次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
[第1実施の形態]
まず、図1を参照して、遊技場内に複数配置されている各遊技島(図示略)に遊技機の一例のカードリーダ式パチンコ機(以下パチンコ機と略称する)2が並設されており、そのパチンコ機2の所定側の側方位置に該パチンコ機2に対してカードユニット3が1対1に対応設置されている。このカードユニット3は、会員登録をしていない一般の遊技者に対して発行される遊技用記録媒体であるプリペイド機能を備えるビジターカードや、該遊技場に会員登録した会員遊技者に対して発行される遊技用記録媒体である会員カードを受付けて、パチンコ機2における遊技に使用される遊技媒体であるパチンコ玉を貸出すための処理や、対応するパチンコ機2における遊技にて獲得した獲得パチンコ玉を計数するとともに、該計数済みのパチンコ玉数の範囲内のパチンコ玉の払出(返却)を行なう機能(自台計数機能)を有する。
パチンコ機2は、図1に示すように、前面がガラス扉で覆われた遊技盤26が設けられている。その遊技盤26の前面には遊技領域27が形成されている。パチンコ機2の下部表面には打球供給皿(上皿)23が設けられ、その打球供給皿23の下部には、打球供給皿23から溢れたパチンコ玉を貯留する下皿24と打球を発射する打球操作ハンドル(以下操作ノブ)25とが設けられている。遊技者がこの操作ノブ25を回動操作することにより、打球供給皿23内のパチンコ玉が遊技領域27内に弾発発射される。また、パチンコ機2の下皿24の下方位置に、玉受け皿ユニット4が設けられている。下皿24に貯留されているパチンコ玉がこの玉受け皿ユニット4に放出されることにより、その放出されたパチンコ玉(返却玉)が玉受け皿ユニット4内を流下してカードユニット3に流入し、その返却玉が計数されてその計数済玉数が表示部312により表示されるように構成されている。
カードユニット3の前面には、紙幣を挿入するための紙幣挿入口302、会員カードやビジターカードを挿入するためのカード挿入口309が設けられている。このカード挿入口309に挿入された会員カードやビジターカードがカードリーダライタ(図示略)に受付けられて、それらカードに記録されている情報が読み取られる。さらに、カードユニット3の前面には、各種情報を表示可能な表示部312が設けられており、該表示部312の表面には、表示部312に表示された各表示項目を指でタッチすることにより入力可能とするための透明タッチパネルが設けられている。
図2は、遊技盤26の盤面図である。前述の操作ノブ25を回動操作することによって発射されたパチンコ玉は、外レール28と内レール29との間を通って遊技盤26前面側の遊技領域27に打込まれる。遊技領域27内には、センター飾り(役物とも言う)22と、第1始動口13と、電動チューリップで構成された第2始動口14と、可変入賞球装置(アタッカー)36と、通過ゲート32と、普通図柄表示器10と、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bなどが設けられている。
遊技領域27内に打込まれたパチンコ玉が通過ゲート32を通過することによりゲートスイッチ32a(図26参照)により検出されてその検出信号に基づいて普通図柄表示器10が変動表示制御される。その普通図柄表示器10の変動表示の停止時に当りの表示結果が導出表示されれば、ソレノイド15a(図26参照)が励磁されて第2始動口14を構成している電動チューリップが開成してパチンコ玉が入賞しやすい遊技者にとって有利な第1の状態となる。その電動チューリップの第1の状態は、所定時間の経過あるいは電動チューリップの所定回数の開閉によって終了する。
遊技領域27内に打込まれたパチンコ玉が第1始動口13に入賞すれば第1始動口スイッチ13a(図26参照)により検出され、その検出信号に基づいて第1特別図柄表示器8aが変動表示制御されるとともに演出表示装置9に飾り識別情報(飾り図柄)を変動表示させる制御が行なわれる。一方、パチンコ玉が第2始動口14に入賞してその入賞玉が第2始動口スイッチ14a(図26参照)により検出されれば、その検出信号に基づいて第2特別図柄表示器8bが変動表示されるとともに演出表示装置9に飾り識別情報(飾り図柄)を変動表示させる制御が実行される。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bの表示結果と演出表示装置9の表示結果とは連動しており、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bの表示結果が大当りとなる予め定められた特定の識別情報(大当り図柄)となった場合には、演出表示装置9による飾り識別情報(飾り図柄)の表示結果も大当りとなる予め定められた特定の識別情報(たとえば、ぞろ目等の大当り図柄の組合せ)となる。
演出表示装置9による飾り図柄の変動表示制御は、パチンコ玉の始動入賞を条件として全図柄(たとえば、左図柄、中図柄、右図柄)が一斉に変動表示を開始し、その後先ず左図柄が停止され、次に右図柄が停止され、最後に中図柄が停止して、表示結果が確定表示される。左図柄と右図柄とが停止した段階でその停止図柄が、ぞろ目等の大当り図柄の組合せとなる条件を満たしている場合には、リーチ状態となり、リーチ演出がなされる。このリーチ状態には、通常リーチと、それよりも大当りの期待度が高いスーパーリーチとがある。スーパーリーチのときには、スーパーリーチと分かる特有のリーチ演出が行なわれる。
大当り(特定遊技状態)にするか否かの決定は、図26で後述する乱数回路503により生成される乱数を利用して遊技制御用マイクロコンピュータ560により行なわれる。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、さらにソフトウェアによって当り図柄乱数を生成している。大当りにすることが決定されたときにその当り図柄乱数に基づいて当り図柄の種類を決定する。その決定された当り図柄が第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに表示される。その当り図柄のうちには、当該当り図柄に基づいて発生した大当りが終了した後に次の大当りが発生する確率が向上する確率向上状態(確変)となる当り図柄(確変図柄)が含まれている。このような確変図柄が第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにより表示されれば、その回の大当りの終了後確変状態となる。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに確変図柄が表示される場合には、演出表示装置9にもたとえば7や3のぞろ目からなる確変図柄の組合せが表示させる。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当りにするか否かの決定結果および大当りにする場合の確変図柄を導出表示させるか否かの決定結果を特定する演出制御コマンドを中継基板77を介して演出制御基板80へ送信する。演出制御基板80は、受信した演出制御コマンドに従って演出表示装置9の表示結果を制御する。たとえば、演出制御コマンドにより大当りにすることが示されている場合には、演出表示装置9によりぞろ目の表示結果を導出表示させる制御を行なう。また、演出制御コマンドにより確変図柄にすることが示されている場合には、演出表示装置9によりたとえば3または7のぞろ目を表示結果として導出表示させる制御を行なう。
大当りになれば可変入賞球装置36を開放してパチンコ玉が入賞可能な遊技者にとって有利な第1の状態に制御する。この第1の状態は、所定時間の経過または打玉の所定個数の入賞により終了してパチンコ玉が入賞できない閉成状態(第2の状態)となる。可変入賞球装置36内には、10カウントスイッチ34aとV入賞スイッチ34b(図26参照)とが設けられており、可変入賞球装置36内に入賞したすべてのパチンコ玉が10カウントスイッチ34aにより検出される。また、第1の状態の可変入賞球装置36内に入賞したパチンコ玉が特定領域(Vポケット)に入賞してV入賞スイッチ34bにより検出されることにより、その検出信号に基づいて可変入賞球装置36が再度第1の状態になるラウンド制御が実行される。この第1の状態となるラウンド制御のラウンド数は上限が定められており、その上限のラウンドが終了することにより大当り状態が終了する。
遊技領域27内には、さらに、左上袖入賞口30、左下袖入賞口33、右上袖入賞口40、右下袖入賞口42が設けられており、これら入賞口にパチンコ玉が入賞することにより所定個数の景品玉(賞球)が打球供給皿23内に払出される。また遊技領域27内に打込まれていずれの入賞口にも入賞しなかったパチンコ玉は、アウト口35に落入して回収される。
センター飾り(役物)22には、後に詳しく説明するが、モータやソレノイド等の電気的駆動源によって動く演出用の可動部材が複数設けられている。その1つとして、センター飾り22の前面上方部分に演出用飾り部ロゴ38が設けられている。この演出用飾り部ロゴ38は、所定の装飾的なアルファベット等の文字で構成されている。この演出用飾り部ロゴ38を駆動するための電気的駆動源の一例のロゴモータ17とロゴセンサ11とがセンター飾り22に設けられている。演出用飾り部ロゴ38を動作させるための所定の条件が成立することにより、ロゴモータ17が正転して、演出用飾り部ロゴ38が前方(遊技者側)に倒伏する状態に動く。この演出用飾り部ロゴ38が所定角度前方に倒伏したことがロゴセンサ11により検出され、その検出信号に基づいてロゴモータ17の正転が停止し、演出用飾り部ロゴ38がそれ以上倒伏しないように制御される。所定時間の経過により、ロゴモータ17が逆転制御されて、演出用飾り部ロゴ38が倒伏姿勢から直立姿勢(垂直姿勢ともいう)に復帰する。
センター飾り22の向かって右側下方部分に、演出用飾り部39が設けられている。この演出用飾り部39は「7」の装飾的文字から構成されている。この演出用飾り部39を動かすためのソレノイド19がセンター飾り22に設けられており、演出用飾り部39を動作させるための所定条件が成立することによりソレノイド19が励磁される。すると、演出用飾り部39が右回転する。その状態でソレノイド19の励磁を解除することにより、演出用飾り部39が左回転して元の直立姿勢に復帰する。図2中、115は玉遮蔽壁であり、これについては後述する。なお、図2中1a、1bはいわゆる命釘である。
図3は、センター飾り22の全体斜視図である。センター飾り22は、大きく分けて、遊技盤への取付けのための取付基板122が設けられた前面枠部材123と、その後方に設けられた基体48と、その後方に設けられた後方カバー部材124とから構成されている。
センター飾り22は、図3に示すように中央が後方に窪んだ額縁状の形状に対して、その向かって右下隅が左下方向に延出した形状に構成されている。その窪んだ周囲を囲んでいる額縁部分に各種の装飾が施されている。センター飾り22の窪み部分には前述した演出表示装置9が設けられており、液晶表示装置で構成されたこの演出表示装置9により各種の演出表示が行なわれる。
額縁部分における上方箇所に前述した演出用飾り部ロゴ38が設けられている。額縁部分における下方箇所に、後方から前方に向かって、演出表示下部飾り部材114、蓋部材112、玉遮蔽壁115、ステージ機構45が設けられている。演出表示下部飾り部材114は、演出表示装置9の表示画面の下方前面側に位置しており、前方側中央部分が下方に窪んでいるとともに、複数段の階段形状に構成されている。下方に窪んだ中央部分に、前述した蓋部材112が設けられている。この蓋部材112の下方には発光部材の一例としてのLED20(図26参照)が設けられている。蓋部材112は白色半透明の部材で構成されており、下方のLED20が発光することにより蓋部材112がLEDの発光色の色に光るとともに、その発光色の一部が間接光として上方に照射される。
玉遮蔽壁115は、透明部材で構成されているとともに、その左右に3つずつ楕円形状のレンズ部が設けられている。このレンズ部により光が屈折して遊技者に見え、装飾効果をさらに向上させることができる。
センター飾り22の向かって左側に、通過口入口43が設けられており、遊技領域27内に打込まれたパチンコ玉が流下してこの通過口入口43から進入することが可能である。この通過口入口43に進入したパチンコ玉は玉誘導筒125を流下して通過口出口44からステージ機構45の奥側ステージ40a上に放出される。ステージ機構45は、通過口出口45から放出されたパチンコ玉を左右方向に転動させる奥側ステージ45aと、その奥側ステージ45aよりも手前側(遊技者側)に設けられた手前側ステージ45bとが備えられている。
なお、本発明における「左右方向」とは、
a 遊技者から見た左右方向、
b 遊技盤26に沿う水平方向、
c センター飾り22に沿う水平方向、
d 上記bとcにおいて、所定の許容範囲内で奥行き方向や上下方向に傾いているもの、
を含む概念である。
奥側ステージ45a上に放出されたパチンコ玉はその流下勢いにより奥側ステージ40aを向かって左から右に転がって移動する。奥側ステージ45aは、左右が高くその左右から中央に向かって下り傾斜しているとともに、中央が再び上方に盛り上がった形状となっている。その盛り上がった膨出部の左右の窪んだ部分により誘導凹部150が形成されており、この誘導凹部150を通って前方に誘導されたパチンコ玉が手前側ステージ45bに進入する。
なお、図面に基づいた説明において、左とはその図面における紙面に沿った方向での向かって左を意味し、右とはその図面における紙面に沿った方向での向かって右を意味し、上下とはその図面における紙面に沿った方向での上下を意味し、垂直とはその図面における紙面に沿った方向での垂直を意味し、奥行き方向とはその図面における紙面に対しての直行方向を意味している。
一方、奥側ステージ45aの中央の上方に盛り上がった部分に奥側誘導路46aが形成されており、誘導凹部150を通過して奥側誘導路46aに到達したパチンコ玉が前方に誘導されて垂直落下凹部158を落下して手前側誘導路46bにより前方に誘導されて中央放出口47から遊技領域27に放出される。この中央放出口47は、図2を参照して、第1始動口13や第2始動口14の真上に位置している。なお、中央放出口47と第1始動口13や第2始動口14との間には、命釘1a、1bが設けられている(図2参照)。その結果、中央放出口47から放出されたパチンコ玉は、一部命釘1a、1bによって外方に大きく弾かれて第1始動口13や第2始動口14の左右方向に飛散してアウト口35に回収されるが、外方に大きく弾かれることなく下方に落下することによりかなり高い確率で第1始動口13や第2始動口14に入賞することとなる。一方、側部誘導部157から放出されたパチンコ玉Pは、その放出箇所からして第1始動口13に対して横方向にずれているために、第1始動口13や第2始動口14への入賞確率が低くなる。
一方、誘導凹部150によって前方に誘導されたパチンコ玉は、手前側ステージ45bにより誘導されて側部誘導路157に導かれ、その側部誘導路157から前方へ誘導されて遊技領域27へ放出される。この側部誘導路157は、中央放出口47の左右方向に位置しているために、第1始動口13や第2始動口14から横方向にずれた上方に位置している。その結果、この側部誘導路157を通って放出されたパチンコ玉は、中央放出口47から放出されたパチンコ玉に比べて、第1始動口13や第2始動口14に入賞する確率が低くなる。
なお、通過口出口44から奥側ステージ45a上に放出されたパチンコ玉は、その放出勢い次第で、奥側誘導路46aを通り過ぎて向かって右側のステージ部分にまで到達してそこから誘導凹部150を通って手前側ステージ45bに進入し、その手前側ステージ45bにより向かって右側の側部誘導路157に導かれてその側部誘導路157を通って遊技領域27へ放出される場合もある。よって、適度の放出勢いの場合に、奥側ステージ45の中央の膨出部に到達してパチンコ玉が奥側誘導路46a、手前側誘導路46bを通って中央放出口47から放出される。
図4は、ステージ機構45の全体斜視図である。図5は、ステージ機構45の平面図である。図6はステージ機構45の正面図である。図7は、図6におけるA−Aの断面を示す図である。図8は、図6におけるB−Bの断面を示す図である。図9は、図6におけるC−Cの断面を示す図である。図10は、図6におけるD−Dの断面を示す図である。図11はパチンコ玉Pの手前側ステージ45bへの進入角度の比較を説明するための平面図である。次に、図4〜図11を参照して、ステージ機構45を詳細に説明する。
ステージ機構45は、大きく分けて、奥側ステージ45aとその手前側に位置している手前側ステージ45bとの2つのステージを有している。奥側ステージ45aは、パチンコ玉Pがその上を流下して転動する左右方向(前述のa〜dの定義参照)に延在した形状を有しており、その左右が高くその左右から中央に向かって下り傾斜しているとともに、中央が再び上方に盛り上がった形状となっている。この奥側ステージ45aの奥行き方向の寸法は、パチンコ玉Pの直径よりも僅かに大きな寸法となっている。前述したように、奥側ステージ45aの上方に盛り上がった膨出部の頂上には、前方に向かって溝が深くなるように形成された奥側誘導路46aが設けられている(図7(a)(b)参照)。
また、中央の上方に盛り上がった膨出部の左右箇所には、前述したように窪んだ誘導凹部150が形成されている。この誘導凹部150は、前方側(手前側ステージ45b側)に下り傾斜しており、パチンコ玉Pを手前側ステージ45bに誘導する。その傾斜角度が急な急傾斜部150a(粗め格子で示した部分)と傾斜角度がなだらかな緩傾斜部150b(細め格子で示した部分)とを有する(図8〜図10参照)。奥側ステージ45aと手前側ステージ45bとの間には、左右方向(前述のa〜dの定義参照)に延在する奥側壁153が設けられている。そしてこの奥側壁153における誘導凹部150に相当する箇所が、誘導凹部150の窪み形状に沿って切欠かれており、誘導凹部150から前方に流下してきたパチンコ玉が手前側ステージ45bに進入できるように構成されている。この手前側ステージ45bの遊技者寄りの箇所に手前側壁154が設けられている。また、この手前側壁154は、奥側壁153から遊技者側に所定間隔隔てた位置において奥側壁153に沿って延在する。そして、奥側壁153の壁面153aと手前側壁154の壁面154aとの間に、手前側ステージ45bが形成されている。
図6におけるC−C断面である図9とD−D断面である図10とを特に参照して、C−C断面の図9に示されているように、誘導凹部150の左右方向中央箇所では、誘導凹部150の前方への傾斜角度(手前ステージ45bへの傾斜角度)が急な急傾斜部150a(粗め格子で示した部分)となっている。一方、D−D断面の箇所すなわち誘導凹部150の左右方向端付近においては、誘導凹部150の前方への傾斜角度(手前ステージ45bへの傾斜角度)がなだらかな緩傾斜部150b(細め格子で示した部分)となっている。
手前側ステージ45bは、手前側誘導路46bにパチンコ玉Pを誘導して第1始動口13や第2始動口14に入賞させやすい有利ルート151と、側部誘導路157にパチンコ玉Pを誘導して第1始動口13や第2始動口14に入賞させにくい不利ルート(第2ルート)152とを有する。これら有利ルート151および不利ルート152は、左右にそれぞれ設けられているとともに中央に向かって下り傾斜しており、向かって左側の誘導凹部150から進入してきたパチンコ玉Pを中央に向かって転動させるとともに、向かって右側の誘導凹部150から進入してきたパチンコ玉Pを中央に向かって転動させるように構成されている。
有利ルート151には、互いに平行な奥側突条155と手前側突条156とが設けられている。この両突条は、パチンコ玉Pが手前側誘導路46bにまで誘導される少し手前まで延設されている。またこの両突条155、156の高さは、奥側壁153および手前側壁154の高さ以下に構成されている(図8〜図10参照)。
不利ルート152は、手前側突条156と手前側壁154との間に形成されており、手前側壁154の壁面154aと手前側突条156とでパチンコ玉Pを支持して誘導する。手前側壁154は、パチンコ玉Pが側部誘導路157にまで到達する少し手前まで延設されている。
誘導凹部150から前方に誘導されて手前側ステージ45bに進入したパチンコ玉Pは、誘導凹部150による誘導態様に応じて、有利ルート151を通り過ぎて不利ルート152にまで達し、その不利ルート152を転動して流下する場合と、有利ルート151で留まりその有利ルート151に沿って流下する場合とがある。たとえば、急傾斜部150aを流下したパチンコ玉Pは、その流下勢いが大きいために不利ルート152にまで達してその不利ルート152を流下する割合が高くなる。一方、緩傾斜部150bを流下したパチンコ玉Pは、流下勢いが小さいために有利ルート151に踏みとどまりその有利ルート151を流下する割合が高くなる。
この有利ルート151を流下する割合は、パチンコ玉Pの奥側ステージ45aから手前側ステージ45bへの進入角度によっても異なってくる。図11を参照して、向かって左側のパチンコ玉Pが矢印で示すように奥側突条155および手前側突条156に対して大きな角度で進入する場合には、それら両突条155、156を乗り越えて不利ルート152にまで達しその不利ルート152を流下する割合が高くなる。一方、図11の向かって右側のパチンコ玉Pの矢印で示すように、奥側突条155および手前側突条156に対する進入角度が小さい場合には、それら両突条155、156を乗り越えることなく有利ルート151に踏みとどまってその有利ルート151を流下する割合が高くなる。すなわち、手前側ステージ45bへの進入角度が両突条155、156に対して小さい第1進入部161(まっすぐな帯状に示した領域部分)を通ってパチンコ玉Pが進入することにより(破線の矢印参照)有利ルート151への誘導割合が高くなり、手前側ステージ45bへの進入角度が第1進入部161よりも大きい第2進入部162(右カーブした帯状に示した領域部分)を通ってパチンコ玉Pが進入することにより(破線の矢印参照)不利ルート152への誘導割合が高くなる。
この有利ルート151は、たとえば図9(b)に示すように、奥側壁153の壁面153aと奥側突条155とでパチンコ玉Pを支持して誘導する第1ルート151aと、両突条155、156でパチンコ玉Pを支持して誘導する第3ルート151bとからなる。この第3ルート151bも第1ルート151aと同様に、不利ルート152によるパチンコ玉Pの誘導による第1始動口13、第2始動口14への入賞確率に比べて高い入賞確率でパチンコ玉Pを誘導する。
図9(c)では、実線で示したパチンコ玉Pが不利ルート152を流下している状態が示されているとともに、仮想線(破線)でパチンコ玉Pが第1ルート151aを流下している状態が示されている。また、図10(c)では、実線で示したパチンコ玉Pが第1ルート151aを流下している状態が示されているとともに、仮想線(破線)でパチンコ玉Pが不利ルート152を流下している状態が示されている。両者共に、両パチンコ玉Pが重なり合っている。この重なり合った寸法だけ手前側ステージ45bの奥行き寸法を狭くすることができる利点がある。また、第3ルート151bを流下するパチンコ玉Pも同様に、左右の第1ルート151a、不利ルート152を流下するパチンコ玉Pと重なり合うため、重なり合った寸法だけ手前側ステージ45bの奥行き寸法を狭くすることができる利点がある。
つまり、前述した第1ルート151a、不利ルート(第2ルート)152、第3ルート151b共に、パチンコ玉Pの直径よりも狭い幅に形成されている。その結果、パチンコ玉Pを転動させて流下させるルートを3つ形成できながらも、手前側ステージ45bの奥行き方向の寸法を小さくできるという利点がある。
以上説明したステージ45においては、図4の破線で示すようなパチンコ玉Pの流下経路が形成される。まず、奥側誘導路46aに放出されたパチンコ玉Pの放出勢いが強い場合には、奥側ステージ45aの奥側誘導路46aをパチンコ玉Pが通過して図4の向かって右側の誘導凹部150にまで到達し、その誘導凹部150から手前側ステージ45bにパチンコ玉Pが進入する。その際の誘導凹部150によるパチンコ玉の誘導態様に応じて、パチンコ玉Pが不利ルート152を流下して側部誘導路157から前方に誘導されて放出される場合と、有利ルート151を流下して手前側誘導路46bにまで到達して中央放出口47から放出される場合とに分かれる。
一方、パチンコ玉Pが手前側誘導路46bのところまで到達してその手前側誘導路46bで前方に誘導された場合には、垂直落下凹部158を落下して手前側誘導路46bで前方に誘導されて中央放出口47から放出される。その際、奥側誘導路46aから中央放出口47までの比較的長い距離に亘って手前側方向(遊技者側方向)に誘導されるために、パチンコ玉Pが中央放出口47に到達した段階ではパチンコ玉Pが左右方向に揺れることなく進行方向のベクトルが真っ直ぐ手前側(遊技者側)に向くこととなる。その結果、パチンコ玉Pが中央放出口47から放出された状態では落下するパチンコ玉Pの落下方向のベクトルが、第1始動口13に真っ直ぐ向いた状態となる。その結果、奥側誘導路46a、手前側誘導路46bにより誘導されて中央放出口47から放出されたパチンコ玉Pは、有利ルート151により誘導されて中央放出口47から放出されたパチンコ玉Pに比べて、第1始動口13、第2始動口14への入賞確率が高くなる。
奥側ステージ45aに放出されたパチンコ玉の放出勢いが小さい場合には、奥側誘導路46aにまでパチンコ玉Pが到達することなく図4の向かって左側の誘導凹部150から前方に誘導されて手前側ステージ45bに進入する。その際の誘導凹部150によるパチンコ玉Pの誘導態様に応じて、有利ルート151を通過して不利ルート152にまで到達しその不利ルート152を流下して側部誘導路157から放出される場合と、有利ルート151に踏みとどまって有利ルート151を流下して手前側誘導路46bに導かれて中央放出口47から放出される場合とに分かれる。
なお、パチンコ玉Pが有利ルート151で誘導される場合は、前述したように、有利ルートが、第1ルート151aと第3ルート151bとを有するために、第1ルート151aで誘導される場合と第3ルート151bで誘導される場合との2態様がある。
次に、ステージ45の変形例を図12〜図14に基づいて説明する。図12〜図14に付している参照番号のうち図4〜図11と同じものについては同じ参照番号を付している。ここでは、主に、図4〜図11で示したステージ機構45との相違点について説明する。
まず図12の変形例では、手前側突条156の途中箇所に、上方に膨出した背の高い膨出部156aが形成されている。パチンコ玉Pが誘導凹部150によりちょうどこの膨出部156aに衝突するように誘導された場合には、パチンコ玉Pがその膨出部156aを乗り越えることなく有利ルート151に留まり、有利ルート151を流下しやすくなる。一方、誘導凹部150によりパチンコ玉Pが膨出部156a以外の箇所に誘導されて膨出部156aに衝突しなかった場合には、膨出部156aに衝突した場合に比べて、不利ルート152にまで達して不利ルート152を流下する割合が高くなる。
次に、図13に示す変形例では、有利ルートの流下上手側に衝突壁160が設けられている。この衝突壁160は、有利ルート151における奥側から手前側に向かって中央側に傾くように傾斜されて設けられている。その結果、図13に示すように、パチンコ玉Pが奥側誘導路46aの中央側から図13の左方向に流下して誘導凹部150で誘導された場合には、そのパチンコ玉Pが衝突壁160に衝突し、その衝突壁160の傾斜によって両突条155、156に沿った方向に跳ね返る。その結果、その跳ね返ったパチンコ玉Pは有利ルート151を流下しやすくなる。
図14の変形例では、奥側ステージ45aを省き1つのステージ45cのみで構成したものである。その結果、ステージ45の奥行き方向の寸法をさらに小さくすることができるという利点がある。通過口出口44からステージ45c上に放出されたパチンコ玉Pは、ステージ45cを流下して、両突条155、156が設けられた有利ルート151または不利ルート152のいずれかに進入する。その他の構成は図4〜図11に示したステージ45と同じである。
図15は、センター飾り22に設けられた可動部材としての第1演出用可動体62と第2演出用可動体63との動きを説明するための説明図である。この第1演出用可動体62と第2演出用可動体63の動くメカニズムについては、後に詳しく説明する。なお、この第1演出用可動体62と第2演出用可動体63とを総称して、「役物可動部」と言う。
まず図15(a)を参照して、第1演出用可動体62と第2演出用可動体63とが動く前の位置(原点位置)にある状態では、第1演出用可動体62が横方向に収納された状態となっており、演出用飾り部ロゴ38の後方に隠れた状態となっている。そして、第2演出用可動体63の下半分も演出用飾り部ロゴ38に隠れた状態となっており、第2演出用可動体63の上半分のみが遊技者に視認可能な状態となっている。
この状態で、図15(b)に示すように、まず、第1演出用可動体62が時計回り方向に回動移動して垂直姿勢(直立姿勢または垂直位置とも言う)となり、演出用飾り部ロゴ38から下方に露出した状態となる。その状態が、(c)に示されている。
この状態で、(d)に示すように、第1演出用可動体62と第2演出用可動体63とが一体となって下方に移動し、演出用飾り部ロゴ38の下方位置において、第1演出用可動体62と第2演出用可動体63とが視認可能となる。
この図15(d)や後述する図18(b)のように第1演出用可動体62と第2演出用可動体63とが下方に進出した位置を進出位置と言い、その下方に進出した状態を進出状態という。これに対して、図15(b)(c)や後述する図17(b)のような状態を、垂直姿勢または垂直位置と表現したが、別の表現では、第1演出用可動体62と第2演出用可動体63とが上方に退避している位置と捉えて退避位置ともいい、その上方に退避した状態を退避状態ともいう。
次に、図16〜図18において、(a)は摺動用ガイド溝を摺動凸部が摺動する状態を説明する説明図であり、(b)はセンター飾りにおける演出用可動体を可動させる機構部分を示す分解斜視図である。図19は、演出用可動体の分解斜視図である。次に、図16〜図19を参照して、第1演出用可動体62および第2演出用可動体63の動くメカニズムを説明する。まず全体の構造を説明した後、動作について説明する。
構造説明
第1演出用可動体62と第2演出用可動体63は、基体48に設けられている。基体48は、図示するように、中央が矩形に切欠かれた額縁状の形状を有している。ただし、切欠き部における下方の額縁部分は存在しない。この矩形の切欠きは、前述した演出表示装置9を表示させるための開口である。さらに、基体48の額縁部分における一側下方位置に開口126が開けられている。この開口126は、前述した演出用飾り部39を設けて回動動作させる空間を確保するためのものである。
基体48の額縁部分における上方箇所に、移動モータ12と摺動用ガイド溝65a、65b、65cと、凸部100が設けられた円板状遮蔽部材101と、揺動アーム78とが設けられている。
移動モータ12は、円柱状の形状を有しており、後述するように第1演出用可動体62を回動移動させるためのものである。
摺動用ガイド溝65a、65b、65cは、図16〜図18の(a)に示す形状のガイド溝であり、基体48の上方額縁部分のプレート部分を切欠いて構成されている。図16〜図18の(a)を参照して、摺動用ガイド溝65cは、円弧状溝部66と垂直溝部67とが繋がった状態で構成されている。摺動用ガイド溝65aと65bとは、ともに円弧状の形状を有している。円弧状溝部66の曲率半径は、嵌合孔53と摺動凸部64cとの間の距離に等しい。摺動用ガイド溝65aの円弧状の曲率半径は、嵌合孔53と摺動凸部64aとの間の距離に等しい。摺動用ガイド溝65bの円弧の曲率半径は、嵌合孔53と摺動凸部64bとの間の距離に等しい。
これら摺動用ガイド溝65a、65b、65cのうち、左右の摺動ガイド溝65a、65bには、そのガイド溝の周囲に沿って後方側(遊技者とは反対側)に延出した突条が形成されており、この突条によってガイド溝が囲まれた状態となっている。この突条は、摺動用ガイド溝65a、65bを補強するとともに、嵌合摺動体68a、68bを保持して摺動させるためのものである。これら嵌合摺動体68a、68bには、後述する摺動凸部64a、64bがそれぞれ挿入されて抜け止め保持される。
なお、この垂直溝部67と摺動用ガイド溝65aとの間には、後述する上下摺動ガイド部材107が取付けられている。この上下摺動ガイド部材107は、図19に示すように、上下摺動体106を嵌合させて上下に摺動させるためのガイド部材であり、この上下摺動体106に設けられた嵌合摺動体68cが揺動アーム78の第2長孔99に嵌合している。
揺動アーム78は、ほぼ中央箇所において段状に屈曲した長尺状の形状を有している。その段状部分を挟んで、一方(基端側)には比較的長い第1長孔98が形成されているとともに他方(揺動遊端側)の端部には比較的短い第2長孔99が形成されている。第2長孔99が形成されている側とは反対側の端部が支軸部79となっている。その支軸部79と第1長孔98との間に、切欠きが形成されており、その切欠きの箇所に矩形のセンサ用遮蔽部材108が設けられている。
さらに基体48の額縁部分における上方箇所には、円板状遮蔽部材101が回動自在に設けられている。この円板状遮蔽部材101は、モータ軸挿入筒部材103から放射状に延びるスポークの先端で支えられたハブの外周に形成されている(図19参照)。円板状遮蔽部材101は、後述する落下モータ16(図20参照)により回転するものであり、その落下モータ16の回転軸がモータ軸挿入筒部材103に挿入される。また、円板状遮蔽部材101の一部に、センサ用切欠き102が設けられ、さらにモータ軸挿入筒部材103とは反対側の円周部分に凸部100が設けられている。前述した揺動アーム78がその支軸部79によって基体48に揺動自在に軸支された状態で、第1長孔98に前述の凸部100が嵌合している。
さらに基体48の額縁部分における上方箇所には、コの字状の形状を有する投受光方式の上落下センサ7と下落下センサ21とが設けられている。上落下センサ7の投光部と受光部との間に円板状遮蔽部材101が入り込んで設けられている。一方揺動アーム78が下方端にまで揺動した状態で下落下センサ21の投光部と受光部との間にセンサ用遮蔽部材108が入り込むように構成されている。
移動モータ12の回転軸には第1ギア49が取付けられる。第1ギア49は、モータ軸挿入筒部材111と、そのモータ軸挿入筒部材111から放射状に延びるスポークとその各スポークの先端に設けられているハブとを含んでおり、そのハブの外周に歯車が形成されている。そして、モータ軸挿入筒部材111に移動モータ12の回転軸が挿入され、その回転軸と一体的に第1ギア49が回転する。
その第1ギア49には、第2ギア50が噛合する。第2ギア50は、円板部51の外周の一部に形成されている。円板部51の外周には、さらに、遮蔽用突条69a、69bが設けられており、それら両遮蔽用突条69a、69bの間にセンサ用切欠部71が形成されている。そして、第2演出用可動体63が設けられている上下摺動用プレート部材75の裏面側には、それぞれコの字状の形状をした投受光方式の原点センサ5と移動センサ6とが設けられている。この上下摺動用プレート部材75も、センタ飾り22の基体である。第2ギア50と第2演出用可動体63とを基体48に組付けた状態で第2ギア50が回転することにより、遮蔽用突条69aが移動センサ6の投光器と受光器との間に入り込み、遮蔽用突条69bが原点センサ5の投光器と受光器との間に入り込む。
円板部51には、摺動凸部64a、64bが設けられている。摺動凸部64a、64bは、各々筒状の形状をしている。各摺動凸部64a、64bの円板部51への取付側部分の外周に複数突起部が設けられている。摺動凸部64a、64bの突起部よりも先端側部分がそれぞれ嵌合摺動体68a、68bに挿入され、その状態でビス等によりねじ止め固定される。その状態で、嵌合摺動体68a、68bが摺動用ガイド溝65a、65bを摺動することにより、円板部51が嵌合孔53を回動中心として回動可能な状態となる。
さらに、円板部51には、その直径方向に摺動ガイド用の切欠が設けられており、その切欠の両側部分に上下摺動ガイド溝109が形成されている。この両側部分の上下摺動ガイド溝109にガイドされて上下摺動する上下摺動部材52が円板部51に設けられている。上下摺動部材52は、長方形の形状を有しており、その両側面が上下摺動ガイド溝109に嵌合してその上下摺動ガイド溝109にガイドされた状態で上下摺動部材52が上下摺動可能となっている。図18は、上下摺動部材52が下方端にまで摺動した進出状態(進出姿勢ともいう)を示しており、図17は、上下摺動部材52が上方端にまで摺動した退避状態(退避姿勢ともいう)を示している。
この上下摺動部材52の進出方向端部側には、第1演出用可動体62が設けられている。この第1演出用可動体62は、前面側(遊技者側)が、装飾的な形状に構成されている。
第1演出用可動体62および上下摺動部材52が図17に示す退避状態(退避姿勢)のときにおいて、円板部51の中心に相当する上下摺動部材52の箇所に、嵌合孔53が設けられている。この嵌合孔53に、第2演出用可動体63の嵌合凸部72が嵌合し、その状態で、上下摺動部材52と第2演出用可動体63とが一体的に上下移動する。
この上下摺動部材52の退避側端部箇所に、摺動凸部64cが設けられている。この摺動凸部64cは、筒状の形状を有しており、上下摺動部材52側の部分が径の大きな大径筒状部分となっている。この円板部51を基体48に組付けた状態で、摺動凸部64cの大径筒状部分を除く小径筒状部分が摺動用ガイド溝65cに嵌合してその摺動用ガイド溝65cに沿ってガイドされて摺動可能となる。
この摺動凸部64cは、摺動用ガイド溝65cに嵌合した状態でその先端部分が摺動用ガイド溝65cからさらに裏面側に突き出た状態となる。その突き出た部分が図19に示す上下摺動体106の受入凹部127に受入可能となる。
上下摺動体106は、全体が略矩形の形状となっており、前面側(遊技者側)の一側部分に受入凹部127が形成されている。この受入凹部127は、摺動用ガイド溝65cから裏面側に突き出た摺動凸部64cの先端部分が入り込むためのものである。上下摺動体106の裏面側における受入凹部127とは反対側の一側寄りに、嵌合摺動溝104が形成されている。この嵌合摺動溝104は、上下摺動ガイド部材107に形成された嵌合摺動突条105に嵌合してその嵌合摺動突条105にガイドされて上下に摺動するためのものである(図19参照)。この上下摺動ガイド部材107は、図17で説明したように、基体48に設けられるものである。図19を参照して、この上下摺動ガイド部材107は、嵌合摺動突条105に沿って長細い形状であり、その中央部分が嵌合摺動突条105とは反対側に膨出している。
円板部51、上下摺動ガイド部材107および揺動アーム78の各部品を基体48に組付けた状態で、図16の矢印で示すように円板部51を回動させることにより、摺動凸部64cが摺動用ガイド溝65cにおける円弧状溝部66を摺動し、図17に示す直立姿勢に達した段階で摺動凸部64cの先端が図19に示す上下摺動体106の受入凹部127に受入れられて嵌合状態となる。一方、上下摺動体106の裏面側(遊技者と反対側)には嵌合摺動体68cが設けられており、この嵌合摺動体68cが揺動アーム78の第2長孔99に嵌合した状態となる。そして図18に示すように上下摺動部材52および第1演出用可動体62が直立姿勢の場合において、揺動アーム78が下方向に揺動することにより、上下摺動体106が嵌合摺動突条105にガイドされて下方向に摺動し、その上下摺動体106の受入凹部127に嵌合している摺動凸部64cが上下摺動体106とともに下方に移動することにより、上下摺動部材52が上下摺動ガイド溝109にガイドされて図18に示すように下方に摺動して進出状態となる。
上下摺動用プレート部材75の前面側(遊技者側)に設けられている第2演出用可動体63は、図19に示すように、その前面側(遊技者側)に星印の装飾が施された略ドーム状の形状を有している。そのドーム状の形状の前面側にさらに×印状に装飾部材が設けられている。この第2演出用可動体63の背面側には、上下摺動凸部110a、110b(110bは図面上見えない)が設けられている。
一方、第2演出用可動体63が取付けられる上下摺動用プレート部材75には、2条の上下摺動ガイド溝73a、73bが平行に設けられている。上下摺動用プレート部材75の基体48への取付状態においては、この2条の上下摺動ガイド溝73a、73bが上下方向に沿った長溝となるように構成されている。この上下摺動ガイド溝73a、73bに前述した第2演出用可動体63の上下摺動凸部110a、110bが嵌合し、その先端が図18に示す上下嵌合摺動体74a、74bに嵌合して一体的に取付けられる。この状態で、上下嵌合摺動体74a、74bが上下摺動ガイド溝73a、73bに沿って上下摺動することにより、第2演出用可動体63が上下方向に移動可能となる。
一方、第2演出用可動体63の背面側における中央箇所に、嵌合凸部72が設けられている。この嵌合凸部72が前述した上下摺動部材52の嵌合孔53に嵌合する。その結果、上下摺動部材52および第1演出用可動体62と一体的に第2演出用可動体63が上下方向に移動可能となる。
動作説明
次に、動作を説明する。第1演出用可動体62および第2演出用可動体63は、普段は、退避状態でかつ図16の矢印とは反対側の方向に回動してその回動端にまで達した状態となっている。この状態は、原点位置にある状態あるいは原点姿勢という。
原点姿勢においては、図16(a)に示すように、摺動凸部64a、64b、64cがそれぞれ摺動用ガイド溝65a、65b、65c(円弧状溝部66)における反時計回り方向の摺動端に位置する状態となっている。この原点姿勢においては、図16を参照して、原点センサ5の箇所にセンサ用切欠部71が位置している状態となり、原点センサ5の投光器から投光された光がこのセンサ用切欠部71を通って受光器に受光される状態となっている。この状態で、移動モータ12を正転させて第1ギア49を図16(b)に示す矢印方向に回転させることにより、円板部51および第1演出用可動体62が矢印方向に回動する。その回動に伴って、図16(a)に示すように、摺動凸部64a、64b、64cがそれぞれ摺動用ガイド溝65a、65bおよび円弧状溝部66にガイドされて矢印方向に摺動する。そして図17に示すように直立姿勢にまで達した段階で、摺動凸部64a、64b、64cがそれぞれ摺動用ガイド溝65a、65b、円弧状溝部66の摺動端にまで達し、それ以上の回動が規制される。これは、摺動凸部64a、64b、64cがそれぞれ摺動用ガイド溝65a、65bの端部の壁部分に当接してそれ以上の摺動が許されないためである。
同様に、第1演出用可動体62の回動範囲も、摺動凸部64cの円弧状溝部66での移動範囲の限定(図16(a)に示す摺動凸部64cの位置から図17(a)に示す摺動凸部64cの位置までの範囲に限定)によって第1演出規制される。
この直立姿勢に達した段階では、前述したセンサ用切欠部71が移動センサ6の箇所に位置する状態となる。その結果、直立姿勢になるまでの回動途中においては移動センサ6の投光器から投光された光が遮蔽用突条69aにより遮蔽されて移動センサ6がOFFとなっているが、直立姿勢に達した段階で移動センサ6の投光器から投光された光がセンサ用切欠部71を通過して受光器に受光される状態となり、移動センサ6がONとなる。
上下摺動部材52および第1演出用可動体62が退避状態となっているときには、嵌合摺動突条105を摺動する上下摺動体106がその摺動上方端に達しており、その状態では、揺動アーム78が上方側に揺動した状態となっている。その状態では、円板状遮蔽部材101に形成されたセンサ用切欠102(図19参照)が上落下センサ7に位置する状態となっている。その結果、上落下センサ7の投光器から投光された光がセンサ用切欠102を通過して受光器に到達し、上落下センサ7がONとなっている。
この状態で、落下モータ16を正転させることにより、円板状遮蔽部材101と共に凸部100が回転し、第1長孔98に嵌合しているその凸部100の回転に伴って揺動アーム78が押し下げられて下方に揺動する。この揺動アーム78の下方への揺動に伴って、第2長孔99に嵌合している嵌合摺動体68cが下方に押し下げられ、それに伴って上下摺動体106(図19参照)が嵌合摺動溝104にガイドされて下方に摺動する。この上下摺動体106の受入凹部127には、垂直姿勢となった上下摺動部材52に形成された摺動凸部64cが嵌合しており、上下摺動体106が下方に摺動することによりそれに伴って上下摺動部材52および第1演出用可動体62も下方に摺動する。さらに、その上下摺動部材52の嵌合孔53に第2演出用可動体63の嵌合凸部72が嵌合しているために、上下摺動体52の下方への摺動に伴って第2演出用可動体63も下方へ摺動する。
このように、揺動アーム78では、支軸部79が支点、第1長孔98が力点、第2長孔99が作用点となっており、力点である第1長孔98と作用点である第2長孔99との距離が長くなるほど、上下摺動部材52および第1演出用可動体62を移動させる距離が長くなる。
上下摺動部材52、第1演出用可動体62および第2演出用可動体63がその下方端にまで摺動して進出状態となったときに、揺動アーム78も最下方位置に揺動しており、その状態でセンサ用遮蔽部材108が下落下センサ21の箇所に達する。すると、下落下センサ21の投光器から投光された光がセンサ用遮蔽部材108に遮蔽された受光器に到達しない状態となり、下落下センサ21がOFFに切換わる。これにより、落下モータ16の正転が停止される。
この上下摺動部材52が下方に摺動するときの摺動凸部64cの動きが、図17(a)、図18(a)に示されている。この下方向へ動いている最中においては、円板部51は動くことなく上下摺動部材52の方が動くだけであるために、摺動凸部64a、64bは何ら動くことなく、摺動凸部64cのみが図17(a)の矢印で示すように、垂直溝部67にガイドされて下方向に摺動する。そして、図18(a)に示すように、上下摺動部材52、第1演出用可動体62および第2演出用可動体63がその下方端にまで摺動して進出状態となった段階で、摺動凸部64cも垂直溝部67の摺動可動端にまで達する。つまり、この垂直溝部67の摺動下方端によって摺動凸部64cのそれ以上の下方への移動が規制されることにより、上下摺動部材52、第1演出用可動体62および第2演出用可動体63の下方への移動限界が規制される。
前述してように、揺動アーム78の揺動する力が第2長孔99、嵌合摺動体68c、上下摺動体106、摺動凸部64cによって上下摺動部材52および第1演出用可動体62に伝達されて上下摺動部材52および第1演出用可動体62が垂直方向に移動されるのであり、その際、揺動アーム78の揺動方向(円弧方向)と上下摺動部材52および第1演出用可動体62の第2位置(図17(b)に示す位置)から第3位置(図18(b)に示す位置)への移動方向(垂直方向)との食い違いによって上下摺動部材52および第1演出用可動体62を回動する方向に力が生ずる。しかし、前述したように、上下摺動ガイド部材107は、図19に示すように、上下摺動体106を嵌合させて上下に摺動させるためのガイド部材であり、このガイド部材としての働きにより、揺動アーム78の回動方向の力を上下方向(垂直方向)の力のみにして上下摺動部材52に伝達する。つまり、垂直溝部67、摺動凸部64c、上下摺動ガイド部材107、上下摺動体106、嵌合摺動溝104、嵌合摺動突条105、上下摺動ガイド溝109、上下摺動部材52によって、第1演出用可動体62の回動が規制され、第1演出用可動体62が揺れる不都合も防止できる。
進出状態の上下摺動部材52、第1演出用可動体62および第2演出用可動体63を上方に持ち上げて退避状態にするには、落下モータ16を正転させる。すると、円板状遮蔽部材101とともに凸部100が回動し、その凸部100が第1長孔98に嵌合している揺動アーム78が上方に揺動することとなる。その結果、揺動アーム78の第2長孔99に嵌合している嵌合摺動体68cが上方に持ち上げられて、それに伴って上下摺動体106が嵌合摺動突条105にガイドされて上方に摺動する(図19参照)。
それに伴って、上下摺動体106の受入凹部127に嵌合している摺動凸部64cが上方に持ち上げられて、上下摺動部材52、第1演出用可動体62および第2演出用可動体63が上方に摺動する。これら部材が上方端にまで摺動して退避姿勢になった状態で、揺動アーム78が最上方まで揺動し、その状態で円板状遮蔽部材101に形成されたセンサ用切欠102が上落下センサ7の箇所に達する。その結果、円板状遮蔽部材101により遮蔽されていた上落下センサ7がOFFからONに切換わる。それに伴って、落下モータ16の正転を停止させる。この上下摺動部材52、第1演出用可動体62および第2演出用可動体63が上方に移動してその上方端にまで達した状態で、摺動凸部64cが垂直溝部67の上方端に達してそれ以上の上方への移動が規制される。この垂直溝部67により摺動凸部64cの上方への移動の規制によって、上下摺動部材52、第1演出用可動体62および第2演出用可動体63の上方への移動限界が規制される。
以上説明したように、第1演出用可動体62は所定箇所(嵌合孔53により形成される回動中心)を回動中心として回動することにより基体48における第1位置(図16(b)に示す位置)から第2位置(図17(b)に示す位置)までの領域である回動移動領域を移動可能であるとともに、基体48における第2位置(図17(b)に示す位置)から第3位置(図18(b)に示す位置)までの領域である出退移動領域を移動可能である。この第3位置は、第1位置と第2位置との間の移動奇跡上には存在しない位置である。
摺動凸部64cが円弧状溝部66と垂直溝部67との交差部を除く円弧状溝部66に位置しているときには、円弧状溝部66の下方側壁部により摺動凸部64cの下方向への移動が阻止されるため、第1演出用可動体62と第2演出用可動体63との下方向(垂直方向)の移動が規制される。この状態では、仮に落下モータ16が誤作動したとしても、第1演出用可動体62と第2演出用可動体63とが下方向(垂直方向)に移動することはない。
この状態では、上下摺動部材52が移動可能な方向(回動方向)と、その上下摺動部材52をガイドして摺動させる上下摺動ガイド溝109による移動許容方向(進退方向)とが一致しないために、上下摺動部材52および第1演出用可動体62が進退移動(出退移動)することがなく、たとえ、仮に落下モータ16が誤作動したとしても、第1演出用可動体62が進退移動(出退移動)することはない。
また、摺動凸部64cが円弧状溝部66と垂直溝部67との交差部を除く垂直溝部67に位置しているときには、垂直溝部67の両側部の側壁部により摺動凸部64cの回動方向への移動が阻止され、かつ嵌合凸部72によって嵌合孔53が左右方向に移動しないように支持されているため、第1演出用可動体62の回動が規制される。この状態では、仮に移動モータ12が誤作動したとしても、第1演出用可動体62が回動することはない。
またこの状態では、上下摺動部材52をガイドして摺動させる上下摺動ガイド溝109による移動許容方向が垂直方向であるために、上下摺動部材52および第1演出用可動体62が回動方向に移動することはあり得ず、仮に移動モータ12が誤動作したとしても、回動することはない。
[第2実施の形態]
次に、第2実施の形態を図20〜図30に基づいて説明する。
この第2実施の形態において、前述した第1実施の形態との相違点は、第1演出用可動体62aが、ステッキを模した長細い部材で構成されている点である。また、前述した蓋部材112が、回動軸を中心として下方に回動可能に構成されている点である。そして、第1演出用可動体62aおよび第2演出用可動体63がその下方端にまで摺動して進出状態となったときに、第1演出用可動体62aの先端で蓋部材112が下方に押され、蓋部材112が下方に揺動する。その状態が、図20(b)に示されている。
この第1演出用可動体62aは、有底筒状部材の背面側(遊技者と反対側)を切り取った形状となっており、前面側(遊技者側)は、ステッキの形状を模した装飾的な形状に構成されている。またその先端部分には、耐疲労性、耐摩耗性に優れ、かつ摩擦係数の小さな樹脂材料(たとえばジュラコン(登録商標))で構成された接触保護部が設けられている。この接触保護部113が蓋部材112と接触してその蓋部材112を下方に押し下げる。なお、この接触保護部材113は、蓋部材112と接触したときにその蓋部材112が傷つくことを防止できるような部材であればどのような材質のものであってもよく、たとえばゴム等の軟質の弾性部材で構成してもよい。
すなわち、接触保護部材113は、第1演出用可動体62aなどの構造体に比べて、つるつるした低摩擦の材料(たとえばジュラコンなどの樹脂材料)で構成されており、かつ耐摩耗性に優れている。また、第1演出用可動体62aなどの構造体に比べて、軟らかい材質すなわち硬度の低いたとえばゴムなどであってもよい。
また、蓋部材112の接触保護部113との接触部には、めっき加工が施されていない。これにより、接触によってめっき加工が剥がれて醜くなる不都合が防止できる。
図20(b)に示す第1演出用可動体62aが蓋部材112を押し下げた状態の斜視図が、図21に示されている。第1演出用可動体62aの先端に設けられた接触保護部113が蓋部材112に接触して押し下げている。この状態で、蓋部材112の下方に設けられているLED20a、20bからの直接光が第1演出用可動体62aの背面に照射される。
図22、図23、図24は、蓋部材112が回動自在に取付けられているその回動機構を説明するための図である。蓋部材112は、第1演出用可動体62aにより押し下げられていない通常状態においては、図22に示す上方に揺動した閉鎖状態となっている。まずこの蓋部材112の取付構造を図24(a)(b)に基づいて説明する。前述した演出表示下部飾り部材114に設けられている蓋取付開口116には、蓋周囲飾り部材117が設けられている。この蓋周囲飾り部材117の奥側(遊技者と反対側)の左右両側部に、蓋取付開口116の回動支持部119a、119bを回動自在に軸支する部材が設けられている。蓋部材112は蓋周囲飾り部材117の開口の大きさに合わせたドーム型の形状に構成されている。そしてそのドーム型の蓋部材112の表面側に星印の装飾模様が施されている。
このドーム型の蓋部材112の中心部分から外方にずれた左右箇所に、回動支持部119a、119bが設けられている。それら両回動支持部119a、119bよりも蓋部材112の少し中央寄りに、ばね保持部128a、128bが設けられている。図中118a、118bは捩じりばねであり、その捩じりばね118a、118bのループの孔内に回動支軸119a、119bを挿入して捩じりばね118a、118bを回動支軸119a、119bに外嵌保持させた状態で、スリーブ120a、120bをそれぞれ回動支軸119a、119bに外嵌させ、捩じりばね118a、118bを抜け止め状態に保持する。
図中121a、121bは、捩じりばねの他方端を保持するばね保持部であり、軸支持部材129a、129bに取付け固定されている。そして、回動支軸119a、119bを軸支持部材129a、129bの軸支持用嵌合孔に挿入して回動自在に取付けた状態で、捩じりばね118aの一方端がばね保持部128a、128bで保持されるとともに、捩じりばね118a、118bの他方端がばね保持部121a、121bに保持される。その状態で、捩じりばね118a、118bの復元力によりばね保持部128a、128bが上方に付勢され、蓋部材112が上方に回動して蓋周囲飾り部材117の開口を閉鎖した閉鎖姿勢となる(図22(b)、図24(a)参照)。
一方、図20(b)、図21に示すように、第1演出用可動体62aにより蓋部材112が押されることにより、捩じりばね118a、118bの付勢力に抗して蓋部材112が回動支軸119a、119bを回動中心として下方に回動する(図23(b)、図24参照)。なお、図22(b)、図23(b)中の20aは、発光源としてのLEDである。
図25(a)〜(c)は、第1演出用可動体62aと第2演出用可動体63とが下方に移動して進出状態になることにより、蓋部材112が押し下げられて開放してLED20a、20bからの直接光が第1演出用可動体62aに照射される状態を説明するための図である。まず図25(a)に示すように、第1演出用可動体62aおよび第2演出用可動体63が上方位置にある状態(退避状態)では、LED20a、20bが消灯状態でかつ蓋部材112が閉鎖状態となっている。この状態で、(a)の矢印に示すように、第1演出用可動体62aと第2演出用可動体63とが下方に移動して進出状態となることにより、第1演出用可動体62aの先端部分の接触保護部113により蓋部材112が下方に押されて、回動支軸119a、119bを回動中心として回動する。この状態が(b)に示されている。(b)の拡大図を参照して、蓋部材112が下方に回動した状態では、回動支軸119a、119bからなる回動中心よりも後方側(遊技者とは反対側)が開放された状態となり、その開放部分からLED20a、20bの直接光が第1演出用可動体62aの背面側に照射される。その結果、LED20a、20bからの直接光を受光する第1演出用可動体62aの受光部130は、前面側(遊技者側)から見て光った状態に見える。このように、蓋部材112は、第1演出用可動体62aにより押されることによって、LED20a、20bを覆っている第1状態(図22(b)、図25(a)に示す閉塞状態)からLED20a、20bからの直接光を露出させる第2状態(図23(b)、図25(b)に示す開放状態)に変化する。
また、この閉塞状態と開放状態との変化させるための回動支軸119a、119bは、LED20a、20bとそこからの直接光が照射される受光部130とLED20a、20bとを結ぶ光路を避けて回動中心が位置するように配設されている。これにより、LED20a、20bからの直接光が遮られて受光部130への発光効率が悪くなる不都合を防止することができる。
この受光部130は、前述したように筒状部材の後方側(遊技者とは反対側)を切取った形状であり、受光部130における筒状の肉厚部内面側で直接光を受光してその肉厚部内面に沿って光を導く。この導光部材としての受光部130は、透光性を有し、第1演出用可動体62aの裏面側(LED20a、20b側)から表面側(遊技者側)に光を導く部材で構成されている。なお、受光部130を蛍光物質で構成して、第1演出用可動体62aの裏面側(LED20a、20b側)から表面側(遊技者側)に光を導くように構成してもよい。これにより、受光部130における筒状の肉厚部外面側が光る。その光り方は、受光部130における筒状の肉厚部の色や形状等によりさまざまなものにすることができる。
そして、図25(c)に示すように、第1演出用可動体62aと第2演出用可動体63とを矢印で示すように上方に移動させることにより、蓋部材112が閉鎖状態となる。この状態でも、引続き所定期間LED20a、20bが発光状態を維持するために、LED20a、20bからの光が蓋部材112の裏面側に照射され、蓋部材112自体がLED20a、20bの発光色で発光する状態となる。蓋部材112は半透明部材で構成されているため、蓋部材112が閉じているときには、LED20a、20bからの光が蓋部材112を通して、いわゆる柔らかい間接光が第1演出用可動体62aに照射される状態となる。
前述の図15(a)(b)、図16で説明したように、第1演出用可動体62、62aが嵌合孔53を回動中心として回動するその回動領域を、特定移動領域という。また、図15(d)、図18、図25で説明したように、第1演出用可動体62、62aが退避位置と進出位置との間を移動するその移動領域を、進退移動領域という。
次に図26に基づいて、パチンコ機2の制御回路について説明する。
図26は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図26には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。
RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされている。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
またゲートスイッチ32a、始動口スイッチ13a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ13b、10カウントスイッチ34a、およびV入賞スイッチ34bからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、普通可変入賞球装置15は、可変入賞球装置36を開閉するためのソレノイド15aおよび第2始動入賞口14を構成する電動チューリップを開閉するためのソレノイド24aを遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。さらに、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18、第2特別図柄保留記憶表示器18b、および普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9の表示制御、ランプの点灯制御およびスピーカ27の制御を行なう。
なお、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、図示を省略しているが、演出制御用CPUおよびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータを搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPUは、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバおよび入力ポートを介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPUは、演出制御コマンドに基づいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)に、演出表示装置9の表示制御を行なわせる。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバに入力する。入力ドライバは、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポートを介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
演出制御用CPUは、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(飾り図柄、背景図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPUは、キャラクタROMから読み出したデータをVDPに出力する。VDPは、演出制御用CPUから入力されたデータに基づいて表示制御を実行する。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なうVDPが演出制御基板80に搭載されている。VDPは、演出制御用マイクロコンピュータとは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDPは、VRAM内の画像データを演出表示装置9に出力する。
演出制御基板80に接続されている入力ドライバ回路60には、前述した原点センサ5、移動センサ6、上落下センサ7、下落下センサ21、ロゴセンサ11が接続されている。
原点センサ5、移動センサ6、上落下センサ7、下落下センサ21およびロゴセンサ11のセンサ信号が入力ドライバ回路60を介して演出制御基板80に入力される。
演出制御基板80には、出力回路61が接続されている。この出力回路には、前述した移動モータ12、落下モータ16、ロゴモータ17、ソレノイド19、LED20a,20bが接続されている。そして、演出制御基板80から出力回路61に、移動モータ12制御用信号、落下モータ16制御用信号、ロゴモータ17制御用信号、ソレノイド19用制御信号、LED20a,20b用制御信号が送信される。出力回路61は、それら制御信号を受けて、移動モータ12、落下モータ16、ロゴモータ17を回転駆動制御するとともに、ソレノイド19を励磁制御し、さらにLED20a,20bを点灯制御する。
図27は、メイン側すなわち遊技制御用マイクロコンピュータ560側の可動部演出処理を示すフローチャートである。まずステップS(以下単にSという)1により、役物可動部(第1演出用可動体62と第2演出用可動体63)の演出タイミングになったか否かの判断がなされる。なっていない場合にはS3により、ロゴ演出タイミングになったか否かの判断がなされる。なっていない場合にはS5により、飾り部演出タイミングになったか否かの判断がなされる。なっていない場合にはこのメイン側可動部演出処理が終了する。
たとえば、遊技状態がスーパーリーチ等の役物可動部演出タイミングになった場合には、S1によりYESの判断がなされて制御がS2へ進み、役物可動部演出コマンドを中継基板77を介して演出制御基板80へ送信する制御がなされる。演出制御基板80は、このコマンドを受けて、後述するように可動部演出処理を実行する。なお、大当り予告を行なうときも、役物可動部演出タイミングになりS1によりYESの判断がなされる。
遊技状態が予め定められたロゴ演出タイミングになった場合には、S3によりYESの判断がなされてS4へ進み、ロゴ演出コマンドを演出制御基板80へ送信する制御がなされる。
遊技状態が予め定められた飾り部演出タイミングになった場合にはS5によりYESの判断がなされて制御がS6へ進み、飾り部演出コマンドを演出制御基板80へ送信する制御がなされる。
図28は、サブ側すなわち演出制御基板80側の可動部演出処理を示すフローチャートである。まずS10により、役物可動部演出コマンドを受信したか否かの判断がなされ、受信していない場合にはS26に進み、ロゴ演出コマンドを受信したか否かの判断がなされ、受信していない場合にはS28へ進み、飾り部演出コマンドを受信したか否かの判断がなされ、受信していない場合にはこのサブ側可動部演出処理が終了する。
図27のS2に従って役物可動部演出コマンドが送信されてくれば、S10によりYESの判断がなされてS11に制御が進み、演出表示装置9の演出画面を暗くする制御がなされる。次にS12により、移動モータ12を正転させ、図16(b)の矢印に示すように円板部51を回転させて第1演出用可動体62aを垂直姿勢にさせる。垂直姿勢になった段階で前述したように、移動センサ6がOFFからONに切換わる。その切換わりをS13により判定し、判定された段階でS14により移動モータ6が停止制御される。
次にS15により、落下モータ16を正転させる制御がなされ、第1演出用可動体62aと第2演出用可動体63とを下方に移動させる制御がなされる。そしてS16により、下落下センサ21がONからOFFに切換わったか否かの判断がなされ、切換わるまでこのS15による落下モータ16の正転制御が継続される。第1演出用可動体62aと第2演出用可動体63とが下方端にまで移動して進出状態になった段階で、前述したように下落下センサ21がONからOFFに切換わる。その切換わったことがS16により判定され、制御がS17に進み、落下モータ16を停止させる制御が行なわれる。次にS18により、LED20a、20bを点灯させる制御がなされる。そしてS19により、役物可動部演出終了タイミングであるか否かの判断がなされ、終了タイミングになるまで待機する。そして終了タイミングになった段階で、S20により、落下モータ16を再び正転させる制御が行なわれる。次にS21により、上落下センサ7がOFFからONに切換わったか否かの判断がなされ、切換わるまでS20による落下モータの正転制御が継続される。そして、第1演出用可動体62aと第2演出用可動体63とが上方に移動して退避状態となった段階で前述したように上落下センサ7がOFFからONに切換わる。その切換わりをS21が判定し、制御がS22へ進む。
S22では、落下モータ16を停止させる制御が行なわれる。次にS23により、移動モータ12を逆転させる制御が行なわれる。これにより、円板部51および第1演出用可動体62aが図16(b)の矢印とは反対方向に回動される。次にS24により、原点センサ5がOFFからONに切換わったか否かの判断がなされ、切換わるまでS23による移動モータの逆転制御が継続される。移動モータの逆転によって円板部51および第1演出用可動体62aが回動されて原点位置に復帰して原点姿勢になった段階で、前述したように原点センサ5がOFFからONに切換わる。その切換わりをS24により判定して制御がS25へ進み、移動モータ12を停止させる制御が行なわれる。
S4に従ってロゴ演出コマンドが送信されてくれば、S26によりYESの判断がなされて制御がS27へ進み、ロゴモータ制御処理が実行され、前述した演出用飾り部ロゴ38が倒伏姿勢となる制御が実行される。
S6に従って飾り部演出コマンドが送信されてくれば、S28によりYESの判断がなされて制御がS29へ進み、ソレノイド制御処理が実行される。その結果、前述したように、演出用飾り部39が回動する制御がなされる。
図29および図30は、図28のS11により実行される演出画面を暗くする制御の具体的画面図を示す図である。
まず図29を参照して、パチンコ玉が第1始動口13または第2始動口14に入賞することにより前述したように演出表示装置9が飾り図柄を変動表示する。その状態が、図29(a)に示されている。この段階では、第1演出用可動体62aおよび第2演出用可動体63は、原点位置に復帰した原点姿勢となっている。そして、図29(b)に示すように、まず左図柄が停止して「7」が表示され、次に右図柄が停止して「7」が表示され、「7↓7」のスーパーリーチ状態が発生する。すると、図29(d)に示すように、「スーパー!」のメッセージが演出表示装置9により表示される。
次に、図30(a)に示すように、演出表示装置9の画面が暗くなるとともに、第1演出用可動体62aが回動して垂直姿勢となる。その状態で、図30(b)に示すように、第1演出用可動体62aおよび第2演出用可動体63が下方に移動して進出状態となる。すると、第1演出用可動体62により蓋部材112が下方に押されて蓋部材112が回動する。すると、前述したように、LED20a、20bからの直接光が蓋部材112から漏れ出して第1演出用可動体62aの背面側に照射される。すると、第1演出用可動体62aの受光部130(図25(b)参照)が光り、図30(b)に示すように、背面の暗い演出画面をバックにして第1演出用可動体62aが明るく光り、両者のコントラストによりより一層演出効果が高まる。
次に図30(c)に示すように、第1演出用可動体62aおよび第2演出用可動体63が上方に移動して、蓋部材112が閉鎖状態となる。その状態でも、LED20a、20bが引続き発光しており、その光の発光色に蓋部材112が光り、かつ間接光が蓋部材112から上方に放射される。そして、図30(d)に示すように、第1演出用可動体62aが回動されて再び原点位置に復帰するとともに、演出表示装置9の画面が再び明るく表示され、その段階で「777」の確変大当り図柄が表示結果として導出表示される。この状態においても、引続きLED20a、20bが発光している。なお図29および図30で示された38は演出用飾り部ロゴである。
次に、以上説明した実施の形態における変形例や特徴点等を以下に列挙する。
前述の実施の形態では、中央放出口47から放出されたパチンコ玉Pは、高い確率で第1始動口13、第2始動口14に入賞するものを示したが、その代わりに、中央放出口47から放出されたパチンコ玉Pが100%の確率で第1始動口13あるいは第2始動口14のいずれかに入賞するように構成してもよい。
前述の実施の形態では、奥側誘導路46aによりパチンコ玉Pが前方に誘導された場合に、遊技領域27に放出されるまでの誘導路として手前側誘導路46bすなわち第1ルートや第3ルートからなる有利ルートにおける手前側誘導路46bの誘導ルート部分と兼用しているものを示した。しかし、それに限定されるものではなく、奥側誘導路46aにより前方側に誘導されたパチンコ玉Pを遊技領域27に放出するまでのルートとして、手前側誘導路46bとは異なる専用の誘導路を別途設けてもよい。
前述の実施の形態においては、手前側壁154は、両突条155、156に比べてパチンコ玉Pの転動方向において短く形成されており、側部誘導路157は、手前側壁154におけるパチンコ玉Pの転動方向下手側終端部と手前側誘導路46bとの間の第1始動口13、第2始動口14の直上とは異なる位置にパチンコ玉Pを誘導して放出するものを示した。しかし、それに限定されるものではなく、たとえば、有利ルート151におけるパチンコ玉Pを前方に誘導して放出する前方誘導部分の上方または下方に不利ルート152を立体交差させて形成し、その不利ルート152を第1始動口13および第2始動口14から横方向にずれた箇所にまで延設させ、そこから遊技領域27に放出させるようにしてもよい。
前述の実施の形態では、第3ルート151bは、不利ルート(第2ルート)152に隣接して設けられているとともに、ルート幅をパチンコ玉Pの直径よりも狭く形成してパチンコ玉Pを両突条155、156の峰部で支持した状態で誘導している。その結果、パチンコ玉Pが手前側突条156を乗り越えることによってすぐに不利ルート(第2ルート)152にパチンコ玉Pが移ってその不利ルート(第2ルート)152で誘導される状態になる場合がある。一方、第1ルート151aにより誘導されているパチンコ玉Pの場合には、不利ルート(第2ルート)152に移るには、奥側突条155と手前側突条156との両突条を乗り越える必要がある。その分、第3ルート151bの場合に比べて不利ルート(第2ルート)152にパチンコ玉Pが移る割合が少ない。
前述の実施の形態では、第1ルート151a、第3ルート151b、不利ルート(第2ルート)152のすべてのルートにおいて、そのルート幅をパチンコ玉Pの直径よりも狭く形成している。しかし、それに限定されるものではなく、それら3つのルートのうちの少なくとも1つのルートにおいてそのルート幅をパチンコ玉Pの直径よりも狭く形成したものであってもよい。すなわち、複数のルートを有するステージにおいて、それら複数のルートの数とパチンコ玉Pの直径との積の寸法よりもステージの奥行き方向の寸法を小さくしたものであればよい。
また、第1ルート151aおよび第3ルート151bで誘導されたパチンコ玉Pを第1始動口13の直上に垂直に落としてもよいが、第1始動口13の入り口に向けてパチンコ玉Pを放出するようにしてもよい。そして、不利ルート(第2ルート)152で誘導されたパチンコ玉Pの場合には、第1始動口13の直上に対して左右方向にずれた位置から垂直に落としたり、あるいは第1始動口13の入り口に対してずれた方向に向けてパチンコ玉Pを放出する。このことにより、第1ルート151aおよび第3ルート151bで誘導されたパチンコ玉Pの方が不利ルート(第2ルート)152で誘導されたパチンコ玉Pに比べて、高い確率で第1始動口13あるいは第2始動口14に入賞する。なお、前述の命釘1a、1bをなくしてもよい。
前述の実施の形態においては、奥側(遊技者とは反対側)が有利ルート(第1ルート151aおよび第3ルート151b)で手前側(遊技者側)が不利ルート(第2ルート)152になっているものを示した。しかし、これに限定されるものではなく、奥側(遊技者とは反対側)が不利ルート(第2ルート)152で手前側(遊技者側)が有利ルート(第1ルート151aおよび第3ルート151b)になっていてもよい。その場合には、緩傾斜部150bよりも急傾斜部150aでパチンコ玉Pが誘導された方が有利となり、誘導凹部150によりパチンコ玉Pが膨出部156a以外の箇所に誘導されて膨出部156aに衝突しなかった場合の方が、膨出部156aに衝突するように誘導された場合よりも有利になる。また、パチンコ玉Pが奥側誘導路46aの中央側から図13の左方向に流下して誘導凹部150で誘導されて衝突壁160に衝突しなかった場合の方が、衝突壁160に衝突した場合に比べて有利となる。
前述の実施の形態においては、摺動用ガイド溝65a、65b、65cを基体48側に形成する一方、その摺動用ガイド溝65a、65b、65cに嵌合して摺動する摺動凸部64a、64b、64cは可動部材側(円板部51、上下摺動部材52)に設けたものを示した。しかし、これに限定されるものではなく、たとえば、摺動用ガイド溝65a、65b、65cを可動部材側に設ける一方、そのガイド溝に摺動ガイドされる摺動凸部64a、64b、64cを基体48側に設けてもよい。
前述の実施の形態では、垂直溝部67が垂直の直線形状のものを示した(図16〜図18参照)。しかし、これに限定されるものではなく、たとえば垂直溝部67を左右に蛇行する形状に構成し、第1演出用可動体62、62aが上下に移動するときにその移動に伴って左右に揺動する(スイングする)ように構成してもよい。
前述の実施の形態では、ガイド溝(たとえば、摺動用ガイド溝65c上下摺動ガイド溝109、)と嵌合摺動部(たとえば、摺動凸部64c、上下摺動部材52)とで規制機構を構成している。しかし、これに限定されるものではなく、たとえば、ガイド用の突条とその突条にガイドされて当該突条に沿って移動する車輪等の被ガイド部材とにより、規制機構を構成してもよい。すなわち、規制機構は、ガイド部と当該ガイド部によりガイドされて移動する被ガイド部であれば、どのような構成のものであってもよい。
前述の実施の形態では、嵌合孔53により形成される回動中心周りで第1演出用可動体62、62aの姿勢を変えるため、すなわち、第1演出用可動体62、62aがその位置で回動して姿勢変更するため、比較的小スペースで姿勢変更が可能になる利点がある。なお、嵌合孔53自体が進退方向に移動するものであり、前述の回動中心は、常に位置が固定されたものではなく、位置が移動するものである。また、回動中心は第1演出用可動体62、62aから離れた位置にあってもよい。この場合は、第1演出用可動体62、62aが円弧運動(公転)することになり、その円弧運動の或る位置に達したときに第1演出用可動体62、62aと第2演出用可動体63とが進退移動可能となるようにしてもよい。この場合、第1演出用可動体62、62aの円弧上での移動を規制(ロック)することにより、簡単に第1演出用可動体62、62aと第2演出用可動体63の進退方向の移動を規制できる。
前述の実施の形態では、円弧状溝部66を採用したが(図16〜図18の(a)参照)、それに代えて、たとえば直角に屈折した溝等であってもよい。
また、前述の実施の形態では、移動センサ6がONにならない限り下落下センサ21がONになることはない。よって、移動センサ6がONにならず下落下センサ21がONになると演出制御基板80によりエラーと判定してエラー報知等の異常時処理を行なうようにしてもよい。さらに、逆に、下落下センサ21がONのときに移動センサ6がOFFになることはない。よって、下落下センサ21がONのときに移動センサ6がOFFになると演出制御基板80によりエラーと判定してエラー報知等の異常時処理を行なうようにしてもよい。
前述の実施の形態では、保留記憶表示をそれぞれ専用の保留記憶表示器18a、18b、41で表示しているが(図26参照)、それに代えて、演出表示装置9により保留記憶表示を行なってもよい。その場合に、第1演出用可動体62,62aや第2演出用可動体63を動かした場合には保留記憶表示が第1演出用可動体62,62aや第2演出用可動体63に隠れて遊技者が保留記憶数を誤認する虞がある。その保留記憶数の誤認の不都合を防止するべく、第1演出用可動体62,62aや第2演出用可動体63を動かすときに、演出制御基板80により保留記憶数の表示を消す制御を行なってもよい。具体的には、図28のS10の役物可動部演出コマンドを受信したとき、あるいは、S13による移動センサ6がOFFからONになったときに、演出制御基板80により保留記憶数の表示を消す制御を行なう。また、保留記憶表示を消すタイミングは、第1演出用可動体62,62aや第2演出用可動体63を動かすときではなく、演出画面を暗くするときに合わせたタイミングであってもよい。
なお、センター飾り(役物)22は、スーパーリーチのときばかりでなく、大当り予告のときにも動作する。そして、センター飾り(役物)22の動作として、第1演出用可動体62が回動して第2演出用可動体63と第1演出用可動体62とが下降する第1動作パターンと、第1演出用可動体62が回動するのみの第2動作パターンとが選択的に実行されるようにしてもよい。その場合に、第1動作パターンは、第2動作パターンに比べて大当りが発生するときに実行される割合が高くなるように動作制御される。つまり、第1動作パターンの方が第2動作パターンに比べて大当りの信頼度が高い。そして、いずれの動作パターンが実行されるときにおいても演出制御基板80により保留記憶数の表示を消す制御を行なう。これは、第2動作パターンのときに保留記憶数の表示を消さなかったとした場合に、保留記憶数の消灯の有無しだいでセンター飾り(役物)22の動作パターンすなわち大当りの信頼度を遊技者に見破られてしまう不都合が生じるのであり、そのような不都合を防止するためである。なお、スーパーリーチとは、ノーマルリーチ(通常リーチ)に比べて大当り発生の信頼度の高いリーチである。
保留記憶数の誤認の不都合を防止する他の方法としては、第1演出用可動体62,62aや第2演出用可動体63を動かすときに、その第1演出用可動体62,62aや第2演出用可動体63で隠れない位置に保留記憶表示を移動させて表示するように、演出制御基板80により演出表示装置9を制御してもよい。
さらに、第4図柄を演出表示装置9で表示させてもよい。この第4図柄とは、特別図柄表示器8a、8bが変動していることを示す図柄であり、演出表示装置9が表示する前述した飾り図柄とは異なるものである。飾り図柄はスーパーリーチのときには表示を消す場合があるが、そのときも第4図柄は表示し続ける。第1演出用可動体62,62aや第2演出用可動体63を動かした場合にこの第4図柄が第1演出用可動体62,62aや第2演出用可動体63に隠れて遊技者が見えなくなる不都合を防止するべく、その第1演出用可動体62,62aや第2演出用可動体63で隠れない位置に第4図柄を移動させて表示するように、演出制御基板80により演出表示装置9を制御してもよい。
また、飾り図柄の場合にも同様に、第1演出用可動体62,62aや第2演出用可動体63を動かして飾り図柄が第1演出用可動体62,62aや第2演出用可動体63に隠れて遊技者が見えなくなる不都合を防止するべく、その第1演出用可動体62,62aや第2演出用可動体63で隠れない位置に飾り図柄を移動させて表示するように、演出制御基板80により演出表示装置9を制御してもよい。
前述した実施の形態では、発光体(LED20a、20b)を覆っている透光性の覆い体としての蓋部材112を、回動支軸119a、119bを回動中心として回動する1枚の蓋で構成した。しかし、それに限らず、たとえば、スライド(摺動)する蓋部材であってもよい。つまり、所定のスライドガイド部に沿って蓋部材がスライド可能であり、LED20a、20bを覆う位置(閉じる位置)にばね等で付勢されており、その付勢に抗して第1演出用可動体62aが蓋部材を押してスライドして開く位置(LED20a、20bの直接光が露出する位置)に移動可能に構成したものであってもよい。
他の例としては、蓋部材を複数枚に分割された板状部材で構成し、LED20a、20bからの直接光が露出しないようにばね等の弾性力で各板部材が閉じた姿勢に付勢されており、たとえばある蓋状部材を第1演出用可動体62aが押すことによりすべての板状部材が連動して回動して開き、LED20a、20bからの直接光が外部に露出するように構成してもよい。
さらに他の例としては、回動支軸を回動中心として回動する蓋部材に代えて、所定のガイド部材に沿って蓋部材全体が上下に動くものであり、ばね等の弾性力で上方に付勢されており、その付勢に抗して第1演出用可動体62aが蓋部材を押して没入させることにより、LED20a、20bの直接光が外部に露出するように構成してもよい。
前述の実施の形態では、第1演出用可動体62aが、蓋部材112を押し下げる動作を行なったが、その押し下げる第1動作パターンと押し下げる直前で停止する第2動作パターンを選択的に実行するように制御してもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。