JP5673494B2 - 情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム - Google Patents

情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム Download PDF

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Description

本発明は、利用者のアイテムに関する利用履歴を用いて、利用者間の類似度を計算する情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムに関する。
近年、デジタル技術やネットワーク技術の進展により、ネットワークを使って配信、提供される文書、音楽、画像、映像等のデジタルコンテンツが非常に増えている。これに伴い、ユーザの嗜好に合ったデジタルコンテンツ等のアイテムを推薦するサービスのニーズが高まってきている。このようなニーズに対応する技術として、アイテムに関するユーザの閲覧履歴や評価履歴や購入履歴などの利用履歴を用いて、ユーザの嗜好を推定し、ユーザの嗜好に合ったアイテムを推薦する技術の開発が行われている。
例えば、ユーザの嗜好に合ったアイテムを推薦する技術の一つに、協調フィルタリング方式の推薦技術が存在する。一般的な協調フィルタリング方式では、まず、多くのユーザの利用履歴を蓄積する。次に、その利用履歴を用いて、アイテムを推薦するユーザと類似した嗜好をもつユーザを選定する。そして、選定した複数のユーザの利用履歴から推薦アイテムを決定することで、ユーザの嗜好に合ったアイテムの推薦を実現する。
また、アイテム推薦に必要な処理時間を短縮するための技術の開発も行われている。
例えば、アイテム推薦処理に使用する利用履歴データの量を制限することにより、処理時間を短縮する装置が、特許文献1と特許文献2に開示されている。
特許文献1の装置は、まず、指定された利用履歴の最小数と推薦対象ユーザ数に基づいて、推薦処理に要する時間の推定値を算出する。そして、処理時間の推定値が目標時間内に収まるように決定した最小数まで利用履歴を抽出し、抽出した利用履歴のみを用いて推薦処理を行っている。
特許文献2の装置は、推薦対象ユーザの利用履歴を閲覧/購入回数や閲覧時間や閲覧/購入した最新の日時などの条件によりソーティングし、その上位Ng1件(Ng1は任意の正数)を選択し、選択したNg1個の利用履歴のみを用いて推薦処理を行っている。
特開2006−302097 特開2002−024694
協調フィルタリング方式の推薦処理では、大量の利用履歴データを対象に処理を行う場合、計算量が膨大になるという問題があった。このため、演算能力の高いシステムが必要になる場合や、実用的な時間で推薦処理を行うことが難しい場合があった。また、ユーザの嗜好は、その年の流行に左右されたり、直近で話題になっているものに影響されたり、その時の友人や知人に影響されたりするように、移ろいやすいものである。このため、かなり以前に利用したアイテムに関する利用履歴を推薦処理に用いると、その推薦結果がかなり以前に利用したアイテムの影響を受け、最近の嗜好とは合わないアイテムも推薦されてしまうことで、推薦の精度が低下し、ユーザの推薦結果に対する信頼性を失ってしまう場合があった。
特許文献1の装置では、任意の方法で、全ての利用履歴から最小数まで抽出し、抽出した利用履歴を用いて推薦処理を行うため、計算量を削減することができるが、任意の方法で抽出した場合は、ユーザが最近利用したアイテムに関する利用履歴を集中的に抽出することが困難であり、推薦の精度が低くなってしまうことがあった。
また、特許文献2の装置では、閲覧/購入した日時が最新の順に上位Ng1個の利用履歴を選択することで、計算量を削減しつつ最近の利用履歴を用いて推薦処理を行うことができるが、Ng1を適切に設定することが難しいという問題がある。すなわち、Ng1を大きくすると、最近利用したアイテムが少ないユーザは以前の利用履歴が多く含まれることになってしまい、Ng1を小さくすると、最近利用したアイテムの多いユーザは、その一部の利用履歴しか推薦処理に利用されないといったように、利用数や利用形態の異なる様々なユーザが存在する状況で、適切なNg1を設定することが難しい。このため、推薦の精度が低くなってしまうことがあった。
以上のように、推薦の精度が低くなるという問題があり、推薦の精度が低くならないようにユーザ間の類似度を算出することが望まれている。
そこで、本発明では、アイテム推薦の精度を高めることができる類似度を算出する情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
本発明は上述した従来の技術の課題を解決するため、アイテムを利用したユーザを一意に識別するためのユーザ識別子又はそのユーザがアイテムの利用に用いた端末装置を一意に識別するための端末識別子の少なくともいずれか一方である利用主体識別子と、利用の対象となったアイテムを識別するためのアイテム識別子と、アイテムの利用時期に関する利用時期情報と、が関連付けられた利用関連情報を格納する格納部を参照し、特定の時点に近い前記利用時期情報を含む前記利用関連情報が多いほど多く選出されるような条件に基づいて、前記利用主体識別子ごとに、その利用主体識別子における複数の前記利用関連情報のうちの少なくとも一部である選出利用関連情報を選出する選出利用関連情報作成部と、前記選出利用関連情報作成部によって選出した一の利用主体識別子における選出利用関連情報と、前記選出利用関連情報選出部によって選出した前記一の利用主体識別子以外の他の利用主体識別子における選出利用関連情報とに基づいて、前記一の利用主体識別子と前記他の利用主体識別子との類似度を算出する類似度算出部とを備えることを特徴とする情報処理装置を提供する。
また、本発明は上述した従来の技術の課題を解決するため、選出利用関連情報作成部が、アイテムを利用したユーザを一意に識別するためのユーザ識別子又はそのユーザがアイテムの利用に用いた端末装置を一意に識別するための端末識別子の少なくともいずれか一方である利用主体識別子と、利用の対象となったアイテムを識別するためのアイテム識別子と、アイテムの利用時期に関する利用時期情報と、が関連付けられた利用関連情報を格納する格納部を参照し、特定の時点に近い前記利用時期情報を含む前記利用関連情報が多いほど多く選出されるような条件に基づいて、前記利用主体識別子ごとに、その利用主体識別子における複数の前記利用関連情報のうちの少なくとも一部である選出利用関連情報を選出する選出利用関連情報選出ステップと、類似度算出部が、前記選出利用関連情報選出ステップによって選出した一の利用主体識別子における選出利用関連情報と、前記選出利用関連情報選出ステップによって選出した前記一の利用主体識別子以外の他の利用主体識別子における選出利用関連情報とに基づいて、前記一の利用主体識別子と前記他の利用主体識別子との類似度を算出する類似度算出ステップとを有することを特徴とする情報処理方法を提供する。
また、本発明は上述した従来の技術の課題を解決するため、コンピュータに、アイテムを利用したユーザを一意に識別するためのユーザ識別子又はそのユーザがアイテムの利用に用いた端末装置を一意に識別するための端末識別子の少なくともいずれか一方である利用主体識別子と、利用の対象となったアイテムを識別するためのアイテム識別子と、アイテムの利用時期に関する利用時期情報と、が関連付けられた利用関連情報を格納する格納部を参照し、特定の時点に近い前記利用時期情報を含む前記利用関連情報が多いほど多く選出されるような条件に基づいて、前記利用主体識別子ごとに、その利用主体識別子における複数の前記利用関連情報のうちの少なくとも一部である選出利用関連情報を選出する選出利用関連情報選出ステップと、前記選出利用関連情報選出ステップによって選出した一の利用主体識別子における選出利用関連情報と、前記選出利用関連情報選出ステップによって選出した前記一の利用主体識別子以外の他の利用主体識別子における選出利用関連情報とに基づいて、前記一の利用主体識別子と前記他の利用主体識別子との類似度を算出する類似度算出ステップとを実行させることを特徴とする情報処理プログラムを提供する。
本発明の情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムによれば、アイテム推薦の精度を高めることができる類似度を算出できる。
本発明の実施形態におけるシステム全体の構成を示す図である。 本発明の実施形態における情報処理サーバ装置1の構成を示す図である。 本発明の実施形態におけるユーザ情報格納部131の格納状態を示す図である。 本発明の実施形態におけるアイテム情報格納部132の格納状態を示す図である。 本発明の実施形態における利用履歴格納部133の格納状態を示す図である。 本発明の実施形態における選出条件格納部134の格納状態を示す図である。 本発明の実施形態における選出条件に該当する期間のイメージを示す図である。 本発明の実施形態における選出利用履歴格納部135の格納状態を示す図である。 本発明の実施形態における類似ユーザ情報格納部136の格納状態を示す図である。 本発明の実施形態における推薦アイテム情報137の格納状態を示す図である。 本発明の実施形態における、選出条件の第1の格納形式を用いた場合の選出利用履歴選出処理の手順を示すフローチャートである。 本発明の実施形態における、選出条件の第1の格納形式を用いた場合の選出利用履歴選出処理のステップS106の第1の条件の選択の例を示す図である。 本発明の実施形態における、選出条件の第2の格納形式を用いた場合の選出利用履歴選出処理の手順を示すフローチャートである。 本発明の実施形態における、選出条件の第2の格納形式を用いた場合の選出利用履歴選出処理のステップS211の選出利用履歴の選出の例を示す図である。 本発明の実施形態における類似ユーザ選出処理の手順を示すフローチャートである。 本発明の実施形態における推薦アイテム選出処理の手順を示すフローチャートである。 本発明の実施形態における利用情報格納部の格納状態を示す図である。 本発明の実施形態における楽曲販売サイトでの購入履歴の例を示す図である。 本発明の実施形態における楽曲販売サイトでの購入履歴の例を示す図である。 本発明の実施形態における楽曲販売サイトでの購入履歴の例を示す図である。 本発明の実施形態における楽曲とジャンルの対応を示す対応表である。
以下、本発明の情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムについて、添付図面を参照して説明する。なお、本発明におけるアイテムとは、テキスト、音声、音楽、映像、ウェブページ等のデジタルコンテンツや様々な物品であってもよいし、金融商品、不動産、人物に関する情報等であってもよい。また、衣料品や食料品であってもよい。すなわち本発明におけるアイテムは、有形か無形かを問わず、有料か無料かも問わない。
以下に、本発明の実施形態について、図を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態におけるシステム全体の構成図である。本実施形態におけるシステムは、情報処理サーバ装置1と、1つ以上の端末装置3(3a〜3n)がネットワーク2を介して接続されている。
ネットワーク2は、例えばインターネット等のネットワークであり、情報処理サーバ装置(情報処理装置)1と端末装置3との間の情報のやり取りを仲介する。
端末装置3は、CPU、RAM、ROM、ハードディスクドライブ、ネットワークインタフェース等を備える一般的なコンピュータ、または、携帯電話やスマートフォンやタブレットPC等の携帯情報端末であり、ネットワーク2を介して、利用履歴の送信や推薦アイテム詳細情報の受信を行う。なお、利用履歴と、後述する利用情報とを総称して利用関連情報とも呼ぶこととする。
利用履歴とは、ユーザによるアイテムの利用に関する情報であり、端末装置3を利用中のユーザ(利用ユーザ)を一意に識別するユーザ識別子、又はそのユーザがアイテムの利用に用いた端末装置3を一意に識別するための端末識別子の少なくともいずれか一方と、利用の対象となったアイテムを一意に識別するアイテム識別子と、利用時期情報とを含む。本実施形態では、ユーザ識別子を用いる場合を例にして説明するが、端末識別子を用いる場合も同様である。ユーザ識別子と端末識別子とを合わせた意味の総称として、利用主体識別子という用語を用いる。利用履歴には、ユーザのアイテムに対する評価(評価値)や、アイテムに対して支払った金額(支払い額)、推薦アイテム詳細情報などの情報を含んでもよい。推薦アイテム詳細情報とは、利用ユーザに対して推薦されたアイテムに関する情報である。
また、本実施形態においては、端末装置3が利用履歴を生成して送信するものとするが、アイテム識別子以外の情報については、情報処理サーバ装置が生成するようにしてもよい。例えば、端末装置3はアイテムの利用を要求するためにアイテム識別子を送信し、情報処理サーバ装置1が、そのアイテム識別子を受信し、そのアイテム識別子と他の情報とを関連付けることで、利用履歴を生成するようにしてもよい。
情報処理サーバ装置1は、利用履歴に応じて、端末装置3に推薦アイテム情報を提供するCPU、RAM、ROM、ハードディスクドライブ、ネットワークインタフェース等を備える一般的なコンピュータである。また、CPU、RAM、ROM、ハードディスクドライブ(HDD)、ネットワークインタフェース等を備えるコンピュータを用いて、ソフトウェア(プログラム)処理として実施することも可能である。
図2は、本実施形態における情報処理サーバ装置1の構成図である。本実施形態における情報処理サーバ装置1は、情報処理サーバ制御部11と、情報処理サーバ通信部12と、各種の情報を格納する格納部である情報処理サーバ格納部13とを有して構成される。
情報処理サーバ通信部12は、ネットワーク2を介して端末装置3と通信を行うための機能を有している。
情報処理サーバ格納部13は、HDDなどの記憶装置を用いて、様々なデータを記憶する。情報処理サーバ格納部13は、ユーザ情報格納部131と、アイテム情報格納部132と、利用履歴格納部133と、選出条件格納部134と、選出利用履歴格納部135と、類似ユーザ情報格納部136と、推薦アイテム情報格納部137とを有して構成される。
ユーザ情報格納部131は、ユーザ情報を複数記憶する。図3は、ユーザ情報格納部131の格納状態を示す図である。ユーザ情報とは、ユーザ識別子(user_id)とユーザ属性情報(user_info)とを関連付けたものであり、図3のようなテーブル形式で記憶する。ユーザ属性情報とは、ユーザの名前、年齢、性別、住所(地域)、趣味、会員になった時期(年月、日付、日時など)、メールアドレス、電話番号などの情報である。
アイテム情報格納部132は、アイテム情報を複数記憶する。図4は、アイテム情報格納部132の格納状態を示す図である。アイテム情報とは、アイテム識別子(item_id)とアイテム属性情報(item_info)とを関連付けたものであり、図4のようなテーブル形式で記憶する。アイテム属性情報とは、例えば、アイテムの名称、制作者、制作年、ジャンル、価格、アイテムを利用するのに適したユーザの条件などの情報である。
利用履歴格納部133は、利用履歴を複数記憶する。図5は、利用履歴格納部133の格納状態を示す図である。利用履歴とは、ユーザ識別子(user_id)とアイテム識別子(item_id)と利用時期情報(dl_date)とを関連付けたものであり、図5のようなテーブル形式で記憶する。なお、端末装置3より受信した利用履歴には、利用時期情報が含まれていることを前提にしているが、もし利用時期情報が含まれていない場合は、利用履歴を記憶するときの日時を利用時期情報として記憶すればよい。また、利用履歴に、上記以外の情報が含まれている場合、その情報も含めて利用履歴格納部133に格納できるようにすればよい。
選出条件格納部134は、選出条件を複数記憶する。選出条件とは、複数の利用履歴の中から選出利用履歴(選出利用関連情報)を選出する際の条件を示すものである。この選出条件を用いることで、最近の利用履歴の数が多いユーザほど、多くの利用履歴を選出することができる。言い換えると、最近、アイテムの利用頻度が多いユーザにおける利用履歴ほど多く選出することができる。なお、選出利用履歴とは、後述する類似ユーザ選出処理に用いられる利用履歴である。図6(図6(a),図6(b))は、選出条件格納部134の格納状態を示す図である。また、図7(図7(a),図7(b))は、選出条件に該当する期間のイメージを示す図である。以下に図6と図7を用いて、選出条件の2種類の格納形式を説明する。
選出条件の第1の格納形式は、取得期間(period)と、取得制限数(limit_log)とを関連付けたもの(第1の条件)であり、図6(a)のようなテーブル形式で複数格納する。第1の条件は、取得期間が長くなるほど取得制限数が減っていく。第1の条件(取得期間,取得制限数)として、c1(30day,20)とc2(90day,10)とc3(150day,5)の3つが存在した場合について説明する。第1の条件における取得期間は、過去のある時点(取得開始時期)から所定の時点(取得終了時期)までの期間の長さを示しており、図7(a)のように、第1の条件のそれぞれの取得期間の取得終了時期は同一である。また、第1の条件の取得期間の取得開始時期は、取得終了時期から取得期間の日数分だけ過去に遡った時期となるため、第1の条件ごとに異なる。選出利用履歴は、ユーザごとに、第1の条件の取得期間に対応する取得開始時期から取得終了時期までの間に利用されたアイテムに関する利用履歴の中から取得制限数に応じて選出される。
なお、最近の嗜好をできるだけ多く反映させるために、直近の利用履歴を全て取得できるような第1の条件を設定してもよい。具体的には、第1の条件のうち、取得期間の最も短いもの対して、例えば、無限大を表す記号「∞」や「0」といった特別な取得制限数を設定する。そして、選出利用履歴を選出する際に、第1の条件に特別な取得制限数が設定されていた場合は、取得期間内の利用履歴を全て選出利用履歴として選出できるようにすればよい。また、全ユーザに対して推薦処理を行うために、全ユーザの利用履歴を取得できるような第1の条件を設定してもよい。具体的には、第1の条件のうち、取得制限数の最も小さい第1の条件の取得期間の取得開始時期が、サービスの開始時期に一致するように取得期間を設定すればよい。
選出条件の第2の格納形式は、適用する選出条件の順番である適用順(order)と、差分取得期間(dif_period)と、取得制限数(limit_log)とを関連付けたもの(第2の条件)であり、図6(b)のようなテーブル形式で複数格納する。第2の条件は、適用順に従って、取得制限数が減少する。第2の条件(適用順,差分取得期間,取得制限数)として、c1(1,30day,20)とc2(2,60day,10)とc3(3,60day,5)の3つが存在した場合、図7(b)のように、第2の条件のそれぞれの差分取得期間は、互いに重ならない。また、c1とc2といったように、適用順が連続する場合、適用順が先の第2の条件の取得終了時期と、適用順が後の第2の条件の取得開始時期とが一致する。選出利用履歴は、ユーザごとに、第2の条件の差分取得期間に対応する取得開始時期から取得終了時期までの間に利用されたアイテムに関する利用履歴の中から取得制限数に応じて選出される。
なお、最近の嗜好をできるだけ多く反映させるために、直近の利用履歴を全て取得できるような第2の条件を設定してもよい。具体的には、第2の条件のうち、適用順が「1」のものに対して、例えば、無限大を表す記号「∞」や「0」といった特別な取得制限数を設定する。そして、選出利用履歴を選出する際に、第2の条件に特別な取得制限数が設定されていた場合は、取得期間内の利用履歴を全て選出利用履歴として選出できるようにすればよい。また、全ユーザに対して推薦処理を行うために、全ユーザの利用履歴を取得できるような第2の条件を設定してもよい。具体的には、第2の条件のうち、適用順が最も遅い第2の条件の差分取得期間の取得開始時期が、サービスの開始時期と一致するように差分取得期間を設定すればよい。
なお、図6では、取得期間や差分取得期間を日数で表現しているが、時間単位でもよいし、秒単位でもよい。また、日数の代わりに、その期間の取得開始時期と取得終了時期の組合せを格納してもよい。また、選出条件の第2の格納形式においては、取得制限数の降順が、適用順に一致するため、後の処理で適用順の昇順の代わりに、取得制限数の降順を用いれば、適用順を省略することができる。取得順の選出条件の利用方法に関しては、選出利用履歴作成部112の処理内で詳しく説明する。
上記2つの選出条件以外にも、第1の条件の取得期間の取得終了時期や、適用順「1」の第2の条件の取得期間の取得終了時期となる特定の時点に近い時点の利用履歴の多いユーザほど、多くの利用履歴を選出することができる条件であれば、その条件を選出条件としてもよい。
選出利用履歴格納部135は、選出利用履歴を複数記憶する。図8は、選出利用履歴の格納状態を示す図である。選出利用履歴は、利用履歴と同様に、ユーザ識別子(user_id)とアイテム識別子(item_id)と利用時期情報(dl_date)とを関連付けたものであり、図8のようなテーブル形式で記憶する。選出利用履歴に他の情報が含まれている場合は、選出利用履歴格納部135に、他の情報を格納できるようにすればよい。
類似ユーザ情報格納部136は、類似ユーザ情報を複数記憶する。図9は、類似ユーザ情報の格納状態を示す図である。類似ユーザ情報とは、基準ユーザのユーザ識別子(base_user_id)と類似ユーザのユーザ識別子(sim_user_id)と類似度(s_value)とを関連付けたものであり、図9のようなテーブル形式で記憶する。base_user_idとsim_user_idは、どちらもuser_idではあるが、区別するために異なる名称を用いている。
推薦アイテム情報格納部137は、推薦アイテム情報を複数記憶する。図10は、推薦アイテム情報の格納状態を示す図である。推薦アイテム情報とは、ユーザ識別子(user_id)とアイテム識別子(item_id)と推薦値(r_value)とを関連付けたものであり、図10のようなテーブル形式で複数記憶する。
情報処理サーバ制御部11は、情報処理サーバ装置1を構成する各部に対して、全体的な制御を行う。情報処理サーバ制御部11は、利用履歴登録部111と、選出利用履歴作成部112と、推薦アイテム選出部113と、推薦アイテム提供部114と、類似度算出部115とを有して構成される。なお、選出利用履歴作成部112と、後述する選出利用情報作成部とを総称して選出利用関連情報作成部とも呼ぶこととする。
利用履歴登録部111は、端末装置3より利用履歴を受信した場合に、利用履歴格納部133に、受信した利用履歴を格納する。
選出利用履歴作成部112は、所定のタイミングごとに、選出利用履歴選出処理を行う。所定のタイミングとしては、所定の時間間隔(例えば24時間ごと)を用いてもよいし、利用履歴を一定回数受信するごととしてもよい。また、月曜日〜金曜日までは3時間ごと、土曜日は6時間ごと、日曜日は12時間ごと、というように時間間隔が変動してもよい。また、夏は時間間隔を短くして、冬は時間間隔を長くするなど、季節に応じて時間間隔を変えてもよい。選出利用履歴選出処理は、選出条件の格納形式によって手順が異なる。
まず、第1の条件を用いた場合の選出利用履歴選出処理について、図11のフローチャートを用いて説明する。
まず、選出利用履歴作成部112が、選出利用履歴格納部135にて、前回の選出利用履歴選出処理にて格納した選出利用履歴を全て削除する(ステップS101)。
次に、選出利用履歴作成部112が、選出条件格納部134より、第1の条件を全て取得する(ステップS102)。
次に、選出利用履歴作成部112が、ステップS102にて取得した第1の条件ごとに、取得開始時期と取得終了時期を設定する(ステップS103)。取得終了時期は、サービス提供側が予め定めた取得終了時期設定ルールにより決定される。なお、どの第1の条件においても、取得終了時期は同一の時期となる。取得終了時期設定ルールは、例えば、選出利用履歴選出処理を行う時点の時間をそのまま取得終了時期として設定するとしてもよいし、選出利用履歴選出処理を行う前日までの利用履歴が選出対象となるように取得終了時期として設定するとしてもよい。取得開始時期は、取得開始時期から取得終了時期までの期間が、第1の条件の取得期間に一致するように取得開始時期を設定する。取得開始時期から取得終了時期までの期間に該当する利用時期情報を有する利用履歴を特定利用履歴とする。
次に、選出利用履歴作成部112が、ステップS102にて取得した第1の条件のうち、取得期間が最大となる第1の条件(最長期間条件)を選択し、利用履歴格納部133より、最長期間条件に対応する特定利用履歴に含まれるuser_idを重複なしで全て抽出する(ステップS104)。
次に、選出利用履歴作成部112が、ステップS104にて抽出したuser_idのうち、例えば抽出した順に、1つ選択する(ステップS105)。
次に、選出利用履歴作成部112が、ステップS102にて取得した第1の条件より、ステップS105にて選択したuser_idを含む特定利用履歴の取得可能数が最大となるような第1の条件を1つ選択する(ステップS106)。取得可能数とは、ステップS105にて選択したuser_idを含む特定利用履歴の数と、第1の条件に対応する取得制限数のうち、低い方の数となる。第1の条件は取得期間が短いほど、取得制限数が大きくなるので、取得可能数が最大となる第1の条件を選択することで、最近利用したアイテムが多いユーザほど多くの利用履歴を選出することができるため、後述する類似度算出部115の類似ユーザ選出処理にてユーザの最近の嗜好を反映させやすくなる。また、最近利用したアイテムの少ないユーザは、利用履歴があまり選出されないので、推薦処理における他のユーザへの影響を小さくできる。なお、取得可能数が最大となる第1の条件が複数存在する場合は、取得可能数が最大となる第1の条件のうち、取得期間の最も短い第1の条件を選択すればよい。なお、このステップS106における処理については、後に図12を用いて詳述する。
次に、選出利用履歴作成部112が、利用履歴格納部133より、ステップS106にて選択した第1の条件に対応する特定利用履歴のうち、ステップS105にて選択したuser_idを含むものを全て抽出する(ステップS107)。ここで抽出した特定利用履歴を選出候補利用履歴とする。
次に、選出利用履歴作成部112が、ステップS107にて抽出した選出候補利用履歴より、ステップS106にて選択した第1の条件の取得制限数まで、選出利用履歴として選出する(ステップS108)。このとき、利用時期情報の新しいものから順に選出することで、確実にユーザの最近の嗜好を反映することができる。
次に、選出利用履歴作成部112が、選出利用履歴格納部135に、ステップS108にて選出した選出利用履歴を登録する(ステップS109)。
次に、選出利用履歴作成部112が、ステップS105にて、ステップS104にて抽出したuser_idを全て選択したか否かを判定する(ステップS110)。全て選択した場合は、ステップS101からステップS110までの一連の処理を終了し、まだ未選択のものが残っている場合はステップS105へ進む。
ここで、第1の条件を用いた場合の選出利用履歴選出処理において、第1の条件(取得順,取得期間)として、c1(30日,20個)、c2(90日,10個)、c3(150日,5個)の3つが存在する場合における、2ユーザ(ユーザX,ユーザY)に対するステップS106の第1の条件の選択の例を図12を用いて説明する。
まず、選出利用履歴作成部112は、選出対象の利用主体識別子における利用時期情報を参照して、取得制限数を上限に取得期間それぞれに含まれる利用関連情報の数を計数する。つまり、前述の取得可能数を計数する。図12(a)のように、第1の条件c1の取得期間30日に該当するユーザXの特定利用履歴の数が「6」個、第1の条件c2の取得期間90日に該当するユーザXの特定利用履歴の数が「18」個、第1の条件c3の取得期間150日に該当するユーザXの特定利用履歴の数が「32」個の場合、それぞれの第1の条件において、ユーザXにおける特定利用履歴の取得可能数は、それぞれ「6」個、「10」個、「5」個となる。
そして、選出利用履歴作成部112は、計数した利用関連情報の数(取得可能数)が最も多い取得期間に含まれる利用関連情報を選出対象の利用主体識別子における選出利用関連情報として選出する。ユーザXにおいては、取得可能数が最大となる第1の条件c2を選択し、第1の条件c2の取得期間90日に該当するユーザXの特定利用履歴「18」個を選出利用関連情報として選出することとなる。
また、図12(b)のように、第1の条件c1の取得期間30日に該当するユーザYの特定利用履歴の数が「13」個、第1の条件c2の取得期間90日に該当するユーザYの特定利用履歴の数が「17」個、第1の条件c3の取得期間150日に該当するユーザYの特定利用履歴の数が「25」個の場合、それぞれの第1の条件において、ユーザYにおける特定利用履歴の取得可能数は、それぞれ「13」個、「10」個、「5」個となる。このため、ユーザYにおいては、取得可能数が最大となる第1の条件c1を選択すればよい。このように、取得期間150日における特定利用履歴の数は、ユーザYより、ユーザXの方が多いが、ユーザYの方が直近で多くのアイテムを利用しているため、選出される利用履歴の数は、ユーザYの方が多くなる。
以上が、第1の条件を用いた場合の選出利用履歴選出処理の説明である。このように、選出対象の利用主体識別子における利用時期情報を参照して、取得制限数を上限に取得期間それぞれに含まれる利用関連情報の数を計数し、計数した利用関連情報の数(取得可能数)が最も多い取得期間に含まれる利用関連情報を選出対象の利用主体識別子における選出利用関連情報として選出している。
次に、第2の条件を用いた場合の選出利用履歴選出処理について、図13のフローチャートを用いて説明する。
まず、選出利用履歴作成部112が、選出利用履歴格納部135にて、前回の選出利用履歴選出処理にて格納した選出利用履歴を全て削除する(ステップS201)。
次に、選出利用履歴作成部112が、選出条件格納部134より、第2の条件を全て取得する(ステップS202)。
次に、選出利用履歴作成部112が、取得終了時期の初期設定をする。取得終了時期の初期設定は、サービス提供側が予め定めた取得終了時期初期設定ルールにより行えばよい。取得終了時期初期設定ルールは、例えば、選出利用履歴選出処理を行う時点の時間をそのまま取得終了時期として設定するとしてもよいし、選出利用履歴選出処理を行う前日までの利用履歴が選出対象となるように取得終了時期として設定するとしてもよい。
次に、選出利用履歴作成部112が、ステップS202にて取得した第2の条件を、適用順(order)の昇順に、1つ選択する(ステップS204)。
次に、選出利用履歴作成部112が、ステップS204にて選択した第2の条件に応じて、取得開始時期を設定する(ステップS205)。取得開始時期は、取得開始時期から取得終了時期までの期間が、第2の条件の差分取得期間に一致するように取得開始時期を設定する。取得開始時期から取得終了時期までの期間に該当する利用時期情報を有する利用履歴を特定利用履歴とする。
次に、選出利用履歴作成部112が、利用履歴格納部133より、ステップS204にて選択した第2の条件に対応する特定利用履歴に含まれるuser_idを重複なしで全て抽出する(ステップS206)。
次に、選出利用履歴作成部112が、ステップS206にて抽出したuser_idのうち、例えば抽出した順に、1つ選択する(ステップS207)。
次に、選出利用履歴作成部112が、ステップS207にて選択したuser_idに対応するステップS204にて選択した第2の条件適用前の選出利用履歴の総数である現登録数を算出する(ステップS208)。現登録数を算出するには、選出利用履歴格納部135に格納されている選出利用履歴のうち、ステップS207にて選択したuser_idを含むものを数え上げればよい。
次に、選出利用履歴作成部112が、ステップS204にて選択した第2の条件の取得制限数が、ステップS208にて算出した現登録数より大きいか否かを判定する(ステップS209)。現登録数より大きい場合は、ステップS210へ進み、現登録数以下の場合は、ステップS213へ進む。
ステップS210では、選出利用履歴作成部112が、利用履歴格納部133より、ステップS204にて選択した第2の条件に対応する特定利用履歴のうち、ステップS207にて選択したuser_idを含むものを全て抽出する。ここで抽出した特定利用履歴を選出候補利用履歴とする。
次に、選出利用履歴作成部112が、ステップS210にて抽出した選出候補利用履歴より、ステップS204にて選択した第2の条件の取得制限数からステップS208にて算出した現登録数を差し引いた登録可能数まで、選出利用履歴として選出する(ステップS211)。このとき、利用時期情報の新しいものから順に選出することで、確実にユーザの最近の嗜好を反映することができる。なお、ステップS209〜S212における処理については、後に図12を用いて詳述する。
次に、選出利用履歴作成部112が、選出利用履歴格納部135に、ステップS211にて選出した選出利用履歴を登録する(ステップS212)。次に、ステップS213へ進む。
ステップS213では、選出利用履歴作成部112が、ステップS207にて、ステップS206にて抽出したuser_idを全て選択したか否かを判定する。全て選択した場合は、ステップS214へ進み、まだ未選択のものが残っている場合はステップS207へ進む。
ステップS214では、選出利用履歴作成部112が、ステップS204にて、ステップS202にて取得した第2の条件を全て選択したか否かを判定する。全て選択した場合は、ステップS201からステップS215までの一連の処理を終了し、まだ未選択のものが残っている場合はステップS215へ進む。
ステップS215では、選出利用履歴作成部112が、取得終了時期を、ステップS205にて設定した取得開始時期と一致するように更新する。次に、ステップS204へ進む。
第2の条件の取得制限数は、適用順に応じて少なくなるため、適用順の早い段階で現登録数が取得制限数以上になったユーザ(つまり、最近利用したアイテム数の多いユーザ)ほど、多くの利用履歴を選出利用履歴として選出することができるので、後述する類似度算出部115の類似ユーザ選出処理にてユーザの最近の嗜好を反映させやすくなる。また、最近利用したアイテムの少ないユーザは、利用履歴があまり選出されないので、推薦処理における他のユーザへの影響を小さくできる。
ここで、第2の条件を用いた場合の選出利用履歴選出処理において、第2の条件(適用順,差分取得期間,取得制限数)として、c1(1,30日,20個)、c2(2,60日,10個)、c3(3,60日,5個)の3つが存在する場合における、2ユーザ(ユーザX,ユーザY)に対するステップS211の選出利用履歴の選出の例を図14を用いて説明する。ユーザXにおいて、図14(a)のように、適用順「1」の第2の条件c1の取得制限数が「20」個、現登録数が「0」個となっているため、差分取得期間30日に該当するユーザXの特定利用履歴「6」個全てを選出利用履歴として選出する。これにより、第2の条件c1適用直後の選出利用履歴の総数である新登録数は「6」個となる。なお、現登録数が「0」個なっていたのは、第2の条件c1適用直前の選出利用履歴の総数が「0」個となっていたためである。第2の条件c1を適用することで、ユーザXの特定利用履歴「6」個全てを選出利用履歴として選出した後は、新登録数が「6」個となる。
次に、適用順「2」の第2の条件c2に進み、条件c2の取得制限数が「10」個、現登録数である第2の条件c2適用直前の選出利用履歴の総数が「6」個となっているため、差分取得期間60日に該当するユーザXの特定利用履歴「12」個の中から、利用時期情報の新しい順に「4」個を選出利用履歴として選出する。選出利用履歴として「4」個を新たに選出することで、第2の条件c2適用直後の選出利用履歴の総数である新登録数が「10」個になり、現在、利用関連情報を選出している差分取得期間における取得制限数に達することとなる。
そして、適用順「3」の第2の条件c3の取得制限数が「5」個、現登録数である第2の条件c3適用直前の選出利用履歴の総数が「10」個となっているため、選出利用履歴の選出を行わない。
また、ユーザYにおいて、図14(b)のように、適用順「1」の第2の条件c1の取得制限数が「20」個、現登録数が「0」個となっているため、差分取得期間30日に該当するユーザYの特定利用履歴「13」個全てを選出利用履歴として選出する。次に、適用順「2」の第2の条件c2の取得制限数が「10」個、現登録数である第2の条件c2適用直前の選出利用履歴の総数が「13」個となっており、現在、選出済みの選出利用履歴の総数(現登録数)「13」個が、次の順番の差分取得期間における取得制限数「10」個に達しているため、これ以上は選出利用履歴の選出を行わない。そして、適用順「3」の第2の条件c3の取得制限数が「5」個、現登録数である第2の条件c3適用直前の選出利用履歴の総数が「13」個となっているため、ここでも選出利用履歴の選出を行わない。このように、全差分取得期間における特定利用履歴の総数は、ユーザXが「32」個、ユーザYが「25」個といったように、ユーザXの方が多いが、ユーザYの方が直近で多くのアイテムを利用しているため、選出される利用履歴の数は、ユーザYの方が多くなる。
以上が、第2の条件を用いた場合の選出利用履歴選出処理の説明である。このように、特定の時点に近い差分取得期間に対応する選出条件から順に、その選出条件における取得制限数を上限に、利用主体識別子ごとに利用関連情報を選出し、そして、現在選出に用いている選出条件における取得制限数が、選出対象の利用主体識別子における選出済みの利用関連情報の総数である現登録数より多い場合に、現在選出に用いている選出条件における取得制限数から前記現登録数を差し引いた数を上限に利用関連情報を選出することで、その利用主体識別子における選出利用関連情報を選出している。
第1の条件を用いた場合においても、第2の条件を用いた場合においても、同一ユーザの同一アイテムに対する利用が複数回ある、つまり、(user_id,item_id)の組合せが一致する利用履歴が複数存在する場合は、選出利用履歴選出処理の各ステップにおいて、同一の(user_id,item_id)を有する利用履歴のうち、利用時期情報が最新のものだけを用いて、それ以外のものは利用しないとしてもよい。利用時期情報が最新の利用履歴だけを用いることで、推薦処理に用いるアイテムの種類数を十分に確保することができる。
類似度算出部115は、選出利用履歴作成部112による選出利用履歴選出処理が終了したあとに、類似ユーザ選出処理を行う。そして、推薦アイテム選出部113は、推薦アイテム選出処理を行う。
まず、類似ユーザ選出処理について、図15のフローチャートを用いて説明する。
まず、類似度算出部115は、類似ユーザ情報格納部136に格納されている類似ユーザ情報を削除する(ステップS301)。類似ユーザ情報を削除する方法は、以下の2種類がある。
類似ユーザ情報削除の第1の方法は、類似ユーザ情報格納部136に格納されている類似ユーザ情報を全て削除する方法である。この方法は、選択を行わずに全ての類似ユーザ情報を削除するため、処理量が小さくなる。
類似ユーザ情報削除の第2の方法は、類似ユーザ情報のうち、ステップS302以降の処理で新たに類似ユーザ情報が作成される基準ユーザの類似ユーザ情報のみを削除する方法である。類似ユーザ情報は、選出利用履歴格納部135に格納されている選出利用履歴に含まれるuser_idに対応するユーザのみ作成される。そのため、選出利用履歴格納部135に格納されているいずれかの選出利用履歴に含まれるuser_idと一致するbase_user_idを有する類似ユーザ情報のみを削除することで実現できる。
この方法は、ステップS302以降の処理で新たに類似ユーザ情報が作成されない基準ユーザ、つまり最近アイテムを利用していない基準ユーザでも、類似ユーザ情報を削除せずに残しておくことで、後述する推薦アイテム選出処理で、推薦アイテム情報を新たに作成することができる。このとき、類似ユーザが新たにアイテムを利用していれば、以前とは異なる推薦結果をユーザに提示できる可能性がある。また、最近アイテムを利用していない基準ユーザは、選出利用履歴が存在しないため、ステップS302以降の処理で新たに類似ユーザ情報が作成される基準ユーザの類似ユーザとはならないので、他の基準ユーザの推薦処理への影響を排除することができる。
次に、類似度算出部115は、選出利用履歴格納部135より、全てのuser_idを重複なしで抽出する(ステップS302)。
次に、類似度算出部115は、ステップS302にて抽出したuser_idのうち、例えば抽出した順に、基準ユーザのuser_idとして1つ選択する(ステップS303)。
次に、類似度算出部115は、選出利用履歴格納部135より、ステップS303にて選択したuser_idを含む選出利用履歴を基準選出利用履歴として、全て取得する(ステップS304)。
次に、類似度算出部115は、選出利用履歴格納部135より、ステップS304にて取得した基準選出利用履歴に含まれるitem_idのうちの任意の一のitem_idを選択する。そして、その選択したitem_idを含む選出利用履歴を参照することで、そのitem_idを含む選出利用履歴に含まれる、ステップS303にて選択したuser_id以外のuser_idを重複なしで全て抽出する(ステップS305)。このステップS305において抽出したuser_idが、類似候補ユーザのuser_idとなる。
次に、類似度算出部115は、選出利用履歴格納部135より、ステップS305にて抽出した類似候補ユーザのuser_idのいずれかを含む選出利用履歴を類似候補選出利用履歴として取得する(ステップS306)。
次に、類似度算出部115は、基準選出利用履歴と類似候補選出利用履歴とを用いて、類似候補ユーザごとに、基準ユーザとの類似度を算出する(ステップS307)。類似度を算出する方法として例えば、基準選出利用履歴に含まれるアイテムの集合と、類似候補ユーザ1人の類似候補選出利用履歴に含まれるアイテムの集合とのJaccard(ジャカード)係数を用いればよい。また、基準ユーザのアイテムに対する好みの度合いを示す嗜好度を基準選出利用履歴を用いて算出し、類似候補ユーザの嗜好度を類似候補選出利用履歴を用いて算出した上で、嗜好度を用いた2ユーザ間のコサイン距離を類似度としてもよい。また、基準選出利用履歴に含まれるアイテム集合と類似候補ユーザ1人の類似候補選出利用履歴に含まれるアイテム集合の両方に存在するアイテムの嗜好度をユーザがアイテムに対して付与した評価とみたてて、ピアソン積率相関係数を用いてもよい。なお、以上のような手法で類似度を算出する際に、アイテム識別子(item_id)の集合を対象に算出してもよいし、アイテム属性情報(item_info)の集合を対象に算出してもよい。また、それらを組み合わせてもよい。また、上記の類似度算出方法の他にも公知の種々の類似度算出方法を用いることができる。
なお、嗜好度は、選出利用履歴に、利用回数の代表値や、評価値の代表値や、支払額の代表値などのある値にの代表値が含まれる場合は、その代表値をそのまま嗜好度として利用することもできるし、複数の代表値の和や積などを用いて算出した値を用いればよい。また、直近の利用時期情報を用いて嗜好度を算出してもよい。
類似度算出を行う際に、選出条件である第1の条件や第2の条件による重み付けをすることができる。
まず、第1の条件による類似度の重み付けについて説明する。
第1の条件による類似度の重み付けを行うには、第1の条件を用いた選出利用履歴選出処理にて、ユーザごとに選択された第1の条件を情報処理サーバ格納部13に格納した上で、まず、2ユーザ間における選択された第1の条件の取得期間の差が小さければ小さいほど大きくなるような重み付け係数を算出する。2ユーザ(ユーザxとユーザy)の重み付け係数w(x、y)は、例えば、ユーザxに対して選択された第1の条件の取得期間をp(x)とし、ユーザyに対して選択された第1の条件の取得期間をp(y)とした場合に、定数k(>0)を用いて、式(1)にて算出することができる。
Figure 0005673494
また、定数α(>0)、β1(>0)、β2(>0)を用いて、式(2)にて算出することができる。
Figure 0005673494
具体的に、例えば、ユーザxに対して選択された第1の条件が図7(a)のc2(90day,10)であり、ユーザyに対して選択された第1の条件が図7(a)のc1(30day,20)であった場合、p(x)に「90」を代入し、p(y)に「30」を代入することで、重み付け係数w(x,y)を算出することができる。もちろん、他の方法を用いて重み付け係数を算出してもよい。そして、類似度sim(x,y)を、Jaccard係数等を用いて算出した単純類似度sim’(x,y)と重み付け係数w(x,y)とを用いて、式(3)、または、式(4)にて算出することができる。
Figure 0005673494
Figure 0005673494
次に、第2の条件による類似度の重み付けについて説明する。
第2の条件による類似度の重み付けを行うには、第2の条件を用いた選出利用履歴選出処理にて、ユーザごとに最後に選出利用履歴を選出した第2の条件を情報処理サーバ格納部13に格納した上で、まず、2ユーザの最後に選択された第2の条件の適用順が近いほど大きくなるような重み付け係数を算出する。2ユーザ(ユーザxとユーザy)の重み付け係数w(x、y)は、例えば、ユーザxの適用順をr(x)とし、ユーザyの適用順をr(y)とし、式(1)や式(2)のp(x)とp(y)を、それぞれr(x)とr(y)に置き換えることで算出することができる。なお、最後に選択された第2の条件とは、取得制限数に達したときの第2の条件である。
具体的に、例えば、ユーザxに対して選択された第2の条件が図7(b)のc1(1,30day,20)であり、ユーザyに対して選択された第2の条件が図7(b)のc3(3,60day,5)であった場合、r(x)に「1」を代入し、p(y)に「3」を代入することで、重み付け係数w(x,y)を算出することができる。もちろん、他の方法を用いて重み付け係数を算出してもよい。そして、第1の条件の場合と同様に、類似度sim(x,y)を、Jaccard係数等を用いて算出した単純類似度sim’(x,y)と、重み付け係数w(x,y)を用いて、式(3)、または、式(4)にて算出することができる。
以上のように、選出条件を考慮することで、利用頻度が似ている2ユーザ間の類似度を高くすることができる。なお、第1の条件や第2の条件に対する重み付け係数をそのまま類似度として用いてもよい。
次に、類似度算出部115は、ステップS307にて算出した類似度を基に、類似候補ユーザの中から、類似ユーザを選出する(ステップS308)。類似ユーザを選出するには、類似度の高い順にサービス提供側が予め定めた所定数までの類似候補ユーザを類似ユーザとして選出してもよい。また、サービス提供側が予め定めた所定値より高い類似度を有する類似候補ユーザを類似ユーザとして選出してもよい。もちろん、全ての類似候補ユーザを類似ユーザとして選出してもよい。
次に、類似度算出部115は、類似ユーザ情報格納部136に、ステップS303にて選択した基準ユーザのuser_id(base_user_id)と、ステップS308にて選出した類似ユーザのuser_id(sim_user_id)と、ステップS307にて算出した類似度(s_value)とを関連付けた類似ユーザ情報を格納する(ステップS309)。
次に、類似度算出部115は、ステップS303にて、ステップS302にて抽出した全てのuser_idが選択されたか否かを判定する(ステップS310)。全て選択された場合は、ステップS301からステップS310までの一連の処理を終了し、まだ未選択のものが存在する場合はステップS303へ進む。
以上のように、類似ユーザ選出処理にて、選出利用履歴格納部135に格納された選出利用履歴のみを用いて類似ユーザを選出することで、全ての利用履歴を利用するよりも少ない計算量で類似ユーザを選出することができる。また、選出利用履歴は、直近の利用時期のものほど多く選出されているため、類似度算出時にユーザの最近の嗜好が反映されやすくなるので、移ろいやすいユーザの嗜好に対応することができる。このため、精度良く類似ユーザを選出することができる。また、最近アイテムを利用していないユーザは、最近アイテムを利用しているユーザと比較すると、選出利用履歴が少ないため、類似候補ユーザとして選出されにくいので、他のユーザへの影響を小さくすることができる。ただし、選出利用履歴は少数といえども抽出されているため、最近アイテムを利用していないユーザでも、後の処理で推薦アイテムを作成することができる。
次に、推薦アイテム選出処理について、図16のフローチャートを用いて説明する。
まず、推薦アイテム選出部113は、推薦アイテム情報格納部137に格納されている推薦アイテム情報を削除する(ステップS401)。推薦アイテム情報を削除する方法は、以下の2種類がある。
推薦アイテム情報削除の第1の方法は、推薦アイテム情報格納部137に格納されている推薦アイテム情報を全て削除する方法である。この方法は、選択を行わずに全ての推薦アイテム情報を削除するため、処理量が小さくなる。
推薦アイテム情報削除の第2の方法は、推薦アイテム情報のうち、ステップS402以降の処理で新たに推薦アイテム情報が削除される基準ユーザの推薦アイテム情報のみを削除する方法である。推薦アイテム情報は、類似ユーザ情報格納部136に格納されている類似ユーザ情報に含まれるbase_user_idに対応する基準ユーザのみ作成される。そのため、類似ユーザ情報格納部136に格納されているいずれかの類似ユーザ情報に含まれるbase_user_idと一致するuser_idを有する推薦アイテム情報のみを削除することで実現できる。この方法は、ステップS402以降の処理で新たに推薦アイテム情報が作成されないユーザに過去の推薦アイテム情報を残すことができる。
次に、推薦アイテム選出部113は、類似ユーザ情報格納部136より、基準ユーザのユーザ識別子であるbase_user_idを重複なしで全て抽出する(ステップS402)。
次に、推薦アイテム選出部113は、ステップS402にて抽出したbase_user_idのうち、例えば抽出した順に、1つ選択する(ステップS403)。
次に、推薦アイテム選出部113は、類似ユーザ情報格納部136より、ステップS403にて選択したbase_user_idに対応する類似ユーザ情報を全て取得する(ステップS404)。
次に、推薦アイテム選出部113は、推薦候補アイテムのitem_idを抽出する(ステップS405)。推薦候補アイテムのitem_idの抽出方法は2種類存在する。
推薦候補アイテム抽出の第1の方法は、利用履歴格納部133より、ステップS404にて取得したいずれかの類似ユーザ情報のsim_user_idと同一のuser_idが含まれる利用履歴におけるitem_idを抽出する方法である。推薦候補アイテム抽出の第1の方法は、類似ユーザが利用した全てのアイテムの中から推薦候補アイテムのitem_idを抽出するので、たくさんの推薦候補アイテムを得ることができる。
推薦候補アイテム抽出の第2の方法は、選出利用履歴格納部135より、ステップS404にて取得したいずれかの類似ユーザ情報のsim_user_idと同一のuser_idが含まれる選出利用履歴のitem_idを抽出する方法である。推薦候補アイテム抽出の第2の方法は、類似ユーザが利用した全てのアイテムの中からではなく、利用履歴の一部である選出利用履歴から推薦候補アイテムのitem_idを抽出するので、推薦候補アイテムが少なくなる分、計算量が小さくなる。また、選出利用履歴は、直近の利用時期のものほど多く選出されているため、推薦候補アイテムに、類似ユーザの最近の嗜好が反映されやすくなる。つまり、類似ユーザが最近利用しているアイテムは、基準ユーザも気に入る可能性が高いので、基準ユーザがこれから気になりそうなアイテムが推薦候補アイテムに入りやすくなる。
次に、推薦アイテム選出部113は、推薦候補アイテムごとに推薦値を算出する(ステップS406)。ステップS405にて推薦候補アイテム抽出の第1の方法を用いた場合、推薦値は、その推薦候補アイテムのitem_idが利用履歴に存在する類似ユーザの数や類似度の総和、類似ユーザの利用履歴を用いて算出した嗜好度の総和などを組み合わせて算出すればよい。また、ステップS405にて推薦候補アイテム抽出の第2の方法を用いた場合、推薦値は、利用履歴の代わりに選出利用履歴を用いて同様に算出すればよい。
また、推薦値算出を行う際に、選出条件である第1の条件や第2の条件による重み付けをすることができる。
まず、第1の条件による推薦値の重み付けについて説明する。
第1の条件による推薦値の重み付けを行うには、第1の条件を用いた選出利用履歴選出処理にて、ユーザごとに選択された第1の条件を情報処理サーバ格納部13に格納した上で、まず、基準ユーザ(ユーザx)と類似ユーザ(ユーザy)の選択された第1の条件の取得期間の差が小さければ小さいほど大きくなるような重み付け係数を算出する。重み付け係数w(x、y)は、類似度算出における式(1)や式(2)を用いて同様に算出すればよい。そして、推薦候補アイテムごとに、その推薦候補アイテムirを利用した類似ユーザy’(∈Y(ir))の重み付け係数w(x、y’)を用いて、推薦値v(x,ir)を式(5)にて算出する。また、類似ユーザy’と類似度sim(x,y’)を用いて、式(6)や式(7)にて算出してもよい。もちろん類似度の代わりに嗜好度を用いてもよい。
次に、第2の条件による推薦値の重み付けについて説明する。
第2の条件による推薦値の重み付けを行うには、第2の条件を用いた選出利用履歴選出処理にて、ユーザごとに最後に選択された第2の条件を情報処理サーバ格納部13に格納した上で、まず、基準ユーザ(ユーザx)と類似ユーザ(ユーザy)の選択された第2の条件の適用順が近いほど大きくなるような重み付け係数を算出する。重み付け係数w(x、y)は、類似度算出における式(1)や式(2)を用いて同様に算出すればよい。そして、第1の条件の場合と同様に、推薦値v(x,ir)を式(5)や式(6)や式(7)にて算出すればよい。
Figure 0005673494
Figure 0005673494
Figure 0005673494
以上のように、選出条件を考慮することで、利用頻度が似ている類似ユーザが過去に利用したアイテムが推薦されやすくなる。
次に、推薦アイテム選出部113は、ステップS406にて算出した推薦値を基に、推薦候補アイテムの中から、推薦アイテムを選出する(ステップS407)。推薦アイテムを選出するには、推薦値の高い順にサービス提供側が予め定めた所定数までの推薦候補アイテムを推薦アイテムとして選出してもよい。また、サービス提供側が予め定めた所定値より高い推薦値を有する推薦候補アイテムを推薦アイテムとして選出してもよい。もちろん、全ての推薦候補アイテムを推薦アイテムとして選出してもよい。
次に、推薦アイテム選出部113は、推薦アイテム情報格納部137に、ステップS403にて選択したbase_user_id(user_id)と、ステップS407にて選出した推薦アイテムのitem_idと、ステップS406にて算出した推薦値(r_value)とを関連付けた推薦アイテム情報を格納する(ステップS409)。
次に、推薦アイテム選出部113は、ステップS403にて、ステップS402にて抽出した全てのuser_idが選択されたか否かを判定する(ステップS409)。全て選択された場合は、ステップS401からステップS409までの一連の処理を終了し、まだ未選択のものが存在する場合はステップS403へ進む。
以上が、推薦アイテム選出処理の説明である。
推薦アイテム提供部114は、端末装置3の要求に応じて、端末装置3に推薦詳細アイテム情報を送信する。具体的には、まず、推薦アイテム情報格納部137より、要求を行った端末装置3の利用ユーザのユーザ識別子に対応する推薦アイテム情報を抽出する。次に、アイテム情報格納部132より、抽出した推薦アイテム情報に含まれるアイテム識別子に対応するアイテム情報を取得する。そして、取得したアイテム情報を基に推薦アイテム詳細情報を作成し、端末装置3に作成した推薦アイテム詳細情報を送信する。
なお、同一のユーザによる同一のアイテムの利用が複数回ある場合、つまり、(user_id,item_id)の組合せが一致する利用履歴が複数存在する場合は、利用履歴を用いて作成した利用情報を用いて、上記一連の処理を行ってもよい。このとき、利用履歴は、利用情報の更新のためにのみ用いられ、他の処理では用いられなくなるので、利用履歴を記憶しておく必要がなくなる。このため、利用履歴登録部111の代わりに利用情報更新部を、利用履歴格納部133の代わりに利用情報を格納する利用情報格納部を用意する。また、利用情報が選出対象となるため、選出利用履歴作成部112の代わりに選出利用情報作成部を、選出利用履歴格納部135の代わりに選出利用情報格納部を用意する。なお、利用履歴と利用情報とを総称して利用関連情報とも呼ぶこととする。また、前述の通り、選出利用履歴作成部112と、後述する選出利用情報作成部とを総称して選出利用関連情報作成部とも呼ぶこととする。
図17は、利用情報格納部の格納状態を示す図である。利用情報は、ユーザ識別子(user_id)と、アイテム識別子(item_id)と、利用回数(cnt_dl)と、初めて利用した利用時期を示す開始利用時期情報(first_dl_date)と、最後に利用した利用時期を示す最終利用時期情報(last_dl_date)とを組み合わせたものであり、図17のテーブル形式で複数格納されている。(user_id,item_id)の組合せは一意であり、重複して登録することができない。
利用情報更新部は、端末装置3より利用履歴を受信するたびに、利用情報を更新する。このとき、利用情報格納部に、受信した利用履歴の(user_id,item_id)の組合せと一致する利用情報が含まれていない場合は、受信した利用履歴の(user_id,item_id)の組合せと、利用回数を1とし、開始利用時期情報と最終利用時期情報とを利用履歴に含まれる利用時期情報として利用情報を作成し、作成した利用情報を利用情報格納部に記憶すればよい。また、利用情報格納部に、受信した利用履歴の(user_id,item_id)の組合せと一致する利用情報が含まれている場合は、一致した利用情報の利用回数を「1」加算し、最終利用時期情報を、受信した利用履歴の利用時期情報で更新すればよい。ここで、利用履歴に評価値が含まれる場合は、利用情報に評価値の代表値(例えば、直近の評価値など)を関連付けてもよい。また、利用履歴に支払額が含まれている場合は、利用情報に支払い額の代表値(例えば、合計値や最大値など)を関連付けてもよい。それ以外にも、利用情報に、利用履歴に含まれる値に対する代表値(最大値や最小値や最頻値や中央値や直近の値や合計値や平均値など)を関連付けてもよい。つまり、利用情報は、利用履歴の集計結果となる。
選出利用情報格納部は、利用情報の一部である選出利用情報(選出利用関連情報)を格納するので、利用情報格納部と同じ図17の格納形式となる。
選出利用情報作成部は、選出利用情報選出処理を行う。第1の条件を用いた選出利用情報選出処理においても、第2の条件を用いた選出利用情報選出処理においても、最終利用時期情報を用いて所定期間に該当するかを判定すれば、選出利用履歴作成部112による第1の条件を用いた選出利用履歴選出処理や第2の条件を用いた選出利用履歴選出処理と同様に行うことができる。
また、類似度算出部115による類似ユーザ選出処理と、推薦アイテム選出部113による推薦アイテム選出処理では、利用履歴の代わりに、利用情報を用いることで同様に処理を行うことができる。
利用履歴を記憶せずに、利用履歴の集計結果となる利用情報を記憶することになるため、情報処理サーバ格納部13に記憶するデータ量を軽減することができる。また、最終利用時期情報が利用履歴を受信するたびに更新されるので、最新の利用時期情報をすぐに得ることができる。
ここで、本発明が高い効果を発揮するサービスの形態について説明する。本発明は、ユーザごとに、利用頻度や利用形態に偏りがあるサービスで特に効果を発揮する。図18は、楽曲販売サイトにおけるユーザID「u1」のユーザの購入履歴(利用履歴に相当する)を購入時期が最新のものから順に並べた図である。図18が示すように、ユーザID「u1」のユーザは、1,2ヶ月に1度程度購入するような利用数の少ないユーザである。
図19は、楽曲販売サイトにおけるユーザID「u2」のユーザの購入履歴を購入時期が最新のものから順に並べた図である。図19が示すように、ユーザID「u2」のユーザは、約1ヶ月で20曲といったように、かなり頻繁に購入するような利用数の多いユーザである。図20は、楽曲販売サイトにおけるユーザID「u3」のユーザの購入履歴を購入時期が最新のものから順に並べた図である。
図18と図20が示すように、2010年5月1日から2011年4月30日までの過去1年間における購入数は、ユーザID「u1」に対応するユーザが「8」個、ユーザID「u3」に対応するユーザが「15」個といったように、ユーザID「u3」に対応するユーザは、ユーザID「u1」に対応するユーザよりも購入頻度は高いが、最後にアイテムを購入したのが他のユーザと比較して、3か月以上前である。図21は、ジャンルIDと楽曲IDとの対応を示す図である。図21に示すように、楽曲IDをジャンルIDとの対応関係が分かりやすいように、楽曲IDの「−」の前にある数値と、ジャンルIDの数値とが一致するようにしている。
図18と図21とが示すように、ユーザID「u1」のユーザは、3年弱の間に、購入したアイテムのジャンルが「g7→g8→g2→g10→g5」と変化しているように、定期的に嗜好が変化することが読み取れる。また、図19と図21とが示すように、ユーザID「u2」のユーザは、約1ヶ月の間に、ジャンル「g1,g3,g4,g5,g9,g10,g12」に属するアイテムを購入するといったように、短い期間で様々なジャンルの楽曲を購入していることが読み取れる。このようなサービスにおいて、本発明の選出条件を用いて購入履歴を抽出することで、ユーザID「u1」に対応するユーザの類似ユーザ選出時においては、類似ユーザとして、最近購入した楽曲のジャンルを購入したユーザが選ばれやすくなり、過去に購入した楽曲のジャンルを購入したユーザは選ばれにくくなる。
具体的に、2011年4月30日を取得終了時期として、図12の選出条件の第1の条件を用いた場合、選出条件c3(150日,5個)が選択され、2010年12月2日から2011年4月30日までに購入されたジャンル「g5」のアイテムに関する購入履歴「3」個と、ジャンル「g10」のアイテムに関する購入履歴「1」個のみが類似ユーザ選出に用いられるため、最近の嗜好であるジャンル「g5」のアイテムに関する購入履歴の影響が強くなり、以前の嗜好がほとんど影響しない。また、ユーザID「u2」に対応するユーザの類似ユーザ選出時においては、ユーザID「u2」に対応するユーザが利用した様々なジャンルの楽曲に関する購入履歴が利用される。
具体的に、4月30日を取得終了時期として、図12の選出条件の第1の条件を用いた場合、選出条件c1(30日,20個)が選択され、2011年4月1日から2011年4月30日までに購入された様々なジャンル「g1,g3,g4,g5,g9,g10,g12」に属するアイテムに関する購入履歴17個が類似ユーザ選出に用いられるので、ユーザの幅広い嗜好を反映できる。
また、ユーザID「u3」に対応するユーザにおいては、ユーザID「u1」に対応するユーザより購入頻度は高いが、直近でアイテムをあまり多く利用していないため、2011年4月30日を取得終了時期として、図12の選出条件の第1の条件を用いた場合、選出条件c3(150日,5個)が選択され、購入履歴「3」個のみが類似ユーザ選出に用いられる。このため、最近アイテムを利用していないユーザID「u3」に対応するユーザは、他のユーザの推薦処理に対する影響が小さくなる。ただし、購入履歴は抽出されているため、推薦アイテムの作成は可能である。もし、このようなサービスで、計算量を削減するために、ユーザごとに購入履歴を抽出する際に、購入時期情報が新しい順に一律に所定個数の購入履歴を抽出する方法を用いた場合、購入するアイテム数の偏りを吸収しにくくなるため、類似ユーザを選出する際に精度が悪くなってしまう可能性がある。
例えば、所定個数を「10」個とした場合、ユーザID「u1」に対応するユーザは、ジャンル「g5」のアイテムに関する購入履歴「3」個と、ジャンル「g10」のアイテムに関する購入履歴「5」個と、ジャンル「g2」のアイテムに関する購入履歴「2」個が抽出されてしまうため、以前の嗜好の影響が出てしまう。この影響は、所定個数を増やせば増やすほど大きくなってしまう。また、ユーザID「u2」に対応するユーザは、ジャンル「g5,g9,g10,g12」のアイテムに関する購入履歴は抽出されるが、同じ月に購入したジャンル「g1,g3,g4」のアイテムに関する購入履歴は抽出されないため、ユーザの嗜好が一部反映できないことが起こってしまう。これは、所定個数を減らせば減らすほど起こりやすくなってしまう。
また、ユーザID「u3」に対応するユーザは、最近アイテムを利用していないにも関らず、他のユーザと同数の購入履歴が抽出されてしまうため、推薦結果に、他のユーザと同等の影響力をもってしまう。また、このようなサービスで、計算量を削減するために、所定期間の購入履歴のみを抽出する方法を用いた場合、最新の購入履歴のみを抽出することはできるが、他の推薦処理と比較して、アイテムが推薦されないユーザがかなり増えてしまう可能性がある。
例えば、2011年4月30日から遡る所定期間を「90」日にした場合について説明する。図18や図19に示すように、ユーザID「u1」に対応するユーザや、ユーザID「u2」に対応するユーザに関しては、購入履歴を抽出することができるが、ユーザID「u3」に対応するユーザは、所定期間90日に対応する2011年1月31日から2011年4月30日までにアイテムを購入していないため、購入履歴が抽出されない。つまり、所定期間から少しでもはずれたユーザは、購入履歴が全く抽出されないため、アイテムが推薦されない。そして、所定期間を短くすればするほど、アイテムが推薦されないユーザの数が増えていく。
また、アイテムが推薦されるユーザの数を確保するために所定期間を長くすると、推薦処理に利用する購入履歴の数が増えてしまい、計算量削減の効果が低くなってしまう。また、上記2つを組み合わせて、所定期間の購入履歴のうち、購入時期情報が新しい順に一律に所定個数の購入履歴を抽出する方法を用いた場合、所定期間を短くすると、アイテムが推薦されないユーザの数が増えていくといった問題が発生し、所定期間を長くすると、購入時期情報が新しい順に一律に所定個数の購入履歴を抽出する方法と同様の問題が発生する。
以上のように、本発明の情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムによれば、直近の利用履歴ほど多くなるように選出利用履歴として選出し、選出利用履歴を用いて類似ユーザを選出する。このように、利用履歴の一部である選出利用履歴のみを用いて類似ユーザを選出するため、計算量を削減することができる。また、直近の利用履歴を多く選出できるので、最近のアイテムの利用傾向が近いユーザを類似ユーザとして選出しやすくなるため、ユーザの嗜好の移ろいやすさに対応した類似ユーザの選出ができる。このため、精度よく類似ユーザを選出することができる。
また、最近アイテムを利用していないユーザに対しては、少数の利用履歴を取得することで、他のユーザの推薦処理への影響を小さくしつつ、推薦アイテムを作成することができる。これは、計算量削減によって生じやすい、アイテムが推薦されないユーザ数の増加を軽減することにもつながる。
また、推薦アイテムを選出する際にも、選出利用履歴を用いることで、これから基準ユーザが気になりそうなアイテムを推薦しやすくすることができる。
1 情報処理サーバ装置(情報処理装置)
2 ネットワーク
3 端末装置
11 情報処理サーバ制御部
111 利用履歴登録部
112 選出利用履歴作成部(選出利用関連情報作成部)
113 推薦アイテム選出部
114 推薦アイテム提供部
115 類似度算出部
12 情報処理サーバ通信部
13 情報処理サーバ格納部
131 ユーザ情報格納部
132 アイテム情報格納部
133 利用履歴格納部
134 選出条件格納部
135 選出利用履歴格納部
136 類似ユーザ情報格納部
137 推薦アイテム情報格納部

Claims (9)

  1. アイテムを利用したユーザを一意に識別するためのユーザ識別子又はそのユーザがアイテムの利用に用いた端末装置を一意に識別するための端末識別子の少なくともいずれか一方である利用主体識別子と、利用の対象となったアイテムを識別するためのアイテム識別子と、アイテムの利用時期に関する利用時期情報と、が関連付けられた利用関連情報を格納する格納部を参照し、特定の時点に近い前記利用時期情報を含む前記利用関連情報が多いほど多く選出されるような条件に基づいて、前記利用主体識別子ごとに、その利用主体識別子における複数の前記利用関連情報のうちの少なくとも一部である選出利用関連情報を選出する選出利用関連情報作成部と、
    前記選出利用関連情報作成部によって選出した一の利用主体識別子における選出利用関連情報と、前記選出利用関連情報選出部によって選出した前記一の利用主体識別子以外の他の利用主体識別子における選出利用関連情報とに基づいて、前記一の利用主体識別子と前記他の利用主体識別子との類似度を算出する類似度算出部と
    を備えることを特徴とする情報処理装置。
  2. 前記条件は、前記特定の時点より過去のある時点から前記特定の時点までの期間を示す複数の取得期間と、その前記取得期間それぞれに対応付けられ、前記取得期間が長いほど少ない数に設定されている複数の取得制限数とを用いた条件であり、
    前記選出利用関連情報作成部は、前記選出利用関連情報を選出する選出対象の利用主体識別子における前記利用時期情報を参照して、取得制限数を上限に前記取得期間それぞれに含まれる前記利用関連情報の数を計数し、計数した前記利用関連情報の数が最も多い取得期間に含まれる利用関連情報を前記選出対象の利用主体識別子における前記選出利用関連情報として選出することを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
  3. 前記類似度算出部は、前記一の利用主体識別子における最も多い数の前記利用関連情報を取得できる前記取得期間と、前記他の利用主体識別子における最も多い数の前記利用関連情報を取得できる前記取得期間とに基づいて、前記類似度を算出することを特徴とする請求項2記載の情報処理装置。
  4. 前記条件は、前記特定の時点より過去の所定の期間を示し各々重複しない複数の期間である複数の差分取得期間と、前記差分取得期間それぞれに対応付けられるとともに、前記特定の時点から遠い差分取得期間であるほど少ない数に設定された取得制限数とを用いた複数の選出条件からなり、
    前記選出利用関連情報選出部は、前記選出利用関連情報を選出する選出対象の利用主体識別子における前記利用時期情報を参照して、前記特定の時点に近い前記差分取得期間に対応する選出条件から順に、その選出条件における取得制限数を上限に、前記利用関連情報を選出し、現在選出に用いている選出条件における取得制限数が、前記選出対象の利用主体識別子における選出済みの利用関連情報の総数である現登録数より多い場合に、現在選出に用いている選出条件における取得制限数から前記現登録数を差し引いた数を上限に利用関連情報を選出することで、前記利用主体識別子における前記選出利用関連情報を選出することを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
  5. 前記類似度算出部は、前記一の利用主体識別子における、最後に選出に用いた前記選出条件と、前記他の利用主体識別子における、最後に選出に用いた前記選出条件とに基づいて、前記類似度を算出することを特徴とする請求項4記載の情報処理装置
  6. 前記選出利用関連情報選出部は、新しい利用時期情報の前記利用関連情報から順に前記選出利用関連情報を選出することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
  7. 前記類似度に応じて、推薦アイテムを選出する推薦アイテム選出部を備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
  8. 選出利用関連情報作成部が、アイテムを利用したユーザを一意に識別するためのユーザ識別子又はそのユーザがアイテムの利用に用いた端末装置を一意に識別するための端末識別子の少なくともいずれか一方である利用主体識別子と、利用の対象となったアイテムを識別するためのアイテム識別子と、アイテムの利用時期に関する利用時期情報と、が関連付けられた利用関連情報を格納する格納部を参照し、特定の時点に近い前記利用時期情報を含む前記利用関連情報が多いほど多く選出されるような条件に基づいて、前記利用主体識別子ごとに、その利用主体識別子における複数の前記利用関連情報のうちの少なくとも一部である選出利用関連情報を選出する選出利用関連情報選出ステップと、
    類似度算出部が、前記選出利用関連情報選出ステップによって選出した一の利用主体識別子における選出利用関連情報と、前記選出利用関連情報選出ステップによって選出した前記一の利用主体識別子以外の他の利用主体識別子における選出利用関連情報とに基づいて、前記一の利用主体識別子と前記他の利用主体識別子との類似度を算出する類似度算出ステップと
    を有することを特徴とする情報処理方法。
  9. コンピュータに、
    アイテムを利用したユーザを一意に識別するためのユーザ識別子又はそのユーザがアイテムの利用に用いた端末装置を一意に識別するための端末識別子の少なくともいずれか一方である利用主体識別子と、利用の対象となったアイテムを識別するためのアイテム識別子と、アイテムの利用時期に関する利用時期情報と、が関連付けられた利用関連情報を格納する格納部を参照し、特定の時点に近い前記利用時期情報を含む前記利用関連情報が多いほど多く選出されるような条件に基づいて、前記利用主体識別子ごとに、その利用主体識別子における複数の前記利用関連情報のうちの少なくとも一部である選出利用関連情報を選出する選出利用関連情報選出ステップと、
    前記選出利用関連情報選出ステップによって選出した一の利用主体識別子における選出利用関連情報と、前記選出利用関連情報選出ステップによって選出した前記一の利用主体識別子以外の他の利用主体識別子における選出利用関連情報とに基づいて、前記一の利用主体識別子と前記他の利用主体識別子との類似度を算出する類似度算出ステップと
    を実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
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