JP5677294B2 - 腎疾患の検査方法 - Google Patents

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Description

本発明は、尿中ポドカリキシンと、少なくとも1つ以上の他のマーカーとを組み合わせて使用することを特徴とする、腎疾患の検査方法、および抗ポドカリキシン抗体を含む当該検査方法に用いる検査用試薬および検査用試薬キットに関する。
本出願は、参照によりここに援用されるところの日本出願特願2009-139187号優先権を請求する。
近年、腎疾患をもつ患者数は年々増加している。腎疾患の原因や経歴は一様ではなく、糖尿病などの腎臓以外の病変により腎障害が発症し腎不全に至る場合や、IgA腎症などの原発性糸球体腎炎などを原因とする場合がある。
腎疾患を診断する手がかりとして、いわゆる検尿による尿蛋白や尿沈渣の検査が広く行われている。しかしながら尿蛋白は、健常人でも過激な運動、精神的ストレス、発熱、多量の肉食、月経前などで一過性に増加することがあり、また起立性蛋白尿など腎疾患に由来しない尿蛋白もある。尿沈渣は、尿を遠心分離し、その沈渣中の赤血球の増加を顕微鏡で観察することにより尿路出血を検査するものである。尿沈渣による検査は、健常人でも尿中には赤血球がみられることや、出血が腎障害以外の尿路系関連臓器に由来する場合があることから、必ずしも尿路出血を確実に判定できるものではない。さらに、尿成分の血中停滞を検査する目的で血清クレアチニン(SCr)、血中尿素窒素(BUN)の測定なども行われるが、これらの値は被験者の食事などの影響を受けやすい。
従って、現在のところ、腎疾患の診断や重症度の最終的判定には、腎生検による組織学的診断が不可欠とされている。しかしながら、腎生検は腎臓の組織の一部を採取して顕微鏡で評価するものであり侵襲的検査であるため、出血、感染などの合併症の危険性が常に伴う。また腎生検を受けるためには、専門医と設備の整った施設に入院しなければならず、患者への肉体的・社会的負担は無視できない。
腎生検は主として、1)1日1.0g以上の尿蛋白がみられる場合、2)原因不明の腎障害があるが、画像検査で腎臓が萎縮していない場合、3)血尿が持続し進行する慢性腎炎が疑われる場合、4)急速に腎機能が低下している場合に適用される。一方、腎生検の禁忌の場合として、1)慢性的な腎機能障害のため画像検査ですでに腎臓が萎縮している場合、2)出血傾向やコントロール不全な高血圧のため止血困難な場合、3)多発性嚢胞腎の場合、4)腎生検の実施中および検査中および検査後の安静が守れない患者や指示に従えない場合などがある。かかる腎生検を行えない症例は、実際の臨床では非常に多く、問題となっている。
腎疾患に関連して見られる物質として、尿中のポドカリキシンを測定することによる、簡便な腎障害の検査手段が開示されている(特許文献1)。ポドカリキシンは、腎糸球体を構成するタコ足細胞(ポドサイト)の表面に存在し、濾過機能を担っている糖蛋白質である。ポドサイトは、糸球体基底膜のボウマン腔側に位置し、糸球体濾過機構に重要な役割をもつため、ポドサイトの障害の程度を把握することは、腎疾患において極めて重要な意味をもつことが知られている(非特許文献1)。
腎疾患のうち、IgA腎症(ベルジェ病)は原発性慢性糸球体腎炎の一つであり、その約40%以上を占める。IgA腎症の患者の約30%は投薬では症状が改善されず、末期腎不全透析療法に移行する予後不良の疾患であることが分かっている。現在のところ、尿検査および血液検査によりIgA腎症と疑われる所見が認められる場合に腎生険が実施され、その結果IgA腎症の確定診断が行われ、予後分類が行われる。IgA腎症は、予後良好群、予後比較的良好群、予後比較的不良群、予後不良群の4つに分けることができるが、分類は腎生検を用いた確定診断によるものである。4群について以下に説明する。
1)予後良好群:透析療法に至る可能性がほとんど無いもの。糸球体所見として軽度のメサンギウム細胞増殖と基質増加のみで、糸球体硬化・半月体の形成・ボウマン嚢との癒着は認めないもの。尿細管・間質・血管所見として、尿細管・間質・血管著変を認めないもの。
2)予後比較的良好群:透析療法に至る可能性が低いもの。糸球体所見として軽度のメサンギウム細胞増殖と基質増加を呈し、糸球体硬化・半月体の形成・ボウマン嚢との癒着を認める糸球体は全生検糸球体の10%未満であるもの。尿細管・間質・血管所見として、尿細管・間質・血管著変を認めないもの。
3)予後比較的不良群:5年以上・20年以内に透析療法に移行する可能性があるもの。糸球体所見として中等度のメサンギウム細胞増殖と基質増加を呈し、糸球体硬化・半月体の形成・ボウマン嚢との癒着を認める糸球体は全生検糸球体の10〜30%であるもの。尿細管・間質・血管所見として、尿細管萎縮は軽度で、間質では一部の硬化糸球体周囲以外には細胞浸潤は軽度であり、血管には軽度の硬化性変化を認める程度のもの。
4)予後不良群:5年以内に透析療法に移行する可能性があるもの。糸球体所見として高度のメサンギウム細胞増殖と基質増加を呈し、糸球体硬化・半月体の形成・ボウマン嚢との癒着を認める糸球体は全生検糸球体の30%以上であるもの。更に硬化部位を加算し全節性硬化に換算するとその硬化率は全糸球体の50%以上であるもの。また代償性肥大を示す糸球体を見ることがある。尿細管・間質・血管所見として、尿細管萎縮および間質細胞浸潤は高度であり、線維化も高度であるもの。一部の腎内小動脈壁に肥厚あるいは変性を認めることがある。
IgA腎症は慢性腎臓病(CKD)の原疾患の比率が最も高く、その多くが学校検尿、職場検診などで無症候性血尿、蛋白尿として発見される。成人ではIgA腎症は慢性腎不全の主要原因である。IgA腎症の診断に関し、被験者の血清についてIgA(免疫グロブリンA)を免疫学的に検出する方法などが提案されている(特許文献2および3)。
国際公開WO2002/037099号 特許第2592121号公報 特開2000−241431号公報
Hara et al., Nephron 69: 397-403 (1995)
本発明は、腎疾患の可能性のある被験者について判定するための腎疾患の検査方法を提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題を解決するために、腎疾患の判定における尿中ポドカリキシンの臨床的意義に着目し、尿中ポドカリキシンと少なくとも1つの他のマーカーを組み合わせることにより、腎疾患を有効に検査し得ることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下よりなる。
1.尿中ポドカリキシンと、1つ以上の他のマーカーとを組み合わせて使用することを特徴とする、腎疾患の検査方法。
2.他のマーカーが腎機能マーカーであることを特徴とする前項1に記載の腎疾患の検査方法。
3.腎機能マーカーが推算糸球体濾過量および/または尿蛋白である、前項1または2に記載の腎疾患の検査方法。
4.尿中ポドカリキシン値と他のマーカーの値とを用いてポドカリキシンインデックス値を算出し、ポドカリキシンインデックス値を指標として使用する、前項1〜3のいずれか1に記載の腎疾患の検査方法。
5.ポドカリキシンインデックス値が、尿中ポドカリキシン値を推算糸球体濾過量で除することにより得られる、前項4に記載の腎疾患の検査方法。
6.ポドカリキシンインデックス値が、尿中ポドカリキシン値に尿蛋白値を乗することにより得られる、前項4に記載の腎疾患の検査方法。
7.ポドカリキシンインデックス値が基準値より高い場合、腎生検が必要であると判定される、前項4〜6のいずれか1に記載の腎疾患の検査方法。
8.基準値が、IgA腎症の予後良好群および予後比較的良好群からなる被験者群から得られた値である、前項7に記載の腎疾患の検査方法。
9.他のマーカーにより予後不良群に該当しないと予め判定された被験者を対象とする、前項1〜8のいずれか1に記載の腎疾患の検査方法。
10.尿中ポドカリキシン値または1つ以上の他のマーカーの値の、いずれか1つ以上を尿中成分の値を用いて補正する、前項1〜9のいずれか1項に記載の腎疾患の検査方法。
11.尿中成分が、尿中クレアチニンである、前項10に記載の腎疾患の検査方法。
12.尿中ポドカリキシンの検出を免疫学的手法により行う、前項1〜11のいずれか1項に記載の腎疾患の検査方法。
13.尿中ポドカリキシンを検出するための抗ポドカリキシン抗体を含む、前項1〜12のいずれか1項に記載の検査方法のための検査用試薬。
14.抗ポドカリキシン抗体を用いて尿中ポドカリキシンを検出する試薬を含む、前項1〜13のいずれか1項に記載の検査方法のための検査用試薬キット。
本発明の検査方法により、従来の検査方法における予後不良の顕性症例のみならず、不顕性症例についても予後不良群の鑑別が可能となり、腎疾患の判定をより正確に行うことが可能となる。また本発明の検査方法では、顕性症例においても効果的に腎疾患の判定を行うことが可能である。例えば、本発明の検査方法により、IgA腎症の予後比較的不良群または予後不良群と予測された被験者については、さらに腎生検を行い、確定診断を行うことができる。本発明の検査方法により、軽度の腎疾患の患者について腎生検の実施を避けることができ、被験者にとっては身体的・社会的負担を軽減することができるとともに、治療方針等の決定を速やかに行うことができる。
推算糸球体濾過量eGFR≧60でありかつ尿蛋白排泄量「尿蛋白/Cre」が0.5g/gクレアチニン未満のIgA腎症患者について、尿中ポドカリキシン排泄量「PCX/Cre」を指標とした予後スクリーニング効果(ROC曲線)を示す図である。(実施例2) 推算糸球体濾過量eGFR≧60でありかつ尿蛋白排泄量「尿蛋白/Cre」が0.5g/gクレアチニン未満のIgA腎症患者について、尿中ポドカリキシン排泄量「PCX/Cre」をeGFRで除したインデックス値「(PCX/Cre)/eGFR」を指標とした予後スクリーニング効果(ROC曲線)を示す図である。(実施例2) 推算糸球体濾過量eGFR≧60でありかつ尿蛋白排泄量「尿蛋白/Cre」が0.5g/gクレアチニン未満のIgA腎症患者について、尿中ポドカリキシン排泄量「PCX/Cre」を尿蛋白排泄量「尿蛋白/Cre」で乗したインデックス値「(PCX/Cre)*(尿蛋白/Cre)」を指標とした予後スクリーニング効果(ROC曲線)を示す図である。(実施例2) 推算糸球体濾過量eGFR≧60でありかつ尿蛋白排泄量「尿蛋白/Cre」が0.5g/gクレアチニン未満のIgA腎症患者について、腎生検の組織学的所見に基づく予後分類での、尿中ポドカリキシン排泄量「PCX/Cre」をeGFRで除したインデックス値「(PCX/Cre)/eGFR」の比較を示す図である。(実施例2) 推算糸球体濾過量eGFR≧60でありかつ尿蛋白排泄量「尿蛋白/Cre」が0.5g/gクレアチニン未満のIgA腎症患者について、腎生検の組織学的所見に基づく予後分類での、尿中ポドカリキシン排泄量「PCX/Cre」を尿蛋白排泄量で乗したインデックス値「(PCX/Cre)*(尿蛋白/Cre)」の比較を示す図である。(実施例2)
本発明は被験者の尿中のポドカリキシンを検出して、尿中ポドカリキシンを1つ以上の他のマーカーと組み合わせて使用することを特徴とする、腎疾患の検査方法である。本発明の検査方法は被験者についての腎疾患の判定を可能とし、腎疾患の判定には、腎生検の必要性の判定および/または予後予測などが含まれる。
本明細書において、検体である尿は、いかなる被験者から得られたものであってもよい。尿の採取方法は問わないが、早朝尿もしくは随時尿を用いることが好ましい。また、本発明の検査方法に必要な尿の量は10〜200μL程度である。本発明の検査方法は、従来の例えば健康診断等の一般的な尿検査と同時に行われてもよいし、腎生検以外の検査により腎疾患の疑いがあると判断された被験者について別途尿を採取して行われてもよい。
腎疾患には、慢性腎臓病(CKD)、急性腎不全など様々な疾患があり、糖尿病性腎症、膜性腎症、巣状糸球体硬化症、膜性増殖性糸球体腎炎、ループス腎炎、IgA腎症などが含まれるが、好ましくはIgA腎症が挙げられる。IgA腎症は慢性糸球体腎炎のうち、糸球体メサンギウム細胞の増殖・メサンギウム基質の拡大(増生)とメサンギウム領域へのIgAを主体とする顆粒状沈着物を認めることを特徴とする疾患である。IgA腎症は1995年に「厚生省特定疾患進行性腎臓障害調査研究班と日本腎臓学会の共同委員会」より提示されている尿検査および血液検査による診断基準により診断することができる。尿検査では持続的顕微鏡的血尿、間欠的または持続的蛋白尿があればIgA腎症の疑いがあり、血液検査では血清IgA値が315mg/dL以上であればIgA腎症の疑いがあり、と判断される。
検体である尿の処理は、採取された尿に処理液を添加して混合することにより行うことができる。処理液は、尿のpH調整、尿沈渣のマスキングおよび、ポドカリキシンの可溶化が可能なものであればいかなるものであってもよいが、好ましくは、緩衝液にキレート剤および界面活性剤などを添加した溶液が例示される。緩衝液、キレート剤は、公知のものであればいずれであってもよく、界面活性剤は、非イオン界面活性剤を用いることが好ましい。処理液としては、例えば2MTES−NaOH(pH7.0)に、0.2M EDTAと2%(Vol./Vol.)TritonX−100を含む溶液が例示される。かかる処理液10μLを、尿検体90μLに添加して混合することにより、尿試料溶液を得ることが可能である。
尿試料溶液からポドカリキシンを検出する方法は様々な方法が考えられる。尿中ポドカリキシンの検出方法の一例として、免疫学的手法が挙げられる。免疫学的手法は、例えば、免疫染色法(蛍光抗体法、酵素抗体法、重金属標識抗体法、放射性同位元素標識抗体法を含む)、電気泳動法による分離と蛍光、酵素、放射性同位元素などによる検出方法との組み合わせ(ウェスタンブロット法、蛍光二次元電気泳動法を含む)、酵素免疫測定吸着法(ELISA)、ドット・ブロッティング法、ラテックス凝集法(LA:Latex Agglutination-Turbidimetric Immunoassay)、イムノクロマト法などにより行うことができるが、ELISA法もしくはLA法を用いることが好ましい。定量性の観点からELISA法のうちサンドイッチ法を用いることが好ましい。サンドイッチ法では、抗ポドカリキシン抗体を固相化したマイクロタイタープレートに尿試料溶液を添加し、抗原・抗体反応をさせ、さらに酵素標識した抗ポドカリキシン抗体を添加し、抗原・抗体反応をさせ、洗浄後、酵素基質と反応・発色させ、吸光度を測定して尿中のポドカリキシンを検出すると共に、その測定値から尿中ポドカリキシン濃度を算出することができる。
免疫学的手法において用いられる抗ポドカリキシン抗体は、ポドカリキシンを検出しうる抗体であればよい。本発明において用いられる抗ポドカリキシン抗体は、公知のものであってもよく、また今後開発される抗体であってもよく、特に限定されないが、例えばモノクローナル・ポリクローナル抗体や標識化抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体ならびにこれらの結合活性断片などが挙げられる。
本発明において用いられる尿中ポドカリキシン値は、尿中ポドカリキシン濃度であってもよいが、尿中ポドカリキシン濃度を尿中に安定に排泄される尿中成分の値(尿中成分値)により補正したものであることが望ましい。尿中成分としては、特に尿中クレアチニンが好ましい。尿中クレアチニンはクレアチニンの産生が筋肉の量に依存することから、一個体において疾患にかかわらずほぼ一定であると考えられている。尿中排泄物質の検査においては、尿量誤差を回避するため、クレアチニン1g当りの量により目的とする尿中排泄物質の量を補正する手法が一般的に用いられており、これによりクレアチニン単位グラム当たりの尿中排泄物質を比較することが可能になる。尿中ポドカリキシン濃度を、尿中クレアチニン濃度により補正して得られる補正値を、尿中ポドカリキシン排泄量(PCX/Cre)と称し、尿中ポドカリキシン排泄量は、以下の式により算出することができる。
<式> PCX/Cre:尿中ポドカリキシン排泄量(μg/g)=100×尿中ポドカリキシン濃度(ng/mL)÷尿中クレアチニン濃度(mg/dL)
本発明において、尿中ポドカリキシンと組み合わせて用いられる、尿中ポドカリキシン以外の他のマーカーは種々のものを使用することができる。他のマーカーとは、生体の機能を表すマーカーであり、公知のマーカーとして既に臨床上使用されているものであっても、新規に見出されたものであってもよく、尿中ポドカリキシンと組み合わせることによって腎疾患を検査し得るものであれば、いかなるものであってもよい。また他のマーカーは、尿中に安定に排泄される尿中成分の値で補正したものであってもよい。他のマーカーとしては主に腎機能マーカーが挙げられる。他の腎機能マーカーとしては、推算糸球体濾過量(eGFR:estimatedglomerular filtration rate)や、尿蛋白が例示されるが、これらに限定されるものではない。本発明の検査方法において、尿中ポドカリキシンと尿中ポドカリキシン以外の他のマーカーとを組み合わせるとは、例えば、尿中ポドカリキシン値と他のマーカーの値とを用いて算出した新たなポドカリキシンインデックス値(以下単に「インデックス値」と称する)を得ること、および/または、他のマーカーによる腎疾患の判定を予め行い、その後尿中ポドカリキシンによる判定を行うことを意味する。
本発明においては、インデックス値を得、該インデックス値を指標とすることが好ましい。インデックス値は、例えば尿中ポドカリキシン排泄量に、他の腎機能マーカーの値を乗じたり、除したりすることによって得ることができる。かかるインデックス値は糸球体病変のアクティブな病的進展状況をリアルタイムで反映すると考えられる。
他の腎機能マーカーの1つである推算糸球体濾過量(eGFR)は、腎臓が1分あたりに処理できる尿量である糸球体濾過量(GFR)を、計算式を用いて算出したものである。推算糸球体濾過量は、例えば、年齢、性別、および血清クレアチニン濃度により算出することができる。推算糸球体濾過量を求める計算式は、公知の式もしくは今後開発される新たな式を用いることができるが、被験者の属性(例えば人種など)に応じて適当なものを選択して用いることが好ましい。例えば被験者が日本人の場合は以下の式により算出することができる。
GFR(男)=194×SCre(血清クレアチニン)^−1.094×age(年齢)^−0.287
GFR(女)=GRF(男)×0.739
本発明において、糸球体濾過量としては、推算糸球体濾過量(eGFR)を用いることが好ましい。尿中ポドカリキシン排泄量をeGFRで割り、インデックス値「(PCX/Cre)/eGFR」を算出する。インデックス値「(PCX/Cre)/eGFR」の算出は、ソフトウェアを用いてコンピュータにより行ってもよい。インデックス値「(PCX/Cre)/eGFR」を本発明の検査方法の指標として用いることができる。
他の腎機能マーカーのもう1つの例として、尿蛋白が挙げられるが、尿蛋白の値自体は公知の手法によって得ることができる。尿蛋白の値としては予め尿中クレアチニン濃度で補正した尿蛋白排泄量(尿蛋白/Cre)を用いることが好ましい。予め尿中クレアチニン濃度で補正した尿中ポドカリキシン排泄量(PCX/Cre)と、尿蛋白排泄量(尿蛋白/Cre)を乗し、インデックス値「(PCX/Cre)*(尿蛋白/Cre)」を算出する。インデックス値「(PCX/Cre)*(尿蛋白/Cre)」の算出は、ソフトウェアを用いてコンピュータにより行ってもよい。かかるインデックス値「(PCX/Cre)*(尿蛋白/Cre)」を本発明の検査方法における指標として用いることができる。
本発明では、尿中ポドカリキシン値、好ましくは上記のようにして得られたインデックス値を適宜定めた基準値と比較することにより、腎疾患の判定、例えば腎生検の要否の判定および/または予後予測をすることができる。基準値は適宜設定することができるが、健常者の尿中ポドカリキシン値、好ましくはインデックス値または、軽度の腎疾患である患者の尿中ポドカリキシン値、好ましくはインデックス値を用いることができる。例えば、IgA腎症の疑いのある患者に関して、腎生検が必要か否かを本発明の検査方法にて検査する場合には、基準値としてIgA腎症の予後良好群および予後比較的良好群からなる被験者群から得られた尿中ポドカリキシン値、好ましくは「(PCX/Cre)/eGFR」または、「(PCX/Cre)*(尿蛋白/Cre)」を用いればよい。かかる基準値を用いて、尿中ポドカリキシン値、好ましくはインデックス値が基準値より高い被験者は、予後比較的不良群または予後不良群に属する可能性が高いと判定することができ、予後予測が可能となる。同様に尿中ポドカリキシン値、好ましくはインデックス値が基準値より高い場合は、腎生検を行い、より精密に病態を確認する必要があると判定することができる。
また、他のマーカーによる腎疾患の判定を予め行い、その後尿中ポドカリキシンによる判定を行う方法として、他の腎機能マーカーにより予後不良群と判定された検体以外について、尿中ポドカリキシンを用いて検査を行う方法が例示される。他の腎機能マーカーにより予後不良群と判定された検体の被験者は、顕性の予後不良群に属する。尿中ポドカリキシンは、他の腎機能マーカーによる不顕性の予後不良群を、さらに検出することができるため、臨床的意義が大きい。顕性予後不良群の検出は、eGFRおよび/または尿蛋白等のの腎機能マーカーを使用することが好ましい。例えば、eGFRが60未満、または尿蛋白排泄量「尿蛋白/Cre」が0.5g/gクレアチニン以上のいずれか、あるいはその両方に該当する場合、予後不良群であると判定することができる。
本発明は、尿中ポドカリキシンを検出するための抗ポドカリキシン抗体を含む、腎疾患の検査を行うための腎疾患検査用試薬および腎疾患検査用試薬キットにも及ぶ。検査用試薬または検査用試薬キットに含まれる抗ポドカリキシン抗体は、例えば酵素などにより標識化されたものであってもよい。また、検査用試薬キットは2種類以上の抗ポドカリキシン抗体を含んでもよく、当該抗体は互いに異なるエピトープを認識する抗体であることが好ましい。さらに当該キットには、処理液、発色基質等の試薬および、試験に必要な器具等を含むことができる。
以下に本発明の実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の応用が可能である。
(実施例1)尿中ポドカリキシン濃度の測定
ポドカリキシン濃度の測定には、2種類の抗ヒトポドカリキシンモノクローナル抗体を用いた。これらの2種類の抗体は、ヒトポドカリキシンの異なる2つのエピトープを各々認識し、それぞれ抗ヒトポドカリキシンモノクローナル抗体a(以下単に「抗体a」と称する)と、抗ヒトポドカリキシンモノクローナル抗体b(以下単に「抗体b」と称する)である。本実施例では、抗体a固相化マイクロタイタープレート(分割型マイクロプレートGF8高:Nunc社)と、西洋ワサビPeroxidase(以下「HRP」と略す)により標識化した抗体bを用いた。
まず、被験者から得た原尿90μLと2M TES−NaOH、0.2M EDTA、2%(Vol./Vol.)Triton X−100、pH7.0の溶液10μLを混合した。混合して得られた尿試料溶液100μLを、抗体a固相化マイクロタイタープレートのウェルへ加えた。37℃で1時間静置後、ウェルから尿試料溶液をデカンテーションにより除去した。3.6mM NaHPO、1.4mM KHPO、145mM NaCl、0.05%(Vol./Vol.)Tween20(以下「PBS−T」と略す)をマイクロタイタープレートのウェルに200μL/ウェルで添加し、デカンテーションによりPBS−Tの除去を行い、洗浄を行った。この洗浄の工程を計3回行った。その後、HRP標識化抗体b溶液を、100μL/ウェルで添加した。37℃で1時間静置後、HRP標識化抗体b溶液をデカンテーションにより除去した。PBS−Tを200μL/ウェルで添加し、デカンテーションによりPBS−Tの除去を行い、洗浄を行った。この洗浄の工程を計3回行った。その後、TMB One-Step Substrate System(Dako社)をHRP酵素反応の基質溶液として用いて、100μL/ウェルで添加し、25℃で30分間、遮光で静置した。その後、313mM HSO溶液を反応停止溶液として100μL/ウェルで添加し、マルチスキャンアセントとAscent Software for Multiskan(大日本製薬株式会社)を使用し、波長450nmと630nmで各ウェルの吸光度を測定した。そして、波長450nmの吸光度から波長630nmの吸光度を引いた値を測定値とした。検量線の標準品として腎臓から抽出したNativeなヒトポドカリキシンを使用し、検体中のポドカリキシン濃度を導き出した。次の式により、尿中ポドカリキシンのクレアチニン補正した濃度を以下の式から算出した。
<式> 尿中ポドカリキシン排泄量(μg/g)=100×尿中ポドカリキシン濃度(ng/mL)÷尿中クレアチニン濃度(mg/dL)
(実施例2)IgA腎症予後スクリーニングとしての尿中ポドカリキシン排泄量の臨床的意義
実施例1の方法により、IgA腎症患者28症例から得た尿検体について、尿中ポドカリキシン排泄量(PCX/Cre)を算出した。また、同じ尿検体から推算糸球体濾過量(eGFR:estimated glomerular filtrationrate)及び尿蛋白排泄量(尿蛋白/Cre)を測定・算出し、尿中ポドカリキシン排泄量と組み合わせてインデックス値を得、インデックス値の予後スクリーニングマーカーとしての意義を検討した。
IgA腎症患者28症例について、腎生検を行い、腎生検での組織学的所見に基づく予後分類により、予後良好群および予後比較的良好群からなる群(A群)と、予後比較的不良群および予後不良群からなる群(B群)の2群に大別した。スクリーニング効果の指標としては、ROC曲線の下面積を用いた。ROC曲線(receiver operating characteristic curve(受信者動作特性曲線))は、スクリーニング検査等の精度の評価や異なる検査方法の比較に用いられ、どの範囲でカットオフポイント(cut-off point)を取るかを示すものである。カットオフポイントをどこに取るかで、ある状態にある者とない者を区別する検査の能力を視覚的に示すことが可能となる。ROC曲線は、縦軸を真の陽性率、つまり敏感度 、横軸を偽陽性率、つまり(1−特異度)を尺度としてプロットされる。異なる検査の優劣を判定する場合は、この曲線がより左上方に位置するほど優れていると判断する。例えば、一方のROC曲線に比べて他方の検査方法の曲線が左上方にあれば、他方の検査方法はより精度が高く優れていると判断され得る。スクリーニングにより完全に鑑別できる場合は、左上方の直角の角一点にプロットされ、ROC曲線の下面積は1.0と評価される。本実施例では、予後分類のスクリーニングマーカーとしてを確認するため、A群とB群をスクリーニングする場合の精度を評価した。
先ず、IgA腎症28症例についてROC曲線から求めたスクリーニング効果を表1に示す。
Figure 0005677294
表1の結果からは「PCX/Cre」のみでは、IgA腎症の予後スクリーニング効果は発揮されていないことがわかる。一方「(PCX/Cre)/eGFR」あるいは「(PCX/Cre)*(尿蛋白/Cre)」では予後スクリーニング効果が期待されることがわかる。しかし、これらインデックス値の予後スクリーニング効果は、eGFRの逆数「1/eGFR」あるいは「尿蛋白/Cre」のみの効果とあまり変わらない。
インデックス値の予後スクリーニング効果が抑えられている要因として、糸球体硬化が進んだ症例あるいは尿蛋白の過度な症例が28症例中に含まれている点が考えられた。糸球体硬化が進んだ症例あるいは尿蛋白の過度な症例では、腎糸球体に発現するポドカリキシンの発現量の減少、ならびに尿排泄を許容し得るボウマン腔側の間隙スペースの減少に起因する尿中ポドカリキシンの排泄の消失が起こっていると考えられる。実際、この様な過度な症例(尿蛋白排泄量が0.5g/g尿クレアチニン以上および/またはeGFRが60未満の症例)は、eGFRが低下し、尿細管再吸収能の破綻を合併して尿蛋白の増加を来たすため、予後不良群に自ずと該当する(表2)。すなわち、尿蛋白排泄量0.5g/g尿クレアチニン以上か、eGFRが60未満かの少なくともいずれかに該当する予後不良群の70%は、顕性の予後不良群である。
Figure 0005677294
予後不良群のうち、残りの30%の不顕性の予後不良群を如何に鑑別できるかが重要である。そこでeGFRが60以上且つ尿蛋白排泄量が0.5g/gクレアチニン未満に該当する計14例(予後良好群および予後比較的良好群の8例と、予後比較的不良群および予後不良群の6例)についての予後スクリーニング効果についてサブ解析を行なった。
結果を表3に示す。
Figure 0005677294
表3の結果から、「PCX/Cre」自体ならびに、「(PCX/Cre)/eGFR」、ならびに「(PCX/Cre)*(尿蛋白/Cre)」において、高いIgA腎症の予後スクリーニング効果が見出された。特に「(PCX/Cre)*(尿蛋白/Cre)」においては、際立った予後スクリーニング効果が見出された(図1、2、3、4、5)。よって、IgA腎症の予後スクリーニングならびにそれを指標とした腎生検の敢行を、「PCX/Cre」を用いたインデックス値をもって効果的に実現可能となることがわかった。
詳細には、顕性所見(eGFRが60未満もしくは尿蛋白排泄量が0.5g/gクレアチニン以上)の症例では、「1/eGFR」もしくは「尿蛋白/Cre)自体で効果的なスクリーニングを可能とし(表1、表2)、不顕性症例では、「PCX/Cre」自体ならびに、「(PCX/Cre)/eGFR」、ならびに「(PCX/Cre)*(尿蛋白/Cre)」を以って予後不良群を鑑別可能とする(表3、図1、図2、図3、図4、図5)。また、表1に示した通り顕性症例においても「(PCX/Cre)/eGFR」、ならびに「(PCX/Cre)*(尿蛋白/Cre)」を以って、スクリーニング効果が得られることから、IgA腎症の予後スクリーニング全般に一貫して、「(PCX/Cre)/eGFR」、ならびに「(PCX/Cre)*(尿蛋白/Cre)」を以って、効果的な予後不良群のスクリーニングが可能となる。
本実施例において、顕性所見を呈した症例では、糸球体硬化ならびに尿細管障害の合併の為に必ずしも糸球体病変を「PCX/Cre」のみでは反映しないが、「eGFR」あるいは「尿蛋白/Cre」を併用したインデックス値を用いることによって、糸球体病変のアクティブな病的進展の状況をリアルタイムに評価できた。これは、尿中ポドカリキシン排泄量の増多が、糸球体でのアクティブな病的進展を反映し、これに起因して顕在所見が現れるものと考えられる。
上記説明したとおり、本発明の検査方法により腎疾患の病態を把握することができる。例えばIgA腎症の患者については、「PCX/Cre」ならびにそれを用いたインデックス値を指標として予後比較的不良および予後不良と予測された場合に、さらに腎生検を行い、確定診断を行うことが可能である。またeGFR≧60でありかつ「尿蛋白/Cre」が0.5g/g クレアチニン未満の患者についてIgA腎症の予後予測を行うことができ、従来法より正確に予後予測が可能となる。よって軽度の腎疾患の患者について腎生検の実施を避けることができ、患者にとっては身体的負担を軽減することができ、医療費の費用軽減が可能となる。また、腎生検が必要であると判断された場合には、治療方針等の決定を速やかに行うことができ、有用である。

Claims (7)

  1. 尿中ポドカリキシン値を推算糸球体濾過量で除することにより得られるポドカリキシンインデックス値、または、尿中ポドカリキシン値に尿蛋白値を乗することにより得られるポドカリキシンインデックス値を指標として使用することを特徴とする、腎疾患の検査方法。
  2. ポドカリキシンインデックス値が基準値より高い場合、腎生検が必要であると判定される、請求項1に記載の腎疾患の検査方法。
  3. 基準値が、IgA腎症の予後良好群および予後比較的良好群からなる被験者群から得られた値である、請求項2に記載の腎疾患の検査方法。
  4. 他のマーカーにより予後不良群に該当しないと予め判定された被験者を対象とする、請求項1〜3のいずれか1に記載の腎疾患の検査方法。
  5. 尿中ポドカリキシン値が尿中成分の値を用いて補正された値である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の腎疾患の検査方法。
  6. 尿中成分が、尿中クレアチニンである、請求項5に記載の腎疾患の検査方法。
  7. 尿中ポドカリキシンの検出を免疫学的手法により行う、請求項1〜6のいずれか1項に記載の腎疾患の検査方法。
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