JP5669228B2 - 多接合太陽電池およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、シリコンから構成された太陽電池セルと窒化物半導体から構成された太陽電池セルとを貼り合わせて構成した多接合太陽電池およびその製造方法に関するものである。
GaNをはじめとした窒化物半導体は、III族元素の混合比を変えることで、0.7〜6.2eVという広範な範囲のエネルギーギャップを有する材料が構成可能であるという特徴を有している。このバンドギャップ範囲は、いわゆる可視光の領域を完全に含んでおり、こうした特徴を生かしてLED(Light Emitting Diode)などに応用され、このLEDは、信号機や様々なディスプレイとして広く一般に使われている。
また、窒化物半導体のエネルギーギャップ範囲は、太陽光のスペクトルをほぼ網羅しており、こうしたことから発電効率の高い太陽電池を実現しうる材料として注目されている。例えば、非特許文献1では、単結晶シリコン系の太陽電池セルとInGaNで構成した太陽電池セルとのタンデム化により、31%の発電効率が見込めると予測している。また、単結晶シリコン系太陽電池セルに、2つのInGaN太陽電池セルを組み合わせた3接合太陽電池において、InGaNのエネルギーギャップを適切に選ぶことで35%の発電効率が見込めると予測している。
実際に、シリコンセルと窒化物半導体セルの多接合太陽電池を作製する試みも報告されている(非特許文献2参照)。このように、窒化物半導体は、超高効率な太陽電池の実現に対する高いポテンシャルを有しており、国内外で開発が進められている。
多接合太陽電池を作製する上で重要となるのは、セルとセルとを接続する部分での電力損失をいかに低減するか、ということにある。通常、低抵抗な接続として、トンネル接合を形成することが一般的である。シリコンセルとInGaNセルの貼り合わせを考えた場合、Si/InGaNヘテロ接合のバンドオフセットの関係から、特段の手段を用いなくてもトンネル接合が形成されることが計算から予測されている(非特許文献3参照)。
上述した知見を利用すると、例えば、図5Aに示すような構造の2接合太陽電池を構成することが可能となる。この2接合太陽電池は、シリコン太陽電池セル531と、窒化物半導体太陽電池セル532とから構成されている。
シリコン太陽電池セル531は、n型のシリコン基板501およびシリコン基板501の上(表面)に形成された高濃度にp型不純物が導入されたp型シリコン層502を備える。また、窒化物半導体太陽電池セル532は、n+−InGaNからなるn型窒化物半導体層503と、アンドープのInGaAsからなる光吸収層504と、p+−InGaNからなるp型窒化物半導体層505とから構成されている。
また、シリコン基板501の裏面には、高濃度にn型不純物が導入されたn型シリコン層506が形成され、ここに裏面電極507がオーミック接続している。一方、p型窒化物半導体層505の上には、部分的に表面電極508がオーミック接続し、表面電極508が形成されていない領域から、太陽光を導入可能としている。これらの各半導体層の積層方向のエネルギーバンドは、図5Bに示すように変化している。
L. Hsu et al. , "Modeling of InGaN/Si tandem solar cells", Journal of Applied Physics, vol.104, 024507, 2008. L. A. Reichertz et al. , "Demonstration of a III.Nitride/Silicon Tandem Solar Cell", Applied Physics Express, vol.2, 122202, 2009. J. W. Ager III et al. , "InGaN/Si heterojunction tandem solar cells", Proceeding of 2008 IEEE 33rd Photovoltaic Specialists Conference, A1-31, 2008.
ところで、上述した2接合太陽電池では、シリコン太陽電池セル531を形成したのちに、p型シリコン層502の上に、InGaNの成長を行う。このため、InGaN成長時の熱履歴により、シリコン太陽電池セル531の導電性不純物のドーピングプロファイルが崩れてしまい、設計通りのシリコン太陽電池セル531を形成することが難しい。
また、シリコン基板上にInGaNなどの窒化物半導体を成長する際には、通常AlNを核形成層とするため、図5Bに示すようなバンドプロファイルを得ることが困難である。また、シリコン基板上に、窒化物半導体をエピタキシャル成長させることは可能であるが、格子不整合・熱膨張係数の不整合などが、他の窒化物半導体成長用の基板よりも大きいため、高品質な結晶品質を得ることが極めて困難である。
これらの問題を回避するために、例えば、窒化物半導体太陽電池セル532を、GaN基板などの高品質なエピタキシャル成長が可能な基板を用いて作製し、これらと、あらかじめ作製しておいたシリコン太陽電池セル531とを貼り合わせることが考えられる。この貼り合わせによる作製方法によれば、上述した3つの問題を回避できる。しかし、この貼り合わせ方法では、以下のような問題が存在する。
まず、接合界面がトンネル接合となるため、各々の太陽電池セルを貼り合わせる表面における自然酸化膜や炭素などの付着物(不純物)が、トンネル接合の特性を劣化させてしまい、低抵抗な接合が得られない。
また、窒化物半導体太陽電池セル532は、GaN基板上に成長させることで形成しているとはいえ、貼り合わせ面となるInGaNからなるn型窒化物半導体層503の表面平坦性は、通常、二乗平均粗さ(RMS)値にして数nm以上ある。貼り合わせる界面に接着剤やメタルのような物質を挟まない、いわゆる直接貼り合わせに要求される平坦性は、通常1nm未満であるため、平坦性の悪い状態の表面で貼り合わせても強固な接合は得られない。また、平坦性の悪い状態では、貼り合わせ自体が実現できないこともある。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、より容易に製造できる状態で、シリコンからなる太陽電池セルと窒化物半導体からなる太陽電池セルとからなる多接合太陽電池において、各太陽電池セルの間の良好な電気伝導性が得られて効率よく発電ができるようにすることを目的とする。
本発明に係る多接合太陽電池は、n型のシリコン基板,シリコン基板の上に形成されたp型のシリコンからなるp型シリコン層,およびp型シリコン層の上に接して形成されたn型のシリコンからなるn型シリコン層を備える第1太陽電池セルと、太陽光を吸収するp型の窒化物半導体からなるp型窒化物半導体層,太陽光を吸収するn型の窒化物半導体からなるn型窒化物半導体層,およびn型のGaNからなるn型GaN層を備える第2太陽電池セルとを備え、n型シリコン層とn型GaN層が貼り合わされて第1太陽電池セルおよび第2太陽電池セルが一体とされ、p型シリコン層の上に、n型シリコン層,n型窒化物半導体層,およびp型窒化物半導体層が、これらの順に積層され、p型シリコン層とn型シリコン層とによりトンネル接合が形成されている。
上記多接合太陽電池において、p型窒化物半導体層とn型窒化物半導体層との間に形成された太陽光を吸収するアンドープの窒化物半導体からなる窒化物半導体層を備えるようにしてもよい。
本発明に係る多接合太陽電池の製造方法は、n型のシリコン基板,シリコン基板の上に形成されたp型のシリコンからなるp型シリコン層,およびp型シリコン層の上に接して形成されたn型のシリコンからなるn型シリコン層を備える第1太陽電池セルを作製し、p型シリコン層とn型シリコン層とによりトンネル接合が形成された状態とする第1工程と、太陽光を吸収するp型の窒化物半導体からなるp型窒化物半導体層,太陽光を吸収するn型の窒化物半導体からなるn型窒化物半導体層,およびn型のGaNからなるn型GaN層を備える第2太陽電池セルを作製する第2工程と、n型シリコン層とn型GaN層とを貼り合わせて第1太陽電池セルと第2太陽電池セルとを一体にし、p型シリコン層の上に、n型シリコン層,n型GaN層,n型窒化物半導体層,およびp型窒化物半導体層が、これらの順に積層された状態とする第3工程とを備える。
上記多接合太陽電池の製造方法において、第2工程では、p型窒化物半導体層とn型窒化物半導体層との間に形成された太陽光を吸収するアンドープの窒化物半導体からなる窒化物半導体層を備える第2太陽電池セルを作製するようにしてもよい。
以上説明したことにより、本発明によれば、より容易に製造できる状態で、シリコンからなる太陽電池セルと窒化物半導体からなる太陽電池セルとからなる多接合太陽電池において、各太陽電池セルの間の良好な電気伝導性が得られて効率よく発電ができるようになるという優れた効果が得られる。
図1Aは、本発明の実施の形態における多接合太陽電池の構成を模式的に示す断面図である。 図1Bは、本発明の実施の形態における多接合太陽電池における、各層の積層方向のエネルギーバンドの変化を示すバンド図である。 図2は、サファイア基板上にエピタキシャル成長したn+−GaN層の表面に、n+型シリコン基板を直接貼り合わせた試料における電流・電圧特性を示した特性図である。 図3は、窒化物半導体層の表面状態をAFM(Atomic Force Microscope)により観察した結果を説明するための説明図である。 図4Aは、本発明の実施の形態における多接合太陽電池の製造方法の途中工程における状態を模式的に示す断面図である。 図4Bは、本発明の実施の形態における多接合太陽電池の製造方法の途中工程における状態を模式的に示す断面図である。 図4Cは、本発明の実施の形態における多接合太陽電池の製造方法の途中工程における状態を模式的に示す断面図である。 図4Dは、本発明の実施の形態における多接合太陽電池の製造方法の途中工程における状態を模式的に示す断面図である。 図4Eは、本発明の実施の形態における多接合太陽電池の製造方法の途中工程における状態を模式的に示す断面図である。 図5Aは、2接合太陽電池の構成を模式的に示す断面図である。 図5Bは、2接合太陽電池における各層の積層方向のエネルギーバンドの変化を示すバンド図である。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。まず、実施の形態における多接合太陽電池の構成について、図1A,図1Bを用いて説明する。図1Aは、本発明の実施の形態における多接合太陽電池の構成を模式的に示す断面図である。また、図1Bは、本発明の実施の形態における多接合太陽電池における、各層の積層方向のエネルギーバンドの変化を示すバンド図である。
この多接合太陽電池は、第1太陽電池セル131と第2太陽電池セル132とから構成されている。まず、第1太陽電池セル131は、n型のシリコン基板101およびシリコン基板101の上に形成されたp型のシリコンからなるp型シリコン層102から構成されている。また、第1太陽電池セル131は、p型シリコン層102の上に接して形成されたn型のシリコンからなるn型シリコン層109を備える。
一方、第2太陽電池セル132は、太陽光を吸収するp型の窒化物半導体からなるp型窒化物半導体層105、太陽光を吸収するn型の窒化物半導体からなるn型窒化物半導体層103,およびn型のGaNからなるn型GaN層110を備える。
また、n型シリコン層109とn型GaN層110とが貼り合わされて第1太陽電池セルおよび第2太陽電池セルが一体とされている。このように一体とすることで、p型シリコン層102の上に、n型シリコン層109,n型GaN層110,n型窒化物半導体層103,およびp型窒化物半導体層105が、これらの順に積層された状態となる。また、p型シリコン層102とn型シリコン層109とにより、トンネル接合が形成されている。
なお、第1太陽電池セル131は、シリコン基板101の裏面に、高濃度にn型不純物が導入されたn型シリコン層106が形成され、このn型シリコン層106に裏面電極107がオーミック接続している。
また、第2太陽電池セル132は、n型窒化物半導体層103とp型窒化物半導体層105との間に、アンドープの窒化物半導体からなる窒化物半導体層104が形成されている。この例では、主に、窒化物半導体層104が第2太陽電池セル132における光吸収層となる。
p型窒化物半導体層105の上には、部分的に表面電極108がオーミック接続し、表面電極108が形成されていない領域から、太陽光を導入可能としている。これらの各半導体層の積層方向のエネルギーバンドは、図1Bに示すように変化している。
ここで、p型シリコン層102は、シリコンに対するp型不純物を高濃度に導入したp+−Siの領域であり、n型シリコン層109は、シリコンに対するn型不純物を高濃度に導入したn+−Siの領域である。また、n型シリコン層106は、n型不純物を高濃度に導入したn+−Siの領域である。これらは、よく知られたイオン注入法により形成することができる。
また、n型窒化物半導体層103は、n型の不純物が高濃度に添加されたn+−InGaNから構成し、窒化物半導体層104は、アンドープのInGaNから構成し、p型窒化物半導体層105は、p型の不純物が高濃度に添加されたp+−InGaNから構成することができる。また、n型GaN層110は、n型の不純物が高濃度に添加されたn+−GaNから構成する。
実施の形態における多接合太陽電池は、まず、第1太陽電池セル131と第2太陽電池セル132との貼り合わせを、n型のシリコンの層(n型シリコン層109)とn型のGaNの層(n型GaN層110)とで行っている所に特徴がある。
この特徴についてより詳細に説明する。非特許文献1にもあるように、シリコンの伝導帯端とGaNの伝導帯端は、真空準位からのエネルギー量がほぼ等しい。従って、図1Bに示すように、n型シリコン層109とn型GaN層110との界面における伝導帯のバンドオフセットはほとんどない。この特徴により、第2太陽電池セル132で生成してn型GaN層110に到達した光誘起電子は、何の障壁もなくn型シリコン層109に移動し、n型シリコン層109とp型シリコン層102とのトンネル接合へと達することが可能となる。これは貼り合わせ界面における電力損失を避ける上で重要である。
図2の(a)は、図2の(b)に示す試料における電流・電圧特性を示した特性図である。図2の(b)に示す試料は、サファイア基板上にエピタキシャル成長したn+−GaN層の表面に、n+型シリコン基板を直接貼り合わせて形成している。図2の(a)に示すように、試料におけるn+−GaN層とn+型シリコン基板とは、ほぼ完全なオーミック性を示している。この結果より明らかなように、第2太陽電池セル132で生成してn型GaN層110に到達した光誘起電子は、何の障壁もなくn型シリコン層109に移動し、n型シリコン層109とp型シリコン層102とのトンネル接合へと達することが可能となる。
また、第1太陽電池セル131におけるp型シリコン層102とn型シリコン層109とにより、トンネル接合を形成している所に次の特徴がある。このトンネル接合により、第1太陽電池セル131と第2太陽電池セル132との間における電力損失を低減している。このように、第1太陽電池セル131と第2太陽電池セル132との貼り合わせ面とは異なり、シリコンからなる第1太陽電池セル131の側に、トンネル接合を形成していることが大きな特徴となっている。この構成により、第2太陽電池セル132の側にトンネル接合を形成する場合に比較して、より容易に作製することが可能となる。
ところで、上述した貼り合わせにおいては、貼り合わせ面における平坦性が重要となる。図3は、各窒化物半導体層の表面状態をAFM(Atomic Force Microscope)により観察した結果を説明するための説明図である。図3において、(a)は、GaN基板上にp型InGaN層、アンドープInGaN層、およびn型InGaN層を順次成膜して形成したn型InGaN層の表面状態を示している。また、図3において、(b)は、GaN基板上にp型InGaN層、アンドープInGaN層、n型InGaN層、およびn型GaN層を順次成膜して形成したn型GaN層の表面状態を示している。
図3の(a)に示すように、n型InGaN層の表面は凹凸が激しく、RMS値として17nmであった。この状態では、直接の貼り合わせは困難(不可能)である。これに対し、図3の(b)に示すように、n型GaN層の表面は、平坦性が改善し、RMS値も0.92nmとなった。このような状態の表面であれば直接の貼り合わせ(直接接合)が可能となる。
なお、上述では、貼り合わせ界面に接着剤等を挟まない直接貼り合わせとした。これは、貼り合わせ界面での光の損失を回避するためである。従って、太陽電池の特性を考慮し、構造設計上許容されるのであれば、透明電極のような材質を挟んで貼り合わせるようにしてもよい。また、電力損失につながらないような低抵抗な物質であれば、各種接着剤を用いて貼り合わせをしてもよい。
次に、本発明の実施の形態における多接合太陽電池の製造方法について、図4A〜図4Eを用いて説明する。図4A〜図4Eは、本発明の実施の形態における多接合太陽電池の製造方法の途中工程における状態を模式的に示す断面図である。
まず、図4Aに示すように、n型のシリコン基板101を用意し,シリコン基板101の表面に、p型シリコン層102およびn型シリコン層109を形成する。このように、p型シリコン層102とn型シリコン層109とによりトンネル接合が形成された状態とする。また、シリコン基板101の裏面に、n型シリコン層106形成する。これらが第1太陽電池セルとなる。例えば、よく知られたイオン注入法により、p型シリコン層102,n型シリコン層109,およびn型シリコン層106を形成すればよい。
次に、図4Bに示すように、GaNからなる基板201の上に、よく知られた有機金属気相成長法により、p+−InGaN,アンドープInGaN,n+−InGaN,およびn+−GaNを順次に堆積(エピタキシャル成長)し、p型窒化物半導体層105,窒化物半導体層104,n型窒化物半導体層103,およびn型GaN層110が、これらの順に基板201の上に積層された状態とする。InGaNは、吸収波長が太陽光のスペクトルに存在する組成とする。ここで、最表面を、GaNからなるn型GaN層110としておくことが重要である。前述したように平坦な表面状態とするためには、n型GaN層110は、層厚50nm以上とすればよい。これらにより、第2太陽電池セルが構成される。
次に、図4Cに示すように、n型シリコン層109とn型GaN層110とを貼り合わせ、第1太陽電池セル131と第2太陽電池セル132とを一体とする。例えば、表面活性ボンディング装置などの直接接合のための装置を用いて貼り合わせればよい。この状態では、少なくとも、p型シリコン層102の上に、n型シリコン層109,n型GaN層110,n型窒化物半導体層103,およびp型窒化物半導体層105が、これらの順に積層された状態となる。なお、この例では、n型窒化物半導体層103とp型窒化物半導体層105との間に、窒化物半導体層104が配置される。
次に、研磨法などにより、基板201を薄層化し、除去する。この結果、図4Dに示すように、第1太陽電池セル131と第2太陽電池セル132とが一体となった多接合太陽電池が得られる。次いで、p+−InGaAsの層を活性化するための熱処理を行う。この後、図4Eに示すように、裏面電極107および表面電極108を形成し、また、表面電極108が形成されていないp型窒化物半導体層105の上に、反射防止層111を形成する。
以上に説明したように、本発明では、シリコンからなる第1太陽電池セルのp型シリコン層にn型シリコン層を接して形成してトンネル接合を構成し、このn型シリコン層に窒化物半導体からなる第2太陽電池セルのn型GaN層を貼り合わせることで、第1太陽電池セルと第2太陽電池セルとを一体にした。この結果、本発明によれば、より容易に製造できる状態で、各太陽電池セルの間の良好な電気伝導性が得られて効率よく発電ができる多接合太陽電池が、得られるようになる。
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形および組み合わせが実施可能であることは明白である。例えば、p型窒化物半導体層およびn型窒化物半導体層は、InGaNに限らず、太陽光を吸収する他の窒化物半導体から構成してもよい。なお、GaNに格子整合する材料を選択するとよい。
101…シリコン基板、102…p型シリコン層、103…p型シリコン層、104…窒化物半導体層、105…p型窒化物半導体層、106…n型シリコン層、107…裏面電極、108…表面電極、109…n型シリコン層、110…n型GaN層、131…第1太陽電池セル、132…第2太陽電池セル。

Claims (4)

  1. n型のシリコン基板,前記シリコン基板の上に形成されたp型のシリコンからなるp型シリコン層,および前記p型シリコン層の上に接して形成されたn型のシリコンからなるn型シリコン層を備える第1太陽電池セルと、
    太陽光を吸収するp型の窒化物半導体からなるp型窒化物半導体層,太陽光を吸収するn型の窒化物半導体からなるn型窒化物半導体層,およびn型のGaNからなるn型GaN層を備える第2太陽電池セルと
    を備え、
    前記n型シリコン層と前記n型GaN層が貼り合わされて前記第1太陽電池セルおよび前記第2太陽電池セルが一体とされ、
    前記p型シリコン層の上に、前記n型シリコン層,前記n型窒化物半導体層,および前記p型窒化物半導体層が、これらの順に積層され、
    前記p型シリコン層と前記n型シリコン層とによりトンネル接合が形成されていることを特徴とする多接合太陽電池。
  2. 請求項1記載の多接合太陽電池において、
    前記p型窒化物半導体層と前記n型窒化物半導体層との間に形成された太陽光を吸収するアンドープの窒化物半導体からなる窒化物半導体層を備えることを特徴とする多接合太陽電池。
  3. n型のシリコン基板,前記シリコン基板の上に形成されたp型のシリコンからなるp型シリコン層,および前記p型シリコン層の上に接して形成されたn型のシリコンからなるn型シリコン層を備える第1太陽電池セルを作製し、前記p型シリコン層と前記n型シリコン層とによりトンネル接合が形成された状態とする第1工程と、
    太陽光を吸収するp型の窒化物半導体からなるp型窒化物半導体層,太陽光を吸収するn型の窒化物半導体からなるn型窒化物半導体層,およびn型のGaNからなるn型GaN層を備える第2太陽電池セルを作製する第2工程と、
    前記n型シリコン層と前記n型GaN層とを貼り合わせて前記第1太陽電池セルと前記第2太陽電池セルとを一体にし、前記p型シリコン層の上に、前記n型シリコン層,前記n型GaN層,前記n型窒化物半導体層,および前記p型窒化物半導体層が、これらの順に積層された状態とする第3工程と
    を備えることを特徴とする多接合太陽電池の製造方法。
  4. 請求項3記載の多接合太陽電池の製造方法において、
    前記第2工程では、前記p型窒化物半導体層と前記n型窒化物半導体層との間に形成された太陽光を吸収するアンドープの窒化物半導体からなる窒化物半導体層を備える前記第2太陽電池セルを作製することを特徴とする多接合太陽電池の製造方法。
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