本発明の他の態様、実施態様および特徴は、添付の図面と共に考慮して、下記の詳細な記載から明らかになるであろう。添付の該図面は、模式的なものであり、正確な縮尺で描くことを意図したものではない。分かりやすくするために、当業者に本発明を理解させるための説明が必要でない場合、全ての図面において全ての成分を表示せず、本発明の各実施態様の全ての成分を示さない。全特許出願および特許は、その全体を参照することによって本明細書に援用される。矛盾が生じた場合には、定義を含む本明細書の記載を優先するであろう。
本明細書で用いられている単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈で別段の記載が明確にない限り、複数形の指示対象(plural reference)を含む。
本明細書で用いられている用語「アルケニレン」は、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含む2〜14個の炭素原子を有する直鎖状または分枝鎖状炭化水素から生じる二価の基を指す。
本明細書で用いられている用語「アリール」は、フェニル基、または環の1つ以上がフェニル基である二環式縮合環系を指す。二環式縮合環系は、単環式シクロアルケニル基、単環式シクロアルキル基、または別のフェニル基に縮合したフェニル基からなる。本発明のアリール基は、基内のいずれかの置換可能な炭素原子を通じて親分子部分と結合してよい。アリール基の代表例は、アントラセニル、アズレニル、フルオレニル、インダニル、インデニル、ナフチル、フェニル、およびテトラヒドロナフチルを含み、これらに限定されない。
本明細書で用いられている用語「アリールアルキレン」は、親分子部分との結合の1点がアリール部分にあり、他の点がアルキル部分にある二価のアリールアルキル基を指す。
本明細書で用いられている用語「シクロアルキル」は、3〜14個の炭素原子および0個のヘテロ原子を有する飽和単環式、二環式、または三環式炭化水素環系を指す。シクロアルキル基の代表例は、シクロプロピル、シクロペンチル、ビシクロ[3.1.1]ヘプチル、およびアダマンチルを含み、これらに限定されない。
本明細書で用いられている用語「ヘテロシクリル」は、窒素、酸素、および硫黄からなる群から独立して選択される1、2、または3個のヘテロ原子を含む5、6、または7員環を指す。5員環は0〜2個の二重結合を有し、6および7員環は0〜3個の二重結合を有する。用語「ヘテロシクリル」は、ヘテロシクリル環がフェニル基、単環式シクロアルケニル基、単環式シクロアルキル基、または別の単環式ヘテロシクリル基に縮合した二環式基も含む。本発明のヘテロシクリル基は、基内の炭素原子または窒素原子を通じて親分子部分と結合していてよい。ヘテロシクリル基の例は、ベンゾチエニル、フリル、イミダゾリル、インドリニル、インドリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、モルホリニル、オキサゾリル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピラゾリル、ピリジニル、ピロリジニル、ピロロピリジニル、ピロリル、チアゾリル、チエニル、およびチオモルホリニルを含み、これらに限定されない。
本明細書で用いられている用語「ヘテロシクリルアルキレン」は、親分子部分との結合の1点がヘテロシクリル部分にあり、他の点がアルキル部分にある二価のヘテロシクリルアルキル基を指す。
本明細書で用いられている用語「リンカー」は、炭素、窒素、酸素、硫黄、および/またはリン原子を含む分子の部分であって、該分子の2つの他の部分の間のスペーサーとしての機能を果たす部分を指す。例えば、リンカーは、キレート剤部分とアミノ酸残基の間のスペーサーとしての機能を果たしてよい。リンカーは、本明細書に記載した他の機能を果たしてもよい。いくつかの実施態様では、リンカーはアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アルキルアリール、アルキルカルボニル、アリール、アリールアルキル、アルキルアリールアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、ヘテロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロシクリルアルキルであってよく、そのいずれもが置換されていても非置換でもよい。
本明細書で用いられている用語「保護基」は、潜在的に反応性の官能基(例えば、O、S、またはN)を望ましくない化学変換から保護する一時的な置換基を指す。該保護基の例は、カルボン酸のエステル、アルコールのシリルエーテル、ならびにそれぞれアルデヒドおよびケトンのアセタールおよびケタールを含む。特定の実施態様では、保護基は選択的に反応して、予定している反応に対して安定な保護された基質を高収率で生じる;保護基は、容易に入手でき、好ましくは他の官能基を攻撃しない無毒性の試薬によって選択的に高収率で除去可能であるべきである;保護基は容易に分離可能な誘導体を形成する(より好ましくは、新たな不斉中心を生じることなく);保護基は、さらなる反応部位を回避するために、最低限の付加的な官能性しか有さない。本明細書で詳述しているように、酸素、硫黄、窒素、および炭素保護基が利用されてよい。
ヒドロキシル保護基は、メチル、メトキシメチル(MOM)、メチルチオメチル(MTM)、t−ブチルチオメチル、(フェニルジメチルシリル)メトキシメチル(SMOM)、ベンジルオキシメチル(BOM)、p−メトキシベンジルオキシメチル(PMBM)、(4−メトキシフェノキシ)メチル(p−AOM)、グアヤコールメチル(GUM)、t−ブトキシメチル、4−ペンテニルオキシメチル(POM)、シロキシメチル、2−メトキシエトキシメチル(MEM)、2,2,2−トリクロロエトキシメチル、ビス(2−クロロエトキシ)メチル、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル(SEMOR)、テトラヒドロピラニル(THP)、3−ブロモテトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、1−メトキシシクロヘキシル、4−メトキシテトラヒドロピラニル(MTHP)、4−メトキシテトラヒドロチオピラニル、4−メトキシテトラヒドロチオピラニル S,S−ジオキシド、1−[(2−クロロ−4−メチル)フェニル]−4−メトキシピペリジン−4−イル(CTMP)、1,4−ジオキサン−2−イル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフラニル、2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロ−7,8,8−トリメチル−4,7−メタノベンゾフラン−2−イル、1−エトキシエチル、1−(2−クロロエトキシ)エチル、1−メチル−1−メトキシエチル、1−メチル−1−ベンジルオキシエチル、1−メチル−1−ベンジルオキシ−2−フルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、2−トリメチルシリルエチル、2−(フェニルセレニル)エチル、t−ブチル、アリル、p−クロロフェニル、p−メトキシフェニル、2,4−ジニトロフェニル、ベンジル、p−メトキシベンジル、3,4−ジメトキシベンジル、o−ニトロベンジル、p−ニトロベンジル、p−ハロベンジル、2,6−ジクロロベンジル、p−シアノベンジル、p−フェニルベンジル、2−ピコリル、4−ピコリル、3−メチル−2−ピコリル N−オキシド、ジフェニルメチル、p,p’−ジニトロベンズヒドリル、5−ジベンゾスベリル、トリフェニルメチル、α−ナフチルジフェニルメチル、p−メトキシフェニルジフェニルメチル、ジ(p−メトキシフェニル)フェニルメチル、トリ(p−メトキシフェニル)メチル、4−(4’−ブロモフェナシルオキシフェニル)ジフェニルメチル、4,4’,4’’−トリス(4,5−ジクロロフタルイミドフェニル)メチル、4,4’,4’’−トリス(レブリノイルオキシフェニル)メチル、4,4’,4’’−トリス(ベンゾイルオキシフェニル)メチル、3−(イミダゾール−1−イル)ビス(4’,4’’−ジメトキシフェニル)メチル、1,1−ビス(4−メトキシフェニル)−1’−ピレニルメチル、9−アントリル、9−(9−フェニル)キサンテニル、9−(9−フェニル−10−オキソ)アントリル、1,3−ベンゾジチオラン−2−イル、ベンズイソチアゾリル S,S−ジオキシド、トリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TES)、トリイソプロピルシリル(TIPS)、ジメチルイソプロピルシリル(IPDMS)、ジエチルイソプロピルシリル(DEIPS)、ジメチルテキシルシリル(dimethylthexylsilyl)、t−ブチルジメチルシリル(TBDMS)、t−ブチルジフェニルシリル(TBDPS)、トリベンジルシリル、トリ−p−キシリルシリル、トリフェニルシリル、ジフェニルメチルシリル(DPMS)、t−ブチルメトキシフェニルシリル(TBMPS)、ホルメート、ベンゾイルホルメート、アセテート、クロロアセテート、ジクロロアセテート、トリクロロアセテート、トリフルオロアセテート、メトキシアセテート、トリフェニルメトキシアセテート、フェノキシアセテート、p−クロロフェノキシアセテート、3−フェニルプロピオネート、4−オキソペンタノエート(レブリネート)、4,4−(エチレンジチオ)ペンタノエート(レブリノイルジチオアセタール)、ピバロエート、アダマントエート、クロトネート、4−メトキシクロトネート、ベンゾエート、p−フェニルベンゾエート、2,4,6−トリメチルベンゾエート(メシトエート)、アルキルメチルカーボネート、9−フルオレニルメチルカーボネート(Fmoc)、アルキルエチルカーボネート、アルキル2,2,2−トリクロロエチルカーボネート(Troc)、2−(トリメチルシリル)エチルカーボネート(TMSEC)、2−(フェニルスルホニル)エチルカーボネート(Psec)、2−(トリフェニルホスホニオ)エチルカーボネート(Peoc)、アルキルイソブチルカーボネート、アルキルビニルカーボネート アルキルアリルカーボネート、アルキルp−ニトロフェニルカーボネート、アルキルベンジルカーボネート、アルキルp−メトキシベンジルカーボネート、アルキル3,4−ジメトキシベンジルカーボネート、アルキルo−ニトロベンジルカーボネート、アルキルp−ニトロベンジルカーボネート、アルキルS−ベンジルチオカーボネート、4−エトキシ−1−ナフチルカーボネート、メチルジチオカーボネート、2−ヨードベンゾエート、4−アジドブチレート、4−ニトロ−4−メチルペンタノエート、o−(ジブロモメチル)ベンゾエート、2−ホルミルベンゼンスルホネート、2−(メチルチオメトキシ)エチル、4−(メチルチオメトキシ)ブチレート、2−(メチルチオメトキシメチル)ベンゾエート、2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシアセテート、2,6−ジクロロ−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノキシアセテート、2,4−ビス(1,1−ジメチルプロピル)フェノキシアセテート、クロロジフェニルアセテート、イソブチレート、モノスクシノエート、(E)−2−メチル−2−ブテノエート、o−(メトキシカルボニル)ベンゾエート、α−ナフトエート、ニトレート、アルキルN,N,N’,N’−テトラメチルホスホロジアミデート、アルキル N−フェニルカルバメート、ボレート、ジメチルホスフィノチオイル、アルキル2,4−ジニトロフェニルスルフェネート、サルフェート、メタンスルホネート(メシレート)、ベンジルスルホネート、およびトシレート(Ts)を含む。
1,2−または1,3−ジオールを保護するための保護基は、メチレンアセタール、エチリデンアセタール、1−t−ブチルエチリデンケタール、1−フェニルエチリデンケタール、(4−メトキシフェニル)エチリデンアセタール、2,2,2−トリクロロエチリデンアセタール、アセトニド、シクロペンチリデンケタール、シクロヘキシリデンケタール、シクロヘプチリデンケタール、ベンジリデンアセタール、p−メトキシベンジリデンアセタール、2,4−ジメトキシベンジリデンケタール、3,4−ジメトキシベンジリデンアセタール、2−ニトロベンジリデンアセタール、メトキシメチレンアセタール、エトキシメチレンアセタール、ジメトキシメチレンオルトエステル、1−メトキシエチリデンオルトエステル、1−エトキシエチリジンオルトエステル、1,2−ジメトキシエチリデンオルトエステル、α−メトキシベンジリデンオルトエステル、1−(N,N−ジメチルアミノ)エチリデン誘導体、α−(N,N’−ジメチルアミノ)ベンジリデン誘導体、2−オキサシクロペンチリデンオルトエステル、ジ−t−ブチルシリレン基(DTBS)、1,3−(1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサニリデン)誘導体(TIPDS)、テトラ−t−ブトキシジシロキサン−1,3−ジイリデン誘導体(TBDS)、サイクリックカーボネート、サイクリックボロネート、エチルボロネート、およびフェニルボロネートを含む。
アミノ保護基は、メチルカルバメート、エチルカルバメート、9−フルオレニルメチルカルバメート(Fmoc)、9−(2−スルホ)フルオレニルメチルカルバメート、9−(2,7−ジブロモ)フルオロエニルメチルカルバメート、2,7−ジ−t−ブチル−[9−(10,10−ジオキソ−10,10,10,10−テトラヒドロチオキサンチル)]メチルカルバメート(DBD−Tmoc)、4−メトキシフェナシルカルバメート(Phenoc)、2,2,2−トリクロロエチルカルバメート(Troc)、2−トリメチルシリルエチルカルバメート(Teoc)、2−フェニルエチルカルバメート(hZ)、1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルカルバメート(Adpoc)、1,1−ジメチル−2−ハロエチルカルバメート、1,1−ジメチル−2,2−ジブロモエチルカルバメート(DB−t−BOC)、1,1−ジメチル−2,2,2−トリクロロエチルカルバメート(TCBOC)、1−メチル−1−(4−ビフェニリル)エチルカルバメート(Bpoc)、1−(3,5−ジ−t−ブチルフェニル)−1−メチルエチルカルバメート(t−Bumeoc)、2−(2’−および4’−ピリジル)エチルカルバメート(Pyoc)、2−(N,N−ジシクロヘキシルカルボキサミド)エチルカルバメート、t−ブチルカルバメート(BOC)、1−アダマンチルカルバメート(Adoc)、ビニルカルバメート(Voc)、アリルカルバメート(Alloc)、1−イソプロピルアリルカルバメート(Ipaoc)、シンナミルカルバメート(Coc)、4−ニトロシンナミルカルバメート(Noc)、8−キノリルカルバメート、N−ヒドロキシピペリジニルカルバメート、アルキルジチオカルバメート、ベンジルカルバメート(Cbz)、p−メトキシベンジルカルバメート(Moz)、p−ニトロベンジルカルバメート、p−ブロモベンジルカルバメート、p−クロロベンジルカルバメート、2,4−ジクロロベンジルカルバメート、4−メチルスルフィニルベンジルカルバメート(Msz)、9−アントリルメチルカルバメート、ジフェニルメチルカルバメート、2−メチルチオエチルカルバメート、2−メチルスルホニルエチルカルバメート、2−(p−トルエンスルホニル)エチルカルバメート、[2−(1,3−ジチアニル)]メチルカルバメート(Dmoc)、4−メチルチオフェニルカルバメート(Mtpc)、2,4−ジメチルチオフェニルカルバメート(Bmpc)、2−ホスホニオエチルカルバメート(Peoc)、2−トリフェニルホスホニオイソプロピルカルバメート(Ppoc)、1,1−ジメチル−2−シアノエチルカルバメート、m−クロロ−p−アシルオキシベンジルカルバメート、p−(ジヒドロキシボリル)ベンジルカルバメート、5−ベンズイソオキサゾリルメチルカルバメート、2−(トリフルオロメチル)−6−クロモニルメチルカルバメート(Tcroc)、m−ニトロフェニルカルバメート、3,5−ジメトキシベンジルカルバメート、o−ニトロベンジルカルバメート、3,4−ジメトキシ−6−ニトロベンジルカルバメート、フェニル(o−ニトロフェニル)メチルカルバメート、フェノチアジニル−(10)−カルボニル誘導体、N’−p−トルエンスルホニルアミノカルボニル誘導体、N’−フェニルアミノチオカルボニル誘導体、t−アミルカルバメート、S−ベンジルチオカルバメート、p−シアノベンジルカルバメート、シクロブチルカルバメート、シクロヘキシルカルバメート、シクロペンチルカルバメート、シクロプロピルメチルカルバメート、p−デシルオキシベンジルカルバメート、2,2−ジメトキシカルボニルビニルカルバメート、o−(N,N−ジメチルカルボキサミド)ベンジルカルバメート、1,1−ジメチル−3−(N,N−ジメチルカルボキサミド)プロピルカルバメート、1,1−ジメチルプロピニルカルバメート、ジ(2−ピリジル)メチルカルバメート、2−フラニルメチルカルバメート、2−ヨードエチルカルバメート、イソボルニルカルバメート、イソブチルカルバメート、イソニコチニルカルバメート、p−(p’−メトキシフェニルアゾ)ベンジルカルバメート、1−メチルシクロブチルカルバメート、1−メチルシクロヘキシルカルバメート、1−メチル−1−シクロプロピルメチルカルバメート、1−メチル−1−(3,5−ジメトキシフェニル)エチルカルバメート、1−メチル−1−(p−フェニルアゾフェニル)エチルカルバメート、1−メチル−1−フェニルエチルカルバメート、1−メチル−1−(4−ピリジル)エチルカルバメート、フェニルカルバメート、p−(フェニルアゾ)ベンジルカルバメート、2,4,6−トリ−t−ブチルフェニルカルバメート、4−(トリメチルアンモニウム)ベンジルカルバメート、2,4,6−トリメチルベンジルカルバメート、ホルムアミド、アセトアミド、クロロアセトアミド、トリクロロアセトアミド、トリフルオロアセトアミド、フェニルアセトアミド、3−フェニルプロパンアミド、ピコリンアミド、3−ピリジルカルボキサミド、N−ベンゾイルフェニルアラニル誘導体、ベンズアミド、p−フェニルベンズアミド、o−ニトロフェニルアセトアミド、o−ニトロフェノキシアセトアミド、アセトアセトアミド、(N’−ジチオベンジルオキシカルボニルアミノ)アセトアミド、3−(p−ヒドロキシフェニル)プロパンアミド、3−(o−ニトロフェニル)プロパンアミド、2−メチル−2−(o−ニトロフェノキシ)プロパンアミド、2−メチル−2−(o−フェニルアゾフェノキシ)プロパンアミド、4−クロロブタンアミド、3−メチル−3−ニトロブタンアミド、o−ニトロシンナミド、N−アセチルメチオニン誘導体、o−ニトロベンズアミド、o−(ベンゾイルオキシメチル)ベンズアミド、4,5−ジフェニル−3−オキサゾリン−2−オン、N−フタルイミド、N−ジチアスクシンイミド(Dts)、N−2,3−ジフェニルマレイミド、N−2,5−ジメチルピロール、N−1,1,4,4−テトラメチルジシリルアザシクロペンタン付加物(STABASE)、5−置換 1,3−ジメチル−1,3,5−トリアザシクロヘキサン−2−オン、5−置換 1,3−ジベンジル−1,3,5−トリアザシクロヘキサン−2−オン、1−置換 3,5−ジニトロ−4−ピリドン、N−メチルアミン、N−アリルアミン、N−[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチルアミン(SEM)、N−3−アセトキシプロピルアミン、N−(1−イソプロピル−4−ニトロ−2−オキソ−3−ピロリン−3−イル)アミン、第四級アンモニウム塩、N−ベンジルアミン、N−ジ(4−メトキシフェニル)メチルアミン、N−5−ジベンゾスベリルアミン、N−トリフェニルメチルアミン(Tr)、N−[(4−メトキシフェニル)ジフェニルメチル]アミン(MMTr)、N−9−フェニルフルオレニルアミン(PhF)、N−2,7−ジクロロ−9−フルオレニルメチレンアミン、N−フェロセニルメチルアミノ(Fcm)、N−2−ピコリルアミノ N’−オキシド、N−1,1−ジメチルチオメチレンアミン、N−ベンジリデンアミン、N−p−メトキシベンジリデンアミン、N−ジフェニルメチレンアミン、N−[(2−ピリジル)メシチル]メチレンアミン、N−(N’,N’−ジメチルアミノメチレン)アミン、N,N’−イソプロピリデンジアミン、N−p−ニトロベンジリデンアミン、N−サリチリデンアミン、N−5−クロロサリチリデンアミン、N−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)フェニルメチレンアミン、N−シクロヘキシリデンアミン、N−(5,5−ジメチル−3−オキソ−1−シクロヘキセニル)アミン、N−ボラン誘導体、N−ジフェニルボリン酸誘導体、N−[フェニル(ペンタカルボニルクロム−またはタングステン)カルボニル]アミン、N−銅キレート、N−亜鉛キレート、N−ニトロアミン、N−ニトロソアミン、アミン N−オキシド、ジフェニルホスフィンアミド(Dpp)、ジメチルチオホスフィンアミド(Mpt)、ジフェニルチオホスフィンアミド(Ppt)、ジアルキルホスホロアミデート、ジベンジルホスホロアミデート、ジフェニルホスホロアミデート、ベンゼンスルフェンアミド、o−ニトロベンゼンスルフェンアミド(Nps)、2,4−ジニトロベンゼンスルフェンアミド、ペンタクロロベンゼンスルフェンアミド、2−ニトロ−4−メトキシベンゼンスルフェンアミド、トリフェニルメチルスルフェンアミド、3−ニトロピリジンスルフェンアミド(Npys)、p−トルエンスルホンアミド(Ts)、ベンゼンスルホンアミド、2,3,6,−トリメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mtr)、2,4,6−トリメトキシベンゼンスルホンアミド(Mtb)、2,6−ジメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Pme)、2,3,5,6−テトラメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mte)、4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mbs)、2,4,6−トリメチルベンゼンスルホンアミド(Mts)、2,6−ジメトキシ−4−メチルベンゼンスルホンアミド(iMds)、2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−6−スルホンアミド(Pmc)、メタンスルホンアミド(Ms)、β−トリメチルシリルエタンスルホンアミド(SES)、9−アントラセンスルホンアミド、4−(4’,8’−ジメトキシナフチルメチル)ベンゼンスルホンアミド(DNMBS)、ベンジルスルホンアミド、トリフルオロメチルスルホンアミド、およびフェナシルスルホンアミドを含む。
代表的な保護基は本明細書に列挙されているが、本発明はこれらの保護基に限定されることを意図していないことが理解できるであろう;むしろ、上記基準を用いて様々なさらなる均等な保護基を容易に同定することができ、本発明の方法に利用できるであろう。保護基のさらなる例は「Greene, T. W.; Wuts, P. G. M. Protective Groups in Organic Synthesis, 2nd ed.; Wiley: New York, 1991」内に見出すことができ、その内容は参照することによって本明細書に援用される。
本明細書で用いられている用語「キレート剤」および「キレート剤部分」は、1つ以上のドナー原子を通じて金属イオンと結合している分子上の部分または基を指す。キレート剤は、リンカー、L2を通じて親分子部分と任意に結合している。適切なL2基の例は、Arがアリーレン基である−C(O)CH2−Ar−CH2NHC(O)−;−C(O)−;Hetがヘテロアリーレンである−C(O)−Het−NHNHC(O)−;Arがアリーレン基である−CH2−Ar−CH2−;−C(O)−Het−;および本明細書で開示した他の基を含み、これらに限定されない。本開示の化合物および/または診断薬の特定の実施態様では、該キレート剤はエコー源性物質で満たされた脂質球体または微小気泡を形成することができる界面活性剤である。
本明細書で用いられている用語「補助リガンド(ancillary)」および「コリガンド(co-ligands)」は、試薬のキレート剤と共に放射性核種の配位圏を完成させる機能を果たすリガンドを指す。二元リガンド系を含む放射性医薬品については、該放射性核種配位圏は、1つ以上の試薬由来の1つ以上のキレート剤および1つ以上の補助リガンドまたはコリガンドを含むが、ただし全部で2つの型のリガンドまたはキレート剤があるものとする。例えば、1つの試薬由来の1つのキレート剤および2つの同一の補助リガンドまたはコリガンドを含む放射性医薬品、ならびに1または2つの試薬由来の2つのキレート剤および1つの補助リガンドまたはコリガンドを含む放射性医薬品は、共に二元リガンド系を含むと考えられる。三元リガンド系を含む放射性医薬品については、該放射性核種配位圏は、1つ以上の試薬由来の1つ以上のキレート剤および2つの異なる型の補助リガンドまたはコリガンドの1つ以上を含むが、ただし全部で3つの型のリガンドまたはキレート剤があるものとする。例えば、1つの試薬由来の1つのキレート剤および2つの異なる補助リガンドまたはコリガンドを含む放射性医薬品は、三元リガンド系を含むと考えられる。
放射性医薬品の製造に有用な補助リガンドまたはコリガンド、および該放射性医薬品の製造に有用な診断用キットは、1つ以上の酸素、窒素、炭素、硫黄、リン、ヒ素、セレン、およびテルルドナー原子を含む。リガンドは1つの放射性医薬品の合成における転移リガンドであってよく、かつ、別の放射性医薬品における補助リガンドまたはコリガンドとして機能してもよい。リガンドが転移リガンドと呼ばれるか、または補助リガンドもしくはコリガンドと呼ばれるかは、リガンドが放射性医薬品中の放射性核種配位圏内に残るかどうかに依存するが、これは試薬(reagent or reagents)の放射性核種およびキレート剤の配位化学によって決定される。
本明細書で用いられている用語「診断薬」は、状態、病理学的障害および/または疾患の存在および/または進行を検出、造影および/またはモニターするために用いられてよい化合物を指す。造影剤を含む本発明の全ての化合物は診断薬であると理解されるべきである。例えば、D1およびD2の1つが造影剤である式(I−A)の化合物は、診断薬である。
本明細書で用いられている用語「診断用キット」および「キット」は、診断薬を合成するために臨床または調剤の場において臨床の最終使用者によって用いられる1つ以上のバイアル内の成分の収集物(collection)を指す。該キットは、該診断薬(水または注射用生理食塩水などの、臨床の最終使用者が一般に入手可能なものを除く)を合成し、使用するための全ての必要な成分、例えば造影剤またはその前駆体の溶液、該診断薬の合成中の加熱装置、シリンジおよび遮蔽(必要であれば)、ならびに造影装置などの患者に該診断薬を投与するのに必要な装置などを提供する。
本明細書で用いられている用語「造影部分」は、造影剤を含む分子の部分(a portion or portions)を指す。本明細書で用いられている用語「造影剤」は、状態、病理学的障害、および/または疾患の存在および/または進行の検出、造影、および/またはモニターを可能にする診断薬中の成分または官能基を指す。該造影剤は、共有結合、イオン結合、水素結合、供与結合(例えば、金属イオンと単座または多座リガンドとの間の錯体形成またはキレート化)などの結合を介して該診断薬に結合していてよい。例えば、該造影剤は、該診断薬の単座または多座リガンド(例えば、キレート化部分)への金属イオンのキレート化によって該診断薬に結合した常磁性金属イオンであってよい。該造影部分は、造影剤と親分子部分を結合するリンカー、L3を含んでよい。適切なL3基の例は、直鎖状または分枝鎖状アルキレン基、−C(O)−などを含む。
該造影剤はエコー源性物質(液体または気体のいずれか)、非金属同位元素、光学レポーター、ホウ素中性子吸収体、常磁性金属イオン、強磁性金属、γ線放射性同位元素、陽電子放射性同位元素、またはx線吸収体であってよい。
適切なエコー源性気体は、六フッ化硫黄またはパーフルオロカーボンガス、例えばパーフルオロメタン、パーフルオロエタン、パーフルオロプロパン、パーフルオロブタン、パーフルオロシクロブタン、パーフルオロペンタン、もしくはパーフルオロヘキサンなどを含む。
本明細書で用いられている用語「金属医薬品」は、金属を含む医薬品を意味する。該金属は、診断適用における造影可能シグナルの源であり、かつ、放射線治療適用における細胞毒性放射線の源である。
本明細書で用いられている語句「医薬的に許容される」は、健全な医学的判断の範囲内にあり、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応、もしくは他の問題または合併症なくヒトおよび動物の組織と接触して用いるのに適切であり、適当なベネフィット/リスク比と釣り合った化合物、診断薬、物質、組成物、および/または剤形を指す。
本開示の化合物および/または診断薬は、医薬的に許容される塩として存在してよい。本明細書で用いられている用語「医薬的に許容される塩」は、水または油に溶性または分散性であり、健全な医学的判断の範囲内にあり、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応、もしくは他の問題または合併症なく患者の組織と接触して使用するのに適切であり、適当なベネフィット/リスク比と釣り合っており、かつ、それらの使用目的に効果的な本開示の化合物および/または診断薬の塩または双性イオン型を表す。該塩は化合物および/または診断薬の最終単離および精製の間に製造されてよく、または適切な窒素原子を適切な酸と反応させることによって別々に製造されてよい。代表的な酸付加塩は、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、クエン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、硫酸水素塩、酪酸塩、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩;ジグルコン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メシチレンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフチレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩(3-phenylproprionate)、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、トリクロロ酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、リン酸塩、グルタミン酸塩、炭酸水素塩、パラ−トルエンスルホン酸塩、およびウンデカン酸塩を含む。医薬的に許容される付加塩を形成するのに利用されてよい酸の例は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、およびリン酸などの無機酸、ならびにシュウ酸、マレイン酸、コハク酸およびクエン酸などの有機酸を含む。
塩基性付加塩は、カルボキシ基を金属カチオンの水酸化物、炭酸塩、もしくは炭酸水素塩などの適切な塩基と、またはアンモニアもしくは有機第1級、第2級、もしくは第3級アミンと反応させることによって、化合物および/または診断薬の最終単離および精製の間に製造されてよい。医薬的に許容される塩のカチオンは、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、およびアルミニウム、ならびに無毒性第4級アミンカチオン、例えばアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、エチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、ジシクロヘキシルアミン、プロカイン、ジベンジルアミン、N,N−ジベンジルフェネチルアミン、およびN,N’−ジベンジルエチレンジアミンなどを含む。塩基付加塩の形成に有用な他の代表的な有機アミンは、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、メグルミン、ピペリジン、およびピペラジンを含む。
本明細書で用いられている用語「試薬」は、本開示の診断薬に直接変換することができる本開示の化合物を意味する。試薬は本開示の該診断薬の製造用に直接的に利用されてよく、または本開示のキット中の成分であってよい。
本明細書で用いられている用語「凍結乾燥助剤」は、ガラス転移温度などの凍結乾燥に好ましい物性を有し、かつ、製剤に加えられて凍結乾燥についての製剤の全ての成分の組み合わせの物性を改善する成分を意味する。
本明細書で用いられている語句「安定化助剤」は、金属医薬品または診断用キットに加えられ、金属医薬品を安定化し、またはキットの有効期間を延長する成分を意味する。安定化助剤は抗酸化剤、還元剤またはラジカル消去剤であってよく、他の成分または金属医薬品を分解する化学種と反応することによって安定性の改善を提供しうる。
本明細書で用いられている用語「安定な」は、製造が可能であり、かつ、本明細書で詳述している目的に有用な十分な期間それらの完全性を維持する化合物および/または診断薬を指す。典型的には、本開示の化合物および/または診断薬は、水分を伴わない40℃以下の温度で、または他の化学反応条件で少なくとも1週間安定である。
本明細書で用いられている用語「静菌剤」は、製剤の使用前の貯蔵の間、または診断用キットを用いて診断薬を合成した後に、製剤中での細菌の増殖を阻害する成分を意味する。
本明細書で用いられている用語「担体」は、本開示の化合物および/または診断薬と共に患者に投与されてよく、その活性を破壊せず、かつ、該診断薬および/または化合物の有効量を送達するのに十分な用量にて投与されても無毒であるアジュバントまたはビヒクルを指す。
本発明の化合物および/または診断薬中には、不斉中心が存在する。これらの中心は、キラル炭素原子の周りの置換基の立体配置に依存して、記号「R」または「S」によって示される。特に示さない限り、本発明は、本化合物および/もしくは診断薬の全ての立体化学異性体、またはその混合物を含むと理解されるべきである。化合物および/または診断薬の個々の立体異性体は、キラル中心を含む市販の出発物質から合成によって製造されてよく、または、エナンチオマー生成物の混合物を製造し、次いでジアステレオマーの混合物への変換などにより分離し、次いで分離もしくは再結晶、クロマトグラフィー技術、またはキラルクロマトグラフィーカラムによるエナンチオマーの直接分離によって製造されてよい。特定の立体化学の出発化合物は、市販のもの、または当該技術分野で周知の技術によって合成および分割されたものであってよい。
本明細書に記載されている化合物および薬剤のいずれも、1つ以上の重水素原子を含んでよい。例えば、化合物または薬剤の1つ以上の水素原子は、重水素原子と交換されていてよい。本発明は、本明細書に記載されている化合物/薬剤の他の同位体濃縮された誘導体を包含することが理解されるべきである。
本開示の特定の化合物および/または診断薬は、分離可能であってよい異なった安定なコンフォメーション型にて存在してもよい。ある不斉単結合の周りの制限された回転によるねじれ不斉、例えば立体障害または環ひずみによるねじれ不斉は、異なったコンフォーマーの分離を可能にしうる。本開示は、これらの化合物および/または診断薬の各コンフォメーション異性体ならびにその混合物を含む。
いずれかの可変成分がいずれかの置換基またはいずれかの式にて2回以上出現する場合、各出現についてのその定義は全ての他の出現でのその定義から独立している。それゆえ、例えば、ある基が0〜2個のR23で置換されていると示されている場合、該基は最大2個のR23で任意に置換されていてよく、かつ、各出現でのR23は可能なR23の定義リストから独立して選択される。また、例として、−N(R24)2の基については、窒素上の2個のR24置換基の各々は、可能なR24の定義リストから独立して選択される。置換基および/または可変成分の組み合わせは、該組み合わせが安定な化合物および/または診断薬をもたらす場合にのみ許容される。ある置換基との結合が環内で2個の原子を結ぶ結合と交差して示されている場合、該置換基は環上のいずれかの原子に結合していてよい。
造影剤が放射性同位元素である場合、化合物は、該放射性同位元素を安定化することができる第1の補助リガンドおよび第2の補助リガンドをさらに含んでよい。多数のリガンドが補助リガンドまたはコリガンドとしての機能を果たしうるが、その選択は放射性医薬品の合成の容易性、該補助リガンドの化学的および物理的性質、形成速度、収率、および得られた放射性医薬品の異性体の数、患者への有害な生理学的影響なく該患者へ該補助リガンドまたはコリガンドを投与する能力、ならびに凍結乾燥キット製剤中の該リガンドの適合性などのさまざまな考察によって決定される。該補助リガンドの電荷および親油性は、該放射性医薬品の電荷および親油性に影響するであろう。例えば、生理的条件下でスルホン酸基がアニオン性であるため、4,5−ジヒドロキシ−1,3−ベンゼンジスルホン酸塩の使用は、さらに2個のアニオン基を有する放射性医薬品をもたらす。N−アルキル置換3,4−ヒドロキシピリジノンの使用は、アルキル置換基のサイズに依存するさまざまな程度の親油性を有する放射性医薬品をもたらす。
本開示の化合物および/または診断薬は、溶液中、医薬組成物中およびインビボでさまざまなコンフォメーションおよびイオン型をとりうることも理解されるべきである。本開示の具体的な化合物および/または診断薬の本明細書における表現は、特定のコンフォメーションおよびイオン型について述べたものであるが、それらの化合物および/または診断薬の他のコンフォメーションおよびイオン型がそれらの表現に想定され、かつ、含まれる。
本開示の医薬組成物中に用いられてよい医薬的に許容される担体、アジュバントおよびビヒクルは、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、ヒト血清アルブミンなどの血清タンパク質、リン酸塩などの緩衝物質、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、TRIS(トリス(ヒドロキシメチル)アミノ−メタン)、飽和植物脂肪酸の部分的グリセリド混合物、水、塩または電解質、例えば硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロースベース物質、ポリエチレングリコール、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックポリマー、ポリエチレングリコールおよび羊毛脂を含み、これらに限定されない。
本開示では、医薬組成物は無菌注射製剤、例えば無菌注射水溶液または油性懸濁液の形態にあってよい。この懸濁液は、適切な分散剤または湿潤剤および懸濁剤を用いた当該技術分野で周知の技術に従って製剤化されてよい。該無菌注射製剤は、無毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒中の無菌注射溶液または懸濁液、例えば1,3−ブタンジオール中の溶液であってもよい。利用されてよい許容されるビヒクルおよび溶媒の中には、水、リンガー溶液および等張性塩化ナトリウム溶液がある。さらに、溶媒または懸濁化剤として、無菌の固定油が通常利用される。このために、合成モノ−またはジグリセリドを含むいずれかの無害な固定油が利用されてよい。天然の医薬的に許容される油、例えばオリーブ油またはヒマシ油など、特にそれらのポリオキシエチル化型にあるため、オレイン酸などの脂肪酸、およびそのグリセリド誘導体は注射剤の製造に有用である。これらの油溶液または懸濁液は、長鎖アルコール希釈剤または分散剤も含んでよい。
一部の例では、注射の用量および速度に依存して、血漿タンパク質上の結合部位はプロドラッグおよび活性化剤で飽和していてよい。これは、タンパク質結合剤の割合の減少をもたらし、かつ、その半減期または耐用性、および薬剤の有効性を損ないうる。このような状況において、無菌アルブミンまたは血漿置換液と共にプロドラッグ剤を注射することが望ましい。あるいは、造影剤を含む装置/シリンジを用い、シリンジ内に吸い上げた血液と混合し;これを患者に再注射してよい。
本開示の化合物、診断薬および医薬組成物は、通常の無毒性の医薬的に許容される担体、アジュバントおよびビヒクルを含む投与製剤にて、経口的に、非経口的に、吸入スプレーによって、局所的に、直腸的に、経鼻的に、頬側に、経膣的にまたは埋め込みリザーバーを介して投与されてよい。本明細書で用いられている用語「非経口」は、皮下、静脈内、筋肉内、関節内、滑膜内、胸骨内、くも膜下腔内、肝内、病巣内および頭蓋内注射または注入技術を含む。
経口的に投与される場合、本開示の医薬組成物はカプセル剤、錠剤、水溶性懸濁液または水溶液を含み、これらに限定されないいずれかの経口的に許容される剤形にて投与されてよい。経口使用のための錠剤の場合、通常用いられる担体はラクトースおよびコーンスターチを含む。ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤も、典型的には加えられる。カプセル形態での経口投与用に有用な希釈剤は、ラクトースおよび乾燥コーンスターチを含む。水溶性懸濁液が経口使用に必要である場合、活性成分は乳化剤および懸濁剤と組み合わせられる。必要であれば、特定の甘味剤、香味剤または着色剤も加えられてよい。
あるいは、直腸投与用の坐剤の形態にて投与される場合、本開示の医薬組成物は、薬剤を、室温で固体であるが、直腸温度で液体であり、それゆえ直腸内で融解して薬物を放出する適切な刺激性のない賦形剤と混合することによって製造されてよい。該物質はココアバター、蜜蝋およびポリエチレングリコールを含む。
前述のように、特に治療の標的が、眼、皮膚、または下部腸管を含む局所適用によって容易に到達できる部位または器官を含む場合、本開示の医薬組成物は局所的に投与されてもよい。適切な局所製剤は、これらの部位または器官の各々について容易に製造される。
局所適用のために、医薬組成物は1つ以上の担体に懸濁または溶解された有効成分を含む適切な軟膏剤に製剤化されてよい。本開示の化合物および/または診断薬の局所投与用の担体は、鉱油、流動ワセリン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン化合物、乳化ワックスおよび水を含み、これらに限定されない。あるいは、医薬組成物は、1つ以上の医薬的に許容される担体に懸濁または溶解された有効成分を含む適切なローション剤またはクリーム剤に製剤化されてよい。適切な担体は、鉱油、モノステアリン酸ソルビタン、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セテアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、ベンジルアルコールおよび水を含み、これらに限定されない。
眼使用のために、医薬組成物は、等張性のpH調整無菌生理食塩水中の微粒子化懸濁液として、または、典型的には、等張性のpH調整無菌生理食塩水中の溶液として、塩化ベンジルアルコニウムなどの防腐剤を含み、または含まずに製剤化されてよい。あるいは、眼使用のために、医薬組成物は、ワセリンなどの軟膏剤に製剤化されてよい。
経鼻エアロゾルまたは吸入による投与用に、本開示の医薬組成物は、医薬製剤の技術分野で周知の技術に従って製造され、ベンジルアルコールもしくは他の適切な防腐剤、バイオアベイラビリティを増強する吸収促進剤、フッ化炭素、および/または他の通常の可溶化剤または分散剤を利用した生理食塩水中の溶液として製造されてよい。
単一剤形を製造するための担体物質と組み合わせてよい活性成分の量は、治療される対象(host)および特定の投与様式に依存して変化するであろう。典型的な製剤は、約5%〜約95%の活性化合物(w/w)を含むであろう。典型的には、該製剤は、約20%〜約80%の活性化合物を含む。
静脈内および他の投与型については、許容される用量範囲は約0.001〜約1.0mmol/kg体重の範囲内にあり、活性成分化合物の典型的な用量は約0.001〜約0.5mmol/kg体重の範囲内にある。さらに典型的には、約0.01〜約0.1mmol/kg、および活性成分化合物の最も典型的な用量は約0.0001〜約0.05mmol/kgである。
当業者であれば理解できることであるが、上記の用量よりも低いまたは高い用量が必要とされてよい。いずれかの特定の患者のための特定の投与計画は、利用される具体的な化合物の活性、年齢、体重、一般的健康状態、性別、食事、投与期間、排出速度、薬物組み合わせ、および治療に当たる医師の判断を含むさまざまな要因に依存するであろう。
診断薬およびそのキットの製造に有用な緩衝液は、リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液、スルホサリチル酸緩衝液、および酢酸緩衝液を含み、これらに限定されない。より完全なリストは、米国薬局方(United States Pharmacopeia)に見出しうる。
診断薬およびそのキットの製造に有用な凍結乾燥助剤は、マンニトール、ラクトース、ソルビトール、デキストラン、フィコール、およびポリビニルピロリジン(PVP)を含み、これらに限定されない。
診断薬およびそのキットの製造に有用な安定化助剤は、アスコルビン酸、システイン、モノチオグリセロール、亜硫酸水素ナトリウム、メタ亜硫酸水素ナトリウム、ゲンチシン酸、およびイノシトールを含み、これらに限定されない。
診断薬およびそのキットの製造に有用な可溶化助剤は、エタノール、グリセリン、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、ポリソルベート、ポリ(オキシエチレン)ポリ(オキシプロピレン)ポリ(オキシエチレン)ブロックコポリマー(プルロニック(Pluronics))およびレシチンを含み、これらに限定されない。典型的な可溶化助剤は、ポリエチレングリコール、およびプルロニック(Pluronics)コポリマーである。
診断薬およびそのキットの製造に有用な静菌剤は、ベンジルアルコール、塩化ベンザルコニウム、クロルブタノール、およびメチル、プロピルまたはブチルパラベンを含み、これらに限定されない。
診断用キット中の成分は、2つ以上の機能も果たしうる。還元剤は安定化助剤としての機能も果たし得、緩衝液は転移リガンドとしての機能も果たし得、凍結乾燥助剤は転移リガンド、補助リガンドまたはコリガンドなどとしての機能も果たしうる。
製剤中の各成分の所定量はさまざまな考察によって決定され、ある場合には該成分に対して特異的な考察によって決定され、他の場合には別の成分の量または任意の成分の存在および量に依存した考察によって決定される。一般に、製剤の所望の効果を与えるであろう各成分の最小量が用いられる。該製剤の所望の効果は、臨床の最終使用者が該診断薬を合成することができ、かつ、該診断薬を安全に患者に注射しうる高度の確実性を有し、かつ、該患者の病状についての診断情報を提供することである。
本開示の診断用キットは、臨床の最終使用者が該診断薬の合成を理解するための書面での指示も含んでよい。これらの指示は、1つ以上のバイアル(vial or vials)をまとめて発送するための容器に貼り付けられてよく、または、いわゆる添付文書を折り込みとして入れてよい。
磁気共鳴造影剤として使用するためのX線造影剤、超音波造影剤および金属医薬品は、典型的には1つのバイアル中に含まれる製剤中のそれらの最終形態にて、凍結乾燥固体または水溶液として最終使用者に提供される。該最終使用者は、水または生理食塩水で凍結乾燥固体を再構成し、患者線量を消し、または提供された水溶液製剤からの線量を単純に消す。
これらの診断薬は、γシンチグラフィー、ポジトロン放出断層撮影、MRI、超音波またはx線造影の増強用であるかどうかを問わず有用であり、とりわけ、長時間にわたる心血管疾患の変化を検出およびモニターするのに有用である。
本明細書に記載した化合物および診断薬を合成する方法も提供される。一部の例では、該方法は、本明細書に記載した化合物および/または中間体を反応させ、本発明の化合物および/または診断薬を製造することを含んでよい。例えば、該方法は、化合物を造影剤と反応させ、本明細書に記載した診断薬を形成することを含んでよい。別の例では、該方法は、中間体分子を反応させ、本発明の化合物を製造することを含んでよい。一部の例では、該中間体分子は、ヒドロキシルアミン誘導体、ヒドロキサム酸、ヒドロキサム酸エステル、およびアミンなどを含む化合物であってよい。他の中間体分子は、実施例を含む本明細書に記載している。該方法は、例えば、クロマトグラフィー(例えば、カラムクロマトグラフィー、HPLC)、結晶化、濾過、溶媒抽出などによって化合物および/または診断薬を単離および/または精製することをさらに含んでよい。該方法は、質量分析、NMRなどによる化合物および/または診断薬の特徴づけも含んでよい。
本開示の化合物および/または診断薬は、本明細書に記載した手順に従って製造されうる。一部の例では、化合物および/または診断薬は、ヒドロキシルアミン誘導体をカルボン酸、ハロゲン化アシル、エステルなどのカルボニル基とカップリングし、ヒドロキサム酸エステルを形成することによって合成されてよい。例えば、スキーム1は、カルボン酸部分とヒドロキシルアミン誘導体(例えば、H2NOR4)との縮合でヒドロキサム酸エステルを形成することを示す。一部の例では、該ヒドロキシルアミン誘導体は、キレート剤部分で置換されていてよい。
いくつかの実施態様では、化合物および/または診断薬はヒドロキシルアミンをカルボニル基とカップリングし、ヒドロキサム酸を形成することによって合成されてよく、該ヒドロキサム酸は、例えばキレート剤部分でさらに置換されていてよい。スキーム2に示すように、カルボン酸エステル部分とヒドロキシルアミンとの反応によりヒドロキサム酸を形成し、次いで該ヒドロキサム酸は、脱離基を含む化学種、すなわち、Y−R4によって酸素の位置で置換されるが、ここでYは脱離基であり、R4はキレート剤部分を含む。
いくつかの場合には、キレート剤部分は、国際公開第WO2003/011115号(その内容はその全体において参照することによって本明細書に援用される)に記載されている方法および化合物を用いて本明細書に記載されている化合物および診断薬にカップリングされていてよい。
本明細書に記載した化合物および診断薬は、炭素−炭素結合、炭素−ヘテロ原子結合などを形成する当該技術分野で周知のさまざまな方法を用いても合成されうる。例えば、化合物および診断薬の部分は、アミノ、エーテル、チオエーテル、エステル、チオエステル、アミド、チオ尿素、または他の結合を介して互いに結合していてよい。一部の例では、キレート剤部分はアミド結合を介して化合物または診断薬と結合していてよい。
当業者であれば、特定の結合を有する化合物または診断薬を合成する適切な方法を選択することができるであろう。例えば、アミノ酸またはペプチドをカップリングする方法は、下記で詳述するように、本発明の文脈にて化合物または診断薬の部分の間のアミド結合を形成するために用いられてよい。一部の例では、アルコールまたはチオールのアルキル化が、それぞれエーテルまたはチオエーテルを形成するために用いられてよい。例えば、チオールと脱離基(例えば、ハロ、トシル、メシルなど)を含むアルキル化学種との反応は、チオエーテルとアルキル基の間の結合、すなわち、チオエーテルの形成をもたらしうる。いくつかの実施態様では、化合物または診断薬はチオ尿素結合を含んでよいが、該結合は、アミン部分とイソチオシアネート部分の間のアシル化反応を含む当該技術分野で周知のさまざまな方法を用いて形成されうる。
一部の例では、ジエチルアゾジカルボキシレート(DEAD)の存在下、求核試薬(例えば、酸性求核試薬)と第1級または第2級アルコールとの反応による光延反応を利用して、エステル、フェニルエーテル、チオエーテルなどを含む広範な結合を形成してよい。当業者であれば、特定の適用における使用に適切な求核試薬を選択することができるであろう。例えば、光延条件下でのアルコールとフェノールの反応はアリールエーテルを製造し得、一方、光延条件下でのアルコールとカルボン酸またはチオールの反応は、それぞれエステルまたはチオエステルを製造しうる。
本明細書に記載した化合物および診断薬は、ホスホン酸エステル結合も含んでよい。いくつかの実施態様では、ホスホン酸エステルは、例えば、DEADまたはジシクロカルボジイミド(DCC)の存在下、ホスホン酸とアルコールのカップリングによって合成されてよい。ホスホン酸エステルを合成するさらなる方法は、例えば、「Savignac, P. et al., Modern Phosphonate Chemistry, CRC Press: New York, 2003」に記載されているが、その内容は参照することによって本明細書に援用される。
本明細書に記載した化合物または診断薬を合成するために、炭素−炭素結合を形成するオレフィンメタセシスなどの他の方法が用いられてよい。本明細書で用いられている「メタセシス」または「オレフィンメタセシス」は、当該技術分野における通常の意味で用いられており、2つの反応化学種が遷移金属触媒の存在下、スキーム3に示す式に従ってパートナーを交換し、2つの反応化学種の間で炭素−炭素二重結合を形成し、副生成物としてエチレンを形成する化学反応を指す。異なる種類のメタセシス反応の例は、交差メタセシス、閉環メタセシス、開環メタセシス、非環式ジエンメタセシス、アルキンメタセシス、エニンメタセシスなどを含む。典型的には、メタセシス反応は、ルテニウム、モリブデン、またはタングステンを含んでよいメタセシス触媒(例えば、Grubbs第1世代触媒、Grubbs第2世代触媒、Schrock触媒)の存在下行われる。
化合物および診断薬の合成に、金属触媒クロスカップリング反応も用いられてよい。例えば、金属触媒の存在下、ハロゲン化アリールをさまざまな化学種と反応させ、ビアリールエーテル、アセチレン、アルケニルアリール(例えば、スチレンおよびスチレン誘導体)、アレーンなどを含む結合を形成してよい。本発明の文脈における使用に適切なクロスカップリング反応の例は、ウルマン、薗頭/カストロ−ステファンズ、ヘック、スティル、鈴木、および他の関連反応を含む。当業者であれば、特定の所望の化合物または診断薬を合成するための適切な反応物、触媒、および反応条件を選択することができるであろう。
本明細書に記載した化合物および診断薬を合成するために、付加環化化学も用いられてよい。例えば、「クリック」化学が利用されてよく、アジド含有化学種とアルキン含有化学種の間の[3+2]付加環化が、2つの化学種の間でトリアゾール結合を形成しうる。該反応は穏和な条件下で行われてよく、広範な官能基に対する高い耐性を有しうる。
一部の例では、化合物または診断薬は、さまざまな既知の方法を用いて合成されてよいペプチド、ポリペプチド、および/またはペプチド模倣薬を含んでよい。一般的に、ペプチド、ポリペプチドおよびペプチド模倣薬は、記載した方法を用いて、C末残基のα−アミンを脱保護し、次の適切に保護されたアミノ酸を、ペプチド結合を通じてカップリングすることによって伸長される。この脱保護およびカップリング手順は、所望の配列が得られるまで繰り返される。このカップリングは、構成物質アミノ酸の段階的縮合、もしくは断片(2〜数アミノ酸)の縮合、もしくは両プロセスの組み合わせ、または「J. Am. Chem. Soc., 1963, 85, 2149-2154」に最初に記載された方法に従った固相ペプチド合成によって行われてよい。
該ペプチド、ポリペプチドおよびペプチド模倣薬は、自動合成装置を用いることによっても合成されうる。上記に加えて、ペプチド、ポリペプチドおよびペプチド模倣薬合成の手順は、「Stewart and Young, Solid Phase Peptide Synthesis, 2nd Ed., Pierce Chemical Co., Rockford, IL (1984)」; 「Gross, Meienhofer, Udenfriend, Eds., The Peptides: Analysis, Synthesis, Biology, Vol. 1, 2, 3, 5, and 9, Academic Press, New York, (1980-1987)」; 「Bodanszky, Peptide Chemistry: A Practical Textbook, Springer-Verlag, New York (1988)」; および「Bodanszky et al., The Practice of Peptide Synthesis, Springer-Verlag, New York (1984)」に記載されている。
2つのアミノ酸誘導体のカップリング、アミノ酸とペプチド、ポリペプチドもしくはペプチド模倣薬のカップリング、2つのペプチド、ポリペプチドもしくはペプチド模倣薬断片のカップリング、またはペプチド、ポリペプチドもしくはペプチド模倣薬の環化は、アジド法、混合無水炭酸(クロロギ酸イソブチル)法、カルボジイミド(ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、または水溶性カルボジイミド)法、活性エステル(p−ニトロフェニルエステル、N−ヒドロキシコハク酸イミドエステル)法、ウッドワード試薬K法、カルボニルジイミダゾール法、BOP−Clなどのリン試薬、または酸化還元法などの標準的なカップリング手順を用いて行われてよい。これらの方法のいくつか(特にカルボジイミド)は、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールまたは1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾールの付加によって増強されうる。これらのカップリング反応は、溶液(液相)中、またはポリスチレンもしくは適切な樹脂などの固相上で行われてよい(下記参照)。
構成物質アミノ酸またはアミノ酸模倣薬の官能基は、所望でない結合が形成されるのを回避するために、典型的にはカップリング反応の間保護される。用いられてよい保護基は、「Greene, Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley & Sons, New Jersey (2007)」および「The Peptides: Analysis, Synthesis, Biology, Vol. 3, Academic Press, New York (1981)」に記載されている。
固相の場合、C末アミノ酸は不溶性担体(通常ポリスチレン)と結合している。これらの不溶性担体は、カルボキシル基と反応する基であって、伸長条件に対して安定であるが、後で容易に切断される結合を形成する基を含む。例として下記を含む:オキシム樹脂(DeGrado and Kaiser (1980) J. Org. Chem. 45, 1295-1300)クロロまたはブロモメチル樹脂、ヒドロキシメチル樹脂、およびアミノメチル樹脂。これらの樹脂の多くは、所望のC末アミノ酸が既に取り込まれた状態で市販されている。
各アミノ酸のα−アミノ基は、例えばα−アミノ保護基によって典型的には保護されている。当該技術分野で周知のいずれかの保護基が用いられてよい。これらの例は下記の通りである:
(1)ホルミル、トリフルオロアセチル、フタリル、およびp−トルエンスルホニルなどのアシル型;
(2)ベンジルオキシカルボニル(Cbz)および置換ベンジルオキシカルボニル、1−(p−ビフェニル)−1−メチルエトキシカルボニル、ならびに9−フルオレニル−メチルオキシカルボニル(Fmoc)などの芳香族カルバメート型;
(3)tert−ブチルオキシカルボニル(Boc)、エトキシカルボニル、ジイソプロピルメトキシカルボニル、およびアリルオキシカルボニルなどの脂肪族カルバメート型;
(4)シクロペンチルオキシカルボニルおよびアダマンチルオキシカルボニルなどの環状アルキルカルバメート型;
(5)トリフェニルメチルおよびベンジルなどのアルキル型;
(6)トリメチルシランなどのトリアルキルシラン;ならびに、
(7)フェニルチオカルボニルおよびジチアスクシノイルなどのチオール含有型。
典型的なα−アミノ保護基は、BocまたはFmocのいずれかである。ペプチド合成用に適切に保護された多くのアミノ酸またはアミノ酸模倣薬誘導体は、市販されている。
α−アミノ保護基は、次のアミノ酸のカップリングより前に切断される。Boc基が用いられた場合、最適な方法はトリフルオロ酢酸の原液もしくはトリフルオロ酢酸を溶解したジクロロメタン溶液、またはHClを溶解したジオキサン溶液である。次いで、得られたアンモニウム塩は、カップリングより前またはインサイツで、水溶性緩衝液または第3級アミンを溶解したジクロロメタンもしくはジメチルホルムアミド溶液などの塩基性溶液によって中和される。Fmoc基が用いられた場合、最適な試薬はピペリジンまたは置換ピペリジンを溶解したジメチルホルムアミド溶液であるが、いずれかの第2級アミンまたは塩基性水溶液が用いられてよい。脱保護は0℃〜室温の温度で行われる。
側鎖官能性を有するアミノ酸またはアミノ酸模倣薬は、ペプチドの製造中、上記の基のいずれかを用いて典型的には保護される。当業者であれば、これらの側鎖官能性に適切な保護基の選択および使用が、アミノ酸またはアミノ酸模倣薬、およびペプチド、ポリペプチドまたはペプチド模倣薬中の他の保護基の存在に依存するであろうことは認識できるであろう。該保護基はα−アミノ基の脱保護およびカップリングの間に除去されてはならない点で、該保護基の選択は重要である。
例えば、Bocがα−アミン保護用に選択された場合、下記の保護基が許容される:アルギニン用に、p−トルエンスルホニル(トシル)基およびニトロ;リジン用に、ベンジルオキシカルボニル、置換ベンジルオキシカルボニル、トシルまたはトリフルオロアセチル;グルタミン酸およびアスパラギン酸用に、ベンジルまたはシクロペンチルなどのアルキルエステル;セリンおよびスレオニン用に、ベンジルエーテル;チロシン用に、ベンジルエーテル、置換ベンジルエーテルまたは2−ブロモベンジルオキシカルボニル;システイン用に、p−メチルベンジル、p−メトキシベンジル、アセトアミドメチル、ベンジル、またはtert−ブチルスルホニル;ならびに、トリプトファンのインドールは、保護されないまま、またはホルミル基で保護されてよい。
Fmocがα−アミン保護用に選択された場合、通常はtert−ブチルベースの保護基が許容される。例えば、リジン用にBoc、セリン、スレオニンおよびチロシン用にtert−ブチルエーテル、ならびにグルタミン酸およびアスパラギン酸用にtert−ブチルエステルが用いられてよい。
ペプチド、ポリペプチドもしくはペプチド模倣薬の伸長、または環状ペプチドもしくはペプチド模倣薬の伸長および環化が完了した時点で、全ての保護基が除去される。液相合成については、保護基の選択によって示されたどのような様式によっても保護基は除去される。これらの手順は当業者に周知である。
環状ペプチドまたはペプチド模倣薬を合成するために固相合成が用いられた場合、環化プロセスを妨げうる官能基から保護基を同時に除去することなく、ペプチドまたはペプチド模倣薬は樹脂から除去されなければならない。それゆえ、ペプチドまたはペプチド模倣薬が溶液中で環化された場合、他の保護基を同時に除去することなく遊離α−カルボキシレートおよび遊離α−アミノ基が生じるように開裂条件が選択される必要がある。あるいは、ペプチドまたはペプチド模倣薬は、ヒドラジン分解によって樹脂から除去されてよく、次いでアジド法によってカップリングされてよい。別の非常に便利な方法は、オキシム樹脂上でペプチドまたはペプチド模倣薬を合成し、次いで樹脂から分子内求核置換し、環状ペプチドまたはペプチド模倣薬を生じる方法を含む(Tetrahedron Letters, 1990, 43, 6121-6124)。オキシム樹脂を利用した場合、Boc保護スキームが一般的に選択される。次いで、側鎖保護基を除去する典型的な方法は、一般的に0℃でジメチルスルフィド、アニソール、チオアニソール、またはp−クレゾールなどの添加剤を含む無水HFでの処理を含む。ペプチドまたはペプチド模倣薬の開裂は、トリフルオロメタンスルホン酸/トリフルオロ酢酸混合物などの他の酸試薬によっても達成されうる。
本開示にて用いられる異常アミノ酸は、当業者によく知られている標準的な方法によって合成されてよい(The Peptides: Analysis, Synthesis, Biology, Vol. 5, pp. 342-449, Academic Press, New York (1981))。N−アルキルアミノ酸は、以前に記載された手順を用いて製造されてよい(Cheung et al., Can. J. Chem., 1977, 55, 906; Freidinger et al., J. Org. Chem., 1982, 48, 77)。
銅およびガリウム同位元素用のキレート剤は、ジアミンジチオール、モノアミン−モノアミドジチオール、トリアミド−モノチオール、モノアミン−ジアミド−モノチオール、ジアミンジオキシム、およびヒドラジンから選択される。キレート剤は一般的に四座であり、ドナー原子は窒素、酸素、および硫黄から選択される。チオール硫黄原子およびヒドラジンは保護基を有してよく、該保護基は放射性医薬品を合成する試薬を用いるより前に、またはより多くは放射性医薬品の合成中にインサイツで置き換えられてよい。
例となるチオール保護基は、「Greene and Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley & Sons, New Jersey (2007)」に記載されている保護基を含む。当該技術分野で周知のいずれかのチオール保護基が用いられてよい。チオール保護基の例は、下記を含み、これらに限定されない:アセトアミドメチル、ベンズアミドメチル、1−エトキシエチル、ベンゾイル、およびトリフェニルメチル。
金属イオンの配位圏は、該金属に結合した全てのリガンドまたは基を含む。遷移金属錯体が安定であるためには、典型的には4以上かつ8以下の整数からなる配位数(ドナー原子の数)を有する;すなわち、4〜8個の原子が金属に結合しており、完全な配位圏を有するといわれる。ランタニド系列またはアクチニド系列の金属錯体については、金属は典型的には、4以上かつ10以下の整数からなる配位数(ドナー原子の数)を有する;すなわち、4〜10個の原子が金属に結合しており、完全な配位圏を有するといわれる。安定な金属医薬品錯体に必要な配位数は、成分の同一性、その酸化状態、およびドナー原子の型によって決定される。金属の配位圏を完成することによって金属錯体を安定化するために必要な原子の全てをキレート剤が提供しない場合、該配位圏は、補助リガンドまたはコリガンドと呼ばれる他のリガンドからのドナー原子によって完成するが、該リガンドも末端またはキレート化のいずれかであってよい。
補助二酸素リガンドは、少なくとも2個の酸素ドナー原子を通じて金属イオンに配位するリガンドを含む。その例は下記を含み、これらに限定されない:グルコヘプトン酸塩、グルコン酸塩、2−ヒドロキシイソ酪酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、マンニトール、グルカル酸塩、マルトール、コウジ酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、4,5−ジヒドロキシ−1,3−ベンゼンジスルホン酸塩、または置換もしくは非置換1,2−もしくは3,4−ヒドロキシピリジノン。(これらの例におけるリガンドの名称は、リガンドのプロトン化または非プロトン化型のいずれかを指す。)
官能化アミノカルボキシレートは、アミン窒素および酸素ドナー原子の組み合わせを有するリガンドを含む。その例は下記を含み、これらに限定されない:イミノ二酢酸、2,3−ジアミノプロピオン酸、ニトリロ三酢酸、N,N’−エチレンジアミン二酢酸、N,N,N’−エチレンジアミン三酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、およびN,N’−エチレンジアミンビス−ヒドロキシフェニルグリシン。(これらの例におけるリガンドの名称は、リガンドのプロトン化または非プロトン化型のいずれかを指す。)
磁気共鳴造影剤用のキレート剤は、Gd(III)、Dy(III)、Fe(III)、およびMn(II)などの常磁性金属イオンと安定な錯体を形成するように選択され、DTPA、DOTA、DO3A、2−ベンジル−DOTA、α−(2−フェネチル)1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1−アセティック−4,7,10−トリス(メチル酢)酸、2−ベンジル−シクロヘキシルジエチレントリアミン五酢酸、2−ベンジル−6−メチル−DTPA、および6,6”−ビス[N,N,N”,N”−テトラ(カルボキシメチル)アミノメチル)−4’−(3−アミノ−4−メトキシフェニル)−2,2’:6’,2”−ターピリジンなどの環状および非環状ポリアミノカルボキシレートから選択される。
上記のように、患者を治療する方法が提供される。該方法は、本明細書に記載した化合物または診断薬の該患者への投与、および診断用造影技術によって該患者内における該診断薬の集中部位の画像を得ることを含んでよい。該治療は、動脈壁、子宮、肺、皮膚、および/または靱帯の中に位置するエラスチンに富む組織を含む該患者のエラスチンに富む組織を検出、造影、および/またはモニターすることを含んでよい。一部の例では、該治療は、該患者の冠動脈プラーク、頸動脈プラーク、腸骨/大腿動脈プラーク(iliac/femoral plaque)、大動脈プラーク、腎動脈プラーク、いずれかの動脈血管のプラーク、動脈瘤、血管炎、動脈壁の他の疾患、および/または靱帯、子宮、肺もしくは皮膚における損傷もしくは構造変化の存在および/または量を検出、造影、および/またはモニターすることを含む。
心臓の血液プールは造影したい病巣と比較して大きいため、血液からのクリアランスの速度は、心臓の造影手順に特に重要である。効果的な動脈壁造影剤については、バックグラウンドに対する標的の比(血液に対する病巣、および筋肉に対する病巣)は、典型的には約1.5以上、典型的には約2.0以上、およびより典型的にはさらに大きい。本開示の特定の医薬品は、マウスモデルで測定した場合に、注射後1時間で約5%i.d./g未満をもたらす血液クリアランス速度を有する。1つの実施態様では、本開示の診断薬は、マウスモデルで測定した場合に、注射後1時間で約2%i.d./g未満をもたらす血液クリアランス速度を有する。
本開示のインジウム、銅、ガリウム、およびイットリウム診断薬は、放射性核種の塩および本開示の試薬を、温度約0℃〜約100℃で水溶液中にて混合することによって容易に製造されうる。これらの放射性核種は、典型的には塩酸、硝酸または硫酸などの鉱酸に溶解した希釈水溶液として得られる。放射性核種は、水溶液に溶解した1〜約1000当量の本開示の試薬と組み合わせられる。緩衝液は、典型的には、反応混合物のpHを約3〜約10に維持するために用いられる。
本開示のガドリニウム、ジスプロシウム、鉄およびマンガン診断薬は、常磁性金属イオンの塩および本開示の試薬を温度約0℃〜約100℃で水溶液中にて混合することによって容易に製造されうる。これらの常磁性金属イオンは、典型的にはそれらの酸化物塩、塩化物塩または硝酸塩として市販の供給源から得られる。常磁性金属イオンは、水溶液に溶解した1〜約1000当量の本開示の試薬と組み合わせられる。緩衝液は、典型的には、反応混合物のpHを約3〜約10に維持するために用いられる。
製造の総時間は、金属イオンの同一性、反応物の同一性および量、ならびに製造に用いられる手順に依存して変動するであろう。製造が完了し、収率約80%を超える放射性医薬品が得られうるのに、約1分またはさらに多くの時間を要してよい。より高純度の金属医薬品が必要または所望の場合、生成物は液体クロマトグラフィー、固相抽出、溶媒抽出、透析または限外濾過などの当業者に周知の多数の技術のいずれかによって精製されてよい。
診断用放射性医薬品は、静脈内注射によって投与され、通常、生理食塩水中、体重70kg当たり約1〜約100mCiの用量で、または典型的には約5〜約50mCiの用量で投与される。造影は、既知の手順を用いて行われる。
磁気共鳴造影成分を含む本開示の診断薬は、US−A−5,155,215;US−A−5,087,440;「Magn. Reson. Med., 1986, 3, 808」;「Radiology, 1988, 166, 835」;および「Radiology, 1988, 166, 693」に記載された他のMRI剤と類似の様式で用いられてよい。一般的に、造影剤の無菌水溶液は、約0.01〜約1.0mmol/kg体重の範囲の投与量にて患者に静脈内投与される。
X線造影剤として使用するために、本開示の診断薬は一般的に、濃度約1mM〜約5M、典型的には約0.1M〜約2Mの重原子を含まなければならない。静脈内注射によって投与される用量は、典型的には約0.5mmol/kg〜1.5mmol/kg、典型的には約0.8mmol/kg〜1.2mmol/kgの範囲であろう。造影は、既知の技術、典型的にはX線コンピュータ断層撮影を用いて行われてよい。
超音波造影成分を含む本開示の診断薬は、約10〜約30μL/kg体重の量のエコー源性ガスにて静脈内注射によって投与され、または約3μL/kg/分の速度で注入によって投与される。造影は、超音波検査の既知の技術を用いて行われてよい。
本開示の他の特徴は、下記の例となる実施態様の説明の過程で明らかになるであろうが、該実施態様は本開示の説明のために提供されており、それを限定する意図はない。本開示はここで、下記の具体的かつ非限定的実施例を参照することによって説明されるであろう。有機合成の当業者であれば、開示した化合物および/または診断薬についてさらに他の合成経路を認識しうるであろう。本明細書で用いられる試薬および中間体は、特に明記しない限り、市販されているか、または標準的な文献手順に従って製造される。
本開示は、合成プロセスによって製造され、またはヒトもしくは動物の体内(インビボ)で起こり、もしくはインビトロで起こるプロセスを含む代謝プロセスによって製造される場合、式(I)を有する化合物を含むことを意図している。例えば、Aが第1のD−アミノ酸残基および第2のD−アミノ酸からなるペプチドである本開示の化合物は、より大きな配列(例えば、3個のアミノ酸および1個のD−アミノ酸残基からなるペプチド)の開裂によって合成的またはインビボで生じてよい。
実施例1
2−{[2−({[N−({4−[((2R)−2−アミノ−4−フェニルブタノイルアミノオキシ)メチル]フェニル}メチル)カルバモイル]メチル}{2−[ビス(カルボキシメチル)アミノ]エチル}アミノ)エチル](カルボキシメチル)アミノ}酢酸、トリフルオロ酢酸塩
パートA−N−(1−(N−ヒドロキシカルバモイル)(1R)−3−フェニルプロピル)(tert−ブトキシ)−カルボキサミドの製造
Boc−DHfe−OH(1.40g、5.00mmol)を溶解した4:1のCH2Cl2/MeOH(25.0mL)の溶液を、(トリメチルシリル)ジアゾメタン(6.00mmol;Et2Oに溶解した2.0M溶液3.00mL)によって、22℃で0.25時間以上にわたって滴下様式で処理した。注意:激しいガス発生。得られた黄色溶液をさらに0.25時間攪拌し、完全なメチル化を確実にした(Rf=0.7、1:1のEtOAc/ヘキサン中)。過剰な(トリメチルシリル)ジアゾメタンを氷AcOHの滴下によって消費し、次いで全ての揮発物を減圧下で除去した。粗エステルをMeOH(25.0mL)に再溶解し、0℃まで冷却し、予め製造したH2NOH・HCl(1.04g、15.0mmol)およびKOH(1.68g、30.0mmol)のMeOH(25.0mL)中の懸濁液で処理した;大口径カニューレ針が移動に必要であった。次いで、得られた懸濁液を、氷浴の融解に従って、3.5時間以上にわたってゆっくりと22℃まで温めた;該懸濁液を22℃で0.75時間の時間間隔で攪拌した。該懸濁液を濃HClでpH4〜5まで酸性化し、次いで、全ての揮発物を減圧下で除去した。固体をいくつかの部分の熱EtOAc(5×10mL)でトリチュレートし、中間多孔質の焼結ガラス漏斗を通した濾過によって除去した。合わせた濾液を収集し、減圧濃縮し、黄色がかった白色粉末を得た(Rf=0.7、9:1のCH2Cl2/MeOH中)。熱EtOAc(150mL)からの再結晶を通じた精製によって、白色の微結晶性固体(0.893g、3.03mmol;60.6%)を得た。Mp165.5〜166.0℃。1H NMR(DMSO−d6,300MHz):δ10.5(1H,brs),8.79(1H,brs),7.30−7.25(2H,m),7.19−7.14(3H,m),6.96(1H,brd,J=8.1Hz),3.82(1H,dt,J=7.5,7.5Hz),2.66−2.45(2H,m),1.87−1.74(2H,m),1.39(9H,s)。13C NMR(DMSO−d6,75MHz):δ168.8,155.2,141.3,128.3,128.2,125.7,77.9,51.8,33.8,31.6,28.2。HRMS C15H22N2O4(M+Na)の計算値:317.1472。実測値:317.1466。生成物の光学純度は、キラルGLC分析(99.9%のD−ホモフェニルアラニン)によって証明した。
パートB−N−{[4−(ヒドロキシメチル)フェニル]メチル}プロプ−2−エニルオキシカルボキサミドの製造
4−(アミノメチル)安息香酸メチル塩酸塩(1.01g、5.00mmol)のTHF(50.0mL)中の懸濁液を、i−Pr
2NEt(2.09mL、12.0mmol)で処理し、次いで0℃まで冷却した。次いでアリルクロロホルメート(638μL、6.00mmol)を10分以上かけて加え、得られた懸濁液を0℃で50分間攪拌した。反応混合物をH
2O(50mL)で希釈し、層を分離し、水層をEt
2O(3×50mL)で洗浄した。合わせたTHFおよびEt
2O溶液をMgSO
4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、白色固体を得(R
f=0.5、1:1のヘキサン/EtOAc中)、さらに精製することなく次の還元ステップに用いた。
粗エステル(理論値で5.00mmol)を乾燥THF(20.0mL)に溶解し、0℃まで冷却し、シリンジポンプを用いて滴下する様式にて0.25時間以上かけてLiAlH4(5.00mmol;THFに溶解した1M溶液5.00mL)で処理した。得られた溶液を0℃で0.25時間攪拌し、完全な還元を確実にした。H2O(200μL)を注意深く付加することによって、過剰なLiAlH4を消費した。得られた白色懸濁液を15%NaOH水溶液(200μL)およびH2O(600μL)で連続的に処理し、次いで0.25時間攪拌し、明白色(fine white)スラリーを得た。生じた混合物をセライトのパッドを通して濾過し、減圧濃縮した。粗油状物を、1:1のヘキサン/EtOAc(Rf=0.3)を用いたシリカクロマトグラフィー(40×185mm)によって精製した。主生成物は430〜680mLで溶出し、収集し、濃縮して白色結晶性固体を得た(0.923g、4.17mmol;2ステップで83.4%)。Mp80.0〜81.0℃。1H NMR(CDCl3,300MHz):δ7.32(2H,AB,JAB=8.2Hz),7.26(2H,AB,JAB=8.2Hz),5.91(1H,ddt,J=17.2,10.4,5.6Hz),5.30(1H,dq,J=17.2,1.4Hz),5.20(1H,dq,J=10.5,1.3Hz),4.65(2H,s),4.58(2H,brdt,J=5.6,1.3Hz),4.34(2H,brd,J=5.7Hz),1.85(1H,s)。13C NMR(CDCl3,75MHz):δ156.3,140.3,137.8,132.8,127.7,127.3,117.7,65.7,64.9,44.8。HRMS C12H15NO3(M+H)の計算値:222.1125。実測値:222.1124。
パートC−N−{[4−(ブロモメチル)フェニル]メチル}プロプ−2−エニルオキシカルボキサミドの製造
パート1Bの生成物(0.664g、3.00mmol)およびCBr
4(1.19g、3.60mmol)を溶解した乾燥CH
2Cl
2(30.0mL)溶液を0℃まで冷却し、5分以上かけて数回に分けてPPh
3(0.905g、3.45mmol)で処理した。0℃で10分後、該溶液を22℃まで温め、20分間攪拌し、次いで減圧濃縮した。粗残渣を、3:2のヘキサン/EtOAc(R
f=0.6、1:1のヘキサン/EtOAc中)を用いたシリカクロマトグラフィー(25×170mm)によって精製した。主生成物は95〜185mLで溶出し、収集し、濃縮して白色結晶性固体を得た(0.738g、2.60mmol;86.6%)。Mp80.0〜82.0℃。
1H NMR(CDCl
3,300MHz):δ7.36(2H,AA’BB’. J
AB=8.2Hz,J
AA’=1.9Hz),7.26(2H,AB,J
AB=8.1Hz),5.92(1H,ddt,J=17.2,10.4,5.6Hz),5.30(1H,brd,J=17.0Hz),5.21(1H,dq,J=10.4,1.3Hz),4.59(2H,brdt,J=5.6,1.2Hz),4.47(2H,s),4.36(2H,d,J=6.1Hz)。
13C NMR(CDCl
3,75MHz):δ156.2,138.9,137.1,132.8,129.4,127.9,117.8,65.8,44.7,33.1。HRMS C
12H
14BrNO
2(M+H)の計算値:284.0281。実測値:284.0280。
パートD−(2R)−N−{[4−(アミノメチル)フェニル]メトキシ}−2−[(tert−ブトキシ)カルボニル−アミノ]−4−フェニルブタンアミド、トリフルオロ酢酸塩の製造
パート1Aの生成物(0.662g、2.25mmol)を溶解した乾燥DMF(9.00mL)溶液をK
2CO
3(0.373g、2.70mmol)で処理し、0℃まで冷却した。次いでパート1C(0.256g、0.900mmol)を一度に(in one portion)加え、得られた懸濁液を氷浴の融解に従って一晩かけて22℃までゆっくりと温めた。合計で13時間後、反応混合物をEtOAc(150mL)とH
2O(50mL)の間に分配し、分液漏斗に移した。層を分離し、EtOAc層を飽和NaCl水溶液(3×50mL)で洗浄し、次いでMgSO
4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、白色粉末を得、さらに精製することなく次の脱保護ステップに用いた(R
f=0.4、1:1のヘキサン/EtOAc中)。
22℃で、粗ヒドロキサム酸エステル(理論値で0.900mmol)を2:1のMeCN/H2O(9.00mL)に溶解し、51.2mgのTPPTS(90.0μmol;10mol%)、Et2NH(233μL、2.25mmol)および10.1mgのPd(OAc)2(45.0μmol;5mol%)で連続的に処理した。0.5時間以内に完全な脱保護が観察された。琥珀色の溶液を0.45μmのアクロディスク(Acrodisk)を通して濾過し、次いでPhenomenex Luna C18カラム(21.2×250mm)を用いたHPLCによって、0.1%TFAおよび10%H2Oを含有する0−40%MeCNの1%/分のグラジエントを用い、20mL/分で直接精製した。32分で溶出した主生成物ピークを収集し、凍結乾燥し、白色粉末を得た(158mg、0.300mmol;33.3%)。1H NMR(DMSO−d6,600MHz):δ11.25(1H,brs),8.20(3H,brs),7.44(4H,brs),7.27(2H,dd,J=7.6,7.6Hz),7.17(1H,t,J=7.3Hz),7.15(2H,d,J=7.3Hz),7.08(1H,brd,J=7.6Hz),4.78(2H,brs),4.02(2H,brs),3.76(1H,dt,J=7.3,7.1Hz),2.60−2.55(1H,m),2.50−2.45(1H,m),1.81−1.77(2H,m),1.39(9H,s)。13C NMR(DMSO−d6,151MHz):δ169.0,157.8(q,J=31.1Hz),155.2,141.2,136.3,133.8,128.8,128.7,128.2,125.8,117.2,(q,J=300Hz),78.1,76.3,51.9,42.0,33.5,31.5,28.2。HRMS C23H31N3O4(M+H)の計算値:414.2387。実測値:414.2392。
パートE−2−{[2−({[N−({4−[((2R)−2−アミノ−4−フェニルブタノイルアミノオキシ)メチル]−フェニル}メチル)カルバモイル]メチル}{2−[ビス(カルボキシメチル)アミノ]エチル}アミノ)エチル]−(カルボキシメチル)アミノ}酢酸、トリフルオロ酢酸塩の製造
22℃で、2−{ビス[2−(ビス{[(tert−ブチル)オキシカルボニル]メチル}アミノ)エチル]アミノ}酢酸(24.2mg、39.2μmol;DTPAおよび関連類似物の合成および特性の主な参考文献については、下記参照のこと:a) Williams, M. A.;Rapoport, H. J. Org. Chem. 1993, 58, 1151. b) Anelli, P. L.; Fedeli, F.; Gazzotti, O.; Lattuada, L.; Lux, G.; Rebasti, F. Bioconjugate Chem. 1999, 10, 137.)を溶解した乾燥DMF(3.27mL)溶液を、HOBt(6.0mg、39μmol)、i−Pr
2NEt(14μL、78μmol)およびHBTU(14.9mg、39.2μmol)で連続的に処理した。0.25時間後、カニューレを用いて溶液をパート1Dの生成物(15.0mg、32.7μmol)に移し、得られた溶液を0.25時間攪拌した。変換を完了するために、溶液をHBTU(7.43mg、19.6μmol)およびi−Pr
2NEt(28.0μL、161μmol)でさらに処理し、0.25時間攪拌し、次いでEtOAcと0.1Mクエン酸(各30mL)の間に分配し、分液漏斗に移した。層を分離し、水層をEtOAc(2×30mL)で洗浄した。合わせたEtOAc層を、0.1Mクエン酸ならびにNaHCO
3の飽和水溶液およびNaClの飽和水溶液(各3×30mL)で連続的に洗浄し、次いでMgSO
4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、無色油状物を得、さらに精製することなく次の脱保護ステップに用いた(R
f=0.4、9:1のCH
2Cl
2/MeOH中)。
22℃で、保護された抱合体(理論値で32.7μmol)をジオキサン(650μL)に溶解し、次いでH2O(3μL)およびHCl(2.60mmol;ジオキサンに溶解した4M溶液0.650mL)で連続的に処理した。得られた淡黄色溶液を攪拌し、4時間以上モニターすると、その間に濃白色(heavy white)沈殿が形成された。脱保護が完了すると、N2気流下で揮発物を除去し、0.1%TFAを含むH2O(8.50mL)に白色の固体残渣を再溶解し、次いでPhenomenex Luna C18カラム(21.2×250mm)を用いたHPLCによって、0.1%TFAおよび10%H2Oを含有する0−40%MeCNの1%/分のグラジエントを用い、20mL/分で直接精製した。25分で溶出した主生成物ピークを収集し、凍結乾燥し、白色粉末を得た(22.8mg、22.1μmol;67.6%)。1H NMR(DMSO−d6,300MHz):δ11.77(1H,brs),8.95(1H,brt,J=4.9Hz),8.35(3H,brs),7.40(2H,AB,JAB=8.0Hz),7.32−7.27(4H,m),7.20(1H,dd,J=7.4,7.4Hz),7.13(2H,AB,JAB=7.2Hz),4.84(2H,AB,J=11.6Hz),4.34(2H,brd,J=5.6Hz),4.25(2H,s),3.64(1H,brs),3.50(8H,s),3.38(4H,brt,J=5.6Hz),3.05(4H,brt,J=5.7Hz),2.55−2.50(2H,m),1.97−1.90(2H,m)。13C NMR(DMSO−d6,151MHz):δ172.7,165.3,164.8,158.0(q,J=32.4Hz),140.2,138.7,134.3,129.0,128.5,128.1,127.3,126.2,116.8(q,J=298Hz),76.9,54.3,53.9,52.2,50.3,48.6,42.1,32.8,30.3。HRMS C32H44N6O11(M+Na)の計算値:711.2960。実測値:711.2964。生成物の光学純度は、キラルGLC分析(99.8%のD−ホモフェニルアラニン)によって証明した。
実施例2
2−(7−{[N−({4−[((2R)−2−アミノ−4−フェニルブタノイルアミノオキシ)メチル]フェニル}メチル)カルバモイル]メチル}−1,4,7,10−テトラアザ−4,10−ビス(カルボキシメチル)シクロドデシル)酢酸、トリフルオロ酢酸塩
22℃で、2−(1,4,7,10−テトラアザ−4,7,10−トリス{[(tert−ブチル)オキシカルボニル]メチル}−シクロドデシル)酢酸(109mg、0.190mmol)を溶解した乾燥DMF(10.0mL)溶液を、HOBt(29.0mg、0.190mmol)、HBTU(71.9mg、0.190mmol)およびi−Pr
2NEt(40.8μL、0.234mmol)で連続的に処理した。0.25時間後、溶液をパート1Dの生成物(0.158mmol;DMFに溶解した0.027M溶液5.80mL)で処理し、得られた溶液を3時間攪拌した。変換を完了するために、溶液を30mol%の活性エステルでさらに処理し、0.25時間攪拌し、次いでEtOAc(75mL)で希釈し、分液漏斗に移した。EtOAc溶液を0.1Mクエン酸(3×75mL)で洗浄し、次いでNaHCO
3の飽和水溶液およびNaClの飽和水溶液(各3×75mL)で洗浄し、次いでMgSO
4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、無色油状物を得、さらに精製することなく次の脱保護ステップに用いた。
22℃で、保護された抱合体(理論値で0.158mmol)をジオキサン(3.16mL)に溶解し、次いでH2O(15μL)およびHCl(12.6mmol;ジオキサンに溶解した4M溶液3.16mL)で連続的に処理した。得られた淡黄色溶液を16時間攪拌すると、その間に濃白色(heavy white)沈殿が形成された。脱保護が完了すると、N2気流下で揮発物を除去し、白色の固体残渣をH2O(8.00mL)に再溶解し、次いでPhenomenex Luna C18カラム(21.2×250mm)を用いたHPLCによって、0.1%TFAおよび10%H2Oを含有する0−40%MeCNの1%/分のグラジエントを用い、20mL/分で直接精製した。25分で溶出した主生成物ピークを収集し、凍結乾燥し、白色粉末を得た(43.0mg、41.3μmol;26.1%)。1H NMR(DMSO−d6,600MHz):δ9.04(1H,brt,J=6.0Hz),7.46(2H,AB,JAB=8.0Hz),7.38(2H,AB,JAB=8.0Hz),7.28−7.25(3H,m),7.20−7.16(3H,m),5.01(2H,AB,JAB=11.6Hz),4.47(2H,brd,J=5.7Hz),4.13(1H,t,J=6.6Hz),3.86(4H,s),3.85(2H,s),3.73(2H,s),3.16(10H,brs),3.08(2H,brs),2.81−2.76(2H,m),2.30−2.21(2H,m)。13C NMR(DMSO−d6,151MHz):δ171.5,165.3,157.8(q,J=31.4Hz),140.2,138.8,134.3,128.9,128.5,128.0,127.4,126.2,117.1(q,J=299Hz),76.9,54.8,54.0,53.1,50.6,50.4,50.2,48.8,42.0,32.8,30.3。HRMS C34H49N7O9(M+H)の計算値:700.3665。実測値:700.3659。
実施例3
2−{[2−({[N−({4−[((2S)−2−アミノ−4−フェニルブタノイルアミノオキシ)メチル]−フェニル}メチル)カルバモイル]メチル}{2−[ビス(カルボキシメチル)アミノ]エチル}アミノ)エチル]−(カルボキシメチル)アミノ}酢酸、トリフルオロ酢酸塩
パートA−N−(1−(N−ヒドロキシカルバモイル)(1S)−3−フェニルプロピル)(tert−ブトキシ)−カルボキサミドの製造
22℃で、H−Hfe−OH(1.79g、10.0mmol)の、2:1のTHF/H
2O(50.0mL)中の懸濁液を、Na
2CO
3(2.54g、24.0mmol)で処理し、次いでBoc
2O(2.62g、12.0mmol)で一度に(in one portion)処理した。1時間後、高濁度の(heavy)懸濁液を0.1M HClを用いてpH3〜4まで酸性化し、得られた均一な溶液を分液漏斗に移し、EtOAc(4×50mL)で洗浄した。合わせたEtOAc洗浄液をMgSO
4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、無色油状物を得、さらに精製することなく次の反応に用いた。
粗Boc−Hfe−OH(理論値で10.0mmol)を溶解した4:1のCH2Cl2/MeOH(50.0mL)の溶液を、(トリメチルシリル)ジアゾメタン(12.0mmol;Et2Oに溶解した2.0M溶液6.00mL)で、22℃で0.25時間以上かけた滴下様式で処理した。注意:激しいガス発生。得られた黄色溶液をさらに0.25時間攪拌し、メチル化の完了を確実にした。過剰な(トリメチルシリル)ジアゾメタンを氷AcOHの滴下によって消費し、次いで全ての揮発物を減圧下で除去した。粗エステルをMeOH(50.0mL)に再溶解し、0℃まで冷却し、予め製造したH2NOH・HCl(2.08g、30.0mmol)およびKOH(3.37g、60.0mmol)のMeOH(50.0mL)中の懸濁液で処理した;大口径カニューレ針が移動に必要であった。次いで、得られた懸濁液を氷浴の融解に従って、一晩かけて22℃までゆっくりと温めた。14時間後、該懸濁液を濃HClでpH4〜5まで酸性化し、次いで全ての揮発物を減圧下で除去した。固体をいくつかの部分の熱EtOAc(5×10mL)でトリチュレートし、中間多孔質の焼結ガラス漏斗を通した濾過によって除去した。合わせた濾液を収集し、減圧濃縮し、黄色がかった白色粉末を得た。熱EtOAc(200mL)からの再結晶を通じた精製によって、白色の微結晶性固体を得た(1.47g、4.99mmol、49.9%)。本物質について得られたスペクトルデータは、パート1Aの生成物について記載されたものと一致している。
パートB−(2S)−N−{[4−(アミノメチル)フェニル]メトキシ}−2−[(tert−ブトキシ)カルボニル−アミノ]−4−フェニルブタンアミド、ギ酸塩の製造
22℃で、K
2CO
3(0.207g、1.50mmol)を溶解した水溶液(3.00mL)を無水EtOH(7.00mL)で希釈し、次いでパート3Aの生成物(0.442g、1.50mmol)で一度に(in one portion)処理した。溶解が完了すると(10〜15分)、パート1Cの生成物(0.284g、1.00mmol)を一度に(in one portion)加え、得られた懸濁液を激しく攪拌した;臭化物の完全な溶解を確実にするために、速い攪拌速度が必要である。25分以内に溶液が濁り、濃白色(heavy white)沈殿が形成された;1時間で反応は完了した。次いで、得られた懸濁液をH
2O(40mL)で希釈し、中間多孔質の焼結ガラス漏斗で固体を収集した。固体をH
2OおよびEt
2O(各5×20mL)でさらに洗浄し、次いで減圧下で乾燥させ、白色粉末を得、さらに精製することなく次の脱保護ステップに用いた。
22℃で、ヒドロキサム酸エステル(0.337g、0.677mmol)を2:1のMeCN/H2O(6.77mL)に溶解し、15.4mgのTPPTS(27.1μmol;4mol%)、Et2NH(175μL、1.69mmol)および3.0mgのPd(OAc)2(13.5μmol;2mol%)で連続的に処理した。1時間以内に完全な脱保護が観察された。0.1%HCO2Hを含むH2Oで琥珀色の溶液を14mLまで希釈し、次いで0.45μmのアクロディスク(Acrodisk)を通して濾過し、Phenomenex Luna C18カラム(21.2×250mm)を用いたHPLCによって、0.1%HCO2Hおよび10%H2Oを含有する10−50%MeCNの1%/分のグラジエントを用い、20mL/分で精製した。17分で溶出した主生成物ピークを収集し、凍結乾燥し、白色粉末を得た(0.229g、0.498mmol;49.8%)。本物質について得られたスペクトルデータは、パート1Bの生成物について記載されたものと一致している。
パートC−2−{[2−({[N−({4−[((2S)−2−アミノ−4−フェニルブタノイルアミノオキシ)メチル]−フェニル}メチル)カルバモイル]メチル}{2−[ビス(カルボキシメチル)アミノ]エチル}アミノ)エチル]−(カルボキシメチル)アミノ}酢酸、トリフルオロ酢酸塩の製造
22℃で、2−{ビス[2−(ビス{[(tert−ブチル)オキシカルボニル]メチル}アミノ)エチル]アミノ}酢酸(0.278g、0.450mmol)を溶解した乾燥DMF(3.00mL)溶液を、HOBt(68.9mg、0.450mmol)、i−Pr
2NEt(131μL、0.750mmol)およびHBTU(0.171g、0.450mmol)で連続的に処理した。0.25時間後、カニューレを用いて溶液をパート3Bの生成物(0.138g、0.300mmol)に移した。得られた溶液を0.5時間攪拌し、次いでEtOAcと0.1Mクエン酸(各50mL)の間に分配し、分液漏斗に移した。層を分離し、水層をEtOAc(2×50mL)で洗浄した。合わせたEtOAc層を0.1Mクエン酸ならびにNaHCO
3の飽和水溶液およびNaClの飽和水溶液(各3×50mL)で連続的に洗浄し、次いでMgSO
4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、無色油状物を得、さらに精製することなく次の脱保護ステップに用いた。
22℃で、保護された抱合体(理論値で0.300mmol)をジオキサン(3.00mL)に溶解し、次いでH2O(27μL)およびHCl(12.0mmol;ジオキサンに溶解した4M溶液3.00mL)で連続的に処理した。得られた淡黄色溶液を15時間攪拌すると、その間に濃白色(heavy white)沈殿が形成された。脱保護が完了すると、揮発物を減圧下で除去し、白色の固体残渣を、0.1%TFAを含むH2O(8.00mL)に再溶解し、次いでPhenomenex Luna C18カラム(21.2×250mm)を用いたHPLCによって、0.1%TFAおよび10%H2Oを含有する0−40%MeCNの1%/分のグラジエントを用い、20mL/分で直接精製した。25分で溶出した主生成物ピークを収集し、凍結乾燥し、白色粉末を得た(0.181g、0.176mmol;58.5%)。1H NMR(DMSO−d6,600MHz):δ11.79(1H,brs),8.96(1H,brt,J=5.9Hz),8.37(3H,brs),7.39(2H,AB,JAB=8.1Hz),7.32−7.29(4H,m),7.20(1H,brdd,J=7.3,7.3Hz),7.13(2H,AB,JAB=7.1Hz),4.84(2H,AB,JAB=11.8Hz),4.34(2H,brd,J=5.8Hz),4.25(2H,brs),3.65(1H,brs),3.50(8H,s),3.38(4H,brt,J=5.8Hz),3.05(4H,brt,J=5.9Hz),2.54−2.50(2H,m),1.96−1.91(2H,m)。13C NMR(DMSO−d6,151MHz):δ172.7,165.3,164.8,158.1(q,J=32.2Hz),140.2,138.7,134.3,128.9,128.5,128.1,127.3,126.2,116.9(q,J=299Hz),76.9,54.3,53.9,52.2,50.2,48.7,42.1,32.8,30.3。HRMS C32H44N6O11(M+H)の計算値:689.3141。実測値:689.3147。生成物の光学純度は、キラルGLC分析(99.0%のL−ホモフェニルアラニン)によって証明した。
実施例4
2−({2−[({N−[6−((2R)−2−アミノ−4−メチルペンタノイルアミノオキシ)ヘキシル]カルバモイル}メチル){2−[ビス(カルボキシメチル)アミノ]エチル}アミノ]エチル}(カルボキシメチル)アミノ)酢酸、トリフルオロ酢酸塩
パートA−6−(プロプ−2−エニルオキシカルボニルアミノ)ヘキシルメチルスルホン酸塩の製造
N−(6−ヒドロキシヘキシル)プロプ−2−エニルオキシカルボキサミド(2.55g、12.7mmol;Charreyre, M. T.;Boullanger, P.;Pichot, C.;Delair, T.;Mandrand, B.;Llauro, M. F. Mak. Chem. 1993, 194(1), 117-35.)を溶解した乾燥CH
2Cl
2(30.0mL)溶液を、Et
3N(4.06mL、29.1mmol)で処理し、次いで0℃まで冷却した。この溶液に、カニューレを用いてMsCl(15.2mmol;CH
2Cl
2に溶解した0.76M溶液20.0mL)を移した;完全変換は、移行の完了と同時に起こった。得られた溶液を22℃まで温め、次いで2M NH
4Cl(50mL)で処理し、分液漏斗に移した。層を分離し、水層をCH
2Cl
2(3×50mL)で洗浄した。合わせた洗浄液を20%NaCl水溶液で洗浄し、次いでMgSO
4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、淡黄色油状物を得(3.2g)、さらに精製することなく次のアルキル化ステップに用いた。
1H NMR(CDCl
3,300MHz):δ5.90(1H,ddt,J=17.2,10.4,5.6Hz),5.29(1H,dq,J=17.2,1.6Hz),5.19(1H,dq,J=10.4,1.3Hz),4.71(1H,brs),4.54(2H,brd,J=5.5Hz),4.20(2H,t,J=6.5Hz),3.17(2H,brs),2.98(3H,s),1.79−1.69(2H,m),1.55−1.29(6H,m)。
パートB−N−{6−[(tert−ブトキシ)カルボニルアミノオキシ]ヘキシル}プロプ−2−エニルオキシカルボキサミドの製造
N−Bocヒドロキシルアミン(2.37g、17.8mmol)を溶解した無水Et
2O(5.00mL)溶液を、DBU(2.85mL、19.1mmol)で処理し、次いで0℃まで冷却した。この混合物に、パート4Aの生成物(12.7mmol;Et
2Oに溶解した2.53M溶液5.00mL)をカニューレによって移した。次いで、得られた溶液を、氷浴の融解に従って、一晩かけて22℃までゆっくりと温めた。17時間後、N
2気流下でEt
2Oを除去し、得られた粘性油状物(thick oil)を16時間攪拌し、完全な変換を確実にした。この後、溶液をEt
2O(20mL)で希釈し、分液漏斗に移し、次いで2M NH
4Cl(30mL)および20%NaCl水溶液(2×30mL)で連続的に洗浄した。得られたEt
2O溶液をMgSO
4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、淡黄色油状物を得、シリカクロマトグラフィー(3:1のヘキサン/EtOAc;R
f=0.5、2:1のヘキサン/EtOAc中)によって精製し、無色油状物を得た(2.61g、8.25mmol;65.1%)。
1H NMR(CDCl
3,600MHz):δ7.14(1H,brs),5.91(1H,ddt,J=17.2,10.5,5.7Hz),5.29(1H,dq,J=17.2,1.6Hz),5.19(1H,dq,J=10.5,1.4Hz),4.77(1H,brs),4.55(2H,brd,J=5.0Hz),3.83(2H,t,J=6.5Hz),3.17(2H,dt,J=6.7,6.4Hz),1.63−1.59(2H,m),1.52−1.47(2H,m),1.47(9H,s),1.42−1.31(4H,m)。
パートC−N−[6−(アミノオキシ)ヘキシル]プロプ−2−エニルオキシカルボキサミド、塩酸塩の製造
パート4Bの生成物(2.61g、8.25mmol)を、HCl(16.0mmol;Et
2Oに溶解した2M溶液8.00mL)で処理し、得られた溶液を22℃で5時間攪拌した。形成された濃白色(heavy white)沈殿を焼結ガラス漏斗で収集し、次いでEt
2O(3×8mL)で洗浄し、減圧下で一定重量(1.02g、4.04mmol;48.9%)になるまで乾燥した。得られた物質は、さらに精製する必要がなかった。
1H NMR(DMSO−d
6,600MHz):δ10.95(3H,brs),7.15(1H,brt,J=5.5Hz),5.89(1H,ddt,J=17.2,10.5,5.2Hz),5.25(1H,dq,J=17.2,1.8Hz),5.15(1H,dq,J=10.5,1.6Hz),4.43(2H,brd,J=5.5Hz),3.98(2H,t,J=6.5Hz),2.97−2.93(2H,m),1.57−1.53(2H,m),1.38(2H,tt,J=7.1,7.1Hz),1.31−1.22(4H,m)。
13C NMR(DMSO−d
6,151MHz):δ155.8,133.8,116.7,73.9,64.0,40.0,29.2,27.0,25.7,24.7。HRMS C
10H
20N
2O
3(M+Na)の計算値:239.1366。実測値:239.1363。
パートD−(2R)−N−(6−アミノヘキシルオキシ)−2−[(tert−ブトキシ)カルボニルアミノ]−4−メチルペンタンアミド、トリフルオロ酢酸塩の製造
22℃で、Boc−DLeu−OH(0.231g、1.00mmol)を溶解したMeCN(4.00mL)溶液を、HOBt(0.153g、1.00mmol)、i−Pr
2NEt(174μL、1.00mmol)およびHBTU(0.379g、1.00mmol)で連続的に処理した。0.25時間後、溶液をパート4Cの生成物(0.210g、0.831mmol)で一度に(in one portion)処理した。得られた溶液を1時間攪拌し、次いでCH
2Cl
2と0.1Mクエン酸(各50mL)の間に分配し、分液漏斗に移した。層を分離し、CH
2Cl
2溶液を0.1Mクエン酸(2×50mL)ならびにNaHCO
3の飽和水溶液(3×50mL)およびNaClの飽和水溶液(50mL)で連続的に洗浄し、次いでMgSO
4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、無色油状物を得、さらに精製することなく次の脱保護ステップに用いた。
22℃で、粗ヒドロキサム酸エステル(理論値で0.831mmol)を2:1のMeCN/H2O(3.00mL)に溶解し、18.9mgのTPPTS(33.2μmol;4mol%)、Et2NH(216μL、2.09mmol)および3.7mgのPd(OAc)2(16.5μmol;2mol%)で連続的に処理した。0.5時間以内に完全な脱保護が観察された。琥珀色の溶液を0.45μmのアクロディスク(Acrodisk)を通して濾過し、次いでPhenomenex Luna C18カラム(21.2×250mm)を用いたHPLCによって、0.1%TFAおよび10%H2Oを含有する0−40%MeCNの1%/分のグラジエントを用い、20mL/分で直接精製した。34分で溶出した主生成物ピークを収集し、凍結乾燥し、白色粉末を得た(0.190g、0.413mmol;49.8%)。
パートE−2−({2−[({N−[6−((2R)−2−アミノ−4−メチルペンタノイルアミノオキシ)−ヘキシル]カルバモイル}メチル){2−[ビス(カルボキシメチル)アミノ]エチル}アミノ]エチル}(カルボキシメチル)−アミノ)酢酸、トリフルオロ酢酸塩の製造
22℃で、2−{ビス[2−(ビス{[(tert−ブチル)オキシカルボニル]メチル}アミノ)エチル]アミノ}酢酸(74.0mg、0.120mmol)を溶解した乾燥DMF(1.00mL)溶液を、HOBt(18.4mg、0.120mmol)、i−Pr
2NEt(35μL、0.20mmol)およびHBTU(45.5mg、0.120mmol)で連続的に処理した。0.25時間後、溶液をパート4Dの生成物(46.0mg、0.100mmol)で一度に(in one portion)処理した。得られた溶液を0.5時間攪拌し、次いでEtOAc(50mL)で希釈し、0.1Mクエン酸(3×30mL)、0.1M NaOH(3×30mL)および飽和NaCl水溶液(30mL)で洗浄し、次いでMgSO
4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、無色油状物を得、さらに精製することなく次の脱保護ステップに用いた。
22℃で、保護された抱合体(理論値で0.100mmol)をジオキサン(0.500mL)に溶解し、次いでH2O(2μL)およびHCl(2.00mmol;ジオキサンに溶解した4M溶液0.500mL)で連続的に処理した。得られた淡黄色溶液を15時間攪拌すると、その間に濃白色(heavy white)沈殿が形成された。脱保護が完了すると、N2気流下で揮発物を除去し、白色の固体残渣をPhenomenex Luna C18カラム(21.2×250mm)を用いたHPLCによって、0.1%TFAおよび10%H2Oを含有する0−40%MeCNの1%/分のグラジエントを用い、20mL/分で直接精製した。20分で溶出した主生成物ピークを収集し、凍結乾燥し、白色粉末を得た(52.0mg、0.054mmol;54.0%)。1H NMR(DMSO−d6,600MHz):δ11.68(1H,brs),8.43(1H,brt,J=5.5Hz),8.26(2H,brs),4.13(2H,s),3.79(2H,t,J=6.6Hz),3.53(1H,brs),3.49(8H,s),3.34(4H,brt,J=5.5Hz),3.11(2H,td,J=6.9,5.7Hz),3.03(4H,brt,J=5.9Hz),1.60−1.50(5H,m),1.43(2H,tt,J=7.2,7.2Hz),1.36−1.26(4H,m),0.89(3H,d,J=6.3Hz),0.87(3H,d,J=6.0Hz)。13C NMR(DMSO−d6,151MHz):δ172.7,165.4,164.4,157.9(q,J=31.8Hz),117.1(q,J=300Hz),75.3,54.3,53.9,52.1,48.9,48.6,40.0,38.7,28.7,27.4,26.1,24.9,23.7,22.2,22.0。HRMS C26H48N6O11(M+H)の計算値:621.3454。実測値:621.3462。
実施例5
2−[(2−{[(N−{6−[(2R)−2−アミノ−3−(4−フェニルフェニル)プロパノイルアミノオキシ]ヘキシル}カルバモイル)メチル]{2−[ビス(カルボキシメチル)アミノ]エチル}アミノ}エチル)(カルボキシメチル)アミノ]酢酸、トリフルオロ酢酸塩
パートA−(2R)−N−(6−アミノヘキシルオキシ)−2−[(tert−ブトキシ)カルボニルアミノ]−3−(4−フェニルフェニル)プロパンアミド、トリフルオロ酢酸塩の製造
22℃で、Boc−DBip−OH(0.231g、1.00mmol)を溶解したMeCN(4.00mL)溶液を、HOBt(0.153g、1.00mmol)、i−Pr
2NEt(174μL、1.00mmol)およびHBTU(0.379g、1.00mmol)で連続的に処理した。0.25時間後、溶液をパート4Cの生成物(0.210g、0.831mmol)で一度に(in one portion)処理した。得られた溶液を1時間攪拌し、次いでEtOAcと0.1Mクエン酸(各50mL)の間に分配し、分液漏斗に移した。層を分離し、EtOAc溶液を0.1Mクエン酸(2×50mL)ならびにNaHCO
3の飽和水溶液(3×50mL)およびNaClの飽和水溶液(50mL)で連続的に洗浄し、次いでMgSO
4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、白色固体を得、さらに精製することなく次の脱保護ステップに用いた。
22℃で、粗ヒドロキサム酸エステル(理論値で0.831mmol)を2:1のMeCN/H2O(3.00mL)に溶解し、18.9mgのTPPTS(33.2μmol;4mol%)、Et2NH(216μL、2.09mmol)および3.7mgのPd(OAc)2(16.5μmol;2mol%)で連続的に処理した。0.5時間以内に完全な脱保護が観察された。琥珀色の溶液を0.45μmのアクロディスク(Acrodisk)を通して濾過し、次いでPhenomenex Luna C18カラム(21.2×250mm)を用いたHPLCによって、0.1%TFAおよび10%H2Oを含有する10−50%MeCNの1%/分のグラジエントを用い、20mL/分で直接精製した。35分で溶出した主生成物ピークを収集し、凍結乾燥し、白色粉末を得た(0.140g、0.246mmol;29.6%)。1H NMR(DMSO−d6,600MHz):δ11.06(1H,brs),7.70−7.60(4H,m),7.56(2H,AB,JAB=8.0Hz),7.44(2H,dd,J=8.0,7.4Hz),7.33(1H,brt,J=7.4Hz),7.31(2H,AB,JAB=8.0Hz),7.06(1H,brd,J=8.2Hz),4.02−3.99(1H,m),3.68−3.59(2H,m),2.88(2H,ABX,JAB=13.5Hz,JAX=6.1Hz,JBX=9.3Hz),2.73(2H,brs),1.52−1.42(4H,m),1.31(9H,s),1.30−1.25(4H,m)。
パートB−2−[(2−{[(N−{6−[(2R)−2−アミノ−3−(4−フェニルフェニル)プロパノイルアミノオキシ]−ヘキシル}カルバモイル)メチル]{2−[ビス(カルボキシメチル)アミノ]エチル}アミノ}エチル)(カルボキシメチル)−アミノ]酢酸、トリフルオロ酢酸塩の製造
22℃で、2−{ビス[2−(ビス{[(tert−ブチル)オキシカルボニル]メチル}アミノ)エチル]アミノ}酢酸(74.0mg、0.120mmol)を溶解した乾燥DMF(1.00mL)溶液を、HOBt(18.4mg、0.120mmol)、i−Pr
2NEt(35μL、0.20mmol)およびHBTU(45.5mg、0.120mmol)で連続的に処理した。0.25時間後、溶液をパート5Aの生成物(57.0mg、0.100mmol)で一度に(in one portion)処理した。得られた溶液を0.5時間攪拌し、次いでEtOAc(50mL)で希釈し、0.1Mクエン酸(3×30mL)、0.1M NaOH(3×30mL)および飽和NaCl水溶液(30mL)で洗浄し、次いでMgSO
4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、無色油状物を得、さらに精製することなく次の脱保護ステップに用いた。
22℃で、保護された抱合体(理論値で0.100mmol)をジオキサン(0.500mL)に溶解し、次いでH2O(2μL)およびHCl(2.00mmol;ジオキサンに溶解した4M溶液0.500mL)で連続的に処理した。得られた淡黄色溶液を15時間攪拌すると、その間に濃白色(heavy white)沈殿が形成された。脱保護が完了すると、N2気流下で揮発物を除去し、白色の固体残渣をPhenomenex Luna C18カラム(21.2×250mm)を用いたHPLCによって、0.1%TFAおよび10%H2Oを含有する10−40%MeCNの1%/分のグラジエントを用い、20mL/分で直接精製した。10分で溶出した主生成物ピークを収集し、凍結乾燥し、白色粉末を得た(35.0mg、32.6μmol;32.6%)。1H NMR(DMSO−d6,600MHz):δ11.47(1H,brs),8.43(2H,brs),8.40(1H,brd,J=5.5Hz),7.64−7.63(4H,m),7.47−7.44(2H,m),7.37−7.34(1H,m),7.30(2H,AB,JAB=7.8Hz),4.13(2H,s),3.79(1H,brs),3.63(1H,ABX,JAB=9.7Hz,JAX=6.8Hz),3.53(1H,ABX,JAB=9.7Hz,JBX=6.6Hz),3.49(8H,s),3.45(4H,brt,J=5.8Hz),3.09−2.99(4H,m),3.03(4H,brt,J=6.0Hz),1.37−1.32(4H,m),1.23−1.16(4H,m)。13C NMR(DMSO−d6,151MHz):δ172.7,164.3,164.2,157.9(q,J=31.8Hz),139.6,139.0,133.9,130.0,128.9,127.4,126.7,126.4,116.9(q,J=299Hz),75.3,54.3,53.8,52.1,51.5,48.6,38.7,36.5,28.6,27.3,26.0,24.8。HRMS C35H50N6O11(M+H)の計算値:731.3610。実測値:731.3612。
実施例6
2−({2−[({N−[6−((2R)−2−アミノ−3−シクロヘキシルプロパノイルアミノオキシ)ヘキシル]カルバモイル}メチル){2−[ビス(カルボキシメチル)アミノ]エチル}アミノ]エチル}(カルボキシメチル)アミノ)酢酸、トリフルオロ酢酸塩
パートA−(2R)−N−(6−アミノヘキシルオキシ)−2−[(tert−ブトキシ)カルボニルアミノ]−3−シクロヘキシルプロパンアミド、トリフルオロ酢酸塩の製造
22℃で、Boc−DCha−OH(0.163g、0.360mmol)を溶解したCH
2Cl
2(3.00mL)溶液を、HOBt(55.1mg、0.360mmol)、i−Pr
2NEt(125μL、0.720mmol)およびHBTU(0.137g、0.360mmol)で連続的に処理した。0.25時間後、溶液をパート4Cの生成物(75.8mg、0.300mmol)で一度に(in one portion)処理した。得られた溶液を1時間攪拌し、次いで全ての揮発物を減圧下で除去した。22℃で、粗ヒドロキサム酸エステルを2:1のMeCN/H
2O(3.00mL)に再溶解し、17.1mgのTPPTS(30.0μmol;10mol%)、Et
2NH(78μL、0.75mmol)および3.4mgのPd(OAc)
2(15μmol;5mol%)で連続的に処理した。1時間以内に完全な脱保護が観察された。得られた黄色溶液を、0.1%TFAを含むH
2O(5.00mL)で希釈し、次いで0.45μmのアクロディスク(Acrodisk)を通して濾過し、Phenomenex Luna C18カラム(21.2×250mm)を用いたHPLCによって、0.1%TFAおよび10%H
2Oを含有する10−50%MeCNの1%/分のグラジエントを用い、20mL/分で直接精製した。38分で溶出した主生成物ピークを収集し、凍結乾燥し、白色粉末を得た(77.7mg、0.156mmol;51.8%)。TPPTSは少量であっても
1H NMRスペクトルで検出されうる。
1H NMR(DMSO−d
6,600MHz):δ11.04(1H,brs),7.71(3H,brs),6.84(1H,brd,J=8.1Hz),3.83−3.80(1H,m),3.73−3.67(2H,m),2.79−2.73(2H,m),1.87−1.45(9H,m),1.42−1.27(5H,m),1.36(9H,s),1.25−1.07(4H,m),0.87−0.78(2H,m)。
13C NMR(DMSO−d
6,151MHz):δ169.1,158.0(q,J=31.8Hz),155.1,117.0(q,J=300Hz),77.9,74.7,49.7,38.7,33.5,32.8,32.0,28.1,27.4,26.8,26.0,25.8,25.6,25.5,24.8。HRMS C
20H
39N
3O
4(M+H)の計算値:386.3013。実測値:386.3016。
パートB−2−({2−[({N−[6−((2R)−2−アミノ−3−シクロヘキシルプロパノイルアミノオキシ)ヘキシル]−カルバモイル}メチル){2−[ビス(カルボキシメチル)アミノ]エチル}アミノ]エチル}(カルボキシメチル)−アミノ)酢酸、トリフルオロ酢酸塩の製造
22℃で、2−{ビス[2−(ビス{[(tert−ブチル)オキシカルボニル]メチル}アミノ)エチル]アミノ}酢酸(18.5mg、30.0μmol)、HOBt(4.6mg、30.0μmol)およびパート6Aの生成物(12.5mg、25.0μmol)を溶解した乾燥DMF(1.00mL)溶液を、i−Pr
2NEt(10μL、6μmol)およびHBTU(11.4mg、30.0μmol)で連続的に処理した。得られた溶液を0.25時間攪拌し、次いでEtOAcと0.1Mクエン酸(各30mL)の間に分配し、分液漏斗に移した。層を分離し、水層をEtOAc(2×30mL)で洗浄した。合わせたEtOAc層を、0.1Mクエン酸ならびにNaHCO
3の飽和水溶液およびNaClの飽和水溶液(各3×30mL)で連続的に洗浄し、次いでMgSO
4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、無色油状物を得、さらに精製することなく次の脱保護ステップに用いた。
22℃で、保護された抱合体(理論値で25.0μmol)をジオキサン(0.500mL)に溶解し、次いでH2O(3μL)およびHCl(2.00mmol;ジオキサンに溶解した4M溶液0.500mL)で連続的に処理した。得られた淡黄色溶液を18時間攪拌すると、その間に濃白色(heavy white)沈殿が形成された。脱保護が完了すると、揮発物を減圧下で除去し、0.1%TFAを含むH2O(8.20mL)に白色の固体残渣を再溶解し、次いでPhenomenex Luna C18カラム(21.2×250mm)を用いたHPLCによって、0.1%TFAおよび10%H2Oを含有する0−40%MeCNの1%/分のグラジエントを用い、20mL/分で直接精製した。28分で溶出した主生成物ピークを収集し、凍結乾燥し、白色粉末を得た(7.3mg、7.3μmol;29%)。1H NMR(DMSO−d6,600MHz):δ11.60(1H,brs),8.40(1H,brs),8.19(3H,brs),4.11(2H,brs),3.81−3.76(2H,m),3.55(1H,brs),3.49(8H,s),3.33(4H,brs),3.11(2H,td,J=7.0,6.0Hz),3.02(4H,brt,J=5.8Hz),1.72(1H,brd,J=13.1Hz),1.67−1.49(8H,m),1.43(2H,tt,J=7.6,7.1Hz),1.37−1.24(5H,m),1.19−1.10(3H,m)。13C NMR(DMSO−d6,151MHz):δ172.7,165.4,157.7(q,J=30.7Hz),117.2(q,J=300Hz),75.3,54.3,53.8,52.1,48.7,48.4,40.0,38.7,38.4,32.8,32.3,32.2,28.7,27.4,26.1,25.7,25.5,25.4,24.9。HRMS C29H52N6O11(M+H)の計算値:661.3767。実測値:661.3766。
実施例7
2−{[2−({[N−({4−[3−((2R)−2−アミノ−3−インドール−3−イルプロパノイルアミノオキシ)プロピル]フェニル}メチル)カルバモイル]メチル}{2−[ビス(カルボキシメチル)アミノ]エチル}アミノ)エチル](カルボキシメチル)アミノ}酢酸、トリフルオロ酢酸塩
パートA−3−{4−[(プロプ−2−エニルオキシカルボニルアミノ)メチル]フェニル}プロパン酸の製造
22℃で、500mLのパールボトル(Parr bottle)を(2E)−3−(4−シアノフェニル)プロプ−2−エノン酸(4.33g、25.0mmol)を溶解した2:1のMeOH/28%NH
3水溶液(300mL)で満たし、次いでラネーNi(5.00g)で一度に(in one portion)処理した。得られた懸濁液にH
2を拡散させ、次いで50psiまで加圧し、5時間維持した;この時点で〜2当量のH
2を消費した。次いで容器をN
2でパージし、さらにラネーNi(2.5g)を加えた。H
2雰囲気を回復し、ガス取り込みが終わるまで維持した;総消費量は〜135psiであった。容器をN
2でパージし、セライトを通す濾過によって触媒を除去した。1:1のMeOH/H
2O(4×50mL)で濾過ケーキを徹底的に洗浄し、合わせた濾液を減圧濃縮し、白色固体を得た。
粗アミノ酸(理論値で25.0mmol)を無水THF(250mL)中で懸濁し、次いでi−Pr2NEt(5.23mL、30.0mmol)で処理した。次いでアリルクロロホルメート(3.19mL、30.0mmol)を10分以上かけて加え、得られた懸濁液を22℃で1.5時間攪拌した。均一となった溶液を0.1M HCl(250mL)で処理し、次いでEtOAc(100mL)で希釈し、分液漏斗に移した。層を分離し、水層をEtOAc(2×100mL)で洗浄した。合わせたEtOAc層をMgSO4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、無色油状物を得、95:5のCH2Cl2/MeOH(Rf=0.4)を用いたシリカクロマトグラフィー(40×280mm)によって精製した。320〜420mLの間で溶出した主生成物を収集し、濃縮し、白色粉末を得た(2.93g、11.1mmol;44.5%)。Mp109.5〜110.5℃。1H NMR(CDCl3,600MHz):δ7.20(2H,AB,JAB=7.7Hz),7.16(2H,AB,JAB=8.0Hz),5.91(1H,ddt,J=17.0,10.7,5.5Hz),5.29(1H,brd,J=17.0Hz),5.20(1H,d,J=10.2Hz),5.11(1H,brs),4.58(2H,brd,J=4.5Hz),4.32(2H,brd,J=5.7Hz),2.93(2H,t,J=7.7Hz),2.64(2H,t,J=7.7Hz)。13C NMR(CDCl3,151MHz):δ178.2,156.3,139.5,136.5,132.8,128.5,127.7,117.7,65.7,44.8,35.5,30.2。HRMS C14H17NO4(M+Na)の計算値:286.1050。実測値:286.1041。
パートB−N−{[4−(3−ヒドロキシプロピル)フェニル]メチル}プロプ−2−エニルオキシカルボキサミドの製造
パート7Aの生成物(1.32g、5.00mmol)を溶解した乾燥THF(25.0mL)溶液を0℃まで冷却し、LiAlH
4(10.0mmol;THFに溶解した1M溶液10.0mL)でシリンジポンプを用いて20分以上かけて滴下処理した。懸濁液を0℃で0.5時間攪拌し、次いで22℃まで温め、2.5時間維持した。0℃まで冷却後、H
2O(400μL)を注意深く加えることによって過剰なLiAlH
4を消費し、得られた白色懸濁液を15%NaOH水溶液(400μL)およびH
2O(1.20mL)で連続的に処理し、次いで0.5時間攪拌し、明白色(fine white)スラリーを得た。セライトを通す濾過によって固体を除去し、THF(5×20mL)で洗浄し、合わせた濾液を減圧濃縮した。粗油状物を1:1のペンタン/EtOAc(R
f=0.2)を用いたシリカクロマトグラフィー(40×260mm)によって精製した。600〜800mLの間で溶出した主生成物を収集し、濃縮し、白色結晶性固体を得た(0.795g、3.19mmol;63.8%)。Mp51.5〜53.5℃。
1H NMR(CDCl
3,600MHz):δ7.18(2H,AB,J
AB=7.9Hz),7.14(2H,AB,J
AB=8.2Hz),5.90(1H,ddt,J=17.2,10.4,5.7Hz),5.28(1H,brd,J=17.0Hz),5.19(1H,dq,J=10.5,1.2Hz),4.57(2H,brd,J=4.9Hz),4.31(2H,brd,J=5.8Hz),3.63(2H,t,J=6.4Hz),2.66(2H,dd,J=7.7,7.7Hz),1.87−1.82(3H,m)。
13C NMR(CDCl
3,151MHz):δ156.3,141.1,135.9,132.8,128.6,127.5,117.6,65.6,62.0,44.7,34.1,31.6。HRMS C
14H
19NO
3(M+Na)の計算値:272.1257。実測値:272.1263。
パートC−N−({4−[3−(アミノオキシ)プロピル]フェニル}メチル)プロプ−2−エニルオキシカルボキサミド、塩酸塩の製造
パート7Bの生成物(1.25g、5.00mmol)、2−ヒドロキシイソインドリン−1,3−ジオン(0.979g、6.00mmol)およびPPh
3(1.64g、6.25mmol)を溶解した乾燥THF(50.0mL)溶液を0℃まで冷却し、オレンジ色が残らないようにDEAD(0.236mL、1.50mmol)で滴下処理した。次いで該溶液を22℃まで温め、残りのDEAD(0.709mL、4.50mmol)で0.75時間以上かけて滴下処理した。得られた淡黄色溶液を減圧濃縮し、3:2→1:1のペンタン/EtOAc(R
f=0.5、1:1のペンタン/EtOAc中)のグラジエント溶出を用いたシリカクロマトグラフィーによって直接精製した。生成物含有画分を合わせ、濃縮し、白色結晶性固体を得、EtOAc/ペンタンからの再結晶によってさらに精製し、微細な無色の針状晶を得た(1.37g)。これらの試みにもかかわらず、該物質にはエトキシ−N−(エトキシカルボニルアミノ)カルボキサミドが含まれたままであり、それゆえ次の脱保護ステップに直接用いた。
22℃で、粗フタルイミド(1.18g)を9:1のCHCl3/MeOH(30.0mL)に溶解し、次いでヒドラジン(0.530mL、9.00mmol)で一度に(in one portion)処理した。5分以内に白色沈殿が形成された;0.25時間後、反応は完了した。懸濁液を減圧濃縮し、得られた固体物質をEt2O(5×20mL)でトリチュレートし、次いで焼結ガラス漏斗を通す濾過によって除去した。次いで濾液をHCl(8.00mmol;ジオキサンに溶解した4M溶液2.00mL)で処理し、得られた沈殿を収集した。結晶性物質をH2OおよびEt2O(各3×30mL)でさらに洗浄し、次いで一定重量になるまで減圧下で乾燥した(0.345g、1.15mmol;95.3%)。Mp187℃(dec)。1H NMR(DMSO−d6,600MHz):δ11.03(2H,brs),7.72(1H,brt,J=5.8Hz),7.16(4H,s),5.90(1H,dddd,J=17.0,10.6,5.4,5.1Hz),5.27(1H,brdd,J=17.2,1.3Hz),5.16(1H,brd,J=10.2Hz),4.47(2H,dt,J=5.1,1.5Hz),4.14(2H,d,J=6.1Hz),4.00(2H,t,J=6.5Hz),2.61−2.58(2H,m),1.89−1.84(2H,m)。13C NMR(DMSO−d6,151MHz):δ156.1,139.4,137.4,133.7,128.2,127.0,116.9,73.4,64.2,43.4,30.6,28.9。HRMS C14H20N2O3(M+H)の計算値:265.1547。実測値:265.1550。
パートD−(2R)−N−{3−[4−(アミノメチル)フェニル]プロポキシ}−2−[(tert−ブトキシ)−カルボニルアミノ]−3−インドール−3−イルプロパンアミド、トリフルオロ酢酸塩の製造
22℃で、Boc−DTrp−OH(0.110g、0.360mmol)を溶解したCH
2Cl
2(3.00mL)溶液を、HOBt(55.1mg、0.360mmol)、i−Pr
2NEt(125μL、0.720mmol)およびHBTU(0.137g、0.360mmol)で連続的に処理した。0.25時間後、溶液をパート7Cの生成物(90.2mg、0.300mmol)で一度に(in one portion)処理した。得られた溶液を1時間攪拌し、次いで全ての揮発物を減圧下で除去した。22℃で、粗ヒドロキサム酸エステルを2:1のMeCN/H
2O(3.00mL)に再溶解し、17.1mgのTPPTS(30.0μmol;10mol%)、Et
2NH(78μL、0.75mmol)および3.4mgのPd(OAc)
2(15μmol;5mol%)で連続的に処理した。1時間以内に完全な脱保護が観察された。得られた黄色溶液を、0.1%TFAを含むH
2O(5.00mL)で希釈し、次いで0.45μmのアクロディスク(Acrodisk)を通して濾過し、Phenomenex Luna C18カラム(21.2×250mm)を用いたHPLCによって、0.1%TFAおよび10%H
2Oを含有する20−60%MeCNの1%/分のグラジエントを用い、20mL/分で直接精製した。25分で溶出した主生成物ピークを収集し、凍結乾燥し、白色粉末を得た(28.7mg、49.4μmol;16.5%)。
1H NMR(DMSO−d
6,600MHz):δ11.10(1H,brs),10.81(1H,brs),8.13(3H,brs),7.57(1H,d,J=7.7Hz),7.36(2H,AB,J
AB=8.0Hz),7.32(1H,d,J=8.0Hz),7.26(2H,AB,J
AB=8.0Hz),7.13(1H,brs),7.06(1H,ddd,J=7.2,7.0,0.8Hz),6.98(1H,dd,J=7.5,7.2Hz),6.93(1H,brd,J=7.7Hz),4.02(1H,td,J=8.0,6.5Hz),4.01−3.98(2H,m),3.70−3.59(2H,m),3.00(1H,ABX,J
AB=14.1Hz,J
AX=6.1Hz),2.90(1H,ABX,J
AB=14.5Hz,J
BX=8.5Hz),2.66−2.60(2H,m),1.73(2H,brs),1.33(9H,s)。
13C NMR(DMSO−d
6,151MHz):δ168.6,155.0,142.1,136.0,131.3,128.8,128.6,127.2,123.7,120.8,118.4,118.1,111.2,109.8,78.0,74.0,52.9,42.1,31.0,29.3,28.1,27.6。HRMS C
26H
34N
4O
4(M+H)の計算値:467.2653。実測値:467.2649。
パートE−2−{[2−({[N−({4−[3−((2R)−2−アミノ−3−インドール−3−イルプロパノイルアミノオキシ)−プロピル]フェニル}メチル)カルバモイル]メチル}{2−[ビス(カルボキシメチル)アミノ]エチル}アミノ)−エチル](カルボキシメチル)アミノ}酢酸、トリフルオロ酢酸塩の製造
22℃で、2−{ビス[2−(ビス{[(tert−ブチル)オキシカルボニル]メチル}アミノ)エチル]アミノ}酢酸(18.5mg、30.0μmol)、HOBt(4.6mg、30.0μmol)およびパート7Dの生成物(14.5mg、25.0μmol)を溶解した乾燥DMF(1.00mL)溶液を、i−Pr
2NEt(10μL、6μmol)およびHBTU(11.4mg、30.0μmol)で連続的に処理した。得られた溶液を0.25時間攪拌し、次いでEtOAcと0.1Mクエン酸(各30mL)の間に分配し、分液漏斗に移した。層を分離し、水層をEtOAc(2×30mL)で洗浄した。合わせたEtOAc層を、0.1Mクエン酸ならびにNaHCO
3の飽和水溶液およびNaClの飽和水溶液(各3×30mL)で連続的に洗浄し、次いでMgSO
4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、無色油状物を得、さらに精製することなく次の脱保護ステップに用いた。
22℃で、保護された抱合体(理論値で25.0μmol)をジオキサン(0.500mL)に溶解し、次いでH2O(3μL)およびHCl(2.00mmol;ジオキサンに溶解した4M溶液0.500mL)で連続的に処理した。得られた淡黄色溶液を18時間攪拌すると、その間に濃白色(heavy white)沈殿が形成された。脱保護が完了すると、揮発物を減圧下で除去し、0.1%TFAを含むH2O(8.00mL)に白色の固体残渣を再溶解し、次いでPhenomenex Luna C18カラム(21.2×250mm)を用いたHPLCによって、0.1%TFAおよび10%H2Oを含有する10−50%MeCNの1%/分のグラジエントを用い、20mL/分で直接精製した。19分で溶出した主生成物ピークを収集し、凍結乾燥し、白色粉末を得た(3.4mg、3.1μmol;12.5%)。1H NMR(DMSO−d6,600MHz):δ11.50(1H,brs),11.01(1H,brs),8.87(1H,brs),8.26(3H,brs),7.59(1H,d,J=7.8Hz),7.36(1H,d,J=8.1Hz),7.19(2H,AB,JAB=8.1Hz),7.14(2H,AB,JAB=8.0Hz),7.09(1H,dd,J=7.6,7.4Hz),7.01(1H,dd,J=7.5,7.3Hz),6.50(1H,brs),4.31(2H,brd,J=5.4Hz),4.19(2H,brs),3.73(1H,brs),3.64(1H,ABXY,JAB=9.6Hz,JAX=6.6Hz,JAY=6.4Hz),3.57(1H,ABXY,JAB=9.6Hz,JBX=6.4Hz,JBY=6.3Hz),3.49(8H,s),3.35(4H,brs),3.17(1H,ABX,JAB=14.3Hz,JAX=7.2Hz),3.09(1H,ABX,JAB=14.3Hz,JBX=6.8Hz),3.03(4H,brt,J=5.2Hz),2.55(2H,dd,J=7.7,7.6Hz),1.70−1.63(2H,m)。13C NMR(DMSO−d6,151MHz):δ172.7,165.0,157.7(q,J=30.7Hz),140.2,136.2,135.7,128.3,127.4,126.8,124.6,121.2,118.5,118.2,117.2(q,J=301Hz),111.5,106.7,74.6,54.3,53.9,52.2,51.0,48.7,42.1,30.8,29.1,27.2。HRMS C35H47N7O11(M+H)の計算値:742.3406。実測値:742.3401。
実施例8
2−{[2−({[N−({4−[3−((2R)−2−アミノ−4−フェニルブタノイルアミノオキシ)プロピル]フェニル}メチル)カルバモイル]メチル}{2−[ビス(カルボキシメチル)アミノ]エチル}アミノ)エチル](カルボキシメチル)アミノ}酢酸、トリフルオロ酢酸塩
パートA−(2R)−N−{3−[4−(アミノメチル)フェニル]プロポキシ}−2−[(tert−ブトキシ)カルボニルアミノ]−4−フェニルブタンアミド、トリフルオロ酢酸塩の製造
22℃で、Boc−DHfe−OH(0.101g、0.360mmol)を溶解したCH
2Cl
2(3.00mL)溶液を、HOBt(55.1mg、0.360mmol)、i−Pr
2NEt(125μL、0.720mmol)およびHBTU(0.137g、0.360mmol)で連続的に処理した。0.25時間後、溶液をパート7Cの生成物(90.2mg、0.300mmol)で一度に(in one portion)処理した。得られた溶液を1時間攪拌し、次いで全ての揮発物を減圧下で除去した。22℃で、粗ヒドロキサム酸エステルを2:1のMeCN/H
2O(3.00mL)に再溶解し、17.1mgのTPPTS(30.0μmol;10mol%)、Et
2NH(78μL、0.75mmol)および3.4mgのPd(OAc)
2(15μmol;5mol%)で連続的に処理した。1時間以内に完全な脱保護が観察された。得られた黄色溶液を、0.1%TFAを含むH
2O(5.00mL)で希釈し、次いで0.45μmのアクロディスク(Acrodisk)を通して濾過し、Phenomenex Luna C18カラム(21.2×250mm)を用いたHPLCによって、0.1%TFAおよび10%H
2Oを含有する30−70%MeCNの1%/分のグラジエントを用い、20mL/分で直接精製した。25分で溶出した主生成物ピークを収集し、凍結乾燥し、白色粉末を得た(48.2mg、86.8μmol;28.9%)。
1H NMR(DMSO−d
6,600MHz):δ11.11(1H,brs),8.12(3H,brs),7.34(2H,AB,J
AB=8.1Hz),7.28−7.25(4H,m),7.18−7.16(3H,m),7.06(1H,brd,J=7.8Hz),4.00−3.96(2H,m),3.77−3.70(3H,m),2.67(2H,t,J=7.6Hz),2.62−2.57(1H,m),2.52−2.47(1H,m),1.83−1.78(4H,m),1.38(9H,s)。
13C NMR(DMSO−d
6,75MHz):δ168.8,155.3,142.1,141.2,131.4,128.8,128.6,128.3,125.8,76.1,74.2,51.9,42.0,33.5,31.5,31.0,29.4,28.1。HRMS C
25H
35N
3O
4(M+H)の計算値:442.2700。実測値:442.2698。
パートB−2−{[2−({[N−({4−[3−((2R)−2−アミノ−4−フェニルブタノイルアミノオキシ)−プロピル]フェニル}メチル)カルバモイル]メチル}{2−[ビス(カルボキシメチル)アミノ]エチル}アミノ)−エチル](カルボキシメチル)アミノ}酢酸、トリフルオロ酢酸塩の製造
22℃で、2−{ビス[2−(ビス{[(tert−ブチル)オキシカルボニル]メチル}アミノ)エチル]アミノ}酢酸(18.5mg、30.0μmol)、HOBt(4.6mg、30.0μmol)およびパート8Aの生成物(13.9mg、25.0μmol)を溶解した乾燥DMF(1.00mL)溶液を、i−Pr
2NEt(10μL、6μmol)およびHBTU(11.4mg、30.0μmol)で連続的に処理した。得られた溶液を0.25時間攪拌し、次いでEtOAcと0.1Mクエン酸(各30mL)の間に分配し、分液漏斗に移した。層を分離し、水層をEtOAc(2×30mL)で洗浄した。合わせたEtOAc層を、0.1Mクエン酸ならびにNaHCO
3の飽和水溶液およびNaClの飽和水溶液(各3×30mL)で連続的に洗浄し、次いでMgSO
4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、無色油状物を得、さらに精製することなく次の脱保護ステップに用いた。
22℃で、保護された抱合体(理論値で25.0μmol)をジオキサン(0.500mL)に溶解し、次いでH2O(3μL)およびHCl(2.00mmol;ジオキサンに溶解した4M溶液0.500mL)で連続的に処理した。得られた淡黄色溶液を18時間攪拌すると、その間に濃白色(heavy white)沈殿が形成された。脱保護が完了すると、揮発物を減圧下で除去し、0.1%TFAを含むH2O(8.00mL)に白色の固体残渣を再溶解し、次いでPhenomenex Luna C18カラム(21.2×250mm)を用いたHPLCによって、0.1%TFAおよび10%H2Oを含有する10−50%MeCNの1%/分のグラジエントを用い、20mL/分で直接精製した。21分で溶出した主生成物ピークを収集し、凍結乾燥し、白色粉末を得た(10.5mg、9.92μmol;39.7%)。1H NMR(DMSO−d6,600MHz):δ11.74(1H,brs),8.89(1H,brt,J=5.8Hz),8.35(3H,brs),7.30(2H,dd,J=7.6,7.3Hz),7.22−7.16(8H,m),4.30(2H,brd,J=5.5Hz),4.22(2H,s),3.83(2H,dd,J=6.4,6.1Hz),3.67(1H,brs),3.49(8H,s),3.37(4H,brt,J=5.5Hz),3.04(4H,brt,J=5.7Hz),2.66(2H,dd,J=7.9,7.6Hz),2.58(2H,dd,J=8.4,8.2Hz),2.01−1.92(2H,m),1.87−1.82(2H,m)。13C NMR(DMSO−d6,151MHz):δ172.7,165.1,164.6,157.9(q,J=31.7Hz),140.3,140.2,135.8,128.5,128.3,128.0,127.4,126.2,117.0(q,J=299Hz),74.8,54.3,53.9,52.2,50.3,48.6,42.1,32.8,30.9,30.4,29.4。HRMS C34H48N6O11(M+H)の計算値:717.3454。実測値:717.3446。
実施例9
2−({2−[({N−[6−((2R)−2−アミノ−4−フェニルブタノイルアミノオキシ)ヘキシル]カルバモイル}メチル){2−[ビス(カルボキシメチル)アミノ]エチル}アミノ]エチル}(カルボキシメチル)アミノ)酢酸、トリフルオロ酢酸塩
パートA−(2R)−N−(6−アミノヘキシルオキシ)−2−[(tert−ブトキシ)カルボニルアミノ]−4−フェニルブタンアミド、トリフルオロ酢酸塩の製造
22℃で、Boc−DHfe−OH(0.101g、0.360mmol)を溶解したCH
2Cl
2(3.00mL)溶液を、HOBt(55.1mg、0.360mmol)、i−Pr
2NEt(125μL、0.720mmol)およびHBTU(0.137g、0.360mmol)で連続的に処理した。0.25時間後、溶液をパート4Cの生成物(75.8mg、0.300mmol)で一度に(in one portion)処理した。得られた溶液を1時間攪拌し、次いで全ての揮発物を減圧下で除去した。22℃で、粗ヒドロキサム酸エステルを2:1のMeCN/H
2O(3.00mL)に再溶解し、17.1mgのTPPTS(30.0μmol;10mol%)、Et
2NH(78μL、0.75mmol)および3.4mgのPd(OAc)
2(15μmol;5mol%)で連続的に処理した。1時間以内に完全な脱保護が観察された。得られた黄色溶液を、0.1%TFAを含むH
2O(5.00mL)で希釈し、次いで0.45μmのアクロディスク(Acrodisk)を通して濾過し、Phenomenex Luna C18カラム(21.2×250mm)を用いたHPLCによって、0.1%TFAおよび10%H
2Oを含有する10−50%MeCNの1%/分のグラジエントを用い、20mL/分で直接精製した。32分で溶出した主生成物ピークを収集し、凍結乾燥し、白色粉末を得た(37.8mg、74.5μmol;24.8%)。TPPTSは少量であっても
1H NMRスペクトルで検出されうる。
1H NMR(DMSO−d
6,600MHz):δ11.07(1H,brs),7.77(3H,brs),7.26(2H,dd,J=7.6,7.6Hz),7.18−7.15(3H,m),7.04(1H,brd,J=7.6Hz),3.77−3.70(3H,m),2.78−2.73(2H,m),2.62−2.57(1H,m),2.52−2.47(1H,m),1.82−1.75(2H,m),1.54−1.49(4H,m),1.38(9H,s),1.38−1.27(4H,m)。
13C NMR(DMSO−d
6,151MHz):δ168.7,158.2(q,J=32.0Hz),155.2,141.23,128.3,128.2,125.8,116.9(q,J=293Hz),78.0,74.8,51.9,38.7,33.6,31.5,28.1,27.2,26.8,25.5,24.8。HRMS C
21H
35N
3O
4(M+H)の計算値:394.2700。実測値:394.2698。
パートB−2−({2−[({N−[6−((2R)−2−アミノ−4−フェニルブタノイルアミノオキシ)ヘキシル]−カルバモイル}メチル){2−[ビス(カルボキシメチル)アミノ]エチル}アミノ]エチル}(カルボキシメチル)−アミノ)酢酸、トリフルオロ酢酸塩の製造
22℃で、2−{ビス[2−(ビス{[(tert−ブチル)オキシカルボニル]メチル}アミノ)エチル]アミノ}酢酸(18.5mg、30.0μmol)、HOBt(4.6mg、30.0μmol)およびパート9Aの生成物(12.7mg、25.0μmol)を溶解した乾燥DMF(1.00mL)溶液を、i−Pr
2NEt(10μL、6μmol)およびHBTU(11.4mg、30.0μmol)で連続的に処理した。得られた溶液を0.25時間攪拌し、次いでEtOAcと0.1Mクエン酸(各30mL)の間に分配し、分液漏斗に移した。層を分離し、水層をEtOAc(2×30mL)で洗浄した。合わせたEtOAc層を、0.1Mクエン酸ならびにNaHCO
3の飽和水溶液およびNaClの飽和水溶液(各3×30mL)で連続的に洗浄し、次いでMgSO
4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、無色油状物を得、さらに精製することなく次の脱保護ステップに用いた。
22℃で、保護された抱合体(理論値で25.0μmol)をジオキサン(0.500mL)に溶解し、次いでH2O(3μL)およびHCl(2.00mmol;ジオキサンに溶解した4M溶液0.500mL)で連続的に処理した。得られた淡黄色溶液を18時間攪拌すると、その間に濃白色(heavy white)沈殿が形成された。脱保護が完了すると、揮発物を減圧下で除去し、0.1%TFAを含むH2O(8.00mL)に白色の固体残渣を再溶解し、次いでPhenomenex Luna C18カラム(21.2×250mm)を用いたHPLCによって、0.1%TFAおよび10%H2Oを含有する0−40%MeCNの1%/分のグラジエントを用い、20mL/分で直接精製した。27分で溶出した主生成物ピークを収集し、凍結乾燥し、白色粉末を得た(10.4mg、10.3μmol;41.2%)。1H NMR(DMSO−d6,600MHz):δ11.64(1H,brs),8.41(1H,brt,J=5.3Hz),8.31(2H,brs),7.30(2H,dd,J=7.6,7.5Hz),7.21(1H,dd,J=7.4,7.4Hz),7.18(2H,d,J=7.2Hz),4.13(2H,brs),3.84−3.76(2H,m),3.64(1H,brs),3.49(8H,s),3.34(4H,brt,J=4.9Hz),3.10(2H,td,J=6.8,6.0Hz),3.03(4H,brt,J=5.7Hz),2.58(2H,dd,J=8.4,8.0Hz),2.01−1.93(2H,m),1.59−1.54(2H,m),1.45−1.40(2H,m),1.38−1.25(4H,m)。13C NMR(DMSO−d6,151MHz):δ172.7,165.0,164.3,157.7(q,J=31.4Hz),140.1,128.5,128.0,126.2,117.0(q,J=300Hz),75.4,54.3,53.9,52.1,50.2,48.6,38.7,32.8,30.3,28.7,27.4,26.1,24.9。HRMS C30H48N6O11(M+H)の計算値:669.3454。実測値:669.3446。
実施例10
2−[(2−{[(N−{[4−((2R)−2−アミノ−4−メチルペンタノイルアミノオキシ)フェニル]メチル}カルバモイル)メチル]{2−[ビス(カルボキシメチル)アミノ]エチル}アミノ}エチル)(カルボキシメチル)アミノ]酢酸、トリフルオロ酢酸塩
パートA−N−{[4−(アミノオキシ)フェニル]メチル}プロプ−2−エニルオキシカルボキサミド、塩酸塩の製造
N−[(4−ヒドロキシフェニル)メチル]プロプ−2−エニルオキシカルボキサミド(2.07g、10.0mmol;Imamura, H.; Ohtake, N.; Shimizu, A.; Jona, H.; Sato, H.; Nagano, R.; Ushijima, R.; Yamada, K.; Hashizume, T.; Morishima, H. Bioorg. Med. Chem. Lett. 2000, 10(2), 109-113.)を溶解した乾燥MeOH(20.1mL)溶液を0℃まで冷却し、KOt−Bu(1.12g、10.0mmol)で一度に(in one portion)処理した。得られた淡いピンク色の溶液を0.25時間攪拌し、次いで22℃まで温め、0.25時間維持し、減圧濃縮した。固体をDMF(13.0mL)に再溶解し、0℃まで冷却し、次いで新たに製造したアミノ2,4,6−トリメチルベンゼンスルホネート(10.0mmol;DMFに溶解した1.67M溶液6.00mL; (a) Carpino, L. A. J. Am. Chem. Soc. 1960, 82, 3133. (b) Krause, J. G. Synthesis 1972, 3, 140. (c) Suits, J. Z.; Applequist, D. E.; Swart, D. J. J. Org. Chem. 1983, 48, 5120.)で5分以上かけて滴下処理した;移動を定量化するためにさらなるDMF(2×0.50mL)を用いた。0.5時間後、得られた溶液をH
2O(100mL)で希釈し、分液漏斗に移し、次いでEt
2O(5×50mL)で洗浄した。22℃で、合わせたEt
2O洗浄液をMgSO
4で乾燥し、濾過し、次いでHCl(4.00mmol;ジオキサンに溶解した4M溶液1.00mL)で処理した。得られた板状結晶を微細多孔性(fine porosity)の焼結ガラス漏斗上で収集し、Et
2Oおよびペンタン(各5×20mL)で洗浄し、次いで一定重量になるまで漏斗上で乾燥させた(0.597g、2.31mmol;23.1%)。
1H NMR(DMSO−d
6,300MHz):δ7.74(1H,brt,J=6.0Hz),7.25(2H,AA’BB’,J
AB=8.8Hz,J
AA’=2.5Hz),7.14(2H,AA’BB’,J
AB=8.8Hz,J
BB’=2.5Hz),5.90(1H,ddt,J=17.2,10.5,5.4Hz),5.26(1H,dq,J=17.3,1.5Hz),5.16(1H,dq,J=10.4,1.4Hz),4.47(2H,dt,J=5.3,1.5Hz),4.13(2H,brd,J=6.1Hz)。
13C NMR(DMSO−d
6,151MHz):δ156.1,156.0,135.3,133.7,128.2,116.9,114.3,64.3,43.1。HRMS C
11H
14N
2O
3(M+H)の計算値:223.1077。実測値:223.1079。
パートB−(2R)−N−[4−(アミノメチル)フェノキシ]−2−[(tert−ブトキシ)カルボニルアミノ]−4−メチルペンタンアミド、トリフルオロ酢酸塩の製造
22℃で、Boc−DLeu−OH(0.139g、0.600mmol)およびHOBt(91.9mg、0.600mmol)を溶解したDMF(5.00mL)溶液を、i−Pr
2NEt(209μL、1.20mmol)およびHBTU(0.228g、0.600mmol)で連続的に処理した。10分後、溶液をパート10Aの生成物(0.129g、0.500mmol)で一度に(in one portion)処理した。得られた溶液を17時間攪拌し、次いでさらなるHBTU(56.9mg、0.150mmol)で処理し、変換を完了した。1時間後、溶液をEtOAcと0.1Mクエン酸(各30mL)の間に分配し、次いで分液漏斗に移した。層を分離し、水溶液をEtOAc(2×30mL)で洗浄した。合わせたEtOAc層を、0.1Mクエン酸ならびにNaHCO
3の飽和水溶液およびNaClの飽和水溶液(各3×30mL)で連続的に洗浄し、次いでMgSO
4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、無色油状物を得、さらに精製することなく次の脱保護ステップに用いた。
22℃で、粗ヒドロキサム酸エステル(理論値で0.500mmol)を2:1のMeCN/H2O(5.00mL)に溶解し、28.4mgのTPPTS(50.0μmol;10mol%)、Et2NH(129μL、1.25mmol)および5.6mgのPd(OAc)2(25.0μmol;5mol%)で連続的に処理した。0.5時間以内に完全な脱保護が観察された。得られた琥珀色の溶液を、0.1%TFAを含むH2O(3.00mL)で希釈し、次いで0.45μmのアクロディスク(Acrodisk)を通して濾過し、Phenomenex Luna C18カラム(21.2×250mm)を用いたHPLCによって、0.1%TFAおよび10%H2Oを含有する10−40%MeCNの1%/分のグラジエントを用い、20mL/分で直接精製した。23分で溶出した主生成物ピークを収集し、凍結乾燥し、白色粉末を得た(71.3mg、0.153mmol;30.6%)。1H NMR(DMSO−d6,300MHz):δ12.11(1H,brs),8.10(3H,brs),7.36(2H,AB,JAB=8.5Hz),7.17(1H,brd,J=7.8Hz),7.05(2H,AB,JAB=8.6Hz),4.00−3.90(3H,m),1.66−1.36(3H,m),1.41(9H,s),0.90(3H,d,J=6.4Hz),0.86(3H,d,J=6.5Hz)。13C NMR(DMSO−d6,75MHz):δ169.8,159.6,155.5,130.2,127.6,112.8,78.2,50.7,41.7,28.1,24.2,22.6,21.7。HRMS C18H29N3O4(M+H−NH3)の計算値:335.1965。実測値:335.1969。
パートC−2−[(2−{[(N−{[4−((2R)−2−アミノ−4−メチルペンタノイルアミノオキシ)−フェニル]メチル}カルバモイル)メチル]{2−[ビス(カルボキシメチル)アミノ]エチル}アミノ}−エチル)(カルボキシメチル)アミノ]酢酸、トリフルオロ酢酸塩の製造
22℃で、2−{ビス[2−(ビス{[(tert−ブチル)オキシカルボニル]メチル}アミノ)エチル]アミノ}酢酸(67.9mg、0.110mmol)、HOBt(16.8mg、0.110mmol)およびパート10Bの生成物(46.5mg、0.100mmol)を溶解した乾燥DMF(2.00mL)溶液を、i−Pr
2NEt(38μL、0.22mmol)およびHBTU(41.7mg、0.110mmol)で連続的に処理した。得られた溶液を0.5時間攪拌し、次いでEtOAcと0.1Mクエン酸(各30mL)の間に分配し、分液漏斗に移した。層を分離し、水層をEtOAc(2×30mL)で洗浄した。合わせたEtOAc層を、0.1Mクエン酸ならびにNaHCO
3の飽和水溶液およびNaClの飽和水溶液(各3×30mL)で連続的に洗浄し、次いでMgSO
4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、無色油状物を得、さらに精製することなく次の脱保護ステップに用いた。
22℃で、保護された抱合体(理論値で0.110mmol)をジオキサン(1.00mL)に溶解し、次いでH2O(10μL)およびHCl(4.00mmol;ジオキサンに溶解した4M溶液1.00mL)で連続的に処理した。得られた淡黄色溶液を15時間攪拌すると、その間に濃白色(heavy white)沈殿が形成された。脱保護が完了すると、揮発物を減圧下で除去し、0.1%TFAを含むH2O(6.00mL)に白色の固体残渣を再溶解し、次いでPhenomenex Luna C18カラム(21.2×250mm)を用いたHPLCによって、0.1%TFAおよび10%H2Oを含有する0−22%MeCNの1%/分のグラジエントを用い、20mL/分で直接精製した。18分で溶出した主生成物ピークを収集し、凍結乾燥し、白色粉末を得た(30.8mg、31.8μmol;31.8%)。1H NMR(DMSO−d6,600MHz):δ12.70(1H,brs),8.90(1H,brs),8.41(3H,brs),7.26(2H,AB,JAB=8.4Hz),7.03(2H,AB,JAB=8.1Hz),4.30(2H,brd,J=5.2Hz),4.20(2H,s),3.81(1H,brs),3.50(8H,s),3.36(4H,brt,J=5.4Hz),3.04(4H,brt,J=5.8Hz),1.64(3H,brs),0.95(3H,brd,J=5.5Hz),0.92(3H,brd,J=5.5Hz)。13C NMR(DMSO−d6,151MHz):δ172.7,166.4,164.7,158.2,158.0(q,J=30.7Hz),132.8,128.7,117.1(q,J=300Hz),113.0,54.3,53.9,52.2,49.0,48.7,41.7,40.0,23.8,22.2,22.0。HRMS C27H42N6O11(M+H)の計算値:627.2986。実測値:627.2989。
実施例11
2−[(2−{[(N−{[4−((2R)−2−アミノ−4−フェニルブタノイルアミノオキシ)フェニル]メチル}カルバモイル)メチル]{2−[ビス(カルボキシメチル)アミノ]エチル}アミノ}エチル)(カルボキシメチル)アミノ]酢酸、トリフルオロ酢酸塩
パートA−(2R)−N−[4−(アミノメチル)フェノキシ]−2−[(tert−ブトキシ)カルボニルアミノ]−4−フェニルブタンアミド、トリフルオロ酢酸塩の製造
22℃で、Boc−DHfe−OH(0.168g、0.600mmol)およびHOBt(91.9mg、0.600mmol)を溶解したDMF(5.00mL)溶液を、i−Pr
2NEt(209μL、1.20mmol)およびHBTU(0.228g、0.600mmol)で連続的に処理した。10分後、溶液をパート10Aの生成物(0.129g、0.500mmol)で一度に(in one portion)処理した。得られた溶液を17時間攪拌し、次いでEtOAcと0.1Mクエン酸(各30mL)の間に分配し、分液漏斗に移した。層を分離し、水溶液をEtOAc(2×30mL)で洗浄した。合わせたEtOAc層を、0.1Mクエン酸ならびにNaHCO
3の飽和水溶液およびNaClの飽和水溶液(各3×30mL)で連続的に洗浄し、次いでMgSO
4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、無色油状物を得、さらに精製することなく次の脱保護ステップに用いた。
22℃で、粗ヒドロキサム酸エステル(理論値で0.500mmol)を2:1のMeCN/H2O(5.00mL)に溶解し、28.4mgのTPPTS(50.0μmol;10mol%)、Et2NH(129μL、1.25mmol)および5.6mgのPd(OAc)2(25.0μmol;5mol%)で連続的に処理した。0.5時間以内に完全な脱保護が観察された。得られた琥珀色の溶液を、0.1%TFAを含むH2O(3.00mL)で希釈し、次いで凍結乾燥した。固体を10:1のH2O/MeCN(8.00ml)に再溶解し、0.45μmのアクロディスク(Acrodisk)を通して濾過し、Phenomenex Luna C18カラム(21.2×250mm)を用いたHPLCによって、0.1%TFAおよび10%H2Oを含有する20−50%MeCNの1%/分のグラジエントを用い、20mL/分で直接精製した。17分で溶出した主生成物ピークを収集し、凍結乾燥し、白色粉末を得た(0.157g、0.305mmol;61.0%)。1H NMR(DMSO−d6,600MHz):δ12.11(1H,brs),8.10(3H,brs),7.36(2H,AB,JAB=8.5Hz),7.34(1H,brd,J=7.5Hz),7.28(2H,dd,J=7.7,7.5Hz),7.20(2H,AB,JAB=7.5Hz),7.18(1H,t,J=7.2Hz),7.06(2H,AB,JAB=8.5Hz),3.96(2H,brd,J=5.1Hz),3.90−3.87(1H,m),2.70−2.65(1H,m),2.59−2.54(1H,m),1.93−1.87(2H,m),1.43(9H,s)。13C NMR(DMSO−d6,151MHz):δ169.6,159.6,155.5,141.0,130.2,128.3,127.7,125.9,112.8,78.3,52.2,41.6,32.8,31.5,28.2。HRMS C22H29N3O4(M+H)の計算値:400.2231。実測値:400.2241。
パートB−2−[(2−{[(N−{[4−((2R)−2−アミノ−4−フェニルブタノイルアミノオキシ)−フェニル]メチル}カルバモイル)メチル]{2−[ビス(カルボキシメチル)アミノ]エチル}アミノ}−エチル)(カルボキシメチル)アミノ]酢酸、トリフルオロ酢酸塩の製造
22℃で、2−{ビス[2−(ビス{[(tert−ブチル)オキシカルボニル]メチル}アミノ)エチル]アミノ}酢酸(47.9mg、77.6μmol)、HOBt(10.9mg、71.1μmol)およびパート11Aの生成物(33.2mg、64.7μmol)を溶解した乾燥DMF(1.29mL)溶液を、i−Pr
2NEt(25μL、0.14mmol)およびEDC(13.6mg、71.1μmol)で連続的に処理した。得られた溶液を20時間攪拌し、次いでEtOAcと0.1Mクエン酸(各30mL)の間に分配し、分液漏斗に移した。層を分離し、水層をEtOAc(2×30mL)で洗浄した。合わせたEtOAc層を0.1Mクエン酸、0.1M NaOHおよび飽和NaCl水溶液(各3×30mL)で連続的に洗浄し、次いでMgSO
4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、無色油状物を得、さらに精製することなく次の脱保護ステップに用いた。
22℃で、保護された抱合体(理論値で64.7μmol)をジオキサン(0.650mL)に溶解し、次いでH2O(6μL)およびHCl(2.60mmol;ジオキサンに溶解した4M溶液0.650mL)で連続的に処理した。得られた淡黄色溶液を18.5時間攪拌すると、その間に濃白色(heavy white)沈殿が形成された。脱保護が完了すると、N2気流下で揮発物を除去し、0.1%TFAを含むH2O(8.00mL)に白色の固体残渣を再溶解し、次いでPhenomenex Luna C18カラム(21.2×250mm)を用いたHPLCによって、0.1%TFAおよび10%H2Oを含有する0−30%MeCNの1%/分のグラジエントを用い、20mL/分で直接精製した。23分で溶出した主生成物ピークを収集し、凍結乾燥し、白色粉末を得た(29.4mg、28.9μmol;44.7%)。1H NMR(DMSO−d6,600MHz):δ12.79(1H,brs),8.92(1H,brs),8.56(3H,brs),7.32(2H,dd,J=7.8,7.1Hz),8.27(2H,AB,JAB=8.4Hz),7.23−7.21(3H,m),7.06(2H,d,J=7.6Hz),4.31(2H,brd,J=5.0Hz),4.23(2H,s),3.50(8H,s),3.38(4H,brs),3.05(4H,brt,J=5.4Hz),2.67(2H,brs),2.09(2H,brs)。13C NMR(DMSO−d6,151MHz):δ172.7,166.1,164.6,158.3,158.2(q,J=32.9Hz),140.2,132.8,128.7,128.6,128.1,126.3,116.9(q,J=299Hz),113.0,54.3,53.9,52.2,50.4,48.7,41.8,32.9,30.5。HRMS C31H42N6O11(M+H)の計算値:675.2984。実測値:675.2997。
実施例12
2−[(2−{[(N−{[4−((2R)−2−アミノ−3−(2−ナフチル)プロパノイルアミノオキシ)フェニル]メチル}カルバモイル)メチル]{2−[ビス(カルボキシメチル)アミノ]エチル}アミノ}エチル)(カルボキシメチル)アミノ]酢酸、トリフルオロ酢酸塩
パートA−(2R)−N−[4−(アミノメチル)フェノキシ]−2−[(tert−ブトキシ)カルボニルアミノ]−3−(2−ナフチル)プロパンアミド、トリフルオロ酢酸塩の製造
22℃で、Boc−DNal−OH(0.189g、0.600mmol)およびHOBt(91.9mg、0.600mmol)を溶解したDMF(5.00mL)溶液を、i−Pr
2NEt(209μL、1.20mmol)およびHBTU(0.228g、0.600mmol)で連続的に処理した。10分後、溶液をパート10Aの生成物(0.129g、0.500mmol)で一度に(in one portion)処理した。得られた溶液を17時間攪拌し、次いでさらなるHBTU(56.9mg、0.150mmol)で処理し、変換を完了した。1時間後、溶液をEtOAcと0.1Mクエン酸(各30mL)の間に分配し、次いで分液漏斗に移した。層を分離し、水溶液をEtOAc(2×30mL)で洗浄した。合わせたEtOAc層を、0.1Mクエン酸ならびにNaHCO
3の飽和水溶液およびNaClの飽和水溶液(各3×30mL)で連続的に洗浄し、次いでMgSO
4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、無色油状物を得、さらに精製することなく次の脱保護ステップに用いた。
22℃で、粗ヒドロキサム酸エステル(理論値で0.500mmol)を2:1のMeCN/H2O(5.00mL)に溶解し、28.4mgのTPPTS(50.0μmol;10mol%)、Et2NH(129μL、1.25mmol)および5.6mgのPd(OAc)2(25.0μmol;5mol%)で連続的に処理した。0.5時間以内に完全な脱保護が観察された。得られた琥珀色の溶液を、0.1%TFAを含むH2O(3.00mL)で希釈し、次いで凍結乾燥した。固体を1:1のH2O/MeCN(8.00ml)に再溶解し、0.45μmのアクロディスク(Acrodisk)を通して濾過し、Phenomenex Luna C18カラム(21.2×250mm)を用いたHPLCによって、0.1%TFAおよび10%H2Oを含有する30−60%MeCNの1%/分のグラジエントを用い、20mL/分で直接精製した。12分で溶出した主生成物ピークを収集し、凍結乾燥し、白色粉末を得た(0.115g、0.209mmol;41.9%)。1H NMR(DMSO−d6,600MHz):δ12.08(1H,s),8.10(3H,brs),7.89(1H,d,J=7.5Hz),7.86(1H,d,J=8.5Hz),7.83(1H,d,J=7.5Hz),7.76(1H,s),7.51−7.47(2H,m),7.45(1H,d,J=8.0Hz),7.40(1H,brd,J=7.7Hz),7.21(2H,AB,JAB=8.3Hz),6.86(2H,AB,JAB=8.5Hz),4.28−4.24(1H,m),3.92(2H,brs),3.14(1H,ABX,JAB=13.6Hz,JAX=6.7Hz),3.06(1H,ABX,JAB=13.3Hz,JBX=8.8Hz),1.35(9H,s)。13C NMR(DMSO−d6,151MHz):δ168.8,159.4,155.3,135.1,132.9,131.9,130.1,127.6,127.6,127.6,127.5,127.4,126.0,125.5,112.7,78.3,53.8,41.6,36.9,28.1。HRMS C25H29N3O4(M+H−NH3)の計算値:419.1965。実測値:419.1967。
パートB−2−[(2−{[(N−{[4−((2R)−2−アミノ−3−(2−ナフチル)プロパノイルアミノオキシ)−フェニル]メチル}カルバモイル)メチル]{2−[ビス(カルボキシメチル)アミノ]エチル}アミノ}−エチル)(カルボキシメチル)アミノ]酢酸、トリフルオロ酢酸塩の製造
22℃で、2−{ビス[2−(ビス{[(tert−ブチル)オキシカルボニル]メチル}アミノ)エチル]アミノ}酢酸(67.9mg、0.110mmol)、HOBt(16.8mg、0.110mmol)およびパート12Aの生成物(54.9mg、0.100mmol)を溶解した乾燥DMF(2.00mL)溶液を、i−Pr
2NEt(38μL、0.22mmol)およびHBTU(41.7mg、0.110mmol)で連続的に処理した。得られた溶液を0.5時間攪拌し、次いでEtOAcと0.1Mクエン酸(各30mL)の間に分配し、分液漏斗に移した。層を分離し、水層をEtOAc(2×30mL)で洗浄した。合わせたEtOAc層を、0.1Mクエン酸ならびにNaHCO
3の飽和水溶液およびNaClの飽和水溶液(各3×30mL)で連続的に洗浄し、次いでMgSO
4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、無色油状物を得、さらに精製することなく次の脱保護ステップに用いた。
22℃で、保護された抱合体(理論値で0.100mmol)をジオキサン(1.00mL)に溶解し、次いでH2O(10μL)およびHCl(4.00mmol;ジオキサンに溶解した4M溶液1.00mL)で連続的に処理した。得られた淡黄色溶液を15時間攪拌すると、その間に濃白色(heavy white)沈殿が形成された。脱保護が完了すると、N2気流下で揮発物を除去し、0.1%TFAを含むH2O(8.00mL)に白色の固体残渣を再溶解し、次いでPhenomenex Luna C18カラム(21.2×250mm)を用いたHPLCによって、0.1%TFAおよび10%H2Oを含有する5−30%MeCNの1%/分のグラジエントを用い、20mL/分で直接精製した。20分で溶出した主生成物ピークを収集し、凍結乾燥し、白色粉末を得た(40.5mg、38.5μmol;38.5%)。1H NMR(DMSO−d6,600MHz):δ12.49(1H,brs),8.84(1H,brt,J=5.1Hz),8.63(2H,brs),7.98−7.95(2H,m),7.89−7.86(1H,m),7.77(1H,brs),7.57−7.54(2H,m),7.45(1H,brs),6.85(2H,AB,JAB=8.2Hz),6.50(2H,AB,JAB=7.6Hz),4.20(2H,s),4.21−4.15(3H,m),3.51(8H,s),3.38(4H,brt,J=5.5Hz),3.35−3.31(1H,m),3.26−3.22(1H,m),3.05(4H,brt,J=5.7Hz)。13C NMR(DMSO−d6,151MHz):δ172.7,156.2,164.6,158.1(q,J=31.8Hz),157.8,133.0,132.4,132.3,132.2,128.4,128.3,128.3,127.6,127.6,127.3,126.3,126.0,117.1(q,J=299Hz),112.6,54.3,53.8,52.2,51.6,48.7,41.7,37.0。HRMS C34H42N6O11(M+H)の計算値:711.2986。実測値:711.2985。
実施例13
2−{[2−({[N−({4−[2−((2R)−2−アミノ−4−メチルペンタノイルアミノオキシ)エチル]フェニル}メチル)カルバモイル]メチル}{2−[ビス(カルボキシメチル)アミノ]エチル}アミノ)エチル](カルボキシメチル)アミノ}酢酸、トリフルオロ酢酸塩
パートA−N−メトキシ−N−メチル(4−{[(フェニルメトキシ)カルボニルアミノ]−メチル}フェニル)カルボキサミドの製造
22℃で、4−{[(フェニルメトキシ)カルボニルアミノ]メチル}安息香酸(3.99g、14.0mmol;Groves, K.; Wilson, A. J.; Hamilton, A. D. J. Am. Chem. Soc. 2004, 126(40), 12833-12842.)およびHOBt(2.57g、16.8mmol)を溶解した乾燥DMF(70.0mL)溶液を、i−Pr
2NEt(4.87mL、28.0mmol)およびEDC(3.22g、16.8mmol)で連続的に処理した。0.25時間後、溶液をメトキシメチルアミン塩酸塩(1.64g、16.8mmol)で一度に(in one portion)処理した。生じた混合物を1時間攪拌し、次いでEtOAcおよび0.1Mクエン酸(各100mL)の間に分配し、分液漏斗に移した。層を分離し、水層をEtOAc(2×50mL)で洗浄した。合わせたEtOAc層を0.1Mクエン酸、0.1M NaOHおよび飽和NaCl水溶液(各3×50mL)で連続的に洗浄し、次いでMgSO
4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。1:1→3:7のペンタン/EtOAc(R
f=0.3、1:1のヘキサン/EtOAc中)のグラジエント溶出を用いたシリカクロマトグラフィー(40×250mm)による精製によって、純粋な物質を無色油状物として得た(3.94g、12.0mmol;85.9%)。
1H NMR(CDCl
3,300MHz):δ7.63(2H,AA’BB’,J
AB=8.3Hz,J
AA’=1.9Hz),7.36−7.27(7H,m),5.20(1H,brs),5.13(2H,s),4.40(2H,brd,J=6.0Hz),3.52(3H,s),3.33(3H,s)。
13C NMR(CDCl
3,75MHz):δ169.5,156.4,141.1,136.4,133.2,128.6,128.5,128.1,128.1,126.9,66.9,61.0,44.8,33.7。HRMS C
18H
20N
2O
4の計算値:329.1496。実測値:329.1497。
パートB−N−[(4−アセチルフェニル)メチル](フェニルメトキシ)カルボキサミドの製造
パート13Aの生成物(3.28g、10.0mmol)を溶解した乾燥THF(100mL)溶液を0℃まで冷却し、MeLi(30.0mmol;Et
2Oに溶解した2.94M溶液10.2mL)で0.25時間以上かけて滴下処理した;滴下中に濃白色(heavy white)沈殿が形成された。0.5時間後、得られた懸濁液を、濃HClを無水EtOHに溶解した溶液(5:95 v/v;100mL)で処理し、次いでEt
2Oおよび飽和NaCl水溶液(各100mL)で希釈し、分液漏斗に移した。層を分離し、水層をEt
2O(2×50mL)で洗浄した。合わせたEt
2O層を飽和NaCl水溶液(3×100mL)でさらに洗浄し、次いでMgSO
4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。粗物質を1:1のヘキサン/EtOAcを用いたシリカクロマトグラフィー(40×300mm)によって精製した。300〜500mLの間で溶出した主生成物を収集し、濃縮し、非晶質の白色粉末を得、Et
2O/ペンタンから再結晶化し、微細な無色の針状晶を得た(1.57g、5.54mmol;55.6%)。Mp101.0〜103.0℃。
1H NMR(CDCl
3,300MHz):δ7.90(2H,AB,J
AB=8.3Hz),7.34(7H,brs),5.22(1H,brs),5.13(2H,s),4.40(2H,brd,J=6.2Hz),2.57(3H,s)。
13C NMR(DMSO−d
6,151MHz):δ197.6,156.4,143.9,136.4,136.3,128.7,128.5,128.2,128.1,127.4,67.0,44.7,26.6。HRMS C
17H
17NO
3(M+H)の計算値:284.1281。実測値:284.1280。
パートC−2−(4−{[(フェニルメトキシ)カルボニルアミノ]メチル}フェニル)酢酸メチルの製造
22℃で、パート13Bの生成物(1.24g、4.38mmol)を3:1のMeOH/HC(OMe)
3(28.0mL)に溶解した溶液を、AgNO
3(1.56g、9.18mmol)およびI
2(1.17g、4.61mmol)で連続的に処理した。得られた溶液を68℃まで温め、還流しながら2時間維持した。22℃まで冷却後、焼結ガラス漏斗を通して懸濁液を濾過し、Et
2OとH
2O(各50mL)の間で濾液を分配し、分液漏斗に移した。層を分離し、水層をEt
2O(2×50mL)で洗浄した。合わせたEt
2O層をMgSO
4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、白色固体を得、さらに精製することなく次の還元ステップに用いた。
1H NMR(CDCl
3,300MHz):δ7.87−7.80(5H,m),7.23(4H,s),5.13(2H,s),5.04(1H,brs),4.36(2H,brd,J=5.9Hz),3.68(3H,s),3.60(2H,s)。
パートD−N−{[4−(2−ヒドロキシエチル)フェニル]メチル}(フェニルメトキシ)カルボキサミドの製造
パート13Cの生成物(1.20g、3.83mmol)を溶解した乾燥THF(38.3mL)溶液を0℃まで冷却し、LiAlH
4(3.83mmol;THFに溶解した1M溶液3.83mL)で10分以上かけて滴下処理した。得られた溶液を0℃で0.25時間攪拌し、完全な還元を確実にした。H
2O(145μL)を注意深く加えることによって、過剰なLiAlH
4を消費した。得られた白色懸濁液を、15%NaOH水溶液(145μL)およびH
2O(435μL)で連続的に処理し、次いで0.25時間攪拌し、明白色(fine white)スラリーを得た。生じた混合物をセライトのパッドを通して濾過し、減圧濃縮した。粗油状物を1:1のヘキサン/EtOAcを用いたシリカクロマトグラフィーによって精製し、白色固体を得た(0.670g、2.35mmol;61.3%)。
1H NMR(CDCl
3,600MHz):δ7.36−7.29(5H,m),7.23(2H,AB,J
AB=7.3Hz),7.19(2H,AB,J
AB=7.7Hz),5.13(2H,s),5.03(1H,brs),4.36(2H,brd,J=5.5Hz),3.84(2H,t,J=6.6Hz),2.85(2H,t,J=6.6Hz),1.46(1H,brs)。HRMS C
17H
19NO
3(M+Na)の計算値:308.1257。実測値:308.1257。
パートE−N−({4−[2−(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イルオキシ)エチル]フェニル}メチル)−(フェニルメトキシ)カルボキサミドの製造
パート13Dの生成物(0.300g、1.05mmol)、2−ヒドロキシイソインドリン−1,3−ジオン(0.206g、1.26mmol)およびPPh
3(0.414g、1.58mmol)を溶解した乾燥THF(10.5mL)溶液を0℃まで冷却し、オレンジ色が残らないようにDEAD(0.224mL、1.42mmol)で滴下処理した。得られた淡黄色溶液をすぐに22℃まで温め、減圧濃縮し、2:1→1:1のヘキサン/EtOAc(R
f=0.5、1:1のヘキサン/EtOAc中)のグラジエント溶出を用いたシリカクロマトグラフィーによって直接精製した。生成物含有画分を合わせて、濃縮し、白色結晶性固体を得た(0.354g、0.822mmol;78.2%)。
1H NMR(CDCl
3,600MHz):δ7.83−7.80(2H,m),7.74−7.72(2H,m),7.36−7.29(5H,m),7.26(2H,AB,J
AB=8.0Hz),7.21(2H,AB,J
AB=7.5Hz),5.13(2H,s),4.98(1H,brs),4.42(2H,t,J=7.3Hz),4.33(2H,brd,J=5.5Hz),3.12(2H,t,J=7.3Hz)。HRMS C
25H
22N
2O
5(M+Na)の計算値:453.1421。実測値:453.1425。
パートF−N−({4−[2−(アミノオキシ)エチル]フェニル}メチル)(フェニルメトキシ)カルボキサミド、塩酸塩の製造
22℃で、パート13Eの生成物(0.341g、0.792mmol)を溶解した9:1のCHCl
3/MeOH(8.00mL)溶液を、ヒドラジン水和物(0.190mL、3.92mmol)で一度に(in one portion)処理した。5分以内に白色沈殿が形成された;1時間後、反応は完了した。シリカのプラグ(25g)を通して懸濁液を濾過し、次いで9:1のCH
2Cl
2/MeOH(750mL)で溶出し、減圧濃縮し、白色固体を得た。固体をEt
2Oでトリチュレートし、次いで焼結ガラス漏斗を通した濾過によって除去した。濾液をHCl(0.8mmol;ジオキサンに溶解した4M溶液0.2mL)でさらに処理し、得られた沈殿を収集し、Et
2O(10×5mL)で洗浄し、一定重量になるまで減圧下で乾燥させた(0.220g、0.653;82.5%)。
1H NMR(DMSO−d
6,600MHz):δ10.94(2H,brs),7.78(1H,brt,J=5.8Hz),7.37−7.28(5H,m),7.20(2H,AB,J
AB=8.4Hz),7.18(2H,AB,J
AB=8.4Hz),5.03(2H,s),4.20(2H,t,J=6.6Hz),4.16(2H,brd,J=6.0Hz),2.90(2H,t,J=6.5Hz)。HRMS C
17H
20N
2O
3(M+H)の計算値:301.1547。実測値:301.1550。
パートG−(2R)−N−{2−[4−(アミノメチル)フェニル]エトキシ}−2−[(tert−ブトキシ)カルボニル−アミノ]−4−メチルペンタンアミド、トリフルオロ酢酸塩の製造
22℃で、Boc−DLeu−OH(49.0mg、0.197mmol)を溶解したDMF(1.00mL)溶液を、HOBt(30.0mg、0.196mmol)、i−Pr
2NEt(51μL、0.293mmol)およびHBTU(75.0mg、0.198mmol)で連続的に処理した。0.25時間後、溶液をパート13Fの生成物(55.0mg、0.163mmol)で一度に(in one portion)処理した。得られた溶液を0.5時間攪拌し、次いでEtOAc(25mL)で希釈し、分液漏斗に移した。EtOAc溶液を0.1Mクエン酸(3×30mL)ならびにNaHCO
3の飽和水溶液(3×30mL)およびNaCl(30mL)の飽和水溶液で連続的に洗浄し、次いでMgSO
4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、無色油状物を得、さらに精製することなく次の脱保護ステップに用いた。
22℃で、粗ヒドロキサム酸エステル(理論値で0.163mmol)をMeOH(1.00mL)に溶解し、10%Pd炭素(17.4mg、16.3μmol;10mol%)で一度に(in one portion)処理した。得られた懸濁液に1atmのH2を拡散させ、1時間維持した。容器をN2でパージした後、懸濁液を0.45μmのアクロディスク(Acrodisk)を通して濾過し、次いで減圧濃縮した。残渣を1:1のMeCN/H2O(3.00mL)に再溶解し、次いでPhenomenex Luna C18カラム(21.2×250mm)を用いたHPLCによって、0.1%TFAおよび10%H2Oを含有する15−45%MeCNの1%/分のグラジエントを用い、20mL/分で直接精製した。20分で溶出した主生成物ピークを収集し、凍結乾燥し、白色粉末を得た(61.2mg、0.124mmol;75.9%)。1H NMR(DMSO−d6,600MHz):δ11.15(1H,brs),8.12(2H,brs),7.36(2H,AB,JAB=8.1Hz),7.33(2H,AB,JAB=8.1Hz),6.91(1H,brd,J=7.6Hz),3.99(2H,brs),3.98−3.89(2H,m),3.82−3.78(1H,m),2.87(2H,brt,J=6.2Hz),1.58−1.52(1H,m),1.46−1.40(1H,m),1.36(9H,s),1.36−1.31(1H,m),0.87(3H,d,J=6.5Hz),0.84(3H,d,J=6.5Hz)。HRMS C20H33N3O4(M+H)の計算値:380.2544。実測値:380.2548。
パートH−−{[2−({[N−({4−[2−((2R)−2−アミノ−4−メチルペンタノイルアミノオキシ)エチル]−フェニル}メチル)カルバモイル]メチル}{2−[ビス(カルボキシメチル)アミノ]エチル}アミノ)−エチル](カルボキシメチル)アミノ}酢酸、トリフルオロ酢酸塩の製造
22℃で、2−{ビス[2−(ビス{[(tert−ブチル)オキシカルボニル]メチル}アミノ)エチル]アミノ}酢酸(51.1mg、82.7μmol)、HOBt(12.7mg、82.9μmol)およびパート13Gの生成物(34.0mg、68.9μmol)を溶解した乾燥DMF(2.00mL)溶液を、i−Pr
2NEt(21μL、120μmol)およびHBTU(31.4mg、82.8μmol)で連続的に処理した。得られた溶液を1時間攪拌し、次いでEtOAc(15mL)で希釈し、0.1Mクエン酸(3×10mL)ならびにNaHCO
3の飽和水溶液(3×10mL)およびNaClの飽和水溶液(10mL)で連続的に洗浄し、次いでMgSO
4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、無色油状物を得、さらに精製することなく次の脱保護ステップに用いた。
22℃で、保護された抱合体(理論値で68.9μmol)をジオキサン(0.500mL)に溶解し、次いでH2O(2μL)およびHCl(2.00mmol;ジオキサンに溶解した4M溶液0.500mL)で連続的に処理した。得られた淡黄色溶液を18時間攪拌すると、その間に濃白色(heavy white)沈殿が形成された。脱保護が完了すると、N2気流下で揮発物を除去し、0.1%TFAおよび10%MeCNを含むH2O(3.00mL)に白色の固体残渣を再溶解し、次いでPhenomenex Luna C18カラム(21.2×250mm)を用いたHPLCによって、0.1%TFAおよび10%H2Oを含有する2−24%MeCNの1%/分のグラジエントを用い、20mL/分で直接精製した。19分で溶出した主生成物ピークを収集し、凍結乾燥し、白色粉末を得た(54.4mg、54.5μmol;79.2%)。1H NMR(DMSO−d6,600MHz):δ11.80(1H,brs),8.92(1H,brt,J=5.7Hz),8.28(2H,brs),7.24(2H,AB,JAB=8.4Hz),7.21(2H,AB,JAB=8.4Hz),4.32(2H,brd,J=5.6Hz),4.23(2H,s),4.00(2H,ABXY,JAB=9.6Hz,JAX=JAY=7.0Hz,JBX=JBY=6.7Hz),3.66(1H,brs),3.50(8H,s),3.38(4H,brt,J=5.7Hz),3.05(4H,brt,J=5.7Hz),2.87(2H,ABXY,JAX=JAY=7.0Hz,JBX=JBY=6.7Hz),1.60−1.50(3H,m),0.90(3H,d,J=6.1Hz),0.88(3H,d,J=6.1Hz)。13C NMR(DMSO−d6,151MHz):δ172.7,165.5,164.6,158.0(q,J=31.8Hz),136.8,136.2,128.8,127.4,116.9(q,J=299Hz),75.9,54.3,53.8,52.2,48.9,48.6,42.1,40.0,33.4,23.8,22.2,22.0。HRMS C29H46N6O11(M+H)の計算値:655.3297。実測値:655.3291。
実施例14
2−{[2−({[N−({4−[2−((2R)−2−アミノ−4−フェニルブタノイルアミノオキシ)エチル]フェニル}メチル)カルバモイル]メチル}{2−[ビス(カルボキシメチル)アミノ]エチル}アミノ)エチル](カルボキシメチル)アミノ}酢酸、トリフルオロ酢酸塩
パートA−(2R)−N−{2−[4−(アミノメチル)フェニル]エトキシ}−2−[(tert−ブトキシ)カルボニル−アミノ]−4−フェニルブタンアミド、トリフルオロ酢酸塩の製造
22℃で、Boc−DHfe−OH(55.0mg、0.197mmol)を溶解したDMF(1.00mL)溶液を、HOBt(30.0mg、0.196mmol)、i−Pr
2NEt(51μL、0.293mmol)およびHBTU(75.0mg、0.198mmol)で連続的に処理した。0.25時間後、溶液をパート13Fの生成物(55.0mg、0.163mmol)で一度に(in one portion)処理した。得られた溶液を0.5時間攪拌し、次いでEtOAc(25mL)で希釈し、分液漏斗に移した。EtOAc溶液を0.1Mクエン酸(3×30mL)ならびにNaHCO
3の飽和水溶液(3×30mL)およびNaClの飽和水溶液(30mL)で連続的に洗浄し、次いでMgSO
4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、無色油状物を得、さらに精製することなく次の脱保護ステップに用いた。
22℃で、粗ヒドロキサム酸エステル(理論値で0.163mmol)をMeOH(1.00mL)に溶解し、10%Pd炭素(17.4mg、16.3μmol;10mol%)で一度に(in one portion)処理した。得られた懸濁液に1atmのH2を拡散させ、1時間維持した。容器をN2でパージした後、懸濁液を0.45μmのアクロディスク(Acrodisk)を通して濾過し、次いで減圧濃縮した。残渣を1:1のMeCN/H2O(3.00mL)に再溶解し、次いでPhenomenex Luna C18カラム(21.2×250mm)を用いたHPLCによって、0.1%TFAおよび10%H2Oを含有する25−51%MeCNの1%/分のグラジエントを用い、20mL/分で直接精製した。17分で溶出した主生成物ピークを収集し、凍結乾燥し、白色粉末を得た(25.0mg、46.2μmol;28.3%)。1H NMR(DMSO−d6,600MHz):δ11.14(1H,brs),8.11(2H,brs),7.36(2H,AB,JAB=8.2Hz),7.33(2H,AB,JAB=8.2Hz),7.26(2H,dd,J=7.7,7.4Hz),7.18−7.16(3H,m),7.08(1H,brd,J=7.4Hz),3.98(2H,s),3.97−3.91(2H,m),3.75(1H,brs),2.88(2H,brdd,J=6.6,6.1Hz),2.63−2.58(1H,m),2.53−2.47(1H,m),1.82−1.78(2H,m),1.38(9H,s)。HRMS C24H33N3O4(M+H)の計算値:428.2544。実測値:428.2542。
パートB−2−{[2−({[N−({4−[2−((2R)−2−アミノ−4−フェニルブタノイルアミノオキシ)エチル]−フェニル}メチル)カルバモイル]メチル}{2−[ビス(カルボキシメチル)アミノ]エチル}アミノ)−エチル](カルボキシメチル)アミノ}酢酸、トリフルオロ酢酸塩の製造
22℃で、2−{ビス[2−(ビス{[(tert−ブチル)オキシカルボニル]メチル}アミノ)エチル]アミノ}酢酸(31.5mg、51.0μmol)、HOBt(7.8mg、51μmol)およびパート14Aの生成物(23.0mg、42.5μmol)を溶解した乾燥DMF(2.00mL)溶液を、i−Pr
2NEt(13μL、75μmol)およびHBTU(19.3mg、50.9μmol)で連続的に処理した。得られた溶液を1時間攪拌し、次いでEtOAc(15mL)で希釈し、0.1Mクエン酸(3×10mL)ならびにNaHCO
3の飽和水溶液(3×10mL)およびNaClの飽和水溶液(10mL)で連続的に洗浄し、次いでMgSO
4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、無色油状物を得、さらに精製することなく次の脱保護ステップに用いた。
22℃で、保護された抱合体(理論値で42.5μmol)をジオキサン(0.500mL)に溶解し、次いでH2O(2μL)およびHCl(2.00mmol;ジオキサンに溶解した4M溶液0.500mL)で連続的に処理した。得られた淡黄色溶液を18時間攪拌すると、その間に濃白色(heavy white)沈殿が形成された。脱保護が完了すると、N2気流下で揮発物を除去し、0.1%TFAおよび10%MeCNを含むH2O(3.00mL)に白色の固体残渣を再溶解し、次いでPhenomenex Luna C18カラム(21.2×250mm)を用いたHPLCによって、0.1%TFAおよび10%H2Oを含有する7−29%MeCNの1%/分のグラジエントを用い、20mL/分で直接精製した。16分で溶出した主生成物ピークを収集し、凍結乾燥し、白色粉末を得た(13.3mg、12.7μmol;30.0%)。1H NMR(DMSO−d6,600MHz):δ11.78(1H,brs),8.90(1H,brt,J=5.6Hz),8.35(2H,brs),7.30(2H,dd,J=7.6,7.6Hz),7.25(2H,AB,JAB=7.9Hz),7.21(2H,AB,JAB=7.9Hz),7.18(2H,d,J=7.3Hz),7.21−7.17(1H,m),4.31(2H,brd,J=5.2Hz),4.23(2H,s),4.03(2H,ABXY,JAB=9.7Hz,JAX=JAY=7.0Hz,JBX=JBY=6.7Hz),3.68(1H,brs),3.49(8H,s),3.38(4H,brt,J=5.5Hz),3.04(4H,brt,J=5.8Hz),2.89(2H,ABXY,JAX=JBX=JAY=JBY=6.7Hz),2.59(2H,dd,J=8.5,8.2Hz),2.03−1.93(2H,m)。13C NMR(DMSO−d6,151MHz):δ172.7,165.2,164.6,157.9(q,J=31.8Hz),140.2,136.8,136.2,128.8,128.5,128.0,127.4,126.2,116.9(q,J=299Hz),76.0,54.3,53.8,52.2,50.3,48.6,42.1,33.4,32.7,30.4。HRMS C33H46N6O11(M+H)の計算値:703.3297。実測値:703.3289。
実施例15
2−{[2−({[N−({4−[2−((2R)−2−アミノ−3−(2−ナフチル)プロパノイルアミノオキシ)エチル]フェニル}メチル)カルバモイル]メチル}{2−[ビス(カルボキシメチル)アミノ]エチル}アミノ)エチル](カルボキシメチル)アミノ}酢酸、トリフルオロ酢酸塩
パートA−(2R)−N−{2−[4−(アミノメチル)フェニル]エトキシ}−2−[(tert−ブトキシ)カルボニル−アミノ]−3−(2−ナフチル)プロパンアミド、トリフルオロ酢酸塩の製造
22℃で、Boc−DNal−OH(62.0mg、0.197mmol)を溶解したDMF(1.00mL)溶液を、HOBt(30.0mg、0.196mmol)、i−Pr
2NEt(51μL、0.293mmol)およびHBTU(75.0mg、0.198mmol)で連続的に処理した。0.25時間後、溶液をパート13Fの生成物(55.0mg、0.163mmol)で一度に(in one portion)処理した。得られた溶液を0.5時間攪拌し、次いでEtOAc(25mL)で希釈し、分液漏斗に移した。EtOAc溶液を0.1Mクエン酸(3×30mL)ならびにNaHCO
3の飽和水溶液(3×30mL)およびNaClの飽和水溶液(30mL)で連続的に洗浄し、次いでMgSO
4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、無色油状物を得、さらに精製することなく次の脱保護ステップに用いた。
22℃で、粗ヒドロキサム酸エステル(理論値で0.163mmol)をMeOH(1.00mL)に溶解し、10%Pd炭素(17.4mg、16.3μmol;10mol%)で一度に(in one portion)処理した。得られた懸濁液に1atmのH2を拡散させ、2時間維持した;1時間後、さらに0.2当量のPdを加え、完全な変換を確実にした。容器をN2でパージした後、懸濁液を0.45μmのアクロディスク(Acrodisk)を通して濾過し、次いで減圧濃縮した。残渣を1:1のMeCN/H2O(3.00mL)に再溶解し、次いでPhenomenex Luna C18カラム(21.2×250mm)を用いたHPLCによって、0.1%TFAおよび10%H2Oを含有する25−51%MeCNの1%/分のグラジエントを用い、20mL/分で直接精製した。18分で溶出した主生成物ピークを収集し、凍結乾燥し、白色粉末を得た(60.8mg、0.105mmol;64.5%)。1H NMR(DMSO−d6,600MHz):δ11.14(1H,brs),8.11(2H,brs),7.85(1H,d,J=7.3Hz),7.82(1H,d,J=8.4Hz),7.80(1H,d,J=7.6Hz),7.71(1H,s),7.48−7.44(2H,m),7.41(1H,d,J=8.1Hz),7.33(2H,AB,JAB=7.8Hz),7.21(2H,AB,JAB=7.3Hz),7.14(1H,brd,J=7.8Hz),4.13−4.09(1H,m),3.98(2H,s),3.86−3.82(1H,m),3.76−3.72(1H,m),3.40(1H,ABXY,JAB=13.3Hz,JAX=JAY=6.5Hz),2.97(1H,ABXY,JAB=13.5Hz,JBX=JBY=8.7Hz),2.71(2H,brs),1.29(9H,s)。HRMS C27H33N3O4(M+H)の計算値:464.2544。実測値:464.2538。
パートB−2−{[2−({[N−({4−[2−((2R)−2−アミノ−3−(2−ナフチル)プロパノイルアミノオキシ)−エチル]フェニル}メチル)カルバモイル]メチル}{2−[ビス(カルボキシメチル)アミノ]エチル}アミノ)−エチル](カルボキシメチル)アミノ}酢酸、トリフルオロ酢酸塩の製造
22℃で、2−{ビス[2−(ビス{[(tert−ブチル)オキシカルボニル]メチル}アミノ)エチル]アミノ}酢酸(46.2mg、74.8μmol)、HOBt(11.5mg、75.1μmol)およびパート15Aの生成物(36.0mg、62.3μmol)を溶解した乾燥DMF(2.00mL)溶液を、i−Pr
2NEt(19μL、110μmol)およびHBTU(28.4mg、74.9μmol)で連続的に処理した。得られた溶液を1時間攪拌し、次いでEtOAc(15mL)で希釈し、0.1Mクエン酸(3×10mL)ならびにNaHCO
3の飽和水溶液(3×10mL)およびNaClの飽和水溶液(10mL)で連続的に洗浄し、次いでMgSO
4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、無色油状物を得、さらに精製することなく次の脱保護ステップに用いた。
22℃で、保護された抱合体(理論値で62.3μmol)をジオキサン(0.500mL)に溶解し、次いでH2O(2μL)およびHCl(2.00mmol;ジオキサンに溶解した4M溶液0.500mL)で連続的に処理した。得られた淡黄色溶液を18時間攪拌すると、その間に濃白色(heavy white)沈殿が形成された。脱保護が完了すると、N2気流下で揮発物を除去し、0.1%TFAおよび10%MeCNを含むH2O(3.00mL)に白色の固体残渣を再溶解し、次いでPhenomenex Luna C18カラム(21.2×250mm)を用いたHPLCによって、0.1%TFAおよび10%H2Oを含有する12−32%MeCNの1%/分のグラジエントを用い、20mL/分で直接精製した。20分で溶出した主生成物ピークを収集し、凍結乾燥し、白色粉末を得た(36.5mg、33.8μmol;54.2%)。1H NMR(DMSO−d6,600MHz):δ11.55(1H,brs),8.90(1H,brt,J=5.7Hz),8.47(2H,brs),7.90−7.87(2H,m),7.84−7.81(1H,m),7.72(1H,s),7.50−7.46(2H,m),7.38(1H,brd,J=8.3Hz),7.14(2H,AB,JAB=8.0Hz),7.00(2H,AB,JAB=8.0Hz),4.29(2H,brd,J=5.5Hz),4.23(2H,s),3.90(1H,brs),3.79(1H,ABXY,JAB=10.0Hz,JAX=JAY=7.0Hz),3.64(1H,ABXY,JAB=10.0Hz,JBX=JBY=6.8Hz),3.50(8H,s),3.38(4H,brt,J=5.6Hz),3.22(1H,ABX,JAB=13.2Hz,JAX=5.6Hz),3.16(1H,ABX,JAB=13.2Hz,JBX=8.6Hz),3.05(4H,brt,J=5.7Hz),2.56(2H,ABXY,JAX=JBX=JAY=JBY=6.9Hz)。13C NMR(DMSO−d6,151MHz):δ172.7,164.6,164.4,158.0(q,J=32.9Hz),136.6,136.1,132.9,132.3,132.2,128.7,128.1,127.5,127.4,127.4,127.3,126.2,125.9,116.7(q,J=297Hz),75.7,54.3,53.8,52.2,51.5,48.6,42.1,37.0,33.1。HRMS C36H46N6O11(M+H)の計算値:739.3297。実測値:739.32。
実施例16
2−{7−[(N−{[4−({[(1R)−1−(N−メトキシカルバモイル)−3−フェニルプロピル]アミノ}メチル)フェニル]メチル}カルバモイル)メチル]−1,4,7,10−テトラアザ−4,10−ビス(カルボキシメチル)シクロドデシル}酢酸、トリフルオロ酢酸塩
パートA−(2R)−2−アミノ−N−メトキシ−4−フェニルブタンアミドの製造
22℃で、Boc−DHfe−OH(1.40g、5.00mmol)およびHOBt(0.919g、6.00mmol)を溶解した乾燥DMF(25.0mL)溶液を、i−Pr
2NEt(2.09mL、12.0mmol)およびHBTU(2.28g、6.00mmol)で連続的に処理し、次いで0.25時間攪拌した。得られた溶液をMeONH
2・HCl(0.501g、6.00mmol)で一度に(in one portion)処理し、0.5時間維持し、次いでEtOAcと0.1M HCl(各50mL)の間に分配し、分液漏斗に移した。層を分離し、水層をEtOAc(2×50mL)で洗浄した。合わせたEtOAc洗浄液を0.1M HCl、0.1M NaOHおよび飽和NaCl水溶液(各3×50mL)で連続的に洗浄し、次いでMgSO
4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、白色固体を得た(R
f=0.2、1:1のヘキサン/EtOAc中)。
22℃で、粗ヒドロキサム酸メチルをジオキサン(75.0mL)に再溶解し、次いでEt3SiH(799μL、5.00mmol)およびHCl(0.100mol;ジオキサンに溶解した4.0M溶液25.0mL)で連続的に処理した。得られた溶液を12.5時間攪拌し、次いで1.0M NaOH(100mL)で中和し、EtOAc(100mL)で希釈し、分液漏斗に移した。層を分離し、水層をEtOAc(6×50mL)で徹底的に洗浄した。合わせたEtOAc層をMgSO4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、無色油状物を得、1.0%Et3Nを含む9:1のCH2Cl2/MeOHを用いたシリカクロマトグラフィー(40×210mm)によって精製した(Rf=0.1、9:1のCH2Cl2/MeOH中)。300〜420mLの間で溶出した主生成物を収集し、濃縮し、非晶質白色粉末を得た(0.659g、3.16mmol;63.3%)。1H NMR(DMSO−d6,300MHz):δ7.30−7.14(5H,m),3.58(3H,s),3.02(1H,dd,J=7.5,6.0Hz),2.69−2.50(2H,m),1.80(1H,dddd,J=13.2,10.1,6.2,6.2Hz),1.64(1H,dddd,J=13.4,10.0,7.8,5.8Hz)。13C NMR(DMSO−d6,75MHz):δ171.6,141.8,128.2,128.2,125.7,63.0,52.4,36.8,31.4。HRMS C11H16N2O2(M+H)の計算値:209.1285。実測値:209.1288。
パートB−N−[(4−ホルミルフェニル)メチル]プロプ−2−エニルオキシカルボキサミドの製造
22℃で、パート1Bの生成物(2.21g、10.0mmol)を溶解した乾燥CH
2Cl
2(50.0mL)溶液を、デス・マーチンペルヨージナン(5.09g、12.0mmol)で一度に(in one portion)処理した。1分以内に、該酸化剤の迅速な溶解が観察された;その後、反応混合物を穏やかに還流した。5分後、完全な酸化が観察され、得られた懸濁液をEt
2O(50mL)で希釈した。セライトのパッドを通した濾過によって固体を除去し、濾過ケーキをEt
2Oで徹底的に洗浄した;最終濾液量を500mLとした。合わせた濾液を減圧濃縮し、淡黄色油状物を得、次いで3:2→2:3のヘキサン/EtOAcのステップグラジエントを用いたシリカクロマトグラフィー(40×265mm)によって精製し(R
f=0.5、1:1のヘキサン/EtOAc中)、純粋な生成物を無色油状物として得た(2.15g、9.81mmol;98.1%)。
1H NMR(CDCl
3,600MHz):δ10.01(1H,s),7.86(2H,AB,J
AB=8.1Hz),7.47(2H,AB,J
AB=7.9Hz),5.59(1H,ddt,J=16.9,10.7,5.6Hz) 5.33(1H,d,J=17.0Hz),5.24(1H,d,J=10.4Hz),5.22(1H,brs),4.62(2H,dt,J=5.7,1.5Hz),4.47(2H,d,J=6.1Hz)。
13C NMR(CDCl
3,151MHz):δ191.8,156.3,145.5,135.7,132.6,130.1,127.8,117.9,65.9,44.7。HRMS C
12H
13NO
3(M+H)の計算値:220.0968。実測値:220.0967。
パートC−(2R)−N−メトキシ−4−フェニル−2−[({4−[(プロプ−2−エニルオキシカルボニルアミノ)メチル]フェニル}メチル)アミノ]ブタンアミド、塩酸塩の製造
パート16Aの生成物(0.177g、0.850mmol)およびパート16Bの生成物(0.186g、0.850mmol)を溶解した乾燥MeOH(8.50mL)溶液を0℃まで冷却し、次いでNaCNBH
3(0.160g、2.55mmol)で一度に(in one portion)処理した。1時間後、反応混合物に氷AcOH(0.048mL、0.850mmol)を加えた;変換の劇的な増加が観察された。次いで、該AcOH処理プロセスを次の2時間でさらに2回繰り返し、各プロセスの間隔を1時間維持した。4時間の総反応時間後、得られた溶液をEtOAcと飽和NaHCO
3水溶液(各50mL)の間に分配し、分液漏斗に移した。層を分離し、水層をEtOAc(2×50mL)で洗浄した。次いで、合わせたEtOAc層をMgSO
4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、淡黄色油状物を得た。98:2のEtOAc/MeOHを用いたシリカクロマトグラフィー(40×260mm)による精製によって、純粋な生成物を無色油状物として得た。次いで22℃で、該油状物を乾燥Et
2O(100mL)に再溶解し、HCl(4.00mmol;ジオキサンに溶解した4.0M溶液1.00mL)で処理した。得られた懸濁液を中間多孔質の焼結ガラス漏斗を通して濾過し、収集した固体をEt
2Oで徹底的に洗浄し、次いで減圧下で乾燥させ、非晶質白色粉末を得た(0.253g、0.564mmol;66.3%)。
1H NMR(DMSO−d
6,600MHz):δ12.20(1H,s),10.16(1H,brs),9.53(1H,brs),7.83(1H,brt,J=6.1Hz),7.51(2H,AB,J
AB=8.1Hz),7.31−7.27(4H,m),7.22−7.18(3H,m),5.91(1H,ddt,J=17.1,10.6,5.4Hz),5.28(1H,dq,J=17.2,1.7Hz),5.18(1H,dq,J=10.5,1.5Hz),4.49(2H,dt,J=5.4,1.5Hz),4.20(2H,d,J=6.2Hz),4.13−3.99(2H,m),3.68(3H,s),3.47(1H,brs),2.63(2H,ABXY,J
AB=13.6Hz,J
AX=J
BX=10.9Hz,J
AY=J
BY=5.9Hz) 2.24−2.16(1H,m),2.10(1H,dddd,J=13.5,10.8,8.6,6.3Hz)。
13C NMR(DMSO−d
6,151MHz):δ163.5,156.2,140.8,140.2,133.7,130.3,129.7,128.4,128.1,127.0,126.2,116.9,64.4,63.6,56.7,48.6,43.4,31.3,30.4。
パートD−2−{7−[(N−{[4−({[(1R)−1−(N−メトキシカルバモイル)−3−フェニルプロピル]アミノ}メチル)フェニル]メチル}カルバモイル)メチル]−1,4,7,10−テトラアザ−4,10−ビス(カルボキシメチル)シクロドデシル}酢酸、トリフルオロ酢酸塩の製造
22℃で、パート16Cの生成物(112mg、0.250mmol)を2:1のMeCN/H
2O(5.00mL)に溶解し、14.2mgのTPPTS(25.0μmol;10mol%)、Et
2NH(129μL、1.25mmol)および2.8mgのPd(OAc)
2(12.5μmol;5mol%)で連続的に処理した。0.25時間以内に完全な脱保護が観察された。次いで、得られた琥珀色の溶液を凍結乾燥し、全ての揮発性成分を除去した。
22℃で、得られた固体をDMFに再溶解し、HOBt(45.9mg、0.300mmol)、2−(1,4,7,10−テトラアザ−4,7,10−トリス{[(tert−ブチル)オキシカルボニル]メチル}−シクロドデシル)酢酸(172mg、0.300mmol)、i−Pr2NEt(105μL、0.600mmol)およびHBTU(114mg、0.300mmol)で連続的に処理した。0.25時間後、完全なアシル化が観察された;微量の位置異性体および二量体生成物のみが形成された。得られた溶液をEtOAcとH2O(各50mL)の間に分配し、分液漏斗に移した。層を分離し、水層をEtOAc(2×50mL)で洗浄した。EtOAc溶液を0.1M NaOH(3×50mL)および飽和NaCl水溶液(各3×50mL)でさらに洗浄し、次いでMgSO4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、淡黄色油状物を得、さらに精製することなく次の脱保護ステップに用いた。
22℃で、保護された抱合体(理論値で0.250mmol)をジオキサン(2.50mL)に溶解し、次いでH2O(23μL)およびHCl(10.0mmol;ジオキサンに溶解した4M溶液2.50mL)で連続的に処理した。得られた淡黄色溶液を17時間攪拌すると、その間に濃白色(heavy white)沈殿が形成された。脱保護が完了すると、N2気流下で揮発物を除去し、0.1%TFAを含むH2O(8.00mL)に白色の固体残渣を再溶解し、次いでPhenomenex Luna C18カラム(21.2×250mm)を用いたHPLCによって、0.1%TFAおよび10%H2Oを含有する0−60%MeCNの2%/分のグラジエントを用い、20mL/分で部分的に精製した。22分で溶出した主生成物ピークを収集し、凍結乾燥し、白色粉末を得た。最終精製は、同一のカラムおよび方法を用いて行った。主生成物ピークを収集し、凍結乾燥し、白色粉末を得た(99.0mg、93.8μmol;37.5%)。1H NMR(メタノール−d4,600MHz):δ7.44(2H,AB,JAB=8.3Hz),7.41(2H,AB,JAB=8.3Hz),7.31−7.27(2H,m),7.20(3H,m),4.40(2H,s),4.16(2H,ABq,JAB=13.0Hz),3.84−3.74(9H,brm),3.78(3H,s),3.35(8H,brs),3.25(8H,brs),2.72−2.62(2H,m),2.24−2.13(2H,m)。13C NMR(メタノール−d4,151MHz):δ165.7,163.0(q,JCF=34.6Hz),142.0,141.1,131.7,130.8,129.9,129.8,129.4,127.8,118.3(q,JCF=293Hz),65.0,59.1,56.2,55.6(br),55.1(br),51.5(br),51.1,51.0(br) 44.0,33.5,32.2。HRMS C35H51N7O9(M+H)の計算値:714.3821。実測値:714.3819。
実施例17
2−(7−{[N−({4−[({(1R)−3−フェニル−1−[N−(フェニルメトキシ)カルバモイル]プロピル}アミノ)メチル]フェニル}メチル)カルバモイル]メチル}−1,4,7,10−テトラアザ−4,10−ビス(カルボキシメチル)シクロドデシル)酢酸、トリフルオロ酢酸塩
パートA−(2R)−2−アミノ−4−フェニル−N−(フェニルメトキシ)ブタンアミドの製造
22℃で、Boc−DHfe−OH(1.40g、5.00mmol)およびHOBt(0.919g、6.00mmol)を溶解した乾燥DMF(25.0mL)溶液を、i−Pr
2NEt(2.09mL、12.0mmol)およびHBTU(2.28g、6.00mmol)で連続的に処理し、次いで0.25時間攪拌した。得られた溶液をBnONH
2・HCl(0.958g、6.00mmol)で一度に(in one portion)処理し、0.5時間維持し、次いでEtOAcと0.1M HCl(各50mL)の間に分配し、分液漏斗に移した。層を分離し、水層をEtOAc(2×50mL)で洗浄した。合わせたEtOAc洗浄液を0.1M HCl、0.1M NaOHおよび飽和NaCl水溶液(各3×50mL)で連続的に洗浄し、次いでMgSO
4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、白色固体を得た(R
f=0.5、1:1のヘキサン/EtOAc中)。
22℃で、粗ヒドロキサム酸ベンジルをジオキサン(75.0mL)に再溶解し、次いでEt3SiH(799μL、5.00mmol)およびHCl(0.100mol;ジオキサンに溶解した4.0M溶液25.0mL)で連続的に処理した。得られた溶液を12.5時間攪拌し、次いで1.0M NaOH(100mL)で中和し、EtOAc(100mL)で希釈し、分液漏斗に移した。層を分離し、水層をEtOAc(3×50mL)で徹底的に洗浄した。合わせたEtOAc層をMgSO4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、無色油状物を得、1.0%Et3Nを含む9:1のCH2Cl2/MeOHを用いたシリカクロマトグラフィー(50×170mm)によって精製した(Rf=0.3、9:1のCH2Cl2/MeOH中)。320〜480mLの間で溶出した主生成物を収集し、濃縮し、非晶質白色粉末を得た(1.19g、4.18mmol;83.7%)。1H NMR(DMSO−d6,600MHz):δ7.41−7.32(5H,m),7.28−7.25(2H,m),7.17−7.15(3H,m),4.81(2H,s),3.02(1H,dd,J=7.3,6.1Hz),2.55(2H,ABXY,JAB=13.7Hz,JAX=JBX=10.3Hz,JAY=5.6Hz,JBY=6.2Hz),1.78(1H,ddt,J=13.2,10.2,6.1Hz),1.63(1H,dddd,J=13.1,10.2,7.5,5.6Hz)。13C NMR(DMSO−d6,151MHz):δ171.9,141.8,136.1,128.7,128.2,128.1,125.6,76.6,52.4,36.9,31.4。HRMS C17H20N2O2(M+H)の計算値:285.1598。実測値:285.1596。
パートB−(2R)−4−フェニル−N−(フェニルメトキシ)−2−[({4−[(プロプ−2−エニルオキシカルボニルアミノ)メチル]フェニル}メチル)アミノ]ブタンアミド、塩酸塩の製造
パート17Aの生成物(0.270g、0.950mmol)およびパート16Bの生成物(0.208g、0.950mmol)を溶解した乾燥MeOH(8.50mL)溶液を0℃まで冷却し、次いでNaCNBH
3(0.179g、2.85mmol)で一度に(in one portion)処理した。1時間後、反応混合物に氷AcOH(0.054mL、0.950mmol)を加えた;変換の劇的な増加が観察された。次いで、該AcOH処理プロセスを次の2時間でさらに2回繰り返し、各プロセスの間隔を1時間維持した。4時間の総反応時間後、得られた溶液をEtOAcと飽和NaHCO
3水溶液(各50mL)の間に分配し、分液漏斗に移した。層を分離し、水層をEtOAc(2×50mL)で洗浄した。次いで、合わせたEtOAc層をMgSO
4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、淡黄色油状物を得た。98:2のEtOAc/MeOHを用いたシリカクロマトグラフィー(40×250mm)による精製によって、純粋な生成物を無色油状物として得た。次いで、22℃で、該油状物を乾燥Et
2O(100mL)に再溶解し、HCl(4.00mmol;ジオキサンに溶解した4.0M溶液1.00mL)で処理した。得られた懸濁液を中間多孔質の焼結ガラス漏斗を通して濾過し、収集した固体をEt
2Oで徹底的に洗浄し、次いで減圧下で乾燥させ、非晶質白色粉末を得た(0.330g、0.629mmol;66.2%)。
1H NMR(DMSO−d
6,600MHz):δ12.11(1H,s),10.14(1H,brs),9.52(1H,brs),7.83(1H,brt,J=6.1Hz),7.49−7.44(4H,m),7.40−7.37(2H,m),7.36−7.33(1H,m),7.30−7.27(4H,m),7.21−7.18(1H,m),7.14−7.12(2H,m),5.92(1H,ddt,J=17.2,10.6,5.4Hz),5.29(1H,dq,J=17.2,1.7Hz),5.18(1H,dq,J=10.5,1.5Hz),4.94(2H,s),4.49(2H,dt,J=5.4,1.5Hz),4.20(2H,d,J=6.2Hz),4.02−3.90(2H,m),3.42(1H,brs),2.50(2H,ABXY,J
AB=13.8Hz,J
AX=J
BX=10.9Hz,J
AY=J
BY=5.8Hz),2.17−2.11(1H,m),2.05(1H,dddd,J=13.4,11.1,8.7,6.0Hz)。
13C NMR(DMSO−d
6,151MHz):δ163.7,156.2,140.8,140.2,135.6,133.7,130.3,129.6,128.8,128.4(2),128.3,128.1,127.0,126.1,116.9,77.1,64.4,56.7,48.5,43.4,31.3,30.3。
パートC−2−(7−{[N−({4−[({(1R)−3−フェニル−1−[N−(フェニルメトキシ)カルバモイル]プロピル}アミノ)メチル]フェニル}メチル)カルバモイル]メチル}−1,4,7,10−テトラアザ−4,10−ビス(カルボキシメチル)シクロドデシル)酢酸、トリフルオロ酢酸塩の製造
22℃で、パート17Bの生成物(131mg、0.250mmol)を2:1のMeCN/H
2O(5.00mL)に溶解し、14.2mgのTPPTS(25.0μmol;10mol%)、Et
2NH(129μL、1.25mmol)および2.8mgのPd(OAc)
2(12.5μmol;5mol%)で連続的に処理した。0.25時間以内に完全な脱保護が観察された。次いで、得られた琥珀色の溶液を凍結乾燥し、全ての揮発性成分を除去した。
22℃で、得られた固体をDMFに再溶解し、HOBt(45.9mg、0.300mmol)、2−(1,4,7,10−テトラアザ−4,7,10−トリス{[(tert−ブチル)オキシカルボニル]メチル}−シクロドデシル)酢酸(172mg、0.300mmol)、i−Pr2NEt(105μL、0.600mmol)およびHBTU(114mg、0.300mmol)で連続的に処理した。0.25時間後、完全なアシル化が観察された;微量の位置異性体および二量体生成物のみが形成された。得られた溶液をEtOAcとH2O(各50mL)の間に分配し、分液漏斗に移した。層を分離し、水層をEtOAc(2×50mL)で洗浄した。EtOAc溶液を0.1M NaOH(3×50mL)および飽和NaCl水溶液(各3×50mL)でさらに洗浄し、次いでMgSO4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、淡黄色油状物を得、さらに精製することなく次の脱保護ステップに用いた。
22℃で、保護された抱合体(理論値で0.250mmol)をジオキサン(2.50mL)に溶解し、次いでH2O(23μL)およびHCl(10.0mmol;ジオキサンに溶解した4M溶液2.50mL)で連続的に処理した。得られた淡黄色溶液を17時間攪拌すると、その間に濃白色(heavy white)沈殿が形成された。脱保護が完了すると、N2気流下で揮発物を除去し、0.1%TFAを含むH2O(8.00mL)に白色の固体残渣を再溶解し、次いでPhenomenex Luna C18カラム(21.2×250mm)を用いたHPLCによって、0.1%TFAおよび10%H2Oを含有する0−60%MeCNの2%/分のグラジエントを用い、20mL/分で部分的に精製した。21分で溶出した主生成物ピークを収集し、凍結乾燥し、白色粉末を得た。最終精製は、同一のカラムおよび方法を用いて行った。主生成物ピークを収集し、凍結乾燥し、白色粉末を得た(0.110g、97.3μmol;38.9%)。1H NMR(メタノール−d4,600MHz):δ7.50−7.48(2H,m),7.42−7.35(6H,m),7.34−7.30(1H,m),7.28−7.24(2H,m),7.21−7.17(1H,m),7.12−7.09(2H,m),4.98(2H,ABq,JAB=11.6Hz),4.20(2H,ABq,JAB=15.4Hz),3.99(2H,ABq,JAB=12.9Hz),3.84(7H,brs),3.68(1H,dd,J=8.5,5.1Hz),3.33(8H,brs),3.28(8H,brs),2.63(2H,ABXY,JAB=13.8Hz,JAX=JBX=10.0Hz,JAY=JBY=7.1Hz) 2.17−2.03(2H,m)。13C NMR(メタノール−d4,151MHz):δ165.6,162.93(q,JCF=34.7Hz),141.9,141.1,136.9,131.7,130.8,130.5,130.1,129.8,129.8,129.7,129.4,127.7,118.3(q,JCF=293Hz),79.3,59.3,56.1,55.3(br),55.0(br),51.4(br),51.1,44.0,33.5,32.1。HRMS C41H55N7O9(M+H)の計算値:790.4134。実測値:790.4129。
実施例18
2−(4−{[N−({4−[(2R)−2−アミノ−2−(N−メトキシカルバモイル)エチル]フェニル}メチル)カルバモイル]メチル}−1,4,7,10−テトラアザ−7,10−ビス(カルボキシメチル)シクロドデシル)酢酸、トリフルオロ酢酸塩
パートA−(2R)−3−[4−(アミノメチル)フェニル]−2−[(tert−ブトキシ)カルボニル−アミノ]プロパン酸、トリフルオロ酢酸塩の製造
(2R)−2−[(tert−ブトキシ)カルボニルアミノ]−3−(4−シアノフェニル)プロパン酸(0.581g、2.00mmol)を28%NH
3水溶液とMeOHの混合溶液(1:2 v/v;24mL)に溶解し、次いでN
2雰囲気下、0.6gのラネーNi2800で注意深く処理した。パール(Parr)装置を用いて、250mLの反応容器のヘッドスペースに繰り返しH
2を拡散させ、次いで50psiまで加圧し、22℃で4時間振盪した。変換が完了すると、ヘッドスペースを除去し、次いで繰り返しN
2を拡散させた。得られた懸濁液をセライトのパッドを通して濾過し、濾過ケーキ(プラス反応容器)を少量の1:1のMeCN/H
2Oで徹底的に洗浄した;最終洗浄量は100mLであった。濾液を氷AcOHで中和し、次いでH
2O(100mL)で希釈し、部分的に減圧濃縮した;最終容量を175mLとした。この溶液を凍結乾燥すると、続くカップリングステップにおける使用に適切な粗生成物を白色固体として得た。所望であれば、該粗物質はPhenomenex Luna C18カラム(21.2×250mm)を用いたHPLCによって、0.1%TFAおよび10%H
2Oを含有する0−40%MeCNの1%/分のグラジエントを用い、20mL/分で精製してよい。24分で溶出した主生成物ピークを収集し、凍結乾燥させ、白色の微結晶性固体を得た。本物質の全ての分光学的データは、公開されている報告と一致していた。
パートB−2−(4−{[N−({4−[(2R)−2−アミノ−2−(N−メトキシカルバモイル)エチル]フェニル}メチル)カルバモイル]メチル}−1,4,7,10−テトラアザ−7,10−ビス(カルボキシメチル)シクロドデシル)酢酸、トリフルオロ酢酸塩の製造
22℃で、2−(1,4,7,10−テトラアザ−4,7,10−トリス{[(tert−ブチル)オキシカルボニル]メチル}−シクロドデシル)酢酸(68.7mg、0.120mmol)を溶解した乾燥DMF(1.00mL)溶液を、HOBt(18.4mg、0.120mmol)およびEDC(22.9mg、0.120mmol)で連続的に処理した。0.5時間後、溶液をパート18Aの生成物(40.8mg、0.100mmol)で処理し、生じた混合物を0.5時間攪拌した。得られた中間の抱合体をEDC(22.9mg、0.120mmol)でもう一度活性化し、次いで0.5時間攪拌し、その後MeONH
2・HCl(10.0mg、0.120mmol)で最終処理した。1時間後、生じた混合物をEtOAc(100mL)で希釈し、次いで分液漏斗に移し、0.1M NaOHおよび飽和NaCl水溶液(各3×25mL)で連続的に洗浄した。EtOAc溶液をMgSO
4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、無色油状物を得、さらに精製することなく次の脱保護ステップに用いた。
22℃で、保護された抱合体(理論値で0.120mmol)をジオキサン(1.00mL)に溶解し、次いでH2O(9μL)およびHCl(4.00mmol;ジオキサンに溶解した4M溶液1.00mL)で連続的に処理した。得られた淡黄色溶液を14時間攪拌すると、その間に濃白色(heavy white)沈殿が形成された。脱保護が完了すると、N2気流下で揮発物を除去し、0.1%TFAを含むH2O(8.00mL)に白色の固体残渣を再溶解し、次いでPhenomenex Luna C18カラム(21.2×250mm)を用いたHPLCによって、0.1%TFAおよび10%H2Oを含有する0−30%MeCNの1%/分のグラジエントを用い、20mL/分で直接精製した。11.5分で溶出した主生成物ピークを収集し、凍結乾燥し、白色粉末を得た(12.8mg、13.4μmol;13.4%)。1H NMR(メタノール−d4,600MHz):δ7.33(2H,AB,JAB=8.0Hz),7.22(2H,AB,JAB=8.1Hz),4.36(2H,brs),3.84(5H,brs),3.75−3.66(4H,brm),3.57(3H,s),3.37(8H,brs),3.31(8H,brs),3.14−3.06(2H,m)。HRMS C27H43N7O9(M+H)の計算値:610.3195。実測値:610.3199。
実施例19
2−[7−({N−[(4−{(2R)−2−アミノ−2−[N−(フェニルメトキシ)カルバモイル]エチル}フェニル)メチル]カルバモイル}メチル)−1,4,7,10−テトラアザ−4,10−ビス(カルボキシメチル)シクロドデシル]酢酸、トリフルオロ酢酸塩
22℃で、2−(1,4,7,10−テトラアザ−4,7,10−トリス{[(tert−ブチル)オキシカルボニル]メチル}−シクロドデシル)酢酸(68.7mg、0.120mmol)を溶解した乾燥DMF(1.00mL)溶液を、HOBt(18.4mg、0.120mmol)およびEDC(22.9mg、0.120mmol)で連続的に処理した。0.5時間後、溶液をパート18Aの生成物(40.8mg、0.100mmol)で処理し、生じた混合物を0.5時間攪拌した。得られた中間の抱合体をEDC(22.9mg、0.120mmol)でもう一度活性化し、次いで0.5時間攪拌し、その後BnONH
2・HCl(19.2mg、0.120mmol)で最終処理した。1時間後、生じた混合物をEtOAc(100mL)で希釈し、次いで分液漏斗に移し、0.1M NaOHおよび飽和NaCl水溶液(各3×25mL)で連続的に洗浄した。EtOAc溶液をMgSO
4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、無色油状物を得、さらに精製することなく次の脱保護ステップに用いた。
22℃で、保護された抱合体(理論値で0.120mmol)をジオキサン(1.00mL)に溶解し、次いでH2O(9μL)およびHCl(4.00mmol;ジオキサンに溶解した4M溶液1.00mL)で連続的に処理した。得られた淡黄色溶液を14時間攪拌すると、その間に濃白色(heavy white)沈殿が形成された。脱保護が完了すると、N2気流下で揮発物を除去し、0.1%TFAを含むH2O(8.00mL)に白色の固体残渣を再溶解し、次いでPhenomenex Luna C18カラム(21.2×250mm)を用いたHPLCによって、0.1%TFAおよび10%H2Oを含有する0−40%MeCNの1%/分のグラジエントを用い、20mL/分で部分的に精製した。21分で溶出した主生成物ピークを収集し、凍結乾燥し、白色粉末を得た。最終精製は同一のカラムを用いて行い、20mL/分で、0.1%HCO2Hおよび10%H2Oを含有する0−50%MeCNの1%/分のグラジエントと組み合わせて行った。14分で溶出した主生成物ピークを収集し、凍結乾燥し、白色粉末を得た(8.2mg、10.0μmol;10.0%)。1H NMR(メタノール−d4,600MHz):δ7.39(2H,AB,JAB=7.7Hz),7.37−7.28(5H,m),7.19(2H,AB,JAB=8.0Hz),4.70(2H,ABq,JAB=11.0Hz),4.41(2H,ABq,JAB=14.8Hz),3.84(1H,brt,J=6.8Hz),3.66−3.36(16H,m),3.11−2.91(11H,m)。HRMS C33H47N7O9(M+H)の計算値:686.3508。実測値:686.3518。
実施例20
2−{[2−({[N−({4−[((2R)−2−アミノ−4−メチルペンタノイルアミノオキシ)メチル]フェニル}メチル)カルバモイル]メチル}{2−[ビス(カルボキシメチル)アミノ]エチル}アミノ)エチル](カルボキシメチル)アミノ}酢酸、トリフルオロ酢酸塩
パートA−N−({4−[(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イルオキシ)メチル]フェニル}メチル)プロプ−2−エニルオキシカルボキサミドの製造
N−ヒドロキシフタルイミド(3.32g、20.3mmol)、パート1Bの生成物(3.00g、13.6mmol)、およびPPh
3(5.33g、20.3mmol)を溶解した乾燥THF(100mL)溶液を、N
2下で攪拌しながら0℃まで冷却した。ADDP(5.13g、20.3mmol)を一度に(in one portion)加え、得られた黄色溶液を周囲温度まで温めた。該溶液を23時間攪拌し、次いで50℃まで加熱し、5時間維持した。22℃まで冷却後、THFを減圧下で除去し、残渣をEt
2Oと飽和NaHCO
3水溶液(各500mL)の間で分配した。Et
2O層をさらなるNaHCO
3溶液(2×500mL)で洗浄し、次いでNa
2SO
4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、粗生成物を黄色固体(7.3g)として得、さらに精製することなく次の脱保護ステップに用いた。LRMS:389.2(100,M+Na),367.2(100),323.2(25)。
パートB−N−({4−[(アミノオキシ)メチル]フェニル}メチル)プロプ−2−エニルオキシカルボキサミドの製造
22℃で、パート20Aの生成物(1g)をMeOH(40.0mL)に溶解し、ヒドラジン水和物(105mg、3.3mmol)を一度に(in one portion)加えた。混合物を加熱還流し、0.5時間維持し、次いで氷水浴を用いて0℃まで冷却し、2時間維持した。焼結ガラス漏斗を通した濾過によって白色固体沈殿を除去し、濾液を濃縮し、粗生成物の淡黄色固体(794mg)を、続くカップリング反応における使用に適切な純度として得た。
1H NMR(DMSO−d
6,600MHz):δ8.1(1H,brs),7.24(4H,ABq,J
AB=8.0Hz),6.00(2H,brs),5.91(1H,ddt,J=17.4,10.2,5.4Hz),5.28(1H,d,J=17.4Hz),5.17(1H,d,J=10.2Hz),4.53(2H,s),4.49(2H,dt,J=5.3,1.5Hz),4.18(2H,d,6.2Hz)。HRMS C
12H
16N
2O
3(M+H)の計算値:237.1234。実測値:237.1238。
パートC−(2R)−2−[(tert−ブトキシ)カルボニルアミノ]−4−メチル−N−({4−[(プロプ−2−エニルオキシカルボニルアミノ)メチル]フェニル}メトキシ)ペンタンアミドの製造
22℃で、パート20Bの生成物(0.200g、0.846mmol)を、Boc−DLeu−OH(254mg、1.10mmol)、HOBt(168mg、1.10mmol)、HBTU(417mg、1.10mmol)、およびi−Pr
2NEt(678μL、3.89mmol)を溶解したDMFの攪拌混合液に加えた。生じた混合物を一晩攪拌し、次いで減圧濃縮し、残渣をEtOAcに溶解した。EtOAc溶液を0.1N HCl、5%NaHCO
3水溶液、および飽和NaCl水溶液で連続的に洗浄し、次いでNa
2SO
4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。粗物質をPhenomenex Luna C18カラム(21.2×250mm)を用いたHPLCによって、0.1%HCO
2Hおよび10%H
2Oを含有する40−80%MeCNの2%/分のグラジエントを用い、20mL/分で精製した。生成物含有画分をプールし、凍結乾燥し、白色の微結晶性粉末を得た(224mg、0.498mmol;58.9%)。
1H NMR(DMSO−d
6,300MHz):δ11.15(1H,s),8.04(1H,t,J=6.9),7.29(4H,ABq,J
AB=8.0Hz),6.86(1H,d,J=7.8Hz),5.91(1H,ddt,J=17.4,10.6,5.4Hz),5.28(1H,d,J=16.3Hz),5.17(1H,d,J=10.7Hz),4.73(2H,s),4.49(2H,dt,J=5.4,1.4Hz),4.19(2H,d,J=6.2),3.81(1H,AB,J
AB=7.9Hz),1.60−1.25(3H,m),1.37(9H,s),0.84(3H,d,J=6.9Hz),0.81(3H,d,J=6.9Hz)。HRMS C
23H
35N
3O
6(M+Na)の計算値:472.2418。実測値:472.2415。
パートD−(2R)−N−{[4−(アミノメチル)フェニル]メトキシ}−2−[(tert−ブトキシ)カルボニルアミノ]−4−メチルペンタンアミド、ギ酸塩の製造
22℃で、パート20Cの生成物(0.200g、0.445mmol)を2:1のMeCN/H
2O(8.00mL)に溶解し、25.3mgのTPPTS(44.5μmol;10mol%)、Et
2NH(116μL、1.11mmol)、および5.00mgのPd(OAc)
2(22.3μmol;5mol%)で連続的に処理した。得られた黄色溶液を0.5時間攪拌し、次いで0.45μmのアクロディスク(Acrodisk)を通して濾過し、Phenomenex Luna C18カラム(21.2×250mm)を用いたHPLCによって、0.1%HCO
2Hおよび10%H
2Oを含有する12−37%MeCNの1%/分のグラジエントを用い、20mL/分で直接精製した。生成物含有画分をプールし、凍結乾燥し、白色の微結晶性粉末を得た(113mg、0.275mmol;61.7%)。
1H NMR(DMSO−d
6,600MHz):δ8.32(1H,s),7.37(4H,ABq,J
AB=8.4Hz),6.90(1H,d,J=7.9Hz),4.75(2H,s),3.85(2H,s),3.82(1H,AB,J
AB=8.4Hz),1.46−1.56(1H,m),1.38(9H,s),1.46−1.36(1H,m),1.36−1.26(1H,m),0.85(3H,d,J=6.5Hz),0.82(3H,d,J=6.2Hz)。LRMS:366.2(100,M+H),731.5(25)。
パートE−(2−[(2−{[(N−{[4−({(2R)−2−[(tert−ブトキシ)カルボニルアミノ]−4−メチルペンタノイルアミノオキシ}メチル)フェニル]メチル}カルバモイル)メチル][2−(ビス{[(tert−ブチル)オキシカルボニル]メチル}アミノ)エチル]アミノ}エチル){[(tert−ブチル)オキシカルボニル]メチル}アミノ]酢酸tert−ブチルの製造
22℃で、2−{ビス[2−(ビス{[(tert−ブチル)オキシカルボニル]メチル}アミノ)エチル]アミノ}酢酸(102mg、0.166mmol)、HOBt(22.4mg、0.166mmol)およびパート20Dの生成物(55.0mg、0.150mmol)を溶解した乾燥DMF(2.00mL)溶液を、i−Pr
2NEt(115μL、0.662mmol)およびHBTU(63.0mg、0.166mmol)で連続的に処理した。得られた溶液を18時間攪拌し、次いで50℃まで加熱し、0.5時間維持した。22℃まで冷却後、全ての揮発物を減圧下で除去し、残渣をEtOAcに再溶解した。EtOAc溶液を0.1N HCl、NaHCO
3の飽和水溶液、およびNaClの飽和水溶液で連続的に洗浄し、次いでNa
2SO
4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、淡黄色油状物を得、さらに精製することなく次の脱保護ステップに用いた。LRMS:966.0(100,M+H),433.6(60)。
パートF−2−{[2−({[N−({4−[((2R)−2−アミノ−4−メチルペンタノイルアミノオキシ)メチル]フェニル}メチル)カルバモイル]メチル}{2−[ビス(カルボキシメチル)アミノ]エチル}アミノ)エチル](カルボキシメチル)アミノ}酢酸、トリフルオロ酢酸塩の製造
22℃で、パート20Eの生成物(理論値で0.150mmol)を3:2のTFA/CH
2Cl
2(3.00mL)に溶解し、次いで一晩攪拌した。脱保護が完了すると、全ての揮発物を減圧下で除去し、残渣をPhenomenex Luna C18カラム(21.2×250mm)を用いたHPLCによって、0.1%TFAおよび10%H
2Oを含有する0−30%MeCNの2%/分のグラジエントを用い、20mL/分で精製した。生成物含有画分をプールし、凍結乾燥し、白色の微結晶性粉末を得た(85.0mg、86.5μmol;57.7%)。
1H NMR(DMSO−d
6,600MHz) δ11.76(1H,s),8.97(1H,t,J=5.7Hz),8.25(3H,brs),7.35(4H,ABq,J
AB=8.1Hz),4.82(2H,s),4.37(2H,d,J=5.7Hz),4.27(2H,s),3.50(9H,brs),3.38(4H,t,J=5.6Hz),3.06(4H,t,J=5.8Hz),1.54−1.47(3H,m),0.85(6H,d,J=5.5Hz)。
13C NMR(DMSO−d
6,151MHz):δ172.5,165.4,164.6,138.5,134.0,128.8,127.0,76.7,54.1,53.6,52.0,48.7,48.4,41.8,23.4,22.0,21.8。HRMS C
28H
44N
6O
11(M+H)の計算値:641.3141。実測値:641.3450。
実施例21
2−{[2−({[N−({4−[((2R)−2−アミノ−3−(2−ナフチル)プロパノイルアミノオキシ)メチル]フェニル}メチル)カルバモイル]メチル}{2−[ビス(カルボキシメチル)アミノ]エチル}アミノ)エチル](カルボキシメチル)アミノ}酢酸、トリフルオロ酢酸塩
パートA−(R)−アリル4−(9,9−ジメチル−5−(ナフタレン−2−イルメチル)−4,7−ジオキソ−2,8−ジオキサ−3,6−ジアザデシル)ベンジルカルバメートの製造
Boc−DNal−OHを用いて、パート20Cに記載したように製造した(126mg、0.235mmol;27.8%)。
1H NMR(DMSO−d
6,600MHz):δ11.20(1H,s),7.86(1H,d,J=8.3Hz),7.81(2H,t,J=7.2Hz),7.75(1H,t,J=5.7Hz),7.71(1H,s),7.44−7.50(2H,m),7.41(1H,d,J=8.6Hz),7.22(4H,ABq,J
AB=8.1Hz),7.10(1H,d,J=8.2Hz),5.91(1H,ddd,J=17.4,10.7,5.5Hz),5.28(1H,d,J=17.3Hz),5.17(1H,d,J=10.3Hz),4.62(2H,ABq,J
AB=11.1Hz),4.49(2H,d,J=5.3Hz),4.18(2H,d,J=6.2Hz),4.11(1H,ABq,J
AB=8.4Hz),2.99(2H,AB,J
AB=7.8Hz),1.29(9H,s)。
13C NMR(DMSO−d
6,151MHz):δ168.3,156.1,155.1,139.9,135.4,133.7,132.9,131.8,128.8,127.7,127.5,127.4,127.3,126.8,125.9,125.4,116.9,78.0,76.5,64.3,53.5,43.5,37.7,28.1。HRMS C
30H
35N
3O
6(M+H)の計算値:556.2418。実測値:556.2410。
パートB−(2R)−N−{[4−(アミノメチル)フェニル]メトキシ}−2−[(tert−ブトキシ)カルボニルアミノ]−3−(2−ナフチル)プロパンアミド、ギ酸塩の製造
パート20Dに記載したように製造した(69.0mg、0.139mmol;60.3%)。
1H NMR(DMSO−d
6,600MHz):δ8.33(1H,s),7.86(1H,d,J=7.8Hz),7.82(1H,t,J=8.3Hz),7.72(1H,s),7.44−7.50(2H,m),7.42(1H,d,J=8.2Hz),7.31(4H,ABq,J
AB=7.9Hz),7.12(1H,d,J=7.1Hz),4.62(2H,ABq,J
AB=10.8Hz),4.12(1H,m),3.82(2H,s),2.91−3.06(2H,m),1.29(9H,s)。LRMS:450.6(100,M+H)。
パートC−2−[(2−{[(N−{[4−({(2R)−2−[(tert−ブトキシ)カルボニルアミノ]−3−(2−ナフチル)プロパノイルアミノオキシ}メチル)フェニル]メチル}カルバモイル)メチル][2−(ビス{[(tert−ブチル)オキシカルボニル]メチル}アミノ)エチル]アミノ}エチル){[(tert−ブチル)オキシカルボニル]メチル}アミノ]酢酸tert−ブチルの製造
パート20Eに記載したように製造した。LRMS:1050.0(100,M+H),618.8(80),475.6(45)。
パートD−2−{[2−({[N−({4−[((2R)−2−アミノ−3−(2−ナフチル)プロパノイルアミノオキシ)メチル]フェニル}メチル)カルバモイル]メチル}{2−[ビス(カルボキシメチル)アミノ]エチル}アミノ)エチル](カルボキシメチル)アミノ}酢酸、トリフルオロ酢酸塩の製造
パート20Fに記載したように製造した(35.0mg、32.8μmol;43.2%)。
1H NMR(DMSO−d
6,300MHz):δ11.62(1H,s),8.95(1H,t,J=5.6Hz),8.44(3H,brs),7.82−7.95(3H,m),7.74(1H,s),7.56−7.47(2H,m),7.37(1H,d,J=8.8Hz),7.17(4H,ABq J
AB=8.1Hz),4.55(2H,AB,J
AB=11.0Hz),4.33(2H,d,J=5.7Hz),4.26(2H,s),3.83−3.94(1H,m),3.51(8H,s),3.39(4H,t,J=5.1Hz),3.18(2H,d,J=7.2Hz),3.06(4H,t,J=4.9Hz)。
13C NMR(DMSO−d
6,151MHz):δ172.7,164.8,164.7,138.7,134.1,132.9,132.3,132.2,128.9,128.2,128.1,127.6,127.5,127.4,127.2,126.3,125.9,113.8,77.0,54.3,53.9,52.2,51.6,48.6。HRMS C
35H
44N
6O
11(M+H)の計算値:725.3141。実測値:725.3141。
実施例22
2−{[2−({[N−({4−[((2R)−2−アミノ−3−フェニルプロパノイルアミノオキシ)メチル]フェニル}メチル)カルバモイル]メチル}{2−[ビス(カルボキシメチル)アミノ]エチル}アミノ)エチル](カルボキシメチル)アミノ}酢酸、トリフルオロ酢酸塩
パートA−(2R)−2−[(tert−ブトキシ)カルボニルアミノ]−3−フェニル−N−({4−[(プロプ−2−エニルオキシカルボニルアミノ)メチル]フェニル}メトキシ)プロパンアミドの製造
Boc−DPhe−OHを用いて、パート20Cに記載したように製造した(88.0mg、0.182mmol;21.5%)。
1H NMR(DMSO−d
6,600MHz):δ11.19(1H,s),7.76(1H,t,J=4.2Hz),7.32−7.16(9H,m),7.02(1H,d,J=8.3Hz),5.91(1H,ddd,J=17.5,10.5,5.4Hz),5.28(1H,d,J=17.1Hz),5.17(2H,d,J=11.5Hz),4.65(2H,ABq,J
AB=10.7Hz),4.49(2H,d,J=5.3Hz),4.19(2H,d,J=6.2Hz),4.00(1H,ABq,J
AB=8.7Hz),2.74−2.87(2H,m),1.32(9H,s)。HRMS C
26H
33N
3O
6(M+H)の計算値:506.2262。実測値 506.2254。
パートB−(2R)−N−{[4−(アミノメチル)フェニル]メトキシ}−2−[(tert−ブトキシ)カルボニルアミノ]−3−フェニルプロパンアミド、ギ酸塩の製造
パート20Dに記載したように製造した(45.0mg、0.101mmol;57.3%)。
1H NMR(DMSO−d
6,600MHz):δ8.33(1H,s),7.35(4H,ABq,J
AB=8.3Hz),7.30−7.17(5H,m),7.03(1H,d,J=8.4Hz),4.66(2H,ABq,J
AB=10.6Hz),3.98−4.04(1H,m),3.83(2H,s),2.85(1H,dd,J=13.7,5.8Hz),2.78(1H,dd,J=13.4,9.5Hz),1.32(9H,s)。LCMS:400.5(100,M+H)。
パートC−2−[(2−{[(N−{[4−({(2R)−2−[(tert−ブトキシ)カルボニルアミノ]−3−フェニルプロパノイルアミノオキシ}メチル)フェニル]メチル}カルバモイル)メチル][2−(ビス{[(tert−ブチル)オキシカルボニル]メチル}アミノ)エチル]アミノ}エチル){[(tert−ブチル)オキシカルボニル]メチル}アミノ]酢酸tert−ブチルの製造
パート20Eに記載したように製造した。LRMS:1000.0(100,M+H)。
パートD−2−{[2−({[N−({4−[((2R)−2−アミノ−3−フェニルプロパノイルアミノオキシ)メチル]フェニル}メチル)カルバモイル]メチル}{2−[ビス(カルボキシメチル)アミノ]エチル}アミノ)エチル](カルボキシメチル)アミノ}酢酸、トリフルオロ酢酸塩の製造
パート20Fに記載したように製造した(60.0mg、59.0μmol;59.7%)。
1H NMR(DMSO−d
6,300MHz):δ11.62(1H,s),8.98(1H,t,J=5.8Hz),8.43(3H,brs),7.38−7.19(9H,m),4.60(2H,ABq,J
AB=10.9Hz),4.36(2H,d,J=5.6Hz),4.27(2H,s),3.84(1H,m),3.51(8H,s),3.39(4H,t,J=5.1Hz),3.06(4H,t,J=6.0Hz),3.01(2H,d,J=6.7Hz)。
13C NMR(DMSO−d
6,151MHz):δ172.7,164.8,164.6,138.7,134.7,134.1,129.4,129.0,128.6,127.3,77.0,54.3,53.9,52.2,51.5,48.7,42.0,38.6。HRMS C
31H
42N
6O
11(M+Na)の計算値:697.2804。実測値:697.2824。
実施例23
2−(7−{[N−({4−[((2R)−2−アミノ−4−メチルペンタノイルアミノオキシ)メチル]フェニル}メチル)カルバモイル]メチル}−1,4,7,10−テトラアザ−4,10−ビス(カルボキシメチル)シクロドデシル)酢酸、トリフルオロ酢酸塩
パートA−2−{7−[(N−{[4−({(2R)−2−[(tert−ブトキシ)カルボニルアミノ]−4−メチルペンタノイルアミノオキシ}メチル)フェニル]メチル}カルバモイル)メチル]−1,4,7,10−テトラアザ−4,10−ビス{[(tert−ブチル)オキシカルボニル]メチル}シクロドデシル}酢酸tert−ブチルの製造
22℃で、2−(1,4,7,10−テトラアザ−4,7,10−トリス{[(tert−ブチル)オキシカルボニル]メチル}−シクロドデシル)酢酸(128mg、0.224mmol)を溶解した乾燥DMF(5.00mL)溶液を、HOBt(30.3mg、0.224mmol)、HBTU(84.9mg、0.224mmol)およびi−Pr
2NEt(146μL、0.840mmol)で連続的に処理した。0.25時間後、溶液をパート20Dの生成物(55.0mg、0.134mmol)およびi−Pr
2NEt(146μL、0.840mmol)で処理し、次いで一晩攪拌した。24時間後、反応を50℃まで加熱し、5時間維持し、次いで減圧濃縮し、残渣をEtOAcに溶解した。EtOAc溶液を0.1N HCl、NaHCO
3の飽和水溶液、およびNaClの飽和水溶液で連続的に洗浄し、次いでNa
2SO
4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、淡黄色油状物を得、さらに精製することなく次の脱保護ステップに用いた。LRMS:921.0(100,M+H),411.2(65)。
パートB−2−(7−{[N−({4−[((2R)−2−アミノ−4−メチルペンタノイルアミノオキシ)メチル]フェニル}メチル)カルバモイル]メチル}−1,4,7,10−テトラアザ−4,10−ビス(カルボキシメチル)シクロドデシル)酢酸、トリフルオロ酢酸塩の製造
22℃で、パート23Aの生成物(理論値で0.134mmol)をジオキサン(3.00mL)に溶解し、次いでH
2O(14μL)およびHCl(12.0mmol;ジオキサンに溶解した4M溶液3.00mL)で連続的に処理した。得られた淡黄色溶液を一晩攪拌し、次いで全ての揮発物を減圧下で除去し、Phenomenex Luna C18カラム(21.2×250mm)を用いたHPLCによって、0.1%TFAおよび10%H
2Oを含有する0−35%MeCNの0.875%/分のグラジエントを用い、20mL/分で残渣を直接精製した。生成物含有画分をプールし、凍結乾燥し、白色の微結晶性粉末を得た(63.0mg、63.4μmol;47.3%)。
1H NMR(DMSO−d
6,600MHz):9.01(1H,t,J=5.4Hz),7.42(4H,ABq,J
AB=8.0Hz),4.98(2H,s),4.49(2H,d,J=5.1Hz),3.95(1H,t,J=6.7Hz),3.81(4H,s),3.80(2H,s),3.63(2H,s),3.15(12H,s),2.99(4H,s),1.80−1.66(3H,m),0.87(3H,d,J=6.1Hz),0.85(3H,d,J=6.1Hz)。HRMS C
30H
49N
7O
9(M+H)の計算値:652.3665。実測値:652.3669。
実施例24
2−(7−{[N−({4−[((2R)−2−アミノ−3−(2−ナフチル)プロパノイルアミノオキシ)メチル]フェニル}メチル)カルバモイル]メチル}−1,4,7,10−テトラアザ−4,10−ビス(カルボキシメチル)シクロドデシル)酢酸、トリフルオロ酢酸塩
パートA−2−{7−[(N−{[4−({(2R)−2−[(tert−ブトキシ)カルボニルアミノ]−3−(2−ナフチル)プロパノイルアミノオキシ}メチル)フェニル]メチル}カルバモイル)メチル]−1,4,7,10−テトラアザ−4,10−ビス{[(tert−ブチル)オキシカルボニル]メチル}シクロドデシル}酢酸tert−ブチルの製造
パート23Aに記載したように製造した。LRMS:1005.0(60,M+H),453.2(100)。
パートB−2−(7−{[N−({4−[((2R)−2−アミノ−3−(2−ナフチル)プロパノイルアミノオキシ)メチル]フェニル}メチル)カルバモイル]メチル}−1,4,7,10−テトラアザ−4,10−ビス(カルボキシメチル)シクロドデシル)酢酸、トリフルオロ酢酸塩の製造
パート23Bに記載したように製造した(28.6mg、26.5μmol;39.9%)。
1H NMR(DMSO−d
6,600MHz):δ8.98(1H,t,J=5.8Hz),7.89−7.79(5H,m),7.52(2H,d,J=8.6Hz),7.53−7.49(2H,m),7.33−7.20(4H,m),4.79(2H,ABq,J
AB=11.6Hz),4.45(2H,s),4.38(2H,s),3.80−3.78(4H,m),3.59(1H,s),3.44(2H,d,J=7.1Hz),3.20−3.09(12H,m),2.96(4H,s)。HRMS C
37H
49N
7O
9(M+H)の計算値:736.3665。実測値:736.3663。
実施例25
2−{[2−({[N−({4−[((2R)−2−アミノ−3−インドール−2−イルプロパノイルアミノオキシ)メチル]フェニル}メチル)カルバモイル]メチル}{2−[ビス(カルボキシメチル)アミノ]エチル}アミノ)エチル](カルボキシメチル)アミノ}酢酸、トリフルオロ酢酸塩
パートA−(2R)−2−[(tert−ブトキシ)カルボニルアミノ]−3−インドール−2−イル−N−({4−[(プロプ−2−エニルオキシカルボニルアミノ)メチル]フェニル}メトキシ)プロパンアミドの製造
Boc−DTrp−OHを用いて、パート20Cに記載したように製造した。LRMS:423.5(100,M+H−Boc),545.5(15,M+Na)。
パートB−(2R)−N−{[4−(アミノメチル)フェニル]メトキシ}−2−[(tert−ブトキシ)カルボニルアミノ]−3−インドール−2−イルプロパンアミド、ギ酸塩の製造
パート20Dに記載したように製造した(154mg、0.318mmol;43.4%)。
1H NMR(DMSO−d
6,600MHz):δ11.22(1H,brs),10.80(1H,s),8.26(1H,s),7.58(1H,d,J=7.7Hz),7.36(1H,d,J=8.0Hz),7.31(4H,ABq,J
AB=8.3Hz),7.12(1H,s),7.05(1H,t,J=7.5Hz),6.97(1H,t,J=7.5Hz),6.91(1H,d,J=8.1Hz),4.64(2H,ABq,J
AB=11.0Hz),4.04(1H,AB,J
AB=7.9Hz),3.84(2H,s),2.99(1H,dd,J=14.3,5.9Hz),2.90(1H,dd,J=14.4,8.8Hz),1.33(9H,s)。HRMS C
24H
30N
4O
4(M+Na)の計算値:461.259。実測値:461.259。
パートC−2−[(2−{[(N−{[4−({(2R)−2−[(tert−ブトキシ)カルボニルアミノ]−3−インドール−2−イルプロパノイルアミノオキシ}メチル)フェニル]メチル}カルバモイル)メチル][2−(ビス{[(tert−ブチル)オキシカルボニル]メチル}アミノ)エチル]アミノ}エチル){[(tert−ブチル)オキシカルボニル]メチル}アミノ]酢酸tert−ブチルの製造
パート20Eに記載したように製造し、粗生成物を得、精製することなく次のステップに用いた。LRMS(m/z):1039.0(100%,[M+H]
+)
パートD−2−{[2−({[N−({4−[((2R)−2−アミノ−3−インドール−2−イルプロパノイルアミノオキシ)メチル]フェニル}メチル)カルバモイル]メチル}{2−[ビス(カルボキシメチル)アミノ]エチル}アミノ)エチル](カルボキシメチル)アミノ}酢酸、トリフルオロ酢酸塩の製造
パート20Fに記載したように製造した(47.7mg、45.2μmol;26.1%)。
1H NMR(DMSO−d
6,600MHz):δ11.63(1H,s),11.02(1H,s),8.95(1H,t,J=5.6Hz),8.28(2H,brs),7.60(1H,d,J=7.9Hz),7.38(1H,d,J=8.1Hz),7.25(4H,ABq,J
AB=8.1Hz),7.12(1H,s),7.10(1H,t,J=7.4Hz),6.91(1H,t,J=7.5Hz),4.60(2H,ABq,J
AB=10.9Hz),4.36(2H,d,J=4.7Hz),4.26(2H,s),3.78−3.72(1H,m),3.51(8H,s),3.38(4H,t,J=5.3Hz),3.18(1H,dd,J=14.4,7.2Hz),3.10(1H,dd,J=14.4,7.4Hz),3.01(4H,t,J=5.4Hz)。HRMS C
33H
43N
7O
11(M+H)の計算値:714.3093。実測値:714.3089。
実施例26
2−(4−{[N−({4−[((2R)−2−アミノ−3−インドール−2−イルプロパノイルアミノオキシ)メチル]フェニル}メチル)カルバモイル]メチル}−1,4,7,10−テトラアザ−7,10−ビス(カルボキシメチル)シクロドデシル)酢酸、トリフルオロ酢酸塩
パートA−2−{10−[(N−{[4−({(2R)−2−[(tert−ブトキシ)カルボニルアミノ]−3−インドール−2−イルプロパノイルアミノオキシ}メチル)フェニル]メチル}カルバモイル)メチル]−1,4,7,10−テトラアザ−4,7−ビス{[(tert−ブチル)オキシカルボニル]メチル}シクロドデシル}酢酸tert−ブチルの製造
パート23Aに記載したように製造した。LRMS:994.0(100,M+H),589.7(50),447.6(100)。
パートB−(2−(4−{[N−({4−[((2R)−2−アミノ−3−インドール−2−イルプロパノイルアミノオキシ)メチル]フェニル}メチル)カルバモイル]メチル}−1,4,7,10−テトラアザ−7,10−ビス(カルボキシメチル)シクロドデシル)酢酸、トリフルオロ酢酸塩の製造
パート23Bに記載したように製造した(13mg、11μmol;8.4%)。
1H NMR(DMSO−d
6,600MHz):δ11.63(1H,s),11.03(1H,s),8.95(1H,brs),8.31(2H,brs),7.60(1H,d,J=7.9Hz),7.38(1H,d,J=8.1Hz),7.25(4H,ABq,J
AB=7.9Hz),7.20(1H,s),7.10(1H,t,J=7.5Hz),7.02(1H,t,J=7.5Hz),4.60(2H,ABq,J
AB=10.9Hz),4.36(2H,d,J=4.5Hz),3.75(1H,t,J=6.4Hz),3.63(4H,s),3.35(12H,brs),3.17(1H,dd,J=14.4,7.2Hz),3.10(1H,dd,J=14.5,7.5Hz),3.04(8H,brs)。HRMS C
35H
48N
8O
9(M+H)の計算値:725.3617。実測値:725.3627。
実施例27
2−({2−[({N−[(4−{[(2R)−2−アミノ−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパノイルアミノオキシ]メチル}フェニル)メチル]カルバモイル}メチル){2−[ビス(カルボキシメチル)アミノ]エチル}アミノ]エチル}(カルボキシメチル)アミノ)酢酸、トリフルオロ酢酸塩
パートA−(2R)−2−[(tert−ブトキシ)カルボニルアミノ]−3−(4−ヒドロキシフェニル)−N−({4−[(プロプ−2−エニルオキシカルボニルアミノ)メチル]フェニル}メトキシ)プロパンアミドの製造
Boc−DTyr−OHを用いて、パート20Cに記載したように製造した(33mg、66μmol;7.8%)。
1H NMR(DMSO−d
6,600MHz):δ11.14(1H,s),9.14(1H,s),7.76(1H,t,J=6.0Hz),7.27(4H,ABq,J
AB=7.9Hz),7.00(2H,d,J=8.2Hz),6.93(1H,d,J=8.5Hz),6.64(2H,d,J=8.3Hz),5.91(1H,ddt,J=17.5,10.4,5.1Hz),5.28(1H,dd,J=17.2,1.3Hz),5.17(1H,dd,J=10.7,1.0Hz),4.64(2H,ABq,J
AB=10.9Hz),4.49(2H,dt,J=5.5,1.3Hz),4.19(2H,d,J=6.2),3.91(1H,AB,J
AB=8.4Hz),2.62−2.76(2H,m),1.33(9H,s)。HRMS C
26H
33N
3O
7(M+H)の計算値:522.2211。実測値:522.2203。
パートB−(2R)−N−{[4−(アミノメチル)フェニル]メトキシ}−2−[(tert−ブトキシ)カルボニルアミノ]−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパンアミド、ギ酸塩の製造
パート20Dに記載したように製造した(16.9mg、36.6μmol;59.0%)。
1H NMR(DMSO−d
6,600MHz):δ8.36(1H,brs),7.52(1H,dt,J=7.6,2.8Hz),7.40(4H,ABq,J
AB=7.7Hz),7.00(2H,d,J=8.1Hz),6.93(1H,d,J=8.3Hz),6.64(2H,d,J=7.9Hz),4.68(2H,ABq,J
AB=10.9Hz),3.97(2H,s),3.91(1H,AB,J
AB=8.0Hz),2.73(1H,dd,J=13.7,5.9Hz),2.66(1H,dd,J=13.3,9.2Hz),1.33(9H,s)。HRMS C
22H
29N
3O
5(M+H)の計算値:416.2180。実測値:416.2183。
パートC−2−[(2−{[(N−{[4−({(2R)−2−[(tert−ブトキシ)カルボニルアミノ]−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパノイルアミノオキシ}メチル)フェニル]メチル}カルバモイル)メチル][2−(ビス{[(tert−ブチル)オキシカルボニル]メチル}アミノ)エチル]アミノ}エチル){[(tert−ブチル)オキシカルボニル]メチル}アミノ]酢酸tert−ブチルの製造
パート20Eに記載したように製造した。LRMS:1016.0(45,M+H),458.6(30,(M−Boc)+2H)。
パートD−2−({2−[({N−[(4−{[(2R)−2−アミノ−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパノイルアミノオキシ]メチル}フェニル)メチル]カルバモイル}メチル){2−[ビス(カルボキシメチル)アミノ]エチル}アミノ]エチル}(カルボキシメチル)アミノ)酢酸、トリフルオロ酢酸塩の製造
パート20Fに記載したように製造した。
1H NMR(DMSO−d
6,600MHz):δ11.54(1H,s),9.37(1H,brs),8.95(1H,t,J=5.3Hz),8.32,(1H,brs),8.28(1H,brs),7.30(4H,ABq,J
AB=8.2Hz),7.00(2H,d,J=8.2Hz),6.72(2H,d,J=8.6Hz),4.64(2H,ABq,J
AB=10.9Hz),4.36(2H,d,J=5.9Hz),4.26(2H,s),3.66(2H,brs),3.66−3.39(9H,m),3.41−3.36(4H,m),3.06(4H,t,J=5.6Hz),2.88(2H,d,J=7.6Hz)。HRMS C
31H
42N
6O
12(M+H)の計算値:691.2936。実測値:691.2944。
実施例28
2−{[2−({[N−({4−[((2R)−2−アミノ−3−(3−ピリジル)プロパノイルアミノオキシ)メチル]フェニル}メチル)カルバモイル]メチル}{2−[ビス(カルボキシメチル)アミノ]エチル}アミノ)エチル](カルボキシメチル)アミノ}酢酸、トリフルオロ酢酸塩
パートA−(2R)−2−[(tert−ブトキシ)カルボニルアミノ]−N−({4−[(プロプ−2−エニルオキシカルボニルアミノ)メチル]フェニル}メトキシ)−3−(3−ピリジル)プロパンアミドの製造
Boc−DPya−OHを用いて、パート20Cに記載したように製造した。LRMS:485.6(100,M+H)。
パートB−(2R)−N−{[4−(アミノメチル)フェニル]メトキシ}−2−[(tert−ブトキシ)カルボニルアミノ]−3−(3−ピリジル)プロパンアミド、ギ酸塩の製造
パート20Dに記載したように製造した(151mg、0.338mmol;79.9%)。LRMS:401.6(100,M+H)。
パートC−2−[(2−{[(N−{[4−({(2R)−2−[(tert−ブトキシ)カルボニルアミノ]−3−(3−ピリジル)プロパノイルアミノオキシ}メチル)フェニル]メチル}カルバモイル)メチル][2−(ビス{[(tert−ブチル)オキシカルボニル]メチル}アミノ)エチル]アミノ}エチル){[(tert−ブチル)オキシカルボニル]メチル}アミノ]酢酸tert−ブチルの製造
パート20Eに記載したように製造した。LRMS:1001.0(75,M+H),501.2(100,M+2H)。
パートD−2−{[2−({[N−({4−[((2R)−2−アミノ−3−(3−ピリジル)プロパノイルアミノオキシ)メチル]フェニル}メチル)カルバモイル]メチル}{2−[ビス(カルボキシメチル)アミノ]エチル}アミノ)エチル](カルボキシメチル)アミノ}酢酸、トリフルオロ酢酸塩の製造
パート20Fに記載したように製造した(3.3mg、3.2μmol;1.8%)。
1H NMR(DMSO−d
6,600MHz):δ11.64(1H,s),8.95(1H,t,J=5.8Hz),8.52(1H,d,J=5.0Hz),8.38(2H,brs),7.81−7.76(1H,m),7.38−7.26(6H,m),4.69(2H,ABq,J
AB=11.6Hz),4.37(2H,d,J=4.7Hz),4.27(2H,s),4.07(1H,t,J=5.9Hz),3.64(8H,brs),3.39(4H,t,J=5.7Hz),3.19(2H,d,J=7.1Hz),3.06(4H,t,J=5.9Hz)。HRMS C
30H
41N
7O
11(M+H)の計算値:676.2937。実測値:676.2940。
実施例29〜36
ガドリニウム錯体の合成
下記の手順は、上記の実施例のガドリニウム錯体が製造される様式の代表例である。収率および特性データは、表1に提供する。
22℃で、実施例2の生成物(24.3mg、23.3μmol)を溶解したミリQ水(466μL)溶液を、GdCl3(7.4mg、28μmol)で一度に(in one portion)処理した。溶液のpHを、NaOH水溶液(0.1M溶液933μL)で5〜6に調整した;pH7の移動相を用いた反応混合物の直接HPLC分析は、錯体形成が完了したことを示した。15mM NH4OAc(5mL)で溶液を希釈し、Phenomenex Luna C18カラム(21.2×250mm)を用いたHPLCによって、0−30%MeCNの1.0%/分のグラジエントを用い、20mL/分の流速で直接精製した;5mM NH4OAcを水溶性成分として利用した。19分で溶出した主生成物ピークを収集し、凍結乾燥し、表題化合物を微結晶性固体として得た(15.5mg、18.2μmol;77.8%)。
実施例37〜64
[153Gd]ガドリニウム錯体の合成
下記の手順は、上記の実施例のガドリニウム錯体が製造される様式の代表例である。各錯体についての放射化学純度の値は、表2に提供する。
22℃で、鉛遮蔽バイアルを用いて、実施例2の生成物(0.350mg、0.336μmol)を溶解した0.5M NH4OAc(0.850mL)溶液を、[153Gd]GdCl3(0.5N HClに溶解した12.5mCi/μL溶液75μL)で一度に(in one portion)処理した。ゴム栓を用いてバイアルに蓋をし、アルミニウム製圧着リングで固定し、次いで95℃まで加熱し(H2O浴)、20分間維持した。22℃まで冷却後、25μL分量を除き、HPLCによって分析し、変換の完了を確認した。次いで、粗反応混合物を、Phenomenex Cosmosil C18カラム(4.6×250mm)を用いたHPLCによって、0−100%MeCNの6.7%/分のグラジエントを用い、1mL/分で精製し、インラインのINUS β-Ram and PDA(220nm)モジュールを用いて検出した;25mM NH4OAcを水溶性成分として利用した。生成物含有画分を収集し、減圧濃縮し、上記の方法を用いて分析し、放射化学純度を決定した。
実施例65
エクスビボ血管結合アッセイ
腹部大動脈に沿ってバルーン除去し、高脂肪食(0.5%コレステロール)で16〜22週間飼育したニュージーランド白色ウサギから、動脈硬化プラークを有する大動脈を得た。4-F Fogartyカテーテルで、腹部大動脈および右腸骨大腿動脈に沿った血管損傷を生じさせた。この手順は、複雑病変の発達を促進し、脂質に富むコアはウサギの繊維性被膜に覆われた。収集した大動脈切片(0.5cm)を、リン酸緩衝生理食塩水(450μL)中で希釈した0.135μCiの
153Gd標識化合物と共に37℃で2時間インキュベートした。上清を除去し、化合物の安定性をアッセイするためにHPLCによって分析した。次いで、組織切片をリン酸緩衝生理食塩水(3×10mL)で洗浄し、次いで再懸濁し(10mL)、37℃でさらに1時間インキュベートした。次いで上清を除去し、洗浄プロセスを繰り返し、最終的に組織をγカウンターでカウントした。組織に結合した化合物の量は、下記の式に従って初期活性のパーセンテージとして決定した:
プラークを有する大動脈に結合した化合物のパーセンテージについてのデータは、表3にまとめた。
実施例66
インビボApoEマウス大動脈取り込み研究
アポリポタンパク質E(ApoE)ノックアウトマウスは、腕頭動脈、大動脈弓および腹部大動脈に動脈硬化病変を発症している高コレステロール血症のモデルである。マウスを高脂肪食で飼育してプラーク形成を促進し、化合物をマウスの食事に混ぜて35〜42週間試験した。試験化合物は、0.3〜0.4mCi/kgで、麻酔下のマウスに単一のボーラス注射にて、尾静脈を介して投与した。薬物動態分析のために、注射後0〜30分の間に尾を介して血液サンプルを収集し、組織収集のために、60分でマウスをCO2によって安楽死させた。最初に、生理食塩水を大腿静脈経由で左心室出口に流すことで大動脈を洗い流し、次いで心臓から腎臓の分岐点までを除去した;さらに生体サンプルも収集した(血液、筋肉、肝臓、腎臓、胆汁、尿、心臓、大腿、生殖器、肺、脾臓および無名動脈)。全てのサンプルを秤量し、放射能についてアッセイした;取り込みは、組織1グラム当たりの注入量のパーセンテージとして表した(%ID/g)。大動脈取り込み、血液に対する大動脈の比、および心臓に対する大動脈の比は、表4にまとめた。
表4.ApoEマウス大動脈取り込み、大動脈:心臓および大動脈:血液の比
実施例67
インビボのウサギ大動脈取り込み研究
オスのニュージーランド白色ウサギ(3kg)に大動脈バルーン内皮傷害でアテローム性動脈硬化症を誘発し(上記参照)、次いで0.5%コレステロールで22週間飼育した。麻酔下のウサギに、0.01〜0.05mCi/kgで、辺縁耳静脈を通して単一ボーラス注射にて試験化合物を投与した。注射後0、2、5、7、10、15、30および60分で、耳中心動脈(central ear artery)から血液サンプルを収集した。組織収集(血液、筋肉、胆汁、尿、腎臓、肝臓、脾臓、心臓、肺、結腸、小腸、胃、睾丸、場合によっては、胸骨、靱帯および右耳)のために、注射後60分でウサギを安楽死させた。腹部大動脈(上腹部、中腹部、および下腹部)ならびに左および右大腿動脈も収集した。全てのサンプルを秤量し、放射能についてアッセイした;取り込みは、組織1グラム当たりの注入量のパーセンテージとして表した(%ID/g)。大動脈取り込み、血液に対する大動脈の比、および心臓に対する大動脈の比は、表5にまとめた;プラークを有するウサギと、プラークを有さないウサギの比較分析も提供している。
表5.ウサギ大動脈取り込み、大動脈:心臓および大動脈:血液の比
実施例68
インビボのウサギ大動脈MR造影
オスのニュージーランド白色ウサギ(3kg)に大動脈バルーン内皮傷害でアテローム性動脈硬化症を誘発し(上記参照)、次いで0.5%コレステロールで22週間飼育した。一連の注射前の画像を得た。次いで、辺縁耳静脈を介して0.1mmol/kgで試験化合物(すなわち、実施例31)をウサギに注射し、特定の時間間隔で画像を得た。全ての画像は、8.5cmの視野、256×256マトリックスを用いて、ブラックブラッド(black blood)、フローサプレストスピンエコー(flow-suppressed spin-echo)法を用いて、4.7Tで得た。大動脈(環状構造)における相対的画像強度の顕著な増加が、注射の直後に観察された;サンプル画像は図1に提供する。
実施例69
実施例1〜28の化合物は、当該技術分野で周知の方法を用いて、キレート化部分としてDTPA誘導体を含むように合成することもできる。実例となる実施態様として、スキーム4は、(i)本明細書で記載しているような標準的なペプチドカップリング技術を用いて行うことができる、ヒドロキサミド化合物とカルボン酸−DTPA誘導体の間の反応を行い、次いで(ii)実施例29〜36に記載されている一般的製法を用いて、得られたリガンドの、例えばガドリニウムとの金属錯体生成を行うこと、を示している。いくつかの実施態様では、カルボン酸−DTPA誘導体は対応するヒドロキシメチルDTPA誘導体を酸化することによって合成されてよい。
スキーム4
本開示は前述の説明のための実施例に限定されるものではなく、その本質的な特質から逸脱することなく他の特定の形態にて具体化されてよいことは、当業者には明らかであろう。それゆえ、実施例はあらゆる点で説明的であって、限定的ではないと考えられるべきであり、前述の実施例ではなくむしろ添付の特許請求の範囲を参照すべきであることが望まれ、それゆえ特許請求の範囲の均等の意味および範囲に入る全ての変化がその中に含まれることを意図している。