JP5674560B2 - 防潮堤の施工方法 - Google Patents

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本発明は、津波や高波等が発生した際に、海岸や河川からの水害を防止するための防潮堤の施工方法に関するものである。
地震による津波や、台風などによる高波等による被害を防止するため、海岸沿いや河川脇には、防潮堤が設けられる場合がある。防潮堤は、海岸沿いなどの所定の範囲に対して、所定の高さで形成される。
このような、防潮堤の施工方法としては、例えば、堤防上にプレキャスト擁壁を配置して形成する方法がある(例えば特許文献1)。
特開2008−190200号公報
図10(a)は、従来の防潮堤100を示す概略図である。防潮堤100は、例えば海113に面した地盤109上に設けられる。防潮堤100はコンクリート製であり、地盤109に対して所定の高さに形成される。防潮堤100によれば、防潮堤100の高さよりも低い水位の津波や高波が生じても、防潮堤100によって後方の領域への水の流入を抑えることができる。
これに対し、このような防潮堤100に対して、例えば津波等が押し寄せて、図10(b)に示すように防潮堤100の高さよりも高い水位となった場合には、海113からの水が、防潮堤100を超えて防潮堤100の後方領域へ流入する(図中矢印D方向)。
このような場合には、防潮堤100の後方に一気に水が流れ込むため、この近傍の地盤109が洗掘される恐れがある。このため、洗掘された部位に水やがれきが溜まるため、その後の復旧にも時間を要する。
また、このようなコンクリート製の防潮堤100を施工するためには、ある程度の工期を要する。特に、地盤109が不陸である場合などは、地盤整備から行う必要があるため、防潮堤100の施工に時間を要する。
これに対し、例えば、大きな地震後の余震により発生する津波や、台風による高波による被害を防止するためには、極めて短期間で防潮堤を構築する必要がある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、短期間で施工することができ、洗掘を防止することが可能な防潮堤の施工方法を提供することを目的とする。
前述した目的を達成するため、本発明は、防潮堤の施工方法であって、水を透過可能な保持体と、前記保持体の内部に充填される中詰材とを有する洗掘防止体を複数用い、前記洗堀防止体を、海岸または河川近傍の地盤上に積み上げ、積み上げられた前記洗堀防止体の少なくとも海岸または河川方向に面する部位を遮水部材で被覆し、前記保持体は編み込まれた袋体であり、前記洗堀防止体を地盤上に載置すると、偏平形状に変形可能であり、前記遮水部材は、不織布の表面に、固化後に伸縮が可能な遮水材を吹き付けることで形成することを特徴とする防潮堤の施工方法である。
積み上げられた前記洗堀防止体の少なくとも海岸または河川方向とは反対側に面する部位には前記遮水部材が設けられず、前記洗掘防止体が露出することが望ましい。
前記保持体は編み込まれた袋体であり、前記洗堀防止体を地盤上に載置すると、偏平形状に変形可能であり、地盤上に載置された前記洗掘防止体の幅に対する高さが1/3以下であり、少なくとも最上部に位置する前記洗堀防止体同士が連結されることが望ましい。
前記遮水部材は、積み上げられた前記洗堀防止体の少なくとも海岸または河川方向に面する部位に不織布を設け、前記不織布の表面に、固化後に伸縮が可能な遮水材を吹き付けることで形成してもよい。前記不織布は、編み込まれた袋体である保持体の編み部にピンで固定されることが望ましい。
少なくとも一部の保持体の内部には、あらかじめ不織布が配置され、前記中詰材は、前記不織布の内部に充填され、前記不織布が内部に配置された前記洗掘防止体を、少なくとも海岸または河川方向に面する部位に積み上げ、前記遮水部材は、少なくとも海岸または河川方向に面する前記不織布の表面に、固化後に伸縮が可能な遮水材を吹き付けることで形成されてもよい。
前記不織布は遮水シートであり、積み上げられた前記洗堀防止体の少なくとも海岸または河川方向に面する部位に前記遮水シートが貼り付けられてもよい。
前記地盤上に前記洗堀防止体を配置する前に、前記地盤から海岸または河川方向に向かって形成される斜面に前記洗堀防止体を配置し、前記地盤よりも上部の前記洗堀防止体と、前記地盤よりも下部の前記洗堀防止体との間に、あらかじめ遮水マットを配置してもよい。
本発明によれば、保持体内部に中詰材が充填される洗掘防止体を積み上げるため、防潮堤の施工が容易であり、あらかじめ工場で洗掘防止体を製造すれば、現場での設置・積み上げ作業を無人で行うこともでき、極めて短期間で防潮堤を構築することができる。
また、海岸等に面した側には、遮水部材が設けられるため、水位が上昇しても、防潮堤を透過して水が後方に流入することがない。
また、防潮堤の海岸とは反対側の面には、遮水部材が設けられずに、洗掘防止体を露出させることで、万が一防潮堤を水が超えた場合にも、水が洗掘防止体内部を透過して後方に流れ出るため、防潮堤の頂部から一気に水が後方地盤に落下して、地盤が洗掘されることがない。
また、保持体が編み込まれた袋体であれば、容易に変形することができる。このため、洗掘防止体を地盤に載置した場合や積み上げた場合に、洗掘防止体が設置部の形状に容易に追従して設置することができる。このため、不陸な地盤に対しても、容易に洗掘防止体を積み上げることができる。
また、洗掘防止体を地盤に設置した際に、幅(例えば、平面視において最も狭い幅)に対する高さが1/3以下であれば、強力な水流による力が付与されても、安定性を確保することができ、容易に転がって移動することがない。例えば、通常の土のうのような形状では、積み上げられた状態であっても、力が付与されると容易に転がってしまうが、偏平率が大きく、接地面積に対する高さを低くすることで、より安定した防潮堤を構築することができる。
また、少なくとも最上部に位置する洗掘防止体同士が連結されることで、より確実に、防潮堤の崩れを防止することができる。
また、海岸等に面した部位に不織布を設けて、固化後に伸縮性を有する遮水材を吹き付けることで、容易に防潮堤の遮水性を確保できるとともに、遮水材が伸縮性を有するため、洗掘防止体の揺れや多少の移動等が生じても、遮水材がこれに追従して、遮水性を維持することができる。また、遮水材は吹き付けであれば、作業が迅速であり、短期間で遮水部材を形成することができる。
なお、不織布を貼り付ける際には、編み込まれた袋体の編み部にピンで固定することで、不織布が剥がれることがない。したがって、確実に遮水性を維持することができる。
また、少なくとも一部の保持体の内部にあらかじめ不織布を入れておき、不織布の内部に中詰材を充填することで、不織布を貼り付ける作業を削減することができる。この場合には、海岸等に面した部位にのみ不織布入りの洗掘防止体を設置すれば、他の部位に設置する洗掘防止体は、不織布を有さないものであってもよい。
また、不織布への遮水材の吹き付けではなく、海岸等に面した側に、遮水シートを張り付けても、防潮堤の遮水性を確保することができる。
また、地盤から海岸等に向かって形成される斜面に洗掘防止体を配置することで、防潮堤を構築するだけの広さが確保できない場所であっても、海岸等の方向に洗掘防止体を積み上げることで、防潮堤の設置場所を確保することができる。
この場合、地盤よりも上に積み上げられる洗掘防止体と下方に積み上げられた洗掘防止体との間に遮水マットを配置することで、海岸等からの水が下方から防潮堤の内部に流入することを防止することができる。
本発明によれば、例えば地盤が不陸である場合であっても短期間で施工することができ、洗掘を防止することが可能な防潮堤の施工方法を提供することができる。
洗掘防止体1を示す図で、(a)は吊りあげられた状態を示す図、(b)は地盤9に載置された状態を示す図。 海岸に洗掘防止体1を積み上げた状態を示す図。 海岸に面した側に不織布15を配置した状態を示す図で、(a)は立面図、(b)は(a)のA部拡大断面図。 不織布15に遮水材21を吹き付ける工程を示す図で、(a)は立面図、(b)は(a)のA部拡大断面図。 他の実施形態を示す図で、遮水部材25aを構築する工程を示す図。 防潮堤10に対して、潮位が上昇した状態を示す図。 他の実施形態を示す図で、海岸方向の斜面に洗掘防止体を積み上げた状態を示す図。 防潮堤30を構築する工程を示す図。 洗掘防止体1の積み方の他の実施例を示す図。 従来の防潮堤100を示す図。
以下、本発明の実施の形態にかかる防潮堤の施工方法について説明する。図1は、防潮堤に用いられる洗掘防止体1を示す図であり、図1(a)は吊りあげられた状態を示す図、図1(b)は地盤9に載置された状態を示す図である。なお、地盤9は、自然の砂、土、岩等により形成されるものであっても、あらかじめ舗装されたものであってもよい。
洗掘防止体1は、保持体3の内部に中詰材5が充填されたものであり、上部が口閉じされた部材である。保持体3は、例えば、ナイロンや再生PET材等の高強度の合成繊維で編み込まれた袋体である。すなわち、保持体3は容易に水を透過する部材である。なお、保持体3を構成する樹脂には、必要に応じて、耐候性を高めるために、所定量のカーボンブラックを含有させてもよい。
保持体3の内部には、中詰材5が充填されている。中詰材5は、例えば砕石であり、比重の大きな材質のものが望ましい。なお、砕石に代えて、鉄くずやコンクリートがら等を用いても良いが、コンクリートがら等は自然石と比較して比重が小さいため、自然石等を混ぜて用いることが望ましい。
洗掘防止体1の上部には、吊りリング7が設けられ、吊りリング7で保持体3の口が閉じられる。したがって、図1(a)に示すように、洗掘防止体1は、吊りリング7にフック等を掛けて、容易に運搬・移動を行うことができる。
また、図1(b)に示すように、洗掘防止体1は、地盤9上に載置されると、自重によって変形(偏平)する。このように地盤9上で偏平した状態における幅(図中Wであって、平面視で最も狭い部分)に対する高さ(図中H)が1/3以下となることが望ましい。このように大きく偏平させることで、地盤9と洗掘防止体1との接触面積を大きくとることができるとともに、水流等によって側方から力を受けた際に、洗掘防止体1が転がったり移動したりせず、安定して配置することができる。
また、洗掘防止体1が容易に変形可能であることで、載置する地盤9表面が平らではない場合であっても、地盤の凹凸に追従して変形するため、洗掘防止体1を確実に安定して配置することができる。
なお、このような洗掘防止体1としては、例えば、特開2003−129444号公報に記載のように、袋材部に連結され、袋材の開口を閉じた口部から外に引き出され、底部と口部とを連結する中繋ぎ材が設けられた耐波浪性土木工事用袋材を用いてもよい。
なお、本発明で用いられる洗掘防止体1としては、例えば4〜8t程度の重量のものが用いられる。また、地盤9が平らであり、安定性が確保できれば、保持体3は必ずしも変形が可能な袋体ではなく、形状が定まった籠状部材を用いてもよい。
次に、本発明の防潮堤の施工方法について説明する。図2は、海岸沿いに防潮堤を施工する状態を示す図である。なお、本発明は、海13に面した海岸以外にも、河川に面した部位に適用することもできる。また、図では、海13のすぐ近くに防潮堤を形成する例を示すが、海13から防潮堤を施工する部位まで、多少の距離があってもよい。
まず、図2に示すように、海13に面した地盤9上に洗掘防止体1を積み上げる。洗掘防止体1の積み上げる段数は、施工する防潮堤の高さに応じて設定される。また、防潮堤を安定させるため、洗掘防止体1は、施工される防潮堤の長手方向から見て、略台形となるように積み上げられる。
ここで、少なくとも最上部に位置する隣り合う洗掘防止体1(海側から陸側に向かって隣り合う洗掘防止体)の吊りリング7同士は連結部材11により連結される。なお、図示は省略するが、防潮堤の長手方向に隣接する洗掘防止体1同士も同様に連結されることが望ましい。また、最上段のみではなく、その下段の隣り合う洗掘防止体同士(または段をまたいで上下に隣接する洗掘防止体同士)も連結してもよい。
次に、図3(a)に示すように、積み上げられた洗掘防止体1の一部に不織布15を貼り付ける。不織布15は、少なくとも、海13の方向に面した部位(図中右側の斜面)の全面に貼り付けられる。なお、不織布15を貼り付ける際には、当該貼り付け部位に事前にプライマー(ボンド)を塗布し、積み上げられた洗掘防止体1の形状に沿って、所定の大きさに切断された不織布15を貼り付ける。
図3(b)は、図3(a)のA部拡大図である。不織布15を貼り付け後、図3(b)に示すように、不織布15が剥がれないように、不織布15をピン17で保持体3に固定する。例えば、不織布15の表面側からピン17の先端を突き刺して、保持体3の編み部にピン17を引掛ければよい。不織布15の所定か所をピン17で固定することで、不織布15を確実に洗掘防止体1に固定することができる。
次に、図4(a)に示すように、吹き付け装置19によって、不織布15の表面全面に遮水材21を吹き付ける。遮水材21は、例えばウレタン樹脂等であり、2液型のウレタン樹脂をスプレー状にして、吹き付け装置19で吹きつければよい。吹き付けられた遮水材21は、不織布15の表面で固化する。ここで、遮水材21としては固化後に、所定の強度を有するとともに、伸縮性を有することが望ましい。このような材料としては、例えば、ダイフレックス社製の「レジテクト」(登録商標)(例えば、伸びが230%以上で、引張強さは7.35N/mm以上)を用いることができる。
図4(b)は、図4(a)のA部拡大図であり、遮水材21が吹き付けられた状態の断面拡大図である。不織布15の固定に金属製のピン17を用いた場合には、遮水材21を吹き付ける間に、ピン17を表面から被覆する絶縁材23を設けることが望ましい。ピン17上に絶縁材23を設けることで、遮水材21を吹き付けた後に、ピン17が遮水材21表面に突き抜けて外部に露出することがなく、ピン17の腐食等を確実に防止することができる。したがって、遮水材21は、直接ピン17と接触せず、不織布15および絶縁材23の表面に吹き付けられる。以上により、洗掘防止体1の表面に、遮水部材25が形成される。なお、ピン17が十分に薄く、強度を有すれば、遮水材21を吹き付けた際に、遮水材21を突きぬけて外部に露出することがないため、絶縁材23は不要である。また、ピン17を用いなくとも、強力接着剤等によって不織布15を強固に洗掘防止体1表面に接着可能であれば、必ずしもピン17を用いる必要はない。
なお、不織布15を洗掘防止体1に固定する方法は上述の例には限られない。例えば、図5(a)に示すように、保持体3の内部にあらかじめ不織布15を配置しておき、中詰材5が不織布15の内部に投入されていてもよい。このような構成とすることで、不織布15をボンド等で貼り付ける作業が不要となり、また、ピン等を用いる必要もない。
この場合には、図5(b)に示すように、洗掘防止体1に直接遮水材21を吹き付ければよい。このようにすることで、洗掘防止体1の表面に遮水部材25aを形成することができる。なお、不織布15をあらかじめ洗掘防止体1の内部に配置する場合には、必ずしも使用される全ての洗掘防止体1の内部に不織布15を配置する必要はない。すなわち、図4(a)に示すように、海13に面した側の遮水部材25を形成する部位に設置される洗掘防止体1にのみ、不織布15を配置すればよく、その他の洗掘防止体1には、通常の不織布を有さない洗掘防止体を用いればよい。
次に、上記のようにして施工された防潮堤10の機能について説明する。図6は、防潮堤10が施工された後、津波等によって海13の水位が上昇した状態を示す図である。図6(a)に示すように、水位が防潮堤10の高さよりも低い場合には、防潮堤10の海側の面が遮水部材25によって遮水されているため、水が防潮堤10によって堰き止められ、後方領域に流入することがない。
また、洗掘防止体1が極めて安定に積み上げられているため、水圧によって、容易に洗掘防止体が崩れたりすることがない。
一方、図6(b)に示すように、水位が防潮堤10の高さよりも高い場合には、水が防潮堤10を乗り越えて、後方に流れ込む。この際、防潮堤10を乗り越えた水は、遮水部材25が形成されない部において、洗掘防止体1の内部に流入する(図中矢印B)。すなわち、水は、防潮堤10の頂部から一気に地盤9上に落下し、地盤近傍で勢いよく地盤を打ちつけることがなく、洗掘防止体1の内部を流れながら、その勢いが抑制されて後方に流れ込む。このため、防潮堤10の後方の地盤9が掘り起こされることが防止される。
また、洗掘防止体1同士が連結部材11で連結されるため、水の流れや水圧によって、洗掘防止体が崩れたりすることがない。
以上、本実施の形態によれば、保持体3に中詰材5が充填された洗掘防止体1を積み上げて防潮堤を構築するため、短期間で施工を行うことができる。このため、余震による津波や、台風による高波など、すぐにでも生じる恐れのある水害に対して、迅速に対応することができる。
また、洗掘防止体1が容易に変形するため、設置場所の地盤9が不陸であっても施工を行うことができる。このため、地盤を平坦にするため工程が不要である。また、洗掘防止体1は、設置した際に偏平して、安定した状態で設置することができるため、洗掘防止体1の崩れ等を防止することができる。
また、遮水部材を設けることで、防潮堤まで達した水が、防潮堤の後方に流れ込むことを防止することができる。また、防潮堤の後部には、遮水部材が設けられず、洗掘防止体が露出するため、万が一防潮堤を水が超えた場合にも、防潮堤後方の地盤が水流によって掘り起こされることがない。
また、少なくとも最上部の隣接する洗掘防止体同士が連結されるため、洗掘防止体の崩れを防止することができきる。また、遮水材が固化後に伸縮性を有するため、水の力で洗掘防止体や内部の中詰材が動いても、遮水部材がこの形状変化に追従し、遮水部材が破損することがない。このため、防潮堤の遮水性を維持することができる。
次に、他の実施形態について説明する。図7は、地盤9上に、防潮堤を構築する十分なスペースがない場合の防潮堤の施工方法を示す図である。なお、以下の説明において、前述した防潮堤10の施工方法と同様の構成については、重複した説明を省略し、図1から図5と同様の符号を用いる。
まず、地盤9から、海13方向の斜面に沿って、海底から洗掘防止体1を積み上げる。この際、特に、海底近傍には、広範囲に洗掘防止体1を配置し、海底の洗掘を防止する。洗掘防止体1は、地盤9の高さ近傍まで積み上げられる。なお、斜面に設けられる洗掘防止体1は、図示したように略水平に積み上げられるのではなく、海13側に傾斜するように配置することもできる。このようにすることで、例えば引き波によって斜面に沿って海側に水流が生じても、洗掘防止体が崩れることを防止することができる。
次に、図8(a)に示すように、地盤9よりも上方に洗掘防止体1を積み上げる範囲(地盤9および海岸斜面に配置された洗掘防止体洗掘防止体1の上部)に遮水マット31を敷く。遮水マット31としては、摩擦係数が大きなアスファルトマットを用いることができる。
遮水マット31上(地盤9および洗掘防止体1上)には、前述した防潮堤10と同様の手順で洗掘防止体1が積み上げられる。また、図8(b)に示すように、海側に面した部位に、遮水部材25が形成される。以上により防潮堤30が形成される。
第2の実施の形態にかかる防潮堤30によれば、防潮堤10と同様の効果を得ることができる。また、防潮堤30は、海岸側にも洗掘防止体1を積み上げるため、地盤9に十分なスペースが確保できない部位でも、防潮堤を構築することができる。
また、地盤9よりも上方側の洗掘防止体1の下部に、遮水マット31が設けられる。このため、防潮堤30の内部に、洗掘防止体1の下部から水が浸入することがない。すなわち、遮水マット31および遮水部材25によって、防潮堤30の遮水性を確実に確保することができる。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
たとえば、遮水部材としては、不織布に遮水材を吹き付けて構成したが、遮水シートによって洗掘防止体の所定範囲を被覆してもよい。この場合、積み上げられた洗掘防止体の表面に遮水シートを配置してもよく、洗掘防止体同士の隙間に配置してもよい。
また、本発明によって迅速に防潮堤を構築したのち、さらに安定性を高めるため、防潮堤の後方に鋼管杭等を打設し、防潮堤の後方にさらに壁体を構築してもよい。このような壁体の構築には工数を要するが、本発明の施工方法と組み合わせることによって、迅速に最低限の防潮堤を構築した後、時間をかけて、より高い防潮堤を構築することができる。
また、積み上げられる洗掘防止体の一部(例えば防潮堤の内部に位置する洗掘防止体)を通常の土のうと置き換えてもよい。すなわち、防潮堤の内部は、必ずしも全て洗掘防止体である必要はない。また、洗掘防止体の配置は、千鳥状にしてもよい。このようにすることで、より安定した防潮堤を構築することができる。
また、洗掘防止体同士は、図2等に示したように、必ずしも水平になるように載置する必要はない。例えば、図9(a)に示すように、互いの端部同士が重なり合うようにして配置してもよい。このようにすることで、互いの動きを抑制することができるとともに、重なり代を調整することで、防潮堤の幅(図中左右方向)を任意に調整可能であるため、より設計自由度が高くなり、より安定した台形状の防潮堤を構築することができる。
また、図9(b)に示すように、下部に突出部33を有する洗掘防止体1aを用いてもよい。この場合、洗掘防止体1aを併設する際に、隣の洗掘防止体1aの突出部33と重なるようにして洗掘防止体1aを設置すればよい(図中矢印C方向)。互いの突出部33上に洗掘防止体を並べることで、洗掘防止体のずれを防止することができる。
1、1a………洗掘防止体
3………保持体
5………中詰材
7………吊りリング
9………地盤
10、30………防潮堤
11………連結部材
13………海
15………不織布
17………ピン
19………吹き付け装置
21………遮水材
23………絶縁材
25、25a………遮水部材
31………遮水マット
33………突出部

Claims (7)

  1. 防潮堤の施工方法であって、
    水を透過可能な保持体と、前記保持体の内部に充填される中詰材とを有する洗掘防止体を複数用い、
    前記洗掘防止体を、海岸または河川近傍の地盤上に積み上げ、
    積み上げられた前記洗掘防止体の少なくとも海岸または河川方向に面する部位を遮水部材で被覆し、
    前記保持体は編み込まれた袋体であり、前記洗掘防止体を地盤上に載置すると、偏平形状に変形可能であり、
    前記遮水部材は、不織布の表面に、固化後に伸縮が可能な遮水材を吹き付けることで形成することを特徴とする防潮堤の施工方法。
  2. 積み上げられた前記洗掘防止体の少なくとも海岸または河川方向とは反対側に面する部位には前記遮水部材が設けられず、前記洗掘防止体が露出することを特徴とする請求項1記載の防潮堤の施工方法。
  3. 前記偏平形状は、地盤上に載置された前記洗掘防止体の幅に対する高さが1/3以下であり、少なくとも最上部に位置する前記洗掘防止体同士が連結されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の防潮堤の施工方法。
  4. 前記遮水部材は、積み上げられた前記洗掘防止体の少なくとも海岸または河川方向に面する部位に不織布を設け、前記不織布の表面に、固化後に伸縮が可能な遮水材を吹き付けることで形成することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の防潮堤の施工方法。
  5. 前記不織布は、編み込まれた袋体である保持体の編み部にピンで固定されることを特徴とする請求項4記載の防潮堤の施工方法。
  6. 少なくとも一部の保持体の内部には、あらかじめ不織布が配置され、前記中詰材は、前記不織布の内部に充填され、
    前記不織布が内部に配置された前記洗掘防止体を、少なくとも海岸または河川方向に面する部位に積み上げ、
    前記遮水部材は、少なくとも海岸または河川方向に面する前記不織布の表面に、固化後に伸縮が可能な遮水材を吹き付けることで形成することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の防潮堤の施工方法。
  7. 前記地盤上に前記洗掘防止体を配置する前に、前記地盤から海岸または河川方向に向かって形成される斜面に前記洗掘防止体を配置し、前記地盤よりも上部の前記洗掘防止体と、前記地盤よりも下部の前記洗掘防止体との間に、あらかじめ遮水マットを配置することを特徴とする請求項1から請求項のいずれかに記載の防潮堤の施工方法。
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