JP5674903B1 - 内燃機関の筒内圧推定装置 - Google Patents

内燃機関の筒内圧推定装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5674903B1
JP5674903B1 JP2013236436A JP2013236436A JP5674903B1 JP 5674903 B1 JP5674903 B1 JP 5674903B1 JP 2013236436 A JP2013236436 A JP 2013236436A JP 2013236436 A JP2013236436 A JP 2013236436A JP 5674903 B1 JP5674903 B1 JP 5674903B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
combustion
cylinder pressure
cylinder
speed
calculating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013236436A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015096700A (ja
Inventor
葉狩 秀樹
秀樹 葉狩
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2013236436A priority Critical patent/JP5674903B1/ja
Priority to US14/177,836 priority patent/US9494489B2/en
Priority to DE102014204109.0A priority patent/DE102014204109B3/de
Priority to CN201410359408.8A priority patent/CN104655360B/zh
Application granted granted Critical
Publication of JP5674903B1 publication Critical patent/JP5674903B1/ja
Publication of JP2015096700A publication Critical patent/JP2015096700A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01MTESTING STATIC OR DYNAMIC BALANCE OF MACHINES OR STRUCTURES; TESTING OF STRUCTURES OR APPARATUS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • G01M15/00Testing of engines
    • G01M15/04Testing internal-combustion engines
    • G01M15/08Testing internal-combustion engines by monitoring pressure in cylinders
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D35/00Controlling engines, dependent on conditions exterior or interior to engines, not otherwise provided for
    • F02D35/02Controlling engines, dependent on conditions exterior or interior to engines, not otherwise provided for on interior conditions
    • F02D35/023Controlling engines, dependent on conditions exterior or interior to engines, not otherwise provided for on interior conditions by determining the cylinder pressure
    • F02D35/024Controlling engines, dependent on conditions exterior or interior to engines, not otherwise provided for on interior conditions by determining the cylinder pressure using an estimation
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D35/00Controlling engines, dependent on conditions exterior or interior to engines, not otherwise provided for
    • F02D35/02Controlling engines, dependent on conditions exterior or interior to engines, not otherwise provided for on interior conditions
    • F02D35/025Controlling engines, dependent on conditions exterior or interior to engines, not otherwise provided for on interior conditions by determining temperatures inside the cylinder, e.g. combustion temperatures
    • F02D35/026Controlling engines, dependent on conditions exterior or interior to engines, not otherwise provided for on interior conditions by determining temperatures inside the cylinder, e.g. combustion temperatures using an estimation
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D35/00Controlling engines, dependent on conditions exterior or interior to engines, not otherwise provided for
    • F02D35/02Controlling engines, dependent on conditions exterior or interior to engines, not otherwise provided for on interior conditions
    • F02D35/028Controlling engines, dependent on conditions exterior or interior to engines, not otherwise provided for on interior conditions by determining the combustion timing or phasing

Abstract

【課題】少ない定数による燃焼モデルにより精度良く筒内圧の挙動を推定することができる内燃機関の筒内圧推定装置を提供する。【解決手段】内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段20と、前記運転状態検出手段20により検出された運転状態に基づいて、点火後に燃焼による熱発生が開始するまでの期間である着火遅れを算出する着火遅れ算出手段302と、前記運転状態に基づいて、燃焼速度を算出する燃焼速度算出手段303と、を備え、点火後の着火遅れ期間の経過後に、点火プラグのギャップ部で発生した火炎面が、前記点火プラグのギャップ部を中心とした楕円体状に前記燃焼速度にて筒内壁面まで拡大することを模擬し、前記火炎面の内側を既燃部、外側を未燃部として前記既燃部と前記未燃部の筒内圧をそれぞれ算出し、前記既燃部と前記未燃部の筒内圧に基づいて筒内全体の筒内圧を推定する。【選択図】図6

Description

この発明は、内燃機関の筒内圧推定装置に係り、詳しくは、リアルタイムに現在の筒内圧をシミュレーションできる内燃機関の筒内圧推定装置に関するものである。
近年の環境問題、エネルギー問題を背景に、内燃機関の制御装置に対して更なる燃費の向上が要求されている。この要求に対し、従来から点火時期はMBT(Minimum Advance for Best Torque)に近づくように最適化され、VVT(Variable Valve Timing)機構によりポンピングロスや内部EGR量を最適化するとともに、このVVT機構を用いて吸気バルブの遅閉じによるアトキンソンサイクル化も行われており、更にEGR(Exhaust Gas Recirculation)機構によってもポンピングロスや外部EGR量の最適化が行われている。
このように多くの制御パラメータを最適に制御するために、筒内圧を計測して最適な運転状態を調査し、燃費の向上が図られて来たが、最適化を行うためには本来必要となるデータ量も膨大であるため、DoE(Design of Experiments)等を用いて計測ポイントを削減するとともに、制御に必要なマップ数を削減するように、MBC(Model-Based Calibration)による統計モデリングや数値最適化等も使用されている。
前記方法は統計モデルを用いた制御パラメータの最適化であるが、統計モデルではなく物理モデルを用いた点火時期等の最適化も考えられている。つまり、VVTやEGRの制御量及び各種センサ出力値から筒内の吸気量やEGR量を物理モデルにより算出し、更に算出した吸気量、EGR量、点火時期に基づいて物理モデルに基づいた燃焼シミュレーションを実施して筒内圧を推定することで、筒内圧を計測していない運転条件下においても、燃費が最良となるVVT、EGR、点火時期の制御量を算出して各制御パラメータの最適化を行うものである。
更にはこの筒内圧の推定や各種制御量の最適化を、内燃機関の制御装置に用いるマイコンの性能の向上に伴い、内燃機関の制御を実行しながらリアルタイムに燃焼シミュレーションを行って、実施することも考えられている。
物理モデルの中でも特に燃焼シミュレーションに用いられる燃焼モデルの例として、例えば特開2004−293541号公報(特許文献1)に開示された方法は、乱流燃焼による火炎の成長と層流燃焼による火炎の成長を用いて火炎伝播を予測することで燃焼の物理モデルを構築している。また、例えば特開2004−332658号公報(特許文献2)に開示された方法は、層流燃焼速度に基づいて主燃焼期間を算出し、更に主燃焼期間に基づいてMBT点火時期の算出を行っている。このような、燃焼の物理モデルに忠実な燃焼シミュレーションとは異なるアプローチとして、例えば特開2008−215204号公報(特許文献3)に記載の方法は、燃料割合を近似するWiebe関数を用いて熱発生率のシミュレーションを実施している。
特開2004−293541号公報 特開2004−332658号公報 特開2008−215204号公報
しかしながら、前記特許文献1及び2に開示された方法は、現在知られている燃焼の物理モデルにある程度忠実な燃焼シミュレーションを行っているものの、実際の筒内での燃焼現象は非常に複雑であり、内燃機関の制御装置に実装してリアルタイムに燃焼をシミュレーションするレベルの演算量では高精度な推定は困難であると考えられる。
また、特許文献3に開示された方法では、燃焼の進行状況を近似したものであるので、演算量は少ないものの筒内の形状や運転条件に応じてWiebe関数の定数も変更する必要があり、筒内形状に起因して熱発生率の形状が複雑(例えば、熱発生率のピークを中心に左右が非対称である場合等)であれば、複数のWiebe関数を用いてフィッティングする必要がある等、高精度にシミュレーションするには多くの定数とその適合が必要になってしまう課題がある。
この発明は、前記のような問題点を解決するためになされたもので、少ない定数による燃焼モデルにより精度良く筒内圧の挙動を推定することができる内燃機関の筒内圧推定装置を提供することを目的としている。
この発明による内燃機関の筒内圧推定装置は、内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、前記運転状態検出手段により検出された運転状態に基づいて、点火後に燃焼による熱発生が開始するまでの期間である着火遅れを算出する着火遅れ算出手段と、前記運転状態に基づいて、燃焼速度を算出する燃焼速度算出手段と、を備え、
点火後の着火遅れ期間の経過後に、点火プラグのギャップ部で発生した火炎面が、前記点火プラグのギャップ部を中心とした楕円体状に前記燃焼速度にて筒内壁面まで拡大することを模擬し、前記火炎面の内側を既燃部、外側を未燃部として前記既燃部と前記未燃部の筒内圧をそれぞれ算出し、前記既燃部と前記未燃部の筒内圧に基づいて筒内全体の筒内圧を推定するものである。
この発明による内燃機関の筒内圧推定装置によれば、少ない制御定数により精度良く筒内圧の挙動を推定することができる。
この発明の実施の形態1による筒内圧推定装置を搭載した内燃機関を概略的に示す構成図である。 この発明の実施の形態1による筒内圧推定装置を搭載した内燃機関の制御装置を概略的に示す構成図である。 燃焼パラメータ近似手段を示すブロック図である。 初期筒内圧を示す筒内圧−筒内容積線図である。 着火遅れと燃焼速度を示す図である。 燃焼シミュレーションの演算内容を示すフローチャートである。 筒内における火炎の成長を模式的に示す図である。 火炎の表面積を演算する方法を模式的に示す図である。 火炎の体積を演算する方法を模式的に示す図である。 既燃部の筒内温度を算出する方法を模式的に示す図である。 筒内圧から燃焼速度を算出する方法を示すブロック図である。
以下、この発明による内燃機関の筒内圧推定装置の好適な実施の形態について図面を用いて説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による筒内圧推定装置を搭載した内燃機関(以下、エンジンとも言う。)を概略的に示す構成図であり、図2は、その制御装置を概略的に示す構成図である。
図1において、エンジン1の吸気系の上流に吸入空気量を検出するエアフロセンサ(以下、AFS:Air Flow Sensorと言う。)2が設けられている。AFS2の下流のエンジン1側には、吸入空気量を調整するために電気的に制御することができる電子制御スロットル3が設けられている。また、電子制御スロットル3の開度を測定するために、スロットル開度センサ4が設けられている。なお、吸入空気量の検出にはAFS2を用いる代わりに、後述するインマニ圧に基づいて吸入空気量を推定するなど、別の吸入空気量を測定する手段を用いるようにしても良い。
更に、電子制御スロットル3の下流に設けられたサージタンク5及びインテークマニホールド6内を含む空間(以下、インマニと言う。)の圧力(以下、インマニ圧と言う。)を測定するインマニ圧センサ7と、インマニ内の温度(以下、インマニ温と言う。)を測定する吸気温センサ8が設けられている。なお、インマニ温を計測する吸気温センサ8を設ける代わりに、厳密には異なる温度となるが、近似的に外気を計測する温度センサ、例えば、AFS2に内蔵されている温度センサを用いて、外気温よりインマニ温を推定することもできる。
更に、サージタンク5には、排気系からの外部EGRを導入するためのEGRバルブ9からの経路が接続されている。インテークマニホールド6及び筒内を含む吸気バルブの近傍には燃料を噴射するためのインジェクタ10が設けられ、吸気バルブ及び排気バルブには、バルブタイミングを可変して内部EGRを操作するための吸気VVT11と排気VVT12がそれぞれ設けられており、シリンダヘッドにはシリンダ内で火花を発生させる点火プラグを駆動するための点火コイル13が設けられている。エキゾーストマニホールド14には図示しないO2センサや触媒、EGRバルブ9への経路が設けられている。更に、エンジン1のクランク軸に取り付けられた回転プレート15のエッジからエンジン回転速度やクランク角度を検出するクランク角度センサ16が設けられている。
また、電子制御ユニット(以下、ECU:Electric Control Unit)17が設けられ、ECU17には、図2に示すように、AFS2で測定された吸入空気量と、スロットル開度センサ4で測定された電子制御スロットル3の開度と、インマニ圧センサ7で測定されたインマニ圧と、吸気温センサ8で測定されたインマニ温と、クランク角度センサ16で検出された回転プレート15のエッジと、大気圧センサ18で測定された大気圧が入力される。なお、大気圧を測定する大気圧センサ18の代わりに、大気圧を推定する手段を用いても良いし、ECU17に内蔵された大気圧センサを用いても良い。また前記以外の各種センサ19(図示しないアクセル開度センサ、O2センサを含む)からもECU17に測定値が入力される。
ECU17内の運転状態検出手段20では、回転プレート15のエッジ周期からエンジン回転速度やクランク角度を算出し、更に吸入空気量やインマニ圧等からシリンダ吸入空気量やEGR率が算出される。ここで算出されたシリンダ吸入空気量やEGR率に基づいて、インジェクタ10、点火コイル13等が駆動される。また、アクセル開度等の入力された各種データより目標トルクが算出され、算出された目標トルクを達成する目標シリンダ吸入空気量が算出され、目標シリンダ吸入空気量及び目標EGR率を達成するように目標スロットル開度、目標吸気VVT位相角、目標排気VVT位相角、目標EGR開度を算出し、これらを目標値として電子制御スロットル3の開度、吸気VVT11及び排気VVT12の位相角、EGRバルブ9の開度が制御される。また、その他の各種アクチュエータ21も必要に応じて制御される。
ECU17内では以上のような通常のエンジン制御の他に、燃焼シミュレーションも同時に実行される。これは、前述の運転状態検出手段20で求めた運転状態に基づいて、燃焼パラメータ近似手段22にて燃焼シミュレーションに必要な燃焼パラメータを算出し、運転条件と燃焼パラメータに基づいて燃焼シミュレーション手段23にて燃焼シミュレーションを行っている。
次に図3を参照しながら、燃焼パラメータ近似手段22について説明する。図3は燃焼パラメータ近似手段22を示すブロック図である。運転状態検出手段20では、前述の通り、通常のエンジン制御で用いられる運転状態である、エンジン回転速度(Ne)、充填効率(Ec)、点火時期(IG)、空燃比(AFR)、EGR率(InEGR:内部EGR率、ExEGR:外部EGR率、EGR:総EGR率(=InEGR+ExEGR))、VVT位相角(InVVT:吸気側、ExVVT:排気側)、インマニ圧(Pb)等が算出される。ところで、燃焼シミュレーションを実施するにはこれらのパラメータだけでは足りず、筒内圧に関するパラメータや燃焼に関するパラメータが必要になる。そこで、燃焼パラメータ近似手段22では、ブロック301にて初期筒内圧(Pin)を、ブロック302にて着火遅れ(IgDly)を、ブロック303にて燃焼速度(Vcomb)を算出する。なお、ブロック301は初期筒内圧算出手段であり、ブロック302は着火遅れ算出手段であり、ブロック303は燃焼速度算出手段となる。
まずブロック301での初期筒内圧(Pin)の算出方法について説明する。初期筒内圧(Pin)とは、圧縮行程の開始(下死点)時点における筒内圧である。一般にエンジンの圧縮行程においては、吸気バルブ閉から点火時期までの間の空気の出入りのない状態変化中において、筒内容積(V)と筒内圧(P)は次式(1)で示されるポリトロープ変化として記述できることが知られている。この式において、nはポリトロープ指数を示している。
この式を用いて図4に示すように、図中の×印の筒内容積と筒内圧から下死点(BTDC180degCA)における筒内圧を算出したものを初期筒内圧と定義している。この初期筒内圧は、例えばDoE等により予め決めた運転条件で計測した筒内圧を用いて、各運転条件での初期筒内圧を算出しておき、算出した初期筒内圧を運転条件(エンジン回転速度、インマニ圧、VVT位相角等)を用いて近似しておくことで、図3のブロック301において算出することができる。初期筒内圧(Pin)を算出するための近似式の例として、エンジン回転速度(Ne)、インマニ圧(Pb)、吸気VVT位相角(InVVT)、排気VVT位相角(ExVVT)を用いた1次近似式は次式(2)のように書くことができる。この式において、K*_Pinは比例係数を示し、Kcnt_Pinは定数項を示している。
なお、初期筒内圧(Pin)を算出する近似式としては上式に限るものではなく、より多くの運転状態を示すパラメータを用いるようにしても良いし、2次式、3次式のように次数を上げた近似式を用いるようにしても良い。
次に、ブロック302に示す着火遅れ(IgDly)とブロック303に示す燃焼速度(Vcomb)の算出方法について説明する。
まず、図5(a)、(b)(c)(d)に示す後述の方法により算出された燃焼速度の例に基づいて着火遅れと燃焼速度の定義を説明する。ここで、図5(a)はクランク角と燃焼割合(MFB)を、図5(b)はクランク角と熱発生率(dQ)を、図5(c)はクランク角と燃焼速度(Vcomb(i))を、図5(d)はクランク角と補正後燃焼速度(Vcomb)の関係を示している。着火遅れは、図5(d)に示されるように点火時期から燃焼速度が立ち上がるまでの遅れ期間として定義し、この遅れ期間を得る操作が実着火遅れ期間算出手段となる。なお、前記遅れ期間の単位としては、時間[ms]を用いても良いし、クランク角度[degCA]を用いても良い。
なお、図5(c)に示すように、燃焼開始時に燃焼速度のサージが生じる場合があり、後述するように、このサージを考慮して着火遅れを補正するようにしても良い。また、燃焼速度は、燃焼開始時の初期サージ部及び燃焼後半の漸減部を除いた部分の平均値を燃焼速度と定義する。これらも初期筒内圧の算出と同様に、DoE等により予め決めた運転条件で計測した筒内圧を用いて、着火遅れと燃焼速度を算出しておき、算出した着火遅れと燃焼速度を運転条件(エンジン回転速度、充填効率、点火時期、空燃比、EGR率等)を用いて近似することで算出することができる。着火遅れ(IgDly)と燃焼速度(Vcomb)を算出する近似式の例として、エンジン回転速度(Ne)、充填効率(Ec)、点火時期(IG)、空燃比(AFR)、EGR率(EGR)を用いた1次近似は次式(3)(4)のように書くことができる。この式において、K*_*は比例係数、Kcnt_*は定数項を示している。
なお、前記(3)式が着火遅れ算出手段の実現形態である着火遅れ近似手段に、また、前記(4)式が燃焼速度算出手段の実現形態である燃焼速度近似手段にそれぞれ相当するが、着火遅れ(IgDly)と燃焼速度(Vcomb)を算出する近似式としては上式に限るものではなく、より多くの運転状態を示すパラメータを用いるようにしても良いし、2次式、3次式のように次数を上げた近似式を用いるようにしても良い。また、燃焼速度は、図5(c)に示すように、熱発生率のピーク位置近傍から漸減する傾向があるため、後述する燃焼シミュレーション時において、熱発生率がピークとなったことを検出した後は燃焼速度を漸減補正するようにしても良い。
燃焼シミュレーション手段23においては、運転状態検出手段20により算出される運転状態と、燃焼パラメータ近似手段22により算出される初期筒内圧、着火遅れ、燃焼速度を用いて燃焼シミュレーションが実施される。
次に、燃焼シミュレーション手段23にて実行される演算について、図6を参照しながら説明する。図6は、燃焼シミュレーションの演算内容を示すフローチャートである。この演算は、圧縮行程の開始(下死点)から膨張行程の終了(下死点)までの360[degCA]のクランク角度内に実行される。より具体的には、所定のクランク角度における割り込み処理内で演算しても良いし、複数のクランク角度における割り込み処理内で分散して演算しても良い。また、所定時間毎における割り込み処理内で分散して演算しても良い。なお、理想的には全運転域でクランク角度360[degCA]の間に演算が終了できれば良いが、高回転域で演算処理が終了できない場合には、例えばクランク角度720[degCA]の間、つまり、エンジン1が2回転する間に1燃焼を演算するようにしても良い。
ステップ601ではまず燃焼シミュレーションの初期化処理が実行される。ここでは、筒内圧(Pcyl)の初期値として初期筒内圧(Pin)が代入され、クランク角度(Ang)の初期値として圧縮行程の開始点(下死点)に相当する−180[degCA]が代入され、次式(5)に基づいて着火時期(IA)が点火時期(IG)と着火遅れ(IgDly)から算出される。この式において、(0)は初期値を表している。
更に、充填効率(Ec)と総EGR率(EGR)と筒内容積(V(0))から筒内ガスの密度(ρ(0))を算出し、次式(6)の状態方程式を用いて筒内温度の初期値(Tcyl(0))が算出される。
ここで、Rはガス定数である。また筒内容積(V)は、予めクランク角度毎の筒内容積をクランク−ピストン機構に基づいて求めておいて配列に記憶しておき、使用時にクランク角度(Ang)に応じた筒内容積(V)を参照するようにしても良いし、使用する度にクランク−ピストン機構に基づいて求めるようにしても良い。
続くステップ602では、クランク角度が更新される。クランク角度の更新量は、例えば、1[degCA]とすれば良い。但し、高回転域で演算量を削減する必要がある場合には、エンジン回転速度に応じてクランク角度の更新量を2[degCA]とするようにしても良いし、逆に低回転域や演算処理能力に余裕があるECU17では0.5[degCA]とするようにしても良い。
ステップ603では、クランク角度更新前の筒内圧と筒内温度を用いてポリトロープ変化演算を行って、現在のクランク角度における筒内圧と筒内温度を算出する。具体的には、現在のクランク角度を(i)、更新前のクランク角度を(i−1)すると、ポリトロープ変化は次式(7)で演算できる。
なお、後述する通りこの演算は筒内の既燃部と未燃部のそれぞれにおいて演算する。
ステップ604では、現在のクランク角度(Ang(i))が着火時期(IA)より大きいかどうか、つまり着火時期(IA)を過ぎたかどうかを判定する。ここで、現在のクランク角度(Ang(i))が着火時期以前である場合には、以降の処理は実行せずにステップ609へ進むが、着火時期以降である場合には、続くステップ605へ進む。ステップ605では、現在の既燃部体積(Vb(i))が現在の筒内容積(V(i))より小さいかどうか、つまり、燃焼が終了したかどうかを判定する。ここで既燃部体積(Vb(i))が筒内容積(V(i))と等しければ燃焼は終了しているため、以降の処理は実行せずにステップ609へ進むが、燃焼が終了していない場合には続くステップ606へ進む。
ステップ606では火炎表面積(Sb)を算出し、続くステップ607では既燃部体積(Vb)を算出する。ここで、実施の形態1における火炎形状の考え方について図7を用いて説明する。図7(a)、(b)、(c)は、筒内における火炎の成長を模式的に示す図である。図7(a)、(b)、(c)の円柱は筒内の形状を模式的に表しており、内部の球は火炎を模式的に表している。
図7(a)は点火直後の火炎を、図7(b)は燃焼割合(MFB)が50%程度進行した場合の火炎を、図7(c)は燃焼が終了する直前の火炎を示すイメージ図であり、点火プラグのギャップ部を中心として火炎が燃焼速度(Vcomb)で拡大していく様子を表している。このように火炎の成長を考えることで筒内の燃焼が模擬できる。なお、火炎は球面状である必要はなく、火炎の赤道方向(図7(a)、(b)、(c)では左右方向に相当)と極方向(図7(a)、(b)、(c)では上下方向に相当)の半径を別の値とした回転楕円体として考えても良い。この場合は、例えば極方向へ火炎が成長する燃焼速度を燃焼速度(Vcomb)に所定値を掛けて算出するようにすれば良い。また、火炎が筒内壁面に接触した場合には、その部分の燃焼は終了したものとみなし、その部分は火炎表面積や既燃部体積の演算からは除外するようにする。
以上の考え方を踏まえ、図8を参照しながら、ステップ606における火炎表面積(Sb)の算出方法について説明する。図8は火炎の表面積を演算する方法を模式的に示す図である。点火プラグのギャップ部を中心とした回転楕円体を考え、図8のように回転楕円体の赤道方向をx、y軸としてその半径をa、極方向をz軸としてその半径をbとすると、z軸に垂直な面で輪切りにした断面の半径Rは、次式(8)となるので、これを用いて回転楕円体の表面の微小部の長さdLを算出すると、次式(9)となる。
更にこれをz軸中心に1回転させた部分の面積dSは、次式(10)となる。
ECU17において現在のクランク角度における火炎表面積(Sb(i))を算出するには、(10)式を火炎のz軸方向の高さまで数値積分すれば良い。なお、前述の通り火炎が筒内の壁面に接触した部分は燃焼が終了しているので、その部分は数値積分から除外する必要がある。
続いて、図9を参照しながら、ステップ607における既燃部体積(Vb)の算出方法について説明する。図9は既燃部の体積を演算する方法を模式的に示す図である。表面積の算出と同様に、ある軸に垂直な面で輪切りにした断面について、その断面積Sv(z)は、次式(11)のように書くことができる。
ECU17において現在のクランク角度における既燃部体積(Vb(i))を算出するには、(11)式に微小高さdzを掛けたものを既燃部のz軸方向の高さまで数値積分すれば良い。なお、既燃部は筒内の壁面までであるので、これを超える部分は数値積分から除外する必要がある。
以上のようにして、ステップ606及びステップ607において火炎表面積(Sb)と既燃部体積(Vb)が算出される。なお、ここでは火炎の形状を回転楕円体と考えた場合の例を示したが、火炎の形状を楕円体と考えても良いし、球と考えても良い。楕円体とは、x軸、y軸、z軸方向の3つの径の長さがすべて異なるものであり、そのいずれか2つの径の長さの等しいものが回転楕円体、すべての径の長さの等しいものが球となる。ここでは、これらを総称して楕円体状と言う。
続くステップ608では筒内圧及び筒内温度の算出を行う。まず、図10を参照しながら筒内温度の算出方法について説明する。図10は、既燃部、未燃部、新たに燃焼した部分の筒内温度を算出する方法を模式的に示す図である。図10に示すように、実施の形態1による方法では、既燃部と未燃部と新たに燃焼した部分を分けて考えており、未燃部と既燃部については、(7)式に示すポリトロープ変化によりクランク角度更新前の未燃部と既燃部の筒内温度(Tc1(i−1)、Tc2(i−1))から、次式(12)に示すように、現在のクランク角度における未燃部と既燃部の筒内温度(Tc1(i)、Tc2(i))を算出する。また、新たに燃焼した部分に関しては、未燃部の温度(Tc1(i))に加え、燃焼により発生した熱量で上昇する温度(ΔTc(i))を考慮して新たに燃焼した部分の筒内温度を算出する。そして、既燃部の筒内温度(Tc2(i))と新たに燃焼した部分の温度(Tc1(i)+ΔTc(i))と燃焼割合(MFB)に基づいて、現在のクランク角度における既燃部の筒内温度の最終値(Tc2’(i))を算出している。
ここで、現在のクランク角度における燃焼割合(MFB(i))は、既燃部体積(Vb(i))と筒内容積(V(i))を用いて次式(13)で算出できる。
また、燃焼により発生した熱量(ΔQ(i))で上昇する温度(ΔTc(i))は、定容比熱(Cv)を用いて次式(14)で算出できる。なお、燃焼により発生した熱量(ΔQ(i):熱発生率に相当)は更新前と現在のクランク角度における既燃部体積の変化量(ΔVb(i)=Vb(i)―Vb(i−1))と、筒内燃料密度(ρf(i)=ρ(i)/(1+AFR))と燃料の発熱量(HVF)より算出することができる。
以上により算出した未燃部と既燃部の筒内温度(Tc1(i)、Tc2’(i))と燃焼割合(MFB(i))から、筒内全体の筒内温度(Tcyl(i))は次式(15)により算出される。
なお、ここで算出した熱発生率(ΔQ(i))のピークホールド値(ΔQph)を算出しておき、このピークホールド値(ΔQph)と熱発生率(ΔQ(i))の差が所定値以上になった場合に、熱発生率のピーク位置と検出して燃焼速度を漸減補正するようにすれば、図5(c)において説明した燃焼速度の挙動をより正確に模擬することができる。
次に筒内圧の算出方法について説明する。未燃部については、(7)式に示すポリトロープ変化によりクランク角度更新前の未燃部の筒内圧(Pc1(i−1))から、現在のクランク角度における未燃部の筒内圧(Pc1(i))を次式(16)により算出する。
既燃部の筒内圧の最終値(Pc1’(i))は、現在のクランク角度における既燃部の筒内温度の最終値(Tc2’(i))に基づいて、次式(17)に示す状態方程式を用いて算出する。
以上により算出した未燃部と既燃部の筒内圧(Pc1(i)、Pc2’(i))と燃焼割合(MFB(i))から、筒内全体の筒内圧(Pcyl(i))は次式(18)により算出される。
このようにして、ステップ608では筒内圧及び筒内温度の算出を行う。続くステップ609では、現在のクランク角度(Ang(i))が膨張行程の終了点(下死点)である終了角度(+180[degCA])と比較され、終了していれば処理は終了し、終了角度以前であれば、ステップ602に戻ってクランク角度の更新が行われる。
以上のようにして燃焼シミュレーション手段23での燃焼シミュレーションを実行することで、筒内の火炎が楕円体状に拡大することを模擬しているので、筒内形状に応じた筒内圧変化の挙動を容易に再現することが可能となり、熱発生率や燃焼割合も容易に算出することができ、点火プラグの位置に応じた筒内圧変化の挙動も容易に再現することが可能となる。
ところで、これまでの説明は火炎の燃焼速度が既知であることが前提である。以下ではこれまで説明した燃焼シミュレーションを用いて、DoE等により予め決めた運転条件で計測した筒内圧から燃焼速度を算出する方法について説明する。
図11は、筒内圧から燃焼速度を算出する方法を示すブロック図である。ブロック1101乃至1103では、筒内圧データから、熱発生率(dQ)と燃焼割合(MFB)を算出する。筒内圧データから現在のクランク角度の熱発生率(dQ(i))を算出するには、一般に次式(19)が用いられる。
ここで、体積変化量(dV(i))と筒内圧変化量(dPcyl(i))は、前後のクランク角データから差分により算出することができる。
現在のクランク角度の燃焼割合(MFB(i))は、次式(20)に示す現在のクランク角度までの熱発生率の積算値(Q(i))と全熱発生率の積算値(Qall)の比として算出できる。
このようにして、予め圧縮行程の開始(下死点)から膨張行程の終了(下死点)までの360[degCA]のクランク角度の筒内圧データから、熱発生率(dQ)と燃焼割合(MFB)を算出しておく。
次に、図6に示す燃焼シミュレーションを用いて燃焼速度を算出するが、より具体的な燃焼速度の算出方法を図11のブロック1104乃至1108に示している。
図11のブロック1104乃至1108は、圧縮行程の開始(下死点)から膨張行程の終了(下死点)までの360[degCA]のクランク角度毎に実行される。ブロック1104では、仮燃焼速度の設定・更新を行う。仮燃焼速度とは、真の燃焼速度が未知の状態で仮値として燃焼速度を設定し、その仮燃焼速度を用いて図6の燃焼シミュレーションを実施するためのものである。ここではまず仮燃焼速度を0として初期設定を行う。続くブロック1105では仮燃焼速度を用いて仮既燃部体積の算出を、ブロック1106では仮燃焼割合(MFB’(i))の算出を行うが、その算出にはこれまで説明してきた図6に示す燃焼シミュレーションの特にステップ607の方法が用いられる。そして、ブロック1107では、そのクランク角度における筒内圧データから算出した燃焼割合(MFB(i))と仮燃焼割合(MFB’(i))が比較される。なお、ブロック1106は仮燃焼割合算出手段であり、ブロック1108は実燃焼速度導出手段である。
ここで燃焼が始まる前(着火時期以前)であれば、筒内圧データから算出した燃焼割合(MFB(i))も仮燃焼割合(MFB’(i))も0であり、不等式が成立するためブロック1108に進んで仮燃焼速度を、現在のクランク角度における燃焼速度(Vcomb(i))として格納する。燃焼が始まった後であれば、仮燃焼速度が初期設定のままでは筒内圧データから算出した燃焼割合(MFB)の方が仮燃焼割合(MFB’(i))よりも大きくなるのでブロック1104に戻り、仮燃焼速度に所定値を加算して仮燃焼速度を更新し、ブロック1105及びブロック1106の演算を行う。これをブロック1107の条件が成立するまで繰り返すことで筒内圧データから算出した燃焼割合(MFB(i))と仮燃焼割合(MFB’(i))が等しくなる燃焼速度を求めることができるようになる。当然のことながら、このクランク角度毎の燃焼速度(Vcomb(i))を用いて燃焼シミュレーションを実施すれば、計測した筒内圧データにほぼ等しいシミュレーション結果を得ることができる。
ところで、このような方法で燃焼速度を算出すると、図5(c)に示すような燃焼速度の立ち上がり時に初期サージのようなものが発生する場合がある。そこで、この初期サージ部及び燃焼後半の漸減部を除いた部分の平均値を燃焼速度と定義し、クランク角と燃焼速度で囲まれる部分の面積が等しくなるように着火遅れも補正することで、計測した筒内圧データに対する着火遅れと燃焼速度を算出することができる。
以上のようにすることで、実施の形態1の燃焼シミュレーションに適した着火遅れと燃焼速度を算出できるようになり、筒内圧データを用いた適合を容易に行うことが可能となり、着火遅れをより精度良く適合することが可能となる。
以上詳説したように、実施の形態1による内燃機関の筒内圧推定装置は、内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、前記運転状態検出手段により検出された運転状態に基づいて、点火後に燃焼による熱発生が開始するまでの期間である着火遅れを算出する着火遅れ算出手段と、前記運転状態に基づいて、燃焼速度を算出する燃焼速度算出手段と、を備え、
点火後の着火遅れ期間の経過後に、点火プラグのギャップ部で発生した火炎が、前記点火プラグのギャップ部を中心とした楕円体状に前記燃焼速度にて筒内壁面まで拡大することを模擬し、前記火炎の内側を既燃部、外側を未燃部として前記既燃部と前記未燃部の筒内圧をそれぞれ算出し、前記既燃部と前記未燃部の筒内圧に基づいて筒内全体の筒内圧を推定することを特徴とする。
この構成によれば、筒内の火炎が楕円体状に拡大することを模擬しているので、筒内形状に応じた筒内圧変化の挙動を容易に再現することが可能となる。
また、実施の形態1による内燃機関の筒内圧推定装置は、火炎の体積の変化量に基づいて熱発生率を算出することを特徴とする。
この構成によれば、熱発生率のみを算出したい場合には、筒内圧を算出することなく熱発生率を算出することが可能となる。
更に、実施の形態1による内燃機関の筒内圧推定装置は、火炎の体積の変化量に基づいて熱発生率を算出し、前記熱発生率に基づいて算出された熱量に基づいて既燃部の筒内温度を算出し、前記既燃部の筒内温度に基づいて前記既燃部の筒内圧を算出し、未燃部の筒内圧と前記既燃部の筒内圧と燃焼割合に基づいて筒内全体の筒内圧を推定することを特徴とする。
この構成によれば、算出された熱発生率と燃焼割合に基づいて筒内圧を推定することが可能となる。
また、実施の形態1による内燃機関の筒内圧推定装置は、燃焼速度が熱発生率のピーク時点後は漸減することを特徴とする。
この構成によれば、熱発生率がピークに達したのちに未燃ガスの燃焼が終了するまでの筒内圧変化の挙動を容易に再現することが可能となる。
また、実施の形態1による内燃機関の筒内圧推定装置は、火炎形状の体積と筒内容積に基づいて燃焼割合を算出することを特徴とする。
この構成によれば、燃焼割合のみを算出したい場合には、筒内圧や熱発生率を算出することなく燃焼割合を算出することが可能となる。
また、実施の形態1による内燃機関の筒内圧推定装置は、自在に変更できる仮燃焼速度を用いて火炎が楕円体状に拡大することを模擬して仮燃焼割合を算出する仮燃焼割合算出手段と、予め計測しておいた筒内圧から算出された実燃焼割合と前記仮燃焼割合がほぼ一致するまで仮燃焼速度を変更し、前記実燃焼割合と前記仮燃焼割合がほぼ一致した時の前記仮燃焼速度を実燃焼速度として導出する実燃焼速度導出手段と、点火後の前記実燃焼速度がゼロである期間を実着火遅れとして算出する実着火遅れ期間算出手段と、前記実燃焼速度及び前記実着火遅れを運転状態に基づいて近似できる燃焼速度近似手段及び着火遅れ近似手段を燃焼速度と着火遅れの適合方法として有することを特徴とする。
この構成によれば、筒内圧推定装置の適合を容易に行うことが可能となる。
また、実施の形態1による内燃機関の筒内圧推定装置は、前記適合方法で生じる実燃焼速度の初期サージ部について、燃焼速度が一定の場合に燃焼量が同じとなるように着火遅れを補正することを特徴とする。
この構成によれば、着火遅れをより精度良く適合することが可能となる。
なお、この発明の実施の形態1による内燃機関の筒内圧推定装置について説明したが、この発明は、その発明の範囲内において、実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。例えば、ここで示した燃焼シミュレーション方法の要点は火炎を楕円体状と考えることであり、燃焼により発生する熱量の演算時に例えば化学反応式を考慮して熱解離(燃焼時等の高温下で水や二酸化炭素が部分的に逆反応を起こす現象)や酸化窒素(NOx)の生成を考慮し、これらの吸熱反応による温度低下を考慮した燃焼モデルに拡張することも可能である。更には、筒内壁面へ熱が逃げる冷却損失を考慮した燃焼モデルに拡張することも可能であるので、この実施の形態として示した方法に限らず適用可能である。
1 エンジン、2 AFS、3 電子制御スロットル、4 スロットル開度センサ、5 サージタンク、6 インテークマニホールド、7 インマニ圧センサ、8 吸気温センサ、9 EGRバルブ、10 インジェクタ、11 吸気VVT、12 排気VVT、13 点火コイル、14 エキゾーストマニホールド、15 回転プレート、16 クランク角度センサ、17 ECU、18 大気圧センサ、19 各種センサ、20 運転状態検出手段、21 各種アクチュエータ、22 燃焼パラメータ近似手段、23 燃焼シミュレーション手段。

Claims (7)

  1. 内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、
    前記運転状態検出手段により検出された運転状態に基づいて、点火後に燃焼による熱発生が開始するまでの期間である着火遅れを算出する着火遅れ算出手段と、
    前記運転状態に基づいて、燃焼速度を算出する燃焼速度算出手段と、を備え、
    点火後の着火遅れ期間の経過後に、点火プラグのギャップ部で発生した火炎が、前記点火プラグのギャップ部を中心とした楕円体状に前記燃焼速度にて筒内壁面まで拡大することを模擬し、
    前記火炎の内側を既燃部、外側を未燃部として前記既燃部と前記未燃部の筒内圧をそれぞれ算出し、
    前記既燃部と前記未燃部の筒内圧に基づいて筒内全体の筒内圧を推定することを特徴とする内燃機関の筒内圧推定装置。
  2. 前記火炎の体積の変化量に基づいて熱発生率を算出することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の筒内圧推定装置。
  3. 前記火炎の体積の変化量に基づいて熱発生率を算出し、
    前記熱発生率に基づいて算出された熱量に基づいて前記既燃部の筒内温度を算出し、
    前記既燃部の筒内温度に基づいて前記既燃部の筒内圧を算出し、
    前記未燃部の筒内圧と前記既燃部の筒内圧と燃焼割合に基づいて筒内全体の筒内圧を推定することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の筒内圧推定装置。
  4. 前記燃焼速度は、前記熱発生率がピークとなった後は漸減することを特徴とする請求項2又は3に記載の内燃機関の筒内圧推定装置。
  5. 前記火炎の体積と筒内容積に基づいて燃焼割合を算出することを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の内燃機関の筒内圧推定装置。
  6. 自在に変更できる仮燃焼速度を用いて火炎が楕円体状に拡大することを模擬して仮燃焼割合を算出する仮燃焼割合算出手段と、
    予め計測しておいた筒内圧から算出された実燃焼割合と前記仮燃焼割合がほぼ一致するまで仮燃焼速度を変更し、前記実燃焼割合と前記仮燃焼割合がほぼ一致した時の前記仮燃焼速度を実燃焼速度として導出する実燃焼速度導出手段と、
    点火後の前記実燃焼速度がゼロである期間を実着火遅れとして算出する実着火遅れ期間算出手段と、
    前記実燃焼速度及び前記実着火遅れを前記運転状態に基づいて近似できる燃焼速度近似手段及び着火遅れ近似手段を燃焼速度と着火遅れの適合方法として有することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の内燃機関の筒内圧推定装置。
  7. 前記適合方法で生じる実燃焼速度の初期サージ部について、燃焼速度が一定の場合に燃焼量が同じとなるように着火遅れを補正することを特徴とする請求項6に記載の内燃機関の筒内圧推定装置。
JP2013236436A 2013-11-15 2013-11-15 内燃機関の筒内圧推定装置 Active JP5674903B1 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013236436A JP5674903B1 (ja) 2013-11-15 2013-11-15 内燃機関の筒内圧推定装置
US14/177,836 US9494489B2 (en) 2013-11-15 2014-02-11 Internal combustion engine inner-cylinder pressure estimation apparatus
DE102014204109.0A DE102014204109B3 (de) 2013-11-15 2014-03-06 Innenverbrennungsmotor-Zylinderinnendruck-Abschätzvorrichtung
CN201410359408.8A CN104655360B (zh) 2013-11-15 2014-07-25 内燃机的缸内压力推定装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013236436A JP5674903B1 (ja) 2013-11-15 2013-11-15 内燃機関の筒内圧推定装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP5674903B1 true JP5674903B1 (ja) 2015-02-25
JP2015096700A JP2015096700A (ja) 2015-05-21

Family

ID=52672627

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013236436A Active JP5674903B1 (ja) 2013-11-15 2013-11-15 内燃機関の筒内圧推定装置

Country Status (4)

Country Link
US (1) US9494489B2 (ja)
JP (1) JP5674903B1 (ja)
CN (1) CN104655360B (ja)
DE (1) DE102014204109B3 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5674903B1 (ja) * 2013-11-15 2015-02-25 三菱電機株式会社 内燃機関の筒内圧推定装置
WO2015162983A1 (ja) * 2014-04-22 2015-10-29 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の熱発生率波形算出装置および熱発生率波形算出方法
EP2949908B1 (en) * 2014-05-30 2016-07-06 AVL List GmbH Method for simulation of an internal combustion engine
US9546611B2 (en) * 2014-10-28 2017-01-17 GM Global Technology Operations LLC M index determination systems and methods for Wiebe functions
JP6527393B2 (ja) * 2015-06-12 2019-06-05 日立オートモティブシステムズ株式会社 内燃機関の制御装置
US10787976B1 (en) 2019-04-18 2020-09-29 Caterpillar Inc. System and method for estimating cylinder pressure
JP7403743B2 (ja) * 2020-07-01 2023-12-25 マツダ株式会社 エンジンの燃焼状態予測方法
JP7431381B2 (ja) 2021-04-19 2024-02-14 日立Astemo株式会社 内燃機関の制御装置

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007127004A (ja) * 2005-11-01 2007-05-24 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 内燃機関の状態量推定装置、内燃機関の制御装置、及び内燃機関の状態量推定方法
JP2011169268A (ja) * 2010-02-19 2011-09-01 Toyota Motor Corp 内燃機関の制御装置
JP2012021432A (ja) * 2010-07-13 2012-02-02 Toyota Motor Corp 内燃機関の制御装置

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3817977B2 (ja) * 1999-07-06 2006-09-06 株式会社日立製作所 圧縮着火式エンジンの制御方法
US7086382B2 (en) * 2002-11-01 2006-08-08 Visteon Global Technologies, Inc. Robust multi-criteria MBT timing estimation using ionization signal
US20040181377A1 (en) 2003-03-12 2004-09-16 Nissan Motor Co., Ltd. Flame propagation modeling method
JP2004293541A (ja) 2003-03-12 2004-10-21 Nissan Motor Co Ltd 火炎伝播予測方法
JP2004293542A (ja) * 2003-03-13 2004-10-21 Kubota Corp デュアル燃料エンジン
JP4055648B2 (ja) 2003-05-09 2008-03-05 日産自動車株式会社 内燃機関の点火時期制御装置
EP1571331B1 (en) 2004-02-20 2010-06-16 Nissan Motor Co., Ltd. Ignition timing control system for an internal combustion engine
JP2008215204A (ja) 2007-03-05 2008-09-18 Toyota Motor Corp 内燃機関の熱発生率のシミュレーション方法、内燃機関のトルクモデル作成方法および内燃機関のトルク推定方法
US7779679B2 (en) * 2008-04-14 2010-08-24 Gm Global Technology Operations, Inc. Fuel system diagnostics by analyzing cylinder pressure signal
DE102009028492A1 (de) * 2009-08-13 2011-02-17 Robert Bosch Gmbh Verfahren zur Bestimmung von Druckwerten eines Brennraums einer Brennkraftmaschine
WO2011117973A1 (ja) * 2010-03-23 2011-09-29 トヨタ自動車株式会社 内燃機関におけるegr率の特定方法及び内燃機関の制御装置
WO2012002962A1 (en) * 2010-06-30 2012-01-05 International Engine Intellectual Property Company, Llc System and method of generating selective catalyst reduction dosing estimate for a diesel engine
JP5674903B1 (ja) * 2013-11-15 2015-02-25 三菱電機株式会社 内燃機関の筒内圧推定装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007127004A (ja) * 2005-11-01 2007-05-24 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 内燃機関の状態量推定装置、内燃機関の制御装置、及び内燃機関の状態量推定方法
JP2011169268A (ja) * 2010-02-19 2011-09-01 Toyota Motor Corp 内燃機関の制御装置
JP2012021432A (ja) * 2010-07-13 2012-02-02 Toyota Motor Corp 内燃機関の制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
US20150142294A1 (en) 2015-05-21
DE102014204109B3 (de) 2015-05-21
CN104655360A (zh) 2015-05-27
CN104655360B (zh) 2017-04-12
JP2015096700A (ja) 2015-05-21
US9494489B2 (en) 2016-11-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5674903B1 (ja) 内燃機関の筒内圧推定装置
JP4376799B2 (ja) 内燃機関の点火時期制御装置
US10012204B2 (en) Engine operation control
JP2007126996A (ja) 機関出力の演算方法及び演算装置
US10001058B2 (en) Heat generation rate waveform calculation device of internal combustion engine and method for calculating heat generation rate waveform
Chang et al. Analysis of load and speed transitions in an HCCI engine using 1-D cycle simulation and thermal networks
US9885295B2 (en) Heat generation rate waveform calculation device of internal combustion engine and method for calculating heat generation rate waveform
JP2010084549A (ja) 内燃機関の制御装置および方法
JP2007248119A (ja) Wiebe関数パラメータの決定方法および内燃機関の熱発生率推定装置
JP2007126997A (ja) 筒内熱発生のシミュレーション方法およびシミュレーション装置
US10196974B2 (en) Heat generation rate waveform calculation device of internal combustion engine and method for calculating heat generation rate waveform
JP2008255932A (ja) 内燃機関の筒内圧推定方法および筒内圧推定装置
JP2008215204A (ja) 内燃機関の熱発生率のシミュレーション方法、内燃機関のトルクモデル作成方法および内燃機関のトルク推定方法
CN104854329A (zh) 通过估算内部汽缸压力信号来测量新鲜空气的方法
JP2008025406A (ja) 内燃機関の制御装置
JP5737196B2 (ja) 内燃機関の制御装置
Lahti et al. Dynamic engine control for HCCI combustion
Larimore Experimental analysis and control of recompression homogeneous charge compression ignition combustion at the high cyclic variability limit
JP2007127458A (ja) 動力伝達機構の試験装置
JP4803099B2 (ja) 可変圧縮比エンジンのトルク推定装置
JP2012219757A (ja) 内燃機関の制御装置
JP4872383B2 (ja) エンジンの点火時期制御方法及びエンジンの点火時期制御装置
JP4748461B2 (ja) 筒内噴射エンジンの噴射時期適合方法及び噴射時期適合装置
JP2004301045A (ja) 内燃機関の点火時期制御装置
JP2003049758A (ja) 内燃機関の点火時期制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20141125

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20141222

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5674903

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250