JP2007272821A - 施設利用判別装置および方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】利用を判別する設備等を別途に用意しなくとも、位置情報の集計を精度良く行える。
【解決手段】人位置情報検出部101は人位置情報を検出して人位置情報蓄積データベース102に格納する。部屋利用者候補抽出ルール記憶部103はどの条件に当てはまるユーザを部屋利用者とするか記述したデータを記憶している。利用者抽出部104は人位置情報と部屋利用者候補抽出ルールに基づき利用者を選定する。利用パターン抽出部105は統計処理により利用者の部屋利用パターンを抽出する。合致度算出部107は、対象者リスト中の対象者の人位置情報を調べて、合致度を部屋利用パターンに準拠して算出する。補正済み人位置情報蓄積データベース109は、合致度を係数として人位置情報のある場所への滞在時間を補正したデータを格納する。集計部111は補正済みの人位置情報を集計して施設の利用状況データ等を生成する。
【選択図】図2

Description

この発明は、会議室等の施設の利用を判別する技術に関し、とくに、該当施設の近傍に所在することが多い利用者の当該施設の利用を正確に判別できるようにするものである。
RFIDタグ等を人が携帯してRFIDタグの検出を通して誰が、いつ、どこにいたかを判別して企業等の組織の管理情報をすることが提案されている。例えば、企業等の組織において、利用者がどの部屋をどのくらい利用しているかを検出して一次情報としての施設利用情報やそれら情報を利用した組織の活性度等に関する二次情報を判別することが望まれる。RFIDタグは、検出場所に配置されたセンサにより検出される。RFIDタグに代えて赤外線バッジを用いたり、移動体通信の移動局を用いたり、GPSを用いたりすることも可能である。このようにして得られた情報を以下では「人位置情報」と呼ぶことにする。
ところで、実際に部屋等の利用状況を判別する場合には、RFIDタグ等の検出のみでは、誤差が含まれる場合もある。例えば、図1に示すような組織の事業所内の配置を考える。この図は、事業所内のあるフロア(階)を上から眺めた見取り図である。円は会議室Rの利用状況を調べるために設置されたセンサの検出範囲である。また、会議室左にある2×6の四角は事業所で働く就労者の席(ブース)を表している。会議室Rのすぐそばに居室がある場合、そこに常駐している就労者が会議室Rを利用しているのか、居室を利用しているのか判別しがたい。
このように対象となる領域が利用者の常駐している領域と近い場合には、精度良く人位置情報を検出することが困難である。
なお、この発明と関連する従来技術としては以下のものがある。
特許文献1は、イベント会場などで、ICカードを使って各ブースの滞在時間を集計することを開示している。また特許文献2は、RFIDタグを使って建物内での人の行動を集計することを開示している。また特許文献3は、GPSに地域ごとの誤差補正情報を加えて、精度よく位置を特定することを開示している。しかしながら、対象領域と利用者の定常的な利用領域が近接する場合の問題に対処することができない。
特開2001−101466公報 特開2001−92885公報 特開2003−65780公報
この発明は上述の事情を考慮してなされたものであり、検出対象施設の領域の近くに所在することが多い利用者についても当該施設の利用を人位置情報から精度良く検出できるようにするものである。
この発明の原理的な構成においては、所定の施設例えば所定の会議室Rについて、当該会議室とは隣接していない居室にいるユーザが会議室Rを使った場合の人位置検出パターンを抽出し、会議室R利用パターンとする。対象者Aは、居室など通常デスクワークを行う部屋が会議室Rと隣接しているものとする。この場合、そのままでは、センサの精度や設置状況などによっては、その対象者Aが居室にいるのか会議室にいるのか判別しがたい場合がある。そこで、上記の対象者Aの検出パターンがその会議室R利用パターンと合致しているかどうかを調べて、検出時間を補正する。
この構成においては、別途、利用を判別する設備等を用意しなくとも、位置情報の集計を精度良く行える。
さらにこの発明を説明する。ここでは理解を容易にするために、後述する実施例の対応部分の符号を併せて示すが、これは発明の構成が実施例の具体的な構成に制約されることを意味するものではない。
この発明によれば、上述の目的を達成するために、図2に一例が示されるように、会議室等の対象施設の利用者を判別する施設利用判別装置(100)に:当該施設の位置に所在する利用者を特定する人位置情報を検出する検出手段(101)と;前記検出手段の検出結果のうち、当該施設に隣接する領域以外の領域を居場所とする参照対象の人位置情報から利用状況を示すパターンを抽出するパターン抽出手段(105)と;前記パターン抽出手段の抽出結果に基づいて、当該施設に隣接する領域に居場所を持つ補正対象の利用者の人位置情報を補正する補正手段(108)とを設けるようにしている。
この構成においては、参考利用者の人位置情報を利用することで対象位置の近傍に所在しがちの利用者について該当する人位置情報を補正して精度良く施設の利用を判別できる。
なお、「居場所」は、辞書に定義される意味(例:「いるところ。いどころ。」広辞苑)を持つものであり、会社等の居所に定められた居室等の場所を示し、必ずしも仕事等の作業をする場所であっても良いし、作業をする場所でなくてもよい。また、施設は例えば事業所内の会議室等であるが、これに限定されない。
この発明は施設利用判別装置に関するものであるが、その名称に限定されず、人位置情報処理装置、施設内活動分析装置等種々の装置やシステムに適用できる。
人位置情報は、上述のとおり利用者が対象位置に所在する事象の各々を特定する情報であり、典型的には、利用者識別子、場所識別子、開始時刻、終了時刻等を含むが、これに限定されない。
この構成において、前記補正手段は、典型的には、前記抽出した前記パターンに対する、前記補正対象の利用者の人位置情報の適合度を算出する算出手段を備え、前記補正手段は、算出結果の適合度を用いて上記補正対象の利用者の人位置情報を補正するものである
また、前記パターン抽出手段は、典型的には、前記参照対象の利用者の抽出規則を記憶する記憶手段と、前記規則に基づいて前記検出手段の検出結果の人位置情報のうち、前記参照対象の利用者の人位置情報を抽出する人位置情報抽出手段とを備え、前記パターン抽出手段は抽出された前記人位置情報から統計的パターンを抽出するものである。
また、前記パターンは、典型的には、当該施設の位置に利用者が所在する継続時間の分布及び当該施設の位置に利用者が所在する頻度の分布のうち、少なくとも1つである。
また、上記人位置情報は、検出対象の位置の識別情報と利用者の識別情報と所在の継続時間を特定する情報とを含んでよい。この場合、上記人位置情報は、検出時間帯ごとに検出され、検出時間帯を特定する情報をさらに含んでよい。
また、上記所在の継続時間を特定する情報は継続時間の時間長であってもよいし、継続時間の始期および終期であってもよい。
また、上記算出手段は、典型的には、上記確率分布の有意水準と上記補正対象の利用者の人位置情報の該当する確率変数の値とに基づいて算出する。
さらに具体的には、上記補正手段は、上記補正対象の利用者の各人位置情報の該当する確率変数の値が上記有意水準から逸脱しているときには、上記有意水準を係数として当該継続時間に掛けて補正を行ない、上記有意水準に逸脱していないときには(1−有意水準)を係数として当該継続時間に掛けて補正を行ってもよい。
また、上記補正手段は、上記補正対象の利用者の各人位置情報の該当する確率変数の値が上記有意水準から逸脱しているときには、当該人位置情報を棄却してもよい。
また、この発明の他の側面によれば、上述の目的を達成するために、図2に一例が示されるように、1または複数の対象位置のそれぞれについて補正対象の利用者および参照対象の利用者を選定して上記参照対象の利用者の人位置情報を利用して上記補正対象の利用者の人位置情報を補正する人位置情報処理装置(100)に:人位置情報を検出する人位置情報検出手段(101)と;検出対象の位置に対して参照対象の利用者を抽出する規則を記憶する記憶手段(103)と;上記検出対象の位置に対して上記規則に適合する参照対象の利用者の人位置情報を抽出する第1の抽出手段(104)と;上記検出対象の位置に対して上記第1の抽出手段で抽出した人位置情報から統計的なパターンを抽出する第2の抽出手段(105)と;上記検出対象の位置に対して抽出した統計的なパターンに、補正対象の利用者の人位置情報が適合する適合度を算出する手段(107)と;上記適合度を用いて上記補正対象の利用者の人位置情報を補正する補正手段(108)とを設けている。
この構成においては、自分の席等、利用者が所在しがちに場所に関しても、参照対象の人位置情報を利用して精度良く人位置情報を取得できる。
この構成において、上記パターン抽出手段で抽出するパターンは典型的には各事象の継続時間の分布である。
また、上記パターン抽出手段で抽出するパターンは各事象の頻度の分布であってもよい。事象と同一事象との間の間隔等であってもよい。
パターンは、確率変数についての確率分布として表すことができ、検定により補正対象の利用者の人位置情報を検定できる。
また、上記対象位置に関する継続時間の和が多い上位N(Nは正数)の人位置情報に基づいて上記パターンを抽出してもよい。すなわち、このような人位置情報を標本として確率分布を求める。
また、典型的には、上記パターンの有意水準に基づいて上記補正対象の利用者の人位置情報を補正する。有意水準は、0.1(10%)等の値に設定する。状況に応じて所望の値にすることが好ましい。
この場合、上記補正対象の利用者の各人位置情報の継続時間が上記有意水準から逸脱しているときには、上記有意水準を係数として当該継続時間に掛けて補正を行ない、上記有意水準に逸脱していないときには(1−有意水準)を係数として当該継続時間に掛けて補正を行うようにしてもよい。補正対象の人位置情報中の継続時間aが、P(0≦X≦a)≦有意水準またはP(a≦X≦MAX)≦有意水準を満たさない場合には、継続時間aは有意水準から逸脱している。Xは確率変数としての継続時間、MAXはその上限値である。
また、上記補正対象の利用者の各人位置情報の継続時間が上記有意水準から逸脱しているときには、検定の結果として当該人位置情報を棄却してもよい。
また、典型的には、上記検出対象の位置は所定の部屋の内部であり、上記補正対象の利用者は上記部屋に隣接する領域に所在する確率が高い者であり、上記参照利用者は上記補正対象の利用者に該当しない者から選ばれた者である。検出対象位置ごとに補正対象の利用者の情報や参照利用者の情報を組織情報等として保持してこれを参照することができる。
また、予め選択した対象位置について補正を行うようにしてもよい。近隣の利用者と当該施設の利用者とが混同するおそれがない環境についてはそのような補正は不要であるので予め選択した対象位置について補正を行うことが好ましい。
なお、この発明は装置またはシステムとして実現できるのみでなく、方法としても実現可能である。また、そのような発明の一部をソフトウェアとして構成することができることはもちろんである。またそのようなソフトウェアをコンピュータに実行させるために用いるソフトウェア製品もこの発明の技術的な範囲に含まれることも当然である。
この発明の上述の側面および他の側面は特許請求の範囲に記載され以下実施例を用いて詳述される。
この発明によれば、別途、利用を判別する設備等を用意しなくとも、位置情報の集計を精度良く行える。
以下、この発明の実施例について説明する。
まず、この発明の原理的な実施例1について説明する。
図1は、実施例1の人位置情報処理装置100の構成を全体として示すものである。なお、人位置情報処理装置100は、補正された人位置情報を取得する装置でもあり、また、施設の利用に着目すれば施設利用判別装置でもある。また、以下の例では、会議室等の部屋に関連して人位置情報を検出するが、これに限定されない。
図1において、人位置情報処理装置100は、人位置情報検出部101、人位置情報蓄積データベース102、部屋利用者候補抽出ルール記憶部103、利用者抽出部104、利用パターン抽出部105、対象者リスト記憶部106、合致度算出部107、補正部108、補正済み人位置情報蓄積データベース109、利用判別設備110、利用集計部111等を含んで構成されている。
人位置情報検出部101は、事業所などでの人の位置を検出するものである。「誰」が「いつ」「どこにいたのか」という人位置情報を人位置情報蓄積データベース102に格納する。部屋利用者候補抽出ルール記憶部103は、標本化のために、どの(条件に当てはまる)ユーザを部屋利用者とするか記述したデータを記憶している。利用者抽出部104は、人位置情報と部屋利用者候補抽出ルールに基づき利用者を選定する。基本的には、対象の部屋ごとに部屋利用者候補を特定してその中から標本化に適したもの(利用が多いもの)等を選択する。利用パターン抽出部105は、統計処理などにより利用者の部屋利用パターンを抽出する。合致度算出部107は、対象者リスト中の対象者の人位置情報を調べて、どれだけ部屋を利用したかを示す合致度を部屋利用パターンに準拠して算出する。この場合利用パターンだけでなく、付加的に他の判定手段(利用判別設備110)と組み合わせてよいもよいが、これは必須ではない。補正部108は、人位置情報を合致度により補正する。例えば、人位置情報の実測滞在時間に合致度を係数として掛け合わせる。利用判別設備110は、ICカード読取機や部屋利用予定管理システム等である。補正済み人位置情報蓄積データベース109は、合致度を係数として人位置情報のある場所への滞在時間を補正したデータを格納する。集計部111は、補正済み人位置情報蓄積データベース109を用いて補正済みの人位置情報を集計して施設の利用状況データ等を生成する。補正済みの人位置情報を用いて正確に利用情報を一次情報として算出できるが、さらに加工して組織内の活性度等を算出するのに用いても良い。あるいは、補正済みの正確な人位置情報から利用者の所在を判別したり、所定の領域への人あるいは特定の人の存在(侵入)を通知するようにしても良い。要するに精度良く取得した人位置情報を利用する処理であればどのようなものでよい。
図3は、この実施例1の動作例を説明するものであり、その処理は以下のとおりである。
[ステップS10]:人位置情報検出部101が、センサ等からの通知を受けて、人位置情報を生成し、人位置情報蓄積データベース102に格納する。人位置情報検出部101は、上述のとおり、だれが、いつ、どこに、いたかを検出するものであり、種々の態様が可能である。またセンサはRFIDタグセンサ、赤外線バッジセンサ等種々のものを採用できる。具体的な構成例は他の実施例で説明する。
[ステップS11]:利用者抽出部104が、一定期間ごとに人位置情報蓄積データベース102にアクセスして、部屋利用者候補抽出ルールに基づき、部屋利用者を特定し、利用パターン抽出部105に通知する。この処理を対象となる部屋ごとに行う。
[ステップS12]:利用パターン抽出部105が、部屋利用者のデータに基づき、利用パターンを抽出し、合致度算出部に通知する。この処理も対象となる部屋ごとに行う。
[ステップS13]:合致度算出部107が対象者のデータが利用パターンに合致しているか合致度を算出し、その合致度に応じた係数を、対象者データの滞在時間に掛け合わせて、補正済み人位置情報蓄積データベース109に追加する。なお、対象者は各部屋ごとに設定されており、その利用パターンも部屋ごとに抽出されている。
合致度に応じた係数は、合致度に応じて単調増加するものでも良いし、所定の閾値を基準にして1または0の係数としてもよい。具体的な例は後に他の実施例の参照して説明する。
こののち、集計部111が適宜な集計処理を行う。
この実施例では、参考の利用者からノイズの少ない利用パターンを抽出し、これを参考にして補正対象の人位置情報を補正するようにしているので、人位置情報からノイズを除去することができる。
つぎにこの発明の実装例を実施例2として説明する。
図4は、実施例2の人位置情報処理システム200を全体として示している。この実施例は、企業等の組織の事業所内の人位置情報を処理するものである。事業所内の就労者(利用者)はアクティブ型RFIDタグ210、211を保持する。事業所にRFID用基地局208、209を設置する。なお、図ではRF用基地局208、209およびRFIDタグ210、211を2つずつ示したが、これらは適宜な数だけ設置または保持される。また、人位置情報処理システム200が通信ネットワークを介して複数の事業所をカバーしてそれら事業所内の人位置情報を処理しても良い。
図4において、人位置情報処理システム200は、人位置情報管理サーバ201、人位置情報データベース202、人位置情報補正サーバ203、補正済み人位置情報データベース204、ICセンササーバ205、センサデータベース206、IP−LAN207、RFID用基地局208、209、アクティブ型RFIDタグ210、211等を含んで構成されている。
アクティブRFID210、211は、現在さまざまなものが市販されており、さまざまな構成方法、API、位置取得精度を提供している。この実施例では、何らかの市販アクティブRFIDを使用するものとし、位置取得の詳細は任意のものを採用できる。上記の図中では、基地局208、209、アクティブ型RFID210、211、ICセンササーバ205、センサデータベース206がRFIDタグによる人位置情報取得技術を構成する。
人位置情報管理サーバ201は、ICセンササーバ205に定期的(例えば15分ごと)に位置情報を問い合わせる。人位置情報管理サーバ201が、図1の実施例1の人位置情報検出部101に相当し、人位置情報補正サーバ203が実施例1の利用者抽出部104、利用パターン抽出部105、合致度算出部107に相当する。
図5は人位置情報の例を示している。図5の例では人位置情報はデータID、ユーザID、検出時間帯、場所ID、滞在時間を含んでいる。この例では、人位置情報管理サーバ201で検出されるデータは、ある時間単位(例えば1時間)のうち、どのくらいの時間、ある場所にいたかを表している。よって、ユーザIDと検出時間帯が一致するデータ項目の滞在時間の総和≦時間単位となる。等号が成り立たない場合は、その時間帯のうち、どのセンサにもかからなかった時間が存在することを表している。図5の具体的な例では、時間単位を一時間としている。データID1とデータID2が指し示すデータはそれぞれ、User−20が2005年5月11日09:00から10:00の間に、居室Aに約10秒、会議室Rに約40分いたことを示している(ここでは、ユーザID=User−20について、検出時間帯=2005−05−11 09:00:00+09のデータのほかにデータないとする)。これらの滞在時間を足しても一時間とならないので、この時間帯にUser−20はセンサに検出されない場所にいたことになる。
候補抽出ルールを会議室Rを例にして説明する。会議室Rの候補抽出ルールはつぎのようなものである。
(ルール)−−−
会議室Rについて、(1)居室(主にデスクワークをする部屋)が隣接していない、(2)ある期間T内での会議室Rの利用者を利用時間の多い順に並べたときに、上位n位以内に入る→1,2に合致するユーザを利用者とする−−−
システム管理者は、システムが用意するダイアログ画面を通じて、(a)対象となる会議室、(b)対象期間、(c)対象となる利用順位(上述のn位)を入力する。上記の(1)の条件(「居室が隣接していない」)はa)からシステムが組織情報を参照して自動的に判別する。そのため、人位置情報補正サーバ203は図6に示すような、ユーザと居室の対応表をもつ。図6を対応表を参照してでは、ユーザの居室を取得し、これが対象の会議室等と隣接するかどうかを判別する。
人位置情報補正サーバ203は、前述のユーザと居室の対応表、利用者候補抽出ルールをもとに、利用者を人位置情報管理サーバ201から取り出し、滞在時間を足し合わせ、図7に示すようなる。これにより、会議室Rの利用者の利用時間の累計を取得できる。
図8は、ユーザとその居室が隣接している会議室の2項組のリストである。このリストを用いて上述のルールの(1)中の居室が会議室Rに隣接していないという条件を判別できる。
つぎに利用パターンの抽出例について説明する。この例では、会議室の滞在時間をパターンとする。図8は、ルールにより抽出して人位置情報をリストを示す。この例では、滞在時間を確率変数とみなして、利用者のデータから確率分布を推定する。実際に会議を利用している場合は、居室での作業に比べて他の場所に移動する頻度が低く、また、壁で区切られているため他のセンサに検出されづらい。これらのことから、滞在時間が多く算出されると期待できる。もちろん、実施例によってはより複雑なパターン(例えば、ある時間帯における、場所と滞在時間のパターン、センサの検出する物理量そのものなど)を用いてもよい。
図9の表は、ある会議室Rについて、部屋利用者のデータを抽出したものである。
図10は利用パターンの抽出動作の例を示している。この例では、このデータの中を滞在時間を標本とみなし、「部屋利用」の確率分布を推定する。推定方法として、滞在時間を正規分布する確率変数とみなし、利用者データの平均および分散をその母平均、母分散とする。もちろん、他の統計的手法を用いてもよい。
図10の利用パターンの抽出動作の例は以下のとおりである。
[ステップS20]:調査対象期間nが経過したら、部屋ごとに人位置情報データベース202から候補者リストに合致する人位置情報(図9)を取得する。
[ステップS21]:データ群の平均と分散を算出し、その部屋の利用パターン(母平均、母分散)とする。
つぎに合致度算出の例を説明する。
各データ項目について、人位置情報補正サーバ203(利用パターン抽出部105)で抽出した確率分布への合致度を算出する。以下では説明のため抽出した確率分布をP、データ項目中の滞在時間をaとする。また、分析者が任意の有意水準(例えば、0.1など)を設定しておく。そして人位置情報補正サーバ203(合致度算出部107)が、
P(0≦x≦a)≦有意水準
P(a≦X≦max)≦有意水準
かどうか調べる(maxはパターンを表す数値が採りうる最大の値。滞在時間の例では60分)。どちらかに当てはまった場合は、合致度係数を有意水準に設定し、そうでなかった場合は、合致度係数を1−有意水準に設定する。合致度係数を実測滞在時間に掛け合わせて、補正滞在時間とする。そして図11に示すような補正済みの人位置情報の滞在時間を算出する。
以上で実施例の説明を終了する。
なお、この発明は上述の実施例に限定されるものではなくその趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。例えば、上述の例では、滞在時間を確率変数としてその確率分布を利用パターンとしたが、他の利用パターンを採用しても良い。例えば、滞在の頻度や滞在の時間間隔等を確率変数としても良い。また、上述の例では、有意水準から逸脱するかどうかに応じて(1−有意水準)または有意水準自体を係数として実測の滞在時間に掛け合わせて補正を行ったが逸脱するかどうかに応じて通常の検定手法と同様に棄却するようにしてもよい。例えば、有意水準を十分に満たせば、実測滞在時間をそのまま滞在時間とし、あるいは所定の定数の係数を実測滞在時間に掛け合わせ、有意水準から逸脱している場合にはその人位置情報を誤差による混入として破棄するようにしても良い。
従来の問題点を説明する図である。 この発明の実施例1の構成を全体として示すブロック図である。 実施例1の動作例を説明するフローチャートである。 この発明の実施例2の構成を全体として示すシステム図である。 実施例2の人位置情報(補正前)の例を説明する図である 実施例2の利用者と居室との対応関係を示す図である。 実施例2の各利用者の会議室Rの累積滞在時間の表の例を示す図である。 実施例2の利用者と利用者の居室が隣接する会議室との対応関係を示す図である。 実施例2で抽出した人位置情報のリストの例を示す図である。 実施例2で利用パターンを抽出する動作例を説明するフローチャートである。 実施例2で補正した人位置情報の滞在時間のリストを説明する図である。
符号の説明
100 人位置情報処理装置
101 人位置情報検出部
102 人位置情報蓄積データベース
103 部屋利用者候補抽出ルール記憶部
104 利用者抽出部
105 利用パターン抽出部
106 対象者リスト記憶部
107 合致度算出部
108 補正部
109 補正済み人位置情報蓄積データベース
110 利用判別設備
111 利用集計部
200 人位置情報処理システム
201 人位置情報管理サーバ
202 人位置情報データベース
203 人位置情報補正サーバ
204 補正済み人位置情報データベース
205 センササーバ
206 センサデータベース
208、209 RFID用基地局
210、211 アクティブ型RFIDタグ

Claims (14)

  1. 会議室等の対象施設の利用者を判別する施設利用判別装置であって、
    当該施設の位置に所在する利用者を特定する人位置情報を検出する検出手段と、
    前記検出手段の検出結果のうち、当該施設に隣接する領域以外の領域を居場所とする参照対象の人位置情報から利用状況を示すパターンを抽出するパターン抽出手段と、
    前記パターン抽出手段の抽出結果に基づいて、当該施設に隣接する領域に居場所を持つ補正対象の利用者の人位置情報を補正する補正手段とを具備することを特徴とする施設利用判別装置。
  2. 前記補正手段は、前記抽出した前記パターンに対する、前記補正対象の利用者の人位置情報の適合度を算出する算出手段を備え、前記補正手段は、算出結果の適合度を用いて上記補正対象の利用者の人位置情報を補正するものである請求項1記載の施設利用判別装置。
  3. 前記パターン抽出手段は、前記参照対象の利用者の抽出規則を記憶する記憶手段と、前記規則に基づいて前記検出手段の検出結果の人位置情報のうち、前記参照対象の利用者の人位置情報を抽出する人位置情報抽出手段とを備え、前記パターン抽出手段は抽出された前記人位置情報から統計的パターンを抽出するものである請求項1記載の施設利用判別装置。
  4. 前記パターンは、当該施設の位置に利用者が所在する継続時間の分布及び当該施設の位置に利用者が所在する頻度の分布のうち、少なくとも1つである請求項1記載の施設利用判別装置。
  5. 上記人位置情報は、検出対象の位置の識別情報と利用者の識別情報と所在の継続時間を特定する情報とを含む請求項1〜4のいずれかに記載の施設利用判別装置。
  6. 上記人位置情報は、検出時間帯ごとに検出され、検出時間帯を特定する情報をさらに含む請求項5記載の施設利用判別装置。
  7. 上記所在の継続時間を特定する情報は継続時間の時間長である請求項5または6記載の施設利用判別装置。
  8. 上記所在の継続時間を特定する情報は継続時間の始期および終期である請求項5または6記載の施設利用判別装置。
  9. 上記算出手段は、上記確率分布の有意水準と上記補正対象の利用者の人位置情報の該当する確率変数の値とに基づいて算出する請求項2記載の施設利用判別装置。
  10. 上記補正手段は、上記補正対象の利用者の各人位置情報の該当する確率変数の値が上記有意水準から逸脱しているときには、上記有意水準を係数として当該継続時間に掛けて補正を行ない、上記有意水準に逸脱していないときには(1−有意水準)を係数として当該継続時間に掛けて補正を行う請求項9記載の施設利用判別装置。
  11. 上記補正手段は、上記補正対象の利用者の各人位置情報の該当する確率変数の値が上記有意水準から逸脱しているときには、当該人位置情報を棄却する請求項9記載の施設利用判別装置。
  12. 会議室等の対象施設の利用者を判別する施設利用判別方法であって、
    検出手段が、当該施設の位置に所在する利用者を特定する人位置情報を検出するステップと、
    パターン抽出手段が、前記検出手段の検出結果のうち、当該施設に隣接する領域以外の領域を居場所とする参照対象の人位置情報から利用状況を示すパターンを抽出するステップと、
    前記パターン抽出手段の抽出結果に基づいて、補正手段が、当該施設に隣接する領域に居場所を持つ補正対象の利用者の人位置情報を補正するステップとを有することを特徴とする施設利用判別方法。
  13. 会議室等の対象施設の利用者を判別するための施設利用判別用コンピュータプログラムであって、
    検出手段が、当該施設の位置に所在する利用者を特定する人位置情報を検出するステップと、
    パターン抽出手段が、前記検出手段の検出結果のうち、当該施設に隣接する領域以外の領域を居場所とする参照対象の人位置情報から利用状況を示すパターンを抽出するステップと、
    前記パターン抽出手段の抽出結果に基づいて、補正手段が、当該施設に隣接する領域に居場所を持つ補正対象の利用者の人位置情報を補正するステップとをコンピュータに実行させるために用いられることを特徴とする施設利用判別用コンピュータプログラム。
  14. 1または複数の対象位置のそれぞれについて補正対象の利用者および参照対象の利用者を選定して上記参照対象の利用者の人位置情報を利用して上記補正対象の利用者の人位置情報を補正する人位置情報処理装置において、
    人位置情報を検出する人位置情報検出手段と、
    検出対象の位置に対して参照対象の利用者を抽出する規則を記憶する記憶手段と、
    上記検出対象の位置に対して上記規則に適合する参照対象の利用者の人位置情報を抽出する第1の抽出手段と、
    上記検出対象の位置に対して上記第1の抽出手段で抽出した人位置情報から統計的なパターンを抽出する第2の抽出手段と、
    上記検出対象の位置に対して抽出した統計的なパターンに、補正対象の利用者の人位置情報が適合する適合度を算出する手段と、
    上記適合度を用いて上記補正対象の利用者の人位置情報を補正する補正手段とを有することを特徴とする人位置情報処理装置。
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