JP5677605B2 - 除電装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、像担持体に除電光を照射することにより像担時体を除電する除電装置、及び前記除電装置を備える電子写真方式の画像形成装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置においては、部材コストの削減や装置の筐体のコンパクト化が求められると共に、像担持体である感光体ドラムの性能として、感光体ドラムの表面に発生する露光メモリー画像の低減が求められる。露光メモリー画像の発生を低減するためには、感光体ドラムの転写後の領域に除電光を照射して、感光体ドラムの表面を除電することが必要である。
通常、除電装置は、感光体ドラムの表面に残存したトナー等の付着物を除去するドラムクリーニング装置と、感光体ドラムの表面を帯電させる帯電部との間に配置される。しかし、画像形成速度を高速化した場合、感光体ドラムの線速(周速)が大きくなるため、除電から帯電までの時間の長さが非常に短くなる。その結果、トラップされたキャリア(電荷)が感光体ドラムの感光層中に残存して、画像の劣化の原因となる露光メモリー画像が発生しやすい。
露光メモリー画像の発生を抑制するため、除電から帯電までの間にトラップされたキャリアを消失させるのに十分な時間の長さが確保されるように、除電装置を、クリーニング装置よりも感光体ドラムの回転方向の上流側に配置した画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、除電装置を、クリーニング装置よりも感光体ドラムの回転方向の上流側に配置した場合には、除電装置は転写部の下流側の近い位置に配置される。そのため、用紙に転写されなかった未転写トナーや用紙への転写後に飛散するトナーは、除電装置の除電光源である発光部に付着する可能性がある。このような発光部へのトナーの付着を抑制するために、特許文献1に示す画像形成装置においても、用紙の搬送路と除電装置との間に仕切り部材を設け、この仕切り部材と除電装置の筐体との間に、感光体ドラムの表面に対向して開放し且つ除電光を通過させる開放部を形成する構成が、採用されている。
特開2006−234882号公報
しかし、特許文献1に記載される除電装置において、仕切り部材と除電装置の筐体との間の空間、即ち、除電光通過用の開放部は、感光体ドラムのサイズ(径)及び用紙の搬送路によって制限されており、感光体ドラムの周方向に十分な広さを確保することが難しい。そのため、除電装置の発光部が実装される基板は、筐体の外面に平行に配置させる必要がある。また、特許文献1において、仕切り部材は、その基端部側において筐体に連結(固定)されるが、仕切り部材の他端部側は自由端である。
また、除電装置に、感光体ドラムの表面と基板との間に配置され且つ仕切り部材に向かって基板の厚み方向に突出する規制突起を設けることが考えられる。このような規制突起を設けた構造においては、仕切り部材の位置が規制突起により規制されて、除電光通過用の開放部が維持されやすい。しかし、除電光が規制突起に遮蔽されやすいため、除電光の通過量が低下し、その結果、感光体ドラムの軸方向に沿う除電光量の分布が不均一になるという問題がある。
本発明は、発光部へのトナーの付着を抑制する仕切り部材を規制する規制突起が、除電光を遮蔽することを抑制することができ、その結果、除電光量の分布をより均一にすることができる除電装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、前記除電装置を備える画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明は、帯電された像担持体の表面に除電光を照射して前記像担持体を除電する除電装置であって、筐体と、前記筐体に連結される基板と、前記基板の実装面に実装され、除電光を発光する発光部と、前記筐体との間で前記基板を挟んで配置され、前記像担持体の表面に対向して開口する開放部が形成されるように基端部側において前記筐体に連結される仕切り部材と、前記像担持体の表面と前記基板との間に配置され、前記仕切り部材に向かって前記基板の厚み方向に突出する規制突起であって、前記開放部が確保されるように前記仕切り部材の位置を規制する規制突起と、を備え、前記規制突起の先端側の先端側突起部分であって前記基板の厚み方向において前記実装面よりも前記仕切り部材の側の先端側突起部分は、前記仕切り部材に向かって細くなっている除電装置に関する。
また、本発明は、像担持体と、前記像担持体を帯電させる帯電部と、前記像担持体の表面に静電潜像を形成する露光部と、前記露光部により形成された静電潜像をトナーで現像してトナー像を形成する現像部と、前記像担持体の表面に除電光を照射して前記像担持体を除電する前記除電装置と、を備える
画像形成装置に関する。
本発明によれば、発光部へのトナーの付着を抑制する仕切り部材を規制する規制突起が、除電光を遮蔽することを抑制することができ、その結果、除電光量の分布をより均一にすることができる除電装置を提供することができる。
また、本発明によれば、前記除電装置を備える画像形成装置を提供することができる。
本発明の実施形態のプリンター1の各構成要素の配置を説明するための図である。 図1に示すプリンター1に装備された第1実施形態の除電装置12の概略構成を示す縦断面図である。 除電装置12を、下方側から見上げた状態を示す斜視図である。 除電装置12から基板120及び仕切り部材130を取り外した状態を、下方側から見上げた状態を示す斜視図である。 第1実施形態における除電装置12の要部の底面図である。 第1実施形態における除電装置12の要部の縦断面図である。 第1実施形態において、除電光DLが規制突起150により遮蔽される状態を示す模式図である。 従来形態において、除電光DLが規制突起150Zにより遮蔽される状態を示す模式図である。 第2実施形態における除電装置12の要部の縦断面図である。 第2実施形態において、除電光DLが規制突起150Aにより遮蔽される状態を示す模式図である。 実施例1、実施例2及び比較例それぞれについて除電光量の分布(周辺光量比)を示すグラフである。
<第1実施形態>
以下、図面を参照して本発明の第1実施形態を説明する。図1及び図2により、本発明の画像形成装置の第1実施形態のプリンター1における全体構造を説明する。図1は、本発明の実施形態のプリンター1の各構成要素の配置を説明するための図である。図2は、図1に示すプリンター1に装備された第1実施形態の除電装置12の概略構成を示す縦断面図である。
図1に示すように、画像形成装置としてのプリンター1は、装置本体Mと、所定の画像情報に基づいてシート状の被転写材としての用紙Tに所定のトナー画像を形成する画像形成部GKと、用紙Tを画像形成部GKに給紙すると共にトナー画像が形成された用紙Tを排紙する給排紙部KHと、を有する。装置本体Mの外形は、筐体としてのケース体BDにより構成される。
図1に示すように、画像形成部GKは、像担持体(感光体)としての感光体ドラム2と、感光体ドラム2を帯電させる帯電部10と、露光部としてのレーザースキャナーユニット4と、現像部16と、トナーカートリッジ5と、トナー供給部6と、クリーニング装置11と、除電装置12と、転写部としての転写ローラー8と、定着部9とを備える。
図1に示すように、給排紙部KHは、給紙カセット52と、手差し給紙部64と、用紙Tの搬送路Lと、レジストローラー対80と、排紙部50とを備える。
以下、画像形成部GK及び給排紙部KHの各構成について詳細に説明する。
まず、画像形成部GKについて説明する。画像形成部GKにおいては、感光体ドラム2の表面に沿って順に、上流側から下流側に順に、帯電部10による帯電、レーザースキャナーユニット4による露光、現像部16による現像、転写ローラー8による転写、除電装置12による除電、及びクリーニング装置11によるクリーニングが行われる。
感光体ドラム2は、例えば、表面にアモルファスシリコンの半導体層を形成した円筒形状の部材からなり、感光体又は像担持体として機能する。感光体ドラム2は、搬送路Lにおける用紙Tの搬送方向と直交する方向に延びる第1回転軸J1を中心に、矢印の方向に回転可能に配置される。感光体ドラム2の表面には、静電潜像が形成され得る。
帯電部10は、感光体ドラム2の表面に対向して配置される。帯電部10は、帯電ローラーと、帯電クリーニングブラシ(不図示)とを備えている。帯電部10に備えられた帯電ローラーは、感光体ドラム2の表面を一様に負(マイナス極性)又は正(プラス極性)に帯電させる。帯電部10に備えられた帯電クリーニングブラシ(不図示)は、感光体ドラム2を帯電させた後の帯電ローラーの表面をクリーニングする。
レーザースキャナーユニット4は、露光部として機能するものであり、感光体ドラム2の表面から離間して配置される。レーザースキャナーユニット4は、不図示のレーザー光源、ポリゴンミラー、ポリゴンミラー駆動用モーター等を有して構成される。
レーザースキャナーユニット4は、PC(パーソナルコンピューター)等の外部機器から入力された画像情報に基づいて、感光体ドラム2の表面を走査露光する。レーザースキャナーユニット4により走査露光されることで、感光体ドラム2の表面の露光された部分の電荷は、除去される。これにより、感光体ドラム2の表面に、静電潜像が形成される。
現像部16は、感光体ドラム2に対応して設けられ、感光体ドラム2の表面に対向して配置される。現像部16は、感光体ドラム2に形成された静電潜像に単色(通常はブラック)のトナーを付着させて、単色のトナー画像を感光体ドラム2の表面に形成する。現像部16は、感光体ドラム2の表面に対向配置された現像ローラー17、トナー攪拌用の攪拌ローラー18等を有して構成される。
トナーカートリッジ5は、現像部16に対応して設けられており、現像部16に供給されるトナーを収容する。
トナー供給部6は、トナーカートリッジ5及び現像部16に対応して設けられており、トナーカートリッジ5に収容されたトナーを現像部16に供給する。トナー供給部6と現像部16とは、不図示のトナー供給路により結ばれている。
転写ローラー8は、感光体ドラム2の表面に現像されたトナー画像を、用紙Tに転写させる。転写ローラー8には、不図示の転写バイアス印加部により、感光体ドラム2に形成されたトナー画像を用紙Tに転写させるための転写バイアスが印加される。
転写ローラー8は、感光体ドラム2に対して当接したり離間したりする。具体的には、転写ローラー8は、感光体ドラム2に当接される当接位置と、感光体ドラム2から離間する離間位置とに移動可能に構成される。詳細には、転写ローラー8は、感光体ドラム2に現像されたトナー画像を用紙Tに転写させる場合には当接位置に配置され、他の場合には離間位置に配置される。
感光体ドラム2と転写ローラー8との間で、搬送路Lを搬送される用紙Tは、挟み込まれる。挟み込まれた用紙Tは、感光体ドラム2の表面に押し当てられる。感光体ドラム2と転写ローラー8との間で、転写ニップNが形成される。転写ニップNにおいて、感光体ドラム2に現像されたトナー画像は、用紙Tに転写される。
除電装置12は、感光体ドラム2の表面に対向して配置される。除電装置12は、感光体ドラム2の表面に除電光を照射することにより、転写が行われた後の感光体ドラム2の表面を除電する(電荷を除去する)。
除電装置12の詳細については後で詳述する。
クリーニング装置11は、感光体ドラム2の表面に対向して配置される。クリーニング装置11は、感光体ドラム2の表面に残存したトナーや紙粉等の付着物を除去すると共に、除去された付着物を所定の回収機構へ搬送して、回収させる。
図2に示すように、クリーニング装置11は、筐体であるハウジング110と、クリーニングブレード111と、ブレード保持部112と、回収トナー排出スクリュー113と、を備える。
定着部9は、用紙Tに転写されたトナー画像を構成するトナーを溶融及び加圧して、用紙Tに定着させる。定着部9は、ヒーターにより加熱される加熱回転体9aと、加熱回転体9aに圧接される加圧回転体9bとを備える。加熱回転体9aと加圧回転体9bとは、トナー画像が転写された用紙Tを挟み込んで加熱し、加圧すると共に搬送する。加熱回転体9aと加圧回転体9bとの間に挟み込まれた状態で用紙Tが搬送されることで、用紙Tに転写されたトナーは、溶融及び加圧され、用紙Tに定着される。
次に、給排紙部KHについて説明する。図1に示すように、装置本体Mの下部には、用紙Tを収容する1個の給紙カセット52が配置される。給紙カセット52は、装置本体Mの右側(図1における右側)から水平方向に引き出し可能に構成される。給紙カセット52には、用紙Tが載置される載置板60が配置される。給紙カセット52には、用紙Tが載置板60の上に積層された状態で収容される。載置板60に載置された用紙Tは、給紙カセット52における用紙送り出し側の端部(図1において右側の端部)に配置されるカセット給紙部51により、搬送路Lに送り出される。カセット給紙部51は、載置板60上の用紙Tを取り出すための前送りコロ61と、用紙Tを1枚ずつ搬送路Lに送り出すための給紙ローラー対63とからなる重送防止機構を備える。
装置本体Mの右側(図1において右側)には、手差し給紙部64が設けられる。手差し給紙部64は、給紙カセット52にセットされる用紙Tとは異なる大きさや種類の用紙Tを装置本体Mに供給することを主目的として設けられる。手差し給紙部64は、閉状態において装置本体Mの前面の一部を構成する手差しトレイ65と、給紙コロ66とを備える。手差しトレイ65は、その下端において給紙コロ66の近傍に回動自在(開閉自在)に取り付けられる。開状態の手差しトレイ65には、用紙Tが載置される。給紙コロ66は、開状態の手差しトレイ65に載置された用紙Tを、手差し搬送路Laに給紙する。
装置本体Mにおける上方側には、排紙部50が設けられる。排紙部50は、第3ローラー対53により用紙Tを装置本体Mの外部に排紙する。
用紙Tを搬送する搬送路Lは、カセット給紙部51から転写ニップNまでの第1搬送路L1と、転写ニップNから定着部9までの第2搬送路L2と、定着部9から排紙部50までの第3搬送路L3と、手差し給紙部64から供給される用紙を第1搬送路L1に合流させる手差し搬送路Laと、第3搬送路L3を下流側から上流側へ搬送される用紙Tを、表裏反転させて第1搬送路L1に戻す戻り搬送路Lbと、を備える。
また、第1搬送路L1の途中には、第1合流部P1及び第2合流部P2が設けられている。第3搬送路L3の途中には、第1分岐部Q1が設けられている。第1合流部P1は、手差し搬送路Laが第1搬送路L1に合流する合流部である。第2合流部P2は、戻り搬送路Lbが第1搬送路L1に合流する合流部である。第1分岐部Q1は、戻り搬送路Lbが第3搬送路L3から分岐する分岐部であり、第1ローラー対54a及び第2ローラー対54bを有する。第1ローラー対54aの一方のローラーと第2ローラー対54bの一方のローラーとは兼用される。
第1搬送路L1の途中(詳細には、第2合流部P2と転写ローラー8との間)には、用紙Tを検出するための用紙検出センサー(不図示)と、用紙Tのスキュー(斜め給紙)補正や画像形成部GKにおけるトナー画像の形成のタイミングを合わせるためのレジストローラー対80と、が配置される。不図示の用紙検出センサーは、用紙Tの搬送方向におけるレジストローラー対80の直前(搬送方向における上流側)に配置される。レジストローラー対80は、用紙検出センサーからの検出信号情報に基づいてスキュー補正やタイミング調整をして、用紙Tを搬送する。
戻し搬送路Lbは、用紙Tに両面印刷を行う際に、既に印刷されている面とは反対面(未印刷面)を感光体ドラム2に対向させるために設けられる搬送路である。
戻し搬送路Lbによれば、第1分岐部Q1から第1ローラー対54aにより排紙部50側に搬送された用紙Tを、表裏反転させて第2ローラー対54bにより第1搬送路L1に戻して、転写ローラー8の上流側に配置されたレジストローラー対80の上流側に搬送させることができる。戻し搬送路Lbにより表裏反転された用紙Tには、転写ニップNにおいて未印刷面に対して所定のトナー画像が転写される。
第3搬送路L3における端部には、排紙部50が形成される。排紙部50は、装置本体Mにおける上方側に配置される。排紙部50は、装置本体Mの右側(図1において右側、手差し給紙部64側)に向けて開口している。排紙部50は、第3搬送路L3を搬送される用紙Tを、第3ローラー対53により装置本体Mの外部に排紙する。
排紙部50における開口側には、排紙集積部M1が形成される。排紙集積部M1は、装置本体Mにおける上面(外面)に形成される。排紙集積部M1は、装置本体Mにおける上面が下方に窪んで形成された部分である。排紙集積部M1の底面は、装置本体Mにおける上面の一部を構成する。排紙集積部M1には、所定のトナー画像が形成されて排紙部50から排紙された用紙Tが、積層して集積される。なお、各搬送路の所定位置には用紙検出用の不図示のセンサーが配置される。
以上に説明したプリンター1は、要約すれば、感光体ドラム2と、感光体ドラム2の表面に対向して接触して配置されて感光体ドラム2の表面を帯電させる帯電部10と、帯電部10により帯電された感光体ドラム2の表面に静電潜像を形成するレーザースキャナーユニット4と、レーザースキャナーユニット4により形成された静電潜像にトナーを付着させて感光体ドラム2の表面にトナー画像を形成する現像部16と、現像部16により感光体ドラム2の表面に形成されたトナー画像を直接的に又は間接的にシート状の用紙Tに転写する転写ローラー8と、転写ローラー8を通過した感光体ドラム2の表面に除電光を照射して、転写が行われた後の感光体ドラム2の表面を除電する(電荷を除去する)除電装置12(以下に詳述)と、感光体ドラム2の残留するトナー等の付着物を除去するクリーニング装置11と、を備える。
次に、図2から図7により、第1実施形態の除電装置12の詳細について説明する。図3は、除電装置12を、下方側から見上げた状態を示す斜視図である。図4は、除電装置12から基板120及び仕切り部材130を取り外した状態を、下方側から見上げた状態を示す斜視図である。図5は、第1実施形態における除電装置12の要部の底面図である。図6は、第1実施形態における除電装置12の要部の縦断面図である。図7は、第1実施形態において、除電光DLが規制突起150により遮蔽される状態を示す模式図である。
第1実施形態の除電装置12は、図2に示すように、クリーニング装置11よりも感光体ドラム2の回転方向Rの上流側に配置されている。除電装置12は、図2に示すように、クリーニング装置11の筐体を兼ねるハウジング110と、ハウジング110に連結される基板120と、除電光DL(図7参照)を発光する発光部としてのLED140と、第1端部係合部115と、仕切り部材130と、複数の規制突起150と、を備える。
図3から図5に示すように、基板120は、感光体ドラム2の第1回転軸J1の軸方向に沿う長手方向Xを有する。複数個のLED140は、基板120の長手方向Xに沿って等間隔を隔てて、基板120における(LED140が実装される)実装面126に、配列した状態で実装されている。LED140は、サイドビュータイプのLEDからなる。LED140は、基板120が拡がる方向(以下「面方向」ともいう)Yに沿って除電光DL(図7参照)を発光し、発光した除電光を感光体ドラム2の表面に照射する。なお、LED140は、実際には、図5の実施例に示すように、21個設けられているが、図面及び説明の簡略化のため、本実施形態では7個のみ示す。
図2から図5に示すように、第1端部係合部115は、ハウジング110の下端部に設けられ、基板120の長手方向Xの中央部から感光体ドラム2に向けて舌片状に突出されている。第1端部係合部115は、後述する複数の規制突起150の配列方向の中央部に配置される。
ハウジング110は、リブ119と、突き当て突起118と、側面板部116と、第3端部係合部117と、を備える。リブ119は、基板120の長手方向Xに間隔を隔てて複数条形成される。リブ119は、基板120における(LED140が実装されていない)非実装面125と、ハウジング110の底板部114との接触面積を低減する。
第1端部係合部115は、基板120における感光体ドラム2とは反対側の端部である第1端部121を、リブ119との間に挟み込むように下方から係合する。突き当て突起118は、第1端部係合部115とリブ119との間に係合する基板120が、感光体ドラム2から離れる方向にずれないように、設けられる。突き当て突起118は、基板120の長手方向Xに対して直交する方向に複数個形成される。なお、突き当て突起118は、図面上では2個で示すが、3個以上であってもよい。
一対の側面板部116は、図3及び図4に示すように、基板120の長手方向Xの両端部に配置されて対向している。第3端部係合部117は、長孔状であり、一対の側面板部116それぞれに対応して一対設けられる。一対の第3端部係合部117には、基板120の長手方向Xの両端部である一対の第3端部123が、それぞれ係合する。基板120の一対の第3端部123を、ハウジング110の一対の第3端部係合部117に係合させることにより、基板120は、ハウジング110に対して両持ち梁状に支持される。
仕切り部材130は、LED140にトナーが付着することを抑制する。仕切り部材130は、低コストで剛性の低い樹脂から形成され、基板120の長手方向Xにおいて基板120と略同一の長さを有し、ハウジング110の底板部114との間に基板120を挟んで配置される。仕切り部材130は、基端部131側において、ハウジング110の下端部に固定されて連結される。基端部131は、基板120が拡がる方向Yにおいて感光体ドラム2から最も離れて位置する端部である。これにより、ハウジング110の底板部114と仕切り部材130との間に、感光体ドラム2の表面に対向して開放する除電光を通過させるための開放部160が形成される。
規制突起150は、感光体ドラム2の表面と、基板120における第1端部121とは反対側の端部である第2端部122との間に、複数(実施形態では6個)設けられる。複数の規制突起150は、感光体ドラム2の第1回転軸J1の軸方向に、つまり、基板120の長手方向Xに沿って、配列される。複数の規制突起150は、ハウジング110の底板部114から仕切り部材130に向かって、基板120の厚み方向DTに突出している。複数の規制突起150は、除電光を通過させるための開放部160が維持されるように、仕切り部材130における基板120の面方向Yの中間部に上方から当接する。これにより、仕切り部材130の位置が規制されて、詳細には、仕切り部材130の自由端部132がハウジング110の底板部114に接近することが規制されて、開放部160が確保(維持)される。
図3から図5に示すように、複数(6個)の規制突起150の配列方向及び複数(7個)のLED140の配列方向は、感光体ドラム2の第1回転軸J1の軸方向に平行である。複数(6個)の規制突起150と複数(7個)のLED140とは、基板120の長手方向Xにそれぞれ、ずれて配列されている。
図6及び図7に示すように、規制突起150は、仕切り部材130に向かって、基板120の厚み方向DTに突出している。規制突起150は、基端側突起部分156と先端側突起部分151とを備える。基端側突起部分156と先端側突起部分151とは、一体的に形成されている。符号155は、基端側突起部分156と先端側突起部分151との境界を示す。
基端側突起部分156は、規制突起150の基端側の部分であり、基板120の厚み方向DTにおいて実装面126よりも仕切り部材130とは反対側(ハウジング110の底板部114の側)に位置する部分である。基端側突起部分156は、同じ太さ(断面積)を有し、具体的には、円柱形状を有する。基端側突起部分156の断面積は、例えば、1.7から12mmである。基端側突起部分156の長さは、例えば、1から3mmである。
なお、「同じ太さ」は、完全に同じ太さに制限されず、実質的に同じ太さに捉えることができる形状(例えば、最大太さに対する最小太さの比が90%以上)であってもよい。
先端側突起部分151は、規制突起150の先端側の部分であり、基板120の厚み方向DTにおいて実装面126よりも仕切り部材130の側の部分である。先端側突起部分151は、仕切り部材130に向かって細くなっており、具体的には、円錐台形状を有する。先端側突起部分151の先端の円の面積は、例えば、0.3から3mmである。先端側突起部分151の長さは、例えば、1から3mmである。
例えば、円錐台形状の先端側突起部分151の下底の円(=面積が大きい方の円=基端側突起部分156の断面円)の半径を1mmとし、先端側突起部分151の上底の円(面積が小さい方の円)の半径を0.5mmとする場合、先端側突起部分151の断面円の半径R(mm)は、下底からの高さh(mm)に対して、R=h/4+1 となる。
なお、円錐台形状は、完全な円錐台形状に制限されず、実質的に円錐台形状に捉えることができる略円錐台形状(例えば、角部に若干の丸みを帯びた形状)であってもよい。
以上に説明した実施形態の除電装置12によれば、例えば、次の効果が奏される。
本実施形態の除電装置12は、基板120の実装面126に実装され、除電光DLを発光する発光部としてのLED140と、感光体ドラム2の表面に対向して開口する開放部160が形成されるように基端部側においてハウジング110に連結される仕切り部材130と、仕切り部材130に向かって基板120の厚み方向DTに突出する規制突起150であって、開放部160が確保されるように仕切り部材130の位置を規制する規制突起150と、を備える。規制突起150の先端側突起部分151であって基板120の厚み方向DTにおいて実装面126よりも仕切り部材130の側の先端側突起部分151は、仕切り部材130に向かって細くなっている。
そのため、除電装置12を、クリーニング装置11よりも感光体ドラム2の回転方向Rの上流側で、転写部の下流の近い位置に配置させても、仕切り部材130の存在により、未転写のトナーや用紙等への転写後に飛散するトナーが除電装置12のLED140に付着されることを抑制し、除電装置12を飛散するトナーから保護することができる。
また、複数の規制突起150により、仕切り部材130の自由端部132側がハウジング110に接近することを規制して、ハウジング110と仕切り部材130との間に形成される開放部160を維持することが可能である。これにより、LED140で発光され且つ感光体ドラム2に向けて照射される除電光の光量が低下することを抑制できる。
更に、本実施形態の除電装置12によれば、図7に示すように、規制突起150が除電光DLを遮蔽することを抑制でき、除電光DLの通過量の低減を最小限とすることができる。その結果、除電光量の分布をより均一にすることができる。
ここで、図8は、従来形態において、除電光DLが規制突起150Zにより遮蔽される状態を示す模式図である。この図8に示す従来形態の規制突起150Z(断面形状が一定)と比べると、図7に示す第1実施形態の規制突起150によれば、除電光DLを遮蔽することが抑制されることが、わかる。
また、本実施形態の除電装置12においては、先端側突起部分151は、略円錐台形状を有する。そのため、先端側突起部分151の形成が容易である。また、先端側突起部分151の先端(上底)に、仕切り部材130との当接面(当接円)が形成されるため、仕切り部材130の位置をより確実に規制する(開放部160を維持する)ことができる。
また、本実施形態の除電装置12においては、基端側突起部分156は、実質的に同じ太さを有する。基端側突起部分156は、通常、除電光DLを遮蔽しないため、細くする必要がない。そのため、基端側突起部分156の太さを実質的に同じにすることで、基端側突起部分156の強度を十分確保することができる。
また、本実施形態の除電装置12においては、基端側突起部分156は、略円柱形状を有する。そのため、基端側突起部分156の形成が容易である。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係る規制突起150A等について、図面を参照しながら説明する。なお、第2実施形態の説明にあたって、第1実施形態と同一の構成要件については同一の符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。図9は、第2実施形態における除電装置12の要部の縦断面図である。図10は、第2実施形態において、除電光DLが規制突起150Aにより遮蔽される状態を示す模式図である。
図9及び図10に示すように、第2実施形態においては、第1実施形態の規制突起150と比べて、主として、先端側突起部分151Aの断面積が減少する態様が異なる。
第2実施形態においては、先端側突起部分151Aは、その断面積がその先端に向けて略指数関数的に減少する形状を有する。「略指数関数的」は、厳密な指数関数に基づく形状であってもよく、あるいは、厳密な指数関数に基づく形状ではないがそれに基づく形状と捉えることができる形状であってもよい。「断面積が略指数関数的に減少する」形状は、典型的には、規制突起150Aの突出方向とは反対方向(基端の方向)へ凸に湾曲する湾曲形状である。図9に示す先端側突起部分151Aの湾曲形状は、図6に示す円錐台形状の先端側突起部分151と比べると、内側に(規制突起150Aの軸の方に向かって)位置することになる。
例えば、断面積が先端に向けて略指数関数的に減少する先端側突起部分151Aの下底の円(=面積が大きい方の円=基端側突起部分156の断面円)の半径を1mmとし、先端側突起部分151Aの上底の円(面積が小さい方の円)の半径を0.5mmとする場合、先端側突起部分151Aの断面円の半径R(mm)は、下底からの高さh(mm)に対して、R=0.6*exp(−0.89588*h)+0.4 となる。
第2実施形態においては、第1実施形態が奏する効果の他に、次のような効果を奏する。
本実施形態においては、先端側突起部分151Aは、その断面積がその先端に向けて略指数関数的に減少する形状を有する。そのため、図6に示す円錐台形状の先端側突起部分151と比べて、先端側突起部分151の先端に向かって、先端側突起部分151Aの断面積は急激に減少する。そのため、図6に示す円錐台形状の先端側突起部分151と比べて、規制突起150Aが除電光DLを遮蔽することを抑制でき且つ除電光DLの通過量の低減を最小限とする効果が、一層高い。
次に、図5及び図6を参照して、本発明の実施例について説明する。図5に示すように、実施例の除電装置12において、LED140の数は、1から21の番号を付した通り、21個である。21個の中央に位置するLED140(11)は、基板120の長手方向Xの中央部に位置する。21個のLED140(1)からLED140(21)が、基板120の長手方向Xに沿う位置は、下記表1に示す通りである。
Figure 0005677605
規制突起150の数は、B1からB6の番号を付した通り、6個である。基板120の長手方向Xの中央位置から各規制突起150(B1)から150(B6)の中心までの距離をそれぞれx1からx6とする。基板120の第2端部122から各規制突起150(B1)から150(B6)の中心までの距離をそれぞれy1からy6とする。図10においては、x4からx6及びy2からy6の図示を省略する。各規制突起150(B1)から150(B6)について各距離x1からx6は、下記表2に示す通りである。y1からy6は、すべての規制突起150において同一であり、2.473mmである。
Figure 0005677605
規制突起として、実施例1の規制突起150、実施例2の規制突起150A、比較例の規制突起150Zを用意した。
実施例1の規制突起150は、第1実施形態として図6及び図7に示した例であり、下底の円(=面積が大きい方の円=基端側突起部分156の断面円)の半径は1mmであり、先端側突起部分151の上底の円(面積が小さい方の円)の半径は0.5mmである。
実施例2の規制突起150Aは、第2実施形態として図9及び図10に示した例であり、下底の円(面積が大きい方の円=基端側突起部分156の断面円)は1mmであり、先端側突起部分151の上底の円(面積が小さい方の円)の半径は0.5mmである。
比較例の規制突起150Zは、従来形態として図8に示した例であり、断面円の半径は1mmである。
また、図5に示すように、基板120の一対の第3端部123それぞれの支持位置間の距離Lは240mmである。図6に示すように、LED140から感光体ドラム2の表面までの距離D1は18.6mmである。開放部160の上下方向(仕切り部材130の厚み方向)の幅D2は2.5mmである。LED140として、半値全角が120°のLEDを使用した。
図11は、実施例1、実施例2及び比較例それぞれについて除電光量の分布(周辺光量比)を示すグラフである。なお、「像高」とは、搬送される用紙Tの中心(搬送方向と直交する方向の中心)に対応する感光体ドラム2上の位置を0とし、前記位置から感光体ドラム2の長手方向(主走査方向、軸方向)の距離を示したものである。正負の方向は、図3において主走査方向Xの下向き方向を正とした。
図11に示すグラフによれば、実施例1は、比較例1に比べて、除電光量の分布の均一性が改善されていることがわかる。また、実施例2は、実施例1に比べて、除電光量の分布の均一性が更に改善されていることがわかる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、種々の形態で実施することができる。
例えば、前述の実施形態においては、規制突起150の先端側突起部分の先端の形状は、面積を有する円形であるが、これに制限されない。規制突起150の先端側突起部分の先端は、実質的に面積を有しない先鋭形状であってもよい。
規制突起150の基端側突起部分156は、断面積が実質的に同じ略円柱形状に制限されず、基端側に向かって太くなっていてもよい。
また、上述した実施形態では、画像形成装置を単色のトナー画像を形成するプリンター1として説明したが、これに制限されない。本発明の画像形成装置の種類は、特に限定がなく、コピー機、プリンター、ファクシミリ、又はこれらの複合機などであってもよい。
被転写材は、用紙に制限されず、例えば、フィルムシートであってもよい。
1……プリンター(画像形成装置)、2……感光体ドラム(像担持体)、4……レーザースキャナーユニット(露光部)、10……帯電部、11……クリーニング装置、12……除電装置、16……現像部、110……ハウジング(筐体)、114……底板部、119……リブ、120……基板、125……非実装面、126……実装面、130……仕切り部材、140……LED(発光部)、150……規制突起、151,151A……先端側突起部分、156……基端側突起部分、160……開放部、T……用紙(被転写材)

Claims (9)

  1. 帯電された像担持体の表面に除電光を照射して前記像担持体を除電する除電装置であって、
    前記像担持体の表面に対向して配置されるクリーニング装置の筐体を兼ねると共に、底板部を有するハウジングと、
    前記ハウジングに連結される基板と、
    前記基板の実装面に実装され、除電光を発光する発光部と、
    前記ハウジングの前記底板部との間で前記基板を挟んで配置され、前記像担持体の表面に対向して開口する開放部が形成されるように基端部側において前記筐体に連結される仕切り部材と、
    前記像担持体の表面と前記基板との間に配置され、前記仕切り部材に向かって前記基板の厚み方向に突出する規制突起であって、前記仕切り部材の自由端部が前記ハウジングの前記底板部に接近することが規制されて、前記開放部が確保されるように前記仕切り部材の位置を規制する規制突起と、を備え
    前記規制突起の先端側の先端側突起部分であって前記基板の厚み方向において前記実装面よりも前記仕切り部材の側の先端側突起部分は、前記仕切り部材に向かって細くなっている
    除電装置。
  2. 前記ハウジングは、前記基板における発光部が実装されていない非実装面と、前記ハウジングの前記底板部との接触面積を低減する複数のリブを有する
    請求項1に記載の除電装置。
  3. 前記先端側突起部分は、略円錐台形状を有する
    請求項1又は2に記載の除電装置。
  4. 前記先端側突起部分は、その断面積がその先端に向けて略指数関数的に減少する形状を有する
    請求項からのいずれかに記載の除電装置。
  5. 前記規制突起の基端側の基端側突起部分であって前記基板の厚み方向において前記実装面よりも前記仕切り部材とは反対側の基端側突起部分は、実質的に同じ太さを有する
    請求項からのいずれかに記載の除電装置。
  6. 前記基端側突起部分は、略円柱形状を有する
    請求項に記載の除電装置。
  7. 前記発光部は、前記基板が拡がる方向に沿って除電光を発光する
    請求項1からのいずれかに記載の除電装置。
  8. 前記発光部は、前記像担持体の軸方向に沿って複数配列しており、
    前記規制突起は、前記像担持体の軸方向に沿って複数配列している
    請求項1からのいずれかに記載の除電装置。
  9. 像担持体と、
    前記像担持体を帯電させる帯電部と、
    前記像担持体の表面に静電潜像を形成する露光部と、
    前記露光部により形成された静電潜像をトナーで現像してトナー像を形成する現像部と、
    前記像担持体の表面に除電光を照射して前記像担持体を除電する請求項1からのいずれかに記載の除電装置と、を備える
    画像形成装置。
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