JP5673804B2 - 空間位置特定システム及び空間位置特定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、オブジェクトを検知するセンサの位置を特定する空間位置特定システム及び空間位置特定方法に関する。
本願は、2011年4月20日に日本国に出願された特願2011−93812号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
従来、携帯電話等のオブジェクトの位置情報に応じて、当該オブジェクトに所定のコンテンツを提供する位置情報対応型のコンテンツ提供システムが知られている(特許文献1参照)。特許文献1に開示されたコンテンツ提供システムは、オブジェクト(例えば、携帯端末)に信号を送信するセンサ(例えば、RFIDタグ)と、当該センサとオブジェクトの位置とを関連付けて記憶するデータベースを具備する。コンテンツ提供システムでは、センサがオブジェクトを検知すると、当該センサの設置位置をデータベースから読み出すことで、オブジェクトの位置を特定する。コンテンツ提供システムは、特定されたオブジェクトの位置と、当該位置におけるオブジェクトの滞在時間に応じて行動情報を取得し、その行動情報とコンテンツ配信ルールとのマッチングに基づいてコンテンツを選択する。これにより、コンテンツ提供システムはオブジェクトのユーザ対して、その現在位置に応じたコンテンツを提供することができる。
特開2007−279853号公報
上記のようなオブジェクトの位置特定システムでは、システム利用者(或いは、システム管理者)は手作業により複数のセンサの設置位置をデータベースに予め記憶させておく必要がある。このため、センサの設置位置が固定されていない場合、或いは、システム利用者が自由にセンサを任意の位置に移動できる場合、センサの位置が変更される度にシステム利用者がデータベースに登録されたセンサの設置位置を書き換える必要がある。このように、データベースに登録された多数の位置情報を書き換えることは煩雑であり、また、登録間違いによりオブジェクトの位置特定精度を低下させる可能性がある。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、複数のセンサと当該センサが設置された空間とを自動的に関連付けてオブジェクトの位置を特定することができる空間位置特定システム及び空間位置特定方法を提供することを目的とする。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、設置物が設置された空間を特定する空間特定システムであって、特徴物を所定の状況下で一意に識別する特徴情報と、当該特徴物によって特定される領域である空間位置とを関連付けて記憶する関連空間記憶部と、設置物により検知された前記特徴物の特徴情報を取得する情報取得部と、前記関連空間記憶部を参照して、前記情報取得部が取得した特徴情報に関連付けられた空間位置を、前記設置物空間位置して特定する空間特定部とを備えることを特徴とする。
また、本発明は、設置物が設置された空間を特定する空間特定システムを用いた空間特定方法であって、特徴物を所定の状況下で一意に識別する特徴情報と、当該特徴物によって特定される領域である空間位置とを関連付けて記憶し、設置物により検知された前記特徴物の特徴情報を取得し、前記取得した特徴情報に関連付けられた空間位置を、前記設置物空間位置して特定することを特徴とする。
また、本発明は、設置物が設置された空間を特定する空間特定システムのコンピュータを、特徴物を所定の状況下で一意に識別する特徴情報と、当該特徴物によって特定される領域である空間位置とを関連付けて記憶する関連空間記憶部、前記設置物により検知された前記特徴物の特徴情報を取得する情報取得部、前記関連空間記憶部を参照して、前記情報取得部が取得した特徴情報に関連付けられた空間位置を、前記設置物空間位置して特定する空間特定部として機能させるための空間位置特定プログラムである。
本発明によれば、設置物(センサ)に近接する特徴物(オブジェクト、車両等)を特定し、当該特徴物に関連付けられた空間位置(駐車区域等)を設置物が設置された空間位置として特定する。これにより、設置物、特徴物、及び空間位置の関係が変更されても自動的に設置物の空間位置を特定することができる。
本発明の実施例1に係る空間位置特定システムの構成図である。 空間位置特定システムを構成するサーバ装置の機能ブロック図である。 空間位置特定システムのサーバ装置に記憶される情報の一覧表である。 空間位置特定システムの処理手順を示すフローチャートである。 サーバ装置の情報取得部がセンサより取得する周辺情報と、その一部を書き換えた二次周辺情報を示すデータ構成図である。 本発明の実施例2に係る空間位置特定システムの構成図である。 空間位置特定システムを構成するサーバ装置の機能ブロック図である。 空間位置特定システムのサーバ装置に記憶される情報の一覧表である。 空間位置特定システムの処理手順を示すフローチャートである。 サーバ装置の情報取得部がセンサより取得する周辺情報と、その一部を書き換えた二次周辺情報を示すデータ構成図である。 サーバ装置の統計部により生成される統計情報の一例を示す一覧表である。 本発明の実施例3に係る空間位置特定システムのサーバ装置に記憶される情報の一覧表である。
本発明の実施例に係る空間位置特定システム及び空間位置特定方法について添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、実施例1に係る空間位置特定システムの構成図である。実施例1の空間位置特定システムは、複数のセンサ1−1〜1−N(これらをセンサ1と総称する)とサーバ装置2を具備する。複数のセンサ1−1〜1−Nは、駐車区域11−1〜11−N(これらを駐車区域11と総称する)に対応付けて設置されている。ここで、車両3はオブジェクトに相当するものであり、駐車区域11は当該オブジェクトが存在しうる空間に相当する。
この空間位置特定システムは、コイン式パーキングメータを具備したパーキングエリアに設置された各センサ1がどの駐車区域11に設置されているかを特定するものである。尚、センサ1が設置される駐車区域11は、当該駐車区域11に駐車される車両3の所有者によって識別される。実施例1では、所定の状況下で一意に定められ、人物や物を示す「特徴物」を位置特定対象としている。また、特徴物を所定の状況下で一意に識別するため「特徴情報」用いる。例えば、人物の名前や物の名称、人物や物の位置情報を特徴情報として挙げることができる。特徴物は、その特徴情報により区別される。実施例1では、車両3が特徴物に相当し、その所有者が特徴情報に相当する。また、「空間」とは特定の用途に用いられ、特徴物によって特定される領域であり、例えば、駐車区域、飲食店のテーブル、車両の座席、ホテルの個室を挙げることができる。
各センサ1は各駐車区域11に個別に設置されており、当該駐車区域11に接近して駐車しようとする車両3の状態を検知する。このセンサ1は、近接する車両3に搭載された情報担体から情報を読み出す読出部(不図示)を備える。情報担体と読出部として、RFIDタグとRFIDリーダの組合せや、WiFi送信機とWiFi受信機の組合せを挙げることができる。車両3に搭載される情報担体は、当該車両3を一意に特定する車両識別情報(例えば、ナンバプレートの番号)を記憶する。実施例1では、車両3の所有者が自身の駐車区域11に駐車する際、センサ1で読み出す車両識別情報は1種類の情報としている。実施例1では、情報担体が車両識別情報を記憶している場合について説明するが、これに限定されるものではない。例えば、車両担体に複数の情報を記憶しておき、読出部が情報担体から読み出された複数の情報の組み合わせから車両識別情報を特定するように実施例1を再構成してもよい。尚、車両識別情報は読出部によって識別されやすい種別の情報であることが望ましい。
図2は、サーバ装置2の機能ブロック図である。サーバ装置2は、複数のセンサ1から車両識別情報を収集し、当該車両識別情報に基づいて各センサ1が設置された駐車区域11を特定する。サーバ装置2は、識別辞書記憶部21、関連空間記憶部22、情報取得部23、空間特定部24、及びセンサ空間関連情報記憶部25を具備する。
図3は、実施例1に係る空間位置特定システムのサーバ装置2に記憶される情報の一覧表である。識別辞書記憶部22は、図3(A)に示すように、車両識別情報と車両3の所有者とを関連付けて記憶する。関連空間記憶部22は、図3(B)に示すように、車両3の所有者と駐車区域11とを関連付けて記憶する。
情報取得部23は、センサ1に近接する車両3を特定する車両識別情報を取得する。情報取得部23は、車両識別情報に関連付けられた車両3の所有者を識別辞書記憶部21から読み出すことで、駐車区域11に駐車した車両3の所有者を特定する。
空間特定部24は、情報取得部23が識別辞書記憶部21より読み出した車両3の所有者に関連して駐車区域11を関連空間記憶部22より読み出すことで、センサ1の設置位置(即ち、センサ1が設置された駐車区域11)を特定する。空間特定部24は、センサ1の識別情報と駐車区域11とを関連付けてセンサ空間関連情報記憶部25に記憶する。
センサ空間関連情報記憶部25は、図3(C)に示すように、センサ1の識別情報と当該センサ1が設置された駐車区域11とを関連付けて記憶する。尚、センサ空間関連情報記憶部25に記憶された情報は、センサ1と駐車区域11との関連性に係るサービスを提供するシステムによって用いられる。
次に、実施例1に係る空間位置特定システムの動作について詳細に説明する。
図4は、空間位置特定システムの処理手順を示すフローチャートである。空間位置特定システムのサーバ装置2が起動すると、情報取得部23は、図5(A)に示すような周辺情報をセンサ1から取得する(ステップS1)。即ち、情報取得部23は、センサ1が車両3から車両識別情報を読み出した時刻、センサ1の識別情報、及び車両識別情報を取得する。ここで、「周辺情報」とはセンサ1などの設置物が置かれた場所の周辺から取得した情報を意味する。例えば、周辺情報として車両識別情報を構成するナンバプレートの番号を挙げることができる。また、周辺情報に特徴情報(例えば、車両3の所有者情報)を含めてもよい。
次に、情報取得部23は車両識別情報に関連付けられた車両3の所有者の名前を識別辞書記憶部21から読み出し、センサ1から取得した周辺情報のうち車両識別情報を車両3の所有者の名前に書き換える(ステップS2)。これにより、情報取得部23は図5(A)に示す周辺情報の一部を書き換えて図5(B)に示す二次周辺情報とする。
次に、空間特定部24は情報取得部23により生成された二次周辺情報に含まれる車両3の所有者の名前に関連付けられた駐車区域11を関連空間記憶部22から読み出す(ステップS3)。例えば、空間特定部24は二次周辺情報(図5(B)参照)に含まれるセンサ1−2に関連付けられた車両3の所有者の名前「太郎」を参照し、「太郎」に関連付けられた駐車区域11(即ち、「太郎の駐車区域」)を関連空間記憶部22(図3(B)参照)から読み出す。これにより、空間特定部24はセンサ1−2が「太郎の駐車区域」に設置されていることを特定することができる。その後、空間特定部24はセンサ1の識別情報と駐車区域11とを関連付けてセンサ空間関連情報記憶部25(図3(C)参照)に記憶する(ステップS4)。
このように、実施例1に係る空間位置特定システムによりセンサ1と駐車区域11とを関連付けることができる。具体的には、情報取得部23がセンサ1から取得した周辺情報に基づいて車両3の特徴情報(即ち、所有者の名前)を付与し、空間特定部24がその特徴情報に基づいてセンサ1と駐車区域11とを関連付ける。この空間位置特定システムは、立体駐車場のように駐車区域11が建物内を移動するような状況にも対応することができる。また、センサ空間関連情報をリセットすることで、車両3がコイン式パーキングメータを具備したパーキングエリア内を移動して、その駐車区域11を変更するような状況にも対応することができる。
例えば、「太郎の駐車区域」が駐車区域11−1から駐車区域11−3に変更された場合、センサ1−1により駐車区域11−1において「太郎」を示す車両識別情報が検出されなくなり、一方、センサ1−3により駐車区域11−3において「太郎」を示す車両識別情報が検出されることとなる。即ち、「太郎」が駐車区域11−3を利用し始めることで、サーバ装置2により駐車区域11−3が「太郎の駐車区域」であると判定される。このように、実施例1に係る空間位置特定システムでは、センサ1と駐車区域11との関連性が変更された場合、システム利用者はセンサ空間関連情報記憶部25の内容を手作業で書き換える必要がなくなり、自動的にセンサ空間関連情報記憶部25の内容を更新することができる。
実施例1に係る空間位置特定システムは、コイン式パーキングメータを備えたパーキングエリアに設置されて、センサ1と駐車区域11との関連付けを自動的に行なうよう場合について説明したが、これに限定されるものではない。即ち、空間位置特定システムは、複数のセンサと当該センサが設置された空間とを関連付ける必要がある他の分野に応用することができる。
次に、本発明の実施例2に係る空間位置特定システムについて詳細に説明する。実施例2において、実施例1と対応する構成要素には同一の符号を付すものとする。
図6は、実施例2に係る空間位置特定システムの構成図である。この空間位置特定システムは複数のセンサ1−1〜1−N(センサ1と総称する)に対応して複数のテーブル12−1〜12−N(テーブル12と総称する)が配置された飲食店に適用されるものであり、利用者4−1〜4−3(利用者4と総称する)は飲食店に訪れる客である。空間位置特定システムは、センサ1(設置物)がどのテーブル12(空間)に設置されているかを特定する。また、センサ1が設置されるテーブル12は、利用者4(特徴物)によって識別される。実施例2では、利用者4がテーブル12に接近するだけでなく、テーブル12に近接して通過することがあるため、実施例1と異なり、各センサ1は複数の利用者4の情報を読み出すこととなる。
各センサ1は各テーブル12に設置されており、近接する利用者4の状態を検知する。また、センサ1は近接する利用者4が保有する情報担体から所定情報を読み出す読み出し部(不図示)を具備する。利用者4が保有する情報担体は、利用者4を一意に特定する利用者識別情報を記憶している。
図7は、実施例2に係る空間位置特定システムに含まれるサーバ装置20の機能ブロック図である。このサーバ装置20は、サーバ装置2(図2参照)の構成要素21〜25に加えて統計部26を具備するものである。実施例1と実施例2では、空間特定部24の機能が異なり、記憶部21、22、25の記憶内容も異なる。
図8は、実施例2に係るサーバ装置20に記憶される情報の一覧表である。
識別辞書記憶部21は、図8(A)に示すように、利用者4の利用者識別情報と利用者4の名前とを関連付けて記憶する。関連空間記憶部22は、図8(B)に示すように、利用者4の統計情報する条件とテーブル12とを関連付けて記憶する。この条件とは、センサ1による利用者4の検出回数が統計的に最多であるか否かを示すものである。
尚、「識別情報」とは特徴物を識別するための情報であり、人或いは機械が認識できる情報である。例えば、会員番号、ナンバプレートの番号、IPアドレスを挙げることができる。また、識別情報は設置物が置かれた場所の周辺から取得する。尚、識別情報に特徴情報(例えば、利用者4の名前、位置座標)を含めるようにしてもよい。
情報取得部23は、センサ1に近接する利用者4を特定する利用者識別情報を取得する。また、情報取得部23は利用者識別情報に関連付けられた利用者4の名前を識別辞書記憶部21から読み出す。
統計部26は、一定時間毎に情報取得部23が取得した利用者識別情報により特定される利用者4の検出回数に基づいて統計情報を生成する。実施例2では、統計部26がテーブル12毎に各利用者4の検出回数を算出することで統計情報を生成する。
空間特定部24は、統計部26が生成した統計情報に合致する条件に関連付けられたテーブル12を関連空間記憶部22から読み出すことで、センサ1がどのテーブル12に設置されたかを特定する。また、空間特定部24はセンサ1の識別情報とテーブル12とを関連付けてセンサ空間関連情報記憶部25に記憶する。センサ空間関連情報記憶部25は、図8(C)に示すように、センサ1の識別情報と当該センサ1が設置されたテーブル12とを関連付けて記憶する。
次に、実施例2に係る空間位置特定システムの動作について詳細に説明する。
図9は、空間位置特定システムの処理手順を示すフローチャートである。空間位置特定システムが起動すると、情報取得部23は図10(A)に示すような周辺情報をセンサ1から取得する(ステップS11)。即ち、情報取得部23はセンサ1が利用者識別情報を利用者4から読み出した時刻、センサ1の識別情報、及び利用者識別情報を取得する。
次に、情報取得部23は利用者識別情報に関連付けられた利用者4の名前を識別辞書記憶部21から読み出し、周辺情報のうち利用者識別情報を利用者4の名前に書き換える(ステップS12)。これにより、情報取得部23は周辺情報(図10(A)参照)を二次周辺情報(図10(B)参照)に書き換える。
次に、統計部26は一定時間毎に情報取得部23が周辺情報に基づいて識別辞書記憶部21から読み出した情報に基づいてテーブル12毎の利用者4の検出回数の統計をとり、最も多く検出された利用者4をテーブル12毎に示す統計情報を生成する(ステップS13)。図11は、統計部26が生成する統計情報の一例を示す。例えば、二次周辺情報(図10(B)参照)において、テーブル12−1(即ち、センサ1−1を設置したテーブル)の利用者4として「花子」が2回検出され、「一郎」が1回検出されている。また、テーブル12−2(即ち、センサ1−2を設置したテーブル)の利用者4として「太郎」が2回検出されている。この検出結果に基づいて、統計部26は図11に示す統計情報を生成する。
次に、空間特定部24は統計部26が生成した統計情報に合致する条件に関連付けられたテーブル12を関連空間記憶部22から読み出す(ステップS14)。その後、空間特定部24はセンサ1の識別情報とテーブル12とを関連付けてセンサ空間関連情報記憶部25に記憶する(ステップS15)。
このように、実施例2に係る空間位置特定システムでは、利用者4の名前から統計情報を生成し、その統計情報に基づいてセンサ1が設置されたテーブル12を特定する。実施例2では、実施例1が提示した特徴物毎に単一の識別情報を読み出す状況に加えて、特徴物毎に複数の識別情報を読み出すような状況にも対応することができる。即ち、実施例2は各テーブル12について複数の利用者識別情報を読み出す状況においても、センサ1が設置されたテーブル12を特定することができる。また、利用者4が或るテーブル12から別のテーブル12へ移動したときや、飲食店側の都合により利用者4のテーブル12を変更されたときにも、空間位置特定システムは自動的にセンサ1とテーブル12との関連付けを更新することができる。
例えば、太郎がテーブル12−1からテーブル12−3に移動した場合、テーブル12−1のセンサ1−1により太郎の利用者識別情報の検出回数が減少し、一方、テーブル12−3のセンサ1−3により太郎の利用者識別情報の検出回数が増加する。この場合、太郎がテーブル12−3を利用し始めてから或る程度の時間が経過することで、空間位置特定システムはテーブル12−3が太郎により利用されているテーブルであると判定する。このように、実施例2に係る空間位置特定システムでは、センサ1とテーブル12との関連性が変更された場合、センサ空間関連情報記憶部25を手作業により書き換える必要がなく、自動的にセンサ空間関連情報記憶部25の内容を更新することができる。
実施例2では、情報取得部23が読み出した利用者識別情報に基づいて統計部26が統計情報を生成する場合について説明したが、情報取得部23が読み出した全ての利用者識別情報を統計情報の生成に用いる必要はない。例えば、現在時刻から5時間前までの間に情報取得部23が読み出した利用者識別情報を用いて統計情報を生成するようにしてもよい。
実施例2に係る空間位置特定システムは飲食店に設けられ、センサ1とテーブル12との関連付けを行なう場合について説明したが、これに限定されるものではない。この空間位置特定システムは複数のセンサと当該センサの設置された空間とを関連付けする必要がある他の分野に応用することができる。
次に、本発明の実施例3に係る空間位置特定システムについて説明する。実施例3の構成は実施例2と同一であるが、実施例3ではサーバ装置20の関連空間記憶部22が記憶する条件が実施例2と異なっている。
図12は、実施例3に係る空間位置特定システムの記憶部21、22、25が記憶する情報を示す。
識別辞書記憶部21は、図12(A)に示すように、利用者4を特定する利用者識別情報と利用者4の名前とを関連付けて記憶する。
関連空間記憶部22は、図12(B)に示すように、利用者4の統計情報の条件とテーブル12とを関連付けて記憶する。実施例3において、条件とはセンサ1による利用者4の検出回数が平均回数以上であるか否かである。
このため、実施例3において空間特定部24は、統計部26が生成した統計情報を用いて、数式1に示す条件の判定を行なうことで、利用者識別情報に基づいて読み出された利用者4が関連空間記憶部22に記憶されている複数の条件のうち何れに合致するか否かを判定する。空間特定部24がクロック信号に基づいて時間を離散的に扱って計算する場合、数式1を離散関数に変換した数式2を用いて条件判定を行なう。
Figure 0005673804
Figure 0005673804
数式1において、o dtはセンサ1が時刻0から時刻Tまでの間に利用者4−nの利用者識別情報を読み出した回数を示す。数式2において、Enmはセンサ1が時刻mにおいて利用者4−nの利用者識別情報を読み出した場合に「1」となり、利用者識別情報を読み出していない場合に「0」となる関数値を示す。
数式1の成否を判定することで、センサ1が所定の時間内に利用者4−kを検出した回数が平均回数以上であるか否かを判定することができる。尚、時刻0から時刻Tまでの時間は、利用者4の人数Nに比べて十分に大きな値であることが好ましい。この計測時間Tは、実際に空間位置特定システムを稼動させて調整して決定されるものである。利用者4の人数Nに比べて十分に大きい時間Tの具体例について説明する。
まず、計測時間T及び人数Nの両方が小さい場合について説明する。例えば、飲食店の利用者4が3人(即ち、N=3)のであり、計測時間を1分(即ち、T=1分)とするときの空間位置特定システムの動作について説明する。利用者4が各々特定のテーブル12に1分間着席していた場合、3人の利用者4のいずれに対しても数式1の不等式が不成立となり、空間位置特定システムは誰もテーブル12に着席していないと判断することとなる。次に、3人の利用者4(4−1、4−2、4−3)について計測時間を1時間とし、対象とするテーブル12に利用者4−1が1時間、利用者4−2が0.5時間、利用者4−3が0.5時間着席した場合、利用者4−1について数式1を計算すると、左辺=1、右辺=0.67となり、この不等式が成立する。空間位置特定システムは、利用者4−1が対象とするテーブル12における複数の利用者4の着席時間の平均値0.67時間以上の間当該テーブル12に着席していたと判定する。このように計測時間Tを利用者4の人数Nに比して十分に大きい時間とする必要がある。尚、利用者4の人数Nが増加した場合、計測時間Tも増加する必要がある。
即ち、実施例3に係る空間位置特定システムのサーバ装置20において、関連空間記憶部22が記憶する条件は「時刻0から時刻Tまでの時間において飲食店に利用者4がN人存在し、その利用者4の全員が1つのテーブル12に着席しているとは限らない状態」を想定して作成されたものである。
上記の条件を用いてセンサ1が設置されたテーブル12を特定する場合、統計部26が生成した各センサ1に関する統計情報が複数の条件を満たすこともある。例えば、センサ1−1において「太郎」が3回検出され、「花子」が10回検出され、「一郎」が8回検出される場合、「花子」と「一郎」の両者が平均回数以上検出されることとなる。この場合、空間特定部24はセンサ1−1が複数の条件を満たす空間位置に設置されたものと判断し、図12(C)に示すように、センサ1−1に関連付けて「花子のテーブル」と「一郎のテーブル」の両方をセンサ空間関連情報記憶部25に記憶する。このように、実施例3に係る空間位置特定システムは各センサ1について複数のテーブル12を関連付けることができる。
尚、関連空間情報記憶部22における判定条件として、「検出回数が平均回数以上の条件」以外の任意の条件を決定してもよい。他の判定条件として、例えば、「利用者4の検出回数が予め定めた閾値以上という条件」、「利用者4の検出回数が閾値より大きいという条件」、「利用者4の検出回数が複数の検出回数の統計の中央値以上という条件」、及び「利用者4の検出回数が複数の検出回数の統計の中央値という条件」を挙げることができる。
本発明に係る空間位置特定システムについて上記の実施例とともに詳細に説明したが、本発明を具現化する構成は実施例の構成に限定されるものではなく、添付の請求の範囲内において種々の設計変更をも包含するものである。
実施例1〜実施例3では、センサ1が読み出し部を備え、特徴物である車両3や利用者4が有する情報担体から特徴情報を読み出し、当該特徴情報に基づいて空間位置特定処理を実行するようにしたが、これに限定されるものではない。例えば、センサ1が撮像部を備え、車両3のナンバプレートを撮像したり、利用者の顔を撮像したりすることで、車両3や利用者4を識別する情報を取得するようにしてもよい。
また、実施例1〜実施例3では、特徴情報は特徴物を識別するものとしたが、これに限定されるものではない。例えば、特徴情報として緯度経度などの座標情報を用いることができ、情報取得部23がGPSを用いて座標情報を取得するようにしてもよい。この場合、特徴情報は特徴物を直接識別するものではない。また、空間特定部24は、関連空間記憶部22が記憶する空間位置のうち、情報取得部23が取得した座標情報と近似する二次座標情報(例えば、元の座標に比べて距離が所定の閾値以内の座標を示す情報)に関連付けられた空間位置を設置物が存在する空間位置として特定する。
サーバ装置2、20はその内部にコンピュータプログラムを記憶しており、各機能部の処理はプログラム形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されている。サーバ装置2、20を構成するコンピュータがこのプログラムを読み出して実行することにより、実施例1〜実施例3に係る空間位置特定処理が実行される。尚、コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリを意味する。また、コンピュータプログラムを通信回線を介して配信するようにしてもよい。この場合、コンピュータはプログラムをダウンロードして実行する。
上記のコンピュータプログラムは、空間位置特定システムの機能の一部を実現するものであってもよい。また、コンピュータプログラムは既にコンピュータに記憶されているプログラムと組み合わせて空間位置特定システムの機能を実現するような差分ファイル(又は、差分プログラム)であってもよい。
本発明は、特徴物の特徴情報と設置物とを関連付けて記憶することにより柔軟に設置物の空間位置を特定することができる空間位置特定システムを提供するものであり、パーキングエリアにおける駐車車両の管理や、飲食店における利用者の管理のみならず、特徴物と設置物との位置関係を管理する必要があるような種々の分野に適用しうるものである。
1 センサ
2 サーバ装置
3 車両
4 利用者
11 駐車区域
12 テーブル
20 サーバ装置
21 識別辞書記憶部
22 関連空間記憶部
23 情報取得部
24 空間特定部
25 センサ空間関連情報記憶部
26 統計部

Claims (8)

  1. 特徴物を所定の状況下で一意に識別する特徴情報と、当該特徴物によって特定される領域である空間位置とを関連付けて記憶する関連空間記憶部と、
    設置物により検知された前記特徴物の特徴情報を取得する情報取得部と、
    前記関連空間記憶部を参照して、前記情報取得部が取得した特徴情報に関連付けられた空間位置を、前記設置物の空間位置として特定する空間特定部と
    を具備する空間位置特定システム。
  2. 前記情報取得部が異なる時刻に取得した複数の前記特徴情報に基づいて統計情報を算出する統計部を具備し、
    前記空間特定部は前記統計情報に基づいて前記関連空間記憶部を参照して前記設置物の空間位置を特定するようにした
    請求項1記載の空間位置特定システム。
  3. 前記統計部は前記特徴情報の出現頻度を前記統計情報として算出し、
    前記空間特定部は各前記特徴物について出現頻度が最も多い特徴情報に関連付けられた空間位置を前記設置物の空間位置として特定するようにした
    請求項2記載の空間位置特定システム。
  4. 前記特徴物を識別する識別情報と前記特徴情報とを関連付けて記憶する識別辞書記憶部を更に具備し、
    前記設置物は近接する前記特徴物を識別する識別情報を検知し、
    前記情報取得部は前記識別辞書記憶部を参照して前記識別情報を特徴情報に書き換え、
    前記空間特定部は前記情報取得部が書き換えた前記特徴情報に基づいて前記設置物の空間位置を特定するようにした
    請求項1記載の空間位置特定システム。
  5. 前記特徴物を識別する識別情報と前記特徴情報とを関連付けて記憶する識別辞書記憶部を更に具備し、
    前記設置物は近接する前記特徴物を識別する識別情報を検知し、
    前記情報取得部は前記識別辞書記憶部を参照して前記識別情報を特徴情報に書き換え、
    前記統計部は前記情報取得部が異なる時刻に取得した前記識別情報に基づいて書き換えた特徴情報に基づいて前記統計情報を算出するようにした
    請求項2記載の空間位置特定システム。
  6. 前記設置物は前記特徴物から前記識別情報を読み出す読み出し部を具備し、
    前記情報取得部は前記設置物の読み出し部より前記識別情報を取得するようにした
    請求項4又は請求項5記載の空間位置特定システム。
  7. 特徴物を所定の状況下で一意に識別する特徴情報と、当該特徴物によって特定される領域である空間位置とを関連付けて記憶し、
    設置物により検知された前記特徴物の特徴情報を取得し、
    前記取得した特徴情報に関連付けられた前記空間位置を、前記設置物の空間位置として特定するようにした
    空間位置特定方法。
  8. コンピュータを、
    特徴物を所定の状況下で一意に識別する特徴情報と、当該特徴物によって特定される領域である空間位置とを関連付けて記憶する関連空間記憶部、
    設置物により検知された前記特徴物の特徴情報を取得する情報取得部、
    前記関連空間記憶部を参照して、前記情報取得部が取得した特徴情報に関連付けられた空間位置を、前記設置物の空間位置として特定する空間特定部
    として機能させるための空間位置特定プログラム。
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