JP5677267B2 - 形状記憶合金アクチュエータ - Google Patents

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本発明は、形状記憶合金ワイヤ(素材)の編み構造を利用し、加熱時および放熱時の動作応答性を向上させ、コンパクトな冷却構造を得るようにした形状記憶合金のアクチュエータ技術に関する。
形状記憶合金(Shape Memory Alloy:SMA)は、高温で記憶された形状を覚えていて、室温で変形を与えても、変態点以上に加熱すると元の記憶形状に形状復帰する性質を持っている。SMAの形状復帰時に発生する力や変形をアクチュエータとして利用する形状記憶合金アクチュエータが知られている。
しかし、SMAは形状復帰が可能な弾性域が狭いため、アクチュエータの伸縮量を大きくするために、ワイヤ状のSMA素材を編んだ編み構造体をアクチュエータとして利用することが知られている(特許文献1)。
このようなSMAを用いたアクチュエータは、SMAの温度を制御することによって動作させるため、動作応答性を向上させ、良好なものとするために、SMAの加熱速度および放熱速度を高める必要がある。
SMAアクチュエータの加熱方法としては、ヒータ等の熱源をアクチュエータに接触させる間接加熱方法や、SMAアクチュエータ自体に電気を流してジュール熱で直接加熱する方法がある。
一方、SMAアクチュエータの冷却方法としては、大気中での自然冷却の他、アクチュエータをヒートシンクやヒートパイプと組み合せて冷却性を高めた冷却構造が提案されている(特許文献1)。
さらに、ヒートパイプと組み合わせてもアクチュエータとの加熱速度を損なわないように、ヒートパイプ内部の熱媒(加熱液体)の流動を電磁弁により制御するものがある(特許文献2参照)。
SMAアクチュエータは、アクチュエータの加熱と放熱によって駆動させるため、アクチュエータの動作応答性を向上させるには、熱の制御速度を向上させる必要がある。一般的には、除熱量は加熱量より大きくすることが難しいため、加熱応答時間より冷却応答時間の方が長くなる。
特開2002−48053号公報 特開2004−150283号公報
従来のSMAアクチュエータは、放熱性を高めるために、ヒートシンク等の冷却構造を組み合せた構成とすると、アクチュエータ加熱時にも並行して放熱されることになるために、加熱時の応答性を低下させてしまう虞があった。
SMAアクチュエータの冷却構造は、伸縮する編み構造のアクチュエータに密着させて取り付ける必要があるが、この伸縮動作に対応できる具体的な冷却構造を示したり、示唆する技術は見当らない。
また、SMAワイヤの編み構造を積層させることで、アクチュエータの発生力を増加させることができるが、ヒートシンクを編み構造体表面に密着させる冷却構造では、アクチュエータの厚みが増すため、積層構造体が大型になってしまう課題があった。
本発明は、上述した事情を考慮したもので、加熱時および放熱時の両方におけるアクチュエータの動作応答性を向上させ、コンパクトな冷却構造を得ることができる形状記憶合金アクチュエータを提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、SMAワイヤ(素材)の編み構造を利用したアクチュエータの加熱時および放熱時の動作応答性を向上させ、アクチュエータ全体のコンパクト化、簡素化を図ることができ、柔軟性およびしなやかさを有する形状記憶合金アクチュエータを提供することにある。
本発明の実施形態に係る形状記憶合金アクチュエータは、上述した課題を解決するために、SMAワイヤを編んだ編み構造体またはSMA素材を編み形状もしくは波状形状に加工した加工構造体からなるアクチュエータ本体の形状復帰作用を発生力、発生変位とするアクチュエータであり、前記アクチュエータ本体を加熱する加熱手段と、前記アクチュエータ本体の表面または裏面にヒートパイプを、ヒートパイプの先端側に放熱シートをそれぞれ備え、前記ヒートパイプにはパイプ内流路を開閉する弁を有し、前記弁は、ヒートパイプの流路が開いた形状に形状記憶処理される形状記憶合金部材とヒートパイプの流路を閉じる方向にばね力を作用させるばね部材とを組み合せた弁構造に構成され、高温時に前記形状記憶合金部材が形状復帰することで前記ヒートパイプの流路を開放し、低温時に前記ばね部材のばね力により前記ヒートパイプの流路を閉鎖することを特徴とするものである。
本発明の実施形態に係る形状記憶合金アクチュエータは、上述した課題を解決するために、形状記憶合金ワイヤを編んだ編み構造体または形状記憶合金素材を編み形状もしくは波状形状に加工した加工構造体からなるアクチュエータ本体の形状復帰作用を発生力、発生変位とするアクチュエータであり、前記アクチュエータ本体を加熱する加熱手段と、前記アクチュエータ本体の表面または裏面にヒートパイプを、ヒートパイプの先端側に放熱シートをそれぞれ備え、前記ヒートパイプにはパイプ内流路を開閉する弁を有し、前記放熱シートは、アクチュエータ本体の伸縮方向に山折り、谷折りを繰り返したジャバラ構造に構成され、前記アクチュエータ本体の脇に配置されたことを特徴とするものである。
また、本発明の実施形態に係る形状記憶合金アクチュエータは、上述した課題を解決するために、形状記憶合金ワイヤを編んだ編み構造体または形状記憶合金素材を編み形状もしくは波状形状に加工した加工構造体からなるアクチュエータ本体の形状復帰作用を発生力、発生変位とするアクチュエータであり、前記アクチュエータ本体を加熱する加熱手段と、前記アクチュエータ本体の表面または裏面にヒートパイプを、ヒートパイプの先端側に放熱シートをそれぞれ備え、前記ヒートパイプにはパイプ内流路を開閉する弁を有し、前記ヒートパイプは、柔軟な材質を用いて波状形状あるいはジグザグ形状成形されてアクチュエータ本体に設けられることを特徴とするものである。
さらに、本発明の実施形態に係る形状記憶合金アクチュエータは、上述した課題を解決するために、形状記憶合金ワイヤを編んだ編み構造体または形状記憶合金素材を編み形状もしくは波状形状に加工した加工構造体からなるアクチュエータ本体の形状復帰作用を発生力、発生変位とするアクチュエータであり、前記アクチュエータ本体を加熱する加熱手段と、前記アクチュエータ本体の表面または裏面にヒートパイプを、ヒートパイプの先端側に放熱シートをそれぞれ備え、前記ヒートパイプにはパイプ内流路を開閉する弁を有し、前記編み構造体はヒートパイプの内部に作動流体とともに封入されたことを特徴とするものである。
本発明によれば、加熱時および放熱時の両方におけるアクチュエータの動作応答性を向上させ、コンパクトな冷却構造を提供でき、柔軟性としなやかさを有し、加熱時にアクチュエータの応答性を維持したまま、冷却時に高い放熱性を得ることができ、高速で駆動可能な形状記憶合金(SMA)アクチュエータを提供することができる。
本発明に係る形状記憶合金アクチュエータの第1実施形態を示す基本形状状態の全体構成図であり、(A)はアクチュエータの平面図、(B)は同じくアクチュエータの正面図、(C)は同じくアクチュエータの側面図。 本発明に係る形状記憶合金アクチュエータの第1実施形態を示す伸長形状状態の全体構成図であり、(A)はアクチュエータの平面図、(B)は同じくアクチュエータの正面図、(C)は同じくアクチュエータの側面図。 形状記憶合金アクチュエータに備えられる編み構造体の編み構造例を示す図。 形状記憶合金アクチュエータに備えられる弁構造を示す図で、(A)は弁の開放状態(高温時)を示す図、(B)は同じく弁の閉止状態(低温時)を示す図。 形状記憶合金アクチュエータに備えられるヒートパイプと放熱シートの連結管を示す横断面図で、(A)は横断面が三角形の連結管の例、(B)は横断面が四角形の連結管の例をそれぞれ示す図。 連結管内にワイヤや突起物を挿入した横断面構造を示す図。 本発明に係る形状記憶合金アクチュエータの第2実施形態を示すアクチュエータの積層構造図であり、(A)はアクチュエータの正面図、(B)は同じくアクチュエータの側面図。 本発明に係る形状記憶合金アクチュエータの第3実施形態を示す全体構成図であり、(A)はヒートパイプ内に編み構造体を収容したヒートパイプの平面図、(B)はヒートパイプに編み構造体を収容したアクチュエータの一部断面状態を示す正面図、(C)は同じくアクチュエータの側面図。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
図1および図2は、形状記憶合金アクチュエータの第1実施形態を示すものである。形状記憶合金アクチュエータ10は、形状記憶合金(Shape Memory Alloy:SMA)のワイヤ(素材)11を編んだ編み構造体12と、この編み構造体12の表面または裏面に備えられたヒートパイプ13と、このヒートパイプ13の先端側に設けられた放熱シート14と、ヒートパイプ13内の水やアルコール液等の作動流体の流路を開閉する弁15とを有する。編み構造体12はアクチュエータ本体を構成している。
SMAは、一般的なNi−Ti合金を用いた例を示すが、材質はCu−Zn−Al合金やCu−Al−Ni合金等を用いたものでもよく、Ni−Ti合金に限定されない。例えば、線径0.15mm程度のSMAワイヤ11を金属編み機(図示せず)で編むことで、アクチュエータ本体としての編み構造体12が作成される。この実施形態では、金属編み機で代表的な編み方であるメリヤス編みを用いてシート状(平面形状)のアクチュエータを構築した例を示す。メリヤス編みは1本のSMAワイヤ(素材)11で編み構造体12を作成できる。図3はSMAワイヤ11をメリヤス編みした網目形状の編み構造体12の編み構造例を示す。
編み構造体12を構成するSMAは、低温状態でマルテンサイト相になっており、編み構造体12は外力によって柔軟かつしなやかに変形する。マルテンサイト相のSMAを高温状態にするとオーステナイト相に変態し、形状記憶した自然長の状態に形状復帰(回復)するとともに、SMA素材(ワイヤ)としての剛性も高くなる。
SMAアクチュエータ10は、SMAの温度を制御することによって高温で記憶された形状を覚えていて(形状記憶効果)、変態点以上に加熱すると、記憶形状に復帰動作させることでアクチュエータとして機能する。SMA形状復帰可能な歪みは数%であるが、SMAのワイヤ素材で編み構造体12を網目形状に形成すると、形状復帰可能な伸縮量や変形量は10〜30%程度に増加させることができる。
[編み構造体の加熱構造]
本実施形態のSMAアクチュエータ10は、図1(A)に示すように、アクチュエータ本体としてのSMAの編み構造体12の両側に形成した電極17を電源18に直接あるいはスイッチ(図示せず)を介して接続し、編み構造体12の加熱構造を構成する。この加熱構造により、編み構造体12はジュール熱によって直接加熱される。したがって、ヒータ等の熱源の熱をSMAの編み構造体12に伝達する間接加熱よりも、効率よく加熱することができる。
[編み構造体の冷却構造]
また、SMAアクチュエータ10は、シート状編み構造体12の表面あるいは裏面にヒートパイプ13を貼り付け、このヒートパイプ13の先端側に放熱シート14を設けて編み構造体12の冷却構造を構成する。この冷却構造ではヒートパイプ13は弁15および連結管20を介して放熱シート14に接続され、ヒートパイプ13と放熱シート14との間で水やアルコール液等の作動液体(流体:熱媒体)が移動(流動)可能に構成される。放熱シート14は、編み構造体12の一方あるいは両方の脇に配置される。作動液体の種類はSMAの制御温度に応じて適宜選択される。
編み構造体12は、SMAの温度制御によって伸縮されることから、ヒートパイプ13と編み構造体12とはシリコングリス等の熱伝導性グリスを介して摺動可能な構造とするか、あるいはヒートパイプ13を柔軟材質で構成し、編み構造体12に固定することで、編み構造体12の収縮に追従して柔軟かつしなやかに変形できる構造となる。
ヒートパイプ13は編み構造体12の伸縮に追従する柔軟変形構造に構成される。ヒートパイプ13は、柔軟材質で波形形状あるいはジグザグ形状に形成され、編み構造体12の伸縮変形に追従した変形が可能に構成される。このため、SMAの編み構造体12とヒートパイプ13を組み合せた形状記憶合金アクチュエータ10は例えば人体関節部の運動補助具として用いることができ、さらに、整形外科用器具に応用することもできる。
ヒートパイプ13と編み構造体12の固定は、ワイヤ等によって一定間隔毎に固縛して構成してもよい。ヒートパイプ13の変形に伴う動作においても、ヒートパイプ13と編み構造体12との隙間には、熱伝導性グリスを挿入して熱伝導性を高めるのが望ましい。
本実施形態のSMAアクチュエータ10において、ヒートパイプ13は内部の作動液体(流体)がSMAから伝熱される熱により蒸発(潜熱の吸収)し、編み構造体12を冷却する一方、蒸発した作動液体(ガス)は放熱シート14で冷却されて凝縮(潜熱の放出)し、循環することでSMAの除熱効果を得ることができ、編み構造体12は冷却される。
SMAアクチュエータ10の一側方あるいは両側方に配置される放熱シート14は、蒸気状態の作動液体の熱を放熱できるようにしたもので、放熱シート14には熱伝導性が良好なアルミ材料や銅材料、銀材料等の薄板が用いられる。放熱シート14は、山折り、谷折りを繰り返したジャバラ(蛇腹)形状とすることで、編み構造体12の収縮動作に併せて変形できる構成とされる。
[弁の開閉動作]
また、ヒートパイプ13に設けられた弁15は加熱駆動時にヒートパイプ13の流路を閉じて、放熱シート14から放熱しないように構成される。この弁15は電磁的に駆動される電磁弁として加熱・放熱のタイミングに合せてヒートパイプ流路の開閉制御を行なうようにしてもよい。
本実施形態では、弁15は図4に示すようにSMAを用いたクリップ弁構造を採用する。この弁15は、クリップ形状のSMA製挟み弁で、ヒートパイプ13の流路を挟んで閉じる構造とする。クリップ形状の弁15は、ヒートパイプ13の流路が開放した状態、すなわちクリップ21が開いた形状に形状記憶処理される。SMA製弁15はクリップ21の開放先端側をばね部材22で閉じる方向にばね付勢(圧縮)して、ヒートパイプ流路を挟んで閉じる方向にばね力を作用させる。SMA部材のクリップ21はヒートパイプ13の流路が開いた形状で形状記憶処理される。
しかして、ヒートパイプ13に設けられたSMA製弁15は低温時にクリップ(SMA部材)21がばね部材22のばね力で閉じてヒートパイプ13の流路を挟むことにより閉止され、作動流体が流れなくなる。逆に、高温時にはクリップ21はSMAの形状復帰力がばね力を上回って弁15が開き、作動液体が流れるようになる。このSMA製弁15により、高温時のヒートパイプ13の流路が開いて作動する弁として機能する。加熱時の加熱応答性を良好に維持したまま、冷却時に高い放熱性を得ることができる。したがって、編み構造体12の冷却性能を良好に保つことができる。また、SMAアクチュエータ10の変態温度に合わせてSMA製弁15を動力源やコントローラ無しに動作させることができるため、簡便な構成にすることができる。
[編み構造体の加熱応答性]
ヒートパイプ13は、内部の作動流体(図示せず)の種類や圧力を調整することで、作動液体の沸点を調整することができる。ヒートパイプ13は、編み構造体12から伝達される熱により、内部の作動液体が蒸発するが、作動液体の蒸発が開始されるまでは除熱効果が得られない。このため、作動温度を調整することで、低温状態においてSMAの編み構造体12を加熱する時には、弁15は閉止されており、ヒートパイプ13による除熱(冷却)は行なわずに編み構造体12の加熱応答性を良好に維持できる。
[ヒートパイプと放熱シートを接続する連結管]
ヒートパイプ13と放熱シート14を接続する連結管20は管内部の内壁面の為す角度が鋭角になる断面形状を有する管構造に構成される。例えば、連結管20の断面形状が、図5(A)および(B)に示すように、三角形または四角形、さらには図示しない星形を為すように構成される。放熱シート14で凝縮された作動液体OLは、連結管20の横断面の内壁面の角度(以下、断面角度という)を鋭角とすることで、毛細管現象によりヒートパイプ13の加熱部位に移動される。
連結管20の横断面形状の角度を鋭角とすることで、凝縮された作動液体は毛細管現象によりヒートパイプ13の加熱部位と放熱シート14の高低差に依存することなく、ヒートパイプ13の加熱部位に戻される。
なお、連結管20の横断面がなす角度(断面角度)を鋭角にできない場合にも、図6に示すように連結管20の管内にワイヤ24や凹凸形状部材を挿入することで、同様の毛細管現象を得て、凝縮された作動液をヒートパイプ13の加熱部位に戻すことができる。この場合、連結管は多角形でも円形でもよく、種々の管形状が採用される。
[形状記憶合金アクチュエータの製造方法]
形状記憶合金(SMA)アクチュエータの製造は、初めに、細線状のSMA素材であるワイヤ素材を用意し、このSMAワイヤ11を金属編み機(図示省略)を用いて、例えばメリヤス編みし、シート状の編み構造体12を作成する。
次に、シート状に編まれた編み構造体12は自然長の状態で数時間、例えば2〜3時間、恒温加熱処理による形状記憶処理を実施することで、アクチュエータとして機能する形状を記憶させる。これにより、編み構造体12は低温状態でマルテンサイト相のSMAが、外力によって柔軟かつしなやかに変形する。SMAの編み構造体12を高温状態にすると、オーステナイト相に変質し、形状記憶した自然長の状態に形状復帰(回復)される。この形状復帰に伴って大きな力を発揮すると共に、SMAワイヤはワイヤ素材としての剛性が高くなるアクチュエータ機能を有する。
編み構造体12は、形状記憶処理が施された後に、両側の電極17を電源18に接続し、電源18からの通電によりジュール熱によって加熱される一方、編み構造体12の表面または裏面にヒートパイプ13を貼り付け、このヒートパイプ13の各先端に放熱シート14を設ける。ヒートパイプ13の弁15および連結管20を介して放熱シート14に接続される。放熱シート14は、編み構造体12の一方または両方の脇に配置される。ヒートパイプ13は形状記憶処理された編み構造体12に設けた後に、放熱シート14や電源18を接続してもよい。
このようにして、SMA製の編み構造体12を電源18からの通電により加熱する編み構造体12の加熱構造を形成する一方、編み構造体12の一面にヒートパイプ13を備え、このヒートパイプ13の両先端を放熱シート14に弁15および連結管20を介して接続し、ヒートパイプ13内部の作動液体(熱媒)をヒートパイプ13と放熱シート14の間で循環させて編み構造体12の冷却構造を構成し、形状記憶合金アクチュエータ10が製造される。
この形状記憶合金(SMA)アクチュエータ10は、SMAの編み構造体12が電源18からの通電により、ジュール熱で加熱され、この加熱により、編み構造体12は変形前の元の形状記憶に形状復帰される。
また、編み構造体12に備えられたヒートパイプ13内部の作動流体が編み構造体12のSMAからの伝熱される熱により蒸発(潜熱の吸収)し、放熱シート14で冷却されて凝縮(潜熱の放出)して循環することで除熱効果を得ることができ、編み構造体12は冷却される。
本実施形態によれば、形状記憶合金アクチュエータ10は、編み構造体12は電源18からの通電加熱により、直接ジュール加熱されるので、加熱時の高い動作応答性が得られる。また、加熱時の応答性を維持したまま、冷却時に高い放熱性を得ることができ、高速に駆動可能な形状記憶合金アクチュエータ10を実施することができる。しかも、SMAアクチュエータ10は、アクチュエータ本体の脇に放熱シート14を設けたので、SMAの編み構造体12のアクチュエータ本体は、ヒートパイプ13と組み合せてシート状に構成されるので、柔軟性やしなやかさを保持することができる。
また、SMAアクチュエータ10は、人体関節部の運動補助治具として使用する場合には、アクチュエータ全体の小型化・簡素化が必要である。
本実施形態では、SMA製の編み構造体12のシート状アクチュエータ本体に可撓性のヒートパイプ13をアクチュエータの駆動方向(伸縮方向)に対して波状あるいはジグザグ状形状に複数回折り返してシート状に固定するので、アクチュエータ全体の厚肉化を防止でき、小型化、コンパクト化、簡素化が図れる。また、放熱シート14や弁15はアクチュエータ本体12の脇に配置される。しかも、SMAアクチュエータ10は編み構造体12とヒートパイプ13を組み合せて全体的に平らなシート状に構成されるので、薄肉化、コンパクト化が図れる。SMAアクチュエータ10は冷却ファンなどの冷却構造を用いることなく、アクチュエータの除熱効果を向上させ、さらに動作応答性の向上が得られるので、人体関節部の運動補助具として適したものになる。
[第2実施形態]
図7は形状記憶合金(SMA)アクチュエータの第2実施形態を示す正面図および側面図である。
第2実施形態に示された形状記憶合金(SMA)アクチュエータ10Aは、図1(A)および図2(A)に示されたSMAアクチュエータ10と平面形状を同じくするので、同じ構成には同一符号を付して説明を省略あるいは簡素化する一方、SMAアクチュエータ10Aの平面図の図示を省略する。
第2実施形態のSMAアクチュエータ10Aは、図7(A)および(B)に示すように、SMAワイヤ11を編んで構成される平面状あるいはシート状の複数の編み構造体12を積層して設けると共に、積層された各編み構造体12の表面または裏面にヒートパイプ13をそれぞれ貼り付けて備える。各ヒートパイプ13は、編み構造体12の一面に沿って波形形状あるいはジグザグ状で全体的に平らな平面状に構成される。ヒートパイプ13の先端両端部は、弁15および連結管20を介して放熱シート14が設けられる。
各放熱シート14は編み構造体12の一方あるいは両方の脇に積層構造に配置される。各放熱シート14は、積層構造の各編み構造体12およびヒートパイプ13にそれぞれ対応している。このようにして複数のSMAアクチュエータ10が積層された積層構造に構成される。弁15や連結管20の構成は第1実施形態に示された形状記憶合金アクチュエータ10と異ならないので、説明を省略する。
第2実施形態の形状記憶合金アクチュエータ10Aは、複数の編み構造体12を有するSMAアクチュエータ10を積層することで構成され、アクチュエータとしての発生力を増加させることができ、大きな操作力のアクチュエータが得られる。
また、形状記憶合金アクチュエータ10Aは、複数の編み構造体12に対応して積層された各放熱シート14を編み構造体12の脇に配置することで、図7(A)および(B)に示すように、放熱部(放熱シート14)が熱源である編み構造体12に挟まれることがないため、良好な放熱特性が得られ、編み構造体12は優れた冷却性能が得られる。
[第3実施形態]
図8は、形状記憶合金アクチュエータの第3実施形態を示すものである。
第3実施形態に示された形状記憶合金(SMA)アクチュエータ10Bは、ヒートパイプ13Aの構造とSMAワイヤ11を編んだ編み構造体12Aの取付・固定構造が、第1実施形態の形状記憶合金(SMA)アクチュエータ10と相違する。他の構成および作用は第1実施形態の形状記憶合金(SMA)アクチュエータ10と実質的に異ならないので同じ構成には同一符号を付し、その説明を省略あるいは簡略化する。
図8に示されたSMAアクチュエータ10Bは、ヒートパイプ13Aが波形形状あるいはジグザグ状のパイプ構造ではなく、平面視で矩形の扁平形状のジャバラ(蛇腹)構造に構成される。ヒートパイプ13Aは扁平状のジャバラ形状とすることで、ヒートパイプ13A内の扁平空間に編み構造体12Aと作動液体を封入する。編み構造体12Aは、表面にヒートパイプ13Aを貼り付けるのではなく、扁平状ヒートパイプ13A内に編み構造体12Aを収容する。
編み構造体12Aの長手方向(伸縮方向)両端をヒートパイプ13Aの端部側と固定する。ヒートパイプ13Aはジャバラ状の構造とすることで、編み構造体12Aの伸縮に合せてヒートパイプ13Aも伸縮可能に構成される。
放熱シート14は扁平状ヒートパイプ13Aの一側方あるいは両側方に配置される。放熱シート14とヒートパイプ13Aとを連結する連結管20や連結管20への作動液体の流路を開閉する弁15については、第1実施形態の形状記憶合金(SMA)と異ならない。
弁15は、編み構造体12Aと一緒に加熱・放熱できるようにするためにヒートパイプ13A内に配置されるが、ヒートパイプ13Aの外側に配置して編み構造体12Aの動作に連動して開閉操作を行なうようにしても良い。
第3実施形態のSMAアクチュエータによれば、ヒートパイプ13Aの作動液体に編み構造体12Aを浸漬させた状態となるため、編み構造体12Aの熱を効率よく作動液体に伝熱させることができ、編み構造体12Aを効率よく冷却することができる。
なお、各実施形態のSMAアクチュエータでは、金属編み機でメリヤス編みされた編み構造体をアクチュエータ本体として備えた例を説明したが、この編み構造体に限定されることなく、他の編み方による編み構造体であってもよい。また、SMAワイヤによる編み構造ではなく、SMA板材を網状に切り抜いて加工し、伸縮性を持たせた構造としてもよい。さらに、SMAの帯状素材または線状素材を波形状あるいはジグザグな凹凸形状に屈曲させ、屈曲されたSMA素材の山部同士と谷部同士を順次に接合して加工構造体をシート状あるいは平面状に形成し、形成された加工構造体でアクチュエータ本体を構成してもよい。
また、各実施形態では、SMAアクチュエータの編み構造体を電源からの通電により直接加熱する例を説明したが、通電による直接加熱に限定されない、ヒータと組み合せて編み構造体などのアクチュエータ本体を加熱し、放熱時にヒータを停止させるようにしてもよい。さらに、編み構造体などのアクチュエータ本体に低温部を生成できるペルチェ素子等を組み合せることで、除熱性を一層高め、アクチュエータ本体の冷却性能をより良好なものにすることもできる。
10,10A,10B 形状記憶合金(SMA)アクチュエータ
11 形状記憶合金(SMA)ワイヤ(SMA素材)
12,12A 編み構造体(アクチュエータ本体)
13,13A ヒートパイプ
14 放熱シート
15 弁
17 電極
18 電源
20 連結管
21 クリップ(SMA部材)
22 ばね部材
24 ワイヤ

Claims (5)

  1. 形状記憶合金ワイヤを編んだ編み構造体または形状記憶合金素材を編み形状もしくは波状形状に加工した加工構造体からなるアクチュエータ本体の形状復帰作用を発生力、発生変位とするアクチュエータであり、
    前記アクチュエータ本体を加熱する加熱手段と、前記アクチュエータ本体の表面または裏面にヒートパイプを、ヒートパイプの先端側に放熱シートをそれぞれ備え、
    前記ヒートパイプにはパイプ内流路を開閉する弁を有し、
    前記弁は、ヒートパイプの流路が開いた形状に形状記憶処理される形状記憶合金部材とヒートパイプの流路を閉じる方向にばね力を作用させるばね部材とを組み合せた弁構造に構成され、
    高温時に前記形状記憶合金部材が形状復帰することで前記ヒートパイプの流路を開放し、低温時に前記ばね部材のばね力により前記ヒートパイプの流路を閉鎖することを特徴とする形状記憶合金アクチュエータ。
  2. 前記弁は、クリップ形状の形状記憶合金部材で前記ヒートパイプの流路を挟む構造に構成される一方、前記形状記憶合金部材は、クリップが開いた形状に形状記憶処理が行なわれ、
    前記ばね部材は、前記クリップが閉じる方向にばね力が作用されることを特徴とする請求項1に記載の形状記憶合金アクチュエータ。
  3. 形状記憶合金ワイヤを編んだ編み構造体または形状記憶合金素材を編み形状もしくは波状形状に加工した加工構造体からなるアクチュエータ本体の形状復帰作用を発生力、発生変位とするアクチュエータであり、
    前記アクチュエータ本体を加熱する加熱手段と、前記アクチュエータ本体の表面または裏面にヒートパイプを、ヒートパイプの先端側に放熱シートをそれぞれ備え、
    前記ヒートパイプにはパイプ内流路を開閉する弁を有し、
    前記放熱シートは、アクチュエータ本体の伸縮方向に山折り、谷折りを繰り返したジャバラ構造に構成され、前記アクチュエータ本体の脇に配置されたことを特徴とする形状記憶合金アクチュエータ。
  4. 形状記憶合金ワイヤを編んだ編み構造体または形状記憶合金素材を編み形状もしくは波状形状に加工した加工構造体からなるアクチュエータ本体の形状復帰作用を発生力、発生変位とするアクチュエータであり、
    前記アクチュエータ本体を加熱する加熱手段と、前記アクチュエータ本体の表面または裏面にヒートパイプを、ヒートパイプの先端側に放熱シートをそれぞれ備え、
    前記ヒートパイプにはパイプ内流路を開閉する弁を有し、
    前記ヒートパイプは、柔軟な材質を用いて波状形状あるいはジグザグ形状成形されてアクチュエータ本体に設けられることを特徴とする形状記憶合金アクチュエータ。
  5. 形状記憶合金ワイヤを編んだ編み構造体または形状記憶合金素材を編み形状もしくは波状形状に加工した加工構造体からなるアクチュエータ本体の形状復帰作用を発生力、発生変位とするアクチュエータであり、
    前記アクチュエータ本体を加熱する加熱手段と、前記アクチュエータ本体の表面または裏面にヒートパイプを、ヒートパイプの先端側に放熱シートをそれぞれ備え、
    前記ヒートパイプにはパイプ内流路を開閉する弁を有し、
    前記編み構造体はヒートパイプの内部に作動流体とともに封入されたことを特徴とする形状記憶合金アクチュエータ。
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