JP5669926B2 - プリン化合物 - Google Patents

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イーライ リリー アンド カンパニー
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Description

本発明は、プリン化合物に関する。
カンナビノイド受容体CBおよびCBは、Gタンパク質共役型受容体(GPCR)のクラスに属する。CB受容体は中枢および末梢の両方で発現される一方で、CB受容体は主として末梢で、主に免疫細胞および組織で発現される。
CB受容体の薬理学的および治療上の潜在性が、最近概説され(非特許文献1)、これはCBを疼痛、特に炎症性疼痛および神経因性疼痛の治療のための治療標的として同定している。
CBアゴニスト、特にCB選択的アゴニストは、限定的な中枢で媒介される副作用で、疼痛を治療するための標的を提供する。
特許文献1は、プリン化合物およびカンナビノイド受容体リガンドとしての、特にCB受容体アンタゴニストとしてのその使用に関する。
国際公開第2004/037823号パンフレット
Br.J.Pharmacol.(2008)153、319−334
現在の経口薬剤に関連する副作用の結果として、疼痛を治療するための代替治療を開発する必要があり続ける。
本発明は、以下の式の化合物:
Figure 0005669926
(式中、
は、ClまたはCHであり、
は、OH、OCH、CHOHまたはCHOCHであり、
は、Hであるか、またはRと結合して縮合ピロリジン−2−オンを形成し、
は、C−Cアルキル、C−Cフルオロアルキル、C(O)CHまたはCOCHであり、
は、H、CHまたはCHOCHであり、
は、H、CHであるか、またはRと結合してシクロプロパン環を形成し、
nは、0または1である)
またはその薬学的に許容される塩を提供する。
本発明の化合物は、インビトロにおいてCB受容体のアゴニストであることが見出されている。本発明の特定の化合物は、既存のCBアゴニストより高い有効性を示す。本発明の特定の化合物はCB選択的アゴニストである。本発明の特定の化合物は既存のCBアゴニストより高いCB選択性を示す。本発明の特定の化合物は、ヒトにおいて許容される副作用プロファイルに関する潜在性を示す。
本発明は、本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される希釈剤もしくは担体とを含む、医薬組成物を提供する。さらに、本発明は、薬学的に許容される希釈剤もしくは担体と、任意に1種以上の他の治療成分と一緒に、本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩を含む、医薬組成物を提供する。
本発明は、治療に使用するための、化合物、またはその薬学的に許容される塩を提供する。本発明はまた、疼痛、特に骨関節炎疼痛の治療に使用するための化合物、またはその薬学的に許容される塩を提供する。本発明の別の態様において、疼痛、特に骨関節炎疼痛を治療するための薬剤を製造するための、化合物、またはその薬学的に許容される塩の使用が提供される。
本発明の別の態様において、疼痛、特に化学療法誘発性疼痛を治療または予防するための薬剤を製造するための、化合物、またはその薬学的に許容される塩の使用が提供される。
本発明は、有効量の本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩を、それらを必要とするヒトまたは動物に投与することを含む、疼痛を治療するための方法を提供する。本発明は、有効量の本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩を、それらを必要とするヒトまたは動物に投与することを含む、疼痛を治療または予防するための方法を提供する。本発明はまた、有効量の本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩を、それらを必要とするヒトまたは動物に投与することを含む、骨関節炎疼痛を治療するための方法を提供する。
本発明はまた、有効量の本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩を、それらを必要とするヒトまたは動物に投与することを含む、化学療法誘発性疼痛を治療または予防するための方法を提供する。
本発明の化合物は、疼痛、特に炎症性疼痛、より特には関節痛、最も特には骨関節炎疼痛の治療に使用されることが好ましい。
本発明の化合物は、疼痛、特に化学療法誘発性疼痛の治療または予防に使用されることが好ましい。
CB受容体アゴニストはまた、多発性硬化症の治療において治療可能性を有すると識別されている(Br.J.Pharmacol.(2008)153,216−225およびJ.Biol.Chem.(2008)283,13320−13329)。さらに、CB受容体アゴニストは、癌誘発性骨痛の治療のための可能性を有すると識別されている(Life Science 86(2010)646−653)。
本発明の好ましい種は、以下の式の化合物またはその薬学的に許容される塩:
Figure 0005669926
(式中、R、R、R、Rおよびnは本明細書に定義される通りである)
である。
本発明の好ましい種は、以下の式の化合物またはその薬学的に許容される塩:
Figure 0005669926
(式中、R、R、R、およびRは本明細書に定義される通りである)
である。
式I、IIまたはIIIの化合物の特定のクラスが好ましい。以下の列挙した選択がこのような好ましいクラスを記載している:
1)RはClであり、
2)RはOHまたはCHOHであり、
3)RはCHOHであり、
4)RはHであり、
5)RはC−Cアルキル、C−CフルオロアルキルまたはC(O)CHであり、
6)Rはメチル、エチル、2−フルオロエチルまたはC(O)CHであり、
7)Rはメチルまたはエチルであり、
8)RはHまたはCHであり、
9)RはHであり、
10)RはHまたはCHであり、
11)RはCHであり、
12)nは0であり、
13)RはHであり、RはCHであり、
14)RはOHまたはCHOHであり、Rはメチル、エチル、2−フルオロエチルまたはC(O)CHであり、
15)RはOHまたはCHOHであり、Rはメチルまたはエチルであり、
16)RはOHまたはCHOHであり、Rはメチルであり、
17)RはCHOHであり、Rはメチル、エチル、2−フロオロエチルまたはC(O)CHであり、RはHであり、RはCHである。
本発明の化合物の各々の薬学的に許容される塩は本出願の範囲内に意図される。
本明細書全体を通して用いられる場合、基が「本明細書中で定義される(defined herein)」または「本明細書中で定義される(herein defined)」によって修飾される場合、その基は第1に思い浮かぶ定義および最も広義の定義、ならびにその基の特定の定義の各々およびすべてを包含するということが理解されるべきである。
上記でおよび本発明の説明全体を通して用いられる場合、以下の用語は、特段の記載がない限り、以下の意味を有する。
本明細書で使用する場合、C〜Cアルキルという用語はメチルまたはエチルを意味する。
本明細書で使用する場合、C〜Cフルオロアルキルという用語は、1以上の水素がフッ素で置換されている、本明細書中で定義されるC〜Cアルキル基を意味し、トリフルオロメチル、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチルおよび2,2,2トリフルオロエチルが挙げられる。好ましいC〜Cフルオロアルキル基は2−フルオロエチルである。本明細書で使用する場合、「異性体1」および「異性体2」という用語は、最終化合物または中間体の特定の鏡像異性体に関連し、「異性体1」は記載されるクロマトグラフプロセスから溶出する第1の化合物に関連し、「異性体2」は第2の化合物に関連する。「異性体1」または「異性体2」という用語が最初に中間体の性質である場合、その用語は最終化合物まで保持される
本明細書で使用する場合、「薬学的に許容される塩」という用語は、生命体に対して実質的に無毒である本発明の化合物の塩を意味する。このような塩およびそれらを調製するための一般的な方法論は当該技術分野で周知である。例えば、P.Stahlら、Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties Selection and Use、(VCHA/Wiley−VCH、2002);およびJ.Pharm.Sci.66、2−19(1977)を参照のこと。好ましい薬学的に許容される塩は塩酸塩およびシュウ酸塩である。
本発明の実施形態は本明細書に提示される例を包含し、そして提示される例は1つのキラル形態または立体配座形態、またはそれらの塩であり得るが、本発明のさらなる実施形態は、記載されたその例のすべての他の立体異性形態および/または立体配座形態、ならびにその薬学的に許容される塩を包含する。
本明細書で使用する場合、「CB選択的アゴニスト」または「CB選択性」という用語は、CBよりもCBに対してより大きい効力を有する化合物を意味する。好ましくは、本発明の化合物は≧100倍のCB選択性を示す。より好ましくは、本発明の化合物は≧500倍のCB選択性を示す。最も好ましくは、本発明の化合物は≧1000倍のCB選択性を示す。
本発明の化合物は、好ましくは、様々な経路によって投与される医薬組成物として製剤化される。好ましくは、このような組成物は、経口投与用である。このような医薬組成物およびそれらを調製するためのプロセスは、当該技術分野で周知である。例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(A,Gennaroら編、第19版、Mack Publishing Co.、1995)を参照のこと。
本発明の化合物のX線回折(XRD)パターンは、35kVおよび50mAで作動する、CuKa源(λ=1.54060Å)およびVantec検出器を備えた、Bruker D4 Endeavor(登録商標)X線粉末回折計で得られ得る。試料を、2θにおいて0.009°のステップサイズおよび0.5秒/ステップの走査速度で、ならびに0.6mmの発散、5.28の固定アンチスキャッター(anti−scatter)、および9.5mmの検出器スリットで、2θにおいて4〜40°の間で走査する。2θにおける±0.2のピーク位置の変動性は、示した結晶形の明確な識別を妨げず電位変化を考慮に入れる。
本発明の好ましい化合物は、2−[8−(2−クロロ−フェニル)−2−メチル−6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−プリン−9−イル]−プロパン−1−オールであり、より好ましい化合物は、(2R)−2−[8−(2−クロロフェニル)−2−メチル−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)プリン−9−イル]プロパン−1−オールである。(2R)−2−[8−(2−クロロフェニル)−2−メチル−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)プリン−9−イル]プロパン−1−オールの好ましい形態は、19.68、14.81、および13.20±0.2°から選択されるピークの1つ以上と組み合わせて8.26にて回折ピーク(2−θ)を有する、好ましくは14.81および13.20±0.2°から選択されるピークの1つ以上と組み合わせて8.26、および19.68における回折ピークを有する、XRDにより特徴付けられる。
以下のスキーム、調製例および実施例は、本発明の実施をよりよく説明するために提供される。これらのスキーム、調製例および実施例の工程についての適切な反応条件は当該技術分野で周知であり、溶媒および補助試薬の置換を含む反応条件の適切な修飾は当業者の能力の範囲内である。
さらに、当業者は、いくつかの例では、部分が導入される順序は重要ではないということを理解する。式Iの化合物を生成するために必要とされる工程の特定の順序は、化学の当業者によって十分理解されるように、合成しようとする特定の化合物、出発化合物、およびその置換部分の相対的不安定性に依存する。当業者は、すべての置換基がすべての反応条件と適合するというわけではないということを理解する。これらの化合物は、合成の好都合な時点で当該技術分野における周知の方法によって保護または修飾され得る。
適切な保護基としては、本明細書中で以降「Greene」と呼ばれるT.W.Greene、「Protective Groups in Organic Synthesis」、John Wiley and Sons、New York、N.Y.、1991に記載される保護基が挙げられる。Greeneは、当業者によって使用されるべき適切な保護基の「保護」および「脱保護」についての適切な条件を示す。
本発明の中間体および最終生成物は、所望に応じて、再結晶またはシリカゲルもしくはアルミナなどの固体支持体上でのクロマトグラフィーなどの一般的な技術によってさらに精製され得る。
本発明の化合物名は、IUPAC命名機能を有するSymyx Version3.1.NETを使用して生成される。
本明細書で使用される略語は以下の通りに定義される。「ブライン」は飽和塩化ナトリウム水溶液を意味し;「BSA」はウシ血清アルブミンを意味し;「DCM」はジクロロメタンを意味し;「DDQ」は2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノンを意味し;「DMAC」はN,N−ジメチルアセトアミドを意味し;「DMF」はN,N−ジメチルホルムアミドを意味し;「EDTA」はエチレンジアミン四酢酸を意味し;「EtOAc」は酢酸エチルを意味し;「GDP」はグアノシン二リン酸を意味し;「HEPES」は4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸を意味し;「IPA」は2−プロパノールを意味し;「IPAm」は2−プロピルアミンを意味し;「MeOH」はメタノールを意味し;「SCX」は使い捨てカートリッジまたは機器のシリカベースの強カチオン交換樹脂カラムを意味し;「SFC」は超臨界流体クロマトグラフィーを意味し;「THF」はテトラヒドロフランを意味し;「tBOC」はtert−ブトキシカルボニルを意味する。
Figure 0005669926
式(I)の化合物は、スキーム1に示しているような反応に従って調製できる。
工程1において、4,6−ジクロロ−2−メチル−ピリミジン−5−イルアミンを、置換反応においてアミン(1)と反応させてジアミノピリミジン(2)を得る。反応は、好ましくは密閉管中で、約100〜160℃などの高温にて、イソプロパノールなどの適切な溶媒中で、トリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミンなどの適切な塩基の存在下で進行し得る。あるいは、反応はマイクロ波照射を用いて達成できる。
工程2において、イミンは、シリカ上の塩化第二鉄、またはp−トルエンスルホン酸などの酸触媒の存在下で、ジアミノピリミジン(2)およびベンズアルデヒド(3)から形成される。反応は、約70℃〜110℃などの高温にて、1,4−ジオキサンまたはトルエンなどの適切な溶媒中で生じる。シリカの非存在下で、分子篩を加えて反応から水を除去してもよい。濾過により固体を取り除いた後、濃縮し、イミンの酸化的環化を、約−30〜40℃などの適切な温度にて、DDQなどのオキシデートの存在下で、ジクロロメタンなどの適切な溶媒中で達成して、式(4)の6−クロロプリンを得ることができる。
工程3において、6−クロロプリン(4)をピペラジン(5)での置換反応に供して、式(I)のピペラジニルプリンを得る。この反応は、約50〜100℃などの高温にて、メタノール、エタノール、またはイソプロパノールなどの溶媒中で、トリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミンなどの適切な塩基の存在下で進行し得る。あるいは、この反応は、マイクロ波照射を用いて達成できる。
ピペラジニル部分に存在するアミン官能基は、tBOCなどの適切な保護基で保護できることは当業者により理解されるだろう。工程3における置換の後、続いて保護基を除去して、アミンをアシル化するか、またはアルキル化して、式(I)のさらなる化合物を作製できる。
Figure 0005669926
スキーム2において、式(I)の化合物を得るための代替の方法が示されている。
ジアミノピリミジン(2)を、ニトロベンゼンまたは酢酸などの適切な酸化剤の存在下でベンズアルデヒド(3)およびピペラジン(5)と一緒に結合する。この反応は、大気に解放した状態で約120〜150℃などの高温にて、メトキシベンゼンなどの適切な溶媒中で実施して、式(I)の化合物を得る。
Figure 0005669926
スキーム3において、式(I)の化合物を作製するための別の代替法が示されている。工程1において、6−クロロ−2−メチル−4,5−ピリミジンアミンをベンズアルデヒド(3)と反応させて、上記のスキーム1、工程2に実質的に記載されている、6−クロロプリン(6)を得る。工程2において、6−クロロプリン(6)をピペラジン(5)と反応させて、上記のスキーム1、工程3に実質的に記載されている、ピペラジニルプリン(7)を得る。
工程3において、ピペラジニルプリン(7)をハロアルカン(8)(ここでX=BrまたはI)とアルキル化して式(I)の化合物を得る。このようなアルキル化を達成する様々な方法が存在することは当業者により理解されるだろう。例えば、ピペラジニルプリン(7)は、水素化ナトリウム、水素化カリウム、炭酸セシウムまたは炭酸カリウム、あるいはナトリウムまたはカリウムビス(トリメチルシリル)アミドなどの適切な塩基で処理できる。適切な溶媒としては、THF、ジオキサン、DMF、DMACまたはN−メチル−2−ピロリジノンなどの不活性溶媒が挙げられる。好ましい条件として、約−70〜50℃などの適切な温度にて、THF中の水素化ナトリウムを使用して、式(I)の化合物を得る。式(I)の化合物(式中、Rは末端アルコールを含有する)は、適切な保護基を使用し、続いて保護基を除去することによってアルキル化工程の間に保護できることは当業者により理解されるだろう。
Figure 0005669926
スキーム4において、式(I)の化合物を作製するためのさらに別の代替法が示されている。
工程1において、5−アミノ−4,6−ジクロロ−2−メチルピリミジンを、塩化ベンゾイル(9)でアシル化し、続いてアミン(1)で置換して、アミノアミドピリミジン(10)を得る。その反応を、塩化ベンゾイル(9)の存在下で、60〜100℃などの高温にて、ジメチルアセトアミドまたはN−メチル−2−ピロリドンなどの不活性溶媒中で達成する。水を加え、加熱を継続し、その後、ジイソプロピルエチルアミンまたはトリエチルアミンなどの適切な有機塩基を加える。この後、加熱を継続しながらアミン(1)を加える。
工程2において、アミノアミドピリミジン(10)を密閉容器中でピペラジン(5)と合わせて、式(I)の化合物を得る。その反応は、ジイソプロピルエチルアミンなどの適切な有機塩基の存在下で、140〜180℃などの高温にて、イソプロパノールなどの適切な溶媒中で生じる。
調製例1
6−クロロ−N4−(2−メトキシエチル)−2−メチルピリミジン−4,5−ジアミン
Figure 0005669926
イソプロパノール(70mL)中の4,6−ジクロロ−2−メチル−ピリミジン−5−イルアミン(5.0g,0.02mol)、2−メトキシエチルアミン(2.32g,0.03mol)およびジイソプロピルエチルアミン(3.9g,0.03mol)の溶液を、密閉チューブ内で16時間、150℃にて加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、イソプロパノールを減圧下で除去して残留物を得た。残留物をジクロロメタン中に溶解し、水およびブラインで洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残留物を得た。残留物を、メタノール:ジクロロメタン(4:96)で溶出するシリカゲルカラム上で精製して、標題化合物(5.0g)を得た。ES/MS m/z 217(M+1).
以下の表中のジアミノピリミジンを、適切なアミンおよび4,6−ジクロロ−2−メチル−ピリミジン−5−イルアミンを用いて、調製例1に記載した手順に基本的に従って調製した。調製例3、調製例4および調製例7を、酢酸エチル/ヘキサンで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーを用いて精製した。調製例9を、アセトン/ヘキサンで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーを用いて精製した。調製例10を、溶出液としてMeOH中のNH7Mで、Biotage Isolute(登録商標)SCX−2(スルホン酸プロピル官能化シリカ)を用いて精製した。
Figure 0005669926
Figure 0005669926
調製例11
6−クロロ−8−(2−クロロフェニル)−9−(2−メトキシエチル)−2−メチル−プリン
Figure 0005669926
1,4−ジオキサン(150mL)中の6−クロロ−N4−(2−メトキシエチル)−2−メチルピリミジン−4,5−ジアミン(5.0g,0.023mol)、2−クロロベンズアルデヒド(4.8g,0.03mol)、SiO(20g)上の15%FeClの溶液を、16時間100℃まで加熱した。シリカを珪藻土で濾過して除去し、濾過物を減圧下で濃縮して、残留物を得た。残留物を乾燥ジクロロメタン(150mL)中に溶解し、DDQ(5.2g,0.022mol)を0℃にて加え、反応混合物を室温にて2時間攪拌した。反応混合物をジクロロメタンで希釈し、1N水酸化ナトリウム溶液、水、およびブラインで洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残留物を得た。残留物を、酢酸エチル:n−ヘキサン(40:60)で溶出するシリカゲルカラム上で精製して、標題化合物(2.9g)を得た。ES/MS m/z 337(M+1).
以下の表中のフェニルプリンを、適切なジアミノピリミジンおよび2−クロロベンズアルデヒドまたは2−メチルベンズアルデヒドを用いて、調製例11に記載した手順に基本的に従って調製した。調製例17を、溶出液としてアセトン/ヘキサンで、シリカゲルクロマトグラフィーを用いて精製した。
Figure 0005669926
調製例18
1−(6−クロロ−8−(2−クロロフェニル)−2−メチル−プリン−9−イル)−2−メチル−プロパン−2−オール
Figure 0005669926
トルエン(25mL)中の1−(5−アミノ−6−クロロ−2−メチルピリミジン−4−イルアミノ)−2−メチルプロパン−2−オール(0.5g,0.002mol)、2−クロロベンズアルデヒド(0.6g,0.004mol)、p−トルエンスルホン酸(0.1g)および分子篩(1.0g)の混合物を、130℃まで16時間加熱した。分子篩を珪藻土で濾過して除去し、濾過物を減圧下で濃縮して、残留物を得た。残留物を乾燥ジクロロメタン(5mL)中に溶解し、DDQ(0.47g,0.002mol)を0℃にて加えた。反応混合物を室温にて2時間攪拌した。反応混合物をジクロロメタンで希釈し、1N水酸化ナトリウム溶液、水、およびブラインで洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残留物を得た。残留物を、メタノール:ジクロロメタン(2:98)で溶出するシリカゲルカラム上で精製して、標題化合物(0.4g)を得た。ES/MS m/z 351(M+1).
以下の表中のフェニルプリンを、3−[(5−アミノ−6−クロロ−2−メチル−ピリミジン−4−イル)アミノ]−2,2−ジメチル−プロパン−1−オールおよび2−クロロベンズアルデヒドを用いて、調製例18に記載した手順に基本的に従って調製した。
Figure 0005669926
調製例20
1−(2−フルオロエチル)ピペラジン二塩酸塩
Figure 0005669926
反応槽を、N−tert−ブトキシカルボニルピペラジン(1.600g,8.590mmol)、炭酸カリウム(3.56g,25.77mmol)、ヨウ化ナトリウム(触媒)(10mg,66.7μmol)、1,4−ジオキサン(20mL)、および1−ブロモ−2−フルオロエタン(704.0μL,9.45mmol)で満たした。混合物を還流温度にて一晩攪拌しながら加熱した。反応完了後、室温まで冷却し、減圧下で濃縮した。得られた残留物を酢酸エチルおよび水で分けた。有機層を分け、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、純4−(2−フルオロ−エチル)−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを得た。GC−MS m/z 232 (M).
1,4−ジオキサン(21.52mL,86.1mmol)中の4N HClを、乾燥ジクロロメタン(60mL)中の4−(2−フルオロ−エチル)−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(2.00g,8.61mmol)の攪拌溶液に、室温にて窒素下で加えた。窒素下で一晩攪拌した。反応物を減圧下で濃縮して、標題化合物(1.78g)を得た。ES/MS m/z 133 (M+1).
調製例21
8−(2−クロロフェニル)−6−(4−エチルピペラジン−1−イル)−2−メチル−9H−プリン塩酸塩
Figure 0005669926
エタノール(10mL)中の6−クロロ−8−(2−クロロ−フェニル)−2−メチル−9H−プリン(0.5g,0.0017mol)、N−エチルピペラジン(0.22g,0.0019mol)、およびトリエチルアミン(0.22g,0.0022mol)の溶液を、90℃にて8時間加熱した。あるいは、反応物をマイクロ波照射で加熱した。反応完了後、反応混合物を減圧下で濃縮した。残留物を乾燥ジクロロメタン中に溶解し、飽和重炭酸ナトリウム溶液、水、およびブラインで洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残留物を得た。残留物を、溶出液としてMeOH:DCM(2:98)を用いてシリカゲルカラム上で精製して、8−(2−クロロフェニル)−6−(4−エチルピペラジン−1−イル)−2−メチル−9H−プリン(0.25g)を得た。HCl(エタノール中の2M溶液)(1.0当量)を、乾燥エーテル(2.5mL)中の8−(2−クロロフェニル)−6−(4−エチルピペラジン−1−イル)−2−メチル−9H−プリン(0.25g,0.0007mol)の混合物中に0℃にて加え、1時間室温にて攪拌した。沈殿物を濾過し、エーテルおよびDCMで洗浄した。真空下で乾燥させて、標題化合物(0.275g)を白色固体として得た。ES/MS m/z 357(M+1).
あるいは、アセトン中の遊離塩基を、1:1アセトニトリル:水、または別の適切な有機溶媒中に溶解して、HCl塩を調製し、次いでHCl水溶液またはHClエーテル溶液を攪拌して加えた。次いで凍結乾燥して、塩酸塩を得た。
以下の表中のフェニルピペラジニルプリンを、適切に置換されたピペラジンおよび適切に置換された6−クロロプリンを用いて、調製例21に記載した手順に基本的に従って調製した。他に記載されない限り、純粋な遊離塩基生成物を、溶出液としてアセトン/ヘキサンまたはMeOH/DCMで、順相シリカゲルクロマトグラフィーを用いて精製した。
Figure 0005669926
Figure 0005669926
Figure 0005669926
Figure 0005669926
Figure 0005669926
逆相分取HPLC、Waters(登録商標)xbridge、溶出液:9〜100%アセトニトリル/水pH10(NHCO)。
キラル分離により精製:Diacel OJ−H SFC、溶出液:12%MeOH(0.2%IPAm)/CO。異性体1(100%ee)および異性体2(91.1%ee)。
キラル分離により精製:Diacel AD−H SFC、溶出液:10%IPA(0.2%ジエチルメチルアミン)/CO。異性体1(100%ee)および異性体2(100%ee)。
調製例23
(2R)−2−[(5−アミノ−6−クロロ−2−メチル−ピリミジン−4−イル)アミノ]プロパン−1−オール
Figure 0005669926
4,6−ジクロロ−2−メチル−ピリミジン−5−イルアミン(307g,1.72モル)を、オーバーヘッドスターラー、還流コイル冷却器、温度計、および添加漏斗が備え付けられた、イソマントルが取り付けられた10Lフランジフラスコ中に満たした。次いでイソプロピルアルコール(3.45L)をフラスコに加え、攪拌して、透明淡黄色溶液を得た。トリエチルアミン(456.7mL,3.28mol)をフラスコに、50℃にて攪拌し温めながら一度に加えた。(R)−(−)−2−アミノ−1−プロパノール(194.30g,202.10mL,2.59mol)を、添加漏斗から30分にわたってゆっくり加えた。最後の添加の後、反応混合物を36時間加熱し還流させた。反応混合物を冷却した。追加の(R)−(−)−2−アミノ−1−プロパノール(64.77g,67.37mL,862.26mmol,0.5当量)およびトリエチルアミン(174.51g,240.37mL,1.72モル,1.0当量)を反応混合物に加え、18時間還流させた。反応混合物を冷却した。追加の(R)−(−)−2−アミノ−1−プロパノール(32.38g,33.68mL,431.13mmol,0.25当量)およびトリエチルアミン(87.25g,120.18mL,862.26mmol,0.5当量)を反応混合物に加え、6時間加熱し還流させた。48時間周囲温度で攪拌しながら冷却した。
回転蒸発により溶媒を除去して、オフホワイト半固体を得た。水(500mL)を加え、残ったイソ−プロパノールを得られた白色スラリーから回転蒸発により除去した。白色固体を濾過により回収し、水(1×200mL,1×130mL)で洗浄した。白色固体を真空オーブン内にて固体の水酸化カリウム上で50℃にて乾燥させて、標題化合物(222.6g)を得た。ES/MS m/z 217(M+1).
実施例20
(2R)−2−[8−(2−クロロフェニル)−2−メチル−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)プリン−9−イル]プロパン−1−オール;シュウ酸
Figure 0005669926
開けさらしの10Lジャケット付きリアクター内にて、(2R)−2−[(5−アミノ−6−クロロ−2−メチル−ピリミジン−4−イル)アミノ]プロパン−1−オール(228g,1.05mol)および1−メチルピペラジン(210.80g,233.9mL,2.1)をジメチルスルホキシド(3.16L)中に溶解した。2−クロロベンズアルデヒド(221.88g,1.58mol.)をフラスコに加え、その後、トリエチルアミン(127.78g,176mL,1.26mol)およびニトロベンゼン(129.55g,1.05mol)を加えた。混合物を140℃まで3.5時間加熱し、次いで冷却した。室温にて18時間攪拌した。
反応混合物を、水(7.5L)を含有する20Lフラスコ内に攪拌しながら注いだ。30分後、濃茶色油をジクロロメタン(1×7.5L,1×5L)で抽出し、有機層を分けた。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させて、油を得た。油をテトラヒドロフラン(3.2L)中に溶解し、迅速に攪拌しながらテトラヒドロフラン(2.1L)中のシュウ酸(94.74g,1.05mol,1当量)の溶液で処理した。反応混合物を45℃まで15分温め、次いで熱い混合物を重力濾過で濾過した。濾過ケーキを、酢酸エチル−テトラヒドロフラン(1:1)で数回洗浄し、最終的にエーテルで洗浄した。その間、固体を手動でかき回していた。固体を真空オーブン内で蒸発させて、標題化合物を明茶色固体(329.4g)として得た。[α]@20°C=−6,Conc=0.101g/100mL(MeOH).
実施例20a
(2R)−2−[8−(2−クロロフェニル)−2−メチル−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)プリン−9−イル]プロパン−1−オール
Figure 0005669926
(2R)−2−[8−(2−クロロフェニル)−2−メチル−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)プリン−9−イル]プロパン−1−オールシュウ酸塩(330.3g,674.17mmol)を、迅速に攪拌した2M水酸化ナトリウム(1.01L,2.02mol)水溶液に加えた。20分攪拌し、次いでジクロロメタン(5L,次いで2.5L)で抽出し、水(2.5L)で洗浄し、次いでブライン(1.5L)で洗浄した。追加の遊離塩基物質(15.3g)(基本的に上述したようにパイロット反応で生成した)をジクロロメタン溶液に加えた。ジクロロメタン溶液を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させて、金色結晶固体を得た。固体を真空下で乾燥させて、標題化合物(264.5g)を得た。ES/MS m/z 401.2(M+1).[α]20 −4.1(c1,MeOH).
実施例20b
(2R)−2−[8−(2−クロロフェニル)−2−メチル−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)プリン−9−イル]プロパン−1−オール塩酸塩
Figure 0005669926
窒素入口を装着した250mL丸底フラスコ内にて、(2R)−2−[8−(2−クロロフェニル)−2−メチル−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)プリン−9−イル]プロパン−1−オール(15.29g,38.14mmol)をジエチルエーテル(114mL)中に溶解し、ジオキサン(9.53mL,38.14mmol)中の4N塩化水素で処理した。室温にて2.5時間攪拌し、次いで固体を真空濾過により回収した。ジエチルエーテル(300mL)で洗浄し、次いで真空下で乾燥させて、標題化合物(12.1g)を得た。ES/MS m/z 401.2(M+1−HCl).
実施例20c
(2R)−2−[8−(2−クロロフェニル)−2−メチル−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)プリン−9−イル]プロパン−1−オール
Figure 0005669926
2Lフラスコ内で、(2R)−2−[8−(2−クロロフェニル)−2−メチル−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)プリン−9−イル]プロパン−1−オール(202.1g,504.10mmol)を、アセトニトリル(1.26L)で処理し、室温にて30分攪拌した。固体を濾過により回収し、アセトニトリル(250mL)で洗浄し、空気乾燥させ、次いで真空下で40℃にて乾燥させて、純標題化合物(134.1g)を得た。光学純度をキラルSFCにより決定して、単一の鏡像異性体を示した。ES/MS m/z 401.2(M+1)。キラルHPLC条件:Diacel AD−H,10%IPA,0.2%イソプロピルアミン 89.8%超臨界二酸化炭素,UV(220nm),T=4.22分,100%ee.
2R)−2−[8−(2−クロロフェニル)−2−メチル−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)プリン−9−イル]プロパン−1−オールへの代替経路
調製例23a
2−クロロ−N−[4−クロロ−6−[[(1R)−2−ヒドロキシ−1−メチル−エチル]アミノ]−2−メチル−ピリミジン−5−イル]ベンズアミド
Figure 0005669926
2−クロロベンゾイルクロライド(10.44g,57.86mmol)、5−アミノ−4,6−ジクロロ−2−メチルピリミジン(10g,56.17mmol)およびN−メチルピロリドン(44mL)を、還流冷却器、スターラーバー、窒素入口/出口が備えられた、250mLの三つ首丸底フラスコ内にて合わせ、80℃にて5時間加熱した。水(506μL)を加え、20分加熱条件下で攪拌し続け、その後、ジイソプロピルエチルアミン(29.4mL,168.52mmol)を加えた。次いで(R)−(−)−2−アミノ−1−プロパノール(6.23mL,79.77mmol)を一度に加え、その後N−メチルピロリドン(10mL)でリンスした。80℃にて17時間加熱し続けた。反応溶液を室温まで冷却し、次いで水(112mL)を、添加漏斗を介して10分にわたって滴下して加えた。室温にて35分攪拌し続け、次いで酢酸エチル(300mL)内に注いだ。相を分け、酢酸エチル(2×200mL)で水相を抽出した。合わせた有機部分を水(200mL)で洗浄し、次いでブライン(200mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させて、オレンジ色油を得た。これをtert−ブチルメチルエーテルで粉砕して、白色固体を得て、回収後濾過した。固体をフィルター上で0.5時間乾燥させ、次いで真空オーブン内で50℃にて乾燥させて、標題化合物(15.1g)を得た。ES/MS m/z 355.0/357.0(M+1).
実施例20d
(2R)−2−[8−(2−クロロフェニル)−2−メチル−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)プリン−9−イル]プロパン−1−オール
Figure 0005669926
機械的スターラーを備えた300mL Parrオートクレーブ内にて、N−メチルピペラジン(7.1mL)およびジイソプロピルエチルアミン(7.0mL)を、2−クロロ−N−[4−クロロ−6−[[(1R)−2−ヒドロキシ−1−メチル−エチル]アミノ]−2−メチル−ピリミジン−5−イル]ベンズアミド(13.0g)、IPA(11mL)と合わせた。反応層を密閉し、160℃にて24時間加熱した。全ての揮発性物質を蒸発させ、ジクロロメタン(100mL)中に溶解して、暗色溶液を得た。水(2×50mL)で洗浄し、疎水性フリットを用いて乾燥させ、減圧下で全ての溶媒を洗浄させた。得られた固体を取り、アセトニトリル(85mL)中に溶解し、攪拌した。1.5時間後、固体を濾過により回収し、空気乾燥させ、その後、真空下で乾燥させて、標題化合物(10.73g)を得た。光学純度をキラルSFCにより決定して、単一の鏡像異性体を示した。ES/MS m/z 401.2(M+1)。キラルHPLC条件:Diacel AD−H,10%IPA,0.2%イソプロピルアミン,89.8%超臨界二酸化炭素,UV(220nm),T=4.22分,100%ee.
実施例20e
(2R)−2−[8−(2−クロロフェニル)−2−メチル−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)プリン−9−イル]プロパン−1−オール
Figure 0005669926
(2R)−2−[8−(2−クロロフェニル)−2−メチル−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)プリン−9−イル]プロパン−1−オール(800mg,実施例20a)をアセトニトリル(5mL)と混合した。得られた透明濃茶色溶液を500rpmで室温にて攪拌し、1分攪拌後、白色固体が沈殿し始めた。サンプルを10分攪拌して、溶液から沈殿物を得られるだけ沈殿させた。白色固体を真空濾過により単離させ、1mLのアセトニトリルでリンスした。物質を真空オーブン内で85℃にて1時間乾燥させて、505mgを回収した。CuKa放射を供給源(λ=1.54060Å)として使用するXRD回析ピークを、以下に表中に示した。
Figure 0005669926
実施例21
{1−[8−(2−クロロ−フェニル)−2−メチル−6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−プリン−9−イル]−シクロプロピル}メタノール塩酸塩
Figure 0005669926
開けさらしのフラスコを用いて、メトキシベンゼン(15.28mL)中の1−(5−アミノ−6−クロロ−2−メチル−ピリミジン−4−イルアミノ)−シクロプロピル]−メタノール(1.165g,5.09mmol)およびN−メチルピペラジン(622.70μL,5.60mmol)の溶液を攪拌した。2−クロロベンズアルデヒド(860.03μL,7.64mmol)を一度に加え、その後、ニトロベンゼン(522.22μL,5.09mmol)を加え、温度を140℃まで上昇させた。反応物を140℃にて10時間攪拌した。反応物を回転蒸発器に移し、揮発物を除去した。2N塩酸(500mL)で希釈し、ジクロロメタン(500mL)で洗浄した。有機層を捨て、酸分画を濃水酸化ナトリウム水溶液でpH=14まで処理した。生成物をジクロロメタンで抽出し、MgSOで乾燥させ、蒸発させて、茶色油を得た。
粗物質を標準相SFC(Dintrophenylカラム,20%MeOH(0.2%ジエチルメチルアミン),80%CO2)を用いて精製した。遊離塩基を、水:アセトニトリル(2:1)または別の適切な有機溶媒中に溶解して、HCl塩を調製し、次いでHCl水溶液またはHClエーテル溶液を攪拌して加えた。凍結乾燥して、標題化合物(390mg)の塩酸塩を固体として得た。ES/MS m/z 413(M+1).
以下の表中のフェニルピペラジニルプリンを、適切に置換されたジアミノピリミジン、2−クロロベンズアルデヒド、およびN−メチルまたはN−エチルピペラジンを用いて、実施例21に記載した手順に基本的に従って調製した。
Figure 0005669926
分取逆相HPLC:Phenomenex Gemini(登録商標)により精製。5ミクロンC−18カラム;溶出液:0.1%TFAを含む水中の10〜100%アセトニトリル。
順相シリカゲルクロマトグラフィーにより精製。溶出液:MeOH/DCM中の0−10%7M NH
調製例24
1−[8−(2−クロロフェニル)−2−メチル−6−ピペラジン−1−イル−プリン−9−イル]−2−メチル−プロパン−2−オール
Figure 0005669926
トリフルオロ酢酸(10mL)を、ジクロロメタン(10mL)中のtert−ブチル4−[8−(2−クロロフェニル)−9−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピル)−2−メチル−プリン−6−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(1.9g,0.0038mol)の溶液に0℃にて加え、2時間室温にて撹拌した。反応混合物を飽和重炭酸ナトリウム溶液でクエンチし、ジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、標題化合物(1.5g)を得た。ES/MS m/z 401(M+1).
実施例24
メチル4−[8−(2−クロロフェニル)−9−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピル)−2−メチル−プリン−6−イル]ピペラジン−1−カルボンキシレート塩酸塩
Figure 0005669926
クロロギ酸メチル(0.29g,0.0031mol)を、乾燥ジクロロメタン(3mL)中の1−[8−(2−クロロフェニル)−2−メチル−6−ピペラジン−1−イル−プリン−9−イル]−2−メチル−プロパン−2−オール(0.001mol,0.5g)およびピリジン(2.0mL)の溶液に、0℃にて加え、2時間室温にて撹拌した。反応混合物を飽和重炭酸ナトリウム溶液でクエンチし、ジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残留物を得た。残留物を、メタノール:ジクロロメタン(3:97)を溶出液として用いるシリカゲルカラム上で精製して、メチル4−[8−(2−クロロフェニル)−9−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピル)−2−メチル−プリン−6−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(0.3g)を得た。ES/MS m/z 459(M+1).
HCl(エーテル中の2.0M溶液)(0.023g,0.0006mol)を、エーテル(4mL)中のメチル4−[8−(2−クロロフェニル)−9−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピル)−2−メチル−プリン−6−イル]ピペラジン−1−カルボンキシレート(0.3g,0.0006mol)の溶液に、0℃にて加え、2時間室温にて撹拌した。沈殿物を濾過し、エーテルで洗浄し、真空下で乾燥させて、標題化合物(0.24g)を白色固体として得た。ES/MS m/z 459(M+1).
実施例25
8−(2−クロロフェニル)−6−(4−エチルピペラジン−1−イル)−9−(メトキシメチル)−2−メチル−プリン
Figure 0005669926
水素化ナトリウム(0.031g,0.0013mol)を、乾燥テトラヒドロフラン(20mL)中の8−(2−クロロフェニル)−6−(4−エチルピペラジン−1−イル)−2−メチル−9H−プリン(0.233g,0.00065mol)の溶液に、0℃にて加えた。反応混合物を15分撹拌し、次いで−30℃まで冷却し、ブロモメチルメチルエーテル(0.081g,0.00065mol)を加えた。反応混合物を室温まで温め、1時間撹拌した。反応混合物を水でクエンチし、テトラヒドロフランを蒸発により除去し、次いで反応混合物をジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残留物を得た。残留物を分取逆相HPLC(X−Bridgeカラム,5mM NHOAc/アセトニトリル)を介して精製して、標題化合物(0.029g)を得た。ES/MS m/z 401(M+1).
調製例25
2−[(5−アミノ−6−クロロ−2−メチル−ピリミジン−4−イル)アミノ]エタノール
Figure 0005669926
1Lオートクレーブを、5−アミノ−4,6−ジクロロ−2−メチルピリミジン(50.0g,0.281mol)、2−アミノエタノール(18.8g,0.309mol)、ジイソプロピルエチルアミン(54.5g,0.421mol)、およびIPA(500mL)で満たした。混合物を、24〜30時間撹拌しながら145〜155℃まで加熱した。反応物を25〜30℃まで冷却した。反応混合物を濃縮し、溶媒を真空下で50℃以下にて除去した。DCM(500mL)を混合物に入れ、10〜25℃にて2時間撹拌した。混合物を濾過し、ケーキをオーブン内で45〜50℃にて乾燥させて、生成物を淡黄色固体(35.0g)として得た。H NMR(dmso−d):δ6.76(s,1H);4.79(s,3H);3.53−3.37(m,4H);2.09(s,3H).
調製例26
2−[6−クロロ−8−(2−クロロフェニル)−2−メチル−プリン−9−イル]エタノール
Figure 0005669926
500mLの三つ首丸底フラスコを、2−[(5−アミノ−6−クロロ−2−メチル−ピリミジン−4−イル)アミノ]エタノール(13.0g,0.064mol)および1,4−ジオキサン(300mL)で満たした。2−クロロベンズアルデヒド(13.5g,0.096mol)を加え、その後シリカゲル(37.5g)上の塩化鉄(III)、5wt%を一度に加えた。混合物を100〜105℃まで48時間加熱した。20〜35℃まで冷却し、濾過し、ケーキを1,4−ジオキサン(40mL)でリンスした。濾過物を合わせ、真空下で濃縮した。残留物をジクロロメタン(260mL,20mL/g)で溶解し、0〜5℃まで冷却した。2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(14.5g,0.064mol)を0℃にて加え、混合物を10〜25℃まで温め、2時間撹拌した。濾過し、ケーキをエタノール(100mL)でリンスし、濾過物を合わせた。濾過物を真空下で濃縮して、暗色残留物を得た。残留物をジクロロメタン(300mL)で再溶解し、この溶液を1N水酸化ナトリウム水溶液でpH10〜11まで洗浄し、その後水(2×60mL)で洗浄した。有機層を濃縮して、粗物質を得た。粗物質を、ジクロロメタン/メタノール(50:1)で溶出する400gシリカゲル上で精製して、黄色固体(6.5g)を得た。H NMR(dmso−d):δ7.73−7.56(m,4H);4.83(t,J=6Hz,1H);4.12(t,J=6Hz,2H);3.61(q,J=6Hz,2H);2.73(s,3H).
調製例27
(±)−2−[8−(2−クロロフェニル)−9−(2−ヒドロキシエチル)−2−メチル−プリン−6−イル]−1,3,4,7,8,8a−ヘキサヒドロピロロ[1,2−a]ピラジン−6−オン
Figure 0005669926
500mLの三つ首丸底フラスコを、2−[6−クロロ−8−(2−クロロフェニル)−2−メチル−プリン−9−イル]エタノール(13.3g,0.0412mmol)およびエタノール(200mL)で満たし、その後、2,3,4,7,8,8a−ヘキサヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ピラジン−6−オン(6.365g,0.0453mol)およびトリエチルアミン(14.8mL,3.5当量)で満たした。混合物を80〜85℃まで24時間加熱した。反応物を室温まで冷却し、真空下で濃縮して、黄色固体を粗生成物として得た。粗物質を、ジクロロメタン/メタノール(50:1)で溶出し、400gのシリカゲルを用いる、カラムクロマトグラフィーにより精製して、生成物を黄色固体(13.3g)として得た。H NMR(dmso−d):δ7.55−7.41(m,4H);5.72(bs,2H);4.16−3.92(m,3H);3.71(s,2H);3.71−3.68(m,1H);3.02−2.93(m,2H);2.74(m,1H);2.70(s,3H);2.44(m,2H);2.32−2.29(m,1H);1.76−1.69(m,1H).
実施例26
2−[8−(2−クロロフェニル)−9−(2−ヒドロキシエチル)−2−メチル−プリン−6−イル]−1,3,4,7,8,8a−ヘキサヒドロピロロ[1,2−a]ピラジン−6−オン,異性体2
Figure 0005669926
(±)−2−[8−(2−クロロフェニル)−9−(2−ヒドロキシエチル)−2−メチル−プリン−6−イル]−1,3,4,7,8,8a−ヘキサヒドロピロロ[1,2−a]ピラジン−6−オン(19.0g)をメタノール(400mL)中に溶解した。鏡像異性体を超臨界流体クロマトグラフィー(AD−Hカラム,250×30mm,5μm);移動相:A:超臨界CO;B:MeOH0.05%ジエチルアミン,85mL/分にてA:B=75:25)を用いて分けた。検出波長は、254nmであった。溶媒を蒸発させて、ピーク2の黄色固体を得た。ジクロロメタン(100mL)中に溶解し、水(2×30mL)で洗浄し、デカントし、有機溶液を真空下で50℃以下にて濃縮して、7.2g(99.8%ee)の異性体2を白色固体として得た。
実施例27
2−[8−(2−クロロフェニル)−9−(2−メトキシエチル)−2−メチル−プリン−6−イル]−1,3,4,7,8,8a−ヘキサヒドロピロロ[1,2−a]ピラジン−6−オン塩酸塩,異性体2
Figure 0005669926
100mLフラスコを、2−[8−(2−クロロフェニル)−9−(2−ヒドロキシエチル)−2−メチル−プリン−6−イル]−1,3,4,7,8,8a−ヘキサヒドロピロロ[1,2−a]ピラジン−6−オン,異性体−2[C09111070−E](3.3g,7.73mmol)およびDMF(35mL)で満たし、その後ヨウ化メチル(1.24g,8.50mmol)で満たした。60%NaH(0.59g,13.9mmol)を少量ずつ10〜25℃にて加え、2時間撹拌した。混合物を攪拌しながら水(100mL)に注ぎ、溶液を酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。有機層を合わせ、水(2×50mL)で洗浄し、真空下で濃縮して、油を得た。粗生成物を、ジクロロメタン/メタノール(50:1)で溶出する、シリカゲル(100g)カラムクロマトグラフィーにより精製して、黄色固体を得た。固体を酢酸エチル(40mL)中に再溶解し、酢酸エチル中の1N HClの溶液を、固体が沈殿するまでゆっくり加えた。室温にて2時間攪拌し、ケーキを濾過し、酢酸エチル(10mL)で洗浄した。ケーキを真空下で乾燥させて、2.8gの標題化合物をオフホワイト固体(98.0%ee)として得た。ES/MS m/z 441.3(M+1).
CB およびCB のインビトロ機能アッセイ
例示した化合物は、SPAベースのGTP−γ−35S結合アッセイを使用して、アゴニスト様式で試験される。すべてのアッセイ成分は、20mM HEPES、100mM NaCl、5mM MgCl、(室温でpH 7.4)から構成されるアッセイ緩衝液中で調製される。半対数の化合物希釈を、BSA(最終0.125%)を含有するアッセイ緩衝液中で行う。GTP−γ35−S結合は、CBアッセイについて全膜捕捉技術およびCBアッセイについてこれまでに記載された抗体捕捉技術(DeLappら J Pharmacol Exp Ther 289:946−955、1999)の修飾を使用して、96ウェルフォーマットで測定される。すべてのインキュベーションを室温で行う。
CB
hCB−CHO膜、GDP(最終1uM)、およびサポニン(最終10ug/mL)をアッセイ緩衝液に加え、ホモジナイズする。希釈した化合物、GTP−γ−35S(最終500nM)および膜をアッセイプレートに加え、30分間インキュベートする。次いで1mg/ウェルのWheatgerm Agglutinin SPAビーズを加え、プレートを密閉し、ボルテックスにかけ、さらに1時間インキュベートする。次いでプレートを700×gで10分間遠心分離し、シンチレーションカウンタを使用して1ウェルあたり1分間計数する。
CB −Sf9:
hCB−Sf9膜およびGDP(最終1uM)をアッセイ緩衝液に加え、ホモジナイズする。希釈した化合物および膜をアッセイプレートに加え、15分間プレインキュベーショトする。この後、GTP−γ−35S(最終500nM)を加え、さらに35分間インキュベートする。次に、Nonidet P40洗浄剤(最終0.2%)、抗Gi抗体(1:362の最終希釈)、および1.25mgの抗ウサギ抗体シンチレーション近接アッセイビーズを含有する混合物を加える。次いでこのプレートを密閉し、ボルテックスにかけ、さらに2時間インキュベートし、この後、遠心分離し、CBについて計数する。
データを分析するために、最初にすべてのウェルからバックグラウンドを差し引く。アゴニスト/逆アゴニスト用量反応データを完全アゴニスト(メタンアンダミド(methanandamide))反応に対して正規化することにより、アゴニスト有効性パーセントを決定する。Activity BaseおよびXLFit3を用いた4パラメーターのロジスティック換算フィット(logistic reduced fit)を使用して、データを分析する。
例示した化合物のすべてを基本的に上記のとおりに試験し、各々が≦100nMのCBについての相対的EC50値を有することを見出した。実施例6は、CBについて2.7nMの相対的EC50値およびCBについて>100000nMの相対的EC50値を有する。実施例19は、CBについて22.4nM、およびCBについて>100000nMの相対的EC50値を有する。
このように、本発明の化合物はCBインビトロ活性を示す。さらに、本発明の化合物はCBよりもCBに対して選択性を示し、そのため中枢で媒介される副作用について限定的な潜在性をもたらす。
ヒトおよびラットのCB 受容体からの3H−CP55940の置換
Felderらの方法(Mol.Pharmaocol.48:443−450、1995)を、わずかの修飾を加えて利用した。具体的にいうと、ヒトまたはラットのCB受容体を安定にまたは一過性に発現する細胞由来の膜ホモジネートを遠心分離によって洗浄し、50mM Tris HCl(pH 7.4)、5mM MgCl、2.5mM EDTA、および0.1% BSA緩衝液中で希釈した。3H−CP55940の特異的結合を1μM CP55940を用いて定義した。特異的な3H−CP55940結合を置き換えるための化合物の能力を、300μlの量で室温で90分間インキュベートすることによって、1%ジメチルスルホキシドの存在下で、Tris、MgCl、EDTA、BSA緩衝液中で、ある濃度範囲にわたって試験した。水中の0.5%ポリビニルピロリドン、0.1%ポリソルベート20で前処理したUnifilter96ウェルマイクロプレートを冷Tris緩衝液で3回洗浄した。次いで反応混合物をフィルタープレートに移し、その直後に急速濾過および冷Tris緩衝液を用いる3回の200μlの洗浄によってインキュベートを停止した。フィルタープレートを乾燥した後、microscint20を各ウェルに加え、プレートを密閉し、毎分崩壊の測定のために計数した。置換曲線をグラフ化し、得られたKi値をGraphpad Prismを利用して決定した。
実施例8は、142nMのヒト受容体Ki値および37.5nMのラット受容体Ki値を有する。実施例13は、65.2nMのヒト受容体Ki値および215nMのラット受容体Ki値を有する。
このように、本発明の化合物は、ヒトおよびラットのCB受容体の両方に対してインビトロで結合することが示される。
モノヨードアセテート(MIA)モデル
すべての研究について、MIAモデルにおいて疼痛を測定するために、MIA注入時およそ8週齢の雄性のLewisラットを使用する。このラットを1ケージあたり2または3匹の群で収容し、一定温度および12時間明/12時間暗のサイクルで維持する。動物は、データ収集の間を除いていつでも餌および水をとることができる。
標準的なMIAモデルでは、各ラットの右膝に50ulの生理食塩水中の0.3mg MIAを、および左膝に50ulの生理食塩水を注射する。疼痛を、MIA注射後様々な時間で(通常、MIA注射後10日より前ではない)、インキャパシタンス試験(incapacitance testing)を使用して測定する。これは、MIAを注射した膝と生理食塩水を注射した膝との間の後足の体重支持の差を測定し、そして各測定は、各々1秒にわたって測定した3つの別個の測定の平均である。
CBアゴニストを用いた研究のために、ラットを用量群(n=5または6)に無作為化し、次いで検討中の化合物で1回投薬する。投薬は各ラットに対して15分間だけずらし、用量後の所定の時間(通常2時間)に、疼痛をインキャパシタンス試験を使用して測定する。研究は、通常は、4つの群、ビヒクル(0.25%ポリソルベート80を加えた水中の1%カルボキシメチルセルロース)、および単一用量での単一化合物であるか3つの用量の同じ化合物のいずれかであり得る3つの化合物群で行う。結果を、生理食塩水を注射した膝とMIAを注射した膝との間の体重支持の差として報告し、ビヒクルで処置した動物と化合物で処置した動物との間で統計比較を行い、このモデルにおける膝の疼痛に対する化合物の効果を評価する。
実施例19を基本的に上記のとおりに試験し、0.3および1mg/kgの用量で、ビヒクルより疼痛を軽減することが見出された。実施例18を基本的に上記のとおりに試験し、0.3mg/kgの用量でビヒクルより疼痛を軽減することが見出された。
このように、本発明の化合物は疼痛、特に関節痛の治療において有用であることが示される。
化学療法誘発性疼痛アッセイ
雄のHarlan Sprague Dawleyラット150〜200グラムを7日間、生態動物圏に慣らす。その動物を一定の温度で、12時間の明/12時間の暗サイクルに維持し、水および食物を自由に得られる状態で3〜4匹の群で収容する。研究の1日目にビヒクルで開始して、1日に2回、10mg/kg(経口)にて化合物、5mg/kgにてモルホリンを投与し、研究の期間(18日)、継続する。化学療法誘発性末梢神経障害を誘発させるために、1mg/kg(腹腔内)にてパクリタキセルを、4mg/kgの累積投与のために、2、4、6および8日目に投与する。
ラットを、後足を手にとることができるように、金網のプラットフォーム底を備える個々のプレキシガラスチャンバに入れる。15分〜1時間の順化期間後、後足の足底中央(mid−plantar)を坐骨神経分布内で評価する。剛性が対数増加する、一連の8つのフォンフレイヘア(von Frey hair)(0.41、0.70、1.20、2.00、3.63、5.50、8.50および15.10g)を後足に適用する。フォンフレイヘアをわずかに屈伸させるのに十分な力で足底面に対して垂直に与える。刺激を数秒の間隔で与える。足が激しく引き下がる場合、またはヘアを除去すると即座に後ろに下がることが観察される場合、陽性反応を記録する。研究の日に、行動のエンドポイントを投与の1時間後に評価する。ディクソンアップダウン(Dixon up−down)法を用いてスコアパターンを評価し、反応閾値に変換する(1980、Ann Rev Pharmacol Toxicol 20:441−462)。最大付与力は15.10グラムである。最初の行動評価を研究の10日目に行い、その後の測定を研究の12、15および18日目にする。
結果を、12匹/群のn匹について標準誤差と共に平均値(平均±SE)として表す。全ての統計的評価を、一元(one−way)ANOVA、続いてダネット(Dunnett’s)法による対照群との比較を利用して実施する。p<0.05である場合、統計的有意性を評価する。JMP統計的分析ソフトウェア(SAS Research Institute,バージョン6.0.2)を用いて統計的分析を実施する。
Figure 0005669926
は統計的有意性を示す
標準誤差と共に平均足引っ張り潜伏時間を、上記の表において実施例19、モルホリン、およびビヒクルについて示す。ビヒクルおよびモルホリンで処置した動物の両方と比較して、実施例19で処置した動物は研究の期間にわたって異痛をほとんど発症しなかった。このように、本発明の実施例19は、疼痛、特に化学療法誘発性末梢神経障害などの化学療法誘発性疼痛の予防において有用であることが示される。
ビーグル犬における投与量毒性試験
1匹の雄および1匹の雌のビーグル犬を使用して、CBアゴニストの単回強制経口投与後の急性毒性を評価する。そのイヌを個々に収容し、一定の温度および12時間の明/12時間の暗サイクルで維持する。CBアゴニストをビヒクル(精製水中の1%ヒドロキシエチルセルロース、0.25%ポリソルベート80、および0.05%Dow Corning(登録商標)Antifoam 1510−US)中で調製し、2mL/kgの用量体積で経口強制投与する。イヌを死亡率および臨床的観察について観察する(投与前、2時間の投与後、その後、午後に1日1回)。残っている食物の毎日の視覚的評価により食料消費を評価する。投与前および投与の48時間後、血液を回収して、血液学および臨床化学パラメーターに対する効果を評価する。投与の0.5、1、2、4、8および24時間後に血液を回収して、濃縮の間に血漿の毒物動態を評価する。
実施例19を30mg/kgの単回経口投与にて上記のように実質的に試験した。投与後の臨床的観察は嘔吐および拡張した瞳孔に限定した。投与後、19分、39分および2時間において雌の犬においてのみ嘔吐を記録した。投与後、2〜4時間に雄および雌のイヌにおいて拡張した瞳孔を記録した。雌のイヌにおいて減少した糞および最小量の減少した食料消費も記録した。血液学に対する効果は、雌のイヌにおける網状赤血球数のわずかな減少(投与前と比べて39%の変化)に限定した。30mg/kgにおける0〜24時間の平均曲線下面積(AUC0−24hr)は44451ng・hr/mLであった。30mg/kgにおける平均最大濃度(Cmax)は7537ng/mLであった。
このように、本発明の特定の化合物は、30mg/kgにてイヌにおいて制限された毒性を有し、その結果として、ヒトにおいて許容される副作用プロファイルについての可能性が示される。

Claims (18)

  1. 以下の式の化合物:
    Figure 0005669926

    (式中、
    は、ClまたはCHであり、
    は、OH、OCH、CHOHまたはCHOCHであり、
    は、Hであるか、またはRと結合して縮合ピロリジン−2−オンを形成し、
    は、C−Cアルキル、C−Cフルオロアルキル、C(O)CHまたはCOCHであり、
    は、H、CHまたはCHOCHであり、
    は、H、CHであるか、またはRと結合してシクロプロパン環を形成し、
    nは、0または1である)
    またはその薬学的に許容される塩。
  2. がClである、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  3. がOHまたはCHOHである、請求項1もしくは2のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  4. がCHOHである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  5. がHであり、Rがメチル、エチル、2−フルオロエチルまたはC(O)CHである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  6. がHであり、Rがメチルである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  7. およびRが、HおよびCHから独立して選択される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  8. がHであり、RがCHである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  9. nが0である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  10. 2−[8−(2−クロロ−フェニル)−2−メチル−6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−プリン−9−イル]−プロパン−1−オールである、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  11. (2R)−2−[8−(2−クロロフェニル)−2−メチル−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)プリン−9−イル]プロパン−1−オールである、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される希釈剤もしくは担体とを含む、医薬組成物。
  13. 1種以上の治療成分をさらに含む、請求項12に記載の医薬組成物。
  14. 治療に使用するための、請求項1〜11のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物
  15. 疼痛の治療または予防に使用するための、請求項1〜11のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物
  16. 疼痛の治療に使用するための、請求項15に記載の医薬組成物
  17. 疼痛が骨関節炎疼痛である、請求項16に記載の医薬組成物
  18. 疼痛が化学療法誘発性疼痛である、請求項15に記載の医薬組成物
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