JP4599568B2 - 腎障害の検出方法 - Google Patents

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本発明は、腎障害、とくに、傷害の激しい糸球体上皮障害を判定する腎障害の判定方法に関する。
現在、腎障害(腎不全)治療のための透析医療費は1兆円を超え、全医療費の約3%を占め、腎障害患者数は年々増加している。そして、その腎障害の中で、糸球体上皮が様々な原因により機能的あるいは構造的な障害を受けるものを糸球体上皮障害という。
ここで、糸球体上皮細胞は、ポドサイトと呼ばれ、糸球体基底膜(GBM)の外面に並ぶ、高度に分化した細胞である。ポドサイトは、濾過関門の確定的な成分であり、そして、ネフリン、ポドシン及びα‐アクチニン‐4のような、それらの特異蛋白の遺伝子突然変異が腎疾患蛋白尿の原因となることが見出されて来ている(非特許文献1及び非特許文献2)。位置的に、それらは貫壁性静水圧に曝されている。ポドサイトは、アクチン、ミオシン、そして、収縮能を持つ可能性が示唆されているアンジオテンシンIIのような血管作用薬の特定のレセプターを含む(非特許文献3及び非特許文献4)。それはまた、それらが、糸球体毛細血管の圧力の変化に反応し、それによって、灌流圧の変化に対して糸球体濾過量を調節する(非特許文献2〜非特許文献4)。
そして、その糸球体上皮障害の原因としては、炎症細胞から放出される活性酸素、蛋白分解酵素、あるいは血清中の毒素やメディエーターなどが考えられている。また、糸球体上皮障害は、腎硬化症に直接結びつく病態である。そのため、糸球体上皮障害を非浸襲的な方法で検出することは、糸球体上皮障害の早期発見につながり、腎硬化症への進展を阻止する早期治療を行うためにも、非常に重要である。
これまでに、ポドカリキシンなどの糸球体上皮特異蛋白をマーカーとして、非浸襲的な検出方法で糸球体上皮障害を判定しようとする例がある。
特許文献1には、簡便で所要時間が短く、かつ、ヒトポドカリキシンの定量も可能な、腎炎の診断に適用することができる、ヒトポドカリキシンの測定方法が開示されている。そして引用文献1の方法は、固相に結合した第1の抗ヒトポドカリキシン抗体と検体とを反応させた後、前記第1の抗ヒトポドカリキシン抗体とは対応エピトープが異なる第2の抗ヒトポドカリキシンモノクローナル抗体を反応させ、次いで固相に結合した該第2の抗ヒトポドカリキシンモノクローナル抗体を測定することにより、検体中のヒトポドカリキシンを測定することができるというものである。
また、特許文献2には、腎障害に関連して見られる物質、例えば尿中のポドカリキシンおよび/またはネフリンを測定することによる、簡便な腎障害の検査手段が開示されている。そして引用文献2の方法は、腎障害に関連して見られるポドサイトの表面に存在するタンパク質を細胞表面から遊離させる処理を施すことにより、尿中に含有される細胞表面に存在する物質および/または遊離の物質を測定することができるというものである。
Schmid H,Henger A,Cohen CD,et al.:Gene expression profiles of podocyte-associated molecules as diagnostic markers in acquired proteinuric diseas.J Am Soc Nephrol 14:2958-2966,2003 Mundel P,Shankland SJ:Podocyte biology and response to injury.J Am Soc Nephrol 13:3005-3015,2002 Morton Mj,Hutchinson K,Mathieson PW,et al:Human podocytes possess a glomerular filtration.J Am Soc Nephrol 15:2981-2987,2004 Pavenstadt H,Kriz W,Kretzler M:Cell biology of glomerular podocyte.Physiol Rev 83:253-307,2003 特開平6−11507号公報 国際公開第WO2002/037099号パンフレット
ポドサイトは、炎症状態下でそれらの表現型を大きく変える。半月体形成性糸球体腎炎において、ポドサイト由来の細胞は一部、新たな半月体の形成過程に関与する。しかしながら、半月体細胞は、ポドカリキシンのようなポドサイト特異的マーカーを完全に欠く(J Am Soc Nephrol 15:61-67,2004)。崩壊する巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)のような進行性の糸球体症が、成熟ポドサイトマーカーの発現の減弱あるいは欠失を示すのに対して、そのような特異性のある成熟ポドサイトマーカーの発現は、大量の蛋白尿にもかかわらず、微小変化型疾患においてノーマルレベルを保つことを見出している(J Am Soc Nephrol 10:51-61,1999)。そして、ポドサイトの特異的マーカーは、傷害を受けるとその表面から消失し、それは、進行性の糸球体硬化症と関係している可能性があった。
また、糸球体上皮は、障害を受けると特異蛋白を欠失しやすく、従来、ポドカリキシン以外には尿で検出できる蛋白が報告されていなかった。
そのため、糸球体上皮が障害を受けた際に、ポドカリキシン以外に尿で検出できる蛋白を発見することは、その蛋白を糸球体上皮障害の判定に利用するためのマーカーとして使用するためにも、非常に重要であった。
そこで、本発明は、障害を受けると特異蛋白を欠失しやすい糸球体上皮の、ポドカリキシン以外に尿で検出できる蛋白をマーカーとして使用し、非浸襲的な方法で糸球体上皮障害を判定することが可能な、腎障害の判定方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、DNAマイクロアレイを用いて腎臓に発現する遺伝子を網羅的に検出した本発明者らの研究(J Immunol 2003 Mar 15;170(6):3377-85)から、これまでに腎糸球体での発現が知られていなかった蛋白、SM22αが傷害された糸球体の上皮細胞に発現することを見出した(Nephron Experimental Nephrology, in press)。詳細には、抗GBM半月体形成性糸球体腎炎を伴うラット腎臓における、その遺伝子発現プロファイルを明らかにした。生後3日及び腎炎発症後7日に、強く発現したひとつの遺伝子は、SM22αであった。そこで、本発明者らは、抗GBM腎炎腎臓におけるSM22αの局在とその病理学的意義を詳細に調べた。そして、抗GBM腎炎発症の際の、体腔内及び内臓の糸球体上皮細胞におけるSM22αの誘導発現を明らかにした。抗GBM腎炎におけるその上皮細胞は、傷害されるとそれらの表現型が大きく変化し、そのため、平滑筋マーカーであるSM22αが発現する可能性があった。
そして本発明者らは、SM22αが、糸球体上皮細胞障害のないヒトの尿検体では検出できず、腎生検で糸球体上皮細胞障害が激しい患者の尿検体では検出されることを発見した。このことから、本発明者らは、上皮細胞障害を示す各種腎疾患において、SM22αが尿中に出現することが、糸球体上皮細胞障害を判定するための、マーカーの1つとなりうることを見出した。
ここで、上述のように、糸球体上皮は、障害を受けると特異蛋白を欠失しやすく、従来、ポドカリキシン以外には尿で検出できる蛋白が報告されていなかった。そのため、SM22α蛋白が糸球体上皮に発現すること、そして、糸球体上皮障害を判定するためのマーカーの1つとなりうること、という今回の発見は重要であった。しかも、ポドカリキシンは細胞膜蛋白であるが、SM22αは細胞質蛋白であること、ポドカリキシンまたはネフリンの発現が減弱あるいは欠失した傷害の強い細胞に発現することがわかった。このことから、今後、ポドカリキシンとは違った意味付けがなされる可能性があり、今後の検討によって、臨床的により重要な意義が見出される可能性がある。
このように、上記課題に鑑みて鋭意検討した結果、SM22αをPCR法または免疫化学的方法またはELISA法により検出するという、非浸襲的な検出方法で、腎障害、とくに傷害の激しい糸球体上皮障害を判定できることを見出し、本発明に想到した。
本発明における請求項1記載の腎障害の検出方法は、尿中のSM22αを検出することを特徴とする。
本発明における請求項2記載の腎障害の検出方法は、請求項1において、前記SM22αの検出をPCR法または免疫化学的方法またはELISA法により行うことを特徴とする。
本発明における請求項3記載の腎障害の検出方法は、請求項2において、前記PCR法をSM22α特異的プライマーを用いて行うことを特徴とする。
本発明における請求項4記載の腎障害の検出方法は、請求項2において、前記免疫化学的方法を抗SM22α抗体を用いて免疫染色し、蛍光顕微鏡で観察することにより行うことを特徴とする。
本発明における請求項5記載の腎障害の検出方法は、請求項2において、前記ELISA法を抗SM22α抗体を用いて行うことを特徴とする。
本発明における請求項6記載の腎障害の検出方法は、請求項1において、前記尿が遠心分離法により得られた尿沈渣または尿上清であることを特徴とする。
本発明における請求項7記載の腎障害の検出方法は、請求項1〜6において、前記腎障害が糸球体上皮障害であることを特徴とする。
本発明における請求項8記載の腎障害の検出方法は、請求項7において、前記糸球体上皮障害が、ポドカリキシンまたはネフリンの発現が減弱あるいは欠失した障害の激しい糸球体上皮障害であることを特徴とする。
糸球体上皮障害は腎硬化症に直接結びつく病態である。そのため、これを非侵襲的な尿検査で検出できることは、糸球体上皮障害の早期発見につながり、腎硬化症への進展を阻止する早期治療を実施することができる。また、糸球体上皮障害を早期に発見し、早期治療を実施することにより、透析療法を必要とする腎不全患者の増加に歯止めをかけることが期待できる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明における腎障害の判定方法は、尿中のSM22αを検出することを特徴とする。
ここで、SM22αは、血管平滑筋に強く発現している22kDaの細胞骨格蛋白であり、収縮性の平滑筋細胞(SMCs)のマーカーとして有名である(Differentiation 55:1-11,1993, J Biol Chem 262:5985-5991,1987)。それは、SMCsにおいて特異的に発現する。そして、トランスゲリン(J Cell Biol 121:1065-1073,1993)、p27(Exp Cell Res 181:518-530,1989)及び、WS3−10(Biochem Biophys Res Commun 187:1-7,1992)としても知られる。
インビトロにおいて、SM22αは、脱分化した継代末期のSMCsでは発現しないが、継代初期のSMCsにおいては強く発現する(Circ Res 73:193-204,1993, Development 122:2415-2425,1996)。SM22αの機能は未だ十分に解明されていない。SM22α欠損マウスは正常に発達し、組織学的に正常コントロールマウスと同様のように見える(Mol Cell Biol 21:1336-1344,2001)。しかしながら、SM22αはアテローム硬化性SMCsにおいては発現が低下し、アポEリポ蛋白とSM22α欠損の掛け合わせマウスでは、アテローム性動脈硬化病変の悪化をもたらす。それは、SM22αが、動脈硬化において、収縮性から増殖性へのSMCsの表現型の変化をコントロールする可能性を示唆している(Circ Res 94:863-865.Epub 2004 Mar 2025,2004)。
また、SM22αは、糸球体上皮細胞障害のないヒトの尿検体では検出できず、腎生検で糸球体上皮細胞障害が激しい患者の尿検体では検出された。したがって、尿中のSM22αを検出することにより、腎障害を判定することができる。
そして、特定の方法に限定されるものではないが、前記SM22αの検出には、PCR法または免疫化学的方法またはELISA法が好適に用いられる。
そして、前記PCR法は、SM22α特異的プライマーを用いて行う。
そして、前記免疫化学的方法は、抗SM22α抗体を用いて免疫染色し、蛍光顕微鏡で観察することにより行う。
そして、前記ELISA法は、抗SM22α抗体を用いて行う。
そして、前記尿は、遠心分離法により得られた尿沈渣または尿上清である。
ここで、SM22αの検出を、PCR法により行う場合、及び、免疫化学的方法により行う場合は、尿沈渣が好適に用いられる。
そして、ELISA法により行う場合は、尿上清が好適に用いられる。
このように、本発明における腎障害の判定方法により、腎障害、とくに糸球体上皮障害、中でも、ポドカリキシンまたはネフリンの発現が減弱あるいは欠失した傷害の激しい糸球体上皮障害を非浸襲的な検出方法で判定することができる。
以下に本発明の実施例によって、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。
[方法]
(動物)
雄WKYラット(7週齢)体重190−210gは、チャールズリバージャパン(横浜,日本)から購入し、ラットを、無作為に2つのグループに分け、初日に、ラット抗GBM腎炎の導入のために、一つのグループのラットに、ウサギ抗GBM血清(200μl,約2mgのIgGを含んでいる)(Nephron 68:360-365,1994)を静脈注射により投与した。7日目に、ラットをジエチルエーテル吸入により麻酔し、それらの腎臓を摘出した。腎組織は、ノーザンブロット分析と免疫蛍光顕微鏡法のために凍結し、また、in situ ハイブリダイゼーション法のために4%パラホルムアルデヒドで固定し、また、免疫組織化学的分析のためにカルノア液で固定した。別のグループは、ネガティブコントロールとして、ラットは抗GBM血清投与せず、腎臓サンプルを前述の同じ方法で採取した。
(テンプレート調製)
全長のSM22αコーディング領域(601bp)のcDNAを増幅するために、2つのプライマー、5’‐GCCAACAAGGGTCCATCCTAT‐3’、そして、5’‐ACTGATCTGCCGGGGTCG‐3’を使用してPCRを行った。そのPCR産物は、ノーザンブロットとin situ ハイブリダイゼーション法に用いるためpGEM‐T(プロメガ コーポレーション,マディソン,WI)に挿入した。
(ノーザンブロット分析)
腎臓を摘出した後、腎組織は液体窒素中で凍結し、分析まで−80℃で保存した。ホモジナイズした後、その組織サンプルのトータルRNAを、メーカーのプロトコルに従って、RNA抽出溶液(アイソジェン,ニッポンジーン,東京,日本)を用いて抽出した。ノーザンブロッティングのために、トータルRNAを、1.5%アガロースゲル上で電気泳動し、ナイロン膜(ハイバンド N,アマシャム)に転写した。ラットSM22αのための32P標識cDNAプローブは、ランダム プライムド DNA ラベリング キット(ロシュ ダイアグノスティック,マンハイム,ドイツ)を用いて合成し、そのRNAとともにハイブリダイズした。内在性コントロールとして、GAPDHを同じ膜上で検出した。Bas 2000(富士 フィルム,東京,日本)による放射線強度測定後、SM22αのGAPDH発現に対する相対比率を標準化した。3回の実験結果から、スチューデントのt検定により統計的解析を行った。
(In situ ハイブリダイゼーション)
ラットSM22αcRNAを用いてIn situ ハイブリダイゼーションを行った(Kidney Int 59:959-974,2001)。DIG RNAラベリングキット(SP6/T7;ロシュ)を用い、インビトロでジゴキシゲニン標識プローブの合成を行った。SM22αアンチセンスcRNAプローブとセンスプローブ(ネガティブコントロール)は、同じテンプレートから合成し、ハイブリダイゼーションに使用した。以下の免疫学的検出方法は、DIG nucleic acid 検出キット(ロシュ)を用いて行った。
(組み換え型蛋白)
インフレームのSM22αcDNA(260bp;85番から170番を形成するアミノ酸のフルレングスの43%に対応する)断片は、2つのプライマー;5’‐TCCATGGTCTTCAAGCAGATG‐3’、5’‐CTCCTGCAGTTGACTGTCTGTG‐3’を用いたPCRにより準備した。そのPCR産物を、pQE‐30UAベクター(キアゲン サイエンス,メリーランド,USA)に組み込み、そのベクターを大腸菌(E.coli)ストレインJM109(Toyobo,大阪,日本)に導入した。6xヒスチジンタグを付けたSM22α組み換え型蛋白(rSM22α)の生産物は、37℃で4時間、1mMのイソプロピル‐β‐D‐1‐チオガラクトピラノシドで誘導した。その後、超音波により溶解し、14,000rpmで20分間遠心分離した後、QIAエクスプレスタイプIVキット(キアゲン)を用いて、アフィニティー精製を行った。rSM22αの分子サイズは、約10kDaである。ウサギ抗rSM22α抗血清を得るために、ヒスチジンタグを付けたrSM22α蛋白1mgを等容積の完全フロイントアジュバント(FA)と混合し、ウサギの皮下に注射した。3週間後、rSM22α 1mgと不完全FAを3週間おきに投与した。免疫投与開始後9週間、ウサギから採血し、血清を収集した。その抗rSM22αIgG抗体は、ハイトラップNHS-activated HPおよびハイトラッププロテインG HP(アマシャム バイオサイエンシーズ,ウィクストームス,スウェーデン)を用いて、アフィニティークロマトグラフにより精製した。
(ウェスタンブロット分析)
抗体の特異性を評価するために、1%トリトン‐X/リン酸緩衝液/プロテイナーゼ阻害剤を用いて正常ラットの大動脈から用意した溶解物1μgを、還元性条件下で16%ゲルを用いて、SDS−PAGEにより分離した。その蛋白は、二フッ化ポリビニリデン膜に転写し、TBST(20mM トリスHCI,pH8.0,0.5M NaCl,0.5%トウィーン20)で溶解した10%粉末ミルクでブロッキングした。その後、ウサギ抗rSM22α抗体(100μg/ml)で4℃で一晩処理した。ペルオキシダーゼ複合体ヤギ抗ウサギIgG抗体(サザンバイオテクノロジーアソシエイツ,バーミンンガム,AL)は二次抗体として用いた。そして、ECL(ウェスタンブロッティング検出試薬,アマシャム)を用いて可視化した。免疫前正常ウサギIgGを抗体のコントロールとして使用した。
(免疫組織化学法)
腎臓組織はカルノア液で固定し、パラフィンに包埋し、10μmの薄切片とした。切片は、キシレン中で脱パラフィンし、100%エタノールで再水和した。スライドは、10分間、3%H(PBSで溶解)で固定し、そして、15分間、3%BSA(PBSで溶解)でブロッキングした。SM22αの検出のために、スライドを、4℃で一晩、ウサギ抗rSM22α抗体(100μg/ml)で処理した。そして、二次抗体として、ペルオキシダーゼ複合体ヤギ抗ウサギIgG抗体(ダコ,カーピンテリア,CA)で処理した。その免疫複合体は、3,3’‐ジアミノベンジジン4塩酸塩(ダコ)で検出した。そして、対比染色はヘマトキシリンで行った。コントロール切片は、抗rSM22α抗体の代わりに、免疫前正常ウサギIgG(ジムド)で処理した。
(免疫蛍光顕微鏡法)
ビオチン標識ウサギ抗rSM22α抗体を得るために、抗rSM22α抗体を、ハイトラップ NHSアクティベイト HP(アマシャム)を用いて、イムノアフィニティークロマトグラフ法により精製した。そして、ビオチンラベリングキットNH(同仁化学研究所,熊本,日本)を用いてビオチン標識した。二重標識のために、凍結腎臓組織を3μmの薄切片にカットし、アセトンで1時間固定した。その連続切片は、ビオチンブロッキングシステム(ダコ)でブロッキングし、ビオチン標識したウサギ抗rSM22α抗体(12μg/ml)で4℃で一晩処理した。そして、その後、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)標識ストレプトアビジン(BDバイオサイエンシーズファーミンゲン)で処理した。つぎに、そのスライドは、マウス抗ポドカリキシン抗体(4D5)(原正則医師により提供された)(Nephron Clin Pract 95:c91-99,2003, J Am Soc Nephrol 14:3111-3126,2003)、あるいは、ポドサイトマーカーとして、抗ネフリン抗体(mAb 5‐1‐6)(J Immunol 141:807-814,1988, Kidney Int 57:1949-1961,2000)で処理した。続いて、抗ポドカリキシン抗体のためにローダミン標識ヤギ抗マウスIgG2a、あるいは、抗ネフリン抗体のためにローダミン標識抗マウスIgG1(サザンバイオテクノロジーアソシエイツ,バーミンガム,USA)で処理した。さらに、二重染色は、抗rSM22α抗体と汎白血球マーカーとして抗OX‐1抗体(セロテック,オックスフォード,UK)、内皮細胞マーカーとして抗RECA‐1抗体(セロテック)、あるいは、メサンギウム細胞マーカーとして抗OX‐7抗体(セロテック)を用いて行った。二次抗体として、ローダミン標識ヤギ抗マウスIgG1(サザンバイオテクノロジーアソシエイツ)を使用した。コントロール切片は、抗ラットrSM22α抗体の代わりに、ビオチン標識した正常ウサギIgG(ジムド)を用いて処理した。
(結果)
[ノーザンブロット分析によるSM22α発現の上昇の確認]
本発明者らは、抗GBM腎炎ラット腎臓における、網羅的な遺伝子発現のプロファイルを発表した(J Immunol 2003 Mar 15;170(6):3377-85)。その中で、腎炎モデル経過中に、SM22αの遺伝子発現が上昇したことを見出した。そこで、本発明者らはまずノーザンブロット分析によりその発現の増加を確認した。図1に示されるように、SM22αmRNAは、コントロールラットの腎臓においても構成的に発現していたが、抗GBM腎炎ラットにおいて平均2.7倍増加した(図1)。
図1:A)ノーザンブロットは、SM22αの32P標識cDNAプローブ(a,b)、あるいはハウスキーピング遺伝子としてGAPHD(c,d)で行った。正常ラット(a,c)、または、抗GBM腎炎ラット(b,d)の腎臓からのトータルRNA(30μg)を泳動した。図は、独立した3実験から、代表的な結果を提示した。B)SM22αとGAPHDのメッセージの放射線強度は、Bas‐2000(富士フィルム)で測定した。コントロール(a)と抗GBM腎炎ラット腎臓(b)からのSM22αのGAPDHに対する比率を示した(n=3,p<0.05)。
[腎臓におけるSM22αmRNA及びSM22α蛋白の局在]
抗GBM血清の投与後7日に、糸球体に細胞増殖を伴う半月体形成と線維素析出及び多核巨細胞がボーマン嚢腔に観察された。この時点の腎臓組織を用いて、ラットSM22αcRNAプローブを用いたin situ ハイブリダイゼーション法によりmRNAの発現の局在を調べた(図2)。抗GBM腎炎の腎臓組織切片を、SM22αのアンチセンスcRNAプローブ(a)、あるいは、センスプローブ(b)とともにハイブリダイズした。(倍率:x400)。図2に示すように、抗GBM腎炎ラット腎臓において、SM22αmRNAは、血管と糸球体上皮細胞(ボーマン嚢上皮細胞とポドサイト)において発現していた。コントロールラット腎臓においては、糸球体では発現しなかったが、血管においてのみ発現した。
腎臓におけるSM22αを蛋白レベルで検出するために、本発明者らは、ヒスチジンタグを付けたラット組み換え型SM22α(rSM22α;約10kDa, 図3a-e)でウサギに免疫投与することにより、抗ラットrSM22α抗体を用意した。免疫投与後の血清は、抗rSM22α IgGとしてアフィニティー精製した。その抗rSM22α IgGは、22kDaの大動脈の蛋白を特異的に認識した(図3f,g)。
図3:
発現ベクターに組み込んだSM22αを大腸菌(JM109)に導入し、in vitroで、rSM22αを発現誘導した。誘導前(a),誘導後の菌溶解液(b),アフィニティーカラムで処理する前の菌溶解液上清(c), アフィニティーカラムからの抽出物(d:pH5.9, e:pH4.5 条件下での抽出物)をSDS‐PAGEにより展開し、クマシーブルー染色した。rSM22αは分子量約10 kDaである。
このrSM22αをウサギに免疫し、得られた抗rSM22α抗体の特異性を確かめるために、正常ラットからの大動脈の溶解物1μgを、SDS‐PAGEにより展開した。その後、二フッ化ポリビニリデン膜に転写(トランスファー)し、抗rSM22αIgG抗体(g)あるいは免疫前のウサギIgG抗体(f)とともに処理し、続いて、ペルオキシダーゼ複合体ヤギ抗ウサギIgG抗体により処理した。特異的なバンドを矢印で示した。
つぎに、抗GBM腎炎ラットの腎臓切片において、この抗体を用いて免疫組織化学的研究を行った。そして、半月体細胞とボーマン嚢上皮細胞とポドサイトにおけるSM22αの局在を確かめた。図4に示すように、血管壁における強い染色は、抗GBM腎炎ラットとコントロールの両方に観察された。そして、SM22α蛋白の分布は、SM22αmRNAの分布とほとんど一致していた。抗GBM腎炎(a,b)あるいはコントロール(c,d)ラットの腎臓からのパラフィン切片は、ウサギ抗rSM22αIgG(a,c)あるいはコントロールウサギIgG(b,d)で処理した。そして、その後、ペルオキシダーゼ複合体ヤギ抗ウサギIgG抗体で処理した。(倍率:x400)
[SM22αとほかの特異的マーカーとの位置関係]
SM22αとほかのポドサイト特異的マーカーとの関係を調べるために、初め、抗rSM22α抗体と抗ポドカリキシン抗体を用いて二重蛍光免疫染色を行った。まず、抗GBM腎炎(上パネル)とコントロールラット(下パネル)の腎臓の凍結切片をビオチン標識ウサギ抗rSM22αIgG抗体と抗ポドカリキシン抗体で二重染色した。(倍率:x400)図5に示すように、ポドカリキシンは、コントロールの糸球体のポドサイトにおいて全体的に検出された。しかしながら、抗GBM腎炎においては、ポドカリキシンは部分的に欠損していた。SM22αは、ポドカリキシンが欠失あるいは減弱した糸球体の上皮細胞において発現することが示された。
つぎに、ほかのポドサイト特異的マーカーであるネフリンを用いて、SM22αの局在を確認した。抗GBM腎炎(上パネル)とコントロールラット(下パネル)の腎臓の凍結切片で、ビオチン標識ウサギ抗rSM22αIgG抗体と抗ネフリン抗体で二重染色を行った。(倍率:x400)図6に示されるように、抗GBM腎炎腎臓の糸球体は、ネフリンの発現を部分的に欠いていた。SM22αは、糸球体のそのような領域に検出された。そして、それは、どの細胞におけるネフリンとも共染色されなかった。
SM22αが、抗GBM腎炎腎臓の糸球体において、ほかの細胞成分の発現との関係を調べるために、抗rSM22α抗体と汎白血球マーカーであるOX‐1を用いて、二重染色を行った。抗GBM腎炎(上パネル)とコントロールラット(下パネル)の腎臓の凍結を、ビオチン標識ウサギ抗rSM22αIgG抗体と抗OX‐1抗体で二重染色した。(倍率:x400)抗GBM腎炎において、OX‐1は、糸球体の浸潤白血球に検出された(図7)。SM22αの局在はOX‐1の局在と一致していなかった。
また、SM22αと内皮細胞の特異的マーカーであるRECA‐1、及び、SM22αとメサンギウム細胞のマーカーであるOX‐7との二重染色を行った。抗GBM腎炎(上パネル)とコントロールラット(下パネル)の腎臓の凍結切片を、ビオチン標識ウサギ抗rSM22αIgG抗体と抗RECA‐1抗体、及び、ビオチン標識ウサギ抗rSM22αIgG抗体と抗OX‐7抗体で二重染色した。(倍率:x400)SM22αは、RECA‐1(図8)とOX‐7(図9)のどちらとも共染色されなかった。
上記の結果は、SM22αが、抗GBM腎炎が発症した際に、ポドサイトの特異的マーカーであるポドカリキシンとネフリンが減弱あるいは欠失した激しく損傷したポドサイトと、傷害を受けたボウマン嚢上皮細胞において、誘導的に発現することが示された。
(考察)
SM22αの発現の増加は、DNAマイクロアレイを用いたラット抗GBM腎炎モデルの本発明者らの網羅的な遺伝子発現分析において認められた(J Immunol 2003 Mar 15;170(6):3377-85)。この研究において、本発明者らは、この腎炎が発症すると、SM22αがポドサイトとボウマン嚢上皮細胞に新たに発現することを解明した。また、SM22αが、成熟分化したポドサイト特異的マーカーであるポドカリキシンとネフロンが減弱あるいは欠失したポドサイトにおいて、発現することを見出した。ポドサイトは、炎症状態下において傷害を受けると、表現型を変化させることが良く知られている(J Am Soc Nephrol 15:61-67,2004, J Am Soc Nephrol 10:51-61,1999, Kidney Int 53:918-925,1998)。
糸球体上皮細胞は、発生学的には、間葉系組織に由来する(J Am Soc Nephrol 14 Suppl 1:S42-47,2003)。傷害を受けると、それらは間葉系の形質に分化転換する(J Am Soc Nephrol 14 Suppl 1:S42-47,2003, Nephrol Dial Transplant 17 Suppl 9:11-15,2002)。成熟ポドサイトは、アクチン、ミオシン、α‐アクニチン、タリン及びビンキュリンのような、主要な収縮性蛋白を含む筋肉装置を備えた収縮性の筋細胞の性格を有する(Lab Invest 59:673-682,1988)。そのため、平滑筋細胞マーカーであるSM22αの発現は、激しく傷害されたポドサイトにおける、表現型の変化あるいは細胞の分化転換の結果であると理解される。その体腔壁の上皮細胞もまた、ラット抗GBM糸球体腎炎における半月体形成において、分化転換を示すことが分かっている(Nephrol Dial Transplant 14:2860-2872,1999, Nephron 92:203-212,2002)。これらの糸球体上皮細胞において、SM22αの発現は、新たな分化転換の一つと見なことができる。
ただし、ほかの細胞が、傷害されたポドサイトが糸球体基底膜から離れた後、置き替わる可能性がある。汎白血球のマーカーであるOX‐1は、SM22αと共局在していなかったため、そして、通常SM22αを発現している平滑筋細胞は、たとえ、激しい炎症状態下においても、内臓あるいは体腔壁の糸球体の上皮組織に移動し、置き替わることは考えられないため、SM22αの発現は、傷害された上皮細胞の表現型変化の結果と見なすことができるのではないか。しかしながら、ポドサイトに遺伝的にタグを付けたマウスを用いて、ポドサイトが傷害されると、体腔壁上皮細胞は糸球体の表面に移動する可能性があることが示されている(J Am Soc Nephrol 16:2257-2262,2005)。抗GBM腎炎が誘発されると、ボウマン嚢上皮細胞もまた、SM22αを発現したので、糸球体係蹄表面におけるSM22α陽性細胞の一部は、ボウマン嚢上皮細胞に由来する可能性があった。しかしながら、時折、ポドカリキシンとSM22αが近接して陽性になるので、糸球体係蹄表面の上皮におけるSM22αの発現は、少なくとも一部分において、ポドサイトの表現型の変化の結果であることを示唆していた。
傷害されたポドサイトにおけるSM22αの発現の機能的意義は、不明のままである。ポドサイトは元来、収縮装置を備えているため(Lab Invest 59:673-682,1988)、それらの表現型の変化は、より大きな収縮性をもたらす可能性がある。あるいは、血管壁の平滑筋細胞におけるSM22αの役割は、硬化性血小板形成のレギュレーターであることが示唆されているので(Circ Res 94:863-865. Epub 2004 Mar 2025,2004)、傷害された糸球体上皮細胞におけるSM22αの発現誘導は、炎症性損傷に対する防御に関与する可能性がある。
腎臓病に関連するほかの平滑筋細胞特異的蛋白としては、α‐平滑筋細胞アクチン(α‐SMA)がある。腎臓細胞におけるα‐SMAの新たな発現は、糸球体硬化症と管状間質性線維症を引き起こす、細胞の筋線維芽細胞への変化を意味する(Kidney Int 41:530-532,1992, Exp Nephrol 3:308-318,1995, Kidney Int 41:1134-1142,1992, J Am Soc Nephrol 5:201-209,1994, Nephrol Dial Transplant 13:1652-1661,1998)。とくに、メサンギウム細胞におけるその発現は、細胞増殖と関連することが見出された(J Clin Invest 87:847-858,1991)。その後、ラットThy1腎炎(J Clin Invest 87:847-858,1991)、及び、ヒトIgA腎症(Nephrol Dial Transplant 9:1418-1425,1994, Am J Kidney Dis 34:902-910,1999)におけるメサンギウム細胞傷害のマーカーとして認められている。しかしα‐SMAは、以前の報告(J Clin Invest 87:847-858,1991)でも本発明者ら(データ示さず)によっても、SM22αと対照的に、ポドサイトを含むラット抗GBM腎炎腎臓のどの糸球体細胞においても検出されなかった。そしてそれは、その二つの分子が、腎臓疾患において異なる特性と機能を持っている可能性を示唆している。
結論として、本発明における研究は、平滑筋細胞特異的マーカーであるSM22αが、抗GBM腎炎における激しく傷害された糸球体上皮細胞において、新規に発現することを示した。興味深いことに、SM22α発現は、ポドカリキシンまたはネフリンが減弱あるいは欠失しているポドサイトにおいて誘導的に発現していた。したがって、糸球体におけるSM22αの発現は、炎症状態下における糸球体血管壁傷害と上皮障害の優れたマーカーである可能性がある。
(PCR法によるSM22αの検出)
新鮮尿50−200mlから遠心分離法(1500rpm,5分間)により尿沈渣を得た。SM22α特異的プライマーは、一般的な方法で作製した。尿沈渣からトータルRNAを採取し、RT‐PCR法によりSM22αの検出を行った。
SM22αは、糸球体上皮細胞障害のないヒトの尿検体では検出されず、腎生検で激しい糸球体上皮細胞障害が確認された患者の尿検体では検出された。このように、尿中のSM22αを検出することにより、腎障害、とくにポドカリキシンまたはネフリンの発現が減弱あるいは欠失している傷害の激しい糸球体上皮細胞障害を判定することができる。
A)SM22αの32P標識cDNAプローブ(a,b)、あるいはハウスキーピング遺伝子としてGAPHD(c,d)を用いたノーザンブロット分析結果を示す写真である。B)コントロール(a)と抗GBM腎炎ラット腎臓(b)からのSM22αのGAPDHに対するシグナル強度の比率を示すグラフである。 抗GBM腎炎腎臓(a,b)とコントロール(c,d)におけるSM22αmRNA発現の局在を示す、in situ ハイブリダイゼーション結果を示す顕微鏡写真である。(倍率:x400) rSM22αのin vitroでの誘導・作製過程と、抗rSM22α抗体の特異性を確かめるための、正常ラットの大動脈の溶解物のウエスタンブロット解析の結果を示す写真である。 腎臓におけるSM22α蛋白の局在を示す、抗GBM腎炎ラット(a,b)とコントロールラット(c,d)の腎臓の免疫組織化学的分析結果を示す顕微鏡写真である。(倍率:x400) SM22αとポドカリキシンの共免疫染色を示す、抗GBM腎炎(上パネル)とコントロールラット(下パネル)の腎臓の蛍光顕微鏡写真である。(倍率:x400) SM22αとネフリンの共免疫染色を示す、抗GBM腎炎(上パネル)とコントロールラット(下パネル)の腎臓の蛍光顕微鏡写真である。(倍率:x400) SM22αと汎白血球マーカーであるOX‐1の共免疫染色を示す、抗GBM腎炎(上パネル)とコントロールラット(下パネル)の腎臓の蛍光顕微鏡写真である。(倍率:x400) SM22αと内皮細胞マーカーであるRECA‐1の共免疫染色を示す、抗GBM腎炎(上パネル)とコントロールラット(下パネル)の腎臓の蛍光顕微鏡写真である。(倍率:x400) SM22αとメサンギウム細胞マーカーであるOX‐7の共免疫染色を示す、抗GBM腎炎(上パネル)とコントロールラット(下パネル)の腎臓の蛍光顕微鏡写真である。(倍率:x400)

Claims (8)

  1. 尿中のSM22αを検出することを特徴とする腎障害の検出方法。
  2. 前記SM22αの検出をPCR法または免疫化学的方法またはELISA法により行うことを特徴とする請求項1記載の腎障害の検出方法。
  3. 前記PCR法をSM22α特異的プライマーを用いて行うことを特徴とする請求項2記載の腎障害の検出方法。
  4. 前記免疫化学的方法を抗SM22α抗体を用いて免疫染色し、蛍光顕微鏡で観察することにより行うことを特徴とする請求項2記載の腎障害の検出方法。
  5. 前記ELISA法を抗SM22α抗体を用いて行うことを特徴とする請求項2記載の腎障害の検出方法。
  6. 前記尿が遠心分離法により得られた尿沈渣または尿上清であることを特徴とする請求項1記載の腎障害の検出方法。
  7. 前記腎障害が糸球体上皮障害であることを特徴とする請求項1〜6記載の腎障害の検出方法。
  8. 前記糸球体上皮障害が、ポドカリキシンまたはネフリンの発現が減弱あるいは欠失した障害の激しい糸球体上皮障害であることを特徴とする請求項7記載の腎障害の検出方法。
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