JP5670934B2 - 弾球遊技機 - Google Patents

Description

本発明は、遊技領域が形成された遊技盤に遊技球を発射することによって遊技を行うパチンコ機等の弾球遊技機に関する。

遊技盤に設けられた始動口に遊技球が入球することを契機に、図柄を変動表示させて停止表示させる図柄変動遊技を実行する弾球遊技機が知られている。こうした弾球遊技機では、図柄変動遊技にて「当り図柄」が停止表示されると、遊技盤に設けられた大入賞口を開放状態にする当り遊技を実行する。そして、当り遊技終了後に、「当り図柄」が停止表示される確率が低い「低確率状態」または「当り図柄」が停止表示される確率が低確率状態より高い「高確率状態」を発生させる。もちろん、「当り図柄」が停止表示されて当り遊技が実行されることは遊技者にとって有利であるので、遊技者は当り遊技終了後に「高確率状態」が発生することを期待する。

近年では、当り遊技中に大入賞口に入球した遊技球が特定領域を通過すると、該当り遊技終了後に「高確率状態」を発生させる弾球遊技機が提案されている。このような弾球遊技機では、「当り遊技中に大入賞口から入球した遊技球が特定領域を通過すること」を遊技者に期待させることで、当り遊技中の遊技興趣の向上を図っている（特許文献１）。

特開２００６−１７４８７４号公報

しかしながら、従来の弾球遊技機は、「当り遊技中に大入賞口から入球した遊技球が特定領域を通過すること」を遊技者に期待させることはできるものの、当り遊技の多様性に欠け、当り遊技中の遊技興趣を十分に高められるものではなかった。

本発明は、従来技術における上述した課題を解決するためになされたものであり、当り遊技中の特定領域への遊技球通過に伴って高確率状態を発生させる弾球遊技機における遊技興趣を、従来に比して向上させることを目的とする。

上述した課題の少なくとも一部を解決するために、本発明の弾球遊技機は次の構成を採用した。すなわち、
遊技盤に設けられた始動口と、
遊技球が入球不能な閉鎖状態と、遊技球が入球可能な開放状態とに変化可能であって、内部に特定領域が設けられた大入賞口と、
前記始動口に遊技球が入球すると、図柄表示装置にて図柄を変動表示させ、該変動表示する図柄を当り図柄または外れ図柄で停止表示する図柄表示手段と、
前記当り図柄が停止表示すると、前記大入賞口を前記開放状態とする当り遊技を実行する当り遊技実行手段と、
前記開放状態となった前記大入賞口に入球した遊技球のうち所定の遊技球について、前記特定領域を通過したか否かの判定を行う通過判定手段と、
前記通過判定手段によって前記所定の遊技球が前記特定領域を通過したと判定された場合に、前記当り遊技の終了後に、前記図柄が前記当り図柄で停止表示される確率を通常よりも高める高確率状態を発生させる高確率状態発生手段と
を備え、
前記通過判定手段は、
前記開放状態となった前記大入賞口に入球した遊技球のうち、所定個数目に入球した遊技球に対して、前記特定領域を通過したか否かを判定し、
前記当り遊技実行手段は、前記当り遊技として、
前記開放状態となった前記大入賞口に入球した遊技球のうち、第１の個数目に入球した遊技球に対して前記判定が行われる第１当り遊技、または、前記開放状態となった前記大入賞口に入球した遊技球のうち、前記第１の個数目よりも後の第２の個数目に入球した遊技球に対して前記判定が行われる第２当り遊技を実行する
ことを特徴とする。

このような弾球遊技機では、当り遊技中に大入賞口に入球した遊技球のうち、所定の遊技球について、大入賞口内の特定領域を通過したか否かを判定する。この判定の結果、遊技球が特定領域を通過したと判定された場合には、当り遊技終了後に高確率状態を発生させる。そして、当り遊技として、「特定領域を通過したか否かの判定対象となる遊技球」が互いに異なる複数種類の当り遊技のいずれかを実行可能とされる。このように、当り遊技の種類に応じて「特定領域を通過したか否かの判定対象となる遊技球」を異ならせることで、実行される当り遊技毎に「遊技者の注目対象となる遊技球」を変化させることができ、遊技球が特定領域を通過するか否かに注目させるという当り遊技を多様に実現することができる。この結果、当り遊技中の特定領域への遊技球通過に伴って高確率状態を発生させる弾球遊技機における遊技興趣を、従来に比して向上させることが可能となる。

また、当り遊技の種類に応じて、「遊技球が特定領域を通過するか否かに遊技者を注目させる時期」を多彩にすることができ、当り遊技中の遊技興趣を一層向上させることが可能となる。

また、上述した弾球遊技機は、
前記通過判定手段は、
前記開放状態となった前記大入賞口に入球した遊技球のうち、所定個数の遊技球について前記特定領域を通過したか否かを判定し、
前記当り遊技実行手段は、
前記開放状態となった前記大入賞口に入球した遊技球のうち、第１個数の遊技球に対して前記判定が行われる第３当り遊技、または、前記開放状態となった前記大入賞口に入球した遊技球のうち、前記第１個数よりも多い第２個数の遊技球に対して前記判定が行われる第４当り遊技を実行する
こととしてもよい。

このような弾球遊技機によれば、当り遊技の種類に応じて、「遊技球が特定領域を通過するか否かに遊技者を注目させる時期」および「遊技球が特定領域を通過するか否かに遊技者を注目させる期間の長さ」を多彩にすることができ、当り遊技中の遊技興趣を一層向上させることが可能となる。

本発明によれば、当り遊技中の特定領域への遊技球通過に伴って高確率状態を発生させる弾球遊技機における遊技興趣を、従来に比して向上させることができる。

本実施例の弾球遊技機（パチンコ機１）の正面図である。 本実施例の遊技盤の盤面構成を示す説明図である。 本実施例の第１図柄表示装置および第２図柄表示装置の構成を示す説明図である。 本実施例の演出表示装置の画面構成を示す説明図である。 本実施例の第２始動入賞装置の構成を示す説明図である。 本実施例の下部装置ユニットの構成を示す斜視図である。 本実施例の開閉板およびその周辺の構成を排除した大入賞装置の内部構造を示す斜視図である。 本実施例の上回動ガイド部材の動作を示す説明図である。 本実施例の下回動ガイド部材の動作を示す説明図である。 本実施例の制御回路の構成を示したブロック図である。 本実施例の普通図柄表示部の表示態様を示した説明図である。 本実施例の第１特別図柄あるいは第２特別図柄が変動表示する特別図柄を示した説明図である。 本実施例の演出表示装置で行われる演出の一態様を例示した説明図である。 本実施例の遊技制御処理を示すフローチャートである。 本実施例の特図保留関連処理を示すフローチャートである。 本実施例の特別図柄遊技処理を示したフローチャートである。 本実施例の特別図柄遊技処理を示したフローチャートである。 本実施例の特図変動表示処理を示すフローチャートである。 本実施例の特図変動表示処理を示すフローチャートである。 本実施例の大当り判定テーブルを概念的に示す説明図である。 本実施例の大当り図柄決定テーブルを概念的に示した説明図である。 本実施例の大当り遊技の種類を示す説明図である。 本実施例の大当り遊技処理を示すフローチャートである。 本実施例の特定・非特定振分処理を示すフローチャートである。 本実施例の判定・非判定振分処理を示すフローチャートである。 本実施例の判定・非判定振分処理を示すフローチャートである。 本実施例のパチンコ機によって得られる遊技性を示す説明図である。

上述した本発明の内容を明確にするために、本発明を「セブン機」や「デジパチ」と呼ばれるタイプのパチンコ機（弾球遊技機）に適用した実施例について説明する。

Ａ．パチンコ機の装置構成 ：
Ａ−１．装置前面側の構成 ：
図１は、本実施例のパチンコ機１の正面図である。図１に示すように、パチンコ機１の前面部は、大きくは、前面枠４、上皿部５、下皿部６、遊技盤１０などから構成されている。なお、図１では遊技盤１０の詳細な図示を省略している。前面枠４は、図示しない中枠３に取り付けられており、中枠３は図示しない本体枠２に取り付けられている。中枠３はプラスチック材料で成形されており、本体枠２の内側に取り付けられている。本体枠２は、木製の板状部材を組み立てて構成された略長方形の枠体であり、パチンコ機１の外枠を形成している。前面枠４の一端は中枠３に対して回動可能に軸支されており、中枠３の一端は本体枠２に対して回動可能に軸支されている。遊技盤１０は中枠３の前面側に着脱可能に取り付けられており、その前面側が前面枠４で覆われている。

前面枠４は、プラスチック材料で成形されており、略中央部には円形状の窓部４ａが形成されている。この窓部４ａにはガラス板等の透明板が嵌め込まれており、奥側に配置される遊技盤１０の盤面が視認可能となっている。また、前面枠４には、遊技効果を高めるための各種ランプ類４ｂ〜４ｆが設けられている。前面枠４の下方には上皿部５が設けられており、上皿部５の下方には下皿部６が設けられている。また、前面枠４の右側には施錠装置９が設けられており、前面枠４の左側にはプリペイドカード式の球貸装置１３（ＣＲユニット）が設けられている。

上皿部５には、皿状の凹部と、凹部を取り巻くように形成された皿外縁部５ａとが設けられている。遊技球は、上皿部５に形成された凹部に投入されて、発射装置ユニット１２（図１０参照）に供給される。また、皿外縁部５ａには、遊技球の球貸スイッチ５ｂ、返却スイッチ５ｃ、投入した遊技球を排出するための排出ボタンなど、各種のボタン類が設けられている。上皿部５の左部にはスピーカー５ｙが設けられている。また、上皿５の前面側には、演出ボタンＢＴが設けられている。遊技者は、演出ボタンＢＴを押すことによって、遊技演出に関連する項目を選択するなど、遊技演出の進行に介入することが可能となっている。

下皿部６には、パチンコ機１の内部から遊技球を排出するための排出口６ａが設けられており、排出された遊技球は下皿部６内に貯留される。下皿部６の右端には発射ハンドル８が設けられている。発射ハンドル８には、遊技者がハンドルに触れていることを検出するタッチスイッチ８ａが設けられている。発射ハンドル８の回転軸は、下皿部６の奥側に搭載された図示しない発射装置ユニット１２に接続されており、遊技者が発射ハンドル８を回転させると、その動きが発射装置ユニット１２に伝達され、ユニットに内蔵された図示しない発射モータが回転して、回転角度に応じた強さで遊技球が発射される。発射ハンドル８の左側面には、遊技者が操作して遊技球の発射を一時的に停止する発射停止スイッチ８ｂが配置されている。

Ａ−２．遊技盤の構成 ：
図２は、遊技盤１０の盤面構成を示す説明図である。前述したように、遊技盤１０は中枠３の前面側に着脱可能に取り付けられている。図２に示すように、遊技盤１０の中央には、外レール１４と内レール１５とによって囲まれた略円形状の遊技領域１１が形成されている。上述した発射装置ユニット１２から発射された遊技球は、外レール１４と内レール１５との間を通って遊技領域１１に放出され、遊技領域１１の上方から下方に向かって流下する。

遊技領域１１の略中央には中央装置２６が設けられており、中央装置２６のほぼ中央には、演出表示装置２７が設けられている。演出表示装置２７は液晶表示器によって構成されており、その表示画面上では、識別図柄や背景画像などの種々の演出図柄を変動表示した後に停止表示することが可能となっている。演出表示装置２７の表示画面上で表示される各種の演出図柄については後述する。

演出表示装置２７の左斜め下方には第１図柄表示装置２８が設けられ、演出表示装置２７の右斜め下方には第２図柄表示装置３２が設けられている。このうち、演出表示装置２７の左下方に設けられた第１図柄表示装置２８では、普通図柄や第１特別図柄を変動停止表示することが可能となっており、演出表示装置２７の右下方に設けられた第２図柄表示装置３２では、第２特別図柄を変動表示することが可能となっている。第１図柄表示装置２８や、第２図柄表示装置３２の詳細な構成については後述する。尚、以下では、第１特別図柄を単に「第１特図」と略記し、第２特別図柄を単に「第２特図」と略記することがあるものとする。

遊技領域１１の左側および右側には、普通図柄作動左ゲート３６と普通図柄作動右ゲート３７とが設けられており、これらのゲートの内部には、遊技球の通過を検出するゲートスイッチ３６ｓ，３７ｓがそれぞれ設けられている。更に、普通図柄作動左ゲート３６の下方には、ランプ風車２４が設けられている。これら各遊技装置の間および周辺には、多数の障害釘（図示略）が設けられている。

演出表示装置２７の下方には第１始動口１６ａを有する第１始動入賞装置１６が設けられている。第１始動口１６ａは、遊技球の入球を許容する遊技球受入口の大きさが不変（一定）で、遊技球が常時入球可能となっている固定式の入球口である。また、演出表示装置２７の右側、且つ、普通図柄作動ゲート３７の下方には、第２始動口１７ａを有する第２始動入賞装置１７が設けられている。第２始動入賞装置１７には、第２始動口１７ａを挟んで両側に一対の翼片部が開閉可能に取り付けられている。すなわち、第２始動口１７ａは、いわゆるチューリップ式の入球口となっている。第２始動入賞装置１７の詳細な構成については、別図を用いて後述する。

第１始動口１６ａあるいは第２始動口１７ａに入球した遊技球は、それぞれの内部に設けられた通路を通って遊技盤１０の裏面側に導かれる。第１始動口１６ａの内部の通路の途中には第１始動口スイッチ１６ｓが設けられ、第２始動口１７ａの内部の通路の途中には第２始動口スイッチ１７ｓが設けられており、第１始動口１６ａあるいは第２始動口１７ａに入球した遊技球はそれぞれ第１始動口スイッチ１６ｓあるいは第２始動口スイッチ１７ｓによって検出されるようになっている。

第１始動入賞装置１６の下方には大入賞装置５０が設けられている。大入賞装置５０は略長方形状に大きく開放する大入賞口５０ａや、大入賞口５０ａを開閉させる開閉板５０ｂ、開閉板５０ｂを駆動する大入賞口ソレノイド５０ｍ等から構成されている。また、大入賞装置５０には、大入賞口５０へ遊技球が入球したことを検出する大入賞口スイッチ５０ｓが設けられている。大入賞装置５０の詳細な構成については、別図を用いて後述する。遊技盤１０の最下部にはアウト口４８が設けられている。何れの入球口にも入球しなかった（入賞しなかった）遊技球は、アウト口４８を介して遊技領域１１から排出される。

図３は、本実施例のパチンコ機１に搭載された第１図柄表示装置２８および第２図柄表示装置３２の構成を示す説明図である。図３（ａ）は第１図柄表示装置２８を表しており、図３（ｂ）は第２図柄表示装置３２を表している。初めに第１図柄表示装置２８の構成について説明する。図３（ａ）示されているように、本実施例の第１図柄表示装置２８は、略矩形の領域内に１２個の小さな発光ダイオード（ＬＥＤ）が組み込まれて構成されている。これら１２個のＬＥＤのうちの、３個のＬＥＤは普通図柄表示部２９を構成しており、残りの９個のＬＥＤは第１特別図柄表示部３０を構成している。更に、普通図柄表示部２９は、普通図柄を表示するための１個のＬＥＤ（以下、普通図柄ＬＥＤ２９ａと呼ぶ）と、普通図柄の保留数を表示するための２個のＬＥＤ（以下、普図保留表示ＬＥＤ２９ｂと呼ぶ）とから構成されている。また、第１特別図柄表示部３０は、第１特別図柄を表示するための７個のＬＥＤ（以下、第１特別図柄ＬＥＤ３０ａと呼ぶ）と、第１特別図柄の保留数を表示するための２個のＬＥＤ（以下、第１特図保留表示ＬＥＤ３０ｂと呼ぶ）とから構成されている。尚、以下では、第１特別図柄（第１特図）の保留を「第１特図保留」と呼び、第１特図の保留数を「第１特図保留数」と呼ぶことがあるものとする。

図３（ｂ）に示した第２図柄表示装置３２は、上述した第１図柄表示装置２８に対して普通図柄表示部２９を取り除いた構成となっている。すなわち、第２図柄表示装置３２には、９個のＬＥＤから構成される第２特別図柄表示部３３が設けられており、そのほぼ中央に設けられた７個のＬＥＤは、第２特別図柄を表示するためのＬＥＤ（以下、第２特別図柄ＬＥＤ３３ａと呼ぶ）であり、残りの２個のＬＥＤは、第２特別図柄の保留数を表示するためのＬＥＤ（以下、第２特図保留表示ＬＥＤ３３ｂと呼ぶ）となっている。尚、以下では、第２特別図柄（第２特図）の保留を「第２特図保留」と呼び、第２特図の保留数を「第２特図保留数」と呼ぶことがあるものとする。

図４は、本実施例のパチンコ機１に搭載された演出表示装置２７の画面構成を示す説明図である。前述したように、演出表示装置２７は液晶表示器を用いて構成されており、その表示画面上には、３つの識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃと、その背景の背景画像２７ｄが表示されている。３つの識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃは、第１特別図柄表示部３０および第２特別図柄表示部３３における特別図柄の変動表示の開始タイミングと同期して変動表示を開始し、その後、特別図柄の変動時間が経過するまで種々の態様で変動表示を行う。そして、特別図柄の変動表示の終了タイミング（特別図柄の停止表示）と同期して３つの識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃの変動表示が終了する。この３つの識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃの変動表示および停止表示によって図柄変動演出が実現される。

図５は、本実施例のパチンコ機１の第２始動入賞装置１７の構成を示す説明図である。前述したように第２始動入賞装置１７には第２始動口１７ａが設けられている。また、第２始動口１７ａは、一対の翼片部１７ｗによって開閉式（チューリップ式）の入球口（可変始動口）として構成されている。具体的には、一対の翼片部１７ｗは、ほぼ直立した閉鎖状態（図５（ａ）参照）と、外側に向かって回転した開放状態（図５（ｂ）参照）との２つの状態を取ることが可能である。図５（ａ）に示すように、一対の翼片部１７ｗがほぼ直立した第２始動口１７ａの閉鎖状態は、第２始動口１７ａの上方に設けられた障害釘２３が障害となって、遊技球が第２始動口１７ａに入球することができない状態である。これに対して、図５（ｂ）に示すように、一対の翼片部１７ｗが外側に開いた第２始動口１７ａの開放状態は、遊技球が障害釘２３と翼片部１７ｗとの間を通過して、第２始動口１７ａに入球し得る状態である。

図６は、本実施例のパチンコ機１の下部装置ユニットの構成を示す斜視図である。図２に示すように、下部装置ユニット７０Ｕは遊技盤１０の前面（盤面）に装着されるベース基板７０Ｂを備える。このベース基板７０Ｂは、正面形状が略Ｌ字形状の板状体で構成され、遊技盤１０における第１始動入賞装置１６の右側方から下方に至る部位に配設される。つまり、ベース基板７０Ｂは、ベース基板７０Ｂの後方に突出する構成を遊技盤１０に形成される取付孔（図示せず）に挿入し、ベース基板７０Ｂの周縁部が遊技盤１０の前面部にビス止めされることで、遊技盤１０に固定されている。また、ベース基板７０Ｂにおいて、第１始動入賞装置１６の真下に位置する部位には大入賞装置５０が配設されている。

大入賞装置５０は、図６に示すように、遊技球が受け入れ可能に開放される大入賞口５０ａと、大入賞口５０ａを開閉するための開閉板５０ｂと、この開閉板５０ｂを駆動するための大入賞口ソレノイド５０ｍとを備える。開閉板５０ｂは正面形状が略矩形に形成され、その下端部が「ベース基板７０Ｂにおける大入賞口５０ａの下端側を構成する部位」に軸支されることで、前方に傾動可能に構成されている。開閉板５０ｂが起立姿勢にあるときには大入賞口５０ａは閉鎖状態となり、この状態で大入賞口ソレノイド５０ｍを駆動（通電）すると、開閉板５０ｂの姿勢が前傾姿勢に変更され、大入賞口５０ａは開放状態となる。その状態で大入賞口ソレノイド５０ｍの駆動（通電）を停止すると、開閉板５０ｂの姿勢が起立姿勢に戻される。開閉板５０ｂが起立姿勢となると、開閉板５０ｂが大入賞口５０ａを閉鎖するため、大入賞口５０ａへの遊技球の入球が不可能となり（閉鎖状態）、開閉板５０ｂがその下端部を支点に前方に傾動して前傾姿勢となると、大入賞口５０ａが開放されて大入賞口５０ａへの遊技球の入球が可能となる（開放状態）。

次に、大入賞装置５０の内部構造について説明する。

図７は、本実施例の開閉板５０ｂおよびその周辺の構成を排除した大入賞装置５０の内部構造を示す斜視図である。大入賞装置５０において、開閉板５０ｂの姿勢が前傾姿勢にあるときには大入賞装置５０ａが開放状態となり、大入賞装置５０の内部（大入賞口５０ａの内部）を前方から遊技者が視認可能となっている。図７に示すように、大入賞装置５０内部の空間は、上回動ガイド部材３１０および上固定ガイド部材３２０によって、非判定空間３００と判定空間４００とに上下に区画されている。さらに、これらの空間のうち判定空間４００は、下回動ガイド部材４３０および下固定ガイド部材４４０によって、非特定空間４１０と特定空間４２０とに上下に区画されている。大入賞口５０ａは、大入賞口５０ａに入球した遊技球が、大入賞装置５０内部の空間のうち最初に非特定領域３００の左部分（上回動ガイド部材３１０の上方）に案内されるように構成されている（図示省略）。具体的には、大入賞口５０ａの左部分（上回動ガイド部材３１０の上方）のみが、遊技球の通過が可能に形成されている。

また、上回動ガイド部材３１０は、軸支部３１０ｊが大入賞装置５０の内壁に軸支されている。そして、上回動ガイド部材３１０は、上回動ソレノイド３１０ｍ（図１０参照）を制御することによって、軸支部３１０ｊを支点にして上下に回動させることが可能である。また、下回動ガイド部材４３０は、軸支部４３０ｊが大入賞装置５０の内壁に軸支されている。そして、下回動ガイド部材４３０は、下回動ソレノイド４３０ｍ（図１０参照）を制御することによって、軸支部４３０ｊを支点にして上下に回動させることが可能である。

また、大入賞装置５０の内壁における右部分（非判定空間３００と非特定空間４１０とが連通する部分）には、非特定領域５００が開口して形成されている。さらに、大入賞装置５０の内壁における非特定領域５００の下方（特定空間４２０の右部分）には、特定領域５１０が開口して形成されている。非特定領域５００および特定領域５１０は、遊技球の通過が可能な程度の大きさに開口されている。

図８は、本実施例の上回動ガイド部材３１０の動作を示す説明図である。上回動ガイド部材３１０は、図８（ａ）に示すように、その上面が上固定ガイド部材３２０の上面と同一平面上にある状態（以下、「非判定状態」ともいう）と、図８（ｂ）に示すように、非判定状態から下方に回転した、非判定空間３００と判定空間４００（非特定空間４１０）とを連通する状態（以下、「判定状態」ともいう）とに回動可能である。図８（ａ）に示すように、上回動ガイド部材３１０および上固定ガイド部材３２０は、非判定状態においてこれらの上面が非特定領域５００に向かって下方に傾斜するように、取り付けられている。従って、上回動ガイド部材３１０が非判定状態にある場合は、大入賞口５０ａに入球した遊技球は、上回動ガイド部材３１０の上面および上固定ガイド部材３２０の上面を転動して、非特定領域５００を通過する。また、図８（ｂ）に示すように、上回動ガイド部材３１０が判定状態にある場合は、大入賞口５０に入球した遊技球は、上回動ガイド部材３１０と上固定ガイド部材３２０の間を通過して、判定空間４００のうちの非特定空間４１０に進入する。

図９は、本実施例の下回動ガイド部材４３０の動作を示す説明図である。下回動ガイド部材４３０は、図９（ａ）に示すように、その上面が下固定ガイド部材４４０の上面と同一平面上にある状態（以下、「非特定領域通過状態」ともいう）と、図９（ｂ）に示すように、非特定領域通過状態から下方に回転した、非特定空間４１０と特定空間４２０とを連通する状態（以下、「特定領域通過状態」ともいう）とに回動可能である。図９（ａ）に示すように、下回動ガイド部材４３０および下固定ガイド部材４４０は、非特定領域通過状態において上面が非特定領域５００に向かって下方に傾斜するように、取り付けられている。従って、下回動ガイド部材４３０が非特定領域通過状態にある場合は、非判定空間３００から判定空間４００（非特定空間４１０）に進入した遊技球は、下回動ガイド部材４３０の上面および下固定ガイド部材４４０の上面を転動して、非特定領域５００を通過する。また、図９（ｂ）に示すように、下回動ガイド部材４３０が特定領域通過状態にある場合は、非判定空間３００から判定空間４００（非特定空間４１０）に進入した遊技球は、下回動ガイド部材４３０と下固定ガイド部材４４０の間を通過して、特定空間４２０に進入した後、特定領域５１０を通過する。

以上のように、本実施例のパチンコ機１では、上回動ガイド部材３１０が非判定状態にある場合は（図８（ａ））、大入賞口５０ａに入球した遊技球は非特定領域５００を通過する。また、上回動ガイド部材３１０が判定状態にある場合は（図８（ｂ））、大入賞口５０ａに入球した遊技球は判定空間４００のうちの非特定空間４１０に進入する。そして、非特定空間４１０に進入した遊技球は、下回動ガイド部材４３０が非特定領域通過状態である場合は（図９（ａ））非特定領域５００を通過し、下回動ガイド部材４３０が特定領域通過状態である場合は（図９（ｂ））特定領域５１０を通過する。

Ａ−３．制御回路の構成 ：
次に、本実施例のパチンコ機１における制御回路の構成について説明する。図１０は、本実施例のパチンコ機１における制御回路の構成を示したブロック図である。図示されているようにパチンコ機１の制御回路は、多くの制御基板や、各種基板、中継端子板などから構成されているが、その機能に着目すると、遊技（後述の図柄変動遊技や大当り遊技）の基本的な進行や賞球に関わる当否についての制御を司る主制御基板２００と、演出図柄やランプや効果音を用いた遊技の演出の制御を司るサブ制御基板２２０と、サブ制御基板２２０の制御の下で演出表示装置２７の具体的な制御を行う演出制御基板２３０と、貸球や賞球を払い出す動作の制御を司る払出制御基板２４０と、遊技球の発射に関する制御を司る発射制御基板２６０などから構成されている。これら制御基板は、各種論理演算および算出演算を実行するＣＰＵや、ＣＰＵで実行される各種プログラムやデータが記憶されているＲＯＭ、プログラムの実行に際してＣＰＵが一時的なデータを記憶するＲＡＭなど、種々の周辺ＬＳＩがバスで相互に接続されて構成されている。尚、図１０中に示した矢印の向きは、データあるいは信号を入出力する方向を表している。また、図１０では、主制御基板２００に搭載されたＣＰＵ２０１やＲＯＭ２０２、ＲＡＭ２０３、サブ制御基板２２０に搭載されたＣＰＵ２２１、ＲＯＭ２２２、ＲＡＭ２２３のみが図示されている。

主制御基板２００は、第１始動口スイッチ１６ｓや、第２始動口スイッチ１７ｓ、大入賞口スイッチ５０ｓ、ゲートスイッチ３６ｓ，３７ｓ、非特定領域５００を遊技球が通過したことを検出する非特定領域検出スイッチ５００ｓ、特定領域５１０を遊技球が通過したことを検出する特定領域検出スイッチ５１０ｓなどから遊技球の検出信号の入力があると、その検出信号の入力のあったスイッチに応じて定められる各種動作を指令するコマンドを、サブ制御基板２２０や、払出制御基板２４０、発射制御基板２６０などに向かって送信する。また、主制御基板２００には、第２始動入賞装置１７の第２始動口１７ａに設けられた一対の翼片部１７ｗを開閉させるための始動口ソレノイド１７ｍや、大入賞口５０ａを開閉させるための大入賞口ソレノイド５０ｍ、上回動ガイド部材３１０を回動させるための上回動ソレノイド３１０ｍ、下回動ガイド部材４３０を回動させるための下回動ソレノイド４３０ｍ、更には、第１図柄表示装置２８や第２図柄表示装置３２などが中継端子板（図示略）を介して接続されており、これら各種ソレノイド１７ｍ，５０ｍ，３１０ｍ，４３０ｍ、第１図柄表示装置２８、第２図柄表示装置３２に向かって駆動信号を送信することにより、これらの動作の制御も行う。

サブ制御基板２２０は、主制御基板２００からの各種コマンドを受信すると、コマンドの内容を解析して、その結果に応じた遊技の演出を行う。すなわち、前述した演出表示装置２７の表示制御を行う演出制御基板２３０に対して表示内容を指定するコマンドを送信したり、スピーカー５ｙを駆動するアンプ基板２２４、装飾用の各種ＬＥＤやランプを駆動する装飾駆動基板２２６に駆動信号を送信したりすることにより、遊技の演出を行う。また、サブ制御基板２２０は、演出ボタン基板２２８を介して演出ボタンＢＴに対する遊技者の操作を検出すると、該操作を反映させた遊技の演出を行う。

演出制御基板２３０は、ＣＰＵ２３１、ＲＯＭ２３２、ＲＡＭ２３３に加えて、画像ＲＯＭ２３４やＶＤＰ（図示略）を備えている。演出制御基板２３０のＣＰＵ２３１は、サブ制御基板２２０からの制御コマンド（表示制御コマンド）を受信すると、その受信したコマンドに対応する制御プログラムをＲＯＭ２３２から読み出して、ＲＡＭ２３３をワークエリアとして用いながら、演出画像を演出表示装置２７の表示画面に表示するための制御を行う。画像ＲＯＭ２３４には、図柄変動演出や大当り遊技演出など種々の遊技演出に対応する演出画像のデータ（例えば、所定のキャラクタに対応する画像を表示するためのスプライトデータや動画データなど）が格納されている。

払出制御基板２４０は、いわゆる貸球や賞球の払い出しに関する各種の制御を司っている。例えば、遊技者が前述した上皿部５に設けられた球貸スイッチ５ｂや返却スイッチ５ｃを操作すると、この信号は、球貸表示基板２４２から中継端子板（図示略）を介して、球貸装置１３に伝達される。球貸装置１３は、払出制御基板２４０とデータを通信しながら、貸球の払い出しを行う。また、主制御基板２００が賞球の払出コマンドを送信すると、このコマンドを払出制御基板２４０が受信して、払出モータ１０９ｍに駆動信号を出力することによって賞球の払い出しが行われる。

Ｂ．遊技の概要 ：
本実施例のパチンコ機１では、次のようにして遊技が行われる。先ず、遊技者が上皿部５の凹部に遊技球を投入して発射ハンドル８を回転させると、上皿部５に投入された遊技球が、１球ずつ発射装置ユニット１２に供給されて、図２を用いて前述した遊技領域１１に発射される。遊技球を打ち出す強さは、発射ハンドル８の回転角度によって調整することが可能となっており、遊技者は発射ハンドル８の回転角度を変化させることによって、遊技球の狙いを付けることができる。

発射した遊技球が、遊技領域１１の左右に設けられた普通図柄作動左ゲート３６、普通図柄作動右ゲート３７の何れかを通過すると、演出表示装置２７の左下方に設けられた第１図柄表示装置２８において普通図柄の変動表示が開始される。図４を用いて前述したように、第１図柄表示装置２８には普通図柄表示部２９が設けられており、普通図柄表示部２９には、普通図柄ＬＥＤ２９ａおよび普図保留表示ＬＥＤ２９ｂが搭載されている。このうち、普通図柄ＬＥＤ２９ａを用いて普通図柄の変動表示を行う。

図１１（ａ）は、普通図柄が変動表示する様子を概念的に示した説明図である。本実施例のパチンコ機１では、普通図柄ＬＥＤ２９ａの点滅を繰り返すことによって、普通図柄の変動表示を行う。図１１では、普通図柄ＬＥＤ２９ａが点灯している状態を放射状の実線で表し、消灯している状態を破線で表している。そして、予め定められた時間だけ点滅を繰り返した後、普通図柄ＬＥＤ２９ａが点灯状態で停止した場合には、普通図柄の当りとなって、第２始動口１７ａが所定の開放時間だけ開放状態となる。逆に、消灯状態で停止した場合には普通図柄の外れとなって、第２始動口１７ａが開放することはない。また、普通図柄の変動表示中に遊技球が普通図柄作動左ゲート３６または普通図柄作動右ゲート３７を通過した場合は、この遊技球の通過が普通図柄の保留（普図保留）としてＲＡＭ２０３の記憶領域（普図保留記憶領域）に記憶され、現在の普通図柄の変動表示が終了した後に、その普図保留に基づき変動表示が行われる。普図保留は最大４個まで記憶可能となっており、記憶されている普通図柄の保留数（普図保留数）は、普図保留表示ＬＥＤ２９ｂによって表示される。

図１１（ｂ）は、第１図柄表示装置２８に設けられた普図保留表示ＬＥＤ２９ｂによって普図保留数が表示される様子を示した説明図である。普図保留が無い場合（すなわち、普図保留が０個の場合）は、２個の普図保留表示ＬＥＤ２９ｂは何れも消灯している。普図保留が１個の場合は、向かって左側の普図保留表示ＬＥＤ２９ｂは消灯したままで、右側の普図保留表示ＬＥＤ２９ｂが点灯する。普図保留が２個になると、右側の普図保留表示ＬＥＤ２９ｂに加えて左側の普図保留表示ＬＥＤ２９ｂが点灯する。次いで、普図保留が３個になると、右側の普図保留表示ＬＥＤ２９ｂが点滅し、左側の普図保留表示ＬＥＤ２９ｂが点灯する。更に普図保留が増加して上限値である４個になると、左右の普図保留表示ＬＥＤ２９ｂが点滅した状態となる。このように普通図柄表示部２９では、２個の普図保留表示ＬＥＤ２９ｂを点灯、消灯、あるいは点滅させることによって、０個から４個までの普図保留数を表示することができる。

また、図３（ａ）を用いて前述したように、第１図柄表示装置２８には、第１特別図柄表示部３０が設けられており、第１特別図柄（第１特図）を変動表示可能となっている。更に、図３（ｂ）に示したように、第２図柄表示装置３２に設けられた第２特別図柄表示部３３では、第２特別図柄（第２特図）を変動表示可能となっている。このうち、第１特別図柄は第１始動口１６ａに対応し、第２特別図柄は第２始動口１７ａに対応しており、第１特別図柄あるいは第２特別図柄は、それぞれ対応する始動口に遊技球が入球すると変動表示を開始する。また、前述したように第１特別図柄表示部３０および第２特別図柄表示部３３は、何れも同様な構成をしており、第１特別図柄も第２特別図柄も同様な態様で変動表示を行う。このように、本実施例のパチンコ機１では、第１特別図柄表示部３０で第１特図、または第２特別図柄表示部３３で第２特図を変動表示させることで図柄変動遊技が行われる。

図１２は、第１特別図柄あるいは第２特別図柄として停止表示する図柄の種類を示す説明図である。尚、第１特別図柄も第２特別図柄も停止表示する図柄は同様であるため、ここでは両者を区別することなく、単に、特別図柄と称するものとする。図８に示されているように、特別図柄として停止表示する図柄として、１００種類の大当り図柄（「１」〜「１００」）と１種類の外れ図柄（「１０１」）との合計で１０１種類の図柄が設けられている。図３を用いて前述したように、第１特別図柄表示部３０および第２特別図柄表示部３３の何れも７個のＬＥＤによって構成されており、各大当り図柄および外れ図柄は、点灯させるＬＥＤの組合せを互いに異ならせて設定されている。すなわち、第１図柄表示装置２８および第２図柄表示装置３２では、それぞれ７個のＬＥＤ（第１特別図柄ＬＥＤ３０ａおよび第２特別図柄ＬＥＤ３３ａ）を所定の変動時間にわたって点滅させることによって特別図柄の変動表示を行い、その変動時間が経過すると、所定の組合せのＬＥＤを点灯させることで何れかの大当り図柄または外れ図柄を停止表示する。そして、大当り図柄「１」〜「１００」の何れかが停止表示されると、大入賞口５０ａが開放状態となる大当り遊技が開始される（大当りが発生する）。大当り遊技では大入賞口５０ａに遊技球が入球することを契機として遊技球が払い出される。各大当り図柄は、点灯するＬＥＤの組合せが互いに異なり、この組合せパターンは１００種類設定されている。

第１始動口１６ａあるいは第２始動口１７ａへの遊技球の入球は、該入球を契機とする特別図柄の変動表示が開始されるまで、第１特別図柄の保留（第１特図保留）あるいは第２特別図柄の保留（第２特図保留）としてＲＡＭ２０３の記憶領域（特図保留記憶領域）に記憶される。第１特図保留および第２特図保留は、それぞれ最大４個まで記憶可能となっており、第１特図保留の個数（第１特図保留数）については第１特図保留表示ＬＥＤ３０ｂに表示され、第２特図保留の個数（第２特図保留数）については第２特図保留表示ＬＥＤ３３ｂに表示される。第１特図保留表示ＬＥＤ３０ｂあるいは第２特図保留表示ＬＥＤ３３ｂに特別図柄の保留数を表示する態様は、図１１（ａ）に示した普図保留表示ＬＥＤ２９ｂによる普通図柄の保留数表示と同様であるため、ここでは説明を省略する。

第１特別図柄あるいは第２特別図柄の変動表示および停止表示に合わせて、演出表示装置２７では演出図柄（識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃなど）を用いた各種の演出（図柄変動演出）が行われる。図１３は、演出表示装置２７で行われる演出の一態様を例示した説明図である。演出表示装置２７を構成する液晶表示画面には、３つの識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃが表示されている。第１図柄表示装置２８あるいは第２図柄表示装置３２の何れかで特別図柄の変動表示が開始されると、演出表示装置２７においても３つの識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃが一斉に変動表示を開始する。本実施例では、識別図柄として「１」〜「９」までの９つの数字を意匠化した図柄が用意されている。

図１３（ａ）には、３つの識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃが一斉に変動表示している様子が概念的に示されている。変動表示が開始された後、所定時間が経過すると、初めに左識別図柄２７ａが「１」〜「９」のいずれかの図柄で停止表示され、次いで、右識別図柄２７ｃが停止表示され、最後に中識別図柄２７ｂが停止表示される。これら演出表示装置２７で停止表示される３つの識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃの組合せは、前述した第１図柄表示装置２８あるいは第２図柄表示装置３２で停止表示される特別図柄（第１特別図柄あるいは第２特別図柄）の停止表示態様と連動するように構成されている。例えば、第１特別図柄あるいは第２特別図柄として「大当り図柄」が停止表示される場合は、演出表示装置２７の３つの識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃが同じ図柄となる図柄組合せ（ゾロ目）で停止表示される。また、「外れ図柄」が停止表示される場合は、３つの識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃは同じ図柄で揃わない図柄組合せ（バラケ目）で停止表示される。

このように、第１図柄表示装置２８あるいは第２図柄表示装置３２で表示される特別図柄と、演出表示装置２７で表示される３つの識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃとは、表示内容が互いに対応しており、変動表示中の第１特別図柄あるいは第２特別図柄が停止表示する際には、３つの識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃも停止表示するようになっている。しかも、図２に示すように、演出表示装置２７は、第１図柄表示装置２８や第２図柄表示装置３２よりも目に付き易い位置に設けられており、表示画面も大きく、表示内容も分かり易いので、遊技者は演出表示装置２７の画面を見ながら図柄変動遊技を行うことが通常である。従って、演出表示装置２７の表示画面上で初めに停止表示される左識別図柄２７ａと、続いて停止表示される右識別図柄２７ｃとが同じ図柄であった場合には、最後に停止表示される中識別図柄２７ｂも同じ図柄で停止して、いわゆる大当り遊技が開始されるのではないかと、遊技者は識別図柄の変動表示（図柄変動演出）を注視することになる。このように、２つの識別図柄を同じ図柄（大当り図柄となり得る態様）で停止させて最後の識別図柄を変動表示させた状態で行われる演出は「リーチ演出」と呼ばれており、このリーチ演出を発生させることで遊技興趣を高めることが可能となっている。尚、大当り遊技中は、該大当り遊技に対応した演出（大当り遊技中であることを遊技者に報知する演出や大当り遊技の種類を遊技者に報知する演出など）が演出表示装置２７上で実行される。

Ｃ．遊技機の制御内容 ：
Ｃ−１．遊技制御処理 ：
図１４は、主制御基板２００に搭載されたＣＰＵ２０１が、遊技の進行を制御するために行う遊技制御処理の大まかな流れを示したフローチャートである。

図１４に示すように、遊技制御処理では、「賞球関連処理」「普通図柄遊技処理」「第２始動口閉鎖処理」「特図保留関連処理」「特別図柄遊技処理」「大当り遊技処理」などの各処理が繰り返し実行されている。ＣＰＵ２０１は、所定周期毎に発生するタイマ割り込みに基づき遊技制御処理を行うように構成されており、本実施例では、４ｍｓｅｃ毎にタイマ割り込みが発生するものとなっている。つまり、図１４に示す遊技制御処理は、ＣＰＵ２０１における４ｍｓｅｃ毎のタイマ割り込み処理として実行される。そして、遊技制御処理中に、サブ制御基板２２０を初めとする各種制御基板に向けて、主制御基板２００から各種コマンドを送信する。こうすることにより、遊技が進行するとともに、サブ制御基板２２０では、遊技の進行に合わせた演出の制御が行われることになる。以下、フローチャートに従って、主制御基板２００に搭載されたＣＰＵ２０１が行う遊技制御処理について説明する。

主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、遊技制御処理を開始すると、遊技球を賞球として払い出すための処理（賞球関連処理）を行う（Ｓ５０）。この処理では、主制御基板２００に接続された各種スイッチのうち、遊技球の入賞に関わるスイッチ（第１始動口スイッチ１６ｓや、第２始動口スイッチ１７ｓ、大入賞口スイッチ５０ｓなど）について、遊技球が入球したか否かを検出する。そして、遊技球の入球が検出された場合には、払い出すべき賞球数を算出した後、払出制御基板２４０に向かって賞球数指定コマンドを送信する。払出制御基板２４０は、主制御基板２００から送信された賞球数指定コマンドを受信するとコマンドの内容を解釈し、その結果に従って、払出装置（図示せず）に搭載された払出モータ１０９ｍに駆動信号を送信することにより、実際に賞球を払い出す処理を行う。

主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、賞球関連処理（Ｓ５０）に続いて、普通図柄遊技処理を行うか否かを判断する（Ｓ１００）。この判断は、第２始動口１７ａが開放状態であるか否かを検出することによって行う。第２始動口１７ａが開放状態でなければ普通図柄遊技処理を行うものと判断し（Ｓ１００：ｙｅｓ）、第２始動口１７ａが開放状態であれば普通図柄遊技処理は行わないものと判断する（Ｓ１００：ｎｏ）。そして、普通図柄遊技処理を行うと判断した場合は（Ｓ１００：ｙｅｓ）、以下に説明する普通図柄遊技処理を行う（Ｓ１５０）。これに対して、普通図柄遊技処理を行わないと判断した場合は（Ｓ１００：ｎｏ）、普通図柄遊技処理（Ｓ１５０）は省略する。

普通図柄遊技処理（Ｓ１５０）では、主に次のような処理を行う。先ず、普通図柄の保留（普図保留）が存在するか否か（「０」であるか否か）を判定し、普図保留が存在する場合には普通図柄の大当り判定を行う。ここで、普図保留は、遊技球が普通図柄作動ゲート３６，３７を通過することにより取得される普図当り判定乱数を記憶するものであり、本実施例では、その保留数の上限値を「４」としている。そして、普通図柄の大当り判定の結果に基づき、普通図柄を当り図柄（図７（ａ）参照）で停止表示させるか、外れ図柄で停止表示させるかを決定する。続いて、普通図柄の変動表示時間を設定した後、普通図柄の変動表示を開始し、その後、変動表示時間が経過すると、決定しておいた図柄で普通図柄を停止表示させる。このとき、普通図柄の当り図柄が停止表示された場合には、始動口ソレノイド１７ｍを作動させて、第２始動口１７ａに設けられた翼片部１７ｗを両側に回動させることにより、第２始動口１７ａを開放状態とする（図５（ｂ）参照）。

以上のようにして普通図柄遊技処理を終了したら、第２始動口１７ａが開放状態であるか否かを判断する（Ｓ１９０）。そして、開放状態である場合は（Ｓ１９０：ｙｅｓ）、第２始動口１７ａを開放状態から閉鎖状態にするための処理（第２始動口閉鎖処理）を行う（Ｓ２００）。一方、第２始動口１７ａが開放状態でない場合は（Ｓ１９０：ｎｏ）、第２始動口閉鎖処理を行う必要はないので省略する。

第２始動口閉鎖処理（Ｓ２００）では、次の何れかの条件が満足された場合、すなわち、第２始動口１７ａの開放時間が経過したか、若しくは、第２始動口１７ａに規定数の遊技球が入球したかの何れかの条件が成立したか否かを判断し、何れかの条件（始動口開放終了条件）が成立した場合に、開放状態の第２始動口１７ａを閉鎖状態にする処理を行う。一方、第２始動口１７ａの開放時間が経過しておらず、第２始動口１７ａへの入球数も規定数に達していない場合（始動口開放終了条件が成立していない場合）は、第２始動口１７ａを開放状態としたまま、第２始動口閉鎖処理（Ｓ２００）を終了する。

ここで、本実施例のパチンコ機１の遊技状態は、大別すると、大当り判定の結果が大当りとなる確率（大当り確率）の設定状況と、第２始動口１７ａが開放状態になる際の開放時間の設定状況とに基づき決定される。このうち、第２始動口１７ａの開放時間の設定状況に基づく遊技状態として「開放延長状態」および「非開放延長状態」の何れかに設定される。「開放延長状態」は「非開放延長状態」に比べ、前述の普通図柄の大当り判定の結果が「当り」となる確率（普図当り確率）が高く、普通図柄の変動表示時間（普図変動時間）が短く、第２始動口１７ａの開放時間が長く設定される。従って、開放延長状態は、非開放延長状態と比較して、第２始動口１７ａが頻繁に開放状態になるとともに該開放状態にある期間が長くなるので、第２始動口１７ａへの遊技球の入球可能性が高くなる。詳しくは後述するが、このような構成を実現するために、本実施例のパチンコ１では、遊技状態が「開放延長状態」に設定されている場合は「開放延長フラグ」および「変動短縮フラグ」がＯＮに設定され、遊技状態が「非開放延長状態」に設定されている場合はこれらのフラグがＯＦＦに設定される。そして、主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、「変動短縮フラグ」がＯＮに設定されていることに基づき、普図当り確率を高確率（例えば「９９／１００」）、普図変動時間を短時間（例えば「１秒」）にそれぞれ設定し、「開放延長フラグ」がＯＮに設定されていることに基づき、第２始動口１７ａの開放時間を長時間（例えば「１．５秒×３回開放＝４．５秒」）に設定する。一方、主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、変動短縮フラグがＯＦＦに設定されていることに基づき、普図当り確率を低確率（例えば「２／１００」）、普図変動時間を長時間（例えば「２０秒」）にそれぞれ設定し、開放延長フラグがＯＦＦに設定されていることに基づき、第２始動口１７ａの開放時間を短時間（例えば「０．１秒×３回開放＝０．３秒」）に設定する。尚、変動短縮フラグおよび開放延長フラグは、同じタイミングでＯＮあるいはＯＦＦに設定されるので、何れか一方のフラグのみを設定して、該一方のフラグを他方のフラグに代えて利用する構成としてもよい。

こうして、第２始動口閉鎖処理を行ったら（Ｓ２００）、あるいは、第２始動口１７ａが閉鎖中であると判断したら（Ｓ１９０：ｎｏ）、特図保留関連処理を行う（Ｓ２５０）。

Ｃ−２．特図保留関連処理 ：
図１５は、本実施例の特図保留関連処理を示すフローチャートである。特図保留関連処理（Ｓ２５０）では、先ず初めに、第１始動口１６ａに遊技球が入球したか否かを判断する（Ｓ２５２）。その結果、第１始動口１６ａに遊技球が入球した場合は（Ｓ２５２：ｙｅｓ）、第１特別図柄の保留数（第１特図保留数）が上限値（本実施例では「４」）に達しているか否かを判断する（Ｓ２５４）。そして、第１特図保留数が上限値に達していなければ（Ｓ２５４：ｎｏ）、判定乱数を取得する（Ｓ２５６）。ここで、判定乱数としては、後述する大当り判定を行うために用いられる大当り判定乱数や、第１図柄表示装置２８（あるいは第２図柄表示装置３２）で停止表示する大当り図柄を決定するために用いられる大当り図柄決定乱数、図柄が停止表示するまでの変動パターンを決定するために用いられる変動パターン決定乱数、演出表示装置２７でリーチ演出を行うか否かを決定するために用いられるリーチ決定乱数などの乱数を取得する。続いて、取得した判定乱数を、主制御基板２００に搭載されたＲＡＭ２０３（特図保留記憶領域）に第１特図保留として記憶する（Ｓ２５８）。

こうして、第１特図保留を記憶したら（Ｓ２５８）、第１特図保留数に「１」を加算する（Ｓ２６０）。これに対して、第１始動口１６ａに遊技球が入球していない場合や（Ｓ２５２：ｎｏ）、第１特図保留数が上限値（ここでは「４」）に達していた場合は（Ｓ２５４：ｙｅｓ）、判定乱数を取得したり、判定乱数を第１特図保留（第１保留）として記憶したりする一連の処理（Ｓ２５６〜Ｓ２６０）は省略する。

以上のようにして、第１特図保留（第１保留）に関する処理を終了したら、続いて第２特図保留（第２保留）に関する処理を開始する。第２特図保留に関する処理は、第１始動口１６ａに対して行った上述の第１特図保留に関する処理を、第２始動口１７ａに対して行う処理である。以下、簡単に説明すると、先ず初めに、第２始動口１７ａに遊技球が入球したか否かを判断し（Ｓ２６４）、第２始動口１７ａに遊技球が入球していれば（Ｓ２６４：ｙｅｓ）、第２特図保留数が上限値（本実施例では「４」）に達しているか否かを判断する（Ｓ２６６）。その結果、第２特図保留数が上限値に達していなければ（Ｓ２６６：ｎｏ）、判定乱数（大当り判定乱数、大当り図柄決定乱数、リーチ決定乱数など）を取得して（Ｓ２６８）、取得した判定乱数を、主制御基板２００に搭載されたＲＡＭ２０３（特図保留記憶領域）に第２特図保留として記憶する（Ｓ２７０）。そして、第２特図保留数に「１」を加算する（Ｓ２７２）。一方、第２始動口１７ａに遊技球が入球していない場合や（Ｓ２６４：ｎｏ）、第２特図保留数が上限値（ここでは「４」）に達していた場合は（Ｓ２６６：ｙｅｓ）、判定乱数を取得したり、判定乱数を第２特図保留として記憶したりする一連の処理（Ｓ２６８〜Ｓ２７２）は省略する。

以上のようにして、第１特図保留および第２特図保留に関する処理を終了したら、図１５に示した特図保留関連処理を終了して、図１４に示す遊技制御処理に復帰する。そして、特図保留関連処理から復帰すると、遊技制御処理では、以下に説明する特別図柄遊技処理（Ｓ３００）を開始する。

Ｃ−３．特別図柄遊技処理 ：
図１６および図１７は、特別図柄遊技処理を示したフローチャートである。主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、特別図柄遊技処理を開始すると、大当り遊技中であるか否かを判断する（Ｓ３０２）。そして、大当り遊技中であった場合は（Ｓ３０２：ｙｅｓ）、そのまま特別遊技処理を終了して、図１４の遊技制御処理に復帰する。これに対して、大当り遊技中でなかった場合は（Ｓ３０２：ｎｏ）、第１特図または第２特図の何れかが変動表示中か否かを判断する（Ｓ３０４）。

第１特図あるいは第２特図の何れも変動表示中でない場合は（Ｓ３０４：ｎｏ）、第１特図あるいは第２特図の停止表示時間中であるか否かを判断する（Ｓ３０６）。すなわち、第１特図あるいは第２特図の何れも、変動表示が終了してから暫くの期間は、変動表示の終了に伴い停止表示された図柄を遊技者が確認するための確認時間として停止表示時間が設けられている。Ｓ３０６の処理では、この停止表示時間中か否かを判断する。その結果、第１特図および第２特図が変動表示しておらず且つ特別図柄の停止表示時間も経過していることが確認された場合は（Ｓ３０６：ｎｏ）、特別図柄の変動表示を開始するための処理（特図変動表示処理）を開始する（Ｓ３１０）。

図１８および図１９は特図変動表示処理を示したフローチャートである。図示されるように、特図変動表示処理では、先ず、第２特図保留数が「０」であるか否かを判断する（Ｓ３１００）。その結果、第２特図保留数が「０」でなければ（第２特図保留数≧１）（Ｓ３１００：ｎｏ）、記憶されている第２特図保留の中から最も古くに記憶された第２特図保留（第２特図保留として記憶されている各種の判定乱数）を読み出す（Ｓ３１０２）。これに対して、第２特図保留数が「０」である場合は（Ｓ３１００：ｙｅｓ）、第１特図保留数が「０」であるか否かを判断する（Ｓ３１０４）。その結果、第１特図保留数が「０」でなければ（第１特図保留数≧１）（Ｓ３１０４：ｎｏ）、記憶されている第１特図保留の中から最も古くに記憶された第１特図保留（第１特図保留として記憶されている各種の判定乱数）を読み出す（Ｓ３１０６）。尚、第２特図保留および第１特図保留の何れも記憶されていない場合は（Ｓ３１００：ｙｅｓ、Ｓ３１０４：ｙｅｓ）、そのまま特図変動表示処理を終了して、図１６および図１７に示す特別図柄遊技処理に復帰する。

尚、上述したように特図変動表示処理では、先ず初めに第２特図保留が記憶されているか否かを判断し（Ｓ３１００）、第２特図保留が記憶されてない場合にだけ（Ｓ３１００：ｙｅｓ）、第１特図保留が記憶されているか否かを判断している（Ｓ３１０４）。従って、第１特図保留と第２特図保留とが両方とも記憶されている場合には、常に第２特図保留が第１特図保留に優先して読み出されることとなり（第２特図保留を優先消化することとなり）、第１特図保留が読み出されるのは、第２特図保留が記憶されていない場合に限られる。

第１特図保留および第２特図保留の何れかを読み出した場合は（Ｓ３１０２、Ｓ３１０６）、続いて、高確率フラグがＯＮに設定されているか否かを判断する（Ｓ３１１６）。ここで、本実施例のパチンコ機１の遊技状態は、前述したように「開放延長状態」あるいは「非開放延長状態」の何れかに設定されるとともに、特別図柄が大当り図柄で停止表示する確率（特図当り確率もしくは大当り確率）の高い「高確率状態」あるいは該確率が高確率状態より低い「低確率状態」の何れかに設定される。高確率フラグとは、遊技状態が高確率状態（確変機能が作動した状態）に設定されていることを示すフラグであり、主制御基板２００に搭載されたＲＡＭ２０３の所定アドレスにその記憶領域が確保されている。Ｓ３１１６の判断処理では、遊技状態が高確率状態および低確率状態のうち何れに設定されているかが判断される。

Ｓ３１１６の判断処理の結果、高確率フラグがＯＮに設定されていれば（Ｓ３１１６：ｙｅｓ）、すなわち、遊技状態が高確率状態に設定されていれば、高確率状態用の大当り判定テーブル（高確率状態用大当り判定テーブル）を選択し（Ｓ３１２０）、高確フラグがＯＦＦに設定されていなければ（Ｓ３１０８：ｎｏ）、すなわち、遊技状態が低確率状態に設定されていれば、低確率状態用の大当り判定テーブル（低確率状態用大当り判定テーブル）を選択する（Ｓ３１１８）。大当り判定テーブルとは、大当り判定乱数の値に対応付けて「大当り」または「外れ」の判定結果が設定されているテーブルであり、主制御基板２００のＲＯＭ２０２に予め記憶されている。

図２０は、本実施例のパチンコ機１に記憶されている大当り判定テーブルを概念的に示した説明図である。図２０（ａ）には低確率状態用大当り判定テーブルが示されており、図２０（ｂ）には高確率状態用大当り判定テーブルが示されている。図２０（ａ）に示すように、低確率状態用大当り判定テーブルには、「０」〜「６５５３５」の大当り判定乱数の値のうち「２００００」〜「２０３２７」の値に対して「大当り」の判定結果が設定されている。また、図２０（ｂ）に示すように、高確率状態用大当り判定テーブルには、「０」〜「６５５３５」の大当り判定乱数の値のうち「２００００」〜「２３２７０」の値に対して「大当り」の判定結果が設定されている。

図２０（ａ）と図２０（ｂ）とを比較すれば明らかなように、図２０（ｂ）に示した高確率状態用大当り判定テーブルでは、図２０（ａ）に示した低確率状態用大当り判定テーブルよりも高い割合の乱数値に「大当り」の判定結果が設定されている。従って、図２０（ｂ）の高確率状態用大当り判定テーブルを用いて大当り判定を行った場合には、図２０（ａ）の低確率状態用大当り判定テーブルを用いて大当り判定を行った場合よりも、高い確率で「大当り」の判定結果が得られることになる。

続いて、図１９の特図変動表示処理では、Ｓ３１１８またはＳ３１２０の処理で選択した大当り判定テーブルを参照して、第１特図保留または第２特図保留として読み出した大当り判定乱数の値が「大当り」に対応する値（大当り値）か否かを判断する（Ｓ３１２４）。つまり、今回の大当り判定の結果が大当りか否かを判断する。

その結果、今回の大当り判定の結果が大当りでない場合は（Ｓ３１２４：ｎｏ）、すなわち、今回の大当り判定の結果が外れである場合は、外れ変動パターンを選択する処理を行う（Ｓ３１４０）。外れ変動パターン選択処理では、第１図柄表示装置２８または第２図柄表示装置３２で特別図柄（第１特図または第２特図）の変動表示を開始してから停止表示させるまでの変動パターンのうち、外れ図柄で停止表示させる際の変動パターン（外れ変動パターン）を選択する処理が行われる。具体的には、まず、Ｓ３１０２またはＳ３１０６で第１特図保留または第２特図保留として読み出した判定乱数のうち、変動パターン決定乱数を把握する。そして、外れ変動パターンが複数設定された外れ変動パターンテーブルを参照して、把握した変動パターン決定乱数に対応する外れ変動パターンを選択する。外れ変動パターンを選択したら（Ｓ３１４０）、停止表示させる図柄（停止図柄）として、図１２を用いて前述した外れ図柄「１０１」をＲＡＭ２０３の記憶領域（停止図柄記憶領域）に記憶する（Ｓ３１４２）。

一方、今回の大当り判定の結果が大当りであると判断された場合には（Ｓ３１２４：ｙｅｓ）、大当り図柄を選択するための処理（大当り図柄選択処理）を行う。この処理では、先ず、Ｓ３１０２またはＳ３１０６で第１特図保留または第２特図保留として読み出した判定乱数のうち大当り図柄決定乱数を用いて、その大当り図柄決定乱数に対応する大当り図柄を、大当り図柄決定テーブルを参照して選択（決定）する（Ｓ３１２６）。

図２１は、本実施例の大当り図柄決定テーブルを概念的に示した説明図である。大当り図柄決定テーブルは、大当り図柄決定乱数の値に対応付けて複数の大当り図柄が設定されているテーブルであり、主制御基板２００のＲＯＭ２０２に予め記憶されている。図１２を用いて前述したように、本実施例のパチンコ機１には、大当り判定結果が大当りである場合に停止表示する大当り図柄として１００種類の大当り図柄「１」〜「１００」が設定されている。大当り図柄決定テーブルには、図２１に示すように「０〜９９」の１００個の大当り図柄決定乱数が設定されており、各大当り図柄決定乱数に対応付けて大当り図柄「１」〜「１００」が設定されている。Ｓ３１２６の処理では、このような大当り図柄決定テーブルを参照して大当り図柄決定乱数に対応する大当り図柄を選択する。こうして大当り図柄を選択したら（Ｓ３１２６）、該大当り図柄を停止図柄としてＲＡＭ２０３の記憶領域（停止図柄記憶領域）に記憶する（Ｓ３１２８）。

停止図柄記憶領域に大当り図柄を記憶したら（Ｓ３１２８）、大当り変動パターンを選択する処理（大当り変動パターン選択処理）を行う（Ｓ３１３０）。大当り変動パターン選択処理では、第１図柄表示装置２８または第２図柄表示装置３２で特別図柄（第１特図または第２特図）の変動表示を開始してから停止表示させるまでの変動パターンのうち、大当り図柄で停止表示させる際の変動パターン（大当り変動パターン）を選択する処理が行われる。具体的には、まず、Ｓ３１０２またはＳ３１０６で第１特図保留または第２特図保留として読み出した判定乱数のうち、変動パターン決定乱数を把握する。そして、大当り変動パターンが複数設定された大当り変動パターンテーブルを参照して、把握した変動パターン決定乱数に対応する大当り変動パターンを選択する。

こうして、停止表示する図柄を停止図柄記憶領域に記憶するとともに（Ｓ３１２８、Ｓ３１４２）変動パターンを選択したら（Ｓ３１３０、Ｓ３１４０）、先に行われた大当り判定が、第２特図保留に基づいて行われたものであるか否かを判断する（Ｓ３１５２）。その結果、第２特図保留に基づいて行われたものであった場合は（Ｓ３１５２：ｙｅｓ）、選択した変動パターンに従って、第２図柄表示装置３２で特別図柄（第２特図）の変動表示を開始した後（Ｓ３１５４）、第２特図保留数から「１」を減算する（Ｓ３１５６）。これに対して、大当り判定が第２特図保留に基づいて行われたものではなかった場合、すなわち第１特図保留に基づいて行われたものである場合は（Ｓ３１５２：ｎｏ）、選択した変動パターンに従って、第１図柄表示装置２８で特別図柄（第１特図）の変動表示を開始した後（Ｓ３１５８）、第１特図保留数から「１」を減算する（Ｓ３１６０）。

こうして第２特図保留数または第１特図保留数から「１」を減算したら（Ｓ３１５６またはＳ３１６０）、今回、変動表示を開始した第１特図または第２特図の変動パターンの種類を指定する（変動パターン識別情報が含まれた）変動パターン指定コマンドや、変動表示を経て停止表示される特別図柄の停止図柄を指定する停止図柄指定コマンドを、変動開始時コマンドとしてサブ制御基板２２０に向けて送信する（Ｓ３１６２）。

尚、サブ制御基板２２０に搭載されたＣＰＵ２２１は、上述の変動開始時コマンドを受信すると、特別図柄の停止図柄を指定する停止図柄指定コマンドに基づき演出表示装置２７で停止表示する識別図柄を選択するとともに、変動パターンの種類を指定する変動パターン指定コマンドに基づき演出表示装置２７での識別図柄の演出パターンを選択する。すなわち、変動パターン指定コマンドが、大当り変動パターンを示すものであれば、識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃが大当り態様で停止表示される演出パターンが選択される。また、変動パターン指定コマンドが、外れ変動パターンを示すものであれば、識別図柄２７ａ，２７ｂ，２７ｃが外れ態様で停止表示される演出パターンが選択される。サブ制御基板２２０のＣＰＵ２２１は、選択された演出パターンおよび識別図柄を用いて、演出表示装置２７の表示画面上で図柄変動演出を実行する。

こうして変動開始時コマンド（変動パターン指定コマンドおよび停止図柄指定コマンド）を、サブ制御基板２２０に向かって送信したら（Ｓ３１６２）、図１８および図１９に示した特図変動表示処理を終了して、図１６および図１７の特別図柄遊技処理に復帰する。

以上では、特別図柄遊技処理の実行に際して大当り遊技中でなく（Ｓ３０２：ｎｏ）、第１特図および第２特図の何れも変動表示していない（Ｓ３０４：ｎｏ）と判断された場合の処理について説明した。これに対して、大当り遊技中でないが（Ｓ３０２：ｎｏ）、第１特図または第２特図の何れかが変動表示中であると判断された場合は（Ｓ３０４：ｙｅｓ）、既に、特別図柄（第１特図または第２特図）の変動パターンと停止図柄とが決定されて、第１特図または第２特図の変動が開始されている場合に該当する。そこで、特別図柄の変動時間が経過したか否かを判断する（Ｓ３１２）。第１特図または第２特図の変動時間は変動パターンに応じて予め定められているので、第１特図または第２特図の変動を開始すると同時に所定のタイマ（変動時間計測タイマ）に変動時間を設定することにより、所定の変動時間が経過したかを判断することができる（変動時間計測手段）。その結果、未だ変動時間が経過していない場合は（Ｓ３１２：ｎｏ）、そのまま特別図柄遊技処理を終了して、図１４に示す遊技制御処理に復帰する。

これに対して、変動時間が経過したと判断された場合は（Ｓ３１２：ｙｅｓ）、変動表示中の第１特図あるいは第２特図を停止表示させることを示すコマンド（図柄停止コマンド）をサブ制御基板２２０に向かって送信し（Ｓ３１４）、変動表示中の第１特図または第２特図を、図１９のＳ３１２８、Ｓ３１４２の処理で停止図柄記憶領域に記憶した図柄で停止表示させる（Ｓ３１６）。そして、停止表示させた特別図柄を停止状態のまま保持する時間（停止表示時間）を設定した後（Ｓ３１８）、設定した停止表示時間が経過したか否かを判断する（Ｓ３２０）。その結果、停止表示時間が経過していない場合は（Ｓ３２０：ｎｏ）、そのまま特別図柄遊技処理を終了して図１４に示す遊技制御処理に復帰する。

こうして第１特図あるいは第２特図が停止表示された状態で、図１４の遊技制御処理に復帰した後、再び図１６および図１７の特別図柄遊技処理が開始されると、第１特図および第２特図が変動表示中ではないと判断され（Ｓ３０４：ｎｏ）、続いて、特別図柄の停止表示時間中か否かの判断では、停止表示時間中と判断されるので（Ｓ３０６：ｙｅｓ）、再び停止表示時間が経過したか否かを判断する（Ｓ３２０）。このような判断を繰り返しているうちに停止表示時間が経過したと判断されると（Ｓ３２０：ｙｅｓ）、停止表示された特別図柄（第１特図あるいは第２特図）が大当り図柄であるか否か（停止図柄記憶領域に記憶されている図柄が大当り図柄か否か）を判断する（Ｓ３３４）。その結果、停止表示された特別図柄が「大当り図柄」であった場合は（Ｓ３３４：ｙｅｓ）、該大当り図柄が停止表示された「特別図柄の種別」（第１特図および第２特図の何れか）を記憶する（Ｓ３３６）。換言すると、該大当り図柄の停止表示が第１特図保留および第２特図保留のうち何れを契機とするものであったかを記憶する。続いて、今回開始する大当り遊技の種類に対応する大当りフラグをＯＮに設定する（Ｓ３３７）。詳しくは後述するが、本実施例のパチンコ機１では、複数種類の大当り遊技を実行可能である。

図２２は、本実施例の大当り遊技の種類を示す説明図である。図２２に示すように、本実施例のパチンコ機１では、大当り遊技の開始契機となる「大当り図柄の種類」および「特別図柄の種別」に応じて、「大当り遊技Ａ」、「大当り遊技Ｂ」、「大当り遊技Ｃ」、「大当り遊技Ｄ」の何れかを実行する。具体的には、「大当り図柄の種類」が「１」〜「６０」である場合は、「特別図柄の種別」が第１特図であれば「大当り遊技Ａ」を実行し、「特別図柄の種別」が第２特図であれば「大当り遊技Ｂ」を実行する。また、「大当り図柄の種類」が「６１」〜「１００」である場合は、「特別図柄の種別」が第１特図であれば「大当り遊技Ｃ」を実行し、「特別図柄の種別」が第２特図であれば「大当り遊技Ｄ」を実行する。これらの大当り遊技のうち、「大当り遊技Ａ」および「大当り遊技Ｂ」では、大入賞口５０ａが６秒間開放状態となるラウンド遊技が１５回行われる。また、「大当り遊技Ｃ」および「大当り遊技Ｄ」では、大入賞口５０ａが２秒間開放状態となるラウンド遊技が２回行われる。尚、図２２においては、「大当り遊技Ａ」と「大当り遊技Ｂ」との遊技内容の相違点、および、「大当り遊技Ｃ」と「大当り遊技Ｄ」との遊技内容の相違点については示していないが、これらの相違点については後に詳しく説明する。

図１７のＳ３３７の処理では、今回停止表示された「大当り図柄の種類」および今回大当り図柄が停止表示された「特別図柄の種別」に基づき、図２２を用いて上述した大当り遊技Ａ〜Ｄの中から今回開始する大当り遊技の種類を決定する。そして、該決定した大当り遊技の種類に対応する大当りフラグをＯＮに設定する。大当りフラグは、実行中の大当り遊技の種類を示すフラグであり、「大当り遊技Ａ」〜「大当り遊技Ｄ」のそれぞれに対応させて、「大当りフラグＡ」、「大当りフラグＢ」、「大当りフラグＣ」、「大当りフラグＤ」が用意されている。これらの大当りフラグは、主制御基板２００のＲＡＭ２０３の所定アドレスにその記憶領域が確保されている。

こうして、今回開始する大当り遊技の種類に対応する大当りフラグをＯＮに設定したら（Ｓ３３７）、該大当り遊技における大入賞口５０ａの開放パターンを設定する（Ｓ３３８）。図２２を用いて上述したように、本実施例のパチンコ機１では、大当り遊技の種類に応じた態様で大入賞口５０ａを開放状態にする。Ｓ３３８の処理では、大入賞口５０ａの開放回数（ラウンド遊技の回数）や、大入賞口５０ａを開放状態とする時間（ラウンド遊技の時間）などを、今回開始する大当り遊技の種類に応じて設定する。

続いて、大当り遊技の開始時（大当り図柄の停止表示時）が開放延長状態であったならば、該開放延長状態に対応する開放延長フラグおよび変動短縮フラグをＯＦＦに設定する（Ｓ３４２）。すなわち、大当り遊技が開始される場合に遊技状態が開放延長状態に設定されていたら、該大当り遊技終了後は該遊技状態を非開放延長状態に設定する（開放延長状態を終了する）。また、詳しくは後述するが、本実施例のパチンコ機１では、遊技状態が開放延長状態に設定されている場合は、該遊技状態は高確率状態にも設定されている。そこで、開放延長状態を終了する場合は高確率状態も併せて終了すべく（遊技状態を低確率状態に設定すべく）、高確率フラグをＯＦＦに設定する（Ｓ３４３）。

続いて、大当り遊技を開始することを示すコマンド（大当り遊技開始コマンド）をサブ制御基板２２０に向かって送信する（Ｓ３４４）。サブ制御基板２２０のＣＰＵ２２１は、大当り遊技開始コマンドを受信すると、大当り遊技に対応した表示演出を演出表示装置２７の液晶画面上で実行する。大当り遊技開始コマンドを送信したら（Ｓ３４４）、図１６および図１７に示した特別図柄遊技処理を終了して、図１４の遊技制御処理に復帰する。

以上は、第１図柄表示装置２８あるいは第２図柄表示装置３２で停止表示された特別図柄（すなわち第１特図あるいは第２特図）が大当り図柄であった場合（Ｓ３３４：ｙｅｓ）の処理について説明したが、停止表示された特別図柄が大当り図柄でなかった場合（Ｓ３３４：ｎｏ）、すなわち、外れ図柄であった場合は、遊技状態が開放延長状態および高確率状態に設定された期間（高確開放期間）の進行に関する処理を行う。本実施例のパチンコ機１では、高確開放期間は、開始してから第１特図の変動表示回数と第２特図の変動表示回数との合計（図柄変動遊技回数）が所定回数（本実施例では１００回）に到達すると、終了するように構成されている。そこで、高確開放期間の進行に関する処理では、先ず、変動短縮フラグがＯＮに設定されているか否か（高確開放期間か否か）を判断する（Ｓ３４６）。その結果、高確開放期間である場合は（Ｓ３４６：ｙｅｓ）、変動短縮カウンタの値から「１」を減算する（Ｓ３４８）。変動短縮カウンタは、高確開放期間が終了するまでの特別図柄の残り変動表示回数（図柄変動遊技回数）が設定されているカウンタで、特別図柄の変動表示（１回の図柄変動遊技）が終了する毎（停止表示する毎）に「１」減算される。Ｓ３４８の処理により「１」減算した後の変動短縮カウンタの値が「０」、すなわち、高確開放期間での特別図柄の残り変動表示回数が「０回」になったら（Ｓ３５０：ｙｅｓ）、高確開放期間を終了すべく、開放延長フラグおよび変動短縮フラグをＯＦＦに設定するとともに（Ｓ３５２）、高確率フラグもＯＦＦに設定する（Ｓ３５３）。もちろん、高確開放期間が終了すると、遊技状態は非開放延長状態および低確率状態に設定される。

こうして高確開放期間を終了させる処理を行ったら（Ｓ３５２）、遊技状態が非開放延長状態および低確率状態に設定されることを示す遊技状態指定コマンドをサブ制御基板２２０に向かって送信する（Ｓ３５４）。その後、特別図柄遊技処理を終了して、図１４に示す遊技制御処理に復帰する。

Ｓ３５０の処理で、高確開放期間での特別図柄の残り変動表示回数が「０回」ではないと判断した場合は（Ｓ３５０：ｎｏ）、未だ高確開放期間を終了させないので、そのまま特別図柄遊技処理を終了して、図１４に示す遊技制御処理に復帰する。また、高確開放期間ではない場合は（Ｓ３４６：ｎｏ）、変動短縮カウンタや、変動短縮フラグ、開放延長フラグ、高確率フラグの設定に係る処理を行うことなく、特別図柄遊技処理を終了して、図１４に示す遊技制御処理に復帰する。

図１４に示すように、遊技制御処理では、特別図柄遊技処理から復帰すると、何れかの大当りフラグがＯＮに設定されているか否か、すなわち、何れかの大当り遊技の実行中であるか否かを判断する（Ｓ６００）。そして、何れかの大当りフラグがＯＮに設定されている場合は（Ｓ６００：ｙｅｓ）、大当り遊技処理を行う（Ｓ７００）。

Ｃ−４．大当り遊技処理 ：
図２３は、本実施例の大当り遊技処理を示すフローチャートである。この大当り遊技処理が実行されることによって、大当り遊技が行われる。以下、図２３を参照しながら大当り遊技処理について説明する。

大当り遊技処理を開始すると、主制御基板２００のＣＰＵ２０１は先ず、「判定・非判定振分処理」を実行する（Ｓ５００）。ここで、詳しくは後述するが、本実施例のパチンコ機１では、大当り遊技中に大入賞口５０ａから入球した遊技球が特定領域５１０（図７〜図９参照）を通過すると、該大当り遊技終了後の遊技状態が開放延長状態且つ高確率状態に設定される。大入賞口５０ａから入球した遊技球は、図８を用いて前述したように、大入賞装置５０の内部空間のうち最初に非判定空間３００に進入する。そして、この非判定空間３００に進入した遊技球は、少なくとも上回動ガイド部材３１０が非判定状態（図８（ａ）参照）にあるときは、非特定領域５００を通過する。これに対して、判定空間４００に進入した遊技球は、下回動ガイド部材４３０の状態に応じて、非特定領域５００または特定領域５１０を通過する（図９参照）。換言すると、非判定空間３００に進入した遊技球のうち、上回動ガイド部材３１０が判定状態（図８（ｂ）参照）にあるときに判定空間４００に進入した遊技球のみが特定領域５１０を通過する可能性があり、該遊技球が「特定領域５１０を通過したか否かの判定対象」となる。Ｓ５００の「判定・非判定振分処理」では、大入賞口５０ａから入球して非判定空間３００に進入した遊技球を適宜判定空間４００に進入させて「特定領域５１０を通過したか否かの判定対象」とすべく、上回動ガイド部材３１０を所定のタイミングで非判定状態から判定状態に駆動する処理が実行される。尚、「判定・非判定振分処理」については、後に詳しく説明する。

主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、「判定・非判定振分処理」に続いて（Ｓ５００）、「特定・非特定振分処理」を実行する（Ｓ６００）。図９を用いて前述したように、非判定空間３００から判定空間４００に進入する遊技球は、先ず、判定空間４００のうち非特定空間４１０に進入する。この非特定空間４１０に進入した遊技球は、下回動ガイド部材４３０が非特定領域通過状態（図９（ａ）参照）にあるときに非特定領域５００を通過し、下回動ガイド部材４３０が特定領域通過状態（図９（ｂ）参照）にあるときに特定空間４２０に進入して特定領域５１０を通過する。Ｓ６００の「特定・非特定振分処理」では、「特定領域５１０を通過したか否かの判定対象」となった（判定空間４００に進入した）遊技球に対して、適宜特定領域５１０を通過させるべく、下回動ガイド部材４３０を所定のタイミングで非特定領域通過状態から特定領域通過状態に駆動する処理が実行される。尚、「特定・非特定振分処理」については、後に詳しく説明する。

こうして、「判定・非判定振分処理」および「特定・非特定振分処理」を終了したら（Ｓ５００、Ｓ６００）、大入賞口５０ａが開放状態であるか否かを判断する（Ｓ７０２）。大当り遊技処理が開始された直後は、大当りフラグＡ〜Ｄの何れかがＯＮに設定されているだけで大入賞口５０ａはまだ開放していないから、Ｓ７０２では「ｎｏ」と判断されて、大当り遊技の終了条件が成立したか否かが判断される（Ｓ７０８）。本実施例のパチンコ機１では、大当り遊技の終了条件としては、「所定回数のラウンド遊技の終了」が設定されている。具体的には、実行中の大当り遊技が大当り遊技Ａまたは大当り遊技Ｂの場合は「１５回のラウンド遊技の終了」が大当り終了条件として設定され、実行中の大当り遊技が大当り遊技Ｃまたは大当り遊技Ｄの場合は「２回のラウンド遊技の終了」が大当り終了条件として設定されている（図２２参照）。従って、Ｓ７０８の処理では、大当りフラグＡまたは大当りフラグＢがＯＮに設定されていれば６回のラウンド遊技が終了したか否かが判断され、大当りフラグＣまたは大当りフラグＤがＯＮに設定されていれば２回のラウンド遊技が終了したか否かが判断される。

図２３の大当り遊技を開始した直後は、当然ながらラウンド遊技は所定回数（６回または２回）に達していないので、Ｓ７０８では「ｎｏ」と判断され、続いて、大入賞口５０ａの閉鎖時間が経過したか否かを判断する（Ｓ７１０）。ここで大入賞口５０ａの閉鎖時間とは、ラウンド遊技とラウンド遊技との間で、大入賞口５０ａを閉鎖しておく時間である。大当り遊技を開始した直後は、当然ながら、閉鎖時間は経過したものと判断されて（Ｓ７１０：ｙｅｓ）、大入賞口５０ａを開放状態とする（Ｓ７１２）。こうして、大入賞口５０ａを開放状態としたら（Ｓ７１２）、図２３に示す大当り遊技処理を終了して、図１４に示す遊技制御処理に復帰する。次に図２３の大当り遊技処理を開始した際には、Ｓ７０２において、大入賞口５０ａが開放状態であると判断され（Ｓ７０２：ｙｅｓ）、今度は、大入賞口５０ａの開放終了条件が成立したか否かを判断する（Ｓ７０４）。本実施例のパチンコ機１では、大入賞口５０ａの開放終了条件としては、「所定の開放時間の経過」が設定されている。具体的には、実行中の大当り遊技が大当り遊技Ａまたは大当り遊技Ｂの場合は「大入賞口５０ａを開放状態としてから６秒の経過」が開放終了条件として設定されており、実行中の大当り遊技が大当り遊技Ｃまたは大当り遊技Ｄの場合は「大入賞口５０ａを開放状態としてから２秒の経過」が開放終了条件として設定されている（図２２参照）。また、これらの他にも、大入賞口５０ａの開放終了条件として、「開放状態の大入賞口５０ａへの規定個数（例えば１０個）の遊技球の入球」が設定されている。当然ながら、大入賞口５０ａが開放状態となった直後は、何れの開放終了条件も成立していないから（Ｓ７０４：ｎｏ）、図２３に示す大当り遊技処理を終了して、図１４に示す遊技制御処理に復帰する。そして、再び大当り遊技処理を開始すると、大入賞口５０ａが開放状態であるか否か（Ｓ７０２）、および開放状態にある大入賞口５０ａの開放終了条件が成立したか否かを判断し（Ｓ７０４）、未だ開放終了条件が成立していなければ（Ｓ７０４：ｎｏ）、図２３に示す大当り遊技処理を終了して、図１４に示す遊技制御処理に復帰する。このような処理を繰り返しているうちに、やがて大入賞口５０ａの開放終了条件が成立したと判断されるので（Ｓ７０４：ｙｅｓ）、大入賞口５０ａを閉鎖状態とする（Ｓ７０６）。

こうして大入賞口５０ａを閉鎖状態としたら（Ｓ７０６）、大当り遊技の終了条件が成立したか否かを判断する（Ｓ７０８）。そして、大当り遊技の終了条件が成立していない場合は（Ｓ７０８：ｎｏ）、大入賞口５０ａの閉鎖時間が経過したか否かを判断し（Ｓ７１０）、閉鎖時間が経過していなければ（Ｓ７１０：ｎｏ）、図２３に示す大当り遊技処理を終了して、図１４に示す遊技制御処理に復帰する。一方、大入賞口５０ａの閉鎖時間が経過したと判断されたら（Ｓ７１０：ｙｅｓ）、大入賞口５０ａを再び開放状態とする（Ｓ７１２）。その後、図２３に示す大当り遊技処理を終了して、図１４に示す遊技制御処理に復帰する。

このように、大入賞口５０ａを閉鎖状態にする処理（Ｓ７０６）と開放状態にする処理（Ｓ７１２）とを繰り返しているうちに、やがて、予め定められた回数のラウンド遊技が行われて、大当り遊技の終了条件が成立したと判断されると（Ｓ７０８：ｙｅｓ）、今度は、「遊技球排出時間」が経過したか否かを判断する（Ｓ７１３）。「遊技球排出時間」とは、大当り遊技の最後のラウンド遊技において大入賞口５０ａが閉鎖状態となる直前に、遊技球が大入賞口５０ａに入球した場合に、該遊技球が非特定領域５００または特定領域５１０から排出されるまでの時間である。本実施例のパチンコ機１では、「遊技球排出時間」が経過したか否かを判断することによって、大入賞口５０ａに入球した遊技球が非特定領域５００または特定領域５１０から排出されないうちに大当り遊技が終了してしまうことを防止している。「遊技球排出時間」が未だ経過していない場合は（Ｓ７１３：ｎｏ）、一旦図２３に示す大当り遊技処理を終了して、図１４に示す遊技制御処理に復帰する。そして、次回の大当り遊技処理において、再び「遊技球排出時間」が経過したか否かが判断される（Ｓ７１３）。このような処理を繰り返していくうちに「遊技球排出時間」が経過したと判断されると（Ｓ７１３：ｙｅｓ）、大当り遊技を終了すべく、大当りフラグＡ〜ＤのうちＯＮに設定されている大当りフラグをＯＦＦに設定するとともに（Ｓ７１４）、大当り遊技の終了を指定するコマンド（大当り終了コマンド）をサブ制御基板２２０に出力する（Ｓ７１５）。

続いて、今回の大当り遊技中に遊技球が特定領域５１０を通過したか否かを判断する（Ｓ７２２）。特定領域５１０を通過したか否かは、特定領域検出スイッチ５１０ｓで遊技球が検出されたか否かに基づいて判断する。その結果、特定領域検出スイッチ５１０ｓで遊技球が検出されなかった場合は、特定領域５１０を通過していないと判断されて（Ｓ７２２：ｎｏ）、そのまま図２３に示す大当り遊技処理を終了して、図１４に示す遊技制御処理に復帰する。

これに対して、遊技球が特定領域５１０を通過したと判断された場合は（Ｓ７２２：ｙｅｓ）、今回の大当り遊技終了後の遊技状態を開放延長状態且つ高確率状態に設定すべく（高確開放期間を開始すべく）、変動短縮フラグおよび開放延長フラグをＯＮに設定するとともに（Ｓ７２４）、高確率フラグをＯＮに設定する（Ｓ７２５）。また、遊技状態が開放延長状態且つ高確率状態に設定された期間（高確開放期間）を１００回の図柄変動遊技が行われるまで継続すべく（高確開放期間の継続期間を１００回にすべく）、変動短縮カウンタの値に「１００」を設定する（Ｓ７２６）。こうして、高確開放期間を開始する処理を行ったら（Ｓ７２４、Ｓ７２５、Ｓ７２６）、図２３に示す大当り遊技処理を終了して、図１４に示す遊技制御処理に復帰する。以下では、大当り遊技処理における「判定・非判定振分処理」（Ｓ５００）および「特定・非特定振分処理」（Ｓ６００）について説明するが、説明の便宜上、先に「特定・非特定振分処理」（Ｓ６００）について説明する。

Ｃ−４−１．特定・非特定振分処理 ：
図２４は、本実施例の特定・非特定振分処理を示すフローチャートである。特定・非特定振分処理を開始すると、主制御基板２００のＣＰＵ２０１は先ず、下回動ガイド部材動作フラグがＯＮに設定されているか否かを判断する（Ｓ８００）。本実施例のパチンコ機１では、大当り遊技が開始されると、下回動ソレノイド４３０ｍを駆動して、下回動ガイド部材４３０を特定領域通過状態および非特定領域通過状態に繰り返し動作させる。下回動ガイド部材４３０のこのような動作を、以下では「振分動作」ともいう。下回動ガイド部材動作フラグは下回動ガイド部材４３０が振分動作中であることを示すフラグであり、Ｓ８００の判断処理では、既に下回動ガイド部材４３０の振分動作が開始されているか（振分動作中か）否かが判断される。

大当り遊技が開始されて最初に特定・非特定振分処理を実行する場合は、未だ下回動ガイド部材４３０の振分動作は開始されていないので、Ｓ８００の判断処理では「ｎｏ」と判断される。この場合は（Ｓ８００：ｎｏ）、大当り遊技の開始に際して下回動ガイド部材４３０に振分動作を開始させるので、先ず、下回動ガイド部材動作フラグをＯＮに設定する（Ｓ８０１）。続いて、状態維持時間の計測を開始する（Ｓ８０２）。状態維持時間とは、振分動作中の下回動ガイド部材４３０に非特定領域通過状態または特定領域通過状態を維持させる時間である。Ｓ８０２の処理では、下回動ガイド部材４３０の振分動作が開始されるにあたって、非特定領域通過状態の状態維持時間の計測が開始される。尚、既に下回動ガイド部材４３０が振分動作中である場合は（Ｓ８００：ｙｅｓ）、後述のＳ８１４の処理によって状態維持時間の計測は既に開始されているので、Ｓ８０２の処理は省略する。

続いて、下回動ソレノイド４３０ｍの駆動状態に基づき、下回動ガイド部材４３０が非特定領域通過状態および特定領域通過状態のうち何れにあるかを判断する（Ｓ８０４）。その結果、下回動ガイド部材４３０が非特定領域通過状態にあると判断した場合は（Ｓ８０４：ｙｅｓ）、非特定領域通過状態にある状態維持時間が所定の時間（例えば１秒）に達したか否かを判断する（Ｓ８０６）。そして、非特定領域通過状態にある状態維持時間が所定の時間に達している場合は（Ｓ８０６：ｙｅｓ）、下回動ソレノイド４３０ｍを駆動して下回動ガイド部材４３０を非特定領域通過状態から特定領域通過状態にする（Ｓ８０８）。続いて、状態維持時間を「０」に戻して、今度は、下回動ガイド部材４３０が特定領域通過状態にある状態維持時間の計測を開始する（Ｓ８０９）。尚、下回動ガイド部材４３０が非特定領域通過状態にあるものの状態維持時間が所定時間に達していなければ（Ｓ８０６：ｎｏ）、下回動ガイド部材４３０に非特定領域通過状態を維持させる（Ｓ８０８およびＳ８０９の処理は省略する）。

一方、Ｓ８０４の判断処理で、下回動ガイド部材４３０が特定領域通過状態にあると判断した場合は（Ｓ８０４：ｎｏ）、特定領域通過状態にある状態維持時間が所定の時間（例えば１秒）に達したか否かを判断する（Ｓ８１０）。そして、特定領域通過状態にある状態維持時間が所定の時間に達している場合は（Ｓ８１０：ｙｅｓ）、下回動ソレノイド４３０ｍを駆動して下回動ガイド部材４３０を特定領域通過状態から非特定領域通過状態にする（Ｓ８１２）。続いて、状態維持時間を「０」に戻して、今度は、下回動ガイド部材４３０が非特定領域通過状態にある状態維持時間の計測を開始する（Ｓ８１４）。尚、下回動ガイド部材４３０が特定領域通過状態にあるものの状態維持時間が所定時間に達していなければ（Ｓ８１０：ｎｏ）、下回動ガイド部材４３０に特定領域通過状態を維持させる（Ｓ８０８およびＳ８０９の処理は省略する）。

このように、下回動ガイド部材４３０を非特定領域通過状態または特定領域通過状態で所定の時間維持して、該所定の時間が経過したら非特定領域通過状態または特定領域通過状態に切り替えるための処理（下回動ガイド部材４３０に振分動作を行わせる処理）を行ったら（Ｓ８０４〜Ｓ８１４）、大当り遊技の終了条件が成立したか否かを判断する（Ｓ８１６）。その結果、大当り遊技の終了条件が成立していれば（Ｓ８１６：ｙｅｓ）、大当り遊技の終了にともなって下回動ガイド部材４３０の振分動作を終了すべく、先ず、下回動ガイド部材動作フラグをＯＦＦに設定する（Ｓ８１８）。続いて、下回動ガイド部材４３０の現在の状態に拘わらず該下回動ガイド部材４３０を非特定領域通過状態にする（Ｓ８２０）。そして、次回の大当り遊技における下回動ガイド部材４３０の振分動作に備えて状態維持時間を「０」に設定した後（Ｓ８２２）、図２４に示す特定・非特定振分処理を終了して、図２３に示す大当り遊技処理に復帰する。一方、大当り遊技の終了条件が未だ成立していなければ（Ｓ８１６：ｎｏ）、大当り遊技が継続するので、下回動ガイド部材４３０の振分動作を終了するための処理（Ｓ８１８〜Ｓ８２２）は行うことなく、図２４に示す特定・非特定振分処理を終了して、図２３に示す大当り遊技処理に復帰する。

以上のように、本実施例のパチンコ機１では、大当り遊技中において、下回動ガイド部材４３０を所定の時間（例えば１秒）毎に非特定領域通過状態と特定領域通過状態との間で切り替える（下回動ガイド部材４３０に振分動作を行わせる）。従って、大当り遊技中に判定空間４００に進入した遊技球は、下回動ガイド部材４３０の状態に応じて、非特定領域５００および特定領域５１０のうち何れかを通過する（図９参照）。判定空間４００に進入した遊技球のみが特定領域５１０を通過する可能性があることから、判定空間４００に進入した遊技球は「特定領域５１０を通過したか否かの判定対象」となる。そして、図２３を用いて前述したように、大当り遊技中に遊技球が特定領域５１０を通過すると、該大当り遊技終了後の遊技状態が開放延長状態且つ高確率状態に設定されることから、遊技者に対して、大当り遊技中に遊技球が判定空間４００に進入した後は、該遊技球が特定領域５１０を通過するか否かに注目させることが可能となる。

Ｃ−４−２．判定・非判定振分処理 ：
図２５および図２６は、本実施例の判定・非判定振分処理を示すフローチャートである。図２３を用いて前述したように、判定・非判定振分処理は、大当り遊技処理において上述した特定・非特定振分処理の前に実行される処理である（図２３のＳ５００）。判定・非判定振分処理では、大入賞口５０ａから入球して非判定空間３００に進入した遊技球を適宜「特定領域５１０を通過したか否かの判定対象」とすべく（判定空間４００に進入させるべく）、上回動ガイド部材３１０を所定のタイミングで非判定状態から判定状態に駆動する処理が実行される。

判定・非判定振分処理を開始すると、主制御基板２００のＣＰＵ２０１は先ず、大当りＡフラグがＯＮに設定されているか否か、すなわち、実行中の大当り遊技が大当り遊技Ａであるか否かを判断する（Ｓ９００）。その結果、大当り遊技Ａの実行中である場合は（Ｓ９００：ｙｅｓ）、大当り遊技Ａ用の判定・非判定振分処理を実行する。この処理では先ず、上回動ソレノイド３１０ｍの駆動状態に基づき、上回動ガイド部材３１０は非判定状態か否かを判断する（Ｓ９０２）。そして、上回動ガイド部材３１０が非判定状態であれば（Ｓ９０２：ｙｅｓ）、今度は、大入賞口スイッチ５０ｓに基づき、大入賞口５０ａに遊技球が入球しているか否かを判断する（Ｓ９０４）。その結果、大入賞口５０ａに遊技球が入球している場合は（Ｓ９０４：ｙｅｓ）、累計入球数に「１」を加算する。累計入球数とは、今回の大当り遊技中に入球した遊技球数の累計であって、主制御基板２００のＲＡＭ２０３の所定アドレスにその記憶領域が確保されている。

こうして、累計入球数に「１」を加算したら（Ｓ９０６）、該累計入球数が「２０」に達したか否か、すなわち、今回の大当り遊技Ａの実行中に大入賞口５０ａに入球した遊技球の累計が２０個に達したか否かが判断される（Ｓ９０８）。その結果、累計入球数が「２０」に達した場合は（Ｓ９０８：ｙｅｓ）、上回動ソレノイド３１０ｍを駆動して上回動ガイド部材３１０を非判定状態から判定状態に切り替える（Ｓ９１０）。尚、上回動ガイド部材３１０が既に判定状態にある場合や（Ｓ９０２：ｎｏ）、大入賞口５０ａに遊技球が入球していない場合（Ｓ９０４：ｎｏ）、累計入球数が未だ「２０」に達していない場合（Ｓ９０８：ｎｏ）は、上回動ガイド部材３１０を判定状態に切り替える処理は省略する。

続いて、大当り遊技Ａの終了条件が成立したか否かを判断する（Ｓ９１２）。その結果、大当り遊技Ａの終了条件が成立した場合は（Ｓ９１２：ｙｅｓ）、該大当り遊技Ａの終了にともなって、上回動ソレノイド３１０ｍを駆動して上回動ガイド部材３１０を判定状態から非判定状態に切り替える（Ｓ９１４）。もちろん、大当り遊技Ａの実行中に累計入球数が「２０」に到達せずに上回動ガイド部材３１０が非判定状態のままであった場合は、Ｓ９１４の処理は省略される。こうして、上回動ガイド部材３１０を非判定状態としたら（Ｓ９１４）、次回の大当り遊技に備えて累積入球数を「０」に設定した後、図２５および図２６に示す判定・非判定振分処理を終了して、図２３に示す大当り遊技処理に復帰する。

以上のように、本実施例のパチンコ機１では、大当り遊技Ａの実行中は、大当り遊技Ａが開始されてから大入賞口５０ａに入球した遊技球の数が２０個に達した後は上回動ガイド部材３１０を判定状態にする。従って、大当り遊技Ａが開始されてから２０個目以降に大入賞口５０ａに入球した遊技球は判定空間４００に進入する。換言すると、大当り遊技Ａが開始されてから２０個目以降に大入賞口５０ａに入球した遊技球を「特定領域５１０を通過したか否かの判定対象」とする。これにより、大入賞口５０ａに入球した遊技球数に遊技者を注目させることができるとともに、判定空間４００に進入する遊技球、すなわち、大当り遊技Ａが開始されてから２０個目以降に大入賞口５０ａに入球した遊技球が、特定領域５１０を通過するか否かに遊技者を注目させることが可能となる。

以上は、実行中の大当り遊技が大当り遊技Ａである場合（Ｓ９００：ｙｅｓ）について説明した。これに対して、実行中の大当り遊技が大当り遊技Ａでない場合は（Ｓ９００：ｎｏ）、大当り遊技ＢフラグがＯＮに設定されているか否か、すなわち、大当り遊技Ｂの実行中か否かを判断する（Ｓ９２０）。その結果、大当り遊技Ｂの実行中である場合は（Ｓ９２０：ｙｅｓ）、大当り遊技Ｂ用の判定・非判定振分処理を実行する。この処理では先ず、上回動ソレノイド３１０ｍの駆動状態に基づき、上回動ガイド部材３１０は非判定状態か否かを判断する（Ｓ９２２）。そして、上回動ガイド部材３１０が非判定状態であれば（Ｓ９２２：ｙｅｓ）、今度は、大入賞口スイッチ５０ｓに基づき、大入賞口５０ａに遊技球が入球しているか否かを判断する（Ｓ９２４）。その結果、大入賞口５０ａに遊技球が入球している場合は（Ｓ９２４：ｙｅｓ）、累計入球数に「１」を加算する。

こうして、累計入球数に「１」を加算したら（Ｓ９２６）、該累計入球数が「１０」に達したか否か、すなわち、今回の大当り遊技Ｂの実行中に大入賞口５０ａに入球した遊技球の累計が１０個に達したか否かが判断される（Ｓ９２８）。その結果、累計入球数が「１０」に達した場合は（Ｓ９２８：ｙｅｓ）、上回動ソレノイド３１０ｍを駆動して上回動ガイド部材３１０を非判定状態から判定状態に切り替える（Ｓ９３０）。尚、上回動ガイド部材３１０が既に判定状態にある場合（Ｓ９２２：ｎｏ）、大入賞口５０ａに遊技球が入球していない場合（Ｓ９２４：ｎｏ）、累計入球数が未だ「１０」に達していない場合（Ｓ９２８：ｎｏ）は、上回動ガイド部材３１０を判定状態に切り替える処理は省略する。

続いて、大当り遊技Ｂの終了条件が成立したか否かを判断する（Ｓ９３２）。その結果、大当り遊技Ｂの終了条件が成立した場合は（Ｓ９３２：ｙｅｓ）、該大当り遊技Ｂの終了にともなって、上回動ソレノイド３１０ｍを駆動して上回動ガイド部材３１０を判定状態から非判定状態に切り替える（Ｓ９３４）。もちろん、大当り遊技Ｂの実行中に累計入球数が「１０」に到達せずに上回動ガイド部材３１０が非判定状態のままであった場合は、Ｓ９３４の処理は省略される。こうして、上回動ガイド部材３１０を非判定状態としたら（Ｓ９３４）、次回の大当り遊技に備えて累積入球数を「０」に設定した後、図２５および図２６に示す判定・非判定振分処理を終了して、図２３に示す大当り遊技処理に復帰する。

以上のように、本実施例のパチンコ機１では、大当り遊技Ｂの実行中は、大当り遊技Ｂが開始されてから大入賞口５０ａに入球した遊技球の数が１０個に達した後は上回動ガイド部材３１０を判定状態にする。従って、大当り遊技Ｂが開始されてから１０個目以降に大入賞口５０ａに入球した遊技球は判定空間４００に進入する。換言すると、大当り遊技Ｂが開始されてから１０個目以降に大入賞口５０ａに入球した遊技球を「特定領域５１０を通過したか否かの判定対象」とする。これにより、大入賞口５０ａに入球した遊技球数に遊技者を注目させることができるとともに、判定空間４００に進入する遊技球、すなわち、大当り遊技Ｂが開始されてから１０個目以降に大入賞口５０ａに入球した遊技球が、特定領域５１０を通過するか否かに遊技者を注目させることが可能となる。

以上は、実行中の大当り遊技が大当り遊技Ｂである場合（Ｓ９２０：ｙｅｓ）について説明した。これに対して、実行中の大当り遊技が大当り遊技Ｂでない場合は（Ｓ９２０：ｎｏ）、大当り遊技ＣフラグがＯＮに設定されているか否か、すなわち、大当り遊技Ｃの実行中か否かを判断する（図２６のＳ９４０）。その結果、大当り遊技Ｃの実行中である場合は（Ｓ９４０：ｙｅｓ）、大当り遊技Ｃ用の判定・非判定振分処理を実行する。この処理では先ず、大入賞口５０ａに遊技球が入球したか否かを判断する（Ｓ９４２）。そして、大入賞口５０ａに遊技球が入球した場合は（Ｓ９４２：ｙｅｓ）、ラウンド入球数に「１」を加算する（Ｓ９４４）。ラウンド入球数は、実行中のラウンド遊技において大入賞口５０ａから入球した遊技球の数であって、主制御基板２００のＲＡＭ２０３の所定アドレスにその記憶領域が確保されている。

ラウンド入球数に「１」を加算したら（Ｓ９４４）、その結果、ラウンド入球数が「２」になったか否かを判断する（Ｓ９４６）。すなわち、Ｓ９４６の処理では、今回大入賞口５０ａに入球した遊技球がラウンド遊技を開始してから２個目に入球した遊技球か否かを判断する。そして、今回大入賞口５０ａに入球した遊技球が、ラウンド遊技を開始してから２個目に入球した遊技球である場合は（Ｓ９４６：ｙｅｓ）、上回動ソレノイド３１０ｍを駆動して上回動ガイド部材３１０を非判定状態から判定状態に切り替える（Ｓ９４８）。すなわち、ラウンド遊技を開始してから２個目に大入賞口５０ａに入球した遊技球を判定空間４００へ進入させて、該遊技球を「特定領域５１０を通過したか否かの判定対象」とする。尚、大入賞口５０ａに遊技球が入球していない場合や（Ｓ９４６：ｎｏ）、今回の大入賞口５０ａに入球した遊技球がラウンド遊技を開始してから２個目に大入賞口５０ａに入球した遊技球でない場合は（Ｓ９４８：ｎｏ）、上回動ガイド部材３１０を非判定状態から判定状態に切り替える処理は省略する。

続いて、上回動ソレノイド３１０ｍの駆動状態に基づき、上回動ガイド部材３１０が判定状態にあるか否かを判断する（Ｓ９５０）。その結果、上回動ガイド部材３１０が判定状態にある場合は（Ｓ９５０：ｙｅｓ）、「遊技球進入時間」が経過したか否かを判断する（Ｓ９５２）。上述したように、大当り遊技Ｃの実行中は、ラウンド遊技を開始してから２個目に大入賞口５０ａに遊技球が入球した場合に上回動ガイド部材３１０を判定状態とする。「遊技球進入時間」は、ラウンド遊技を開始してから２個目に遊技球が大入賞口５０ａに入球してから該遊技球が判定空間４００に進入するまでに必要な時間である。Ｓ９５２の処理では、「遊技球進入時間」が経過したか否かを判断することによって、ラウンド遊技を開始してから２個目に大入賞口５０ａに入球した遊技球が判定空間４００に進入したか否かが判断される。その結果、「遊技球進入時間」が経過した場合、すなわち、ラウンド遊技を開始してから２個目に大入賞口５０ａに入球した遊技球が判定空間４００に進入した場合は（Ｓ９５２：ｙｅｓ）、上回動ソレノイド３１０ｍを駆動して上回動ガイド部材３１０を判定状態から非判定状態に切り替える（Ｓ９５２）。このように、大当り遊技Ｃの実行中は、ラウンド遊技を開始してから２個目に大入賞口５０ａに入球した遊技球のみを判定空間４００に進入させて、「特定領域５１０を通過したか否かの判定対象」とする。尚、上回動ガイド部材３１０が非判定状態にある場合（Ｓ９５０：ｎｏ）、上回動ガイド部材３１０が判定状態にあるものの「遊技球進入時間」が経過していない場合（Ｓ９５２：ｎｏ）は、上回動ガイド部材３１０を判定状態から非判定状態に切り替える処理は省略する。

続いて、ラウンド遊技が終了したか否か、すなわち、大入賞口５０ａが閉鎖状態となった否かを判断する（Ｓ９５６）。その結果、未だラウンド遊技が終了していなければ（Ｓ９５６：ｎｏ）、そのまま図２５および図２６に示す判定・非判定振分処理を終了して、図２３に示す遊技制御処理に復帰する。これに対して、ラウンド遊技が終了する場合は（Ｓ９５６：ｙｅｓ）、次回のラウンド遊技に備えてラウンド入球数に「０」を設定した後（Ｓ９５８）、図２５および図２６に示す判定・非判定振分処理を終了して、図２３に示す遊技制御処理に復帰する。

以上のように、本実施例のパチンコ機１では、大当り遊技Ｃの実行中は、各ラウンド遊技を開始してから２個目に大入賞口５０ａに入球した遊技球を判定空間４００に進入させる。換言すると、各ラウンド遊技を開始してから２個目に大入賞口５０ａに入球した遊技球を「特定領域５１０を通過したか否かの判定対象」とする。これにより、各ラウンド遊技において大入賞口５０ａに入球した遊技球数に遊技者を注目させることができるとともに、判定空間４００に進入する遊技球、すなわち、各ラウンド遊技を開始してから２個目に大入賞口５０ａに入球した遊技球が、特定領域５１０を通過するか否かに遊技者を注目させることが可能となる。

以上は、実行中の大当り遊技が大当り遊技Ｃである場合（Ｓ９４０：ｙｅｓ）について説明した。これに対して、実行中の大当り遊技が大当り遊技Ｃでない場合（Ｓ９４０：ｎｏ）、すなわち、既に実行中の大当り遊技は大当り遊技Ａおよび大当り遊技Ｂの何れでもないと判定されていることから（図２５のＳ９００：ｎｏ、Ｓ９２０：ｎｏ）、実行中の大当り遊技が大当り遊技Ｄである場合は、大当り遊技Ｄ用の判定・非判定振分処理を実行する。この処理では先ず、大入賞口５０ａに遊技球が入球したか否かを判断する（Ｓ９７２）。そして、大入賞口５０ａに遊技球が入球した場合は（Ｓ９７２：ｙｅｓ）、ラウンド入球数に「１」を加算する（Ｓ９７４）。ラウンド入球数に「１」を加算したら（Ｓ９７４）、その結果、ラウンド入球数が「１」になったか否かを判断する（Ｓ９７６）。すなわち、Ｓ９７６の処理では、今回大入賞口５０ａに入球した遊技球が、ラウンド遊技を開始してから１個目に入球した遊技球か否かを判断する。そして、今回大入賞口５０ａに入球した遊技球がラウンド遊技を開始してから１個目に入球した遊技球である場合は（Ｓ９７６：ｙｅｓ）、上回動ソレノイド３１０ｍを駆動して上回動ガイド部材３１０を非判定状態から判定状態に切り替える（Ｓ９７８）。すなわち、ラウンド遊技を開始してから１個目に大入賞口５０ａに入球した遊技球を判定空間４００へ進入させて、該遊技球を「特定領域５１０を通過したか否かの判定対象」とする。尚、大入賞口５０ａに遊技球が入球していない場合や（Ｓ９７６：ｎｏ）、今回の大入賞口５０ａに入球した遊技球がラウンド遊技を開始してから１個目に大入賞口５０ａに入球した遊技球でない場合は（Ｓ９７８：ｎｏ）、上回動ガイド部材３１０を非判定状態から判定状態に切り替える処理は省略する。

続いて、上回動ソレノイド３１０ｍの駆動状態に基づき、上回動ガイド部材３１０が判定状態にあるか否かを判断する（Ｓ９８０）。その結果、上回動ガイド部材３１０が判定状態にある場合は（Ｓ９８０：ｙｅｓ）、「遊技球進入時間」が経過したか否かを判断する（Ｓ９８２）。上述したように、大当り遊技Ｄの実行中は、ラウンド遊技を開始してから１個目に大入賞口５０ａに遊技球が入球した場合に上回動ガイド部材３１０を判定状態とする。「遊技球進入時間」は、ラウンド遊技を開始してから１個目に遊技球が大入賞口５０ａに入球してから該遊技球が判定空間４００に進入するまでに必要な時間である。Ｓ９８２の処理では、「遊技球進入時間」が経過したか否かを判断することによって、ラウンド遊技を開始してから１個目に大入賞口５０ａに入球した遊技球が判定空間４００に進入したか否かが判断される。その結果、「遊技球進入時間」が経過した場合、すなわち、ラウンド遊技を開始してから１個目に大入賞口５０ａに入球した遊技球が判定空間４００に進入した場合は（Ｓ９８２：ｙｅｓ）、上回動ソレノイド３１０ｍを駆動して上回動ガイド部材３１０を判定状態から非判定状態に切り替える（Ｓ９８２）。このように、大当り遊技Ｄの実行中は、ラウンド遊技を開始してから１個目に大入賞口５０ａに入球した遊技球のみを判定空間４００に進入させて、「特定領域５１０を通過したか否かの判定対象」とする。尚、上回動ガイド部材３１０が非判定状態にある場合（Ｓ９８０：ｎｏ）、上回動ガイド部材３１０が判定状態にあるものの「遊技球進入時間」が経過していない場合（Ｓ９８２：ｎｏ）は、上回動ガイド部材３１０を判定状態から非判定状態に切り替える処理は省略する。

続いて、ラウンド遊技が終了したか否か、すなわち、大入賞口５０ａが閉鎖状態となった否かを判断する（Ｓ９８６）。その結果、未だラウンド遊技が終了していなければ（Ｓ９８６：ｎｏ）、そのまま図２５および図２６に示す判定・非判定振分処理を終了して、図２３に示す遊技制御処理に復帰する。これに対して、ラウンド遊技が終了する場合は（Ｓ９８６：ｙｅｓ）、次回のラウンド遊技に備えてラウンド入球数に「０」を設定した後（Ｓ９８８）、図２５および図２６に示す判定・非判定振分処理を終了して、図２３に示す遊技制御処理に復帰する。

以上のように、本実施例のパチンコ機１では、大当り遊技Ｄの実行中は、各ラウンド遊技を開始してから１個目に大入賞口５０ａに入球した遊技球を判定空間４００に進入させる。換言すると、各ラウンド遊技を開始してから１個目に大入賞口５０ａに入球した遊技球を「特定領域５１０を通過したか否かの判定対象」とする。これにより、各ラウンド遊技において大入賞口５０ａに入球した遊技球数に遊技者を注目させることができるとともに、判定空間４００に進入する遊技球、すなわち、各ラウンド遊技を開始してから１個目に大入賞口５０ａに入球した遊技球が、特定領域５１０を通過するか否かに遊技者を注目させることが可能となる。

尚、主制御基板２００のＣＰＵ２０１は上述した処理を実行することによって、第１始動口１６ａまたは第２始動口１７ａ（始動口）に遊技球が入球すると、第１図柄表示装置２８または第２図柄表示装置３２（図柄表示装置）にて特別図柄（図柄）を変動表示させ、該変動表示する特別図柄（図柄）を大当り図柄（当り図柄）または外れ図柄で停止表示する。従って、主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、本発明における「図柄表示手段」に対応している。また、主制御基板２００のＣＰＵ２０１は上述した処理を実行することによって、大当り図柄（当り図柄）が停止表示すると、大入賞口５０ａを開放状態とする大当り遊技（当り遊技）を実行する。また、大当り図柄（当り図柄）が停止表示すると、「特定領域５１０を通過したか否かの判定対象」となる遊技球（通過判定手段による判定の対象となる所定の遊技球）が互いに異なる複数種類の大当り遊技（当り遊技）のうちいずれかを実行する。また、開放状態となった大入賞口５０ａに入球した遊技球のうち、１個目（第１個数目）に入球した遊技球に対して特定領域５１０を通過したか否かが判定される大当り遊技Ｄ（第1当り遊技）、または、開放状態となった大入賞口５０ａに入球した遊技球のうち、２個目（第２個数目）に入球した遊技球に対して特定領域５１０を通過したか否かが判定される大当り遊技Ｃ（第2当り遊技）を実行する。また、開放状態となった大入賞口５０ａに入球した遊技球のうち、２０個目以降に入球した遊技球（第１個数の遊技球）に対して特定領域５１０を通過したか否かが判定される大当り遊技Ａ（第３当り遊技）、または、開放状態となった大入賞口５０ａに入球した遊技球のうち、１０個目以降に入球した遊技球（第２個数の遊技球）に対して特定領域を通過したか否かが判定される大当り遊技Ｂ（第４当り遊技）を実行する。従って、主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、本発明における「当り遊技実行手段」に対応している。

また、主制御基板２００のＣＰＵ２０１は上述した処理を実行することによって、開放状態となった大入賞口５０ａに入球した遊技球のうち、判定空間４００に進入した（「特定領域５１０を通過したか否かの判定対象」となる）遊技球（所定個数の遊技球、所定個数目に入球した遊技球）について、特定領域５１０を通過したか否かの判定を行う。従って、主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、本発明における「通過判定手段」に対応している。また、主制御基板２００のＣＰＵ２０１は上述した処理を実行することによって、判定空間４００に進入した遊技球が特定領域５１０を通過した場合（通過判定手段によって所定の遊技球が特定領域を通過したと判定された場合）に、大当り遊技（当り遊技）終了後の遊技状態を高確率状態に設定する（高確率状態を発生させる）。従って、主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、本発明における「高確率状態発生手段」に対応している。

Ｄ．本実施例のパチンコ機によって得られる遊技性 ：
図２７は、本実施例のパチンコ機によって得られる遊技性を示す説明図である。図２７に示すように、本実施例のパチンコ機１では、大当り遊技Ａ、大当り遊技Ｂ、大当り遊技Ｃ、大当り遊技Ｄのうち何れかの大当り遊技が実行される。そして、これらの大当り遊技の実行中において、大入賞口５０ａに入球した遊技球が特定領域５１０を通過すると、該大当り遊技終了後の遊技状態が開放延長状態且つ高確率状態に設定される。開放延長状態且つ高確率状態は他の遊技状態よりも遊技者に有利な状態であることから、遊技者に対して、大入賞口５０ａに入球した遊技球が特定領域５１０を通過することを期待させる。

大当り遊技の実行中は、下回動ガイド部材４３０に振分動作を行わせることで、判定空間４００に進入した遊技球（「特定領域５１０を通過したか否かの判定対象」となった遊技球）を、非特定領域５００または特定領域５１０の何れかに誘導する。具体的には、大当り遊技の実行中に判定空間４００に進入した遊技球は先ず、判定空間４００のうち非特定空間４１０に進入する。そして、非特定空間４１０に進入した該遊技球は、下回動ガイド部材４３０が振分動作を行う過程で、該下回動ガイド部材４３０が非特定領域通過状態にある場合は、そのまま非特定空間４１０を移動して非特定領域５００を通過し、該下回動ガイド部材４３０が特定領域通過状態にある場合は、特定空間４２０に送られて特定領域５１０を通過する。

このように、大入賞口５０ａから入球した（非判定空間３００に進入した）遊技球のうち、判定空間４００に進入した遊技球（「特定領域５１０を通過したか否かの判定対象」となった遊技球）のみが、特定領域５１０を通過する可能性がある。換言すると、大当り遊技の実行中に遊技球が判定空間４００に進入した場合のみ、該大当り遊技終了後に遊技状態が開放延長状態且つ高確率状態に設定される可能性がある。従って、大当り遊技の実行中は、遊技者に対して、大入賞口５０ａから入球した遊技球が非判定空間３００から判定空間４００に進入することを期待させる。

大入賞口５０ａから入球した遊技球のうち何れの遊技球を特定空間４２０に進入させるか、すなわち、何れの遊技球を「特定領域５１０を通過したか否かの判定対象」とするかは、大当り遊技の種類に応じて決定される。具体的には、大当り遊技Ａの実行中であれば、該大当り遊技Ａが開始されてから２０個目以降に入球した遊技球を、上回動ガイド部材３１０を判定状態にして判定空間４００に進入させることで、該遊技球を「特定領域５１０を通過したか否かの判定対象」とする。また、大当り遊技Ｂの実行中であれば、該大当り遊技Ｂが開始されてから１０個目以降に入球した遊技球を判定空間４００に進入させることで、該遊技球を「特定領域５１０を通過したか否かの判定対象」とする。また、大当り遊技Ｃの実行中であれば、各ラウンド遊技において２個目に入球した遊技球を判定空間４００に進入させることで、該遊技球を「特定領域５１０を通過したか否かの判定対象」とする。また、大当り遊技Ｄの実行中であれば、各ラウンド遊技において１個目に入球した遊技球を判定空間４００に進入させることで、該遊技球を「特定領域５１０を通過したか否かの判定対象」とする。

以上のように、本実施例のパチンコ機１では、大当り遊技の種類に応じて「特定領域５１０を通過したか否かの判定対象」とする遊技球を異ならせることで、実行される大当り遊技毎に「遊技者の注目対象となる遊技球」を変化させることができ、遊技球が特定領域５１０を通過するか否かに注目させるという大当り遊技を多様に実現することができる。この結果、大当り遊技中の特定領域への遊技球通過に伴って高確率状態を発生させるパチンコ機における遊技興趣を、従来に比して向上させることが可能となる。

また、本実施例のパチンコ機１では、大当り遊技の種類に応じて「特定領域５１０を通過したか否かの判定対象」となる遊技球の数を異ならせている。具体的には、大当り遊技Ａの実行中は大入賞口５０ａに２０個目以降に入球した遊技球が「特定領域５１０を通過したか否かの判定対象」となるのに対して、大当り遊技Ｂの実行中は大入賞口５０ａに１０個目以降に入球した遊技球が「特定領域５１０を通過したか否かの判定対象」となる。従って、大当り遊技Ａと大当り遊技Ｂとで大入賞口５０ａに入球する遊技球が同じである場合は、大当り遊技Ｂの実行中の方が、大当り遊技Ａの実行中よりも多くの遊技球が「特定領域５１０を通過したか否かの判定対象」となり、ひいては、大当り遊技Ｂ終了後の方が、大当り遊技Ａ終了後よりも高い確率で、特定領域５１０を遊技球が通過したと判定されて遊技状態が開放延長状態且つ高確率状態に設定される。これにより、遊技者に対して、大当り遊技の種類に応じて「遊技球が特定領域５１０を通過すること」に対する期待の程度を異ならせるとともに、異なった数の遊技球に注目させるという斬新な遊技性を実現することができ、遊技興趣を高めることが可能となる。

また、大当り遊技Ａおよび大当り遊技Ｂの実行中は、各大当り遊技の実行中に大入賞口５０ａに入球した遊技球が多いほど、「特定領域５１０を通過したか否かの判定対象」となる遊技球が多くなる。従って、大当り遊技Ａおよび大当り遊技Ｂの実行中は、より多くの遊技球が大入賞口５０ａに入球することを遊技者に期待させることができ、遊技興趣を高めることが可能となる。

また、大当り遊技Ａと大当り遊技Ｂとでは、「特定領域５１０を通過したか否かの判定対象」となる最初の遊技球（大当り遊技Ａであれば２０個目に入球した遊技球、大当り遊技Ｂであれば１０個目に入球した遊技球）が大入賞口５０ａに入球する時期が異なるので、「遊技球が特定領域を通過するか否かに遊技者を注目させる時期」を多彩にすることができ、大当り遊技中の遊技興趣を一層向上させることが可能となる。また、「特定領域５１０を通過したか否かの判定対象」となる最初の遊技球以降の遊技球が「特定領域５１０を通過したか否かの判定対象」となるので、「遊技球が特定領域を通過するか否かに遊技者を注目させる期間の長さ」を多彩にすることができ、大当り遊技中の遊技興趣を一層向上させることが可能となる。

また、本実施例のパチンコ機１では、大当り遊技の種類に応じて大入賞口５０ａに入球した遊技球が「特定領域５１０を通過したか否かの判定対象」となる可能性を異ならせている。具体的には、大当り遊技Ｃの実行中は各ラウンド遊技で２個目に大入賞口５０ａに入球した遊技球が「特定領域５１０を通過したか否かの判定対象」となるのに対して、大当り遊技Ｄの実行中は各ラウンド遊技で１個目に大入賞口５０ａに入球した遊技球が「特定領域５１０を通過したか否かの判定対象」となる。各ラウンド遊技において大入賞口５０ａに２個目の遊技球が入球する場合は、必ず１個目の遊技球が入球している。また、大当り遊技Ｃおよび大当り遊技Ｄのラウンド遊技では大入賞口５０ａが開放状態となるのは２秒間（他の大当り遊技よりも短い開放時間）であることから、各ラウンド遊技において大入賞口５０ａに１個目の遊技球が入球しても２個目の遊技球が入球しない場合もある。従って、大当り遊技Ｄの実行中の方が、大当り遊技Ｃの実行中よりも高い確率で、大入賞口５０ａに入球した遊技球が「特定領域５１０を通過したか否かの判定対象」となり、ひいては、大当り遊技Ｂ終了後の方が、大当り遊技Ａ終了後よりも高い確率で、特定領域５１０を遊技球が通過したと判定されて遊技状態が開放延長状態且つ高確率状態に設定される。これにより、遊技者に対して、大当り遊技の種類に応じて、「遊技球が特定領域５１０を通過すること」に対する期待の程度を異ならせるとともに、大入賞口５０ａへの入球順序の異なる遊技球に注目させるという斬新な遊技性を実現することができ、遊技興趣を高めることが可能となる。

また、大当り遊技Ｃと大当り遊技Ｄとでは、「特定領域５１０を通過したか否かの判定対象」となる遊技球（大当り遊技Ｃであれば各ラウンド遊技で２個目に入球した遊技球、大当り遊技Ｄであれば各ラウンド遊技で１個目に入球した遊技球）が大入賞口５０ａに入球する時期が異なるので、「遊技球が特定領域を通過するか否かに遊技者を注目させる時期」を多彩にすることができ、大当り遊技中の遊技興趣を一層向上させることが可能となる。

以上、本発明について実施例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。

例えば、上述した実施例では、所定の遊技球のみを判定空間４００に進入させることで特定領域５１０を通過可能にして、該所定の遊技球を「特定領域５１０を通過したか否かの判定対象」とする構成とした。この構成の他にも、全ての遊技球について特定領域５１０を通過可能にした上で、所定の遊技球のみについて特定領域５１０を通過したか否かを判定することで、該所定の遊技球を「特定領域５１０を通過したか否かの判定対象」とする構成としてもよい。この構成では、該所定の遊技球が特定領域５１０を通過したときに大当り遊技終了後の遊技状態が高確率状態に設定され、該所定の遊技球とは別の遊技球が特定領域５１０を通過しても大当り遊技終了後の遊技状態は高確率状態には設定されない。

また、上述した実施例では、「特定領域５１０を通過したか否かの判定対象」とする遊技球を判定空間４００に進入させる構成としたが、この構成とは別の構成にしてもよい。たとえば、「特定領域５１０を通過したか否かの判定対象」とする遊技球を遊技盤上に一旦貯留する構成としてもよい。この構成では、該貯留された遊技球を貯留状態から解放したときに該遊技球が特定領域を通過すると、大当り遊技終了後の遊技状態を高確率状態に設定する。

また、上述した実施例では、大当り遊技Ａまたは大当り遊技Ｂにおいて、大当り遊技開始から２０番目以降または１０番目以降に入球した遊技球を「特定領域５１０を通過したか否かの判定対象」とする構成としたが、ラウンド遊技開始から所定個数目以降に入球した遊技球を「特定領域５１０を通過したか否かの判定対象」とする構成としてもよい。

また、上述した実施例では、大当り遊技Ｃまたは大当り遊技Ｄにおいて、ラウンド遊技開始から１番目または２番目に入球した遊技球を「特定領域５１０を通過したか否かの判定対象」とする構成としたが、大当り遊技開始から所定個数目に入球した遊技球を「特定領域５１０を通過したか否かの判定対象」とする構成としてもよい。

また、上述した実施例では、下回動ガイド部材４３０を非特定領域通過状態と特定領域通過状態とに切り替えることによって、大入賞口５０ａに入球した遊技球が通過する領域を非特定領域５００と特定領域５１０とに振り分ける構成とした。この構成に限らず、大入賞口５０ａに入球した遊技球が通過する領域を非特定領域５００と特定領域５１０とに振り分ける構成であれば何れの構成であってもよい。

また、上述した実施例における「非特定領域５００および特定領域５１０を有する大入賞口５０ａ（第１の大入賞口）」に加えて、「特定領域５１０を有さない大入賞口（第２の大入賞口）」を備える構成としてもよい。このような構成では、大当り遊技中のラウンド遊技において、第１の大入賞口および第２の大入賞口のうち何れかの大入賞口を開放状態にする。そして、所定のラウンド遊技においては、少なくとも第１の大入賞口を開放状態として、該ラウンド遊技中に第１の大入賞口に入球した遊技球のうち所定の遊技球（ｎ個目に入球した遊技球、ｎ個目以降に入球した遊技球：ｎは自然数）について特定領域５１０を通過したか否かを判定する構成としてもよい。たとえば、１５回のラウンド遊技が実行される大当り遊技において、１〜１４回目までのラウンド遊技では第２の大入賞口を開放状態とし、１５回目のラウンド遊技では第１の大入賞口を開放状態とする。そして、１５回目のラウンド遊技中に第１の大入賞口に入球した遊技球のうち所定の遊技球（たとえば、５個目に入球した遊技球、５個目以降に入球した遊技球）について特定領域５１０を通過したか否かを判定する構成としてもよい。もちろん、この場合に第１の大入賞口に入球した遊技球を「特定領域５１０を通過したか否かの判定対象」とする構成としては、上述した実施例と同様に、上回動ガイド部材３１０を非判定状態と判定状態とに切り替える構成を適用してもよい。以上のような構成にすると、第１の大入賞口を開放状態とすることで、遊技球が特定領域５１０を通過したか否かを判定するラウンド遊技が開始されることを遊技者に印象付けることができ、遊技興趣を高めることが可能となる。

本発明は、遊技ホールで用いられる弾球遊技機に利用することができる。

１…パチンコ機、１６ａ…第１始動口（始動口）、１７ａ…第２始動口（始動口）、２８…第１図柄表示装置（図柄表示装置）、３２…第２図柄表示装置（図柄表示装置）、５０ａ…大入賞口、２００…主制御基板、２０１…ＣＰＵ（図柄表示手段、当り遊技実行手段、通過判定手段、高確率状態発生手段）、２２０…サブ制御基板、２２１…ＣＰＵ、４００…判定空間、５１０…特定領域。

Claims (1)

1. 遊技盤に設けられた始動口と、
   遊技球が入球不能な閉鎖状態と、遊技球が入球可能な開放状態とに変化可能であって、内部に特定領域が設けられた大入賞口と、
   前記始動口に遊技球が入球すると、図柄表示装置にて図柄を変動表示させ、該変動表示する図柄を当り図柄または外れ図柄で停止表示する図柄表示手段と、
   前記当り図柄が停止表示すると、前記大入賞口を前記開放状態とする当り遊技を実行する当り遊技実行手段と、
   前記開放状態となった前記大入賞口に入球した遊技球のうち所定の遊技球について、前記特定領域を通過したか否かの判定を行う通過判定手段と、
   前記通過判定手段によって前記所定の遊技球が前記特定領域を通過したと判定された場合に、前記当り遊技の終了後に、前記図柄が前記当り図柄で停止表示される確率を通常よりも高める高確率状態を発生させる高確率状態発生手段と
   を備え、
   前記通過判定手段は、
   前記開放状態となった前記大入賞口に入球した遊技球のうち、所定個数目に入球した遊技球に対して、前記特定領域を通過したか否かを判定し、
   前記当り遊技実行手段は、前記当り遊技として、
   前記開放状態となった前記大入賞口に入球した遊技球のうち、第１の個数目に入球した遊技球に対して前記判定が行われる第１当り遊技、または、前記開放状態となった前記大入賞口に入球した遊技球のうち、前記第１の個数目よりも後の第２の個数目に入球した遊技球に対して前記判定が行われる第２当り遊技を実行する
   ことを特徴とする弾球遊技機。

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