JP5670394B2 - 未晒パルプの洗浄装置 - Google Patents

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Description

本発明は、未晒パルプの洗浄装置に係り、特にフィルターにパルプ繊維を吸着させて洗浄を行う洗浄装置において、パルプ洗浄時の泡立ちによるトラブルが解消でき、安定稼働が可能なパルプ洗浄装置に関するものである。
近年、大規模なパルプ工場では、労働生産性を高めるため、蒸気原単位が少なく、蒸気,電力,白液などを一定量使用し、負荷変動が少ない連続式蒸解釜が、従来のバッチ式蒸解釜にとって代わってきた。
そして蒸解が終わった未晒パルプは温水により洗浄され、セルロース成分以外の物質(主に黒液)を出来るだけ多く除去して、綺麗なパルプにするとともに、薬品の回収率を上げようとしている。しかし、パルプを綺麗に洗浄して、薬品回収率を上げるために洗浄水を多く使用すると、黒液の濃度が下がり、その後の黒液濃縮工程で蒸気が多く必要となるという問題がある。従ってパルプの洗浄工程では、少ない洗浄水で、パルプが充分に洗浄できるものが良い設備だとされている。
一方、図11は、従来の連続式蒸解釜の概略構成図である。この連続式蒸解釜は、塔状のベッセル1の頂部から内部に、細砕リグノセルロース物質よりなるパルプ原料(チップ)2と、白液と称する蒸解薬液3が一緒に供給される。ベッセル1の内部は、上部から下部にかけて浸透ゾーンA、蒸解ゾーンB、洗浄ゾーンCに区分けされている。
前記浸透ゾーンAは、パルプ原料2中に蒸解薬液3を浸透させるゾーンであって、蒸解薬液3の浸透を良くするために蒸気ヒーターで蒸解薬液3の沸点以下の温度まで昇温される。前記蒸解ゾーンBは、パルプ原料2中のリグニン成分を蒸解薬液3中に溶解分離させるゾーンである。前記洗浄ゾーンCは、パルプ原料2中のセルロース成分を洗浄するゾーンである。
パルプ原料2から蒸解薬液中に溶解分離したリグニン成分を含む蒸解薬液(黒液4)が、ベッセル1の中段部に設けられている抽出ストレーナから抽出され、フラッシュサイクロン9に送られる。また、前記洗浄ゾーンCによって得られたセルロース成分7は準製品として、ベッセル1の底部に設けられたボトムスクレーパー8によって外部に掻き出される。なお、図中の符号12は循環液に供給される蒸気である。
図12は、この従来の連続式蒸解釜に用いられているセントラルパイプ6の先端部の正面図である。
図11に示されているように複数本のセントラルパイプ6a,6b,6c,・・・の先端部11はベッセル1の内側に配置され、さらに図12に示されているように、セントラルパイプ6a,6b,6c,・・・の周壁に周方向に沿って複数の吹き出し口10が形成されている。
循環する黒液4はセントラルパイプ6a,6b,6c,・・・を通ってベッセル1の内側に導かれ、前記各吹き出し口10からセントラルパイプ6の周囲に噴出する構造になっている。ベッセル1内において、径の異なる複数本のセントラルパイプ6a,6b,6c,・・・は、互いに同心円状に挿入・配置されている。
なお、連続蒸解釜に関する先行技術文献として、例えば特許第4355782号公報(特許文献1)、特開2005−89921号公報(特許文献2)および特開2005−256224号公報(特許文献3)などを挙げることができる。
特許第4355782号公報 特開2005−89921号公報 特開2005−256224号公報
ところで従来の未晒パルプの洗浄装置を設計能力近くで稼動すると、泡のトラブルが発生し、洗浄装置のフィルターに吸着されたパルプ繊維がフィルターの表面で切断、剥離して、バット内でパルプが塊状となって溜まり、フィルターによるパルプの回収・堆積が不能となる。
このような状態になると消泡剤を多量に投入しても効果がなく、蒸解後の未晒しパルプの洗浄工程では、黒液および洗浄液の過度の発泡により、パルプの洗浄ならびに脱水効率の低下が極度に生じる。このようなことから安定操業ができるところまで製紙プラントを減産するしかない。特にN材のパルプ化では、樹脂肪、脂肪酸が多いことから、泡立ちによるトラブルが極めて多く、製紙プラント全体の安定稼働が不可能となる。
一方、連続式蒸解釜はバッチ式蒸解釜に比べて前述したような利点を有しているが、ベッセル1内でチップハンキングという現象が生じる。この現象は、ベッセル1内の蒸解ゾーンBあるいはその他のストレーナにパルプ繊維が、部分的にあるいはゾーンの大半にわたって付着・堆積する現象である。このチップハンキングが発生すると、パルプの品質むら、蒸解チップの歩留の低下、白色度結束繊維の増加、蒸解釜の運転停止など諸種の弊害を生じる。
図13は、従来の連続式蒸解釜におけるベッセル1内の状態を示す一部断面図である。同図に示すように前記チップハンキングによりベッセル1の内壁にチップの塊15が棚状に付着・成長しており、その棚状の塊15の内側にセントラルパイプ6cが配置された状態になっている。
そしてセントラルパイプ6cを通して黒液4をベッセル1内に撒き散らす構成になっているため、黒液4のパルプ濃度が薄くなったり、前記塊15の内側を黒液4が未蒸解のまま中抜け(ショートパス)したり、あるいは未蒸解パルプと過蒸解パルプが混在するなどの現象を生じる。
このような現象が生じると、未蒸解結束繊維のノットが多量に出たり、未蒸解パルプのため紙が褐色になったり、紙力、白色度、赤味、黄味の色のコンビネーションに影響を及ぼし、チップ歩留の低下をきたすなどの問題を起こす。
本発明の目的は、前述した従来技術の欠点を解消し、パルプ洗浄時の泡立ちによるトラブルが解消でき、安定稼働が可能な未晒パルプの洗浄装置を提供することにある。
前記目的を達成するため本発明は、
外周部に未晒パルプ繊維が吸着するフィルター部を設けた中空体からなり所定方向に回転するドラム状フィルターと、
そのドラム状フィルターの両端部に配置された固定状態にあるサクションバルブと、
そのサクションバルブからの濾過液を貯留する濾過液タンクと、
前記未晒パルプ繊維を含んだ液が放流される凹状のバットを備え、
前記ドラム状フィルターは、正面と背面が開口して正面形状がほぼ扇形をした樋状部材を、その樋状部材の正面及び背面が前記サクションバルブの内側空間部と連通するように多数個円周状に並設して構成したドラムの全周面にフィルター部を設けており、
前記サクションバルブの内側空間部は周方向に沿って4個の仕切部材によって、前記ドラム状フィルターの回転方向に対して第1セクション、第2セクション、第3セクション、第4セクションの順に4つのセクションに仕切られており、前記仕切部材は前記1個の樋状部材とほぼ同じ形状ならびに大きさを有しており、
前記仕切部材によって仕切られた第1セクションに対応する位置に第1濾過液排出管が、第2セクションに対応する位置に第2濾過液排出管が、第3セクションに対応する位置に第3濾過液排出管が、第4セクションに対応する位置に第4濾過液排出管がそれぞれ接続され、前記第1濾過液排出管の下端開口部は前記濾過液タンク内に貯留されている濾過液の液面よりも上方に位置して、前記第2〜4濾過液排出管の下端開口部は前記濾過液内に浸漬されており、
前記ドラム状フィルターの外周で前記第1セクションの前記第4セクションと隣り合う入口側には、パルプシート剥がし用部材が配置され、
前記第1,2セクションの下側部分に対応する前記ドラム状フィルターの下側部分は、前記バットの液中に浸漬され、
前記第3セクションの上方には、前記ドラム状フィルターのフィルター部上に形成されて搬送されて来るパルプシートに洗浄液を吹き付けるシャワーノズルが設置されたパルプ洗浄装置が複数台直列に接続され、
パルプシート搬送方向上流側に配置されたパルプ洗浄装置で形成されたパルプシートが次のパルプ洗浄装置に搬送されて引き続きパルプシートの形成がなされ、かつ、前記複数のパルプ洗浄装置のうちの最終のパルプ洗浄装置に黒液を含まない洗浄液が供給されてパルプシートの洗浄が行われて、当該パルプ洗浄装置から出た濾過液がパルプシート搬送方向1つ上流側のパルプ洗浄装置の洗浄液として供給されるように、前記パルプシートの搬送方向と前記濾過液の供給方向が対向しており、
前記複数のパルプ洗浄装置に、前記ドラム状フィルターとサクションバルブの内部を真空状態に形成・保持するためのナッシュポンプがそれぞれ接続されていることを特徴とするものである。
前記各パルプ洗浄装置の第2〜4濾過液排出管の下端開口部を濾過液タンクに貯留されている濾過液内に浸漬することにより、ドラム状フィルターとサクションバルブの内部の真空状態を保持している。
本発明は前述のような構成になっており、パルプ洗浄時の泡立ちによるトラブルが解消でき、安定稼働が可能な未晒パルプの洗浄装置を提供することができる。
本発明の実施例に係る連続蒸解釜の概略構成図である。 その連続式蒸解釜に用いられているセントラルパイプの基端部の正面図である。 本実施例に係る連続式蒸解釜におけるベッセル内の状態を示す一部断面図である。 本発明の実施例で用いられる未晒パルプ洗浄装置の概略正面図である。 その未晒パルプ洗浄装置の側面図である。 その未晒パルプ洗浄装置に用いるドラム状フィルターの一部斜視図である。 そのパルプ洗浄装置に用いる仕切部材の斜視図である。 そのパルプ洗浄装置におけるドラム状フィルターとサクションバルブの接合部の要部拡大断面図である。 本発明の実施例において未晒パルプ洗浄装置を複数台直列に接続した向流洗浄を説明するための図である。 本発明の実施例においてパルプ原料(チップ)から製品パルプを得るまでの工程を説明するためのフローチャートである。 従来の連続式蒸解釜の概略構成図である。 その連続式蒸解釜に用いられているセントラルパイプの先端部の正面図である。 その連続式蒸解釜におけるベッセル内の状態を示す一部断面図である。
次に本発明の実施例を図面と共に説明する。図10は、パルプ原料(チップ)2から製品パルプ104を得るまでの工程を説明するためのフローチャートである。
図10において、符号101は連続式蒸解釜であり、この連続式蒸解釜101によって、薬品102を添加した白液と称する蒸解薬液3でパルプ原料(チップ)2を連続的に蒸解する。蒸解釜101から出たセルロース成分7と薬液3はともに未晒パルプ洗浄装置103に送られて、セルロース成分7を洗浄して、製品パルプ104が得られるとともに、パルプ廃液が生じる。
一方、蒸解釜101から抽出された高濃度の黒液4は黒液配管105を通って例えばプレート型真空蒸発缶を備えた蒸発装置106に送られて蒸発操作により黒液4が濃縮されて、所謂、濃縮黒液107となる。この濃縮黒液107は、後述する回収ボイラ108から出る燃焼灰110と混合装置109で混合さ、その混合物が回収ボイラ108に供給されて燃焼される。
回収ボイラ108から排ガス111とともに排出された燃焼灰110は灰回収装置112によって回収され、その燃焼灰110は前記混合装置109に送られる。回収ボイラ108で生成した燃焼残渣から得られる緑液113は苛性化槽114に送られて、前述した蒸解用の蒸解薬液(白液)3が再生されるシステムになっている。
前記灰回収装置112から混合装置109に向かう燃焼灰110の供給ラインの途中に脱塩(脱カリ)装置115を設けている。この脱塩(脱カリ)装置115では、灰回収装置112で回収された燃焼灰110を水と混合してスラリーとし、脱塩(脱カリ)処理して、NaSO結晶を含んだ回収ケーキ57と濾過水58に分けられる。Na分(NaSO結晶)を含んだ回収ケーキ57は混合装置109に供給されて、燃焼灰110とともに黒液107に混合される。
図1は本発明の実施例に係る連続蒸解釜101の概略構成図、図2はその連続式蒸解釜101に用いられているセントラルパイプ6cの基端部の正面図である。
図1において図10に示されている従来の連続蒸解釜と相違する点は、蒸解ゾーンB内に設置されるセントラルパイプ6cの系統である。従来の連続蒸解釜は、ベッセル1内の黒液4をセントラルパイプ6cを通して塔外に抽出し、それを再びベッセル1内に戻して噴出する構成になっているが、本発明ではセントラルパイプ6cを通して黒液4を塔外に吸い出して、黒液4をフラッシュサイクロン9へ送供する構成になっている。
そのため蒸解ゾーンB内の径方向のほぼ中央部に配置されているセントラルパイプ6cの基端部13の周面には、図2に示すように、基端部13の軸方向に沿って細長く延びた吸引スリット14が多数本周方向に沿って形成されている。そしてこの吸引スリット14群が、基端部13の軸方向に沿って複数段形成されている。
本実施例の場合、吸引スリット14の横幅Wは3〜4mm、長さL1は150mm、吸引スリット14群が多段に形成されている領域の長さL2は4mである。なお、前記横幅W,長さL1,L2は単なる一例である。
そして吸引ポンプであるセントラルポンプ5c(図1参照)の駆動により、各吸引スリット14から黒液4が吸い込まれる構成になっている。この吸引スリット14群による黒液4の抽出流量(塔外に抜き出す黒液4の流量)は、パルプを柔らかく吸着して、出来るだけスリット式ストレーナの逆洗回数を減少する方式としている。
なお、本発明の場合も連続式蒸解釜101内に設置される径の異なった複数本のセントラルパイプ6a,6b,6c,・・・は、互いに同心円状に挿入・配置されている。
図3は、本実施例に係る連続式蒸解釜におけるベッセル1内の状態を示す一部断面図である。同図に示すように前記チップハンキングによりベッセル1の内壁にチップの塊15が棚状に付着・成長しており、その棚状の塊15の内側にセントラルパイプ6cの基端部13が配置された状態になっている。
そしてセントラルパイプ6cの各吸引スリット14を通して黒液4を吸引することにより、図3において点線で示すように前記基端部13の外周面にもチップの塊16が形成され、それが徐々に成長して前述の塊15と接触する。そして塊15と塊16が一体となりさらに大きな塊になり、ついには内部の圧力で一緒にベッセル1の底部に落下する。前記基端部13の外周面に適当な大きさのチップの塊16が形成されるように、吸引スリット14群が基端部13の軸方向に沿って複数段形成されている。
従って従来のように、塊15の内側を黒液4が未蒸解のまま中抜け(ショートパス)したり、あるいは未蒸解パルプと過蒸解パルプが混在するようなことが無くなり、高品質のパルプが得られ、チップ歩留の向上が図れる。
本実施例ではセントラルパイプ6cの基端部13にスリット状の吸引口を形成したが、吸引口の形状は例えば円形などの他の性状でも構わない。
なお、本発明において、前記セントラルパイプ6cを通して黒液4を常に吸引するのではなく、適宜、セントラルパイプ6cを通して黒液4を蒸解ゾーンB内に噴出することも可能である。
図4ないし図9は、前記連続式蒸解釜101の後流側に設置されている未晒パルプ洗浄装置103(図10参照)を説明するための図で、図4はパルプ洗浄装置103の概略正面図、図5はパルプ洗浄装置103の側面図、図6はそのパルプ洗浄装置103に用いるドラム状フィルター20の一部斜視図、図7はそのパルプ洗浄装置103に用いる仕切部材の斜視図、図8はそのパルプ洗浄装置103におけるドラム状フィルター20とサクションバルブ28の接合部の要部拡大断面図、図9はパルプ洗浄装置103を複数台直列に接続した向流洗浄を説明するための図である。
図10に示すように、連続式蒸解釜101で蒸解を終わった未晒のセルロース成分7はパルプ洗浄装置103に移送され、洗浄水(温水)を用いて洗浄され、セルロース成分7以外の物質(主に黒液4)を出来るだけ多く除去して、綺麗なパルプにするとともに、薬品の回収率を高める。
このパルプ洗浄装置103は図4ならびに図5に示すように、円筒状をして矢印X方向に回転するドラム状フィルター20と、そのドラム状フィルター20の両端部に配置されて同じく円筒状をした固定状態にあるサクションバルブ28(図5参照)を有している。
ドラム状フィルター20の両端面中心部には回転軸26が連結されており、回転軸26は軸受け27に回転自在に支承されているとともに、駆動モータ(図示せず)に連結されて矢印X方向(図4参照)に回転可能になっている。ドラム状フィルター20の構造については、後で説明する。
サクションバルブ28の内側空間部は周方向に沿って4個の仕切部材21によって反時計回り方向に沿って4つのセクション22〜25に仕切られている。この仕切部材21は図7に示すように正面形状が縦に長いほぼ扇形をしており、後述する1個の樋状部材34とほぼ同じ形状ならびに大きさを有している。
図4に示すように、サクションバルブ28の正面(図4において手前側の面)と背面(図4において奥側の面)には、第1セクション22に対応する位置に第1濾過液排出管29の上端部が、第2セクション23に対応する位置に第2濾過液排出管30の上端部が、第3セクション24に対応する位置に第3濾過液排出管31の上端部が、第4セクション25に対応する位置に第4濾過液排出管32の上端部が、それぞれ接続されている。各濾過液排出管29〜32の下端開口部は、ドラム状フィルター20ならびにサクションバルブ28の下方に配置された濾過液タンク33の内側に延びている。
ドラム状フィルター20は図6に示すように、底部が若干円弧状に湾曲して正面(図6において手前側の面)と背面(図6において奥側の面)が開口した樋状部材34と、その樋状部材34の上方開口部を閉塞する長方形のパンチングプレート35と、多数個の樋状部材34を円周状に並設して構成したドラムの全周面を覆う例えばステンレス製の金網36とからなっている。ドラム状フィルター20のフィルター部は、パンチングプレート35と金網36から構成されている。
図5に示すように、ドラム状フィルター20を横に倒して配置し、それの正面と背面にサクションバルブ28を配置すると、各樋状部材34の正面と背面の開口が各セクション22〜25に仕切られサクションバルブ28の内側空間部(セクション22〜25)と連通するようになっている。
図4に示すように、ドラム状フィルター20と濾過液タンク33の間には凹状のバット37が設置されており、このバット37の内側凹部にセルロース成分と洗浄水の混合液38が所定量放流される。また、この混合液38中には、第1,2セクション22,23の下側部分に対応するドラム状フィルター20の下側部分が浸漬されるようになっている。ドラム状フィルター20は矢印Xで示すように回転して、セクション22〜25の切り替えが順次自動的に行われる。
また、ドラム状フィルター20の第3セクション24と対応する洗浄ゾーンには、パルプ洗浄用のシャワーノズル39がドラム状フィルター20とほぼ平行に設置されている。サクションバルブ28にはミストセパレータ40が接続され、さらにミストセパレータ40はナッシュポンプ41によって吸引されて、ドラム状フィルター20とサクションバルブ28の内部の真空状態が維持されている。
さらにドラム状フィルター20の外周で第1セクション22の入口側には、パルプシート剥がし用のピックオフ42が配置されている。
第1セクション22では、ドラム状フィルター20の表面が洗浄の終わったパルプシート43で覆われており、このパルプシート43により第1セクション22の濾過吸引が中断され、パルプシート43がピックオフ42によってドラム状フィルター20から剥離される。
また、ドラム状フィルター20がバット37内を移動するとき混合液38は単に重力だけで流れ出て、ドラム状フィルター20の金網36(図6参照)上に洗浄すべき繊維状のセルロース成分7が付着・堆積して、ドラム状フィルター20上にパルプシート43が軽く形成される。このような状態であるから、前記金網36のシールは不完全であり、濾過液44は第1濾過液排出管29から重力だけで濾過液タンク33に流れ出る。
図4に示すように、第1濾過液排出管29の下端部は、各濾過液タンク33中の濾過液44の液面よりも上方に位置している。これに対して第2濾過液排出管30から第4濾過液排出管32のそれぞれの下端部は、各セクション内の真空維持のため濾過液44内に浸漬されている。
第2セクション23では前記ナッシュポンプ41の真空による濾過吸引が始まり、パルプシート43は徐々に厚くなるとともに、濾過液44が第2濾過液排出管30を通って濾過液タンク33に流れ出て、第2セクション23の内部は水柱(h)約2mの真空状態となる(図4参照)。
第3セクション24では真空度は最高になり、パルプシート43中の黒液はシャワーノズル39から吹きつけられる洗浄液45に置換され、セルロース成分7の洗浄が行われて、洗浄に使用された濾過液44は第3濾過液排出管31を通って濾過液タンク33に流れ出る。
第4セクション25でも約2m水柱(h)の真空度は維持されており、パルプシート43中の洗浄液45は吸引除去されてセルロース成分7の濃度が最高になる。真空吸引により出た濾過液44(黒液と洗浄液45)は第4濾過液排出管32を通って濾過液タンク33に流れ出る。
各セクション22〜25毎に吸引されたミストはナッシュポンプ41の吸引によってミストセパレータ40に捕集される。各セクション22〜25を区画形成する仕切部材21は、1個の樋状部材34と、その上に設置された1枚のパンチングプレート35を組み合わせたものとほぼ同じ形状ならびに大きさを有しているから、ドラム状フィルター20を回転しても第2セクション23から第4セクション25までの間の真空状態はそれぞれ確実に維持される。
サクションバルブ28は固定されているのに対してドラム状フィルター20は回転する構造になっており、この両者の接合部60(図5参照)のシール構造を図8に示す。
ドラム状フィルター20のサクションバルブ28と対向する面には、内周溝61aと外周溝61bが形成されている。一方、サクションバルブ28のドラム状フィルター20と対向する面には、内周溝62aと外周溝62bが形成されている。そして前記内周溝61aと内周溝62aが対向して内周溝部とを形成しており、また、前記外周溝61bと外周溝62bが対向して外周溝部を形成している。これら溝部には低い圧力でシール液63が注入・充填されており、ドラム状フィルター20とサクションバルブ28の接合面(滑り面)には、シール液63の薄い膜が形成されている。本実施例では、シール液63として薄い黒液が使用されている。
なお、ドラム状フィルター20とサクションバルブ28の接合面(滑り面)にシール液63の薄い膜を形成しただけであれば、接合面(滑り面)にスケールが付着したり、黒液中の微細繊維が付着したりして、接合面(滑り面)に微小な隙間が形成され、空気の吸い込みによる真空度の低下を招く心配がある。
そのため本実施例では、ドラム状フィルター20とサクションバルブ28の接合部60の内周面と外周面は、それぞれフェルト64で覆われており、各フェルト64は外側からバンド65で固定されている。
このような構造をとることにより、サクションバルブ28(固定部)とドラム状フィルター20(回転部)との接合面(滑り面)からの空気の吸い込みを確実に阻止して、所定の真空度を維持することができる。
図9に示すように本実施例では、前述のような構成になっているパルプ洗浄装置103が複数台(例えば3台)直列に接続されている。そして、最初に第1号パルプ洗浄装置103aで形成されたパルプシート43aは、次の第2号パルプ洗浄装置103bに搬送されて引き続きパルプシート43の形成がなされ、第2号パルプ洗浄装置103bで形成されたパルプシート43bは、次の最終の第3号パルプ洗浄装置103cに搬送されて引き続きパルプシート43の形成がなされて、製品としてのパルプシート43cが第3号パルプ洗浄装置103cから取り出される。
一方、製品としてのパルプシート43cを取り出す最終の第3号パルプ洗浄装置103cのシャワーノズル39(図4参照)には前記回収ボイラ108(図10参照)で熱回収して得られた黒液などを含まない綺麗な温水46が使用され、温水46による置換洗浄が行われる。
第3号パルプ洗浄装置103cから出た濾過液44cを第2号パルプ洗浄装置103bのシャワーノズル39に送給して、第2段階のパルプシート43bの洗浄に利用する。
さらに、第2号パルプ洗浄装置103bから出た濾過液44bを第1号パルプ洗浄装置103aのシャワーノズル39に送給して、第1段階のパルプシート43aの洗浄に利用する。そして第1号パルプ洗浄装置103aから出た濾過液44aは、先に説明した連続蒸解釜101(図10参照)に送給して、パルプ原料(チップ)2の蒸解に利用する向流洗浄システムになっている。
図9に示すように、第1号パルプ洗浄装置103aから第3号パルプ洗浄装置103cの各パルプ洗浄装置103には、それぞれミストセパレータ40とナッシュポンプ41を備えた吸引系統が接続され、各パルプ洗浄装置103のドラム状フィルター20とサクションバルブ28の内部の真空状態が維持されている。
前記各セクションにおける真空度の具体的な数値(約2m水柱)は、図9に示す第3号パルプ洗浄装置103cでの真空度の一例を示すものであって、各号パルプ洗浄装置103の真空度は生成されるパルプシートの状況などによって適宜設定あるいは変更可能である。
本実施例では3台のパルプ洗浄装置103を用いたが、パルプ洗浄装置103の設置数は例えば2〜5の範囲で適宜選択可能である。
前にも述べたように、従来の洗浄装置はそれの設計能力近くの稼動になると、泡のトラブルが発生し始め、ドラム状フィルター20に吸着されたパルプ繊維がドラム状フィルター20の表面で切断、剥離し、バット37内でパルプが塊状となり、パルプの堆積が不能となる。このような状態になると消泡剤を多量に投入しても効果がなく、安定操業ができるところまで減産することになる。
そこで本発明では、前記泡のトラブル解消のためにドラム状フィルター20の内部を真空状態にして、フィルター表面に繊維どうしを強力に吸着させることを目的として、各パルプ洗浄装置103毎にそれぞれナッシュポンプ41(図9参照)を付設した。
このナッシュポンプ41の設置理由は、ポンプ内部にはローターとシェルとが接触する部分がなく、回転による水封式真空ポンプのため、気泡や水滴を含んだ気体の排気に最適なこと、ならびに多少の飛沫同伴があってもミストセパレータ40で除去できるため、少量の消泡剤を投入しても廃水処理装置に何ら問題は生じないことが基になっている。
このようにナッシュポンプ41の付設によりドラム状フィルター20の真空度を高めると、泡のトラブルが解消して洗浄装置103の性能が向上し、パルプトン当たりの稀黒液の量が減少し、プラント全体の安定稼働が可能となり、大幅な量産が図れる。
前記実施例に係る連続蒸解釜101とパルプ洗浄装置103を組み合わせることにより、高品質のパルプを効率よく安定かつ安価に製造できるパルプ製造装置の提供が可能である。
20:ドラム状フィルター、21:仕切部材、22:第1セクション、23:第2セクション、24:第3セクション、25:第4セクション、28:サクションバルブ、29:第1濾過液排出管、30:第2濾過液排出管、31:第3濾過液排出管、32:第4濾過液排出管、33:濾過液タンク、34:桶状部材、35:パンチングプレート、36:金網、37:バット、38:混合液、39:シャワーノズル、40,40a,40b,40c:ミストセパレータ、41,41a,41b,41c:ナッシュポンプ、42:ピックオフ、43,43a,43b,43c:パルプシート、44:濾過液、45:洗浄液、46:温水。

Claims (1)

  1. 外周部に未晒パルプ繊維が吸着するフィルター部を設けた中空体からなり所定方向に回転するドラム状フィルターと、
    そのドラム状フィルターの両端部に配置された固定状態にあるサクションバルブと、
    そのサクションバルブからの濾過液を貯留する濾過液タンクと、
    前記未晒パルプ繊維を含んだ液が放流される凹状のバットを備え、
    前記ドラム状フィルターは、正面と背面が開口して正面形状がほぼ扇形をした樋状部材を、その樋状部材の正面及び背面が前記サクションバルブの内側空間部と連通するように多数個円周状に並設して構成したドラムの全周面にフィルター部を設けており、
    前記サクションバルブの内側空間部は周方向に沿って4個の仕切部材によって、前記ドラム状フィルターの回転方向に対して第1セクション、第2セクション、第3セクション、第4セクションの順に4つのセクションに仕切られており、前記仕切部材は前記1個の樋状部材とほぼ同じ形状ならびに大きさを有しており、
    前記仕切部材によって仕切られた第1セクションに対応する位置に第1濾過液排出管が、第2セクションに対応する位置に第2濾過液排出管が、第3セクションに対応する位置に第3濾過液排出管が、第4セクションに対応する位置に第4濾過液排出管がそれぞれ接続され、前記第1濾過液排出管の下端開口部は前記濾過液タンク内に貯留されている濾過液の液面よりも上方に位置して、前記第2〜4濾過液排出管の下端開口部は前記濾過液内に浸漬されており、
    前記ドラム状フィルターの外周で前記第1セクションの前記第4セクションと隣り合う入口側には、パルプシート剥がし用部材が配置され、
    前記第1,2セクションの下側部分に対応する前記ドラム状フィルターの下側部分は、前記バットの液中に浸漬され、
    前記第3セクションの上方には、前記ドラム状フィルターのフィルター部上に形成されて搬送されて来るパルプシートに洗浄液を吹き付けるシャワーノズルが設置されたパルプ洗浄装置が複数台直列に接続され、
    パルプシート搬送方向上流側に配置されたパルプ洗浄装置で形成されたパルプシートが次のパルプ洗浄装置に搬送されて引き続きパルプシートの形成がなされ、かつ、前記複数のパルプ洗浄装置のうちの最終のパルプ洗浄装置に黒液を含まない洗浄液が供給されてパルプシートの洗浄が行われて、当該パルプ洗浄装置から出た濾過液がパルプシート搬送方向1つ上流側のパルプ洗浄装置の洗浄液として供給されるように、前記パルプシートの搬送方向と前記濾過液の供給方向が対向しており、
    前記複数のパルプ洗浄装置に、前記ドラム状フィルターとサクションバルブの内部を真空状態に形成・保持するためのナッシュポンプがそれぞれ接続されていることを特徴とする未晒パルプの洗浄装置。

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