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140612

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20141202

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150105

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5677835

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees