JP5676643B2 - インターロイキン−4受容体を特異的に標的とするペプチドで標識されたリポソームを含有する癌診断又は治療用標的指向型薬物伝達システム、及びその製造方法 - Google Patents

インターロイキン−4受容体を特異的に標的とするペプチドで標識されたリポソームを含有する癌診断又は治療用標的指向型薬物伝達システム、及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、インターロイキン−4受容体を特異的に標的とするペプチドで標識されたリポソームを含有する癌診断又は治療用標的指向型薬物伝達システム、及びその製造方法に関する。
インターロイキン−4(Interleukin-4、IL−4)は、T−ヘルパー2(T-helper2、Th2)リンパ球、好酸球、肥満細胞などから分泌される様々な免疫調節機能を有するサイトカインである。IL−4受容体は正常細胞のうちTリンパ球、Bリンパ球、CD34骨髄細胞などの細胞の表面に存在する(非特許文献1)。IL−4受容体は、IL−4受容体α鎖とIL−2受容体γc鎖が複合体を成した第1型と、IL−4受容体α鎖とIL−13受容体α1鎖が複合体を成した第2型の2種類がある。IL−4と受容体とが結合すると、細胞内ヤーヌスキナーゼ(janus kinase)を用いてSTAT6シグナルタンパク質をリン酸化及び活性化させ、活性化したSTAT6を二量体の形で核へ移動し、IL−4に関連する様々な遺伝子の発現を調節して炎症を増加させる。また、ヤーヌスキナーゼを用いてAKT/PKBを活性化させて細胞の生存反応を増加させる(非特許文献1)。IL−4はナイーブT−ヘルパー(naive T-helper、naive Th)の分化をTh2リンパ球によって誘導し、IL−4、IL−5、IL−9、IL−13などのサイトカインの生産を誘導する。また、Bリンパ球によるIgE(immunoglobin E)の分泌を誘導する。特に、喘息ではIL−4が粘液タンパク質としてのムチン(mucin)遺伝子の発現誘導と粘液分泌を促進させて気道閉塞と炎症に重要な役目をすると知られている(非特許文献2)。このように、IL−4はアレルギー性炎症反応の核心物質である。よって、IL−4によって調節される効果を適切に阻害することができれば、アレルギー性疾病の治療に有用に適用できるだろうと思われる。
また、IL−4は様々な癌組織から正常組織より高い濃度で発見され、腫瘍浸潤リンパ球(tumor-infiltrating lymphocytes、TILs)で多量のIL−4が生成されることが報告された(非特許文献3)。IL−4は慢性リンパ性白血病B細胞に作用してこれら細胞のアポトーシスに対する抵抗性を誘発する(非特許文献4)。また、IL−4は腫瘍細胞及び癌幹細胞でも合成され、癌細胞表面のIL−4受容体を通じてアポトーシスに対する癌細胞の抵抗性を付与することが最近報告された(非特許文献5及び非特許文献6)。IL−4受容体は非小細胞肺癌、脳腫瘍、乳癌、膀胱癌、膵臓癌、腎臓癌、前立腺癌、腎癌及びカポジ肉腫(kaposi's sarcoma)などの様々な癌細胞で正常細胞に比して一層さらに多く発現する。IL−4受容体による癌細胞の抗癌剤耐性獲得及び癌細胞における高い発現度合いを考慮するとき、IL−4受容体は癌標的のための有望な標的であると見られる。現在IL−4自体を一部変形させた後、これをシュードモナス毒素(psuedomanas toxin)と結合した融合タンパク質を用いて癌細胞を標的として細胞内に毒素を取り込んで癌細胞を死滅させる研究などが報告された(非特許文献7、非特許文献8、非特許文献9及び非特許文献10)。
一方、IL−4自体に対する様々な形態の拮抗剤が喘息などの治療剤として開発されたことがある。その一例として、イムネックス社は、分泌型(soluble form)IL−4受容体NuvanceTMを開発して喘息治療剤として臨床試験を行ったが、治療効果が足りなくて臨床試験を中断した。また、グラクソ・スミスクライン社は、IL−4に対するモノクローナル抗体pascolizumabを開発して臨床試験を行ったが、この臨床実験も中断した。バイエル社は、2つの突然変異を有する変形形態のIL−4タンパク質pitrakinraを開発し、臨床試験を行っている。Sunesis Pharm.Inc社は、IL−4の拮抗作用を有する化合物であるトリフェニル化合物(特許文献1)を開発し、臨床試験を行っている。
既存の抗癌治療は、経口及び注射などの方法によって注入された薬物が体内で一定の濃度に維持されることにより、薬物を必要とする疾病発生部位だけでなく、薬物を必要としない正常部位にも同時に薬物が影響を及ぼして副作用が多いという欠点がある。このような副作用を克服するために、薬物を疾病発生部位にのみ選択的に伝達する薬物伝達システム又は標的治療について関心が急増しているが、これは同量の薬剤を用いても薬の効力を増加させることができるとともに、正常組織への副作用を大きく減らすことができるためである。
標的指向型薬物伝達システムは3つの部分から構成されている。一つ目は薬物を伝達することが可能な水溶性高分子伝達体、二つ目は薬物伝達体がわれわれの所望する部位と選択的な反応を行うことが可能な物質(target moiety)、三つ目は薬物と高分子伝達体が標的部位まで安全に運搬できるように高分子伝達体と薬物とを結合させる(bioconjugated)スペーサである。これにより得られる利点としては、脂溶性薬物の場合は薬物が水との溶解度を増加させることができ、タンパク質又はペプチド薬物の場合はタンパク質の形態を安定化させることができ、抗癌剤の場合は副作用又は複数の薬品抵抗性を減らすことができる。特に、標的物質を導入して薬物伝達体が治療しようとする細胞又は組織と直接選択的な反応を行うため、腫瘍の大きさが小さい初期段階でも使用が可能であり、一層効果的に疾病を治療することができる。
一方、リポソームはリン脂質二重膜が水相を取り囲んでいる球状のベシクル(vesicle)である。脂質膜の構成成分は2つの疎水性脂肪酸グループと親水性のリン酸基グループからなる両親媒性リン脂質であり、水溶液で二重膜を形成し、これは人工的な細胞のように閉じた構造のベシクルを形成したりする。二重膜構造において、非極性の脂肪酸尻尾部分は膜の内方を向かい、極性の頭部分は外方を向かう。リポソームはラメラ(lamella)の個数によって単層ラメラリポソームと多層ラメラリポソームに大別されるが、単層ラメラリポソームは一つの脂質二重層であり、多層ラメラリポソームは2つ以上の脂質二重層を有する。リポソームは多様な方法によって製造できる(非特許文献11)。
薬物をリポソームに取り込むことは、薬物の毒性を減少させ、その効果を増加させることにより、治療療法を強化させることができる。また、リポソームは、他の特定の物質と共に楕円型毛細血管を有する組織において網状内皮細胞システムの食細胞によって一般的に捕獲された後、細胞内感染部位に直接導入されたりもする。
したがって、IL−4受容体を特異的に標的とするペプチドを抗癌剤と結合させてリポソームに含有させた後、薬物伝達体として使用すると、癌組織に選択的に薬物を伝達することができるので、IL−4受容体は癌の治療において知能型薬物伝達体として活用できるものと思料される。
WO0198245パンフレット
Nelms et al., Annu Rev Immunol, 1999;17:701-738 Paul, Blood, 1991; 77:1859-1870 Shurin, Springer Semin Immunopathol, 1999;21:339 Dancescu, J Exp Med, 1992;176:1319 Todaro, Cell Death Differ, 2008;15:762-772 Todaro, Cell Stem Cell, 2007,1:389-402 Joshi, Cancer Res, 2001;61:8058-8061 Garland, J Immunother, 2005;28:376-381 Kioi, Cancer Res, 2005;65:8388-8396 Kawakami, Clin Cancer Res, 2002;8:3503-3511 Cullis et al., in: Liposomes, From Biophvsics to Therapeutics(M. J. Ostro, ed.), Marcel Dekker, pp. 39-72(1987)
本発明者は、癌の治療における標的指向型薬物伝達システムについて研究した結果、IL−4受容体を特異的に標的とするペプチドで標識された抗癌剤含有リポソームを製造し、前記リポソームがIL−4受容体を特異的に標的とするペプチドによってIL−4受容体が多く発現する癌細胞に薬物を選択的に伝達することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、インターロイキン−4受容体を特異的に標的とするペプチドで標識されたリポソームを含有する癌診断又は治療用標的指向型薬物伝達システム、及びその製造方法を提供する。
脳腫瘍細胞(C6及びGBM8401)におけるIL−4受容体の発現水準を蛍光顕微鏡で観察した図である。 本発明に係るIL4RPepペプチド(0モル%、0.75モル%、1.5モル%又は3モル%)及びローダミン−PE(赤色蛍光)で共に標識されたリポソームの脳腫瘍細胞(C6及びGBM8401)に対するIL4RPepペプチド結合を蛍光顕微鏡で観察した図である。 本発明に係るIL4RPepペプチド(3モル%)及びローダミン−PE(赤色蛍光)で共に標識されたリポソームの脳腫瘍細胞(GBM8401)内への流入を共焦点顕微鏡で断層撮影した結果を示す図である。 脳腫瘍細胞株(GBM8401)を免疫欠乏マウスの脳組織に移植した後、本発明に係るIL4RPepペプチド(0モル%、0.25モル%、0.75モル%、1.5モル%又は3モル%)及び1モル%のローダミン−PE(赤色蛍光)で共に標識されたリポソームをマウスの尾静脈を介して体内注射し、脳腫瘍の標的を時間別(24時間、48時間、72時間及び144時間)に観察した生体蛍光画像(A)とこれを定量化した結果(B)を示す図である。 ルシフェラーゼ遺伝子が挿入された脳腫瘍細胞が異種移植されたヌードマウスに本発明のIL4RPepペプチドで標識されたリポソーム(IL4RPep−Lipo−Dox)を投与した後、腫瘍の大きさを観察した図である。 肺癌細胞(H226及びH460)おけるIL−4受容体の発現水準を蛍光顕微鏡で観察した図である。 本発明に係るIL4RPepペプチド(1.5モル%)及びCy5.5(赤色蛍光)で共に標識されたリポソームの肺癌細胞(H226及びH460)に対するIL4RPepペプチドの結合と細胞内流入を蛍光顕微鏡で観察した図である。 本発明のIL4RPepペプチドで標識されたリポソーム(IL4RPep−Lipo−Dox)の肺癌細胞(H226及びH460)内への薬物伝達水準をドキソルビシンの自体蛍光(赤色)を観察して示す図である。 肺癌細胞が異種移植されたヌードマウスに、本発明のIL4RPepペプチドで標識されたリポソーム(IL4RPep−Lipo−Cy5.5)を静脈注射した後、腫瘍組織内リポソームを蛍光顕微鏡で観察した結果(A)と、血管バイオマーカーCD31に対する抗体を用いて腫瘍組織を染色(緑色蛍光)した後、高倍率蛍光顕微鏡で観察した結果(B)を示す図である。 肺癌細胞が異種移植されたヌードマウスに、本発明のIL4RPepペプチドで標識されたリポソーム(IL4RPep−Lipo−Dox)を投与した後、腫瘍の大きさ(A)と、腫瘍組織内ドキソルビシンの量をドキソルビシンの自体蛍光(赤色)(B)を観察して示す図である。
本発明は、配列番号1のアミノ酸配列を有する、インターロイキン−4(IL−4)受容体を特異的に標的とするペプチドで標識された抗癌剤含有リポソームを有効成分として含み、前記ペプチドはリポソーム内の総脂質に対して0.1~5モル%であることを特徴とする、癌診断又は治療用標的指向型薬物伝達システムを提供する。
また、本発明は、
1)第1脂質、第2脂質及びコレステロールをエタノールで混合し、水で水和させた後、フィルターを通過させて均質化したリポソームを製造する段階と、
2)抗癌剤を前記1)段階で製造したリポソームに含有させる段階と、
3)標識物質を前記2)段階で製造した抗癌剤含有リポソームに含有させて標識する段階と、
4)配列番号1のアミノ酸配列を有する、IL−4受容体を特異的に標的とするペプチド[IL4RPepペプチド]を、マレイミド(maleimide)が修飾されたDSPE−PEG2000(DSPE−PEG2000−マレイミド)に結合させた後、DSPE−PEG2000−IL4RPepを前記3)段階で製造した標識物質で標識された抗癌剤含有リポソームと反応させてリポソームに二次的に挿入する段階とを含む、癌診断又は治療用標的指向型薬物伝達システムの製造方法を提供する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係る癌診断又は治療用標的指向型薬物伝達システムは、配列番号1のアミノ酸配列(CRKRLDRNC)を有する、IL−4受容体を特異的に標的とするペプチド[IL4RPepペプチド]で標識された抗癌剤含有リポソームを有効成分として含み、前記ペプチドはリポソーム内の総脂質に対して0.1〜5モル%であることを特徴とする。
前記リポソームは第1脂質、第2脂質及びコレステロールからなる多層ラメラリポソームである。
前記第1脂質はホスファチジルコリン(phosphatidyl choline、PC)、ホスファチジルグリセロール(phosphatidyl glycerol、PG)、ホスファチジルセリン(phosphatidyl serine、PS)、又はホスファチジルエタノールアミン(phosphatidyl ethanolamine、PE)などのリン脂質を含むが、これに限定されない。前記第1脂質はリポソーム内の総脂質に対して60〜70モル%であることが好ましい。
前記第2脂質は、ジステアロイルホスファチジルエタノールアミン−ポリエチレングリコール(distearoylphophatidylethanolamine-polyethyleneglycol、DSPE−PEG)などのリン脂質を含むが、これに限定されない。前記第2脂質はリポソーム内の総脂質に対して1〜10モル%であることが好ましい。
前記コレステロールはリポソーム内の総脂質に対して1〜40モル%であることが好ましい。
前記抗癌剤は、ドキソルビシン、パクリタキセル、ビンクリスチン、ダウノルビシン(daunorubicin)、ビンブラスチン(vinblastine)、アクチノマイシン−D(actinomycin-D)、ドセタキセル、エトポシド(etoposide)、テニポシド(teniposide)、ビサントレン(bisantrene)、ホモハリングトニン(homoharringtonine)、グリーベック(Gleevec、STI−571)、シスプラチン、5−フルオロウラシル、アドリアマイシン、メトトレキセート、ブサルファン(busulfan)、クロラムブシル(chlorambucil)、シクロホスファミド(cyclophosphamide)、メルファラン(melphalan)、ナイトロジェンマスタード(nitrogen mustard)、ニトロソウレア(nitrosourea)などを含むが、これに限定されない。
前記癌はIL−4受容体が過発現する癌であり、IL−4受容体が過発現する癌は、肺癌、脳腫瘍、乳癌、肝癌、皮膚癌、食道癌、睾丸癌、腎臓癌、大腸癌、直腸癌、胃癌、腎癌、膀胱癌、卵巣癌、胆管癌、胆嚢癌、子宮癌、子宮頚部癌、前立腺癌、頭頚部癌、膵臓癌、扁平上皮細胞癌などを含むが、これに限定されない。
以下、本発明に係る癌診断又は治療用標的指向型薬物伝達システムの製造方法を段階別に詳細に説明する。
前記1)段階は、リポソームを製造する段階であって、第1脂質、第2脂質及びコレステロールを60〜70:1〜10:1〜40のモル比で50〜70℃のエタノールに溶かした後、前記脂質混合物を50〜70℃の水に1:5〜15の体積比で混合して水和させる。前記水和した脂質混合物を孔径0.01〜0.5μmのポリカーボネート製メンブランフィルターを通過させてリポソームの大きさを均質化する。リポソームの大きさは公知の多数の方法によって調節することができる。
前記製造されたリポソームは2つ以上の脂質二重層を有する多層ラメラリポソームであることが好ましく、多層ラメラリポソームの直径は5μm以下、好ましくは1μm以下、最も好ましくは50〜500nm、特に好ましくは80〜150nmである。
前記2)段階は、抗癌剤をリポソームに含有させる段階であって、リポソーム溶液内の水相(water phase)であるアンモニウム硫酸塩((NHSO)を噴出させた後、NaClを含んでいる充分な量の10%スクロース溶液中の透析膜内にリポソームを入れてリポソーム表面のアンモニウム硫酸塩を除去する。その後、抗癌剤をリポソーム溶液に添加して50〜70℃で1〜3時間反応させた後、迅速に冷却させて抗癌剤をリポソーム内に含有させる。この際、リポソーム内に含有された抗癌剤の濃度は1〜5mg/mL、好ましくは1.5〜2mg/mLとする。前記抗癌剤をリポソームに含有させる方法は、当業界における公知の方法によって行われ得る。単純な捕集又は封入だけでなく共有結合、架橋などの結合によっても行われ得る。
前記3)段階は、標識物質を抗癌剤含有リポソームに含有させて標識する段階である。
前記標識物質は、本発明のリポソームの癌細胞標的有無の確認及び定量を容易にするためのもので、当業界における公知の方法によってリポソームに標識できる。前記標識物質は放射性同位元素(例えば、125I、32-P、35S)、発色団(chromophore)、発光物質又は蛍光物質[例えば、FITC、RITC、蛍光タンパク質(GFP;green fluorescent protein)、EGFP(enhanced green fluorescent protein)、RFP(red fluorescent protein)、DsRed(discosoma sp. red fluorescent protein)、CFP(cyan fluorescent protein)、CGFP(cyan green fluorescent protein)、YFP(yellow fluorescent protein)、Cy3、Cy5、Cy5.5及びCy7.5]、常磁性粒子(super paramagnetic particles)、超常磁性粒子(ultrasuper paramagnetic particles)、発色酵素(例えば、ペルオキシダーゼ、アルカラインホスファターゼ)などを含むが、これに限定されない。
標識物質による検出方法は、当業界における公知の方法で行われ得る。例えば、次の方法によって行われ得る。検出可能な標識物質として蛍光物質を用いる場合には免疫蛍光染色法を用いることができる。例えば、蛍光物質で標識された本発明のリポソームを試料と反応させ、未結合又は非特異的な結合産物を除去した後、蛍光顕微鏡の下でリポソームによる蛍光を観察することができる。また、検出可能な標識物質として酵素を用いる場合には、酵素反応を用いた基質の発色反応によって吸光度を測定し、検出可能な標識物質が放射線物質の場合には放射線放出量を測定することにより行うことができる。しかも、検出された結果は検出標識による公知の画像化方法によって画像化できる。
前記4)段階は、ペプチドをリポソームの表面に標識する段階であって、配列番号1のアミノ酸配列(CRKRLDRNC)を有する、IL−4受容体を特異的に標的とするペプチド[IL4RPepペプチド]を、マレイミドが修飾されたDSPE−PEG2000(DSPE−PEG2000−マレイミド)に1:1〜3のモル比で結合させた後、DSPE−PEG2000−IL4RPepを、標識物質で標識された抗癌剤含有リポソームと50〜70℃で1〜3時間反応させてリポソームに二次的に挿入させる。この際、標識されたIL4RPepペプチドの量はリポソーム内の総脂質に対して0.1〜5モル%、好ましくは0.1〜3モル%とする。
前記方法で製造されたリポソームにおいて、IL4RPepペプチド及び標識物質はそれぞれリポソームの表面に標識され、抗癌剤はリポソームの内部に封入される或いは表面の脂質に結合する形態が好ましい。
本発明に係るIL−4受容体を特異的に標的とするペプチドは、脳腫瘍細胞(C6、GBM8401)のうちC6細胞では蛍光が弱く観察され、IL−4受容体が殆ど発現されない反面、GBM8401細胞では強い蛍光が観察され、IL−4受容体が多く発現される。したがって、癌細胞の種類によってその発現様相が異なることが分かる。
また、本発明のIL4RPepペプチドで標識されたリポソームは、GBM8401細胞で強い赤色蛍光が観察されてIL4RPepペプチドが多く発現され、特に3モル%のIL4RPepペプチドで標識されたリポソームが最も強い脳腫瘍細胞に対する結合を示す反面、C6細胞では蛍光が弱く観察されてIL4RPepペプチドが殆ど結合されないことが分かる。
また、本発明のIL4RPepペプチドで標識されたリポソームは、GBM8401細胞の内部で強い赤色蛍光が観察され、特に細胞中心においても蛍光が多く存在して多量のリポソームが細胞内に流入することが分かる。特に、1.5モル%のIL4RPepペプチドで標識されたリポソームで最も優れた生体内標的が現れ、体内注入後48時間目に最大蛍光シグナルを示す。
また、脳腫瘍細胞(GBM8401)が異種移植されたヌードマウスに本発明のIL4RPepペプチドで標識されたリポソーム(IL4RPep−Lipo−Dox)を投与した場合、IL4RPepペプチドで標識されていないリポソーム(Lipo−Dox)を投与した場合より腫瘍成長を顕著に抑制する。
また、本発明に係るIL−4受容体を特異的に標的とするペプチドは、肺癌細胞(H226、H460)のうち、H226細胞では強い蛍光が観察され、IL−4受容体が多く発現する反面、H460細胞では蛍光が弱く観察され、IL−4受容体が殆ど発現されない。したがって、癌細胞の種類によってその発現様相が異なることが分かる。
また、本発明のIL4RPepペプチドで標識されたリポソームは、H226細胞で強い赤色蛍光が観察されてIL4RPepペプチドが多く結合され、細胞内に流入する反面、H460細胞では蛍光が弱く観察されてIL4RPepペプチドが殆ど結合されず、細胞内に入らないことが分かる。
また、H226細胞では、本発明のIL4RPepペプチドで標識されたリポソーム(IL4RPep−Lipo−Dox)を反応させたときに、IL4RPepペプチドで標識されていないリポソーム(Lipo−Dox)に比べて抗癌剤による赤色蛍光が一層さらに多く観察される反面、H460細胞では、IL4RPepペプチドで標識されたリポソーム(IL4RPep−Lipo−Dox)だけでなく、IL4RPepペプチドで標識されていないリポソーム(Lipo−Dox)を反応させたときにも蛍光が弱く観察される。
また、肺癌細胞(H226)組織において、本発明のIL4RPepペプチド及びCy5.5(赤色蛍光)で共に標識されたリポソーム[IL4RPep−Lipo−Cy5.5]は赤色蛍光が多く観察される反面、IL4RPepペプチドで標識されず、Cy5.5(赤色蛍光)のみで標識されたリポソーム[Lipo−Cy5.5]は赤色蛍光が殆ど観察されない。また、腫瘍の血管及びその周囲組織に、IL4RPepペプチドで標識されたリポソーム[IL4RPep−Lipo−Cy5.5]が多く標的とされている。
また、肺癌細胞(H226)が異種移植されたヌードマウスに、本発明のIL4RPepペプチドで標識されたリポソーム(IL4RPep−Lipo−Dox)を投与した場合、IL4RPepペプチドで標識されていないリポソーム(Lipo−Dox)又は抗癌剤(Dox)自体を投与した場合より腫瘍成長の抑制効果が顕著に優れ、腫瘍組織内でドキソルビシンによる赤色蛍光が一層さらに多く観察される。よって、腫瘍組織内に伝達されたドキソルビシン(赤色蛍光)の量は前記リポソームによる腫瘍成長抑制効果と密接な関連があることが分かる。
前述したように、本発明に係るIL4RPepペプチドで標識された抗癌剤含有リポソームは、IL−4受容体を特異的に結合するIL4RPepペプチドによってIL−4受容体が過発現する癌細胞に薬物を選択的に伝達することができ、このような薬物伝達は標識物質によって癌細胞を特異的に認識することができる。よって、IL4RPepペプチドは癌組織に対してのみ薬物の効力を増加させることができると共に正常組織への副作用を顕著に減らすことができ、腫瘍に対する生体内画像及び早期診断が可能である。したがって、本発明のIL4RPepペプチドで標識された抗癌剤含有リポソームは、標的指向型薬物伝達システムとして癌の診断又は治療に有用に使用できる。
本発明に係るリポソームは、投与のために、薬学的に許容される担体をさらに1種以上含んで製造することができる。薬学的に許容される担体は、食塩水、滅菌水、リンガー液、緩衝食塩水、デキストロース溶液、マルトデキストリン溶液、グリセロール、エタノール及びこれらの成分のうち1成分以上を混合して使用することができ、必要に応じて抗酸化剤、緩衝液、静菌剤などの他の通常の添加剤を加えることができる。また、希釈剤、分散剤、界面活性剤、結合剤及び潤滑剤を付加的に添加して水溶液、懸濁液、乳濁液などの注射用剤形、丸薬、カプセル、顆粒又は錠剤に製剤化することができる。ひいては、当分野の適正方法或いは文献『Remington’s Pharmaceutical Science(最近版)、Mack Publishing Company、Easton PA』に開示されている方法を用いて、各疾患又は成分に応じて好ましく製剤化することができる。
本発明に係るリポソームは、目的する方法に応じて経口投与、或いは非経口投与(例えば、静脈内、皮下、腹腔内又は局所に適用)することができる。その投与量は患者の体重、年齢、性別、健康状態、食餌、投与時間、投与方法、排泄率及び疾患の重症度などによってその範囲が多様である。前記リポソームに含有された抗癌剤の投与量は約0.1〜5mg/kg体重(又は10〜100mg/m体表面積)であり、1週間隔で3〜4週間投与することが好ましい。
以下、本発明の理解を助けるために好適な実施例を提示する。ところが、下記の実施例は本発明をより容易に理解するために提供されるものに過ぎず、本発明の内容を限定するものではない。
実施例1:IL−4受容体を特異的に標的とするペプチド及び近赤外線蛍光物質で標識されたドキソルビシン含有リポソームの製造
本実施例で使用したコレステロール(cholesterol)、L−アルファ−ホスファチジルコリン(L-α-phosphatidylcholine、PC)、1,2−ジアシル−sn−グリセロ−3−ホスフォエタノールアミン−N−[メトキシ(ポリエチレングリコール)−2000](1,2-diacyl-sn-glycero-3-phosphoethanolamine-N-[methoxy(polyethyleneglycol)-2000]、DSPE−PEG2000)、1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−エタノールアミン−N−[マレイミド(ポリエチレングリコール)−2000](1,2-distearoyl-sn-glycero-3-phosphoethanolamine-N-[maleimide(polyethyleneglycol)-2000]、DSPE−PEG2000−マレイミド)などの試薬はAvanti Polar Lipids社から購入した。
1.リポソームの製造
リポソームは、溶媒注入及び噴出(solvent-injection and extrusion)法を用いて製造した。まず、全ての脂質(PC、コレステロール、DSPE−PEG2000)を6:4:0.5のモル比で60℃のエタノールに溶かした後、前記脂質混合物を60℃の水に1:10の体積比で混合して1時間水和(hydration)させた。前記水和した脂質混合物を、孔径0.2μmのポリカーボネート製メンブランフィルター(polycarbonate membrane filters)を6回通過させた後、孔径0.05μmのフィルターをさらに6回通過させてリポソームの大きさを均質化した。リポソームの大きさは動的光散乱(dynamic light scattering、DLS)法で測定し、リポソームの直径は80〜120nmであった。
2.リポソーム内への薬物の含有
抗癌剤であるドキソルビシンは、アンモニウム硫酸塩(ammonium sulfate、(NHSO)を用いる伝統的なremote−loading法でリポソーム内に含有させた。具体的には、リポソーム溶液内の水相の250mM (NHSOを噴出させた。その後、水相が噴出されたリポソームを5mM NaClを含んでいる十分な量の10%スクロース溶液中の透析膜(dialysis membrane、分子量3k)内に入れてリポソーム表面のアンモニウム硫酸塩を除去した。その後、ドキソルビシンHCl溶液をリポソーム溶液に添加して50〜70℃で1〜3時間反応させた後、迅速に冷却させてドキソルビシンをリポソーム内に含有させた。この際、リポソーム内に含有されたドキソルビシンの濃度は1.5〜2mg/mLとした。
3.リポソーム内への蛍光物質の標識
CyTM5.5アミダイト(CyTM5.5 amidite)又はローダミン−PE(rhodamine-phosphatidylethanolamine、rhodamine−PE、赤色蛍光)でリポソームを標識するために、これらの蛍光物質をエタノール内で全ての脂質成分と混合した後、リン酸塩緩衝液(PBS)内に注入した。蛍光物質の疎水性性質のため、各蛍光物質はリポソームの脂質二重層部位に内包された。
4.IL−4受容体を特異的に標的とするペプチド及び蛍光物質で標識されたドキソルビシン含有リポソームの製造
ペプチドで標識されたリポソームは後挿入(post-insertion)法で製造した。まず、IL4RPepペプチド(CRKRLDRNCのアミノ酸配列、配列番号1)を、マレイミドが修飾されたDSPE−PEG2000(DSPE−PEG2000−マレイミド)に1:2の比率で結合させた。その後、DSPE−PEG2000−IL4RPepを蛍光物質で標識されたドキソルビシン含有リポソームと60℃で1時間反応させてリポソームに二次的に挿入させた。この際、標識ペプチドの量はリポソーム内の総脂質に対して0〜3モル%とした。
実験例1:脳腫瘍細胞のIL−4受容体の発現に対する免疫蛍光染色及び分析
脳腫瘍細胞(C6及びGBM8401)を各培養容器に5×10個ずつ植えて一晩培養した。メタノールを用いて−20℃で5分間細胞を固定した後、FITC(緑色蛍光)で標識されたIL−4受容体に対する抗体を脳腫瘍細胞と室温で1時間反応させた。反応が終わった後、蛍光顕微鏡で蛍光シグナルを観察してIL−4受容体の発現水準を観察した。
結果は図1に示す。
図1に示すように、C6細胞では蛍光が弱く観察され、IL−4受容体が殆ど発現されない反面、GBM8401細胞では強い蛍光が観察され、IL−4受容体が多く発現されることを確認した。
実験例2:脳腫瘍細胞に対するIL4RPepペプチドで標識されたリポソームの結合
前記実施例1に記載の方法でポリエチレングリコール、蛍光物質(1モル%のローダミン−PE、赤色蛍光)及びIL4RPepペプチド(0〜3モル%)で表面に標識したリポソームを製造した。脳腫瘍細胞(C6及びGBM8401)をそれぞれ培養し、前記で製造したIL4RPepペプチド(0モル%、0.75モル%、1.5モル%又は3モル%)及び1モル%のローダミン−PE(赤色蛍光)で共に標識されたリポソームを4℃で1時間反応させた。反応が終わった後、細胞を洗浄し、蛍光顕微鏡で蛍光シグナルを観察してIL4RPepペプチドの結合を観察した。
その結果は図2に示す。
図2に示すように、本発明のIL4RPepペプチドで標識されたリポソームはGBM8401細胞で強い赤色蛍光が観察されてIL4RPepペプチドが多く結合することが分かる。特に、3モル%のIL4RPepペプチドで標識されたリポソームが最も強い脳腫瘍細胞に対する結合を示した。これに対し、IL4RPepペプチドで標識されたリポソームはC6細胞で蛍光が弱く観察されてIL4RPepペプチドが殆ど結合されていないことが分かる。
実験例3:IL4RPepペプチドで標識されたリポソームの脳腫瘍細胞(GBM8401)内への流入
脳腫瘍細胞(GBM8401)を培養容器に5×10個植え、前記実験例2で製造した3モル%のIL4RPepペプチド及び1モル%のローダミン−PE(赤色蛍光)で共に標識されたリポソームを37℃で1時間反応させた。反応の後、共焦点顕微鏡を用いて細胞を約1μmの間隔で断層撮影し、細胞内部の蛍光を観察した。
結果は図3に示す。
図3に示すように、本発明のIL4RPepペプチドで標識されたリポソームは、GBM8401細胞の内部で強い赤色蛍光が観察された。特に、細胞の表面から5μm程度の細胞中心でも赤色蛍光が多く存在して細胞内への流入が活発に起こることが分かる。
実験例4:IL4RPepペプチドで標識されたリポソームの生体内脳腫瘍標的に対する蛍光画像
全ての動物実験は所属機関の動物実験倫理委員会のガイドラインにしたがって行われた。実験動物に腫瘍異種移植(tumor xenografts)を行うために、培地に浮遊させたルシフェラーゼを発現する脳腫瘍細胞株(GBM8401、1×10個)を6週齢BALB/c雄免疫欠乏(severe combined immune deficiency、SCID)マウスの脳組織に頭蓋骨を貫通して移植した。3週間腫瘍細胞が0.5〜1cmの大きさに成長することができるようにした。その後、前記実験例2で製造したIL4RPepペプチド(0モル%、0.25モル%、0.75モル%、1.5モル%又は3モル%)及び1モル%のローダミン−PE(赤色蛍光)で共に標識されたリポソームをマウスの尾静脈を介して体内注射し、脳腫瘍の標的を24時間、48時間、72時間及び144時間の後に生体蛍光画像を観察した。
結果は図4に示す。
図4に示すように、本発明のIL4RPepペプチド(0モル%、0.25モル%、0.75モル%、1.5モル%又は3モル%)及び1モル%のローダミン−PE(赤色蛍光)で共に標識されたリポソームをマウスの尾静脈に注入して24時間目から蛍光画像が観察され、144時間まで持続された(A)。一方、脳腫瘍培養細胞(GBM8401)で最も強い結合を示した3モル%のIL4RPepペプチドで標識されたリポソームとは異なり、生体内では1.5モル%のIL4RPepペプチドで標識されたリポソームで最も優れた生体内標的が現れ、体内注入後48時間目に最大蛍光シグナルを示した。
実験例5:IL4RPepペプチドの媒介によるドキソルビシン含有リポソームの脳腫瘍に対する選択的薬物伝達及び標的治療
本発明のIL4RPepペプチドの媒介によるドキソルビシン含有リポソームの脳腫瘍に対する薬物伝達促進効果を評価するために、下記の実験を行った。
ルシフェラーゼ遺伝子が挿入された脳腫瘍細胞株(GBM8401、1×10個)をヌードマウスの脳組織に移植した。腫瘍移植後6日、9日及び13日目にドキソルビシンの量がマウス体重(kg)あたり4mg(4mg/kg)となるように、前記実施例1で製造したリポソーム溶液をマウスの尾静脈に注射した(総3回投与)。総16日間ルシフェラーゼによるルミネセンスの強さ(total flux)、すなわち秒あたり光粒子発散数(photon/s)を測定して腫瘍の大きさを観察した。
結果は図5に示す。
図5に示すように、脳腫瘍細胞が異種移植されたヌードマウスに本発明のIL4RPepペプチドで標識されたリポソーム(IL4RPep−Lipo−Dox)を投与した場合の腫瘍成長は、IL4RPepペプチドで標識されていないリポソーム(Lipo−Dox)を投与した場合の腫瘍成長より約65%程度抑制され、生理食塩水を投与した場合の腫瘍成長より約70%以上抑制され、これらの数値は統計学的に有意な結果を示した。
実験例6:肺癌細胞のIL−4受容体の発現に対する免疫蛍光染色及び分析
肺癌細胞(H226及びH460)を培養し、IL−4受容体に対する抗体を肺癌細胞と室温で1時間反応させた。反応が終わった後、ローダミン(赤色蛍光)が結合された二次抗体と反応させ、DAPI(4’,6-diamidino-2-phenylindole)試薬で核染色を行った後、蛍光顕微鏡で蛍光シグナルを観察してIL−4受容体の発現水準を観察した。
結果は図6に示す。
図6に示すように、H226細胞では強い蛍光が観察され、IL−4受容体が多く発現されたが、H460細胞では蛍光が弱く観察され、IL−4受容体が殆ど発現されなかった。
実験例7:肺癌細胞に対するIL4RPepペプチドで標識されたリポソームの結合及び細胞内流入
肺癌細胞(H226及びH460)をそれぞれ培養し、IL4RPepペプチド(1.5モル%)及びCy5.5(赤色蛍光)で共に標識されたリポソームをそれぞれ4℃及び37℃で1時間反応させた。反応が終わった後、細胞を洗浄し、DAPI試薬で核染色を行った後、蛍光顕微鏡で蛍光シグナルを観察して細胞に対するペプチドの結合と細胞内流入をそれぞれ観察した。
結果は図7に示す。
図7に示すように、H226細胞では強い赤色蛍光が観察されてIL4RPepペプチドが多く結合され、細胞内に流入したことを確認した。これに対し、H460細胞では蛍光が弱く観察されてIL4RPepペプチドが殆ど結合されておらず、細胞内に流入しないことが分かる。
実験例8:IL4RPepペプチドの媒介によるドキソルビシン含有リポソームの肺癌細胞内への選択的薬物伝達
肺癌細胞(H226及びH460)をそれぞれ培養し、前記実施例1で製造したリポソーム[IL4RPepペプチド(1.5モル%)及びCy5.5(赤色蛍光)で共に標識され、ドキソルビシンを含有したリポソーム]を37℃で1時間反応させた。反応が終わった後、細胞を洗浄し、DAPI試薬で核染色を行った後、蛍光顕微鏡でドキソルビシンの自体蛍光(赤色)を観察して細胞内への薬物伝達水準を観察した。
結果は図8に示す。
図8に示すように、H226細胞では、本発明のIL4RPepペプチドで標識されたリポソーム(IL4RPep−Lipo−Dox)を反応させたときに、IL4RPepペプチドで標識されていないリポソーム(Lipo−Dox)に比べてドキソルビシンによる赤色蛍光が一層さらに多く観察された。ところが、H460細胞では、IL4RPepペプチドで標識されたリポソーム(IL4RPep−Lipo−Dox)だけでなく、IL4RPepペプチドで標識されていないリポソーム(Lipo−Dox)を反応させたときにも蛍光が弱く観察された。
実験例9:IL4RPepペプチドで標識されたリポソームの生体内肺癌細胞標的
実験動物に腫瘍異種移植を行うために、RMPI−1640培地で培養したヒト肺癌細胞株(H226、1×10個)を6週齢のBALB/c雄ヌードマウス(ヒョウチャンサイエンス社)の右上肢又は下肢部位に皮下注射した。腫瘍細胞が0.5〜1cmの大きさに成長し得るようにした。その後、IL4RPepペプチド及びCy5.5(赤色蛍光)で共に標識されたリポソームを、腫瘍が成長したマウスの尾静脈を介して体重(kg)あたり5mg(5mg/kg)を注入し、2時間循環させた後、腫瘍を摘出した。摘出された腫瘍組織の凍結切片を作った後、蛍光顕微鏡で観察した。また、血管バイオマーカーとしてのCD31に対する抗体を用いて腫瘍組織を染色(緑色蛍光)した後、高倍率蛍光顕微鏡で観察した。本実験に使用した肺癌細胞株(H266)は、抗生剤(フェニシリン及びストレプトマイシン)が添加された10%ウシ胎仔血清(FBS、fetal bovine serum)を含むRMPI−1640倍地で培養し、3〜4日毎に継代培養した。
結果は図9に示す。
図9に示すように、肺癌細胞(H226)組織において、本発明のIL4RPepペプチド及びCy5.5(赤色蛍光)で共に標識されたリポソーム[IL4RPep−Lipo−Cy5.5]は赤色蛍光が多く観察されたが、IL4RPepペプチドで標識されずCy5.5(赤色蛍光)のみで標識されたリポソーム[Lipo−Cy5.5]は赤色蛍光が殆ど観察されなかった(A)。また、腫瘍の血管及びその周囲組織において、IL4RPepペプチドで標識されたリポソーム[IL4RPep−Lipo−Cy5.5]が多く標的とされたことを確認した(B)。
実験例10:IL4RPepペプチドの媒介によるドキソルビシン含有リポソームの肺癌に対する選択的薬物伝達及び標的治療
本発明のIL4RPepペプチドの媒介によるドキソルビシン含有リポソームの肺癌に対する薬物伝達促進効果を評価するために、下記の実験を行った。
肺癌細胞株(H226、1×10個)をヌードマウスの右上肢又は下肢部位に異種移植した。腫瘍の直径が3mm程度になったとき、ドキソルビシンの量がマウス体重(kg)あたり1mg(1mg/kg)となるように、前記実施例1で製造したリポソーム溶液をマウスの尾静脈を介して注射した(1週に2回ずつ総7回投与)。総24日間腫瘍の大きさを測定した。腫瘍の大きさ(mm)は+長軸×短軸×短軸×0.52で計算した。一方、24日目となる時点で腫瘍を摘出して凍結切片を製作し、腫瘍組織内ドキソルビシンの量をドキソルビシンの自体蛍光(赤色)を用いて観察した。
結果は図10に示す。
図10に示すように、肺癌細胞が異種移植されたヌードマウスに、本発明のIL4RPepペプチドで標識されたリポソーム(IL4RPep−Lipo−Dox)を投与した場合、IL4RPepペプチドで標識されていないリポソーム(Lipo−Dox)又はドキソルビシン(Dox)自体を投与した場合より腫瘍成長抑制効果が顕著に優れることを確認した(A)。また、IL4RPepペプチドで標識されたリポソーム(IL4RPep−Lipo−Dox)を投与した場合、腫瘍組織内でドキソルビシンによる赤色蛍光が一層さらに多く観察されることにより、腫瘍組織内に伝達されたドキソルビシン(赤色蛍光)の量はIL4RPepペプチドで標識されたリポソームによる腫瘍成長抑制効果と密接に関連していることが分かる。
本発明に係るIL4RPepペプチドで標識された抗癌剤含有リポソームは、IL−4受容体を特異的に結合するIL4RPepペプチドによってIL−4受容体が過発現する癌細胞に薬物を選択的に伝達することができ、このような薬物伝達は、標識物質によって癌細胞を特異的に認識することができる。よって、IL4RPepペプチドは、癌組織に対してのみ薬物の効力を増加させることができるとともに正常組織への副作用を顕著に減らすことができ、腫瘍に対する生体内画像及び早期診断が可能である。したがって、本発明のIL4RPepペプチドで標識された抗癌剤含有リポソームは標的指向型薬物伝達システムとして癌の診断又は治療に有用に使用できる。

Claims (6)

  1. 配列番号1のアミノ酸配列を有する、インターロイキン−4(IL−4)受容体を特異的に標的とするペプチドで標識された抗癌剤含有リポソームを有効成分として含み、前記ペプチドはリポソーム内の総脂質に対して0.1〜5モル%であることを特徴とする、IL−4受容体が過発現する肺癌又は脳腫瘍の診断又は治療用標的指向型薬物伝達システムであって、
    該リポソームは、第1脂質、第2脂質及びコレステロールからなる多層ラメラリポソームであり、それぞれ60〜70:1〜10:1〜40のモル比であり、
    該第1脂質はホスファチジルコリン(phosphatidyl choline、PC)、ホスファチジルグリセロール(phosphatidyl glycerol、PG)、ホスファチジルセリン(phosphatidyl serine、PS)、及びホスファチジルエタノールアミン(phosphatidyl ethanolamine、PE)よりなる群から選ばれた1種以上を含み、
    該第2脂質はジステアロイルホスファチジルエタノールアミン−ポリエチレングリコール(distearoylphophatidylethanolamine-polyethyleneglycol、DSPE−PEG)である、
    標的指向型薬物伝達システム。
  2. 前記抗癌剤は、ドキソルビシン、パクリタキセル、ビンクリスチン、ダウノルビシン(daunorubicin)、ビンブラスチン(vinblastine)、アクチノマイシン−D(actinomycin-D)、ドセタキセル、エトポシド(etoposide)、テニポシド(teniposide)、ビサントレン(bisantrene)、ホモハリングトニン(homoharringtonine)、グリーベック(Gleevec、STI−571)、シスプラチン、5−フルオロウラシル、アドリアマイシン、メトトレキセート、ブサルファン(busulfan)、クロラムブシル(chlorambucil)、シクロホスファミド(cyclophosphamide)、メルファラン(melphalan)、ナイトロジェンマスタード(nitrogen mustard)、及びニトロソウレア(nitrosourea)よりなる群から選ばれた1種以上を含むことを特徴とする、請求項1に記載の標的指向型薬物伝達システム。
  3. 1)第1脂質、第2脂質及びコレステロールを60〜70:1〜10:1〜40のモル比でエタノールで混合し、水で水和させた後、フィルターを通過させて均質化したリポソームを製造する段階と、
    2)抗癌剤を前記1)段階で製造したリポソームに含有させる段階と、
    3)標識物質を前記2)段階で製造した抗癌剤含有リポソームに含有させて標識する段階と、
    4)配列番号1のアミノ酸配列を有する、IL−4受容体を特異的に標的とするペプチド[IL4RPepペプチド]を、マレイミドが修飾されたDSPE−PEG2000(DSPE−PET2000−マレイミド)に結合させた後、DSPE−PEG2000−IL4RPepを前記3)段階で製造した標識物質で標識された抗癌剤含有リポソームと反応させてリポソームに二次的に挿入する段階とを含み、
    該第1脂質はホスファチジルコリン(phosphatidyl choline、PC)、ホスファチジルグリセロール(phosphatidyl glycerol、PG)、ホスファチジルセリン(phosphatidyl serine、PS)、及びホスファチジルエタノールアミン(phosphatidyl ethanolamine、PE)よりなる群から選ばれた1種以上を含み、
    該第2脂質はジステアロイルホスファチジルエタノールアミン−ポリエチレングリコール(distearoylphophatidylethanolamine-polyethyleneglycol、DSPE−PEG)である、
    IL−4受容体が過発現する肺癌又は脳腫瘍の診断又は治療用標的指向型薬物伝達システムの製造方法。
  4. 前記2)段階で、リポソーム内に含有された抗癌剤の濃度は1〜5mg/mLであることを特徴とする、請求項に記載の標的指向型薬物伝達システムの製造方法。
  5. 前記3)段階で、標識物質は放射性同位元素、発色団(chromophore)、発光物質又は蛍光物質、常磁性粒子(super paramagnetic particles)、超常磁性粒子(ultrasuper paramagnetic particles)、及び発色酵素よりなる群から選ばれた1種以上であることを特徴とする、請求項に記載の標的指向型薬物伝達システムの製造方法。
  6. 前記3)段階で、IL4RPepペプチド:マレイミドが修飾されたDSPE−PEG2000(DSPE−PEG2000−マレイミド)は1:1〜3のモル比で結合されることを特徴とする、請求項に記載の標的指向型薬物伝達システムの製造方法。
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